●ベース72
「わぁ! 肉だ、肉の缶詰だ!」
ベースの中、開かれた缶の中身を見て少年は歓喜する。
「せっかくのクリスマスだもの……ケーキも焼いたのよ。小麦粉だけのパンケーキだけど、チョコソースをかけてみたわ」
「いいの……食べ物も燃料も大事じゃ」
母親の言葉に少女が心配そうに呟くと父親が娘の頭を撫でる。
「良いんだよ、今日はクリスマスだ。こういう日をちゃんと祝わないとな」
「――うん!」
少年が応え、少女が頷いた。
二人とも内心、楽しみにしていたのだった。
それが分かるだけでも、父と母の心は温まった。
この先も生きていけると……。
けれど、それは無残に打ち砕かれるであろう。
――ザッザッザッ!
ブーツが草木の無い大地を踏み鳴らす。
宇宙服を思わせるヘルメットの奥には唯奪う事のみに執着する目。
その数、無数。
「獲物……」
誰かが呟き背面にある機械を展開すれば、それは四つの砲門となる。
他の者もそれに倣った。
四連バリアブルランチャーに火が灯れば、死のクリスマスが迫ろうとしていた。
●グリモアベース
「お前達はクリスマス前に掃除するよな?」
グリモア猟兵、トラガン・ストイコブッチ(ブッチ軍曹・f04410)が世間話をするように問いかけた。
「ガンホー、ガンホー、では仕事に励もうか。今回の目的地はアポカリプスヘル。作戦内容はクリスマスに襲撃するオブリビオンの掃除だ。パーティは無い、自分の家で祝ってこい」
苦笑しながらグリモア猟兵が地図を広げれば、地図の隅に書き込まれた『Base』という印と、それを扇状に囲っている敵勢力の姿。
「敵の名は『ロスト・レイダース』禁忌の技術を纏い略奪を繰り返す集団だ、背中の四連バリアブルランチャーが武器だ。撃ち合ったら激しい花火になりそうだな」
軽口を叩きつつ、ケットシーは銀紙に包んだマタタビの葉に火をつけて、煙を吸いつつコンパスを開く。
「聖なる夜は静かだと、何かの歌で聞いた。あの世界の人々にもそれくらいの事はしてやってもいいだろう――装具を整えて、時計は合わせたな? ではシャンパン開けて待ってる」
開かれたゲートの向こう側を月光が照らしていた。
みなさわ
戦うのが日常だと思っている猟兵の出番ですよ。
メリークリスマス、みなさわです。
OPの記載通りクリスマスパーティーはありません、違う世界でお楽しみください。
●今回のお話
クリスマスパーティーは無いけれど、別のパーティーの時間です。
存分に暴れてください。
●舞台
荒野。
隠れるものは何もなく、敵と猟兵の真正面からの殴り合いです。
脳筋から策略まで対応できる広さと規模をお約束します。
●その他
マスターページも参考にしていただけたら、幸いです。
それでは皆様、よろしくお願いします。
第1章 集団戦
『ロスト・レイダース』
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POW : バリアブルランチャー・バーストモード
自身の【虚ろな瞳】が輝く間、【背負った四連バリアブルランチャー】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
SPD : バリアブルランチャー・イージスモード
【四連バリアブルランチャーの自動迎撃モード】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : レイダース・カムヒア
自身の【略奪物】を代償に、【レベル分の人数のロスト・レイダース】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【四連バリアブルランチャー】で戦う。
👑11
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●行進
月光が照らす荒野。
蒼く光るヘルメットが死をプレゼントせんと行進を続ければ、反対より歩く者達。
姿は様々。
剣を持つ者も居れば銃を持つ者も居る。
徒手空拳の猛者も居れば、魔力を操る賢者も居る。
さらには人以外の姿も。
イエーガー
彼らこそ猟兵達。
レイダーズ
襲撃者を狩り、平和を奪い返す。
ブリンガー
奪還者達である。
互いが互いを認め、歩みを止めればタンブルウィードが彼らの間を横切り、線引きをする。
張り詰めた緊張感の中、誰かが踏み込んだ。
一歩。
二歩。
三歩!
暗黙のラインを超えた時、聖夜のバトルが始まった!
ミハエラ・ジェシンスカ
静かに……ふむ。暗殺をしろという事か
サンタクロースとやらは隠密の達人であると聞く
冗談だ。だが悪い手ではあるまい?
開戦時の混乱に乗じて【念動変異】を使用
敵の攻撃を受けたフリをして姿を消す【だまし討ち】
その手数の多さには親近感を覚えないでもないが、だからこそ十全に機能させてやるつもりはない
セイバードローン2基は敢えて実体化させたまま敵陣に斬り込ませ、その注意を惹くデコイとして扱う
クリスマスイルミネーションを騙るには些か毒々しい色合いだが目を惹くには充分だろう
私自身は実体と非実体を適宜切り替えながらその隙を突いて敵に【暗殺】をプレゼントして回るとしよう
トリテレイア・ゼロナイン
故郷は全スペースシップにワープドライブが搭載され祝賀ムード一色
私も暫しその雰囲気を味わってきましたが…最終的な居場所がこことは我ながら救いようがありませんね…(苦笑するような声)
騎士として人々に平穏をプレゼント出来るならば悪くありませんが!
機械馬に●騎乗しUC
ランチャーを●盾受けと穂先のバリアの●武器受けで防ぎ●怪力でランスの進行方向を操作
突撃で敵陣に大穴を開けます
センサーで●情報収集
肩部と頭部の格納銃器のスナイパー●武器落としで側面背後からの攻撃は武装を破壊し防御
突破後は●防具改造で装備する煙幕装置で●目潰し
反撃を躱し反転
再度突撃
子供に、夫婦に、恋人達に、善良な全ての人々に
メリークリスマス!
●赤い鼻のトナカイと黒のクネヒト
「静かに……ふむ。暗殺をしろという事か。確かサンタクロースとやらは隠密の達人であると聞く……それに倣えということだな」
「おそらく違うと思いますが?」
「冗談だ。だが悪い手ではあるまい?」
「……貴女もお人が悪い」
ミハエラ・ジェシンスカ(邪道の剣・f13828)の言葉をトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)が訂正しようとすれば、返ってくるのはいつもの狂相。
溜息をつくような動作と共に肩を竦めれば、トリテレイアは機械白馬の手綱を引き寄せる。
「それにしても、故郷は全スペースシップにワープドライブが搭載され祝賀ムード一色。私も暫しその雰囲気を味わってきましたが……最終的な居場所が此処とは我ながら救いようがありませんね……」
それも因果が、と割り切って馬に跨る白い騎士。
「だが、悪い気はしないだろう。結局は我々はウォーマシン……戦争の為に作られた人形。鉄と油の臭いがする場所がお似合いなのさ」
トリテレイアを見上げながら、発声機能のトーンを少し上げていくミハエラ。
「ですが、私達はそれだけでは足りず、互いに使命を追い求め猟兵となった。違いますか、サー・ミハエラ?」
「敬称はいらん。だが、お前の言っていることも否定はできない、なら今はやるべきことを果たそう、騎士サマ」
白と黒の二人の騎士はその場で別れを告げ、それぞれの戦場へと赴いた。
「ねえサンタクロースが来るって本当?」
ベース72と呼ばれる大型シェルターの一角。
パンケーキに刺された蝋燭が照らす中で少女が聞いた。
「ああ、聞いたことあるぜ。赤い鼻のトナカイが先頭を走るんだ」
得意げに兄である少年が答えると両親はそれを微笑ましく見つめていた。
ランスから展開される傘状のバリアがロスト・レイダースを切断すれば、赤い飛沫が舞い、機械白馬ロシナンテIIの鼻を汚す。
「やはり悪くないですな!」
白い騎士が勇壮なる叫びと膂力を以って機械槍を振り回せば、オブリビオンの壁に穴が開く。
だが、敵もすぐに大勢を立て直し、背部から展開された四連バリアブルランチャーを九連射。
ビームと実弾が無数に注がれるのをトリテレイアが盾で防ぎ、駆け抜ける。
だが斉射の雨を潜り抜けた盾は只のガラクタへと変わりはてた。
「騎士として人々に平穏をプレゼント出来るならば!」
大盾を投げつけ、肩と頭の装甲が展開すると、そこにあるのは騎士に似つかわしき銃火器。
炸薬が燃え、鉛が走れば側面へと回り込むレイダーズのランチャーを射抜く。
「残念ですが、これで終わりでは無いのですよ!」
白き騎士鎧を模した装甲から煙幕を発生すれば、ロストレイダーズはトリテレイアを見失い。状況を打破するために煙幕の外へと逃れる。
「子供に」
オブリビオンが見たのは
「夫婦に」
白馬に跨った白い騎士。
「恋人達に」
掲げた機械槍を自分達に向ければ
「善良な全ての人々に」
巨大な光の穂先へと変わり。
「メリークリスマス!」
真正面から駆逐すべく突入してきた!
ロストレイダーズの身が、また肉片となって舞い上がった。
「サンタさんはどうしてやってくるの?」
「そりゃよい子にプレゼントを上げるためさ」
「じゃあ、悪い子は?」
妹の言葉に答えられず困る兄、助け舟を出すように父親が口を開いた。
「悪い子は黒い服を着た従者が連れ去ってしまうんだ、だからお前達も夜更かししたり悪戯したりしちゃだめだぞ」
男の言葉に少年が後ろめたい表情を浮かべる。
それを見て、母が笑った。
一瞬だがヘルメット越しに見える痩身のウォーマシンの姿がかすんで見えた。
けれど、狩りの時間はもう始まっている。邪魔するものも獲物なのだ。
ロストレイダーズの一人がバリアブルランチャーを発射した。
だが光線はミハエラを素通りし、さらにその姿も消えてしまう。
直後、視界がずれた。
そう感じた時にはレイダースの意識がぷっつりと断ち切られた。
黒いウォーマシンが再び姿を現せば、その後ろには真っ二つに斬られたオブリビオンの死体が転がっていた。
実体無き赤と黒で彩られたミハエラが距離を詰める。
過剰な光でその姿をかき消そうとレイダーズのランチャーが展開し、エネルギーの充填を開始する。
瞬間、オブリビオンのヘルメットを貫く赤黒い刃。
「クリスマスイルミネーションを騙るには些か毒々しい色合いだが」
黒のフォースナイトを模した機体の周囲を飛び回るのは赤い光とブラックライトのフォースセイバー型のドローン。
「目を惹くには充分だろう」
殺意に満ちたイルミネーションが再び空を駆ければまた一人、ロストレイダースへ死が贈られた。
そこに生じる僅かな隙をミハエラは見逃さない。
即座に実体化すれば、理力剣を横に薙ぎ、レイダースの首を刎ねて再び非実体化。
別のオブリビオンの身体を非実体の身で素通りすれば、フォールンセイバーをレイダーズの身体へ置き、また実体化。
顕現した赤黒い刃がオブリビオンを内部から切り裂いた。
姿の見える黒い暗殺者。
なす術もなく一人、また一人と、オブリビオンの生命は攫われていった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
オブリビオンにはクリスマスなんて関係ないとはいえ、
よりによってクリスマスに襲撃しなくてもいいだろうに。
まあいいや、とりあえず何とかしようか。
さて、武器は四連バリアブルランチャーだけか。
なら、【慣応練磨】で敵の攻撃を覚えていけばいいかな。
最初のうちは走り回ってランチャーの攻撃を避けつつ、
回避が難しそうだったら斧を振り回して土煙を上げて目くらましにしようか。
ある程度攻撃をされて目が慣れてきたら、
ランチャーの攻撃を避けながら突っ込んで斧と拳でぶっ飛ばしていこう。
騒がしいのは好きじゃないんでね。
さっさと静かになってもらおうか。
ニレッド・アロウン
動くな!通りすがりのサンタクロースです!
空中より全力で翼をはためかせ、地面に大激突して衝撃で相手を吹き飛ばして登場です!え、私?こうみえてちゃんと魔力障壁による衝撃緩和はしておりますよー。
さて、プレゼントを欲しい子はいますかー?お前か?お前も?随分と強欲ですねー。それなら全員にプレゼントです!尤も悪い子にくれてやるのは死だけですけどね!
自身に風の魔力を纏い、余分な魔力を障壁に変換、そのままヒャッハー心を胸に空に翔けていきます!
相手が放つ弾丸は風の魔力で受け流しつつ命中するのは障壁便りに突貫!そのまま水晶鋏を双剣状にして大きく広げ、巨大なギロチンとして切り払っていきましょう!
ヒャッハーです!
東・理恵
「相手と真正面からの戦闘ですね、頑張りましょう。」「プレゼントです、破魔付きの砲弾をどうぞ。」
戦闘中は、戦車に【騎乗】して戦います。
【SPD】で攻撃です。
攻撃は、【制圧射撃】で【鎧無視攻撃】の【破魔】を付けた【属性攻撃】の【精密射撃】を【範囲攻撃】にして、『ロスト・レイダース』達を纏めて【2回攻撃】をします。相手の攻撃に関しては【見切り】【オーラ防御】【地形の利用】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)戦車でも回避行動はできるのです。」「さあ、オブリビオンは『骸の海』へ帰りなさい。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。
●サンタは空からやってくる
「そういえば、サンタさんはどうやってくるの?」
少女が問いかければ、次は母親が答えた。
「トナカイに乗って空を駆けてくるのよ」
「じゃあ、サンタさんは飛べるんだね?」
妹が目を輝かす姿に、兄である少年もなんだか嬉しくなるのを感じた。
「動くな! 通りすがりのサンタクロースです!」
空より声が響き渡り、ロストレイダーズが空を見上げると音速を超えたオラトリオが大地に激突し、ソニックブームと激突による振動で周囲のレイダーズを吹き飛ばす。
「さて……」
ゆっくりと立ち上がるのはニレッド・アロウン(水晶鋏の似非天使・f09465)。
魔力障壁で衝撃を緩和したとはいえ頭の中はまだ揺れている、だって着地するって言ってないし。
「プレゼントを欲しい子はいますかー?」
眼帯越しにオブリビオンを見れば、彼らが展開するのは四連バリアブルランチャー。
「お前か? お前も? なあ、お前もか? 随分と強欲ですねー」
敬語は使っているが多分、このオラトリオの出身は薩摩かそれに類するところであろうと推測される。
そして基本的に空気を読まないレイダーズが一斉に射撃を開始した。
「ヒャッ――――――――」
硝煙と閃光の中から叫び声が響き、風の魔力を纏ったニレッドが正面から
「ハァーーーーーです!!」
――突っ込んできた。
「それなら全員にプレゼントです!」
巨大な水晶鋏を両手に持てば、複数のレイダーズへ向けて。
「尤も悪い子にくれてやるのは死だけですけどね!」
鋏を持つ両腕に力を入れ、刃を広げるとそのまま敵に向かって一直線。
肉を切る音はしなかった、骨を断つ音がわずかにした、それ以上に何かが転がり落ちるボトボトっという音が鳴れば。
首を失った胴体のみのオブリビオンがたたらを踏み、大地へと倒れる。
「さあ、次は誰ですか? お前か? お前か? なあお前だろ?」
首を求めてオラトリオが再び荒野を飛んだ。
「サンタさんて、何か言ったりするの?」
「そう言えば聞いたことねえなあ」
妹の言葉に兄も呟く。
「ああ、それなら聞いたことあるぜ」
隣の区画に居る独身の青年がワイン片手にやってきた。
「何でもふぉっ、ほっほっって笑うらしいんだ」
フォン!
遠くより、空気を裂く音が鳴った。
ボッボボッ!!
コントルールされた制圧射がレイダーズの頭を叩き、行動を封じていく。
「プレゼントです、破魔付きの砲弾をどうぞ」
東・理恵(神の戦車乗り・f24407)が戦車に取り付けられた長口径の列車砲をオブリビオンに向けながら、呟いた。
最も戦車越しで聞こえるとは思えないし、オブリビオンも操縦しているのがバニーガールとは思っても居ないだろう。
また列車砲が火を吹き、反動を抑えきれず戦車が後退する。
発射時の轟音の後に響くのは長い砲身が生み出す恐るべき弾速による空気を裂く音。
そして複数の爆音。
「さあ、オブリビオンは骸の海へ帰りなさい」
破魔は必要なかったかなと思いつつ、理恵は無限軌道を動かし、戦車を前進させる。
神の虎が力を発揮する時間はまだ終わっては居ないのだ。
「ところで……サンタさんってどんな格好」
「ああ……」
妹の言葉に皆が頷く。
「赤い服を着てるよ」
その場に居たみんなの声が重なった。
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)の蛮族の戦斧がロストレイダーズを袈裟に斬ると鮮血がほとばしり、彼女の衣服を赤く染める。
「だいぶ慣れてきたよ」
戦うことが日常のペトにとって、戦場に『適応』することは生きるために必要なスキルであり、もはやユーベルコードですらあった。
最初は距離を取って逃げていたバリアブルランチャーも、今では一歩歩み、身体を捻るだけで射界から逃れることが出来る。
もう、レイダーズの武器は通用しないのだ。
「それにしても、オブリビオンにはクリスマスなんて関係ないとはいえ、よりによってクリスマスに襲撃しなくてもいいだろうに」
悪態と共に混沌の獣は斧を振るい土煙を舞わせれば、距離を詰め乱戦に持ち込む。
ペトの拳がレイダーズのヘルメットを叩き割って中身を砕くと、その死体を投げつけてオブリビオンの攻撃を封じ込め、一歩踏み込んで戦斧で追い打ちをかける。
また鮮血が舞い、今度は顔を汚した。
「騒がしいのは好きじゃないんでね」
口元の血を舌でなめとれば
「さっさと静かになってもらおうか」
混沌の獣は静寂をもたらすために戦斧を握り、それを全力で振り下ろした。
戦場が静かになるのに、長い時間は必要無かった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
織部・樒
アドリブ・連携OK
ザフェルさん(f10233)と共にお掃除
くりすます、とやらはよく分かりませんが、年末に向けて
大掃除は吝かではありません
すっきりとした正月を迎えたいものです
先ずは護法を呼び、自動迎撃の防御と、隙を見て
敵本体への攻撃をお願いします
但しザフェルさんが控えていますので、囮としての役割を優先します
護法は消える度に召喚し直し、必要なら合体して貰い
常に出来るだけ万全の状態に保ちます
……ところで、くりすます、とはどのようなお祭りでしょうか
何かのお祝いのようですが、何にしても周りを綺麗に
した後なら楽しめそうですね
ザフェル・エジェデルハ
樒(f10234)と共闘
他者連携等OK
せっかくのクリスマスだってのに、仕事熱心なこった
おかげでご馳走がお預けだ。スープが冷めないうちに退散願うぜ
撃ち漏らさないよう【暗視】で目を慣らし、
【範囲攻撃】【投擲】の技能を活かして
敵全体にユーベルコードを撃ち込む
特に樒の攻撃で敵が自動迎撃モードになった隙は逃さない
なお、【部位破壊】で敵の瞳および顔面を狙ってみる
敵の攻撃は【第六感】で察知し、【オーラ防御】や【武器受け】で
回避および防御すると共に、【衝撃波】での跳ね返しを試みる
防御成功後は【カウンター】攻撃を行う
てめぇらに一時の幸福な時間を邪魔する権利はねぇ
骸の海へ消えやがれ!!
●静かな夜のプレゼント
「サンタさんの話、もうちょっと聞きたいな」
少女がさらにせがむ。
父親は微笑んで、口にするのはあるクリスマスイブを唄った詩。
「それはクリスマスの前の晩、家中で……」
「せっかくのクリスマスだってのに、仕事熱心なこった」
ザフェル・エジェデルハ(流離う竜・f10233)が皮肉交じりに魔力で練り上げた無数の槍が次々とロストレイダーズのヘルメットを貫いていく。
「おかげでご馳走がお預けだ。スープが冷めないうちに退散願うぜ」
その口ぶりに織部・樒(九鼎大呂・f10234)がくすりと笑う。
相棒の性格なら、真っ先にこちらに来るだろうと分かっているから。
「くりすます、とやらはよく分かりませんが、年末に向けて大掃除は吝かではありません」
樒が印を結び、護法童子を召喚する。
「なので、すっきりとした正月を迎えたいものです」
腕輪や頭飾りに数字が刻まれた童の神霊は二人を守る様にレイダーズへと立ちはだかった。
五十と七体の護法に対し、立ちはだかるは無数の無法。
童子が距離を詰めていけば、数が多いと見たオブリビオンが自動迎撃モードに切り替えて、行動のリソースを移動へと費やす。
手足が自由な四連バリアブルランチャーという武器があっての動き。
火砲が勝手に砲撃してくるなら、自分達はそれに適した行動をすればいいだけ。
次々と護法童子が消えていく中、ロストレイダーズは後ろに控える猟兵を刈り取らんと前に進む。
だが……その先を塞ぐように再び槍の雨が降ってきた。
「てめぇらに一時の幸福な時間を邪魔する権利はねぇ」
ザフェルであった。
オブリビオンが童子へと照準を合わせると、それ以外の目標への迎撃が出来ないと看破しての追撃。
コントロールされた槍が次々と頭を、目を、貫いていく。
「骸の海へ消えやがれ!!」
徹底的な攻撃が叩き込まれる中、樒も印を結び直し、童子達を合体させて強化させる。
敵の数が減るなら、必要なのは量と質のそろった追撃。
数字が合計され、十倍の力を持った五体の神霊を七体の童子がフォローに回り、手堅い方法でもみつぶす。
火砲だけの敵に槍という名の砲撃と護法童子という歩兵による連携攻撃。
Combined arms.
俗にいう諸兵科連合戦術である。
「……ところで、くりすます、とはどのようなお祭りでしょうか?」
全てが片付き、文明が失われたことで蘇った星空の下で樒が問いかける。
乳白色の肌が月光に照らされ、クリスマスのネオンとは違う彩りを相棒が見せる中、ザフェルはそうだなと頬を掻き。
「何でも、聖人のお祝いの日らしいぜ」
「成程、何にしても」
天目茶碗のヤドリガミが空を見上げる。
「周りを綺麗にした後なら楽しめそうですね」
竜の使い手は笑みを浮かべ、そうだな、と再び答えた。
「それからソリに飛び乗って、トナカイたちへ口笛を吹くと枯草が舞うように、飛んでいってしまうんだ。でもね見えなくなる前に、サンタさんが叫ぶんだ」
父親の言葉はまだ続いていた。
「クリスマス、おめでとう! みんな、お休み!」
船をこぎ始め、互いに身体を持たれかける兄妹を見て、両親はそっと毛布を掛けてやった。
――Merry Christmas.
大成功
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