アルダワ魔王戦争1-E〜言いたいことがあるんだよ!
●心奪いのキノコ森
「あークソッ、クソッ、クソッ!」
大量のキノコに囲まれた。迷宮のフロアの中。
学生風の少女が、その可愛らしい顔を歪めて叫んでいた。
「なんでいくら待ってもイケメンが来ないのよ! おかしいでしょ!?」
彼女は『伝説のヒロイン』と呼ばれる災魔。
自分をこの世界のヒロインと思い込む彼女は、本来ならば清楚に愛らしく振る舞うことを好むのだが――。
「だいたい、なんでこんなキモいとこに居なきゃいけないわけ!? クソゲーかよ!」
ご覧の通り、黒い本性丸出しでご立腹中である。
そんな彼女の怒りを煽るように、足元のキノコが胞子を吐き出した。
●迷宮攻略
「みんな、集まってくれてありがとう。早速だけど、今回の作戦を説明するよ」
クロード・キノフロニカ(物語嗜好症・f09789)が、手書きの簡単な地図を片手に予知の内容を語り始めた。
「ついに僕達はアルダワ最深部へと到達し、大魔王を倒すまであと一歩のところまで辿り着いた。君たちには、この先の道を切り拓くために魔王の配下を退けてほしいんだ」
魔王のもとへ辿り着くまでには、各フロアに出没する災魔を倒す必要があるのだ。
「君たちに向かってもらう戦場は、精神に影響を与える『迷宮キノコ』で埋め尽くされたフロアだよ。この胞子を吸ってしまうと、特定の感情――具体的に言うと『鬱憤』が爆発してしまうんだ」
戦場は壁から床からキノコに埋め尽くされており、空気中には胞子が充満している。
胞子を吸わずに行動することは、不可能に近いだろう。
「というわけで、この戦場では敵も味方も関係なく怒りや恨みつらみが膨らんでしまうわけなんだけど……せっかくだから、日頃のイライラや思っていることを叫びながら戦ってみるのはどうだろう?」
胞子の影響はとても強く、無理に抑えつけようとすればとても戦闘どころではなくなってしまう。
かといって、ネガティブな感情を胸の内に溜め込んだまま戦いに臨めば、仲違いによる行動失敗などにもつながりかねない。
ならば、日頃の鬱憤を災魔にぶつけるように叫んでしまえばいい……というわけだ。
「鬱憤はネガティブな感情だ。けれど、こと戦いにおいてはいつも以上の力を発揮する原動力にもなりうるパワフルな感情でもある。このエネルギーを上手く利用して、ぜひ思いっきり戦っておいで」
そう言って、クロードは猟兵たちを送り出すのだった。
椿初兎
椿初兎です。
よろしくお願いします。
このシナリオでは、
『日頃の鬱憤を爆発させながら戦う』
ことで、プレイングボーナスが与えられ判定が有利になります。
オブリビオンや情勢への怒りといった大きなものだけでなく、もっと身近なこと――たとえば『家族にプリン食べられた!』とか、そういったことでもOK。
言いたいことを思いっきり吐き出して、ストレスを災魔にぶつけるつもりで戦うのがオススメです。
それでは、プレイングお待ちしております。
第1章 ボス戦
『伝説のヒロイン』
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POW : 皆がいてくれれば、悪役令嬢なんかに絶対負けない!
【炎の魔力を操る攻略対象のイケメン騎士 】【水の魔力を操る攻略対象のイケメン神官】【風の魔力を操る攻略対象のイケメン魔法使い】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : 大丈夫!私は伝説のヒロインだから間違えないわ!
【攻略本に全部書いてあるので 】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : 皆、信じてるわ…!(コントローラーガチャガチャ)
【最適な選択肢に記されたヒロインの台詞 】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
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コイスル・スズリズム
伝説のヒロイン……いい響きだね。
鬱憤がたまっちゃうのもわからなくもないなぁ。
すずはすぐに忘れちゃうから、あんまりないかなぁ~アハハ
と、思ったら、あったよ
すず、なんかダイエットキャラ扱いになってるんだけど
……その、実はぜんぜんダイエットしてもないんだよね
特に南国の旅団の友達とかが
気を使ってすずだけ食事の時にダイエット用のものにおきかえてくれたり
してくれてるんだけど
その、
すず別にダイエットしてない……
普通のその甘いものが食べたい!
っていうか甘いもの食べたい!甘いもの食べたい!
残像を作り出して複数で
叫びながら全力魔法を込めてUCで、攻撃
防御は先ほど作り出した残像と、ランスで「武器受け」
アドリブ大歓迎
軽やかに靴音響かせ、コイスル・スズリズム(f02317)は迷宮を進む。
「伝説のヒロイン……いい響きだね」
ふふ、と微笑んで話す彼女に、爆発するような日頃の鬱憤などあるのだろうか?
「すずはすぐに忘れちゃうから、あんまりないかなぁ~」
などと明るく笑うコイスルだが――。
「あー……すずにもあったよ、言いたいこと」
胞子舞うフロアに足を踏み入れた瞬間、コイスルの眉間にきゅっと皺が刻まれる。
「すず、なんかダイエットキャラ扱いになってるんだけど……その、実はぜんぜんダイエットしてもないんだよね」
「はぁ!?」
コイスルのその言葉に、このフロアのボスである災魔『伝説のヒロイン』が不機嫌そうな声を返した。
「何それ自慢? 食べても食べても太らないみたいな? うわムカつく!」
怒気をはらんだ声でヒロインが叫べば、電子的なエフェクトと共に3人のファンタジー風イケメンが現れる。
「それにその金髪に青い目。あなた、悪役令嬢ってやつね? あなたなんかより私のほうがモテるんだから。見て!」
イケメンに囲まれ挑発するように言い放つヒロインの言動に、コイスルのイライラは増すばかり。
ランスをぎゅっと握りしめると、感情の赴くままにヒロインの元へ駆けた。
「すずは別にダイエットしてないし、悪役令嬢でもなぁーい! 普通のその甘いものが食べたい!!」
友達は気を使ってダイエット用の食事を用意してくれるけれど、コイスルだって皆と一緒に美味しいものやスイーツを楽しみたい。
腹を立てていたら、なんだかお腹がすいてきたような気もする。
「ていうか甘いもの食べたい! 甘いもの食べたい!」
残像が見えるほどのスピードで、気持ちの赴くままにランスを叩きつける。
イケメン騎士の護りはあっけなく破られ、イケメン魔法使いの放つ風魔法は残像のみを捉え消えていった。
「すずが欲しいのは、普通のスイーツなの!!」
ランスに強い魔力を纏わせ、まっすぐに突撃。
イケメン神官が慌てた様子で張ったバリアも瞬時に砕け――ランスの先は、ヒロインをしっかりと捉えたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
チェリカ・ロンド
むかつくわ!
何がむかつくって背が低いことよ!
普通成長期って縦に伸びるもんでしょ?なんでお肉ばっかつくわけ!?
は?お腹につかないからマシ?今はそんな話してないでしょ!私ゃ身長の話をしてんのよ!
えっ、言うほど低くもない?個人差レベル?
……うるさーい!それを決めるのは私でしょ!私が気にしてるっつってんのよ!
というわけでアンタはブチ浄化するわ!
侍らせてるイケメンは【連続チェリカ砲】でささっと一掃!
魔力でなんかしてきても、魔力の【オーラ防御】でなんとかするわ!乙女の怒りは最強なのよ!!
ヒロインに接近したら光【属性攻撃】マシマシで【全力魔法】の【零距離チェリカ砲】!
身長よこせばかーっ!!(八つ当たり)
「むかつくわ!」
チェリカ・ロンド(聖なる光のバーゲンセール・f05395)が、怒りをむき出しにした表情で叫ぶ。
「何がむかつくって背が低いことよ!」
チェリカは12歳、絶賛成長期である。
女子の成長期といえば、男子の身長を一旦追い抜くほどに身長が伸びるものと相場が決まっているのだが――。
「普通成長期って縦に伸びるもんでしょ? なんでお肉ばっかつくわけ!?」
「は? 自虐風自慢かよ」
チェリカの叫びに、伝説のヒロインも苛立ちを露わに言い返す。
「腹肉もついてない、胸ばっか成長する……正直羨ましいんだよ!」
この世界のヒロインを自称する彼女にとって、チェリカのようなメリハリ体型は嫉妬の的なのだろう。
攻略対象のイケメンを3人も侍らせているにも関わらず、その口汚さはなかなかのものだ。
「は? 今はそんな話してないでしょ! 私ゃ身長の話をしてんのよ!」
溢れる怒りを表出させるように、チェリカは光の散弾を身体から放つ。
イケメン騎士が構える盾に、ボコボコと弾痕が刻まれた。
「やだーこわーい。魔法使いくん助けて!」
ヒロインに頼まれるがままに、イケメン魔法使いが風魔法を放つ。
だがその攻撃は、チェリカの纏う怒気にも似たオーラの前にあっけなく霧散したのだった。
「乙女の怒りは最強なのよ!」
体中に聖なる光を溜め込み、チェリカはゆっくりとヒロインへ歩み寄る。
長いツインテールの先まで満ちた光は、まるで憤怒の炎であった。
「というわけで……アンタはブチ浄化するわ!」
殴りかかるように振りかぶり、ヒロインへ掌を押し付ける。
次の瞬間、光が爆ぜた。
「身長よこせばかーっ!!」
もはや破壊力の塊と化した聖光が、周囲のキノコを抉り取りながらヒロインを吹き飛ばす。
イケメン僧侶が慌てた様子で回復魔法を展開するが、既に後の祭りであった。
大成功
🔵🔵🔵
阿紫花・スミコ
阿紫花スミコ、ダークセイヴァーの人形遣いの村出身。村に伝わる神殺しの人形を使って領主のオブリビオンを殺してしまったことにより里を追われる。
現在は、アルダワ魔法学園で、ガジェットの研究をすべく、空き教室を勝手に使って、ガジェットの研究開発に打ち込む・・・
・・・未だ非公式部活動。予算はまだない。
なぜにうちが非公式なのか。そこらのガジェッティアよりよほど有能で優秀なガジェットを開発している自信はあるのだ。
なのにだ、そうした奴らがのうのうと研究室でお茶してる間にもボクはこうして迷宮で、わけのわからぬメルヘンを抱えた女と戦わねばならない。
「小娘が!・・・調子に乗るなよぉ!!」
阿紫花スミコ、16歳。
「……どうして」
阿紫花・スミコ(ガジェットガール・f02237)は、ガジェット研究会の設立者である。
故郷を追われアルダワ魔法学園へと流れ着いたスミコは、魔道蒸気機械『ガジェット』を扱う楽しみに開眼。
以降はガジェット研究会の部員として研究開発を進め、優れたガジェットの数々を開発した実績があるのだが――。
「なぜにうちが非公式なのか。そこらのガジェッティアよりよほど有能で優秀なガジェットを開発している自信はあるのだが」
そう。ガジェット研究会はあくまで非公式の部活動。
空き教室を勝手に使い、勝手に活動しているのだ。
「なのにだ、そうした奴らがのうのうと研究室でお茶してる間にもボクはこうして迷宮で、わけのわからぬメルヘンを抱えた女と戦わねばならない!」
伝説のヒロインをびしっと指差し、不満を露わにするスミコ。
「メルヘン女で悪かったな! 私だって好きでこんなトコいるんじゃないし!」
ここまで言われては、伝説のヒロインも黙ってはいられない。
「つか非公式の文化部とかダサいし、その学籍私に譲れよ! 憧れのハーレム学園生活のために!」
乙女ゲームには学園生活がつきものとばかりに、スミコへ怒鳴り散らすヒロイン。
その手には、いつの間にか『トキメキ☆学園ラビリンス 完全攻略ガイド』と書かれた書物が握られている。
「失礼な! 文化部で何が悪い!」
叫びながら、スミコはからくり人形『ダグザ』を操る。
人形の胴体が軋みを上げて回転し、握られた棍棒がヒロインを襲う――が。
「えーと、ここは回避じゃなくてガード……っと」
棍棒の直撃を避けるように、ヒロインは攻略本を盾にしてガードする。
棍棒はヒロインへ届くことなく、掲げられた書物だけを吹き飛ばした。
だが、これでもう攻略本を頼りに避けることはできないだろう。
「えーと確か次の避け方は……」
「小娘が! ……調子に乗るなよぉ!!」
ヒロインが必死に書面を思い出している隙を狙い、スミコは再びダグザを繰る。
超重量の棍棒が今度こそヒロインにクリーンヒットし、地面へとしたたかに叩きつけたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ノル・イース
ヒロイン? 何だかよく分からないが、日頃の鬱憤を晴らせばいいんだな?
心得た。
しかしこの災魔はイケメンイケメンと五月蠅いな。
どうせアレだろう、身長が180cm以上はないととか、どこぞのアイドル並みの造作じゃないととか、自分だけに優しくしてくれないととか、世の中そう上手くいくか!(思わず【約された開闢】発動、鬱憤発散と相俟ってやたら強化されたオーブメイスを思いっきり災魔に叩き付け)
ああ悪い、都合良く攻略対象云々も巻き込んだか?
同時攻略やらでまとめてどうにかしようとするから被害が増えるんだぞ。多分。
反撃があるならレイシールドとメイスでいなそう。
……胞子のせい(おかげ)でなかなかいい運動になった。
「痛たたた……僧侶くん、回復おねがーい」
わざとらしいぶりっ子仕草で、伝説のヒロインは自らが呼び出したイケメン僧侶に今まで受けたダメージを回復させる。
「ありがとー☆ ……あー、いい加減この展開飽きたー。新しいイケメンと出会わせろっ!」
不満を零すヒロインを、ノル・イース(I'm "0"・f24304)は鋭い眼光を向けた。
「……イケメンイケメンと五月蠅いな」
苛立ちを露わにするノル。
だが、苛立っているのはヒロインも同じだったようだ。
「え、あいつが新しい攻略対象? 目つき悪い系とか萎えるんですけど!」
ノルの眉間に、深い皺が刻まれる。
胞子のせいだろうか。今までに言われたどんな悪口よりも、ヒロインの言葉に強い苛立ちを感じるのは。
「やっぱ次は王子様系かなぁー。金髪碧眼で背が高くて、私だけに優しくしてくれて……」
「世の中そう上手くいくか!」
あまりにも夢見がちすぎるヒロインの発言に、遂にノルの堪忍袋の緒が切れた。
勢いよくオーブメイスを振りかぶると、ヒロインめがけ振りかぶる。
「きゃあっ!? ら、乱暴者ー!!」
ヒロインを庇うように、イケメン騎士が盾を構え咄嗟に前に出る。
だが魔力を収斂させた蒼色のオーブは重く力強く、床面に亀裂を走らせながら騎士を地面に打ち付けたのだった。
「ああ悪い、巻き込んじまったな」
「よくも騎士くんを……! 許さないんだから! 魔法使いくん、やっちゃって!」
ヒステリックにヒロインが叫ぶ。舞い上がった胞子を吸い込み、イライラが最高潮に達したようだ。
だが。
「魔法使いくん? ……巻き込まれてるー!?」
ヒロインが気付いた頃には既に遅し。
オーブメイスの打撃でひび割れ吹き飛んだ床石が直撃し、魔法使いは気を失ってしまっていたのだ。
「同時攻略やらでまとめてどうにかしようとするから被害が増えるんだぞ。多分」
「むっ……」
言葉に詰まるヒロインめがけ、ノルは再びオーブメイスを振り上げる。
「悪いなー。胞子のせいで止まんないわ。胞子のせいだからなー」
メイスの一撃が、ヒロインの頭上めがけてまっすぐ振り下ろされた。
大成功
🔵🔵🔵
ロレンツ・イラーク
……待っても来ないだ??
こちとらどこを探せども探し人もとい鳥が見つからないというのにただ待ってるだけの貴様が何を憤っているんだ?!(感情の爆発により完全なる八つ当たりモードになってしまっている乙女ゲーという概念をそもそも知らない大鴉。声がいつもの倍うるせえ
強化? 知るか。攻略対象とやらについてはなんの事か分からんが全て【鉄戦鎚】の【なぎ払い】で吹き飛ばしてくれるわ! その後本体を【びったんびったん】してくれる!!!
あぁ! 本当に!!
本当にあの馬鹿はどこをほっつき歩いているんだ!!!
一人で勝手に気負って逃げ出した! あの、雀はああああ!!!(ここにいない相手にも怒る
「もうサイアクー。痛いことされるし、かっこいい王子様は来ないし、クソゲーすぎる……」
「……待っても来ないだ??」
伝説のヒロインの独り言が、ロレンツ・イラーク(怒りの黒炎・f20876)の怒りに火をつけた。
「こちとらどこを探せども探し人もとい鳥が見つからないというのにただ待ってるだけの貴様が何を憤っているんだ?!」
怒りのあまり、息継ぎなしでまくし立てるロレンツ。
フロア中の空気を揺らすような怒号に、ヒロインが一瞬怯んだように小さく息を呑んだ。
「きゃ……! あ、アンタみたいな乱暴そうな人、お呼びじゃないんだからぁ!」
金切り声で叫ぶヒロインに応えるように、3人のイケメンがロレンツを阻もうと武器を手にする。
「やっちゃえやっちゃえ! 勝った人のルート攻略してあげるから!」
「攻略? よく分からんが、全て吹き飛ばしてくれるわ!」
ヒロインの言葉をさして気にも留めない様子で、ロレンツは鉄戦鎚を横薙ぎに振り回す。
「うわぁ!?」
「な、なんだなんだ!?」
「ヒロインちゃん……ごめん……」
剣を構えた騎士が、杖に魔力を蓄えた魔法使いが、宝珠を神秘で満たした僧侶が。
3人のイケメンたちが、規格外の超重武器になぎ払われ派手に吹き飛んだ。
「うそぉ!?」
驚くヒロインの隙を突き、ロレンツは細い足首をひょいと掴み上げる。
「あぁ! あの馬鹿はどこをほっつき歩いているんだ!!!」
怒号を響かせながら、ヒロインを軽々と振り回す。
もはやロレンツの頭の中には、ある小雀への心配と怒りしかないのだ。完全な八つ当たりである。
「一人で勝手に気負って逃げ出した! あの、雀はああああ!!!」
「やめて! やめてってば! ちょっと聞いてる!?」
ロレンツにその気があったのかはともかく――怪力による振り回し攻撃は、ヒロインに確かなダメージを与えたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
緑川・小夜
[WIZ]
胸!わたくしの胸!年齢の平均より小さいわたくしの身体全体、その中でも特に小さいこの胸!
着物を着てもストン!メイド服を着てもストン!怪盗としてのスライムスーツ姿では、スーツを操作して胸を盛るしかないという屈辱!
敵はわたくしよりも胸のある女…これは有罪決定。罰を与えるしかないわ
選択UCを発動し、怪盗の姿に。怒りに突き動かされるまま、【ダッシュ】と【見切り】で一気に災魔に接近。そのまま組伏せるわよ
組伏せに成功したら、災魔と直接肌を触れ合わせている箇所から【生命力吸収】をさせてもらうわ
さあ、貴女の命を頂くわ。わたくしの胸の糧となりなさい!(そんな効果はない)
[アドリブ連携歓迎です]
「敵はわたくしよりも胸のある女……! 罰を与えるしかないわ」
伝説のヒロインをびしっと指差し、『怪盗パピヨンサヨ』こと緑川・小夜(蝶であり蜘蛛であり・f23337)が高らかに宣言する。
ぴったりとした怪盗スーツを着たその姿は、女性らしい起伏があるように見えるのだが……?
「怪盗としてのスライムスーツ姿では、スーツを操作して胸を盛るしかないという屈辱!」
そう、今の彼女の豊かな胸は、あくまでスライムで盛った作り物だったのだ!
普段の彼女は身長も胸もコンパクトサイズ。
着物を着てもストン、メイド服を着てもストンの控えめ体型なのだ。
「……」
リアクションに困ったようにコントローラーをガチャガチャするヒロイン。
「……えー、そんなことないよ! あなたも可愛いよ!」
明らかに選択ミス、嫌味にしか聞こえないセリフである。
不自然に空いた間の気まずさも相まって、小夜のイライラは最高潮に達した。
「有罪! 有罪決定だわ!」
軽い身のこなしで小夜がヒロインへ近接。
あっという間に至近距離へ飛び込むと、勢い任せに突き飛ばした。
「きゃっ!?」
短い悲鳴を上げながら、ヒロインが転倒する。
立ち上がる一瞬の隙も与えぬよう、小夜が覆いかぶさるようにヒロインを組み伏せた。
「貴女の命を頂くわ」
肌をしっかりと触れ合わせるように、ヒロインへ身体を近づける。
素肌からエネルギーが流れ込むほど、ヒロインから力が抜けていくのを小夜は感じていた。
「やーめーてー! 百合ルート地雷だから!!」
「うるさい! わたくしの胸の糧となりなさい!」
言葉だけで抵抗しても、既に身体に力は入らない様子。
こうして小夜は、満足いくまでヒロインの生命力を吸い続けたのだった。
あ、ちなみにこのエネルギーは胸には行かないようです。
大成功
🔵🔵🔵
ロシュ・ネグル
ストレスかぁ、あるようなないような……あっなんかむかむかしてきた。
【血液製剤】(中身はトマトジュース)を飲みながらだけど聞いてよ。
最近トマトジュースね、色んな種類のが売られるようになったのはいいんだけど
色んな味つきすぎじゃない?ボクはトマト絞っただけのトマトジュースが好きなの!
塩だけならまだ許せるんだけど、レモンとか入れたらもうそれミックスジュースじゃない???
あとお砂糖足してるのもゆるせないな。おいしいトマト使えば砂糖いらなくない?
メーカーのたいまんだよたいまん。
ねえ聞いてる?イケメン3人もコソコソ女の子に話してるし聞いてないでしょ!
ボクはけっこう本気で【ワイルドモード】するくらいなんだぞ!
「……あっなんかむかむかしてきた。ちょっと聞いてよ」
輸血パックのようなものを吸いながら、ロシュ・ネグル(ヴァンパイアの始祖・f25295)が伝説のヒロインに語り始める。
「最近トマトジュースね、色んな種類のが売られるようになったのはいいんだけど、色んな味つきすぎじゃない?」
「と、トマトジュース……?」
怪訝そうな反応をするヒロインへ向け、ロシュはさらに語る。
「ボクはトマト絞っただけのトマトジュースが好きなの!」
一見凶悪で残酷なヴァンパイアのように見えるロシュは、実はコウモリのキマイラである。
コウモリが実は果物を好むのに似て、彼女もまたジューシーな果実――トマトを何より好むのだ。
ちなみに今飲んでいるパックの中身も、トマト100%の美味しいトマトジュースである。
「塩だけならまだ許せるんだけど、レモンとかお砂糖とか!」
もはやミックスジュースと呼ぶべき混ぜ物入りや、砂糖で不自然に甘くしたもの。
世の中、本物のトマトジュースがあまりに少なすぎるのだ!
「メーカーのたいまんだよたいまん」
しかしロシュの訴えをまともに聞く者はなく。
「……どーする、この空気?」
ヒロインと攻略対象ズは、何やらひそひそと内緒話に興じている様子であった。
「ねぇ、聞いてる? 聞いてないでしょ!」
激昂しながら、ロシュは敵へ近接する。
このトマトジュースへ賭ける熱い思いをさらっと無視され、怒りが爆発したのだ。
「ボクは本気なんだぞ!」
硬く鋭い爪で掴みかかり、立ちはだかるイケメンを薙ぎ倒していく。
「たかがトマトジュースでこんな怒るとかなくない!?」
「たかがじゃない! トマトをバカにするなーっ!」
怒りをこめた蝙蝠爪が、ヒロインにクリーンヒットしたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
パルル・ブラックベリー
なんでパルルちゃんのCD売れてないんですか!?なんでパルルちゃんの写真売れてないんですか!?それはお前が存在してるからじゃボケナスがぁぁぁぁ!!!パルルちゃんが一番になるためにはなぁ……!
パ ル ル ち ゃ ん よ り 上 の 奴 ら を 全 ブ チ 殺 す ん だ よ
ヒロインはパルルちゃんだけで充分だ!パルルちゃんがみんなのヒロインなんだよ!お前のイケメン軍団のバフなんて怖くねぇ!パルル諸共お前は消えるんだよ!!
攻撃力?関係ないね!
状態異常力?関係ないね!
防御力?あ、それはやめてくださいきっと倒しきれなくてパルルちゃんだけが無残に――
「なんでパルルちゃんのCD売れてないんですか!? なんでパルルちゃんの写真売れてないんですか!?」
「ちょっと、いきなり何なの!?」
フロアに飛び込むなり、パルル・ブラックベリー(腹黒フェアリー・f10498)は伝説のヒロインの鼻先まで急接近。
そして顔の前を煩く飛び回っては、小さな身体からは想像もつかないアイドルシャウトでヒロインを怒鳴りつけているのである。
「それはぁぁ! お前が存在してるからじゃボケナスがぁぁぁぁ!!!」
「なんで!? ていうかあなた誰!?」
虫を払うようにしっしっと除けられても気にせず、パルルは叫び続ける。
ヒロインが自分を歯牙にもかけていない様子が、ますますパルルの怒りに火をつけたのだ。
「みんなのヒロイン、パルルちゃんだよ☆ 死ぬ前に覚えとけコラァ!!」
「やだ、この人ヤンキーか何かなの? そんな奴になんて絶対負けたりしないんだから!」
ヒロインの叫びに応えるように、3人のイケメンがパルルを捕らえようと手を伸ばす。
だがパルルは器用に宙を舞いイケメンたちの手を逃れると、ふたたびヒロインの眼前へ飛び込んだ。
「パルルちゃんが一番になるためにはなぁ! パルルちゃんより上の奴らを全ブチ殺すんだよ!!」
上に立つ者を全て潰して、繰り上がり式に自分が一番になる。
それがパルル流の最強アイドル活動なのだっ☆
『……隙あり』
不意に、パルルの羽根をむんずと掴む者がいる。
これまでの戦いの中でいまいち活躍の機会がなかった、風属性のイケメン魔法使いであった。
『さぁ、これで大丈夫だ』
パルルはじたばたと抵抗するが、両羽根をしっかり掴まれ逃げる事すらできない。
ならば……。
「こうなったら自爆するしかねぇ! パルル諸共お前は消えるんだよ!」
パルルの身体が、まるでエネルギーの塊になったかのように光を放つ。
「ヒロインはパルルちゃんだけで充分だ! パルルちゃんバンザーイ!」
溢れたアイドルエネルギーは純粋な破壊力となり、周囲を巻き込み爆発する。
爆風をまともに浴びたヒロインとイケメン軍団が、フロアの隅まで派手に吹き飛ばされたのだった。
「……あー、死ぬかと思った」
服についた胞子をぱんぱんと払い、ヒロインは立ち上がる。
イケメン騎士に咄嗟に庇わせ、なんとか爆風の直撃を避けたのだった。
「こんな戦闘ラッシュ、乙女ゲーに求めてないもん!」
ヒロインの体力は、あと僅か――。
大成功
🔵🔵🔵
ヘスティア・イクテュス
まな板、真っ平ら…
乳、乳、乳、乳
なにこの迷宮!嫌がらせかしらかしら!
初っ端ローラだ胸だって!
わたし成長期!もう少し成長してくれていいじゃない!
お父様だって立派な胸筋もってるのに!!(母からは記憶をそらしつつ)
ちょっとそこのキラキラしたの!
アンタ伝説のヒロインだって言うならさぞご立派なの付いてるんでしょう!
付いてるわよね!!
乳のでっかい奴みんな死ねばいいのよ!!(涙を流しながら)
武器を捨ててティターニアで高速移動し
最初は色々な鬱憤を込めた拳の一撃を、近接戦闘が苦手?知らないわね
そのまま拳による殴り合いを当たるまで
「まな板、真っ平ら……」
ぶつくさと呟きながら、ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)はキノコの迷宮を往く。
「なにこの迷宮! 嫌がらせかしらかしら!」
妙にコンプレックスを刺激する敵との戦いが続き、ヘスティアの小さな胸の内には鬱屈とした感情が溜まりに溜まっていたのだ。
「わたし成長期!もう少し成長してくれていいじゃない!」
そう、海賊の父は立派な胸筋を持っているのだから! 母はどうだったか思い出さないことにするけど!
「ちょっとそこのキラキラしたの!」
「うっさいわね……いきなり入ってきて何?」
めんどくさそうにヘスティアへ視線を向ける伝説のヒロインの胸のサイズは、いたって普通の大きさである。
決して大きくはないけれど、学生服の上からでもきちんと起伏は見える――その程度の膨らみが、持たざる者にとっては眩しくて仕方ないのだ。
「うぅぅ……やっぱり思っていた通り、ヒロインらしいご立派なのが……」
悔し涙を流しながら、ヘスティアは拳を握りしめる。
「乳のでっかい奴みんな死ねばいいのよ!!」
ティターニアの出力を最大限まで上げ、スピードをのせて殴りかかる。
銃器もビームセイバーも何もかもかなぐり捨て、ヘスティアは己の拳ひとつでヒロインへぶつかっていった。
「はっ……この動き、攻略本で見たやつ!」
あらかじめ分かっていたかのように、ヒロインはスッとヘスティアの拳を回避する。
「八つ当たりとかウザいんだよ!」
「当たらないわ!」
怒鳴りながら殴りかかるヒロインの拳を、ヘスティアはティターニアの垂直飛行で回避。
そのまま急旋回すると、重力をのせたパンチを思いきり叩きつけた。
「これが、持たざる者の恨みよ……!」
「えぇ!? そんなの攻略本に……きゃあぁっ!?」
強く強く、感情を込めた一撃。
その意志の力は攻略本の予定調和すら乗り越え、ヒロインにとどめの一手を食らわせたのだった。
災魔を倒し、猟兵たちはキノコの森を後にする。
果たして日頃の鬱憤は晴らせただろうか?
どちらにせよ、ここで感じた感情が、今後の彼らの糧となることを祈って――。
大成功
🔵🔵🔵