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ちいさなきしだんと皮剥ぎ貴族

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●馬車の中
 よし! われわれヴァイスティーゲルきしだんは潜入にせいこうした。
 このまま、このわるいひとさらいをたおして、あくのりょうしゅ、じょうさいこうをやっつけるぞ! みんな、なくな! こんなろーぷすぐとれる!
 ……あれ、とれない? どうしよう……。

●グリモアベース
「と、いうわけでダークセイヴァーで子供が四人さらわれるんだが……」
 グリモア猟兵トラガン・ストイコブッチ(f04410)は紙巻煙草の煙を燻らした後、ガラスの盆に灰を落とし。
「仔牛って、肉と皮が柔らかいらしいな?」
 問いかけるように呟く。
 言葉の意味を理解した猟兵の雰囲気を察するとケットシーは話を続ける。
「今なら間に合うだろう? まずは子供達を救出してくれ。幸いにも人攫いは雇われたただの人間。日が落ちる時刻に雇い主との合流地点で待機中だ、捻ってやれ。問題は……」
 溜息、そして煙草を咥えて椅子に座り込むと。
「お前達はそこで雇い主であるオブリビオンと遭遇する。まずは篝火を持った亡者。火を使うだけでなく、篝火で棒術を使ってくる。そしてそれを率いているのは人形使い。子供を材料にした人形を使う。呼び名は複数あるが、大体は皮剥準男爵と呼ばれることが多い。あと一つ」
 グリモア猟兵が身を乗りだした。
「今回は子供を安全な所に避難させる場所が無い。つまりはお前達は常に子供を守りながら戦うことになる。戦いに夢中になるなよ? サイズの合わないボディバッグを用意することになる」
 直接的な表現を避けて猫軍曹は任務内容を伝えると猟兵の顔を確認する。
「俺が言ってる事は分かるな? なら装具を点検し、時計を合わせろ! 小さな騎士様を助けてやれ!」


みなさわ
 ダークセイヴァー、ロクでもないですね。みなさわです。
 皆さんは子供は好きですか?
 嫌いなら戦いに夢中になってください。
 好きならば守って上げて下さい。

●時間
 ちょうど日が沈むころです。光源なり、なんなりは準備した方が良いかと思います。

●子供達
 ヴァイスティーゲル騎士団と名乗る正義感あふれる腕白小僧の集まりです。腕白すぎて外で遊んでいたところを攫われました。
 名前は団長のハルト、ジーク、オスカー、ウォルフです。
 各章において子供達の安全を確保したり、守る行動を誰も取らなかった場合、各章毎に一人死にます。
 ご注意下さい。

 では、皆さんのプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『悪鬼の食事処』

POW   :    人攫いを倒す、体を張って情報収集する。

SPD   :    迅速に人々を保護する、特技で情報収集する。

WIZ   :    人攫いを騙す、賢い方法で情報収集する。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●日暮れ
 村はずれの森の道を行くと開けた場所がある。
 馬車はそこに停まっており、周囲を囲むのはマスケット銃を持った男が十名ほど。
「相変わらず、嫌な雰囲気だな?」
 暗くなる森の中、獣の声に恐怖を覚えながら男の一人が傍らの仲間に問いかける。
「黙ってろ、雇い主に聞こえたら俺達だってどうなるか分からないぞ」
 比較的、仕事(と言っても真っ当ではないが)に対して真面目な男が答えれば、肩をすくめて男は周囲を警戒していた。
 森の中は風で葉を揺らす音と獣の声が支配していた。
レイラ・ツェレンスカヤ
うふふ、うふふふふ!
いい趣味をしているのだわ!
だけど今は助けるのがレイラたちのお仕事なのね?
いいわ、レイラが子供達を守ってあげるのだわ!

レイラは人攫いには容赦をしないのだわ!
真っ直ぐに、正面から、恐怖を教えてあげようかしら!
攻撃されてもレイラは避けないのだわ!
だってそうすれば、レイラは無様で可愛らしくなれるでしょう?
うふふ、痛いのも、苦しいのも、レイラは大好きかしら!
さぁ、お互い血を流しあいましょ!

子供達も存分に怖がってもいいのだわ!
だって、血と恐怖がレイラを強くするのだもの!



●夕暮れは紅く染まりて
 空の赤さが薄くなった頃だった、森の中から歩むのは少女が一人。暗く超自然的な刺繍で飾られたゴシック&ロリータに闇の外套を羽織った姿は可愛らしいというよりは人形のような美しさ。
「とまれ!」
 仕事に対して真面目な男がマスケット銃を構える。
「おいおい、迷ったんだろ? なあ、お嬢ちゃん迷ったんなら送っていくぜ?」
 不真面目な男が迷子と勘違いして、獲物を増やそうと下卑た笑みで声をかける。
「うふふ」
 少女が笑う、天真爛漫に。
「うふふふふ!」
 少女が構える赤黒い槍を片手に。
 そして太陽が月を照らす頃、そこに魔王が現れた。
「う……撃て!」
 男が叫び、何名かがマスケット銃の引鉄を絞る、フリントが落ち、火皿に焔を移せば吐き出される弾丸が少女を抉る。
「うふふふふふふうふふっふふふふふっふふふふふふふふふふふふうふうふ!」
「着剣しろっ!」
 誰かが叫んだ、男達は急いでマスケットに銃剣を取り付ける、再装填するには時間が足りない。
 その時間が一人の男の人生を終えた。胸に槍を撃ち込まれて。
「レイラは無様で可愛らしいかしら?」
 問いかける少女、ドレスは返り血と銃創に汚れてるが顔に浮かぶのは歓喜の笑み。誰かが銃剣で突き刺しにかかる、外套が切り裂かれ、色白の肌に赤いものが滴る。
「うふふ、痛いのも、苦しいのも、レイラは大好きかしら!」
 槍を振り下ろす、男の頭がひしゃげて、赤いものと白いものをこぼしていく。猟兵と言えど、ユーベルコードを使用したとしても、正面突破はリスクが大きく、ドレスが紅に彩色される。お世辞にも行動は上手く行ったとは言えない。
 けれどそんなことは彼女にとってどうでもいいこと。
 委細構わず少女は舞踏会を楽しむように目を輝かせ。
「さぁ、お互い血を流しあいましょ!」
 夕暮れを紅に染めた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

杼糸・絡新婦
勇ましいなあ、将来有望や。
せやから言うて危ないことはあかんけどな。

子供に近い人攫いを優先し攻撃しつつ、
出来るだけ素早く子供と人攫いの間に入り、
子供の安全確保を行う。
バトルキャラクターズで騎士キャラを召喚。
合体はさせず、数でフォローして、
子供やこちらに向かってくる敵を倒させる。

子供には余裕があれば
ところで悪の領主の話てほんまか?
ほんまやったらどこで聞いたどんなお話や?
と【情報収集】利用しつつ聞いてみます。


己条・理鎖
子供を放っておくことはできません。助けに行かなくては。

子供の保護を優先して行います
【分身錬成】で「5」を3体「4」を1体召喚し陽動を行わせます
その隙に【暗殺】の技能を活かし気配を消し【目立たない】よう【忍び足】で、かつ【ダッシュ】で迅速に馬車に接近します
光源はこちらの居場所を教えることになるので持って行かず【暗視】で対応します
見張りが残っていた場合は【暗殺】を行い気絶させます
鍵がかかっているようなら【鍵開け】を行います
子供を確保したら保護を優先するよう分身達に指示を出し自分も保護優先で動きます


トリテレイア・ゼロナイン
騎士と振舞うものとしてこの状況は見過ごすわけにはいきません
子供達は必ずや守り通さねば

脚部スラスターを点火して地面を「スライディング」しながら馬車に接近、人さらいの攻撃を「盾受け」「武器受け」で対処しながら「怪力」で馬車を破壊して子供達を確保、この巨体で「かばい」ます

助けにきたと言葉をかけて安心させましょう。怯えて逃げ出しそうな子は「手をつないで」確保

万が一、人さらいが子供達を人質にとるのであれば剣と盾を捨て武装解除したふりをして、頭部格納機銃での単射モードでの「スナイパー」「だまし討ち」で対処
子供達に人死には見せたくはないので人さらいの武装を持つ手を狙います
最悪頭を狙って即死させる事も考慮



●突入は闇が覆う頃
「勇ましいなあ、将来有望や」
「ですが子供を放っておくことはできません。助けに行かなくては」
「騎士と振舞うものとしてこの状況は見過ごすわけにはいきません。子供達は必ずや守り通さねば」

 一方で惨劇が繰り広げられ、男達がそちらに意識を向けた時。息を合わせるように呼応して三つの影が動いた。
 己条・理鎖(f05312)が手の甲に「5」と刻まれた分身を三体、「4」と刻まれた分身を1体召喚し、陽動を行えば。杼糸・絡新婦(f01494)と共に注意の逸れた男達へ接近、瞬く間に無力化する。
 二人が作った隙間をねじ込むように脚部スラスターを点火して地面を滑るように動くのはトリテレイア・ゼロナイン(f04141)。鋼鉄の騎士は剣と盾で前装式小銃の弾丸を防げば、馬車に手をかけ、破壊。中にいた男をつまみ上げて放り投げると壊れた馬車へ覆いかぶさるようにして少年たちを守る。
「助けにきた」
 銃弾が金属に当たる音が響く中、鋼鉄の騎士は一言告げ。その中に入り込むように他の猟兵も救出に動く。
「勇猛な騎士さんや、せやから言うて危ないことはあかんけどな」
 背後で馬車を守るウォーマシンに一瞥くれながら絡新婦が召喚するのは騎士の集団。手の甲に刻まれた「1」の数字が理鎖と同種のユーベルコードであることを占める。その数、十八体。
 同様に鎖のヤドリガミが分身を自らの元に戻せば、彼女達も護衛に移り、馬車の周りを円周状に確保する。これで分身二十と一体そして猟兵は二名。
 馬車を奪われ、そして一方では少女が笑いながら槍を振るう、男達は襲撃者が商品が目当てだと分かっていた。
 かと言って子供達を狙うという方法も三メートルに近い男が庇っている状況では狙い難く、だからと言って正面から攻めようものなら数と力量差で圧倒的に駆逐されるのは必至。
 作られた騎士が一歩前に踏み出せば、自然と彼らの足は後ずさりをはじめ、誰かが武器を捨てて走ったのを機に全員が一目散に森へと逃げ込んだ。

「なあ、なあ? ところで悪の領主の話てほんまか?」
 保護に動いた猟兵の手で救出された少年に絡新婦が問いかける。
「ほんまやったらどこで聞いたどんなお話や?」
「じょうさいこう?」
 ちいさなきしが問いかければ頷く鋼糸のヤドリガミ。
「じょうさいこうはわるいりょうしゅだよ。ぼくたちはそれをやっつけるんだ!」
 子供から返ってくるのは無邪気な答え。
 オブリビオンが支配するダークセイヴァーという世界で、文化的とはいえない村の子供が知っているのはそれくらいであった。
 それくらい修学という概念は薄く、もしあったとしても命が戯れに消されるこの世界でそれが役に立つ等、人々には分かることは少ない。
 猟兵が知るのは人ならざるものが支配する狭い世界で細々と生きる人々から学びの機会を奪い取るとどうなるか? この希望が成長するにつれて絶望に変わり、ただ息をするだけの人間へと変わっていくということを知るだけであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

天星・暁音
…人攫い…か…
まぁ、こんな世界だ。彼等にも事情はあるのだろうけど…それでも子供を拐うのを黙って看過することは出来ないよね。
…何処かで捕まる振りでもして馬車の中に入れないかな…

可能なら【勇気・覚悟】で人攫いに態と捕まって馬車の中から子供達を【かばい】ます。
自分の怪我とかは余り気にしないので体張るくらいは当然と思ってます。

これも可能ならですがランプやランタンみたいな明かりも装飾【キーブレス】に登録する形で隠し持っておきます。
自分は一応【暗視】も持ってます。

捕まるのが不可なら人攫い次の獲物に見えるように行動しつつ【追跡者】に追跡させて隠れながら後を追い子供達を【かばい】ます。


ステラ・アルゲン
私は子供達の安全を優先したいと思います。子供達が捕まっているであろう馬車に近きます。私は騎士ですから、この小さな騎士団を放っておけません。

団長殿、私を騎士団に入団させてください。共に正義を為す騎士の剣として戦いたいのです。

子供達の不安を取り除くようにそう言いましょうか。

基本的に子供達を守り離れず、こちらに来た敵は【ブレイズフレイム】で撃退します。一応、悪人とはいえ普通の人間ですから加減には気をつけておきます。それに炎は明かりにもなりますから視界は良好なはずです。



●救出は灯火の中で
「……人攫い……か……」
 天星・暁音(f02508)が一人呟く。
「まぁ、こんな世界だ。彼等にも事情はあるのだろうけど……それでも子供を拐うのを黙って看過することは出来ないよね……何処かで捕まる振りでもして馬車の中に入れないかな?」
「その必要は無いかと思います」
 少年の考えを中性的な外見を持つ騎士が訂正する。ステラ・アルゲン(f04503)だ。彼が示す方向には既に救出のために突入する猟兵の姿。
「私達は子供達の安全を優先しましょう」
 隕鉄より創られた流星剣のヤドリガミの提案に聖者たる少年は頷いた。

 ――馬車への潜入は容易に成功した。
 一方で一人暴れまわる者が居れば、数名で突入し馬車を確保し護衛する者がいる。全てが完全に成功と言うわけではないが全員が行動することがお互いを補い、成功に導く。集団行動とはそういうものであった。そして二人も自らの役目を全うする。
 暁音がウォーマシンと馬車の間に小さな体を潜り込ませれば、その入口を守る様に陣取り、子供達を庇う。
 背中の安全を確かめればマジックナイトとして小さな騎士達を放ってはおけないと考えたステラが子供達の前で膝を着き。
「団長殿、私を騎士団に入団させてください。共に正義を為す騎士の剣として戦いたいのです」
 入団を請う事で子供達の不安を取り除こうと試みる。
 突然の事に不安におびえていた子供達も馬車を守る鋼鉄の巨人の言葉や騎士の入団願いに心を溶かし、閉ざした扉を開く。
「ありがとう、でも、にゅうだんしゃはむらのこどもたちだけなんだ。おとなはヴァイスティーゲルきしだんにははいれないんだ、ごめんね」
 謝る子供に対して柔和な顔で首を振る騎士、その顔をランタンの明かりが照らす。聖者たる少年の持つキーブレスの力だ。
 灯りが闇を打ち消し、戦闘の音で心臓を叩く少年たちの不安を和らげる。それを見たステラが何かに気付いて馬車から出ると、自らの掌を傷つけ、地獄の炎を空に撒く。
 炎が灯りとなって、周囲を照らせば、子供達の前に見えるのは勇猛な21体の騎士達と猟兵。そしてたじろぐ男達。
 騎士が前に進み、男達が逃げ出したのを見ると子供達から歓声が上がった。

 もし攻撃するだけだったら子供達は怯えていたかもしれない。
 もし敵を倒して庇うだけだったら戦闘が終わるまで恐怖に囚われていたかもしれない。
 けれど、子供達の元に駆けつけ不安を取り除く者が居れば、そんなものは消えてしまう。
 二人が成し遂げたことは派手な事ではないがとても大事なことであった。

 

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『篝火を持つ亡者』

POW   :    篝火からの炎
【篝火から放たれる炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤々と燃える】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    篝火の影
【篝火が造る影に触れた】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    新たなる亡者
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自分と同じ姿の篝火を持つ亡者】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●亡者は篝火と共に
「ぎゃあああああ!」
 突如、悲鳴が森を支配した。猟兵達が周囲を見回せば、先ほどの男達。だが逃げた数に対して戻ってきた人数が少ない。
 原因はすぐに分かった。
 森の中から躍り出る外套と被った何かが二本の篝火を振るい、逃げる男の膝、腕を叩き、動けなくなったところへ頭部への一撃を加える。
 頭が炎に包まれた男がその場で横たわる頃には周囲には薄汚れた外套を纏った者達――命の気配を感じない亡者がそれぞれ自分に合った長さの篝火を持って、にじり寄っていた。
 あるものは二本の手で振るえる小ぶりなもの。
 あるものは六尺の棒ほどの長さを持った篝火を振り回し。
 あるものは鎖でつないだ二本の篝火を構える。

 炎を森を明るく照らしているのに、冷えた感じがした……。
天星・暁音
お迎えって訳か…でも、させないよ。
なるべく子供たちの傍にいてあげたいから支援に回るけど…
まあ、これくらなら…近づかれても何とかなるかな…
彷徨える君たちに手荒な事は余りしたくないけれけど…まあ是非もないよね。
やるべきことが終わったら、貴方達の為に祈りを捧げるから…

味方の戦闘力をあげる祈りで支援し【銀糸】を周囲に張ることで足止めをし一定以上近づいたものは糸を絞める事で切り裂きます。
基本子供達の傍は離れないし必要があれば庇います。


杼糸・絡新婦
さあて、もうちょい頑張らなあかんなあ。
錬成ヤドリガミで本体の鋼糸を召喚。

子供の傍で敵を寄せ付けないよう行動します。
フェイントを利用し、
あえて攻撃をし回避させることで、
他の猟兵が攻撃しやすい位置に誘導を試みます。
また敵を捉えたら盾にする形で他の敵の動きを防ぎます。
お触り厳禁やで。

子供には
もうちょい頑張ってな騎士さんよ。
そうすりゃ自分らも頑張れるさかいな。と声をかけておく。



●護りの糸は篝火に照らされ
 空の赤が消え、闇が覆い始めた時、森を照らすのは篝火。だが灯りを持つのは生きた人間ではなく生命亡き者――亡者。
 炎の灯された棒をある者は頭上で振り回し、ある者は自らの手で弄ぶ。
 沈黙を保つ黄泉の住人が攻め入れば、猟兵達も攻撃を仕掛ける。だが全方位からにじり寄る亡者に対して壁となるには数が少ない。間隙を抜けて長い篝火棒を持った死せる者がケープをはためかせ、空を舞った。
「お迎えって訳か……でも、させないよ」
 銀で織られた糸が篝火に照らされ輝く、天星・暁音(f02508)の張り巡らした糸が亡者に絡みつき、彼が指を引けば、血の通わない肉体は寸断される。
 少年の勇姿を見た杼糸・絡新婦(f01494)も死者へ向き直れば。
「さあて、もうちょい頑張らなあかんなあ」
 自らの本体である鋼糸を模した物を複数、ユーベルコードで織れば、こちらは積極的に糸で相手を切り、縛り上げる。
「お触り厳禁やで」
 短めの二本の篝火を両手に持った亡者が摺り足で距離を詰めたところで、縛り上げた黄泉の住人を間に挟み、動きを止める。一人のヤドリガミと二体の死者、視線が交錯する中、縛り上げられた亡者が暴れ始め、同時に距離を詰めていた骸が回り込むように走る。
「彷徨える君たちに手荒な事は余りしたくないけれけど……」
 首が飛び、胴体だけとなった二本の篝火持ちが地に伏せるのを横目に。
「まあ是非もないよね」
 金髪より黄に近い髪を死者の灯火で輝かせながらは暁音が口を開き、謳うのは生者への祈り。祝福を受けた猟兵達の勢いが増していく。
 銀と鋼の糸が作る最終防衛線は細いけれど堅固であり、死者たちは生者へとその手を差し伸べることは出来ない。
 さらに鋼は護るだけでなく立ち尽くす亡者達に襲い掛かり、切り裂き、縛り上げる。死者達は自然に糸が及ばないところへと逃げていく。
「もうちょい頑張ってな騎士さんよ。そうすりゃ自分らも頑張れるさかいな」
 絡新婦が糸を繰り、視線を生命亡き者へ向けながら、生きている小さな生命へとささやけば、距離を取って全周囲から囲っていたはずの亡者同士の肩が当たる。それを見た鋼糸のヤドリガミは笑みを浮かべた。
 糸繰りから逃れた死者達は自然と糸が少ない所へと誘導されていた。そしてそこは前方左右とも糸が張り巡らされ、下がる事しか能わない、牢獄。
 入口たる背後から猟兵が突撃すれば、牢内の死者へ自然と減り。糸の周りには生きる者だけが存在した。
 

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ステラ・アルゲン
私は引き続き子供達の側にいます。騎士団の入団は断れましたがこの未来ある騎士達を見捨てるわけにはいきませんから。
その為に我が剣を振りましょう。

敵は篝火を持っているならその明かり目指して【流星雨】を放ちます。もちろん仲間には打たないように気をつける。
新たなる亡者を誕生させそうな者を優先的に狙い【2回攻撃】もします。

子供が狙われそうならすぐに駆けつける。あくまで最優先するのは子供達の安全です。

他の方と連携が取れそうなら取りたいと思います。


トリテレイア・ゼロナイン
まずは「礼儀作法」で騎士として振舞い、同じ騎士道を歩むものとして子供達に忠告しておきましょう

立派な騎士になるためには両親、お世話になっている方を悲しませるようなことはしてはいけませんよ

…私は嘘つきですね、本質的にはこの子達と私に違いなどないというのに

亡者達の攻撃から子供達を「かばう」のを最優先で行動
「盾受け」で投射される炎を防御しつつ、格納銃器での「スナイパー」で篝火の柄を狙撃、弱体化目的でへし折ってしまいましょう

背中に子供達がいるため接近戦はできるだけ避けますが不可避なら「武器受け」「怪力」での迎撃で対処

先の戦闘で出来た人さらいの死体が気になります
「暗視」で注意して対応しましょう



●騎士は流星の光と共に
「立派な騎士になるためには両親、お世話になっている方を悲しませるようなことはしてはいけませんよ」
 戦争人形の騎士が子供達に優しく語り掛ける。
「うん! きをつける!」
(……私は嘘つきですね、本質的にはこの子達と私に違いなどないというのに)
 子供の無邪気な返事にトリテレイア・ゼロナイン(f04141)が心の中で己を嗤えば、亡者へと向き直る。同時にステラ・アルゲン(f04503)が剣先を振り下ろせば流星が篝火を撃ち落とす。
 炎が消え、闇が訪れる。暗視機能をアクティブさせたウォーマシンのレンズが動くものを捉えれば。
「人攫いたちが!」
 警告の声にステラが闇を見れば、先ほどまで生きていた者へと既に死んだ者が近づき、マスケットへ消えゆく火を灯す。灯火は篝火となりて新たなる亡者が生み、減っていった仲間を補おうと火を灯し始める。
 ステラが人攫いのマスケットを篝火を近づけようとした死者へと斬りかかる。流星剣のヤドリガミが器物である性を露わにして荒々しく亡者を叩き伏せれば。周囲をぼろ布を纏った者達が囲む。長さのある棒を持った者が円を描くように騎士の剣を打ち払えば、鎖でつないだ篝火を持った死者がそれを右手で振り回し躍りかかる。
 闇夜に銃声が鳴り、鎖が断ち切られる!
 篝火が舞う中、振り向きざまに躍りかかる亡者を切り捨てたステラが見たのは右腕から銃身を展開させたトリテレイア。その砲口からは余熱と発射煙が立ち上る。
 騎士道から外れた格納銃器と己が嗤うその姿を子供達が尊敬の眼差しで見つめる。偽りの騎士が見せた本当の姿に少年は騎士の姿を見ていたのだ。
 そんな騎士へ死への案内人が篝火を振り回せば、襲い掛かるは炎の弾丸。戦争人形が盾を構えれば衝撃と共に質量のある厚い盾を通して熱が伝わる。
 すぐにステラが炎を打ち込んでいる亡者を切り伏せる。炎から解放されたトリテレイアが熱を持った盾越しに狙撃を行い、篝火を撃ち落とすことで彼女の攻撃を支援する。
 一人が斬りかかり、もう一人が狙撃する。普通に考えれば人数差で押し切られてしまう。
 しかし彼らは武器である篝火を撃ち落とすことをまず作戦の軸とした。
 結果、亡者達は攻撃の波を止めることとなり、ヤドリガミの騎士が前に立って戦う事に専念できる環境を作り上げた。
 生者のみが作り上げる作戦という力が彼らに子供達を護らせ、そして騎士としての役目を果たさせたのは当然の結果と言えよう。
 少年達の歓声がそれを証明していた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

己条・理鎖
子供を守りながら戦うというのは不利ですがやるしかないですね

引き続き【分身錬成】を使用します
「5」2体を子供の護衛に残し「5」1体と「4」1体を連れて亡者の迎撃を行います
亡者は1体1体倒していきます
スピードを活かして動き位置取りを調整し、常に3人で1人の亡者に当たるようにします
こうすれば1人の攻撃が敵に予想されても残りの2人を攻撃を当てられるはずです
敵の炎は鎖を振り回すことで【武器受け】して防御します


籠目・祷夜
小さな騎士団か
勇敢で心強い。共に歩むにふさわしい友だ

灯りが必要か
足元を照らすらんぷを準備していこう

子供達の守りは共闘する者たちに任せて、俺は敵と戦おう
相棒は刀、マツリカだが、遅れはとらん

走り込み、前衛の一番弱った一体に向けて、剣刃一閃を素早く放つ
弱った敵がいなければ、率先して手近な敵を叩く

敵に行動をとらせる前に、こちらから行動して倒してしまえ場合いい
その時は「2回攻撃」をする
素早く、確実な行動を心がけ
敵の攻撃は「武器受け」でできるだけ回避する
防戦一方にならないよう、ある程度の被弾は受け入れる
自分の体力が息切れしたと感じたら防戦しつつ戦おう

アドリブ、共闘歓迎



●灯火置いて駆けるはヤドリガミ
「子供を守りながら戦うというのは不利ですが」
 亡者達を睨むのは己条・理鎖(f05312)。
「やるしかないですね」
 二体の分身をその場に残し、残り二体を引き連れれば。
「小さな騎士団か。勇敢で心強い。共に歩むにふさわしい友だ」
 傍らに立つ籠目・祷夜(f11795)は足元にランプを置く。
「子供達の守りは共闘する者たちに任せて、俺は敵と戦おう」
 自らの本体であるマツリカの花を鍔に拵えた刀を抜けば。
「では、私も」
 鎖のヤドリガミもそれに呼応する。
 攻め時を睨み、足に体重をかける猟兵達。流星の雨の降ったのを切欠に二人が亡者の群れに飛び込んだ。
 まず切り込むのは祷夜、剣刃一閃にて流星雨で篝火を失った死者を両断すれば、次の敵へと走っていく。
 それに続くは理鎖、「4」と「5」の刻印された分身を引き連れれば、一体に対して分身を含めた三人で攻撃を行う。篝火が灯され、影を見て二本の篝火を持った亡者が動けば、その進路を分身が塞ぎ、本体が攻撃を行う。理にかなった連携攻撃であった。
 だが、勢いも最初の内。刀のヤドリガミは先手を取ろうと攻撃を繰り出せば技能及ばず、六尺の篝火を持った死者の刺突を受け相打ちを許す。それでも返す刀で切り倒せば、敵陣へと飛び込んでいく。
 しかし、数は多い。次々と彼らの脇を抜けて亡者が走り抜け、追いすがろうにも二人を食い止める死者も多い。
 炎の弾丸が雨のように祷夜を襲い、理鎖が分身と共に鎖を振り回し、焔を撃ち落とすがその為に動きが取れない。
 ――防戦に終始すべきか?
 剣豪たるマツリカのヤドリガミが思考すれば、その耳朶を打つのは祈りの声。子供達を護る最終防衛線より響き渡る聖者の祈りだ。
 振り向けば、後方で奮戦している仲間が居る。
「後ろは大丈夫です、攻めましょう」
 炎を全て打ち払った鎖のヤドリガミの提案に祷夜が頷けば、彼らは再び敵陣をかき乱した。
 戦いには流れというものがある。もし祈りの声が無ければ、二人の勢いは止まっていただろう。もし子供達を護るものが居なければ、彼らは攻めに集中することが出来なかっただろう。
 しかし、その二つがある今、攻め手を担う彼らの動きは獣のように亡者を食いちぎる。
 遊兵になりつつある二本の篝火を持った亡者を鎖のヤドリガミが包囲殲滅し、攻撃で弱った六尺の長い篝火を持った死者を刀のヤドリガミがその武器ごと叩き切る。
 勢いと堅実さの組み合わさった攻撃により周囲の敵が居なくなる。
 その時だった後方から声が聞こえたのは。
 振り向けば、残った亡者が糸の牢獄へと誘い込まれようとしている。鋼糸のヤドリガミの視線を見た二人は牢獄へと一気に飛び込めば、死せる者は全て消え、生きる者がその場に立っていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『子ども遣い『チャイルドマン』』

POW   :    理不尽な言いつけ
【攻撃】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    財産喰らい
自身の身体部位ひとつを【対象の親もしくは同じくらい信頼している人】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    操り人形
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【一時的に幼い頃の姿】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はステラ・リトルライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●暗い夜は人形遣いにつかまっちゃうよ
「ズンダッタ♪ ズンダッタ♪」
 場の雰囲気にふさわしくない歌が森の奥から響いた。闇から出てきたのは小さな人形を持った一人の貧相な男。
「あれあれあれー? 遅いと思ったら、みんなやられちゃってるー? 君達がやったのー?」
 外見から想像できない幼い口調に高めの声質が耳障りに聞こえる。
「困っちゃったなー、ぼく、また人形の材料集めないといけないじゃーん」
 彼が子供達に目を止める
「ねえねえねえ? その子達、今日の僕の買い物だよね? 頂戴よ? 皮をはがすから」
 男の言動に子供の一人が猟兵にしがみつく。
「だーいじょうぶ? ぼく、うまいんだからー。ほら見て見て、生きたまま歯車入れ替えたの」
 持っているのは子供の人形ではなかった。皮を剥ぎ、布を縫い、臓物を歯車に入れ替えた子供だったもの。
「イ……タイ……イタ……イ」
 人形から呻き声が聞こえれば。
「だめだめだめー、静かにしてないとー、ほらおしおき?」
 頭に刺さったネジを回す
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! シメナイデ、コロサナイデ、ゴメンナサイ! ゴメンナ……」
 絶叫が森に響き、人形の首が項垂れる。
「あ、しんじゃった? ところでさ?」
 男が子供達を見る。
「その子達ちょうだい? ねえちょうだい? 皮剥準男爵のおねがーい! ねえちょうだーーい! ……だめ、なら」
 男が人形――子供だったものを無造作に投げ捨てる。
「みんなころす」
 皮剥準男爵――オブリビオンが歩を進めた。
トリテレイア・ゼロナイン
人形遣いのオブリビオン…骸が転がるこの状況では厄介ですね
「暗視」「スナイパー」で死体の足をあらかじめ格納銃で撃ち抜き弱体化させておきましょう。死者の尊厳ではなく今生きる命を優先します

子供達を常に背に「かばい」、「武器受け」「盾受け」で敵の攻撃に対処しつつ近づけさせません
それでもこちらを無視して子供達を害そうとするならば、スラスターを点火して地面を「スライディング」しながらの「怪力」大盾殴打を喰らわせてやりましょう

同じ騎士に憧れる子供達の目の前です。敵の理不尽な命令など一つも従うつもりはありませんし、それによる罰に膝を屈するつもりも毛頭ありません
紛い物ではありますが騎士の誓いを示しましょう


レイラ・ツェレンスカヤ
まあ! なんて素敵なお人形さん!
素敵な特技をお持ちなのだわ!
でも、せっかくの玩具を壊してしまうのは、出来損ないだわ!
レイラが貴方も壊してあげるかしら!

どれだけ攻撃を受けようと、正面から突っ込むのが大魔王の流儀なのだわ!
言いつけも守ってあげないかしら!
だってレイラはレイラの言うことしか聞かないのだもの!
傷ついた分は、吸血と生命力吸収で取り戻すのだわ!
うふふ、レイラの槍は二度串刺しにするのよ!
たっぷりと傷口もえぐってあげるかしら!
さあ、思う存分、血を流しあいましょ!



●闇夜に抗うもの
「ズンダッタ♪ ズンダッタ♪」
 準男爵が歌いながら距離を詰める。火砲の光がすれ違うように飛び、死体の足がちぎれ飛ぶ。
「いけないーんだー、ものをこわしちゃー?」
 格納していた銃器を展開させて、死体を狙撃したトリテレイア・ゼロナイン(f04141)を指させば、スキップを踏んで彼に近づく。
「子供が一匹死んじゃった♪ 大人も一匹死んじゃった♪ みんな残らず死んじゃった?」
 騎士たらんとする戦争人形が盾を構える中。歌いながら迫る男。両手には得物を持たずに身長差のあるウォーマシンを下から覗き込めば。
「ねえ、なんで言う事聞かないの?」
 下からねじ込むようなボディアッパーが彼を襲う、咄嗟にトリテレイアが大盾で防げば、両足をクロス。跳ねるように側方へ回り込み、盾の無い右側へとジャブの連打を叩きこむ。銃器を格納せずにウォーマシンがそれを防げば準男爵は一歩下がり、膝を踏む抜くような足刀蹴りを打ち込み距離を取る。
「いいでしょー、サバットできるんだよー? そんなにでっかいとできないでしょー? 重たいから」
 小馬鹿にするようにその場でフットワークを踏む準男爵。けれど、その声色のトーンが突如下がる。
「でも邪魔だな。『お前、子供を庇うな』」
 一歩進んでジャブ、鋭く伸びる拳打がセンサーの認識速度を凌駕し、顔を打ち抜く。
「ぐっ……」
 威力は無きに等しかった。けれど、準男爵の命令が身体を縛る。神経回路が足を動かしその場から離れようとする。意志が拒めば紛い物たる証であるエラーアラートが流れる。けれども……。
 後ろを見れば、不安そうに見上げる子供達。迷う事はなかった。
「御伽噺に謳われる騎士たちよ。鋼のこの身、災禍を防ぐ守護の盾とならんことをここに誓わん!」
 高らかに誓った詠唱が誘惑を断ち切り、大地に足を縫い付ける。下肢神経回路がスパークし、配線が断裂し、血液の代わりたる循環液が滲出する。それでも騎士はスラスターを点火、動かない足が土を抉るのも構わず進めば、機械人形は守護騎士たらんと希う事を示す為に大盾を準男爵の顔面に叩きこむ!
「なんで、言う事きかないんだよー!!」
 その場に尻もちを着き、不平を垂れる男。準男爵には分からないだろう。そこに居るのは「サー」と称されてもおかしくない献身を厭わない男なのだから。

「まあ! とってもかわいいお姿!」
 みっともない姿をさらけ出す皮剥準男爵をのぞき込むのはレイラ・ツェレンスカヤ(f00758)。男の姿が彼女の独特の美意識を刺激する。
「それに素敵なお人形さん! 素敵な特技をお持ちなのだわ!」
「そうだろう? そうだろう? ぼくはすごいんだ!」
 賞賛するレイラの声に立ち上がり得意満面になる、準男爵。
「でも、せっかくの玩具を壊してしまうのは、出来損ないだわ!」
 全く声色を変えず、彼女が男の足を槍で突き刺せば。
「いたぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
「レイラが貴方も壊してあげるかしら!」
 柄を捻りあげ、穂先が傷口を広げる。鮮血が彼女の白い肌を汚した。
「いたたたたいたいたぁーー!!」
 痛みに声を上げて、男が少女の腹を蹴る。体格差も手伝って彼女の身体を宙を舞う。
 準男爵は足から槍を引き抜き、それを投げ捨てる。
 彼女が拾おうと身を乗り出せば。
「お前『これ以上、傷つけるな』」
 命令を込めて顎先を蹴りあげる。
 細い顎に衝撃は響き、歯が折れる。口の中が鉄の味で一杯になり。痛みと恍惚感が彼女を満たす。
「うふ……」
 槍を持った少女が首を垂れたまま立ち上がる。
「言いつけ、守ってあげないかしら! だってだって!」
 血と恐怖の支配者に覚醒して大魔王となったレイラが準男爵を刺す!
「いぎゃあああああ!」
「レイラはレイラの言うことしか聞かないのだもの!」
 寿命を削り、命令を破ったことで身体の古傷が開き、赤いドレスを着た大魔王が槍を引き抜き、もう一度突き刺す!
 準男爵の絶叫が森の中を響いた。
「なんでお前も言う事聞かないんだよぉ!!」
 苛立ちと怒りの混ざった拳が少女の鼻を折る。衝撃で吹き飛ぶレイラが乱雑に槍を引き抜けば傷口は抉れ、準男爵の絹のシャツも赤に染まる。
「どうしてくれるんだよ、これぇ? お前ゆるさないぞ!」
 オブリビオン故の頑強な生命力が故、立っている男は傷以上に服が汚れたことに怒りを示した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

天星・暁音
っ…こんな…の…
残念だけど…君にあげるものなんかここにはないよ
その子も…返して貰う
ちゃんと弔ってあげないとなんだから…
そんなに欲しければ先ずは俺からどうにかしてみれば、君好みの子供でしょう?
まあ出来ればだけどね

人形の彼の痛みと悲鳴に痛み感じ顔をしかめて泣きそうになるも気持ちを立て直して子供達の前に立ち塞がり勇気と覚悟で相手を強い意志で見据えて、子供達を鼓舞し元気づけかばいます
必要なら誘惑等も駆使してこちらに意識を引き付ける事で子供達の精神保護も行います

戦闘では味方を癒して支援します

戦闘後に出来れば人形にされた彼をきちんと埋葬して他の子達の為にも祈りながら安息と鎮魂を願い歌と祈りと舞をささげます



●月下に光る祈りの言葉。
「祈りを此処に、妙なる光よ。命の新星を持ちて、立ち向かう者達に闇祓う祝福の抱擁を…傷ついた翼に再び力を!」
 月光の下、神聖なる祈りの抱擁が森の中に響き渡り、理不尽な命令を破ってでも立ち向かった猟兵二人の傷をユーベルコードが癒していく。
「っ……こんな……の……」
 天星・暁音(f02508)が唇を噛むことで感情を抑え込み。視線は玩具にされた子供だった人形へ。今までの死者も含めて彼を弔いたいという思いが彼の心をよぎる。
「いいなー、ぼくもなおしてよー。ねー! なおしてよー!」
「残念だけど……君にあげるものなんかここにはないよ。その子も……返して貰う」
 準男爵の言葉を拒絶し、少年が毅然と言い放つ。
 けれど彼の心は張り裂けそうなほど痛んでいた。人形にされた子供の痛みと悲鳴を自分の傷のように心が刻まれ、気を張っていなければ顔をしかめて泣きそうになる。
 それを食い止めるのは庇うべき子供達が居るから。
 子供達の前に立ち塞がり勇気と覚悟で相手を強い意志で見据えれば。
「大丈夫、俺達がついている」
 少年達を勇気づける言葉一つ。そして……。
「そんなに欲しければ先ずは俺からどうにかしてみれば、君好みの子供でしょう? まあ出来ればだけどね」
 次に出るのは挑発の言葉。それは自分の年齢を計算に入れた、猟兵としての勇気。
「ふーーーーーーーん、こっどものくせに、えっらそうなこというねー? いいよ。じゃあ、君から、皮を剥いであげる――ズンダッタ♪ ズンダッタ♪」
 歌いながら、暁音に近づく皮剥準男爵。
 そんなチャンスを逃す猟兵達ではない。月を隠すように影が舞った!

成功 🔵​🔵​🔴​

杼糸・絡新婦
SPDで行動
・・・
怒りを抑えるために二、三回深呼吸した後に
狩衣を纏うキツネのカラクリ人形・サイギョウを出す。

「フェイント」を加えた攻撃を行い、こちらへの攻撃を促します。
自分・子供への攻撃を力を抜き受け止め
オペラツィオン・マカブル発動。

おどれのセリフ引っくるめて全部お返しするわ。
ころす。

自分の信頼している人いうたら「あの人」やけど、
首だけこられてもなあ。

他の猟兵が子供達しっかり守ってくれるなら、
自分はあの投げ捨てられた子供を回収しておきたい。

(真の姿・クモのように目が複眼になり黒の忍び装束を纏っています)


己条・理鎖
悪趣味な上に性格も最悪。存在する価値無しですね

とはいえ油断はしません
分身に力を割いたままでは不利でしょうし分身を解除、使いたくないですが【降魔化身法】を使用し自身を強化します
スピードを活かして戦う為に子供の守りは他の猟兵の方に任せます
強化されたスピードと【見切り】や【第六感】【残像】による回避重視の高速戦闘を仕掛けます
攻撃の手段としては主に【ロープワーク】を活かして鎖を使用します
オブリビオンの課すルールに従うなど私のルールが許さないので、もし攻撃が当たってルールを宣告されても無視します
隙があれば首に鎖を巻き付けて絞めそのまま切断してやりたいですね


ステラ・アルゲン
子供に対してあのような事を……許せません!
貴様のその歪んだ願いはここで斬り捨てる!

真の姿を解放し、かつての主が着ていた鎧姿になる。

命令とやらは攻撃を受けなければよいのだろう?【フェイント】をかけて空振りを狙う。たとえ受けても気にしません。傷ついてもこの体は仮初のものだから。
できた隙を狙って【流星一閃】。

今まで犠牲になった子供達の痛みを知るがいい!



●想い宿りて、暗闇を切り裂く
 自らを照らす光が陰ったことで、皮剥準男爵は視線を空に。鋼鉄の騎士たる戦争人形の大盾を陰に飛び掛かるは己条・理鎖(f05312)。分身を消し、幽鬼を宿したその身は過大な負荷に悲鳴を上げ、赤い虹彩から血走る血管が切れ血涙となり、鎖を握る手は紅に塗れる。
 舌打ちと共にオブリビオンが迎え討とうと構えれば、その背後から伸びる少女の白い腕。抱擁、そして首筋への接吻……いや犬歯で穴を穿ち、血を啜る。
 妨害に不機嫌な声を上げて、準男爵は少女を乱暴に振り払う。小さいその身体は土の上を跳ね、大木へと叩きつけられた。
「悪趣味な上に性格も最悪。存在する価値無しですね」
 努めて感情を抑えて振るわれた鎖が男の腕に絡みつく。引き離そうと引っ張れば鎖のテンションは緩まり、懐に潜り込んだ血化粧のヤドリガミの鎖の握った拳が鳩尾へと叩きこまれた。

 同じ頃。
 心の水面に雫が落ち、波紋が広がるのを感じるのは剣と糸のヤドリガミ。
 心拍が上がり、魂の鼓動が人と埒外の天秤を揺らす。
『――イイノカ?』
 何かが問う。
「子供に対してあのような事を……許せない!」
 ステラ・アルゲン(f04503)の魂が応えかつての主が着ていた鎧姿へと変われば。杼糸・絡新婦(f01494)は二度、三度と深呼吸。肉体がそれに応え、瞳は泡立つように蜘蛛を模せば装束は黒となり。
「サイギョウ」
 狩衣を纏うキツネのカラクリ人形が糸に繰られて姿を現す。
 残像を残して理鎖が離れれば、真の姿を解放した二人が鎖のヤドリガミの幻影を突き抜けて怒りを叩きこむ。
「貴様のその歪んだ願い! ここで斬り捨てる!」
 流星剣のヤドリガミが刺突を計れば、準男爵がフットワークを効かせてサイドへ回り込む。
「じゃまじゃまじゃまだよぉ! お前『動く――」
 命令と共に拳を放とうとしたオブリビオンの動きをスナップを効かせた払いの一撃が止める。刺突はフェイント、本命は横に動くことを見越した切り払い。
「おどれのセリフ引っくるめて全部お返しするわ」
 そこへ舞うように狩衣狐が降り立つ。鋼糸のヤドリガミの心を読んだ準男爵が満面の笑みを浮かべ、拳を彼にとって見覚えのある顔へと変えれば、尊厳を砕くように殴りかかれば拳は口を開き人形へと咬みつく。
「ころす」
 絡新婦の冷たい一言と共にオペラツィオン・マカブルが作動し、カラクリ人形から出でし顔が外道の肩を噛み砕く。
「いたい! いたい! いたい! なんでだよ、畜生!?」
 左肩を抑えて男が距離を取り、驚愕を顔に張り付けて、泣きそうな声で疑問を口にする。自分の方が実力が上のはずなのに?
 確かに、実力だけではオブリビオンたる皮剥準男爵の方が勝っていた。しかし彼等は真の姿を解放し、幽鬼を宿して自らを強化し、人であることを半ば捨て去ることで、外道へ追いすがった。
 だが、それだけではない。人を玩具にする男には理解できなかった。彼等の怒りを。
 器物として生を受け、人に憧れ、人であらんとする彼らの心を――人間の怒りを理解できなかった。故に実力差と言うつまらない壁は打ち砕かれた。
「く、くるなぁああああああ!!」
 迫るステラに男が蹴りを叩きこむ。仮初の身体に痛みが走るが、構わない。仮初だから。そして心を刺す痛みの方が強いのだから。
「今まで犠牲になった子供達の痛みを知るがいい!」
 流星が一閃した。袈裟に流れる箒星が右肩を切り裂き、胸まで刃を食いこませる。
「ぎゃあ! いたい! いたい! 死にたくない!」
 そこへ鎖が首を通す、咄嗟に後ろを蹴れば。その場で膝を着く理鎖。
「ふふ……触れたよ、触れた、ふれたぁ!! お前『鎖から手を放せ』」
 我儘に育てられた幼児のごとく大声を上げれば皮剥準男爵が命令する。
「…………」
 鎖を持つ手に力が込められた。
 鎖のヤドリガミの古傷が裂け、血の花を咲き乱すようにして倒れる。けれど鎖を持つ手は決して放さず。首を走る鋼鉄の処刑道具が外道の首を月光の下に晒した。


●帰るべき所は暖かい光の下で
 壊れた馬車を背もたれ代わりに、少女と女は首の無い男を見る。傷はすぐに癒されたが、まだ休息は必要だ。少女が自分の血と泥に汚れた姿を嬉しそうに見せつければ女は困ったように笑った。
 鋼鉄の騎士と流星剣の騎士が子供達と話している。流星の騎士が笑えば子供達も笑い、鋼鉄の騎士を少年達が見上げれば、その眼差しに何かを感じ検索する――これが『照れくさい』なのだろうか?
 白い着物を着た男が死者を集めると、聖者たる少年は祈りをささげる。二人の中に会話は無かったが、今はそれで十分だった。
 やがて……森の奥より灯りが一つ、二つ。どうやら子供を探していた親の様だ。猟兵達は安堵の息を吐き。そしてちいさなきしの冒険が終わったことを悟った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月19日


挿絵イラスト