『同族殺し』闇より闇を喰らう獣
●ダークセイヴァー・往生集め『エルシーク』の領主館
――ウワオォーーン!
『ナンダ、アイツは、ナンダアイツハ……?ワタシは、アンナモノ、知ラヌゾ?』
ダークセイヴァーのオブリビオン領主、往生集め『エルシーク』は自らの欲望のままに広げたくった自室で、遠くから響く遠吠えに怯える。
『何故ココが……?何処から……?何ヲ目的ダ……?』
ブツブツと呟きながら薄汚れた絨毯を潰すように右往左往とその場を歩いて思考に拭ける。
彼以外の生者はこの領主館にはいないようだ。
『否。オブリビオンと言エド所詮ハ獣。ナラバ、蟲を放ツとシヨウ』
傍と気付いたエルシークは自らの集めた遺物や死体を蹴散らしながら、目的の物を見つけると、その封を切る。
『行ケ……蟲共。アノ、「同族殺し」ヲ喰ラウのダ。貴様ラであれば、絶望を喰ラワレル事もナイ』
放たれた蟲は、エルシークの命令を聞き、来る獣に食らいつこうと羽音を木霊させるのだった。
●グリモアベース
「皆さん、ワンコを手懐けてオブリビオンを倒しちゃいましょう!」
そうなかなり残念そうな事を言って君達を迎えたのはシェーン・キララ("伝説の勇者の剣"のヤドリガミ・f18023)だった。
説明しよう!
「実は不思議な行動を起こすオブリビオンが予知されました」
その存在は『同族殺し』。
なんと、オブリビオンを狩るオブリビオンが予知されたのだ。
「何故、この『同族殺し』オブリビオンが他のオブリビオンを狙うのかは分かりません……ただ、これはチャンスです」
オブリビオン同士の戦いを利用して、強大な『オブリビオン領主』を討ち取る最大の好機だ。
狙われているのは、往生集め『エルシーク』。
オブリビオンの犠牲となった者の遺体、遺品を蒐集するオブリビオンで、普段は領主館に引きこもっているが、欲しいものが出来た際はダークセイヴァーの街や村ごと殲滅しながら目的の物を手に入れるマッドサイエンティストだ。
「もしかしたら、エルシークに収集された何かが、関係あるのかもしれません」
その恨みや憎悪、収集した英雄たちの死体や武器がエルシークを強大化させている。
並みの猟兵でも正面から戦うだけでは倒せないだろう。何よりも、エルシークは自分が不利になったら逃げるのだ。
「しかし『同族殺し』はそんなエルシークを執拗に追い続ける事が出来る存在のようなのです」
件の『同族殺し』。
それは一匹の獣である。
名をウィステリア・デスパレート。
闇に紛れ、恐怖を煽り、そして絶望と共に獲物を喰らう狩人である。
この獣は逃げるエルシークを執拗に追いかけ続け、そして領主館まで追い詰めたようだ。
「エルシークも観念したのか、領主館で迎え撃つつもりのようです」
『同族殺し』もまたエルシークに負けず劣らず非常に強大なオブリビオンだ。
だが、狂った理性と獣の思考力ではエルシークの張った罠の前に倒れる事になる。
「なので、『同族殺し』の道を阻む障害を取り除きながら、悪しき領主エルシークの元まで導き、そのまま獣の力を利用してエルシークを打ち倒してください」
元々、ウィステリア・デスパレートは闇に紛れての奇襲や待ち伏せを得意としており、攻城戦は苦手分野だ。
さらにエルシークが放った刺客は絶望という感情もない虫。やはり『同族殺しの獣』ウィステリア・デスパレートの苦手とする相手である。倒せない事はないだろうが、それ相応に手傷を負うのは必須だろう。
そのためまずは『同族殺しの獣』を守りながら進み、そして『領主エルシーク』を倒したあと、最後に戦闘で消耗した『同族殺し』を倒すのだ。
「気を付けて頂きたいのは、『領主エルシーク』も『同族殺しの獣』もどちらも通常では倒す事は出来ない程の強力なオブリビオンであるという事です」
あくまでも『同族殺し』が『領主エルシーク』を打ち倒そうとするのを利用し、便乗するのが今回の作戦である。もし領主エルシークを倒す前に『同族殺し』の邪魔をすれば、猟兵だけではそもそも領主の元まで辿り着く事すら難しいだろう。
また『領主エルシーク』を倒す前に『同族殺しの獣』が倒れれば、エルシークは逃げ出してしまう。魔術込みでの逃走を猟兵で追跡するのは困難だ。
「それと、『同族殺し』は決して皆さんの味方ではありません」
狂った『同族殺し』は猟兵の言葉を聞く事もなければ、通り道にいるだけで攻撃対象にされる。
出来る限り『同族殺し』の消耗を抑えながらも、『同族殺し』の邪魔をしないようにするしかないだろう。
「まさに漁夫の利を狙う作戦になります。この作戦を成功させれば一気に2体もの通常では倒せない強力なオブリビオンを討ち取れますので、是非是非、頑張ってくださいねっ!」
そうしてヤドリガミの少女は猟兵を送り出すのだった。
ナイン高橋
ナイン高橋です。
今回の作戦は、オブリビオンを殺すオブリビオン『同族殺し』(依頼のトップに映ってる獣です)。
この獣を利用して、通常では倒せない程に強力なオブリビオンである『領主エルシーク』を討ち取ってしまおうという依頼です。
なお、『同族殺し』は元々獣の知性しか持ち合わせていませんが、さらに理性は狂っており、決して元に戻ったりはしないでしょう。
・第一章は領主エルシークの放った蟲が相手です。
蟲は恐怖や絶望を感じないため、『同族殺しの獣』の得意戦術が効きません。
どうにか獣がダメージを負わないようにする工夫や、獣にあまりダメージがいかないようにしながらも素早く殲滅する工夫があると、ボーナスを得やすいでしょう。
それではご参加をおまちしております。
第1章 集団戦
『暴食飛蝗の群れ』
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POW : 選択進化
戦闘中に食べた【肉】の量と質に応じて【各個体が肉を喰らう為の身体へと進化して】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD : 飢餓
戦闘中に食べた【動植物】の量と質に応じて【少なければ少ない程に攻撃性を増して凶暴化】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ : 大繁殖
戦闘中に食べた【動物の肉や植物】の量と質に応じて【群れの個体数が飛躍的に増殖して】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
👑11
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●領主エルシークの館
――ウワオォーーン!
領主館の扉を体当たりしてぶち破ったのは『同族殺しの獣』ウィステリア・デスパレート。
その姿は闇に紛れ、恐怖を煽り、絶望へと誘う狼。
その力は猟兵すらも凌駕する。
だが、この狂えし獣が狙う獲物はただひとつ。
獣を"遣い"、『領主エルシーク』を討つのだ。イェーガー。
まずは館より出現しエルシークの配下『暴食飛蝗の群れ』 を倒し、『同族殺しの獣』を領主館の主の部屋まで送り届ける事が先決だろう。
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『ウィステリア・デスパレート』は以下の3つのユーベルコードを使用すると言われています。参考にして下さい。
ただし同族殺しの獣が猟兵の思惑通りに動くかは保証されません。
●絶望の藤
【絶望への喰らいつき】が命中した対象を切断する。
●慄け、震えろ、怯えろ
戦闘中に食べた【恐怖】の量と質に応じて【より獲物を絶望させるために】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
●死に至る病
【獲物を追いつめる姿無き気配】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
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ウィーリィ・チゥシャン
ウィステリア、だっけか。
あいつにはあいつなりの事情があるんだろうけど、それでも危険な存在だってのには変わりないんだよな。
ともあれ、今はウィステリアの道を拓く事に専念しよう。
あれこれ考えるのは後回しだ。
ウィステリアの周囲の蟲達「だけ」をターゲットに指定し【飢龍炎牙】で蹴散らして奴が進む道を拓く。
で、蟲がこっちに向かってきたら炎の【属性攻撃】を付与した大包丁の【二回攻撃】で蹴散らし、残りを【飢龍炎牙】で焼き払う。
尚、うっかり近づいて俺まで襲われたらたまらないのでウィステリアには近寄らないようにする。
せめて話が通じれば話が早いんだけどな。
ハロ・シエラ
オブリビオンと協力して戦う事になるとは思っても見ませんでした。
ですが結局は倒してしまわなければならない相手。
少しの間、露払いと行きましょうか。
さて、敵は小さな虫の群れ。
ここは館の中なので食べる物も少ないでしょうが、それが逆に敵を凶暴にする様です。
ここは私自身を餌に見立てて【おびき寄せ】同族殺しから遠ざけましょう。
こちらはこちらで敵の動きを【見切り】つつ攻撃を回避し、被害を抑えたい所です。
少しくらい食べられても【激痛耐性】で我慢します。
そうして狭い所に誘い込んで敵を集めたら、一斉に襲い掛かってくるのに合わせて【カウンター】でユーベルコードを使用し、焼き払ってしまいましょう。
●
「ウィステリア、だっけか」
ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)は今回の依頼で利用する事になった『同族殺しの獣』について思案しつつ領主館へと侵入する。
既に入口は獣の体当たりによって破壊され、爪痕は館内にも残っている。
「オブリビオンと協力して戦う事になるとは思っても見ませんでした」
ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)もその隣で一緒に『同族殺しの獣』を追う。
「あいつにはあいつなりの事情があるんだろうけど、それでも危険な存在だってのには変わりないんだよな」
「ですが結局は倒してしまわなければならない相手」
その痕跡は未だにその姿を確認できていないものの、執念のようなものが感じ取れるものだった。
何がこの獣を狂気へと陥らせ、そしてオブリビオン殺しなどという行為に走らせているのか。
それは分からない。
だが。
「ともあれ、今はウィステリアの道を拓く事に専念しよう。あれこれ考えるのは後回しだ」
「少しの間、露払いと行きましょうか」
まず倒すべきは『領主エルシーク』。そしてその道を阻む、『暴食飛蝗の群れ』である。
●ウィーリィの場合
「ウワオォーーン!」
館内を進む二人の猟兵の前に、闇に紛れる体毛を持つ獣、『同族殺しの獣』ウィステリア・デスパレートの姿が見えた。
どうやら既に領主エルシークが放った蟲と戦闘を繰り広げているらしい。
「よし、蟲なら炎に弱いよな」
ウィーリィは敵の姿を確認すると大包丁を抜き、その刀身に刻まれたルーンの魔力を発現させる。
「こいつはターゲットにした対象【だけ】を攻撃できる!蟲達だけを狙って攻撃するぜ!」
使うユーベルコードは飢龍炎牙(グリード・ブレイズ)。
抜いた包丁から焔の龍が迸る!
「喰らい尽くせ、炎の顎!」
【龍の姿の紅蓮の炎】が同族殺しの獣の脇を通り、暴食飛蝗の蟲のみを燃やしていく。
やはり蟲相手に炎属性の攻撃は効果が抜群のようだ。
一撃でかなりの数を蹴散らす事が出来た。
「よし、このままウィステリアを援護して……ってなんかこっち睨んでくるんだけど!?」
同族殺しの獣ウィステリアはウィーリィに向くと威嚇の咆哮を上げてきた。
今は未だ、その場に残った蟲を蹴散らすのに忙しいようだが、明らかにウィーリィにも殺意を向けてきている。
「これはもしかして……さっきのが攻撃されたと思わせちゃったのか」
ユーベルコードは確かにウィーリィの選んだ対象だけを攻撃する。そして実際にその炎はウィステリアの身体を一切焼く事なく、蟲のみを攻撃した。
だが、それが分かるのはあくまでもユーベルコードを放ったウィーリィだけである。
特にウィステリアはオブリビオンと言えども、あくまでも獣。
そもそも当たらなかった攻撃だったとしても自分のすぐ横を通る炎を放った対象は敵として認識してしまいかねないのは当然である。
「これは……いったん逃げよう!」
うっかり襲われてはたまらないので最初から距離を取っておいたのが幸いしたようで、ウィーリィは素早く身を翻して館の通路の角を曲がると、ウィステリアはそれ以上は追ってこようとはせずに、本来の目的である『領主エルシーク』の元へと歩き始めるのだった。
「せめて話が通じれば話が早いんだけどな」
安全を考慮して、より距離を置いて、ウィーリィはその姿を追うのだった。
●ハロの場合
「さて、敵は小さな虫の群れ」
ハロは『同族殺しの獣』であるウィステリアの傍ではなく、獣の元へ向かうであろう蟲の群れが来る通路で待ち受ける。
「ここは館の中なので食べる物も少ないでしょうが、それが逆に敵を凶暴にする様です」
レイピアと短剣を抜くとハロは段々と近づいてくる羽音に注意を向ける。
「ここは私自身を餌に見立てて、おびき寄せ、同族殺しから遠ざけましょう」
そして現れる『暴食飛蝗の群れ』。
ハロは刀剣を煌めかせると、飛んで来る蟲達を切断していく。
が。
「くっ」
斬り飛ばすには数が多すぎる。
まとわりついてきた蟲がハロに服の上から喰らいついてくる。
「少しくらい食べられても……」
回避重視の剣で致命的な所に来る蟲だけを斬り裂き、激痛耐性で我慢するハロは、そのままゆっくりと立ち位置を狭い通路の方へと移動していく。
頑丈な軍服も虫食いにされていってしまうが、蟲の群れが予め準備しておいた場所まで誘き寄せる事が出来た所で。
「ここならば逃げ場はありません、そこは私の間合いです!」
ユーベルコード:フレイム・スローワー。
ここ一番のタイミングでカウンターの【魂まで焼き尽くす炎を纏った斬擊】を放ち、誘き寄せた蟲の群れを一気に焼却する。
「ふぅ……これであのオブリビオンの元にいく蟲の群れは減らせたでしょう」
身体を張った作戦だったが、十分に蟲の群れを殲滅する事が出来たといえるだろう。
大成功
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リジューム・レコーズ
同属殺しとは言っても敵の敵は味方になる訳じゃないんですね
任務内容に従いウィステリアを利用しエルシークを撃破します
システム、戦闘モード
状況開始
【アドリブ連携歓迎】
ウィステリアへの接近は避け外周部の蝗のみを殲滅します
元々知性なんてあるとは思えませんが、お腹を空かせて凶暴化してくれるなら好都合ですね
月光乱武を起動、放出した荷電粒子で群がる蝗を焼き落とします
飛んで火に入る夏の虫です
稼動限界時間を延ばす為、必要以上に動き回らず更にブレード光波は封印して迎撃主体で戦いましょう
デュアルムーンをぐるぐる回してるだけでも結構叩き落せそうですけどね
●
「同属殺しとは言っても敵の敵は味方になる訳じゃないんですね」
リジューム・レコーズ(RS02・f23631)は館内部に侵入すると『同族殺しの獣』ウィステリアとは十分に距離を開けながらその動向を探る。
『同族殺しの獣』の狙いは『領主エルシーク』のみであることは明らかである。
だがその道中を猟兵が塞いでしまったり邪魔するような事があれば、狂っているとはいってもオブリビオンであるウィステリア猟兵をも攻撃してくるだろう。
だがだからといってウィステリアに任せていては、『同族殺しの獣』の体力がいたずらに減らされ、本命の『領主エルシーク』を倒すには至らなくなってしまいかねない。
「任務内容に従いウィステリアを利用しエルシークを撃破します」
リジュームはパワードスーツの翼を展開すると、加速。
「システム、戦闘モード状況開始」
『同族殺しの獣』ウィステリアに群がる『暴食飛蝗の群れ』へと突撃するのだった。
●
「ウィステリアへの接近は避け外周部の蝗のみを殲滅します」
リジュームは自分自身の身体の周囲を超高温の粒子で包むと『同族殺しの獣』ウィステリアの脇を高速で移動して通り過ぎる。
「プラズマ・パーティクル、ディスチャージ!デュアルムーン、フルドライブ!」
そして荷電粒子両剣を輝かせながら『暴食飛蝗の群れ』に突撃する。
リジュームの周囲を包む超高温の粒子に触れた蟲が次々と焼かれていく。
「飛んで火に入る夏の虫です」
蟲は光に群がる習性もあるようで、輝くリジュームの粒子に吸い寄せられるように来てはじゅっと焼き落ちていく。
「元々知性なんてあるとは思えませんが、お腹を空かせて凶暴化してくれるなら好都合ですね」
そして荷電粒子両剣デュアルムーンを高速回転させて群れの塊に跳び込むと粒子での焼きと斬撃で次々と蟲を屠っていく。
まるで食べていない蟲達はその飢餓感から攻撃性と狂暴性を増していたが……だからこそリジュームに群がりそして焼かれていくことになる。
「稼動限界時間を延ばす為、必要以上に動き回らず更にブレード光波は封印して迎撃主体で戦いましょう」
絶望などを感じない程に知性や理性がない虫。
それは闇に紛れ恐怖を喰らうウィステリアの天敵ではあったが、同時に蟲によってはただいるだけでも殲滅されてしまうリジュームこそが天敵であったようだ。
『同族殺しの獣』ウィステリアの行く道を塞がないようにしながら、リジュームは多くの蟲をその剣と粒子で焼き斬って滅ぼしていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
雛里・かすみ(サポート)
バーチャルキャラクターの戦巫女×UDCメカニック、21歳の女です。
普段の口調は「明るく朗らか(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
寝起きは「元気ない時もある(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
明るく朗らかな性格の為、
男女分け隔てなくフレンドリーに会話を楽しみます。
どんな状況でも、真面目に取り組み
逆境にも屈しない前向きな性格です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
源・ヨーコ(サポート)
『悪い子はお仕置きっすよー!』
人間のブレイズキャリバー × ビーストマスター
年齢 16歳 女
外見 158.4cm 金の瞳 ピンクの髪 色白の肌
特徴 胸が大きい 八重歯 ギャル ハイテンション! 運動が好き
口調 体育会系(自分、~先輩、~っす、~っすよ、~っすね、~っすか?)
悪いヤツは鉄拳制裁!
あまり難しいことは考えず、敵に向かって猪突猛進するタイプ。全ては拳で解決できると信じていて、とりあえず接近して殴るが基本戦術。
硬そうな相手にはカウンターでの一撃必殺を狙い、素早そうな相手には連撃と使い分けぐらいはする。
単独行動を好み、調査などは苦手。
基本は戦闘オンリーな感じですが、よろしくお願いします。
ルナ・クレシェント
昔の味方で今は敵……ってことは傭兵同士ならままあることですが、お金が絡んでるわけでもなしに同族殺しとはまた意図が読めないやつですね
まあ意図の読めないのには近づかないに限るってことで、距離があるところから手を出すとしましょう
使用するのは『麻痺攻撃』と『気絶攻撃』が可能な望月と新月
【流星撃ち】でウィステリアとかいうやつに当たらないようにすることを第一に、周囲の蟲から蟲へと跳弾していくように銃弾を撃ち込みます
倒せればそれでよし、倒せなくても動きが鈍れば勝手に仕留めるでしょう
もし蟲がこっちに寄ってくるならウィステリアのはひとまずほっといて、寄ってくるやつを仕留めます。できればこっち来るなって感じですが
●
「昔の味方で今は敵……ってことは傭兵同士ならままあることですが、お金が絡んでるわけでもなしに同族殺しとはまた意図が読めないやつですね」
ルナ・クレシェント(人間の戦場傭兵・f04792)は館内の通路の角の先にいる『同族殺しの獣』をこっそり盗み見つつそう溢す。
通路の先では、館の主から差し向けられた蟲の群れが一匹の獣に群がり、戦闘を行っていた。
優勢なのは明らかに『同族殺しの獣』側。だが、恐れや撤退という感情や知性のない蟲は例え負ける戦いであっても獣に食らいつきダメージを負わせていっている。
「あら?傭兵ってそうなの?」
バーチャルキャラクターの雛里・かすみ(幻想の案内人・f24096)は一緒に通路の曲がり角に隠れつつルナに質問する。
傭兵生活というものはそれはそれで興味はありそうな話題だ。
「お金次第で雇われ主を変えるし案外狭い業界だからね……」
かすみの言葉にふと傭兵時代に思いをはせるルナ。
「悪いヤツは鉄拳制裁!全ては拳で解決できる!」
しかしそんな二人の横を源・ヨーコ(鉄拳制裁・f13588)が意気揚々と駆け抜けようとする!
「あ、ちょっと!獣は攻撃しちゃダメよ!」
「って事は蟲を殴ればいいっすね!任せるっす!」
どかどかと気配を消したり奇襲を仕掛けたりといったような様子が一切ない足取りで、蟲の群れと戦っている獣の横を通り過ぎると蟲の群れに向かってパンチ!
「正義執行!」
【努力】【友情】【正義】の力が合わさってなんかすごいパワーで飛んでる蟲を殴ってぶっとばすヨーコ。
「どーっすか!?自分の鍛え上げてきた拳はっ!?ってうわっめっちゃ蟲にたかられるっす!?」
ユーベルコードで攻撃力を上げたヨーコの拳は当てた蟲を吹き飛ばすが、知性や恐れのない暴食飛蝗の群れはヨーコをも新たな食糧と認識して襲い掛かってくる
「ああもう。まあ意図の読めないのには近づかないに限るってことで、距離があるところから手を出すのがセオリーなのに」
「まぁまぁこっちの方が楽しそうじゃない」
ヨーコの突撃に対して攻撃に巻き込まれないように遠距離攻撃による援護を主体にしようと考えていたルナとかすみも釣られて前に出て来てユーベルコードを発動する。
「ウィステリアやヨーコさんには当たらないように……これね!」
両手に抜いた黒い二丁拳銃を構えるとルナは蟲……ではなく少し逸れた場所を狙い、銃弾を乱射する。
当然あらぬ方向に飛んでいく銃弾だが。
「必殺、流星撃ち!」
壁に跳弾した弾は角度を変えて弾け、群れとなっている蟲に次々と当たっていく。
流星撃ち(ミーティアバレット)。それはルナの狙い通りに跳弾する弾丸を発射するユーベルコードなのだ。
群れの中に跳び込んだ弾丸はウィステリアやヨーコを避けて次々と蟲に当たっては撃墜していく。
「壁や蟲に当たる度にどうしても威力は下がっていくけど……麻痺攻撃と気絶攻撃で撃ち落としてしまえばあとは勝手に仕留めるでしょう」
そして撃ち落とした蟲に対してはなぎなたを構えたかすみが跳んでいき、衝撃波によって一気に殲滅する。
「どう?格好よくなかった今の?」
グッドナイス・ブレイヴァーで召喚した撮影用ドローンに笑顔を振りまきながら、調子づいたかすみもなぎなたを乱舞する。
「自分もまだまだやるっすよーっ!」
ヨーコもそこに踊り出てきて連撃によって蟲を潰しまくっていく。
「……これ、ウィステリアはどうなのかしら」
ふと、仲間ではないが援護をすべき『同族殺しの獣』はこの突然の乱入に対してどのような行動をとるのか気になったルナは獣の方を確認する。
『ウォォォン!』
すると『同族殺しの獣』ウィステリアは猟兵である3人の少女には目もくれず、数の減った蟲を蹴散らして通路の奥へと突撃しにいってしまった。
どうやら下手に隠れたり気配を消さずに出て来て、一切の敵意をウィステリアに向けたりしなかったことが功を奏したようだ。
恐らく館の構造的に、この奥は領主の部屋はすぐそこ。もう蟲の群れも奥にはいないだろう。
「それじゃ後続の憂いを断つために、ここで蟲は倒しておきましょ」
そしてルナは二丁拳銃を再び構えると、ウィステリアが居なくなったことで攻撃対象が減り、自分にも向かって直接向かってくるようになった蟲に対しても銃弾を直接浴びせ撃ち落とす。
「蟲は出来ればこっちくるな」
成功
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第2章 ボス戦
『往生集め『エルシーク』』
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POW : 賢者の双腕
見えない【魔力で作られた一対の腕】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
SPD : 蒐集の成果
自身が装備する【英雄の使っていた剣】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : 幽暗の虫螻
【虫型使い魔】の霊を召喚する。これは【強靭な顎】や【猛毒の針】で攻撃する能力を持つ。
👑11
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●第二章 ボス戦 『往生集め『エルシーク』』
●ダークセイヴァー・往生集め『エルシーク』の領主館・領主の部屋
――ウワオォーーン!
猟兵達が辿り着くとそこには既に『同族殺しの獣』ウィステリア・デスパレートが『領主エルシーク』へと襲撃をかけていた所だった。
『グッ、貴様、【同族殺し】!?蟲の群れヲ突破シテ来タのカッ!?』
領主エルシークはウィステリアの奇襲に驚きつつも、館そのものが襲撃されていた事は把握していたためか、対応している。
『ウヮォーン!』
『ハッ、ソウか!≪猟兵≫共めッ!猪口才ナ真似ヲしてクレル!』
すぐに状況を把握した領主エルシークは、怒りを露わにしてウィステリアへと反撃を行い始める。
『ダガ、無駄ダ。私がコノ獣に対シテ、何ノ対策モ講ジテいない筈モ無イ』
逃げようと思えば、領主エルシークはこの場を逃走する事も可能だろう。
だが、ウィステリアはその先にも恐らくは追撃してくる。
ならばここで倒してしまおう。領主エルシークはそう考え、そしてユーベルコードを行使する。
『ウォワァオオオーーン!!!』
そして『同族殺しの獣』ウィステリアは、例え不利な状況であろうとも、『領主エルシーク』を打ち滅ぼさんと攻め立てるのであった。
猟兵達よ。
『同族殺しの獣』ウィステリアは目の前の『領主エルシーク』を殺そうと果敢に攻める。
だが『領主エルシーク』は強力なオブリビオンである。またその狡猾な性質は、あくまでも獣でしかないウィステリアでは太刀打ちできない。
このまま戦えば、十中八九『領主エルシーク』の圧勝で終わるであろう。
また残念ながら領主エルシークと猟兵達の間にはかなりの力量差がある。
領主エルシークは『同族殺しの獣』さえ殺してしまえば、猟兵という存在など眼中にないためそのまま逃げ出し……そしてまた罪もなき村々を襲い、己の収集欲を満たそうとするだろう。
そうなる前に狂える『同族殺しの獣』を利用し、『領主エルシーク』を打ち倒して欲しい。
『領主エルシーク』は『同族殺しの獣』ウィステリアのユーベルコードに対して、以下のような対策を取ってくる。
ウィステリアがどのユーベルコードを使用してくるかは、猟兵達の選ぶユーベルコードの能力値に依って変わるようだ。
上手く『エルシークの考えた対策への対策』を行う事が出来れば、ウィステリアのユーベルコードが決まり、大ダメージを与える事になるはずだ。
※プレイングボーナスを進呈します。
頑張ってくれ、イェーガー!
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●『同族殺しの獣』ウィステリア側のユーベルコード
→『領主エルシーク』側のユーベルコードによる対策※ユーベルコード事態の詳細は↑を確認してください。
・POW
●絶望の藤
【絶望への喰らいつき】が命中した対象を切断する。
→【魔力で作られた一対の腕】により、距離を取り、喰らいつきそのものを封じながら遠距離攻撃をする。
・SPD
●慄け、震えろ、怯えろ
戦闘中に食べた【恐怖】の量と質に応じて【より獲物を絶望させるために】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
→複製した【英雄の使っていた剣】により、エルシーク自身の戦意を鼓舞し、恐怖を打ち消そうとする。
・WIZ
●死に至る病
【獲物を追いつめる姿無き気配】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
→【虫型使い魔】が部屋全体を飛び交い、召喚された気配を攻撃し消滅させてしまう。
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ハロ・シエラ
出来る事であれば同族殺しの手を借りずにこの領主をやっつけてやりたい所なのですけどね。
今回は仕方ありません、もう少し手を貸しましょう。
まずは【第六感】で同族殺しが召喚する物の気配を察知し、その動きを探ります。
敵は虫を呼び出して気配を攻撃すると言う事なので、私もまたユーベルコードで炎を放ち虫を攻撃します。
64個の炎を同時に操作するのは骨が折れますが、まずは気配の周りの虫を追い払い、状況によっては炎を合体させて領主への道を作る様に操作しましょう。
出来れば炎をそのまま【全力魔法】で敵にぶつけたいですね。
私自身への攻撃も可能な限りは回避したいですが、当たったら【激痛耐性】と【毒耐性】で何とかします。
●
「出来る事であれば同族殺しの手を借りずにこの領主をやっつけてやりたい所なのですけどね」
愛用のレイピアとダガーを抜き、今回の戦場となっている領主の部屋に跳び込んだのはハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)。
既に『同族殺しの獣』ウィステリアと『領主エルシーク』の激しい戦いは始まっており、その両者の力量が一猟兵であるハロよりも遥かに高い次元でのやりとりである事を感じるには十分だった。
「今回は仕方ありません、もう少し手を貸しましょう」
『領主エルシーク』は強敵だ。可能であれば、『同族殺しの獣』の攻撃を当てさせるのが有効だろう。
ハロは跳び込むt、ウィステリアを援護するようにエルシークに斬りかかりにいく。
『ムゥ!?ナンダ!?貴様、猟兵かッ!?貴様ラの相手ヲしテイル暇ハ無イ!』
ちょっかいを出されたエルシークはハロの攻撃を邪魔そうにしながらもしかしあくまでも脅威は『同族殺しの獣』であるとばかりにぞんざいな仕草で蟲を放ってくるだけ払うとウィステリアに向き直る。
「この程度ならば……」
多少のダメージ程度は激痛耐性と毒耐性で防ぐとハロは蟲を冷静に斬り落とす。
『ウワォォーーン!!!』
そこでウィステリアが絶望を煽る咆哮を上げると、薄暗い領主の部屋の中に何やら、姿は見えないが、それでも圧倒的な"獲物を追い詰める気配"が漂ってくる。
「これが……同族殺しのユーベルコード、死に至る病」
『同族殺しの獣』は決して味方ではない。その気配はハロにも殺気を向けてくる。
ハロ自身もその姿を第六感で探ろうとするが……見えない。
やはりウィステリアの能力値の高さが猟兵より高い事が、単純な競い合い争いあい比べあいでは不利になるようだ。
『ハハッ、ダガ、コノ技ナラバ、既ニ見切っテいル!』
『領主エルシーク』もまた、その姿なき気配の殺気を浴びている。だが、エルシークは待っていたとばかりに両手を広げると、その身体から部屋の全方位に向けて【虫型使い魔】を飛ばしていく。
姿が見えずとも必ず"ソコ"にはいる。
『領主エルシーク』は『同族殺しの獣』ウィステリアとその召喚した気配を炙り出そうと広範囲を同時に攻撃してきたのだ。
「虫を呼び出すということなら、私の炎が、魔を払います!」
だがその瞬間こそ。領主エルシークが同族殺しの獣へのユーベルコードの対策を行おうとしたそのタイミングこそがハロの狙い。
「クロスファイアー!」
64個もの【聖なる力を帯びた白色の炎】がハロから放たれると、それらが領主エルシークの放った蟲を焼き払っていく。
聖なる力、そして炎、その両方がこのエルシークの使役する蟲には効果が高いようだ。
さらに炎はそれぞれが個別に動き、蟲を的確に焼いていく。
『何ッ!?邪魔ヲすルナァ猟兵ァ!?』
領主エルシークはハロの放った炎によって自身の使役蟲が焼かれていき……そして結果的に『同族殺しの獣』ウィステリアの気配を見定めるような広範囲攻撃が出来なくなった事に焦りを見せる。
「貴方の相手は、私ではなかったのではないですか?」
こちらを向いたエルシークに対し、ハロは炎を操作すると、エルシークの背後の蟲を焼き払う。
『ウワォォーーン!!!』
『ハッ!?』
その隙を『同族殺しの獣』ウィステリアが見逃す事もなく。背中を見せた『領主エルシーク』に襲撃を仕掛ける気配。
そして後ろを振り向いたエルシークの真横の闇から飛び出してくるウィステリア本体。
『グフゥっ!?』
領主エルシークはそこで同族殺しの獣の強烈な一撃を受ける事になった。
「流石にこの数を同時に操作するのは骨が折れましたが……虫は追い払いました。あとは私の全力を受けて下さい!」
そしてエルシークの使役蟲を個別の炎で焼き払ったハロはその炎を一点に集中。
強力な【聖なる炎】を一直線にぶちかますのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ジェイソン・スカイフォール(サポート)
おもに衛生小隊を使ってメイン参加者がメインの行動に集中できるよう、雑事を引き受けます。本人および衛生小隊は「兵士ができそうなこと」はだいたい行えます。
▼行動例
「自分たちが援護をします。総員戦闘配置!」
敵の数が多い/敵が優勢のとき、衛生小隊を率いて登場。援護射撃を行い、猟兵が行動するチャンスを生み出すほか、敵の足止めや味方の撤退支援などを行う。
「避難は任せてください。さあ、みなさんはこちらへ!」
現場に一般人がいるとき、避難誘導や救助を行う。必要に応じて炊き出しなども可。
「総員、作業にかかれ!」
衛生小隊を指揮し、人手が必要な単純作業を引き受ける(運搬や土木作業など)。
ルナ・クレシェント
さて、ここが正念場ですね。
先ほど同じように距離を取って行動します。
ウィステリアを利用するといっても、直接絶望を与えるような手段はありませんし、エルシークを焦らせて余裕を奪うことで間接的に手伝うことにしましょう。
『麻痺攻撃』『呪詛』『呪殺弾』これらを利用します。
変に当てて無傷ってなったら安心されそうですし、【流星撃ち】で館の壁やオブジェやらを利用して、反射で何度も弾が掠めるように撃ち込みます。
剣をこちらに飛ばしてきたら、銃弾を当てて剣を弾きつつ、跳弾させるとします。
弾が当たらないことに余裕を持ち出したら、今度はできるだけ多くの弾が当たるように撃ち込んで、焦ってくれることに期待しましょう。
●
『ワウォーーーーン!』
闇に紛れる狂える獣が地を蹴り、壁を走り、天井を跳ね、獲物を狙う。
『グッ……忌々シい獣風情ガっ!』
領主エルシークは薄汚れたローブをはためかせながら、魔力によって部屋の中を浮遊して対峙する。
領主の部屋は縦にも横にも高さの方も広いようで領主と狂える獣が戦うには十分なスペースがあるようだ。
「さて、ここが正念場ですね」
ルナ・クレシェント(人間の戦場傭兵・f04792)はオブリビオン同士の戦いに巻き込まれないように十分に距離をとって両者の戦いを観察する。
床・壁・天井を縦横無尽に駆け回る同族殺しのウィステリアと、部屋の中央付近でゆらゆらと浮遊しながら身体ごと向きを変えてウィステリアの姿を常に正面に捉えて対応している領主エルシーク。
目まぐるしく立ち位置を変える両者の戦いは確かに今現在の猟兵よりも一段程上の次元にいるように思える。
「だからって指を咥えて見てるだけじゃ、傭兵の名が廃るわね」
そしてルナは愛用の黒い二丁拳銃を構え、そして縦横無尽に打ち放つ!
『ヌゥ
……!?』
壁や床、天井を跳ね返った弾丸はルナの思うがままに起動を変え、そしてエルシークの鼻先をかすめる。
ユーベルコード:流星撃ち(ミーティアバレット)は、術者の狙い通りに跳弾する弾丸を発射する事が出来るのだ。
(ウィステリアを利用するといっても、直接絶望を与えるような手段はありませんし、エルシークを焦らせて余裕を奪うことで間接的に手伝うことにしましょう)
そして立体的な攻撃をするウィステリアに混ざるように領主エルシークの死角から突然銃弾が来るような軌道と取って麻痺の呪詛の籠った銃弾を撃つ。
『ヌゥ!?五月蝿い蟲メっ!』
狙い通りにエルシークはルナの攻撃にイラつき始める。
(跳弾はどうしても跳ね返る度に威力が下がりますけど……変に当てて無傷ってなったら安心されそうですし、掠めるように撃ち込むのがよかったみたいですね)
当たる事はなくても目の前を銃弾が飛んで来るこの環境は、エルシークの集中力を削ぐのには十分な戦果をあげていた。
「自分たちも援護をします」
それに続くのはジェイソン・スカイフォール(界境なきメディック・f05228)。
そしてジェイソンがユーベルコードによって呼び出した衛生小隊部隊である。
「総員戦闘配置!」
統率の取れた兵士一隊が乱れなく行進するとルナに続いて援護射撃を行う。
「助かるわ」
『ハッ下手ナヤツらメ!』
だが当たらないようであれば、そんなものは無視してしまう。
エルシークはそもそも浮遊して移動しているため銃弾が当たりずらいのだろうと思い、ルナやジェイソンに後ろを向けてウィステリアに集中する。
「そんな訳ないでしょう。今です!必殺、流星撃ち!」
「総員一斉発射!」
エルシークが当たらないと高をくくったその時。それこそがルナの狙いの一つ。
今度は一気にエルシークを直接狙い、そして銃弾の嵐をぶち当てる。
『グッ!?邪魔な奴ラメッ!』
ダメージが小さくても数が十分であればそれは脅威になる。
エルシークはルナと救護部隊に対して自身の装備する剣を複製すると、それを念動力で投げつけてきた。
「それも軌道のひとつです」
だがルナは投げつけられてきた剣をも銃弾の跳弾地点の一つにして弾丸をぶつけ、軌道を反らす。
『ヌゥッ!?』
『ワウォーーーーン!』
そして隙が出来たところに、同族殺しの獣ウィステリアが恐怖を誘う遠吠えを放つ。
『グッ』
「うっ」
「ぬっ」
ウィステリアにとっては猟兵も味方ではない。そのためその方向がルナにも戦慄を与え、思わず動きを止めてしまう。
『ダガ、無駄ダ!コノ"英雄の剣"がアレバ、恐怖ナど、感ジヌ!』
領主エルシークは既に事前に対策していた、蒐集の成果を持ち出す。
それは一本の豪華な剣。それを複数複製すると、エルシークはその剣を持ち、己を鼓舞し、恐怖を打ち消す。
『ウォワァオオオーーン!!!』
『ヌッ!?』
しかしその剣を見た途端に、狂える同族殺しの獣ウィステリアは一直線に領主エルシークの元へと食らいつきにいった。
『ウォワァオオオーーン!!!』
「これは、自分達の感じた"恐怖"を糧にして強化したようです」
突然、先程感じていた畏怖の心が失われたジェイソンと救護部隊は冷静に状況を分析する。
「だったら、チャンスですね。ウィステリアを援護しましょう」
「はい!」
そして傭兵二人はさらなる戦果を上げにエルシークとウィステリアの戦いに割込みに行くのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
リジューム・レコーズ
また蟲…数で攻めるのは戦術の基本ですけど…
迂闊に飛び込んで両者の戦闘に巻き込まれないよう注意しないと
EMフィールドを展開し低空を維持した空中機動で逃げ回りつつジャバウォックをデュアルムーンにセット
高速回転している状態でサイココントロール(念動力)による遠隔操作を開始
私の周囲を旋回させ接触した蟲の群を切り刻みます
ただ逃げ回りながら攻撃するのではなく、常に背後へ回り込むように動いたりエルシークとの間にウィステリアを挟む立ち位置を取ったりして相手が嫌がるポジションに移動し続けます
蟲の駆除はエルシークが有利になりすぎない程度に
ウィステリアも倒すべき敵ですからこの戦闘で消耗させなきゃいけませんね
●
『ウワォォーーン!!!』
そこでウィステリアが絶望を煽る咆哮を上げると、薄暗い領主の部屋の中に何やら、姿は見えないが、それでも圧倒的な"獲物を追い詰める気配"が漂ってくる。
『ハハッ、ダガ、コノ技ナラバ、既ニ見切っテいル!』
『領主エルシーク』もまた、その姿なき気配の殺気を浴びている。だが、エルシークは待っていたとばかりに両手を広げると、その身体から部屋の全方位に向けて【虫型使い魔】を飛ばしていく。
姿が見えずとも必ず"ソコ"にはいる。
『領主エルシーク』は『同族殺しの獣』ウィステリアとその召喚した気配を炙り出そうと広範囲を同時に攻撃してきたのだ。
「また蟲……数で攻めるのは戦術の基本ですけど……」
リジューム・レコーズ(RS02・f23631)は飛んできた蟲を斬り飛ばし、ちょっとだけ嫌そうな声を上げた。
蟲の汁がジュと音を立てて蒸発する。いやさせた。
我慢できない程ではないが、やはり汚れるのは嫌なのだろう。
「迂闊に飛び込んで両者の戦闘に巻き込まれないよう注意しないと」
そのままEMフィールド……電磁障壁を展開し、自分の周囲を隙間なく覆う。
蟲がこなーい。
「ジャバウォックセットアップ!」
そして荷電粒子両剣であるデュアルムーンに、PCRFD1Xジャバウォック(サイココントロール・リインフォースデバイス)を追加装備。
リジュームの手を離れてもそのまま空中を高速回転し、彼女の周囲を旋回する。
「出力安定……制御機能同期開始……蟲の群を切り刻みます」
電磁障壁とサイココントロールで動かす高速両刃剣で自分の周囲の蟲を斬り捨てながら、装備されたエンジンを稼働。
低空を維持したまま滑るように空中起動で同じく魔力で浮遊している領主エルシークの背後へと回り込むように移動していく。
「斬り刻みます!」
『ヌゥッ!?邪魔なヤツメ!』
無防備な背中に荷電粒子両剣を投げつけるリジュームに領主エルシークは思わず反応してくる。
『ワギャオーーン!』
だがその攻撃方法では蟲が部屋中を攻撃し、ウィステリアの召喚した気配の位置を察知されるのを止めるには至らない。
ウィステリアのユーベルコードはエルシークの思惑通りに無力化されてしまう。
(蟲の駆除はエルシークが有利になりすぎない程度にです)
だが、それでいいのだ。
ウィステリアとエルシークの戦闘力は本来は拮抗している。策を弄すエルシークが一枚上手ではあるが、完全にユーベルコードを防ぐだけではなく、リジュームのように戦闘で少し有利にするだけでも、ウィステリアの方に戦局が傾く事はある。
(ウィステリアも倒すべき敵ですからこの戦闘で消耗させなきゃいけませんね)
そしてリジュームの狙い通りにこの介入では大まかにはエルシークが優勢ではあったが、決してウィステリアのみが敗れた訳ではない戦局となったのだ。
大成功
🔵🔵🔵
純・ハイト(サポート)
勝つ事を考えて、自身を含めて全てを駒として考えて手段を択ばずに、使える物全て使って任務に参加して戦う。
エレメンタル・ファンタジアはトラウマはあるが、トラウマよりも敵は全て殲滅と考えているために問題無しに使える。
主にユーベルコードの力で軍隊を操り戦闘を指揮して戦うが、他のユーベルコードが有利に動くならそっちを優先して使う。
ウィーリィ・チゥシャン
助太刀させてもらうぜ、ウィステリア!
……っても言葉通じないんだよな。
腕は『一対』しかない。
そしてそいつは『操作する』必要がある。
だったら!
領主がウィステリアの相手をしている間に真っ直ぐ領主の元を目指し、フランベ用のブランデーの瓶を相手にブチ撒けると同時に【神火の竈】で引火させて盛大に炎をあげる。
それに乗じ、炎の【属性攻撃】を付与した大包丁の【二回攻撃】を叩き込む。
この程度の炎じゃ目くらまし程度の効果しかないだろう。
けど、それで充分だ。
炎で視界を遮られれば魔力の腕も操作できないだろうし、そしてその隙を見逃すウィスタリアじゃない筈。
後はウィスタリアに任せ、巻き込まれない様離脱する。
●
「助太刀させてもらうぜ、ウィステリア!」
炎の料理人、ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)が激闘を繰り広げている領主の部屋に乱入してきた!
「……っても言葉通じないんだよな」
まぁオブリビオンと言えども相手は獣。それも狂える同族殺しである。会話は成立するとは思えない。
ウィステリアはウィーリィの事など見向きもせずに『領主エルシーク』を狙い攻撃する。
『ウォワァオオオーーン!!!』
同族殺しの獣ウィステリアは床を蹴り、壁を走り、天井を跳ねると立体的な軌道で領主エルシークの喉笛に食らいつこうと強襲する。
『ムダ、ダ!』
しかし領主エルシークは【魔力で作られた一対の腕】を振るうと、ウィステリアを拘束。
距離を取り、喰らいつきそのものを封じながら遠距離攻撃を仕掛けに行く。
「だが、その腕は『一対』しかない。そしてそいつは『操作する』必要がある」
ここまではグリモア猟兵による予知によって得られた情報通り。
ウィステリアのユーベルコードも、エルシークのユーベルコードもその能力が分かっている。
「だったら!」
そしてウィーリィは考えてきた作戦通りに、真っ直ぐに領主エルシークの元へダッシュ。
フランベ用のブランデーの瓶を相手にブチ撒けると同時に。
「人類で最初に火を手にした人間はこう叫んだ!! 我こそは料理人なりィィイイイーーーッッ」
ユーベルコード:神火の竈によって包丁から迸る業火を引火させて盛大に炎をあげる!
『ムゥ!?邪魔ヲすルナ!猟兵!』
「我、神々の契約において解放する。我が心で眠る神々しく禍々しい真の魔力よ、今ここで解き放たれよ」
さらにサポートとして現れた純・ハイト(数の召喚と大魔法を使うフェアリー・f05649)が真の魔力を開放すると、神々しい光の旋風と禍々しい闇の旋風が同時に襲い掛かり炎を煽り燃え上がらせる。
「貰ったぜ!」
そして炎の奔流に乗じて大包丁を構えたウィーリィが跳躍。
領主エルシークへと炎の属性を纏わせた大包丁の2回攻撃を叩き込む!
『ヌゥッ!?』
クリーンヒットするエルシーク。
だが、そこは流石は領主。
ダメージを耐えると魔力の腕を振るってウィーリィを吹き飛ばす!
「うわっ」
「む……!」
ハイトが素早く回り込み、フェアリーの身でありながらも投げ飛ばされたウィーリィを受け止める。
『ソンナ程度ノ炎、効カヌわ!』
ウィーリィとハイトに向き直り、燃えていた炎を魔力で吹き飛ばすエルシーク。
「けど、それで充分だ」
元よりこの程度の炎では目くらまし程度の効果しか期待していない。
「炎で視界を遮られれば魔力の腕も操作できないだろうし、そしてその隙を見逃すウィスタリアじゃないだろ」
『何ッ!?』
『ウォワァオオオーーン!!!』
魔力の腕で掴んでいたはずの狂える同族殺しの獣が、いつの間にか拘束を逃れ、そして領主エルシークの喉元へ噛み付きにかかった!
『グハッ!?貴様ラ、最初カラ、コレが狙イデ……!』
絶望への喰らいつきが命中したエルシークはその首がごっそりとなくなり、そして魔力を維持できなくなったのか床に落ちる。
「勝つためであれば、それが何であれ、利用する。……例えオブリビオンであっても、だ」
ハイドはそういうと、ウィステリアをも巻き込むつもりでそのまま神々しい光の旋風と禍々しい闇の旋風を再び生じさせる。
『コンナ……コンナ……筈デハ!』
そして領主エルシークは狂える同族殺しの獣と、猟兵の襲撃を受け、打ち倒されたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『ウィステリア・デスパレート』
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POW : 絶望の藤
【絶望への喰らいつき】が命中した対象を切断する。
SPD : 慄け、震えろ、怯えろ
戦闘中に食べた【恐怖】の量と質に応じて【より獲物を絶望させるために】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ : 死に至る病
【獲物を追いつめる姿無き気配】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑8
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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●第三章 ボス戦 『ウィステリア・デスパレート』
●ダークセイヴァー・領主館・故領主の部屋
領主エルシークを食らった『同族殺しの獣』ウィステリアはそのままエルシークのローブを引き裂き、漁る。
そして、先程の戦闘において複製し、念動力で動かしていた剣の内の一つを咥えると。
『ーーーウォワァオオオーーン!!!』
獣の遠吠えが、響く。
複製品も、エルシークの死体も全てを踏み砕き、そして全てを終えたのか。
猟兵たちをゆらりと、視界に納めてきた。
狂える同族殺し。
ウィステリアは既に狂気に犯されている。
この獣は通常時では猟兵で倒す事は難しい程の強敵だろう。
だが、今は。
『領主エルシーク』との激闘を経た今であれば、もしや倒す事も不可能ではないかもしれない。
それにこの獣は既にその魂の炎を燃やし尽くしている。
またこの獣が何故狂ったのか。そして何故『領主エルシーク』を狙ったのか。
それは分からない。
だが、この狂いし獣の手を緩める事が出来たとすれば、それもまた獣を、獣の魂を鎮める事になりえるだろう。
猟兵よ、最後の戦いだ。
『狂える同族殺しの獣ウィステリア』を討伐して欲しい!
鬼桐・相馬(サポート)
羅刹の黒騎士×ブレイズキャリバー(26歳男)
口調:冷静
「俺にばかり気を取られてると、足元でも背後でもとられるぞ」
「この程度の傷、炎で補える」
寡黙で感情が表情に出づらい為、喜怒哀楽が分かりにくいですが、額の角に触られると明確な嫌悪の表情が出ます。戦闘時も態度にムラがなく、淡々としています。
槍全体を使い突き抉るような攻撃スタイルです。槍は常に青黒い炎が滲んでいます。
[傷口をえぐる][部位破壊][串刺し]技能を使い、防御時は[武器受け][戦闘知識][見切り]を使用します。
苦戦している味方には[かばう]。炎で補えばいいと思っているため、怪我をすることに頓着がありません。
絡み・アドリブ大歓迎です!
春霞・遙(サポート)
UDC組織に所属して、UDC関連の一般病院に勤務している小児科医です。
行動の基本方針は困っている人が居るなら助けたい、人に害をなす存在があるなら退けたい。
戦う力はあまりないですけど、自分が傷を負うとしてもみなさんのお手伝いができれば嬉しいです。
基本的に補助に徹します。
「医術」「援護射撃」「情報収集」から、【仕掛け折り紙】【葬送花】での目くらましや演出、【生まれながらの光】【悪霊祓いのまじない】で照明や目印を付けるなども行えるかと思います。
攻撃は拳銃による射撃か杖術が基本で、その他はUCを使用します。
【悔恨の射手】【未来へ捧ぐ無償の愛】は基本的に使用しません。
シリアス以外ならいたずら好きの面も。
ハロ・シエラ
さっきので随分魔力を使ってしまいました。
ですが本来の私の武器はこの剣です、恐怖も絶望もしません。
今回は敵の攻撃を待って攻撃しましょう。
暫く一緒に戦っていたので【学習力】で敵の戦い方は覚えました。
後はその攻撃が私に向いた時に動きを【見切り】ユーベルコードを用いて【カウンター】で斬り裂くのみです。
狙いは敵が喰らいついてくる瞬間。
真正面から縦に斬り下げる感じの構えを【フェイント】に、【スライディング】で下に潜りこんで攻撃します。
可能であれば下顎辺りを【部位破壊】して戦力を削ぎたいですね。
かなり敵の攻撃を引き付けなければなりません。
あと頼れるのは【勇気】だけですね。
ウィーリィ・チゥシャン
エルシークが使っていた豪華な剣。
あれはおそらくウィステリアにとって大切なものだったんだろう。
あいつのご主人様の所持品か、或いはあいつ自身のものか。
いずれにせよ。
「お前の復讐は終わったんだ」
そして、
「もしお前が罪もない人を襲い、お前みたいな犠牲者を出すのなら、ここで俺達が止めてみせる」
言葉は通じなくても。
「それがお前と、その剣の持ち主への手向けだ」
だから、せめて英雄の剣だけは戦いに巻き込まない様にする。
奴が喰らいつこうとしたら鉄鍋の【盾受け】で身を守る様に見せかけて【フェイント】の【シールドバッシュ】で鉄鍋を鼻面に叩きつけ、奴が噛み砕こうとした瞬間にその口の中に【神火の竈】の業火を叩き込む。
●
『ーーーウォワァオオオーーン!!!』
ウィステリアの悲しみに満ちた遠吠えが、木霊する。
「エルシークが使っていた豪華な剣。あれはおそらくウィステリアにとって大切なものだったんだろう」
ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)は領主エルシークを打ち倒したあとに拾われた豪華な剣を見る。
使い潰されたように見える剣。
だがそれをウィステリアは大切そうに咥えて、そして呑み込んだ。
「あいつのご主人様の所持品か、或いはあいつ自身のものか」
いずれにせよ。
「お前の復讐は終わったんだ」
そしてウィーリィは大包丁と鍋を構える。
炎の料理人、ウィーリィの剣と盾はこの二つなのだ。
「もしお前が罪もない人を襲い、お前みたいな犠牲者を出すのなら、ここで俺達が止めてみせる」
狂える瞳が、猟兵達を捉える。
あぁ、この悲しみはもはや。命潰えるまで晴らす事は出来ぬのであろう。
「さっきので随分魔力を使ってしまいました」
先の領主戦では炎の魔法にて応戦したハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)。
全力魔法である。消耗は避けられない攻撃を仕掛けていた。
「ですが本来の私の武器はこの剣です、恐怖も絶望もしません」
スラリと抜いたレイピアとダガーを構えるハロ。
その瞳には絶望と恐怖を扱うウィステリアを前にしても、恐れる事もなく闘志を宿す。
ハロの勇気はこの程度では揺るがない。
『ウォワァオオオーーン!!!』
そしてウィステリアが巨体に見合わぬ俊敏さで地を蹴り、壁を走り、天井を飛ぶ。
「暫く一緒に戦っていたので学習し敵の戦い方は覚えました」
だがその攻撃方法は領主エルシークを相手に披露したもの。
獣であるウィステリアがそういった知性を持っている訳もなく、ハロとウィーリィは相手の攻撃を読んで躱す。
そして代わりに鼻っ面に叩きつけられる大鍋!
ガーン!
「言葉は通じなくても」
ウィーリィのシールドバッシュがウィステリアにカウンターで決まる。
相手のスピードが乗った事で威力が更に増した一撃になっている。
「お前を倒す。それがお前と、その剣の持ち主への手向けだ」
攻撃を防がれ殴られたウィステリアは溜まらず一度後退する。
『ウォワァオオオーーン!!!』
そして部屋の闇の中に紛れるとさらに速度と複雑さを増した軌道での食らいつきを放ってきた。
流石にこの攻撃速度では今度こそ避ける事は出来ないかと思われたが。
「ふん!」
鬼桐・相馬(羅刹の黒騎士・f23529)の腕が、食らいつこうとしたウィステリアは口に突っ込まれる。
避けられないのであれば、当たりにいってしまえばいい。
相馬はコートの袖を食い千切られ、その腕に牙を突き立てられながらも、激痛耐性で痛みを無視し、その腕をさらにウィステリアの口に押し込んでいく。
犬科の動物の歯と口の構造は基本的には出ていくのを逆らう事は出来るが、口に押し込まれる事はあまり想定されていない。
「この程度の傷、炎で補える」
相馬の言葉通り、その傷口からは血液ではなく、地獄の炎があふれ出す。
『ウォワァオオオーーン』
再度、ウィステリアは退却しようと口を放す。
「俺にばかり気を取られてると、足元でも背後でもとられるぞ」
「逃がしはしません」
しかしそこへレイピアを大上段に構えたハロが跳び込んでくる。
何も攻撃を避けるだけではない。相手がどのタイミングで引くのかも、戦いの中で観察して掴んだものだ。
『ウォオオン!』
ハロに対して再び牙を剥こうとしたウィステリアだが。
「―しっ」
剣を頭上に構えて、上からの振り下ろしが来ると見せかけ視線を上段に向けさせたところで、ハロはスライディング。
構えた剣を上に向けたままウィステリアの巨体の下に潜り込み、そしてすり抜け様に斬り裂いていく。
ザックリとウィステリアの顎の部分を損壊させる。
「せめて英雄の剣だけは戦いに巻き込まない様にするからな」
口が閉じ切れなくなったところにウィーリィもまた反撃を繰り出す。
「人類で最初に火を手にした人間はこう叫んだ!!我こそは料理人なりィィイイイーーーッッ」
大包丁から放たれた炎が、ウィステリアの口の中に向けて放たれる。
身体の内側から焼かれる痛みにウィステリアはのたうちまわる。
「傷が……今、癒すね」
春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)は盾になり攻撃を受けた相馬の腕を治療していた。
「いや、問題ない。動きも炎で十分に補助できている。それより今はチャンスだ」
治療もそこそこに相馬は槍を構えてウィステリアに突撃を仕掛けにいく。
「退いてもらう!鬼切(オニキリ)!」
傷口からあふれ出した悪意の黒炎が槍身に纏わりその威力を増大させる。
そしてこちらを向いてきたウィステリアの口内に槍を突き入れ抉るように押し込む。
「命を持たない紙の鳥、散らず褪せない紙の花、くるりくるり、舞い踊れ」
さらに遙が、不思議な力で強化された折り紙の作品の複製を多数召喚すると、それらが全方位からウィステリアの身体に突き刺さる。
「これ以上はさせません」
ゴフリ。
『ウォ……オオン』
そして狂気に包まれた瞳は生気を失い、度重なる戦いに傷付いた身体は黒き炎と赤き炎に焼かれ、朽ち果てるのだった。
残ったのは、焼ける事なく床に落ちた。英雄の剣のみであった。
領主のオブリビオン。及び、同族殺しの獣。討伐完了。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴