アルダワ魔王戦争4-B〜魔に堕ちし呪怪王〜
●ファーストダンジョン・迷宮区画「内臓洞窟」
「一気呵成の素晴らしき精兵達だ。まさかダークゾーンも無限災群も、ここまで攻め破られるとはな」
ファーストダンジョン中層。生物の内臓の内部のような、ぶよぶよした洞窟の中心部で、大魔王第三形態「セレブラム・オルクス」は感嘆する。大魔王の予想以上の猟兵の攻略速度のためだ。
「だが、私達には「時間」が味方をしている。完勝である必要は無い。最後に全てを喰らえれば、どのような道程を取ろうが構わないのだ。加えて今の私には、『命を捨てて戦える』という強みもある」
そのための形態。そのために知恵を得た。最後にこの世界に君臨するのが大魔王であれば、何の問題もないのだ。故にセレブラム・オルクスは焦らない。
「一気呵成の勇者達と、死物狂いの大魔王。まだ私には、どちらが勝つか読み取る程の知恵は無いらしい」
先が読めない戦い。だがこちらは負けるつもりなどなく、全力を持ってこのエリアで猟兵達を待ち構える。その不気味な巨体は、強く蠢いた。
●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「予想を超える速さで進行して、大魔王も内心では焦っているじゃなかろうかのー」
ファーストダンジョンの闇を驚異的な速さで晴らしていく猟兵達に賛辞の感想を述べつつ、、グリモア猟兵メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は大画面の電脳ウィンドウを開く。
そのこには見覚えのある姿。おそらくすべての猟兵がアルダワ魔法戦争が始まる前に見た予兆にいた災魔。大魔王第三形態「セレブラム・オルクス」である。
「今回は生物の内臓の内部のような、ぶよぶよした洞窟が戦場じゃのー。不気味に脈打っている上、消化液や毒液が染み出してきておるから注意じゃ」
今まで戦った大魔王の形態とは姿形が全く違うように、セルブラム・オルクスも戦い方は全く違う。魔法能力に優れ、毒や呪詛を多用してくる。油断は禁物だ。
また先手も必ず取ってくるので、その対策も重要になってくる。
「じゃけど、今までの大魔王を退けてきた皆なら大丈夫じゃろー。頑張ってきてのー!」
そう言ってメイスンはセルブラム・オルクスがいる迷宮区画へと転移術式を展開する。ファーストダンジョン中層に立ち塞がる異形の大魔王を倒すため。猟兵達は死力を尽くして立ち向かう。
ライラ.hack
あの大きな目玉に目薬を点滴してみたいけど、疲れ目あるのだろうか?
どうも皆様こんにちわ。ライラ.hackです。
今回は大魔王第三形態「セレブラム・オルクス」との戦いとなります。
難易度は普通より高めなのでご注意ください。
そしてこのシナリオでは以下の特殊ルールがあります。
●プレイングボーナス……『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』。
(敵は必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります)
以上となります。不気味な外見を持つ怪魔が相手の上、気味の悪い洞窟が戦場なので気をつけて戦ってください。
それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ち致しております。
第1章 ボス戦
『大魔王第三形態『セレブラム・オルクス』』
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POW : クルトゥス・フィーニス
自身の【翼1つ】を代償に、【知性ある存在を蝕む禁呪】を籠めた一撃を放つ。自分にとって翼1つを失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD : フルクシオー
自身の身体部位ひとつを【粘性を帯びた液体のように見える呪詛の塊】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : プーリフィカーティオ
【巨大な眼球による魔力を籠めた『凝視』】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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アイン・セラフィナイト
形態が進むにつれて、人間へ近づいている印象を受けるね……。
魔法能力に秀でてる相手に、魔法で相手するのはちょっと自殺行為かな。……引くつもりはないけどね!
まずは周辺の毒液、消化液に当たらないように『神羅の鴉羽』で『空中戦』、僅かに宙に浮いておく。
敵の『凝視』が当たる前に、『境界術式』で喚び出した魔書を『早業・見切り・オーラ防御』で眼前に壁として形成、その視線を遮るよ!
飛び立て、ボクの使い魔たち!【双翼の聲】で不可視の鴉たちを召喚、不可視であれば『凝視』は当たらない!大魔王を取り囲んで、魔法の座標点と化した鴉たちから魔弾の『動物使い・属性攻撃・全力魔法』だ!
その『時間』が過ぎる前に、キミを討つ!
ジェイ・ランス
【POW】※アドリブ、連携歓迎
「臭いしぶよぶよだし、こんなところはさっさと出ていきたいところだね
」
と、いうことで"重力制御術式"で魔王に向けて「落下」、"慣性制御術式"でランダム軌道を絵描きつつ【地形の利用】と【残像】で撹乱するぜ。もし当たったら、UCで肉体を捨てて再構成。"対戦車/対化物用30mmガトリング砲"と"630mm電送砲(ブリッツカノーネ)"で【制圧射撃】【一斉発射】【鎧無視攻撃】で腹の赤い奴を狙ってやろう。
「羽を犠牲にしてるつっても、ただのリソースが弱点とは思えねえ……やっぱ、第一形態から変わらない赤いアレが怪しいってな!!」
ファーストダンジョン中層。闇を晴らし、そこへと侵入を果たした猟兵達。だが待ち受けていたのは、まるで生物の内臓の中に入ったような、不気味な洞窟であった。
壁はおろか、壁面までぶよぶよした薄気味悪い迷宮区画。そしてその洞窟に生えている排出口からは、緑色のした毒液や、生物を溶かす消化液が時々吐き出される。
まさしく生物であれば忌むべき場所。そこに陣取る唯一の存在にして、主。大魔王第三形態「セルブラム・オルクス」。その外見はその洞窟に負けず劣らず不気味な外見をしている。やせ細った身体の背部には数多くの翼が生え、頭部は大きな眼球と剥きだしの大きな脳みそを晒している。そして下半身は臓物を集合させたような異様な物体を形成している。
もはや常人ではない、人ですらない怪異の類。そんな大魔王が、大きな瞳を動かし、この内臓洞窟に入り込んだ存在に目を向ける。
「来たか、猟兵。私達を滅ぼそうとする怨敵よ」
ぶちゅりとその肉体が蠢く。そして洞窟が呼応するように毒や消化液を吐き出す。その空間すら、セルブラム・オルクスにとっては最適なのだ。だがそんな最悪な環境の中でもアイン・セラフィナイト(精霊の愛し子・f15171)は冷静だ。
「形態が進むにつれて、人間へ近づいている印象を受けるね……」
冷静に異形の第三形態を分析する。機械、野生と来て今回は異形である。人に近づいているといえば、この不気味な形態も近いとはいえる。だがそんな見方をできるのも、精霊を共とし魔法を研鑽するアインならではの視点かもしれない。
「臭いしぶよぶよだし、こんなところはさっさと出ていきたいところだね」
それに対して、古代アニメ「シュバルツローヴェ」のキャラクターにして、電脳体のジェイ・ランス(電脳(かなた)より来たりし黒獅子・f24255)は人間らしい感想を述べる。バーチャルから生まれ出た者であっても、薄気味悪い所は嫌悪感を抱く。ましてや毒や消化液が充満するところなど、好ましい場所は言えない。
「ここはもてなす場所ではない。故に私から与えるのも、呪詛とおぞましい死のみだ。猟兵よ」
そうしてセルブラム・オルクスの巨体が動きを始める。翼の群れが威圧するように広げられ、おぞましい眼球がアインとジェイを見据える。もはや知性をもって会話をする猶予はない。これからは死を与えるための戦いが始まる。
まずアインが取ったのは洞窟の毒液・消化液対策の為、背中に魔力を集中させ「神羅の鴉羽」を発生させて空中を浮く。対してジェイも電脳魔術プログラム「重力制御術式(ワード・オブ・グラヴィティ)」を起動させて、重力を操作して空中浮遊を開始する。
「地の不利を解消したか。だがまだスタートラインだ」
そしてセルブラム・オルクスの頭部の眼球がアインを視る。そして展開するのは巨大な眼球による魔力を籠めた『凝視』。それに捉えられた者は動きを封じられ、ユーベルコードすら封じられる。まずは知恵を持ちうると判断したアインに狙いを定めたのだ。
これに対し、アインは即座に「境界術式:叡智ノ書架」を発動させ、視界を遮るほどの多くの魔書を目の前に展開する。魔術的防御術式も付与した魔書の壁を作り上げ、セルブラム・オルクスの悍ましき凝視から逃れるアイン。
「オレを忘れてもらっちゃ困るぜ?」
空高く飛翔するジェイが、大魔王向けて落下を開始する。金色のマフラー状の書物「慣性制御術式(ワード・オブ・イナーシャ)」を起動させながら、ランダム軌道を絵描きつつ、セルブラム・オルクスの視界に入らないように攻撃範囲に入り込もうとする。
「素早いな。だが私の禁術の前には無駄なこと」
セルブラム・オルクスの数ある翼の一本が弾け飛び、禁呪「クルトゥス・フィーニス」を発動させる。ジェイの飛ぶ方向に放射状に放たれた呪いは、不可視でそして超高速で拡散する。その禁呪に「汚染」されるのを感じたジェイは内から何かが蠢く感覚を得た。
そして次に来るのは痛み。暴れ出し何かが裂ける。腸が弾け飛び、内臓と血が飛び散る。蝕まれた禁呪はジェイの血流を暴走させて凝固し、血液を槍のようにして内臓をかき混ぜ、内側から破らせる呪いであった。電脳体であろうと、知性体であることには変わらない。ジェイも例外ではなく、口から血が溢れ出す。
「ゴホッガッハッ!」
「ジェイさん!」
戦友が内側から弾け飛ぶ姿を見て、アインが叫ぶ。助けに行こうにもセルブラム・オルクスの眼球は未だアインを捉えている。下手に動くことはできない。
「終わりだ、猟兵。次は脳漿をブチ撒けろ」
禁呪を再び発動させて、ジェイを葬ろうとする大魔王。だがその前に異変が起きる。ジェイの身体にノイズが走る。そして次の瞬間、無傷のジェイが飛び出てきたのだ。
「なんだと?」
「おいおいおい、死んだかと思ったぜ、勘弁してくれよ」
これこそ、瀕死時のみ発動する能力「Doppel_Löwe(獅子は去らぬ)(ドッペルローヴェ)」。禁呪に侵された肉体を捨て、記憶と意識を継いだ次の自分を呼び出す。まさしく電脳体ならではの技だる。
そして一瞬のことで戸惑っているセルブラム・オルクス。ジェイにとってはチャンスであった。対戦車/対化物用30mmガトリング砲と630mm電送砲(ブリッツカノーネ)を構え、一斉射撃態勢に入る。
さきほどの禁呪で犠牲にした翼はリソース源だとしても、弱点と考えるには難しい。ならば、狙うは一点。
「……やっぱ、第一形態から変わらない赤いアレが怪しいってな!」
そして電脳魔術で生み出した銃弾がその二つの銃口から放たれる。一転集中の腹部攻撃はその赤き宝石に着弾し、周辺の肉片も吹き飛ばす。
「グッ! 小癪な真似を……」
宝石は欠けたようであったが、ある程度のダメージになっているのか、セルブラム・オルクスは下腹部の臓物を動かし、臓物の壁を作ってジェイの弾丸を防ぐ。やはりダメージは通っているようだと銃弾を敢行するジェイ。
そしてその意識が集中したところをアインは抜け目なく動く。
「飛び立て、ボクの使い魔たち!」
魔法「双翼の聲(レイヴンズ・クライ)」を発動させ、不可視の鴉たちを召喚する。この鴉こそ、不可視であり凝視を逃れうる存在。そしてその鴉達はアインの魔法発現の座標点となるのだ。
その鴉達をセルブラム・オルクスの四方八方に配置。そして発現するは、呪いを魔を撃つ聖なる大魔法だ。
「キミの言う勝利、その『時間』が過ぎる前に、キミを討つ!」
怪物を穿つ聖魔法の全方位魔弾。それが不可視の魔法起動点から一気に放たれ、セルブラム・オルクスの身体を貫いていく。強力な呪詛を纏い、毒や溶解液を貯め込む肉体である大魔王の身体と言えども、その魔法の前には身体を焼く痛みと共に抉られる他なくなる。
「お、の、れぇ……! 舐める、なァ!」
だが大魔王の名は伊達ではない。体内にため込んだ呪詛を爆発させ、アインの鴉達を呪いで汚染し消滅させる。ジェイも濃厚な呪詛の霧の前に退避する他なかった。
「これは一旦引いた方がいいな」
「うん。でも打撃は与えられたね」
強力な呪詛が蔓延する空間から一時撤退するアインとジェイ。だが呪いで遠ざけるということは、自分達を脅威と感じたこと。そのことに確かなる手ごたえを持って、呪詛で霞むセルブラム・オルクスを見ながら、二人は呪いの範囲外へと引いたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ロバート・ブレイズ
「貴様が『第三形態』か。俺好みの肉質と超越性(中身)と思考すべきか。兎角。戯れの時間だ。貴様等に相応しいのは知性なき脳髄よ」
情報収集での『解呪』を試みる
狂気蒐集(スマートフォン)を起動して『今まで集めた猟兵の狂気』の内、対抗出来そうな『執着』を模倣する
それでも解呪が困難な場合、呪詛の塊の『特性』を暴き出し、回避や防御を試みる
闇堕ち(ダークネス・デモノイド)発動
自らに寄生体を埋め込んで巨大な怪物と化す
そのまま力任せに叩きのめしてやろう
鉄塊剣を『利き腕』に取り込み、突撃する構えだ
「貴様が魔王ならば我々は勇者だ。お姫様は何処に存在する。答えの無い肉塊は早々に爆ぜるが好い」
呪いを充満させて、毒液を啜り肉体を回復させる。呪詛を血肉とし、人間が忌避すべきモノの集合体でもある大魔王セルブラム・オルクスにとって、それこそが正常であった。
そして常人には生きることすら難しい内臓洞窟に平然と足を踏み入れる男。その男は漆黒のスーツに身を包み、黒き仮面を身に着けていて表情は伺えない。
ロバート・ブレイズ(冒涜翁・f00135)。恐怖の体現者。多くの名前で呼ばれる冒涜者。人の形をした、人ならざる者。
「貴様が『第三形態』か。俺好みの肉質と超越性と思考すべきか」
その口からは一つの人間性を感じさせない。異様な猟兵の襲来にセルブラム・オルクスはその漆黒を視据える。
「お前は、なんだ。人でありながら、私と近いとは。私の知性では測れないな」
その理解に、ロバートは内なる凶暴性が疼く。その知性を、存在を蹂躙したいという欲求が脳髄を駆け巡る。
「兎角。戯れの時間だ。貴様等に相応しいのは知性なき脳髄よ」
「そうか。ならば私はお前を疾く呪い殺そう」
そう言ってセルブラム・オルクスは下腹部の臓物を蛇のように動かし変異させる。それは粘性を帯びた液体のように見える呪詛の塊「フルクシオー」であった。その粘りつく呪詛の液体に捉えられれば、身体は瞬く間に汚染させ悍ましい死を迎えることになるだろう。
その身をすくむ悪魔の粘水に対し、ロバートはスマートフォンを取り出す。それこそ「狂気蒐集」。今までの今まで集めた猟兵の狂気を情報として記憶した物だ。その狂気の内、対抗出来そうな『執着』を探す。
フルクシオーが呼び覚ます呪いは、身を焼き、内臓を虫が満たし、血管に針が満ちるといった、痛覚によって人を殺す呪詛であった。それに対し、ロバートの狂気への耐性、執着は、痛みへの渇望ともいえる悍ましき人の業であった。
「人とは業深き者。肉体の危機ですら、己が快楽とする」
痛みを快楽にしてしまえば、呪詛は無効にしたも同然。その人間が狂う呪いを断ち切るための執着を模倣したロバートは、悍ましき呪いを解き明かしたのだ。
「真正面からこの呪詛に立ち向かうとは……本当に人ではない、まるで闇だな」
「違うな。俺は魔王ではない。勇者である」
そう言ってロバートは能力「闇堕ち(ダークネス・デモノイド)」によって、肉体を巨躯の怪物に変異させる寄生体を召喚し、埋め込む。その身体は人から大いなる変貌を遂げ、目の前の大魔王と似て劣らない怪物と化す。
「貴様が魔王ならば我々は勇者だ。お姫様は何処に存在する。答えの無い肉塊は早々に爆ぜるが好い」
そういって、手持ちの鉄塊剣を『利き腕』に取り込み、突撃。もはや呪詛など気にしないロバートの怪物は、力任せにそのぶよぶよの肉に鉄塊を叩きつける。呪詛に塗れた肉体が切裂かれ、ロバートの肉体にセルブラム・オルクスの肉片が飛び散る。
そんな鉄塊を叩きつけれ、身体が無事なはずはない。だがセルブラム・オルクスは態度を変えずに、ロバートを見据える。そこには怪物を倒すという、明確な殺意が存在した。
「そうか。そうか、怨敵よ。私では理解できぬか」
理解が及ばないならば、理解する必要はない。ただただ全力の呪詛を。大魔王の汚濁を持って敵を葬り去るのみ。
「知恵の及ばぬ怪物であれば、私に宿るすべてを持って凌辱してやるぞ!」
そう言ってため込んだ濃密な呪詛を猛毒を溶解液を吐き出そうとするセルブラム・オルクス。怪物であってもロバートは知恵はないとは言えない。それが炸裂すれば己が身でも危険なのは明白だ。
すべてを喰らえぬのは残念ではあるが、ある程度は楽しめた。それをもってロバートは怪物化を解き、身を翻す。
「今回はこの供物を持って、今宵の晩餐とするとしよう。さらばだ」
そういってセルブラム・オルクスの肉片を持って、呪詛の範囲外へと出るロバート。慮外の怪物はどちらであったのか、どちらでもあったのか。それは誰も答えることはできない。
成功
🔵🔵🔴
アリス・ラーヴァ
※アドリブ・連携歓迎
わー、内臓の洞窟おいしそー!
それに今回の大まおーも食べ応えがありそーなのー
(妹達を呼んで【ダッシュ】で)いただきまーす!
(プーリフィカーティオに対して)
大きな攻撃がきそーな感じねーみんなー整列よー【団体行動】
前の子が壁になって、【激痛耐性】と【呪詛耐性】で攻撃を受け止めるのよー
後列の子は、前列の子を【運搬】して盾にしてすすむのー
苦しくてもがまんがまん【継戦能力】
注意を引き付けながら【目立たない】よう【迷彩】して【地形に溶け込んだ】子達で奇襲するのー
さー、チャンスよー、みんなで大まおーの目玉を【串刺し】にして【捕食】しちゃおー!
幼虫達は【傷口をえぐっって】【マヒ毒】を注入よー
隣・人
「は、は、は――隣人ちゃんですよ。魔王ですね。殺したい」
メイド服は万能なので『迷彩』で迷宮と同化します
呪詛の塊がどのような特性を持っていても、認識されなければ問題ありません。もしも見つかったら捨て身で突っ込むつもりです
拷問道具を盾にしてみます。コーヒーカップなら丁度いい大きさです
迷彩で可能な限り近付いたなら『腕(カイナ)』を発動
その溢れんばかりの殺意で魔王を殺しにかかります
部位破壊・目潰しで目玉を抉ったり。医術・怪力の応用で内臓じみたものを引き摺り出したり。脳髄をぐちゃぐちゃにしてやります
「さあ。次は何処を壊せば。殺せば好いのです? アンタの見た目、可愛らしくて好きですよ。は、は、は」
迷宮区画「内臓洞窟」。内臓のようなぶよぶよとした壁や地面、毒や消化液を吹き出す排出口、充満する臭気。そこを支配する、同じく異形の大魔王「セルブラム・オルクス」以外はとても快適を呼べる環境ではないだろう。
人間を拒絶する洞窟ではあるが、人間の外に位置する者に対してはそこまで不快に感じるものではないのかもしれない。
「わー、内臓の洞窟おいしそー!」
宇宙の深奥から飛来した隕石に付着して生まれた蜘蛛のような外見をした少女アリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)にとっては、この不気味な内臓洞窟ですら食の対象である。
「は、は、は――隣人ちゃんですよ。魔王ですね。殺したい」
そしてアリスの隣の壁から愉快な口調が響き渡る。壁が喋っているように見えるが、その実は洞窟迷宮に溶け込むように風景と同化している隣・人(六六六番外・f13161)である。隣人は人型のUDCオブジェクト。その彼女が来ているメイド服にもある程度の迷彩機能のようなものをあるようで、その効果のようだ。
「それに今回の大まおーも食べ応えがありそーなのー!」
アリスは蜘蛛の足を動かして進む。途中で毒液に晒されようが、消化液の水たまりがあろうが、何も気にしないが如くその足取りは軽やかだ。その食欲の赴くまま、ついにその対象と出くわす。
セルブラム・オルクスは、近づくだけで呪詛を蝕むほどの濃厚な呪いを身に宿し、毒液を飲み干しながら、アリスと隣人を待ち構えていた。そんな異形の怪物を見ても、アリスの瞳の輝きは変わらない。
「わー、美味しそー! いただきまーす!」
そして内なる食欲を我慢しきれず、『アリス』の幼い妹――幼虫達を呼び寄せて一直線に猛進するアリス。
「これも猟兵か。すべてを喰らう大魔王を逆に喰らおうとするとは、不敬だ」
だがその前肢が動き出した直後に、大魔王の眼球はアリスを視界に捉え、『凝視』しようとする。その魔力と呪詛が籠った視線に捉われれば、動きはおろか能力が封殺されてしまう。
「大きな攻撃がきそーな感じねー。みんなー整列よー」
だがアリスがすぐさま動く。自身の妹たる幼虫達を盾にようにして、アリスを大魔王の目の視界から遮断。その呪詛から身を守ろうとする。
「下らない。ならばその虫達から汚濁に塗れよ」
だがセルブラム・オルクスの呪詛の眼球は生物であれば、その魔力を持って蝕む。アリスの幼虫達は視線に入った者から次々と動きを奪われ、呪いによって苦悶の痙攣をする。だがそんな前列の幼虫を後列の幼虫が後ろに運び、壁を形成し続けるアリスの妹達。そして徐々に近づくアリス達。
「苦しくてもがまんがまんー」
「しぶとい。そしてここまで近寄れば、知恵浅い私でも気づけるぞ。猟兵」
凝視を続けるセルブラム・オルクスが、別方向へと意識を向け、下半身の内臓を脅威の粘る液体「フルクシオー」に変える。その呪詛の塊を放つは、景色に同化して近くまで接近した隣人であった。
「認識されなければ問題なかったですが……であれば、捨て身で突っ込みます」
そして迫る呪詛の粘液に対し、隣人は迷彩を切り突撃する。あとは近寄って殺意をぶつけるのみ。そのためにこの呪詛を一時的に防ぐ必要がある。彼女が取り出したのは巨大なコーヒーカップだった。それこそ、血液を啜る事で動く拷問具であった。
それを盾にすることで漆黒の呪詛からの直撃を避けることができた隣人。だがコーヒーカップは粘りつく呪詛に汚染され、融解を始めている。そして飛び散った飛沫が彼女の身体に飛び散り、蝕むような痛みの呪いが全身を駆け巡る。
「ああ。もう。殺したくて、めまいがする」
だが僅かな量であったため、隣人の意識ははっきりしている。そしてその痛みは殺意を高めるスパイスとなる。能力「腕(カイナ)」を発動させ、コーヒーカップを足場に大魔王へと跳躍する。
心の内を支配するは、殺意。殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意!
埋め尽くす殺意のままにセルブラム・オルクスの目に拳を叩き込む。眼球の破裂する音と共に絶叫を上げる大魔王。だが地面に降り立った隣人の暴虐は止まらない。
「さあ。次は何処を壊せば。殺せば好いのです? アンタの見た目、可愛らしくて好きですよ。は、は、は」
そして悍ましい内臓群に手を突っ込み、鷲掴みにした内臓を引きずり出して引きちぎる。呪詛に身体が浸食されようとも殺意によってねじ伏せる。そうやって丁寧にセルブラム・オルクスの身体を破壊していく。
「さー、チャンスよー!」
そして凝視から外れたアリスにとってはチャンス到来。今まで四方の壁面に召喚させて潜ませていた妹達に指示を出し、一斉にセルブラム・オルクスの身体に飛び移る。その内臓のような血肉を噛り付くと同時に、強力な麻痺毒を注入していく。
「おのれ……この……!」
「大まおーの目玉、いただきまーす!」
そしてアリスは前肢を破壊された目玉に突き立てそのまま捕食を開始する。ぐちゃぐちゃっ、と呪いと毒の液体が飛び散り、肉は腐臭を漂わせる。だがアリスは実に美味しそうに咀嚼していた。
「猟兵、私の知恵の埒外の者共よ……呪われろ……私の血肉を喰らった罪は重いぞおおおおおお!」
セルブラム・オルクスの強烈なる魂の咆哮。それは内に秘めた魔力の爆発を秘めていた。その衝撃波を受けて、食らいついていたアリスや妹達、腸を掴んでいた隣人も吹き飛ばされる。そして怒りに伝染されて強大化した呪詛が大魔王を中心に広がっていく。
それに呼応するように内臓洞窟も毒液や呪いを供給して回復態勢に入るようだ。この状態で攻撃を仕掛けるのは、もはや死を覚悟しなければならない。故にアリス達な残念な気持ちで、隣人は殺意を収めて洞窟の外に撤退する。
だがしかし、大魔王セルブラム・オルクスは呪詛に身を焦がし、その底なしの魔力を使いながらも、自身に迫る得体のしれない恐怖に、知恵を得て戸惑いを得ていたのだ。それを与えた二人の傷跡は深いともいえるだろう。
成功
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シズホ・トヒソズマ
※連携アドリブ可
シュヴェラと砲撃ユニットに乗り重力制御◆浮遊で飛行し呪詛の塊から逃げます
砲撃ユニットには大帝巫の陰陽術で◆呪詛耐性結界を張り防御
途中でマジェスから光を放射
「呪詛というからには光には弱いでしょう!!」
と言うのはブラフ
光で敵の視界を覆った隙に私や人形は物陰になる部屋の一部に隠れます
結界と一緒に砲撃ユニットに仕掛けておいた大帝巫の認識改変◆催眠術『私や人形がユニットに搭乗していると誤認する』を発動
砲撃ユニットを自動飛行させ敵が呪詛塊で砲撃ユニットを狙った隙にUCを発動
上杉謙信の力を使用
12本の毘沙門刀を纏い高速移動
『光』と『薬』◆属性刀を敵に放射
トドメにマジェスの光熱剣で斬り裂きます
才堂・紅葉
「得た知恵を捨てる為にか。それも因果な話ね」
呪いと毒に塗れた異形に、一欠片の感傷を抱いて捨てる
お互いにやる事は決まっている
対策
【呪詛耐性】の刻印の刻まれた六尺棒を構え、奴の攻撃に合わせて体捌きで回避【見切り、野生の勘】し、捌き切れない分を【怪力】で支え、極力受け流す。
覚悟の一撃の呪詛と衝撃はそれでも防ぎ切れないが、後は【気合】で【カウンター】だ
「コード・ハイペリア!」
紋章の【封印を解き】火の鳥を使役する
迦楼羅焔が場に残る呪詛を焼いて噴き上がる【属性攻撃、退魔】
掲げた腕に火の鳥をとまらせ、鷹匠のように解き放つ
「行きなさい、迦楼羅王!!」
後は拳に力を込め、紋章の光を輝かせて後押しだ
【連携改変歓迎】
大魔王セルブラム・オルクスは傷を受けた箇所の回復に努めている。すでに眼球の再生は完了し、内臓洞窟に来る侵入者に対する監視は万全だ。その内に秘めた超大な魔力と、呪詛と毒で構成された身体。内臓迷宮から排出された毒液はそれを補う為のパーツでもある。
つまりはこの内臓洞窟こそ、セルブラム・オルクスの内部領域ともいえるだろう。そんな呪いを積み上げている姿を見て、因縁のアルダワ学園所属の歴戦工作員はポツリッと呟く。
「得た知恵を捨てる為にか。それも因果な話ね」
あまりに幸福とは程遠い、毒と呪いに塗れた大魔王の姿。だが世界を汚染する異形に対し、一欠片の感傷を抱いて捨てる。もはやアルダワ学園の者として、猟兵としてやることは決まっている。
「感傷はよろしいですか、紅葉さん?」
「ええ、お互いにやる事は決まっている」
そんな紅葉の隣には紫色に身を包むヒーローマスク、シズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)。すでに重力制御/重力攻撃人形『シュヴェラ』の砲撃ユニットに乗り込み、戦闘準備は万端といったところだ。
「呪われよ、猟兵。知恵は及ばぬ私だが、お前達を汚辱することはできるぞ」
そして呪われし粘液「フルクシオー」はセルブラム・オルクスの腹部から流水のように蠢く。その呪詛に触れればありとあらゆる痛苦が全身を駆け巡ることになるだろう。
「それはそれで魅力的なのですが……」
「シズホ、うるさい黙れ舌噛む」
生粋ドMのシズホにとっては愉しめる展開であるが、戦闘継続は難しくなる。趣味に浸るのをシュヴェラが抑止し、陰陽師型催眠人形『大帝巫』による対呪詛陰陽術結界が張られる。
そして始まるはフルクシオーとシュヴェラによる壮絶なデットヒート。通常であれば触れなくてもまき散らされる呪詛で、身体が呪詛に汚染されるのだが、大帝巫の結界が少量の飛沫程度なら防いでくれている。
「呪詛というからには光には弱いでしょう!」
そういってシズホは五英雄再現戦闘人形『マジェス』に光り輝く光熱線を放射させる。フルクシオーを光が突き抜け、ジュウッという水分が蒸発するような音が響き渡るが、その呪詛はいかほども軽減していない。
「愚かな。ただの光が呪詛を祓うとでも思ったのか? それは虚言だ、猟兵」
光に目を奪われはしたが、セルブラム・オルクスは焦らない。そして飛翔するシズホの砲撃ユニットごとフルクシオーが追いつき、飲み込む。呪詛の塊はもはや捕らえた者を呪詛で埋め尽くし狂い殺すしかなくなる。シズホの姿はその暗き粘液の底へと消えて、やがて見えなくなる。
「次はお前だ。アルダワ学園の者よ」
自身を封印したアルダワ学園。そこに所属する者に容赦など必要はない。接近して拳を叩き込もうと突っ込む紅葉に対し、セルブラム・オルクスはその翼を霧散させ、禁呪「クルトゥス・フィーニス」を発動する。
強大な魔力を伴い波のように拡散させて、身体を崩壊させる呪詛を蔓延させる究極の呪法。それに紅葉はこのために対呪詛の紋章を刻んだアルダワ特殊鋼の六尺棒を構えて呪詛の波へと撃ち付ける。呼応するように両手の光るハイペリアの紋章。
その光景はまるで十戒のモーセのようであった。あらん限りの力を込めて、呪詛を切り裂こうとする紅葉。だが、飛沫は身体に降り注ぎ、そこから身体を突き破るような呪いが顕現しようとする。それを抑え込むにも魔力を使い、急速に力を消費していく。
「私のクルトゥス・フィーニス、その程度では防ぎない。飲まれよ、アルダワの者」
このまま禁呪を放ち続け、紅葉を飲み込もうとするセルブラム・オルクス。だがその身体を二本の刃が貫く。そこから発動するは光輝く浄化の光と、毒を中和する万薬の力。
「なんだと……、これ、は!」
紅葉にこの攻撃をする余裕はない。ならばと大きな眼球はフルクシオーに飲み込まれたシズホの方に向く。その粘液にあったのは、汚染されて崩壊寸前の砲撃ユニットのみ。
そしてそのフルクシオーのから離れた箇所には、シズホの人形シュヴェラ・大帝巫・マジェスがいる。そしてシズホは能力「幻影装身(アームドオブリビオン・ミラージュ)」の力により、上杉謙信の御姿を宿していた。
「油断しましたね。それは私の幻です!」
そう、マジェスの熱光線はいわば大魔王の視覚を騙すための囮。僅かに視線を外した隙にシズホと人形達は砲撃ユニットから離脱。さらに大帝巫の結界と共に仕掛けていた認識改変催眠術『私や人形がユニットに搭乗していると誤認する』を発動。砲撃ユニットの自動操縦に切り替え、自分達は攻撃の隙を待ったのだ。
そして今貫いているのは、上杉謙信の12本の毘沙門刀の内、『光』と『薬』の属性刀である。毒と呪詛の身体にはさぞ効くであろう。
「小癪な……!」
「コード・ハイペリア!」
シズホの攻撃によってクルトゥス・フィーニスの放射が中断されたのを見て、紅葉は紋章の封印を解き、火の鳥「迦楼羅王(ガルトマーン)」を呼び出す。それを紋章の力で増幅させ、掲げた腕に火の鳥をとまらせる。溢れ出る迦楼羅焔の炎が周辺の呪詛を焼き尽くし浄化していく。クルトゥス・フィーニスによって汚染された身体にも力が戻る。
「行きなさい、迦楼羅王!」
そして、燃え盛る火の鳥を鷹匠のように解き放つ紅葉。再び禁呪の波動を放つセルブラム・オルクスであったが、呪いを切り裂くように浄化し続け、さらに拳に力を込め、紋章の光を輝かせて後押しする紅葉の迦楼羅王は止まらない。そしてそのまま一直線に大魔王の身体へと着弾する。
「ぐおおおおおおおおおおおおお!」
身を焦がす紅蓮の炎。体内を満たす呪詛を清める優しき癒し。それがすべてセルブラム・オルクスには苦悶となって襲い掛かる。
「今ですよ、マジェス!」
「言われなくてもわかっているわよ、シズホ!」
そしてがら空きになった頭部にマジェスの光熱剣が斬りかかる。その眼球は迫る剣の刃を捕らえ、後に漆黒に包まれる。見事にセルブラム・オルクスの眼球を斬り裂いたのだ。
だがしかし、これだけの攻撃を受けても、セルブラム・オルクスの魔力は未だに爆発的に蠢いている。そして大魔王は込み上げる感情を吐露する。
「おのれ、猟兵……おのれ、アルダワ! 呪われよ、喰われよ、死に絶えよ……大魔王は、不滅よ!」
眼球を真っ二つにされ、浄化の炎に身を焼かれようとも、セルブラム・オルクスは止まらない。そして濃厚な呪詛と毒が周囲を蔓延し、洞窟に満ちようとしていた。
「この強烈な呪詛……長くは留まれないですか」
「回収しますよ、紅葉さん」
空気が呪詛が汚染されていくを感じ、紅葉は身体に倦怠感を覚える。呪いが満ちる前に、シズホは紅葉を回収し、内臓洞窟の入り口付近まで急速退避していく。
強烈なる光の攻撃。闇を汚濁に塗れた呪詛達の王セルブラム・オルクスの身体に撃ち込まれた楔は、今崩壊へと向けて一歩を踏み出したのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
シーザー・ゴールドマン
先制対策
オド(オーラ防御×呪詛耐性×毒耐性)を活性化(全力魔法)
オドの形状を球状にして禁呪の一撃を防ぎ、逸らす。
初撃を凌いだら『シドンの栄華』を発動。
『維持の魔力』で身に纏うオドを強化維持。
『破壊の魔力』で形成したオーラセイバーを振るって空中戦を。
(空中戦×空中浮遊×念動力)
大技は『創造の魔力』で創り出した巨大な光の槍を投擲、串刺しに。
(属性攻撃:光×鎧砕き×全力魔法×串刺し×投擲)
先が読めないかね?
骸の海でゆっくりと結果を眺めておくことだね。
ソラスティベル・グラスラン
どちらが勝つか、などと考えるなど…余裕ですね、新たな大魔王さん
わたしたちが考えるのは一つだけです
『必ず勝つこと』!わたしたち勇者は、貴方を打倒し地上へ凱旋します!!
竜の翼により飛翔し、接近!【空中戦】
空中であれば上下左右、どの方向にも回避はできます…!
せめて狙いはつけられないよう、最初から全速力で!【ダッシュ】
全ての翼を警戒、死角からは【第六感】で感じ取る
回避が難しければ、【オーラ防御】で僅かでも翼の勢いを軽減
蒸気盾で防ぎ、呪いに蝕まれる前に投げ捨てます【盾受け】
その先は、大魔王の『目』!
後の全ては【勇気】のままに突撃
投げた盾の影に隠れて大魔王に飛びこみ
必殺の大斧を、その頭の眼球に叩き込む!
その身に刻まれた浄化の力。常人の者であれば、身体を癒し暖かな温もりに安堵を覚える光の力。だがしかし、呪詛と毒という魔の内臓によって構成された大魔王セレブラム・オルクスにとってそれは毒でしかない。
呪詛を満たすことで身体の傷は回復する。だが内臓洞窟で補填できる毒にも、無尽蔵の魔力で精製する呪詛にも必ず限界は訪れる。
勝利のために時間を稼ぐためには、この身を犠牲にすることは何の躊躇もない。だが早く倒れることは、その時間すらも稼げない。
「この知恵を捨てるため、大魔王の勝利のため、必ずや呪詛で蝕んでやろうぞ。猟兵」
「先が読めないかね?」
そんな思案に耽る大魔王を遮ったのは、自信に満ち溢れた声。赤きダンピールの公爵シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)は優雅に内臓洞窟に佇んでいた。靴が毒や消化液に汚されるのはいささか不愉快ではあるが、力は戦闘まで取っておくという現実的な判断のため浮遊はしていない。
「どちらが勝つか、などと考えるなど…余裕ですね、新たな大魔王さん」
そしてシーザーと並び立つように大魔王に立ち塞がるドラゴニアンの少女。今まさに目指す勇者へと雄飛しようとしているソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)は蒼空色の巨大斧「サンダラー」をセレブラム・オルクスに向けて構える。
「わたしたちが考えるのは一つだけです 『必ず勝つこと』! わたしたち勇者は、貴方を打倒し地上へ凱旋します!」
「堂々たる宣言だ、勇者よ。だがその願いは私の呪詛に犯され、朽ち果てることとなる」
大魔王セレブラム・オルクスは魔力を爆発的に膨張させ、翼を二本生贄をする。放つは二人を同時に巻き込む禁呪「クルトゥス・フィーニス」。この世を滅ぼさんと願う大魔王が二人を裁断する言葉を告げる。
「ここで呪われ腐り果てよ、勇者」
そして津波のように放たれた呪詛は、覆いつくすようにソラスティベルとシーザーに襲い掛かる。ソラスティベルは竜の翼で、シーザーはオドを活性化し空を浮く。だが空中を飛翔して回避するには、クルトゥス・フィーニスの波濤は巨大すぎた。
「ならばこれはどうかね」
シーザーは即座にオドを活性化してため込んだ魔力を解放し、指をパチンッと慣らす。オドのオーラを球状にして高速回転させたのだ。そのオドは毒・呪詛耐性を持たせておるが、ただ受けただけではこの強力な呪詛の波に勝てない。だからこそ壁ではなく、回転という流れをいなす形を成すために球状に作り出したのだ。
そしてそれを複数作り出し、流れを誘導するように斜めに配置してクルトゥス・フィーニスをいなし、セレブレム・オルクスへの道を作る。球体が規則的に回り続け、呪詛を回転し防いでいる。
「行きたまえ、ソラスティベル君」
「ありがとうございます、シーザーさん!」
シーザーが作り出した球体の道を飛翔するソラスティベル。念の為に呪詛を防ぐための蒸気盾も構えて、サンダラーを叩き込む覚悟で突撃する。だが球体もいつまでも持つわけではない。欠けたところから強烈な呪詛がソラスティベルに迫る。
「まだですよ!」
だが持ち前の第六感と、卓越した飛行能力で巧みに呪詛を回避していく。そしてセレブラム・オルクスに近づくたびにクルトゥス・フィーニスは濃密になっていき、球体の回転でも防ぐことは難しくなっている。
シーザーはそれでも道を作る。勇者の大魔王への道を。「シドンの栄華(デウス・アニマ)」を発動させて、オドの維持能力をさらに強化。回転力も上昇させ、濃厚な呪詛の波をいなし続ける。
そして大魔王の目まであと少しのところまできたところで、オドの球体が崩壊する。目の前に迫るはクルトゥス・フィーニスの禁呪。身体を内側から崩壊させる呪詛の波。
「これぞ我が勇気の証明、至る戦火の最前線!」
それでもソラスティベルは止まらない。あらん限りの勇気を振り絞り声を上げて、蒸気盾を投げつける。濃密な呪詛にすぐに崩壊しそうになるが、それでも防ぐ空間ができる。それに隠れてセレブラム・オルクスに飛びこみ、サンダラーに雷を纏う。
「今こそ応えて、蒼雷の竜よ!」
そして大魔王の目を「我が名は神鳴るが如く(サンダラー)」の一撃が叩き割られる。目はおろか、喉元まで引き裂かれたセレブラム・オルクスの身体が力なく揺れる。
「お、の、れ! だが、蝕まれよ!」
だがすぐに意識を取り戻し、呪詛の放出を浴びせるセレブラム・オルクス。濃厚な呪詛を当てられて身体が食い破られる衝動を、呪詛を抑え込もうと力を発揮するソラスティベル。
「終わりだ、勇者……が、ハッ!」
苦しむソラスティベルに、トドメのクルトゥス・フィーニスを浴びせようとした瞬間、巨大な光の槍が身体を貫く。その先にはシーザーの振り抜いた姿があった。
「まだ勇者は死ぬ運命ではないのだよ。骸の海でゆっくりと結果を眺めておくことだね」
創造の魔力で作り出した光が一気に爆裂し、セレブラム・オルクスの身体が抉り取る。その派手な花火の隙にソラスティベルを回収するシーザー。そして呪詛をばら撒かれる前に距離を取って離れる。ソラスティベルのこの状態ならば、もはや長居は無用。そう、判断する。
ソラスティベルを救出し、後ろで咆哮を上げるセレブラム・オルクスを置き去りにして、洞窟を脱出するシーザー。無限の可能性を示す一撃、その可能性をここですべて使い切るべきではない。
そんな想いからシーザーは強者の笑みを浮かべる。呪詛で虚ろになるソラスティベルは、それを見て安心して意識を手放した。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
無累・是空
【WIZ】アドリブ歓迎
死を恐れぬ者は脆い
死を恐れぬがゆえに、つまらんことで死ぬもんじゃ
オブリビオンは骸の海から何度も蘇ってくるんじゃろ?その「今やられたとして次があるのだ」という慢心が貴様の敗因よ
凝視が彼奴の攻撃の必須条件であるならば、古典に頼らせてもらおうかの!
地形の利用によってまずは全力で物陰に隠れる
地形耐性と環境耐性とオーラ防御でもって環境を我慢し
鏡でもって彼奴を直視せず、誘導弾にて軌道を曲げた虹霓弓でもって滅多打ちじゃ!
奇しくも同じ石化の怪物退治じゃな!ずるくこすっからいカッコ悪い戦術も容赦なく取るのが、生きるのに必死な人間の強さよ!わし神じゃけど!
空中浮遊なども駆使し移動しながらじゃ
アンノット・リアルハート
相手の視線が厄介だけど、それなら視線を切りながら戦いましょう
まず自動【操縦】の『メタルハート・ベーゼン』を相手の眼球に向かって全速力で突撃させる
相手がベーゼンを捕縛して私から視線を外すならよし、無視しても接近するベーゼンの影で私の姿は見えなくなるでしょう
その隙に【カウンター】【早業】で選択UCを発動、迷宮で囲むことで視線を切りつつ与えられる罰によって相手を攻撃
全てを喰らおうとする者は、迷宮に自らの身体を喰らわれることでしょう
大魔王セレブラム・オルクスにとって死は恐るべきものではない。大魔王は一個体ではなく、自身の死すら何も厭うことはない。故に容赦なく戦い、躊躇なく死ぬこともできる。すべては世界を喰らいつくすための勝利のために。
「だが理解できない。なぜ、私を上回れる? 猟兵」
限りある命で必ずしも全力を出せるはずもない猟兵。さらに自身との実力もこちらが上のはずなのだ。なのに翻弄されている。セレブラム・オルクスは与えられた知恵を絞って考えるが、答えは出ない。
「その『今やられたとして次があるのだ』という慢心が貴様の敗因よ」
自分の問いに答えるように、心を読んだかのような言葉を放ち、創造神の一柱たる無累・是空(アカシャ・f16461)は姿を現す。
「なんだと……?」
「オブリビオンは骸の海から何度も蘇ってくるんじゃろ? 死を恐れぬ者は脆い。死を恐れぬがゆえに、つまらんことで死ぬもんじゃ」
つまり人間はその弱さを、死への恐怖を補う。知恵で、勇気で、力で、弱さを糧にして進む。だからこそ、強大な者にも負けない力が生まれる。そのことを人類を神として見守ってきた是空にはよくわかっていた。
だがそんなことはセレブラム・オルクスには知るところではない。むしろ死の軽視が弱いと指摘され、自身の知恵では理解不能と判断する。そしてそれを口にする是空を眼球が睨みつける。
「つまらぬことをほざく口よ。猟兵の戯言に聞く価値などない」
そして放たれるは魔力を乗せた視線を放つ『凝視』の魔眼。だがそれが届く前に是空は内臓洞窟の物陰に隠れて、その凝視から外れる。
「おっと! あぶないあぶない」
「無茶しすぎですよ、是空さん!」
そう強く指摘するのは亡国の王女のバーチャルキャラクター、アンノット・リアルハート(忘国虚肯のお姫さま・f00851)。あの眼球の恐ろしさは遠目からも見てわかる。だからこそ拘束されれば嬲られて終わりだと思っているのだ。
「では私がまず行きますから頼みましたよ」
そう言って魔改造された空飛ぶ機械箒「メタルハート・ベーゼン」に乗り、空を飛ぶアンノット。高速に動く姿にセレブラム・オルクスは、戸惑い呆れる。この程度の速さならばいずれ捕らえられる、と。
だがその余裕はすぐに崩れ去る。アンノットが超速度のままメタルハート・べ―ゼンから飛び降り、そのまま目に向かって突っ込んできたのだ。おそらく突撃させてそのまま直撃させる腹なのだろう。
「だが愚かな。この程度止めらないとでも思うのか」
そうして魔力の籠った凝視は、ベーゼンの勢いを殺し視線で捕縛する。そして魔力ある視線はベーゼンを歪曲し握りつぶそうとする。しかしこれは囮だ。アンノットからセレブラム・オルクスの視線から外す為の、隠れた是空への意識を消失させるための。
是空は未だ臓物洞窟の物陰に隠れたままの状態であった。もちろん、毒液と消化液が噴射するこの環境。少しずつ神の身体を蝕んでいる。だがそれを我慢し、鏡ごしに監視していたセレブラム・オルクスの意識が完全に離れたことを確認する。
「ここは古典に頼らせてもらおうかの! 光よ、あまねく照らせ!」
そして発動するは「虹霓弓(アルカンシェル)」。指先から放たれる光属性の七色のレーザーは凄まじい速度で放たれ、軌道を大きく曲げてセレブラム・オルクスの身体に突き刺さる。
「なに……! まさか、そこから?」
「奇しくも同じ石化の怪物退治じゃな! ずるくこすっからいカッコ悪い戦術も容赦なく取るのが、生きるのに必死な人間の強さよ! わし神じゃけど!」
そういって次々と虹霓弓を滅多打ちにする是空。身体は溶かされ、毒に侵されても決して射ることをやめない。絶え間なく降り注ぐ七色の流星群にさすがのセレブラム・オルクスもうめき声を上げる。
完全に条件が整ったと言わんばかりに、アンノットが大魔王の前に現れる。
「これは裁きの夢、投獄する幻想、されど道を改める最後の試練!」
そして「裁きの夢よ、悪しき罪人に罰を与えたまえ(デイドリーム・ジャッジメイズ)」が発動され、セレブラム・オルクスをアンノットが創り出した迷宮に閉じ込めることに成功する。
「ここは、魔法で作り出された迷路か! ぬううううううううう!」
そこは悪しき者を閉じ込め罪に応じた罰を下す、アンノットの魔法の迷路。すべてを喰らおうとする大魔王に相応しい迷路。
「全てを喰らおうとする者は、迷宮に自らの身体を喰らわれることでしょう」
そのアンノットの言葉の通り、迷宮がセレブラム・オルクスを喰らわんと壁が口とかして捕食を始めているのだ。自身が喰われていく感覚。絶対捕食者であるセレブラム・オルクスは、ただ静かなる怒りを爆発させる。
「この程度の魔法で作った迷宮で、私を喰らいつくせると思うな!」
魔力を爆発させ、呪詛をまき散らす。その膨大な魔力と呪いを持って、迷宮を内側から食い破らんとする大魔王。その力に驚きつつも、かなりの消耗が期待できるはずだとアンノットは確信する。
「大丈夫ですか、是空さん?」
「あたたっ……、やっぱり無理はするもんじゃないのう!」
そう愉快に笑いながらも毒に侵された身体の具合はよくなさそうだと判断したアンノットは是空をベーゼンに乗せて洞窟外に移動する。あの魔力を消耗させ、時間を稼がせることなく、セレブラム・オルクスを打倒する。その時が近いしれないと、是空はアンノットの迷宮が衝撃で揺れているのを見て思っていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ウィリアム・バークリー
同行:瀬尾・カズマ(f25149)
大魔王との戦いも三戦目。さすがに威圧感には慣れてきた。でも、どの形態も異形だなぁ。最終形態はどんな姿だろ?
考え込むのはぼくの悪い癖。まずは目の前の大魔王の討滅を。
ぼくを襲うのは、UCを封じる『凝視』。邪眼系能力のバリエーションと言える。
視線を媒介にする能力だから、それを遮ればいい。
「全力魔法」で氷の「属性攻撃」を使い、視線を大魔王に反射する「盾受け」「オーラ防御」の性質を持った氷のレンズを作るよ。自分の術で自分の力を封じちゃえ。
後は、素早く動き回りながら、死角からIcicle Edgeを放って「串刺し」にしていく。狙うべきはやっぱりあの大脳かな?
カズマ、無事?
瀬尾・カズマ
同行ウィリアム・バークリー(f01788
UC発動。先制攻撃?ウィルの氷レンズの裏に隠れて防ぐor盾の裏に隠れてる。視られたらUC封じられるなら、姿を晒さなきゃいい。俺からも魔王が見えなくなるが問題ない。支援系の細かい動きはできなくなるけど。
だが俺が把握せずともニョグが、この謎を喰らう触手が、魔王という特大級の謎(疑問/不可思議)を放っとくはずがねえ
氷レンズ作戦なら堂々と攻撃全集中。防御はしねえ。ウィルの盾を信頼してる
予言するぜ、魔王陛下。アンタは負ける。どんなに知恵をつけたって、どんなに力をつけたって、人の心を解さねえからさ。
最後はウィルと一緒にニョグで大脳狙いの攻撃!
次は心を学ぶといいぜ!
猟兵の創り出した迷宮をついに力づくで破壊し、呪詛が周囲を充満する。その毒液をたらしながら、傷を回復させようとしている大魔王セレブラム・オルクスの姿は中々に痛々しかった。ところどころを喰われており、さらにレーザーの焼却跡が焦げ跡と共に残っている。
蓄積されたダメージと残りに宿る魔力総量。それを考えるともう無茶はできないかもしれない、と知恵をもって大魔王は分析する。だが猟兵はそのチャンスを逃しはしない。
「大魔王との戦いも三戦目。さすがに威圧感には慣れてきたね。でも、どの形態も異形だなぁ。最終形態はどんな姿だろ?」
そう声を疑問に出しながら頭をひねるのは銀髪のマジックナイト、ウィリアム・バークリー(ホーリーウィッシュ/氷の魔法騎士・f01788)。大魔王との連戦で大分慣れてきたとはいえ、無駄な思考は死へと繋がる。同行しているUDCを埋め込まれし元一般人猟兵、瀬尾・カズマ(ニョグダノオトシゴ・f25149)は身体を揺さぶって意識を戻させる。
「おいおい、ウィル! 考え事はなしって言っただろ?」
「ああ、ごめん。考え込むのはぼくの悪い癖。まずは目の前の大魔王の討滅を……!」
そうして暢気に構えている間にすでにセレブラム・オルクスは問答無用にその眼球に魔力を込め始めていた。これ以上、猟兵の口上やペースには乗らない。そう言わんばかりに、魔力の籠った凝視を繰り出す。
動きが封じられ、ユーベルコードすら封じるその魔眼に対してもウィリアムは焦らない。あれは一種の邪眼系能力のバリエーション。ならば手はある。
「視線を媒介にする能力だから、それを遮ればいい」
そうして無詠唱で準備しておいた魔法術式から、氷のレンズを発生さえるウィリアム。しかもこちらを透過せずに相手を映し出すほどの鏡面を誇る。まるで石化の怪物から魔眼を跳ね返す逸話を再現するように、凝視の魔力を通さない。
その氷レンズに遮られウィリアムの姿が見えなくなるセレブレム・オルクス。対してカズマも同じく、別の氷レンズに姿を隠したようだ。だが大魔王は勝つ姿勢の見えない消極的な姿勢に疑問を示す。
「まさか私の凝視が跳ね返ることを期待していると? それならば無駄なこと」
凝視の魔力が跳ね返っても呪詛は呪詛。取り込んでまた力にするのみ。そして氷のレンズといえども魔法で作り出したもの。ならばこちらの魔力と呪詛で汚染させて崩壊させてしまえばいい。そうして展開するレンズ群を凝視して一つずつ確実に、しかも驚異的な速さで崩していく大魔王。
だがカズマはその疑問を待っていた。自身が呼び出すニョグは疑問の感情を喰らう。そしてその対象を攻撃する。今まではサポートに徹してきたが、今回は攻撃に専念する。
「防御はしねえ。ウィルの盾を信頼してる」
そして「謎を喰らう触手の群れ」がカズマの体内から召喚され、一斉に襲い掛かる。大魔王という特大級の謎を喰らいつくすために、触手は絡みつきその細胞を喰らう。
「この、触手は……また私を喰らうのか!」
「予言するぜ、魔王陛下。アンタは負ける。どんなに知恵をつけたって、どんなに力をつけたって、人の心を解さねえからさ」
氷のレンズに隠れながら、カズマはウィリアムの方向を見る。その涼し気な表情は、カズマに安心感を与える。すでに最初いたレンズから大魔王の死角まで回り込んでいたウィリアムは腕を構えて魔法を発動する。
「Icicle Edge!」
その詠唱と共に数百本の氷柱の槍が乱れ飛ぶ。突き刺さる先はセレブラム・オルクスの大脳部分だ。知恵を司る部分の細胞が破壊され、さらにニョグに喰われている痛みが増幅された感覚に陥る。
「グァアアアアッ! コの、私ガ……」
「次は心を学ぶといいぜ!」
そう言ってカズマは飛翔し、腕に巻きつけた特大のニョグを氷の槍が刺さった大脳に叩きつける。その口は大脳を齧り取り、その細胞に大きくダメージを与える。そして傷口から毒と呪詛がまき散らされる。
「心だト……ソンナもノ……呪イ……殺シ…て」
大脳を破壊され、思考も言葉もおぼつかなくなくっているセレブラム・オルクス。だが強大な魔力で呪詛をまき散らし、周辺の生物を呪い殺す余力はまだあるようだ。大魔王の脳をかみ砕いたカズマは地面へと降り立ち、ウィリアムが心配そうに近寄る。
「カズマ、無事?」
「ああ……ちょっと無理、かも。呪詛は少しは耐性あるけど……毒がまず……い」
そういってよろめくカズマ。大脳からあふれ出た呪詛と毒液を浴びてしまったようで、これでは戦闘続行は不可能だ。だが十分な損害は与えられた、とウィリアムはカズマを抱えて呪詛の中心地帯から下がる。
知性は浅く、心を持たない怪物。それがいつまで持つかは、わからない。だがカズマの予言はもうすぐ訪れる予感だけはしていた。彼の健闘を見たウィリアムはそう、確信していた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
曾場八野・熊五郎
うーん我輩、獣的に内臓もばっちこいでごわすが、流石にあれは食べたくないでごわす。くさそう。
(pow)
我輩の肉球が溶けてなくなるのは世界の損失ゆえ速攻しかないでごわすな
超カブに乗って最高速で戦闘エリアに突っ込むでごわすよ
『ダッシュ・ジャンプ・野生の勘』を駆使して先制攻撃や毒を避けるでごわす
さらに今回は相棒の鱒之助に壁になってもらうでごわす
避け切れない呪詛は『破魔』の力を持った鱒之助で叩き落すでごわ
鱒之助が呪いに耐えている間に、目玉を聖なる鱒之助を【びったんびったん】で叩き割るという賢い作戦でごわ!『怪力・破魔』
え?壁になって無事で済むかと?……鱒之助は強い子!
※アドリブ&絡み歓迎
備傘・剱
魔王、まさに化け物って奴だな
上手くいけば、お慰みって奴だ
まずは、地形を利用して攻撃を食らわない様に接近、障害物がなくなったらオーラ防御と呪殺弾、衝撃波、誘導弾で、弾幕を張り、敵攻撃を相殺
翼を代償にした一撃には、黒魔弾をもって、相殺にあたる
それでも抜けてきた奴はフォトンガントレットで撃ち落とす
頭の上の一足りないのダイス攻撃は常に敵に向けて攻撃する様にし、目で追えない行動も、バディロイドに追わせる
できるのならば、ワイヤーワークスで捕縛する
接近した時、UCを封じられたら、全兵装、全射撃武器の一斉射撃を零距離で行う
被弾しても、狂気耐性と、激痛耐性で無視して、何とか一撃をいれよう
アドリブ、好きにしてくれ
「大脳は、修復した、か。やはり知性を得たことは間違いなのか?」
大魔王たるセレブラム・オルクスは知性を得た故に苦悩していた。ただの力を振るった方がよかったのではないか。この強大な呪詛をありのまま展開すればよかったという思案に。
だがその結果、大魔王は封印された。ならば封印された者達と同様に知性を得たのは正しいはずだ。そのために、今度こそ勝利を手にし、世界を喰らう。
「そう、死すら、敗北すら、後悔も思案も必要はない。ただ、私は時間を得る。勝利のために」
そして敵が来る。猟兵が来る。自身を滅ぼす怨敵達を、呪詛と毒で満たし、迎え撃つためにセレブラム・オルクスは瞳を向ける。
「うーん我輩、獣的に内臓もばっちこいでごわすが、流石にあれは食べたくないでごわす。くさそう」
そんな呪いを込めた視線を向けられても、暢気な蕎麦屋の店長であり、賢い動物でもある曾場八野・熊五郎(ロードオブ首輪・f24420)。それに付き従うように漆黒の男、備傘・剱(絶路・f01759)はセレブラム・オルクスを見据える。
「魔王、まさに化け物って奴だな。上手くいけば、お慰みって奴だ」
命も成功も勝利もうまくいけば、と埋め込まれた機械達を起動しながら劔は戦闘態勢を取る。だが熊五郎は早くこのエリアを抜けたい気持ちでいっぱいであった。
「我輩の肉球が溶けてなくなるのは世界の損失ゆえ速攻しかないでごわすな」
そう言うと乗っていた超カブのアクセルを全開に、最高速でセレブラム・オルクスに突っ込む。無謀だが呪いに被弾する可能性が一番低いのも、また最短距離である。やれやれと頭を掻きながら劔もその後ろに続く。
「そんなに早く死にたいか、猟兵。ならば望み通り死を超える呪いをくれてやる」
そうしてセレブラム・オルクスは翼を二翼潰し、特上の呪詛を込めた禁呪「クルトゥス・フィーニス」を発動する。蝕まれれば体内に呪詛が溢れ、血液が呪われ食い破られることとなる。その最上の禁術をソニックウェーブのように何層も放つ。
まさしく呪詛の津波。それを熊五郎は洞窟の障害物などを盾にして巧みに直撃を避けていく。さらに避けられない波は、背に背負った武器「石狩鱒之助刻有午杉」を振り回して弾き飛ばす。そこには熊五郎が込めた破魔の力が役立ち、呪いに汚染されつつも、クルトゥス・フィーニスの禁呪を防いでいる。
「おいおい、すごい鮭だなあれ」
そう言いながら目を見張る劔。ただ熊五郎の後をついていくだけではなく、フォトンガントレットから誘導弾で洞窟の壁や地面を撃ち込んで爆裂させ地形を変形させて障害物としたり、呪殺弾を撃ち込んで熊五郎に迫りそうになった禁呪と呪いの相殺などもやってはいる。
そしてさらにクルトゥス・フィーニスの波動が大きく迫ってくると、劔も切り札を切る。腕内の宇宙船外工作モジュールを過剰起動させ、「黒魔弾(ルイン)」を撃ち込む。
「漆黒の魔弾はいかな物も退ける。罠も、敵も、死の運命さえも!」
超高速で放たれる漆黒の魔弾と呪詛の波がぶつかり合い、弾け飛ぶ。魔力を祓う弾丸が見ることが難しい呪いを弾き飛ばした瞬間であった。その弾き飛ばした空間を超カブで駆け抜け、一気に頭上までウィリーで飛ぶ熊五郎。
「目玉を聖なる鱒之助をびったんびったんで叩き割るという賢い作戦でごわ!」
そうして渾身の一撃がセレブラム・オルクスの眼球に叩きつけられる。呪詛を祓う破魔の力がその身体を破壊し、眼球からも毒液と呪詛が溢れ出す。
「おのれ……!」
目玉に乗り上げた熊五郎を振り払おうと頭を動かそうとする大魔王。だが劔のワイヤーワークスが首と顎に巻き付き、一時的ではあるがセレブラム・オルクスの頭部を固定する。
「逃げるなよ、大魔王」
「ほーれほれ! どんどんいくでごわ!」
拘束されて動けなくなった隙に目玉を滅多打ちにする熊五郎。ついには目玉を完全に潰し、魔を祓う力が大脳までに及ぶところまで行く。だがそれ以上やらせるわけにはいかない大魔王はありったけの呪詛を傷口から熊五郎に放出しようとする。
「そろそろ潮時だ、下がれ!」
その劔の合図と共に、熊五郎は超カブに乗り込み、空中へと飛翔。そして呪詛が放出される瞬間を狙って、劔が黒魔弾を撃ち込み、呪詛と魔弾の連鎖誘爆を引き落とす。
「がああああああああああああ!」
毒と呪詛が溢れかえり、頭を抱えて苦悶するセレブラム・オルクス。あと一息といったところだが、そろそろ周囲が呪詛が充満してきている。これ以上ここにいるのは危険と判断した。
熊五郎の肉球が損傷する前に帰るのには賛成で、超カブの後ろに劔を乗せて内臓洞窟を逆走する。咆哮を上げるセレブラム・オルクスの声を聞きながら。
「……ところで、あんだけ呪詛と毒浴びて鮭、大丈夫か?」
「え?……鱒之助は強い子!」
鱒之助は青を通り越して緑色になって苦悶し、死と生の境をさまよっていたのだが、熊五郎はその強さを信じ、無視を決め込んだ。鱒之助の災難は始まったばかりである。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
クー・フロスト
【少女聖域】
●心情
今までのヤツらは良い面もあって、いまいちやりにくかったが――
混沌属性たるオマエならば私にとって良き相手となるだろうな
貴様を黄泉に招待しよう
このクーフロストがな
●戦闘:魔眼対策
【第六感】で攻撃する瞬間を感じ取り
自身に氷の膜を張り【呪詛耐性】で防ぎます
▼
反撃の際は【カウンター】
【激痛耐性】で食いしばり【存在感】と【殺気】を放ち
自身を死神化
そして【限界突破】で無理矢理
敵の呪詛を【オーラ防御】の【衝撃波】で吹き飛ばし
【早業】【蹂躙】で詰め寄り
UCを【全力魔法】で使用します
狙いは【目潰し】【2回攻撃】出来る隙を【見切り】
【咄嗟の一撃】を放ちます
所持武器の死神の鎌を振るい【傷口をえぐる】
イヴ・クロノサージュ
【少女聖域】◎アドリブ歓迎
●心情
UDCアースに出現しそうな、冒涜的な姿ですね
第一形態、第二形態は……
お話すればわかってくれそうな気はしましたが――
このような邪なる者には、負けるわけにはいきません
一瞬で終わらせましょう
―― " 神速槍撃 "
プリズム・セイントランス
●行動
「狙いは一瞬…。」
登場と同時にWIZ対策
攻撃する瞬間【第六感】で感じ取り
魔眼を【呪詛耐性】【オーラ防御】で防ぎます
▼
反撃は【カウンター】で行います
捕縛されていても【全力魔法】【衝撃波】で吹き飛ばしUCを使用します
隙を【見切り】、槍連撃に加えビーム【鎧無視攻撃】で貫いてやります
移動は【空中浮遊】で行い地形の影響は受けないものとします
セラフィール・キュベルト
なんと圧倒的なまでの呪詛の力でありましょうか。
世界の全てを呪い尽くさんばかりです…
しかし、この世界に生きる全ての生ける方々の為。その呪い、浄めてみせましょう…!
敵の眼球の視線に捕われぬよう、【空中浮遊】での飛行・精霊様(angelus luxis)からの発光による【目潰し】を駆使し回避。
捕われた場合は己の【呪詛耐性】に、【祈り】による信心の発露を上乗せし、以て抵抗・脱出を試みます。
好機を見出せましたらば、聖花乱咲・浄魂霞流を発動。
魔王自身はもとより、戦場となる空間全体の浄化を試みます。また状態異常に苛まれておられる味方がおられるならば其方の回復も。
「どうか、在るべき処へお還りを…」
大魔王セレブラム・オルクスの外見はもはや最初の頃の異様さを持ってはいない。翼は相当の数を犠牲にし、瞳も回復させながらも毒液のような液体が溢れ出し、脳漿からも呪詛が零れている。そして下半身の腸部分も一部で溶けるような現象が始まっており、かの大魔王にも限界が来ていることを物語っている。
だがその呪詛と魔力はまだまだ健在である。力を振り絞り、一人でも多くの猟兵を道連れにし、勝利のだめの時間を稼ぐ。ただ、大魔王がすべてを喰らう世界のために。
「私は呪う。私は喰らう。そのために知恵を得た。猟兵、私の呪詛を受け、死に絶えよ」
濃厚な呪詛が周囲を蔓延し、内臓洞窟もそれに呼応するように毒液と消化液を吐き出す。その悍ましき光景に慈愛に満ちた視線を投げかける聖女(少年)、セラフィール・キュベルト(癒し願う聖女・f00816)。
「なんと圧倒的なまでの呪詛の力でありましょうか。世界の全てを呪い尽くさんばかりです…」
強大な呪詛が世に解き放たれれば、すべてが死に絶えることだろう。それを許す聖者ではない。自身に宿る意志の為、セラフィールは主に祈りながら大魔王を見つめる。
「しかし、この世界に生きる全ての生ける方々の為。その呪い、浄めてみせましょう…!」
「UDCアースに出現しそうな、冒涜的な姿ですね。第一形態、第二形態は……お話すればわかってくれそうな気はしましたが」
その彼の後ろには自然を愛するミレナリィドールの少女、イヴ・クロノサージュ(《機甲天使》感情と記憶を代償にチカラを得た少女・f02113)。イヴはもはや話は通じないと理解し、ため息をつく。
「このような邪なる者には、負けるわけにはいきません。一瞬で終わらせましょう」
「今までのヤツらは良い面もあって、いまいちやりにくかったが、混沌属性たるオマエならば私にとって良き相手となるだろうな」
イヴの隣には死神が一柱、クー・フロスト(《甦生氷姫》氷の死神少女・f08503)。その目が厄災を振りまくセレブラム・オルクスを捉えている。
「貴様を黄泉に招待しよう。このクー・フロストがな」
「私は負けない。呪詛に沈み死ぬのはお前達だ、猟兵」
そして魔力を巨大な眼球に込めて、捕縛し能力を封じようと動くセレブラム・オルクス。もはや後を考えていない魔力を込めた『凝視』。動きどころか、捉えられれば心臓の動きすら止めてしまうほどの膨大な魔力。
それに対し、イヴとクーは持ち前の第六感を駆使して『凝視』のタイミングを察知し、イヴは呪詛耐性の聖なるオーラを身に纏い、クーは呪詛対策を施した氷の盾を発生させて視線から守ろうとする。
だが派手な動きをしたのは、二人の前にいたセラフィールだ。視線に捉われないようにオラトリオの翼を羽ばたかせ飛翔。正しき願いにより力を発揮する精霊angelus luxisの発光が内臓洞窟を包み込む。
「くっ……だがその程度で私の魔眼は防げはしない」
構わず凝視でセラフィールを捉えようとするが、彼女は敬虔なる信徒。その信仰心を持って祈り、曇りなき呪詛に対する聖結界を発現させる。そのことにより数秒、『凝視』の魔力と拮抗する。
その隙をクーとイヴが見逃すはずもなかった。一瞬で眼球に入らない死角から接近を果たし攻撃に移る。
イヴは「《神速槍撃》プリズム・セイントランス(シンソクソウゲキ・プリズム・セイントランス)」を発動し、まずセラフィールに向けている眼球に向けて聖なる光が数十本放たれ、『凝視』を阻害。そして呼び出した聖槍を構えて渾身の連撃を繰り出す。
「―――参ります」
神速の連撃がセレブラム・オルクスの腸を、腹部を悉く抉り取る。そしてその突きの上をクーが飛翔する。
「纏めて氷になってしまえ! フロストシュネーヴァイス」
能力「《甦生氷姫の祝福》フロストシュネーヴァイス(セツゲンニヌリカエル・フロストシュネーヴァイス)」。本来であれば、地形に当てることで雪原を呼び出し戦闘能力を向上させる長期戦用大魔術。だがその膨大な氷エネルギーを今はセレブラム・オルクスを討つために撃ち込む。
クーが持つ魔力のすべてを注ぎ込んだ氷の極大ビームは大魔王の身体を突き抜け、呪詛に塗れた細胞を氷漬けにして、急速に殺していく。まさしく絶対零度の死神である。
「ぐっ……時間すら……だが、死ぬのであれば、道連れよ……!」
イヴの神速の連撃が氷漬けの所にも当たり、下腹部がバランスを保てなくほど崩壊するセレブラム・オルクス。だが、その大魔王は潔くはない。最後の命の炎を燃やし、呪詛を暴発させて、近くにいるクーとイヴを巻き添えにしようとする。
「逃げようとしても、無駄だ。もう…遅い……」
濃密な呪詛が一瞬で蔓延し、イヴとクーの防御を突き破って浸食する。その呪いに一瞬で身体がふらつき力が入らなくなる。
「終わり、だ……!」
「純潔の証たる白花、貴き母の徴たる聖花。秘めたる光解き放ち、以て万物を清め癒し給え!」
だがその呪詛は爆裂することはなかった。セラフィールの「聖花乱咲・浄魂霞流(リリウム・キャスティタス)」が発動し、百合の花びらが舞い散る。それこそ、状態異常はおろか、魂をも清める、浄化の花弁。クーとイヴの呪詛を晴らし、周囲に蔓延する呪詛を祓い、セレブラム・オルクスの体内の呪詛ですら霧散させていく。
「これで……」
「終わりだ!」
呪詛が清められたのを見て、セレブラム・オルクスにトドメの一撃が撃ち込まれる。イヴの神槍が腹部の赤き宝石を貫き砕く。そしてクーの死神の鎌《ソウルイーター》は眼球と脳漿を真っ二つにし、その生命を呪詛を完全に断ったのだ。
「お……の……れ……最後に……呪詛が……晴れる……など……」
その原因となったセラフィールの方に視線を向けて、大魔王セレブラム・オルクスはドロドロに溶けるように崩壊していき、その形は失われていく。充満した呪詛や毒は目を見張るように晴れていく。
「どうか、在るべき処へお還りを…」
あれだけの悍ましい存在であっても天に召されたのであれば、平等である。セラフィールはそんな大魔王に祈らずにはいられなかった。
こうして呪詛と毒をまき散らし、猟兵達を大いに苦しめた大魔王の第三形態「セレブラム・オルクス」は消滅を迎えた。
だが時間を稼ぐというなら、かの大魔王の目論見は少しは達成できたのかもしれない。だが猟兵達はただひたすら前に進む。
世界崩壊を止めるために。真なる大魔王を倒すために。その考えこそが、強大なる呪詛にも耐えることができる、力となったのだから。
大成功
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