イェーガームービー~石像が似てないなら石像にすればいい
●今回予告
「似てないわよこの石像ぉ!」
魔法少女っぽい女の子が石像を蹴り飛ばす! 石像が壁に当たり首と胴体がサヨウナラ!
「どうしてこうも石像ってのは実際の人物に似ないのかしら!」
過去の偉人とかを石像にすると、脚色とか朧げな記憶とかによりどうしても真実と違ってくるのは往々にしてあるが、それが魔法少女は嫌なようで。
「そうよ! どうしても似ないのなら、人を石化して石像にすればいいじゃない!」
いきなり何を言うんでしょうこの魔法少女は。
「いくわよみんな! まずは一般人を石化させるのよ!」
『おー! 石化の素晴らしさをしってもらおー!』
「少し方向性違うと思うけど……まあいいか」
それから数日して。
突然、『やけに実在の人物によく似た石像』の売買が盛んになったという。
しかしそれは突然行方不明になった人物に酷似……! ということはこれはまさか元人間……!? なら、これ以上犠牲者を出すわけには……!
っていう感じの脚本だって!
●演者募集(猟兵はオーディション免除)
「アースクライシス2019、ほんとにお疲れ様!」
マリア・ルート(黒き面影に囚われし根源姫・f15057)が笑みを浮かべながらまずは猟兵たちをねぎらう。
「で、全てが終わった……いや全てじゃないわね、一部残ってるし……ヒーローズアースなんだけど、『イェーガームービー社』っていう会社ができて、戦争の記憶やあんたらの魂を映画などの映像作品として語り継ごうとしているんだって」
その中の一つ、映画部門の映画の1つに出演オファーがかかっている、とのことである。
「まあ、重要なのは映画に出てほしいってことだから」
マリアはそう言うと映画の脚本はこんなのみたいって、企画書の一部にも似たものを猟兵たちに配る。
「まず、人間が石像にされて売られているオークションがあるから、それを突き止めてほしいって話。あ、設定よ? 今マジでそんなことは起きてないみたいだし」
とはいえ実際に置きている場合とそうそう変わらない。むしろ実際に近いシーンの撮影ができた方が望ましいだろう。
ヴィランやオークション参加者などは必要に応じてエキストラなどを用意するので、手段は何をしてもいい。ただし注意点が一つ。
「これは後々もそうなんだけど、イェーガームービー社から『ユーベルコードの使用は自前でお願いします。安全には配慮してくださいね』っていう注意が来てるの。一応望めばスタントマンとかも用意できるけど、限界はあるからね」
猟兵はヒーローやヴィランよりも強いからね、仕方ないね。
「で、そしたら、『石化こそ至高』って言っている性癖の塊がいるから、そいつをボコボコにしてもらうわ。相手はホントはロボだけど」
えっ、と言っている猟兵がいるが、後でCGでなんやかんやするので問題ない。いつも通りにすればいい。なお、海月モードはドローンや滑空できるロボを使うとか書かれてるが多分些事。
「そしたら最後に、犯人である、『石像って本人に似てない!』って動機からこの件に及んだ魔法少女のオブリビオン――を演じている『ハヌジー・アーク』っていう女優さんに実戦想定で戦ってもらうわ」
もちろん先ほどのルールがあるので、あまり派手目に致命傷を与えたりするユーベルコードは自重すべきかもしれない。ある程度の傷なら許容範囲だろう。
で、映画となれば当然監督もいるわけで。
「監督兼脚本が『アジュール満月』っていう、まあ、その――ネタネタした雰囲気が好きな人には受ける映画を撮っている方なんだけど、今回ばかりはどうなるか読めないって言ってたわよ。セリフとかアクションとかはほとんどあんたらに任せるって言っていたわ」
つまり出来栄えは猟兵たちに左右されるわけだ。責任重大。
「なに、あんたらならできるわよ。全住民にあんたらのイイトコ、見せつけちゃいなさい!」
結衣謙太郎
よーい、アクション!
結衣だよ!
映画撮影です!
以下詳細!
●成功条件
なんかいい感じに撮影成功すればいいんだよ!
ぶっちゃけカルトなエンドでもいいんだよ!
●章構成
1章は冒険だよ!
映画の1シーンとして撮られるけど、ホントにこういう事件が起きてるという想定だと臨場感が上がりそうでいいね!
2章は『性癖神コンプレークス』との集団戦だよ!
性癖は「石化」系固定だよ!
なんか石化っていいよねみたいな奴らという設定だって!
あ、実在はしてなくて、ロボ相手に戦ってもらって後でこう、CGでなんやかんや……するから!
3章は『悪堕ち魔法少女・ユカリ』とのボス戦だよ!
女優さんが演じてるよ!
『石像が似ていない』とかでこの件起こしたんだって!
石化系でウマが合っちゃった、ということらしいよコンプレークスとは! という設定だって。
●映画撮影なんだって!
全章、『映画の1シーン』を意識したプレイングにはボーナスがつくよ!
特殊効果などの演出は後でなんやかんやするけど、ユーベルコードの使用は自前でお願い! あと撮影ロケーションはスタジオなこともあれば外なこともあるし、オブリビオンはロボと女優さんがやってるからね。安全面には配慮してね。
●フォーティナイナーズってあったよね
もしフォーティナイナーズの皆さんが来れば出演すれば自然と大役に抜擢されるし、撮影現場には、彼らのグッズを持った大勢のファンが押しかけること間違いなし!
その場合、グッズとかについて結衣が設定を生やすかもしれない(この方の人形がヒーローズアースで作られてヒットしてる、など)!
●その他備考
希望するなら裏方参加もできるよ。
団体参加はなるべく時期合わせと「合言葉やID」といった迷子対策をすると結衣が喜びます。
以上です!
皆さんの参加をお待ちしております!
はいカット! OK!
第1章 冒険
『人間オークション会場を突き止めろ!』
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POW : オークションができそうな場所をしらみ潰しに探す
SPD : オークション参加者を秘密裏に尾行し会場を突き止める
WIZ : 情報屋からの聞き込みにより場所を突き止める
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御園・桜花
「異界キネマで銀幕のスタァの皆様と共演…まぁ!まぁ!」感動中
裏方希望
「ノームを召喚して虱潰しに探す等、私のUDは頭を使って力技なので…あまり目的に合致しないのです。それよりもスタァの皆さまを間近で眺めたいのです。それに私は桜の精ですから、全身を直接灰色に塗りたくってもそう簡単に窒息しません」目がキラキラ
「お疲れさまです、はいどうぞ」
石像にされるエキストラ役をこなした後は犠牲者が連れ攫われる迷路をUD「碧の迷宮」で作ったりパーラーメイドらしくお茶くみや弁当手配して皆に配ったり同じエキストラ達に監督からの時間指定を伝えたり、終始満面の笑みで大道具や小道具の手伝いをする
「あぁ、何て素敵なんでしょう」
鈴木・志乃
UC発動
別人に変装した状態で楽屋入り。台本片手に眉間にシワ寄せてぶつぶつ読み込み
……はあ、行きますか
【変装、演技、パフォーマンス】
黒パーカー黒ジーンズ、地味な格好で町中を歩く
あちこちで行方不明事件が相次ぎ、また石像の話を聞き訝しげな顔【第六感、見切り】
実物を見て一体買い【高速詠唱】で石化を癒し保護。話を聞いて家で匿い、敵の大元を叩く為店主を脅しに行く
怪しまれないかって?
大丈夫、私まだ顔がありますんで(【変装】技術でまた違う顔へ)
やあ、ここで石像を売ってもらえるって聞いたんだけど?
逃げようとしたら【早業】でGPS装置取り付けるか【高速詠唱】で縛り上げる
お前らのボスはどこだ
※まだ顔は出しません
栗花落・澪
幸い姉がモデルで魅せ方の知識は少しあるから
頑張りますか
・背中を見せたい、表情を隠したい場面を除きカメラにお尻は向けない
・【演技】でも言葉の間や目線を大事に。カメラを意識し過ぎない
・棒立ちにならない。考える動作も仕草付き
人々の会話に聞き耳を立てながら地図を見て歩くフリ
関連した会話が聞こえたら敢えて積極的に接触
オークションって、もしかして石像の?
凄い精巧だよね
僕も人形作りが趣味だから、一度間近で見て勉強したくて
それに、父がそういう職人だから
一体くらい買ってあげたいな(設定)
でも、僕方向音痴で地図が読めなくて…
この辺で、合ってますかね…?
さりげなく聞き出しメモ
いつバレるかわからない緊張感もいいよね
水野・花
テフラくんと同行。
こういうのは華麗に活躍する主人公ではなく、冒頭で憐れにも犠牲になるキャラにカルト的人気が出るんですよ。という訳で犠牲者役やります。
調査中にあるオークション会場に多数の石像が運び込まれていることを発見。潜入すると行方不明者そっくりの石像を発見!(石像のプロップの用意お願いします)
遂に尻尾を掴んだと喜ぶ私達、しかしそれは猟兵をも商品にしようという巧妙な罠だった!部屋に仕掛けられた石化ガスにより苦しみながら石化される私!石像と化した私は商品として売られていくのでした……。
ユーベルコードで実際に石化するからリアリティ満点!そのまま石化してるので石像のプロップとしてでも使ってください。
テフラ・カルデラ
花【f08135】と同行
【設定】
魔法少女風猟兵の姉役(弟役と一人二役)
服装は白を基調、うさぎをイメージした魔法少女風衣装で一人称は「わたし」
【意気込み】
まさかわたし達が映画に出るなんて…
もちろん石化されるような役を、ユーベルコードなどで石化のリアリティを追求します!
【撮影】
潜入したオークション会場にて花の予想通り行方不明者が石化されていることがわかる
しかし二人はその部屋に閉じ込められ石化ガス(という名の煙の演出、石化は花のユーベルコードを使ってテフラ共々石化する流れ)が流し込まれる
咄嗟に花の腕を掴むも石像と化した花は動くことなくテフラも巻き込まれ、最期に一緒に潜入した弟を思いながら完全に石化…
荒谷・ひかる
※49ers第一期28位、第二期25位
(概要を聞いて)
……B級特撮映画なのかな?
(素直な感想がコレだった)
ええっと。それじゃあわたしは「行方不明になった姉を探している妹」っていう役で参加するんだよ。
というわけで、路地裏の怪しいバーに情報収集しに……入ろうとして、子供だからって摘まみ出されちゃうんだよ。
そこで【転身・精霊銃士】発動!
変身バンク付きで23歳の大人の姿に変身!
そしたら今度はお店に入れたんだけど、何故か捕まっちゃった!
聞こえてくる声によると、わたしを石像にするみたい!?
わたし、どうなるのーっ!?
っていう感じで、どうかなっ?
あ、次のカットでは13歳の姿に戻って脱出するからねっ。
●撮影前に
スタジオではない某所。
今まさに撮影が行われようとしている中、猟兵たちからの希望を受け取ったアジュール満月は頭を抱えていた。
「大丈夫かこれ……ま、まあ、今までもどうにかしてきたし、大丈夫だろう。というか僕の映画はB級じゃない」
割としっかり予算がかかっております。
「おはようございまーす……」
ダウナーな感じで現場入りした鈴木・志乃(ブラック・f12101)。流石に舞台役者にライバー『ブラック』に『Lucie』の1人とだけあって有名人慣れしているのか、変装はほぼほぼ完ぺき。もはや別人。のような演技。その辺の椅子に座ると台本をしわを寄せて読んでいる。
『ねえ、あれ鈴木・志乃じゃない?』
『え、『Lucie』の!?』
『いやでも、別人に見えるけど』
『強いユーベルコードの力で変装もあり得るぞ』
(……うるさいな……キマイラフューチャーに比べれば……いや、同じくらいか)
フォーティナイナーズとなったことで鈴木・志乃の人気は急上昇、彼女の所属劇団『Le Ciel Bleu』も便乗してヒーローズアース進出をしようとしたが、彼女以外の人気と、ヒーローズアースに任意で渡れるかが不明だったため、まずは彼女の出る舞台のブルーレイ販売がされることとなった。すでに『もし、明日』など数作品が出ており、品薄状態が続いている。今度どこかで公演される『引っ越し』もブルーレイ化されるだろう。きっと。
「おはようございまーす!」
一方こちらは元気に現場入りする栗花落・澪(泡沫の花・f03165)。
『うおおおおつゆりんだあああ!!』
『サイン! サインください!!』
『つゆりんフィギュア100個購入したけどシークレット出ません!』
『羽モフらせて!』
「わわっ、そんな一気に来られても!」
現場に来てたファンたちがどっと押し寄せてくる。あっという間にその体が見えなくなってしまった。なおつゆりんフィギュアは全20種+シークレットで、噂ではシークレットはFiat Lux版のつゆりんとキマフューでいいねリスの件でパフォーマンスコンテストに出た時のつゆりんの2種類あるとか……
「ね、姉さん~」
撮影開始までもみくちゃにされて台本を読む時間がなかった。
「あ、あれ大丈夫なのかな……?」
荒谷・ひかる(精霊ふれんず癒し系・f07833)がつゆりんがもみくちゃにされている姿を見て首をかしげる。
『あ! ひかるたんだ!』
『ひかるたんがいるぞ! 囲め!』
『ひかるたんフィギュア家宝にしてます! 神棚に飾ってます!』
『おおひかるよ、ありがたやありがたや……』
「な、なんかおばあさんまで!? と、とりあえず落ち着いてくださーい!」
もみくちゃにされるというより崇められてるひかる。あまりタッチすると姉がこわいのだろう。多分。噂では『アラヤニウム』という紫色の液体が同性に発情する薬だと言われて闇ルートで売られているとかあるが多分噂だ。
「す、すいません、これから撮影なので……!」
他の猟兵たちも現場入りする中ひかるはぺこぺこ謝りながら人ごみをかき分けた。ところでなんか地面抉れたりしているのは気のせいだろうか。そして精霊たちが怒っていたり呆れているような感じなのは気のせいだろうか。
そんなわけでフォーティナイナーズの現場入りを書いたところで本編はいりまーす。いや一応他の猟兵にもわずかながらファンはいるけどね! 単位が違うのよフォーティナイナーズ!
●カット1
ヒーローズアース、某所。人気の少ないその場所に、オークション会場は存在した。
路地裏の、目立たない場所に、地下へと続く階段。そしてその先にある怪しいBAR。
水野・花(妖狐の戦巫女・f08135)はそこに大量の石像が搬入されているのを発見した。どう見てもBARが仕入れるものではない。
「ようやく、尻尾を掴めましたわね」
「はー、長かったですよ……」
一緒についてきたテフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)。メイクをしており、完全に女の子である。こいつ男だけどな。
「では行きましょう」
花が堂々と中に入っていく。すると。
「これは……!」
そこにあったのは行方不明者そっくりの石像! あと、御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)の石像もある! おまけに奥にはあからさまに怪しい樹木でできた迷路の入口のようなもの、ユーベルコードによるものなのは間違いない。
「間違いないですわね」
「そうだね、あとは生きてここを出られれば」
「待ってそれはフラグで――!?」
花が言いかけた時、ガタン、と突然音がする。慌てて扉を開けようとするが――開かない!
「ど、どういうことです!?」
「もしや、潜入がバレた……?」
扉を叩く2人だがそれでも開く様子はない。そんな2人の視界に留まったのが。
「……なんですこのガス? 体が、固まって――」
「え、ちょっと、それ、まさか私達を――花!」
慌てて花の腕を掴むテフラだが、花の腕は――すでに腕まで固くなって動かない。
「――花! 花ーー! くっ、石化なんかに絶対負けません――! 弟もいる中で……!」
が、そのくっころな叫びもむなしくテフラも体が石となっていく。
「……にげ、て……」
その言葉が出た瞬間に、嘆く彼女は石像と化した。
●休憩1
「お疲れ様です」
テフラだけが裏方の作業場に戻ってきた。アジュール満月が必死に何かの作業をしたり指示をしているのが見える。
「今バミの調整をしているので少し押し(※次の出番まで長くなること)になってるようですね」
「あははー、ごめんなさいー」
テフラが笑いながら石像のエキストラ役を終えて裏方作業をしてる桜花に謝る。
「まさか同じシーンを2回撮るとかなかなかないよねー」
「同じシーン? NGじゃないんでしょ?」
台本を読んでた志乃が反応した。
「もしかして、中抜き(※同じようなシーンを全編から抽出しそこだけ連続で撮影すること)でやってるの?」
「いえ、テフラさんはこの後弟の役もやるので……」
「ああ……一人二役か。オルタナティブ・ダブルとかのコードあれば楽だったのに」
「えへへ、ごめんなさい」
慌てて活性化してないか探したのは秘密な!
『テフラさん、準備お願いしまーす』
「はーい!」
●カット1(2回目)
バミの調整とかをしてもう1回。
先ほどはシークレットシューズをはいて背を高くしたうえで姉役をやっていたテフラ。今度はメイクを落として普段の靴と背の高さに戻って弟役である。
「怖いよ、お姉ちゃん……けど、行くしかないよね……」
バミの通りの場所で演技をすることでうまく合成できるという算段だ。そして石化されるシーンへ。
「お姉ちゃん! 花さん!」
涙を流しながら、ここにいてはまずいと自ら迷宮の中へ逃げ出すテフラ。それは自分が巻き込まれないための、最高で、最悪な方法だった……
というところで今度こそこのシーンは終わりである。
●休憩2
裏方がセコセコと合成作業をしている。うまくカメラワークとかも活かして違和感なくできているか、それもまた問われているのだ。
「うう、緊張してきた……」
出番を控える澪。これからこういう機会は増えていくだろうが、それでも慣れない。
「澪ちゃん、ファイト!」
ふんす、といった顔で応援するひかる。彼女の鼓舞能力をレベルにすると660くらいある。高位のユーベルコード並みの力がある。不思議と人を元気にする『何か』がある。それが何かはわからないけど。
「あ、あはは……ありがとう、そっちこそ。あと僕は一応男だからね」
と、そこでスタッフより声をかけられるひかる。すぐに返事をしてとててて、とかけていった。
「よし、落ち着いて……深呼吸……」
なおこの後『つゆりんの吐いた息』なるものが裏ルートで出回ったのだとか。
●カット2
「お姉ちゃん……」
ひかるは件のBAR近くでとぼとぼ歩きながらぼやいていた。
――彼女の姉は数日前から行方不明である。そのため姉を探しにここまでやってきた。という設定だ。
「……あ、こんなところにばーが……」
ひかるが見つけたのは偶然にも件のBARである。堂々と店内に入るひかる。が。
『おうおう、ここはガキの入る店じゃないぜ』
『迷子か? 案内してやるからさっさと出てけ。じゃないと……』
「わわっ、ごめんなさーい!」
いきなり2人の大人に詰め寄られ、銃をつきつけられたひかるは逃げるように出ていった。
「はぁ、はぁ……でも、ここ怪しいよね……よし」
ひかるはぐっと手を握ると語り掛けるように。
「精霊さん達、お願い。わたしに、戦うための力を貸して……」
ひかるの足元が、周囲が輝きだす。そしてひかるは右手を高く上げると叫ぶ。
「エレメンタル・アップ!」
瞬間、輝きが眩しいほどになり、ひかるは光の空間の中へ。巫女服が解けるように消えていくと柔らかな光が彼女を包んでいく。光が彼女の輪郭を変えていき、その背も伸ばしていく。髪も伸びていき、ポニーテールにまとまると、光がたち消え、新たな巫女服ができていた。そして周りの光が消えて元の世界に戻ればいつのまにかひかるは背も高ければ胸も豊満で、大人ともいえるような姿になっていた。え、シリアスものになんか突然変身バンクが入ったって? ははは、そんなカオスもアジュール満月氏の映画ではよくあることさ!
「これなら、大丈夫!」
意気揚々と再びBARに入るひかる!
次の瞬間にはひかるは椅子に縛り付けられ部屋に投げ出されていた。
『俺たちのことをコソコソ嗅ぎまわって……』
『こいつも石像にして売り払うか』
(えっ、私もー!? どうなっちゃうの私ー!)
という引きでカット!
●休憩3
「お疲れ様でーす!」
いつのまにか元の姿に戻っているひかるが休憩場所へ。
「あれ、なんか険悪な雰囲気……?」
「ああ、なんか光の処理をどうするかって喧嘩してるみたいだよ。見切れてる可能性があるって」
「見切れ……?」
「なんか見えてはいけないものが見えてることだって。志乃さんが言ってた」
澪が鏡で姿を整えながらひかるに返答する。
「それにしてもなんかこなれてる感あったよね」
「そ、そうかな?」
「僕も姉さんがモデルだから魅せ方は少しは知ってるけど、見ててビクついたよ……」
「あ、私もお姉ちゃんがいるんだ! とーーーっても、強いんだよ! この前なんか――」
『栗花落さんお願いしまーす!』
「はーい! あ、ごめん、続きは後でね」
立ち去る澪。それを見てひかるは口をωにした。あのPOWがすべてを解決する化物巫女の話はまた今度ね!
●カット3
件のBARの近く、澪は人々の会話に聞き耳を立てながら地図を見て歩くフリをしていた。
『なあ、例の石像の件知ってるか?新商品が入ったらしいぜ』
『ああ、いきのいい女どものだよな……』
それを聞いた澪はあえて積極的に話しかける。
「オークションって、もしかして石像の? あれ確かに凄い精巧だよね」
『おっ、なんだ、お前もあれに興味あるのか』
「うん、僕も人形作りが趣味だから、一度間近で見て勉強したくて。それに、父がそういう職人だから一体くらい買ってあげたいなーって」
設定だからね? リアルのつゆりんパパがそうかはわかんないよ?
『そういう職人って、石像の職人か? ガハハ! こいつは傑作だ!』
「どういうこと?」
『なんでもこのオークションの関係者がな、石像って似ていないって怒っているところを見たことがあるらしくてな』
「ふーん、そうなんだ」
さりげなく出た情報をこっそりとメモする澪。
『まあ、お前もあれだろ? 石像が買えればいいんだろ?』
「うん、でも僕方向音痴で地図が読めなくて……この辺で、合ってますかね……?」
『ああ、そこの階段を下りれば行けるはずだぜ。わかりにくいよな』
「そうなんだ、ありがとうおじさん!」
澪は微笑んで感謝すると、BARの方へかけていく。しかし内心ではいつバレるかわからない緊張感を感じていた。
……だが、この話を聞いて訝し気な顔をする存在が一人いた。黒パーカー黒ジーンズ、地味な格好で、それが誰かは、わからない……
……というカットでした。リアリティある!
●休憩4
「お疲れさまでーす」
澪が戻ってくるとずっと石像になっている花(休憩シーンに花がいなかったのはこのためであり、贔屓ではないとは言っておく)をスタッフが運んでいたり、志乃が次のシーンの台本を読んだりしていた。
「お疲れさまです、はいどうぞ」
桜花がパーラーメイドらしく澪に弁当を渡した。昼食である。ここまでも桜花は同じエキストラ達に監督からの時間指定を伝えたり、終始満面の笑みで大道具や小道具の手伝いをしていた。まさに裏方に徹していたのだ。え? 一つ出演シーンがあった? ま、まあまあ。
「あ、ありがとう」
それを受け取り、一口食べるといい顔をする澪。
「しかし、澪、君そのやり方はどこで身に着けたんだ?」
志乃が突然絡んできた。
「ふぇ?」
「カメラにお尻を向けない、演技でも言葉の間や目線を大事に、でもカメラを意識し過ぎない……それに立つときも棒立ちにならず、考える動作も仕草付き。本当に君、初心者?」
「あ、一応、姉がモデルやってたから……それで……」
「ふーん……? それにしては『できてる』感じだったけど……まあいいか」
そう言ってスタスタと去る志乃に桜花が弁当を渡す。
「そういえば桜花さんは出ないの? あの石像と迷宮だけ?」
「ノームを召喚して虱潰しに探す等、私のUCは頭を使って力技なので……あまり目的に合致しないのです。それよりもスタァの皆さまを間近で眺めたいのです」
目をキラキラさせながら桜花が語る。
「なので私は皆さまをここで見守って」
「あぁ、それ監督からアドリブ入って、次御園さん出番あるみたいだから」
「え?」
一瞬目を丸くする桜花。小刻みに震えている。
「ふ、ふふ……」
怒ったか?
「……異界キネマで銀幕のスタァの皆様と共演……まぁ! まぁ!!」
違った! 感動してた!
「あぁ、何て素敵なんでしょう! 私もついに生身で銀幕に」
「いいから、練習するよ」
「え?」
再び目を丸くする桜花を現実に引き戻す志乃。
「練習。もう出番まで時間がないから、最初から合わせで行くよ」
引きずられる桜花を見て澪は心の中で合掌した。
●カット4
「やあ、ここで石像を売ってもらえるって聞いたんだけど?」
志乃が件のBARに入るや否やそんな宣言。ざわめくBARで、店主らしき人が志乃を連れて奥の部屋へ。
『堂々と言わないでくださいよ、秘密なんですから』
「いいでしょ、減るものじゃないし。それにいざとなれば」
志乃が顔の前に腕と手を通らせれば、一瞬にして違う顔になる。
「こうやって変装もできるし」
『これはこれは、御見それしました。では、どれにしましょう?』
「そうだね……じゃあ、これを」
花やテフラも並ぶ中、選んだのは桜花。店主らしき人は素早く桜花の石像を志乃に渡す。
「じゃあ、この口座から、代金落としといて」
『はい、毎度ありがとうございました』
そのまま石像を持って志乃はBARを出た。ただの顧客とみなされ、怪しまれなかったようである。
そして場面は変わり、彼女の家で。
「よっ、と」
石像を壊さないように慎重に置くと、素早く詠唱をする、と、優しい光が石像を包む。すると石のようなものがポロポロと落ちていき、中から生身の桜花が現れた。
「あ、あら……貴方が、助けて、くれたんです?」
「ああ、私は味方だ。どうしてこんなことに……?」
「実は……」
桜花は話した。
怪しいBARで捕まえられたこと。
自分以外にも複数の人が石化させられていたこと。
そして、あのBARの店主に、石化ガスをかけられたこと。
「……なるほど。わかった」
志乃は顔が見えないように帽子を深くかぶり玄関の扉を開ける。
「ここで待っているんだ。そうすれば安全だから」
「貴方は?」
「私は――」
再び件のBAR。
突然開かれた扉。
まっすぐ店主のもとに向かう顔の見えない志乃。
『なんだてめえ――』
「うるさい」
後ろから襲いかかる人たちを軽く柔術のように倒れさせていき、店主のもとへ。
「お前が人々を石化させているんだな」
『ち、ちちち違う! お、おたす』
腰を抜かした店主がすぐ逃げようとするが志乃が即先ほどのように倒し、そして縛り上げる。
「お前らのボスはどこだ」
『あ、ああああの、森のような迷宮の向こうにある路地裏BARだ! だから、命だけは――!』
そのまま乱雑に倒される店主。カメラが志乃を見上げるように撮るが、それでも今の志乃の顔は見えなかった。
大成功
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第2章 集団戦
『性癖神コンプレークス』
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POW : 性癖語り
予め【自身の司る性癖について暑苦しく語る】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : スキルマスター「イディオシンクラシー」
技能名「【(司る性癖の)属性攻撃】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ : イディオシンクラシー
【性癖全開モードの海月姿】に変形し、自身の【常識】【自重】【シリアス】を代償に、自身の【性癖にこじつけた行動】を強化する。
👑7
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●戦闘シーン撮影に入ります
『OK! バラシ、バラシだ!』
アジュール満月が叫ぶとロケバスに乗り込み、他のスタッフも片付けながら乗り込む。
ここからは屋内戦闘シーンが予想されるため、スタジオに移って撮影するとのことだ。
というわけで某所スタジオ。
『皆さん、ここから性癖神コンプレークス戦のシーンとなりますが、あちらのロボを敵と想定してお願いします。セリフとかはロボのスピーカーより出しますが、エフェクトや編集で苦しんだりしている声とかも作れますので、ご安心ください』
説明をするAD。
『あとはまあ、あまり派手に壊さないようにお願いします』
メイキングにあたっての注意はそれくらいだ。要するにあまり派手にやらなければ普段通りで問題ない。
●カット5
猟兵たちが言われたとおりに迷宮を抜けると、確かに別のBARの奥に出た。そこには。
『おや? 君たちは?』
『あ、そーか! 石化の素晴らしさに魅かれた人たちなんだね!』
『さっき子供が来たけどなんか波長あわないから石にしちゃった! いいよね石化って!』
『尊いよね! 永久保存版みたいでさ!』
なんか石化っていいみたいなことを言いまくるオブリビオンがわらわらといた。こいつらを叩けばボスが出てくるだろうか。それはまだわからない、知る由もない――
鈴木・志乃
【演技、歌唱、パフォーマンス】
適当な小石を敵にぶつける
石化っていいよね?
はあ?
今お前らにぶつけた石と同じになることだぞ、石化って
物も言えねえ、自分から歩けもしねえ存在になることがそんなに楽しいかよ
おん、今決めた
手前ら絶対に許さねえ(【恐怖を与える】で凄みを出す)
罠や毒、鎖を使って他の猟兵を助けて回る立ち位置
【高速詠唱】で敵の足を縛り上げて転ばせ、瞬間的な光を生んで【目潰し】とかもいいな
【念動力】で毒塗った針でも飛ばしておこう
接近されたら【高速詠唱】で分身
さて、どっちが本物でしょう?
まだ別の顔に変装中
……次カットで顔バレの時有名な役者(現実と同じ)
ってことにしたいんだけど、満月さん大丈夫ですか?
テフラ・カルデラ
カリッサ【f19088】と同行
【設定】
魔法少女風猟兵の弟役
服装は黒を基調、うさぎをイメージした魔法少女風衣装で一人称は「ボク」
【撮影】
コンプレークスに石化されてしまった状態から(アイテム『石化ポーション』を使用して一時的に石化、タイミングの良いところで解除)
彼女たちに(「裸婦像にしたらかわいくなりそうね」や「確か男の子だよね?かわいい裸婦像になるかも?」といったセリフが劇中で追加される)服を破壊されそうなところをカリッサに奪取
武器として扱われつつも無事に石化から解放し、怖がりながらも石化した姉を助けるため参戦
魔法のステッキでぺしぺし叩きつつ(もちろん手加減して)コンプレークスを撃退していく
カリッサ・クルス
テフラ【f03212】と同行
個人的には石化は嫌いじゃないけどね。本当に石化したテフラ達が売ってたら買っちゃうかもね。
テフラ(弟)は石化される直前に私に助けを求める連絡をしていたのだった……。
という訳でテフラを助けるためにBERに突入!しかしテフラは既に石像と化していた!うん、なかなかドラマチックね。
そしてアクションシーンに突入よ。「仕込みワイヤー」でテフラを引き寄せて救出、そのままテフラを武器&盾として振り回して戦うわ!既に石化してるのでこれ以上石化させられないでしょって感じね。
アクション映画って変な物武器にして戦うシーンとかあるわよね。
そして石化解除薬的な物を奪い取りテフラを元にもどすわよ。
●撮影前に
「満月さん、少しいいですか」
『なんぞ?』
メガホンを持ったアジュール満月が志乃の方を向く。ちなみにまだいつもと違う顔だ。
「……次カットで顔バレする時、有名な役者(現実と同じ)ってことにしたいんだけど、満月さん大丈夫ですか?」
つまり、自分の役を『役者』とできないかという相談である。大抵の脚本ならここで役の変更とか無茶である。が――
『大丈夫大丈夫! 何に使うかはわかんないけど、猟兵のみんなに任せるって決めたし!』
――この約束があるうえに、アジュール満月はそういうのも平気で受け入れるようなタイプの監督なのだ。普段からネタネタを出しているような人だ、アドリブにも強いのだろう。
「ありがとうございます。では」
――そういうわけで撮影です。
●カット6
『いたっ!』
コンプレークスにその辺の小石がぶつかる。え? 外じゃないのに小石があるって? ADが急遽外から拾ってきました。
「石化っていいよね? はあ?
今お前らにぶつけた石と同じになることだぞ、石化って。物も言えねえ、自分から歩けもしねえ存在になることがそんなに楽しいかよ」
志乃の顔は未だ目深にかぶっている帽子で見えない。が、怒りが出ているのは事実だろう。
「おし、今決めた。
手前ら絶対に許さねえ」
なんかすごみが出ているけど顔はまだ見えない。
『えー? なんでー?』
『ほら、さっき捕まえたこの子とか、裸婦像にしたらかわいくなりそうじゃん』
『確か男の子だよね? かわいい裸婦像になるかも? いいじゃんいいじゃん!』
「そういうとこだよ手前ら!」
シャウトする志乃の前でテフラ(弟役)の石像が弄ばされていた。
『ほら、ミロのなんとかとかあるじゃん! あれみたいにさ!』
『いいよね、はがそはがそ!』
テフラが石化越しに服を壊されようとしてる! オタクっぽい外見とは思えない怪力だ!(なおこの撮影はロボにアームをつけて何やかんやしました)
男とはいえ、ものによっちゃあーるじうはちかあーるじうごになるぞこれ!?
「させないっ!」
カリッサ・クルス(組織のエージェント(きどり)・f19088)が服の袖から発射したワイヤーがギリギリでテフラの石像をキャッチして引き寄せる!
『あっ、あっ、待って!』
って、強引にやったからコンプレークスの手がまだテフラの石像に引っかかって――バキッ。
『あー!』
テフラの石像の服の一部が壊れてしまった! ついでにコンプレークス(アームつきロボ)たちの数名が一緒に引き寄せられてしまった!
「好都合っ、このまま!」
しかし石像の異変に気づかないカリッサ、石像をぶん回してコンプレークスたちを吹き飛ばしていく! って、そんなにやったら石像壊れるって! ただでさえ一部壊れてんだぞそれ!?
「すでに石化していればこれ以上できないでしょ!?」
『くそっ、この子の知り合い!? なんで!?』
「この子が教えてくれたのよ。最後の最後にね!」
ちょっと回想シーン挟みまーす。
●カット7(回想)
時間は少し遡る。
『ふふふ、いいじゃんこの子……』
『ねー、石像にしちゃえばじっくり味わえるよねー』
コンプレークスは腐っていた! 迷宮の奥の自分たちの領域に迷い込んできたテフラに、じわじわ近づいていくコンプレークス。
「あわ、あわわわ……お、おねえちゃん……」
「大丈夫、僕がお姉ちゃんになってあげるからねー」
見方次第では女の子にも見えるもんねコンプレークス。
「ひ……ひっ!」
テフラに群がるコンプレークスたち。そしてカメラは床付近を映す。落ちたスマホの画面に一つ、SMSの画面を映し――シーンは変わる。
●カット8(回想)
カリッサの電話に突然SMSがあった。そこには、『たすけて せきぞうに されちゃう』とだけ。そして送り主は、かの弟だった。
「……っ!」
そのSMSに、持ってたフランクフルトの棒を一気に抜くとゴミ箱に投げ、走り出すカリッサ。弟のスマホの場所を探るアプリを起動すると、映っていたのはとあるBAR。
「テフラの石像……いいじゃない。私も買いたい。でも他人にされていやがってるのはいただけないわ。急がないと……あのベァー(BER)ね」
食べながら喋っていて最後噛んでしまったが、目的の場所に突入し、何とか合流を企むカリッサ。しかし、時すでに遅し――
――回想終わり。
「え? ちょっと、わたしの石像ほしいってなんですかー!」
気にしないでおこう。そのほうがいい場合もある。
●カット6の続き
『あーもう! 最悪だよ!』
『だからちゃんと手から石化させようって言ったじゃん! 誰だよ足からって言ったの!』
『まず逃げない方が先でしょ!? そもそも誰、心臓とか肺のある胸からって言ったの!』
「どうやら死にたいようね」
やもすれば殺す気だったコンプレークスにカリッサが殺意の波動に目覚めた!
「助けるよ」
ここで志乃も乱入! 素早く敵の足を縛り上げて転ばせ、そこに瞬間的な眩しい光!
『うわっ、まぶしい! チカチカする!』
さらに毒の針も念で飛ばしていく。どこに持っていたとか言わない。暗器の1つくらい誰が持ってても不思議じゃない。NINJAでなくても。
『いたっ! もー! 痺れる!』
麻痺毒にやられたコンプレークスの一部にカリッサの石像がホームラン! 思いっきりぶっ飛ばされて壁の上の方に叩きつけられ情けなく落ちていく!
「これ以上やられたくなければ石化を解除する薬を出しなさい」
『えー、そんなのないよー』
「えっ」
「任せて」
予想外の返答にカリッサがたじろぐ中、志乃が先ほどのように優しい光を石像に放つ。すると――
「カリッサおねーーちゃーーん!!」
中から色々服が破けたテフラが! そしてそのままカリッサに抱き着くテフラ。どんくらい破けてるかというと、テフラの設定資料の右下くらいな感じになってる。謎の光が必要か微妙だぞ! そしてやりすぎだぞカリッサ!
「よしよし、怖かったわね。でも、もうひと踏ん張り、いけるでしょ?」
「うん! おねえちゃんのためにもね!」
テフラは魔法のステッキを構えなおすと。
「てややー! くらえー!」
><な目をしながらコンプレークスをぺしぺし叩く。
『あははー、そんなもんでやられるわけ――』
――バクリ。
一方、志乃もまた別のコンプレークスを相手にしてた。
『そんなのあったらみんな戻っちゃうじゃーん!』
『つまんないよー! 君には石化の良さわかんないの?』
「生憎わかる気はないね」
志乃はコンプレークスが迫るのを察知すると――分身した!? さっき暗器の話したけど、今度は分身とか、あんたマジでNINJA!?
「さて、どっちが本物でしょう?」
『え? うーん、こっちもいいなー、でもあっちも捨てがたい……』
いいか悪いかで判断すんのかよこの腐ったコンプレークス! 志乃、体つきは中性的だからね! 引っかかるんだね!
「残念、時間切れ」
『え?』
コンプレークスが振り返ると――そこにあったのは、首から上がない同志の遺体と――今まさに自分を食べようと迫る――
「ライオンさんだぞー! がおー!!(>ワ<)」
――左手をライオンの頭部にした、テフラだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
荒谷・ひかる
……へんたいさんの群れだー!?
石化が好きってへんたいさんなんだよ!
異常性癖なんだよーっ!?
……と、アイコンみたいな顔で思わず全否定する演技
そしたら「そんな悪い子は石化しちゃうぞ」的に迫られるから
【助けておじいちゃん!】発動しておじいちゃんの霊(身長2.5m超えの巨漢、浅黒い肌で筋骨隆々、喋らない)を呼ぶんだよ
いつもなら鬼神パワー全開なおじいちゃんに戦ってもらうところなんだけど、今回は撮影だから見栄え重視ってことで色々加減してもらうね
召喚直後に拳法の演舞をしてみせたり、戦う時にわたしを肩車したり
ラッシュのパンチやキックをカメラの至近距離で放ってみたり
他にも格闘関係だったら色々できるんだよっ!
栗花落・澪
演技において注意する点は前回までと同様に
技の有用性よりも見映えを重視し
…合間にちょっとフィギュアの詳細について聞きたいところだけど(恥)
思ったよりすんなり来れてよかったよ
探りを入れるようなことは初めてだから
いつバレるかちょっとドキドキしちゃった
石像の良さはわからないでもないし
そういう趣味の人がいる事も否定はしないけどね
ただ…犠牲が絡むとなったら見過ごせないな
石化と創作は全くの別物!
本物の職人なら、自分自身の実力で人々を笑顔にしてみせなよ!
【指定UC】を発動し【ダンスパフォーマンス】の要領で
華麗に舞い攻撃回避及び翻弄しながら
翼での空中戦も活かしつつ足技の【範囲攻撃】で薙ぎ倒すアクション
御園・桜花
「怪我のふりは出来ますけれど、怪我をするようなことは最初から防いでおいた方が良いのかな、と思いましたから」
裏方継続中
UD「シンフォニック・キュア」使用
俳優さん達が怪我をしないよう派手な戦闘シーンでは歌を歌って致命的な怪我が起きない状況を準備しておく
「歌も血糊も後で編集できますし、怪我をした行動はスタァの皆様が演技なさいます。でもアクションシーンなのですもの、本気になりすぎたり不可抗力で怪我をすることはあると思うのです。それをフォローするのも裏方の仕事なのではないでしょうか」
皆の殺陣をうっとり眺めつつ、蜂蜜レモンやおしぼり、温かいお茶等シーンが切れたら出演者にすぐ出せるよう準備
参加者の世話を焼く
●カット9
「思ったよりすんなり来れてよかったよ……探りを入れるようなことは初めてだからいつバレるかちょっとドキドキしちゃった」
澪が冷静に演技する中で、ひかるは。
「……へんたいさんの群れだー!? 石化が好きってへんたいさんなんだよ! 異常性癖なんだよーっ!?」
――演技も何も、完全に素が出てた。すごく対照的。だがこの冷静な澪にひかるは大層な憧れを持っているのだ。男としても女としても(意味深)。おねにーさんとでもいうべき存在なのだ、ひかるにとってつゆりんは。お姉ちゃん的な何かを感じるのかな。閑話休題。
『なにをー! 僕らを全否定する気かー!』
ひかるの叫びにコンプレークスが過剰反応。そりゃね、そんな目を丸くして可愛く言ったところで自分らが異常と言われればコンプレークスもぷっつん☆
「石像の良さはわからないでもないし、そういう趣味の人がいる事も否定はしないけどね。ただ……犠牲が絡むとなったら見過ごせないな。
石化と創作は全くの別物!
本物の職人なら、自分自身の実力で人々を笑顔にしてみせなよ!」
『そんなこと言う子はもう石になっちゃえー!』
澪の力説よりひかるの方に心が行っているのか、ひかるに迫りくるコンプレークス! それを見てつゆりんは嘆息。
「……これもう聞いてないな。せっかくかっこいいこと言ったつもりなんだけど、恥ずかしい……」
顔を赤らめるつゆりんに対し対照的に顔を青ざめるひかる。
「ひっ……助けて、おじいちゃん!」
と、ひかるが目をつぶると、辺りに地響きが起き、地面から250cm越えの筋骨隆々の男が生えてくる。その肩に逃げ込むひかる。何か耳打ちして、頷く。コンプレークスを無双するのか!?
――なんかボディービルみたいなポーズし始めた。
「え?」
これにはひかるも仰天。
「わたし、ただ『加減して、見栄え重視でお願い』としか言ってないけど……」
またしても目を丸くするひかる。
『おー! いいじゃん、そのポーズ石化させたらいいものができるね!』
そういえば腐ってたよこのコンプレークス! ほいほい迫ってくるコンプレークスたち。――だがこれが最初から罠だった。
狙っていたかのように近づくコンプレークスに殴る蹴るのラッシュを素早く浴びせる巨漢。普段鬼神パワー全開な彼が手加減したとはいえラッシュなんて浴びせたらどうなるか……
『ぶべらヴぁめたじゃえあ!?』
ボコボコにされるコンプレークス。蹴り飛ばされたものなんかは壁に激突する。おいこれロボなんだけど壊れてない? 大丈夫? そこはいい感じの吹き飛ばし距離とか勢いとか何やかんやでギリセーフだから大丈夫。
「あれに任せれば大丈夫かな、だけど一応」
澪は軽く地面を蹴飛ばして空に浮かぶと、まだフリーなコンプレークスに向かい急接近し、ダンスのように華麗に連撃をしていく。
『お、可愛い子発見! 石にしよう石に!』
そりゃこんな可愛い子見かけたら石にしたくなるよねコンプレークス。
「悪いけどそのつもりはないんだ」
石化攻撃を軽く踊るようにかわしつつ後ろに回って思いっきりひじ打ち。ノックバックさせて他のコンプレークスのところに集めた時を見計らい、翼で勢いよく飛行して、宙を一回転――
『み、みえ――』
「!?」
『――ちゃう! 僕らの絶対不可侵領域が!』
「そっちかよ!」
危なく右脇腹の『見せたくないもの』か、例の『見えてはいけないもの』が見えたかと思ったら、コンプレークスたちの方だった! そうだこいつらスカートはいてるもんね! しかも――いやこれ以上はこの報告書が消される。
一回転した澪の足はすさまじい魔力を帯びて(恥ずかしさがMAXになるとつゆりんは魔力を暴走させてしまうのだ!)思いっきりコンプレークスたちをまとめて蹴り飛ばす。その先には――
「わーっ、澪さんこっちに飛ばさないでー!?」
ひかると巨漢の男がいた! 巨漢の男、何か今度はダブルバイセップスしてるし! いいのかそれで!
と思ったら、飛んでくるコンプレークスたちをシューティングゲームかのように殴り落としていく。多少オーバーキル気味な感じあるがまあ、大丈夫でしょう(ロボの耐久度的に)。
そしてそれらがすべて地に叩きつけられた時にはもはやコンプレークスたちはいなくなっていた。全員倒しきっていた。巨漢の男はサイドチェストをきめていた。
●休憩5
「カット! OK!」
アジュール満月の声が響く。ADたちが素早くめっちゃやられたロボを回収しに行った。特にひかるがやったロボは慎重に。
「そういえばなんかずっと癒しの力みたいなのが効いていた気がするけど気のせいかな?」
「あ、それ私も気になってたんだよ」
澪が先ほどの撮影で違和感を感じたことをつぶやき、ひかるも同じものを感じたという。
「なんか、ずーっとおじいちゃんが傷を負ってないみたいで……」
「あ、それ私です」
蜂蜜レモンやおしぼり、温かいお茶等といったものを出しつつ桜花がネタバラシ。
「怪我のふりは出来ますけれど、怪我をするようなことは最初から防いでおいた方が良いのかな、と思いましたから……シンフォニック・キュアをかけておきました」
「おかげで歌をかき消すためにBGMとかの調整これから苦労するんだけどね」
「あ、お疲れ様です」
アジュール満月が頭を掻きながら話に入ってくる。予想外の歌が入って音響的にも映画に影響が出ないようにこれから編集する必要が出たのだ。猟兵に任せる、と言っていたがそれはあくまで脚本とかの話。裏方が変に入ってくるのは好ましくない。
「……いやそれとも、ここで挿入歌的に殺陣のシーンとするか? 挿入歌流れながら集団戦ってのもアリだよな……それなら無駄やノイズにはならないし……」
桜花が目を輝かせている!
「……そうしよう」
桜花が笑顔を見せた。守りたい、この笑顔。
「でもなんでそんなことしてたの?」
「歌も血糊も後で編集できますし、怪我をした行動はスタァの皆様が演技なさいます。でもアクションシーンなのですもの、本気になりすぎたり不可抗力で怪我をすることはあると思うのです。それをフォローするのも裏方の仕事なのではないでしょうか」
「あー、僕がすっころんだりひかるちゃんたちがおじいちゃんに潰されたりでけがする可能性はあったからね」
澪がなるほど、と頷く。
「ところで少し聞きたいことがあるんだけど」
「「「何?」」」
「なんかその……出ているっていう僕のフィギュアについて、詳しく聞きたいんだけど……」
つゆりんが恥ずかしがりながら3人にフィギュアの詳細について聞いてきた。
「あ、それ僕聞いたことあるよ。なんでも可愛い男の娘っていうのに結構苦労したみたいで、シークレットを作ってた原型師が後に男の娘に目覚めたとか聞いたことがある……」
「えぇ……」
「あれ作ってたところ、結構色んな意味でヤバかったみたいだよ……じゃあ……」
そう言い残して編集とかの方に去っていくアジュール満月。それを見ながらつゆりんはなんとも言えない顔をしていた。そこにひかるが肩ポン。
「……さすが澪ちゃん! やっぱりあこがれちゃう!」
「さすがですわね!」
「恥ずかしいんだって! あとそこに憧れなくていいから!」
さらに顔を赤らめる澪だった。
ところでこのスタジオ、結構ファンの人が来てたんだが、『やはり筋肉こそ最強なのか』と洗脳されたようにスタジオからぞろぞろと出ていったらしい。その直前になんか角を生やしたひかるとは違う羅刹の目撃があったらしいがあくまで噂である。羅刹なんてこのヒーローズアースに神隠しとかでそれなりには数いるだろうし。ファンの1人にたまたま混ざってただけだろう、きっと。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第3章 ボス戦
『悪堕ち魔法少女・ユカリ』
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POW : 出てきて!私の秘密兵器!
いま戦っている対象に有効な【相手の自由を奪うマジックアイテム】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
SPD : これが私の研究成果ですよ!
【体を痺れさせる「痺れ薬」】【あらゆる物を凍らせる「凍結薬」】【意識を奪う「麻酔薬」】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ : 私のコレクションにしてあげますね!
【魔法のステッキ】から【生物を石に変える魔法の光】を放ち、【石化】により対象の動きを一時的に封じる。
👑7
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●佳境です
『ハヌジー・アークさん入りまーす!』
スタジオに響く声。コツコツと靴音を鳴らし――魔法少女の姿で入ってきた女優。彼女がハヌジー・アーク。今回ボスを演じる女優だ。うわきつい、みたいな感じじゃなく魔法少女の衣装がガチでにあっている。大人なのだが、結構背が低い方なので似合ってしまうのだ。
『よろしくお願いいたしますね』
落ち着いたような声であいさつするアーク。
『あまりにも痛いのはなしでお願いします。私も職業なので』
どこか野心もありそうな顔だが、演技の腕は確かそうだ。
『よし、本番行くぞー!』
アジュール満月の声が飛ぶ。さあ、いよいよボス戦シーンだ。
●カット10
『ちょっと、何よこの騒ぎ!』
コンプレークスたちを撃退した猟兵たち。すると奥の壁にあった隠し扉から魔法少女が現れた。
『そもそもどうしてここがばれたの!? これからもっと人を石化させて、ついでにそれをお手本にしてもらって世の中から似もしない石像を排除しようというのに!』
結構ビジョンとかある計画だったよ彼女の計画。だけどそこに一般人が石化するという犠牲があれば――方法が間違っている、として倒すべきなのは、残念ながら仕方ないことなのだろう。
『まあでも、あいつらを排除してくれたことは一応感謝してるわ。あいつらとは波長合わなかったし』
あいつらとはコンプレークスたちだろう。音楽性の違いみたいなサムシングか。
『だから感謝をこめて私自ら、このユカリ自らが相手してあげるわ!』
ステッキを構えるユカリ。計画を純粋な形で実行されないためにも、ここで倒すしかない……!
栗花落・澪
ここまで無茶なことしなければ
まだ許してあげられる可能性もあったかもしれないんだけどねー
まっ、自業自得ってことで!
というわけで魔法バトルといきましょうか
魔法少女とは言わない。意地でも言わない
【ダンス】の要領で敵の魔法を回避しつつ【指定UC】
プリンセスモードに変身
説明しよう
平和を願う気持ちが高まった時、澪は内に宿る聖者の輝きによって
正義の使者マジカル☆つゆりんに変身するのだ(天の声)
宙を自在に飛び回りながら
花弁の刃(に見えるように風魔法で操作したただの花吹雪)を放つ【空中戦】
モニター越しに色鮮やかな世界を魅せるように
生物じゃなきゃ石化できないんでしょ?
ど、ドレスなのは気にしちゃいけないの!(恥)
荒谷・ひかる
【荒谷姉妹】
わ、かわいいっ!
わたしたちの方こそ、よろしくお願いしますねっ!
悪堕ち設定ってことは、以前は正義の魔法少女として活躍してたと想定
なので同じ「魔法少女」として先輩の暴挙を止めるべく立ち向かう……という設定で
「ユカリさん……って、あの魔法少女ユカリさん!? どうして!?」
「やめてくださいっ! 魔法の力を、これ以上悪事に使わないでっ!」
(突然現れた姉に素で)
「お姉ちゃん!? なんでここに居るの!?」
【転身・精霊寵姫】発動
巫女服ベースの魔法少女姿に変身
魔導障壁を展開して石化ビームを防ぎつつ空中戦を展開
精霊魔法は最小出力かつ見栄え重視で派手に
ただしレーザー(※単なる光の照射)以外は直撃を避ける
荒谷・つかさ
【荒谷姉妹】
……さて。
今まではこっそりスタッフとしてお仕事してたけど、最終局面だしね。
盛り上げるために、私も出演させてもらおうかしら。
まあ、フォーティナイナーズ入りしてないから知名度も然程でしょうけれど……
『頑丈な敵役』には丁度いいでしょ。
(※なおひかるに対してのみサプライズ出演)
「行方不明だったひかるの姉」として出演
ユカリの魔法によって動く石像の怪人と化し、正気を失って猟兵達に襲い掛かるという設定
【超★筋肉黙示録】を発動し身体強化
役柄上も実務上も、ユカリ(アークさん)の盾役として動く
(一般人にはちょっと痛そうなのが飛んできた時に庇う等)
ある程度フルボッコされたらいい感じに倒れる
●撮影前に実は……
「……さて。
今まではこっそりスタッフとしてお仕事してたけど、最終局面だしね。盛り上げるために、私も出演させてもらおうかしら」
……え? ミスリードとか狙うように書いてたら本当に来ちゃった荒谷・つかさ(『風剣』と『炎拳』の羅刹巫女・f02032)お姉ちゃん!?
「ミスリードも何も、本当にやったことだしね。まあ、フォーティナイナーズ入りしてないから知名度も然程でしょうけれど……逆にスタッフとか見守り役としてはちょうどいい感じよ」
た、確かに。目立たないからこその裏方ではある。だが出演できる場所あるか……?
「実はスタッフ権限使ってひかるにだけ別の台本渡してるの。私の役だけ口調とか中の人とか色々違うものをね。ドッキリよ」
なるほど。で、その役とは?
「――私の在り方や知名度からして、『頑丈な敵役』には丁度いいでしょ」
●カット11
「ユカリさん……って、あの魔法少女ユカリさん!? どうして!?」
『言ったでしょう……石像が似てないのが許せなかったのよ!』
ひかるがユカリに問いかけるも返答は同じで。
「ここまで無茶なことしなければまだ許してあげられる可能性もあったかもしれないんだけどねー……」
ビジョンのある計画だったことは否めない。しかしそれでも無茶なことである。犠牲が出ている以上は。
「やめてくださいっ! 魔法の力を、これ以上悪事に使わないでっ!」
『悪事!? これが悪事だというの……!? 私はただ芸術の行く先を憂いてるというのに!?』
「だから、やり方が違うんだって。確かに似ていないかもしれない……気持ちはわからなくもない……でも、人を犠牲にしてやろうというのは間違っている!」
怒りと共に飛んできた石化魔法の光線を華麗なステップで避けると澪のもとに強い光が集まる……! 光の中で澪の服が一瞬で消え、髪どめが消えてロングストレートの赤髪が垂れさがったかと思えば、オレンジと白を基調としたドレスに身を包まれ、重力に逆らうようにたちのぼる赤髪が根元からブロンズになり、オレンジ色の髪留めができて普段と同じツインテールに。その姿はまさしく魔法少女マジカル☆つゆりん……!
『説明しよう! 栗花落澪の平和を願う気持ちが高まった時、澪は内に宿る聖者の輝きによって、正義の使者マジカル☆つゆりんに変身するのだ!』
なんか変な天の声が入ったぞ!?
「わ、私も……! エレメンタル・ポゼッション!」
ひかるも慌てて変身。先ほどのような大人の姿ではなく、今度は巫女服をメインにした魔法少女姿だ。え? ちゃんと変身バンク書けって? 正直アニメとかって2回目以降はショート版になるからそれでごまかそうと思ったけど……まあいいや。さっきとはコードも姿も違うし。
ひかるも光に包まれると服がほどけるように消え、代わりに下に袴が生まれる。そしてそこから彼女の華奢な上半身を覆うように上の巫女服が生えて肩から着せられ、周りには数多の精霊が飛ぶ。それらに向かいひかるがほほ笑むと、精霊たちがきれいな大きなリボンとなって腹の部分に結ばれた。
「魔法少女まじかるひかりん!」
「……」
「澪ちゃん!?」
「……言わないから。意地でも言わないから。恥ずかしいし」
顔が真っ赤だぞつゆりん。そんなドレス姿で変身までして魔法少女じゃないのか?
「ど、ドレスなのは気にしちゃいけないの!」
恥ずかしそうなつゆりん。ごめん、からかってしまった。ところでこの2人の魔法少女、絵が映えそうだし挿絵にできそうだね! 公開されてフィルムが配布されたらそこだけプレミアつきそう!
『くっ、変身シーン中に石化光線でもやってやろうかと思ったけど変身シーン中の攻撃はご法度……! ぐぬぬ……』
ユカリがぐぬぬ、という顔をしている。そういやこいつ変身するのか……? 謎は深い。
『なら、行きなさい! 私のガーディアン!』
叫ぶと奥から石像が1つ現れる。女性っぽい見た目だ。動く石像の怪人である。
「わわっ、石像の怪人!?」
「くっ、そんなのも使えるのか……!」
魔法少女2人が思わず後ずさり。そこに石化光線が飛んできたのを見るや否や左右に分かれて空へ。
「ひかるはあの怪人をお願い!」
「うん、わかった!」
澪に頷くひかる。これが後でちょっとした事件を呼ぶのだ……
ユカリ本人に迫る澪。
『黙って石像になりなさい!』
「生憎、そんなつもりはないよ」
飛んでくる石化光線を避けると花弁の刃(に見えるように風魔法で操作したただの花吹雪)を放つ。
「生物じゃなきゃ石化できないでしょ?」
『くっ……』
色鮮やかな風景が広がる中、ユカリは歯ぎしり。石化は概念的には何でも石化できる、のだが、彼女のコードは偶然にも【生物しか】石化できないのだった。澪、もしかしてフォーティナイナーズになる中で本物の彼女を見たのだろうか。
一見、状況はつゆりん圧倒的有利。一気に仕留めようと杖を構えた、その時。
「い、いやあああああ!!!」
大きな声が響いた。澪がそっちを見れば――
――ひかるが、倒れた石像を前に、泣いていた。
――時間は少し前に遡る。
「よし、あの怪人の動きを止めないと!」
ひかるは石像の怪人の方に飛んでいた。向かってくる石化光線を障壁で弾きつつ、見栄え重視で精霊魔法を放っていた。
『グオオオオオ!!』
石像の怪人は正気を失っているかのように暴れ、他の石像やユカリの盾をしていた。割とひかるの痛そうな精霊魔法とかレーザーとか代わりに受けてる。カバーリングだ。ひかるが見栄え重視でやってる分周りに被害が出そうなものだが、それをすべて引き受けているのだ。中の人結構こなれたムーヴである。
「かなり手ごわいね……! だけど――これで終わらせる!」
ひかるが精霊たちの力を目の前に集中させる……!
「全力全開、精霊さんたち、いっけー!」
ひかるの全力(見栄え重視の手加減)の精霊魔法が石像の怪人を貫く……! 脇腹を、肩を、足を思いっきり貫かれた石像の怪人はその場に倒れ、崩れ落ちた。割とヤバめの魔法だが、後でひかるに聞いたところ「ぷろっぷとかろぼだと思っちゃってちょっと高めでもいいかなって思っちゃった」とのこと。
「やった……! よね! これで、この人もユカリさんから解放――」
――と、石像の怪人に歩み寄ったひかる。だがその瞳が見たのは。
――「ずっと探していた姉」が、目の前で石像となり倒れている姿だった。
「……お姉ちゃん!? なんでここに居るの!? い、いや、それより!」
ひかるは慌てる。そうだ、姉にとどめを刺したのは、他でもない、自分――
「お、お姉ちゃん! 目を覚まして! 私だよ! ひかるだよ! おねえ、お姉ちゃん――!」
しかし目を覚ますことはなく、残酷なことに返答もなく。
「い、いやあああああ!!!」
――叫んでしまった。そりゃあ声出ちゃうよね。
さて、その声を聞いたつゆりんはというと。
「ひかる!? どうしたの
……!?」
この声に思わず気がそっちを向いてしまう。それをユカリは見逃さない!
『隙あり! いい仕事をしてくれたようね!』
「しまっ――」
花びらを潜り抜けユカリの石化光線がつゆりんに迫る。油断していたつゆりんはそれを受けてしまい、羽根が石化して墜落させられてしまう。
『さあ、私のコレクションになりなさい……』
「……!」
つゆりんが最後に見たのは自分を見下ろすユカリの、魔法の光だった――
ところでひかるはこの後つかさとスタッフにすごい謝ったとか。まさかプロップやロボかと思えば中に人、それも姉のつかさがいたとは思わなんだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
カリッサ・クルス
テフラ【f03212】と同行
テフラと連携して一進一退の攻防を演じるわ!魔法の光とかはデジタル合成とかでなんとかなるでしょ。
しかし姉を人質にされたテフラ(弟)は石化されてしまう……テフラ(姉)が石化されたのはこの展開の前振りだったという訳ね!
なんて卑怯な事を、その報いは受けてもらうわ!魔力薬投与で得た石化の魔力でユカリを石化させるわ!石化なら怪我する訳じゃ無いしアークさんも大丈夫でしょ。因果応報的展開は観客受けするわ。
そしてエピローグでは被害者の石像達を眺めてなんとかしてあげないとね……と考えていると何者かに襲われ私も石像にされどこかに運ばれてしまう……事件は終わって無かった事を匂わせる演出よ!
テフラ・カルデラ
カリッサ【f19088】と同行
【撮影前】
以前本物のユカリと戦ったことありますが…女優さんすごいですね…まるで本人みたいです…
【撮影】
親玉の登場に「お姉ちゃんを返せ!」と叫ぶ、ユカリは彼が弟だという事に気づき、石化した姉(テフラ監修による妙にリアルな瓜二つの石像)を目の前に置き弟が石化すれば他の人は助けるという怪しい条件を突きつける
さらに「石化すればお姉さんとずっと一緒だよ?」という誘惑に負けて姉(の石像)に縋りつくように石化されていく(実際にはアイテム『石化ポーション』で石化)
もちろん助けるというのは嘘だということを明かすユカリ、だが姉との再会に聞く耳を持たずそのまま抱き合う形で石化してしまう
●カット12
「お姉ちゃんを返せ!」
テフラ(弟)の声が響き渡る。その声にユカリがニンマリと笑みを浮かべる。
『へぇー。もしかして、あの子、あなたのお姉さん? いい感じのモデルだったからどんどん使おうかと思ったんだけど』
ユカリは一つ石像を召喚する。紛れもない、テフラ(姉)の石像だ。プロップ的にはテフラ監修による妙にリアルな瓜二つの石像、って感じだが、まあそれはさておき。テフラとカリッサはユカリに2人の魔法少女(片方が男とか気にしてはいけない)に代わって攻めかかってた。後ろからテフラが電流を走らせればカリッサが近接攻撃を仕掛ける。ユカリも最初は苦戦していた。――が。
『よし、わかった。取引しましょ? もし弟君が石像になってくれるなら、他の人は助けるわよ。――どう?』
「ふざけないで! テフラ、耳を貸す必要は――」
『石像になれば、お姉さんとずっと一緒よ?』
「――」
コードの使用を止め、うなだれるテフラ。
「……テフラ?」
「お姉ちゃん……ずっと、一緒……」
「ダメ! そっちへ行っちゃ!」
カリッサが慌ててテフラを掴もうとするが、ユカリが邪魔する――前に、テフラが払いのけた。
「どうして……!」
「お姉ちゃんと一緒なら……なんも怖くない。無限の牢獄だって……」
「騙されてるのよテフラ!? 戻って!」
必死に説得するもテフラは一直線に姉のもとへ。
『ほら……お姉さんよ?』
「お姉ちゃん……」
涙を流しながら姉の石像を抱きしめるテフラ。そして光が輝くと、テフラは石化されていく……
「テフラ(姉)が石化されたのはこの展開の前振りだったという訳ね……! さっさと他の人を解放しなさい! 取引は成立したはずよ!」
『そんなつもりはなからないわよ。誰も助けるつもりはないわ』
「っ……! やはり……!」
「お姉ちゃん……」
絶望するかと思ったらお姉ちゃんと一緒になれて聞く耳持ってないよテフラ。
「姉弟っていいわね、こんなにうまくはまってくれるんだから。またいいモデルに言い石像が増えたわ……」
「……! なんて卑怯な事を……! あなた、それでも魔法少女!?」
『え、そこ関係ある?』
卑怯なことする魔法少女はわんさかいるしね。
「と、とにかく、この報いは受けてもらうわ!」
カリッサは注射器を取りだすと躊躇なく自分の右腕に注射する。やがて右手からユカリやコンプレークスのそれと似たような魔力が出てきた。つまり――
『そんな注射したところで今更――』
「誰も助けないということは、つまりあなたは今、自分も助けないと言ったのよ」
『……? それがどうか――まさか!?』
カリッサの右手から、ユカリのそれに似た魔力がほとばしる――!
「そのまさかよ」
『……っ!』
ユカリに浴びせたのは魔力薬投与で得た石化の魔力。なるほどこれなら女優も怪我しない。因果応報も見事に決まる。
自分の体が重くなるのを感じ、杖が軽快な音を立てて床に転がる。違和感に両手を上から覗くように見れば、己が石化した両腕を見て顔が青ざめるユカリ。
『……わ、私は――』
「あなたも、【モデル】の1つになれるのよ。感謝もできるはずだけど」
『っ、こんな、こんなことじゃ――っ!』
――カリッサは容赦がない。敵意、殺意をもって石化してる。
――ユカリの石化は、四肢から進んでいた。動かなくなった足に見下ろせば固まった両腕。絶望に満ちた顔が徐々に苦痛に歪んでいく。首元の石化で気道が詰まってきたのだ。やがて白目をむきそうな顔になった途端、その体は完全に石像となった。……え、中の人? ま、まあ、首絞められたくらいの苦痛程度ですむでしょ、多分。
「……終わった……けど」
カリッサは周囲を見渡し、ため息をついた。
「……生存者はほぼいない、か……せめて被害者の石像達をなんとかしてあげないとね……」
カリッサがそう考え、ユカリのいた隠し部屋に入ると、そこには大量の石像が。
――が、それを眺めていた途端!
『お前は知りすぎた』
カリッサが油断していたところに何者かが襲いかかる――! と言うところで画面はブラックアウト!
●カット13
――事件は終わった。
BARからは逮捕者が続出し、閉店に追い込まれた。
しかし、あれだけあった大量の石像は、いつのまにか消えていたという。不思議なことに――だ。
一方、ヒーローズアースのどこかでは。
『侮っていたな……』
顔まで隠れた誰かが大量の石像をどこかに運んでいた。カメラがそのうちの1つを映し出す。それは――紛れもなく、カリッサ本人だった……
そう、この事件はまだ、終わってなかったのかもしれない……
●クランクアップ……なのだが
『カット! これもはやカルトエンドじゃないかぁ!』
アジュール満月はカットの声と同時にメガホンを地面に叩きつけて頭を抱えた。楽屋へハケようとしていたハヌジー・アークもビクッと体を震わせる。
『これどうなるんだ……!? 読めない、完全に読めないぞ……』
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
御園・桜花
「それでは、見つからないようにあそこを貼り直してくださいね」
「しぃ、ですよ、しぃー」人差し指を口に当てジェスチャー
裏方担当
UD「ノームの召喚」使用
カメラが外れた瞬間に見つからないよう想定外の破損箇所をノームに修理してもらう
本人はオペラグラス片手に修理箇所を小声で指示
それが済んだら参加者全員に渡す小振りの花束や飲み物他準備
「大々的な打ち上げは日を改めるにしても、終わった瞬間の喜びの区切りは必要だと思うのです。それが明日や、次回作へ繋がる想いになる気がしませんか?」
ノームと一緒にパーラーメイドらしく短くも華やかな打ち上げの盛り上がりに努める
「それでは、見つからないようにあそこを貼り直してくださいね。しぃ、ですよ、しぃー」
桜花がオペラグラス片手にクランクアップした現場でノームに小声で指示を出していた。大道具とかの中には今後も使うかもしれないものも入っているので、修繕しておくようにしているのだ。実際のところ最後のブラックアウトしたあたりからもう動き始めていた。が、カメラが外れた瞬間を探していくというのはノームたちが大勢ということもありなかなか難しく。クランクアップした今が一番やり時なのだ。とはいえ見つからないように、と言っているのはやはり裏方として、パーラーメイドとして頑張ってる姿をあまり見せたくないからだろうか。白鳥が足をバタつかせる姿を他人に見せないように。
「ふう……結構皆さん派手に壊しましたからね」
わりかし派手にやられたカットがいくつかあった分、小道具大道具ロボの破損も多い。ノームも大忙しだ。リストを見て最後の項目に丸をつけると、桜花は一旦現場から離れた。何をするつもりだ?
『く、クランクアップです……ありがとうございました……』
アジュール満月はげっそりしていた。まさかこんな結末になるとは思わなかったようで。なんだかんだ事件は無事解決、というのを想定していたようで。猟兵たちに感謝をするその顔はどこか不安そう。
「クランクアップ、お疲れさまでした」
と、そこに大量の花束を持った桜花が!
「クランクアップには花束を渡すと聞きまして。私からささやかなものですが」
と、猟兵たちや裏方の人に花束を渡していく。中には困惑する人もいたがまあそれはそれ。
「ケータリングも用意しましたので、お帰りになる前にぜひ」
桜花がスタジオ外のケータリングを指す。なんか飲み物や軽食がズラリだ! だが……
『え、これ打ち上げ……やるの……?』
「大々的な打ち上げは日を改めるにしても、終わった瞬間の喜びの区切りは必要だと思うのです。それが明日や、次回作へ繋がる想いになる気がしませんか?」
桜花が微笑みながら話す。気づけばノームたちも一緒に声を上げてる。
『あ、ああ、うん、まあ、そう、だ、ね……』
乾いた笑いが監督から出た。だがそれにつられてか、他の人たちも笑みを浮かべる。それが、パーラーメイドとして、そして今日一日裏方で頑張っていた桜花(と、つかさ)には至高の瞬間だった。無事なクランクアップにこのアフターサービス、現場はみんな笑顔だった。
『――これどう編集しよう』
一部の裏方を除いて。
●さて、公開です
さてさて、映画ができたら公開しないとね! もっともカルトなエンドだからか、編集に時間がかかって少々公開まで長引いたようだが。さて、人気のほどはどれほどか――
『これは……』
『おお……! やはり……!』
――興行成績――初動、3億3905.3万。凄まじい初動である。
『やはりこのプロジェクトは数字が取れますな!』
『よし、次の準備を……』
――猟兵たちの映画出演依頼は、まだしばらくはやむことを知らなそうである。
大成功
🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2019年12月22日
宿敵
『悪堕ち魔法少女・ユカリ』
を撃破!
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