3
姿を見せない圧制者

#ダークセイヴァー


 泥炭を目の高さまで積み上げたようないびつなモノが、手らしきものを振っている。
「みんな、来てくれてありがとう」
 グリモアベースで待っていたのは、ブラックタールの少女。
 声は若い女性のもので、ふるふると震えるその動きは女性らしく……いや、どうだろう……。
 彼女は、以累・ナイ(ブラックタールの探索者・f02505)と名乗った。

「目的地はダークセイヴァー世界。ある街を支配するオブリビオンを、みんなの力で倒してほしいの」
 ナイが見つけたのは『イバラの街』と呼ばれる小規模な街。
「この街を支配するオブリビオンは用心深くて、長年圧政を敷いておきながら、全然、居場所が掴めなかったのね。でも……」
 ナイの話によると。
 最近、このオブリビオンの居住地に襲撃をかけたグループがいたという。
 しかし彼らの企みは失敗し、ほぼ全員が殺された。しかしリーダー格の男、ガルシアは生きたまま捕らえられた。
「ガルシアさんが捕らえられたのは、他に仲間がいないかや、どうやってオブリビオンの居住地を見つけたかを吐かせるため、だね」
 まずは彼を救出してほしい、とナイは言う。
「ガルシアさんの身柄は、領主館の地下拷問室に押さえられているね」
 領主館の住人達は、主人であるオブリビオンに完全に服従している。とはいえ、あくまでこの世界の普通の住民たちなので、猟兵になら対策のしようはあるだろう。
 力づくで押し入っても、潜入作戦を企てても、口先を弄してもいい。無事に助け出すことができれば、ガルシアからオブリビオンの情報を得られる公算は高い。
 地下拷問室は特に隠されているわけではないが、入り口の鍵は見張りしか持っていないという問題もある。

「まずは領主館の地下拷問室。オブリビオンを追い詰めるのは、そこでガルシアさん助けてから。あ、イバラの街までの移動はわたしがお手伝いするから、ぱっと行けるよー」


海乃もずく
 こんにちは、海乃もずくです。
 まずは軽く、救出ミッションなど。
 オブリビオン討伐は、もう少し話を進めてからになります。

 これが正解! ってものはないので、思いつくままにプレイングをかけてみていただければと思います。お気軽にどうぞー。
28




第1章 冒険 『拷問地下牢』

POW   :    正面突破で拷問地下牢を破壊して重要人物を救出する

SPD   :    鍵を盗み出すなどして秘密裏に重要人物を救出する

WIZ   :    牢番や拷問吏を騙して重要人物を救出する

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アルフォンス・ウェールバード
猟兵としちゃ、初依頼って訳で比較的得意な潜入任務にしてみたぜ。荒事は苦手分野だが、身は軽い方なんでな。フック付きワイヤー使って、進入して、対象を救出っと。名前は…えーっとガルシアだっけか?
見張りが鍵を持ってるって話だし、ユーベルコードを使って鍵を盗むぜ。後始末が面倒なんで、殺しはしない。適当に気絶させて縛って木陰にでもポイだ。
報酬の情報には期待させて貰うぜ。なんせこっちはオブリビオンの情報をほとんど何も掴めてねーんだからな


クラト・ディールア
先ずは、地下拷問室の鍵を盗み出しましょう。
正面突破するのには一人では難しいでしょうから。
あまり素早くは無いですが、足音や物音を立てないように尻尾や角等は収納します。
暗い場所ならば、黒い布を被り慣らして見えるようにしておきます。
巡回とかに注意しつつ目的の鍵を手に入れます。
巡回している人に見付かったら、ドラゴニアン・チェインで拘束して倉庫に隠す。
「兎に角、今は安全な場所へ」
重要人物を救出したら、安全な場所まで連れて行きます。



領主舘は遅い時間でも、部屋の各所に灯りが灯っていた。
 光の届かないレンガ塀の片隅に、ひょいとフックがひっかかる。ぐっとフックに重みがかかり、人影が塀の上にあらわれるまで、ほんの数秒。
 アルフォンス・ウェールバード(人間のシーフ・f05055)は、身軽な身のこなしでバランスをとり直し、フック付きワイヤーを素早く巻き取る。
「で、ここから舘に進入して、対象を救出っと。名前は……えーっとガルシアだっけか?」
 軽い口調で呟くアルフォンス。
 潜入はアルフォンスの得意とするところ。足音一つ立てず、人の気配のない場所を選んで移動するアルフォンスに、片手を上げて合図する人影がある。
 クラト・ディールア(黎明の黒龍・f00868)はアルフォンスとは別ルートで舘に潜入したらしく、肩口に枯れ葉が一枚ついていた。尻尾や角は収納されている。
 植え込みの陰に身を寄せ、クラトは建物同士をつなぐ回廊の一角を指し示す。
「ここから巡回の動きを見ていましたが、地下の見張りが時々ここを通るようです」
「へえ、それは好都合だな」
 アルフォンスはダガーを手に、回廊からちょうど出てきた男との位置取りを確かめる。――角度、距離、共に絶好。
「先ずは、地下拷問室の鍵を盗み出しましょう。正面突破は難しいでしょうから、慎重に……」
 クラトが言い終わる前に、アルフォンスの手から離れたダガーが、巡回中の男の後頭部にめりこんだ。
「人の話は最後まで聞いてください!」
 小声でアルフォンスへ言葉を投げかけながらも、クラトの判断は速かった。数歩踏み出しながら、目を慣らすためにかぶっていた黒布を払い落とし、龍の力を身体にまとわせる。
 クラトから放たれたドラゴンオーラが、オーラの鎖となって男をぐるぐる巻きにする。
「後始末が面倒なんで、殺しはしてないぜ」
「そういう問題ではありません」
 腰に下げられていた鍵を回収し、クラトが目をつけていた倉庫へ、拘束した男を放りこむ。これでしばらくは時間も稼げるだろう。
「行きましょう。ガルシアさんを、一刻も早く安全な場所に連れ出さなければなりません」
 クラトの言葉に、アルフォンスは軽く肩をすくめてみせた。
「情報には期待させて貰うぜ。なんせこっちはオブリビオンの情報をほとんど何も掴めてねーんだからな」
 地下拷問室への鍵は手に入った。
 ここから建物へ潜入し、舘の住人達の目をかいくぐり、地下拷問室へ到達しなければならない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アルフォンス・ウェールバード
鍵は手に入れて、こっからが本番ってな。とりあえず、住人の目を避けつつ、戦闘は基本回避だ。地下拷問室へ向かうが、途中で金目の物を懐に(ま、あればだけどな)入れつつ、ついでに、オブリビオンの情報も一緒に探してみるぜ。
探せる情報にはあんまり期待してねーし、ガルシアから情報もあるだろ?だから無理する必要はねーと思うけど、一応な。
地下拷問室には見張りがいるのか?一般人なら奇襲掛けたらあっさり倒せそうではあるが、ま、極力無駄な戦闘と殺しはしない方向で行くぜ



夕闇の迫る舘の廊下を、素早い足取りで移動するのは、アルフォンス・ウェールバード。
「向かうは地下拷問室、こっからが本番ってな」
 居室で見つけたコインを数枚ポケットへおさめ、アルフォンスは廊下の気配を探る。安全を確認しながら舘の奥へ。
 曲がり角の直前で足を止め、アルフォンスはその場で跳躍した。
 ……掃除道具を抱えたメイドが廊下を通っていく。うつむき加減に歩くその姿を、天井の梁で身を支えたアルフォンスは、息を潜め眼下に捉えていた。
(「あんまり期待はしてねーけど、オブリビオンの情報でもあればいいんだけどな」)
 内心で思いながら、アルフォンスは注意深く周囲に視線を走らせる。
 ――メイドの首筋に、牙のような跡が見えた。
(「そういやここは、ダークセイヴァー世界だったな」)
 得た情報を頭の中で整理しつつ、メイドをやりすごし、再び廊下へ。
「さて、地下拷問室には見張りがいるのか? もしいたら、どうにかしねーといけねーな」
 奇襲をかければいけそうだが、できるだけ荒事は避けたい……と頭の中でこの先の段取りを考えつつ。
 ほどなくアルフォンスは、地下階へと続く下り階段へと足を踏み入れた。

成功 🔵​🔵​🔴​

英・明夜
どうにか、地下牢から牢番達を遠ざけられないかなあ。主人の言い付けを破ることは出来なくても、自分の身を守るとか、異変を確かめに行くとかなら、どうかな?

影に隠れて移動して、なるべくお屋敷自体には近付かないようにしてフォックスファイアを使うね。館で木材で出来てるところが在れば良いけど、全部が石や鉄で出来てる館だったら、生垣とか樹木を、ぼうぼうに燃やしちゃおう!(住人たちが本当に火傷しそうになったら消すね)
騒ぎが地下牢まで届けば良いなあ。

もし、ガルシアを助ける前に、誰かが主に知らせに行っちゃうと困るから、その場合でも、すぐに火を消すようにするね。何処に向かおうとしたかだけ、覚えておくね!



領主舘の裏通り。
 英・明夜(啓明・f03393)は、目立たないよう気をつけて通用口へ。
「どうにか、地下牢から牢番達を遠ざけられないかなあ」
 何人かの猟兵が、舘へ侵入を果たしたらしい。ただ、まだガルシアの救出までには至っていないと聞いている。
 敷地内へ入ってからは、影に沿って移動しつつ、明夜は『ちょうどいい場所』を探す。
 よく目立って、舘には近過ぎなくて、燃えそうなものがたくさんあって……。
 明夜が足を止めたのは、古びた物置小屋の前。
「うん、ここがいいんじゃないかな? ぼうぼうに燃やしちゃおう!」
 明夜が生み出した炎は10個、くるくると動きながら、1つは壁の小穴から木造小屋の中へ、1つは小屋の屋根のてっぺんへ、1つは近くの樹木へ散っていく。

 ――しばらく後。
「火事だ! 火事だぞ!」
「火を消せ! 水持ってこい!」
 炎に気づいた住人たちが、慌てふためいて集まってくる。
 物陰から様子をうかがっていた明夜は、うまくいったことにほっと胸をなで下ろした。
「騒ぎが地下牢まで届けば良いなあ」
 炎が大きくなりすぎてけが人が出ないよう、火勢を調整しながら、明夜は建物の奥へを見やる。
「主人の言い付けを破ることは出来なくても、自分の身を守るとか、異変を確かめに、とかなら、牢番達も動くよね?」
 ……もう少ししたらここを離れよう、と明夜は思う。1人は正直、得意じゃない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

スニッキィ・オー
オー、早速猟兵たちが任務に着手しているみたいデス?そこそこの人数が先行しているみたいデス。ということは、館の住人に完全に見つからないまま遂行できる……とは思えないデス。
オーケー。ならばいっそここは侵入者らしく、【ビルドロボット】で派手に正面突破するデス。世界はダークセイヴァー、かつ領主の館にもなれば、外に馬車のひとつくらいあると思うデス。そいつを拝借して合体&猟兵の皆が先行した後に、正面入り口から地下牢をまっすぐ突き破っていくデス。

あえて威圧的に侵入して、一般住人から地下室へのルートを聞き出しつつ、さっさと逃げてほしいところデス。教えないならこのまま轢くデス挽いてやるデス。オーケー?



「オー、早速猟兵たちが任務に着手しているみたいデス? そこそこの人数が先行しているみたいデス」
 スニッキィ・オー(冥水棲者・f00787)は、メイドらしい細やかさと気配りで状況を見て取っていく。
 今から自分が動いても、館の住人に完全に見つからないまま遂行できるかは怪しい。
 ……考えることしばし。
「オーケー。ならばいっそここは侵入者らしく……」
 一つ頷き、スニッキィは、建物横にあった馬車へと近づいた。

 突発的な火事騒ぎで、にわかに慌ただしくなった領主舘に、さらなる混乱が巻き起こる。
 どぉん、どぉん、と震動音を伴う、鈍い地響き。
「建物が揺れてるぞ!」
 正門前から始まった轟音は徐々に近づき、玄関の大扉がみしみしと音を立て、次の瞬間派手に吹っ飛んだ。
 3メートルを越える大型ロボになったスニッキィが、ずしん、ずしんと乗り込んでくる。歩くたび、パラパラと壁の漆喰がこぼれる。
「オーケー。このまま地下牢をまっすぐ突き破るデス」
 木製馬車との融合はレトロ感を残しつつ、ロボの造形はシャチっぽい。
「ひ、ひいっ、怪物……!?」
 スニッキィを見上げたまま、硬直する住人たち。
「地下室へのルートを今すぐ言うなら、殺しはしないデス」
 あえて威圧的に、スニッキィは迫る。
 ……シャチっぽさがめちゃめちゃ怖い。
「教えないならこのまま轢くデス挽いてやるデス。オーケー?」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『秘密の拠点への通路』

POW   :    罠や障害を力尽くで突破する

SPD   :    発動した罠を素早く回避する

WIZ   :    慎重に罠を見つけ出して安全に進む

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●救出
 地下の拷問部屋は薄暗く、血臭の混じった嫌なにおいが充満していた。
 大型の金輪や錆びたノコギリなど、ごてごてとした拷問道具が散らばる中で、ぜいぜいと呼吸音がする。
 助けに来た、と声をかけると、壁から鎖でつながれていた男――ガルシアは、ゆるゆると顔を上げた。
「誰だ……?」
 さんざん殴られ片眼はふさがり、口からあごにかけては血まみれで、指の爪はない。
「誰でもいい……誰か、あいつを倒してくれ……」
 八つ裂きにされた仲間のかたき、なぶり殺された妹のかたき、飢えて死んだ街の人々のかたき、とガルシアは血を吐きながら繰り返す。
「丘の上の納骨堂……最奥部だ。俺たちが使った潜入路は使えない。しかし正面からなら、あるいは……!」

●オブリビオンの居場所
「こんなことを頼むのは虫がよすぎるのかもしれない。だか、あんたたちが助けてくれると言うなら……」
 助けだされたガルシアが言うには、この街を支配するオブリビオンは、街から離れた丘の納骨堂にいるという。
 納骨堂は代々の領主一族のもので、内部はいくつもの道に分かれ、迷路状になっている。
 納骨堂の中も外もイバラが覆っており、落とし穴やアロースリットなど、数々のトラップが覆い隠されているという。
 そしてイバラ自体もトラップとして、絡みつきや毒トゲ飛ばしなどの性質を持っている。
 それらを攻略しなければ、オブリビオンのいる最奥部にはたどりつけない。
「どうか……頼む。圧制者を倒し、俺たちの自由を、平和な暮らしを取り戻してくれ……!」
●納骨堂
 『そこ』は、古びた石扉が、丘の斜面にはめ込まれているだけに見えた。
 しかし、きしむ石扉を開ければ、内部の血なまぐささに違和感を抱くだろう。
 もっとも、この地に足を踏み入れ、生きて帰った者はいないのだが――。
ステラ・アルゲン
他の皆さんのお陰でガルシアさんを助け出せたようですね。
ガルシアさんのあの姿はとても目に焼きつきました。このようなことをした相手、絶対に許せません。

「その為にも、まずは納骨堂までの道を切り開きましょう」

生い茂っているイバラはブレイズフレイムで焼き払います。もちろん攻撃を受けないように少し離れておきましょう。

「君の力を貸してもらうよ」

ルーンソードによる炎の属性攻撃もしておきます。これで隠されていたトラップが見えるはずです。



古くから侵入者を阻んできた数々のトラップは、分厚く重なるイバラで、完全に隠蔽されている。
 その鋭いトゲを持つイバラは、それ自体が侵入者を傷つける凶器。
 そのイバラが――炎で一掃されていく。
 ステラ・アルゲン(流星の騎士・f04503)を中心に、紅蓮の炎が噴き上がり、熱と風をはらみ激しく渦を巻く。
 燃えかけるイバラが、それでも力を振り絞るように、しなうムチに似た動きでステラに襲いかかる。
「君の力を貸してもらうよ」
 ルーンソードに語りかけるステラ。
 炎をまとう魔法剣の一閃で、イバラは完全に燃え尽き、力なくぱらりと落ちた。

 炭化したイバラを踏み越え、むき出しになった罠をよけ、ステラは奥を目指す。
「他の皆さんのお陰で、ガルシアさんを助け出せたのは何よりでした」
 その足取りは、凛々しく怜悧。
 胸に宿すは、正道を貫く騎士の心。
「ガルシアさんのあの姿はとても目に焼きつきました。このようなことをした相手、絶対に許せません」
 ――その為にも、まずは納骨堂までの道を。
 ガルシアのため、仲間のために。ステラはオブリビオンまでの道を切り開いていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サヴァー・リェス
「…リンセ、落ち込まないで…優しい、子」知り合ったリンセ(f01331)をそっと励まし、共に…急ぎ手に入れることが叶うなら、納骨堂を歩くのに丁度良い照明(カンテラや松明)…地図を記す筆記具を携え…納骨堂の迷路を、最奥部へと向かう…。地図を記しつつ…頭でも道順をしっかり記憶して進む…。自分達のいる少し先…地面や壁、天井…見た感じや、聞こえる音など…安全だった道と比べ違和感があれば、罠かも知れない…解除するか、リンセに先行して貰い回避して、進む…。突然、罠が発動したら…技能のオーラ防御で、私達を守るよう、試みる…。傷ついたら…ユーベルコードで…癒す(言葉のない歌、静かに沁み渡る囁きの様な歌声)…。


リンセ・ノーチェ
「ガルシアさん…大丈夫でしょうか…」知り合ったサヴァーさん(f02271)が道具を入手するのを手伝い…それから、共に、納骨堂を最奥部に向かって、進もう…。「ありがとう、サヴァーさん…あなたも、優しいです」地図はサヴァーさんが記すけど、彼女と確認しあいながら、僕もしっかり道順を記憶していく。道の違和感に気づき、サヴァーさんの罠解除が難しそうなら「…ここで、待っていて…僕が、先に、行ってきます」サヴァーさんより先に進み、五感とスピードを活かして罠を回避する(凛と、眼光光らせ、軽やかに)。罠が発動しきった後なら、サヴァーさんも通れるよね。守ったり癒して貰ったら御礼を忘れずに言って…また、共に進むよ。



納骨堂の内部は、入り組んだ長い通路が続いていた。
 別れ道を進み、ひとつ曲がってしばらく進めば、また次の曲がり角。

「……ここを曲がると……さっきの場所に戻るから……次は右」
 サヴァー・リェス(揺蕩ウ月梟・f02271)は、即席で作成した地上の地形図と、手書きでまとめたメモを照合しながら、最奥につながる道を求める。
 道中、銀の瞳をふうわりと細め、サヴァーは前を行く少年へ声をかけた。
「……リンセ、落ち込まないで……」
 リンセ・ノーチェ(野原と詩と・f01331)は足を止めて振り返る。草と菫の瞳に宿るのは、隠しようもない、哀しみを帯びた光。
「ガルシアさん……大丈夫でしょうか……」
 知り合ってまだ少し。けど、この心優しい猫の少年が、ガルシアの苦しみに触れてから、ひどく心を揺らしているのはわかっていたから。
 サヴァーはリンセに近づき、灰と白の毛並みにやわらかく触れる。
「リンセ……優しい、子」
 リンセは目を伏せ、張りつめていた息を細く吐いた。
「ありがとう、サヴァーさん……あなたも、優しいです」
 哀しみを共有し、励まし、励まされて。
 そうして2人は、続く通路を進んでいく。

 地図を確認し合い、慎重に道を進む中。
 幅の狭い通路の手前で、リンセの表情が厳しくなる。
「……ここで、待っていて……僕が、先に、行ってきます」
 イバラが巻きつく通路の中央、いかにも何かありそうな場所に、大胆にリンセが着地する。カチリという音を聞く間もなく、軽やかに跳躍。
 身を翻し、飛来する矢を回避。
 ひゅん、ひゅん、と壁から無数の矢が放たれる。
 ひゅん、ひゅん、ひゅんひゅんひゅんひゅんひゅん。
 次々と迫る矢を、リンセはわざと発動させ、次々と回避。一番奥まで行き、残りの罠を作動させながら、サヴァーのもとへと戻ってくる。
「罠が発動しきった後なら、サヴァーさんも通れるよね」
「リンセ……」
 無傷とはいかず、いくつかの矢傷を負ったリンセは、それでも何もなさそうにしていて。
「……あまり、無理はしないで……」
 シンフォニック・キュア。サヴァーのユーベルコード。
 言葉のない歌、静かに沁み渡る囁きのようなサヴァーの歌声が、通路の中に響き渡る。
 ありがとう、とリンセは小さな笑顔をみせた。

 ――さあ、この先へ進もう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クラト・ディールア
納骨堂に、ですか。
外にも中にもトラップだらけとなると、慎重に進まなければ辿り着けないのであれば、力尽くで突破しつつ【追跡】で先に行った猟兵の後を追うようにしましょう。
何か、トラップに目印や、破壊した跡があるかもしれません。
落とし穴ならば、落ちる瞬間に『ドラゴニアン・チェイン』で近くの木や柵があれば大丈夫でしょうし、何も無ければ『翼竜の槍』を横にして穴から落ちるのを防ぐか、穴を槍を刺します。
矢や叩き落とし、玉なら『ドラゴニアン・チェイン』で爆破させます。
「絶対に、辿り着いて倒します……!」



足元の床がぱかりと開くまで、仕掛けに全く気づかなかった。
 落ちる瞬間に投じたドラゴニアン・チェインは、あと少しで間に合わず。
「油断したつもりはないのですが……」
 クラト・ディールア(黎明の黒龍・f00868)は落とし穴の底で、ため息ひとつ。
 『翼竜の槍』が、小さなドラゴンの姿で、クラトを心配そうに見上げる。
 ミニドラゴンに視線を向けて、ふとクラトは表情をゆるめた。
「問題ありません。力尽くでここを突破すると決めたからには、この程度は折り込み済み」
 ドラゴンオーラでタイルを壊し、むき出しになった天井の出っぱりに、改めてドラゴニアン・チェインを絡める。ぐいっと鎖を引っ張れば、体が宙に浮いた。

「トラップだらけの納骨堂とのことでしたが、ずいぶん見通しがよくなっていますね」
 クラトが選ぶルートは、先に行った猟兵の痕跡があるところ。
 イバラが燃え落ちた通路。
 発動済みで、無力化されたトラップ。
 力づくで破壊された仕掛けたち。
 分かれ道も、誰かが通った跡をたどれば、迷いようがない。

 肩口のミニドラゴンが、くるりと回って『翼竜の槍』へと変わる。
 金の瞳を鋭くし、クラトは槍を一閃した。
 死角から迫る矢をたたき落とす。

「絶対に、辿り着いて倒します……!」

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『ヴァンパイア』

POW   :    クルーエルオーダー
【血で書いた誓約書】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    マサクゥルブレイド
自身が装備する【豪奢な刀剣】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    サモンシャドウバット
【影の蝙蝠】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
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●ヴァンパイア
 ちぎられ、壊され、バラバラになった、『もと人間だった肉のかたまり』が、部屋の一角に積み上げられていた。
「まだだ、まだ足りん。この程度で我が恨みは癒せぬぞ!」

 ねじり切った人体を部屋の片すみに投げ、ヴァンパイアは猟兵達を正面から見据えた。
「一度はこの身を滅ぼされた憎しみ、決して忘れぬ……」
 憎悪にいろどられた赤い瞳。
 ヴィンパイアが両手を広げると、背後には何本ものブロードソードが浮かび上がる。影の蝙蝠たちがその周囲を飛び交い、耳障りな声を上げた。

「お前たちが何者か、我は興味を持たぬ。我が剣に切り刻まれて肉屑となれ! 我が心晴れるまで、その血であがなうのだ!」
英・明夜
誰かを憎いと思う気持ちを間違いだなんて言えないし、消せない憎しみも、在るんじゃないかって、思うけど。
明夜は、こんなの、こんなの…!(言葉に出来ずに、ぎゅっと両拳を握る)

明夜は一人じゃないもん。少しでも、仲間に繋げられるように頑張るね。きっと、受け止めて貰えるから。

敵の強力な攻撃を少しでも抑えられるように、七星七縛符での捕縛を狙って行動。
仲間の攻撃にタイミングを合わせられると良いな。

影蝙蝠に阻まれるなら、不自然に濃い闇が無いか目を凝らし、羽ばたくなら羽音に耳を澄ませ。
アタリを付けて、なぎなたを振るってみよう(なぎ払い)。
上手く蝙蝠にぶつけられたら、ヴァンパイアに一瞬でも、隙を作れないかな。



壁の炎が揺れるたび、猟兵たちの、そしてヴァンパイアの影も大きく揺れる。
「苦痛のひとつやふたつでは、我は満たされぬぞ! せいぜい愉しませろ!」
 ゆらめく炎の後ろ、旋回する影のコウモリが、はばたき音なく英・明夜(啓明・f03393)の行く手を阻む。
「そこだよ!」
 明夜は大きくなぎなたを振るう。影のコウモリは粉々に砕け、靄となって消えていった。
「不自然に濃い闇の中、コウモリの場所はわかってたもん」
「こしゃくな小娘がッッッ!!」

 ヴァンパイアに対して一歩も引かない構えを見せながら、しかし、明夜の胸の中は、言葉にならない思いが渦巻いていた。
(「誰かを憎いと思う気持ちを間違いだなんて言えないし、消せない憎しみも、在るんじゃないかって、思うけど。明夜は、こんなの、こんなの…!」)

 なぎなたで牽制をかけぎりぎりまで近づき、明夜は護符を投じる。ヴァンパイアの動きが鈍り、苦痛から驚愕へと表情が変化すた。
 ――瞬間、影のコウモリの気配が絶えた。壁に映る影は、今やただの影でしかない。
「おのれ小娘、何をしたッ!?」
「七星七縛符。――影蝙蝠は、もう使えないよ」
 明夜が返した言葉に、ヴァンパイアの口の端が、嘲笑うかのようにつり上がった。
「ほう。……殊勝な心がけだが、その技はいつまで保つかな?」

 縛符の維持に寿命を削りながら、明夜は歯を食いしばる。
「明夜は一人じゃないもん」
 きっと、受け止めて貰えるから――今は少しでも、仲間に繋げられるように。

成功 🔵​🔵​🔴​

スニッキィ・オー
目標はぼっち、こっちはオー勢。活用しない手はないデス

他猟兵が部屋に入ったあとに、ワンテンポ遅れてフェイント気味に部屋に飛び込み、敵の多数の刃を最小限に躱しつつ全速力で接近を試みるデス
自分、速さには割と自信あるデス。他猟兵を相手にしつつ、強襲&最高速度という条件なら、敵がこちらに向ける攻撃の精度も下がったりするデス?との狙いがあるデス
そのうえ、ガチキマイラで攻撃しつつ回復できるという点も考慮すれば、多少の手傷を負ってでも他猟兵の攻撃と合わせて押し切れる、と踏んでいるデス

自分の得意なのはゴミ掃除、過去に遺棄されたオブリビオンも例外ではないデス。よーオーく頭に刻み、再び、そして永遠に滅すると良いデス



「目標はぼっち、こっちはオー勢。活用しない手はないデス」
 絶好のタイミングで戦場に飛び込むのは、スニッキィ・オー(冥水棲者・f00787)。
 フェイント気味に室内にあらわれ、攻撃を挑んだスニッキィに、ヴァンパイアの対応は一手遅れた。
「ええい、次から次へと!」
 素早く距離をとろうとするヴァンパイア。頭上のブロードロードが炎の輝きを反射してぎらりと光る。
「我が力はまだ残っている、喰らうがいい――マサクゥルブレイド!」

 無数の剣が、スニッキィに降り注ぐ。
 対するスニッキィは、走る速度をゆるめない。わずかに頭を横にずらし、身をそらし――最小限の動きで全ての攻撃を回避。
 床に剣がぶつかる音が響き、火花が散ったその瞬間、スニッキィはヴァンパイアに肉迫していた。

「自分、速さには割と自信あるデス」
「……っ!?」
「1対1なら確かに自分達が不利デス。しかし、多数の猟兵を相手にしているときに、強襲&最高速度という条件なら?」
 セイム・ガチキマイラ――シャチの頭部がヴァンパイアに喰らいつく。
「一見似てても、一味違うところを見せてやるデス」
「ぐうぉぉ……っ!」
「自分の得意なのはゴミ掃除、過去に遺棄されたオブリビオンも例外ではないデス」

 ヴァンパイアの剣で受けた傷は、噛みつきで奪った生命力で補う。
 あとは力押しだと、スニッキィは間を置かずに追撃へ。
「そのことをよーオーく頭に刻み、再び、そして永遠に滅すると良いデス」

成功 🔵​🔵​🔴​

リンセ・ノーチェ
サヴァー(f02271)さんと一緒に戦う。
「はい!サヴァーさんも…!」
ユーベルコードで友達フォルテを呼び騎乗。行こう、フォルテ!
敵の攻撃が当たり辛い様に素早く縦横無尽に動き
サヴァーさんに敵の注目が行かない様に
エレメンタルロッドで続けざまに攻撃する。
傷を受けても怯まない。サヴァーさんの回復を信じるよ。
敵の攻撃は皆、敵から離れても追ってくる感じだよね。
敵の技能にもよるけど、僕は敵から離れる意味が余りない…と思う。
だったら、隙を見つけて敵の懐に飛び込み全力魔法を叩き込む!
「魔法よ、躍れ、躍り狂え!」
サヴァーさんが作ってくれた隙、勿論すぐフォルテと離脱し体勢を整え
敵の気を僕に戻す。
「僕達、負けないよ」


サヴァー・リェス
リンセ(f01331)と共に、戦う…。
「リンセ、気を、つけて」
私は、リンセほど速く、ない…敵から、なるべく離れている。
でも…敵の能力は皆、離れている私も、狙えるはず…油断は、しない。
敵の攻撃に合わせ【オーラ防御】で、私達の身を守る…
1人しか守れない時は、より傷の深いほう…倒れやすいほう…を守る。
私達、どちらも、倒れるわけに、いかない。
防げなかった傷、ユーベルコードで一刻も早く癒す…
(ユーベルコード:存在しない国の言葉で、母なる海を高らかに歌いあげる)
そう…リンセは、優しいだけじゃない、勇敢な、少年。
全力魔法の後で彼が離脱する隙を作る為…敵に【衝撃波】を。
「私たちは…あなたの、掟には、従わない」


クラト・ディールア
「恨むなら、最初から猟兵(イェーガー)を恨んで下さい。心が晴れる前に眠らせてあげます」
『ドラゴニアン・チェイン』で捕縛して、爆破したら他の猟兵が攻撃をするチャンスを作ります。
「皆さんが攻撃出来なら、鎖は用済みでしたから好都合です」
『クルーエルオーダー』で『鎖を外さなければならい』とか、そんな感じのルールが来たら、黎明・龍牙刀を手にし『2回攻撃』で『呪詛』を付与出来れば良しです。
「こそは予想済みでしたので、対策は出来ております」
近接もダメになったなら、『翼竜の槍』を槍に変身させ『槍投げ』で攻撃します。
『第六感』で攻撃を回避します。



「猟兵、といったか、いまいましい奴らめ……!」
 剣を振り上げられたヴァンパイアの腕が、オーラの爆発を起こす。手にした剣は飛ばされ、代わりにヴァンパイアの腕にオーラの鎖が絡みつく。
「世界の加護を受け、オブリビオンを狩る者、それが私たち猟兵です。恨むなら、最初から猟兵を恨んで下さい」
「積年積もったこの憎悪、お前達の破滅程度で受け入れきれると思うのか?」
 クラト・ディールア(黎明の黒龍・f00868)は、オーラの鎖を握りしめ、挑発的な笑みを見せた。
「まさか。心が晴れる前に眠らせてあげます」
 ヴァンパイアの顔が、はっきりと怒りの朱に染まる。
「その大口、後悔させてやるぞ、猟兵――!」

 ――突如、ヴァンパイアの眼前を、琥珀色に輝く騎獣の毛並みが踊る。
「援護ありがとう、クラトさん! さあ、行こう、フォルテ!」
 リンセ・ノーチェ(野原と詩と・f01331)はユーベルコードにより召喚したヒポグリフ、フォルテにまたがり戦場を駆ける。
「リンセ、気を、つけて」
「はい! サヴァーさんも……!」
 サヴァー・リェス(揺蕩ウ月梟・f02271)はヴァンパイアから一定の距離を保ちつつも、飛来する攻撃に油断なく身構えて。
「僕達、負けないよ!」
 ヴァンパイアの視界からサヴァーを遮るように、リンセは大きく回り込む。フォルテを駆って距離を詰め、エレメンタルロッドをたたき込む。
「いける……これなら!」
 確かな手ごたえはある、しかし、まだ決定打には遠い。
「その程度で、我に手傷を負わせることができるものか……!」
 力づくでエレメンタルロッドを弾き返そうとするヴァンパイア。しかしオーラの鎖にとらわれた腕は、思うように動かず――。
「つくづくいまいましい。ならば、これならどうだ!」
 ヴァンパイアの瞳が赤く輝く。ブロードソードが浮き上がり、距離をとっていたサヴァーを標的に定め、真っすぐに飛んでいく。
「サヴァーさん!」
「平気……リンセ、行って。私達、どちらも、倒れるわけに、いかない」
 オーラの防御をも突き破り、サヴァーの身を削る刃。鋭い痛みを受けながら、サヴァーは自らを癒すため、ユーベルコードを歌いあげる――存在しない国の言葉で、母なる海を高らかに。
「私たちは……あなたの、掟には、従わない」
 澄んだ歌声は、ひときわ高らかに室内を巡る。響き合い共鳴し、サヴァーが身につける装身具と反響し合い、そして衝撃波となってヴァンパイアを圧倒する――!
「どこまでもしぶといやつらめ!」
 更なる攻撃をサヴァーに加えようとするヴァンパイア。その隙を、リンセは見逃さない。
「今、目の前にいるのは、僕だ!」
 エレメンタルロッドが的確にヴァンパイアの急所へと届き、そして。

「魔法よ、躍れ、躍り狂え!」
「……ぐ、あ、あああああっ!!」

 リンセが勇敢な少年であることを、サヴァーは知っている。
 傷を負ってもサヴァーが癒してくれることを、リンセは信じている。
 オブリビオンといえど、ヴァンパイアといえど、恐れるものは何もない。
 2人の確かなきずなが、そこにあるのだから。

「ぐっ――もとは言えば、この鎖があるからだ!」
 ヴァンパイアは、未だおのれの腕をいましめる、オーラの鎖を憎々しげに引く。
「『この鎖を今すぐ解け!』」
 クルーエルオーダー――血の誓約書による絶対の命令。
 クラトめがけ、ヴァンパイアの力が炸裂する。
 たやすい命令であるほど逆らえば破壊力が上がる、この場に最適なユーベルコード……のはず、だった。
「皆さんの攻撃が済めば、鎖は用済みでしたから好都合です」
 ヴァンパイアの意に反し、クラトはあっさりと鎖を解く。代わりに握られているのは、角度により色が変わる妖刀、黎明・龍牙刀。
「なっ……! ここまで、全てお前の筋書きどおりだったとでもいうのか!?」
 宙にあったブロードソードに手をかけ、ヴァンパイアは怒りのままに、豪速の一撃を振り下ろす。
 だが――。
「それも予想済みですので、対策は出来ております」
「ぐぁ……っ!」
 クラトの姿は、とっくにその場にはなくっており。
 黎明・龍牙刀の2連撃が、ヴァンパイアの身に深手を与えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リンセ・ノーチェ
サヴァー(f02271)さん、皆と一緒に戦う
サヴァーさんは、本当に優しいなって思う
僕だってヴァンパイアが敵じゃなかったら
この世に傷つけあう事なんてなかったら良いのにって思う
ガルシアさん達も笑顔でいられたのに
でもきっと敵には分かって貰えない
だから僕は顔を上げる

変わらずフォルテに騎乗し敵の攻撃を【見切り】回避しつつ
エレメンタルロッドで攻撃していく
敵の誓約はロッドを捨てろ位なら従いつつこっそり精霊銃を持つけど
あと一息だもの、傷ついても敵の打倒を優先!
「サヴァーさんが言ったよ。僕たちは、あなたには従わない」
【フェイント】で攻撃と見せかけ時間差で本命の攻撃…精霊銃で【2回攻撃】!
最後まで気を抜かないよ。


サヴァー・リェス
リンセ(f01331)と…そう、ここには…あなたと私以外の仲間も、いる
「…仲間…あなたには、もう、いない」
敵を見据え、それが、…哀しい
けれど、あなたは傷つけ過ぎた…許されない
私の罪のように
記憶すらなくても
罪自身があなたや私を忘れない
「…リンセ…私は、大丈夫」
感情を顔に表す事は得意ではないけれど…僅か、微笑めたら、良い

敵が狙いやすいのは、私…?…それは、それで、助かる、の
攻撃、ユーベルコードで相殺…して、いく
リンセや皆も、これや【オーラ防御】で、守る
攻撃の主力はリンセや皆…でも、あと少し、だから
敵に隙があれば…媒介道具を翳し【2回攻撃】【衝撃波】…
気を抜かず…【第六感】で感じる危険、皆に…注意を



リンセ・ノーチェ(野原と詩と・f01331)は、ヒポグリフのフォルテと一体となったように、自在に戦場を駆け抜ける。
 彼の背を押すのはサヴァーの歌声、そして共に戦う猟兵達。
 ヴァンパイアの操る剣は減りはしたが、勢いは衰えていない。
「お前たちは、この街との関わりもなかろう! なぜ、ここまで我に歯向かう!?」
「あなたは傷つけ過ぎた……その罪は許されない」
 サヴァー・リェス(揺蕩ウ月梟・f02271)の声音ににじむのは、湖水のような静かな哀しみ。
(「――私の罪のように、記憶すらなくても」)
「罪自身が、あなたを忘れない」

 リンセが、気遣うようにサヴァーを見る。
 大丈夫、と思いを込め、サヴァーは心優しい少年に視線を返した。
 感情を顔に表す事は得意ではないけれど……わずかでも、微笑めていればいいと思う。

「何が罪だ!」
 ヴァンパイアの耳障りな嘲笑が、納骨堂内に響く。
「人間どもに絶望を与え、悲嘆を与え――それで心が和らぐはわずかの間。一晩もすれば、受けた恥辱を思い出し、憎悪に身を震わせる日々!」
 エレメンタルロットで防御するリンセの肩に、血濡れたブロードソードが叩きつけられる。
 あと一息と思えば、多少の負傷に構う気はない。もう一手。もう一撃――!
「街一つ捧げられても及ばぬ! 奴らは我にそれだけのことをしたのだ、圧政も虐遇も当然と心得ろ!」
 リンセはエレメンタルロッドを向ける。集束する一際大きな魔力に、ヴァンパイアが身構える。
「きっと言葉を尽くしても、あなたには分かってもらえない。……街の人達の思いも、僕の思いも……サヴァーさんの思いも」
 
 リンセは顔を上げる。
(「この人が、敵じゃなかったら」)
 この世で傷つけあう事なんてなくて、ガルシアも笑顔でいられて――しかし、それはありえない。
 エレメンタルロットでの攻撃――と見せかけて、リンセはヴァンパイアの額に精霊銃をつきつけた。
「サヴァーさんが言ったよ。僕たちは、あなたには従わない」
 サヴァーの歌声が高まる。歌による衝撃波がオブリビオンの存在を削ぐ。
 さらに歌声は白銀の光に溶け、蜃気楼を織り上げ、ゆらめき、空中を飛び交うブロードソードを粉々に砕いた。
「我の力が! お前たちは、ここまで我を追い詰めるのか……!」
 ヴァンパイアの表情に、焦りの色が浮かんだ。

「……リンセ……あとは、お願い」
「うん、サヴァーさん……!」

 リンセは、精霊銃の引き金を引く。立て続けに2発、確かな手応え。
 ヴァンパイアの瞳から光が失われ、その手から剣がすべり落ちる。

「バカな……我はまた滅びねばならぬのか……おのれ、猟、兵……」
 ヴァンパイアの肉体が砕けていく。伸ばした手の先もぼろりと崩れ、――闇の中ににじむようにして失われていった。


 街を支配していたオブリビオンは、猟兵達の手によって滅ぼされた。
 支配を脱した人達が、この先どう生きるかは、彼ら自身の努力にかかっている。
 きっと明るいものになるといい、そう思いながら、猟兵達は次の世界へ、次の戦いへと向かっていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2018年12月24日


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#ダークセイヴァー


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

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 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト