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猟兵サスペンス~イェーガーは見た!!~

#サクラミラージュ


「皆さまお集まりいただきありがとうございました」
 会釈する人首・椿(傷と記憶は刻むモノ・f06124)に、なんで今回は過去形なの?と疑問を抱いた猟兵達に、椿が苦笑。
「影朧が連続殺人事件を起こすと分かったのですが、その際に自身の根城に人を誘い込み、その中で事件を起こす為、そこに向かう人々を止めて事件は既に解決してしまったからです」
 じゃあ呼ぶなよ!?ってツッコミも飛ぶ中で、椿はコロリと電子巻物を広げて。
「それが、今回の敵はここ、サクラミラージュにおけるこの洋館に潜んでおりまして。既に犠牲者は出ない上に、敵の居場所も分かっているとなれば、叩きに行くのが猟兵と言うものでしょう?」
 要するに、犠牲者は出ないから盛大にヤッて来いって事だそうです。
「とはいえ、踏み込んで早速戦闘、とはいかないのが今回の事件なのです。まずはこちらをご覧ください」
 椿が見せたのは怪しい招待状。

 集え、未来の探偵達!
 呪われた屋敷の謎を解き、隠された宝を見つけ出すのだ!

 ザックリまとめると、そんな事が書いてある手紙を読みつつ、椿が言うのは。
「こうして人を集めたお屋敷は本当に曰くつきでして、時折物が動いた気配がするとか、主人がいないのにメイドや執事がいるとか、窓から覗き込むとその従者たちもいなくなるとか……もはや都市伝説の塊のような場所なのです」
 なんかもう、安っぽいミステリー感が漂い始めて一部の猟兵は半眼であるが、椿が続けるには。
「まずは屋敷の中を調べてください。その際、いかにもミステリー小説に登場しそうな、ちょっと癖のある人物を演じておくと、影朧の気を引くことができるようです。そして、お気づきの方もいらっしゃると思いますが……宝、とやらを見つけ出すと、影朧が仕掛けた罠が皆さまを殺害しようとします。そこで一般人のフリをして、さも殺されたかのような芝居を打っていただきたいのです」
 つまり、殺害が成功したと勘違いさせて誘き出す作戦ですって。
「それでは皆さま、ご武運を……今回は怪我は避けられませんからね。もしもの時は……フフフ」
 椿はそっと刀の峰を撫で、じーっと猟兵達を見つめていた……。


久澄零太
皆さまやっふぉい、久澄です

えぇ、『ネタ依頼』ですよ!!

今回はちょっと特殊?だから詳細説明をば

第一章は屋敷の中で情報収集ですが、この時に一癖ある人を演じるとよいようです

具体的には「こんな奴らと一緒にはいられない!」と個室にこもったり、詮索好きの名探偵役を演じたり、無意味にシャワーを浴びたり、何かに怯えてクローゼットの中でマナーモードになってたりする人ですね

第二章は探し物が見つかります。探してなくても見つかります。何故か?それこそが敵の罠だからです……

どこでどう見つかったのかとか、どんな罠があったのか、とかプレイングに書くと大体それっぽい事が起こるかもしれないんですって

ふっしぎー

第三章?影朧をぶん殴る簡単な推理タイムです

話を振れば殺人の動機とか語るっぽいんで、それをドラマティックに説得すると転生するかもしれないらしいですよ?
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第1章 日常 『怪奇な噂』

POW   :    歩いて情報収集したり、聞き込みをしたりする。

SPD   :    事件に関係ありそうな場所へ行ったり、新聞などで情報を集める。

WIZ   :    知恵や魔法を使い、推理する事で犯人を絞り込む。

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水島・可奈
いわくつきとか都市伝説とか、私が興味を示さないわけがないよ!気になる気になる!

都市伝説の正体を見に行こうと単独行動しつつ気になるところをメモしていく。【コミュ力】とか活かして他の人と合流したら情報共有しつつも、怪しいことがあれば追及してみたり物音がすればそっちに行ってみたりと知識欲のままに名探偵役でも演じてみる。

なに、大丈夫だって。いざとなったら私には銃があるし。お姉ちゃんに任せなさい!


セツナ・アネモネ
……OK。だいたいわかった……ミステリ物のモブっぽいことすればいいんだよね。

とりあえず、今回は拳銃だけ持ち込もうか。
屋敷は探索するけれど、その際は一人になるように。
もし誰かが居るなら「おっと、アタシに近づかないで貰おうか。悪いけど宝を誰かと分け合う気は無いんでね」……みたいな事を言いつつ拳銃をチラつかせるよ。
「あぁ……手がかりを見つけたら、アタシに報告した方がいいかもよ、誰だって痛いのは嫌だろうしね。」

……うん、こういうので良いんじゃない?密室で自殺に見せかけて殺されそうな感じ出てない?


テティス・ウルカヌス
「ふっふっふー。今回はサスペンスドラマの撮影ですね!
探偵役はこの天才美少女アイドルにして国民的スターのテティスちゃんにお任せくださいっ!」

建物は、まるで大正時代に建てられたかのようなデザイン。
本当に殺人事件が起こりそうな屋敷ですねー。
これは視聴率が稼げそうですよっ!

「それにしても、癖のある役ですか……
私、正統派アイドルの役は得意なんですけど、イロモノはできないんですよねー」

まあ、とりあえず、ここに来るまでに汗をかいたので、シャワーを浴びて出番に備えましょう。

「あっ、着替えを鞄に入れたままでしたっ!
鞄、どこに置きましたっけ?
探さないと……」

バスローブ姿で屋敷中を歩き回って、鞄がないか探しますね。



「いわくつきとか都市伝説とか、私が興味を示さないわけがないよ!気になる気になる!」
 興味本位で屋敷に踏み込んでしまった彼女の名は水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)。快活な彼女は、いつまでその笑顔を保っていられるのだろうか……。
「……OK。だいたいわかった……ミステリ物のモブっぽいことすればいいんだよね」
 呑み込みの早いクールビューティー、セツナ・アネモネ(記憶の果て・f04236)。そのジャケットの下にはオートマチック。探偵と言うより潜入捜査官ではなかろうか……。
「ふっふっふー。今回はサスペンスドラマの撮影ですね!探偵役はこの天才美少女アイドルにして国民的スターのテティスちゃんにお任せくださいっ!」
 もはや説明不要の馬k……もとい、特殊な病人、テティス・ウルカヌス(天然系自称アイドル・f12406)。やだもう前半二人的に上手く回りそうだったのに、こいつが現れた事で大惨事の気配しかしない!
「建物は、まるで大正時代に建てられたかのようなデザイン。本当に殺人事件が起こりそうな屋敷ですねー。これは視聴率が稼げそうですよっ!」
「ふん、お気楽なこった……」
 屋敷の前で目を輝かせているテティスに一瞥くれると、セツナは早速屋敷に踏み込んでいく。
「中は凄いね……」
 可奈が感嘆を漏らしたエントランスは吹き抜けになり、左右に廊下が繋がる大階段。どこへなりとも向かえそうなそこで、猟兵達は今宵の部屋の鍵を渡される……のだが、鍵を配る執事がなんか首傾げてた。
「何かおかしなことでもありましたか?」
「滅相もございません。ただ、本日のお客様はオペラ歌手や舞台作家と覗っておりました故……」
 本来の招待客と違うのが来たから疑問符を浮かべているのだろう。とは言え、招待状は本物。余計なことしなきゃバレる事は……。
「え、テティスちゃんの歌が聞きたいんですか?」
 違ぇえええええ!!
「それでは聞いてください、本日の為に書き下ろした……」
 このまま続くと記録に何も残らなくなるため、さっさと先に進んだセツナの方を見てみよう。
「おっと、アタシに近づかないで貰おうか。悪いけど宝を誰かと分け合う気は無いんでね」
「いやいや近づいたっていうか逃げた先にいただけだよ!?」
 なんでセツナと可奈が銃を向け合ってんだよ!?
「ふん、まぁいいさ」
 オートマチックとリボルバーでは装填数が違う。その差から一見セツナが優位に見えるが、シングルアクションの機構ゆえに、実は最初に手動装填の必要があるセツナは実質発砲できない状態……つまり、端から撃つつもりはなかったのだろう。そっと銃をホルスターに戻して背を向けた。
「あぁ……手がかりを見つけたら、アタシに報告した方がいいかもよ、誰だって痛いのは嫌だろうしね」
「あ、罠の話?心配してくれてるの?」
 ビビッて咄嗟に銃を構えていた可奈も武器を納めてトコトコ、セツナの後を着いていこうとすると、素早く眉間に銃口を突きつけられて。
「何かあったら情報寄越せって言ってるんだよ。察しが悪いなら、せめて頭の風通しくらいはよくしてやろうか?」
 舌打ちを残し、今度こそセツナは去っていく。
(……うん、こういうので良いんじゃない?密室で自殺に見せかけて殺されそうな感じ出てない?)
 その背中に、謎の達成感を纏いながら……。
「ビックリしたなー、もー……」
 一方、取り残された可奈はセツナとは違う道をてってこてってこ。
「あれ、なんでこんなところに……?」
 可奈が何かを見つけた頃、開幕早々やらかしてくれやがったテティスは既に自室に入っており。
「それにしても、癖のある役ですか……私、正統派アイドルの役は得意なんですけど、イロモノはできないんですよねー」
 しゃわー……歌い切って汗をかいたため、シャワータイム。ところでお前、仮にもアイドル名乗ってるなら、アイドル役が得意はねぇだろうよ、もはや役じゃなくて本業なんだから……。
「あれ?私の服がなくなってます!?」
 風呂から出るなり、盗難事件発生か、と思いきや。
「って、着替えを鞄に入れたままでしたっ!鞄、どこに置きましたっけ?」
 まさかのそもそも用意してなかったというオチ。
「探さないと……」
 バスローブ姿で部屋中探し回るテティスは、あろうことかそのまま部屋の外へ。そこで出くわしたのが。
「見つけました、泥棒さん!」
「違うよ!?」
 テティスの鞄を持った可奈である。
「今ここに置いてあったから持ち上げただけで……ていうか、歌ってた時にその場に置き忘れてたでしょ!?」
「あれ?テティスちゃんたらいっけなーい☆」
 テヘペロしてカバンの中から衣装を取り出すテティスだが、可奈が疑問符を投げつける。
「所で、なんでそんな格好で出てきたの?」
「お風呂から出たら、着る服がなかったからですよ」
「へー……ん?」
 ここで、可奈は違和感を覚えたのだが……。
「廊下のど真ん中で何やってんだい?」
 屋敷を巡って戻って来たセツナに声をかけられて、その思考は一旦遮断。
「ううん、何でもない!」
 疑問をしまいこみ、各々は再び散策へと散っていく……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

チトセ・シロガネ
呪われた屋敷なんて楽しそうなイベントネ。
事件といえば浴室、浴室といえばお色気イベントヨ。
とにかく浴室をリサーチするヨ!

それにボクは道に迷ってここまで歩いてきたから汗だくネ。
唐突だけど鼻歌を口ずさみつつシャワーを浴びたいヨ。
サービスイベントは重要ネ。

UC【絢爛乙女】の誘惑的な雰囲気を出しているせいかな。
妙に視線を感じるヨ……。さっきから覗いているエッチな視線はユー、ネッ!?

そんな感じでバスタオル一枚巻いて浴室から飛び出してみるネ。



「呪われた屋敷なんて楽しそうなイベントネ。事件といえば浴室、浴室といえばお色気イベントヨ。とにかく浴室をリサーチするヨ!」
 何がどうしてそんな連結を起こしてしまったのか、チトセ・シロガネ(チトセ・ザ・スターライト・f01698)は部屋に入るや否や速攻でシャワールームへ。
「道に迷って歩いて来たから汗だくネ……早速だけど、シャワー浴びたいヨ」
 転移させてもらったのに道に迷うって何して……って思ってたけど、そうね、入り口の目の前に音響兵器がいたら、そりゃー道に迷うくらい大回りしてくるしかないよね。
「やっぱりこの手の話にサービスイベントは重要ネ」(カメラ目線でウィンク)
 どっかに台本でもあるんだろうか……チトセはカメラが困らないように、具体的にはあーるじうはちな事になるのを避けるように、姿勢を低くすることなく服を脱いで、足元に落していく。ほら、ドラマとか見てたらあるやろ、アングルが低くて生足しか見えないけど、取りあえず全裸だって事だけは分かるやつ、あんな感じ。
「ふん、ふふんふふん、ふふふふんふふーん、ふふーん、ふふーん」
 鼻歌交じりにシャワーを浴びるチトセの髪が温かな流水に踊り、滑る雫が豊かな胸の谷間に沈み、落ちれば鍛えた腹部の筋肉、その繊維によって区切られたラインを駆け抜けていき、やがては鼠蹊部を伝って……。
「妙に視線を感じるヨ……」
 振り向きもせず、チトセはシャワーを浴びながらわずかに足首を捻る。
「さっきから覗いているエッチな視線はユー、ネッ!?」
 重心を回転させて素早く振り向き、バスタオルを引っ掴んで体の前面を隠しながらドアをけたたましく開けるが、そこに人の気配はない。
「アラ……気のせい、カシラ?」
 不思議そうに戻っていくチトセだが、果たして彼女は気づいただろうか……部屋に置かれた家具の配置が、微かにずれていた事に。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『誰そ彼の骨』

POW   :    物証から、真相を見つけだす

SPD   :    周辺の状況から、真相を見つけだす

WIZ   :    想像から、真相を見つけだす

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「あった……けど、これって……」
 それを見つけたのは、どの猟兵だっただろうか。宝の在処を突き止めた猟兵達。しかし、見つかったものは金銀財宝でもなければ歴史的価値があるものでもない。ただの……。
「人の……骨……?」
 そこで考え込むべきではなかった。そこで足を止めるべきではなかった。そこである事実を見落とすべきではなかった。人骨があるという事は、そこで死した者がいたという事。つまり……。
「ウッ……」
 突如作動した罠が、猟兵の命を刈り取っていく……。
(これ、いつまで倒れてればいいのかな……?)
 ような芝居をするターンですよ!!
水島・可奈
うーわ、完全におかしいよこれ。あの音響兵器はあの反応から考えて部屋の外に置くというようなドジはしないと思う……とすれば、カバンが勝手に移動したとしか思えない。それができるのは、マスターキーを持っている屋敷の人……それともまさかあの音響兵器は偽物……?それとも……とか考えつつ引き続き探偵役に努める。
何か違和感や物音がしたらそっちの方向に。知識欲のままに行けばお宝も見つかるだろうし、やもすれば敵の何かが見つかるかも……あ、でも罠があるんだっけ。それは【ダッシュ】【ジャンプ】でかわす。

んー、この手がかり……一応あの人や他の猟兵にも共有しておくか……またあんな銃の向け合いになったら嫌だし……


テティス・ウルカヌス
「さあ、いよいよ番号が盛り上がる殺人事件の被害者が見つかるシーンですね!
えーと、台本台本……」

って、ええっ!?
この私が被害者役なんですかっ!?(台本読んでなかったらしい)

「まあ、美少女が逆恨みされて殺されるとか、ありそうな展開ですもんね。
美少女も楽じゃないですね。ふふふっ♪」

天才美少女アイドルの演技力をみせてあげます。
華麗に殺されて見せましょうっ!

「さて、それではまず、衣装に着替えないと……」(まだバスローブ姿でうろついてたらしい

鞄から着替えの服と下着を取り出したところで、何者かに後ろから突き飛ばされ……

「きゃっ、きゃあああっ!」

階段を転がり落ちてバスローブ姿のまま気を失うのでした。



「うーわ、完全におかしいよこれ。あの音響兵器はあの反応から考えて、部屋の外に置くというようなドジはしないと思う……」
 不自然におかれた鞄を持ち主に返し、可奈は口元に手を添えて首を捻る。
「とすれば、鞄が勝手に移動したとしか思えない。それができるのは、マスターキーを持っている屋敷の人……それともまさかあの音響兵器は偽物……?」
「さあ、いよいよ番組が盛り上がる殺人事件の被害者が見つかるシーンですね!えーと、台本台本……」
 ジッと疑いの眼差しを向けた先で、テティスは鞄の中身をガサゴソ。
「ありました!……って、ええっ!?この私が被害者役なんですかっ!?」
「……それ台本じゃなくて椿さんからの指示書だって教えた方が……いや、変な事言ったら余計めんどくさくなりそう……」
 可奈が遠くを見つめたように、今回は猟兵は被害者を演じなければならない。割と本気で危ないのだが、それをスタント程度……いや、そう言う演技だとしか思ってないテティスはない胸を反らせて。
「まあ、美少女が逆恨みされて殺されるとか、ありそうな展開ですもんね。美少女も楽じゃないですね。ふふふっ♪」
 誰に向けたドヤ顔なのか知らないが、自慢げなテティスに呆れた可奈は状況を整理。
「あのバカさ加減からして、あの音響兵器は本物……じゃあ誰が鞄を移動したんだろ?出てきた様子からして部屋に鍵かけてなかったし、そう考えると誰でも入れるんだよな……」
 そもそも、テティスが鞄をエントランスに置きっぱなしにしていたため、執事が部屋の前まで運んだだけなのだが、幸か不幸か、この勘違いが調べるべき方向には向いていた。
「じゃあ、なんで鞄を外に出したんだろう?」
 そこが問題なのである。『何故』テティスの鞄が外にあったのか?いや、本来は違う問題があったんだけど、二人揃ってそっちには気づかないから鞄の方を問題にしてるだけなんだけどさ。
『私は気づきましたよ!』
 うるせぇお前は部隊に参加してないだろうが。
『あうぅ……』
 異次元からの声はさておき、可奈はテティスの部屋の中を調べ始めるのだが。
「さて、それではまず、衣装に着替えないと……」
 テティスが鞄から代えの下着と服を取り出したその時である。紺と水色のチェック柄のワンピースが、視界の端で揺れた。
「あ、私の服!」
 バッと振り向けばドアから人影が飛び出していく所であり。
「待ってくださいー!」
「え、今誰か……わっ!?」
 先ほどまでいなかったはずの、『第三者』。その登場に困惑しながら可奈は走るテティスの後を追っていく道中。
「いや待って、さすがにおかしい。仮にも私だって猟兵だもん、あの状況でもう一人誰かいたなら、部屋から飛び出す前に気づくはずだよね?」
 では、何故勘付く前に取り逃がしたのか?
「きゃっ、きゃあああっ!」
「しまった!?」
 思考の海に沈んでいる内に、距離を離されていたのだろう。さっきまで目の前にいたはずなのに、遠くから聞こえたテティスの声に可奈が走る。辿り着いた時には、テティスはエントランスの大階段の下で倒れており、頭を打ったのだろうか、その額には傷跡が……。
「?」
 緊急事態であるが、可奈は立ち止まる。
「何だろう、違和感が……」
 バスローブ姿のままピクリともしないテティスを見下ろして、可奈は疑問の渦に囚われた。何がおかしいのか、そこで眠ってしまったように動かないテティスを見つめていて、可奈の脳裏にある仮説と、テティスが何故『そのように』倒れているのか、二つが繋がる。
「んー、この手がかり……一応あの人や他の猟兵にも共有しておくか……またあんな銃の向け合いになったら嫌だし……」
 トン。
「え……?」
 ようやく何が起こったのかに行きついた可奈だったが、不意にその背中が突き飛ばされる。一瞬の浮遊感、続くは階段に倒れ込む事で転がる三半規管の暴走に、無数の角に全身を叩き付けられる鈍痛。
「しまった……まだ……」
 テティスの横に転がり落ちた可奈は、幾度となく頭を打った痛みにその意識を手放すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セツナ・アネモネ
……よし、それ採用。(潜入捜査官なんていいじゃんいいじゃん。とか考えて天の声にいいね!を心のなかで贈りつつ)
で、演技ね、演技……こほん。

これは……そう、そういうこと……早く報告しないと……(とかなんとかそれっぽいけど具体的な事は1つも言わない感じを醸し出してみる)

で、この辺でスマホ出して……電話を掛けようとしたら後ろから殴られたりするんだよね、うん。

まぁ、死にはしないし……派手に殺られたフリしてあげようじゃない。



「……よし、それ採用」
 いきなり『こっち』にビシッと指拳銃を向けてくるセツナ。
(潜入捜査官なんていいじゃんいいじゃん。SNSならいいね!をあげてるところだよ)
「ふ……」
 心の中では三頭身のミニセツナがドンチャカワイワイ騒いでテンションの上がりようを表しているのだが、実際のリアルセツナさんは壁に背を預け、腕組みしながら目を伏せて、鼻先だけで小さく笑う。
「……で、演技ね、演技……こほん」
 え、ちょ、今浸っててやるべきこと忘れてた!?
「これは……そう、そういうこと……」
 階段下で倒れた二人の猟兵を見下ろして、セツナは視線を研ぎ澄ますと、静かに歩き去っていった。
「速く報告しないと……これは、事前に聞いていたより厄介な事になりそうだ……」
 懐に手を入れようとして、やめた。角を曲がり、歩き、角を曲がり……グルグルと同じところを巡りながら、後方の気配に舌打ちを一つ。
「つけられてるね……」
 しかし、気配はあるのに、磨かれた花瓶や窓に映る背後を確認しても、そこに人影はない。
「どうなってるんだ……?」
 角を曲がった直後、Uターン。すぐに飛び出してみるが、背後にあった気配はなくなっており、伸びた廊下に敷かれた絨毯が彼女の道先を示し、その道標のように定期的に花瓶や絵画が飾られているだけ。
「……気味が悪いね」
 踵を返し、今度こそ懐に手を突っ込むとスマホを取り出し、コール。
「なんでこういう時っていつも繋がらな……」
 ゴッ!
「ッ……!?」
 鈍い音に続いて、後頭部に衝撃。遅れてじわりと広がる痛みに、背後から鈍器で殴られたのだと気づくが、既に指先まで不意打ちによる痺れを感じ始めており、セツナの体はゆっくりと倒れていく……。
「クソッ!一体どこに……」
 絨毯の上で首を捻り、下手人のツラを拝もうとするセツナだが……そこには誰もいなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

一郷・亞衿(サポート)
廃墟探索中に呪われ、その結果として力を得た猟兵です。独自に開発した混沌魔術や呪詛を纏わせたカッターナイフ、金属バット等の道具を用いて戦います。
各種オカルト話を好みますが、UDC怪物やオブリビオンに対しては基本的に容赦しません。
外見特徴として、マスクで常時顔を隠しています。

一人称は「あたし」。
年下~同年代にはくだけた感じの口調で話し、年上や偉い人には敬語(さん付け、ですます口調)を使います。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使いますが、寿命が減るタイプの物はタイミングを見計らい極力短時間の使用で済ませるようにしています。
軽口を叩いたりもしますが、戦闘時は真面目に役割を果たそうとするタイプです。



「いわくつきの館にー、怪奇現象のオマケつきー」
 クルクルと、手の中でカッターナイフを回す一郷・亞衿(奇譚綴り・f00351)。目元から下をマスクに包み、足取り軽く長い廊下を歩く彼女は、幸か不幸かオカルト好き。何が出てくるのだろうかと、リズミカルな歩調を刻む亞衿だが、顔が半分見えない上に、うすら寒い物を感じさせるナイフを弄ぶ彼女の姿は、傍から見たらむしろ彼女こそが諸悪の根源であるかのように見えた事だろう。
「はってさって何がー、でっるのっかなー」
 ピタと、上機嫌だった亞衿が足を止める。振り向けば、今まで歩いて来た廊下が伸びるだけ。
「……隠れるところなんて、ないよね」
 小首を傾げ、ふと背中に感じた視線に疑問を浮かべる。
「これはあれかな?気が付いたら背後に立ってる的な?」
 その手の都市伝説に後をつけられているのかと、もしそうなら危機的状況だというのに、亞衿は通いなれた散歩道を行くように、廊下をズンズン進んでいく。
「だーるーまーさーんーがー……転んだ!」
 バッと振り向く、シンと静まり返る。
「……いないなー」
 向き直り、掛け声に合わせて歩幅を伸ばし。
「だーるーまーさーんー、がっ!」
 不意打ちで振り返るが、後ろに続く者はいない。
「透明人間?」
 いや、それはない。自らの経験がそう告げる。
「もしそうなら、さっさと真正面から殴りに来ればいいもんね」
 犠牲になった猟兵達は、皆『背後から』襲われている。だが、手練れの猟兵がそうも容易く背後を取られるだろうか?
「あ、もしかして転移してくる系?それはそれでありがちだけど……」
 じー。回れ右して後ろを眺め、後退る様に前進を始めた時だった。
「あだっ!?」
 後頭部に衝撃。後ろに居たのであろう何者かに向き合っていたはずが、やはり背後からの一撃が亞衿の頭蓋を揺らす。
「えー……オカルトっていうより……ミステリーじゃん……」
 都市伝説とは、誰かが目撃して情報を広げる事で成り立つモノである。姿を見せる事のなかった下手人に不満を溢しながら、亞衿は意識を手放す『フリ』をするのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『若くしてこの世を去った文人』

POW   :    草案『帝都の内乱と男女の悲恋を描いた架空戦記』
戦闘用の、自身と同じ強さの【刀と銃を持ち【先制攻撃】に優れた青年将校】と【【誘惑】と【優しさ】を振り撒く遊女】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD   :    短編集『付喪神奇譚』
自身からレベルm半径内の無機物を【『錬成カミヤドリ』が使える即席ヤドリガミ】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
WIZ   :    未完『暴走シベリア特急殺人事件』
レベル×5本の【暴走】属性の【ブレーキを破壊された蒸気機関車】を放つ。
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「いやおかしいでしょうよコレェ!!」
 猟兵達が全滅(仮)した事で、影朧が姿を見せた。片手に本を開き、逆の手で筆を握りしめた彼は開口一番叫びながら。
「なんで誰もトリックに触れないのさ!?あちこちにヒントをばら撒いておいたのに!!」
 などと吼えてはいるものの、それが分かりにくいから文豪になる前にこの世を去る羽目になったんだろうなーって察した猟兵達が、むくり。
「……えっ」
 呆気にとられた影朧が、ポカンと動きを止めた。ぶん殴るなら今だぞお前ら!!
テティス・ウルカヌス
「はっ、私は一体!」

いつの間にか気絶しちゃってたみたいですね。
慌てて立ち上がり、バスローブの裾を直します。

そして目の前にはペンとノートを持った作家みたいな人!

「なるほど、この天才美少女アイドルにして国民的スタアであるテティスちゃんを取材にきた作家さんですね!」

内容は、テティスちゃんが国民的スタアへと登り詰めた半生を記したノンフィクションでしょうか。
それともテティスちゃんが今後、世界的スタアへと成長していく物語でしょうか。

「さあ、このテティスちゃんに何でも聞いてくださいっ!
……あっ」

ついうっかり躓いて、作家さんの方に倒れ込んで……

「きゃあああっ!」

思わず右ストレートを放ってしまうのでした。てへ。



「はっ、私は一体!」
 影朧が姿を見せた騒ぎで目を覚ました、唯一(かもしれない)芝居ぬきで気絶してたテティス。なにが問題って、他の猟兵は奴が今回の黒幕だって分かってるんだけど、今の今まで寝てたテティスには、この時代の新聞記者か雑誌編集者に見えてしまったのだろう。
「なるほど、この天才美少女アイドルにして国民的スタアであるテティスちゃんを取材にきた作家さんですね!」
 この反応である。
「え、なにあの人……そうか、噂のバァチャルキャラクタァなる人々だね、これは面倒だ!」
 ただでさえ影朧とて、死んだと思ってた連中が起き上がって驚いていたのに、目の前の少女が慌てて立ち上がり、バスローブの裾を直して髪を梳き払い、佇まいを正して促すような視線を向けてくる。
 どうみても命のやりとりをする空気ではないその様子から、彼女は自分の状況(自分を殺そうとした相手と向き合っている)が分かっていないと察した。しかし自分は盛大にトリックがどうとか叫んでいたのだ、まさか自分が裏で糸を引いていた事がバレないはずがない。つまり……。
「自らをスタァと思い込み……いや、そのように『設定』されていて、現実に飛び出した今、それが架空の人生に過ぎないと分からないんだね!」
 などと哀れみの目を向ける影朧だが、とんでもない見当違いである。どっちかというと、あり得ないであろう『まさか』の方。
「ふっふっふ、このテティスちゃんのバスローブ姿に見惚れて動けないようですね……」
 このバk……こほん。テティスは姿を見せた敵を一般人だと思い込んでいた!
「ならば仕方ありません、こちらから出迎えて差し上げましょう」
 調子に乗っているらしく、口調を一々物静かな大人風にする辺り、既に盛大にやらかす気配しかない。テティス耐性の技能をお持ちの方なら、もうオチはグリモア無しでも分かるのではなかろうか。
「企画内容は、テティスちゃんが国民的スタアへと登り詰めた半生を記したノンフィクションでしょうか。それともテティスちゃんが今後、世界的スタアへと成長していく物語でしょうか……さぁ、何を聞きたいですか!?」
「油断しているなら好都合……今度こそ死んでくれたまえ!」
 階段を登ってくるテティスに向けて、将校と遊女の亡霊を呼び出し、一目に手練れと分かる将校が、素早くテティスの眉間に銃口を合わせて引き金を引いた……これがまー、常識的な猟兵相手なら、即死はせずとも致命的一撃になるところなんですがね?
「っきゃー!?」
 テティスの場合はバスローブの裾を階段と自分の足で挟み、つんのめったせいで弾丸が後頭部を掠めて素通り。
「しかし、ランウェイを歩く練習をしてきたテティスちゃんは、このくらいのハプニングは想定済みなのです!」
 ランウェイ歩くならハプニングは致命的であり、それを想定してる時点でアウトなのだがその辺は置いといて。
「前を向いて、姿勢を正せば……」
 転ばなかったが、青年将校と目があった。
「きゃー!?」
「どぅっふ!?」
 もはやお約束、男性が苦手過ぎるあまりに飛び出す右ストレートが直撃!殴り飛ばされた将校がカッパと衝突、亡霊達が消えてしまう。
「くっ、僕とした事が油断し……」
 ただまー、裾踏んづけたバスローブで、思いっきり腕を振り抜くような真似したら、そっちに引っ張られるよね?つまり何が言いたいかっていうと、まぁ、はい。フロントがフルオープンなわけですよ。
「き……」
 ブワッ、真っ赤に染まったテティスが、左足を踏み込み。
「きゃぁああああ!」
「へぶっ!?」
 右回し蹴りが影朧の頬をすぱぁん!!
「忘れてくだーい!!」
「ちょ、お皿はらめぇええええ!?」
 さらに掲げられる足に、素早く頭を抱える影朧。しかし、抵抗虚しく手の上から振り下ろされた踵落としに、何かが砕ける音がしたとかしなかったとか……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セツナ・アネモネ
(ヒント……?って顔をする)

……あー、トリックはアンタの口から全部語ってもらうとして。
アタシが後ろから殴られたくらいで死ぬわけ無いじゃない……ちゃんと殺しなよ。(よくわからない説教を始める)
そんなんじゃ、実は生きてた被害者に全部話されて名探偵の前で独白始めるハメになるよ、アンタ……

さて、覚悟はいいかい?(機関銃を構え……ようとして、拳銃しか持ってきてないことを思い出す)
……まぁいいか。右拳だけで充分!

後にも残しておかなきゃいけないからね……このくらいで勘弁しておいてあげるよ。



(ヒント……?)
 セツナは首を傾げた。割とそこら中に散らばっていたんだが、どうやら彼女は一つも気づかなかったらしい。
「……あー、トリックはアンタの口から全部語ってもらうとして。アタシが後ろから殴られたくらいで死ぬわけ無いじゃない……ちゃんと殺しなよ」
「それ被害者側がいう台詞かい!?」
 影朧がツッコむのも最もだが、セツナは戦場において自身の命ですら、一つの駒と考える。自身がダンピールである故か、はたまた記憶がないせいか、生きる事への執着が薄く……。
「そんなんじゃ、実は生きてた被害者に全部話されて、名探偵の前で独白始めるハメになるよ、アンタ……」
 違ったー!?これ完全にただの説教だわ!個人的な部分全く関係ねぇ!?
「さて、覚悟はいいかい?」
 言うだけ言ったセツナの気配が変わり、彼女が臨戦態勢に入ったと察した影朧は周囲に蒸気を吐き始めるが、セツナの方はパンパンと自分の尻を叩いて首を傾げた。
「……あれ?」
 腰のホルダーに提げているはずの、二挺の機関銃がない。そこで記憶を遡ること約三十分。
『……OK。だいたいわかった……ミステリ物のモブっぽいことすればいいんだよね』
 ジャケットの下に拳銃を隠し、普段携行している機関銃はどうしても隠し切れない関係上、突入前に置いていくことにした……っていう事を忘れてましたね?
「……まぁいいか。右拳だけで十分!」
「武器を忘れたのか君は!?」
 あえて隠し持っている拳銃すら抜かず、拳を握り込むセツナ目がけて、呼び出されるのは暴走列車。ただ直進するだけの金属の塊など、猟兵の敵ではないが。
「躱すのは難しそうだね……」
 建物の中という限られた空間に蒸気機関車が突っ込めば、そもそも避ける為の空白がない。
「今度こそ、死ねばいいと思うよ!!」
 嘲笑う影朧を前に、セツナの指先が黒く変色。虚空から引き出すのは機関銃ともども置いて来たはずの愛剣。鍔が心臓の如く脈打つそれを逆手に構え、刃の腹に背を預けるように列車を受け火花を散らしながらいなし、車体に刃を滑らせながら肉薄すると、その得物すら投げ捨てた。
「後にも残しておかなきゃいけないからね……」
「くぁっぱ!?」
 鳩尾に深々と突き刺さる拳が、その体を浮かせて。
「このくらいで勘弁しておいてあげるよ」
 振り抜いた拳が影朧の体を吹き飛ばし、壁に叩き付けてしまう。脱力して崩れ落ちる影朧に背を向けて、セツナは列車との接触で乱れた髪をそっと撫で払うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オブシダン・ソード(サポート)
やあ、君。そろそろよく斬れる剣が必要じゃないかい?

誰かに振るわれることを望む、剣のヤドリガミ
自分の器物を持った者を優先し、極力手を貸すように振舞う

●行動
さあ行こうか、相棒

猟兵やNPCに武器として協力するよ
使い手の攻撃に合わせてユーベルコードを発動し、ぶった斬るのがメイン
そのためにも、相棒の死角からの攻撃に警句を飛ばしたり、応援したり、軽口で鼓舞したりしてあげるね
後ろからくるよ、とか
さすがだねえ、今のは良かった!とか
まあそんな感じだよがんばれがんばれー

状況的に人手が必要なら、人間体としても活動するよ
誰かを庇ったり、炎の魔法で攻撃したり
武器が欲しければUCで剣を複製
そういうこともできるのさ、一応ね



「やあ、君。そろそろよく斬れる剣が必要じゃないかい?」
 ザシュッ、ブシャー。
「いっだぁあああ!?」
 突如虚空から現れたオブシダン・ソード(黒耀石の剣・f00250)が影朧の脳天を直撃!突き刺さって血の噴水を上げさせた!!
「さぁ、踊ろうか、相棒」
 自在に浮遊する意思持つ剣は、紺の着物に黒地に赤で青海波を広げた上着を纏い、フードで顔を隠した優男の幻影を作り出す。自身の本体を幻影に握らせて、舞うように、あるいは弄ぶように、手首の動きだけで優雅に刃を躍らせて、血飛沫を巻き上げながら影朧を壁際へと追い詰めていく。
「ほら、どうしたんだい、相棒?何か手があるんだろう?」
「相棒相棒って……僕を馬鹿にしているのか!?」
 壁から飛び出して来たのは暴走列車。蒸気を噴き上げ車輪を回す鉄の箱を前に、フードの下で男は笑う。
「いいね、狭い場所では躱しようがない。素晴らしい判断だ」
 されど一閃、斬り払う斬撃は炎を纏い、飛来した剣筋は蒸気機関を斬り捨て、オブシダンを中心にして左右に割れていく。走り抜け、二台に増えた蒸気機関は己が熱で爆ぜ、熱風が男の背にある空と夕日の組紐を揺らした。
「くそ、どこまでも馬鹿にしやがって……!」
「馬鹿になんてしていないさ。むしろ、共感している」
 カツリ、カツリ、高足下駄のようなブーツの足音が迫る。
「僕と君は実によく似ている。お互い、誰かに必要とされることに価値があるのだから」
「何……?」
 歯噛みする影朧を見下ろして、覗くフードの下で微かに浮かぶは微笑み。
「僕は剣だ。使い手がいて、振るう剣士がいて、誰かを守ろうとする戦士がいて、初めて価値が生まれる。そして君は作家だ。評価する編集者がいて、求める読者がいて、愛するファンがいて、初めて価値を手にすることができる」
 な、似ているだろう?などと、本体か、はたまたそれを握る幻影か、笑いながら黒曜石の刃が振り上げられて。
「だから相棒、君は、僕が直接斬るとしよう」
 漆黒の刃を、真紅の血が濡らしていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

水島・可奈
気絶をトリガーにUCで強制的に真の姿(暴走)に。起き上がりながら文豪を睨みつける。
即席ヤドリガミは出来上がったその場で随時撃破。登場人物はこれ以上はいらないよ。

このストーリーを書いたのは君?じゃあ誰に変装していたのかな?ノックスの十戒その1…犯人は物語の当初に登場していなければならない!こういうルールの違反は文豪の君には気になるでしょ?
なーんて言っといて文豪から自分が犯人だってポロっと出たところで、「あなたを犯人です、天の裁きだ!」って浄化の魔力光を思いっきり浴びせるよ。

こうして事件は犯人死亡で無事迷宮入り!お姉ちゃんに任せてよかったね!(んなわけない)



「く、つき合ってられるか……!」
 殴り飛ばされ、斬り捨てられ、満身創痍の影朧が逃げ出した。這う這うの体で逃走を図る彼が見たのは、今なお倒れたままの可奈。
「まずい、流れ的にあいつも死んだふりしてるだけだ、下手に近づいて狙われたら……」
 だが、同時にもう一つの選択肢……気づかれる前に仕留めるという道が、脳裏をよぎるが。
「いや、やめておこう」
 下手に手を出し、補足されしまえば正直逃げ切る自信はない。故に。
「保険くらいはかけておくか……」
 廊下に並べられた無数の調度品。それらをヤドリガミへと変成させて、護衛代わりに周囲に展開させた時だった。
「なっ!?」
 雷撃。駆け抜けた紫電がヤドリガミを消し炭に変えて、周囲に稲光を走らせる可奈の体が浮かび上がると、彼女の身を包んでいた紫黒の衣服が白いドレスへ様相を変えて、快活なショートヘアは腰下まで伸びていく。その背に二対の翼を広げて浮遊する可奈の瞳は虚、理性を失い本能を晒す視線のまま、影朧を見据えた。
「このストーリーを書いたのは君?じゃあ誰に変装していたのかな?」
「変装?馬鹿か君は、僕はずっと隠れて……」
 不定なる雷が球体という明確な姿をもって、影朧の足元を焼き、突然の一撃に腰を抜かした犯人は崩れ落ちてしまう。
「ノックスの十戒その一……犯人は物語の当初に登場していなければならない!こういうルールの違反は文豪の君には気になるでしょ?」
「え、何それ初耳……犯人は隠れている物だろう?ばれたら捕まるんだから」
 時代的に知らなかったらしい影朧に、光球が飛来して取り囲む。
「しまっ……」
「つまり、犯人だから、隠れていたと?」
「そう言ったじゃないか!?」
 ガクブルする影朧を、可奈の指先が示し、全ての終わりを記す一言を告げた。
「あなたを犯人です、天の裁きだ!」
「え、これそういう流れ……ぎゃぁあああ!?」
 取り囲んだ球体から放たれるは浄化の光。過去の影を照らし、過ぎ去りし日々へと送り帰すもの……なんだろうけど、ちょっと火力高くない?
「大丈夫、お姉さんに任せなさい!」
 虚ろ目状態でやたら自信満々なんですけど……光が消えた後には、何も残っておらず。
「よし、完璧!」
 どこが!?
「こうして事件は犯人死亡で無事迷宮入り!お姉ちゃんに任せてよかったね!」
 駄目だこの娘完全に暴走してる……でも一応影朧は倒したからね!解決はしたからね!!ところでこの可奈ちゃんはどうやって止めるんですかね……?

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年12月18日


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#サクラミラージュ


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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は雛月・朔です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト