真夜中に聞こえる足音の怪
●真冬の怪談
定番でいえば怪談の季節は夏だろう。
暑い熱帯夜に怪談話を聞いてひんやりした気持ちになる。
よくホラー番組が放映されるのも、夏がシーズンだ。
そんな常識を踏襲してまるで様式美のごとく、この季節にある噂がたった。
『真夜中に誰かが裸足で歩いている。その足音を聞いた者も、足だけを残して消えてしまった』
真偽は当然定かではない。
実際にそんなことになれば、その足だけを残して消えた者は出血多量で死んでいるだろうし、猟奇事件として騒がれている。
しかし、事件を知らせるべき新聞は沈黙を保ったままだ。
ただ、ネット上にのみ、実しやかに事件の詳細が拡散されていく。
いわく、足だけを残して消えた者は化け物に連れさられており、バラバラにされて自分も化け物の身体の一つとしてくっつけられてしまうのだという。
狙われるトリガーは、真夜中に裸足で歩く音を聞き、その正体を見ること。
実際にその怪談話のような眉唾ものの話を信じる者は少なかったが、一部信じている者たちもいた。
特に子どもの中にその傾向が強く、古池和馬男(こいけわばお)という中学生の少年がそれを信じてしまったのだ。
その怖がりぶりは病的で、夜眠れないのは勿論、昼間であろうと暗い場所には入れない、辺りが急に暗闇になれば錯乱するといういささかノイローゼじみた状態だった。
そして、さらにある時を境に、少年は足を見た、自分も攫われてしまうと周りの人々に訴えはじめる。
実際に見てしまったのだ。
噂のとおりに。
●真相を追え
話をしたミフィリト・リウィズ(オラトリオのスピリットヒーロー・f23836)が、猟兵たちに転送陣へ入るよう促した。
「おそらく、噂を広めているのは感染型UDCの一種でしょう。SNSなどを媒介に、一斉に噂を広めて精神エネルギーを集め、大量の配下を生み出しパンデミックを起こす厄介なタイプのオブリビオンです。昔と比べ情報の伝達速度が増した現在、脅威度を増しているタイプといえます」
転送陣の光が強まっていく。
「現状は渦中にいる少年の周囲に配下のオブリビオンが大発生しています。噂どおりに人間を含めた様々な動物の部位を繋ぎ合わせたキメラのような姿をしていることが確認されており、部位に則した攻撃を行うようです。注意してください」
白く染まる視界の中、ミフィリトの説明が続く。
「これらを殲滅しても、まだ終わりではありません。その少年に同行し、暗闇で聞こえる裸足の足音というものの正体を暴く必要があります。おそらくオブリビオンだと思いますので、これを倒してください」
静かに、ミフィリトが頭を下げる。
「とはいえ、まずは最初の一歩です。まずは大量発生した配下のオブリビオンたちを撃破してください」
その瞬間、視界が切りかわり猟兵たちは現場に移動していた。
●現場について
そこは、なんの変哲もない十字路だった。
ただし日が沈んだあとのようで、辺りは闇に包まれている。
十字路の中央には件の古池和馬男少年が立っており、猟兵たちは四方に彼を護衛している状態だ。
そしてそれぞれ四つの道路から、それぞれの動物の部位をくっつけたような奇怪なオブリビオンたちが無数に迫ってきている。
その姿に知性や理性は窺えず、衝動のままに暴れまわるだけの存在であることを猟兵たちは悟るだろう。
これらはまるで感染型UDCに襲われた人間や動物たちの成れの果てのようで、相対する猟兵たちはともかく、怯える少年を錯乱させるに余りある。
少年に近づけさせてはいけない。
怖がらせるどころか、彼らの一員に引きずりこむことになりかねないのだから。
接触しないように護衛しつつ戦う必要があるだろう。
きりん
●概要
一章は集団戦。
NPCである古池和馬男くんを守りながら戦ってください。
とっても怖がりな子です。ネタですが、名前からもそれが窺えます。アナグラム。
二章は冒険。
怪談話『足』の実在を学校に訴えた和馬男くんでしたが、学校側には相手にされず、しかもそれが同級生にばれてSNSで拡散されてしまいました。
SNSいじめに遭って傷心した和馬くんはSNSいじめの主犯格のクラスメートとの諍いののち、『本当に見たんだ! 証拠を見せてやる!』と叫んで学校を飛びだし、家のビデオカメラを持ちだして行方不明に。彼をオブリビオンがつけ狙っています。遭遇してしまう前に保護してください。
保護することができれば、三章でついに怪談話になっていたオブリビオンと対決します。通称『足』。オブリビオンなので幽霊ではないですが、あちこち出たり消えたりするので下手な幽霊より幽霊じみているでしょう。
●達成条件
一章:古池和馬男を守りつつ敵を全滅させる。
二章:古池和馬男がオブリビオンと遭遇する前に保護する。
三章:『足』を倒す。
●ステージ説明と状況
全編通して夜の行動になります。
一章についてはOPで語られているため割愛します。
二章ではインターネットを活用してください。自宅にパソコンがあることにしても構いませんし、ネット喫茶などを利用するのでもOKです。RP重視でどうぞ。和馬男くんの居場所=三章の戦場です。
三章の戦場については、二章のネタバレになるので多くは語れません。ヒントはひとつだけ。怪談の定番。七不思議。その舞台とは……?
第1章 集団戦
『繋ぎ合わされし者たち』
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POW : オ、オマエハ……俺ノ、餌ダ!
【飢えを抑えられず、リミッターの外れた姿】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : 俺ノ身体ハ……モウ、長クナイ
【猟犬の嗅覚と反射神経】【虎の腕力と家猫のしなやかさ】【狐と狸の狡猾さと馬の脚力】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ : 死ヌ前ニ、オマエタチダケ、ハ……!
自身に【決死の覚悟】をまとい、高速移動と【身体の継ぎ目から吹き出す、血の斬撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
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神代・凶津
夏に怪談は付き物だが、本物に出会っちまうとはその坊主も運がないな。
「・・・その子を護らないと。被害に遭う前に。」
おう、相棒。
俺達でパパっと解決してやろうぜ。
和馬男って坊主に気付かせないようにあの化け物共を退治しねえとな。
念の為に、気付かれないように坊主の近くに『式神【ヤタ】』を護衛につけるぜ。
後は、あの化け物共を余り音を立てずに倒しちまえばいいんだろ。
千刃桜花を展開してなぎ払うぜ。
破魔の桜花に斬り刻まれちまいなッ!
悪いな、怖がってやれなくて。
俺達は怪談話の怪異をぶちのめす側なんだよッ!
【技能・式神使い、なぎ払い、破魔】
【アドリブ歓迎】
腰を抜かして這いずる和馬男に、動物の部位を繋ぎあわせたような奇怪なオブリビオンたちが群がろうとする。
しかし。
闇夜に銀色の光が瞬き、オブリビオンたちを斬りさく。
暗闇に紛れて和馬男の背中に貼りつけられた霊符が、淡い光を発した。
和馬男を守った神代・桜がつけている仮面が、暗闇のなかでなおぼんやりと浮かびあがっている。
「あ、あなたは……?」
「……下がって。私が……いえ、私たちが相手をします」
言いなおした桜の周囲を、和馬男は見回す。
他に誰がいるようには見えないが……。
『俺のことだぜ、坊主!』
仮面、すなわち神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)が発した声に、驚いた和馬男は慌ててもう一度周囲に目を凝らした。
「お、お化け!?」
『ハッハッハ! 間違えるな、俺たちはそのお化けをぶちのめす側なんだよ!』
「凶津……今は戦いに集中」
霊鋼の薙刀を手に自然体で立つ桜が油断なくオブリビオンたちを見すえる。
オブリビオンたちは一斉に雄叫びをあげると、凄まじい速度で桜の周囲を回りはじめた。
『お、こりゃ大技が来るか?』
響く凶津の声に、桜は答えるかわりにこくりと頷いた。
そして、霊鋼の薙刀の切っ先をゆっくりと持ちあげて、身構える。
『迎撃しろ!』
「……分かってる!」
全方位から放たれた血の斬撃に、凶津と桜は機敏な反応をみせた。
桜の手元がぶれ、ことごとくを打ちおとす。
連なって響く金属音と、飛散する火花が幻想的に桜の姿を彩るなか、霊鋼の薙刀の姿がほどけて桜の花びらへ変わっていく。
『細切れになっちまいな!』
「……行け、千刃桜花」
放たれた花びらは無数の鋭い刃となって、オブリビオンたちを斬りきざんだ。
大成功
🔵🔵🔵
神代・凶津
思ったより化け物共の数が多いな。
これは、手数を増やした方がいいか。
頼むぜ、相棒ッ!
「・・・式、召喚【ヤタ】【覚え狼】」
【ヤタ】と【覚え狼】を敵に突貫させて暴れさせるぜッ!
そして破魔弓で式神達を援護しつつ敵を狙撃してやる。
敵が纏まって行動していたら破魔弓で射った矢の弾幕でハリネズミ状態にしてやるぜッ!
「・・・安心してください、和馬男さん。貴方は護りきってみせます。」
相棒の言う通りだぜ、坊主。
俺達はこの手の魑魅魍魎退治の専門家だ。
大船に乗った気でいなッ!
【技能・式神使い、破魔、援護射撃、スナイパー、弾幕】
【アドリブ歓迎】
倒せど倒せど、次々に新手が迫っていた。
「お、お姉さん! どんどん来るよ!」
「……大丈夫ですから、そこでじっとしていてください」
身体中の継ぎ目から血を噴きださせながら襲いかかってくるオブリビオンたちを、桜はすかさず破魔弓で矢を乱射し迎撃した。
矢を受けたオブリビオンたちが破魔の力を受けてもがき苦しむ。
そうして生まれたわずかな時間のなかで、仮面である神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)は桜に相談する。
『どうする、思ったより数が多いぜ!』
「……なら、こっちも手数を増やす」
上空に向けて無数の矢を放ち、再び大挙して襲いかかろうとしたオブリビオンたちへ矢の雨を降りそそがせ足止めすると、桜は凶津をしっかりと被りなおした。
「……式、召喚【ヤタ】【覚え狼】」
放たれた二つの符は、一つが空中に留まり、もう一つが地面にひらひらと落ちていく。
空中の符は激しい光を放ちながら八咫烏に変わり、地面の符からは巨大狼の式神が召喚された。
『ヤタは空で灯りを頼むぜ! 覚え狼は突貫して撹乱させてやれ!』
「そのあいだに私が射る。……行って」
八咫烏が発光しながら空を飛びまわり、オブリビオンの群れに飛びこんだ覚え狼が、手あたり次第に噛みついて頭を振りまわし、勢いを乗せて噛みちぎる。
そこへ針の穴を通すように正確な狙いで飛来した桜の矢が、二匹を無視して突進の構えを見せたオブリビオンの頭を貫いた。
『俺たちはこの手の魑魅魍魎退治の専門家だ。大船に乗った気でいなッ!』
「……安心してください、和馬男さん。貴方は護りきってみせます」
凶津が和馬男を励ますなか、桜は再び破魔弓に矢を番え、オブリビオンたちへ弾幕の嵐を浴びせた。
成功
🔵🔵🔴
神代・凶津
ちぃ、倒しても倒しても次から次へ沸いて来やがるッ!
キリがねえぜ、相棒ッ!
「・・・なら、此方も奥の手の一つを使います。」
お、『ヤツ』を呼ぶってわけか。
和馬男の坊主の周りにさらに数枚の結界霊符で結界を構築して巻き込まないようにしたら準備完了だ。
「・・・妖刀、解放ッ!」
妖刀に封じられた【百鬼夜行龍『空亡』】を解き放つぜッ!
この龍神に代わりに戦って貰う間は相棒が神楽舞を舞って、奉納し続けなけりゃならないが、天変地異を操るコイツの力ならこの程度の怪異なんぞものの数じゃねえぜッ!
【技能・結界術、封印を解く、ダンス、祈り、楽器演奏】
【アドリブ歓迎】
馬県・義透
アドリブ歓迎。
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。
第一『疾き者』忍者
一人称:私 のほほん
対応武器:漆黒風
怪談ねぇ。私たちの方が、よっぽど怪談な気が。
では、私が引っ掻き回してきますのでー。あとは頼みますねー。
基本は私が前衛で、漆黒風を近接武器として使用。早業の暗殺を駆使して、注目を私に集めましょうかー。
※
第二『静かなる者』霊力使いの武士
一人称:私 冷静沈着
対応武器:白雪林
まあ確かに、否定はしませんが。
私は後衛で、破魔をのせた早業の制圧・援護射撃。
久々になりますが、我らの連携を崩せるものなど、おりますまいに。
※最年長者(疾き者・50)と最年少者(静かなる者・42)です。一番付き合いが長い二人です。
十字路の四方から次々に駆けてくるオブリビオンたちを、神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)と神代・桜は良く押しとどめていた。
一人と仮面一つであることを考えればかなりの殲滅速度だ。
とはいえ。
降りそそぐ矢の雨のなかを、オブリビオンたちは犠牲を無視して強引に駆けてくる。
凶津がしっかり見張っているお陰で桜もそれを見逃すことなくその都度斬りすて和馬男に届かせておらず、覚え狼に加え照明役の八咫烏なども時には攻撃に転じているのだが、如何せん数が多い。
『ちぃ、倒しても倒してもキリがねえぜ、どうする相棒ッ!』
「……なら、こちらも奥の手の一つを使うまで、ですが……攻勢に出るにはもう一手必要です」
桜の表情は曇っている。
その懸念は、凶津にも伝わっていた。
単純に、大技を使うための準備時間を捻出するためには、人手がもっと欲しい。
そこへ、のほんとした声と、落ちついた声の二つが投げかけられる。
「ならその一手は、私たちに任せてもらえませんかねー」
「私たちは二人で一人。単純に手を増やすという意味でも、うってつけの人選だと思いますが」
声は二人分だったが、声の主はひとりだった。
馬県・義透(多重人格者の悪霊・f28057)だ。
しかしその姿が二重にぶれ、二人に分かたれていく。
一人は漆黒風を、もう一人は白雪林を携えていた。
「仮面の巫女に、複合型の悪霊。……あれ? 私たち猟兵のほうがオブリビオンより怪談じみているような」
「それ以上は危険なので止めなさい。……まあ、否定はしませんが」
和馬男を挟んで、二人の義透は軽口を叩きつつ凶津と桜の反対側に立ち、オブリビオンたちを迎えうつ。
身体能力を強化させ、その代償に生命力を減少させながら襲いかかってくるオブリビオンたちに、飛来した白雪林の矢が突きささり、さらに投げられた漆黒風が追いうちをかける。
闇夜を存分に利用し、影から影へと瞬間移動じみた身軽さを見せながら奇襲をくり返すのは、漆黒風を持っているほうの義透だ。
それを、白雪林に矢を番えて遠距離からもう一人の義透が援護している。
二人の連携は隙がなく、担当した方面からのオブリビオンたちの襲来は、急激に数を減らしていった。
『相棒ッ! 援軍が来たぜ! これならいけるんじゃないか!?』
「……分かっています。切り札を切りましょう」
棒手裏剣と矢が、次々にオブリビオンたちを駆逐していくのを見ながら、桜は凶津に頷き無銘の妖刀に霊力を注ぎこむ。
「……妖刀、解放ッ!」
『さあ出番だぜ! 起きやがれッ!』
封印がとけ、妖刀が光を放ち、百鬼夜行龍『空亡』を現世に解放した。
空亡の視線と、凶津、桜の視線が交わる。
しばらくの交錯ののちに、空亡はオブリビオンたちに向きなおった。
凄まじい速度で突撃し、血の斬撃を浴びせつつ突破しようとするオブリビオンたちだったが、天変地異じみた大雨と暴風をまとい嵐を起こす空亡にいともたやすくなぎ払われ、その先へ行くことができない。
背後では、和馬男の周囲に結界霊符を張りめぐらせた桜が、空亡のため神楽鈴の音を鳴らしながら厳かに神楽舞を舞い、奉納していた。
さらに、二人の義透も奮戦をみせている。
「これは、私たちも負けていられませんねー。では、もっとひっかき回しましょうか」
「ええ、そうしましょう。好きに動きなさい。私が合わせます。……構いませんよ、長いつき合いですから」
白雪林による援護射撃を受けながら、漆黒風を手のなかに隠した義透が、音もなくオブリビオンたちの背後を取った。
いとも簡単に、無造作ともいえるさりげなさでその喉元をかき切り絶命させる。
血を吹きあげる死体はそのままに、次のオブリビオンに近づき、延髄に漆黒風を差しこみ、捻って抉る。
「相変わらずいい腕ですね。空間を開けてください。通します」
「はいはい、今やりますよー」
的確に神経を破壊され、痙攣するそのオブリビオンを漆黒風を手にした義透が蹴りたおせば、空いた空間をもう一人の義透の放った矢が通過していき、その先にいたオブリビオンの頭を射抜き、破魔の力で破裂させる。
「これはおまけです。取っておきなさい」
冷静沈着な声と共にさらにオブリビオンの集団へ、空から時間差で大量の矢が降りそそぎ駄目押しを浴びせた。
凶津と桜に、猛威を振るう式神たち。
二人の義透の、息の合った巧妙な連携。
それらは次々にオブリビオンを撃破していき、和馬男に近づくことを許さない。
一連の攻撃がやんだとき、動くオブリビオンは一体もいなかった。
大成功
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第2章 冒険
『SNSイジメの被害者を追え!』
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POW : SNS苛めの主犯格を脅し、被害者の情報を聞き出す
SPD : ハッキングなどを行い、履歴等から被害者の潜伏先を特定する
WIZ : SNSを使い被害者に接触と説得を試み、居場所を探る
👑11
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神代・凶津
不味いぜ、相棒。
和馬男の坊主、怪談話『足』の実在の証拠を手に入れる為にどっか行っちまったらしいな。
「・・・急いで保護しませんと。『足』に出会ってしまう前に。」
「・・・式、召喚【捜し鼠】」
とりあえず相棒の式神を放って坊主の足取りを捜すぜ。
その間にスマートフォンで『足』の情報を収集するか。
ネットに散らばっている噂ってのは案外バカにできねえからな。
猟奇事件の情報や『足』の出現しやすい場所などを調べるぜ。
本物の怪異なんて一般人が気軽に探す物じゃないぜ。
和馬男の坊主、まだ無事だといいんだがな。
【技能・式神使い、情報収集】
【アドリブ歓迎】
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。
引き続きオルタナティブ・ダブルで第一『疾き者』と第二『静かなる者』。
疾「こういうとき、UDCアースを本拠地にしておいてよかったですよねー」
静「慣れるためとはいえ、整備しておいたのが…」
自宅にて、二人で手分けして情報収集。
疾き者はスマホ、静かなる者がパソコン操作。
疾「考えてみれば、私たち二人で行動しているの、正解でしたねー」
静「情報収集は我らが得手ですからな」
疾「そうですねー。さて、まとめますかー」
※明らかに向いてない第三『侵す者(武の天才)』がいたりする
七星・桜華(サポート)
『天魔御剣流免許皆伝、だからこそ更なる高みへと。』
『一か八かの勝負?そんな事しなくても私達の勝ちだね!!』
『勝った後は派手に騒ぐんだ!誰一人として倒れないようにね!!』
とある隠れ里に伝わる戦闘術の免許皆伝。
残像を攻撃と防御の両方に使い腰に挿している5振りの刀を使い戦闘する。闘う姿は舞っているかの動きで空中戦もできる。第六感や野生の勘と言われる直感も鋭い、また見切りの速さも早い。
怒ると殺気が残像にまで残る程の濃密加減。戦闘において常に最善策を最短で気づき勝ってきた。
鎧等を無視した内部破壊系攻撃が当たり前のようにする。
敵の消耗と自身の回復に生命力を吸収する。
八狸・快鈴(サポート)
アドリブ歓迎
ある時は突然ドロンと目の前に、またある時は身近な物に変化していていつの間にか傍にいる
そんなどこからともなく現れ、嵐の様に敵を攪乱し、気付くと(自分が満足すると)いなくなっている妖怪です
直接的に攻撃するというよりは、驚かそうとした結果、相手に揺動・攪乱効果などのデバフ・賑やかし要員なイメージ
一般人は驚いてくれる大切な存在なので、驚かす事はあれど傷付ける事は無く、命の危機には陰ながら守ろうともします
敵を引っ掻き回すことはしますが、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません
エール・ラヴラドライト(サポート)
『ん……この世界の星空も素敵だ。』
クリスタリアンのフォースナイト × スカイダンサー
年齢 18歳 女
外見 154.6cm 青い瞳 灰色の髪 青い肌
特徴 胸が小さい 男性と間違われる 話好き 知識欲が強い 冷静沈着
口調 抑揚無く(ボク、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )
死を覚悟した時は 変わること無く(ボク、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )
・どんな時でも無表情で抑揚の無い声で話す
・ピンチになっても焦らない
・直接戦闘は苦手
・調査などは【失せ物探し】を活かした占いで行う
・戦闘ではフォースセイバー(青い光の剣)を使う
・クリスタライズで透明化して不意打ちをよく使う
・戦闘でもサポート型
ミスティ・ストレルカ(サポート)
基本方針は専守防衛・他者フォローです
サポート故、連携重視のお任せ
知らない人にはどうにも気後れしてしまうけど
それでも他の人が怪我するのも嫌なので押すところは押すのですよ
主にサモン・シープ等攻撃系のUCで他者行動の隙を消す様に立ち回るのです
中遠距離をとり全体を掴む感じですね
防御系の技能で時間稼ぎも行けますので
生まれながらの光での前線維持、魔力性防御障壁の囮役も…ちょっと怖いけど
でもでも、みんなの居場所を守るのですよー
そうそう、えっちなのはいけないと思います。
興味がない…訳ではないですがひつじさんが怖い雰囲気纏って凄い勢いで止めにツッコんでくるのです
年齢制限がどうとか、らしいです
神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)と神代・桜のもとへその連絡が入ったのは、先の戦いが終わってしばらくしてからのことだった。
和馬男が行方不明になったというのだ。
なんでも、級友との諍いののちに、怪談話『足』が実在する証拠を探しに出かけたまま帰ってこないらしい。
この話は、任務を受けた猟兵のあいだで速やかに共有される。
『人探しか。一応受けてみたけど、私の出番はあるかねぇ』
グループ通話に設定されている桜のスマートフォンから、七星・桜華(深紅の天魔流免許皆伝・f00653)のため息が聞こえる。
『早く探しにいかなきゃ!』
さらにどたばた騒ぎのあとで、扉が開け閉めされる音もする。
ミスティ・ストレルカ(白羽に願う・f10486)が外へ飛びだしていったようだ。
『まずいぜ、相棒。これじゃ和馬男の坊主は飛んで火に入る夏の虫だ』
「……急いで保護しませんと。前回もオブリビオンに襲われていましたし、本当に『足』と出会ってしまう可能性も十分あります」
身支度を整えた桜も、凶津と一緒に捜索を開始する。
「前回一緒に戦ってくださった方にも応援を頼みましょう。人数は多いほうがいいですから」
『ああ、頼むぜ』
桜がスマートフォンを操作し、新たな事件の発生とあらましを伝える。
『それは大変です。こちらでも探してみましょう。行きますよ』
『情報収集は忍にはお手の物ですからな』
通話を切った桜に、凶津は要請した。
『坊主の足取りを探そう。式神を放ってくれ』
「分かりました」
こくりと頷いた桜が、取りだした符を地面に落とす。
「……式、召喚【捜し鼠】」
符が無数の鼠に変わり、一斉に走りだした。
式神の鼠たちは、その小さな体を生かしあちこちの路地の隙間や下水道など、ありとあらゆる場所を通りぬけながら周囲に拡散していく。
「……このあとは?」
『そうだな。スマートフォンで情報収集するか。猟奇事件の情報や怪談話の舞台になりそうな場所を当たればそのうち正解に行きつくだろうさ』
「じゃあ、調べつつ歩きまわりましょうか」
立ちどまってSNSなどで情報を追い、手掛かりをもとに実際に足を運ぶ。
そんなことをくり返し、凶津は桜と一緒に和馬男を探した。
前回のようにオブリビオンを見つけてさくっと始末することもあったが、肝心の和馬男は見つからない。
「……もうちょっと捜索範囲を絞りたいですね……そうすれば、式神による人海戦術も効果的にできるんですが」
『そうだな。向こうから吉報が入るのを期待するか』
こうして、捜索のバトンは他の猟兵に渡された。
馬県・義透(多重人格者の悪霊・f28057)は、第一人格『疾き者』と第二人格『静かなる者』の二人に分身し、自宅で情報収集を行っていた。
部屋にはキーボードのカタカタという打鍵音が響いている。
「こういうとき、UDCアースを本拠地にしておいてよかったですよねー」
「慣れるためとはいえ、整備しておいたのが役に立っておりますな」
スマートフォンからコールが鳴り、第一人格『疾き者』が出る。
相手は桜だった。
『……なにか分かりましたか?』
「そうですねー、ハッキングして和馬男くんのネット上での行動履歴を見てみたんですけど、どうも廃トンネルとか、廃墟とか、近所の心霊スポットについて調べた形跡がありますねー」
『あ、廃墟のほうなら俺たちで行ったぜ。式神を偵察させたら足の手下らしきオブリビオンがいたから祓っておいたが、和馬男の坊主はいなかった』
男の声が通話に割りこんでくる。
桜の仮面である凶津だ。
「そっちは外れですかー。廃トンネルのほうも調べてみてくれますかー?」
『すぐ向かいます。凶津、行こう』
『おう。今度こそ見つかるといいな』
駆けだす足音と共に、通話が切れる。
そのままスマートフォンで調査を続行しつつ、第一人格『疾き者』は第二人格『静かなる者』にへらりと笑いかけた。
「考えてみれば、私たち二人で行動しているの、正解でしたねー」
「そうですな。どちらかが『侵す者』だったらこうはいきませんでしょうな」
「あー、彼は明らかに向いてなさそうですよねー」
第三人格である彼は、戦闘では頼りになりそうなので、出番があるとすればもう少しあとだろう。
パソコンを操作していた『静かなる者』の打鍵音が止まる。
「ほほう」
「どうしましたー?」
「廃墟と廃トンネルの他にも、本人が通っている学校も心霊スポットになっているようです」
「あー、七不思議ってやつですか?」
「そうですな。定番らしく、この学校にも夜の特定の場所が舞台で七不思議が存在しているとあります」
「となると、学校に来る可能性がありますねー。一応この情報も回しておきましょう」
スマートフォンで、『疾き者』は捜索にあたっている猟兵たちにこの情報を拡散した。
エール・ラヴラドライト(オラクルライト・f07669)は、また別の方向から事件についてのアプローチを試みていた。
義透から回ってきた情報は確認済みだ。
現在、エールは透明になってとある住宅のなかに入りこんでいる。
(ええっと、たしか件の少年の部屋は二階だったっけ……)
この家は、和馬男をいじめていたクラスメートの家だ。
このクラスメートは和馬男をSNSで叩いていた主犯であり、なにかしら有益な情報を持っている可能性が高い。
接触して情報を吐かせることが、エールの目的だった。
ちなみに、表向きはこのクラスメートが、和馬男の親友だ。
親友なのだが、裏では匿名で率先して和馬男いじめを先導している。
闇である。
(人間関係っていうのは、複雑だね)
二階に上がると、迷わず速やかに、そっと音もなくある部屋の扉を開け、器用にするりとなかへ入りこむ。
そこは、和馬男のクラスメートの私室だった。
少年が背中を向けて、なにやらパソコンでSNSに書きこみをしている。
どうやら、和馬男を誹謗中傷している真っ最中らしい。
透明になったままモニターを確認してみると、悪意に満ちた言葉がずらりと並んでいる。
エンターが押され、それがSNSに投稿された。
(さて……始めようか)
超能力で、キーボードを操作して文章を打ちこんでやる。
『ゆ る さ な い』
「ひっ!?」
突然モニターに浮かびあがった文字に、少年が思わず悲鳴を上げた。
だが、すぐ表情を険しくすると、周囲を見回し怒鳴りだした。
「和馬男だな!? こんな手のこんだトリックで脅したつもりか!? お前がどこに入ったのかは分かってるんだぞ! 見つけてぶん殴ってやる!」
(……らくちん)
部屋を飛びだし外出する少年を、透明化したままエールは見送る。
「彼が案内してくれる。……追いかけて」
次の猟兵へ連絡を入れた。
少年が向かっているのは、学校だった。
夜の学校である。
八狸・快鈴(たぬたぬたぬきたぬたぬき・f28141)が追跡している。
「間違いなさそうだねぇ」
呟く快鈴のスマートフォンは、グループ通話で他の猟兵たちと繋がっている。
『こりゃ、和馬男の坊主がいそうだな!』
『……式神にも追跡させます』
スマートフォンの向こうで、大量の鼠が走っていく音がし、ばたばたと音がする。
『私たちも向かいますかー』
『どうやら、学校内の七不思議の場所が戦いの舞台になりそうですな』
『ボクも行く。そのままお願い』
少年の追跡は、エールから快鈴が引きつぎ、継続している。
「夜道に一人きりっときたら、驚かしてくれって言っているようなものだよねぇ」
何もない道端の茂みを揺らしたり、さりげなく少年が立てる足音にもう一つ追加したり、化け狸として少年を驚かせまくった。
頭に血を登らせた少年は、和馬男への罵詈雑言を口にしている。
その内容たるや、口にするのもはばかれるほどだ。
学校に近づくにつれ、鼠の姿を見かけるようになってきた。
桜の式神だ。
それらはまるで快鈴を先導するように、地面を走っている。
頭に血が上っている少年は、まったく鼠のことを気にしていないようだが、その行先は一致していた。
「さあ少年、そのままおいらたちを案内しておくれよ。到着するまで、しっかり守ってやるからさ。まぁ、かわりに驚かさせてもらうけどねぇ」
暗闇のなかで、快鈴の小さな笑い声が響いた。
ミスティは、デフォルメされた白羊に跨り和馬男の学校をめざしていた。
途中で快鈴と合流する。
「今はどういう状況なのです?」
「んー、詰めの段階だねぇ。彼に道案内してもらっているところ」
快鈴が手で示すのは、和馬男のクラスメートの少年だ。
少年は迷わず閉じられた校門をよじ登り、学校の敷地内へ侵入した。
『おい相棒、普通、夜の学校に不法侵入したら警備員がすっ飛んでくるんじゃないか?』
『……それはなさそうです。誰の仕業かは分かりませんが、警報装置が止められた痕跡を見つけました』
『これはもしかすると、足がいるかもねー』
『可能性は高いですな。オブリビオンなら人知れず警報装置を無力化する程度、たやすいことでしょう』
『ボクたちもすぐ着くよ。そのまま突入よろしく』
校門前に到着したミスティと快鈴のスマートフォンからは、そんな味方猟兵たちのやり取りが聞こえてくる。
走りながら、二人は少年の向かう場所について考える。
「ところで、あの少年はどこまで行くつもりなのかい? グラウンドを突っ切って、校舎に入っていきそうだよ」
「校舎が舞台の七不思議もいっぱいあるのですっ。屋上の階段とか、音楽室の肖像画とか、美術室のモナリザとか、三階女子トイレとか」
「あー、もしかしたら、少年も全部探すつもりなのかねぇ……」
予想どおり、少年は片っ端から七不思議の場所を探していく。
怒り心頭といった様子の少年だったが、探しているうちにみるみる様子が変わり、びくびくと怖がりだすのが二人には手に取るように分かった。
「ふふ、おいらが行きに驚かしたのが今頃効いてきたかな?」
「夜の学校は、私もちょっと怖かったり……」
にやりと笑う快鈴に、ミスティが苦笑を返した。
だが二人は猟兵だ。
オブリビオンがいるかもしれないと分かっていれば、むしろ恐怖は薄まる。
なにがいるのか分からない、という状態が一番怖いのだ。
それを、驚かす側である快鈴は特によく知っていた。
快鈴がまったく怖がっていないので、ミスティもすぐに気にならなくなった。
だが少年だけでなく、二人も知らない。
『足』が潜んでいる影響か、現状この学校はモナリザが絵から這いだし、トイレの花子さんが出歩き、屋上の階段は血まみれ、音楽室では肖像画たちが笑っている魔窟と化していたことを。
校舎内に少年の絶叫が響きわたった。
猟兵たちが急行する。
戦いは近い。
少し前、少年はついに美術室で和馬男を見つけていた。
「おい、お前……!」
「上っ……! 上っ!」
つめ寄りかけた少年だったが、必死に指さす和馬男の視線を追い、頭上を見あげ、目が合ってしまう。
天井にモナリザが張りついて、ケタケタと笑っていた。
「うわあああああああ!」
絶叫をあげ、少年は和馬男を置いて走りさる。
校舎から出てグラウンドを走り、来たときのように校門を乗りこえて逃げ帰るのを、桜華ははっきりと見ていた。
モナリザに向きなおり、不敵な笑みを浮かべる。
「人探しじゃ私の出番はないかと思っていたが、なかなか楽しめそうじゃないか」
天之羽々斬が振るわれ、和馬男に覆いかぶさろうとしていたモナリザが両断される。
これらの怪異は、『足』がひき起こしているものだ。
当然一体の強さは『足』以下であり、いくら集まろうが桜華の敵ではない。
トイレの花子さんなど、オブリビオン化した動ける怪異が集まってくるが、すべて斬りすてられた。
まったくその場から動いていない桜華を中心に、オブリビオンの死体が散乱するそこへ、逃げていった少年の絶叫を聞きつけた凶津や桜、義透、エール、快鈴、ミスティが次々集まってくる。
「あ、あのときの猟兵さんたち!?」
面識のある凶津や桜、義透を見つけて、和馬男が安堵の表情を浮かべた。
そして、桜華は美術室に急速に集まりだす敵意の渦を感じとる。
オブリビオンたちの死体が溶けるように消えた。
「皆、構えな。奴さん、やる気になったようだよ」
美術室前の廊下から、ぺたり、ぺたりと足音が聞こえてくる。
やがて、足音の主が美術室に入ってきた。
それは、『足』だった。
人間の片足、足首より下のみが、素足のまま歩いている。
恐怖の表情を浮かべて後退る和馬男を庇うように、桜華が前に立つ。
さらに凶津を被った桜が、義透が、エールが、快鈴が、ミスティが並ぶ。
「それじゃ、始めようか」
桜華の一言をトリガーに、全員の闘気が膨れあがった。
成功
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第3章 ボス戦
『足』
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POW : 天罰
単純で重い【踏み付け】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 次元脚
【『どこだ』】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【異次元空間】から、高命中力の【蹴り】を飛ばす。
WIZ : 蹴飛
自身からレベルm半径内の無機物を【蹴り飛ばしやすい形】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
👑11
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神代・凶津
おうおう、遂にお出ましって訳か。
とりあえず和馬男の坊主の近くに結界霊符を貼って結界を構築するぜ。
すぐ片付けるからそこでじっとしてな、坊主。
んじゃ、派手に行こうか相棒ッ!
「・・・転身ッ!」
雷神霊装で相手してやるぜッ!
引き上げたスピードで一気に距離を詰めて先制攻撃してやる。
破魔の雷撃を纏った妖刀の一撃、たっぷり味わいなッ!
あちこち出たり消えたりするようだが引き上げた反応速度で見切って出てきた瞬間を妖刀でなぎ払ってやる。
まるでモグラ叩きだな、こりゃッ!
「・・・逃しません、ここで祓います。」
おうよ、相棒。
ヤツに引導を渡してやろうやッ!
【技能・結界術、先制攻撃、破魔、見切り、なぎ払い】
【アドリブ歓迎】
馬県・義透
オルタナティブ・ダブル続行。
疾「ちょっと向く人に変わりますねー。あと、これ貸しますねー」
『疾き者』から『侵す者』へ。
第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
対応武器:黒燭炎
事態は把握しておるからの、『静かなる者』。しかし、まんまだの…
わしは武器での早業二回攻撃にてなぎ払おう。
結界も、念のために作っておくかの。
異空間からの攻撃は、第六感で避けようかの。
※
第二『静かなる者』
対応武器:白雪林
話が早くて助かります。
私は援護射撃にて、動きの補助を。
それに、先ほど『疾き者』から漆黒風を借りましたので、近づかれたらこれで刺して対応しましょう。
※一番年の近いコンビ(『侵す者』は43。『静かなる者』は42)
神代・桜の手に握られた神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)が吠える。
『ついに元凶のお出ましか! 倒して解決といこうぜ、相棒!』
「ええ、始めましょう。……転身っ!」
桜は結界を敷設して和馬男を覆うと、凶津を自らの顔に被せる。
二人の霊力が合わさり、増幅され、高まっていく。
それらは可視化できるほどの勢いを帯び、雷撃となって周囲を迸った。
馬県・義透(多重人格者の悪霊・f28057)も、すぐさま戦闘態勢に入った。
「ここは向く人に変わりますねー。あと、これは『静かなる者』に貸しておきますねー」
「ふむ。わしの出番だの。『疾き者』よ、任せておけ」
二人の義透が、一人は借りうけた白雪林に矢を番え足を狙って引きしぼり、もう一人は黒燭炎を腰だめに抱え地を蹴る。
合わせて凶津を被った桜も動きだした。
『派手にいこうぜッ!』
「……しかけます」
踏みこみ音は静か。
しかし、その一瞬で桜の姿は消えていた。
なにもない空間を鋼色の閃光のみが走っていき、足をなぞろうとする。
だが、直撃の瞬間足は暗闇のなかにその姿を溶けこませた。
「……消えた?」
『相棒、上だ!』
足の居場所を知らせる凶津の声と共に、桜の頭上に現れた足が急降下して蹴りつけてくる。
とっさに避けた桜の髪の毛を、足が払っていった。
「そこです!」
桜は下段から斬りあげるように、伸びあがる全身のバネを利用して、上空の足めがけて反撃の刃を振るう。
鋭い斬撃が、足を掠めてその肌に赤い線を残した。
無銘の妖刀を這う雷撃が足に伝わり、さらに焦げ跡を残す。
『ちっ、惜しい!』
「逃がしません! たたみかけます!」
「援護しましょう」
転移する足を追い、即座に追撃に移り走りだす桜を援護し、『静かなる者』が転移先を先読みし矢を放つ。
行次元空間から出てきた足に、矢が直撃した。
まさか当てられるとは思わなかったのか、一瞬足の動きが硬直する。
「怯みました。今です」
すかさず、『静かなる者』が矢を連射し、壁に縫いつけた。
抜けだそうともがく足だが、足ごと壁に突きたてられた矢はびくともしない。
「でかしたの!」
磔になった足へ『侵す者』が突撃し、突進の勢いと黒燭炎の重量を乗せて渾身の突きを放つ。
足は再び転移して逃れようとした。
何もいなくなった壁に、矢のみが残る。
だがすでにそれは『侵す者』も一度見た。
ゆえに、反応する。
『侵す者』が動かす義透の身体が、急激な方向転換により足元の床に摩擦痕を残す。
「ぬぅん!」
足が消えたあとの壁をむなしく穿つはずだった黒燭炎の穂先が、まるで冗談のように鋭角に跳ねあがり、異次元空間から放たれた蹴りを迎撃し、逆に足を貫いた。
オブリビオンの、声なき絶叫が上がる。
「はっ!」
続いて『侵す者』は素早く黒燭炎を引き、その勢いで足から穂先を引きぬくと、なぎ払って柄を打ちつけ大きく足を吹きとばす。
「合わせます!」
『やるぜ、相棒ッ!』
そこへ凶津で顔を隠した桜が走りより、雷撃をまとった無銘の妖刀で斬りつける。
青白い火花が散り、スパークが足へと伝わり足を感電させる。
足も負けじと短距離の転移を行い、足払いで桜の両足を刈ろうとする。
『後ろだ!』
冷静に足の動向を探っていた凶津が素早く桜へ警告し、即座に反応した桜が無銘の妖刀を足と自分の中間点にある地面に突きたて、足払いを受けとめる。
足のほうはどうみても肉にしか見えないのに、まるで金属同士がぶつかったような、甲高い音が響きわたる。
さらに転移を行い、足は桜の鳩尾を狙って蹴撃を打ちこもうとする。
「私の存在を、忘れてしまっては困りますな」
涼やかな『静かなる者』の声と共に、白雪林による狙いすました一射が差しこまれた。
直撃の衝撃で蹴りの軌道がずれ、生まれた空間を見逃さず、桜はそこに身を滑りこませて避けると、目の前で再び姿を消そうとする足を、無銘の妖刀の柄頭で殴りつけた。
さらに『静かなる者』の追撃の矢が飛び、次々直撃を受けた足が吹きとんでいく。
よろめきながら足が今度こそ転移して距離を取ったことで、戦いは仕切りなおしとなった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
神代・凶津
ちぃ、ちょこまかとッ!
確実にダメージは与えていっている筈だが。
あの転移は厄介だぜ、相棒。
「・・・ならば動きを封じましょう。」
なるほど『結界射ち』かッ!
雷神霊装を解いて破魔弓を構えるぜ。
第六感を研ぎ澄ませ。
敵の殺気を感じろ。
『足』が転移して攻撃する瞬間を見切ってカウンターで結界射ちをぶちこんでやるぜッ!
動きを封じる事に成功したら妖刀を『足』に突き刺してやる。
そこから相棒の破魔の霊力を直接流し込んで徐霊してやるぜッ!
くたばりやがれッ!
【技能・第六感、殺気、見切り、カウンター、破魔、徐霊】
【アドリブ歓迎】
馬県・義透
引き続きオルタナティブ・ダブル。
『侵す者』&『静かなる者』
第三『侵す者』
頼もしき味方がいると、心強いの。
さて、わしは引き続き、前衛で二回攻撃のなぎ払い。
ついてだ、この攻撃には追跡の呪詛をつけておこうかの。
第六感と合わせれば、さらに追いやすく避けやすいだろうて。
怪異は疾く去るがいい!
※
第二『静かなる者』
ええ、たしかに。頼もしい限りです。
…連携こそが、相手にない我らの強み。
破魔つきの矢にて、的確に制圧・援護の射撃攻撃を。
漆黒風は借りたまま。…たまにはこれを投擲してみても良いでしょうな。
転移は何度も見ているのです。見切れるに決まっているでしょう?
シン・クレスケンス(サポート)
■アドリブ歓迎
■「大体のことはこなせますので、何でもお申し付けください」
落ち着いた雰囲気を持つ物腰柔らかな青年。
一人称は僕。使役は呼び捨て。
窮地でも動じず冷静に戦況を判断し切り抜ける。
詠唱銃による銃撃と、魔術による属性攻撃を得意としている。
猟兵になる以前の経歴から調査、情報操作、諜報も得意。
■「俺はシンの狗じゃない!というか犬でも狼でもない!」
闇色の狼の姿のUDC「ツキ」は息ピッタリの相棒。
■梟の姿の精霊「ノクス」
賢い精霊で人語を理解するが、言葉は話さない。
■UCはどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
迷惑行為や公序良俗に反する行動はしません。
宜しくお願いします!
仮面である神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)を被ったまま、神代・桜は足と攻撃の応酬をくり広げる。
『ちぃ、ちょこまかとッ!』
桜の斬撃が転移しようとする足を浅く斬りさいたのに留まったのを見て、凶津は急いで足が出てくる場所を探す。
自動詠唱銃『judicium』で銃撃支援を行いつつ、シン・クレスケンス(真実を探求する眼・f09866)がツキをけしかけた。
「奴を追ってくれ。頼むぞ」
『やってみよう』
音もなく疾走するツキが、転移先を探してぐるぐると走りまわる。
やがてなにかを感知したのか、反転して一直線に加速した。
その先に足が現れると同時に、美術室の備品だった画材がどこからともなくマシンガンのようにツキめがけて撃ちこまれた。
『ちぃっ!』
牙を剥いて飛びかかろうとしていたツキだったが、とっさの判断で後退し、難を逃れる。
一部始終を目撃した凶津が、桜に意見を求めた。
『厄介だぜ。なにか手はあるか?』
「……動きを封じます。あの転移が足の回避を支える要であるのなら、できなくさせればいいでしょう」
破魔弓に矢を番え、桜はぎりぎりとひき絞っていく。
耳の後ろあたりにまで弦が到達すると、鋭く目を細めて足へ狙いをつけた。
足のほうはといえば、軽くステップを踏んで跳ねながら、なにかのタイミングを計っているようだ。
不意に、足の周囲にあった机や椅子が空中に浮きあがる。
「……なに?」
『気をつけろ相棒ッ!』
次の瞬間、蹴りとばされたそれらが、たて続けに凶津と桜めがけてまるで意志を持つかのように襲いかかってきた。
だが、その軌道上に黒燭炎を手にした馬県・義透(多重人格者の悪霊・f28057)が滑りこむ。
「安心せい。わしがすべて打ちおとす」
暗闇のなか、黒燭炎の黒い穂先が翻る。
けたたましい音が鳴りひびき、机や椅子はことごとくがたたき落とされ地面に転がった。
それを成した『侵す者』は涼しい表情のままさらに駆けだし、足との間合いを詰めようとする。
足の背後に矢が突きたち、逃げようとしていた足がたたらを踏んだ。
射撃の余韻で弦がまだ揺れている白雪林を手に、もう一人義透が立っていた。
『静かなる者』の妨害だ。
「連携こそが、相手にはない我らの強み。存分に生かしましょう」
素早く白雪林に二の矢を番えた『静かなる者』が、それをひき絞る。
その射形は桜と細かな違いはあれど、見ていてほれぼれとするほど美しいものだ。
桜も『静かなる者』も、その点においては変わらない。
どちらもまさに弓の名手といっていい。
「注意を引くのはわしがやる。転移先を読め!」
『侵す者』がその名のとおり瞬く間に足の間合いを侵食すると、鋭い刺突の連打を浴びせる。
間一髪その瀑布とも呼べる乱撃を避ける足だったが、『侵す者』にとってそれは想定済み。
続く連撃こそが本命だ。
「引っかかりおった! まだまだ青いのう!」
突きの直後で手元に引きもどされた黒燭炎がくるりと回転し、石突が下から跳ねあがって足に直撃する。
勢いよく飛んで天井にぶつかり跳ねかえってきた足が、今度は横なぐりになぎ払われた黒燭炎の柄にぶつかり、そのまま壁まで吹きとばされ叩きつけられる。
「追撃します」
さらに、効果的な介入を行うため、冷静に足の隙を窺っていた『静かなる者』が続けて矢を射かけ、壁に足を縫いつける。
「ツキも行ってください」
『分かった。転移先を読むのなら、俺も力になれるはずだ!』
シンの指示を受け突風のように走りだしたツキが、一瞬で足のもとへ到達すると、鋭い牙で噛みつき、足の肉を喰いちぎる。
『……不味い!』
痛みをこらえるかのように足が身もだえするなか、ペッとツキは足の肉を吐きだした。
「その隙、逃しません」
すかさず自動詠唱銃『judicium』の引き金を引いたシンが全弾発射し、たて続けに魔力のこもった銃弾を撃ちこむと、素早く再装填を行う。
「魔術の神髄を味わってください」
次に発射された銃弾たちは、そのことごとくが超高熱の炎をまとっていた。
それらは足を撃ちぬき燃えあがらせて炎上させる。
不思議と、燃えるのは足のみでほかに燃えうつりはしないようだ。
炎が不意に消えさった。
足の周囲の暗闇が深まり、そのなかに足が消えていく。
一連の攻撃から転移して逃れるつもりなのだ。
だが、転移先は『侵す者』とツキに読まれている。
「そこじゃ! やれ!」
『臭うぞ! 追え!』
一点を『侵す者』が黒燭炎の穂先で示し、さらにツキがけたたましく吠えたてて出現場所を皆に知らせる。
「軽々しく転移を使いすぎましたな……! 刈らせてもらいますよ!」
すかさず『静かなる者』が漆黒風を投擲した。
そして、絶好の機会を凶津と桜も見逃さない。
『今だぜ、相棒ッ!』
「……うん」
弦から手を離す瞬間、桜は破魔弓を持つ手の手首を返した。
弾道が開き、放たれた矢が風を裂いて一直線に飛んでいく。
矢は見事、転移で逃げた足が暗闇から飛びでてきたところを射抜く。
「……捕らえた。もう、逃がしません」
矢に結ばれた結界霊符がその効力を発揮し、展開された結界が足を呪縛する。
もがいて脱出しようとする足だが、結界はびくともしなかった。
そこへ間髪入れず『静かなる者』が投げた漆黒風が刺さった。
「これで……」
再び無銘の妖刀に持ちかえた桜が、踏みこんで切っ先を足に突きたてる。
『くたばりやがれッ!』
凶津の叫びと共に、刃から伝わった桜の霊力が炸裂した。
総攻撃を受けた足の姿が崩れ、薄れていく。
倒したのだ。
やがて、怪異の気配も去り穏やかな静寂が戻ってきた。
それからのことを、少しだけ記す。
猟兵たちが足を倒したことで、和馬男の話は真実として立証された。
次の日の学校は猟兵たちと足の話で持ちきりになり、実際に最後、足との戦闘の舞台になった美術室は、しばらく立ち入り禁止となった。
和馬男は連日猟兵たちの活躍ぶりを聞きたがる級友たちに囲まれ、鼻高々に目撃した戦いの一部始終を語ったという。
その話を元に、美術部員たちが復旧した美術室で連作の絵を描き、それらはコンクールで大いに評価されたようだ。
題材となった猟兵たちは生徒たちのあいだで人気が爆発し、またの来訪を望む声が多数あがったが、それはまた別の話。
成功
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