アルダワ魔王戦争2-B~巨大な怪魚……蒸気鮫かな?
●魔王戦争まだまだ続きます
短足ケットシーのグリモア猟兵、ハンニバル・エルバッキー(キャプテン・ユニバース・f02423)が招集に応じた猟兵たちに会釈する。
「よく来てくれたんぬ。キャッツの故郷でアルダワ魔王戦争なんぬ。ぬのふるさとを守ってほしいんぬ」
ハンニバルの声は切なお願いが籠められていた。
これまでの戦局としては大魔王第一形態との交戦、撃破も報告されている。行く手を遮るダークゾーンも、ダンジョンアタックの甲斐もあって徐々に進む先が見えてきた。
「この調子でダンジョンをガンガン下に進んで大魔王を倒すんぬ。まあ、その前に複数形態をたくさん倒さなきゃいけないんぬけどぬ」
●巨大怪魚に気をつけて
ハンニバルはさっそく今回の戦場についての説明をはじめた。
蒸気じかけの巨大な怪魚が居る地底湖、その上を蒸気の力で揺れる振り子のような不安定な橋を進まなければいけない。
橋から転落すればもちろん怪魚の餌食になるし、巨大怪魚は橋から離れた者を優先して飛び上がり食らいついてくるので飛行する事も禁じられる。
橋の上にはニキシー管のゴーレム。これを蹴散らして先を進むのが目的だ。
「特に気をつけてほしいのは飛行能力なんぬ、飛行ユーベルコードを使えば巨大怪魚にあっという間にやられてしまうんぬ。また、ロープやワイヤーで擬似的に高所から攻めるのも危険と判断するんぬ」
橋から離れた者を優先して攻撃する、これは敵に対しても同じ。
「揺れる足場、不安定な中で戦う工夫をなんとか考えて戦うのがいいぬ。敵を蹴落としてしまえば怪魚の餌食にできたり、機械仕掛けのゴーレムだからショートするはずなんぬ」
不安定な中での戦闘というのも頭を使う事になりそうだが、安定を維持して敵を落下させてしまえばユーベルコードを用いる間でもないかもしれない。
「まあ、それでも敵はオブリビオン。ユーベルコードで戦ったほうがいいかもしれんぬ」
そしてハンニバルは毛玉状のグリモアを吐き出して転移を開始した。行き先は地底湖の手前。これから橋を渡るという場所だ。
「ニキシーゴーレムのユーベルコードはちょっと通常のオブリビオンよりトリッキーなんぬ。現場についたらあとは流れでヨロシク」
JUNK.O
どうも!オープニングの閲覧ありがとうございます!
スマホの時計にニキシー管風時計を入れてるくらいにはニキシー管に惹かれてる方のJUNK.Oです!
今回のシナリオのプレイングボーナスは「足場の安全を維持しての戦い」と「敵を落とす」になります。
逆に、プレイングに対するマイナスとして「飛行及びそれに準ずる空中移動」もあります。
トリッキーな戦場にトリッキーなオブリビオンとの戦闘になりますが、地に足をついた戦いを行えば有利かと思います。
それでは皆様からのプレイングをお待ちしております。ヨロシクオネガイシマス!
第1章 集団戦
『ニキシーゴーレム』
|
POW : タイムループ
自身の【体に表示された999999の数字】が輝く間、【拳】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
SPD : タイムワープ
【敵の視界に数字の残光のみを残す】と共に、同じ世界にいる任意の味方の元に出現(テレポート)する。
WIZ : タイムキープ
【立ち止まって数字を高速シャッフルさせる】時間に応じて、攻撃や推理を含めた「次の行動」の成功率を上昇させる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
ルベル・ノウフィル
うむ、早業でUC黒水を使い僕は全身をオーラをまといしお水になるのでございます、ジャバァ…
念動力で橋からこぼれないようにしゅるしゅるびちゃちゃして、橋の上を這うようにヒタヒタと水が進みます
敵さんは僕に気付いています?
気付いていてもいなくてもゴーレムの速さより僕の水速度が優っていれば問題なし
鎧無視攻撃にて足元から攻撃、念動力のトンネル掘りにて硬い体に穴をあけましょう
大丈夫、地に足は付いているのでございます
今、僕の足どのあたりか分からなくなってますけど多分このへんが足なので
セーフセーフ
お魚さんは退屈そうなら念動力で浮かべて空中を泳がせてみたいですね
ついでに敵さんにぶつけます
サービスでございます
トーカ・スノーフレイク
揺れる橋、飛行は禁止。こら中々難しい場所だべ。
テレポートの類もダメだべな……ならば、こっちの足場を安定させる!【念動力】の出番だべ!
足を押さえつけるように力場を作り、橋から離れにくくする……磁石が吸い付くような感じで、姿勢を安定させるべ。
足場の心配を無くしてから、攻撃開始だべ!
行くべさ、『放出・氷矢連射』!
作る氷矢は締めて185本、まずはゴーレム一体一体へ向けて一本ずつ発射だべ。
うちの準備の間に数字を変えて「次の行動」を強めてる筈、一発目は避けられる前提で行く。
けれど、次からは遠慮無し!また数字をシャッフルされる前に、残りの氷矢全部をゴーレム達の片足に撃ち込む!姿勢を崩して落っこちるといいべ!
マックス・アーキボルト
ぐらつく橋に機械の巨大魚…
故郷の危機なら、どんなに揺さぶられたって僕の心は揺るがない!攻撃開始だ!
まずは〈氷属性攻撃〉を自分の足を撃ち、足場と足を固定!
〈氷結・激痛耐性〉で多少の痛みは無視して継続的に氷結させるよ!
その上で【魔砲楽団】発動。
60丁のアームキャノンを操作して〈水・氷属性攻撃〉の弾を発射、敵の足場に氷の膜を張るよ!
不安定な足場がさらにつるっつるになれば、簡単に滑り落ちることになる…
この方法で敵を倒していこう!
敵にワープで逃げられたとしても、まとめて撃破できるチャンス…!
〈継戦能力〉を発揮して耐えず攻撃を続けるんだ!
●水と氷
「いきなりお水になるのでございます」
吸血鬼の餌食となった貴人に仕えていた人狼、ルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)が全身を黒い水に変化させた。
ユーベルコード【黒水】は名前のまま、身体を黒い水に変化させる能力。
念動力で揺れる橋からこぼれないよう制御しながら、ひたひたと流れるように進んでいく。表面張力で維持されたコップの水のように、零れ落ちそうで落ちない。
「揺れる橋、飛行は禁止。こら中々難しい場所だべ……」
トーカ・スノーフレイク(冬の花片・f24431)は極寒の地で生まれた人間。生まれついての超能力と氷魔法、父から得た剣術で戦う。
「先を行くには……力場を作るべ!」
サイキックで橋に足を押さえつける。磁石が鉄板に吸い付くのと同じように橋と足を接触させて、揺れる振り子橋を一歩ずつ進む。これなら安定感はある。
無重力空間では姿勢を安定させるために磁石の入った靴を用いる事もある。それと同じ考え方は理にかなっている。
「故郷の危機なら、どんなに揺さぶられたって僕の心は揺るがない!攻撃開始だ!」
機械鎧に身を包んだミレナリィドール、マックス・アーキボルト(ブラスハート・マクスウェル・f10252)は左前腕のアームキャノンから氷結弾を放ち、足場と足をくっつける。多少の痛みには耐える。いまは何より先を進むのが緊急の課題だから。
これで三人は自ら安定する進行方向を取ることができた。次は障害となるニキシーゴーレムの撃破だ。
ニキシーゴーレムは液体となって移動するルベルに気付いていない。足下まで黒い水が流れてくると、装甲を無視して穴を穿ち敵の体内へ侵入。ニキシーゴーレムはの一体はショートし倒れる。
橋から落下する、というところでルベルは敵の体内より離脱。液体となったまま進行。落ちた一体を確認したニキシーゴーレムは数字をシャッフルして次の行動を決める。
「氷を撃てるべか?それなら氷結で協力するべ」
「二人で氷を使うんだね、よし!一緒にやろう!」
マックスが一歩進むごとに自分の脚を氷結させて固定していくのを見たトーカはマックスに提案した。
「奴らは数字をシャッフルした、ということは次の行動が上手くいきやすい。最初の一撃は避けられる前提で行くべ」
トーカはユーベルコード【放出・氷矢連射】で氷の矢を作り出し、ニキシーゴーレムに放つ。自分に攻撃が向けられたと理解したニキシーゴーレムは後方の仲間の元へとテレポーテーション。回避に成功する。
「あとはぶっ放すだけだべ!」
「オッケー!足下をすくってやろう!」
マックスはユーベルコード【極魔導式"魔砲楽団、大合奏"】を使い、自身のアームキャノンを60丁に複製して操作。ニキシーゴーレムたちの足下にトーカの氷矢とマックスの氷砲が降り注ぐ。
ニキシーゴーレムは自身の重量のみを頼りに橋から落ちずにいたが、足下が凍ってしまえば重量は関係なくなる。落下したニキシーゴーレムは次々とショートし機能停止。
「僕まで凍結するところでございました」
ルベルが安堵した。敵がテレポートを行わなければ今頃、黒い水になった自分まで氷結していたことだろう。せっかくなので念動力で怪魚の位置を探って浮遊させる。なるほど蒸気機関で作られたサメ。
ちょっと操作してニキシーゴーレムへ差し向けてみた。蒸気サメはニキシーゴーレムの一体に噛み付いて水の中へと戻っていった。
「いまのはサービスでございます」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鈴木・志乃
……いやー、不安定な足場でのパフォーマンスならともかく、戦闘かぁ。これきついぞ。
昨夜に任せっきりだったからなぁ、この手の依頼
振り子橋……
高速詠唱で魔法の縄を作って、ロープワークと念動力で次の橋や今いる橋に固定したりは出来そうだな
オーラ防御展開
第六感で攻撃を見切り念動力で敵の橋を揺らし……隙ができて敵が接近したらUC発動
【早業高速詠唱全力魔法、精神攻撃、ハッキング、催眠術】
私の位置を誤認させて、橋の下に来るように念動力も使って誘導しようか
とぽんと自滅してもらいましょ
通常攻撃は光の鎖で早業武器受けからのカウンターで足払いを狙いますよ
仙城・蒼汰郎
※共闘歓迎
オイオイオイ、こりゃ危なすぎるとんでもねぇ欠陥橋じゃねぇかよぉ!
ここはひとつ、俺の真骨頂と行かせてもらうかね!
「さぁて軽く一仕事しますかねっとぉ!(仲間がいるなら避ける事を指示するぜ!)」
不敵に笑いながら取り出だしたるは複数の剛性ロープ!
敵が複数体橋に集まったのを見計らって【ロープワーク・ボーラインノット】発動だぜぇ!
対象はそのゴーレム達と橋自体だ!得意の【ロープワーク】で橋に敵を縛り付けつつ、張り巡らせたワイヤーロープで橋を補強!可能な限り揺れを最小限に抑えるようにするぜ!
成功なら
「ッっしゃぁ狙い通りだぜ!やっちまえ!」
と自分も破壊や叩き落しに【解体用ハンマー】を用いて参加するぜ!
バルディート・ラーガ
うおウ……こりゃまたでっけエ振り子……配管工の冒険かな?
ともかく今回は橋に張り付いて動くコトが肝要とのコトで。
サメに喰われンのだけは御免ですからねエ。
しかして敵サンはニキシー管の化け物、テレポートで攻撃してくると。
フーム……や、しかしこのビジュアル。やっこサン
どうやらぴかぴかと光っていらっしゃるじゃアありやせンか。
つーワケであっしの答えはこれだア!
まずはスタート地点にて敵サンを待ち、来たトコを躱したらば
敵サンを光源に【薄っぺらな矜持】を発動、影化!影化解除!一歩進む!
テレポートで追ってきたならば再度光源にして影化……を繰り返し
光速でもってサクサクっと振り子を渡っちまいやしょ!
●地形と特技を活かしましょう
ダークセイヴァー生まれキマイラフューチャー育ちのパフォーマー、オラトリオの鈴木・志乃(ブラック・f12101)は揺れる橋を前にして進みあぐねていた。
「……いやー、不安定な足場でのパフォーマンスならともかく、戦闘かぁ。これきついぞ」
「いやこりゃまた、でっけエ振り子でございやすこと……」
胡散臭いドラゴニアン、盗人バルディート・ラーガ(影を這いずる蛇・f06338)がしばらく考える。
テレポーテーションを使うニキシーゴーレム。彼が導き出した答えは……待つ。ニキシーゴーレムは敵と認識した猟兵たちに向かってきた。
「ッシャ!狙い通り!」
目前に迫るニキシーゴーレムは身体から数字を光らせている。光あるところには影がある。
バルディートのユーベルコード【薄っぺらな矜持】は自身の肉体を任意の光源から伸びる影に変質させる能力。
敵が放つ光を利用して、影となりて先ヘ進む。バルディートに標的を定めていたニキシーゴーレムは回り込まれたと気付くやテレポーテーションで仲間の元へと引き返す。
都度、バルディートは影に变化して橋を渡り切る。進む手立てを考えながら眺めていた志乃は拍手を送った。
「おおー、見事なパフォーマンス」
「へへへっ、大したモンでやしょ?」
志乃の隣にまた一人、新たな猟兵がやってきた。頭にタオルを巻いた仙城・蒼汰郎(迅蜘蛛・f06062)は建物の修理が得意な元とび職の人間だ。
「オイオイオイ、こりゃ危なすぎる!とんでもねぇ欠陥橋じゃねぇかよぉ!」
揺れる橋を見て蒼汰郎が顔をしかめた。修理屋として構造物の設計上の欠陥は見逃しがたい。
「そうなんですよ、私もどうやって進んだものか考えてるんですけどねえ」
そういうことなら、と蒼汰郎は複数の剛性ロープを取り出した。
「よっ。さぁて軽く一仕事しますかねっとぉ!」
バルディートの移動時に敵は集中している。敵にめがけ複数方向から剛性ワイヤーロープを放ち、相手を捕縛する蒼汰郎のユーベルコード【ロープワーク・ボーラインノット】が放たれた。
ニキシーゴーレムはロープで揺れる橋と固定された。さらには橋までもが補強され、揺れが抑えられている。
「あぁ、ロープ」
なるほど、と志乃が手を打って自身も魔法の縄を作り、念動力で操って揺れる橋を補強。これで揺れはほとんどなくなった。
「ッっしゃぁしゃぁ狙い通りだぜ!やっちまえ!」
「いやあ、縄使いさんが居て助かりましたよ」
縛り付けられたニキシーゴーレムを解体用ハンマーで無慈悲に叩く蒼汰郎。敵のニキシー管が砕け散る。なんせガラスだ。
志乃も難なく進んでいく。雁字搦めにされたニキシーゴーレムは、ロープから逃れるべく数字を高速でシャッフルさせる。
ここで志乃のユーベルコード【UNKNOWN】が発動。世界中の意思を籠めた聖なる光でニキシーゴーレムの認識能力を狂わせた。
橋は縛られど、せめてもの攻撃を放とうとしたゴーレムはワイヤーロープを力任せに引きちぎる。数字のシャッフルで拘束破りを成功させたのだ。
前進して志乃を目指したが落下。9回のパンチを放とうとしたものの位置を誤認、水の中へと落ちていった。
橋向こうではバルディートが到着した二人を迎えてハイタッチ。
橋の補強は応急的な処置。蒸気機関で動く橋は、二人が渡りきった頃には歯車仕掛けの強力な動力が縄を千切ってしまった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
トリテレイア・ゼロナイン
(●騎乗能力に活かされるバランス制御と自身を●ハッキングし重心制御をリアルタイムで補正し、橋の揺れという●地形を利用しスムーズに移動)
バランサーの制御は上手く行ってるようですね
あとはゴーレムを突破しアルダワの人々を救う為の迷宮踏破の一歩を刻みましょう
UCを発動
橋の動きを含めた戦場や敵の動きを演算予測で●見切り、あえて落下寸前の場所に陣取り敵の攻撃を誘いましょう
拳のリーチや攻撃範囲を●情報収集で測りつつ、歩く様な最小限の移動で右に左に回避。すれ違いざまに●怪力での剣の下段●なぎ払いで足払いを仕掛け転倒させて水面に落としていきましょう
剣を必要以上に酷使する必要が無いのは有り難いですね
霧枯・デスチーム
【相楽・白丸と協力 アドリブ・協力歓迎】
「いくぜブラザー、白丸!フォーメーションBだ!」
『その様な作戦はありませんが、つまりはこういう事ですね』
アンカーを白丸に取り付け、【怪力】を使い敵に向かってぶん投げる。
白丸が敵を食い止めている間に【ブラザーアームズ】で固定アンカーを召喚、機体を固定。
そして状況が許す限りミサイルやグレネードガン等の火器を召喚。
敵を押し出しきれないか白丸が危なくなったらアンカーで白丸を回収後、【一斉射撃】【範囲攻撃】で纏めてふっとばす。
倒しきれなければ第二投を投じる。
全部終ればハードボイルドにキめたい所だナっておい、だけん暴れんじゃねえ!魚のエサにすんぞ!
相楽・白丸
【霧枯・デスチームと協力 アドリブ・協力歓迎】
「よしわかったわかんないけど!」
分からないけどおれはやるぜ!!
何かぶん投げられてるような気がするけど【白丸ランチャー】で敵に突撃する!するったらする!
【オーラ防御】【シールドバッシュ】も使用!敵を押せるところまで押す!
囲まれてもおれはやるぜ!やるったらやるぜぇぇ!
何かひっぱられてる?いやだ、おれはまだやるんだ!やるったらやるんだ!!
●猫と犬と騎士
異能生存猫、不死身のケットシーである霧枯・デスチーム(100万回殺しても殺せない猫・f13845)が機動兵器の通称ブラザーに搭乗して橋の前に到着。
足下でくるくると回っているのは相楽・白丸(血統書付きのだけん・f24916)、高性能な駄犬だ。
「いくぜブラザー、白丸!フォーメーションBだ!」
「びーってなんだ」
『その様な作戦はありませんが、つまりはこういう事ですね』
「よしわかったわかんないけど!」
白丸は舌を出してハッハッと呼吸をする。霧枯がアンカーを白丸のハーネスに取り付け、2m半の有猫型ガジェットから放り投げる。
「すかいはい!ふらいはいだ!」
白丸は空中を舞ってユーベルコード【白丸ランチャー】の準備に入った。敵を後退させるこのユーベルコードで橋から落としてしまおうという算段だ。
しかし、思い出してほしい。「空中移動またはそれに準ずる高所移動」は蒸気サメのかっこうの餌食だということを。
飛び出した機械仕掛けのサメが大口を開き白丸を飲み込もうとする。そこに割って入る巨体。
甲冑のような風貌。トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は騎士道精神を模倣するウォーマシン。
「危ないところでしたね」
トリテレイアは自身の身の丈ほどもある強固な大盾で蒸気サメから白丸をかばった。騎士として、仲間を守る。
演算能力を駆使し、バランス調整をリアルタイムで補正。重心を制御して揺れる橋の上を駆け抜けて盾でサメを受けた。
飲み込まれずに済んだ白丸は投げられた勢いそのままにニキシーゴーレムの群れに突撃、敵を弾き飛ばす。
「なんだかわからないけどたすかったぞ、しろいの。ありがとう」
「どういたしまして」
トリステレイアはユーベルコード【機械騎士の戦闘舞踏】を起動。戦術モードを予測に最適なものへ切り替え、敵の行動を緩やかな挙動で誘導。
歩みをゆっくりと進めて敵の攻撃範囲を測りながら必要最小限な動きで進む。途中、剣を下段に薙ぎ払ってニキシーゴーレムの脚をすくって水面下に落下させる。もう一体来れば盾で押しのけ、落とす。
この一連の無駄がない動作こそが機械騎士の戦闘舞踏だ。
「カッコいいナ、騎士って感じで」
霧枯は固定アンカーを起動、機体を地につけるとユーベルコード【ブラザーアームズ】でミサイルやグレネードガン等の火器を準備。
白丸を引っ張って回収したら放つ……のだが、柴犬は引っ張られるのに抵抗している。
「だけん暴れんじゃねえ!魚のエサにすんぞ!」
「それはいやだぞ」
おとなしく回収される白丸。さて、あらためて霧枯は爆発物を放ってニキシーゴーレムを一掃。
「これで障害物は無し、揺れる橋も安全に渡れるってモンだナ」
ゆらゆらと揺れる振り子橋の上を、霧枯はブラザーの制動機能を活かして危なげなく前進。白丸に引っ張られていくその姿は犬のお散歩のようだった。
「重火器を使っていただき助かりました。剣を必要以上に酷使する必要が無いのは有り難いですから」
「オウ。そういうアンタにはうちの駄犬が助けられたからナ、ありがとう」
「ふたりともはやく!はやくつぎにいくぞ!」
駄犬は二人を急かした。
●振り子橋攻略
こうして猟兵達は揺れる橋を完全攻略。ファーストダンジョンのより深層を目指す。
果たしてこの先、どのようなフロアギミックが残されているのだろうか。振り子橋のような攻略の難しいフロアはまだまだありそうだ。
封印されていた大魔王にも、どれだけの仕掛けがあるのかはわからないかもしれない。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵