アルダワ魔王戦争1-E〜甦る野心
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アルダワ学園地下迷宮――。始まりの領域『ファーストダンジョン』と呼ばれる一角に、そのキノコは生えていた。
周囲の壁のみならず迷宮の天井にまで広がる不気味なキノコの群。キノコのヒダからは怪しい胞子が飛び散っている。
「くっくっく」
群生するキノコの中心で、一人のオブビリオンが笑っていた。褐色の肌に豪奢な金の装飾。弾けんばかりの四肢は、いっそ威圧的でさえある。
「今こそ、妾をこのような場所へ閉じ込めた者どもへ復讐を果たす時! そして妾の力を示し、我が国を再興するのじゃ! くくくっ、ははははっ!」
迷宮内に響くオブビリオンの高笑い。その顔はただひたすら『野心』に満ちていた。
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「皆さん、お疲れ様です」
グリモアベース、モニター前。魔法戦争の始まりを聞いて駆けつけた猟兵たちへ向け、アーリィ・レイン(オラトリオの精霊術士・f13223)は頭を下げる。
「皆さんの活躍により、ついにアルダワの地下迷宮最深部へ到達することが出来ました。しかし、この最深部は『ダークゾーン』と呼ばれるものに覆われています」
大魔王の放つダークゾーン。これを払うためには、ダンジョンの攻略を重ねる必要がある。だが各場所には災魔――オブビリオンたちが待ち構えている。
「今回、皆さまに攻略して頂きたいエリアはこちらになります」
アーリィはモニターに映し出された画像をスライドする。出てきたのは不気味なキノコで埋め尽くされた迷宮だ。
「これは迷宮キノコと呼ばれるものです。このキノコは精神に悪影響を与える特殊な胞子を振り撒きます」
胞子の影響を受けると、敵味方を問わず特定の感情が増大するらしい。このエリアで確認されている感情は『野心』である。
「感情を押さえつけることも不可能ではありませんが、その場合、戦闘を継続するのが困難になるかもしれません」
感情を押さえるためには多大な精神力が必要となる。それは、敵へ無防備な姿を晒すに等しい。であれば、無理に感情を押さえつけるより、感情を爆発させた方が戦闘を有利に運べるだろう。
アーリィの指が次の画像を映し出す。モニター画面には、古代王朝の主を思わせるオブビリオンが映し出された。
「このエリアでは、自らを『マアティム4世』と名乗るオブビリオンが、待ち構えています。大量のアンデッドが徘徊する迷宮を作り出したり、黄金の棺を召喚して一時的にこちらの動きを封じたり、またオブビリオン自らも格闘術を用いて攻撃してくるようです」
説明を終えたアーリィは猟兵たちへ向き直る。
「此度の戦争も激しいものになるでしょう。ですが、皆さんのお力添えがあれば、きっと勝利を掴むことができると信じています。どうか、よろしくお願いします」
ユキ双葉
こちらは『アルダワ魔法戦争』のシナリオとなっています。
構成は一章のみで、ボスの撃破が目的となっています。
また今回のシナリオには、プレイングボーナスがあります。
プレイングボーナス……『野心』を爆発させる。
ひそかに抱く大きな望み。
皆さまの心に眠る野心とは、どのようなものでしょうか。
プレイング、お待ちしております。
第1章 ボス戦
『マアティム4世』
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POW : 女王式征服格闘術
【打投極を兼ね備えた、王家伝来の格闘技 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 殉葬の棺
【召喚した黄金の棺 】から【大量の呪われた包帯】を放ち、【ミイラ化させて棺に引きずり込む事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 王墓迷宮
戦場全体に、【大量のアンデッドが徘徊する、頑強な石壁 】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
👑11
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リュイ・ヴェルデ
【行動】
「魔王・・・一体どのような奴なのだろうか。」
「だがどんな奴だろうが僕らが倒してみせるさ。」
まずキノコの森を注意して進めていきます。
しかし胞子で心がどんどん昂り始めて
野心が高くなるも
冷静になるように心を落ち着ける行動をします
(僕は父を超えたい、認めさせたい。)
という想いが湧き上がってくるなど
マアティム4世を発見したら戦闘開始
メインはガジェットショータイム
「ここで手間取るわけにはいかない一気に畳み掛ける!」
昂りと焦りから油断したところに包帯が絡みつき抵抗するも巻きつかれミイラの様になって棺に収納されてしまう
敵には無様な坊やと罵られるもどうする事も出来ずただ棺の中で己の無力を呪うしか無かった
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地下迷宮。キノコが放つ不気味な光が迷宮内を薄っすらと照らしている。
「魔王か……。一体どのような奴なのだろうか」
キノコばかりの視界が続く中、リュイ・ヴェルデ(ガジェッティアボーイ・f01108)は敵の姿を探して歩いていた。アルダワを、そして世界を滅ぼさんとする災いの王。沸き起こる感情は熱くぎらついている。
(「魔王を倒すことが出来れば、父にも認めてもらえるだろうか。いや、もしかしたら父を越えることだって――」)
気が付けば呼吸は早くなり、体は興奮で震えていた。ハッと我に返ったリュイは、深呼吸を繰り返し冷静になるよう務めた。
「……いや、どんな奴だろうが僕ら猟兵たちが倒してみせるさ」
リュイは改めて自分の決意を口に出した。
その時、ゴゴゴゴゴ――と、地響きのような音が聞こえてきた。敵の気配がにわかに濃くなる。リュイは気配のある場所へ向かって走り出した。
「ふむ、ようやく力が戻ってきたか」
放射状に広がる床の亀裂。その中心で拳をぶらぶらさせている敵の姿があった。敵はまだこちらには気が付いていない。
どくんと鼓動が強くなる。この敵を倒せば手柄を取ることが出来る。闘争心が体中を駆け巡り、目の奥がカァッと熱くなった。
「ここで手間取るわけにはいかない、一気に畳み掛ける!」
リュイはガジェットを変形させながら敵の背後へ飛び出した。
「むっ!? 何奴!」
ガジェットから噴き出る蒸気で、敵はこちらの姿をはっきりとは視認していない。
(「急げ!」)
焦る心が僅かばかり手元を狂わせた。翼を広げた鳥のようなシルエットへ変形したガジェットの口から、熱ビームが繰り出される。
蒸気を裂いたビームは射線上のキノコを全て焼き払う。しかし、敵は素早い身のこなしで攻撃を回避していた。リュイは苦い面持ちで唇を噛んだ。敵がこちらを睨みつけ不敵に笑う。目を見開いた不気味な微笑み――。
「あっ!?」
リュイの足元から突如、金の棺桶が出現した。同時に視界を遮られる形となり、リュイは一瞬、判断を鈍らせてしまう。
棺桶の扉が、ギ、ギ、と錆び付いた音を立てて開く。中から飛び出してきたのは数多の包帯。リュイはガジェットを剣の形へ変形させて熱で包帯を焼き切るが、包帯は次から次へと飛び出してきてリュイの四肢へ絡みついた。
「浅はかなり。くくくっ、はははははっ!」
敵がリュイの姿を嘲笑う。抵抗しようにも、包帯に巻き付かれた体は思うとおりに動かない。
「く、うっ!」
視界すらも包帯に塞がれて、リュイは瞬く間に棺桶へ収納されてしまう。
「無様な坊や――」
罵りと共に棺桶の蓋が完全に閉じた。一筋の光すら届かない闇。その中で、リュイはどうすることも出来ずに己の無力を呪った。
成功
🔵🔵🔴
桐府田・丈華
【心情】
「よーし、魔王復活阻止の為に頑張るよ!」
【行動】
進むうちに野心がふつふつと…
「アルダワにあるレアなカードをいっぱい集めたーい!」
な野心が爆発するなど
【戦闘】
女王を発見したら戦闘を開始します
こちらはバトルキャラクターズを召喚し戦います
うまく連携させて翻弄させるようにします
が、隙を突かれて包帯に巻かれて抵抗するもののミイラにされて棺の中に入れられてしまうかも…
(他のPLさんとの連携OKです)
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ゴゴゴッ、ゴオオオォン――……。
「!」
重い金属が地面とぶつかったような音。そして、ユーベルコードの気配。
桐府田・丈華(カードバトルゲーマー・f01937)は、その場から立ち上がって音が聞こえてきたと思われる場所を振り向いた。
「しまったぁ! カードを探している場合じゃなかった!」
丈華は膝に付いた土や胞子を慌てて振り払い、敵の気配がある場所へ走り出した。
「魔王の復活を阻止するために頑張らなきゃ!」
そうは言っても、未知のレアカードに対する欲を抑えることはできない。目だけはあちこちの物陰へ彷徨わせながらも、丈華は何とか敵のいる場所へ辿り着く。
すでに他の猟兵との戦闘があったと思われる場所で、敵は閉まりゆく棺を前に高笑いをしていた。
「あれが敵? よーし!」
丈華は腰に携えたカードホルダーへ手を伸ばす。あらかじめ組んでいたデッキを取り出し掲げると、カードは眩い光を放ち始めた。
「おいで皆~!」
掛け声と共にカードから次々と二頭身のキャラが飛び出してくる。数は五十体以上。更にそれらのキャラを合体させ、四体くらいに数を絞った。体型も二頭身からスタイリッシュな強キャラへ変化している。
ランスを携えた水晶の騎士、折れた三角帽子が特徴のセクシーな魔法使い、煙のような鬣を持つ軍馬、そして可愛らしい妖精。こちらの陣営を見た敵がケラケラと笑い出す。
「ほ、なかなか面白い見世物じゃ。どれ、子供のままごとに付き合ってやるとするかの」
「ムッ! ボクのことを子供だと思って馬鹿にしたら、痛い目みるぞー!」
丈華に呼応した軍馬がいななく。妖精の体が発光し、他のキャラクターたちの体も明るく輝き出した。ステータスの強化だ。
直後、魔法使いが風の刃を生み出して敵を攻撃する。その間に軍馬へ跨った水晶の騎士が敵へ突進していった。
「フン!」
敵はすれすれで風の刃をかわすが、風魔法の範囲は広く、敵は装飾の一部を破壊され皮膚を裂かれた。敵は顔を顰めて舌を打つ。
続けて接近していた騎士がランスを振り下ろした。敵はランスを脇へ挟み込み、ありったけの力を込めて騎士の動きを封じる。しかし、暴れ出した軍馬までは止めることが出来なかった。
「ぐぅっ!」
腹を激しく蹴り上げられた敵は痰を吐き出し、あからさまに苛ついた表情を見せた。
「ええい! まどろっこしい!!」
怒号と共に、丈華たちを囲むように金の棺桶が出現した。油の切れた耳障りな音を響かせ、棺桶の扉が次々と開く。中からは視界を埋め尽くすほどの包帯が飛び出してきた。
「うわっ!?」
勢いと攻撃の威力は敵の方が勝る。キャラクターたちは次々と包帯に絡め取られ、カードへ戻された。そして最後の一体がカードへ戻されたのち、包帯は一斉に丈華へ向かってきた。
「わっ、わっ!」
飛び交う包帯の僅かなすき間を縫って、敵の攻撃を必死に回避する。無理矢理に踊らされているような動きだ。当然、丈華の足には疲労が蓄積する。
「あっ! それはボクのだよ! 返せっ!」
包帯を避け続ける中、丈華は敵が自分のカードを拾い上げるのを見てしまった。一瞬の油断が敵にとってのチャンスを招いてしまう。
「わああああっ!?」
後ろから迫る包帯に足を取られた丈華は、棺桶へ引き摺られて悲鳴を上げた。
「ほれ、せめてもの情けじゃ。これは返してやろう」
敵が棺桶へ向かって丈華のレアカードを放り投げる。カードは見事にキャッチしたものの、丈華の体は棺桶へ収納されようとしていた。丈華は悔し紛れに叫ぶ。
「うーっ、覚えてろよー! ここから出たらキミをカードにしてやるうう!!」
敵にとっては意味不明な叫びだったのだろう。閉まる扉の向こう、丈華が見た敵は腕を組んで首を傾げていた。
成功
🔵🔵🔴
ユーフィ・バウム
大きな望みならあります。
故郷の森で培われた狩猟技を
いつか全ての世界に
武術として広めます
粗野でも、私には大切な故郷
そのためにも、
受け切って……勝つ!
【力溜め】つつの【グラップル】!
格闘戦での打ち合いをを挑みます。私は【怪力】です
手数で負けても、【カウンター】で力強い一撃を打ち込む
「蛮人の戦いを、お見せしますっ」
相手の攻撃を受け切ることを念頭に戦います
マァティムの攻撃は基本【見切り】致命的な一撃を避けた上で
【オーラ防御】【激痛耐性】で耐え抜くスタイル
野生が鍛え上げた体は屈しませんとも
好機を見れば、【ダッシュ】、【空中戦】で飛んでからの
必殺の《トランスクラッシュ》!
ヒップアタックを豪快に見舞います!
大豪傑・麗刃
ふっふっふ。
わたしが常日頃から持っていたということにしておく野心とな。
それは!!
この世界!
美形とかシリアスとかそーいうのばっかり大手を振って歩く世界!
個性的な顔とかおちゃらけた性格とかそういうのが日陰者として扱われる世界!
むしろ美形の方が平均的とか標準になっちゃった世界!
そんな中で!
わたしみたいなネタキャラが天下を取ることなのだ!!
どうなったら天下をとった事になるのか?それはひとまずおいといて。
いかん。
語りすぎてネタを書くプレイング字数が足りんのだ。
ならば短い文字数で可能な必殺ネタを。
相手の制服(にしては布地が少ないのだ)格闘術とやらをかいくぐり接近。そして。
必殺!零距離鬼神フラッシュ!!
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広い地下迷宮――。
敵の位置をすぐに探り当てたユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)は、その場所へ辿り着き目を見張った。金色の棺桶が二つ暴れていて、敵はうっとりとそれを眺めていたのだ。
中に何が入っているのか。敵の表情は愉悦に満ちている。と、ユーフィの気配に気が付いた敵が振り返る。
「なんじゃ……また邪魔者か。まったく懲りぬ連中じゃのう。どれ、妾が軽く捻ってやろう!」
その場から跳躍した敵は、瞬く間にユーフィへ接近した。敵はすぐさま体の重心を下げ、拳でユーフィの鳩尾を狙ってくる。
「――っ!」
ユーフィは右足を軸にして半回転し、敵の拳をかわした。次の瞬間、敵は咄嗟に左の肘を突き出し、ユーフィの胸部を狙ってくる。ユーフィは体の前で両腕をクロスさせ、オーラを展開した。
鋭く重い衝撃と共に骨がミシミシと軋む。それでもユーフィは耐え切った。野生が鍛え上げた体はこの程度の攻撃には屈しない。
息を吐く間もなく、敵がユーフィの体を蹴り上げようとする。ユーフィはすぐに後ろへ跳んで距離を取った。敵が賞賛の声を上げる。
「ほ、なかなかやるようじゃ。そなたにも大望があると見える」
大望、という言葉にユーフィは部族の血を滾らせた。
(「大きな望み。私の――」)
ユーフィの脳裏に故郷の森が広がる。
太く逞しく育った大樹。地面を覆い隠すほど豊かに育った植物。そして、そんな森を生業とする生物たち。
部族の仲間たちと切磋琢磨した狩猟術。それを全ての世界に武術として広げるのが、自分の望みだ。
(「粗野でも私には大切な故郷……。その故郷の技を武術として広めるためにも、受けきって……勝つ!」)
奮起したユーフィは敵の回し蹴りにしがみつき、怪力で相手の動きを止めた。そのまま敵の足を掴んで豪快に振り回し、迷宮の天井を支える硬く巨大な柱へ放り投げる。
敵は頭の後ろを両手でガードしていた。亀裂の走る音と共に、柱にはクレーター状の凹みが生じる。敵はすぐさま起き上がり反撃の姿勢を見せた。ところが。
「きゃあああっ!?」
クレーターの縁に手を掛け下から覗き込む者があった。顔の全てのパーツを中央へ寄せ過ぎて梅干顔になっている何か――もとい猟兵、大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)。
「必殺! 鬼神フラッシュ!」
二次元でしか見られない変顔に動揺した敵は、麗刃の斬撃をまともに喰らった。柱が折れ敵もろとも後ろへ崩れ落ちる。
瓦礫の中で立ち上がった敵は、切られた腹を押さえながら怒り任せに叫んだ。
「何者じゃ! いつからそこにいた!」
いつもの顔に戻った麗刃は、きらりと目を光らせて答える。
「わたしの名前は大豪傑・麗刃! 美形とかシリアスとか、そーいうのばっかり大手を振って歩くこの世界で! 個性的な顔とかおちゃらけた性格とか、そういうのが日陰者として扱われる世界で! むしろ美形の方が平均的とか標準になっちゃった世界で! いずれ天下を取る男なのだ! わーっはっはっ!!」
聞いてもいないのに壮大な野望を語りだす麗刃に、ユーフィも目を白黒させていた。
「ハッ――! そなたのようなネタキャラが天下だと!? 笑止!」
麗刃の野望を鼻で笑った敵は、手近にあった瓦礫を持ち上げ麗刃へ投げつけた。
「そんな攻撃、麗ちゃんには効かないのだー!」
乱雑な軌道を麗刃はカエルのように飛び跳ねて避ける。敵はなおも苛立ちを募らせたようだ。頭を掻き毟っている。
「今なら……!」
敵は麗刃に気を取られている。好機と踏んだユーフィは飛び交う胞子の下、身を屈めて敵からの距離を取った。
「制服格闘術という割には、布地が少ないのだ?」
「おちょくっておるのか!? 制服ではなく征服じゃ!」
地面へ着地した麗刃へ足払いが掛けられる。バランスを崩して前へつんのめる麗刃。にやりと笑った敵は麗刃の頭を鷲掴みにしようと腕を伸ばす。獲物へ手を掛ける獣――そのしなやかな体が地面へ叩きつけられた。
「ぐうっ!?」
「これが蛮人の戦い方ですっ!」
豪快なヒップアタックが決まった。ダッシュで勢いを乗せたユーフィの強烈な一撃。周囲の地形までもが粉砕され、余波を喰らったキノコたちも散り散りになり、抱えていた全ての胞子を撒き散らした。
胞子と粉塵が三者の視界を遮る。揺らめく影――。敵は今だと言わんばかりに、粉塵の向こうへ逃走した。
大成功
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テラ・ウィンディア
野心かー
おれは子供だけどちょっとしたのは持ってるぞ
爆発野心
…おれが目指すは宇宙の頂点
宇宙に覇を求め剣を極めた男の領域だ
お前もまた恐るべき武の使い手と見た
ならばお前を打ち破りおれの武の極への礎としてやる!(目の前の女王が己が野心の為の超える壁と認識した
【属性攻撃】
炎を全身と武器に付与
【戦闘知識】て敵の格闘術を含めた技の性質と動きの癖などを把握に掛かる
【残像・見切り・空中戦・第六感】を駆使して空中を飛び回りながら回避
槍による突撃で【串刺し】の
【早業】で武器を剣と太刀に帰れば斬撃による猛攻を仕掛け乍ら
少しずつ交代して今まで何度も空間に斬撃が刻まれた場所で
消えざる過去の痛み
斬斬斬斬斬!
この技も…まだだ
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周囲には粉塵と胞子が立ち込めている。
迷宮を駆け抜けるテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は、妙に納得した面持ちを浮かべていた。
「なるほどなー」
野心とはよく言ったものだ。この場所にいるだけで、思い描く自分の姿というものがどんどん膨れ上がっていく。
テラが目指す姿。それは宇宙の頂点だ。宇宙に覇を求め、剣を極めた男の領域。
「!?」
目の前でぶわりと粉塵が膨れ上がった。テラはすぐさま武器を身構える。粉塵を割いて現れたのは敵だ。怪我を負っているようだが、威圧感は圧倒的だった。
テラの存在に気がついた敵は、ぎらついた眼差しを向けてくる。
「また小娘風情か……。妾の邪魔をするというのなら、容赦はせんぞ!」
敵の発した闘気で空気がビリビリと振動する。テラはこくりと喉を鳴らした。この強さこそ、己が野心のため越える壁にふさわしい。
「お前もまた恐るべき武の使い手と見た。ならばお前を打ち破りおれの武の極への礎としてやる!」
テラの闘志は炎となって全身を巡り武器にも宿る。
間合いを詰めてきた敵が足を振り上げた。ミドルキック。テラは空中へ飛び上がって回避する。
無論、敵もすぐにテラの後を追ってきた。足首を掴まれそうになったテラは、槍を薙ぎ払って敵の体を吹っ飛ばした。
敵は受身を取り柱へ着地する。そしてすぐさま闘気を纏い、柱を蹴り出して突進してきた。強烈なタックル。テラの小さな体は天井近くまで吹っ飛ばされる。
「く、うっ……!」
首を締め上げられる中、テラは武器の柄で敵の横腹を打って攻撃から逃れた。
先に落下して地面へ着地した敵は、低い姿勢のままテラが落ちてくるのを待ち構えている。また掴まれるのはごめんだ。テラは空中で槍を構え直し迎撃に備える。
二つの力が真っ向からぶつかり合う。テラは素早い所作で武器を入れ替え、敵が反撃してくる前に太刀と剣による攻撃を仕掛けた。
「あああああっ――!」
敵の顔に、腕に、腹に、足に、いくつもの切創が生じその都度血飛沫が舞う。テラの猛攻を前に敵は防戦一方。呼吸を整えてなどいられない。
テラは力を振り絞り、虚空から『空間に刻まれた斬撃』を呼び起こした。魔技――痛みの記憶が数多、敵へ牙を剥く。
「これは我が悔恨……我が無念……。そしておれが知る恐るべき刃だ……とくと味わえ……! 斬斬斬斬斬!!」
「カ、ハッ――」
ありとあらゆる方向から斬り刻まれた敵は、その場で膝を着いた。大量の血を吐き出しながらテラへ向け手を伸ばすも、震えるばかりの手は空を掴み事切れた。
「この技も……まだだ」
武の高みを極めるには技もまだまだ磨きを掛ける必要がある。それでも今日、敵を討ち果たしたことで一歩前進はしたはず。
武器を振り、血糊を払ったテラは深く息を吐き出した。
大成功
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