アルダワ魔王戦争1-E〜こころいっぱいの“歓迎”を
●1-E『心奪いのキノコ森』
ファーストダンジョンの1-E地点にあるフロア、心奪いのキノコ森。
精神に悪影響をもたらす胞子を飛ばすというキノコがたくさん生えたこの森林エリアにて、着々と進むのは猟兵を迎え撃つための下準備。
「ポットの中身、ヨシ! ティーカップにスプーン、クッキーにスコーン……なんかちょっと粉っぽいけどヨシ、だニャ!」
進んでいるのは、猟兵を迎え撃つ、準備……。
おしゃれな飾り付けがされた会場、『welcome!!』と書かれた看板、胞子を吹き出す可愛らしいキノコ。
「お茶会の飾り付けもヨシ、ぼくのふわふわ毛並み……こっちもなんか粉っぽいけど、まぁヨシだニャ!」
セットされた大きな丸いテーブル、絢爛豪華なティーセット、甘くて美味しそうなお菓子のフレーバー……。
「……ふふふふふ! さあさあ、転校生はいつになったらやってくるのかニャあ? 一人でも大勢でも、ぼくの支配領域にやってきたやつはみんな、みぃーんな“歓迎”してやるニャあ!!」
……進んでいたのは、誰がどう見てもお茶会の準備。
……まあ、つまり、このキノコ森はそういうエリアだ。
●グリモアベース
ロアー・アレグリアス(雷刃名轟・f02956)はファーストダンジョンの1-E地点を指し示しながら困り顔を浮かべていた。
二階層目が開けたと言うのに、予知出来たのが一階層目だという困惑もあるが、敵であるはずの災魔が実に嬉しそうに、楽しそうに猟兵をお茶会に迎え入れようとする光景を見てしまったのだから無理もない。
しかしそのエリアは『心奪いのキノコ森』であることから、なぜ災魔がそんな歓迎ムードであるのかは、察しの付く者もいることだろう。
「……と、まあな。 このキノコ森の胞子は、“歓迎”の感情が増大してしまうようなのだ」
歓迎……それは客人の来訪を喜んで迎えること。
喜怒哀楽の中でなら“喜”に該当するこの感情が増大すると、出会った相手が敵だろうとなんだろうと喜びを以て迎え入れたくなってしまう、そんな感情。
今回のキノコ森エリアでは、胞子に触れたり吸ったりすると、誰も彼もがそんな歓迎の心に満たされてしまうのだ。
「だもんで、諸君はどっちかって言えば歓迎される側なのだが、敵に会った途端に『貴方にお会いできて良かったぁ!』みたいな喜びの感情がどーんと出てしまうぞ!」
溢れ出る歓迎の感情……それを抑えることは決して不可能ではないが、その為には多大な精神力を必要とするため、戦うのが困難になってしまうという。
故に、ここは“歓迎”の感情をあらわにしたまま敵に立ち向かい、快く迎え入れるようなノリのまんまで戦うことになりそうだ、もロアーの眉間にシワが寄る。
「で、だ。 そこに陣取っているのがさっき見たまんまの災魔、ティーパーティーキャットなのだ。 ……これまた察しが付くかもだがこの災魔、普段から“歓迎”し慣れている」
このピエロみたいなメイクをした白猫型災魔は現地の災魔のみならず、時には学生をもお茶会に招待してしまうようなフロアボスである。
紅茶を一杯いかがかニャ、こっちのお菓子はオススメニャと言うノリで、死の視線を浴びせてくる巨大な瞳や小型のトランプ兵、過去に招待された物の霊を召喚して攻撃してくる。
まさしく“歓迎”に適応した災魔なのだ、だからこそこの環境においては間違いなく強敵であろうとロアーは危惧していた。
「……と、言うわけでな。 ここでは『Nice to meet you!!』と爽やかに挨拶しながら、そのお会いできて嬉しい相手をいかにボコれるかが鍵かもしれんな!」
なかなか酷い物言いだが、実際にそうしないとまともに戦えない環境なのだから仕方がない。
ぱあっと両手を広げて歓迎の意を示すロアーに見送られながら、猟兵たちは転移の門を潜る。
四季臣
三十八度目まして、四季臣です。
この度はここまでOPを閲覧していただき、ありがとうございます。
このシナリオは『アルダワ魔王戦争』シナリオ、1章のみのシナリオです。
こちら1-E『心奪いのキノコ森』では、オープニングで指名させていただきました感情を爆発させるとプレイングボーナスが発生致します。
指定した感情は“歓迎”になります、参加者様の歓迎プレイングをお待ちしております。
今回のボスである災魔、ティーパーティーキャットも客人の皆様を精一杯“歓迎”致します。
と、言うわけで四季臣より戦争シナリオ4本目です。
それでは、よろしくお願いいたします。
第1章 ボス戦
『ティーパーティーキャット』
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POW : ニャんでもニャい日をいわおうじゃニャいか
【宙に浮かぶ瞳から死の視線 】を向けた対象に、【闇の輝き】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD : 赤のクイーンの使い
レベル×5体の、小型の戦闘用【 トランプ兵 】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ : 死んでもダンスを踊りましょう
【 お茶会に招待された者達 】の霊を召喚する。これは【魔法】や【剣技】で攻撃する能力を持つ。
👑11
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栗花落・澪
会いたかった!会えてよかった!
だってこんなにふわふわもふもふな可愛い猫ちゃん!
知らないままなんて損じゃない!
歓迎してくれるの?ありがとう!
素敵なお茶会、楽しもう!
僕もなにかお礼をしなきゃ
だって歓迎されるだけじゃ悪いもん
攻撃は【ダンス】でくるくる回避
時には【空中戦】で宙を舞い
奏でる【歌唱】に【誘惑】と【催眠】を乗せて
踊りたくなっちゃうくらい楽しい歌
教えてあげたい、知ってほしい!
気分が乗ったら一緒に踊ろ?
せっかくのお茶会なんだから!
一緒に踊るように誘導したい
そしたらきっと
攻撃する暇なんて無いでしょ?
踊って踊って、踊り疲れたら
今度はゆっくり休もうね
【指定UC】でおやすみの時間
次のお祝いは、躯の海で?
レフティ・リトルキャット
※詠唱省略やアドリブOK
にゃはは、歓迎ならまかせるにゃあ。ミュージックエナジースタンバイ!。
やっぱりレフティは呪いで子猫に変身し、リズミカルに【キャットダンス♪】トランプ達を一緒に躍らせてしまうにゃあ。
髭感知で動きや周囲を見切りつつ、呪いのオーラ防御で身体の防御性能を底上げ。
そんな一撃で消える軟な身体じゃダメにゃ。一部のトランプ兵に呪いのオーラ防御を纏わせて楽しく消えないダンス♪。ほらほら君(猫)も踊りなよ。ティーカップを楽器代わりに叩いたり、くるりくるりとスピン♪。慣れてきたならまだまだリズムチェンジ♪どんどん、おどってこーにゃん。
ぁ、この通り他の猟兵へ音楽の提供など協力もできるにゃよ。
●歓迎のダンスを踊りましょう
ファーストダンジョンの1-E地点、心奪いのキノコ森。
揺れるように、跳ねるようにキノコが震えれば、それだけで胞子が舞う森の中、その災魔は鼻唄を歌いながらお茶会の準備を進めていた。
「むむ! お客様の気配だニャ!」
茶会の主、ティーパーティーキャットはテーブルに身を乗り出すと、確かにその先に見えるのは人の気配。
赤と黄色の猫の瞳に映った可愛らしいお客様がお二人様、天使のように愛らしい栗花落・澪(泡沫の花・f03165)と、ふわふわ毛並みの子猫なレフティ・リトルキャット(フェアリーのリトルキャット・f15935)であった。
「会いたかった! 会えてよかった!」
「にゃはは、歓迎ならまかせるにゃあ、ミュージックエナジースタンバイ!」
ばあっとした笑顔でティーパーティーキャットとへと、澪が駆け寄ってその前足をきゅっと握った。
だってこんなにふわふわもふもふな可愛い猫ちゃん、知らないままなんて損じゃない!
胞子の効果も手伝って、喜びの感情を爆発させる澪をティーパーティーキャットは快く受け入れた。
「ニャあ! 可愛らしいお客様だニャ! めいっぱい歓迎するから今日は楽しんでいってほしいニャ!」
「歓迎してくれるの? ありがとう!」
素敵なお茶会を楽しむ気持ちでいっぱいになった澪を、いつの間にやら多くの人影が囲い出す。
「にゃあ? にゃんっ♪」
自前の呪いで子猫姿になっているレフティの周りには、熱々の紅茶が入ったカップを持った小さなトランプ兵がずずいと迫っていた。
「ふふふ! さあさあ紅茶はいかがかにゃ? 淹れたてのあっつあつを用意したんニャよ! トランプ兵に幽霊さん、お客様をおもてなしするニャ!」
ティーパーティーキャットの号令の後、澪とレフティに放たれるのは、ボコボコと沸騰した紅茶の水弾。
歓迎の気持ちはそのままに、けれど当たれば皮膚が焼け爛れる水魔法。
敵意すら感じさせない不意打ちだったが、澪もレフティもまるでダンスに応じるかのような身の軽さでそれを回避した。
「僕もなにかお礼をしなきゃ! だって歓迎されるだけじゃ悪いもん……ね、レフティさん!」
「それじゃーミュージックスタート、にゃ! 歌と踊りでお返しするにゃ♪」
歓迎の初撃に顔を曇らせることなく、レフティはユーベルコード――キャットダンス♪を踊り出して、リズミカルなステップでトランプ兵をダンスに誘う。
子猫のステップに合わせて澪はくるくると踊りながら、アップテンポの唄を歌い始めた。
踊りたくなるステップと、共に歌いたくなる楽しい歌。
教えてあげたい、知ってほしい!
熱々の歓迎に応える二人の気持ちは、踊り始めたトランプ兵と幽霊たちを追い抜いて、ティーパーティーキャットに辿り着く。
「一緒に踊ろ? せっかくのお茶会なんだから!」
「ほらほら君もこの手を取って? レフティと一緒に踊りなよ!」
「ニャあ?! で、でもぼく激しいダンスはちょっと……わわっ?!」
ちょっと戸惑ったティーパーティーキャットだが、レフティに手を引かれて愛用の青いカップからすぽんと引っ張り出される。
主催者も兵士も幽霊も、盛大に巻き込んだダンスパーティが幕を開けたなら、攻撃する暇なんてないのだろう。
澪の狙い通り、レフティにくるくると猛回転させられているティーパーティーキャットは、楽しみながらもそれどころではないって感じだった。
「フニャニャー、目が、目が回るぅ……ニャフハフー……」
「どんどん踊ってこーにゃん♪」
まるで独楽のようにティーパーティーキャットが回らされてる間、澪は踊り疲れたトランプ兵たちに向けて、ユーベルコードの歌を贈る。
誘幻の楽園――歌に操られた花弁の刃はお茶会会場を満たし、辺りに美しい花畑を咲かせて……ティーパーティーキャットに召喚されたモノたちは静かに消えていく。
花弁の刃はティーパーティーキャットにも刺さっていくが、主催者はまだまだ眠る気はないようだ。
「疲れちゃったら、もうゆっくり休んでいいんだよ?」
「ニャフフ……まだまだ歓迎し足りないニャ! だってあまーいお菓子もいっぱい用意したんだからニャあ!」
気遣うような澪の言葉にも笑顔で応じたティーパーティーキャット、千鳥足っぽくフラついてはいたが、それでも引き続き歓迎する元気はまだあるようだ。
大成功
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三上・チモシー
アドリブ連携歓迎
るんるーん♪
今日はお茶会があるんだよね?
わーい楽しみー♪
お洒落してー(普段通りの格好)、手土産(お菓子詰め合わせ)持ってー
レッツゴー!
きゃー♪ 会いたかったよ猫さーん!
Nice to meet you!
お菓子持ってきたよ。受け取って!
つまらない物ですがー!!
『甘糖充実』を使用
何がいいかなー
クッキーとかスコーン……はもう用意されてるし……
そうだ、マカロン! マカロン食べたーい!
ん? 人増えた?
あぁ、幽霊さんね。ウェルカムウェルカム
剣技は【見切り】、魔法は【野生の勘】で出来るだけ回避
霊のみんなもマカロン食べてよ!
●美味しいマカロン召し上がれ
「ふぅ、覚悟はしてたけどお客様はアグレッシブだニャ……」
「キャー♪ 会いたかったよ猫さーん!」
「フギャーーーー?!」
どんがらがっしゃーん。
マイカップという定位置に帰ってきたティーパーティーキャットを最初に突撃一発かましたのは、三上・チモシー(カラフル鉄瓶・f07057)である。
北国の某お寺で長年使われた南部鉄瓶のヤドリガミであるチモシー、その頑丈さはかなりのもの。
ファーストアタックよろしくのダイビングは、ものの見事に主催者の顔にクリティカルヒットしていた。
「あいたたたた……これまた元気な子が来たニャ……」
「あ、そうだお菓子持ってきたよ、受け取って!」
そうして一人と一匹青いカップに入ったまま、チモシーが持ってきたという手土産を贈る流れになる。
突然のダイレクト訪問に驚きっぱなしのティーパーティーキャットだが、努めて歓迎の意を示す。
「お菓子? はニャニャ、それはお気遣いありがと」
「つまらない物ですがー!!」
「ハギャーーーーー
?!?!」
再度、轟く猫の悲鳴。
チモシーの手土産とは、ユーベルコード――甘糖充実による大量のお菓子召喚であった。
指先を向けた先に、その時食べたいお菓子を大量に降らせるというこの力、それはティーパーティーキャットの頭上に訳が分からないほど大量のマカロンを降らせては押し潰していた。
これには猟兵に備えて準備をし直していた幽霊たちもびっくりとした様子で、マカロンまみれになった青いカップを凝視している。
マカロンの山からまずチモシーが顔を出す、何分頑丈なチモシーはマカロンでは潰されない。
「ん? 人増えた? あぁ、幽霊さんね、ウェルカムウェルカム! 霊のみんなもマカロン食べてよ!」
「お、重いニャ……ゆーれいさーん……マカロン食べて、ぼくを助けてニャー……」
マカロンの中から鼻先を覗かせた主催者が幽霊にお願いするも、幽霊はみんな揃いも揃って首を横に振る。
幽霊は魔法や剣で接待は出来ても、お菓子は食べられないのだ。
「そっかー、残念だねぇ」
「ムギュー……」
幽霊さんたちが主催者を引っ張り出そうとしてる最中、チモシーは手土産マカロンをうまうまと頬張っていた。
大成功
🔵🔵🔵
パルピ・ペルポル
貴方にお会いできて良かった…今ほんと心からそう思うわ。
だってこんなにふわふわな毛並みのもふもふ災魔…!
これはもふりすととして全力でもふりにいくしかないわね。
まずは念動力で雨紡ぎの風糸を自らの周囲に張り巡らせておいて、敵の行動を阻兼盾として使用するわ。
じっくりもふるために火事場のなんとやらも使用してしっかり糸で絡めて、ついでに穢れを知らぬ薔薇の蕾を投げつけて拘束して。
準備できたら全力でもふるわねっ。
うっかりもふる時に力をこめすぎて勢い余っちゃうかもだけれど、そこは勘弁してねっ☆
トランプ兵は糸で一撃いれてやれば消えるはずだし、たくさん呼んでくれたらたくさん消せて楽しめるから歓迎するわね。
●ぎゅっと抱いて離さないで
「貴方にお会いできて良かった……今ほんと心からそう思うわ」
たくさんのマカロンから難を逃れたティーパーティーキャットへ、ふわりと近付く小さな影。
パルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)は主催者の白い毛並みをそっと撫でると、その次にはぎゅっと抱き付いていた。
「ニャ、ニャニャあ?!」
「だってこんなにふわふわな毛並みのもふもふ災魔……! これはもふりすととして全力でもふりにいくしかないわ!」
「ニャ、そんニャ、今日のぼくは粉っぽくてアレなのニャ……ニャ?」
ケットシーよりも小さな妖精、フェアリーであるパルピをそっと前足で抑えようとしたティーパーティーキャットだが、なぜだか身体が上手く動かない。
それもそのはず、パルピはもふもふ毛並みをじっくりもふるためにティーパーティーキャットを糸で絡めて、更に白い薔薇の蕾を突き刺していた。
この薔薇は穢れを知らぬ薔薇の蕾、伸びた茨が猫毛に絡み付いては血を吸い上げて紅い薔薇を咲かせる、同時にティーパーティーキャットの体力を着実に奪っていく……。
「ニャああっ?! や、やめてニャあ! トランプ兵ー!」
「あら、トランプ兵なら来れないわよ?」
身の危険を感じたティーパーティーキャットがトランプ兵を探すが、かのトランプ兵はなにやら糸のようなものに絡み付かれていて、身動きがとれぬまま自壊していく。
そんな、ニャぜ、と驚く猫にパルピはにっこりと微笑んだ。
「わたしの雨紡ぎの風糸は、そう簡単には切れない捕獲網だから♪」
「ほ、ほかくっ」
「ふふ……もふるときにうっかり力入れすぎて勢い余っちゃうかもだけれど、そこは勘弁してねっ☆」
――ニャーーーーーー?!
……と、フェアリーにあるまじき火事場のなんとやらを発揮したパルピの「もふもふ」に、ティーパーティーキャットの身体はバッキバキに絞められたそうな。
大成功
🔵🔵🔵
ヘスティア・イクテュス
歓迎、ティーパーティ、猫…(震え声)
これはまさしく強敵…いえ天敵とまでいえるわね…
お茶会に呼ばれたからにはこちらも歓迎せねば無作法というもの
お呼ばれ光栄ね、今日は楽しく過ごしましょう?と歓迎モード
普段持ち歩いてる、お高い茶葉に手作りマフィンを提供!【料理】
他の猟兵の皆もどうぞ?
歓迎の挨拶のノリでキャットを抱きしめわたし自身は思いっきりティーパーティーを楽しむわ
その間プチヘス部隊に戦闘をおまかせ、
賑やか、不作法…普段なら止めるでしょうけど胞子の影響下ならそれもも歓迎ってね
プチヘス達、存分に舞闘を舞って頂戴
わたし達は楽しい死の舞闘を歓迎しましょうか?(逃さないようガッツリ抱きしめながら)
●ダンスが終わるまで離さない
「歓迎、ティーパーティ、猫……」
繰り広げられるお茶会を遠目で見ていたヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)は、震えた声でそのフレーズを呟く。
その組み合わせはヘスティアにとってまさしく強敵……天敵とすら言えるようだ。
しかしてそこは歓迎の胞子が撒かれる森の中、ヘスティアも例外なくその感情が感化されていく。
紅い薔薇をテーブルに飾って脱力していたティーパーティーキャットへ、ヘスティアは優雅にお辞儀をした。
「お呼ばれ光栄ね、今日は楽しく過ごしましょう?」
「ニャは~……ようこそぼくのお茶会へ! マカロン食べるかニャ?」
「あら、美味しそうね。 それではわたしもお返しよ、さあどうぞ?」
ささっと勧められたマカロンを受け取りつつ、ヘスティアもお土産として普段から持ち歩いているお高い茶葉と手作りのマフィンの入った箱を贈る。
他の皆様もどうぞと微笑んだ後、ヘスティアはティーパーティキャットのふわっとした身体をそっと抱き上げた。
何故だか糸が絡み付いていたが、まあそれには構わずティーパーティを楽しむヘスティア……その腕の中で主催者猫はきょろりと周囲を見渡していた。
「あら、なにか探し物?」
「接待係のトランプ兵がいニャいのニャ、あいつらどこに行ったのニャ?」
「あぁ……それなら」
お客様をもてなさねば、と口を尖らせたティーパーティキャットの疑問に答えるように、ヘスティアはそっと会場の外を指差し示す。
そこにはヘスティア……を模した二頭身ロボがたくさん巡回していて、会場に戻ろうとしているトランプ兵をぱったぱったと凪ぎ倒していく光景があった。
「……えっ、ニャにあれ」
「使っててすごい複雑なんだけど……」
ヘスティアに似た二頭身ロボの正体は、プチヘス部隊という……ヘスティアのユーベルコードによって召喚されるロボット隊だ。
一見可愛らしいロボたちだが、所持している武装がビームセイバーにブラスター銃と……なかなか本格的である、トランプ兵はあっさり返り討ちにあったようだ。
「と、トランプ兵ー?!」
「さあ、わたし達は楽しい死の舞踏を歓迎しましょうか?」
「あ、ちょ、またこのパターン?! や、やめてニャ、待って、あ、あーれーっ?!」
ヘスティアはティーパーティキャットが逃げないようにがっしりと抱き締めると、そのままぐるぐると激しいダンスを踊り始める。
激しいのは苦手、という主催者猫は再びダンスで目を回すこととなった。
大成功
🔵🔵🔵
バルディート・ラーガ
やーアやア、こりゃ盛大なお出迎えをドーモ!
嬉しいですねエ、こンなダンジョンの奥にてお茶を頂けるたア。
戦い続けて流石に疲れの溜まってきたトコロにございやす、是非是非
仲良くさして頂けりゃアと思いやして……ヒヒヒ。
アラッ、兵隊の皆様もぞろぞろといらしたようで。ドーモドーモ。
ひとつご挨拶の握手でもさして頂いて……
おおっと。紙の兵隊サン、握手の途端にあっしの腕……もとい
炎の蛇に接触して燃えっちまいやしたねエ。
まアいいや。すげえ人数ですが、幸いにコチラの蛇頭も4つと多い。
体力も都度吸わして頂いて元気満タン、皆様余さず握手周りと参りやしょ。
勿論そちらのネコの旦那とも、みっちりと熱ーい握手をば。ヒヒヒ!
●抱擁よりも熱い握手を
さて、踊り疲れたり目を回したりしたティーパーティキャットの元気は右肩下がりだが、“歓迎”の気持ちはこれっぽっちも無くならない。
死の舞踏から解放された主催者の目に留まったのは、これまでのお客様とは随分と雰囲気の異なる人だった。
「やーアやア、こりゃ盛大なお出迎えをドーモ!」
バルディート・ラーガ(影を這いずる蛇・f06338)、気さくに声を掛けつつやってきた黒装飾の男はにこやかにティーパーティキャットへと歩み寄る。
社交的ながらも怪しさが滲み出るような細身の竜派ドラゴニアンだって、ティーパーティーキャットは歓迎する。
例えこの世界でお尋ね者であっていようが、故郷の危機と知って舞い戻ろうが、災魔の猫には関係のない話だ。
「わーお、これまたカッコいい竜人さんたニャ! ぼくのお茶会へようこそニャ!」
「いヤー嬉しいですねェ、こんなダンジョンの奥にてお茶を頂けるたア。 戦い続けて流石に疲れの溜まってきたトコロにございやす」
「ニャハハ、キノコ森伝いで話は聞いてたニャよ! もしや、迷宮の主《ダンジョンロード》を目指しておいでかニャ??」
しかして同エリアの戦いに多く参戦しているバルディートの存在を、社交的なティーパーティーキャットが知らぬ訳もない。
その周囲をあっと言う間にトランプ兵に囲まれてしまう……その間にも続く竜と猫の歓迎の挨拶。
「いヤいヤ、迷宮の主だなんて名誉、あっしのようなしがない蛇には勿体ない代物でございやすよゥ」
「そんなご謙遜を……ニャあ? まあいいニャ、トランプ兵!」
「アラッ、兵隊の皆様もぞろぞろといらしたようで、ドーモドーモ……ヒヒヒ」
バルディードが主催者から目を離したとき、一体のトランプ兵が手にした槍を振り上げる。
その穂先が胡散臭い蛇の頭にフリオとされる……よりも早く、兵士の紙の身体は瞬く間に炎に包まれてしまった。
「ニャあ?!」
「おおっと。 兵隊サンにもひとつご挨拶の握手でもさして頂こうと思いやしたのに……」
ゆらり、と振り返る蛇に握手をするための腕などない。
では握手とは、とティーパーティキャットが問うよりも早く、バルディードの“腕”がその姿を現す。
ユーベルコード――四つ影の蛇使い。
かつて失われた腕を地獄の炎で補完したという彼の炎は、四頭の毒蛇の姿を象って兵隊に食らい付く。
兵隊の数は多けれど、蛇の頭は四つと多い……固い握手回しと洒落込めば、兵隊たちは次々と炎に喰われていく。
粗方を平らげた所でバルディードは再びティーパーティーキャットの方へと歩を進める、蛇の舌がチロリと宙を掻いた。
「体力も都度吸わして頂いて元気満タン、“美味しい”お茶会でございやした。 お礼にネコの旦那とも、みーっちりと固い握手をば」
「ご、ごごごご遠慮させていただきたく」
「いエいエどうかご遠慮なさらずに……ヒヒヒ!」
そうしてバルディードの“腕”はティーパーティーキャットの身に絡み付き、四対の“爪”を深く食い込ませる。
これが“蛇”の握手でございやす、と言わんばかりに。
大成功
🔵🔵🔵
フェルト・ユメノアール
おかしなキノコに歓迎好きな猫かぁ、これは思ったより強敵かも……
でも、歓迎対決ならボクだって負けないんだから!
手札から一枚のカードを選び、UCを発動
キミをお菓子な世界にご招待!
カモン!【SPショコラビット】!
相手に対抗してショコラビットのお菓子空間を展開
さあ、遠慮せずに沢山食べて行ってね
召喚された硬い砂糖菓子や鋭く尖った飴細工を敵に『投擲』して牽制
キミにとっておきの手品を見せてあげるよ!
『ミラクルシルクハット』の中から白鳩の姿に戻した『ハートロッド』を相手に向けて放ち
ショコラビットと一緒に相手を攪乱、その隙にパーティーキャットに接近し、どこからともなく取り出した『トリックスター』で攻撃を行う
●魅惑のお茶会へようこそ
「おかしなキノコに歓迎好きな猫かぁ、これは思ったより強敵かも……」
道化姿の少女、フェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)は、師匠より受け継いだ魔法のカードを手にとりながら、歓迎の胞子が降り注ぐお茶会へと赴く。
胞子に混じって漂う、甘く暖かな香りは確かに猟兵を歓迎するかのよう……フェルト自身も人々を歓迎し、笑わせるエンターテイナーであるため、その感情の持つ強みは身をもって理解している。
「でも、歓迎対決ならボクだって負けないんだから!」
「ニャニャあ? 対決? なんの話だニャ?」
白い毛並みの焦げた痕を気にしつつ、ティーパーティーキャットはフェルトの方に目線を向ける。
新たな客人と認識すれば、すぐさま過去の幽霊たちがフェルトを“歓迎”すべく集い始める。
「まァいいニャ、道化師さんもようこそニャ! さあさあ幽霊さん、おもてなしの時間だニャ!」
「おっと、さっそく幽霊のお出ましか……お集まりいただきありがとう! お礼にキミたちをお菓子な世界にご招待するよ! カモン! 【SPショコラビット】!」
フェルトの取り出したカードに描かれているのは、たくさんのチョコレート菓子に囲まれたショコラ色のうさぎびと、ショコラビット。
カードよりぴょこんと飛び出したショコラビットはお茶会のテーブルにしゅたっと着地すると、ティーカップを手にしたまま優雅にお辞儀をする。
花畑が広がっていた会場にはたくさんのお菓子が降り注いで、瞬く間にお菓子なワンダーランドを出現させた。
「ニャああっ?! 降ってくるお菓子はもうたくさんだニャあ!」
「そんな、遠慮せずに沢山食べていってよ! さぁショコラビット、《魅惑のお茶会》の時間だよ!」
お茶会を嗜むうさぎはティーカップを仕舞うと、代わりに召喚された砂糖菓子と飴細工を手に取り……振る舞うようにばら撒いていく。
礫のように堅く、刃物のように鋭い固形菓子の飴霰は幽霊だって貫いて、切り裂いていく。
同時に拡がるお菓子なワンダーランドは、フェルトの力をも上昇させていく。
「キミにはとっておきの手品を見せてあげるよ!」
取り出したシルクハットからは白い鳩が飛び出せば、それに合わせてショコラビットも大きく跳び跳ねる。
鳩とうさぎが飛ぶのを目で追ったティーパーティーキャット……その隙に会場を駆け出したフェルトの動きは、正にトリックスター。
そしてその手には、名誉ある称号を与えられた道化師のナイフがいつの間にか握られていた。
「……ッ?!」
「どう? 楽しんでくれた?」
歓迎を極めた猫に届いた、兎と道化の波状攻撃。
相手を楽しませる気持ちはそのままに、甘く鋭い一撃はここに下された。
大成功
🔵🔵🔵
清川・シャル
f02317仲良しのすずと同行
何度目かのアルダワご招待!何度来ても楽しい
戦闘開始したらば鬼らしく仁王立ち「ようこそ地獄へ」
これも歓迎ですからね、ようこそ、ですからね
来る敵片っ端から攻撃です
修羅桜で2回攻撃、なぎ払い、串刺し、恐怖を与えるを使いながらUC起動
追加で櫻鬼で傷口をえぐる攻撃を
追撃でSoulVANISHを打ち込みます
全身を使っての攻撃です。
すずのUCと合わせて動けたらと思います
踊りというか舞なんですけどね
周りがすごくカラフルで綺麗なんですけど!
防御は氷盾で!
すずの攻撃、トリッキーで好きだなぁ
シャルも制服着たかったなぁ、似合うかな?
シャルの制服っていったらこの着物なんだけどね。
コイスル・スズリズム
仲良しのkawaiiシャルちゃん(f01440)を魔法学園にご招待!
もうこの段階で大歓迎する気持ち
相手の姿をみたら、kawaii猫さん!と笑顔でとびつき
猫さんとティーパーティならぬ戦闘開始!
思いっきり全力で歓迎しまくりたくなっちゃうよ
袖口から「物を隠す」してた魔導書を出すと
「先制攻撃」「高速詠唱」「全力魔法」を込めたUCで
ハート型紙片を飛ばしてシャルちゃんと踊るよに攻撃
紙片を「アート」でカラフルに染めたら
何色が好き?とはしゃぎたずねる
紙片の上を利用して攻撃力を高める
せっかくの魔法学園、
制服一緒に着て欲しかったりしたんだけど
いつものシャルちゃんがすでにあまり魔法的で
何を着てたって魔法のよだったよ
●歓迎ってなんだっけ
「kawaii!! 猫さーん!」
「フギャーーーーッ?!」
デジャヴを感じる、この光景。
真っ白い身体にくっついた飴をぽい投げしていたティーパーティーキャットに、満面の笑顔で飛び付いたのは、“kawaii!!”を愛するコイスル・スズリズム(人間のシンフォニア・f02317)だ。
もうこの時点で大歓迎気分真っ只中のコイスルに、こころいっぱい抱き締められた猫はすっかりグロッキー。
そんなコイスルに誘われて、一歩遅れてやってきたのは清川・シャル(無銘・f01440)。
何度目かのアルダワへのご招待は、なんと相手側もご招待ムードで出迎えてくれるのだから、より一層楽しい気持ちが高まっていた。
……それも“歓迎”の胞子の効果なのだろう、しかしてシャルは鬼である……比喩ではない。
漂い始めた死の視線、宙に浮かぶ瞳に目を向けたシャルの、最初の一言はこちら。
「ようこそ地獄へ」
「……カチコミかニャ?」
コイスルにしっかり抱かれたままのティーパーティーキャットが、思わず正気に戻るくらいに強烈な“歓迎”の意を示したのだった。
当然ながら、強烈なのはそれだけに留まらない……『修羅櫻』、本差と脇差の二刀を手に取れば、漂う瞳を豪快に斬りつける。
まさに鬼気迫る猛攻、加えて繰り出した蹴りには厚底高下駄の『櫻鬼』、ぽっぬりに仕込まれた刃が傷口を抉る。
とどめとばかりに着物の袖下から飛び出したのは小型パイルバンカーの『soulVANISH』、魔弾式の杭が死の瞳を貫いて破壊する。
「……ニャにその全身凶器」
「シャルちゃんのダンス、素敵! すずも一緒に踊るよ!」
「えっ? ダンスなの??」
もはや“歓迎”の気持ちすらぶっとんだティーパーティーキャットは、コイスルに抱かれたまま繰り広げられる“踊り”をただ見ていることしか出来なくて。
コイスルもまた袖口から取り出した魔導書を手にすると、そこからハート型の紙片をはらはらとばら撒く。
それに合わせてシャルもまた、二つ手にした刀を構えてその力を解放した。
「血の桜よ。 咲き誇れ」
「誰かに恋する時のよに誰かを待つよに深く甘く続いてく」
ユーベルコード――百花繚乱・桜舞。
ユーベルコード――“恋する空ある街の灯”。
辺り一面に振り撒かれたカラフルなハートの中で、シャルは舞い、コイスルは踊る。
シャルの斬撃に裂かれた死の瞳が血桜を散らせば、コイスルの魔法が止めにかかった幽霊たちを次々と消し飛ばしていく。
色彩豊かだが、どこか赤の目立つ二人のダンスに響くのは、やはり楽しげなガールズトーク。
「ダンスというか舞なんですけどね、周りがすごくカラフルで綺麗なんですけど!」
「あははっ! ねぇ、シャルちゃんは何色が好き? すずのハートは何色にでも変えられるよっ!」
「もう、どーにでもニャれ……」
ここまで来るとティーパーティーキャットの付け入る隙がまるでなく、コイスルに抱かれたままで脱力している。
歓迎って、なんだっけ……思わずそんなことさえ考えてしまうほどにティーパーティーキャットが参っていることなど、シャルとコイスルは気付きようもない。
「シャルも制服着たかったなぁ、似合うかな?」
「せっかくだから制服一緒に着てみたいね!」
「……この状況でニャんでそんニャ会話にニャるの? ねぇ?」
いつものシャルちゃんはすでにあまり魔法的で、何を着てたって魔法のよう。
そういって笑うコイスルの真意を、疑問に満ちたティーパーティーキャットに読み解けはしなかった。
大成功
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イフ・プリューシュ
アドリブ・絡み歓迎
SPD
はじめまして、こんにちは、もふもふなねこちゃん!
お会いできてうれしいわ!
お茶会だものね、礼儀正しくしなきゃ
スカートをつまんで、ぺこりとおじぎをするわ!
さあ!あなたもイフのおともだちになって!
(おともだちにする=もふもふを追いはぎする気満々)
おいで、カメリアにムスカリ、アマリリス!さあ、あの子をつかまえて!
UC『まだおうちには帰さない』を使って、ねこちゃんをつかまえようと追いかけまわすわ!
追いかけまわしている内に、巻きあげた胞子をさらに強く吸っちゃったりもするかもしれないわね!
待ってー、逃げないでったら!
こんなにおともだちになってって頼んでるのに、どうして逃げるの!?
●最後はみんなおともだち
ティーポットのお茶も少し温くなってきた頃には、たくさんの“歓迎”に満ち溢れていたティーパーティーキャットもクタクタになっていた。
まだまだ目が回る……とくらくら頭を振っていると、ふかふかした猫の顔に縫い目だらけの白い手が添えられる。
赤と黄色の猫の視線の先にはピンクの瞳、イフ・プリューシュ(あなたの『生』に祝福を!・f25344)が最後の“歓迎”にやってきた。
「はじめまして、こんにちは、もふもふなねこちゃん! お会いできてうれしいわ!」
「フニャー……、こちらこそニャ、フニャニャー」
ゆらゆらと前足を振って歓迎の意を示すティーパーティーキャットに、イフもスカートをつまんで礼儀正しくお辞儀をしてみせる。
と、そんなイフの背後からにょきっと顔を覗かせたのは、イフのだいじなおともだちであるぬいぐるみのみなさま。
眼帯うさぎさんの『カメリア』に、どっしりくまさんの『ムスカリ』、ボタン目くまさんの『アマリリス』も、イフのお辞儀をぺこりと真似てご挨拶。
そうしてぴょこんと飛び込んで、3体のぬいぐるみはティーパーティーキャットの周りを囲む。
「ニャあ、これまた可愛らしいおともだちだニャー」
「ふふふ! そうでしょう? ねこさんもきっと、イフのおともだちになれるわ!」
「ニャハハ、ぼくは“歓迎”のティーパーティーキャットだからニャ! お茶会に来てくれたキミとはもうおともだちだニャ!」
「本当? うれしい!」
ティーパーティーキャットのにこやかな返答には、イフにとっては思いがけないくらいに、本当に素敵な提案だった。
それならばとおともだちのカメリアは、ムスカリやアマリリスと一緒になって、ティーパーティーキャットの身体にぴっしりしがみつく。
なんせここは“歓迎”が支配するキノコ森、てっきりその感情が爆発しての行為かと思った猫は、イフの“おともだち”の真意に気付けなかった。
イフにとって、“おともだち”とは“ぬいぐるみ”なのだ。
「ねこちゃんのもふもふ、とってもすてきよ! だから――」
――あなたはおうちには帰さないわ。
「……へっ?」
「みんな、しっかりつかまえててね!」
「えっ……ええっ?! ニャ、トランプ兵が呼び出せない?!」
ティーパーティーキャットが気づいた頃にはもう遅い。
3体のぬいぐるみが命中した時点で、猫の召喚能力は随分と前から封じられていたのだ。
もはや身動きの取れぬ猫に向けて、イフは微睡む金の針を振り上げて見せる。
「さあ! あなたもイフの“おともだち”になって!」
「ニ"ャッ」
ごすんと振り落とされた金の杖は、猫の眉間に直撃、瞬く間にその意識を奪う。
すっかり力の抜けた猫を抱えたイフは、満面の笑みでお茶会の会場を振り返った。
「少しまっててね、ねこちゃん。 あなたもイフの“おともだち”にしてあげる!」
“歓迎”の猫を抱えて、少女人形は帰路につく。
後の彼女にもふもふ毛並みの猫の“おともだち”が増えたかどうかは……また別の話。
ともあれ“歓迎”のお茶会は、これにて閉幕。
皆々様、お帰りの際はお足元に十分お気をつけを。
それでは、ごきげんよう。
大成功
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