●神域に潜みし『神鋼』の神
「新年早々だが――ちょっと頼みたい事が出来たぜ」
霧島・クロト(機巧魔術の凍滅機人・f02330)が、
並び立つ猟兵達の前で告げた言葉は、吉報とも言い難い事実であった。
「……『鋼神ウルカヌス』が見つかった」
「連中は戦争中でも見かけた『神鋼の鎧』の量産をしながら、
いつかの『反撃作戦』の為に潜伏を続けていたみてーだが……。
俺達が見つけた以上は『逃さない』ぜ……なァ?」
集まった猟兵達に問いかけるようにした後、クロトは改めて説明に入る。
「まず、連中が見つかった場所だが、ヒーローズアースの日本。
流石に事態が事態なんで避難誘導も現地で直ぐに取り付けるが――」
クロトが告げた『潜伏場所』は、初詣で賑わう神社の近く。
本来ならば進入禁止たる洞窟に、連中がまるまる潜んでいるらしい。
「神主さんとかには既に許可は取り付けてある。
量産体制が間に合ってない今の内に連中を叩くぜ」
続けて、クロトは敵の状況を説明する。
どうやら量産体制が間に合ってないという事実は相応に此方にとって有利であり、
『最初に遭遇する』兵の群れは、一般的な装備しか持たされていないのだという。
「ただし、だ。量産体制は間に合ってないが、『出来てない』訳じゃねェ。
その兵の群れを統率する、側近みてーな奴だけは、『神鋼の鎧』を装備してやがる」
相変わらず完全ではないものの、高い耐性を以て攻撃を遮断してくるらしく、
『鎧の隙間』を出来る限り狙って欲しい、とクロトは念を押すように告げた。
「そうしたらば――最後に待ち受けるのが、ウルカヌスだ。
今は敗残兵みたいな状況だが、『ジェネシス・エイト』最強の事実は揺るがねェ。
油断なんかしたら、先んじてズタボロにされることは覚悟しとけよ」
クロトがグリモアの転送術式を開始すると、改めて猟兵達に向き直る。
「探し当てた以上は、俺も逃がすつもりは毛頭ねェ。
だから、お前らも『油断』だけはすんなよ。……頼んだぜ」
逢坂灰斗
新年あけましておめでとうございます。
初詣代わりに神様にカチコミ。逢坂灰斗です。
今回は、『鋼神ウルカヌス』の撃破に向かって頂きます。
【MSより】
このシナリオは『やや難』となります。
判定は難易度相応に行わせていただきますので、油断せずにお願いします。
また、全編通して神社の神域である『洞窟内』での戦いとなります。
十分な広さは存在し、光源も最低限のものを持ち込めている物としますが、
ある程度意識したプレイングが必要になるでしょう。
・第1章:
集団戦です。『デュランダル騎士』と普通に戦って頂きます。
・第2章:
ボス戦です。『神鋼の鎧』を装備したオブリビオンとの交戦となります。
現時点では詳細は不明ですが、
戦いにおいては『鎧の隙間』を狙うプレイング程、効果を発揮します。
・第3章:
ボス戦です。
洞窟の最深部で神力を高め続けようとしていた、
『鋼神ウルカヌス』との戦いです。
『先制攻撃』が発生しますので、対処法を巧く考えてプレイングして下さい。
・サポートプレイングは性質上『採用できない』可能性が非常に高いです。
申し訳有りませんが、ご了承願います。
・なお、チームや団体で参加される方は迷子防止の為、
【一緒に参加される相手】か【一緒に参加するグループ名】を
必ずご記述ください。
では、お目に止まりましたら、宜しくお願いします。……ご武運を!
第1章 集団戦
『デュランダル騎士』
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POW : デストロイブレイド
単純で重い【量産型魔剣デュランダル】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : ケイオスランサー
【魔槍】が命中した対象に対し、高威力高命中の【仲間のデュランダル騎士との怒濤の連携攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ : 不滅の刃
【量産型魔剣から放たれる光】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
●
初詣客で賑わう『表』は、最早別の意味で賑やかになりつつあった。
●神域に潜む者らは
――まさかこんなところに危険な存在が潜り込んで居ただなんて。
そんな噂が口々に語られるが、やはりそれは事実としか言いようがない。
人の奉る神の場所を、人が奉る事無き神が犯しているのだから、
それを奉ずる者達の対応も素早く。
本来ならば至近距離まで辿り着ける筈のその洞窟には、
最早猟兵達以外の者が近づくことすらままならぬのだ。
まだ先の見えぬ洞窟の中、響き渡るのは猟兵達だけでない『足音』。
お互いに動き始めたことは勘付かれたのだろうか――
そうでなくとも、猟兵達は真っ直ぐに歩を進めていく。
……憂いを、絶つ為に。
バーン・マーディ
………
お前達は此処に居たのか
我が誰か思い出せぬなら
思い出させよう
【戦闘知識】で彼らの陣形を把握
その上での練度と立ち回りを過去とも見比べ解析
そしてUC発動
同じ姿の騎士達が背後に現れ
見よ
死して尚その在り方を歪められた我らが同胞を
これよりその宿業から解放せん(彼らと同様の形状の黄金の柄の魔剣を掲げ
【オーラ防御】展開
先陣を切り突撃
【武器受け】で受け止め
【カウンター・怪力・二回攻撃】で切り裂く
受けよ
これ等は須らくお前達が信じた叛逆である
騎士団
連携を組み3人で一人を集中的に攻撃して撃破を試みる
敵の攻撃は庇い合いダメージを分散させ
また回復を行う騎士を優先的に撃破して無力化を図る
倒れた騎士達には静かに祈り
●過去と今の対峙
……その光景は、傍からすれば奇妙であったとも言えるだろう。
洞窟の奥より進み出てくるデュランダル騎士を迎えたのは――
同じく、揃いの鎧を纏い。だが『格』の違いをその威容のみで示す者。
「……お前達は此処に居たのか」
バーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)は、
その眼差しを揺らがせる事無く、ただ真っ直ぐに、
過去に散っていった、嘗ての『同胞』達を見据えていた。
だが、彼らは『知らぬ』。
覚えていても『否定』するであろう。
今の彼らの志は過去たる『侵掠』の意志に囚われ、嘗ての高潔すら無い。
刃が、確かに眼前の男に向けられれば、男はそれを受け。
その奥に一分でも湛えているであろうその哀しみを隠し。
「――我が誰か思い出せぬなら、思い出させよう」
同じ剣を以て、打ち払う。
練度は、変わらない。良く――知った通りのそれが繰り広げられている。
懐かしさすら覚えるその光景こそが、やはり『呑まれた』事実を、
淡々と嘗ての首魁に突き付けてくる。
「……見よ、死して尚その在り方を歪められた我らが同胞を」
彼は振り返ることはない。
けれども、『彼ら』に問いかけるようにして、その言葉は告げられる。
その言葉が発せられた時には、彼の背にも、同じ騎士達の姿があった。
『彼ら』もまた、『同胞』達から目を逸らさず。
ただじっと、実らぬ反逆の果てに『墜とされた』者達を見て。
「――これよりその宿業から解放せん」
掲げられた刃こそ、弔いの意志であろう。
或いは――『救う』為の剣であろう。
彼の誓いの後に、後背のマントは翻り、騎士団同士は『衝突』をする。
練度が変わらぬのならば、指揮官の技量のみがそれを左右するだろう。
向こうに敗因が有るとするならば、『彼』が指揮官で無い事だけが全てだ。
「受けよ――これ等は須らくお前達が信じた叛逆である」
神に仇なす筈の剣が、神に『使われている』という事実は、
『彼ら』にとっても、哀悼を以て受け止められる事実であろう。
泣くことは無いだろう。だか、横たわるものは『悼み』であり。
……確かに討ち果たされ、また再び、主君の下に帰る『資格』を得た者達に。
彼はただ、そっと祈りを捧げていた。
成功
🔵🔵🔴
イリーツァ・ウーツェ
年が移ろうと遣る事は変わらない
全員殺す
武器を使わなければ 地も砕けないのか
軟弱な事だ
全力魔法で自身を強化
渾身の怪力で剣を殴り砕く
瞬時に再び拳を構え、地に足を確と付け
UCを使い重力を乗せて、敵の上半身を殴り砕く
何なら鎧ごと消滅させてやろう
敵を殴って跡形も失すのは、初めてじゃない
竜の暴威を魂に刻め
一体消した。次。
●竜の道行き
洞窟の中へと、歩みが、迫ってくる。
何も知らぬ人には、武器も持たぬままのただのひとりの男が、
ゆっくりと向かっていったようにしか見えぬだろうが――
ひとのかたちをした『竜』が、ゆっくりと近寄っていく。
地をその足は握りしめ。イリーツァ・ウーツェ(負号の竜・f14324)は征く。
その眼は、鎧騎士の群衆を見定めて。
だが、それが内包する酷薄さを動かす事は微塵たりともなく。
眼前の相手が『過去』であるが故に。全ては『決まっている』。
「年が移ろうと遣る事は変わらない――」
――全員、殺す。
衝突に際して洞窟の壁を少し『抉り取った』魔剣の一撃を見遣り、
たじろぐ事すら無く、声色を変える事もなく、淡々と彼は言う。
「武器を使わなければ地も砕けないのか」
数瞬にして、全身に竜の魔力は駆け巡る。
それが齎すのは、拳にて魔剣を打ち砕く程の、『一撃』。
「――軟弱な事だ」
群れ為したとて、彼は『竜』であるが故に。臆す事などありはしない。
ただ、呼吸を続けるように、鎧を纏うのみの軟弱な『過去』へ、
それを打ち砕き『噛み砕く』ような、拳の一振りが放たれる。
鎧は砕け、中に存在していた人の姿が顕になるであろう。
だが、『なかみ』が見えたのは一瞬だ。
その衝撃が齎したのは、一切の慈悲無き『消失』という結末。
「……竜の暴威を魂に刻め」
何も、『跡形も無くならせる』のは初めてではない。
彼にとってこのような事は、驚嘆にすら値せず。
次の『犠牲者』に向け――眼差しが移るのみ。
「一体消した。次」
成功
🔵🔵🔴
ルパート・ブラックスミス
神に世の安寧を祈らんとする地にて、世の安寧を乱さんとする神を討つか。
望むところ。黒騎士ルパート、神殺しに参るとしよう。
UC【錬成カミヤドリ】、60体超えの複製鎧を展開。
味方を【かばう】のも兼ねて前線に突撃、敵の攻撃を【おびき寄せ】よう。
破壊されようと問題はなく、そして如何に広いと言えどこの数を洞窟内ですり抜けるとはいくまい。(【地形の利用】)
自身は燃える鉛で刀身を巨大化した【武器改造】大剣で、複製鎧へ連携攻撃を仕掛ける敵たちを【なぎ払い】だ。
併せて念の為にニクス(爆槍フェニックス)を【誘導弾】として【投擲】。
複製鎧で対処しきれない敵の行動を阻害するべく【武器落とし】だ。
【共闘・アドリブ歓迎】
●一人にして『軍団』
ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)は、
既に戦況の始まっている洞窟の中に、視線を向ける。
外は、人々が『ヒーロー』たる猟兵達の活躍を見守るように、
遠巻きに状況を見つめているが、初詣客が多いのか、その姿は晴れやかな物だ。
「神に世の安寧を祈らんとする地にて、世の安寧を乱さんとする神を討つか――」 人々の年始めの祈りの先が、猟兵達に向けられ始めているのを、
少しづつ感じ取りながら、黒騎士は歩みを進めていく。
「……望むところ。黒騎士ルパート、神殺しに参るとしよう」
歩む度に――自らと『同じ』鎧騎士をひとり、またひとりと伴いながら。
ルパートが鎧騎士達に相まみえる頃には、
『彼ら』は最早一師団と言っても過言ではない程の数に膨れ上がっていた。
互いの足音が整然と響き合う中で、それが止まるのもほぼ『同時』であった。
「――通らせはしないが、『押し通らせて』貰う」
ルパートが告げれば、鎧達は圧倒的な『数』を以て進軍する。
洞窟の中が戦いに支障はない程に『広い』と言えども、
そう易々とこの先を抜けることは許されない。
60を超える鎧騎士の群衆が道行きを埋め尽くすのであるから。
だが、向こうはそれでも連携を以て確実に『落とそう』と槍を振るう。
その練度は生前からの技量に拠る鮮やかな物だと、
ルパートにも見て取れるが、それでも彼が止まる理由にはなり得ない。
「中々の手練と見受けるが――『それでも』だ。往かせて貰う」
熱き血潮のように駆け巡る『鉛』を以て、自らの刃を鍛え上げた果て。
巨大なる剣が、連携をも押し流すように『焼き斬って』いく。
彼は『数』を持ちながら一人であるが故に、
『数』を圧倒するのは容易く、彼らの群衆は更に奥へと突き進んでいく。
寸断されても尚立て直そうとする相手へ、蒼き焔の槍が飛べば、
進撃は最早留まる事を知らぬだろう。
デュランダル騎士達が呑まれるまでは、そう長くは掛からなかった。
成功
🔵🔵🔴
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
世界は違えど、
神社での切った張ったなんてあまりやりたかないんだけどね。
アンタ達が拠点にしてるってんなら、解放してやらにゃ
ここに元からいる神様に失礼ってもんさ。
だから。
有象無象を問うつもりはねぇ、お前ら残らずぶっ潰す!
そう大声で啖呵を切って注意を『おびき寄せ』、
手近な騎士に『グラップル』で殴りかかる。
まあカウンターの様に槍を繰り出して怯ませ、
そのまま連携攻撃を仕掛けようとするんだろうけどさ。
その刹那を『見切り』、【縁手繰る掌】で
他のデュランダル騎士を槍の目の前に
『敵を盾にする』要領で差し出してやるよ。
そうして動揺している隙に、
『衝撃波』の『範囲攻撃』をぶち込んでやる!
●刹那の間隙
「……世界は違えど、神社での切った張ったなんてあまりやりたかないんだけどね」
数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は、
神社の神域たる場に足を踏み入れながらも、真っ直ぐに歩みを進めていく。
この場は、本来闘争とは無縁の場所であろう。
けれど、祀られし神に『非ざる』神が此処に巣食うというのならば、別だ。
彼女の任はこの場に居る『不届き者』を倒す事。
「だから――」
真っ直ぐな眼差しは、程なく鎧騎士達と交錯する。
告げられる言葉こそ、彼女の揺るぎなき誓いであり――
「……有象無象を問うつもりはねぇ、お前ら残らずぶっ潰す!」
宣戦布告であった。
その宣戦布告は間違いなく『脅威』と断じられたのだろう。
振り翳される槍は彼女の真っ直ぐな拳に交わるように向かってくる――
……筈なのだが。
騎士達にとっては、想定外の存在が現れた。
一瞬の出来事であった。
彼女と騎士を隔てるように、『同胞』が壁の如き位置に『転移』したのだ。
連携を崩すような『想定外』が刹那に捻じ込まれれば、
動揺が一瞬にして波及する。だが、その一瞬こそが『仇』であり。
「――ああ、気づくのも早かったね。けれど『遅い』!」
崩された配置にトドメを刺すように、彼女の念動が現出する。
1つの綻びから、がらがらと石垣が崩れていくように――
彼女を遮っていた『不届き者』は、吹き飛ばされていったのだ。
大成功
🔵🔵🔵
陽向・理玖
新年早々神域に不法侵入たぁ
全くはた迷惑な初詣客だよな…
あんたらとは前にも戦ってる
さっさと片付けて先に進ませてもらうぜ
龍珠弾いて握り締めドライバーにセット
変身ッ!
範囲攻撃で衝撃波撒き散らし
手近な奴からダッシュで間合い詰めグラップル
フェイントに残像まとい拳で殴る
暗殺も交えつつ急所狙い
確実に数を減らす
UC起動
敵の目くらまし兼自分の光源
移動のスピード上げ拳の乱れ撃ち
一気に決める
更に吹き飛ばしで近くの敵にぶつけ
一手先んじる
どこ見てんだよッ!
敵の攻撃よく見て見切り
言ったろ前にも戦ってるって
その攻撃はもう見切った
背後に回りジャンプキック
まぁ正月ボケの肩慣らしにはちょうどいいか?
さっさと終わらせよ
●龍を纏いし咆哮
「新年早々神域に不法侵入たぁ、全くはた迷惑な初詣客だよな……」
陽向・理玖(夏疾風・f22773)はそんな『客』と鉢合わせても、
冷静に、むしろ好戦的とすら思える表情で――敵を見定める。
間違いなく、記憶の端に刻まれたその存在達に、
彼は勝利を確信するように告げる。
「悪いな、アンタらとはもう『戦ってる』
――さっさと片付けて先に進ませてもらうぜ」
「――変身ッ!」
龍珠の弾かれる音こそが、開戦の合図だったろう。
彼の変身と共に齎された咆哮のような衝撃波が、近場の存在を吹き飛ばせば――
その衝撃の『内』より、龍装の戦士は猛る。
そんな彼の意志に呼応するように、強烈な七色の閃光は洞窟に満ちていく。
「悠長に怯んでる時間もねぇぜ、どこ見てんだよッ!」
強烈な閃光の最中にも彼は止まることを知らぬ。
畳み掛けるような拳の連打は、その勢いのままに荒れ狂い――
鎧騎士を吹き飛ばしては、怯んだ者から弾き飛ばしていく。
だが、それでも一矢報いようと魔剣の一撃は翳される。
その一撃は――無情にも『地面のみ』を捉えるのみ。
「……言ったろ、『前にも戦ってる』って」
完全に同一とは言い難いが、それでも『同じ』存在との交戦は、有利に働いた。
手に取るように分かる『癖』を見切れば、その背に鋭い一撃を与えてやれば良い。
ちょうどいい『肩慣らし』を終えた頃には、
光の中に佇んでいたのは、彼一人だけだった。
成功
🔵🔵🔴
死之宮・謡
アドリブ歓迎
ほう…神社に潜伏したか…なかなか小洒落ているじゃあないか…まぁ見逃さんがね?
鋼神…強いらしいじゃないか…結局戦え無かったからこの機会に是非アソんでみたいね…
洞窟…まぁ閉鎖空間何ぞ逃げ場の無い処に…棺桶と変わらんだろう?
【奈落より吹く風】発動…
悶え苦しみ生き絶えよ…
(属性攻撃:風で一応遊軍の処には届かぬように調整)
●死の先触れが満ちる時
「ほう……神社に潜伏したか……なかなか小洒落ているじゃあないか……」
洞窟を見回しながらも、死之宮・謡(宵闇彼岸染・f13193)は、
この先に待つであろう『強者』を想いながら、歩みを進めていく。
先刻の戦いでは、刃を交える機会が訪れなかったその神こそ、
彼女の想い描く相手の1つではあろう。
だが、それはそれとして。彼女とて『見逃す』道理などありはせず。
嫋やかな指先が、まるで何かを招くように行く先に伸ばされると――
「――まぁ見逃さんがね?」
恐ろしき物が、現世へと『持ち込まれた』のである。
洞窟の中に、清浄な神域には似つかわしくもない『瘴気』が満ちる。
人によっては根の国からの門が開いた――とも形容する程の物が。
「――洞窟……まぁ、閉鎖空間何ぞ、逃げ場の無い処に……
こんな所、棺桶と変わらんだろう?」
実際、洞窟に逃げ込んだ者を、火炎放射で蒸し焼きにした、
……などという実例には枚挙に暇がない。
逃げ道が他に有るのならばとうに其処から逃げている筈だろうし、
ソレが出来ないのは、やはり。
彼女は悠々と歩みを進めていく。
転がるのは死の世界をひと足早く体感した者達の成れの果て。
瘴気の奔流は、洞窟に満ち溢れ、
他の猟兵の居る場所へと、哀れな鎧騎士を追い込むように蔓延っていたのだから。
だが――彼女も知っていた通りに、2人、相手は『生き残っている』。
一人は、鋼神ウルカヌス。
もうひとりは……
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『レオバルト』
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POW : 修羅剣鬼の構え
【大剣を構える】事で【高速戦闘モード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD : 超遠隔操作術
技能名「【テレキネシス】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ : 光剣一刀両断
自身からレベルm半径内の無機物を【巨大な光の剣】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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【MSより】
・『鎧の隙間』を狙うとより効果的に戦闘を進めることが出来ます。
・隙間を狙わなくても一応効果はあります(無効ではなく『耐性』の為)
・『鎧の隙間』に当たる箇所は以下になります。
頭部(※ただし敵も相応に警戒していますので、工夫なしでは狙えません)
各関節の可動部(※いわゆる一般的な鎧の継ぎ目を想像すると良いでしょう)
●神鋼の鎧、再び
一人だけ、『神鋼の鎧』を賜っていた男は、
猟兵達の進撃にたじろぐ事無く、自らの正義のままに『立っていた』。
「やはり世界は我欲に満ち溢れている……とても正義には程遠い」
彼の信じる正義は、最早強すぎる光と成り果てている。
人を焼き滅ぼすことしか出来ぬ――まるで、地獄の業火のような光に。
「今一度、滅ぼさねばならぬ。穢れた全てを」
眼前のヒーロー『だったもの』を排さねば、
猟兵達は鋼神に辿り着く事すら許されぬであろう。
彼はあくまで――通過点に過ぎないのだ。
バーン・マーディ
そうか
貴様が…
貴様の正義に従っていたのか我が同胞たる騎士達は
我はバーン・マーディ
ヴィラン…即ち悪である
我が…否…我らが悪を以て貴様の正義を粉砕する
UC発動
対象は
倒されたデュランダル騎士達全員
見よ
之が…お前達を弄んだ一角である
お前達は独りよがりの正義に恭順する盲目足る騎士か?
これより悪の正義が貴様の正義に叛逆せん
【オーラ防御】展開
正面からぶつかり
敵の攻撃は
【武器受け】で受け止め
騎士達
他の猟兵は不滅の刃で回復
複数で集中的にケイオスランサーで襲い
更に集中的に猛攻を仕掛け
基本隙間ではなく火力で押し通す勢
他の部分を防御させるために
その隙を見逃さず
【カウンター・怪力・二回攻撃・吸血・生命力吸収】で頭に叛逆
●悪と正義の境界
その男の正義は常軌を逸している事は、他の誰にも明白であった。
だからこそ――眼前に現れた男の姿が、正義にも見えたのは因果な物であろうか。
バーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)は、
余りにも光の強すぎる『正義』を見据えるように、対峙する。
「――そうか。貴様が……。
貴様の『正義』に従っていたのか我が同胞たる騎士達は」
オブリビオンに落ちたのならば、『正義』も『悪』も、
等しき『敵』の思想へと収束していく。そこには基本、例外などありはしない。
反逆という『悪』を携えていた者達も、
世界を『破滅』させる『正義』の下に辿り着くことすらありうるのだから。
「我はバーン・マーディ。ヴィラン……即ち『悪』である」
「成る程、ならば――お前は、我が『正義』の前に裁かれなければなるまい」
だが、今は『悪』は強毒のような『正義』の前に叛逆を示そうとしていた。
最早、小さすぎる悪も全てが『正義』に呑まれるのであれば、
『悪』こそ『正義』として生ずるのも不思議では無い。
「我が……否……」
黒騎士たる男が構えれば――嘗ての主君の下へ、彼らは『帰還』する。
過去より解き放たれた英霊の姿こそが、『正義』への叛逆。
「――『我ら』が悪を以て、貴様の正義を粉砕する」
「見よ。之が……お前達を弄んだ一角である」
光剣は瞬く間に生じ、黒騎士の首魁を斬り裂かんと振り下ろされるが、
男の『正義』がそれで揺らぐ事すら無く。見据えたままの眼差しは真っ直ぐで。
「お前達は……独りよがりの正義に恭順する盲目足る騎士か?」
後背に座す騎士達に問いかけるのは、対峙する二人の姿。
どちらに恭順すべきかなど――『彼ら』には分かりきったこと。
『叛逆』の群れの猛攻は、一人では受け切るには余りにも苛烈で。
それは彼らを指揮下に一時的にでも置いていたからこそ理解出来るものだ。
彼らに手を割くだけでも、防御は手一杯と言い切れるのに、
『まだ』相手の主君の一撃が残されているのだから。
叛逆の一撃は、物量に任せた火力の波の中を縫うように差し迫る。
隙など無い様に十全に警戒していた筈の、見え透いた『急所』は、
彼らの叛逆の証として、手痛い一撃を浴びせられることとなった。
成功
🔵🔵🔴
陽向・理玖
正義ってのは人それぞれだとは思うけど
少なくともオブリビオンのあんたの正義は俺には認めらんねぇ
だから…ここで、止めるッ!
変身状態維持
ダッシュで間合い詰め残像纏いグラップル
フェイントに鎧の隙間以外のところも攻撃しつつ
暗殺で関節の可動部見極め狙う
暗い…が目も慣れて来たな
十分見えるぜ
敵の攻撃はよく見て見切り
避けきれない時は武器受け
さらに激痛耐性で耐える
大剣構えたらこっちもUC起動
いやぁ早ぇな
こっちも負けらんねぇ…!
飛翔のスピード活かし高低差緩急付けて攻撃
残像目くらましにし頭部も狙う
拳の乱れ撃ち
膝にローキック
あんたの正義は
ただ明日を信じて一生懸命生きてる人も認めねぇってのか
そんな理不尽間違ってる
●行き過ぎた末路
陽向・理玖(夏疾風・f22773)は、眼前の騎士の姿から目を逸らさずにいた。
彼の姿は、嘗ての高潔なる正義がそのままであることは否定しようが無い。
けれども――
今の『正義』の語る言葉は、高潔ではなく、ただの粛清に等しく。
今を生きる物には受け入れがたい、身勝手な『断罪』と言えたから。
「正義ってのは人それぞれだとは思うけど、
少なくともオブリビオンのあんたの正義は俺には認めらんねぇ。だから……」
その言葉と同時に、残像を残しながらも理玖は距離を詰め、
堕ちた正義の刃の懐へと、その身を躍らせる――
「――ここで、止めるッ!」
「……私は、此処で止まる訳には行かない」
刹那、高速戦闘に意趣返しでもするかのように、
レオバルト自身も刃を構えて応戦をする。
互いの疾さは、『追える』者にしか分からぬだろう。
(暗い……が目も慣れて来たな。十分見えるぜ)
光源はある程度確保されていたとは言え、それでも『暗所』は存在する。
『慣れて』来たのであれば、後は自らの視界の正確性に頼るほか無い。
相手の疾さは『見える』からこそ、実力を感じ取れる。
龍の気こそが彼の身体を護る鎧となるが、それでも油断は到底出来ない。
「いやぁ早ぇな、こっちも負けらんねぇ……!」
単なる高速戦闘という土俵では、鎧の耐性と技量によって凌がれてしまう。
だが――彼の持ち味はそれだけではない。
急降下、フェイントを仕掛けながらの減速。
緩急を絡めた立体機動こそが、空を舞う龍の戦い方だから。
「あんたの正義は、ただ明日を信じて一生懸命生きてる人も認めねぇってのか――」
頭部を狙えば、その警戒度のままに防御が割かれるだろう。
それは逆に言えば『離れた場所』の防御が手薄になることも示している。
素早い一手は直様に脚部へと向かう。
継ぎ目の集中する――膝部分。鎧の覆い切れぬその弱所へと。
「……そんな理不尽間違ってる」
成功
🔵🔵🔴
アリソン・リンドベルイ
【WIZ 侵略繁茂する葛蔓】
ーーー随分とお優しいのですね? 『侵略繁茂する葛蔓、生命力吸収、範囲攻撃』で、先んじて無機物を植物に変換。敵に利用される無機物量を少しでも減らします。 生き残るのに、善も悪も、強さも弱さも関係無いのです。全て等しく生存競争をして、結果として今を生きているだけ。…良き者、正しき者に生き延びてほしい、という考えは否定しませんが。 足下から植物の蔓を這わせ、膝関節に絡みついて機動力の減殺を試みます。……庭には、泥も害虫も雑草もあります。それでも地に根を張り、成長して花咲かせ、そして枯れるからこそ美しいと思うのです。貴方の理想は、綺麗で潔癖すぎて無菌室みたいなのよ。
●緑を蒔く少女
「――随分と、お優しいのですね?」
交戦の中を割り込むように、鈴のような少女の声がする。
その言葉と同時だったろうか――
洞窟の中を、恐るべき速度で葛が『繁茂』し始めたのは。
「生き残るのに、善も悪も、強さも弱さも関係無いのです。
全て等しく生存競争をして、結果として今を生きているだけ……」
ようやく視界に現れた、アリソン・リンドベルイ(貪婪なる植物相・f21599)は、
『良き者、正しき者に生き延びてほしい』という考え其の物には、肯定を示す。
けれども……その緑は真っ直ぐに、伸びやかに。
葛の生命力は、尋常ではない。
ミントや竹と、並び評される程に――その『侵略』は凄まじい。
「……庭には、泥も害虫も雑草もあります。それでも……
地に根を張り、成長して花咲かせ、そして枯れるからこそ美しいと思うのです」
彼女の語る言葉の一句一句を待たずして、蔦は伸びゆく。
正しく此処を、『緑の砂漠』へと落さんとばかりの疾さで。
蔦が、レオバルトの四肢に絡んだのならば、その先は早かった。
幾度警戒を強め、振り払おうとも、その緑は力強く伸びゆく。
ただでさえ、籠に使われる程の強度を誇る葛の蔦に、
『複数』の四肢が捕らえられてしまえば。
ぎちりと締め上げられ、その姿は瞬く間に磔へと変じる。
そうして辿り着くのは――彼の身体という『土壌』を覆う、鎧の隙間。
「……貴方の理想は、綺麗で潔癖すぎて無菌室みたいなのよ」
少女の声は、とても冷たく、澄んでいた。
大成功
🔵🔵🔵
死之宮・謡
アドリブ歓迎
あらら…正義野郎か…面倒だな…
私は苦手なんだよこう言う奴…とことんまで話が合わん…
理解できんよ……それに…
オブリビオンに堕ちたお前は最早正義とは言えまい?恥を晒す前に消えたまえよ…
【奈落より吹く風】…
目眩ましと…瘴気なら隙間から入らんか?
減衰の「呪詛」を見に纏い光と音を消して瘴気に紛れ
炎槍(属性攻撃)を四方から撃ちながら近づき
レ・フィドラを「怪力」で振るって隙間に叩き込む
●最早それは何と相容れる
死之宮・謡(宵闇彼岸染・f13193)は、嫌悪にも似た表情を示していた。
(面倒だな……私は苦手なんだよこう言う奴……とことんまで話が合わん……)
なにせ、彼女は明確に『悪』と呼べる存在である。
既に示されれた『悪』が、秩序有る悪としての『正義』なれば、
彼女は正しく、混沌の坩堝に座すような『悪』なのだから。
理解も出来ず、根本的に相容れることは、無いであろう。
「それに――」
謡は、再びそのすらりとした指先を、『過去』へと向ける。
「オブリビオンに堕ちたお前は……最早『正義』とは言えまい?」
そう、『過去』は、『現在』の誰とも相容れる事は許されぬ。
絶対なる、『悪(てき)』なのだから。
「恥を晒す前に消えたまえよ――」
再び、洞窟を瘴気が満たしていく。
レオバルドは既に『知っている』が故に、怠ることはなかった。
これに呑まれて、神鋼無き配下は絶命に至ったのであるから。
だが……彼は1つ、可能性を見落としていた。
一足早い死が、彼を包む。
鎧の力故に命を奪うには至らぬが、苛む苦痛は抑え切れはしない。
けれども、術者を落とせるのならば――
そう、考えた矢先のことであった。
煌々と光る緋色の焔槍(あめ)が、瘴気を縫うように注いでゆく。
視界の不明瞭の中、焔の驟雨を捌くのに光剣を闇雲に振り翳し続け、
それでも謡を探そうとしていたレオバルドに本命の大槍が突き刺さったのだ。
齎された破壊は鎧でなければ防ぎ切る事は出来なかっただろう。
……いや、『鎧だけ』が防ぎきってしまっているのだ。
彼女の槍は、過たずに、継ぎ目に突き刺さったのだから。
継ぎ目という局所に、注ぎ込まれるような激痛が流入する。
痛みは――最早留まる事を知らぬだろう。
それでも、彼女は。
……『正義』だったものに、つまらなそうな目を向けていた。
大成功
🔵🔵🔵
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
穢れ、ねぇ。
変わるものも、変わらねぇものもあるだろうけどさ。
アンタがそうしてあるって事は、
「変われなかった」ってだけだろうがよ。
アンタが言う、その正義。
どっかの時代じゃ確かに正しかったのかもしれないけど、
そいつは、「今」じゃない。
アンタが囚われてる正義ってのは、
「いつなんどき」正しかったのかねぇ!?
啖呵に【時縛る糸】を乗せ、『ダッシュ』一番間合いを詰める。
そのまま少ない隙を狙って『グラップル』で関節を極め、
両腕の自由を奪う!
そうすりゃ頭部ががら空きだろう?
『覚悟』の頭突き一発ぶち込んで怯ませて、
他の味方の攻撃が通りやすくするよ!
●変われなかったのか『変わってしまった』のか。
「……穢れ、ねぇ」
数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は、ゆっくりと歩みを進める。
恐ろしいほどに、周囲の時間はゆっくりと進んでいるような、
ひりつく緊張感のみが漂っているが――間違いなく。
世間は刻一刻と変わっている。それなのに、眼前の男は。
「アンタがそうしてあるって事は、『変われなかった』ってだけだろうがよ」
――変わっていないのだ。
確かに、いつかは正しかったのかも知れない。
そのいつが気の遠くなるくらい昔だったのかもしれないが、
それは彼女にも推し量るのは難しい。高潔が『ほんとう』の高潔であった時が。
「アンタが囚われてる正義ってのは、「いつなんどき」正しかったのかねぇ!?」
だが、眼前の男は知る由もないだろう。
――どんな正義でも、『骸の海』に落ちれば、『変質』する。
高潔であったその正義は既に、単なる『侵食』の一助でしかない。
組み込まれ――回りだした『正義』の歯車は止めようがない。
彼女の問うた『いつ』はどのくらい昔(いつ)なのか。
一瞬が瞬くように、多喜は『体感時間』を縛る事で距離を詰める。
鎧の耐性は、文字通りそれすらも一瞬の余地程に変えていくが、それで十分だ。
テレキネシスで『浮かせられる』前、その一瞬の刹那こそが。
組み付けば、最早浮かせるには解かなければならない。
「――ああ、がら空きだね、此処まで組み付かれたら、アンタも逃げれないだろ?」
振りかぶったかのように急接近する頭部と頭部が、衝突する。
最早護るための技能など、意味もなく、鎧のないのだから、それはただの。
「そのお硬い頭にどれ程効くかは知らないけれど――
少なくとも、『鎧』にぶつかってくるよりは『効く』だろう?」
……意地のぶつかりあい、にも見えた。
成功
🔵🔵🔴
ルパート・ブラックスミス
で、あろうな。正義だけを突き詰めれば、それは一切の不純許さぬ粛清だ。
来い、『正義の』味方。
UC【燃ゆる貴き血鉛】を起動、下手に動かず【カウンター】戦法だ。
敵の機動を【学習力】で把握し斬撃を大剣の【武器受け】。
受ける瞬間に大剣が纏う鉛を急速発火させ【武器改造】。
こちらと敵の大剣同士を溶接し【グラップル】。
そのまま床に突き立て【武器落とし】出来れば最良。
攻撃はUCを載せた短剣【誘導弾】を投擲、各関節の可動部の『鎧の隙間』に滑り込ませる。
内部から【焼却】してくれよう。
世に必要なのは優しき陽と安寧の光。
その強すぎる閃光は、この暗き洞窟の中で閉ざさせてもらう。
【共闘・アドリブ歓迎】
●『正義』の往く果て
「――で、あろうな」
ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)は、
分かりきったように、その正義の『果て』を見据える。
落ちた正義の果ては、歪んで、『今』を侵食する毒にしかならない。
今、嘗ての彼が『生きて』、眼前の彼と相対したのならば、
あまりの過激さに、それを『悪』とすら断じたかも知れない。
それほどまでに――光は『粛清』へと変じていたから。
「正義だけを突き詰めれば、それは一切の不純許さぬ粛清だ。
――来い、『正義の』味方」
最早正義と言えぬ粛清の刃は、恐ろしい速度でルパートへと迫る。
だが、『待ち』は棒立ちになることではなく、『適切』に返すための所作で。
互いの武器と武器が鎬を削り合う瞬間――火花散るようにも見える刹那に。
溶接を可能とする程の高熱の『鉛』がお互いの得物を繋ぎ合わせる。
最早――互いの主が持つに値せぬ程に『繋がり』あった武器は、
悲しい音を立てて、地へと落ちていく。
だが、それだけでは留まらぬ。
返しの短剣の雨が、隙間を縫うように隙間へと飛来した。
これだけでは決め手には普通にはなりえないが、
その刃身には――『鉛』が纏われていて。
「世に必要なのは……優しき陽と安寧の光」
隙間より、内部を侵食していくかのように、燃える鉛が蒼き焔を喚起する。
鎧が護るのは、『外側』からのみで。
隙間を介してしまった以上、最早『内側』からは何も護ってはくれぬ。
「――その強すぎる閃光は」
嘗ての、『正義』の成れ果ては、焼け落ちていく。
安寧の時を見守り続けた、暗き神域の中で――輝きを喪ってゆく。
「……この暗き洞窟の中で閉ざさせてもらう」
そうして、残されたのは、皮肉にも、
唯一『耐えきった』神鋼の鎧が、骸の海へと還っていく光景だった。
成功
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第3章 ボス戦
『鋼神ウルカヌス』
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POW : 超鋼神装
無敵の【金色に輝く『神の鎧』】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD : 鋼と炎の神
自身の身体部位ひとつを【自在に液体化も可能な超高熱の金属】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : 原初の神炎
自身からレベルm半径内の無機物を【使用者以外の全てを焼き尽くす原初の炎】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
👑11
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【MSより補足】
・此処から先制攻撃『あり』です。
対策が良ければ良いほど大成功に近づく「かも」しれません。
●鋼神の憤怒
「――下らぬ、我らがどうしてこのような身にやつせねばならんのだ」
総てが討ち取られた気配を悟ってか、鋼神の怒号が奥より響き渡る。
急ぎ駆け寄れば――
そこにはまるで権威を示すように崩された祭壇と、
代わりに立つ、怒気を孕みし憤怒の神の姿があった。
「だが、我が居場所を割り出した事は褒めてやろう。
嘗て程の力はあるまいが――全力で貴様らを屠ってやろうではないか」
振り翳されるのは、『過去』より来たりし最強の暴威……
此処で止めねば、外に平穏は取り戻せぬだろう。
猟兵達は、それぞれに得物を構え……それに立ち向かってゆく!
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
……テメェ。
やっちゃいけない事を、やらかしたって分かってるのかい?
ここにいた神を虚仮にして辱めたんだ。
その神さんがどう思ってるかまでは分からないけどよ。
少なくとも、アタシがブチ切れるには十分だ!
覚悟しやがれ!
ウルカヌスが身体を金属に変えて放ってくるなら、
そいつに『カウンター』で合わせるように
電撃の『属性攻撃』を乗せた『衝撃波』で往なすよ。
もちろん高熱の金属は厄介さ。その流動性で変則的に動くだろうけど、
その動きを『見切り』、直撃を避けるよう距離を置いて立ち回る。
往なす時の電撃がミソでね、そいつで周囲の電荷を高め。
奴の金属が身体へ戻ったところに【黄泉送る檻】をぶち込む!
●報いの雷
――とある神話でも、神は人間の思う以上に『人間臭い』などという話が有る。
だが、眼前のソレは格下と決めつけた場を蹂躙し、自らの権威を疑わぬモノで。
その所業に、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は静かに吠えた。
「……テメェ。
やっちゃいけない事を、やらかしたって分かってるのかい?」
「ふん、後に掻き消えるような物が、『今』消えただけに過ぎん」
眼前の暴威はゆっくりと、存在を誇示するかのように、
祭壇だった塵芥を振り払い、彼女の前へ向けて歩みを向ける。
祀られているであろう、神は黙したままに応えぬが、
この場を明確に『汚した』という事実は揺るぎようが無く――
「ここにいた神を虚仮にして辱めたんだ」
祀られし神の意志は、多喜には分からぬ領分だ。
語り掛けることも無いのならば尚更に。……けれども。
「――少なくとも、アタシがブチ切れるには十分だ! 覚悟しやがれ!」
「ほう――ならば、此処で貴様も『焼き潰して』くれる」
そうウルカヌスが言うのならば、その歩みは『波』と変ずる。
地を『焼く』ような音を立てながら――その金属が押し寄せるのは波濤の如く。
それに対する紫電の波は、波をかき分けるように。
主の居場所を生み出すかのように。逃げ道を切り拓いてゆく。
だが飛沫までを庇い切るには些か『波』は大物過ぎて。
捌き切るのに手一杯だろう彼女を見下すかのように、傲慢はその力を振るう。
けれども、
多喜はしたたかに『笑っていた』。
「まだ斃れぬか。ならば『終わらせてやろう』」
焦げた匂いが充満し始めた洞窟の中に、まるで引導を渡さんとした暴威は、
手元に波を手繰り寄せていく。その時に彼女の口許が紡ぎあげたのは――
「――ashes to ashes,dust to dust,past to past」
疑いようもなく、『聖句』と取れる言の葉。だが。
その聖句に『反応』したのは、他ならぬウルカヌスの『身体』であり。
『波』に潜り込んでいた電流は、元型である身体を覆うように駆け巡る。
それはさながらに『戒めの檻』が如く。
「アタシがただ無闇矢鱈に『捌いてた』だけ、と思われるのは心外だね」
檻は、逃げることを許さない。ただでさえ、金属は大概が『電流を通す』。
「そんなだからアンタは『過去』に囚われて――」
収束していくように高まっていく電圧は、所業に報いを与えるように。
「……『海』に放逐されたんだろう?」
――傲慢を捕らえて、『焼き潰して』いった。
成功
🔵🔵🔴
亜儀流野・珠
他の神の領域を荒らすとは行儀の悪いことだ。
まあ俺達は今から神を倒すんだがな。さあ覚悟しろ!
身体の変質か……当たる訳にはいかんなあれ。溶ける。
液体として飛ばしてくるなら「金璧符」を地面に貼り壁を生やし防御だ!
固体で攻めてくるなら「金璧符」使用に加え「B.Kハンマー」を前に突き出し受ける!
自在な鋼、どう攻めてくるか分からんならしっかり「視て」やろう!
奥義「天眼」を発動、敵の攻撃を捉え殴って弾きつつ本体を殴りに行くぞ!
UCによる変形で守りが薄くなっている部分があればそこを、特に無ければ顔でも腹でもどこでもいい、とにかく隙ある度に思いきり殴る!
「衝撃」は鎧の上からでも体を貫く。
さあ崩れろ鋼の神よ!
●どちらが『無礼者』なのか
「我が身を滅ぼせるなどと思うな――この『無礼者』どもめが!!」
怒りのままに再び放たれる灼熱の金属流が、再び猟兵達に向けて押し寄せる。
(身体の変質か……)
その様相を見て、直様に護りの符を展開した、
亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)は
『金璧符』が生じさせる岩盤の壁が、灼熱の金属と衝突した瞬間――
……焦げ付くような匂いが立ち込め、気づけば瓦礫も欠片すら見当たらない。
(……当たる訳にはいかんなあれ。溶ける)
内心では冷や汗ものだが、彼女は眼前の撃つべき者への態度は変えることはない。
「他の神の領域を荒らすとは行儀の悪いことだ。
――まあ俺達は今から神を倒すんだがな。さあ覚悟しろ!」
「鋼炎の前でその威勢が何時まで持つものだろうな!!」
憤怒のままに再び流れ出す焼け付く鋼の『波』は、
珠が事前に予想していた通り、自由自在に起動を変え、攻め立ててくる。
だが、先程の状況を鑑みても『当たる訳にはいかない』。
彼女はひたすらに『視続けた』。全ての攻撃を捌き切り――
不遜なる神に向けて鉄槌を振り翳す好機を得る為に。
たとえ鎧とて『衝撃』を無効しきれる訳ではないし。
神であっても『その内側』の肉体は存在し得る。
故に初めから狙いは――
懐にて、鎧の『弱所』に向けて振り抜かれた一撃が、神を穿った。
内側まで浸透し炸裂した衝撃は、金属と化した肉体を血の如く飛散させる。
混じり合うのは、ウルカヌス本人の血でもあり――
思わずに態勢を崩しかけた神を、不遜なままの眼差しで彼女は見据える。
返されるであろう言葉を読むようにして、珠は告げる。
「――どっちが『無礼者』で、どっちが『不届き者』なんだろうな?」
他の神を祀るこの場において、どちらがそうかは明白であったようにも見えた。
成功
🔵🔵🔴
レイン・ブランディ
【HERO's】
とにかくレイチェルの足を引っ張らずに頑張れればと思うわ。
それにしてもウルカヌス。神の身でありながらそのような……なんとも情けのない。
ウルカヌスの先制攻撃への対策はレイチェルのデコイ頼り。それでもこちらに攻撃が飛んできてしまったならばなんとか耐え切りましょう。
ウルカヌスの攻撃に対し、咄嗟の一撃がだせそうならばUCでカバー、反撃を行うわ。
レイチェルが畳み掛けに行った時に同時に攻撃を仕掛ける。攻撃手段は聖杯の水を手繰り臨機応変に動くわ。
わらわたちがこなくとも八百万神が住うという日本において、あなたの野望が成就するとは思わないけれどね。
おなじ神という存在として、この事態を許しはしないわ
レイチェル・ノースロップ
●SPD【HERO's】
追い詰めたデース、Steele Godウルカヌス!
To cash in one's checks、観念しなサーイ
トリッキーな先制攻撃を【見切り】、忍術による【残像】で作ったデコイを囮に回避しマース
チームメイトのレインがピンチになっていたら、強引だけどワイヤードウィップで身体を絡めて【救助活動】デース
持ち前の【軽業】で仕切り直したら、今度はこっちのターンね
一気に畳み掛けるわよレイン、【ブンシン・ジツ】!
どれも本物の私、けど本物は私一人だけ…神様に分かるかしら?
クナイダートの【投擲】に【怪力】とワイヤード・ウィップで動きを封じたら、ザンテツブレードでFINISHデース
●相反する波間の中で
憤怒のままに、灼熱の金属の波は三度猟兵達に向けて猛威を奮っていた。
レイン・ブランディ(雨を司る女神・f16511)の下に向かってゆく、
『波』の包囲網を見て、ひとりの忍びが鮮やかな手際で脱出させてゆく。
レイチェル・ノースロップ(ニンジャネーム「スワローテイル」・f16433)は、
傍らに水神を抱えながらも平時のままにニコリと微笑む。
「――ちょっと強引だったかしら?」
「いえ、助かったわレイチェル……。あのままではわらわでも……」
ワイヤーアクションで手繰り寄せたレインを抱えたままに、
『スワローテイル』は金属の波間を疾走する。
残像はデコイとして一定数機能しているとはいえ、
二人分の『波』を請け負うには聖水の護りもあってようやく、といった所で。
「それにしてもウルカヌス。神の身でありながらこのような……」
水神の眼差しは哀れみか、失望か。或いは、同じ『神』に列する者としてだろうか。
今の鋼神が示すものは威厳ではなく、ただの『失墜』にも近い現状で。
目を覆いたくなる程の行為であるのは紛れもない事実だ。
「けど、今チェックメイトまで来れているわ……なら決めるしかないわよね?」
「ふむ、此処まで捌ききれたのならば、わらわも転じるとしましょう」
レインを降ろしたレイチェルは再び残像を展開していく。だが――
「どれも本物の私、けど本物は私一人だけ……神様に分かるかしら?」
彼女の語るように、これはただの残像ではなく、『同じ』分身達なのだ。
その全てのザンテツブレードが、鋼神を討ち取る為に向けられていて。
護りが為の金属の波は再び振るわれようとした。
しかし、女神にはその技は『既に見えた』もの。
「生憎、その理は『見極めたわ』――自らの鏡像で沈みなさい」
その言葉と同時、燕の舞を援護するかのように聖杯より水が止めどなく溢れ出す。
清らかな水が映し出す『波』の鏡像は、本物を瞬く間に沈めさると……
忍び達を導く水流となって鋼神の下へ向かってゆく。
「弱き者共の下に降りた女神などに、何故我が力が押し負ける!?」
「それは神で有り過ぎるが故の『慢心』よ」
あまりの強大さを誇示し続けた故に落ちぶれた野望の神を、女神は見据え続ける。
「わらわたちがこなくとも――八百万神が住うという日本において、
あなたの野望が成就するとは思わないけれどね」
だが、こうして自身が来たのは自らも『神』であるが故。
「けれど……おなじ神という存在として、この事態を許しはしないわ」
聖水の波濤はついに逃げ道を塞いでゆく。
そうしたならば、待ち受けるのは数多のレイチェル達による刃の数々。
「追い詰めたデース、Steele Godウルカヌス!
To cash in one's checks、観念しなサーイ!!」
畳み掛けるようなザンテツブレードの連撃が見舞われ続け、
ついにウルカヌスは膝を付くという『屈辱』にまで至ったのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
死之宮・謡
アドリブ歓迎
さぁさぁ逝ってみようか!この前は残念ながら戦えなかったが…思う様殺し合おうじゃないか!
嗚呼、無論だとも…全力で来てくれ…私も全力で殺しに行こう!
本当に今日はいい日だな…
滅びの「呪詛」を籠めた闇の刃(属性攻撃・全力魔法)を飛ばして攻撃しながらストライフとレ・フィドラを「怪力」で振るって「2回攻撃」
炎はその身で受け止め…
燃え尽きる直前に【因果応報】発動…
貴様の炎で燃え尽きろ!
●強者求めし熱情
「さぁさぁ逝ってみようか!
この前は残念ながら戦えなかったが……思う様殺し合おうじゃないか!」
まるで先の戦での後悔を取り戻すかのように、
死之宮・謡(狂魔王・f13193)は歓喜を隠さぬようにして突貫してゆく。
その身に待ち受けるのは――傲慢たる神の焔。
彼女の熱情を焦がし切るかのように、その身体は煌々と燃え盛るが――
振るわれ続ける闇の刃の『呪』は、幾度となく鋼神を襲い続ける。
痛みなどどこぞ。今はこの恋い焦がれるように待ち侘びたひと時を。
全力で――その傲慢を滅ぼすが為に、
「ふん、我が焔を受けてもその刃を振るい続けるとは、余程だな」
いつ燃え尽きるかも分からぬ程に、激しく燃え上がる彼女を見て、
ウルカヌスはまるで見下すような眼差しを向け続けるも――
「ああ、最高だ……こんなにも苛烈に『焼いて』くれるんだ」
その当人である謡は、強者との交戦という悦楽に浸りながら――凄絶に笑う。
「――『返し』甲斐があるというものだろう!?」
その言葉と同時。鋼の神の肉体にはおおよそ非ざる『現象』がその身を襲った。
端的に言えば、『火傷』である。それも――全身の。
傲慢なる神には自体が飲み込めない。眼前の女は確かに燃えている筈。
だが、どうして、燃えることに拠る傷跡は、『自分に来ているのだ』!?
策に落ちたという確信を持ちながらも、謡はその手を緩めることは無い。
焼け続けているその肉を抉るように。滅びの刃が『呪い』を加速させてゆく――
「さぁ――貴様の炎で燃え尽きろ!」
成功
🔵🔵🔴
クネウス・ウィギンシティ
アドリブ&絡み歓迎
「――負けたからでしょう。唯、それだけです」
【POW】
●POW UC対策
「接近戦は好みではありませんが致し方ありません」
敵のUCは『神の鎧』のみ、近づかれるならそれを受け入れ【武器改造】した『パイルバンカー』の【武器受け】で耐えます。
杭に炸薬を仕込み私の左腕ごと爆破、後方に飛び退く狙いです。
●戦闘
『神鋼の鎧』の攻略法は既に編み出されています。『鎧の隙間』を狙う。
なら『神の鎧』もそれしか無いでしょう。
「CODE:LAXIS。打ち貫く!」
狙いは鎧が無いもしくは薄い、「指」。
相手に『神の鎧』の能力に疑念を覚えさせるため、『アームドフォート』を使って【スナイパー】らしく狙い撃ちます。
●認められぬが故の零落
「我が力を潜り抜けたとて、倒せたと思い込むには早い――」
劣勢を認めることが出来ぬ鋼神は、猟兵達を鋭い眼差しで睨んだままに、
その鎧の真の力を解放させ、やぶれかぶれとも言える突撃を敢行した。
最中、クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)の下へ、
ウルカヌスの最早自棄とも言える拳が振り抜かれるも、彼は冷静なままで。
「……接近戦は好みではありませんが、致し方ありません」
左腕のパイルバンカーで受けきった狙撃手は直様に杭を炸裂させ――
距離を取る為だけに、片腕ごと爆破したのだ。
(傲慢とは、絶対な自信を崩すに利用しやすい。
ですが、悟られる前に……つまりはこの『一撃』に!)
「――CODE:LAXIS。打ち貫く!」
飛び退くような形で後方に吹き飛んでいく狙撃手は、その最中に構え。
切り札たる聖銀でもって鎧に覆われし神を狙い撃つ。
そして銀弾は過たず――
無敵の鎧の護りのない『指』を撃ち貫いた。
無敵で有る筈だろう鎧は、致命的な隙間を穿たれた。
銀弾が齎す内部破壊は、最早神の思考をも揺るがす程に――
ウルカヌスの絶対の自信を崩壊させるように、駆け巡っていく。
「何故だ、この鎧は貸し与えた鎧とは比類にならぬ程の力を持つ――」
「ええ、そうですね。ですから『普通』に狙っていては効きませんね」
では何故、クネウスがその鎧の弱点を撃ち貫けたのか。
「それは――貴方が『貸し与えた』鎧が露呈させた『弱所』ですよ」
「下らぬ! 我が神威こそ絶対で――この世界に座するに相応しい筈!!」
鋼神は追い詰められている現状と、領地ですらない場所で散るやも知れぬことに、
声を荒げるようにして憤怒を叫んでいるばかりで。
答えは単純なのに、認められぬのは――その傲慢さ故なのか。
「――負けたからでしょう。唯、それだけです」
数々の敗北の果てが、このような結果なのだと。
淡々と突き付ける狙撃手に向ける表情は、苛立ちのようにも見えた。
大成功
🔵🔵🔵
ルパート・ブラックスミス
【言いくるめ】による【精神攻撃】。
神の自信を揺さぶる。
異なる神域で負け犬の遠吠え。
いざ猟兵が来れば迎撃も叶わず蹴散らされる。
滑稽だ。
レディ・オーシャンは異世界に行ったぞ。見限られたか?
『身をやつした』『嘗て程の力はあるまいが』。
気付いているか、お前自身も己の衰退の認めていることを。
超鋼神装状態での攻撃を誘い、大剣で【武器受け】。
これだけの【挑発】だ、単純威力で叩き潰したがる筈。
単調な攻撃の【見切り】は容易。
そも、鎧が謳うべき無敵とは防御、敵を砕く攻撃に非ず。
その辺り思い違いさせる為の口先だが。
理解したか。その程度だ、貴様の神威など。
【指定UC】で反撃。
新年の安寧の為、神殺しを為す。
…粛清宣告。
●神は失墜す
「異なる神域で負け犬の遠吠え。
いざ猟兵が来れば迎撃も叶わず蹴散らされる――滑稽だ」
ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)は、
最早哀れとしか言えぬ、その零落した神に向けて淡々と事実を突き付ける。
その度に、形容通りと言える遠吠えが響き渡り、
否定せんとやぶれかぶれの拳打が虚しく降り掛かってくる。
だが、今までに背けてきた事実は容赦なく提示され続ける。
もうひとりの『生き残り』は、この世界に飽きたかのように姿を消し――
「レディ・オーシャンは異世界に行ったぞ。見限られたか?」
「あの女は同胞ではあったが神々さえも本来の所在を知らぬ!
どのような行動を取ろうとも不自然ではない!!」
語気を荒らげたままに振り翳させた鉄槌は、
その単純さ故に易々と見抜かれ、揺るがぬ鎧騎士にいとも簡単に防がれた。
最早、この神に冷静になる余地など存在しないだろう。
「『身をやつした』」
此処まで追い詰められ、認識を改めること無く。
「『嘗て程の力はあるまいが』」
ただただ、自らの絶対性のみを疑わぬままにいた傲慢は。
「――気付いているか、お前自身も己の衰退の認めていることを」
一部の隙を心に抱え込んだが故に――
無敵である筈の鎧に、魔剣がバターのように軽く斬り込まれた。
「そも。鎧の『無敵』とは、堅牢なる防御の事だ。
――今のような眼前の敵を砕く事しか思い描けぬ『攻め』ではない」
奇しくも想像された『無敵』は、術者の心象通りに再現された。
最強に傲り、未だ零落を認めぬ者の『本心』を繕う鎧は綻び、
神殺しの呪いによって、残酷に斬り裂かれて。
「――理解したか。その程度だ、貴様の神威など」
最強を称されていた神が、今一度、醜く、地に沈む。
大成功
🔵🔵🔵
陽向・理玖
下らぬとか言いながら他の神の祭壇壊してんじゃねーよ
図体でけーけど小せぇな…鋼神!
変身状態維持
あんたその鎧無敵だと思ってるよな?
けど金ぴかに光ってこの洞窟の中じゃ目立って仕方ねぇぜ
暗殺交え影から現れフェイントに残像纏いグラップル
ヒットアンドアウェイで
陰に潜み衝撃波を撃ってからダッシュで距離詰め
また影から現れジャンプキック
ほら、いい的になってんぜ!
いつまでもそんなんに頼ってていいのか?
無敵だろうと数撃ちゃ綻ぶぜ
乱れ撃ちで部位破壊試み
それに鎧が無敵だろうが
鎧付けてねぇ顔や指
鎧の継ぎ目はがら空きだろ
敵の攻撃見切り更にダッシュで距離詰めカウンターで灰燼拳
あんたを倒して戦争も終わりだ
いい加減骸の海へ帰りな
●崩れぬ慢心、身を崩し
「まだだ、我が威光は此処では潰えはせん――!」
立ち上がる瞬間、八つ当たりの如く、残されていた祭壇の一部を粉砕し、
鋼神は最後の足掻きのように猟兵達へと向けて突貫していった。
そのあまりに見てられぬ姿は最早神とは言い難いだろう。
「下らぬとか言いながら他の神の祭壇壊してんじゃねーよ。
図体でけーけど小せぇな…鋼神!」
陽向・理玖(夏疾風・f22773)はそれに応じるように立ち向かう。
強く、陽光の如く輝く身があるのならば、
この洞窟の中では意図も簡単に居場所を割られる。
『無敵』の鎧は、わざわざその場所を知ら示すように、輝き続け――
彼の影に紛れた攻撃を一方的に許し続ける形となる。
「いつまでもそんなんに頼ってていいのか?」
だが、無敵故の慢心が、かの神の根幹を為し続けているかのように、
それを改めることはなく、鎧の『無敵』に頼り切り続けている。
龍装の青年は嘆息したかのように狙いを定めると――
相手の攻撃に、自分の攻撃を『重ね合わせた』。
振り抜いた拳と拳が激突する。それはつまり。
先も貫かれた筈の弱所を、自ら晒した形でも同義であり。
「……鎧付けてねぇ顔や指、『鎧の継ぎ目』はがら空きだ。さっきも狙われただろ?」
その言葉が激昂したままの鋼神に通じたかはどうか分からないが――
冷静さを欠いたままに殴り掛かった男は、片腕に走った衝撃を切っ掛けとし、
さらさらと、文字通りの『灰燼』になるかのように崩れてゆく。
「何故だ、我が身の敗北など、何故だ、何故だ――!」
理玖は、最後まで認められぬままに散ってゆく男を一瞥しながら、
引導は渡したかのように、背を向けて離れてゆく。
「あんたを倒して戦争も終わりだ――いい加減骸の海へ帰りな」
声は聞こえなかったが、振りかぶろうとした鋼神の一撃は、
誰の背中にも届くことはなく――
荒らされた神域に、再び靜寂は戻り始めたのだった。
成功
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