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アルダワ魔王戦争1-A〜寝てないですよ

#アルダワ魔法学園 #戦争 #アルダワ魔王戦争


「みんな!アルダワ魔法学園の話は聞いたかしら!」
 今日もグリモアベースでフェアリーのグリモア傭兵、ネミ・ミミーニーズ(f00595)が騒いでいた。

 猟兵たちの活躍の結果、かつて大魔王を封じたというはじまりの領域『ファーストダンジョン』へと到達することが出来た。
 しかし、ファーストダンジョンは、大魔王の放つ「ダークゾーン」に覆われており――。

「まーなんやかんやなわけで猟兵たちの出番なわけよ!ダンジョンアタック!」
 戦争の詳しいことは各自調べてね、と言いつつ。
 ネミは今回向かってもらうことになる領域の説明を始まる。

 今回向かうのは旧校舎から繋がる『隠し通路の迷宮』と呼ばれる領域。
 一見何もないような通路と部屋ばかりだが、巧妙に偽装された隠し通路や隠し部屋からオブリビオンが襲ってくるという。
「無警戒で進んだらいくら鍛えられた猟兵ったってあっという間に床のお布団と仲良くなれるわよ!なんかこーガンガン警戒しながら進むのよ!」

「それで……、いつどこから襲ってくるかわからないけど敵の姿は予知出来てるわ」
 今回向かう先に潜んでいるのは『眠りネズミ』と呼ばれるもっふもふ大鼠たち。
「もふもふの鼠よ!寝てるわ!襲ってくるのか来ないのか!?」
 このネズミは隠し部屋から眠気を誘う不思議な攻撃を仕掛けてくるらしい。
 隠し部屋の眠りネズミを排除出来なければ探索が大幅に遅れることになってしまう。
 今回は隠れた敵を発見することに重点を置いた方がよい。眠気対策をしておくのも効果的だろう。
 見つけてさえしまえば猟兵の力なら後れを取ることはない。ぶっちゃけもふもふもこもこしてやれば寝ているどころではなくなって退散するはず。

「それで――」
 眠りネズミが潜んでいる領域は、元々は生徒か誰かの私室だった区域のようで、1本の通路の両脇に複数の部屋が並んでいる。
 部屋の中にはまだ家具やらが残っていて、ネズミが入れるくらいの隠し部屋こと収納スペースがあっちこっちにあるはずだという。

「思春期の魔法学園の生徒の気持ちになればなんか見つかるんじゃないかしら!そういうわけでよろしく頼むわね!」
 ヒントなのか冗談なのかわからないことを叫びながら、ネミは猟兵たちを送り出した。


背腹かえる
●このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「アルダワ魔王戦争」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●ご挨拶
 背腹かえるです。よろしくお願いします。

 戦争シナリオ、集団戦フラグメント1つで完結。
 相手は『眠りネズミ』となります。

 このシナリオフレームには、下記の特別な「プレイングボーナス」があります。
 プレイングボーナス……隠し部屋や隠し通路を捜索する。

 それでは、よろしくお願いします。

●今回の戦争の特殊ルール
 今回の戦争は、従来のような「戦場を攻略して戦力を減らす形式」ではありません!
 獲得した🔵で「ダンジョンアタック!」をする必要があります。

 シナリオ参加後にダンジョンアタックのフォームをご確認お願いします。
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第1章 集団戦 『眠りネズミ』

POW   :    おやすみなさい、よいゆめを
全身を【ねむねむふわふわおやすみモード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    みんないっしょに、ねむりましょ
【ふわふわのしっぽ】から【ふんわりとつつみこむもふもふのいちげき】を放ち、【今すぐこの場で眠りたい気持ち】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    きらきらひかる、こうもりさん
対象のユーベルコードに対し【吐息からキラキラ光る小さなコウモリたち】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
栗花落・澪
思春期…は、よくわからないけど
ネズミの習性的に隠れそうな場所といえば
家具の裏の狭い隙間、ベッドの下…
床に収納棚とかあるかな?

高所は翼の【空中浮遊】で確認を
暗所は光の【高速詠唱、属性攻撃】で照らし
★杖で軽く砕いた★飴の甘い香りで誘き出し

ふわふわしっぽには警戒
僅かな動きもちゃんと【見切って】かわす対処
でも…しっぽ以外なら大丈夫だよね?
だから仕掛けられる前にこっちから【優しく】もふもふします…!

よーしよし可愛いねー
あ、お代わり食べる?まだまだあるよ
眠ってても大丈夫だよー、敵意は無いからね
ただ君達と遊びたいだけだから

【催眠歌唱】の子守唄で眠らせてあげ
痛みを与えないように【指定UC】で浄化します



 薄暗いながらも不便なく歩ける、弱々しい魔法の光で照らされた地下通路。
「思春期……?」
 不思議そうな顔を浮かべながら、通路を進むのは栗花落・澪(泡沫の花・f03165)。
 慎重に歩を進め、扉を見つけたところで。周囲の変化に気付く。

「扉の向こう……、もふもふの気配……」
 扉の隙間から零れるのは、その道の達人にしかわからぬ気配。
 扉を少し開け、中の様子を見る。
 ベッドに本棚。古ぼけた床の敷物、下に隠された収納スペース――。
「ほんとに寝てる……のかな?」
 気配と、静かなプレッシャーを感じるものの、相手が動く様子はない。
 澪は確信する。
 ここは思う存分もふもふ出来るチャンス!もとい先手を打って一気に殲滅するべし!

 澪は飴玉の詰まった壺を片手に部屋へと踊り込み、床の扉を開く。
 中にいたのは5匹の眠りネズミの一家。アルダワの制服が詰め込まれた収納スペースで丸くなって寝息を立てている。
 無防備に寝ているようでいて、ふわふわのしっぽが周囲を警戒するよう静かに揺れている。
「寝てる……、しっぽ以外なら大丈夫だよね?」
 澪は相手の迎撃(?)をすり抜け、ネズミの頭を撫でる。
 澪の手に、柔らかな毛並みの感触と小さな温もりが伝わる。

「よーしよし可愛いねー。あ、起こしちゃったかな?」
 眠りネズミは目を閉じたまま、鼻先だけどをヒクヒクと動かしている。
「飴食べる?大丈夫だよー、敵意は無いからね。ただ君達と遊びたいだけだから」
 眠りネズミは差し出された飴をいくつか頬袋にしまい込むと。再び寝息をたて始める。
「食い気より眠気、かな?」
 他のネズミたちも、たまに起きては飴を頬張るが、またすぐに寝てしまう。
 そうしているうちに警戒心を解いたのか、ネズミたちは深い眠りについたようだった。

「これなら、いけるかな?」 
 1匹のネズミを抱きかかえて膝の上に乗せ。
 子守唄を歌いながら、背中からしっぽまでゆっくりと撫でる。

 優しい浄化の光に包まれ、澪と眠りネズミたちのもふもふたいむは静かに過ぎていった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アネモネ・ネモローサ
※アドリブ連携大歓迎

眠り"ネズミ"。
こういう時こそ君の出番だ。間違いない。
UC【猫の忍者は紫煙の如く】を発動し、猫の忍者と呼ばれている怪異を召喚。
さて、猫を前に寝こけているなぞ、相手は油断しきっている。とっとと見つけて退治してしまおう。

では、ネズミは彼に任せて私は部屋に危険な罠などが無いか調べる。
……あからさまに不穏なスイッチがあるな。触らないでおこ…ああ、ネズミが見つからなくて苛ついた彼の猫パンチが入ってしまった。

罠は、壁から矢か。
猫ちゃんを[かばう]ために本棚を蹴り倒す。

む、本棚の後ろにスペースが。眠りネズミはここに潜んでいたのだな。
では、待ち望んだネズミ退治をお願いするぞ、猫ちゃん。



 アネモネ・ネモローサ(人に憧れし黒き彩喰み・f21338)は何者かの気配を感じ、1つの扉に手をかける。
 かつてはここで複数の人物が生活していたのであろうか。
 石造りの部屋はそれなりの広さ。複数のベッドといくつかの戸棚にテーブルなど。
 一見すると何もいない部屋ではあるが――。

「調べるべき箇所が多いな。だが、相手は眠り"ネズミ"。こういう時こそ君の出番だ。間違いない」
 アネモネは静かにユーベルコードを解き放つ。
 音もなく、1匹の猫の忍者が降り立つ。
 その時、何かを察したのか、ソレらは一斉に動き出した。

「おっとこれは――」
 部屋中のあちこち、ベッドの下から、戸棚の引き出しから、壁に隠された小さな窓から。
 本能的に猫の気配に驚いたネズミたちが、あらゆる場所から飛び出してきたのだ。
 アネモネはネズミたちの狙いに気付き、その背で唯一の部屋の出口を塞ぐ。
 逃げ場を失い光るコウモリを放つネズミたちに、妙に元気な猫。
「では、待ち望んだネズミ退治をお願いするぞ、猫ちゃん」
 恐るべき地下迷宮にて猟兵とオブリビオンの攻防、にしては平和な光景が広がる。

「さて――」
 騒がしいネズミの方は猫に任せていいだろう。
 アネモネは部屋の中を詳しく調べる。
 石を並べて造られた壁の一角。後から付け加えられたであろう大きさの違う石が混じっている。
 アネモネがその石に触れると、石の蓋が開き小さな矢が飛び出した。
「こんなところに罠。……とすると?」
 矢は部屋の真ん中にある本棚の前を掠めていた。
 アネモネは何かを確信し、慎重かつ大胆に本棚を蹴り飛ばした。
 舞い散る本に紛れ、数本の矢がアネモネの脇を通り過ぎる。

 本棚の後ろには窪みがあり、猫に追い回されているものたちよりも大きい眠りネズミが眠っている。
「こいつがこの部屋のボスか?突然の猫の襲撃にも油断せず眠っている大物のようだが」
 アネモネはボスネズミの首根っこを掴んで持ち上げる。
 掴まれたボスはふわふわのしっぽを振り回し、4本の脚で宙をかいて抵抗する。
 ボスはしばらく可愛らしい抵抗を続けたあと。
 観念したのかそのまま大人しくなり、アネモネに掴まれたまま再び眠り始めた。

 ……、……。

「……ふむ、部屋の安全は確保できたか」
 猫に追われてた末部屋の隅で固まって眠るネズミたちの中に、ボスを放り込んで。
 少し眠そうに目を擦り、アネモネは部屋を後にした――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メメ・ペペル
かくれたてきさんですか!わかりました!よく「ちゅーい」してさがしますね!あ!いまのは「ネズミ」とかけたぎゃぐです!

ボクは、てきにちかよらないさくせんでいきます!
【エレクトロギオン】でこがたの「えんばんがたおそーじろぼ」をたいりょーにしょーかんします!「操縦」でえんかくそーさして、えりあごとにわかれてたんさくをさせますね!こまわりがきくので、せまいすきまにもはいれて、かくしへやのはっけんにやくだちますよ!

もし、てきさんをみつけたら、おそーじろぼにかぜの「属性攻撃」を「一斉発射」させて、てきさんをすいこみます!きゅーいんりょくのかわらない、ただひとつのがじぇっとです!

【アドリブ・絡み歓迎です!】



「かくれたてきさんですか!わかりました!よく『ちゅーい』してさがしますね!あ!いまのは『ネズミ』とかけたぎゃぐです!」
 ツッコミ役不在の地下迷宮に、メメ・ペペル(やせいのてれびうむ・f15302)のげきうまぎゃぐが響き渡る。

「ボクは、てきにちかよらないさくせんでいきます!」
 3つ並んだ扉の前で、メメは【えんばんがたおそーじろぼ】を大量に召喚する。
「これいちだいでだんじょんのおそーじもらくらくです!ほんじつはこれがせっとになってたいへんおとく!」
 応えてくれるのは壁の反響ばかりだが、メメのセールストークは止まらない。

 メメの号令でおそーじろぼが一斉に動き出す。
 3つの部屋に入り込んだおそーじろぼが、長い年月で降り積もった埃を吸い込んでいく。
「こまわりがきくので、せまいすきまにもはいれます!でもこれはじゅーらいのおそーじろぼでもできます!ほんじつごしょーかいするさいしんがたはこれだけじゃありません!!」
 メメは大袈裟なアクションでリモコンのスイッチを押す。
「なんと!とくしゅなせんさーでかべのうらがわのよごれもみつけてくれるんです!かくしへやのはっけんにやくだちますよ!」
 一般的なご家庭では掃除機で隠し部屋を見つけることはないと思われるが、それをツッコんでくれる者はいない!

 大きな汚れ、を発見したおそーじろぼがその場で旋回する。
 隠れた眠りネズミを発見し、吸引力を上げる。
「『ネズミ』を『ね』こそぎたいじです!あ!『ね』っていうのは『ネズミ』のことです!」
 メメの目の覚める一撃が炸裂する。
 ゴッ、っと独特の音を響かせて眠りネズミたちは眠ったまま吸い込まれていく。
 すると、平たかったはずのおそーじろぼの背がネズミの形に膨れ上がる。
「なんですかこれ!こしょーですか!ちがいます!おおきなものをすいこんだらへんけいする!きゅーいんりょくのかわらない、ただひとつのがじぇっとのひみつです!」
 メメの売り文句の勢いも止まらないが、役目を終えたおそーじろぼは吸引力を失って消えてしまう。
「うそです!いちげきできえます!ごみをすいこんでごみといっしょにきえます!どうですかおくさん!」

 地下迷宮は綺麗になったが、掃除機の売り上げには貢献しなかったという――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ソラスティベル・グラスラン
命のやりとりこそありませんけど、こんなところで快眠してる暇はありませーん!
わたしは勇者として、大魔王に挑まなければならないのです!むんっ

それでは早速【蜜ぷに召喚!】
彼らは災魔であり、わたしと志を共にした勇気ある友!
沢山蜜ぷにさんを呼び出したら、解散っ!
隠し部屋見つけたら教えてね!頑張った子には後でお菓子を進呈しますよー!

わたしも【情報収集】で周囲の壁を観察
【第六感】で怪しい所を探して、眠気が襲い来れば【気合い】で我慢っ
近くにネズミさんがいる証拠です!

蜜ぷにさんが寝ていたら周囲を警戒、近くにいますね…
…面倒なので、一帯ごと吹っ飛んでもらいましょう
黄昏の奥義でおめめぱっちりになってもらいます!!



 ソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)が薄暗い地下通路を進む。
 変わり映えのしない石の通路に退屈してきた頃。
 ふと欠伸が出て、我に返る。
「命のやりとりこそありませんけど、こんなところで快眠してる暇はありませーん!わたしは勇者として、大魔王に挑まなければならないのです!」
 情報の通りなら、この辺りのどこかに敵が潜んでいるはず。
 むんっ、と気合を入れなおす。

 ソラスティベルは蜜ぷにたちを呼び出す。
 呼び出された可愛らしい勇者たちはキリリっ、とした表情で整列する。
「彼らは災魔であり、わたしと志を共にした勇気ある友!」
 ソラスティベルの声に応えて、ぷにぷにと弾む。
「隠し部屋見つけたら教えてね!頑張った子には後でお菓子を進呈しますよー!」
 お菓子の袋を片手にカラフルなぷにたちを送り出す。

 蜜ぷにたちは壁沿いに進む。
 その隊列が、一定距離毎に1匹、また1匹と脱落していく。
「これは!ぷにさんが寝ているということは!この壁の向こうに隠し部屋があるに間違いありません!」
 壁をよく見てみれば、足元付近に不自然な箇所がいくつもある。
 不自然な箇所はあったが、いつくもある。いっぱいある。
「でもこれじゃどこが隠し部屋かわかりません!?」
 
 実は、止まった蜜ぷにがいるところ毎に、それぞれ小さな隠し部屋があるのだが。
 いろいろ考えてくると眠くなってくるし、細かい探索は通り越して一帯ごと吹っ飛んでもらうことになった。
 最後はそう、気合。

 蒼空色の巨大斧を構える手に力を込める。
「さあ眠りネズミさんたち!黄昏の奥義でおめめぱっちりになってもらいます!!」
 斧の一撃、橙色の衝撃波が迷宮を襲う。
 轟音と共に石の壁が吹き飛び。瓦礫の中から多数の眠りネズミと、ついでに巻き込まれた蜜ぷにたちが飛び出した。
「思ったよりたくさんいました!って、わー!?」
 もふもふとぷにぷにの集団が、ソラスティベルのお菓子を目指して突撃してくる。
「こんなとき勇者は!?勇者はー!?」

 お菓子がなくなって皆が落ち着くまで。
 勇者はもふもふともみくちゃにされていたという――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒玻璃・ミコ
※スライム形態

◆行動
ふーむ、隠し通路の迷宮とは厄介ですね
こう言う時は【空中戦】の要領で
ほよよんと壁や天井を【念動力】で跳ねながら
【暗視】も可能な素敵な【視力】のお目々では迷宮内の壁の色の違いや
【聞き耳】で音の違いを聞き分けて隠された場所を探して進撃しましょう

厄介な災魔は敢えて【毒使い】で眠気を覚ます刺激臭がある毒を精製し
【範囲攻撃】をするつもりと見せ札にした上で
単調な攻撃の振りをして油断させ
最後は【カウンター】気味に【黒竜の遊戯】による物量で封殺しましょう

とは言えある意味厄介な強敵です
私自身も眠らない様に刺激臭のある毒で眠気覚ましと触れ込みますよ

◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブOK



 迷宮の奥に奇妙な匂いが充満する。
 匂いの主、黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)は天井付近に潜み、敵が動くのを待っていた。
 ミコの周りには眠りネズミたちが発したであろう、眠くなる不思議な力を感じる。

 少し前まで。
 ミコはブラックタール特有の身体で器用に地下迷宮の壁や天井を移動し、迷宮の構造を調べていた。
 タールの身体に返ってきた感触は――。
 ネズミが入れる程度の小部屋が多数。その部屋に1匹から数匹程度の気配。
「隠し通路の迷宮とは厄介ですね。ですが、この隙間だらけの石の迷宮は毒への備えがないように見えます」
 おおよその構造を把握し、動き出す。

 ミコは黒いスライム状の身体が震るわせる。
 空気より軽いガスがゆっくりと天井を這う。
 ガスは僅かな石の隙間を抜け、天井付近にある隠し部屋へと入り込んでいく。
 更に、ミコは自らも精製した刺激のある毒を吸い込むことで、ネズミたちが発する眠気を打ち消す。

 しばし音のない攻防。
 やがて、天井の裏から小さな物音がし始める。
「目を覚ましたようですね」
 音の激しくなった天井の蓋に向け、ミコは見えない魔力を飛ばす。
 開きかけた蓋を遠距離から器用に抑え込む。
 閉じ込められた部屋の中で、ネズミが激しく走り回っているのがわかる。
 出られないことに混乱したのか、あちこちに頭をぶつけている音が響く。

 毒で動けなくなったか、走り疲れたのか。
 暴れていたネズミが大人しくなった頃合いをみて、ミコはそっと天井の隠し扉を開ける。
 眠りネズミは静かに寝息をたてている。
「なかなか厄介な災魔ですが、逃げ場のない部屋に籠っていたのが運の尽きでしたね」
 他のネズミたちも動き出したようだが、その部屋の出口は全てミコのユーベルコードで狙える位置にある。

 まだまだ天井裏には結構な数のネズミが潜んでいるが。
 この様子なら一網打尽にするまでさほど時間はかからないだろう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

インディゴ・クロワッサン
「………よし。」
今回の敵の姿を確認したら【気合い】を入れて、UC:集め集う藍薔薇の根 を発動。
居場所を見付けたら【暗視・聞き耳】併用しながら、素早くその場所に向かうよ!
敵の攻撃(?)は【見切って】、【カウンター】のなでなで攻撃だ!
「よーしよし…良い子だねぇ」
慣れた手付きで、眠りねずみ達を骸の海に還していくよ。
何回も骸の海に還していく内に、ポットだけ残ったままの子が居たら
「…! ありがとね」
ってシリアスな雰囲気を醸し出したまま(でも口元はちょっとニヤケたまま)、UCの収納に保管して、次の眠りねずみを骸の海に還しに行くよ!

え?ポットと中の蜜が目的だろうって?
いやーそんな事ないってばー(目を逸らす)



「……よし」
 何度かの戦闘(?)をこなし。
 インディゴ・クロワッサン(藍染め三日月・f07157)は綺麗な瓶を拾い上げ、態勢を整える。

 眠りネズミの抱える瓶。その中には『夜糖蜜』と呼ばれる特別な甘味が詰まっている。
 ここでこの秘蔵の蜜を集めなければ――。
 次はいつこの眠りネズミたちに出逢えるかわからない。

 インディゴは迷宮内の一室に入る。
 ……、反応1つ。
 独特の眠気を伴う、僅かな香りを放つ壁の一角をそっと開く。
 隠された小さな部屋の中では、瓶を抱えた眠りネズミが静かに寝息をたてている。
「よーしよし……、良い子だねぇ」
 眠ったままもふもふのしっぽを振る反撃を、慣れた手つきで躱す。
 そのまま腕を伸ばし、背中を軽く撫でる。逆の手で顎の下を軽く掻いてやる。

 ……!

 眠りネズミの動きに合わせてなでなで攻撃を続けること数分。
 警戒を解いたしっぽから、力が抜けてくのがわかる。
 その様子を確かめ。瓶に手をかける。

 ……?
 ……、……。

 眠りネズミが抵抗する様子はない。
 無言のOKサイン。
 インディゴは夜糖蜜の詰まった瓶を【無限収納】にしまう。
「……!ありがとね」
 そのまま寝ているネズミに礼を言って、扉を閉める。

「……ふう」
 インディゴは部屋を出て一息つく。
 幸いにも、夜糖蜜は期待以上に回収できた。ざっと見積もって、いつもの10倍以上はあったか。
 収納に使えるユーベルコードが無ければ持ち帰るのに苦労したことだろう。
 思わぬ大収穫に、インディゴの口元が緩む。
 ふと、生産者(?)である魔王の顔がちらりと脳裏に浮かぶ。
 災魔の発生数を10倍にするという魔王の奥義、『無限増殖』。
 恐ろしい相手だ。
 早急に対処しなければ、アルダワの世界にとっても、インディゴにとっても、死活問題になる。

「いやー、これも猟兵としての大事な任務で――」
 誰もいない部屋で、インディゴは1人首を振っていた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリア・アクア
眠りネズミさん!!
あの、お可愛らしい方達がここにいるんですね!

まずは一刻も早く眠りネズミさんを探さないと
UCで召喚したツバメさんに狭いところへ入ってもらい、視界共有で探します
狭いところ、暖かいところがお好きなのではないでしょうか
ベッドの下や脇を重点的に探し、隠し部屋を発見したら家具をどかして捕まえます

うふふ、見つけましたよ眠りネズミさん!
はあ……今日もとてもお可愛らしい寝姿です……
少しもふもふしても……いいですよね?
寝息や鳴き声、小さな手足も堪能

この戦争が終わったら、もう会えなくなるのでしょうか……
寂しいですが、あくまでオブリビオンですものね……

余すことなく記憶に刻んで、ツバメさんの攻撃で討伐



「眠りネズミさん!!あの、お可愛らしい方達がここにいるんですね!」
 何やら不思議なテンションで叫ぶのはアリア・アクア(白花の鳥使い・f05129)。
 眠りネズミが潜むこのエリアの探索も大詰め。
 アリアは最後の部屋へ挑むべく、重い金属の扉を開く。

 ここは、物置だったのだろうか?
 所狭しと、ベッドに棚にと、様々な家具が詰め込まれている。
「これは……。隠れる場所がいっぱいです」
 1人では手に余る探索に、アリアは小さなツバメを呼び出す。
「ツバメさん、お願いね?」
 自身は手前のベッドに乗って部屋の様子を伺う。
 ツバメはベッドの下や戸棚の隙間を器用に飛び回る。

 しばらくして、ツバメはアリアの待つベッドに戻ってくる。
「見つかりませんか?」
 アリアの問いに、ツバメは嘴で足元のベッドをつつく。
 その意図を察し、アリアはベッドから降りる。
「ネズミさんがお好きな、狭いところ、暖かいところ……」
 バっと、先ほどまで乗っていたベッドのマットレスを持ち上げる。

 そこには――、すやすや眠る眠りネズミがぎっちりと詰まっていた。
「まあ!まあまあまあ!」
 その光景にアリアは感嘆の声をあげる。
「うふふ、見つけましたよ眠りネズミさん!」
 よほど寝心地がいいのか、キラキラ光る大きな欠伸をしている子もいる。
「はあ……今日もとてもお可愛らしい寝姿です……。少しもふもふしても……いいですよね?」
 アリアは丸まって眠るネズミたちの中に混ざる。
 ふわふわの触感と、確かな温もりがアリアの身体を包み込む。
 優しく背を撫でると、アリアの方へと身体を寄せてくる。
 これなら、と小さな足を持ち上げてみると、フッと鼻を鳴らされてしまう。
「あっ、ごめんなさいね?」
 ここはあまり触ると起きてしまうのかもしれない。
 アリアはネズミたちを起こさぬよう、慎重に慎重に触れ合い続ける――。

 どれほどの時間が過ぎたであろうか?
 ふと、アリアは考え込む。
「この戦争が終わったら、もう会えなくなるのでしょうか……。寂しいですが、あくまでオブリビオンですものね……」
 どれだけ可愛くとも。どれだけ無害に見えようとも。
 オブリビオンであるからには何かしらの形で世界を滅亡に導く一端を担っているのだ。
 最後にもう一度、アリアが優しく頭を撫でると。
 ネズミたちは小さく息を吐いて、キラキラと消えていった。

 戦争が終わった後に何が起こるのかも。災魔たちがどうなるのかも。
 それは、誰にも分らない――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年02月03日


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#アルダワ魔法学園
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#アルダワ魔王戦争


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト