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アルダワ魔王戦争1-E〜怠惰なる森の軽歌劇

#アルダワ魔法学園 #戦争 #アルダワ魔王戦争


「はぁ……めんどくさい……」
 悩ましげなため息をついたのは、レアエナ・レムルムなる精霊女王。美しい面を気だるく歪め、僕たる獣の背でごろりと寝返りをうった。
「あたし、なんでここにいるんだっけ……? あー、そうそう。猟兵とかいうやつらの足止めしなきゃならないんだったわ。……もうさあ、どうでもよくない? 戦うのやめて帰んない? 駄目? はぁ……やる気なんも起きないわぁ……」
 女王を乗せたまま足元の草を食む獣の脇で、鮮やかな色のキノコがぽんっと胞子を送り出した。よく見れば同じキノコが辺り一面に群生している。胞子は濃い霧のように薄っすらと色づいて、次第にその色を深めていった。

「な、なんという恐ろしいキノコでしょうか……」
 ダンジョンの表層部に自生するキノコの胞子には、心を惑わせる悪戯な効果がある。しかも、よりによってこのキノコは『怠惰』の感情を増大させるというのだ。
 黒弗・シューニャ(零・f23640)は慄き、おずおずと猟兵たちに視線を向けた。
「ひとたび森に足を踏み入れれば、瞬く間に怠惰の感情が増大して何もやる気が起きなくなってしまう……ここはそんな場所ですわ。しかも、この増大する感情に耐えながら戦うのは至難。ならばいっそ、怠惰の感情を思いきり爆発させ、全力で発散しながら戦ってくださいませ……!」

 無論、敵である精霊女王レアエナ・レムルムも全力で怠惰に身を任せながら戦いに挑むだろう。彼女にとっては幸いなことに、数多の邪霊を従える女王という立場は怠惰とは相性がよい。
 おそらくは、自らは全く動かず、邪霊たちを指図するようにして猟兵たちと戦わせようとするだろう。

 シューニャは神妙に両手を組み合わせ、祈るように猟兵たちを見上げた。
「どれだけ怠惰の感情を爆発させられるかが勝負の分かれ目ですわ。皆さまならきっと攻略して下さると、シューニャは信じておりますわ!」


ツヅキ
 こちらのシナリオでは、E-1にあたる『キノコの森』が舞台となります。皆さまの華麗なる『怠惰』っぷりを楽しみにお待ちしております。

 プレイング受付期間:2/4 0:00頃迄。
 プレイングボーナス:『怠惰』の感情を爆発させる。

 締切までに届いたプレイングを個別で判定・執筆致します。
 共同プレイングをかけられる場合は冒頭にお相手の名前とID、もしくは団体名をご記載ください。
 それでは、よろしくお願い致します。
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第1章 ボス戦 『レアエナ・レムルム』

POW   :    イグニス・マレフィクス
レベル×1個の【肉体と精神を同時に苛む緋色】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
SPD   :    邪霊幻想
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
WIZ   :    息吹で空を、視線で森を、歩みで大地を殺すもの
自身の身長の2倍の【毒と病と死を司る精霊獣】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
👑11
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ミリリア・ミレニアム
怠惰かぁ…怠惰っていいよねぇ…ボクも自分で何かするのはあんまり好きじゃないんだよぉ

はぁ…面倒だなぁ…奴隷達に任せちゃおーッと…

女王様はぁ…どうしてボクらを足止めするのぉ?何の為にぃ?
質問を投げかけながら選択UCを放って、召喚しか冒険者達を嗾けるよぉ

お前らはしっかり働けよぉ…ボクはここで寝てるからねぇ…
召喚した少年勇者くんを四つん這いにさせてボクは背中に寝っ転がる
そうしてる間に女アサシンは得意の短剣技でバッサバッサ斬ってるだろうし、生真面目なエルフ騎士はスケベな老魔術師と一緒に炎の魔法で敵を焼き尽くしてくれると思うよ

怠惰は罪なんて言うけどさぁ…罪って甘くて美味しいよねぇ

アドリブとかは大歓迎だよぉ



 くすくす……ふふッ――。
 微かな羽ばたきの音に紛れ、艶めいた笑い声が鬱蒼と茂る森の奥地へと移動してゆく。その名はミリリア・ミレニアム(人誑しの妖精・f23641)、堕落と享楽を愛しむ魅惑の妖精。
「怠惰かぁ……怠惰っていいよねぇ……」
 うっとりと呟き、件の女王を見つけて地上へと舞い降りてゆく。
「やっほー、女王様ぁ……怠惰を満喫してるぅ?」
「あぁん……? なぁにあんた、そんなちっこいナリで猟兵なの? ふぅん……色んなのがいるのねぇ……せっかく来てくれたのに悪いけど、やる気起こんないのよねぇ……」
 気だるそうに指先で髪を梳く女王に頷いたミリリアは、頬に指を当てて可愛らしく小首を傾げた。
「ん……ほんと、面倒くさいよねぇ……そしたらさぁ、足止めなんてやめちゃえば?」
「そーもいかないのよぉ、はぁ……」
「どうしてぇ? 何の為にぃ?」
「そりゃあ、大魔王さまのご命令だからに決まって……」
 つられて質問に答えてしまった女王の周囲にいつしか複雑な魔法陣が浮遊していた。罠にかけたミリリアは目を細めて笑み、召喚した少年兵の耳元に軽く口付ける。彼は蕩けたように虚ろな瞳で膝を折り、自ら四つん這いとなってミリリアのベッド代わりとなった。
「お前らはしっかり働けよぉ……ボクはここで寝てるからねぇ……」
 少年兵の背中に身を投げ出したミリリアは、軽く伸びをして寝っ転がる。
「はい、ミリリア様」
「マスターの仰せのままに」
「げへげへ、美しい女王様は儂の好みじゃよぉ……」
 すらりとした肢体の女アサシンと真面目なエルフ騎士、そして炎の魔法を操る老魔術師たちが女王の僕である邪霊と戦いを繰り広げるのを尻目に、ミリリアは小さなあくびをひとつ。
 あとは彼らに任せ、怠惰なる愉悦の時間を謳歌しようではないか。
「え? ちょっとあんた、いくらなんでもさぼり過ぎじゃないの……? せめて戦闘の指示くらいしたどうなのよって、隙を見て触ろうとすんなこのジジイ! って痛い痛い!」
 女アサシンの短剣に容赦なく肌を、肉を切り裂かれた女王の上げる悲鳴が聞こえてくるが、ミリリアにとっては心底どうでもいい。
 寝転がったまま頬杖をつき、女王を糧に燃え盛る炎を瞳に映して吐息を漏らす。
「怠惰は罪なんて言うけどさぁ……罪って甘くて美味しいよねぇ。あぁ、すごい綺麗に燃えてるよぉ……」

成功 🔵​🔵​🔴​

アウル・トールフォレスト
(※好きにお任せします)
おかしな気分…やってくる時は何ともなかったのに
今はとても、面倒くさいや…
はあ…はやく終わらせよう

【深緑、底知れぬ恐怖を育め】を発動
何よりも巨大な『高き森の怪物』に変身するよ
炎も邪霊も、なにも気にならない。興味を持つ気にならない
あなたの攻撃じゃ、わたしは楽しめない…楽しむ気も起こらないのだけれど

攻撃はただ一振りで。大きく足を振り上げて、気だるげに踏みつける
ぺちゃんこに、あとも残らず、すり潰してあげる
だから…はやく死んでね



「んー……なんかおかしな気分……さっきまで変なことなかったのにな……?」
 アウル・トールフォレスト(高き森の怪物・f16860)は歩くことすら面倒になってしまい、ため息をついて立ち止まった。
「はあ……はやく終わらせよう。おっきくなれば、すぐに女王のところまで着くよね……えーい……!」
 その瞳が黄金色にきらめき、見る間に巨大化してゆく。鬱蒼と茂る樹木よりも高く、堆く聳える岩山よりも大きく。
「え、ええ……?」
 森の奥で待ち構えていた女王は、そのあまりの大きさに目を剥いた。
「ちょ、猟兵ってやば過ぎない? 反則でしょこれ……」
 幾つも浮かぶ緋色の火弾が紅蓮の軌跡を描きつつ、アウルを狙う。だが、アウルは全く意に介すことなく女王の居場所に向けて足を動かした。
「無視……!?」
 驚く女王に、アウルはたった一言。
「だって、楽しくないし。……どうしてだろう? 全然楽しくないよ、はあ……だから、はやく死んでね」
「ひッ……」
 アウルの振り上げた足が女王目がけて下ろされる。
 ――ずどん。
 ぷちっ。
 すりすり……。
 蒼穹を背に、黄金の髪と瞳を持つ高き森の怪物は薄っすらと微笑みさえ浮かべて優しく囁いた。
「んー、一丁上がり……っと。ばいばい、女王さん。もう会うこともないだろうけど、名前くらいは名乗っておこうかな……そう、わたしの名前はね――……」

成功 🔵​🔵​🔴​

ニコ・ベルクシュタイン
ああ、素晴らしきかな怠惰よ
此の身は本来其れとは対極の存在にして、勤勉に時を刻むモノ
だが、世には時計など幾らでもあろうよ
俺一人針を止めて静寂の中に身を委ねても、誰が死ぬという訳でも無し

横になりたいが、褥を整えるのも面倒、怠惰、此のままで良い
ごろりとおもむろに迷宮キノコのただ中に身を投げる
敵と戦って倒すのさえ面倒臭い、もう此のままで良いのでは?
しばし精霊女王の姿を眺めるだけの俺に残された僅かな正気が
【葬送八点鐘】の死神となって現れる
お前が俺の代わりに戦って来る分には一向に構わぬと手だけ振る

其奴は死を司る神だ、獣になぞ負けてたまるか
というか負けられては俺が出ないと行けないから困る
存分に戦って来てくれ



(「ああ、女王が怪物に潰されておる……」)
 いけよ怪物、そのまま止めを刺してしまえ。
 などと、ニコ・ベルクシュタイン(時計卿・f00324)は彼が彼たる所以であるとすら言えるはずの勤勉さをかなぐり捨て、スーツが皺になるのも構わずにごろりと草むらに横たわっているのだった。
 目と鼻の先で濃厚なキノコの胞子が弾ける。
 ――もう此のままでいいのでは?
 勤勉に時を刻む時計の代わりなど世に幾らでもあるが為、俺一人が針を止めて静寂に身を委ねたところで何が変わる訳もなかろうと。
 濃度を増した胞子に包まれ、顔に諦観の文字を浮かべたニコは面倒くさそうに顔だけを精霊女王の方へと差し向けた。
「ぺ、ぺしゃんこにされたぁ……!」
 涙声がして、怪物の去った後の巨大な足跡から女王を背に乗せた獣が立ち上がる。
「残念。生きておったのか女王よ。まだ後がつかえているが、本件に限っては出番がなくなるのを恨む猟兵もおるまい。かくいう俺とて、もう指一本すら動かしたくはない。故に頼むぞ死神よ――」
 ニコの手にある懐中時計が8時を示した時、どこからか仄暗い鐘の音が鳴り響く。死神と精霊獣。いずれも死を司りし象徴はしばしの間にらみ合った後で、火花を散らして取っ組み合った。
「存分に戦え……! 死を司る神が獣になぞ負けてたまるか」
 もし負けられたら本人が出ざるを得なくなってしまうものだから、それを何が何でも避けたいニコは最後の正気を振り絞って応援する。
「そうよぉ……あんたが頑張んないと勝負つかなくなっちゃうじゃなぁい……! やれー、やっちゃえー」
「お前の力はその程度か……!? 諦めるな、神としての力を示せ」
 死んでも戦いたくないという怠惰の極みへと到達したニコの執念とも言える激励に背を押され、遂に死神の鎌が精霊獣の首を狩り取った。
「よくやったぞ」
 笑みを浮かべ、ニコは彼を誉めた。
 が、すぐに脱力して草の上に頭を預ける。
「しかし、もう帰るのも億劫だ。ここまで迎えに来てはくれぬものか……はあ、面倒くさい」

大成功 🔵​🔵​🔵​

司・千尋
連携、アドリブ可

怠惰の感情が増大するとか
何て恐ろしい森なんだ…

普段からそんなにやる気があるわけではないけど
こんなに何もしたくない気持ちになるのは初めてだな

…と、いう事で!
戦闘はからくり人形の宵と暁に任せて俺は全力で怠けるぜ!
などと言いつつ地面に寝転がって一休み
心なしか宵と暁が冷たい目で見てるような気がするけど気にしない!

敵の攻撃は完全な脱力状態で受ける
脱力状態を維持するのは大変だなぁ(棒読み)
宵と暁の活躍を寝転んだまま見学
お前の邪霊じゃ俺の人形には勝てないぜ
だからもうお前、戦うの止めて帰れよ
俺はこのまま寝てしまいたい気持ちと戦うので精一杯なんだよ…!


……あぁ、もうキメ顔作るのも面倒くさい



 さく、さく……。
 さ、……く………………――。
「これは、予想以上に……やばい」
 女王の待つ戦場に向かう足を止め、司・千尋(ヤドリガミの人形遣い・f01891)は片手で顔を覆うと手近な木の幹にふらりと肩を預けた。
 元々勤勉な男というわけではないが、それにしたってここまで何もしたくない気持ちになるのは初めてだ――。
「何て恐ろしい森なんだ……守るにはともかく、攻めるには圧倒的に不利じゃないか。ふぅ、頑張れ俺……とにかく女王のいる場所まではこの足で歩いていかないことには始まらん。ん――?」
 どこからか女の低い呟き声が聞こえたような気がして千尋は顔を上げた。
「女王か……どこだ?」
「いませぇん……。今日はもう、女王は閉店よぉ」
「嘘をつくな、こっちだな……」
 声を頼りに深い茂みをかき分け、樹々の檻を越えた先に火傷を負った女王が不機嫌そうな顔で寝そべっている。
「あたし今日はもぉつかれたんだってば……! 火傷だらけだし、怪物には踏まれるしぃ、最悪よぉ……あんたもあたしをいじめにきたのねぇ?」
 恨みがましい台詞と共に女王の双眸が昏い輝きを湛え、突如として巻き起こった嵐が千尋の視界を塗り潰した。
「ふっ……」
「どうして余裕なのよぉ?」
「理由は、……これだ!!」
「な――」
 まるで鏡写しのように嵐を跳ね返された女王の、驚愕に満ちた悲鳴が瘴気を震わせた。颶風が去った後の戦場には悠々と寝転がって頬杖をついている千尋の姿と、彼を守るように狐面のからくり人形――宵と暁が仁王立つ光景があった。
「どうして、無傷……!?」
「知りたかったらもう一度やってみたらどうだ?」
 千尋が挑戦的に煽れば、女王はむきになって今度は凍えるほどの冷たい津波を巻き起こした。だが、波濤が千尋を呑み込もうとした途端、彼はごろりと大の字になって体から一切の力を抜いた。
 すると――。
「人形が……!?」
 千尋に当たったはずの津波が人形を通してまたしても女王に返されてしまったのである。
「脱力状態を維持するのは大変だなぁ」
「…………」
 棒読みで更に女王を煽る千尋を、宵と暁は無言で眺めている。心なしか視線が冷たいような気がする。怒り心頭なのは女王だ。何度も同じように炎を、隕石を繰り出しては反撃され、しまいには豪快な地団太を披露した。
「どーして勝てないのよぅ!」
「お前の邪霊じゃ俺の人形には勝てないぜ。だからもうお前、戦うの止めて帰れよ」
「ぐぬぬ……!」
「でないと――」
 千尋はあくびを噛み殺す。
「……あぁ、もうキメ顔作るのも面倒くさい」
「きーッ」
「いいから早く帰れって」
 切羽詰まった調子で、千尋は声を絞り出した。
「俺はこのまま寝てしまいたい気持ちと戦うので精一杯なんだよ……!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

境・花世
ほんとは毎日つねにねむいし
ぶっちゃけ働きたくないでござるし
正直おふとんと結婚したい

――このきもち、真剣なんだ

抱きしめたおふとんは夢か現か
ほんのりいい馨がしてあったかい
もう二度と離れないようにきつく抱きしめて、
すりりと頬を寄せてほほえむ
ねえ、わたしたち、幸せになろうね

すきなひとがいるのにこれって、
浮気になってしまうのかな
だけど、でも、この想いを捨てられない
いつまでもぬくぬく包まれて、
敵からの攻撃は寝ながら扇で一蹴
実力行使で黙らせていくスタイル

このしあわせを妨げるものは、排除する!

ああ、これでもう邪魔者はいなくなったね
ずっとずっと一緒だよとおふとんの幻を抱いて、
さいごまで惰眠を貪り続けたい



「わかる」
 どこからか聞こえてきた叫びに夢現のまま頷いて。草の褥に胎児のように丸まって横たわった境・花世(はなひとや・f11024)はしっかりと抱き締めたおふとんに柔らかな頬を擦り寄せた。
「いい馨り……」
 愛しげに微笑み、「ねえ」と金平糖のように甘く可憐な声色で呼びかける。わたしたち、幸せになろうね。
(「だって、ほんとはつねにねむいし。ぶっちゃけ働きたくないでござるし」)
 僅かに開いた薄紅の唇から漏れる、微かな寝息。
 ――このきもち、真剣なんだ。
「……おいおい」
 ようやく立ち直った女王がそれを見て突っ込んだ。
 花世が抱き締めているのはおふとんではなくてただの大きな葉っぱだし、寝そべっているのは絶賛胞子散布中のキノコ群生地である。
「あたしが言うのもなんだけど、そのキノコやばいみたいよ……? 確かにちょっと甘い匂いするけど、たぶん毒キノコ……」
「これって浮気になってしまうのかな……」
「はい?」
「……だって、わたしすきなひとがいるのに……だけど、でも、この想いを捨てられない」
「あんた、そりゃだめよぉ。好きならそいつに一筋でなきゃあ」
「でも……」
「当然浮気よ、浮気。ほらぁ、さっさとその“おふとん”から出てあたしと戦いなさいな」
「でも……」
「ん?」
「……いつまでもぬくぬく包まれていたい!」
「ふぎゃっ!!」
 花世の持っていた扇が女王の頭を叩いた瞬間、無数の花片となって辺り一帯を薄紅の儚い嵐が包み込んだ。
「な、なによこれ……! この子、寝ぼけたまま攻撃してくるし……ちょっと………からって、……――ああ、鹿ッ…………――」
 遠ざかる、何もかもが夢の底へと墜ちていく。花世は幸せそうに頬を緩めた。これでもう邪魔者はいないから、ずっとずっと一緒だよ。
 おふとんの幻を抱いたまま、花世はさいごまで惰眠を貪り続けます。
「健やかなるときも、病めるときも。千代に八千代に君を愛するよ……おふとん」

成功 🔵​🔵​🔴​

ラモート・レーパー
「面倒くなった……さっさと終わらせるか……」
 UCで自然災害を起こして敵を巻き込むよ。あとはアドリブでお願いします



「うわぉ、死屍累々だなあ……」
 現場にたどり着いたラモート・レーパー(生きた概念・f03606)の第一声は、まさに怠惰を極めた猟兵たちの末路を目の当たりにしての純粋なる感想だった。
「……そして例にもれず、ぼくも面倒くさくなってしまった……さっさと終わらせるか……」
 よいせ、と繰り出したのはまさに天変地異による大量絶滅を呼び起こす大流星群である。落下する隕石が女王の騎乗した精霊獣へと襲いかかり、傷を負わせると同時に周囲の足場を崩した。
「以上、終わり」
「はやっ!」
「だって怠惰なほうがいいんでしょ。はい、ぼくのターン終了」
「ぐぎぎ……まだ文字数残ってんのよ! もうちょっとなんか頑張んなさいよ! ふぎゃー!!」
 怒りに我を忘れ、怠惰を抑え込んで攻撃へと転じた時点で女王の負けは確定していた。抗うよりも、受け入れよ――それが必勝の手であると理解しているラモートの選択は正しかったのである。
 いったん収まったかに見えた流星群が再び輝きを取り戻し、五月雨のように降り注ぐ。
「そんな……――!?」
 隕石に打ち砕かれた女王の輪郭が崩れ去り、末期の時を悟った邪霊たちの嘆きが葬送の歌を紡いだ。
「……勝った」
 ラモートは頭をかき、首をひねる。
「皆、起こしてあげた方がいいのかな……」
 怠惰よ万歳。
 あともう少しだけ、このまま眠らせて。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年02月06日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ミレイユ・ダーエです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト