アルダワ魔王戦争1-E〜愉悦
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「皆さん、戦争です」
気だるげな表情でありながらも真剣に猟兵たちに語り掛けるのは、鳴宮・心(正義狂いの執刀医・f23051)だ。
本来あまり人前で話すことが得意では無い彼はどうにも所在無し気に髪を弄るも、意を決して猟兵たちを見据え、言葉を重ねる。
「皆さんには、大魔王のいるファーストダンジョンへと挑んで頂きます」
猟兵たちは手分けをしながらファーストダンジョンの攻略へと挑むこととなる。
そのうち今回担当するエリアは特殊な胞子をふりまく迷宮キノコで埋め尽くされた特殊な戦場だ。
「その胞子は……どうやら人の心のバランスを崩すようで、笑いが止まらなくなるそうです。それに抗っていてはとても戦いなど出来ません……必要なのはその感情を受け入れること、つまり戦いを楽しむことです」
迷宮キノコの胞子は特定の感情――今回は喜びの感情を増大する。
それを押さえつけることは容易では無く、それに全力を注ぐことが必要となり戦いは不可能となろう。
その為戦いそのものを心から楽しみ、喜びの感情を爆発させることこそ、そのエリアをクリアする為の鍵になるのだ。
「既に戦場は災魔により我々を迎え撃つ態勢が整えられているようです、油断せずに挑んで下さい」
心の予知によれば戦場は既に敵オブリビオンのUCにより石壁のようなもので出来た迷路がそびえ立ち、その中が骸骨のような敵――所謂スケルトンに覆いつくされているらしい。
猟兵たちはその雑魚敵を蹴散らし、その戦場の首魁を討つ必要がある。
「それじゃあみんな、気を付けて頑張ってきてねぇ!」
猟兵たちを励ますべく、お薬の力を借りながらも大声で鼓舞するグリモア猟兵は、猟兵たちの安全を願いながら戦場へと送り出した。
きみはる
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お世話になります、きみはるです。
いよいよ戦争ですすね、勝利を目指して頑張りましょう。
今回の依頼では簡単に言うといかにヒャッハーしながら戦えるかが重要となります。
その感情に無理に抗えば、戦うこと自体が出来なくなります。
プレイングはOP公開後順次募集させて頂きます。
戦争依頼ですので、参加人数によっては全採用出来ない場合も御座いますので、ご了承下さい。
それでは皆さんの、はっちゃけたプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『マアティム4世』
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POW : 女王式征服格闘術
【打投極を兼ね備えた、王家伝来の格闘技 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 殉葬の棺
【召喚した黄金の棺 】から【大量の呪われた包帯】を放ち、【ミイラ化させて棺に引きずり込む事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 王墓迷宮
戦場全体に、【大量のアンデッドが徘徊する、頑強な石壁 】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
👑11
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火葬卿・ヘンゼル
フフフ、任せてくれ、こう見えてボクは感情の一部を欠落させるのが得意なんだ。むしろ好都合なくらいさ。
敵はスケルトンだって?骨が動いてる怪物だろう、それならボクの力はうってつけだ!
ハハハッ、この目からほとばしる炎には罪を焼き尽くす力がある!さっきまではなかったかもしれないが、王子様には過去は関係ないんだ。今ボクがあると感じているなら未来にはあることになるのさ!
というわけで目からほとばしる炎でスケルトンを焼き尽くそう。不浄な骨が灰に変わっていくところを見るのは愉快そのものじゃないか!
ワーッハッハッハ!猟兵諸君、ボクの炎を目印に進みたまえ!
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「フフフ、任せてくれ」
火葬卿・ヘンゼル(燃える瞳の生存者・f19748)は戦場を見据え、不敵に笑う。
喜びの感情を強めるという迷宮キノコの胞子。
本来であれば心のバランスを強制的に崩されるという感覚に忌避感を感じるのが普通だろう。
だが彼女は厭わない。
何故なら彼女は、既に心の何処かを欠けさせているが故に。
「ハハハッ、この目からほとばしる炎には罪を焼き尽くす力がある!」
ヘンゼルは嗤う。
確かに心の奥底から全てを楽しむような感情が沸き上がる。
しかしその溢れ出る感情の流れに抗わず、彼女は心を委ねる。
「さっきまではなかったかもしれないが、王子様には過去は関係ないんだ。今ボクがあると感じているなら未来にはあることになるのさ!」
全能感が心を満たす。
ヘンゼルの感情の高ぶりと共に、彼女の瞳に宿る浄罪の青い炎が勢いを強めた。
守るべき迷宮へと足を踏み入れた侵入者を打ち倒さんとカタカタと骨を鳴らしながら駆け寄る骸骨兵。
言葉も話さないしゃれこうべは、その窪んだ眼窩に敵意の光を宿す。
骸骨兵が剣を振り上げ、槍を突き出したその瞬間――空間全てを青い炎が包む。
「消えない罪を焼き尽くせ」
骸骨兵の敵意に反応し燃え上がった炎が吹き荒れ、骨を灰に変えていく。
崩れ落ちていく敵兵を眺め、ヘンゼルはそれはそれは楽しそうに笑うのだった。
「ワーッハッハッハ!猟兵諸君、ボクの炎を目印に進みたまえ!」
彼女は嗤う。
次々と火葬を続けながら。
楽しそうに、それはそれは愉快そうに。
大成功
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バルディート・ラーガ
ヒッヒ。世界の存亡を賭けた戦いとあらばこそ、
気負いすぎずバカになって楽しく戦うに限りやすとも。
あっしもキャンディでもキメて行きやしょうかしら。ボリボリ。
フーウ……ともあれ今回は先ず迷路の突破が先決です。
あっしは【這いずる朽縄】を送り込ンで効率良いルートを探りやしょ。
冴えてるうちならば、複数の蛇を送り込んで沢山の映像を見たとて
混乱もせずにサクサクと情報処理して行けやしょう。
折角の迷宮をサラリと看破されっちまった時の敵サンの顔、
想像するだけで楽しく思えやせンかい。ヒッヒヒ!
道を見つけたらば、燃える蛇でそのままスケルトンへアタック!
行く先の障害を減らしつつ、敵サンを燃やして目印となりやしょう。
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「ヒッヒ……世界の存亡を賭けた戦いとあらばこそ、気負いすぎずバカになって楽しく戦うに限りやすとも」
バルディート・ラーガ(影を這いずる蛇・f06338)は理解している。
これまで敢えて避けて来た、出身世界であるアルダワ。
その存亡がかかったこの大戦とは言え、気負えば手痛いしっぺ返しが帰って来るのだと。
戦いは余裕を無くした者から負ける。
だから、戦いはバカになって楽しむに限る――そう知っているが故に……バルディードは楽し気に笑い、キャンディに見える“何か”を口に含む。
「あっしもキャンディでもキメて行きやしょうかしら」
ボリボリと音を立ててキャンディ大の“それ”を嚥下する。
直後バルディードを襲うのは、とてつもない高揚感と全能感。
急激に冴えわたる頭脳をフル回転させ、戦いへと挑むのだ。
「フーウ……ともあれ今回は先ず迷路の突破が先決です」
戦いはまだ始まったばかり。
首魁を討つのは仲間に任せ、バルディードは迷路の踏破を先決させる。
「ヒヒヒ……」
ニヒルに口を歪めたバルディードの燃える腕が揺らめいたかと思えば形を崩し、蠢く黒炎の蛇へと姿を変える。
細かく分かれ、骸骨兵たちの隙間を縫うように進んでいく蛇たち。
それは彼の目となり耳となり、複雑な迷路の情報全てをバルディードへと集約させていく。
そうして選ばれた正しいルートで骸骨と共に燃え上がることで、仲間へと情報を伝えていくのだ。
「折角の迷宮をサラリと看破されっちまった時の敵サンの顔、想像するだけで楽しく思えやせンかい。ヒッヒヒ!」
楽しそうに嗤うのは彼の性格か、胞子の影響か、はたまたキャンディの効果か。
「さぁ皆サン! 楽しんで参りやしょう!」
蛇は仲間へと嗤いかける。
チロチロと、細い舌をちらつかせながら。
大成功
🔵🔵🔵
ノーラ・カッツェ
フフッ…。フフフッ…。
楽しいわ。えぇ、この空間とっても楽しいわね。
こんなに笑ったのなんていつ振りかしら…。そしてあなた達は…私をもっと満たして笑わせてくれるのよね?
戦いは…そうね。とりあえずひたすら攻撃あるのみでレイピアを振り回そうかしら。
この楽しい時間…少しでも満喫したいから…。簡単には壊れないでね?
あと…戦いを楽しむのに夢中になり過ぎて…周囲に被害が出たらその時はごめんね。
やっと…やっとこれだけ心が動くようになったんだもの…。
だからね…フフッ…。あなた達の全部…全部を壊れさせて…ワタシヲモットワラワセテ?
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「フフッ……フフフッ……」
ノーラ・カッツェ(居場所を見つけた野良猫・f17193)は笑う、それはそれは楽しそうに。
それは普段ぼんやりとした表情や、微笑を浮かべることの多い彼女を良く知る者であれば、驚きを禁じ得ないほどの満面の笑みだ。
ノーラは禍々しい形状をしたレイピア――Alptraumを手に迷路を駆ける。
「楽しいわ。えぇ、この空間とっても楽しいわね。こんなに笑ったのなんていつ振りかしら……そしてあなた達は……私をもっと満たして笑わせてくれるのよね?」
彼女がその呪われたレイピアを突き出す度に、一体、また一体と骸骨兵が動きを止める。
しかしながら、数を減らしていることを感じさせない程に視界を埋めつくす敵、敵、敵。
その様子を見て、ノーラは楽しくてしょうがないとばかりに吐息を零す。
嗚呼、ここは何て素晴らしい戦場なのだと。
彼女の乾いた心に潤いを与えるのはいつだって闘争だ。
彼女の一番の悦びは、血飛沫踊る接戦だ。
戦闘狂と呼ばれるほどの彼女の戦いを楽しむ心が、かつてない程に歓喜に震えていた。
「やっと、やっとこれだけ心が動くようになったんだもの……だからね、フフッ。あなた達の全部……全部を壊れさせて……ワタシヲモットワラワセテ?」
迫り来る刃の危機感が、振るうレイピアにより砕かれる骨の感触が、周囲全てから向けられる敵意が、全てが心地よい。
彼女の昂ぶりと共に放たれる強烈な殺気が、骸骨兵もろとも全てを薙ぎ払う。
少女は嗤う。
迷宮の奥で待ち受ける者はもっと楽しませてくれることを願いながら。
大成功
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シュデラ・テノーフォン
アノきのこ、食べられ…ないか
久しぶりの狩りだからね、うん
ンな効果なくても楽しいんだけどなァ
さァ遊ぼう獲物達、俺はココだよ
押し寄せてお出でよってホントに一杯居るね
コンなに的が多いの久しぶりすぎて…はは、あはは
撃ち甲斐あるよね!
雑魚は骨?とりあえずお掃除しなきゃね
複製銃の雨で一掃しようか
骨を片っ端から撃ち抜いて突き進もう
一応攻撃とかは指輪の盾で防ぐつもりだけど、
基本は複製銃を前に出して敵がコッチ来る前に撃ち取るよ
俺が通る道は骨の残骸しか無いくらいにね!
あはは、爽快だね!大物は何処かな?
雑魚が沢山来た方に行けば良いか
君がボス?
じゃ氷の精霊銃で動き止めて複製銃で蜂の巣にしてあげるよ
透明弾の雨で踊りな!
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「さァ遊ぼう獲物達、俺はココだよ」
シュデラ・テノーフォン(天狼パラフォニア・f13408)は愛用の硝子細工をあしらったマスケット銃――Aschenputtelを手に迷路へと足を踏み入れる。
迷路の中にはそこらじゅうに砕かれた骨が散乱されており、仲間の猟兵たちの活躍が伺い知れる。
しかしそれでもまだ、その地面にまかれた骨片を踏みしめるようにこちらへと歩み寄る骸骨兵の姿が確認される。
「押し寄せてお出でよって、ホントに一杯居るね。コンなに的が多いの久しぶりすぎて……はは、あはは! 撃ち甲斐あるよね!」
シュデラは嗤う、楽しそうに。
それは確かに、宙を漂うこの胞子の影響があるのであろう。
しかし同時に、彼は思う。
そんなものが無くとも、戦いを楽しむ自信があるのだが、とも。
「さぁ、お掃除しなきゃね!」
シュデラの言葉と共に宙に浮くのは、彼が握るマスケット銃とうり二つの銃。
複製された数多の銃は、それぞれが細やかな細工が施された硝子の弾を吐き出していく。
迷路の道を埋めつくすように放たれる硝子の雨は、進軍をする骸骨兵を片っ端から薙ぎ払う。
濁流が押し流すように、骸骨兵を貫き、砕き、すり潰す。
その硝子の雨が通った後、通路に残るのは骨の残骸ばかり。
「あはは、爽快だね!大物は何処かな?」
楽しそうに嗤う狩人は、次なる獲物を求め足を進める。
この狩場一番の、大物を目指して。
道を塞ぐように現れる敵兵を、次々と討ち取りながら。
「透明弾の雨で踊りな!」
狩人は、目的の獲物を狩るまで止まらない。
大成功
🔵🔵🔵
シキ・ジルモント
◆SPD
身を守る為や仕事の為に戦ってきた
戦いを楽しいと考えた事など一度も…
いや、過去の強敵との戦いで感じた事が少しも無かったと言えるだろうか
このぞくぞくするような、不思議な喜びを
スケルトンでは物足りない
ボスを発見したら出し惜しみせず全力を出す
手の内を見せれば相手も油断はしないだろう
そうすればもっと楽しい筈だと笑みが浮かぶ
自分の喉の奥から漏れる音が押し殺した笑い声だと気付いても、胞子のせいにして戦いに集中
包帯は軌道を『見切り』回避を試みる
あえて敵に接近、至近距離からユーベルコードを見舞う
包帯を避ける為の『フェイント』でもあるが…
敵の間合いに入ればまだ楽しめそうだと考えてしまったのだから仕方がない
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「身を守る為や仕事の為に戦ってきた。戦いを楽しいと考えた事など一度も……」
シキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)は己が問いに対し、無い、と断言しようとしてふと言葉を止める。
(いや、過去の強敵との戦いで感じた事が少しも無かったと言えるだろうか……このぞくぞくするような、不思議な喜びを)
果たしてこれまで相対した何れの強敵に対しても、楽しみを、戦いの高揚を感じたことは無かっただろうか。
そう考えると、何とも断言がし辛いとシキは頭を悩ませる。
何故ならば今まさに感じているからだ……心の底からの、闘争への高揚を。
仲間が切り開いた道を奥へ、奥へと駆ける。
そうして見つけたのは、明らかに戦場に見合わぬ恰好の女。
シキは確信する――彼女こそが、この場を支配しているオブリビオンなのだと。
「思ったより早かったわね……猟兵」
腕を組み余裕を見せるオブリビオンの女に対し、シキは構えをとる。
「……ッ」
そっと耳に届いたのは、くぐもった己が喉の音。
それが咄嗟に押し殺した笑い声だと気づくのに、幾ばくかの時間を要した。
それはきっと、胞子の影響だ。
シキは迷わずそう判断する――今はその意味に、割いている思考の余裕など無いのだから。
無言で駆け寄るシキに対し、迎撃の包帯を放つ女。
まるでそれぞれが意思を持っているかのように、複雑に軌道を描くそれを、シキは潜り抜けるように、転がるように避け懐に飛び込む。
そうして踏み込んだ先は、敵の得意とする――本来ガンナーが不得意とする至近距離だ。
何故そのような手段に出たのか、そう疑問を感じたシキは、己が思考を辿り納得する。
何故ならそれは、楽しそうだと感じてしまったから。
その方がより戦いを楽しめそうだと、考えてしまったから。
「全弾くれてやる」
ならば仕方が無いと、シキは両の手のハンドガンを零距離で連射する。
咄嗟に振るわれた反撃が頬を掠めようとも、その連撃は止まることは無い。
視界を覆う噴煙の中――男の笑い声が木霊した。
大成功
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メグレス・ラットマリッジ
【WIZ】グッヘヘヘヘ!おっと小悪魔チックスマイルがお目汚し失礼。
征服・探索・ダンジョンアタック!良い気分ですねえ、勝っても泣くのは死人だけというのは!
出会ったアンデッドは鉄杖で叩き砕き、砕かれたアンデッドはUCを使い猟兵の側に……
これを繰り返していけば始めは一体だったスケさんも群れを成している事でしょう
ククク……ウフフ……アーッハッハッハッー!(分不相応な量の部下を得た事による万能感)質は頼りないですがそこは量でカバー、群れに紛れて鉄杖を振るい、電光によるマヒや目潰しで自由を奪います。
支配していた者に討たれる貴方はとても女王様らしいですよ。
いいじゃあないですか、寂しくなくて!
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「グッヘヘヘヘ! おっと小悪魔チックスマイルがお目汚し失礼」
メグレス・ラットマリッジ(襤褸帽子・f07070)は独特の笑い声をあげながらオブリビオンの女に相対する。
正面には迷路の主たるオブリビオンの女――そしてメグレスの背後にはおびただしい数の骸骨兵の姿があった。
「征服・探索・ダンジョンアタック! 良い気分ですねえ、勝っても泣くのは死人だけというのは!」
しかしながら、メグレスの表情には何ら一欠片の不安も無かった。
何故ならばその骸骨兵は……その全てが彼女の支配下にあるのだから。
「ククク……ウフフ……アーッハッハッハッー!」
メグレスは笑いをこらえきれず、大声を上げる。
先行する猟兵たちにより打ち砕かれた骸骨兵たち。
その一体一体を復活させて周り、そして新たに接敵した骸骨兵をも支配した彼女は、胞子の効果も相まってか万能感に酔いしれていた。
「よくもあたしの骸骨兵をっ!」
相手は一つのエリアを守護する強力なオブリビオン。
当然大量に配置されていた雑魚とは強さが違う。
女が四肢を振るう度骸骨兵が屠られようとも、メグルスの余裕は崩れない。
何故ならそこには、圧倒的な数の暴力が存在するからだ。
「ハッハァ!」
骸骨兵が討たれていく中、取り囲む骸骨兵たちの影から近寄ったメグルスは愛用の雷杖を至近距離で振るう。
「がっ!」
女の眼前で杖から放たれるのは仕込まれた炸薬による轟音と強烈な光。
思わず体勢を崩すオブリビオンに対し、骸骨兵は覆いかぶさるように武器を振るうのであった。
「支配していた者に討たれる貴方はとても女王様らしいですよ……いいじゃあないですか、寂しくなくて!」
群がる骸骨兵を眺め、自称少女は嗤う。
その笑顔は、見る者を恐怖させたという。
大成功
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チトセ・シロガネ
フフッ、なんだか胸の奥底が熱くなるような感じ。
久しぶりに楽しく戦えそうネ!
と気分がいいのでお酒を煽って酔っぱらいつつ戦闘。
打投極、バランスに優れたヤツネ。
だけどボクの【光輝体系】はフリーダム(自由自在)かつライトニング(電光石火)
早業と残像、電気の体を駆使したダンスをとらえられるかナ?ヒック!
……あ、その攻撃の隙はボクの第六感が見逃さないネ!
回避と同時に繰り出される属性攻撃と怪力の電撃カウンターをプレゼントネ!すごい衝撃デショ!ヤハハハ!
さぁさぁ!ボクを征服できるなら征服してみるがよいッ!
攻略しがいのある女のほうが楽しいデショ!
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「フフッ、なんだか胸の奥底が熱くなるような感じ……久しぶりに楽しく戦えそうネ!」
チトセ・シロガネ(チトセ・ザ・スターライト・f01698)は楽しそうに戦場を駆ける。
そのバーチャルキャラクター故の極端に白い肌は、赤みを帯びていた。
それは胞子の影響による戦いへの高揚……だけというわけでは無いのだろう。
何故ならば現在進行形で一休みとばかりに彼女が煽るのは、色からして度数の高いであろう酒。
その酒精を感じる吐息からも、彼女が酔っ払いであることが見て取れるのだ。
「馬鹿にしてっ!」
既に敵の首魁であろう女オブリビオンは浅くは無い傷を受けている。
その柔肌には数多の傷が刻まれ、吐息を荒くして意気込む女に対し、チトセは楽しそうな、余裕の笑みを見せる。
「ボクの身体はフリーダムかつライトニング! 電気の体を駆使したダンスをとらえられるかナ? ヒック!」
女王式征服格闘術による関節技を極めるべく、チトセの腕を掴もうとした女は指先に感じる痛みにとっさに腕を引く。
オブリビオンがチトセを掴もうといたその瞬間――彼女の身体は電気へと変化したのだ。
受けたのはあくまで軽い火傷――しかしその明確な隙を見逃すほど、酔っ払いとは言え彼女は甘くは無い。
「電撃カウンターをプレゼントネ! すごい衝撃デショ! ヤハハハ!」
硬直したオブリビオンへと繰り出されるのは、電気へと変化させた異形の腕による一撃。
怪力を以って叩き込まれる高圧電流による一撃は、轟音と共に女を吹き飛ばす。
ビクビクと痙攣するオブリビオンに対し、歩み寄るチトセはいつも以上にハイテンションだ。
「さぁさぁ! ボクを征服できるなら征服してみるがよいッ! 攻略しがいのある女のほうが楽しいデショ!」
バチバチと光り輝きながら彼女は嗤う。
楽しそうに、楽しそうに。
大成功
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グラナト・ラガルティハ
あぁ、特定の感情が強くなるというのは本当の様だな。
いつになく戦場に立つことを『喜ばしい』と感じる。俺は火炎と戦の神だ。戦に気分が沸き立つのは当然だろう?
(普段はそんな感情は押さえつけているけれど。俺の、私の炎は全てを燃やすそれに喜びなど)
けれど炎を扱うことこそ我が本能。
ダンジョンごと壊す。
【封印を解く】で神の力を限定解放。
自身の装備品、蠍の剣と柘榴石の指輪をベースにUC【我が眷属の領域】を使用し火炎柱を発生させ【属性攻撃】炎で威力を上げ【焼却】
アドリブ歓迎。
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「あぁ、特定の感情が強くなるというのは本当の様だな……」
火炎と戦の神たるグラナト・ラガルティハ(火炎纏う蠍の神・f16720)は確かな己の高揚を感じながら迷路を歩く。
いつになく戦場に立つということを喜ばしく感じる……やはりグリモアベースで聞いていた通り、迷宮キノコの胞子の影響があるのだろうか。
だが……と同時にグラナトは考える。
「俺は火炎と戦の神だ。戦に気分が沸き立つのは当然だろう?」
己が神としての性質を鑑みれば、むしろ戦いを楽しんで何が悪いというのか。
それを悪と断ずることこそ、己が生き方を否定するようなもの。
人と共に猟兵として生きることで、神としての考え方に無意識に制限をかけていたのでは、とすら思う。
そんな風に思考が逸れたところで、確からしいことは何も断言出来ない。
だが一つ言えることがある。
それは……。
「炎を扱うことこそ我が本能」
それだけは、誰に対しても臆することなく、胸を張って言い切れるのだ。
「我に属するものたちの領域とする」
己が神性を解き放つと共に迷路を形成している壁に触れるグラナト。
彼が触れた先からその屈強な石壁は炎と化し、彼が通る為の穴を開ける。
そうして複雑な迷路を一直線に通り抜ければ、奥に見えるは驚愕な表情を浮かべる迷路の主だ。
「炎よ」
グラナトがその手を突き出せば、蠍の剣と柘榴石の指輪が一際力強い炎の柱へと姿を変える。
薄暗い迷宮を煌々と照らし出す炎の渦は、龍が如く勢いと圧倒的熱量を以ってオブリビオンへと襲い掛かった。
そこには一切の対話も慈悲も無く、唯々全てを焼き払う。
その男の猛禽類のような笑みを照らしながら。
大成功
🔵🔵🔵
ナギ・ヌドゥー
戦争だ、クソみたいな戦争だ!
今回こそゴミみたいに死ぬんだろうな!
不謹慎?
いや、この感情は迷宮キノコのせいだろう……たぶん
既にUCで迷宮が造り出されているいるのか
【第六感・野生の勘】で最も邪悪な気配がする方向を感知
UC「オーバードース・トランス」発動し超スピードでその方向へ駆け出す
雑魚の骸骨は超反応で躱しいなす
ハッハッハ!クスリはいいねぇ、ここではいつもより脳が蕩け悦んでいる!
ボスを見つけたら有無を言わせぬ速攻【早業・先制攻撃】
毒を塗った刃で斬りつける【毒使い・2回攻撃・傷口をえぐる】
そんな薄い装備じゃコイツは防ぎきれんぞ
その黄金の棺にはアンタ自身が入るんだな
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「戦争だ、クソみたいな戦争だ!」
ナギ・ヌドゥー(殺戮遊戯・f21507)は腹の底から吼える。
闘争だ、戦争だと、何ら価値の無い殺し合いが始まるのだと。
「今回こそゴミみたいに死ぬんだろうな!」
嗚呼、今度こそ自分はゴミのように死んでしまうのだろう。
しかしそれもまた一興などと、そう思えるくらい心が高ぶっているのを感じる。
嗚呼、今日は死ぬには良い日だと。
(……いや、この感情は迷宮キノコのせいだろう……たぶん)
ふと我に帰れば、不謹慎とも取られかねない己が言葉が引っかかる。
いつも以上に気が高ぶっている――これこそが、迷宮キノコの影響なのだろうと。
「加速しろ――限界を超えて!」
ナギは超スピードへと一気に加速をすると、迷路を駆ける。
既に迷路を守る骸骨兵は仲間の活躍によりまばらにしか存在しない。
たまにすれ違う敵兵を軽く往なし、ナギは駆け続ける。
「ハッハッハ! クスリはいいねぇ、ここではいつもより脳が蕩け悦んでいる!」
回りの全てが止まって見えそうなほど、ナギの脳内はめまぐるしい速度で情報を処理し続ける。
ぼんやりするような浮遊感と、何にでもなれそうな全能感が沸き上がり、胞子の影響であろう幸福感が混ざり合い、己が脳が溶けているのではと勘違いしそうなほどの高揚感が全身を包む。
まるで早回しの映画を見ているかのような映像の変化を楽しみながら、ナギはこの朽ち果てた迷路の主の下へと踊り出るのであった。
「貴様ぁア!」
既に迷宮の主であろうオブリビオンの女は度重なる戦闘により満身創痍。
しかして鈍らぬ女王式征服格闘術の拳が飛び掛かるナギの顔面を正確に貫かんと迫り来ていた。
「ハッハァ! 遅すぎる!」
女王の力の全てを振り絞った乾坤一擲の一撃も、今のナギには見てから避けることすら容易な速度。
愛用の鉈で切り払えば、返す刀で首を薙ぐ。
降りしきる鮮血の雨を受けながら、ナギは今正に目の前でゆっくりと崩れ落ちる身体を蹴り倒した。
「その黄金の棺にはアンタ自身が入るんだな」
その唇は悦びに歪み、その目元は憎悪に歪んでいた。
大成功
🔵🔵🔵