●災いは迷宮に顕れる
地下迷宮「アルダワ」練技の迷宮、がらんとしたその空間が歪み滲み出るように黄金の輝きが溢れる。輝きが収まったそこには強靭な四肢を備えた黄金色のドラゴンが鎮座していた。数舜後、ドラゴンは己の存在を確かめるように咆哮を響かせ迷宮の壁を震わせた。
●魔法学園の地下迷宮
グリモアベースに訪れたあなた達を茲乃摘・七曜(ミレナリィドールのシンフォニア)が微笑みながら出迎える。
「ようこそ。来てくださって嬉しいわ。皆さんにこれから赴いていただくのはアルダワ魔法学園となります。彼の地に存在する蒸気機械と魔法で創造された地下迷宮で発生した問題を魔法学園の学生さんに被害が出る前に解決していただきたいのです」
「さて、今回の依頼の元凶は迷宮に発生したオブリビオン…災魔です。詳細はまだ確認がとれていませんがこの災魔の排除が目的となります」
そう一度言葉を切ると彼女は迷宮の地図をあなた達へと手渡す。迷宮は迷宮部分、大図書館、迷宮主の間と分かりやすい階層構造になっている。
「異変が起きている場所は練技の迷宮と呼称されている場所となります。技を練るという言葉の印象の通り罠の解除や迷宮の進み方を学ぶ場所で外観は石造りの一般的な迷宮、探索を邪魔するのは罠や物理的な障害等になります」
迷宮部分の見取り図を迷宮の地図に重ねる。
「皆さんにはまずこの迷宮部分を協力して踏破していただくことになります。腕力や体力に自信があれば障害物や罠を力づくで壊して進み、身軽さな方や器用な方は足を活かして近道を駆け抜けて道を切り開く。知略を好む方であれば後で説明いたしますが探索している学生さんの裏をかいたり利用したりして頂くことになります。ただ、発生した災魔に浸食されているためか所々変化してしまって危険な場所になっているようですので十分注意してくださいね?」
「それで、先ほど少し話に上がった件なのですが…現在この迷宮部分に魔法学園の学生さんが入り込んでしまっています」
迷宮に入り込んでいるのはこちらですと学生たちの資料があなた達の前に提示される。
「災魔の影響で変化した迷宮の奥に財宝が顕れたという噂を信じてしまって探索禁止にも関わらず迷宮に入り込んでしまったみたいです」
●猟兵は迷宮に挑む
状況を説明し終わり七曜が申し訳なさそうに言葉を繋ぐ。
「腕の立つ学生さんほど、抜け駆けしての冒険を好むせいか困ったものですよね。 罠や障害を乗り越えられる能力はあるので救助は不要なのですが 逆に言うと彼らが迷宮を踏破して大図書館にたどり着くまでがタイムリミットになります。あと、心配ないと思いますけど学生さんを殴るのはなしですよ?口八丁手八丁で出し抜いてもらうのは構いませんけれど」
「説明が長くなったけど最後まで聞いてくださってありがとう。大図書館と迷宮主の間に関してはたどり着いた時に改めて説明します。それでは、皆さん魔法学園のためにもよろしくお願いしますね」
資料を丁寧に片づけ彼女は微笑みながらあなた達に頭を下げた。
カタリツヅル
初めまして、カタリツヅルと申します。この度よりマスターとして参加させていただくこととなりました。若輩の身ではありますが皆さんの活躍を描かせていただければと思っております。
この度の依頼はアルダワ魔法学園に赴き地下迷宮に発生したオブリビオンを排除して頂くことが目的となります。
アルダワ魔法学園では猟兵の存在や現在の状況を把握しており活動する際は転校生として受け入れられているため、私の担当するこの依頼に関しまして迷宮探索で使用されるロープやカンテラ、地図など基本的な装備は魔法学園より支給され装備品になくても利用可能と致します。
第1章 冒険
『冒険競争』
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POW : 力技で迷宮を攻略する
SPD : 速度を活かして迷宮をショートカットする
WIZ : 競争相手の生徒達の行動を読んで出し抜き先行する
👑11
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鈴原・瑞樹
コロッサスさん、ルチルさんと一緒に行動
まずは地図や罠の解除状況などを確認して、一番奥まで進んでいる生徒の位置を予測
生徒を見つけたら、話しかけて気を引き、コロッサスさん、ルチルさんを迷宮の奥に先行させます
二人が奥に行った後も一番奥まで進んでいる生徒のグループと一緒に行動、わざと罠にかかったり、嘘の宝の位置を教えたりして生徒の進行を遅らせます(ただし被害はでないように安全は確保してからにします)
ある程度進行を遅らせたら、先行した二人に合流します
負傷者が出た場合はユーベルコード使用
「こっちの道のほうが財宝のある場所に行くの近そうです。」全然違う道を指さす
「これは何でしょうか……。」罠っぽいのを押す
コロッサス・ロードス
ルチルや瑞樹と協力して生徒達より先んじて迷宮踏破に挑む。
道順や罠感知などは2人の相棒も頼りに急ぎ移動。
罠や障害物は力づくで破壊し、壁破壊で近道になるならば実行。
破壊不可、もしくは破壊よりも発動させた方が素早く処理出来るタイプの罠に関しては、ユーベルコード「無敵城塞」や「武器受け、盾受け、オーラ防御、見切り」等の技能を駆使して罠ダメージを防御or最小限に抑え、また技能「かばう」で他者の被害を防ぐ。
罠のダメージがあり、瑞樹が同行中ならば回復してもらう。
瑞樹が別行動する際は「気を付けて、な?」とやや表情を曇らせる。
長年の相棒であるルチルの行動には信頼し、彼女のアドバイスには「承知」と迷いなく即応。
ルチル・ガーフィールド
瑞樹とは地図上で事前に大まかなルートを話し合い、地図を頭に入れておく。カンテラの明かりなどから生徒の接近を察知したら、自分たちのカンテラを消し、コロッサスと生徒をやり過ごし、「さて、こちらは先を急ぎましょう~」とルートをアドバイスしつつ先行する(「あ…そちらは、罠があると思いますのでお気を付けくださいませ~」)。途中、なにもないところに「この先罠!!」と書いた紙を貼ったり、通り抜けられる罠ところにも同様のことをする。瑞樹が合流したら「お疲れ様でございました~」と頭を下げる。戦闘時は状態異常力を強化したウィザードミサイルをメインに「炎の鏃たちよ、疾風を纏いて業火となり…彼の敵を焼き尽くせ!!」
●競争開始
アルダワ魔法学園の教師から迷宮の地図を受け取り状況を確認した鈴原・瑞樹(オラトリオの聖者・f03860)とルチル・ガーフィールド(ミレナリィドールのマジックナイト・f03867)にカンテラなどの装備を受け取ったコロッサス・ロードス(金剛神将・f03956)が合流する。
「こちらの準備は整ったよ。ルチルと瑞樹はどうだい?」
「問題ありません~。コロッサスさんも受け取れたようでなによりです~」
「ただ、生徒さんがだいぶ深くに潜っているかもしれなくて…急ぎましょう!」
生徒を無事を案じ陰る瑞樹の声色に安心させるようにコロッサスとルチルは頷きを返し三人は迷宮へと歩を進める。
迷宮に侵入後は事前確認の確かさと生徒が既に潜って罠が解除されていたこともあり、中層近くまで足を緩めることなく辿り着く。
しかし、それから間もなく三人の目にカンテラの光が写りこむ。とっさに見つからないようカンテラの光を絞ったルチルが現在地と予定のルートを照らし合わせ困った声で囁く。
「…この先の通路の罠を超えて直進すると早いのですが~。こっちに来てしまうと困っていますいますね~」
「それなら、私が生徒さんの気を引くので、コロッサスさんとルチルさんは先に進んでもらえますか?」
不安に揺れながらも犠牲を出さないことを願うしっかりした言葉にコロッサスが表情を僅か曇らせつつも目を合わせ送り出す。
「分かった。だが、気を付けて、な?」
●攪乱
背中を押す言葉に短く息を吸い心を落ち着け瑞樹は魔法学園の生徒の元に向かう。
「すみません、はぐれてしまって。一緒に攻略してもらえませんか?」
二人組は僅かに怪しむ素振りを見せたものの笑顔で受け入れ探索を再開する。そんな、二人組を騙すことを少し申し訳なく思いつつも瑞樹は二人組の誘導を開始する。
「向こうは通れなかったので、こっちの道のほうが財宝のある場所に行くの近そうです」
そして、幾つかの通路を通り抜け目的の罠にたどり着き偶然を装いその罠を作動させる。
「ごめんさい!罠に掛ってしまいました…!」
その声に覆いかぶさるように天井の一部が崩れ瑞樹と生徒を分断する。瓦礫越しに二人組の無事を確認し十分な役目を果たした瑞樹は歩いた道を戻り合流を目指す。
●踏破
瑞樹が魔法学園の生徒の気を引きつけていたころコロッサスとルチルも中層部での最難関へと挑もうとしていた。
その通路には解除よりも迂回した方がましと言われる程の罠が設置されており、通れないと判断することを教えるものだが、罠の説明をしルチルはコロッサスを送り出す。
「この通路の罠は全部生きていると思いますのでお気を付けくださいませ~」
「問題ない!」
そう、迷宮に潜る学生では無理だろう。迷宮を管理する教師でも無理だろう。だが、問題ない。
壁から突き出された槍が金剛石をはめ込んだ鎧を貫けずに砕ける。足に喰いつこうとした鋼の鋏は踏み砕かれる。幾多の罠が進むことを拒めず壊れ、最後の罠が動作し巨石が転がりでる。
身の丈を超えるそれを前に男は不退転の意思を籠めた大盾の下部を迷宮に突き刺し真っ向から受け止める。鎧を内側から押し上げる程に全身の筋肉が軋みをあげ巨石の勢いを止めた刹那。
「そのまま耐えていただけますか~?」
「承知!」
巨石を受け止めたまま振り向くことなく迷わず答える背中に涼やかな詠唱が届く。
「……炎の鏃たちよ、疾風を纏いて業火となり…彼の敵を焼き尽くせ!!」
魔術杖が振るわれ、生み出された炎の魔力で強化された幾本もの魔術の矢は動きを止めた巨石へと突き刺さり、その熱量を余すことなく開放し巨石を跡形もなく吹き飛ばした。
●合流
「コロッサスさんは少し休んでいてください~」
道をこじ開けたコロッサスに労いの言葉を掛けつつルチルが罠が破壊され破片の散らばる通路に「危険!」と張り紙を行い封鎖を実施してゆく。周囲の通路にも張り紙を行い、後続の猟兵達以外が使わないように準備が整ったころ、分かれた瑞樹が合流を果たす。
「お疲れ様でございました~。もう一つお願いしてもよろしいでしょうか~?」
ルチルはそう言って壁際に座り休んでいるコロッサスへと瑞樹の背を押す。
はいっ!と歯切れのいい返事とともに、ほどなくして迷宮には柔らかな光が溢れた。
【錬技の迷宮:上層部及び中層部踏破完了】
成功
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ナノ・クロムウェル
そうですね…私はこの迷宮…力技で突破します。
…少々品性に欠けるとは思いますが…私はこれが最適と判断します。
普通の方法では先行している人たちには追いつけませんから。
そうと決まれば「鉄塊剣」を構え、罠も敵も強引に突破して行きましょう。
この「鉄塊剣」を叩きつけて粉砕します。
もしも…これだけでは対処できない状況が発生しましたら…切り札であるユーベルコードを発動しましょう。
「翠炎悪魔」の超攻撃力と超耐久力で罠も敵も全部壊します。
使う前には味方や生徒達には全力で避難するか動かないことをあらかじめ伝えておきましょう。
私の道は私が作ります。阻む物は…容赦しませんから。
●下層部への挑戦
猟兵達の切り開いた道を通り抜け、ナノ・クロムウェル(サイボーグのブレイズキャリバー・f02631)が下層部へと向かう。
誰にも会わず駆け抜ける彼女の前に程なくして閉ざされた扉が目に入る。それを思案げに見つめ、自身の技能と状況を勘案しナノは結論を出す。
「そうですね…少々品性に欠けるとは思いますが…力技で突破します」
そう言い切ると彼女は鉄塊剣を抜き放ち、瞳に映る光景から突破に必要な情報を的確に分析し遠心力と疾走の勢いを完璧にのせた一撃で扉を粉砕、転がる残骸を踏み越え走る勢いを強める。
災魔に浸食された迷宮といえど、機械化された身体で巨剣を十全に奮う彼女の足を止められず踏破される。
だが、彼女が巨大な一室に足を踏み入れたとき、災魔の悪意が牙を剥く。放たれるのは無数の鏃。巨剣では防ぎえない殺意と害意を感じさせる凶器の群れ。だが、それ故に彼女には届かない。
「私の道は私が作ります。阻む物は…容赦しませんから。」
生きることを阻ませないと告げる声が迷宮に溶ける前に、柔らかな皮膚が黒鉄の陰りを宿し鏃を弾き返す。続いて迫る鏃がその身から噴き出した翠色に揺らめく緑の炎に溶かされる。その身だけではなく巨剣にも翠炎を纏わせた悪魔は無数の鏃を吐き出す罠を部屋ごと破壊してゆく。
暫らく後、動くもののなくなった部屋でナノは息をつく。
「えぇ…生きてます…残りは任せますか」
【錬技の迷宮:下層部最奥到達】
成功
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リリウス・テイケー
先行してくれた仲間の張り紙のお陰で、素早く追いつけたね。
生徒たちも遠回りを余儀なくされているようだ。動きやすくてありがたい。
いかに転校生として受け入れられるとはいえ、スライム姿では生徒たちの前に出るわけにはいかないからね。
そんなわけで、このあたりからが未攻略ということかな。
【バウンドボディ】の触手を利用して、前方の罠を確認・解除しながら進んでいくとしよう。
隙間へ滑り込ませて解除や破壊、いざとなった触手を戻して罠の回避もできればいいね。
弾力でダメージ軽減も期待できるし、解除失敗した罠から、操る人形や仲間を『かばう』ことも視野に入れて動こう。
……いや、人形はかばわなくても回避行動させればいいか?
●最深部への挑戦
後続の為に用意された張り紙と数々の破砕痕を辿り深層の入り口に人影が現れる。辿り着いたそこで自らが操る人形の腕に抱えられた、リリウス・テイケー(ブラックタールの人形遣い・f03261)が感謝を込めてに言葉を紡ぐ。
「先行してくれた仲間達のお陰で、素早くここまでこれたね。このあたりからが未攻略ということかな?」
魔法学園の現状を鑑みスライムに似た姿を生徒に見せないよう考えていた彼にとっては、生徒がいまだ辿り着けていない未攻略のこの場所こそ、本領を発揮できる環境であると言えた。
「さて、罠を確認・解除しながら進んでいくとしようか」
そう言って自身を人形に運ばせつつ、その身体の組成を変化させ細く繊細でいて自在に動く触手を通路へと伸ばし罠の解除を試みる。はっきりと言ってしまえば、錬技の迷宮の罠に人形遣いとして、日々からくり人形を操るリリウスに対応できないものはなかった。
僅かな隙間からも侵入した触手は、本来であれば手が届かず無力化のできない罠の根幹そのものを確実に無力化していく。落とし穴は支えが落ちず、射出機は鏃が外され空撃ちをする。想定されていない方法に迷宮の罠は無力であった。
そして、罠を無力化してゆくリリウスを抱え深部へと進むからくり人形の前に、魔法学園の校章が刻まれた大扉が現れる。
「ここが迷宮の最深部ということかな。学生が通った形跡もないし一番乗りのようだね」
軽い安堵と共に零す彼の言う通り猟兵達が協力し挑んだ迷宮の踏破は学生の先んじて大図書館へとたどり着く結果を勝ち取った。
【錬技の迷宮:最深部到達】
大成功
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第2章 集団戦
『書物の魔物』
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POW : 魔書の記述
予め【状況に適したページを開き魔力を蓄える】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : ページカッター
レベル分の1秒で【刃に変えた自分のページ】を発射できる。
WIZ : ビブリオマジック
レベル×5本の【毒】属性の【インク魔法弾】を放つ。
👑11
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大図書館の前に集まった猟兵達に迷宮に入り込んでいた生徒たちの確保が完了し、図書館では戦闘に集中していただいて大丈夫ですと言う、教師に幾人かの猟兵が訝しげな顔をする。
その顔を前に魔法学園世界では、知識は力であり、知識を集積した書物もまた強力な力を持つこと。そして、出現した災魔の影響で、それにかかわる知識が掛かれている書物の魔物も災魔化しているだろうことが告げられる。ですのでお気をつけて、と頭を下げた教師に頷き返しあなた達は大図書館へと足を進める。
ガーネット・グレイローズ
魔法と蒸気の世界か……なんとも、面白い! さあ、鬼が出るか蛇が出るか。
書物の魔物ということで、Wizは高めとみた。ならば…これでいくか
(妖刀アカツキを構え)
使用ユーベルコードは「サイキックブラスト」。射撃で勝負だ!
こちらの攻撃があたれば、敵の動きをある程度封じることができる。
本棚の陰に隠れながら、仲間と連携をかけて行動だ。
孤立しないように注意し、逆に敵を逃げ場のない壁際などに追い込んでやる。接近戦では、剣を抜いて戦うぞ。
<吸血><生命吸収>の技能を駆使し、毒のダメージを補いながら戦おう。
ナノ・クロムウェル
ふむ…『書物の魔物』ですか…厄介ですね。
今回は真の姿を開放した私の力で敵と戦います。
「サイバーアイ」で情報分析しつつ、敵の攻撃に注意しましょう。
私は魔導蒸気機械である「ガジェット」を使用します。
今回持ち込む形状は…掃除機のような物です。
そこから風を放つことで敵の体勢を崩しましょう。
単純な思考ですが…「ガジェット」の技能「属性攻撃1」の効果で風属性の攻撃です。
チャンス時にユーベルコード「ブレイズフレイム」です。
地獄の炎で燃やします。
おっと…倒したら炎は消化します。
図書館そのものを燃やすわけには行きませんので。
敵でない書物に燃え移った場合も同様に即座に消化します。
風と火って相性いいんです。
皐月・灯
この化けもんの使う技、どれもこれも遠距離技じゃねーか!
近づかせねえつもりか、こいつ…!
なら、上手く地形を利用するしかねーな。
ここは大図書館だ。身を隠せる程度にデカい本棚も複数あるだろう。
そいつに潜みながら接近し、オレの間合いに捉える。
そして明後日の方向に本を投げて気を引き、背面からこの拳でブチ砕く!
悪りーけどな、【だまし討ち】ならお手のもんなんだよ!
魔力を込めた拳の一撃で術式を叩き込んだ後でそいつを発動すりゃ、
更に重たい衝撃が叩き込まれるってわけだ。
おっと、一撃加えたらすぐ本棚の陰に飛び込むぜ。
ヒット&アウェーってヤツだ!
ティエル・ティエリエル
「そんな文字だらけの本なんてボクいらないよ☆」
猟兵とは言え、まだまだ子供のティエルは小難しい本には興味がないみたい。
戦闘に突入すると、【ライオンライド】で体長40cm程度の子供の黄金のライオンを呼び出し跨ると、
縦横無尽に走り回りながら、【SPD】でかく乱して戦うよ。
乱れ飛ぶページを掻い潜りながら、開いた書物をレイピア型の獣奏器でぶすりと刺して回るよ♪
子ライオンくんには鋭い爪でビリビリに引っかいていってもらうね。
「ふふーん、そんな攻撃なんて当たらないよ☆」
ルチル・ガーフィールド
「オブリビオンになってしまったとはいえ~、貴重な本を…でも仕方ありませんね……」フレイムウェポン!!と声をかけると、ルーンソードに立ち昇る炎、剣を振るうと炎は旗のようにはためく。「これは威嚇です。周りを燃すわけにはいきませんから!!」仲間に声をかける。実際、剣から離れた炎は選別せずすべて消していき、敵をひるませることをメインに剣を振っていく。とどめが可能ならトリニティ・エンハンスで炎を増幅させ「本たちを、学生や皆さんに返してくださぁぁい!!」
コロッサス・ロードス
迷宮探索と同じくルチル(f03867)、瑞樹(f03860)と行動
「ルチル、実戦の腕は鈍っていないな? 瑞樹、いつものように頼む!」
戦闘時は『武器受け』『盾受け』『オーラ防御』等の防御技能を活かす為、また仲間を『かばい』少しでも被害を抑える為にも、敵に肉薄して『おびき寄せ』より多くの攻撃を自分に向けさせる
但し闇雲に突出する愚は冒さず、遊撃はルチル、回復は瑞樹を信頼し、自身は確実に隊列を維持させる事に重点を置いた闘いに徹す
また敵の【魔書の記述】に対しては、事前動作であるページを開き魔力を蓄える行動を素早く『見切り』、溜める猶予を与えることなく、『カウンター』狙いでユーベルコード【終極の剣】を放つ
鈴原・瑞樹
コロッサスさん(f03956)、ルチルさん(f03867)と一緒に行動
【シンフォニック・キュア】を使って味方を回復でサポートします
「コロッサスさん、ルチルさんサポートは任せてください。」
図書館の物には、なるべく被害が出ないように気を付けて戦います
ただこちらが不利になりそうな時に限っては、魔物を倒すことに集中する
「なるべく魔物になっていない本には被害出さないようにしないと……。」
戦いが終った後は、ケガしている人がいたら回復、図書館の中を簡単に片づけてから先に進む
「本には書いた人の知識が詰まっているだから大切にしないとです。」
白銀・雪斗
地下にこんな大図書館があるなんて……凄いな
しかし、書物も災魔化してしまとは
書物を傷付けるのは、少し気が引けるが……
この世界、人々を守る為に、躊躇わず戦おう
敵に囲まれたり、背後を取られたりしないよう注意する
敵に突っ込むような真似はしない
弱っている敵を狙い、各個撃破を狙う
近くに猟兵が居るならば協力しよう
『先制攻撃』ですぐさま仕掛ける
氷の『属性攻撃』をする【白鷹】を召喚し、氷柱による攻撃で敵を貫く
頼むぞ、白鷹ーー分厚い書物も貫いてしまえ!
敵の攻撃は『見切り』で回避を試みる
攻撃の兆候をよく見て避けたい
遮蔽物が利用できるなら、それも利用していこう
●大図書館前
魔法学園の校章が刻まれた扉を前に大図書館の攻略に向け猟兵達が各々集中力を高めていく。
●興味
桃色の髪に銀色に煌めく雪の結晶を飾り、驚きに揺らぐ金色に瞳で図書館の扉を見上げる白銀・雪斗(白雪の鷹・f00725)は言葉を零す。
「地下にこんな大図書館があるなんて……凄いな」
森を故郷に持つ彼女にとっては書物が災魔となることも含めこの世界は新鮮だろう。だが、程なくして猟兵としてこの世界、人々を守る為に、戦う責務を果たすためその瞳が鋭く細められる。
●共闘
妖しい魅力を感じさせる漆黒の外套を纏うガーネット・グレイローズ(ダンピールの妖剣士・f01964)はこれから共に突入する、翠炎の残滓が揺らめくナノ・クロムウェル(翠炎のメタルサバイバー・f02631)の持つ掃除機のような魔導蒸気機械へ興味をそそられ声を掛ける。
「それで戦うのか?」
「はい……このように」
ナノが魔導蒸気機械へと手を滑らせると、蒸気と歯車が生み出す独特の音色が響き風の弾丸が放たれる。それを見たガーネットは興味深そうに笑い、腰に携えた妖刀アカツキの柄頭に手を置きナノへと提案をする。
「なんとも、面白いな!なぁ、私と共闘しないか?」
「こちらこそ……よろしくお願いします」
その後も遠慮なく話しかけるガーネットへ、ナノが抑揚の少ない声で丁寧に答えてゆく。
●競争
皐月・灯(灯牙煌々・f00069)は自身の腕を覆う得物の感覚を確かめつつ、大図書館前で告げられた書物の魔物の特徴を思い出しつぶやく。
「化けもんの使う技、どれもこれも遠距離技じゃねーか!」
「えー、攻撃なんて当たらなければいいだけだよ☆」
そのつぶやきに華やかなティアラを頭に乗せたティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)が反応する。書物の魔物をちょっと変な災魔としか思っていないティエルの言葉に、面倒ではあるが苦手とは思っていない灯の戦意が炙られる。灯のちょっとした変化を妖精らしい無邪気さで察したティエルが満面の笑みで提案をする。
「それじゃ、競争だよ☆」
「悪りーけどな、手加減しねーよ」
それきり言葉を交わさないティエルと灯だったが空気は弾けるのを待つような程よい緊張感に満ちていた。
●連携
鈴原・瑞樹(オラトリオの聖者・f03860)とルチル・ガーフィールド(ミレナリィドールのマジックナイト・f03867)は本来は静謐を尊ぶべき場所で、先人の知識が詰まった書物と戦い傷つけることになることを憂いながら大図書館の扉を見上げていた。
「災魔になってしまったとはいえ~、貴重な本を…でも仕方ありませんね……」
「なるべく魔物になっていない本には被害出さないようにしないと……」
そこに真紅の聖鎧に陣羽織を重ねたコロッサス・ロードス(金剛神将・f03956)が大図書館の構造を確認し戻ってくる。
「あぁ、人にも物にもなるべく被害がないようにしたいものだね」
そして、書物の魔物を相手取る際の細部を確認も終わり突入を待つばかりとなった頃、瑞樹が中層部で罠を突破したコロッサスとルチルに幾度目かの心配げな声を掛ける。
「コロッサスさんはもう疲れてませんか?ルチルさんも無理はしないでくださいね?」
「おかげで万全だよ。瑞樹こそ疲れていないかい?」
「私も問題ありません~。乱戦になるかもしれませんし気を付けてくださいね~」
確かな絆を感じさせる三人は共に過ごす時間を大切に、穏やかな空気は崩れることはなかった。
●突入
大図書館の扉がゆっくりと開かれる。初めて見るその内部は大図書館と呼ばれるにふさわしい重厚さと荘厳さをもって猟兵達を出迎える。だが、その感動も中空を舞い魔力の光を纏った災魔の群れという異物が現れることで終わりを迎える。
ここは受けもとう、と真紅の聖鎧を纏った偉丈夫に、自然な形でより添った魔導人形の女とオラトリオの少女の三人が前に出る。その様子にそれぞれに感謝を伝え、妖刀を携えた女と翠を揺らめかせる少女はより広い場所を求め連れ立って移動し、自身が呼び出した黄金の獣に跨った妖精姫と身体の重さを感じさせない剣術士の少年は争うように戦いやすい場所へと散り、凛とした雰囲気の弓術士は大図書館の奥に向かい身を進める。
●受付
大図書館の入り口付近、カウンター以外目立った障害物のない広い空間でコロッサスが書物の魔物を引き付けるように、悪しき終焉を打ち砕く為に鍛造された剛剣と不撓不屈の覚悟が籠められた大盾を携え共に残った二人へと声を掛ける。
「ルチル、実戦の腕は鈍っていないな?瑞樹、いつものように頼む!」
「もちろんです~。お任せを~」
「はい!サポートは任せてくださいっ!」
そう応じたルチルがフレイムウェポン!!と魔術の起動呪を唱えると携えたルーンを刻んだ魔法剣から書物の魔物が苦手とするであろう炎が立ち上り、その炎に照らされながら瑞樹は静かに息を吸い込み、身体を巡る聖なる魔力を声に乗せ、柔らかく整えた声色で旋律を刻み二人を支えるように歌い出す。
そんな三人を狙うように宙に舞う書物の魔物達からは毒々しいインクで形作られた魔力の弾丸と薄く鋭利な紙の刃が放たれる。それをコロッサスが自らの体ごと大盾を割り込ませ、背後で癒しを歌う瑞樹に向かう弾幕を遮り、自身のへ牙を浮くものは剛剣にて打ち払う。
そして、脅威を打ち払った彼の背後からルチルが滑り出るように滑らかに書物の魔物へと向かい収束させた炎刃の一撃を叩きつける。
「これは威嚇です!周りを燃すわけにはいきませんから!!」
その言葉に書物の魔物達の位置と受付の状況を見た瑞樹は疲労や苦痛が癒されるように歌を歌い続けながら自身に出来る事を確認し、コロッサスにそのことが伝わるよう、より大きく響かせながら瑞樹は自身にできる最大限の支援に挑む。
(私が動けばコロッサスさんも動けます。ルチルさんの炎が大図書館を傷つけなくていい場所は……あそこですね)
●閲覧区画
大図書館の一角、書棚ではなく机と椅子の並べられた場所に妖刀アカツキを振るうガーネットの真紅の髪が翻る。ナノとの共同戦線の為、周囲を巻き込まない場所を選んだ結果であったが、書物の魔物達を身軽さで翻弄し押し留めるガーネットが苦境に陥ることはなかった。
「鬼が出るか蛇が出るかと思っていたが…やはり、面白い!」
むしろ、蒸気機械に続き、複数の魔法生物と対峙し視界に収めるガーネットには楽しむ余裕すら見て取れる。そんな彼女の背中に後方から風の弾丸で支援するナノの声が届く。
「右奥……毒の矢に注意を。左……魔力光を確認した……今が狙い目です」
機械化された身体とその瞳に収まる高度演算装置に加え下層で解放した翠炎を想わせる揺らめきに支えられるナノは書物の魔物の挙動を的確に解析し、乱戦でもあるに関わらずガーネットに向かう攻撃の予兆を伝え、回り込もうとする個体やその身を一部を刃とし襲い掛かろうとする個体には、牽制を行い敵の行動を制限出来るほどに戦場を把握していた。
●書架区画
大図書館の一角、書棚が立ち並ぶ一角を黄金の子ライオンに跨りティエルが縦横無尽に駆け抜ける。その姿に書物の魔物は毒の矢を紙の刃を行く先を遮るように、ばら撒くが俊敏に軌道を変え攪乱する子ライオンを捉えられず接近を許し、無防備を晒す災魔にティエルの持つレイピアが突き刺さり災魔は抵抗もできず動きを止め、順調な戦果に上機嫌そうな声があがる。
「ふふーん、一体目だよ☆」
一方、灯は身体軽量化の術式を込めた靴を使い音や気配を殺し書棚の陰に潜みながら、書棚から拝借した本を片手に機を窺っていた。そして、不用意に間合いに入ってきた書物の魔物へと本を投擲し、災魔の気がそれた瞬間を狙い接近し魔力を込めた拳で、一切の抵抗を許さず一番硬い背表紙を貫き無力化し、そのまま流れるように書棚の陰に戻り油断なく周囲を確認しつつ次の獲物を選定しつつ息をつく。
「近づかせねえつもりかもしれねーが、これくらいならお手のもんなんだよ」
●閲覧室
大図書館の最奥を白いショートコートを翻しつつ暗がり選びを駆ける雪斗の目に書物の魔物達が映る、本を読むために誂えられたその場で飛び回る災魔に自身が気が付かれていないことを確認し短く息を吸い呼吸を整える。
「書物を傷付けるのは、少し気が引けるが……純白の鷹よ――此処に来たれ!」
彼女の喚ぶ声に空気が陽炎のように揺らめき、その肩に雪のような純白の鷹が現れる。
●剛閃炎刃癒唄
コロッサスが揮う剛剣と真紅の大盾が堅牢な守りとなり、影のように寄り添いつつも猛る炎を奮うルチルが書物の魔物達を追い詰めてゆく。毒による浸食や紙刃による怪我は瑞樹の歌によって癒される。危なげない戦いを続けるうちに書物の魔物達の動きが変化する。
この世界では知識は力、戦いの中から三人の戦いの中心が堅牢支えるコロッサスであることを学び取りそれを崩そうと己の自身を開きこれまでの戦いをその身に刻もうと魔力を湛える。
だが、それこそが書物の魔物達の最期となった。そう、彼らは漫然と災魔を迎撃していたのではなかった。瑞樹が少しずつ戦場を最も広い場所へと移し災魔の隙を伺っていたのだ。そして、防御に徹していたコロッサスの剛剣が攻撃に転じる。
「我、心魂気魄の斬撃を以て獣心を断つーー!」
その剣閃はまさに雷光、動きを止めていた書物の魔物に対応できるものではなく書物の魔物達の一角が斬り裂かれ、切り開かれたその場所に抑えていた魔力を開放したルチルが飛び込む。
「本たちを、学生や皆さんに返してくださぁぁい!!」
溢れ出る炎は全てを焼く火を体現した業火。巻き込まれたものを容赦なく焼き尽くすそれに、書物の魔物達は為すすべなく焼かれ、少しばかり焦げた本が災魔より解放され残った。
●刃雷翠嵐
毒を帯びた弾丸や紙刃がばら撒かれ、縦横に走る銀閃が毒弾を斬り裂き、緑弾が紙刃を撃ち抜く。順調に書物の魔物達を翻弄していた彼女たちが一際広い場所にたどり着いた時、連携がふと崩れる。
ガーネットを援護していたナノの風の弾丸が途絶え、彼女の背中を護るものがなくなる。散々に翻弄され続けた書物の魔物達は、その隙を逃さずガーネットを取り囲み無数の刃にて切り刻もうとその身を変えようとしするが、それよりも早くガーネットの両手からアカツキへと雷光が流れる。
「追い込まれたとも知らずにな」
至極、冷静な言葉と共に一瞬にして薙ぎ払われた雷光を宿した白刃は空気を焼く音と共に雷撃の剣閃となり書物の魔物達を縛り動きを止める。動けない災魔を置き去りにその中心から身を逃がした彼女にナノから感謝の言葉が届く。
「ありがとう……後はお任せを」
その言葉と共にナノの腕が引き裂かれるように紅蓮の炎に染まり揺らめく翠色へと変化する。高熱により稼働率を高めた魔導蒸気機械は鋭利な音を響かせ暴風と共に翠炎を動きをとめた書物の魔物へと放つ。
そう、確かにここは広い。だが、それはナノの翠炎を遮るものがないということ。そして、ガーネットの刃雷に身を縛られ逃げるすべがない書物の魔物達にとっては逃げる場所のない死地。充分な広さに暴風を飲み込んだ炎は立ち上る竜巻となり、役目を終え溶けるように消えた後に残ったのは書物の魔物だった本だけだった。
●金閃光撃
黄金の獣と妖精姫が縦横無尽に駆けまわり書物の魔物達を切り裂き、魔拳を揮う剣術士が致命の一撃をもって書物の魔物達を打ち抜いて書物の魔物が減ってきたころ、ティエルと灯は書物の魔物の変化に手を止めることとなった。
蹂躙され続けた書物の魔物達は距離を取り隙を見せるのを待つように近づかず細剣や魔拳を向ければすぐに距離を取る。そんな状況の変化に残った書物の魔物達を纏わりつかせ苛つきつつも打開策を考え書架を移動していた二人が出会ったのは偶然だろう、しかし同じ結論に達したのは必然と言えた。自身を狙う書物の魔物を狙えないならば目の前の相手を狙っている書物の魔物は?
「手伝ってあげる☆」
「こっちの台詞だってっーの!」
灯の腕を覆うガントレットに術式が編まれていく光が溢れ、ティエルの乗る黄金の子ライオンが合図を待つように唸る。目が合っていたのは一瞬、交差するようにすれ違った二人は競争相手へと牙を向ける書物の魔物達へと標的を絞る。
剣術士を狙う書物の魔物を鋭利な爪が引き裂き細剣が追撃を掛ける、妖精姫に迫ろうとする書物の魔物には打ち付けられた拳と共に流し込まれた術式が炸裂する。競争であり共闘である不思議な空間から書物の魔物達がいなくなるのはそれからすぐの事だった。
●白鷹
書物の魔物達が自らに気が付いていないことを雪斗は確認し、一気に書物の魔物へと攻撃をし仕掛ける覚悟を決める。
「頼むぞ、白鷹ーー分厚い書物も貫いてしまえ!」
短く鳴きその身に吹雪を纏わせた白鷹の突撃を行い、狭い図書館の中でも長弓を苦も無く操る彼女の小さな青い薔薇が2つ並んだ指輪が嵌まった手が、軽やかに弦を鳴らし援護する。
息の合った一人と一匹の連携により氷柱が紙刃を凍砕し、閲覧室の物陰を巧みに使った矢合わせが数多くの毒の矢を見切り無力化せしめる。そして、優勢に油断することない彼女たちは書物の魔物達を確実に撃破してゆく。
●書籍は大切に
少し焦げた本は丁寧に拾われカウンターに置かれ、コロッサスとルチルの疲労を歌い癒した瑞樹は戦闘で乱れた受付付近を片付けながらつぶやく。
「本には書いた人の知識が詰まっているだから大切にしないとです」
そうしているうちに瑞樹の元に大図書館の別の場所で戦っていた仲間たちが戻ってくる。ガーネットとナノは拾った本を半分ずつもち、ティエルと灯は拾った数の競争をしていたのだろうか騒がしく、雪斗は手元の本を興味深く捲りつつそれぞれの戦果を持ち帰る。それを受け取り瑞樹が感謝と共に提案をする。
「ありがとうございます。……あの、良ければですが少し片付けをしませんか?」
ある者はしっかりと、またある者はしかたなさげに、だがすべての猟兵が頷き魔法学園の教師が本を解析する間、猟兵達は片付けに勤しむこととなった。
成功
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第3章 ボス戦
『錬金術ドラゴン』
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POW : 無敵の黄金
全身を【黄金に輝く石像】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD : ドラゴンブレス
【炎・氷・雷・毒などのブレス】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : アルケミックスラッシュ
【爪による斬撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に錬金術の魔法陣を刻み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑17
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●大図書館閲覧室
書物の魔物を排除した後、猟兵達が集めた書物から判明したことを魔法学園の教師が伝える。彼の言うことによると災魔として蘇ったのは過去この錬技の迷宮で迷宮主を任されていた「錬金術ドラゴン」。災魔と戦うための経験を積むために生み出された存在が災魔となってしまったのは何とも言えないことだがその分情報も詳しい情報が得られたのは僥倖と言えた。
外見として翼を持たない地龍と呼ばれる個体で誤解を恐れずにいえばトカゲなどの爬虫類が身近にいる生き物で似ているといえば似ているが飛べない分、強靭な四肢に備えられた爪や頭部にある角は猟兵と言えども侮れるものではないだろう。また、その身を覆う黄金の鱗も強固でドラゴンの名に恥じない強度を持っているという。
それ以外の特徴的な技能としては錬金術で作られた存在としての特性としてその身を黄金に変えあらゆる攻撃を防ぐ能力、雷のブレスを放ち自身の周囲を高威力に無差別に攻撃する能力、前足の爪に仕込まれた魔力紋。魔力紋は魔力を通すことで爪の切れ味をあげるだけでなく地面等の無機物に触れるとその場に身体強化の魔法陣を生成する機能がある。
そう説明し集まられた書物から内容はこれくらいですと、頭を下げた教師は後はよろしくお願いしますとその場を去ってゆく。
ナノ・クロムウェル
これは強敵ですね…。
私は「翠炎剣」を手に取り戦いましょう。
私には「鎧砕き1」があります。
これで黄金の鱗を砕いていきましょう。
少しでも「錬金術ドラゴン」を弱らせる…それが私の狙いです。
そしてユーベルコード「ヴァリアブル・ウェポン」を使用し、攻撃力を重視した内蔵兵器で押し切りましょう。
今回私が仕込む内蔵兵器はドリル型の「ガジェット」です。
あわよくばドリルの攻撃で「マヒ攻撃1」を与え、チャンスを作りましょう。
強敵ですが…やり様はあります…。
皆さん…後はお願いします…
コロッサス・ロードス
「竜を模した敵か……成程、先程の魔書とは比べものにならぬ」
基本的に『武器受け』『盾受け』『オーラ防御』等の防御技能を活かす為、また仲間を『かばい』被害を抑える為にも、敵に肉薄して『おびき寄せ』攻撃を誘う
攻撃は『鎧砕き』『2回攻撃』を同じ場所に打ち込み防御力の減衰を狙う
【無敵の黄金】に対しては、動けぬ相手の最も防御の弱い箇所に剣先を突き付けながら、【無尽禁戒】使用して「10秒毎に1回だけ身体を動かす」というルールを課す
ルール破る=【無尽禁戒】発動
ルール守る為【無敵の黄金】解除=不可避の突き刺し
このどちらかを狙う
【無尽禁戒】が無効時はルールの秒数を伸ばし、より容易く守れる物に変更して威力を底上げ
忍足・鈴女
コロッサス(f03956)、ルチル(f03867)、瑞樹(f03860)と共に行動。キンキラだから暗視とか必要なさそう… とりあえず【ドラゴンブレス】の届かない距離から『鎮魂の鈴』により多数の猫霊を召喚「呪詛」による「暗殺」が出来ないか試してみる【ドラゴンブレス】が確認できればめっけもんでござるな。 ルチルが引きつけてくれたら【凛とした音色】で音の障壁を張り皆を防御するような形で相手の【ドラゴンブレス】を防ぐでござる 「ふふふ、デカい声で叫ぶしか能がない蜥蜴でござるな」 と挑発して「時間稼ぎ」をして「野生の感」で回避してる間に 他の方が攻撃を加える。 お宝あったら「鍵開け」でもしようそうしよう
鈴原・瑞樹
コロッサスさん(f03956)、ルチルさん(f03867)、鈴女さん(f03727)と一緒に行動します
「これがドラゴンさんですか……。初めて見ました……。」
みんなの後ろの方で【シンフォニック・キュア】を使い味方をサポートします
ドラゴンブレスは特に注意して、ドラゴンがブレスを使うような動作を確認できたら、みんなに伝える
「ドラゴンさんがブレスを使いそうな予感がします。みなさん気を付けてください。」
ドラゴンを倒せた時は負傷者を回復します
「これで一件落着ですね。みなさんお疲れ様です。」
ルチル・ガーフィールド
コロッサス、瑞樹、鈴女と一緒に行動。「はぁぁぁ!!」跳躍から、渾身の勢いで振り下ろす剣、キン!!と跳ね返されるは計算ずく、剣に炎を纏わせ、振り向きもしない竜の首筋に「剣よ、纏え炎を!!」強化攻撃力ダメージを与えて怒らせ、退避する「こちらです!!」竜を誘いながらコロッサスの後ろに滑り込む 。ブレスを退避しながら「…本来でしたら、わたしが盾にならくてはいけませんのに…」とコロッサスを案じる。牽制がきき鈴女の無効化が可能そうなら「鈴女さん、お願いします!!」と声をかける。終了後、瑞樹のねぎらいの言葉に「瑞樹さん、回復ありがとうございました。途中…もう死ぬかと~でも、すべて無事収まってよかったです~」
●迷宮主の間
大図書館の最奥に備え付けられた、正面の大扉と比べても遜色のないそれの前で数人の猟兵達が相談をする。やるべきこと護るものを確認し合い、災魔の討滅に向け話し合いを終えた猟兵達は改めて迷宮主の間へと向かう。
●奮闘
幾度の脅威を退けてきたナノ・クロムウェル(翠炎のメタルサバイバー・f02631)が翠色の鱗火を零しつつ、その身を支え敵を打ち砕いて来た巨大剣を地獄の炎で翠色に猛らせ一人、黄金竜へと迫る。
「やり様はあります…。私は…独りではないようですから…」
迷わず進む彼女の目的は竜を覆う強固な黄金の鱗。そして、その動きを託すべき仲間へと伝えること。だからこそ、己に近づく猟兵を打ち砕こうと四肢に力を籠める黄金竜に怯むことなく、仲間の道を切り開くと定めた彼女は、自身を引き裂かんと迫る魔術紋を輝かせた黄金竜の前足へと翠炎を叩きつける。
●生存競争
黄金竜と打ち合いその身に刻まれた傷は浅いものではなかったが、演算デバイスの補助を得て幾度も同じ場所に叩きこみ続けた巨大剣の斬撃は攻撃の起点たる前足を傷つけ黄金の鱗へと傷跡を刻み込んでいた。
「やはり強敵ですね…。」
そうつぶやきつつも戦意を維持する彼女に、黄金竜が苛立たし気に唸り声をあげ、紫電の音を響かせ始める。その様子を見た彼女の腕が内部機構が廻り、翠炎剣を心金に魔導蒸気機関へと翠炎が焚べられる、歯車と蒸気の高音を響かせ組み上がったのは翠色の螺旋。激しく回転するそれを携え致死の雷光を口腔に滾らせた黄金竜へと向かう。
●道は交わる
雷光が弾け、翠炎が猛り、轟音が生まれる。迷宮に響く衝撃に吹き飛ばされたナノが見たのは痛みに唸り動きを止める黄金竜と穿たれ幾本かを欠いた黄金竜の鋭牙。
「皆さん…後はお願いします…」
その隙を見逃さず戦いの趨勢を見守っていた猟兵達が彼女がいた場所を埋め、黄金竜へとそれぞれの獲物を向ける。……彼女は気が付いているだろうか?彼女の生きる願いが刻む道が誰かを生かし支える道となっていることを。そう、翠炎の少女が切り開いた道は確かにそこに在る。
●猛る黄金竜
時間は僅かばかり遡る。雷光が弾け翠炎が猛る、その少し前、未知の相手への初撃をかってでた仲間を見守っている猟兵達がいた。
●継ぐために
黄金竜の挙動を見逃さないよう戦いに目を向けながら、吼え猛る獅子を模した金色の籠手で天魔を降せし破邪の光剣を握りしめる、コロッサス・ロードス(金剛神将・f03956)が竜を模した敵を評する。
「……成程、先程の魔書とは比べものにならぬ」
「これがドラゴンさんですか……。初めて見ました……」
同じくその暴威を黒い瞳に映し共に見る、鈴原・瑞樹(オラトリオの聖者・f03860)は離れていてもその翼と黒髪を震わせる戦いの余波に僅か言葉を震わせながらそう呟く。だが、その瞳は逸らされることなく繰り広げられる戦いをしっかりと映していた。そして、黄金竜の戦いを見ているのは二人だけではない。
書物の魔物達を葬ったルーンを刻んだ魔法剣を抜き放ち、青碧の髪から水縹の瞳を覗かせるルチル・ガーフィールド(魔法仕掛けの家政婦さん・f03867)と艶やかに着物を着崩し二股の猫尻尾を揺らしながら頭部の猫耳で油断なく音を捉える忍足・鈴女(最終猫型暗殺兵器・f03727)もまた出来得る限りの情報を汲み取ろうと意識を集中させる。
「硬そうですね~。全力で斬りつけても弾かれてしまいそうです~」
「キンキラだから暗視とかは必要なさそうでござるが……近づくのは危険でござろうなぁ」
黄金竜の脅威を再認識しつつそれぞれが自身の果たすべき役目を思案する。
●信じあう
翠炎の少女が吹き飛ばされた瞬間、その戦いを見ていたそれぞれが迷わず動き出す。
「お願いするでござるよ!」
黄金竜が痛みから回復する間を与えず、仲間への追撃は許さないとばかりに鈴女が大切に身に着けている愛猫の遺品である鈴飾りを柔らかく鳴らす。その音色に誘われるように迷宮の中空へと呼び出された多数の猫霊は鈴女の意思をくみ取りその身に呪詛を湛えながら黄金竜に纏わりつき視野を遮りながら黄金の鱗を黒く陰らせてゆく。
猫霊によって生み出された黄金竜の死角を突くように、はぁぁぁ!!と気炎をあげながらルチルが跳躍し首筋へと向けてその手に持つ魔法剣を振り下ろす。怒りにその眼を染め避けようともせず、憎しみのまま行動をしようとした黄金竜の思考が、ルチルが唱えた力ある言葉に遮られる。
「剣よ、纏え炎を!!」
紅蓮の炎を纏った魔法剣は呪詛で陰った鱗を削り痛みと熱を与える。黄金竜は穿たれた鋭牙の怒りと再び己を傷つける炎への憎しみをルチルへと唸り声と共に向け、自身に視線が向いたことを確認したルチルは黄金竜を重心を低くし身構える真紅の聖鎧を纏ったコロッサスへと誘導する。
(…本来でしたら、わたしが盾にならくてはいけませんのに…)
コロッサスを案じつつも背を見せ誘うように逃げるルチルを追いかけ振るわれた、黄金竜の巨大な爪を迎え撃つように距離を詰めたコロッサスが、堅牢な装甲靴で迷宮の踏みしめ、真紅の大盾から鈍く重い音をさせつつ防ぎ、巨大な爪を食い込ませたままの大盾を受け流すようにずらし捌ききる。
「我、金剛不壊の穂先也!」
決して砕けぬ意思が込められたその言葉が通じたかは不明だが、籠められた意味を感じ取ったであろう黄金竜は、唸り声と共に爪に刻まれた魔術紋を起動し、巨体に見合った重量と威力のそれをコロッサスへと振り下ろす。それは、模造品とはいえ竜の一撃。人の身では成しえない剛爪を迎え撃つコロッサスへと瑞樹の歌が届く。籠められた祈りはコロッサスの背中を支えるようにその身体に活力を与える。そして、それ以上に守ると定めた少女が背後にいるという事実がその身に力を与え剛爪が砕くことの能わない不壊の盾がそこに在る。
そう、そのようにいつも自身の前にあるその背中を見つめながら、あの日オブリビオン…ヴァンパイアに狙われ襲われた時から自身を守り続けるコロッサスが二度と倒れてしまうことがないように瑞樹は祈るように歌い続ける。
(どんなに相手が強くても私は絶対に諦めません……コロッサスさん、ルチルさん、鈴女さんを信じて支え続けてみせます)
●悪夢を穿つ
黄金竜が暴威を振るう迷宮主の間に絶えることなく瑞樹の歌が響き渡る。怪我を負えば治癒を願い、振るう腕が鈍れば快癒を願う。共に戦う三人を視界にとらえ、その状況を的確に把握している瑞樹だからこそ、それに最初に気が付いたのは必然だった。呪詛に陰る黄金の鱗の一部に煌きと共に紫電が走る。気が付いたことの重大さ故に僅か歌声を止め猫霊を操りつつ鉄針をもって黄金竜の狙い機先を制すように援護していた鈴女達へと伝える。
「ドラゴンさんがブレスを使いそうな予感がします。みなさん、気を付けてください!鈴女さん、お願いできますか?」
「任せるでござるよ!……全てを搔き消すこの音色…ふふ…ええ音やろ?」
そう応じ鈴女が亡き愛猫の皮を使用した三味線を取り出し心を通わせるように爪弾き出すと、軽やかに奏でられる旋律と共に黄金竜との間の空気が歪みだす。その歪みが四人を覆ったころ黄金竜の口腔に湛えられた雷が甲高い炸裂音と共に炸裂し歪みの上を流れ急速に勢いを失って消滅する。
「ふふふ、デカい声で叫ぶしか能がない蜥蜴でござるな」
鈴女の嘲るような挑発に意識を奪られた間隙を突くように、これまで守りに徹してきたコロッサスが前に出る。その様子に警戒しその身を黄金に変えようとした黄金竜の傷が刻まれた前足へと衝撃が走る。重ねられる戒めは生き物なら意識せずとも行う身じろぎ。だが、錬金術の秘儀を行使する黄金竜はその禁に触れ、破邪の光剣が黄金竜の前足に沈み込む。
●託す
迷宮主の間に黄金竜の絶叫が響き渡る。絶対の自信を持つ技を破られた混乱と血に染まった前足からくる痛みによる怒りで、ただ周囲を無差別に破壊しだしたそれを見てルチルが声をあげる。
「撤退いたしましょう~。殿は努めますので~」
共に殿をとルチルに並んだコロッサスを見て瑞樹と鈴女がナノの元へと走り出す。
「大丈夫そうでよかったです…ひとまず一緒に逃げましょう!」
「さすがにあれは無理でござろう。命あっての物種でござるよ」
暴走の余波を三味線の音色で和らげ手の空いていない鈴女の替わりにナノの手を握り瑞樹が出口へと駆け出す。その言葉に自身が継いだ黄金竜との戦いを身体を休め見守っていたナノが頷き五人は迷宮主の間を後にする。猟兵達と黄金竜との最初の交戦は確かな傷を刻み優勢に終わりを迎えた。
成功
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ティエル・ティエリエル
「ふんふん、最後はドラゴン退治だね。大丈夫、任せておいてよ♪」
ふふーんと、ぺったんこな胸を張って自信満々に飛び出していくよ。
このドラゴンは飛べないんだよね?それじゃあ、空中から味方の援護だよ♪
空中から傷ついた仲間達の周りを忙しく飛び回って「小さな妖精の輪舞」を使ってどんどん癒していくよ☆
【翅から舞い散る妖精の粉】はキラキラ光って見えるんだから♪
もちろん空中にいるからって油断はしないよ。相手の行動を見て、こっちに届きそうな攻撃はキチンと「見切り」を使って回避だよ!
ギャリソン・ハイオクバーナー
ハッハァ!でけえ図体してノロマそうなトカゲだなぁ!
なんだか暴れまわってるみてぇだが、てめぇみたいなヤツの攻撃なんざトロすぎて欠伸がでるわ!
【俺様究極超絶爆速モード】発動!そんでもって「ダッシュ」「ダッシュ」「ダッシュ」だ!
兎にも角にもガンガン走り回ってトカゲを翻弄してやるぜ!
ブレスで周囲まるごと攻撃してくるようなら、こっちも地獄の炎で迎え撃つ!加速するほど加熱する俺様の炎を静電気ごときで受けきれるか!?
動き回る俺様にトカゲが気を取られりゃ、他の猟兵が隙を突いてトドメを刺すチャンスもあるだろう。
俺様一人なら、いざとなったら「鎧砕き」であの金ピカな鱗ごと丸焼きにしてやらぁ!
●迷宮主の間
黄金竜と戦い確かな傷を与え撤退してきた猟兵達を、迷宮主の間の前に到着した猟兵達が迎える。現状を確認しあるものは力強く、またある者は明るく応じながら黄金竜が暴れる音を響かせるその場所に目を向ける。
●意気軒高
燃え盛るもの、鋭利な鱗を持つもの…他にも多くのマフラーを首…首?に巻き、その身にバイクのようにマフラーを挿したギャリソン・ハイオクバーナー(爆走スタンドガソリン・f03629)が、鈍い音を響かせる迷宮主の間へと繋がる扉を見ながら呟く。
「なんだか暴れまわってるみてぇだが、ガンガン走り回って翻弄してやるぜ!」
「ふふーん、飛べないみたいだし援護は任せておいてよ♪」
その言葉に故郷の妖精の国で聞いた吟遊詩人の英雄譚に出てくる、竜を討伐し捕らわれの姫君を助ける勇者を思い出しながら、ぺったんこな胸を張って自信満々にティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)が、守るべき世界の為の高貴なる在り方として請け負う。
お互い準備が出来ていることを確認すると、っしゃぁ、いくぜぇ!と扉を破る勢いで突き進んだギャリソンをはっや~い☆と楽しそうにティエルが追い、猟兵達と黄金竜の戦いの第二幕が切って落とされる。
●最速・超速・爆速
怒りと痛みに我を忘れる黄金竜の暴威が、剛爪が地面を穿ち魔法陣を刻むことでさらに威力を増してゆく。だが、ギャリソンの覚悟には届かない。賭けているものが違うと、たかたが痛み程度で我を忘れるノロマなトカゲ程度では届かないのだと言わんばかりに地獄の炎を猛らせる。
「てめぇみたいなヤツの攻撃なんざトロすぎて欠伸がでるわ!死ぬのが怖くて自由が掴めるかってんだ!!」
そうして迷宮主の間に所狭しと刻まれていくのは存在の証、命を燃やし輝く炎跡が魔法陣を焼き裂き破壊する。所狭しと走り回る黒緋の弾丸は右腕に傷を負い動きの鈍い黄金竜に雷光を口腔に溜めさせることなく追い詰めていく。
その無謀なまでの姿を支えるのは中空で舞い踊り、その翅から舞い散る妖精の粉を降らせるティエル。流石に翅を持ち自由に空を征くティエルであろうと、ギャリソンの速さには追い付かない。しかし、中空を舞い動きその軌跡を見定める彼女は移動経路を予測しキラキラ輝く幻想的な鱗光を事前に振り撒き的確に癒していく。
●空に踊る
駆け抜けつづける黒緋の弾丸とそれを支える妖精姫が黄金竜が翻弄してしばし、魔法陣の加護を失った黄金竜が状況を変えようとティエルへとその矛先を向ける。確かに黄金竜に翼はないが、その代わりに巨大な体とそれを支える強靭な四肢がある。迷宮という場所でなら黄金竜の剛爪はティエルに届く可能性があった。
「やっぱり本物じゃなきゃダメなのかな♪そんな攻撃なんて当たらないよ☆」
そう、その可能性はすでに過去の話。その腕が振るわれる姿を十分に観察した空を踊るように自由に舞う妖精姫を、魔法陣を砕かれ血を流す右腕で支える左腕からの一撃では捕らえられない。
そして、空しく宙をかこうとする左腕から地面に振り下ろされる前に砕ける音が響き渡る。砕いたのは黄金竜が意識を逸らしてしまった黒緋の弾丸、砕かれたのは黄金の剛爪。呆然ともとれる呻き声をあげ黄金竜が崩れ落ちる。
●繋ぐ
その様子を背に猛る炎を収めたギャルソンがティエルを背中に乗せ共に戦場を離脱する。己の得意分野を活かした二人は終始、黄金竜を翻弄し左爪を砕き確かな戦果を成して次へとその場を繋いだ。
●手負い
鋭牙を穿たれ、腕を貫かれ、剛爪を砕かれた黄金竜が吠え猛る。その姿は見るまでもなく無残だが空気がはらむ緊張感は最初に劣るものではない。手負いの災魔は己だけでは朽ちぬと己を閉じ込める扉を睨みつける。
大成功
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ルチル・ガーフィールド
「貴龍は本来の役目をゆがめられて、苦しんでいるのですか…?それとも、その本来の…過去の役割こそが…貴龍を苦しめているのですか?」同じ造られた存在として、どうしてもほおっておけず…通じないとはわかっていても、声をかけずにはいられない…(剣を抜く)「貴龍を苦しみから救い。時を先に進めます…フレイム・ウェポン!!」剣が炎を纏う。正面から切りかかり、ブレスが当たらない懐に飛び込む、爪は身体に接触しないように弾き(武器受け+怪力)剣の炎を浴びせ、龍を炎で包む(属性攻撃)//倒せたのなら「次に世界に創造されるときには・・・龍の姿ではないかもしれませんけれど、貴方の魂にどうか平穏がありますように…」(祈)
●問い掛け
青碧の髪に飾った羽根飾りから伸びる白青のレースとその身に纏う魔導人形用の服に飾り付けられた蒼のリボンを揺らし、ルチル・ガーフィールド(魔法仕掛けの家政婦さん・f03867)は再び訪れた迷宮主の間で対峙した黄金竜へと通じないと心の底では感じつつも問いかける。
「貴龍は本来の役目をゆがめられて、苦しんでいるのですか…?それとも、その本来の…過去の役割こそが…貴龍を苦しめているのですか?」
目の前にいる錬金術の秘術に生み出され使役され、今は災魔として蘇ったそれに対し同じ造られた存在として、彼女がどうしてもほおっておけず行った行動への返答は雷鳴と共に返る。そう、そこに在るのは骸の海から打ち揚げられた希望をくらう悪夢にして死に物狂いの手負いの魔獣。過去の似姿ではありつつも決定的に変異した世界を滅亡に導く厄災の魔。故に幾度と猟兵達と戦い命を零し、右足を貫かれ、左の爪を砕かれ、十全に動けなくなろうとも為すべきは破滅。
●願い
迷宮主の間を極大の白光が染めあげ、雷鳴が駆け抜ける。己の存在すらも吸い上げたのか雷光は黄金竜にすら牙を剥き、轟音と共に走る衝撃が剣を抜こうと柄へと手をかけていたルチルを吹き飛ばす。だが、黄金竜を憂いたからこその必然にして幸運。激しく吹き飛ばされた彼女はそのまま大図書館の中にまで弾かれ戻される。
「貴龍を苦しみから救い。時を先に……」
ルチルが願いを込めた言葉は紡がれず途切れ空気へと溶けた。
失敗
🔴🔴🔴
●悪夢
雷光に全身を焦がし、切り札を失いそれでも、過去の悪夢はそこに在る。
白銀・雪斗
錬金術ドラゴンか……初めて目にするな。
今までの戦いで手負いとはいえ、見るからに強敵だ。
一瞬の油断が命取りになりそうだな、気を引き締めていこう。
それに、このドラゴンも元は災魔と戦う為の経験を積む為に生み出されたもの。
今の状況は不本意だろう……と私は感じる。
解放してあげないとな。
ユーベルコードは【Arrow of Light】を使用。
ドラゴンと対峙したら、相手より先に動き『先制攻撃』を狙う。
ドラゴンの攻撃は、距離を取ったり『見切り』で回避を試みる。
回避が難しければ、雪盾の『盾受け』でダメージを最小限に。
チャンスがあれば『カウンター』も狙いどんどん攻撃して行こう。
この場所の平和を取り戻す……!
●迷宮主の間
魔法学園の教師達が慌ただしく動き回る合間を縫って猟兵が迷宮主の間へと向かう。不気味な静けさを感じさせるその場所に向けて、緊張感をはらませた足音が響いていく。
●風の弓
風の息吹を感じさせる弓の弦を確かめ、白銀・雪斗(白雪の鷹・f00725)が迷宮主の間の扉を前に短く息を整える。
「錬金術ドラゴンか……手負いとは聞いているが、気を引き締めていこう」
覚悟を定め、弓を片手に内部へと踊りこむ彼女の背後で扉は閉まり、猟兵と黄金竜との戦いの幕が再び切って落とされる。
●光の矢
雪斗と黄金竜、双方の黄金の瞳にお互いの姿が映ったのは同時。黄金竜の咆哮が響き、その身を削り黄金の鱗を曇らせながら彼女を迎え撃とうとした時、力強い輝きを宿した矢がその身に突き刺さる。
本来であれば成し得ないその結果は、雪斗と光の精霊との好誼の証。達人であろうと矢筒から矢を抜き、弦に番え、狙いを定め、撃ち放つ。決して省略できないそれを半分にせしめる祝福。
「……光の精霊よ!」
鋭い呼気と共に駆ける雪斗は、その手に生み出す輝きを持って曇った黄金の鱗を貫いてゆく。
●雪の加護
幾度かの攻防で幾本もの矢に貫かれた黄金竜が、ついに雪斗をその巨体の突撃にて捕え潰そうと死力を賭す。だが、氷雪が砕ける音と共に巻き起こった冷風が彼女を護る。致命の一撃を和らげたそれは、濡羽色の弓懸に宿った雪の精霊の加護。姿勢を崩しつつも黄金竜の突進を凌いだ雪斗の前には勢いのままに姿勢を崩す黄金竜の姿。
「解放したいと思うのは余計かもしれない……だが、この場所の平和は取り戻す……!」
憂いと覚悟の言葉と共に放たれた矢は無防備をさらす黄金竜の頭部を穿ち、悪夢は幻であったかのように跡形もなく消えてゆく。
●悪夢は晴れて
それから幾ばくか後、事件を解決した猟兵達がそれぞれの居場所に戻ったその後。数多くの傷跡を刻まれた迷宮主の間に響くのは魔法学園の教師達の忙しそうな声。過去から蘇った厄災の魔は猟兵達に討たれ、守られた未来は先に向かい始めこれからも続いてゆく。果たせた想い、果たせなかった想い。それぞれの猟兵に刻まれたものは別の形をしていることだろう。だが、それでも未来は悪夢から守られ、世界は確かに続いている。
成功
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