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蒼穹街のメリー・クリスマス

#UDCアース #お祭り2019 #クリスマス


●聖夜くらいは武器を仕舞って
 UDCアース、十二月二十四日。
 街は浮き立ち、待ち焦がれていた聖夜を祝う。行く人も来る人も、それぞれがそれぞれの聖夜を、それぞれのやり方で楽しみ、祝っているようだった。ショッピングモールの広場にあるツリーにはたくさんの装飾と電飾が飾られ、光るその瞬間を待っている。
「ツリー、早く光らないかな」
 少女はツリーを見上げ、吹いた風に寒そうに身を縮めた。
「日が落ちたら点灯だってさ。去年と同じ。――きっと今年もここでカップルが出来るんだろうね」
 少年が、身震いする少女の手を取って握る。少女の頬が僅かに上気した。きっと、その赤みは寒さのせいだけではないだろう。
「……私たちみたいに?」
「そう。……一年間ありがと。また来年も、このツリーを二人で見に来たいな」
「えへへ、うんっ――私もっ」
 少年と少女、ひと組のカップルが、大きなクリスマスツリーの下で笑みを交わし、ショッピングモールへ消えていく。
 ここは蒼穹街――スカイポートタウン。
 この辺りでは随一のデートスポットにして、今回の猟兵達の目的地である。

 所はグリモアベース、いつもの片隅。聖夜も近く盛り上がる猟兵達を目を細めて眺めながら、壥・灰色は集まった猟兵達へ、いつも通りに口を開いた。
「さて……今回は仕事の依頼じゃない。クリスマスくらい、好きに休んで好きに遊べ、という事で、きみ達の転送を買って出たい」
 灰色は六面立体パズル様のグリモアを指先でくるくると回転させながら、転送先の説明を始めた。
「全世界的に祝い事をするらしくてね。普段の慰労もかねて、って所だろうか。……おれの担当はUDCアース。ところは、複合商業施設『スカイポートタウン』。服飾、玩具、嗜好品、なんでも揃うショッピングモールに、豪華な食事の出来るレストランもある。一晩泊まりたいならホテルの部屋も空いているってことで、至れり尽くせり。部屋やレストランの空きは協力UDC組織の厚意ってことなので遠慮なく甘えよう。……基本の行き先はスカイポートタウンとはしてあるけど、個別に行きたいところがあれば教えてくれ。どこにでも飛ばすよ」
 六面揃ったグリモアが、光を発して宙を切り取り、『門』を開く。
「スカイポートタウンのクリスマス名物は、午後五時頃から点灯する巨大クリスマスツリーだって話だ。ベタだけど、この下で愛を誓ったカップルは、次のクリスマスまで仲良くいられるってことらしい。……次の年まで、ってのがミソだね。また来させる気満々で」
 灰色は軽く肩を竦めて言い――まあでも、と片目を閉じて続ける。
「それでも良いんじゃないか。かわいい願掛けだと思ってさ。おれたちの稼業は死と隣り合わせ。こんなささやかな願掛けでも、生きる力になるのなら悪いコトじゃない。――たまには思う存分羽を伸ばしてきてくれ。いつも任務、お疲れ様。ささやかだけどこの片道切符が、おれからのクリスマスプレゼントだ」

 メリー・クリスマス。

 灰色はかすかに笑んで言うと、猟兵達をスカイポートタウンへ送り出すのであった。



 お世話になっております。
 煙です。
 クリスマスですよ。
 小休止として、日常のワンシーンなどいかがでしょうか。

●スカイポートタウン
 ロマンチックな高層ホテルにショッピングモールと各種食事処、映画館やゲームセンターなどのアミューズメント施設が揃ったパーフェクトリゾート施設。どこぞかのUDC組織の息が掛かっているらしく、今回の慰労地に選ばれました。
 基本何でもありです。デートに必要とされる大体のものがありますので、POW/SPD/WIZの選択肢に依らず、なんでもご用命ください。

●よそにいきたい場合
 目的地がUDCアース内にあるのであれば、スカイポートタウン以外への転送も承りますので、場所の指定などあれば任意でお願いいたします。

●リプレイ内の時間帯
 ご指定が無ければ、だいたいイルミネーションが光りだす夕方頃になります。
 ホテルの一室などだと空気を読んでもうちょっと遅くにしたりするかも知れません。
 明確にご指定がありましたら、こちらも任意でご指定下さい。

●プレイング受付開始日時
 公開と同時に受付開始です。

●プレイング受付終了日時
『2019/12/27 23:59』

●お受けできる人数について
 今回の描写範囲は『無理なく(日に三名様程度)』となります。再送はお願いしない範囲で、できるだけ努力いたします。
 プレイングの着順による優先等はありませんので、お気軽にプレイングを掛けていただけましたらと思います。

 それでは皆様、此度もよろしくお願い致します。
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第1章 日常 『UDCアースでクリスマス』

POW   :    美味しいパーティー料理を楽しむ

SPD   :    クリスマスイベントに参加したり、観光を楽しむ

WIZ   :    恋人や友人との時間を大切に過ごす

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
ムルヘルベル・アーキロギア

同行:織愛(f01585)

織愛よ、ワガハイは今日ぐらいは落ち着いて過ごしたいのだ。
……いつもそうだろ、とか言うでないぞ。いいな、言うでないぞ。
とにかくクリスマスなのだ。あまりはしゃがず甘味に舌鼓を打とうではないか。
いや、ワガハイ引っ張り回されたくないから先手を打っているだとか、
そんなことはこれっぽっちもないのである。マジで。True。
そういうわけだ、奢ってやるからビュッフェに行くぞ! スイーツが我らを待っている!!
まあ、あれだ。ワガハイなりにいつも世話になっているのだしな。
プレゼント代わりということで、楽しむとしようではないか。
そんなわけで、ワガハイはスイーツを片っ端から食らうのである!


三咲・織愛

ムーくん(f09868)と

えっえっ、どうしたんですか?
いつも落ち着いていると思うんですけど……って言っちゃいけないんですね
わかりましたっ(ぱしっと口を抑えるもなんで?って顔)

(9割くらいわかってない顔でふんふんと頷きつつ)
!! ビュッフェ! わあぁ、行きます行きます! やったー!
私、クリスマスモチーフの可愛いスイーツ食べたいです!
奢ってもらっちゃっていいんですか?
それじゃあ、今度は私の奢りでムーくんをどこかに連れていきますね。約束です!
楽しむとしようではないかー! (真似っこしつつ拳を天に突き上げ)
山盛りにスイーツを確保していっぱい食べます
美味しそうなものがあったらムーくんにも分けますね



●ふたりの甘い一日(物理)
 壮麗に飾り付けられたクリスマスツリーの下、行き交う人々は皆笑顔で足取りを弾ませている。何でもこのクリスマスツリーの下で想いを交わした恋人達は、一年後まで決して解けぬ赤い糸で結ばれるとのことなのだが――
「わあ……! すごい、すごいですよムーくん! ほんのたくさんあるお店も、雑貨のかわいいお店も、ブランド直営店もたくさん入ってるみたいです! これは一日あっても回りきれないかもです、二日にわけて歩くべきでしょうか、どこから行きましょう……! ああっ前から行きたかったコスメのお店もあります……!」
 その華やいだ声は全く、その伝説に関して無頓着な調子で紡がれた。
 ロマンティックなムード漂う広場の片隅で、目を輝かせるのは三咲・織愛(綾綴・f01585)である。手許に広げるはスカイポートタウンのパンフレットだ。
 恐るべきことに、スカイポートタウンには彼女のバイタリティをもってしても一日では巡りきれぬほどの店舗が詰まっている。かわいい雑貨、アクセサリー、素敵な服、ぬいぐるみ、フェイシャルケアグッズ、基礎化粧品、コスメ――女子が嫌いな訳のない、そんな素敵なショップがずらり。彼女らの求める何もかもが、ここにはある。
 ――ある種の危機であった。
 なんの危機か? それは当然、引きずり回される者の危機である。諸君らは知っているだろうか。パートナーの買い物に巻き込まれた出不精の男性の、あの死んだ魚のような目を……!
 少女の傍らで口をチルダ(~)のようにして口を閉じていた少年――いや実年齢的には少年と言うには及びも付かぬ永きを生きた賢者なのであるが――が、重々しく口を開いた。
「織愛。織愛よ。ワガハイの話を聞くのだ」
 まるで天の声のようなトーンで少年は口を開いた。オパール色の髪に紫水晶の目。悠久を生きる賢者、ムルヘルベル・アーキロギア(宝石賢者・f09868)である。
「えっえっ、どうしたんですか? 急に改まって」
「今から重要な話をする。心して聞くのだ」
「は、はい……?」
 ムルヘルベルを向き直る織愛。少年は神妙な表情を作り、落ち着いた口調で続けた。
「ワガハイは――今日ぐらいは落ち着いて過ごしたいのだ」
 この年の暮れまで予知、予知、予知、予知、先にあったアース・クライシスの余韻覚めやらぬままに仕事仕事仕事仕事……。
 ムルヘルベルは疲れていた。いやさ、疲れ切っていたと言ってもいい。
 きょとんとする織愛(多分クリスマスにハシャがずいつハシャぐの? と思えるタイプのアクティブさを持つ女子)の顔に言い含めるようにムルヘルベルは続ける。
「いつもそうだろ、などと言うでないぞ。よいか織愛よ」
「……いつも落ち着いていると思うんですけど?」
 舌の根も乾かぬうちに織愛が首をかしげた。大抵の場合インドア賢者に運動強度を合わせている脳筋、もとい織愛の記憶では、落ち着いてなかったことがあまりないのだろう。然もありなんである。だが今日はムルヘルベルも退かなかった。
「言うでないぞ」
 ゴリ押しである。必死であった。
 なんせここで退けば最後、おそらく日暮れまで引き回され、疲労によりボロ雑巾めいて地に転がるは必定。
「そも、クリスマスとは聖者の降誕を記念し祝う祭日であって、決してそれを口実として莫迦騒ぎをする日ではない。様々な土着信仰との結びつきを経て形骸化し、今日ではただ浮かれ楽しむ日と扱われることも多いが、決してただそれだけの日ではないと知っておかねばならぬ」
「はあ、なるほど……? わかりましたっ」
 お口にチャックのゼスチャーを取る織愛。あっこいつ解ってねぇなの顔をするムルヘルベル。具体的には九割ぐらいわかってない。
「とにかく、そういうわけであるからしてワガハイはクリスマスを厳かに祝いたい。具体的にはあまりはしゃがず甘味に舌鼓を打とうではないか。聖餐の曰くに則るわけではないが、時には聖夜の起源に思いを馳せながら、大人のクリスマスの過ごし方というのを味わうのも悪くはなかろう?」
 ノンブレスの長広舌。いや、決して引っ張り回されたくないから先手を打っているとかそんなことはこれっぽっちもない。マジで。マジTrue。ただ死にたくないだけである。
「ムーくんがそう言うんでしたら……」
 ブランドショップに後ろ髪を引かれるような調子で織愛がパンフレットを畳み出したところに、ムルヘルベルはダメ押しとばかりに言葉を重ねた。
「そういうわけなので、ワガハイの奢りでビュッフェに行くぞ、織愛よ! 見ればショッピングフロアの上層階はどこも外食店、スイーツ祭りをするのに絶好の環境だ。しかもこのクリスマスの掻き入れ時、スイーツビュッフェを執り行っている店も一つ二つではない!」
「!!」
 織愛は目を丸くして長い耳を跳ねさせる。その目の前に、ムルヘルベルはトドメとばかりにパンフレットの一ページを突きつける。
 クリスマス限定で催行されているスイーツショップの限定ビュッフェや、有名シェフとのコラボレーションビュッフェなどが、カラフルなフォントでページに踊る、踊る、踊る……!
「ビュッフェ! わあぁ、行きます行きます! やったー! 私、クリスマスモチーフの可愛いスイーツ食べたいです!」
「思う様食べるがいい! 何せビュッフェ故な、いくら食べても咎められることはなかろうよ!」
「わぁい、やったー! ……でも、奢ってもらっちゃっていいんですか?」
 何かそれは少し悪い気がします、と眉を下げる織愛に、ムルヘルベルはほんの少し目を細めた。彼女の力を頼った数々の依頼、そして時には共に駆け抜けた戦線のことを思い出す。――思えば、随分多くの戦場を抜けてきたものだ。
「……まあ、あれだ。ワガハイなりにいつも世話になっているのだしな。プレゼント代わりということで」
 正面から礼を言うには、少しばかり照れくさい。横に視線を流してムルヘルベルは告げ、咳払いを一つ。
「……ふふ、それじゃあ、今度はいつか、私の奢りでムーくんをどこかに連れていきますね。約束です!」
「機会があれば、な。――では、楽しむとしようではないか」
 宝石賢者は織愛を導くように、大股に歩き出す。
「ふふー、楽しむとしようではないかー!」
 言葉を真似て、織愛は彼に並び立ち、続いた。
「行くぞ織愛よ。スイーツが我らを待っている!」
「おー!」
 斯くして賢者と綺羅星が目指すは、地上の楽園、グルメストリート・クリスマス・スイーツビュッフェ……!


 暫時のあと。
 店内。
「…………織愛よ」
「何でしょう、ムーくん? あっ、これも美味しそうですね……!(ひょいひょいひょい)」
「なんだ。その。それは、食べきれるのか?」
「大丈夫です! おかわりもしますよ!(ひょいひょい)」
「……そうか」
 皿にこんもりと、タワーのように盛られたスイーツの山に、さらにエクレアとタルトが積まれていく。
 これがビュッフェであることを神に感謝するムルヘルベルなのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルーノ・アルジェ


……。
………。

困った。戦わなくても良いし、色々あるって言われたけど。
…何をすればいいんだろ…?
欲しいものも、特に思いつかないし。
あっちの方はなんだか賑やかすぎるし…っていうか、どこもぴかぴかしてて、ちょっと苦手。
あ、でも、美味しいものが食べられるって聞いたような……どこにいけばいいんだろ。
…クリスマスって、強敵だね。分からない事だらけ。

…まあ、いっか。
とりあえず、色々歩いてみよう、かな。
人がたくさんいて、にぎやかで、ふわふわしてて。
それで、みーんな笑ってる。
こういうのは初めて、だけど。悪くは…ないかも。

個人的にはもう少し、ぴかぴかしてないと嬉しいけど、ね。



●眩い倖光
 夕刻。道行く人々はその悉くが笑顔を浮かべ、まるで偏在する幸せをこの町並み一区画に集めたかのような様相であった。
 人々は皆思い思いにクリスマス・イブを楽しんでいる。ツリーに点ったイルミネーションの光に照らされれば、ぐずる赤子とて笑顔になった。
 雑踏は笑みで溢れている。笑っていないものなど一人としていない――
「……」
 ――否。
「…………困った」
 雑踏の外れに、眉を下げた少女が一人いた。青みがかった銀の髪に藍色の瞳、季節に似つかわしくない、所々綻びた軽装をした少女だ。名を、ルーノ・アルジェ(迷いの血・f17027)という。
「戦わなくても良いし、色々あるって言われたけど……欲しいものも、特に思いつかないし」
 望めば色々なモノが買えるとも聞いていたし、グリモア猟兵が言うにはこの任務はただの慰労だという話でもあった。――けれども、それが問題なのだ。

 何をすればいいのか、わからない。

 ルーノは悩んでいた。と言うのも、彼女はもっぱら戦闘を得意とする猟兵である。彼女の故郷はダークセイヴァー。安息とはほど遠い地に、夜の血族たるヴァンパイアと奴隷の娘として生を受けた。
 日の差さぬ、終わらぬ夜のなかにある世界。命を永らえるだけでも幸福とされる世界に生きたからすれば、イルミネーションに彩られたスカイポートタウンは眩すぎる。
「どこを見てもぴかぴかしてて、落ち着かないな……あ、でも、美味しいものが食べられるって聞いたような」
 きゅう、と可愛らしくお腹が鳴る。きらびやかな装飾品や美しい服は欲しくないけど、美味しい食事となれば話が別だ。
 ……問題は、どこに行けばそれにありつけるのか、と言うことだったが。
 沈思すること数秒。
「――まあ、いっか。とりあえず、色々歩いてみよう、かな」
 ルーノは腹を括って、眩しすぎる方を避けて歩き出した。
 大抵の敵に怯むこと無く戦えるルーノだったが、クリスマス相手は勝手が違う。――戦うべき相手がいない。すべきことが分からない。不明ばかりだ。
 ――けれど、そんな分からない事だらけななかでも、はっきりしていることがある。
(――人がたくさんいて、にぎやかで、ふわふわしてて)
 ルーノはイルミネーションの光に眩しげに目を細める。
 浮き立つようなムードが流れる中、行き交う老若男女の表情は――
(それで、みーんな笑ってる)
 笑顔。
 たくさんの幸せの形が、ルーノの目に映り込む。
 ダークセイヴァーではそうそうお目にかかれない光景だ。圧政で苦しむ民に、生を喜ぶ余裕など無いのだから。あの闇の世界では、みな、生きるために生きていた。だからこそ、こうして生を楽しみ、幸せを享受する人々というのを目の当たりにすることはなかったのだ。
 んな眺めの中に身を置くのは初めてだった。――けれど、悪くはないかもしれない。
 いつか、こんな光景が故郷にも訪れれば良い、と思う。
「個人的にはもう少し……ぴかぴかしてないと嬉しいけど、ね」
 ……そう、光量はもう少し、抑えめで。
 闇に慣れた目には、この世界の光はほんの少しばかりに目に染みるのだ。
 細めた瞳もそのままに、ルーノはスカイポートタウンを行く。
 ――その後程なく迷い込んだフードコートで、UDCアースのグルメにちょっぴり詳しくなったのはまた、別の話。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メルト・プティング
大好きなベアータ(f05212)さんとツリーを見に行きますよっ

誰かと一緒のクリスマスって初めてなので、とっても嬉しいのですっ
猟兵になる前はそういうのとは無縁でしたしね

「わぁわぁ、本当に綺麗ですねっ!まるで宇宙に散らばる星空みたい!」
手を差し出してくれたり、気遣ってくれたり、やっぱりベアータさんは優しいのです
繋いだ手から伝わる温もりが、それを証明してるみたい、なんて

「はい、来年も来ましょうっ。えへへ、また楽しみが増えちゃいましたっ。」
来年だけじゃなく、その先も
ずっとこうやって一緒に居れたらいいな……なんて言ったら、困らせちゃいますよね
だから、これは想うだけ
地上の星空に、そっとお願いするのです


ベアータ・ベルトット
クリスマスにメルト(f00394)とお出かけ。…で、デートじゃないっての!

華やかな街並み、陽気な音楽に思わず心が躍る
メルト、寒くはない?
…しっかし流石の賑わいねぇ。はぐれないように手ー繋ぎましょうよ
ん…。こうすると、ちょっとはあったかいわね(どきどき)

2人でツリーを見物…こんなイベント、自分には無縁のモンかと思ってたけど
隣ではしゃぐメルトがキラキラして見えるのは…イルミネーションのせい?
「綺麗だわ、とっても」…あ。つ、ツリーの事だから!

…約束事は好きじゃない。今を生きるのに精一杯で、守り抜ける自信が無いもの
…でも、今日ぐらいは
「…来年も、一緒に観に来ましょ。必ずねっ」
―そんな、ささやかな願いを



●星に願いを
 真新しく華やかな街並みに、クリスマス・ソングが流れていた。心躍らせるような旋律に、行き交う人々の脚まで弾む。
 スカイポートタウン入口。和やかに笑う人波の中を、ツリーを目指して、二人の少女が歩いて行く。
 ――なんでも、そのツリーには魔法が掛けられているのだそうだ。
 一年關きっと解けない魔法。聖夜に結んだ約束は、きっと解けることなく、次の聖夜まで貴女たちを結びつけるのだ、と。
 少女の片割れ、ベアータ・ベルトット(餓獣機関BB10・f05212)は手にしたパンフレットの中に記されていた内容を思い起こし、ほんの少し頬を赤らめた。
 一年間解けない魔法を探して二人で歩いているこの状況は、まるで逢い引き――
(デートじゃないっての! ただのお出かけだってーの!!)
 ぶんぶんとベアータは首を振り、内なる思考を振り払う。
 ちらと横を伺えば、楽しげに口元を緩ませ、歩調を合わせて並び歩くブラックタールの少女――メルト・プティング(夢見る電脳タール・f00394)がいる。ライトアップされた街並みはどこも美しく、輝きに満ち溢れている。
 その眩い景色に奪われた彼女の視線が、ちょっとだけ妬ましい。
「メルト、寒くはない?」
「大丈夫ですよっ、ベアータさん! お気遣いありがとうございます!」
「なら良いけど。……ん、流石にちょっと混んできたかしら」
 寒さも何のその、と言った様子のメルトに目を細めながらも、ベアータは周囲に気を配る。ツリーに近づくにつれ人混みの密度は明確に上がっていく。
「流石の賑わいねぇ。メルト、はぐれないように手ーつなぎましょうよ」
「はぁい!」
 手を差し伸べながらのベアータの提案に一も二もなく、メルトがベアータの手を取る。掌から伝わるぬくもりに、ベアータ、内心で狼狽一つ。
(~~~、そんなあっさり握られたら、どきどきしてるのがこっちだけみたいじゃないっ)
 やきもきする内心を隠して、ベアータは赤らんだ顔に取り澄ました表情を浮かべる。
「こうしてると、ちょっとはあったかいわね」
「えへへ、そうですねっ。……ボク、誰かと一緒のクリスマスって初めてなので、とっても嬉しいのですっ。猟兵になる前は、そういうのとは無縁でしたし」
「ああ、そうなのね。……私も似たようなものよ。こんな煌びやかで、平和で――笑顔に溢れているような場所で、二人でツリーを見ることになるなんてね。自分には無縁のモンだと思ってたわ、こんなイベント」
 ――ああ、本当に、誰かと一緒に来ることになるなんて、考えもしなかった。
 かつて、秘密組織に植え付けられた機械刻印。餓獣機関BB10。この腕は機腕、この脚は機脚。血を求める本能が言う。“貴様はヒトではない”――と。
 続ける言葉に惑うように言葉を切ったベアータの手を、メルトがきゅっと握りしめる。
「なんだ、じゃあ、同じですね、ボクたち。……手を差し伸べてくれたり、ボクのこと気遣ってくれたり、やっぱりベアータさんは優しいのです。この手だってこんなに温かい。それだってきっと、ベアータさんが優しいからなのです」
 メルトはゴーグル越しにはにかみ、言う。
 ベアータは言葉を詰まらせた。それはまるで内心で回顧した、殺戮餓獣たる己の本性すらも、彼女の言葉が赦してくれた気がしたから。
 不自然にならぬように、なんとか言葉を絞り出して返す。
「……大げさね。優しくなんて、ないわよ」
「えぇー、優しいと思いますよぅ。……あ、ベアータさん、ツリーが見えましたよ!」
 華やぐメルトの声に視線を上げれば、遠目に大きなツリーが見えた。
 電飾に彩られ、きらきらと煌めくクリスマスツリー。きっと見るのも初めてなのだろう、メルトははしゃいだ語調のまま言葉を連ねる。
「わぁわぁ、本当に綺麗ですねっ! まるで宇宙に散らばる星空みたい!」
 ――束の間、その横顔に見惚れた。
 ツリーのイルミネーションが明滅し、光が天辺から下へと滑るように落ちては、また天辺から溢れる。LEDが見せるかりそめの星雨。
 それを、まるで本物の銀河のようだと無邪気に笑って、夢見るように見上げるメルトの横顔は、喩えようもなく――
「――そうね。綺麗だわ、とっても」
 ベアータはほとんど無意識に呟いていた。
 ――あ。
 一瞬後で自分の口を衝いて出た言葉に頬を紅潮させ、
「つ、ツリーね! ツリーのことだから!」
「? はい、綺麗ですよねっ。見られてよかったぁー!」 わーい、と無邪気な様子で喜ぶメルトに、額の汗を拭うベアータ。
(……んんん、伝わらないのも伝わらないでなんだかちょっとやきもきしなくもないけどっ……!)
 けれども伝わったら伝わったで恥ずかしくて悶えそうである。
 大きく呼吸を一つ。一息ついて、ツリーの近くへと歩を進める。
 間近に迫れば、ツリーの大きさが改めて分かる。二十メートルはあろうかという巨大なツリーだ。クリスマスの間だけ、このサイズの構造物を広場の中心に立てるのだ。実体は木ではないのは目に見えていたが、それでも、間近で見ると圧倒される。
「ふわあ……近くで見ると、本当にすごいですねぇ」
「そうね」
 口をぽかんと開けてツリーを見上げるメルトの横顔を見ながら、ベアータは束の間、目を閉じた。
 ――約束は好きじゃない。反故になれば哀しいし、生きるのに精一杯の状況下で、守り抜く自信も無い。猟兵の仕事は死と隣り合わせ。いつ、誰がいなくなってもおかしくないのだ。
 ……けれど、そう、今日ぐらいは。
 一年に一度の聖夜くらいは。ツリーの魔法を借りて、約束をしてみたっていいと思う。
「……ね、メルト。来年も一緒に観に来ましょ。必ずねっ」
 この約束の木を、二人で――と。
 手をきゅっと握ってのベアータの言葉に、メルトは嬉しげに笑って頷いた。
「はい、来年も来ましょうっ。えへへ、また楽しみが増えちゃいましたっ」
 眩いばかりの笑みを浮かべて、メルトはベアータの暖かい手を、同じほどに強く握り返すのだった。


 ――本当は。
 来年だけじゃなく、その次の年も、その次の次の年も――ずっとこうやって一緒に居れたらいいな……なんて。
 そう思ってるって言ったら、きっとベアータさん、困っちゃいますよね。

 メルトは半歩寄せてベアータに肩を預け、腕を深く絡めた。
 言葉にはしない。――いつか伝えられたらと思うけれど、それはきっと今ではないのだ。

 だから、これは想うだけ。
 地上の星空に、そっとお願いを託しましょう。
 いつか迷わず、そう伝えられる日が来ますように、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ラフィア・ミセルス

キリさん(f03828)と

確かに、ダークセイヴァーとは違う賑やかなクリスマスにはしゃいだのは私だよ
それでゲームで勝ったほうがご飯奢るって言ったのも私だけど

なにもこんなボコボコにすることなくない?(小刻みな震え)
えっなに?なんでそんな技出るの?(ガチャ押しプレイ)
すっかり隠居してますからみたいなノリだしゲームなんてしないと思ってたのに!
あ、あと一回だけ…!

(なお負けた模様)

うう…お給料が奢る前に連コインで消えてった…っつめた!?
今度はなに…って、これ本?
わ、こっちの世界の図鑑だ
いいの?ありがとキリさん!じゃあ私からも
石を研いで作ったナイフだよ
小さいけど料理には使えるから、これでまたご飯作ってね


キリ・ガルウィング

同行:ラフィア(f24116)

勝つも負けるも興味はねェが
わざわざ負けてやる義理もねェ

…格闘ゲームならまあ、やった事がない訳でもない
俺にも一応、若い頃ってのもあったからな
(空中ハメ)
(投げハメ)
(流石に壁ハメは泣かせそうだからしない)

ったく、連コインするくらいなら飯に一品追加しろよ
レバー握ってたって腹も膨れねェ
最後の一回もおとなげなく勝ち取って
冷たいコーラの缶底を、よく喚く頰に押し付ける

ついでに、程よい厚みの平たい包みで額をぺちり
中身は
ダークセイヴァーには咲かない、この世界の花図鑑
今度此処に拠点を作るらしいから
ご苦労な事でと思いながら。

(食べる量は腹八分目くらいに手加減をする。一応。)



●昔取った杵柄っていうか絶対アンタやりこんでましたよねってやつ
「ねぇねぇキリさんキリさん」
「なんだ」
「せっかくこんなに大きなゲームセンターもあることだし、ちょっと賭けをしようよ」
「賭けェ?」
 まあ、それはちょっとした出来心のようなものだったのだ。
 ダークセイヴァーでは到底見られない絢爛豪華な、光に満ちあふれたクリスマスに浮かされるように、少女はひとつ提案をした。
「そうそう。ゲームで勝った方がご飯を奢るとかそういうやつ。そういうのちょっとやってみたかったんだよね。やろうよ、命の取り合いってわけでもないしさ」
 ねぇねぇーねぇねぇー。
 金髪の男の周りをちょろちょろと回る紫紺の髪をした少女。男は頭が痛いとでも言いたげに額に指を押し当てた。そのまま眉間をぐりぐりと揉みほぐす。
「うるせェな。分かったよ。勝負してやるから大人しくしろ」
「やった!」
 案外圧しに弱いのかも、などと、少女が勝たぬうちから奢らせるメニューを考える傍ら、「その代わり」という宣告めいた声が鳴る。無論、金髪の男の声である。
「ん?」
「負けても泣くなよ」
「……んん?」
「勝つも負けるも興味はねェが、勝負するって言うんなら、わざわざ負けてやる義理もねェ」
「……んんん???」
 これはもしかして、虎の尾を踏んだのでは?


 デュンデュンッディロリロリッ クロノォース! デュンデュンデュンデュンッディロリロリッ メサイァー!
 クロノォース バァサァース メサイアァー!!
 デッドオァアラァイヴ ラウンドワン ファアイッ!!
(ふふん、このゲームは初めてだけど隠居決め込んでゲームなんてやってないだろうし、キリさん相手なら私だって)
 ヒュッパパパパパパパシッオラァッドグァッオラァッドグァッ
「あ、あれっ」
 ブットビヤガレッオラァッドドドドッリロードドドドドッリロードッドドドドドドガッ(32Hits multiple Combos! Fantastic!)
「ちょ、ちょっとー!? 私のキャラ地面に着かないんだけど!?(ガチャガチャガチャガチャ)」
「なるほど、着かせて欲しいか(ガチャチャッッターーン)」
 パシッオチロォッグシャァッパシッオチロォッグシャァッパシッオチロォッグシャァッパシッオチロォッグシャァッパシッオチロォッグシャァッパシッオチロォッグシャァッパシッオチロォッグシャァッパシッオチロォッグシャァッパシッオチロォッグシャァッパシッオチロォッグシャァッ
「ああああああああやめてやめてやめてやめてやめて! 私のキャラが! バスケットボールみたいに!!」
 ナムサン! バスケのドリブルめいた無限投げコンボ! これは超技巧の上に成り立つ台パン必至のキンジテ、ナゲ=ハメ!!
「じゃあ終わらせるか(ガチャチャチャチャッタタァン)」
 シャキーンットキヨトマレッ(デューンッ)ドガガガガガガガガガドガガガドガガガガッドガガガガガガガガガドガガガドガガガガッオマエハシニスラキヅケナイ フルコンタクトデスバレット!! バギャアアアアアアン
 >>>>>K.O.<<<<<
 クロノォース ウィーン
 オレニデアッタノガオマエノフコウダ
「一本先取」
「ちょっと」
「ルールは……ああ、三本先取か、この筐体は」
「ちょっと」
「なんだ」
「なにもこんなボコボコにすることなくない?(小刻みな震え)」
「言っただろ、わざわざ負けてやる義理はねェってな。それより二回戦始まるぞ」
 ラウンドツー ファアイッ!!
「ファァイ!! じゃなあぁい!! えっ何それ何その技?! 何でそんな技出るの? ちょっ、ああっ、待っ」
 空中に旅立ったままサンドバッグ状態となり帰ってこないまま死ぬメサイア(ラフィアの使用キャラ)。
「二本先取」
「――」
 少女、ラフィア・ミセルス(ルミノックス・f24116)はその時、気づいたのだという。
 ひとを見た目で判断しちゃ……いけないってことに……。
 キリ・ガルウィング(葬呑・f03828)はそのまま涼しい顔で、ラフィアのキャラクターをパーフェクト粉砕ファイナルアーツフィニッシュパーフェクト勝利。
「~~~~~~~~~、このゲームはキリさんに有利すぎると思うので仕切り直しを要求するよ! 次はあっちの! もう一回! 次こそ本気!!」
「へいへい」
 ラフィアはなけなしの百円玉をちゃりちゃりと財布から取り出し――


 十回やって十回負けて、休憩所で宇宙猫の顔をして虚空を見上げることとなった。


「――(奢る前に筐体の中に消えていった給料を儚む宇宙猫の顔)」
「ほれ」
 その頬に押しつけられる冷たい何か。
「っつめたぁっ!? 何! 今度は何! 今度はどんなことをして私をボコボコにする気なの!」
 完全にやられ役が板に付いているラフィアにキリは嘆息一つ。手にした冷たいコーラの缶をラフィアに握らせる。
「飲んで落ち着け。久々に気分よく遊んだしな、これくらいは奢ってやる」
「うう、ありがたさが染みる……」
 ラフィアはプルタブを開け、爽快な炭酸を喉奥に流し込んだ。気分は全然爽快ではなかったが。
 漫画なら差し詰め目の幅の涙を流している所だろう。耳もへたれてぺしょんと寝ている。
「ったく、意地になって小銭使うくらいなら飯に一品追加しろよ、お前。レバー握ってたって腹は膨れねェ。……それと、コイツもおまけだ」
「わぷ」
 ぺす、と額に押しつけられたシックな包みに目を白黒させるラフィア。反射的に手で支えると、キリはさっさと包みから手を離し、引っ込める。
「え、いいの? 貰っちゃって」
「そういう日だろ、今日は」
「……そうだけど。開けていい?」
「ああ」
 了承を得て開いた包みの中には、カラフルな花が写真付きで解説された図鑑がある。ダークセイヴァーでは見たこともない沢山の花がラフィアの目を和ませる。
「この世界には、こんな沢山の花が咲くんだね……」
「ああ。こっちに拠点を作るんだろ。花の意味くらいは知ってても損しねぇし、何かの役に立てろ」
「うん、ありがとキリさん! ――じゃあ私からも、はいこれ!」
 ラフィアもまた一つの、掌大の包みを差し出す。
「……こいつは?」
「開けてみて!」
 ラフィアの言葉に誘われるようにキリが包みを開くと、顔を出すのは小さな木箱。蓋を開ければ、独特の光沢を帯びたストーンナイフが姿を現す。
「小さいけど料理には使えるだろうから、それで今度またご飯を作ってよ。鈍ったら研ぎ直すからね!」
「……気が利いてるじゃねェか。ありがとよ」
 金臭さを嫌う食品の加工に向くだろう。ニッチだが使いどころのある道具だ。キリは薄く笑い、木箱をバッグに収め、軽く首を回す。
「――さて、そんじゃァ飯を食いに行くか。約束通り奢ってくれるんだろ?」
「うっ……やっぱり忘れてないよねぇ」
「当たり前だろうが。さっさと行くぞ」
「あぁっ、待ってよキリさんっ」
「さて、どんな肉がいいかねェ」
「あんまり高いのは勘弁してよ?!」

 交わす言葉も賑やかに、キリとラフィアの背は、グルメストリートの雑踏に溶けていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

望月・十慈子

普段命を懸けるような激しい戦いを繰り広げる猟兵の皆さんも穏やかにクリスマスを楽しむ時間……ですが、わたしにとってはここが戦場です。

この日のために、大食いスキルを鍛えてきたのかもしれません。
スカイポートタウンのレストラン、制覇を目指します。
お腹いっぱいになるまで食べつくしますよぉ!!

領収書はグリモア猟兵、壥灰色でお願いします。



●聖夜の晩餐 ~くいだおれエディション~
 猟兵らは普段から命を懸けて戦っている。戦火を潜り、骸の海より来る化物と死闘を繰り広げ――無辜の人々を救う為に、あらゆる世界を駆け巡る。
 今日はそんな彼らの休日である。行き交う人々の中にはちらほらと猟兵の姿があった。武器を仕舞い、その異能を発揮せぬならば彼らも常人と何ら変わりない。聖夜を祝い、穏やかに、あるいは盛大に、この夜を楽しんでいる――
 ……しかし!
 この穏やかな、戦闘の気配など一切無い、平和そのものと言った複合商業施設、その上層階!
 通称「グルメストリート」の入口に、腕組み仁王立ちする、ピンクの悪魔の姿が一つ!!
「私の戦場とはそれ即ちここ。戦いとはそれ即ち今です!!」
 その悪魔の名は望月・十慈子(もちもちうさぎ・f06633)! きみ夏もなんか海の家で同じようなことしてませんでしたか? してましたね。
「夏は仕事半分でしたし食べたものも海の家クオリティのものばかりでしたが――今回は違います。クリスマスに皆が大挙して集まる複合商業施設、そのグルメストリート! しかも何をどれほど食べても自由、そしてこの後仕事もありません! わたしは――わたしは、この日のために大食いスキルを鍛えてきたのかも知れません」
 十慈子の大食いスキルレベルは実に98である。それがどのぐらいすごいかっていうとかなりヤバい。この形容する語彙のなさより遙かにヤバい。
 十慈子はゆらりとグルメストリートを眺め回し、
「――ここに来た好機を逃すわけにはいきません。長丁場の戦いになりそうですが――わたし、負けません! 目指すはスカイポートタウンのレストラン、全制覇! お腹いっぱいになるまで食べつくしますよぉ!」
 そう、大食い98とはそのレベルの暴食健啖ぶりを示すのだ!
 十慈子は手始めに一軒目のイタリアンでカルボナーラとマリナーラを注文、二分で食い尽くし次の店へ。そのまま数品食っては河岸を変えるのを繰り返し、立て続けに店を制覇していく。鍋焼きうどん、鴨南蛮そば、カツカレー、江戸前寿司(特上)、ミックスフライ定食、鯖の味噌煮定食、カオマンガイ、トムヤムクン、キーマカレー、ひつまぶし、リコッタチーズのパンケーキ、サーロインステーキ御膳、フィッシュアンドチップス、チリビーンズ、ハンバーグディッシュ、特大チョコレートパフェ……大の男でも食べきれぬような量の食事を吸い込む吸い込む吸い込む、その食べっぷりは正に底なし、宇宙!
 フードファイトという言葉があるが、彼女こそは正にフードファイター。グルメストリートこそ、宣言通りに十慈子の戦場なのだ!
「ごちそうさまです!」
 金魚鉢めいたサイズの器に盛られたパフェを残らず平らげると、スプーンを空の器に放り、伝票をつまんで立ち上がる
「毎度ありがとうございます! 特大チョコレートパフェ、一七五〇円になります~!」
「はい、領収書お願いします!」
 レジで元気よくお札を出しつつ告げる十慈子。パーラーの店員もまさかこの特大パフェを片付ける前に大の男十人分はあろうかという食事を平らげてきているなどとは思いもよらない。
「かしこまりました~! 宛名はどちら様にいたしましょう?」
「あ、壥・灰色宛でお願いします」
 おいリン●コンで殴られてぇのか?
 グリモア猟兵がこの場にいたらラリアットの一つもキメていたかも知れない。だが彼は生憎グリモアベースで他の猟兵を転送中である!
 彼女を●ングコンで殴って止める理性ある猟兵は……ここにはいない……!!
「さぁ次の店は……シュラスコですね! ここは多めに全種のお肉を食べ比べてみるとしましょうー!」
 ピンクの悪魔は止まらない。パーラーを出たその脚で、声を弾ませてシュラスコの店へと消えていく――


 ――後日、望月探偵事務所にこの件で殴り込みがあったとかなかったとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リル・ルリ
🐟櫻沫


綺麗!空の上でお料理できるみたいだ
案内してもらったのは台所つきのお部屋
とっても綺麗でわくわくする
櫻と一緒にけぇきを作るんだ
くりすますまけとで一緒に選んだんだ

混ぜて焼いてくりむを塗る。それなら僕にもできるよ
パー…を作るため、ボウルに粉をバーッと入れる
え?ダメなの?
わぁタマゴが潰れた!
くりむ、もういい?僕、手が疲れた
(くりむ、美味しいな…)

いつの間にか粉まみれ
慌てる櫻が可愛いけど僕だって必死だよ
お料理は得意じゃない
けど、一緒だと楽しくて笑顔が咲くよ

砂糖細工の桜と僕が作っておいた瑠璃色サイダーの琥珀糖も散らして……完成!
純白のしあわせ
甘くて美味しい僕らのけぇき
ふふ、はんぶんこして食べようね


誘名・櫻宵
🌸櫻沫


キッチンも道具も揃ってるわね
夜景も観れるしいい場所だわ
そんなお料理のできるキッチン付きの一室で
リルと一緒にケーキ作りよ
真白の市場で買った特別で特製の小麦粉にお砂糖にミルクに卵、バターに白林檎に白苺!
準備万端よ

まずはパートアジェノワーズ
リル、いい?
お菓子作りは分量が命よ
ちゃんと計って…あーー!
大胆なリルを止めながら進めるわ
卵!殻が!
まってクリームまだはやいわ
何食べてるの?!

ドタバタしながら何とか仕上げて
噫でもこんな時間も楽しくて幸せね
白林檎のコンポートと白苺を飾って完成よ!

できあがったのは少し不格好なでも美味しそうな純白のケーキ
上手に出来たわね
あたし達のとっておき!
食べるのが楽しみねぇ



●二人で作る、純白の夜
 スカイポートタウンには複数のホテルが内包されている。
 そのうちの一つ、最も空に近いホテル。剛毅にも一フロアを貸し切って二人の時間を過ごすのは誘名・櫻宵(屠櫻・f02768)とリル・ルリ(想愛アクアリウム・f10762)である。
 部屋の内装は落ち着いたクリーム色基調に、暖色の照明を交えたスイートルームといった風情。調度品も一つ一つが華美すぎない程度に豪奢であり、茶器一つに至るまで有名メーカーの製品で統一されていた。
 ――そしてなんと言っても、目玉はキッチンである。
 セミオープンタイプのカウンターキッチンが設えられており、食材の持ち込みも、冷蔵庫に備えてある素材を使っての調理もできるという希有な部屋であった。
「うん――キッチンも道具も揃ってるわね。これならケーキを作るくらい訳ないでしょ」
 櫻宵が設備を確かめる傍ら、窓際へふわふわと宙を游いでいくリル。
「わぁあ、櫻、すごいよ! 街が箱庭みたい! まるで空の上にいるみたいだ!」
「そうね。夜景も観れるし、いい場所だわ」
 運び込んだ荷物から次々と素材を取り出しながら応じる櫻宵。クリスマスマーケットで二人で選んだ素材は、純白の特製小麦粉、上白糖にミルクに卵、無塩発酵バターに白林檎、白苺。
 真っ白で無垢な素材を取りそろえ、今宵二人が挑むのは――
「やるわよリル。私たちだけのケーキ作り!」
「わーい、やるやる、やろう! 僕すっごく楽しみにしてたんだ!」
 窓際からふわりと人魚が舞い戻った。
 二人が選んだ聖夜のデートは、おそろいのエプロンを着け、空の上で楽しむ二人きりのクッキングタイム。少しドタバタするかも知れないけれど、きっとそれが楽しいのだと二人とも知っている。
「さて、リル、いい? 先ずはパート・ア・ジェノワーズを作るわよ。お菓子作りは分量が命。一グラムも間違えないようにちゃんと量って――」
「ふぇ?」
 ドサドサドサバサー。無造作にボウルにブチ撒けられる小麦粉。ロック。
「あーっ!? 待って待ってリル! 小麦粉はきちんとふるいにかけるの! きちんとスケールを使って重さも量らなくちゃ!」
「ううん、難しいことゆう……混ぜて焼いてくりむ塗るだけじゃあないの?」
「ただ混ぜて焼くだけに見えるけど、混ぜ方や分量にもきちんと意味があるものなのよ、リル。きちんと教えてあげるから、一緒にやりましょうね」
「わかった! じゃあ櫻がその粉をふるい? にかけてくれてる間に、僕卵割るね!」
 がん。ぐちゃ。粉砕。パンク。
「ああーっ! 殻が! リル! そのままボウルに入れちゃ駄目よ! ちょっとだけ待っ……」
「うええ、手がべっちょり……」
 べちょ。
 ボウルに殻と潰れた黄身と白身がイン。
「あああ、これは取らないとダメねぇ」
 櫻宵が箸でつまつまと卵の殻を取り除く中、手を洗い終えたリルの興味は既に次に移っている。
 レシピをついついとスワイプし、次に彼の興味を捉えたのは、
「くりむ! くりむ泡立てるのやりたいな! えっと、ボウルを二つ重ねて……?」
「リル、ちょっと待って、私も手伝うから!」
 悲劇の予感を感じ取り櫻宵が止めるも、
「大丈夫! きっと平気だよー!」
 リルは楽天的な声が返すのみで全く一切止まる気が無い。
 外側のボウルに氷をセット、内側のボウルに生クリームを注ぎ、セットになっていた砂糖をザラザラ入れる。ハンドミキサーのスイッチを入れて最大回転!
「よーし、やるぞー!」
「待っ――」
 気合を入れて突き下ろしたハンドミキサーがボウルの肌に当たりバガガガガガガガッ。激音。
「にゃー?!」
「きゃあああ?!」
 飛び散るクリーム! 悲鳴を上げるリルと櫻宵! ある意味見えていた結末! 慌てたリルの服の裾が、小麦粉のボウルを引っかける。ぱうんと跳ね上がるボウルを櫻宵が死ぬ気でキャッチ! 舞う小麦粉がまるで粉雪のよう、なんて見ている余裕も無く。
「リル! ボウルを傾けて! 回転を弱めて! 斜めから当てる感じで、ボウルの肌にミキサーの刃が当たらないようにするのよ!」
「うえぇ、むーずーかーしーいー! んっしょ、んっしょっ」
 リルはふよふよ浮きながらボウルとミキサーと格闘。徐々に跳ねないように調節することが出来るようになるも、
「……櫻、僕手が疲れてきた。くりむ、もういいかな?」
「まだつのが立ってないからダメよ、もうちょっと頑張って、リル!」
「でもあまくて美味しいよ?(ぺろぺろ)」
「何食べてるの!? 塗るクリームがなくなっちゃうじゃない!」
「ほら、櫻もちょっとつまみ食いしようよ」
「ダメよリル、ちょっと……っ」
 舞った小麦粉が二人の髪と服を白化粧して。二人で作るケーキは案の定、その最初の最初から
前途多難だ。
 けれど、リルから押しつけられたクリームはやっぱり甘くて、二人で過ごすこの時間みたいな味がした。
 櫻宵は「もう、しょうがないわねぇ」と、しっちゃかめっちゃかな現場の状況を一旦全部棚上げして笑う。料理が得意なわけではないリルが、けれどやる気を出して調理に取り組んでくれることが、二人で楽しむこの時間が、とても愛おしい。
 パート・ア・ジェノワーズ――スポンジを焼く。膨らんでいくスポンジを、二人でオーブンの前で眺めて。焼き上がって冷えたスポンジを横二つにわけ、断面に二人で泡立てたクリームを塗り、コンポートにしておいた林檎とスライスした苺をたくさん挟み込んで。
 ターンテーブルに載せたケーキに、回しながらクリームを塗って、苺とコンポートの残りを飾り、瑠璃色の琥珀糖、砂糖細工の桜を散らせば、ふたりの、二人だけのケーキが出来上がる。
 純白の雪景色を思わせる表面に、櫻宵を示すような桜の砂糖細工、そしてリルを示すような瑠璃色サイダーの琥珀糖。聖夜の二人を示すような、世界に一つだけのケーキだ。
「途中はどうなることかと思ったけれど……うん、上手に出来たんじゃないかしら」
「うん! すごくキレイに出来た! ふふ、半分こして食べようね、櫻」
「ええ、そうね――」
 テーブルの上には純白の倖せ。
 りると過ごす時間は、いつも魔法のように愛おしい。たくさん苦労だってしたはずだし、フォローも大変だったはずなのに、終わってしまえば楽しいことしか覚えていないのだから、不思議なものだ。
「もう少しだけ落ち着かせたら、二人で食べましょ。あたし達のとっておき」
「うん! 楽しみだなぁ」
「そうね!」
 冷蔵庫の中に、出来たてのケーキを入れる。次に扉を開ける時には、二人で一緒に言おう。
 祝いの言葉。――メリー・クリスマスを!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セリオス・アリス
【双星】

チラッと横目でアレスを見て
その視線を追う
こんだけわかりやすいアレスも珍しいなぁ
ん~そうだな、アレ…
観覧車に乗りてぇかな
スッと指で示し
アレスの表情に笑いを堪えた
そう、アレスと一緒に飛んでるみたいで楽しいし
それに…好きだろ、アレス
ニヤっと笑っていい放つ
はは、けど一回夜の観覧車にも乗ってみてえから
行くのはもうちょっとあとな
先に腹ごしらえといこうぜ

夜になったらいよいよ観覧車だ
アレス!見てみろよ下!
すげぇ下にも星空があるみたいだ!
初めて見る夜景に
自身も興奮して窓にへばりつき
すげぇなー!
ダークセイヴァーじゃ星空すら珍しいのに
こんなにもたくさんの灯りがここにはある

来てよかった?
問いかけて笑って
俺も


アレクシス・ミラ
【双星】


何処に行こうかと辺りを見回し
ある物に一瞬だけ目を奪われる
…屋上に観覧車がある
観覧車は依頼で乗って以来、好きになった
あれにも凄く興味がある…けど
彼が行きたいと思う場所に行かせたいのも本心だ

セリオス、何処に行きたい?
君が行きたい場所に行こう
彼が示した物に目を瞬かせる
あれに、かい?
彼の理由に
…僕はそんなに分かりやすかったのか、と苦笑
全く…君って奴は
そうだね、暗くなってから行こうか
夜の観覧車か…楽しみだな

う、わあ…!
観覧車に乗ってからは食い入るように外の景色を見つめる
空も地上も輝いていて…光で溢れているようで
凄い…こんな光景は初めてだ…!

彼の問いにははっきりと答えよう
勿論だよ
セリオス、君は?



●双星、地上の銀河を望む
 まだ太陽が高い頃――
 二人の、空色の瞳をした青年が歩いていた。
 片方は、夜空の色。黒い髪を腰まで伸ばした青年。もう片方は、輝かしいばかりの金髪に、快晴の中天を写し取ってきたかのような色の碧眼。セリオス・アリス(黒歌鳥・f09573)と、アレクシス・ミラ(夜明けの赤星・f14882)だ。
 いずれも容姿端麗であり、行き過ぎる女性達の目を奪って止まぬ美丈夫二人といった風情だったが、両者ともに回りから浴びる視線はどこ吹く風。交わす言葉も互いのためだけにあるといった風だ。
「しかしすげぇな。こんなたくさんヒトが行き交う所なんて、ダークセイヴァーじゃ見られないぜ。なーアレス、行きたいところ決まったか?」
 軽い調子でセリオスが問いかける。
「ううん、難しいな。こういう所は来慣れていないからね……」
 事ここに到るまで数回の逆ナンを受け、その全てを「失礼、レディ。先約があるもので……」と矢面に立って断ってきたアレクシスが、難しそうな顔をして応じた。
 きらびやかで、ここには何もかもがあるように思われた。何もかもがあると言う事は、何でも出来てしまうということでもあり、その選択肢の多さがアレクシスを惑わせる。
「そういうセリオスこそ、行きたい場所は無いのかい?」
「あー、そうだな……アレスの行きてぇ所なら俺はどこでも良いんだけどな」
「それじゃあ僕と同じじゃないか。僕も、君が行きたい場所に行きたいと思って――」
 アレクシスは軽く笑って応えながら、何気なく視線を上げた。――その先に、
「あ――」
 大輪の花が咲いていた。
 ――否、アレは、観覧車だ。クリスマス風に飾られた小ぶりな観覧車が、モールの屋上でゆっくりと回っている。
 以前わくわくキマイラランドで観覧車に乗った時の記憶が蘇る。あのときは四人で乗った観覧車。遊園地を一望する眺望を誇ったあの観覧車に比べればいささか小さいけれど、あの上から夜の街を見下ろしたらどんな光景が見えるのだろうか? そう考えてしまえば、視線は観覧車に向かったきり離れなくなる。
「んー、そーだな――一個、行きたい場所が出来たぜ、アレス」
 横で呟くセリオスの声。現実に引き戻されたように、アレクシスの視線が地に落ちる。
「あ、ああ、どこに行きたいんだい? セリオス」
 君の行きたい場所に行こう、と、一国の王子もかくやという輝ける笑顔でセリオスに告げるアレクシスに、セリオスはピンと伸ばした指で空を指した。
「アレだよ。観覧車に乗りてぇ。大分前に一緒に乗っただろ」
「え――」
 目を瞬かせるアレクシス。その驚き顔がよほど面白かったのか、セリオスが堪えながらに笑った。
「なんて顔してんだよ、アレス。そんなに意外だったか?」
「いや、意外だったわけじゃあないけれど――あれに、かい?」
 見上げればゆっくりと回る観覧車。観覧車とセリオスの顔を交互に眺めるアレクシスに、セリオスは快活に笑って応える。
「お前と一緒に飛んでるみたいで楽しいしさ。――それに、好きだろ? アレス。知ってんだぜ」
「ッ」
 にやっと笑って言うセリオスに、負けた、とばかり両手を挙げるアレクシス。
「僕はそんなに分かりやすかったのか……」
「まーな。今回は珍しく、ものすごく分かりやすかった。行きたいんだろ、なら一緒に行こうぜ。俺のことばっかり考えてないで、たまには自分のしたいことも言えば良いんだよ、お前は」
「……君って奴は、本当に……ああ、分かったよ。ありがとう、セリオス」
「おう。……でも、先に腹ごしらえだな。せっかくだしあれから夜景を見ようぜ。夜までやってるみたいだし。飯を済ませてから行こう」
「そうだね。暗くなってから行くとしようか。……夜の観覧車からはどんな眺めが見られるんだろう。楽しみだな」
 談笑しながら、二人はスカイポートタウンの雑踏に溶けていく。
 ――それが、かれこれ四時間ほど前の話だ。たくさんのご馳走を、腹がはち切れるほどに詰め込んで、一歩も動けないと笑い合って、とっぷりと暮れた空の下を歩き――


 そして現在。
「う、わぁ……!」
 二人は、観覧車のゴンドラの中で、窓に張り付いて天上と地上の銀河を眺めている。
「すごい……空がこんなにも近いなんて」
「下も見てみろよ、すげぇぞ、アレス! 空だけじゃねぇ、地上にも星空があるみたいだ!」
「ああ、凄い……こんな光景は初めてだ。わくわくキマイラランドで見下ろした時とは、また違う眺めだね。――猟兵にならなかったら、きっと一生見られなかった光なんだね、これは」
「ああ。ダークセイヴァーじゃ星空さえ珍しいもんな。――こんなにもたくさんの灯が、この世界にはあるんだ」
 地上に広がる銀河は、ヒトの営みの証。あの光一つ一つに、人とそれぞれの聖夜の物語があるのだ。空も、地上も、光で溢れている。セリオスは目を細めた。
 ――ああ、それはなんと倖せなことだろう。
 猟兵として、あの光を護らなければいけないと強く思うと共に、この倖せの光の中に、二人でいられることを嬉しく思う。
「アレス」
「なんだい、セリオス?」
「来てよかったか?」
 聖夜の締めくくりに、ガラスに額を預けてセリオスが問いかける。
 アレクシスの答えは、問われる前から決まっていたようなものだ。
「もちろんだよ。本当に――素敵な一日だった。……セリオス、君は?」
 問い返すアレクシス。それに対する答えも、また決まっている。
「俺もだよ。――なあアレス。来年も、いろんなモノを二人で見ようぜ。UDCアースだけじゃない、他の世界にも、俺たちが見たことのないものがたくさん溢れてるはずだ。――来年も、そのまた先もさ。一緒に、二人で」
「……ああ。僕からも頼むよ、セリオス。君と色んなものを見る時間は――一人でいるよりずっと感動的で、素敵だから」
「ははっ、じゃあ来年も山ほど連れ回してやるぜ。音を上げたりすんなよな」
「勿論。指切りでもしようか?」
「上等。指切りげんまん、」
「嘘ついたら針千本飲ます」

「「指切った」」

 絡んだ小指が、きっと来年も二人を繋いでくれる。
 観覧車の頂点で、二人は小指を離した。どちらからともなく聖夜を祝う、優しい言葉を口ずさむ。
 メリー・クリスマス!
 双星のクリスマスは、そうして穏やかに過ぎていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シュシュ・リンクス

クリスマスの夜にやる事と言えば一つしかないね!

さあ――ゲームセンター巡りの時間だ…!

えっ?
むしろそれ以外に何か…ある?
この機会にスカイポートタウン中のゲームセンターでハイスコアを塗り替えないと!
大丈夫、私はどんなゲームでもどんとこい!
もちろん、対戦相手が居るなら受けてたーつ!
折角の休暇、楽しみ尽くさないとね!

やっぱり、楽しく遊ぶのが一番良いよね。
「いつも」は楽しいだけじゃ済まなかったりしちゃうし、さ。
まあ、まーだまだ私は猟兵としてはニュービーなんだけど!
それでも、こーいう時間は…大切にしておかないと。
さあ、休憩は終わり!次はあっちのゲームだー!



●聖夜に刻むハイスコア
 聖夜、人々は楽しげに談笑し街を行く。それそれが、自分の大事な誰かと手を取り合い、この聖なる夜を祝って歩いて行く。スカイポートタウンにもたくさんのカップルの姿があった。きっと、皆思い思いの聖夜を恋人と過ごしているのだろう。
 ――だが、そんな中。
「クリスマスの夜にやる事と言えば――一つしかないね!」
 一人の少女が、スカイポートタウンが誇る巨大ゲームコーナーの入口前で仁王立ち。隣に誰かの姿があるわけでもない。
           とも
 その輝く瞳はまだ見ぬ強敵を視るように爛々と煌めき、ゲーム画面の光を照り返す。
「さあ……ゲームセンター巡りの時間だ!」
 ……余人が聞いたら「?」を大量に浮かべて、彼女の正気を確かめたかも知れない。
 いやしかし彼女――シュシュ・リンクス(電脳の迷い子・f11333)は、真面目も真面目、大真面目なのである。むしろクリスマスから年末までとか、ゲーセン巡り以外に何かやることありました?
「この機会にスカイポートタウン中の筐体のハイスコアを残らず塗り替えてやらないと」
 シュシュはぺろりと唇を舐めると、百円玉を親指でトスし、キャッチ。
 どのゲームから遊ぼうか。人がたくさんいるところがいいかな?
 その方が対戦相手とかも来るかも知れないし、ね!


「おい、話聞いたか?」
「あん? なんのだよ」
「スッゲェ奴がレコード片っ端から塗り替えてるってよ。格ゲーだと乱入してもあっという間にボコボコにされちまうんだと」
「はん、それで? そいつがどうしたってんだよ。別に縄張り争いがしたいわけじゃねぇだろ?」
「そりゃそうだけどよ、そいつがさ。ものすげぇカワイイ女の子なんだとよ」
「はぁ?」


『四三人抜きィ~ッ?! 彗星のように現れた謎のゲーマー、シュシュ! その快進撃が止まらなぁい!!』
 煽るような声。スカイポートタウン・ゲームストリート名物のフロア実況だ。実況の的になれば必然注目も集まる。ざわめくギャラリー。
「やっべぇ、どこまで行くんだあの娘……!」
「さぁさぁ、次の相手は誰? 格闘ゲームが苦手なら他のゲームだって相手になるよ! どんなゲームでもどんとこい!」
「く、クソッ、強すぎる!」
「な、なら俺はあのバスケのフリースローゲームで勝負するぜ! 時間内でボールをより多くゴールに入れた方の勝ちだ!」
「て、テッちゃん! 格ゲで勝てないからって……!」
「その勝負受けたッ!」
「受けちゃうのーー?!」
「もちろん! 私、ゲームで遊ぶの大好きだからね!」
 ばちん、光零れるようなシュシュのウィンクにギャラリーの頬も赤く染まる。
『さぁ始まった、フリースローゲーム! 制限時間内にボールをより多くゴールに入れた方の勝ち……あーっと?! 謎の美少女ゲーマー、シュシュのボールが魔法のようにゴールに吸い込まれていくーっ?!』
「なんだとーっ!?」
『そして一方チャレンジャーのテツ、ちっともボールが入らないーッ!!』
「クソッバカな!! ゲームばっかりやってる奴は運動が駄目だと相場が決まってるだろッ?!」
「んー、でも私ゲームって名前が付くなら何でも好きだからなー(ポイポイポイポイスポスポスポスポスポ)」
「ギャアアアアッ!!?」
「テ、テッちゃーーーん!!」
「タイムリミットだーっ! シュシュの勝利、それどころかハイスコア更新!! こいつは一体何者なんだーッ?!」
 シュシュはウィンク一つ、実況に笑いかけて答えた。
「どこにでもいる、ただのゲーマーだよ!」

 ――猟兵としての仕事は、いつも楽しいだけでは済まない。
 命のやりとりをすることの方が多く、明日の命の保証も無い。
 だからこそ、こんな光に溢れた、愉しい遊戯の時間は大事にしなければ――と思う。
 スポットライトを浴びて目を眇めながら、シュシュは快活に笑った。
「さぁ、まだまだ遊ぶでしょ? 次はあっちのゲームだー!」

 ギャラリーの目を引き付けて止まぬ、ハイスコア・ガールは止まらない!

大成功 🔵​🔵​🔵​

隠・イド
【土蜘蛛】
荷物持ちなど人手が要りそうですので、付いていまいりましょう

いつになくテンションが高めでいらっしゃいますね、耀子様
いえ、楽しそうで何よりです

我々が好き放題飲み食いするくらいの費用はあるでしょう
その程度の費用、べりる様の弾丸ひとつ、耀子様の壊した兵装ひとつでお釣りがくるかと

金子が必要でしたら私が用立て致しましょうか?

ええ、ええ。べりる様、その意気込みです。
あとはピザなど、出前を取ってみるのも良いかも知れません。

なにせ、これが最期の晩餐になるかも知れないのですからね。ふふ
(ジョークのつもりで言っている)

緊急招集など無ければ良いですがね


花剣・耀子
【土蜘蛛】

はいメリクリ。
なんと費用が上持ちの慰安よ。

折角のご厚意だもの。毟れるだけ毟るわ。
レッツクリスマス会の買い出しよ。
……だってお祭りじゃない。あたしだってはしゃぐわよ。

チキン。ケーキ。お惣菜にスイーツ。
うわ高、……否、今日は言うだけ野暮な日ね。
領収書切ってもらっていい? 室長付けにしておく?
イドくんのお小遣いはどこから来ているの。

ここで遊んでゆくのに、心が惹かれないでもないけれど。
――また来年という約束が、尊いことも判るけれど。

今日のところはいいわ。クリスマスは家族と過ごしたい派なの。
そうね、今度はみんなで遊びに来ましょう。
平日に。平日にね。

買うだけ買ったら帰るとするわ。
夜はこれからよ。


星鏡・べりる
【土蜘蛛】

メリクリ~!
大盤振る舞いだ、助かるな~
いつもこうあって欲しいな~

ご厚意って言ってから、毟るなんて言うのワルだねぇ
信じられないぐらい買い込んでおこっか

むしろ、高い物を上から買っていくぐらいでいこうよ
高いごはんに囲まれるハッピーなクリスマスにしよう?
領収書を室長に付けると死ぬんじゃないかなぁ……

ここで遊ぶのも楽しそうだし、いつかまた来ようよ
今日は雰囲気が、こう……ね?
顔と調子が良い従者気質のイドくんは居るけど、ツリー一緒に見るような相手では無いしね~

よーし、帰ろっか!
今夜は仕事も無いし、楽しも~!



●予算はギリギリ下りたらしい
「メリクリ~~~!! メリクリだよよーこ!」
「はいメリクリ。そうねべりるちゃん、喜ばしい日だわ。なんと費用が上持ちの慰安なのだもの」
「大盤振る舞いだ、助かるな~。いつもこうあって欲しいな~~~」
「そこはそれ、そうそうないからこそありがたいものなのではないですか、べりる様」
「だよね~。でも私たちはそのぐらいの役得を毎回受けても良いと思うんだよね、そのくらい働いてる気がするんだけどなぁ」
 賑やかに会話を交わしながら歩くのは、対UDC組織『土蜘蛛』の三人。先を行くのは緑柱石の眼に龍めいた角、鮮やかな栗毛をしたドラゴニアンの少女、星鏡・べりる(Astrograph・f12817)と、眼鏡の内側に青い瞳を光らせた、黒曜石の角と漆黒の髪の少女、花剣・耀子(Tempest・f12822)。
 そしてその後ろを、二人の様子を見守りながら付き従うように歩く青年。浅黒い肌に整った容貌、漆黒の髪の狭間に紅蓮の瞳がキラリと煌めく。名を、隠・イド(Hermit・f14583)という。荷物持ちが必要であろうと名乗りを上げたイドだったが、二人のやりとりを聞いているだけで退屈しない。計算外だったが愉快な道行きに、イドは口元の笑みを深める。
「たまにしかなかろうと、今回がその時なのには変わりがないわ。せっかくのご厚意だもの残さず戴かなくてはね。毟れるだけ毟るわよ、べりるちゃん。レッツクリスマス会の買い出しよ」
 眼鏡をぎらりと光らせて、理知的な口調で物騒なことを言う耀子。べりるも応じて半眼になり、にやーりと意地の悪げな笑みを浮かべる。
「ご厚意って言ってから、毟るなんて言うのワルだねぇ。でも同意見。信じられないぐらい買い込んでおこっか」
 生鮮食品フロアが近づくにつれて戦意を高めつつある二人にイドは和やかな笑みを向ける。
「べりる様がハイテンションなのはいつもでございますが、いつになくテンションが高めでいらっしゃいますね、耀子様」
「……だってお祭りじゃない。あたしだってはしゃぐわよ。今日は、年に一度の特別な日でしょう?」
「それは勿論。いえ、だからなんだというわけでもありません。楽しそうで何よりです」
「……」
 照れたようにぷいと顔を背ける耀子。イドの笑顔は変わらぬ。
「ほらほら二人ともー、チキンにケーキにごちそうにスイーツが私たちを待ってるよー!」
 小走りに地下の生鮮食品フロアへ先駆けするべりる。
「急がなくてもご飯は逃げないわ、べりるちゃん」
「でもせっかくのクリスマスの夜じゃん! 早く買って、みんなの所に戻らないと!」
 ――家族で過ごすクリスマスだからね!
 べりるの言葉に、怜悧な耀子の無表情が、蕾がほころぶように緩む。
「……ええ、そうね」
「イドくんもいるしきっといくら買っても大丈夫!ジャンジャン買っちゃうよ~!」
「少しばかり手加減して戴きたいものですが――って、もう聞いておられませんね……」
 そうして土蜘蛛買い出し班の背中は、地下の食品売り場に溶けていく。


「うわ高」
「ははぁ、これはなかなかだねぇ」
 惣菜売り場に並ぶクリスマス用惣菜の価格は凄まじい。耀子が思わず素で呟くような値段である。有名シェフ監修! と煽りがついているが、その分が価格に跳ねているであろう事は間違いのなさそうなチキンやオードブルの数々が少女達の前に並んでいた。
「まぁもうむしろ、高いものを上から買っていくぐらいでいこうよ。高いご飯に囲まれるハッピーなクリスマスにしよう?」
「……そうね。今日みたいな日にそんなこと、言うだけ野暮だったわ」
 自分で焼けばいくら浮きそう――という話はしないが華というものだ。いずれにしたって費用は全部上持ちである。
「我々が好き放題飲み食いするくらいの費用は確保されていることでしょう。その程度の費用であれば、べりる様の弾丸一つ、耀子様の壊した兵装一つでお釣りが来るかと存じます」
「だよねー!」
「そうね」
 にこやかなイドの言葉に明るく応じるべりると耀子。ちょっとは悪びれても良いところだぞ。
 べりるの銃、『機宝銃《ベリル》』は弾丸として宝石弾を用いることが出来る。イドの言葉が示すのはそれだ。かたや耀子は装備破壊の常習犯。試作兵器の限界、否、それ以上を引き出し敵を斬り果たし、その代わりに兵装をおシャカにして帰ってくる、室長の頭痛の種である。
「領収書を切ってもらいましょうか。室長付けにしておく?」
「領収書を室長につけると死ぬんじゃないかなぁ……」
「おや、金子が必要でしたら私が用立て致しましょうか?」
 忠実な従者然とした笑顔を崩さないまま言い放つイドに、こめかみを揉む耀子。
「……イドくんのお小遣いはどこから来ているの」
「それは企業秘密でございます」
 しい、というふうにひとさし指を唇に押し当てるイド。べりるがピピーン、と何かを察した顔をした。もとよりイドは彼女ら、己が担い手となりうる者達以外には極めて雑な対応をする。ゲームコーナーでカツアゲ途中のアウトロー達を締め上げて、小銭を調達するくらいはやるのではないかという推察である。
 聖夜なので余計な面倒事は避けておきたい所ではあった。ので、べりるは人差し指に挟んだカードをひらつかせる。
「だいじょーぶ。今日はこのカードで会計してこいって言われてるしね。売り場を買い占めるぐらいの勢いで買ってこ。どーせ私たちの懐は痛まないし!」
「ええ、ええ、べりる様。その意気込みです。あとはピザですとか――寿司ですとか。出前を取ってみるのも良いかも知れませんね」
「それ採用!」
 ウキウキでスシ屋をググり出すべりる。かぶせるように、イドが言葉を続ける。
「なにせ、これが最後の晩餐になるかも知れないのですからね。ふふ」
「……食欲の失せることを言わなーい」
 べりるチョップ。ゴスッ。斜め四五度の角度から直撃。
 ジョークに対する突っ込みにしては苛烈だったが、イドはいささかも堪えた様子を見せない。
「ははは、お戯れを」
「頑丈すぎるのも考え物だよね……そのジョークよそでやったらドン引きだからねイドくん! 気をつけてよ!」
 ダメ出ししつつ次々とカゴに食品を詰め込んでいくべりる。その後ろにカートを押して付き従うイド。いつも通りと言えばいつも通りの二人を見ながら、耀子はその秀麗な瞳を僅か細めた。
 イドはジョークのつもりで言ったのだろうが、実際、それはその通りなのだ。『家族』が皆、笑って明日を迎えられる保証などどこにもない。この三人とて、それは同じだ。

 ――今を。
 いつだって、進行形で生きているこの瞬間を楽しまねば。
 与えられた今を、最大限に楽しまねば――喪われていった者達が、生きること叶わなかった、今日を。

「ここで遊ぶのも楽しそうだし、いつかまた来ようよ、スカイポートタウン。今日はこのフロアだけしか見てないけど、外にはまだまだ他の店もあるらしいし、遊園地みたいなのもあるって言うし。――まあ今日は待ってるみんなもいるし素直に帰るけど! 今日はちょっと雰囲気がねぇ、顔と調子が良い従者気質のイドくんは居るけど、ツリー一緒に見るような相手では無いしね~」
「ふふ。顔と調子だけでなく、お望みとあれば雰囲気も整えてご覧に入れますが」
「遠慮しとく~」
 べりるとイドの丁々発止のやりとり。レジに通されるカードと、その電子音。
 耀子は、少し固くなっていた表情を緩める。
 保証はない。来年どころか、明日の保証さえない。
 あのツリーにかけて来年を約束するのが尊いのは分かるけれど、このきらびやかな光の満ちる街で遊んでいくことに、心惹かれぬ訳でもないけれど。
「――そうね。いつかみんなで、一緒に来るのもいいかもしれないわ。けれど、今日の所はやめておきましょう。クリスマスは家族と過ごしたい派なの、私。夜はこれからよ」
「よーこがいいこと言った! そうと決まれば急いで帰ろっか! 今夜は仕事もないし、楽しも~!!」
「緊急招集など無ければ良いですがねぇ」
「「イドくん」」
「これは失敬、これこそ言わぬが花というモノでしたか」
「冗談でもやめておきなさい。コトバには力が宿るのよ」
「そうだよ、言霊って言うでしょ!」
 きゃんきゃんとイドに噛みつくべりる、山のような荷物を背負いつつべりるを諫めるイド、肩を竦めながら二人の後ろを行く耀子。
 自動ドアを潜る三者三様の帰路を、薄雲のかかった月が見下ろしている。

 ――ちらり、

「あ、雪!」
「このタイミングで降るとは、なかなか風情がありますね」
「――いい夜になりそうね」

 煌めく金の月に、舞い降りる粉雪が光る。
 声を華やがせ歩く三人に、そしてスカイポートタウンで過ごす全ての猟兵に、人々に。
 あるいは、他の世界で、思い思いの時を過ごす猟兵達に――

 メリー・クリスマス!

 良き聖夜が、貴方の上に降るように!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年12月31日


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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト