アルダワ魔王戦争6-E〜殺人歯車とスライムオルカ
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「ファーストダンジョンの攻略も、半分を越えたようじゃな」
ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)は、改めてファーストダンジョンの攻略具合を見てそう切り出した。
「じゃが、まだまだ未知の領域が残っておる。これからどうなるかわからぬ限り、このまま攻略の手を緩めるべきではないじゃろう」
ガングランは猟兵達の目の前でファーストダンジョンの攻略状況を記した地図を広げ、一点を指差した。
「今回、おぬしらに攻略を頼みたいのはここ――蒸気で動く殺人歯車が行き来しているダンジョンじゃ」
このダンジョンでは、無数の殺人歯車が襲ってくるトラップが張り巡らされている。加えて、ここには災魔も大量に潜んでいる――殺人歯車は、戦闘中であろうと容赦なく襲い掛かってくるのだ。
「ようするに、殺人歯車を回避しながらの戦闘となる。歯車にやられれば、痛いではすまんぞ?」
ただ、不幸中の幸いか。殺人歯車に敵味方の識別はない。敵側も巻き込まれてダメージを追う可能性があるのだ。
「おぬしらに攻略してほしい戦場に住み着いておるのは、スライムオルカじゃ。鯱に似たスライムで、数十匹の群で行動するらしい」
水陸両用であるスライムオルカは、見た目に反し素早く好奇心旺盛で何でも食べる事で知られている。何でも遠目には可愛らしいため、油断して近づいた学園生徒が犠牲になるという例も残っているらしい。
「今必要なのは、確実な攻略じゃ。殺人歯車にどう対処するか、その上で油断せずスライムオルカの群れを駆逐してくれい」
波多野志郎
蒸気で動く歯車! スチームパンク感出てますね! どうも、波多野志郎です。
今回はアルダワ魔王戦争にて、無数の殺人歯車が仕掛けられたトラップダンジョンで戦っていただきます。
今回のプレイングボーナスは、「殺人歯車を回避したり利用する方法」事です。いかに食らわないか、あるいは敵を巻き込むかのアイデア勝負となっております。
それでは剣呑なトラップが潜むダンジョンで、お待ちいたしております!
第1章 集団戦
『スライムオルカ』
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POW : スラオルカアタック
【見た目からは想像もつかない勢いで放たれた】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【群の仲間達】の協力があれば威力が倍増する。
SPD : オルキヌスミューカス
自身に【相手の動きを封じる猛毒の粘液】をまとい、高速移動と【その粘液】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : ハイドロブレス
【口】から【膨大な量の水】を放ち、【水圧や】により対象の動きを一時的に封じる。
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照崎・舞雪
最初のうちは歯車と敵の攻撃を回避することに専念しておくのです
スライムオルカや歯車の動きをある程度把握してからが本番ですね
ここの歯車が蒸気によって動いているのなら、その蒸気を冷却して水に戻してまえば止まるかもしれません
停止までいかなくとも、動きが鈍くなる可能性はあるのです
また、敵の攻撃の口からの水噴射や毒の粘液
これも凍らせてしまえば脅威は減ると思うのです
というわけでコードレス・アイスエイジを使って凍らせていくのですよ
レクス・マグヌス
WIZ
【心情】
まだ半分と言うべきか、もう半分と言うべきか……
まだまだ油断はできないな
【戦闘】
「嵐よ起きろ、戦いの時だ!」
「敵を盾にする」「残像」「地形の利用」によって殺人歯車を誘導し、スライムオルカと殺人歯車がぶつかるようにする
ユーベルコードに対しては「ジャンプ」「空中戦」によって、水を回避して有利な場所を選ぶ
「生命力吸収」「属性攻撃」によって一気に攻撃を仕掛ける
「生憎と、水のある戦場は得意とするところだ。そうそう捕まえられると思わないでほしいな」
この1年で様々な世界での戦闘をしてきた経験が生きた所かな
さぁ、この調子でアルダワの戦いも終わらせよう!
黒鋼・ひらり
金属…それも蒸気動力とは言え機械ならいくらでも利用のしようはあるわね。
金属なら磁力操作も出来るし機械なら猶更…単純に磁力反発で弾き飛ばすなり、内部機構狂わせて動作不良起こさせる事だって可能な筈よ(オーラ防御、吹き飛ばし、念動力、おびき寄せ)、弾き飛ばした歯車で災魔を巻込めれば一石二鳥だけれど
…だからって勿論油断して喰らえば痛いで済まないのは確か…災魔の突進で逆に跳ね飛ばされるのも厄介だし、シューズのギミックや鎖を使っての移動で壁や天井を三次元的に使いつつ回避(ジャンプ、ダッシュ、ロープワーク)、斧槍を磁力射出して交戦しつつタイミングを見てUC発動…歯車やばらまいた武器の一斉発射で片を付けるわよ
御剣・刀也
殺人歯車に鯱型のスライムか
なんともまぁ、退屈しないところだな
歯車は避けつつ、このスライムたちを斬り伏せようかね
突進は動きが速い分急な方向転換や停止ができないと思うので、突進してきたら第六感、見切り、残像を駆使して避ける。武器受けでは受けず、避けることに専念する
通り過ぎて止まった所をダッシュで追いついて、捨て身の一撃で切り捨てる
殺人歯車は音と、第六感で位置を把握し、進行上と判断したら避ける
間に合わないならその殺人歯車を斬り捨てる
「鯱のスライムね。確かにスピードは鯱並み。が、まっすぐ進むだけじゃ、獲物は狩れんよ」
灯璃・ファルシュピーゲル
アドリブ歓迎
ハヤトさん(f02564)と参加
帰還後でしたらいい魚料理をご馳走しますよ
(笑顔で安全装置を外し)
まずは(情報収集・戦闘知識)で歯車の軌道と敵の動きを把握
同時に相方の動きも把握し常に死角を補い合うよう連携
歯車は軌道予想を立て余裕を持って避ける様努め
回避が厳しい時はUC:ウロボロスアーセナルで
チョバムアーマーの傾斜装甲板を生成
(見切り)で受け流す角度に生成展開し防御
可能な時は歯車で遮蔽を取りつつ(スナイパー・先制攻撃)で
突出し先導してる個体を狙撃し敵の連携を妨害
相方の機動戦を支援しつつ戦闘
敵が吶喊して来た場合は指定UCで黒霧と狼達を展開
し敵の視覚を霧で奪いつつ狼で歯車の軌道上に誘い込む
ハヤト・ノーフィアライツ
アドリブ歓迎。
灯璃嬢(f02585)と連携。
コイツは釣っても食えそうにないな。
じゃ、そいつに期待して…始めるか。
まず【ジャンプ、空中浮遊】で飛んで、【視力】で周囲の殺人歯車の位置関係を確認。
【戦闘知識】を駆使して立ち回りを決定。
決まったらゴーだ。
指定UCを使用、宇宙バイクに【騎乗】して突っ込むぜ。
【ダッシュ、ジャンプ、空中戦】を駆使して戦場を走りながら戦闘だ。
槍を振るって【ランスチャージ、串刺し】等で連中を攻撃しつつ、
【踏みつけ】たり歯車の方へ【吹き飛ばし】たりする。
攻撃は【早業】で回避
中折れ帽のバーチャルレイヤー機能を利用した【迷彩】による撹乱、
【空中浮遊】等も駆使し、戦場を引っ掻き回そう。
●蒸気歯車迷宮
ガゴンガゴン、と物々しい音と振動が迷宮を覆う。その蒸気によって動く歯車が張り巡らされた迷宮を見て、レクス・マグヌス(嵐をもたらすもの・f07818)は呟いた。
「まだ半分と言うべきか、もう半分と言うべきか……まだまだ油断はできないな」
ダンジョン攻略において、攻略側とダンジョン側では圧倒的に後者が有利だ。攻略側はどこかで躓けば終わりだ――レクスの言う通り、最後の最後まで勝敗はわからない。
猟兵達がダンジョンを進んでいくと、ほどなくしてソレと遭遇する。どこか愛嬌のある鯱型のスライム――スライムオルカだ。しかし、ここに来て姿に惑わされる者などいない。敵は災魔、オブリビオンだ。猟兵、そして今を生きる者の敵なのだから。
スライムオルカから向けられる殺気に、ハヤト・ノーフィアライツ(Knight Falcon・f02564)は中折れ帽を片手で押さえ、ため息をこぼす。
「コイツは釣っても食えそうにないな」
「帰還後でしたらいい魚料理をご馳走しますよ」
笑顔でHk477K-SOPMOD3"Schutzhund"の安全装置を外しながら言う灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)に、ハヤトは小さく笑みを浮かべた。
「じゃ、そいつに期待して……始めるか」
その瞬間だ。ガリガリガリ! と火花を散らして殺人歯車が猟兵達を襲ったのは。猟兵達はその歯車に即座に反応、跳躍して飛び越える!
そこへ、三体のスライムオルカが口から凄まじい勢いの水流を撃ち込んだ――ハイドロブレスだ。空中では、回避行動は取れない。だが、その水のブレスは唐突に凍りついて自重に耐えきれずに中折れした。
「遥か古の大氷期よ、ここに再演あれ! 今、超常の力すらも凍てつかん!」
照崎・舞雪(未来照らし舞う雪の明かり・f05079)のコードレス・アイスエイジだ。スライムオルカがハイドロブレスを使うと事前に調べていたからこそ、完全なタイミングでの相殺だった。
「殺人歯車に鯱型のスライムか。なんともまぁ、退屈しないところだな」
降り立ち、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)が獅子吼を抜く。そして、唸りを上げて迫る殺人歯車と戦いの気配に誘われて集まってくるスライムオルカの群れを一望した。
「歯車は避けつつ、このスライムたちを斬り伏せようかね」
●敵の敵は、敵
「金属……それも蒸気動力とは言え機械ならいくらでも利用のしようはあるわね」
磁力を駆使して戦う黒鋼・ひらり(鐵の彗星・f18062)にとって、殺人歯車の接近は手に取るようにわかった。バチリ、と肌で弾けるような感覚を左斜め後ろから感じて、ひらりは大きく跳躍する。
そこへ、スライムオルカの猛毒の粘液が飛んだ。落下のタイミングに合わせたオルキヌスミューカスだったが、その粘膜は虚しく空を切る――ひらりがギミックシューズ【ゲッコウ】の磁力で天井に張り付いて止まったからだ。
そして、ひらりはハルバード【ミーティア】を磁力によって加速、射出させる! ドン! と地面ごとスライムオルカが貫かれ、そのまま四散した。
「次!」
磁力でハルバード【ミーティア】を引き戻し、ひらりは着地する。その着地と同時に、レクスが動いた。
「嵐よ起きろ、戦いの時だ!」
剣の軍勢(インベル・アウクシリア)――レクスの左右に嵐の騎士と妖剣の下僕が召喚される。嵐の騎士は妖剣を掴むと、真横に振り払う。その薙ぎ払いは妖剣の腹でスライムオルカを殴打、その勢いで殺人歯車へと激突させてすり潰した。
「さて――」
「決まりましたか?」
高い跳躍から降り立つハヤトに、灯璃が問いかける。ハヤトは機甲竜槍・ゴリアスを手に、答えた。
「大体な」
ハヤトはグランドファルコンに跨ると、アクセルをふかす。エグゾースト音が鳴り響き、機甲竜槍・ゴリアスを騎兵のように抱え走り出した。
「行くぜ、相棒! お前さんの本気を、奴らに見せてやろうぜ!」
スライムオルカの突進と同時、ハヤトが駆ける。機甲竜槍・ゴリアスの切っ先がスライムオルカを刺し貫き、ハヤトはそのままランスの切っ先を高く上げる――その瞬間、頭上に噛み合うように現れた殺人歯車がスライムオルカを巻き込み、消し飛ばした。
歯車の位置関係、動き、タイミング――それらをファルコン・アイによって情報処理していたからこその動きである。ジグザグに交差し、ハヤトは床の歯車を掻い潜ると、∪ターンした。
「灯璃嬢!」
「はい!」
ハヤトの指摘に、即座に灯璃も動く。
「……Was nicht ist, kann noch werden.」
ガシャン! と灯璃を囲むのは狙撃兵用のシールドだ。その直後に、スライムオルカ達の水のブレスが分厚いシールドに弾かれた。そして、一体一体丁寧にHk477K-SOPMOD3"Schutzhund"の狙撃で灯璃はスライムオルカを撃ち抜いていく。
「結構、複雑ですね」
殺人歯車の動きを把握しながら、舞雪は呟く。迫るスライムオルカをコードレス・アイスエイジによって凍らせると、そこを刀也の後ろ回し蹴りが蹴飛ばした。
ガリガリガリガリ! と歯車へ蹴飛ばされた凍ったスライムオルカが砕かれていく。それを眺め、刀也は言い捨てる。
「アミューズメントとしては面白いがな、それだけだ」
スライムオルカの数は多い、まだまだ湧いてくる――それを見て、猟兵達は連携して動き出した。
●鎧袖一触
スライムオルカの群れと、殺人歯車に連携というものは存在しない。互いがただ、勝手に動くだけ――そのような動きで、もはや歴戦の猟兵達の相手になるはずもなかった。
「Sammeln!Praesentiert das Gewehr! ……仕事の時間だ、狼達≪Kamerad≫!」
Schwarzwald Wolfsschanze(シュヴァルツヴァルト・ヴォルフスシャンツェ)――灯璃の展開する全ての光を飲む漆黒の森の様な霧が、周囲を埋め尽くしていく。そして、スライムオルカ達を追い立てるように、光すらも喰らい尽くす狼のような影の群れが疾走した。
スライムオルカ達は、その影に後退する――だが、それこそ灯璃の思うツボだった。霧に隠れ、待ち構えていたのは噛み合って迫る二つの殺人歯車だったのだから。
多くのスライムオルカが歯車に飲み込まれ、何体かは異変に気付いて避ける事に成功する。そこを待ち構えていたのは、グランドファルコンを駆るハヤトだ。
「おっと、逃さんぜ」
グランドファルコンの疾走に、スライムオルカ達が無残に轢き潰される。かろうじて動いていたモノも、遅れてやってきた歯車に飲み込まれて四散した。
「生憎と、水のある戦場は得意とするところだ。そうそう捕まえられると思わないでほしいな」
スライムオルカ達の水のブレスを回避し、レクスが言い捨てる。この1年で様々な世界での戦闘をしてきた経験が生きた所かな、と呟き、災厄の名を冠する魔剣を振るってスライムオルカ達を切り捨てていった。
「遥か古の大氷期よ、ここに再演あれ! 今、超常の力すらも凍てつかん!」
舞雪のコードレス・アイスエイジが、ダンジョン内に吹き荒れていく。ガキン……、と鳴り止まなかった歯車の音が、止む。ダンジョン全体の殺人歯車の機構を、凍らせたのだ――それは、ほんの数秒の停止に過ぎない……はずだった。
「諸共纏めて……ブッ飛ばしてやるわよ!!!」
ゴォ!! とダンジョンの各部が破砕しながら、大量の歯車が姿を現す――ひらりの磁界流星群(マグネット・メテオストーム)だ。視界に収めた歯車を察知するのと同時に、磁力を帯びさせていたのだ。舞雪のコードレス・アイスエイジによって止まった瞬間、その磁力を全て操り、大量の歯車の嵐を巻き起こしたのである。
轟音を鳴り響かせ、スライムオルカの群れが潰されていく。その中の数体が、決死の覚悟で飛び出し猟兵達を狙って突進してきた。
その前に立ち塞がったのは、刀也だ。
「鯱のスライムね。確かにスピードは鯱並み。が、まっすぐ進むだけじゃ、獲物は狩れんよ」
繰り出されるのは渾身、捨て身の斬撃――迫るスライムオルカ達を、刀也は宙を舞う歯車ごと両断した。
ガランガランガラン、と歯車が落ちる轟音が鳴り響く。それが戦いの終幕を告げる音だと知るからこそ、レクスは決意を込めて言った。
「さぁ、この調子でアルダワの戦いも終わらせよう!」
最後の最後、完全攻略の瞬間まで気は抜けない。それでも確かに価値のある一勝を、猟兵達はここに得たのだった……。
大成功
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