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儚き希望は絶望を引き立てて

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●偽りの希望
 闇が支配する暗黒世界の冬。
 小さな小屋ながら暖炉はあった。
 しかしそこへくべる焚き木など無く、隙間風が吹き込む。
 下手をすれば命を奪いかねない寒さを凌ぐべく、薄いボロ布を纏っただけの凍える身を寄せ合い一様に項垂れ俯く女性達。
 そこへローブを纏った者達が近づく。
 全員がフードを深く被っており、その表情は読み取れない。
「この世界に生きる力無き者達よ、聴きなさい」
 女性達は突然の来訪者に怯え強張らせたが、その声で女性だと知るとほっと息を付く。
 衣服と呼ぶには憚れるボロ布で覆い切れぬ手足には、痛々しい青痣が見られる。
 命こそ奪われずとも、暴力に晒されたのだろう。

「可哀想に。闇の世界にもたらされる僅かな食糧、恵みすら、人間同士が奪い合う……悲しい事です」
 傷付いた女性の手を取ったローブの女性の手にも、痛々しい傷が無数に刻まれている。
 彼女達も私達と同じ虐げられた者なのだろうか。
 そう考えた女性達から、警戒心が解けていくのを感じた。
「同じ痛苦を味わった者として、そして我らが救世主に救われた者として」
「暖かい住まい、温かい食事、清潔な服……それら全てを我らが主が提供して下さります」
「この苦しみに満ちた世界から、貴女達を救済します。さぁ、私達と共に、救世主様の元へ参りましょう」
 ローブの女性達は微笑む。
 フードの影の中で昏く濁ったその瞳で。


「皆様、お集まりいただきありがとうございます。私の名はソフィーヤ・ユリエヴァ。今回皆様を補佐させていただくグリモア猟兵です」
 募集を見て集まった猟兵達へ、ソフィーヤがぺこりとお辞儀する。
「苦しむ民衆に救済を与える……などというお題目で、女性達をかどわかす教団の存在を予知しました」
 救済が真実であれば良いことだろうが、ソフィーヤの言葉選びと表情からしてそれは偽りなのは間違いない。

「哀しい事に、それはオブリビオンの信奉者による甘言ですの。女性ヴァンパイア、吸血姫によって命尽きるまで拷問され慰み者となるか、新たな下僕となるか、ですの」
 ふるふると首を振ったソフィーヤの黒百合の髪飾りが揺れる。
 ヴァンパイアに支配された暗黒世界における希望は、決して安いものではない。
「しかしそれが偽りの鬼火だとしても、光に縋ってしまうのは人の性……いいえ、この世界に希望が存在すると諦めていないからこそなのだと、私は思いますわ」
 『そんなものありはしない』と、絶望してしまった者ならば希望という餌をちらつかされようと手を伸ばしもしないだろう。

「それでは、今回の3つの目的です」
 ソフィーヤは握った拳を示し、その指を1本ずつ立てる。
「1つ、運ばれる女性達の救出と教団員の確保。教団内部への潜入し、居城の特定。そして、女性達の精神的ケアをお願いします。……できれば、教団員達も」
 勧誘された女性達は各地から馬車で輸送されるようだ。
 教団員はオブリビオンの拷問によって心を折られ、洗脳されている。
 阻めば刃向かってくるだろうが、戦闘力は皆無と言っていい。
 当座を凌ぐ程度の物資は、此方で用意できる。
 そしてそれと同等に必要なのは心のケアであり、必要なのは教団員も同じだ。
 意志薄弱な彼女達は、確保した後は素直に従うだろう。
「2つ、場所を特定した後、ヴァンパイアの居城への強襲、及び番犬の排除です」
 城の中を徘徊しているのは暗闇の獣。
 低位のオブリビオンとしては戦闘力は高いものの、知性は低い。
 連携して対応すれば容易だろう。
「3つ、護衛を突破した後は、本命であるボス級オブリビオンの撃破です」
 その名は『嗜虐の吸血姫』カルマリア。
 通り名の通り、痛めつけ嬲る事を好むサディスティックなヴァンパイアだ。
 抵抗しない弱者でも、反抗する敵対者でも構わない。
 オブリビオンとしての固体差か、特に女性を嬲る事を好むようだ。
 そしてその悦楽の追及は、戦況や形勢を度外視する。
 弱弱しく振る舞うか、より強気に振る舞って嗜虐心を誘えば、釣れる可能性は高い。
「皆様の手で本当の希望を示して、どうか彼女達を吸血姫の魔の手と支配から救ってくださいまし」
 最後まで聞いてくれた猟兵達へとソフィーヤは深くお辞儀した。


アマガエル
 やや百合風味かもしれません。
 3つ目のシナリオとなります。アマガエルと申します。
 1章は救出と確保、潜入や、精神ケアを行う『冒険』。
 2章はヴァンパイアの居城を守る番犬を倒す『集団戦』。
 3章は救世主を騙るヴァンパイアと決着を付ける『ボス戦』。

 1章での対応は3つありますが、PCが一人も選ばなかった場合でも、章進行はつつがなく進みます。女性や教団員を確保した後の決め打ちプレイングでも問題ありません。
 それでは皆様の救いあるプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『偽りの救世主』

POW   :    教団の誘拐現場を押さえ、拉致されそうになった一般人を救出する

SPD   :    変装や言いくるめ、忍び足などの手段で教団内部に潜入し調査する

WIZ   :    洗脳された人々に説得を試み、精神的な呪縛を解く

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

セシリア・サヴェージ
「希望を餌に罪なき女性たちをかどわかすとは…到底許せませんね」

まずはこれ以上の被害が出ないように誘拐現場に乗りこみ、教団員の確保及び女性たちの救出が先決でしょう。
取り押さえた教団員に尋問すれば居城の位置などの有益な情報が得られるかもしれませんね。少々強引ですが、恫喝等の手段も辞さない構えです。
しかし、教団員たちも本来は罪なき女性…このような手段を取るのは心苦しいですが、彼女たちの心のケアは他の猟兵の方にお任せして私は私が成すべきことをするだけです。



「希望を餌に罪なき女性たちをかどわかすとは……到底許せませんね」
 教団員の確保と女性達の救出が先決と考えたセシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)は、これ以上の被害が出ないように各地で起こりそうな誘拐現場としていくつか候補に挙げられた一つに乗り込んだ。
「そこまでだ。お前達の語る言葉は全て偽りだ!」
 暗黒の鎧に身を包んだセシリアが凛とした騎士然として高らかに声をあげる。
「我らの言葉を疑うのですか」
「我らが救世主の意に、逆らうのですか」
 暴力の気配に怯えて身を縮ませる女性達に申し訳なく思いながらも、今は優先すべき事に集中する。
「お前達が束になろうと、私には敵わない。それでも挑むのであれば容赦はしない」
 セシリアは眼光鋭く恫喝する。
 しかしローブの女性達は怯んだ素振りを見せず、襲い掛かってくる。
「(この人達も、本来は罪無き女性……傷付ける事は本位ではありませんが……致し方ありません)」
 心苦しく思いながらも、素人同然の攻撃を素手でいなして手刀を叩き込み意識を刈り取る。
 一対三でも、相手は洗脳されただけのただの非力な女性。
 セシリアにとって物の数ではなかった。
「申し訳ありません、この場を騒がせました」
「……やっぱり、救いなど、ないのですね……」
 教団員の言葉を少なからず信じた女性達は、項垂れる。
 セシリアは彼女達になんと言葉を掛けるべきか迷い、しかし自分の為すべきことを定義する。
「僅かながら、食糧と衣服なら提供できます。見返りはいりません。迷惑料と思って下されば結構です」
「……ああ、ありがとうございます、騎士様……ありがとうございます……」
 明らかに飢えた様子の女性達は懸命にセシリアへと礼をする。
 取り押さえた教団員を連れて、立ち去る。

「ヴァンパイアの居城はどこですか。正直に答えなさい」
「……わかりません」
 セシリアは場所を変えて捕えた教団員へ問いかける。
 脅すまでもなく淡々と質問に答えた。
「わからない? それはどういうことですか?」
「……来る者を惑わす、呪いが掛けられています」
 何らかの魔法か。では。
「ならばどうやって城に入るのですか?」
「……他のグループが持つ割符を合わせれば、入り口を知ることができます」
 女性の持ち物を探り、割符らしきものを見つけた。
 何かの模様が描かれた、パズルのピースのような木片だ。
「貴女達は、私の仲間へ引き渡します。決して悪いようにはしません」
 女性は力無く項垂れ、答えない。
 しかしこれならば抵抗する事もないだろう。
「必要なものは割符……あとは、他の方達と合流ですね」
 セシリアは手に入れた情報を他の猟兵へ繋ぐべく、合流地点へ向かった。

成功 🔵​🔵​🔴​

雛菊・璃奈
身体を完全に隠せるくらいの大きさのフード付きのボロのマントを被って装備を隠すと共に、自身も被害者の対象女性らしく外見を見せる。

人目に付かない路地裏や人通りの少ない場所等、誘拐に適していそうな場所とそれに該当しそうな人物がいないか軽く調べた後、教団員が誘拐しようとした現場を取り押さえる…。

狐火の1~2使用で対象の女性を守る様に展。残りの狐火を自身の周囲に展開して団員を威圧。向かってくる様なら峰撃ちするか、狐火を足元にぶつける等で示威行為。
敵の居城の場所や構造等、連れていかれた結果を誘拐しようとした女性に説明させた後、当座の物資を渡し、必ず吸血鬼を倒してみんなを解放する、と手を握って約束する。



身体をすっぽりと覆い、フードを被ってボロのマントを羽織った雛菊・璃奈(魔剣の巫女・f04218)が路地裏を歩く。
 人目につかない場所、人通りの少ない場所に当たりを付ける。
 自らが囮になることも考えた一人歩きだが、引っかかる様子はない。
 しかし、一通り目星がついた。
 様々な危険から身を守る為に女性が集まる寄り合い所帯を一つ見つけた。
「貴女みたいな可愛い子が一人歩きなんて、危険よ?」
 というよりも、璃奈が身体を隠しながらも女性らしい特徴を隠さずうろつく様子を心配した女性に声を掛けられた。
「見ない顔だが流れもんかい? ならウチらんとこに来なよ。何もないが女同士纏まってりゃバカな男共も寄り付かないさ」
「ん……ありがとう……」
 璃奈は向けられる好意に戸惑いながらも、恐らく勧誘しにくるならここだろうと、当たりを付ける。
 何故か歓迎ムードでやいのやいのと構われていると、言い争う声が聞こえて来た。

「いやっ、離してッ!」
「そこまでだよ、誘拐犯……!」
 二人のローブの教団員に、女性が両脇を押さえられていた。
 すぐさま駆けつけて璃奈は二人の教団員に威嚇の狐火を放つ。
 同時に女性と自身の周囲に展開した狐火を浮かべ、いつでも狙い撃てるように威圧する。
「心外ですね。私達はただ、偉大なる救世主様の元へ、貴女達を導き救いたいだけです」
「余計なお世話……って、断ったら……?」
「より真摯に、説明するまでです。強引な手を使ってでも私達の教団へお連れした上で」
「……それを誘拐、って言う……!」
 続けざまに2発。直撃コースから足元へ落とし、マントから取り出した刀で峰打ちを放つ。
 一人を昏倒させ、もう一人は意識を刈り取らない程度に手加減して。
 相手はただの人間。それだけで十分だ。
「連れていかれた結果……どうなるか、貴女の口から説明して……」
 璃奈は倒れた教団員へ、刀を向けて要求する。
「温かい食事と、柔らかな寝床と、清潔な衣服が提供されます」
「それだけじゃない、でしょう……?」
 より切っ先を突きつけ、追及する。
「代わりに、主様を満足させる事を求められます。……命を賭した、悲鳴と絶叫にて」
「吸血鬼の居城の居場所や、城の構造については……?」
「知りません」
「隠し事は、ためにならない……」
 更に切っ先を向け薄皮を切っ先で斬る。
 しかし、教団員は首を差し出した。
「殺すなら、お願いします。……そうすれば楽になれます」
 忠義を尽くしているようにも見えない。本当に知らないようだ。
「殺さない。貴女達も、要救助対象……」
 刀を鞘に納める。
「この人達の面倒、見てあげて……当座の食糧は渡す……」
「そりゃ構わないけど、あんたはどうするんだい?」
「吸血鬼を倒す……」
 無表情でなんてことのないように言う璃奈に、女性はぽかんとした表情を浮かべる。
「ははっ、そりゃいい。そんな事が出来たら……どんなにいいかねぇ」
「ん……必ず倒す……」
 希望的観測を言う女性に、なんてことの無いように、頷く。
 表情が一切変わらない璃奈の真意は読み取りずらい。しかし冗談などではなく――。
「参った、こりゃ本気みたいだね。あんた、何者だい?」
「雛菊・璃奈。今は、猟兵……」
 短く、誇りを持って、その名を名乗った。

成功 🔵​🔵​🔴​

カルティーチェ・ルイナ
アドリブ絡みOKです!

教団に誘拐された人も来るなら先に行ってたら良いじゃない!
教団の正面に立って勇気と誘因の旗印を展開、大きな旗をはためかせ大きな声で
「助けに来ました!まだ大丈夫、悪い吸血鬼と一緒にいたらいけません!」

注意を引いたら潜入する人もやり易くなると思うので、存在感を出し教団の人をおびき寄せます。
旗は背中に取り付け動きやすく。
教団の人達も守るべき対象【絶対防御反応】で攻撃せず疲れるのをじっくり待ちます。
四方八方からの攻撃を凌ぎきる自信はあまりないけど、痛いのには強いし痛すぎるようだったらお薬も飲んで和らげます。
落ち着いたら彼女らの手を取って【差し出された救済の手】で癒して上げたいです。



猟兵が見つけた教団の支部一つ。
 その正面入り口に堂々と立って、はためく大きな旗――勇気と誘因の旗印を背に取り付けた小さな少女が大きな声を張り上げ

る。
 カルティーチェ・ルイナ(自己犠牲の悦楽を知る者・f10772)だ。
「助けに来ました! まだ大丈夫、悪い吸血鬼と一緒にいたらいけません!」
 小さな身体で存在感を精一杯アピールしながら、教団員を誘き寄せる為に注意を引き付ける。
「悪い、吸血鬼ですか。私達が仰ぐ救世主様の事を仰っているのですか」
「その通りです! 貴女達の企みは、全て知っています!」
「その放言は許し難いもの。今すぐここから立ち去りなさい」
「いいえ! 決して引きません!」
「ならば力ずくです」
 これ以上の問答無用と、やり取りの最中に集まってきた3人の教団員がカルティーチェへ襲い掛かる。
 カルティーチェは身体を木の杖で打ち据えられていく。
 何度も。何度も。何度も。機械的に振るわれるその暴力を。
 耐える。耐える。耐える。ただひたすらに、一心不乱に。
「はぁ、はぁ……」
 痛みによるものか、それを起因とする快感によるものか。
 息を荒げながらも、カルティーチェは決してその場から動かない。
「なぜ。反撃しないのですか」
 やがて、杖で打ち据えられる幼い少女へと教団員は問う。
 カルティーチェの姿が、まるで刃向かうことができない暴力に耐える『誰か(じぶん)』に見えたのかもしれない。
 あるいは自分達の行いが、無抵抗の力無き者へ振るう一方的な暴力と同じだと思ったのか。
 はたまた別の何かなのか。カルティーチェには計り得ない。
 けれど、その問いへの答えは、簡単だった。
「だって……貴女達も守るべき対象ですから」
 カルティーチェは満面の笑みで微笑む。
 杖を振り上げたまま固まった教団員の袖がめくれ、傷痕を覗かせる。
 打ち身、切り傷、刺し傷。治り掛けのものもあれば、数日前に受けたばかりと思えるものもあった。
「ほら……私より、貴女達の方が、もっと傷付いてるじゃないですか」
 カルティーチェは警戒態勢を解く。
 何度打ち据えられても不動だった少女は、代わりに一歩踏み出して振り上げた腕へ手を差し伸べる。
「普通の人は、痛いのはとても辛くて苦しくて……いっぱいになるでしょう?
 だから、そういうのは私だけでいいんです」
 カルティーチェは微笑み、その手に聖者の光を灯す。
 暖かく優しい光が、教団員……傷を負った女性達を癒していく。
 それは、きっと身体の傷のみならず。
 女性達はボロボロと涙を零して、力無く杖を落とす。
「大丈夫です。私言いましたよね? 『助けに来ました』って!」
 幼い少女が、倍以上の歳の差があるであろう女性の手をぎゅっと握りしめた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オウカ・キサラギ
SPD
弱ってるときに優しくされると確かに救われた気持ちにはなるし、助けてくれた人に依存しちゃうのもわかる。ボクがそうだったからね。
だからこそ! それを利用して誘拐するなんて絶対に許せない!
まずは情報収集ってことで教団内部に潜入するよ!

【迷彩】と【聞き耳】で見つからないように潜入!
鍵がかかってる場所は【鍵開け】で調査していくよ!
もし見つかりそうになったら【スナイパー】で関係ない場所を狙撃して意識をそらせた後に逃げるよ!
完全に見つかっちゃったら【目潰し】で視界を奪った後に【ダッシュ】で逃げる!
とにかく戦闘を避けつつ、知りえた情報は絶対に持ち帰るようにするよ!


久遠・翔
潜入調査を実行

コミュ力1、目立たない7、第六感2、暗視1、鍵開け1、情報収集1、見切り1、聞き耳1、残像1、変装3、早着替え1、誘惑15、逃げ足1を使用するっす

まず教団員と思われる人を情報収集1、聞き耳1で調査
それらしい人がいたら目立たない7、変装3で尾行しつつ【影の追跡者の召喚】でも情報を集め、教団のアジトを探しますっす

見つかったら引き続き【影の追跡者の召喚】で情報になりそうなものを探しつつ、自分も変装して目立たない7、第六感2、暗視1、鍵開け1、情報収集1、聞き耳1で調査

怪しまれない程度に移動して早着替えしつつ変装して逃げ足使って移動しまくって情報探るっすよ?

情報あれば仲間と共有して撤退



「弱ってるときに優しくされると確かに救われた気持ちにはなるし、助けてくれた人に依存しちゃうのもわかる。ボクがそうだ

ったからね」
 オウカ・キサラギ(お日様大好き腹ペコガール・f04702)は、かつて貧民街に住む孤児であり、冒険者によって助けられた者だ。
「だからこそ! それを利用して誘拐するなんて絶対に許せない!」
 もし救いの手だと思ったそれに裏切られたらどんなに辛いかと考え、怒りに燃えた。 
 久遠・翔(性別迷子・f00042)が教団員の足取りを影の追跡者で追跡し、特定した。
 どうやらうち捨てられた屋敷らしい。
 ところどころ崩れたところがあるが、修繕して利用している様子が見て取れる。
「ヴァンパイアの居城じゃないみたいっすね。多分仮拠点ってとこっすか」
 共有した五感で周辺を探る。教団員は5人程度、連れられた女性達は10人に満たない程度だ。
「確か、割符を探せばいいんだよね? 」
「そうっす。他にも何か情報がないか調べるっすよ」
 グリモア猟兵を介して共有された情報から、目的の品物は割り出せていた。
 翔が自分の目と影の追跡者の目で見張っている間、オウカは裏口の鍵をピッキングして侵入する。
「えっと、確かこの辺りに……あったっす、着替えのローブっすよ。教団員も連れてこられた女性も羽織ってるっすから、遠目

には怪しまれないはずっす」
 見つけたローブを羽織って変装し、その容姿を目立たなく隠す。
 影の追跡者の目で見た記憶を頼りに、建物の中を探す。大事な物を置いておくのであれば書斎だろうか。
「あった! 割符さえ手に入れればこっちのもの! ここの人達を城に連れてけないもんね!」
「撤退するっすよ……っと、マズイ、誰か来るみたいっす!」
 オウカと翔が物陰に隠れ息を殺して潜む。
 二人の女性。恐らく教団員だ。
「ここでならいいでしょう。話とはなんですか?」
「あの……本当にいいのでしょうか?」
「何が、でしょうか」
「その、あの方達を、カルマリア様の元に連れて行って……」
「何を言うのです。カルマリア様に逆らうつもり……いいえ、あの方の仕打ちを忘れたのですか?」
「そ、それは……!」
 女性が両肩を抑え、がくがくと震える。
 余程恐ろしいことを思い出しているようだ。
「逃げた所でどうするのです。逃げられるはずがありません。皆殺しにされれば良い方。より惨い仕打ちを心得てる方です。
 ここでの暮らしで供される食糧もカルマリア様のお恵み。いいえ、一抹の幸福により、希望を抱いた後絶望に落とし、心を折

る為のなのですから」
 続けられる言葉に、もう一人の女性は返す言葉もない。
 その方法を嫌というほど知っているからだと、その表情が何より如実に示している。
「支配者に恭順を示し、支配に甘んじて生きることが最善……いえ、私達にはそれしかないのです」
「…………」
「厳しい事を言いました。……けれど生きていてほしいのです。私は、誰よりも貴女に」
 吸血姫の脅威から離れて、恐怖による洗脳が緩んだのだろうか。
 二人には理性が感じられた。
 重苦しい沈黙が流れる。そして密談が終わると、立ち去った。

 そのやり取りを隠れ聞いていた二人は、物陰から姿を現す。
「……分かった事は、ヴァンパイアは最っ低! ってことだけだね」
「もう一つあるっすよ。ヴァンパイアを倒せば、ここの教団の人達も解放できるってことっす」
「……うん! 必ず、ヴァンパイアを討ち倒そう!」
 唇を噛み締め怒りに震えていたオウカに、翔が奮い立たせるように言葉をかける。
 その顔を見たオウカが、小首を傾げる。
「ところで、なんでキミ顔赤いの?」
「ち、違うっすよ? 別にこれは狭い中で女の子と密着してたせいわけじゃないっす!」
 14歳にしては大きくて柔らかい何かが、押し当てられる形になっていたのは一切関係ない。らしい。
「でもキミも女の人だよね? 肩幅とか、体つきとか。胸はないけど……」
「いや俺はおとっ……ともかく今は逃げるっすよ! ここに長居したら危険っす! 色々と!」
 色々と。
「うーん……? でも、それには同意! まずは戦利品を持ち帰るよ!」
 誤魔化すような翔にオウカは納得いかない顔をしながらも、最も優先すべきことを第一に。
 情報と手に入れた品を持ち帰ることを優先した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

佐藤・和鏡子
信者のふりをして教団に潜り込み、敵の拠点を調査します。
他の信者と同じようにボロ布を身につけて泥などで汚す事で『オブリビオンに虐待されて逃げてきた哀れな少女』のふりをします。
(泥やボロ布でミレナリィドールの継ぎ目は隠します)
常に悲しそうな表情をして何事にも怯えたそぶりをするなど、それっぽく見えるように意識して行動します。
『……ごめんなさい。きっと助けるから』



「おや……どうされましたか?」
 泥に汚れたボロ布を纏った幼い少女、佐藤・和鏡子(ミレナリィドールの聖者・f12005)が点在する小さな教団の拠点を尋ねる。
「あの、私、虐待から逃げて……ここにくれば、救世主様が、助けてくれるって、聞いて……」
「そうでしたか。よくぞ一人でここまでたどり着きました。歓迎しましょう」
 教団員の女性は怪しむ素振りを見せず、招き入れた。
 自室と思わしき連れて来られ、すぐに木桶を持ってきた女性が声を掛ける。
「まずはその服を脱いでください」
「あ……え、と……」
 ミレナリィドールとしての身体特徴がバレる事を恐れた和鏡子は、おずおずと動揺する。
 しかしそれを裸体を晒すのに抵抗があるのかと判断されたようだ。
「安心してください。ただ身体の汚れを落とすだけです。その後清潔な服へ着替えましょう」
 和鏡子は拒み切れずその関節の継ぎ目が露わになるが、女性は気にした様子を見せない。
 教団員の女性の手によって、お湯で濡らした清潔な布で、優しく拭われる。
 ぽかぽかと温かく、気持ちが良い。
「大丈夫。貴女のような者もここにはいます。怯える事はありません」
 怯えた芝居も相まって、教団員は何か勘違いをしたらしい。
 少なくとも、種族特徴で怪しまれる事がなかったようだ。
 小奇麗なローブを着せられた和鏡子はほっと息をつく。
 そして同時に、女性が自分へ向けている感情が、紛れもなく善意だということを感じ取った。
 本当に、吸血鬼の元へ連れていくことが救いとなると思っている――否、そう洗脳されているのだろう。
「温かいスープを持ってきましょう。少し待っていてください」
 目的の割符は、今しがた去った女性の机の上にあった。
 騙す形になっていることに、ちくりと心が痛む。
「……ごめんなさい。きっと助けるから」
 この拠点の中にいる連れてこられたであろう女性達と、支配された教団員を含めて。
 和鏡子は割符をそっと手に取り、持ち出した。

成功 🔵​🔵​🔴​

キア・レイス
アドリブ絡みフレーバー可

過去の私に似た境遇の彼女達に声をかけたい気もするが…他の猟兵に任せる。

教団に潜入し情報を盗み出す事が目標、正面は避けクライミングで二階以上の窓へよじ登る。
潜入したら聞き耳をたて忍び足で警戒、一人でいる教団員を見繕い暗殺の応用でナイフを突き立て脅す。

「聞きたい事が二つ、教団で偉いやつの部屋と教団に恭順していない女性が捕まっている部屋の場所…こんな目に遭わせて言う言葉じゃないが、もし人の道に戻りたいなら私以外にも教団に忍び込んでいる者がいる、話せば力になるだろう」

場所を聞けたら他の猟兵へ情報を渡し、地位の高い人物の部屋へ、扉や金庫などはツールナイフで解錠、地図などを盗む。



キア・レイス(所有者から逃げだしたお人形・f02604)は、窓から手早く侵入する。
 教団員の女性と、連れてこられた女性達の姿が見受けられた。
「過去の私に境遇の彼女達に声をかけたい気もするが……」
 きっとただの感傷でしかないと首を振った。
 足音が聞こえ、開き戸の影に隠れ潜む。
 ドアが閉まると同時に一人で入ってきた教団員の背後を素早く、音もなく取る。
 キアが得意とする暗殺術の応用だ。
「騒ぐな。聞きたい事が三つ……」
「不審者ですか」
 教団員は喉元に向けられた刃を無機質な目で見つめた後、抵抗して暴れる。
 だがキアは容易く打ち払い、床に組み伏せ拘束する。
 洗脳されているがゆえに、死の恐怖が薄いのだろうか。
「……もう一度聞くぞ。教団で偉いやつの部屋と、教団に恭順していない女性が捕まっている部屋の場所を教えろ」
「偉い者などいません。尊ぶべきは我らが主お一人」
 完全に動けなくなった教団員は、決められた言葉を繰り返すように無感情に答える。
「ならば後者は?」
「中央の大部屋に若干名。今夜、主の元へ送られるでしょう」
「悪いがそれは中止してもらう。……城へ入るための割符はどこにある?」
 女性は小さな机を指し示す。
 命が惜しいわけではないだろう。ただ、言われるがままに淡々と答える。
 人形めいている、と思ったのは自分への皮肉だろうか。
「じゃあ最後だ。こんな目に遭わせて言う言葉じゃないが……
 もし人の道に戻りたいなら私以外にも教団に忍び込んでいる者がいる、話せば力になるだろう」
 女性は答えに悩んだのか少し間を開けて答える。
「…………人の道など戻った所で何なのでしょうか。けれど主に従っていれば、食糧と寝床、身の安全は保証される……」
 洗脳されたが故の物か、女性自身の考えか。
 キアは組み伏せた女性の身体に刻まれた傷に目をやる。
 一生残るであろう痛々しい傷だ。それも、ただ暴力に晒されただけではこんな傷はつかない。
「『身の安全』、か。この傷はその主とやら『戯れ』による物のだろう。それでもか?」
「……わかりません」
「……そうか」
 キアはその気持ちが理解できた。できてしまった。
 支配されたまま、変わらないでいれば良かったのではないかという後悔、迷い。
 しかし、今はやるべきことをやるまでだ。
 女性を気絶させた後、部屋を物色し、目的の割符と地図、そして鍵束を見つける。
 合流地点……恐らくヴァンパイアの居城付近の目星がついた。
 後は無理矢理攫われた女性を解放すべく、隠密行動に移った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナターシャ・フォーサイス
WIZ
偽りの救済、偽りの救世主。
何と愚かで冒涜的なのでしょう。
我々ならば、楽園へ導くことができるというのに。

ですので、偽りの希望に縋ることはないのです。
それは虚像、行き着く先には何もないのですから。
それより、私の導くべき場所、楽園へと向かうのはいかがでしょう?
苦しむことも、悲しむこともいりません。
ただ祈り、歩むだけでいいのです。

ですが、疑いの霧が晴れないであろうこともまた事実。
一度絶望してしまったら、立ち直るのは難しいですから。
それでも私は使徒として救いましょう。
傷は癒し、飢えるなら恵み、凍えるなら衣服を与え救いましょう。
ですから前を向いてください。
歩まなければ、楽園へは至れないのですから。



「偽りの救済、偽りの救世主。何と愚かで冒涜的なのでしょう。
 我々ならば、楽園へ導くことができるというのに」
 ナターシャ・フォーサイス(楽園への導き手・f03983)は捕えられた教団員を前に言葉を紡ぐ。
 教団員の拘束はしていない。静かに大人しく椅子に座っている。
 抵抗する様子がないため、不要であるためだが、それ以上に。
 ナターシャの目的は教えを説くことであり、縛るなど無粋だからだ。
 女性達は無気力に、力無く項垂れている。
 痛苦によって心を徹底的に砕かれ、『吸血姫に従うことこそ救い』だと刷り込まれた意志。
 今はそれも失い、ただ生ける屍のように呼吸しているだけだった。
「偽りの希望に縋ることはないのです。それは虚像、行き着く先には何もないのですから」
 ナターシャはそんなものは心の支えなどではないと、女性達の真っ白な心へ告げる。
「それより、私の導くべき場所、楽園へと向かうのはいかがでしょう?
 苦しむことも、悲しむこともいりません。ただ祈り、歩むだけでいいのです」
 己が信ずる信仰への帰順を提案する。
 しかし、女性達の反応は芳しくない。それも予想通り。
「ですが、疑いの霧が晴れないであろうこともまた事実。一度絶望してしまったら、立ち直るのは難しいですから」
 人の心は、あまりに脆い。
 故に信仰に救いを求め、神を求め、祈りを捧げる。
「それでも私は使徒として救いましょう」
 ナターシャが用意した食事を差し出す。
 暖かな湯気を立ち昇らせるスープ。
「ですから前を向いてください。歩まなければ、楽園へは至れないのですから」
 俯いていた女性の顔が、ゆっくりと上げられる。
 その手を包むようにスプーンを握らせ、ナターシャは優しく微笑んでただ待つ。
 心の傷は、目に見えぬが故にその傷の深さを計りえず、癒すのも難しい。
 導くことは、歩もうとしない相手を無理に引っ張る事ではない。
 ナターシャは歩むべき道を、ただ指し示す。
「……おい、しい」
 女性が自らの手で、スープを口にした。
 生きる為に歩み出した一歩。彼女達の心は、死んでいない。今はそれだけで十分だ。
 それを確認できたナターシャは、静かに微笑み見守るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミルフィ・リンドブラッド
【朧月】

POW
まず、シエラに質素でボロボロな服をだしてもらい着用。
両親を失い、村の皆からいじめられた…という体を装って運ばれる女性たちの集団に混ざる

その後
一緒に教団内部の居城へと向かう。道中は女性達の境遇の話を聞き打ち解けられるように振る舞い信頼を得たところで説得。教団員の方を向き

「本当に貴方たちは満足してやがる、です?拷問を受けたり下僕にさせられたり辛いことはされてねぇのです…?フィー達が助けてやるのです…だから、教団に、いえ、吸血姫になんて従わなくていいのです。」

説得出来なかった女性&教団員がいたら『怪力』をもつミルフィと【終焉の悪魔】で担ぎ安全地帯に移動させる
「これ…悪役じゃねぇです?」


シエラ・アルバスティ
【朧月】

【POWルート】

『猟兵バッグ』から皆の衣装を取り出し変装!
私はよれよれで鎖骨が見えるまで片肩をだした裾の長い煤けた衣装(スカート無し
さり気なく痣に見える細工もする

「フフ! これで堕ちない人はいないよ! かなり寒いけど! 他メンバーはどんな感じかな?」(仲間の姿の感想を蕩けた感じに言う)

早速、予知情報で聞いた小さな小屋へ向かうよ!
何らかの形で教団員に遭遇、そして静かで儚げな雰囲気を出し、一緒に勧誘される

「わたし……たち、助かる……の?」

そのまま教団組織へ! 道中でお話しをして説得(誘惑)を交えつつ情報を引き出す
辿りつくまでに説得出来ない時、忍ばせていた『雷糸』で気絶させる

「かかったな!」


麗明・月乃
【朧月】
シエラから所々破けたボロいワンピースを借りる。
教団員に接触、「あの、私にも救いを…」と『誘惑』して上目遣い。

教団員に混ざって運ばれる。
場所がわかれば『全力魔法』で魅了『属性攻撃』の【妖誘恋慕】。
僅かでも言葉が届きやすくなるように、の。

「ご苦労じゃった。ここまで案内してくれれば…後は私達が主である性悪姫を叩き潰そう」
力を示すように【フォックスファイア】を周囲に浮かばせる。
…今までよく頑張ってきた。よく生きていてくれたのじゃ。
「甘い言葉に警戒するのはわかる。しかしまだ心のどこかで希望を信じているなら……どうかもう一度だけ、私達を信じて欲しいのじゃ」
無理ならフィーとシエラに任せるのじゃ。



「フフ! これで堕ちない人はいないよ! かなり寒いけど!」
 シエラ・アルバスティ(自由に生きる疾風の白き人狼・f10505)はよれよれで鎖骨が見えるまで片肩をだした裾の長い煤けた衣装を纏っていた。
 スカートは無く、丈の短いワンピースのように見える。
 裾から僅かに覗く部分に、さり気なく痣に見える細工もされていた。
「他メンバーはどんな感じかな?」
 麗明・月乃(夜明けを告げる金狐・f10306)は所々破けたボロいワンピース。
 ミルフィ・リンドブラッド(ちみっこい力持ち・f07740)は質素でボロボロな服。
 どちらもシエラが持つ猟兵バッグから渡したものだ。
「二人ともセクシーだね、とってもイケない感じがするよ、おねーちゃんもうドキドキしちゃう♪」
 蕩けた表情でデレデレくねくねする危ない感じのシエラを、二人は華麗にスルーしつつ。
「それじゃ、小屋に行くとしようかの」
「です」
「あっ、待ってよ二人とも、置いてかないでーっ!」

 月乃、ミルフィ、シエラが小屋へと入る。
 女性達は力無く顔を上げ、ボロを纏った3人の姿を見て、悲しげな顔を浮かべて手招きをする。
「こんな小さな子が……此方へおいで、食べ物も火もはないけど、一緒に寄り添っていれば暖を取れるわ」
 親を亡くした子など、珍しい話ではない。
 三人はごく自然に仲間と認識され、その中に融け込んだ。
 やがて予知通り、ローブを纏った女性が、予知通りの演説を行い手を差し伸べる。
「さぁ、私達と共に参りましょう」
「わたし……たち、助かるの……?」
 シエラは先程の蕩けた様子を巧妙に隠して、儚げな演技をする。
「勿論です。私達はそのために来たのですから」
「あの、私にも救いを……」
 月乃は甘え請うように上目遣いで女性を誘惑する。
「えぇ、安心してください。我らが主の元で、貴女達は等しく救われます」
 月乃に見つめられたローブの女性は膝をついて、幼い月乃の身体を優しく抱きしめ、慈愛に満ちた声を掛ける。
 その瞳は変わらず濁っているものの、愛し子を慈しむような抱擁に嘘偽りは感じられない。
「(主とやらの行いが救いだと思っているのは謀りではなく本心なのじゃな……)」
 それが洗脳によるものだと知っている月乃は女性を抱き返しながら、背中を撫でる。
「っ……!」
「あっ……ごめんなさい、私何か……?」
 背中を触れられた女性はびくっと震え、表情を歪める。
 月乃はか弱い少女の演技を続けながら、心配そうに見つめる。
「いいえ。主より賜った『お恵み』への感謝が、胸に沸き上がっただけのこと」
 ミルフィはその表情を見る。
 触れられることの嫌悪のようなものではない。痛みだ。
「(手足に覗くあの傷も、ごく最近のものに違いねぇです……)」
 洗脳時に受けたものか、下僕とされてなお受けたものか。
 どちらにせよ、吸血姫によって痛めつけられたものだと見て取れた。
「貴女達は幸いです。本来であれば待つ時が要するのですが今すぐ主の待つ城へ行けるのです」
「本当ですか……?」
 シエラは喜び安堵するように、目を輝かせて見せる。
 それは都合がいい、と。

 馬車に揺られ、朧月の三人と女性達が運ばれていく。
 ミルフィが女性達と言葉を交わし、交流を深めていく。
 境遇については、少女達に聞かせる話じゃないと首を振った。
 その言葉遣いと見た目から、冷たい印象を与えてしまいがちなミルフィは誤解されがちだ。
 それでも懸命に交流を試みようとするミルフィの様子に、女性達は小さな、本当に小さな……けれど明るい話題に華を咲かせた。
 月乃が誘惑した教団の女性は、月乃を傍に置いて心地よさげに金糸の髪を撫でている。
 シエラが話しながら誘惑していた女性は、シエラの肢体から覗く痣と寒がる様子を気遣って自分のローブを羽織らせた。
「もうじき着きます。あとは貴女達と同じ人々を待ち、共に城へと入りましょう」
「……本当に貴女たちは満足してやがる、です?」
 その言葉を聞き、様子を見ていたミルフィが口火を切る。
「満足ですか? ええ、私達は我らが主に仕えられて満足――」
「拷問を受けたり、下僕にさせられたり、辛いことはされてねぇのです……?」
 ミルフィの切り込んだ言葉に、女性の表情が固まる。
「何、を?」
「フィー達が助けてやるのです……だから、教団に、いえ、吸血姫になんて従わなくていいのです」
「貴女達は、まさか……」
 馬車が止まる。目的地に辿り着いたようだ。
 そして、見えるのは朧月の3人を除いた7人の人影……猟兵だ。
 立ち上がった女性へ、月乃がその瞳に魔力を通わせる。
 そして教団員や連れてこられた女性達全てを視界に捕える。
「ご苦労じゃった。ここまで案内してくれれば……後は私達が主である性悪姫を叩き潰そう」
 月乃は演技をやめ、本来の口調に戻す。
 その視線に込められたのは魅了の魔法【妖誘恋慕】。
「まさか……貴女達のような娘が、カルマリア様に逆らうというのですか?」
「そのとーり!」
 シエラも演技をやめ、本来のハイテンションな性格に戻る。
「甘い言葉に警戒するのはわかる。しかしまだ心のどこかで希望を信じているなら……どうかもう一度だけ、私達を信じて欲しいのじゃ」
 希望。
 女性達がその言葉を聞いたのは、いつ以来だろうか。
「……今までよく頑張ってきた。よく生きていてくれたのじゃ」
 月乃のその言葉に、教団の女性が涙をぽろぽろと流す。
 彼女達は月乃達より、幾分大人だ。
 それはそれだけ長くその年月を生きている。――この絶望に満ちた世界で。
 生きていてなんの意味があると、何度思った事か。
 死んだほうがマシだと、何度考えたことが。
 でも、生き伸びた。
 死にそうになる度、『死にたくない』と願い、みっともなく生き長らえた。
 生き延びたことを褒めてくれる人がいるなんて想像もしていなかった。
 きっと生まれて初めてだ。『生きていてよかった』なんて思ったのは。
 そして、自分はこんな子達をヴァンパイアに捧げようとしたのだ。
「もうよい。お主は何も悪くないのじゃ。あとは、私達に任せるがよい」
「フィー達は絶対に負けねぇ、です」
「当然! 私達3人の魅力で吸血姫だろうと堕としちゃうから!」
 泣きじゃくりながら嗚咽を漏らしひたすら謝る女性の頭を、今度は月乃達が撫でてやる。
 ――いよいよ、全ての元凶たるヴァンパイアが待ち受ける居城だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『暗闇の獣』

POW   :    魔獣の一撃
単純で重い【血塗られた爪】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    暗闇の咆哮
【血に餓えた叫び】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    見えざる狩猟者
自身と自身の装備、【自身と接触している】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


視界を遮っていた深い霧が晴れ、ヴァンパイアの居城がその姿を表す。
 唸るような軋む重苦しい音を立て、跳ね橋が落ちる。
 一人でに城門が開かれ、入城者を待つ。
 まるで猟兵達を誘うように。
 見えざる獣の遠吠えが城の中で響く。
 向こうから招待してくれるというならば、遠慮は無用だ。
 派手に暴れて番犬共を蹴散らしてしまおう。
オウカ・キサラギ
SPD
他の人との絡み、アドリブ歓迎!
ボクたちなんて何人いても勝てるって言いたげな雰囲気だね。
その余裕もここまでだって教えてやるぞー!
まずはこの番犬だね!

敵はたくさんいるし【クイックドロウ】【属性攻撃】で火属性の弾丸をガンガン撃っていくよ!
しっかり狙うよりもとにかくたくさん撃って、向こうの勢いをそぐのが目的だよ!

反撃の兆しが見えたら【ダッシュ】で攻撃をかわすことも忘れないよ!


久遠・翔
見えない獣が相手っすか…ま、やりようはいくらでもあるっす

盗み攻撃10、2回攻撃8、毒使い1、地形の利用2、罠使い7、第六感2、暗視1、見切り1、聞き耳1、残像1で対応

幸い物音も体温も消せないならやりようはあるっす。足音に呼吸音を聞き耳1で聞き分けて毒の付いたククリナイフを投げるっす
麻痺毒が多少効けば儲けものっすけど…怪我さえしてくれれば自身の血液が居場所教えてくれるっすよ?
相手の攻撃は地形の利用・第六感・聞き耳・見切り・残像で回避してここぞという時にスティールを使い【自身と接触している】の概念を入れ替え【触手と接触している】に書き換え技を不発にさせるっす

何故触手か…?
だって、余ってたっすもん


佐藤・和鏡子
今回はいつもの服装(セーラー服とスクール水着に看護帽)で行動します。
あえて目立つ服装にする事で『外の者が助けに来た』と見た目で分かるようにします。
今回の敵は攻撃力が高そうなので、ミレナリオ・リフレクションを使って出来るだけ相殺して被害を最小限に食い止めるようにします。
(学習力で成功率が上げられるなら使用します)
攻撃を行う際はガジェット(救急箱型)による属性攻撃(敵に向けて蓋を開けるといろいろな物を出して攻撃)を使用します。
他の方たちとも積極的に協力し、援護やサポート重視で動くようにします。
『援護します!!』



「ボク達なんて何人いても勝てるって言いたげな雰囲気だね」
 オウカは招き入れられながら、この支配者の意図を感じ取る。
 今にも襲い掛かってきそうな殺気を放つ獣が『歓迎』している以上、手下が帰ってきたと勘違いしているわけでもあるまい。
 城門を潜った先は中庭というよりも、敵を招き入れて迎撃するための広場と言った風情だ。
 罠らしきものはない。完全に侮っているらしい。
「その余裕もここまでだって教えてやるぞー!」
 スリングショットに宝石のように煌めく弾を引き絞り構える。
 オウカの元気いっぱいな声が反響し、不気味な沈黙が支配する。
「誰もいない、みたい……?」
 和鏡子は救急箱を抱えたスク水セーラー看護帽という多重属性の出で立ちで存在をアピールする。
 ここに連れて来られた女性が、いればきっと『助けに来た者』だとわかるように。
 尤もそれは和鏡子にとっては普段着なのだが。
「いいや、『いる』っすよ。舌なめずりしてこっちを見てるっす」
 敵はまだ襲撃してこない。が、確かに『いる』。
 こちらの隙を伺う獣の殺気がひしひしと感じられる。
「見えない獣が相手っすか……ま、やりようはいくらでもあるっす」
 獣のその能力では、物音を消せない。
 本来獣の足は足音を殺すのに適しており、音を立てたとしても非常に小さく捉えるのは難しい。
「そこっす!」
 『本来』であれば。
 自然ではありえないほど巨大に強化された獣はその隠密性を犠牲にしていた。
 翔が聴覚だけでなく、直感も頼りに放ったククリナイフが、何もない空間に突き刺さり消える。
「番犬見っけ! 乱れ撃ちだよ!」
 オウカは早撃ちで火属性の宝石弾を炸裂させていく。元はただの石ころ、安上がりだ。
 群れで行動する以上、1体ではないだろう。その予想通り、見えない壁にぶつかったように命中し、炸裂する。
 爆炎が地面を撫で、砂煙を立ち昇らせる。
 お返しとばかりに、獣の血に飢えた叫びが轟く。
 低位のオブリビオンにユーベルコードの併用はできないはず。ならば透明化の力を使う獣に触れていた個体か。
 諸共巻き添えになるだろうというのに、知性の無い獣のなせる技か、あるいは吸血姫の『躾け』だろう。
「ぐっ……姿の見えない咆哮は面倒っすね」
「っ、ありがとうございます……でも今ので、覚えました。次は、防ぎます」
 自分含めて不可避と判断した翔は、その身で二人の少女を庇う。
 身体は女になろうと、男の意地は捨てていない。
 その咆哮を見て取った和鏡子は頷く。

「こっちのも当たったよね! けほっ、でもやり過ぎたかな?」
 無風の中、細やかな砂が混じった煙が充満する。
 視界が悪くなってしまったかとオウカはきょろきょろと見回す。
「いやお見事っす。これなら上手い事、地形も利用して見つけられるっすよ」
 翔のククリナイフを刺したままの獣が攻め控えようと、煙の動きで判断できる。
 翔は感覚を研ぎ澄ませ、再び潜んだ獣の襲撃の僅かな予兆を見て取る。
 透明化は長くは持たない。
 何より、血に飢えた獣。獲物を前にして堪えていられない。
「俺が動きを封じるっす」
「援護します!!」
 読み通り、煙が揺らぐ。透明な壁に押し付けらえれるように。
 そして地面にぽたりと落ちる、その血液。
「左っす!」
「はい!」
 翔の警告の声に、和鏡子はその救急箱を開く。
 取り出すのは医薬品、ではなくさまざまな道具。
 両手に取った二本のハンマーを、左右の退路を断つように間隔を広げて投げつける。
「全て奪い尽くす! 『スティール』!」
 その場所へ、翔は三重の拘束を放つ。
 透明なその何かへ、無数の手の影が絡みつき、猿轡と目隠しが覆い、拘束ロープが縛り上げその形を露わにする。
「全弾命中っす! これで条件を【触手と接触している】に書き換えたっすよ!」
 三重拘束により、獣のユーベルコードを封じ強制解除する。
 獣の周囲にいた獣も、釣られるように一斉に解除して姿を現した。
「これで断然狙いやすくなったよ!」
 オウカが早撃ちで炸裂させる。
「弱い弱い! これならユーベルコードを使うまでもないよ!こっちこそ『何体いても勝てる』ね!」
 どこかで見ているであろう吸血姫を挑発するように、スリングショットで撃ち抜いて行く。
 オウカの懐に飛び込んできた獣が血塗られた爪を振りかぶった瞬間、ダッシュで飛びのき反撃にお見舞いする。
 機敏に走るオウカに引き付けられるように、負う。
 回り込んだ獣は大きく息を吸い込む。それは叫び声をあげる前兆。
「その技は、学習済みです――『ミレナリオ・リフレクション:暗闇の咆哮』」
 救急箱からラッパのようなスピーカーが飛び出る。
 そこから放たれるのは、録音された先程の獣の咆哮。
 獣の叫びを打ち消すように、全く同じ咆哮が相殺する。
「ありがとっ! さぁ、一気にいくよ!」
 獣は倒した端から、どこからともなく現れる。
 しかしその戦意を曇らせず、3人は互いに連携を取りつつ撃破していく。

「……でもさっきの、何で触手だったんですか?」
「だって、余ってたっすもん」
 ふと問いかけた和鏡子の至極尤もな疑問に、翔はあっけらかんと答えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

雛菊・璃奈
城の中での一撃や無差別の咆哮は危険…。

【呪詛15】を込めた【狐九屠雛】を展開…。4つを自身の周囲に取り巻く様に展開…。残りで敵の顔面・口元を凍てつかせて呼吸と咆哮を封じ、混乱している隙に完全に凍らせて粉砕するよ…。問答無用で近づくヤツや暴れるのは足を凍らせて身動きを封じる…。
自身の周囲に展開した4つは透明化で奇襲を狙ってくる敵の防御・カウンター用…。攻撃の為に殴って触れたら、凍らせて【カウンター】【オーラ防御】【武器受け】【呪詛】の魔剣アンサラーで攻撃反射…。咆哮使おうとすればその瞬間に顔を凍らせて、そのまま【2回攻撃】で斬り捨てるよ…。

「偽の希望で人々を惑わす吸血鬼…全て滅ぼしてあげる…!」


ナターシャ・フォーサイス
WIZ
あなたが番犬、この城の防人なのですね。
主の命に従うのは結構、ですが我々はそれに従うことはできません。
ですから、主ともども導いて差し上げましょう。
主を喪った従者というのも、とても大変ですものね。

透明になるようですが、殺気までは消せないでしょう。
私たちの眷属を呼び、殺気と物音を頼りに導かせましょう。
天使たちが動けば場所はわかりますから、私も微力ながらこの鎌でお手伝いさせていただきます。
導くときは痛みもなく。楽園に苦しみは不要ですから。

あぁ、もしくは。手なずけてみてもいいかもしれません。
主を残して先立つのも失礼でしょうしね。
眷属たちに指示して、魅了してみましょう。



「城の中での一撃や無差別の咆哮は危険……」
 璃奈は警戒する。無差別攻撃も、味方を巻き込むことを警戒して……と言うことも先程の様子を見れば期待できない。
 姿が見えないのも脅威だが、周囲を城門は閉ざされてしまったここでは、距離を取って戦うのは難しい。
 様子を伺っている隙に、絶対零度の炎を自身の周囲に展開、周回させながら呪詛をたっぷりと込める。
「魂をも凍てつかせる地獄の霊火――『九尾炎・最終地獄【狐九屠雛】』……姿を現したら……速攻で仕留める……」
「姿を現せばよいのですね?」
 20の凍てる炎を取り巻き好機を伺う璃奈へ、ナターシャが一歩前へ歩み出る。
「できる……?」
「ええ、勿論です。私の眷属たちであれば造作もありません。
 さぁ、罪を祓い、我らが同胞に道標を与えるのです――『召喚:楽園への使者』」
 ナターシャは小さな天使の眷属を召喚する。その数実に75体。
 行うのは人海戦術。場内広場は集団戦を行えるほどに広いが、しかし追い立てるには十分だ。
 相手は知性なき獣。隠れ潜んでいようと獲物がその爪の届く範囲に入れば、食らいつくことを抑えられない。
 天使の1体が一撃を受けて消滅する。
 1体消された代わりに、数十体の天使が殺到し、見えざる空間に武器を突き立てる。
「グガァッ!?」
「そこ……!」
 天使に殺到されて姿を現した元へ、璃奈は凍てつく炎を16の炎を放つ。
 姿を見えたのは4体。ナターシャの天使がその内2体を消滅させた。
 璃奈は2体に霊火8つずつ。顔面や口許、その他四肢全てに撃ち抜き、たちまち2つの氷像を築き上げる。
 更に凍てる狐火【狐九屠雛】を再展開。
 獣の放つ殺気を感じ取り、警戒を怠らない。
 透明化の無意味さを悟った獣達が、姿を現す。
「あなたが番犬、この城の防人なのですね」
 熊のように巨大な獣達へ、ナターシャが語り掛ける。
「主の命に従うのは結構、ですが我々はそれに従うことはできません。
 ですから、主ともども導いて差し上げましょう。主を喪った従者というのも、とても大変ですものね」
 裏表のない純粋な慈悲を込めて言葉を放つ。
 ナターシャの属する教団が壊滅したものの、組織の者である以前に神の使徒だ。
 属する集団を変えてもその使命は変わらない。
「安心してください。私の鎌に、導きに、痛みなどありません。楽園に苦しみは不要ですから」
 天使たちを背後に参列させ従えたナターシャが鎌を振るう。
 反撃によって幾分数を減らしたが、群体としての力は十分。
 唯一、天使達が最も弱点とするのは無差別範囲攻撃――。
「咆哮は、私がさせない……偽の希望で人々を惑わす吸血鬼……全て滅ぼしてあげる……!」
 璃奈の操る霊火が、無謀な突撃を行う獣の頭部へ直撃しその口を塞ぐ。
 範囲攻撃と殲滅力に長けた二人は、一気に獣の群れを狩り立てて行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

キア・レイス
アドリブ絡みフレーバー可


わかりません…か。
居城にまで来たは良いが、教団内部で出会った女性の言葉が、余計なことが頭をよぎる。
「すまない、手伝ってくれ」
周囲に敵が現れたらユーベルコード【今の私を形作る記憶】を発動させ戦闘を任せる。

現れるのは今の私を模した分身と過去の私を模した分身だ。
どちらも私の持つものと同じ武器を持っているが、今の私の分身はもちろん今現在の私と同じ出で立ち、過去の私の分身は真の姿に近い娼婦のような出で立ちをしている。

私が動けなくなるのが少し怖いが、同じ技術や能力をもった半身達だ、考え事をしながら戦うよりかは分身らに任せた方がいいだろう。



「わかりません……か」
 キアは、教団内部で出会った女性の言葉を反芻する。
 余計なことだ……そう思いながらも頭にこびり付いて離れない。
「すまない、手伝ってくれ」
 閉じられた城門まで退きながら、キア自身と全く同じ姿の『今のキア』と『過去のキア』を召喚する。
 自分自身は戦闘力を失うものの、手にした武器は同じく二人分。
「『私』よ、この戦いが終わるまでに答えを出すことだな。吸血鬼は甘くないぞ」
 過去を圧し殺した『今』のキアが、見えざる獣を捉えてアサルトライフルで撃ち抜く。
「それとも、ここの吸血姫に嬲られるのがお望みなのかしら? 『わたくし(むかし)』みたいに」
 逃げ出したはずの過去を求めている娼婦のようなあられもない姿のキアが獣を惹き付け、食らいつこうとする獣の口へ鉛玉を喰らわせる。
 迷う心を映し出すように、半身達がより明確に言葉にする。
 隠れるまでもない。半身達はキアが考える時間を作ってくれる。
 吸血姫が出てくるまでに、この気持ちを切り替えねばならない。
「私は……今の自分がいいのか。過去の自分でいたかったのか」
 答えが出せない。
 『わからない』。
 そう口にした教団員の姿が、その表情が、どうしても頭から離れなかった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

四季乃・瑠璃
本体:緋瑪、分身:瑠璃

【ダブル】で分身し、連携して戦闘。
敵は重量級なのでなるべく遠距離で。
【範囲攻撃】【2回攻撃】接触式ジェノサイドボム(以下ボム)で敵を吹き飛ばし、接近された際の為に地面に感知式ボムを地雷代わりにばら撒く。透明になってても範囲攻撃でまとめて吹き飛ばせば関係ない!とばかりに城ごと粉砕する勢いで爆弾の雨をばら撒くよ。
爆弾を潜り抜けて来た相手は、【クイックドロウ】【2回攻撃】のK100で喉元や顔面を撃ち抜いたり、足を撃ち抜いて動きを止めた瞬間にボムで吹き飛ばす等で迎撃。
敵の城諸共爆殺するよ

「さぁ、吸血鬼狩りの準備運動と行こう!瑠璃♪」
「遠慮はいらないみたいだね。やっちゃおう、緋瑪」


カルティーチェ・ルイナ
引き続きアドリブ絡みOKです!

やることは教団に突撃したときと大体おんなじです。
「姿を見せてかかってきなさい!」
と、大声で番犬共をおびき寄せて囮になります。
【絶対防御反応】を使い、盾で受けつつも可能なら攻撃。
ランスでチクチクついたりなぎ払ったり、ただ基本は囮で大きな一発は味方に任せます。

他には、周囲を見てできるなら危ない猟兵をかばいに行きます。
【絶対防御反応】は使っている間動けないので解除しないといけないですが、アーマーと大盾を持つ私がかばえば味方が大ケガしてしまうより可能性も減らせると思います。



「さぁ、吸血鬼狩りの準備運動と行こう! 瑠璃♪」
 四季乃・瑠璃(瑠璃色の殺人姫・f09675)が自らの名を呼ぶ。
「遠慮はいらないみたいだね。やっちゃおう、緋瑪」
 否、それはもう一人の自分……別人格である緋瑪だ。
 そのユーベルコードによって二つの人格を現実に同時に存在させる。二人で一人の殺人姫。
「姿を見せてかかってきなさい!」
 無防備なまでに正々堂々、カルティーチェが大声を張り上げる。
 見えざる獣は奇襲を狙っている。どこからくるかわからない。
 ――ならばどうするか。カルティーチェが出した答えは単純明白。
「全方向からの攻撃を警戒すればいいだけです!!」
 背後からの振るわれた血塗られた爪の一撃をその盾で受け止める。
 盾越しでも感じる、単純な力任せであるがゆえに重い一撃だ。
 吹き飛ばされぬよう踏み止まる足が、地面を踏み砕く。
 痺れるような感覚がゾクゾクと身体に走る。
 獣が全力攻撃を放った直後。生まれた絶好の隙に、自動拳銃の弾丸が左右から浴びせられる。瑠璃と緋瑪だ。
「ねぇ、この子を囮に使ってもいいのかな、瑠璃」
「聞いてみようか、緋瑪。ねぇ、貴女。そのまま敵の注意を惹き付けて貰えるかな?」
「はい! そのための私ですから、むしろ願ってもないです!」
 頷いたカルティーチェの周りに、感知式ジェノサイドボムを地雷のようにばら撒く。
 カルティーチェが挙げる大きな声に引き寄せられ、不意を撃とうとする獣たちが、地雷を踏み爆発する。
 そしてすり抜けた所で、カルティーチェの絶対無敵の防御の前に受け止められてしまう。

「どうせこの城って支配者を倒したら消えちゃうタイプだよね? いっそ全部壊しちゃおっか、瑠璃!」
「そうかも。でも味方は巻き込まないようにね、緋瑪」
 更に城ごと壊してしまうつもりかと言うほどに、ありったけの爆弾を生成する。
 二人一緒に範囲攻撃を連発して、絨毯爆撃のような爆発があちこちに広がる。
 しかし、好き放題させまいと獣が爆風を抜けて突っ込んでくる。
 だが、それを察知して割り込むのはカルティーチェ。
 爆風を吹き飛ばすかのように咆哮を轟かせる。
 無敵の構えを解いたカルティーチェは、その大盾で受けたとはいえ無傷では済まない。
 よりゾクゾクと強く感じる快感が、体中を駆け巡る。
「庇ってもらっちゃった。助かったね、瑠璃♪」
「そうだね、緋瑪。助けられたらちゃんとお礼を言わなきゃ。ありがとう、そこの貴女」
「いいえ、これくらいへっちゃらですから!」
 『二人』を守れた事にカルティーチェははにかみ微笑む。
 カルティーチェが身を挺して庇うのは、純粋な想いではない。
 けれどお礼の言葉は、傷と共に負う快楽とは違ったくすぐったさを感じた。
「恩返しに、あいつを爆殺決定だね☆ 瑠璃♪」
「じゃあ私は銃殺にしようかな。やっちゃおう、緋瑪」
 守られた殺人姫も、無邪気に明るく、無感動に冷静に、その爆弾と銃を向ける。
 黒い霧となって消滅した獣の死因がどちらかわからないのが、二人にはとても残念でならなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

麗明・月乃
【朧月】

大口叩いた手前、さくっと突破できぬとのう。
ま、犬程度偉大なる私の手にかかれば余裕なのじゃ(ふふん)

……あれが犬とか詐欺じゃないかの??
前はシエラが派手にやっとるし私は後方警戒でもやるかの。
決して。あまり近づきたくないわけではない。
…だから違うと言っとるじゃろフィー!
【野生の勘】を発揮して透明な奴の物音や地面にある物を中心に警戒をするのじゃ。
何か気配があれば『全力魔法』で【妖花演舞】で炎『属性攻撃』の『範囲攻撃』。
何もない所も攻撃対象に含めよう。

「私の勘がズバリ的中したのじゃ。見たか二人とも、私が見事隠れた敵を……」
…って先にいっとるー!?
ま、待つのじゃこんな所で置いていくなじゃー!


シエラ・アルバスティ
【朧月】

約束、必ず守るよ
素晴らしき肌の温もりの記憶に誓って!

服の出所:猟兵バッグ

服は前のまま!
次に【極光七刻星】で愛用の槍を天にぶん投げ
服の上に防寒具を悠長に着用(のろのろ)

無防備になったと見せかけながら敵を釣り、攻撃を【風の声】で避け続ける
隙があったらなんとなくエグい【風ノ爪痕】を頭に叩き込みまくる
【ダッシュ】と【残像】を駆使!

・絡み台詞
「やーん、フィーちゃんにキャンキャン言わされて分からせられるぅ☆」(蕩)
「つきのん、間近で見たらこのワンちゃんも可愛いかもよ?」

そのうち氷槍が降ってくる(筈
「私は槍をナゲヤリに空へと放ったんじゃない……空にいる勝利の女神と契約を交わしたんだよ!!」(超ドヤ顔


ミルフィ・リンドブラッド
【朧月】

フィーは吸血姫を倒す、と約束したです。こんな犬っころ障害にもならねぇです。ただの体の大きい犬はキャンキャンいわせてどちらが上なのか理解させてやるです。

…どうやら透明になる力をもってやがるらしいです。【禁忌・血流覚醒】を使って能力をあげて足音や物音から犬の位置を絞って「天竜砕き」を『怪力』のままに振るってぶん殴ってやるのです。相手の攻撃は『武器受け+怪力+オーラ防御』で受け止め弾き『カウンター』で「血の弾丸」を放つです。

月乃やシエラが攻撃を受けそうになったら『武器受け+怪力+オーラ防御+かばう』で守ってやるです。月乃…犬が怖ぇの隠せてない、です…(無表情でやれやれのポーズ



「ま、犬程度偉大なる私の手にかかれば余裕なのじゃ」
 ふふんと、得意げに語っていた月乃。
「……あれが犬とか詐欺じゃないかの??」
 グリモア猟兵が言っていた『番犬』と言うワードを聞いてイメージしていたのとは全然違う。
 狼のような顔。まぁ、これは分かる。
 しかしあの熊のような巨体。何よりムキムキの筋肉。
 猟兵とはいえ幼い少女が対峙するにはちょっと、ちょっとアレだ。
「つきのん、もしかしてだけど……怖いの?」
「ちちちち、違うのじゃ!! あんなの全然怖くないのじゃ! ただちょっと聞いてた話と違うからびっくり……そう、びっくりしただけじゃ!」
 にやり、と笑うシエラに、月乃は慌てて首を振る。
 だがその必死さが如実に語ってしまっている。
「月乃……犬が怖ぇの隠せてない、です……」
「だから違うと言ってるじゃろフィー! というかアレを犬と呼ぶのは明らかになんかこう……違うじゃろ?!」
「安心するです。月乃とシエラは、フィーが守ってやるです」
 真っ赤になって否定する月乃に、ミルフィは無表情でやれやれとポーズを取る。
 そして、一歩前へ出る。

「……フィーは吸血姫を倒す、と約束したです。こんな犬っころ障害にもならねぇです」
 ミルフィはその紅い目を、より煌々と輝かせる。
 竜の鱗がその四肢に包まれる。
 ダンピールの少女が、後天的に得た竜と真なる吸血鬼の力を覚醒させた。
「ただの体の大きい犬はキャンキャンいわせてどちらが上なのか理解させてやるです」
「やーん、フィーちゃんにキャンキャン言わされて分からせられるぅ☆」
「……シエラ、ちょっとうるせぇです」
 格好良く決めるはずのシーンを、その後ろで踊るようにくねくね身を捩らせるシエラが邪魔する。
 しかしその程度はいつもの事。不機嫌になったわけではない。
 ただ今は少しその感覚を研ぎ澄ませ――。
「見つけたです」
 ふっとミルフィの姿が消える。
 獣が立てた僅かな音を頼りに一瞬で距離を詰めた。後ろの二人を気遣いながらの、ただの一歩。
 そして巨大ハンマー、『天竜砕き』をその怪力で力任せに叩き込む。
 近づいてしまえば、あとはその息遣いすら感じ取れるようだった。
 放たれる不可視の爪の一撃をハンマーの柄で受け止め、逆に力任せに吹き飛ばす。
「バレバレです。獣くせぇんですよ、犬っころ」
「……うむ! 前はシエラが派手にやっとるし、私は後方警戒でもやるかの。決して。あまり近づきたいわけではない」
「(だから、言葉を重ねる度に怪しくなってやがるです……)」
 とは思っても言わないであげるのがミルフィの優しさだった。

「グラン・怖がるつきのんも可愛いなぁ☆・シャリオー!」
 月乃をガン見しながら愛用の槍を適当にぶん投げ、だらしなく頬を緩める見惚れる無防備なシエラ。
 そんな隙を獣が見逃すはずがなく、その牙がそのボロを纏い晒されたままの露わな肩へと突き立てられ――。
「よっと」
 ――ることなく、事もなげに躱す。 
 いつものシエラのおどけた表情が消え去った、冷徹無感情なその顔で。
 躱された獣が振りむき体勢を整えようとした直後。
 北斗七星の如く絶対零度の氷槍が降り注ぎ、氷槍で地面へと縫い付けられた氷像が完成する。
「私は槍をナゲヤリに空へと放ったんじゃない……空にいる勝利の女神と契約を交わしたんだよ!!」
 冷徹な表情も、見間違いだったかと思うほど一瞬。
 振り向いたシエラは、二人へ超ドヤ顔を決めてアピールする。ドヤァ……
「フィー、シエラが何言ってるか全然わからねぇです」
「安心せよ、私もさっぱりじゃ」
 槍だけに、などと言えば絶対零度の視線が更に冷やかになっていたかもしれない。
「約束したのは、フィーやつきのんだけじゃないからね。必ず守るよ」
 キリッとシエラに、呆れ返る二人が見直そうかと思った瞬間。
「素晴らしき肌の温もりの記憶に誓って!」
 余計な一言で台無しである……とは思ってても言わないのもまた、優しさだろう。
 決してめんどくさくなってスルーしたわけではない。たぶん。

 月乃は集中する。二人に任せてばかりではいられない。
 戦闘音に紛れ、獣が忍び寄る音、地面の砕けた石ころの動きに神経を研ぎ澄ませ――。
「待ってつきのん! 間近で見たらこのワンちゃん……可愛いかも?!」
「どこがじゃ!? 熊じゃろ! むしろゴリラじゃろ悪い意味で!?」
 ――ようとしてるのに、獣の氷像をまじまじ見ているシエラにツッコミ、集中が途切れる。
 しかしその瞬間、野生の勘が危険を感じる。
 ワザと無防備に振る舞うシエラも、前線で獅子奮迅するミルフィも気付かない場所。
 二人の死角になっている、月乃の真横。
「そこじゃ! ――『妖花演舞』」
 不可視の存在を対象に選べない。だが、空間ごと対象に選ぶ。
 紅葉柄の扇が燃えるように解ける。狐の形をした炎の花びらが、その範囲一帯を埋め尽くす。
 炎の花びらが届かない不自然な空白が浮かび上がり、3体の獣が一斉に黒い霧となって消滅する。
「私の勘がズバリ的中したのじゃ。見たか二人とも、私が見事隠れた敵を……」
 月乃はえっへんと腰に手を当て、先程のシエラに負けじとドヤ顔を決める。
 きっとシエラが愛らしいドヤ顔とポーズに蕩け、無表情なミルフィが尊敬のまなざしで褒め称えていることだろう――。

 ぽつん。
「……って先にいっとるー!? ま、待つのじゃこんな所で置いていくなじゃー!」
 どうやら月乃が仕留めた獣が最後だったらしい。
 広場の殲滅した後、城の内部へと向かっていた。
 寂しい効果音と風が月乃は慌てて追いかけていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『嗜虐の吸血姫カルマリア』

POW   :    跪きなさい!
【蹴り倒し、踏みつけて足蹴にする事 】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    斬り刻んでペットにしてあげる
【何もない空中から無数の紅き刃 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    アナタも私の下僕に加えてあげよっか?
レベル×1体の、【胸 】に1と刻印された戦闘用【に改造されたレジスタンス達のゾンビ】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はヴェスター・アーベントです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「いらっしゃい♪ よく来たわね、歓迎するわ♪」
 城の中の謁見の間らしき場所。
 その吸血姫は豪華な王座に無邪気な少女のように座っていた。
「あっ、もしかして疑ってるかしら? 本心なのよ、これ」
 口許に指を当て、くすくすと妖艶に微笑む。
「無抵抗な人間を嬲ったり、色々工夫して儚い希望を抱いた人間の心をへし折って絶望に落としたり……そういうの大好きだし、とっても楽しいんだけどね……?
 そればっかりじゃどうしても飽きるじゃない」
 はふ、と悩ましい溜息をついて、憂いを帯びた表情を作る。
「甘ぁいケーキばっかりじゃ胸焼けしちゃうわ。
 たまにはがっつりお肉を食べたくなる……みたいな? そう言う気分だったの」
 力無き女性達を嬲り、教団員を痛みと恐怖で洗脳し、その手を汚させた。
 それを事もなげに、言ってみせる。
「その点あなた達は合格! 花丸あげちゃう♪」
 小さくぱちぱちと拍手している。バカにしている……あからさまな挑発。
 無防備に見えて隙がない。
「ふふっ、怒った? 許せない? 命を懸けて絶対に倒す?
 そう、私が欲しかったのはそういう反骨心なのよ!」
 芝居がかった演技、それは敵意を高めるためのもの。
「あなた達を力ずくで屈服し、絶望に落としたら――どんなに気持ちいいかしら?」
 頬を紅潮させぞくぞくと身を悶えさせながら、ちろりと唇を舐め獲物を見定める。
「私の名は『嗜虐の吸血姫』カルマリア……たっぷり可愛がってあ・げ・る♪」
オウカ・キサラギ
他者との絡み、アドリブ歓迎!

ようやく見つけたぞ吸血姫!
弱った心に付け込むアンタのやり方は絶対に許せない!

ここは向こうの嗜虐心を煽っていこうかな。
スリングショット、革鎧、グローブを脱いで余裕を見せるふりをして【シーブズ・ギャンビット】の速度を少しでも底上げするよ!
怪しまれないように「アンタなんかこのダガー1本で倒せるね!」って挑発もしていこう!

ボクに注意を向けたなら【見切り】【ダッシュ】で回避に専念!
その隙を他の人が狙ってくれればそれでよし!
もしボク以外に注意が向いたなら、その隙に【シーブズ・ギャンビット】をお見舞いしてやる!


四季乃・瑠璃
「歓迎ありがとう♪」
「お礼に全力で殺してあげるね、吸血姫」

さり気なく閃光仕様のジェノサイドボム(以下ボム)で目晦まし。
その隙に【ダブル】で分身し、二人掛かりで【範囲攻撃】【2回攻撃】接触式ボムの連続爆破で攻撃。接近時はK100の【クイックドロウ】【2回攻撃】で額や足を撃ち抜いて動きを止め、至近からボムを叩きつける様に迎撃。敵のゾンビも紅刃も全て殲滅。
更に第3人格の翡翠を宿した切り札、シスターズ起動。爆風に紛れて翡翠が死角から回り込み追撃を加え、三人掛かりで爆殺する。

「私達は2人で1人の殺人姫♪」
「でも、姉妹は二人だけじゃない。弄ばれた気分はどう?吸血姫さん」
「私達3人、屈服させられるかな」



「ようやく見つけたぞ吸血姫!」
 オウカが怒りを露わに、吸血姫を見据える。
 グリモア猟兵から聞いた話、実際に目にした現状……
 遂に、その元凶の目の前に辿り着いた。
「歓迎ありがとう♪」
「お礼に全力で殺してあげるね、吸血姫」
 瑠璃と緋瑪が目晦ましの閃光を放つ。
 その光に紛れて2人はジェノサイドボムの絶え間ない連続爆破で攻め立てる。
「あははっ、なぁにそれ? 楽しい玩具ね!」
 しかし着弾せず、紅い刃で空中で切り刻まれ誘爆する。
「弱った心に付け込むアンタのやり方は絶対に許せない!」
「あら、許せないならどうするのかしら?」
 オウカはスリングショットを革鎧のベルトを外し、床に落とす。
 身軽な軽装に、構えるのは一本のダガーのみ
「ふふん、アンタなんかこのダガー1本で倒せるね!」
「威勢が良いわね、大好きよそういう娘。どこまでその自信を貫けるかしら?」
 オウカは虚空から現れる紅い刃を見切る。その技の情報は知っている。
 そうと心得ていれば不意打ちにはならない。
 オウカは広い謁見の間を駆け抜ける。
「鬼ごっこかしら。追い詰めてあげるわ」
 しかしこの部屋全てが圏内。無数の刃がオウカへと迫り、避け切れぬ刃がその身を徐々に刻む。
 回避力を高めるべく革鎧を脱ぎ捨てたオウカは、防御力を犠牲にしている。
「つっ、でも!」
 逃げ回るオウカを追い詰めることに、夢中になっている。
 そこに瑠璃が遠慮なく爆撃を行う。
「ふふ、残念ね。音と見た目ばかり派手な玩具じゃ、届かな――」
 先程と同様に、爆風が届かない位置で防いだ……つもりになった吸血姫の背後。
 そこにもう一人の『瑠璃』が現れる。死角からの銃撃、更に三方向からの埋め尽くすような爆撃。
「私達は2人で1人の殺人姫♪」
「でも、姉妹は二人だけじゃない。弄ばれた気分はどう? 吸血姫さん」
「私達3人、屈服させられるかな」
 己の別人格を召喚する『オルタナティブ・ダブル』。それを更に使用して切り分けた『3人目』。
 殺人姫の切り札、シスターズ。
「ふふっ、面白い手品ね? 面白かったから……全部『同時に』切り刻んであげる♪」
 爆煙が晴れた中から、現れる。無傷……否、受けた傷を再生しているようだ。
 狙いが殺人姫達へと逸れたその瞬間。
「ボクもいるよ! ようやくこの刃が届く……『シーブズ・ギャンビット』!」
 煙に紛れてダッシュしたオウカのダガーが、深く突き刺さる。
 オウカは突き刺したダガーを即座に手放して反撃を躱し、距離を取る。

「アンタは絶対に、ここで仕留めて見せる!」
「……はふ。流石に、元気いっぱいの娘達を一人で相手するのは大変ね。いいわ、じゃあ次はこの子達の相手してもらえるかしら?」
 オウカのダガーを抜いて投げ捨てながら、パチンと指を鳴らす。
 ゾンビ達が現れ、猟兵達の周囲を囲む。
「何かと思えば……」
「有象無象のゾンビ達♪」
「こんなの纏めて爆殺して殲滅するだけ」
 殺人姫は更なるボムを作りだし、構えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
「力ずくで屈服させ、弄ぶ……か。
良い趣味ね。気が合いそうだわ」

【WIZ】

ゾンビに囲まれないよう、夜魔の衣を蝙蝠の翼に変形させ
天井ギリギリの高さで飛んで【空中戦】
ゾンビも 無数の刃も【衝撃波】【2回攻撃】で蹴散らすわ。

「貴女が私のモノになるの。
屈服させられる快感を教えてあげる」

【呪詛】を唱えつつ、カルマリアに接近。
蹴りで迎撃されるだろうけど
呪詛の苦しみで威力は弱まるはず

「うふふ、良い蹴りね。気持ちイイ♪」

【激痛耐性】で耐えて カルマリアを抱きしめるわ。
胸を押し当て、お尻を撫でながら
首筋に噛み付き【吸血】【2回攻撃】で吸血勝負よ!
激しく吸い殺してあげる

「慰み者にされるのも、悪くない気分でしょう?」



「力ずくで屈服させ、弄ぶ……か。良い趣味ね。気が合いそうだわ」
「ええ、本当に。貴女とはとっても仲良くできそう」
 ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の姫君・f10671)は吸血姫と全く同じ事を考える。
 ――『貴女みたいな人を屈服させた時が一番楽しい』。
 ドゥルールが夜魔の衣を蝙蝠の翼へと変形させ、飛翔する。
 ゾンビの群れを飛び越え、無数の紅き刃を迎撃しながら、吸血姫の眼前に降り立つ。
 同時にドゥルールが得意とする呪詛を唱えれば、放たれた吸血姫の蹴りが僅かに鈍る。
「うふふ、良い蹴りね。気持ちイイ♪」
 それを受け止め、懐に滑り込んで吸血姫を強く、愛情を込めるように抱きしめる。
 吸血姫の死人のように冷たく、だが柔らかな肌を艶めかしく撫でて感触を愉しむ。
「貴女が私のモノになるの。屈服させられる快感を教えてあげる」
 ドゥルールの大きな胸を押し付け、互いに胸を柔らかく押し潰し合う。
 肉感的なお尻を撫でてまさぐりながら、吸血姫の首筋に噛み付く。
「ふふっ、真正面からなんて面白い♪ 雑種が純血に敵うかしら?」
 吸血姫は妖艶な笑みを浮かべ、脚を絡めて抱き寄せ、より身体を密着させる。
 恋人同士が身体を求め合うように、首筋に舌を這わせて牙を突き立てる。
 ぴちゃぴちゃと艶めかしい水音を立てて血を吸い、互いに奪い合う。
 ゾンビはドゥルールを攻撃するのではなく、その睦み合いを他の猟兵に邪魔させぬように周囲を守る。
「んっ、んんっ……!」
 ドゥルールは吸血姫の首筋に口付けながら、くぐもった声をあげて力強くしがみ付く。
 熱い息を荒く零し、血を吸うのも忘れてしまっている。
 ドゥルールはせめてもの抵抗か、あるいは無意識か、背中に爪を突き立て猫のように引っ掻く。
 神殺したるダンピールの爪にダメージを負いながらも、屈服させられかけながらも抵抗に悦びの表情を浮かべる。
 びくんとドゥルールはのけぞり跳ねるも、腰と背中を強く抱きしめられ離れる事を許されず、ちゅぅっと強く吸われる。
「は、ぐ……っぁ、ーー~~……!!」
「ぷはぁ……御馳走様♪ 混ざり物の味も、案外イケるわね?」
 声なき声をあげてぐったりしたところでようやく解放されたドゥルールは首筋から血を垂れ流し、膝をつく。
「慰み者になるのは貴女のほうに決定ね。後でたっぷり可愛がってあげる♪」
 唇に付いた血を舐め取り耳元で睦言のように甘ったるく囁く吸血姫に、ドゥルールは言い返す力は無く。
 しかし血を吸われ、ダンピールの爪をその身に受けた吸血姫も無傷ではない。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

久遠・翔
…なんでしょうか…怒りよりも先に憐れみが来ます

そう言う事でしか楽しめない歪んだ心、か…本当に憐れっすね

何はともあれ、貴女を倒すことに躊躇はしないっす!(シーブズ・ギャンビットで高速移動攻撃)
表情を変えずに攻撃します…こういう相手には感情見せたほうが喜ぶ…だからしないっす
攻撃が激しくなったら服を脱いでインナー姿になってさらに加速して攻撃を容赦なく加えるっす…ただ、顔と胸は狙いません…さすがに、そこは攻撃できない

ただし、敵の攻撃で胸の晒解けてしまうと表情が一変し顔中真っ赤となり胸を抱えて座り込むっす
俺は、男なのに…涙目で相手を見上げ睨みます

そしてそこから加速しなおし攻撃再開してとどめを刺すっすよ



「そう言う事でしか楽しめない歪んだ心、か……本当に憐れっすね」
 他者を虐げ踏みにじることでしか喜びを感じられない吸血姫に、翔は同情すら覚える。
 ヴァンパイアとは、オブリビオンとはそういう存在でしかないのだろうか。
 しかし振るう刃には躊躇もない。無尽の紅い刃を翔のナイフが切り払う。
「ふふっ、遅いわ」
 吸血姫はくすくす微笑みながら避け、巧みに紅い刃で牽制と致命傷を狙われ、攻めきれない。
 掠めた紅刃で傷を負いながらも、表情を変えず上着を脱ぎ捨てる。
 身軽になり更に加速した二刀のナイフが、紅刃を弾き徐々に吸血姫の動きを捉え始める。
「ふふっ、頑なな表情も可愛いらしいわ。ふふ、女の子みたいね?」
「……っ!」
 吸血姫の言葉で、翔のポーカーフェイスに隙が生まれる。
 その隙に回避から攻撃へと転じ、ナイフよりも更に至近距離、素手の間合いに踏み込まれる。
「そういう顔こそ、崩したくなっちゃうのよね」
 傷と隠す包帯かと思ったのか。
 爪を振り上げ翔のサラシを斬られ、断ち切れたサラシが解けしまう。

「さぁ、その傷を抉ってあげ……あら? あらあら?」
 抑え込まれていた豊満な胸が弾けるように零れてしまうと翔の表情が一変する。
 翔は羞恥で顔中真っ赤となり胸を抱えて座り込み、真っ赤な顔で涙目で吸血姫を見上げて睨む。
「ふふっ、まさかホントに女の子だったなんて……」
「ち、違う! 俺は、男なのに……」
 吸血姫の無遠慮な視線が、無防備な胸へと注がれる。
 相手が女性だろうと、向けられるその目に屈辱と羞恥で怖気が走る。
「羞恥責めが好きみたいね。ならそう虐めてあげるわ♪」
「……っ!」
 翔の顎を掴まれ、赤らんだ顔を持ち上げられる。
 戦闘より相手を嬲り辱めることを、好むその性質。その油断を突かない理由はない。
 翔は片腕で胸を押し潰すように隠しながら、落としたナイフを振るい、吸血姫の腕を深く切り裂く。
 サラシすら脱がされた翔の上半身に纏うものはない。
 二刀から一刀へと手数が減り、抑える物がなくなったせいで豊満な胸が高速の動きに揺れて動きづらい。
 が、それを補って余りあるユーベルコードの加速。
 もう一撃、退こうとする吸血姫の脚を捉える。
「命の危機より裸体を恥じらうなんて新鮮ね。ふふっ、初々しくて可愛いわ♪」
 翔は立ち上がり、大きく距離を取った吸血姫を睨み付ける。
 愉しげに笑みを浮かべた吸血姫の傷は再生していく。
 だが翔は確実に力を削いだ手応えを感じた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カルティーチェ・ルイナ
アドリブ絡みOK!

特に、先輩のキアお姉さんと一緒に戦います、なんだか悩んでて辛そうなので、少しでも和らげられたら良いな。
「大丈夫です、きっとどんな姿でもそれはあなたなんですから」

吸血姫と相対したら痛み止めを飲んで【受難の代替者】を発動、発動したら何かしらの苦痛…と言う体の気持ちよさが続きますがそこは痛み止めで多少押さえます。
キアお姉さん達や城の中の人々の負の感情を力に変え、希望を見せてやりましょう!

今回は受けに徹してても身体が持たないので盾受けはそこそこにして積極的に攻撃。
でも仲間のピンチはちゃんとかばいます。

大体終わったら手当てと声かけしてます、キアさんへ手を取って優しくしてあげたいですね。


キア・レイス
カルティーチェが声をかけてきてくれた、見ていて痛々しいと言っていた。
…迷いを吹っ切った訳ではない、私は悩み続けるだろう。
…でも今は彼女に委ねてみますわ、わたくしの不安を。
真の姿で吸血姫の前に躍り出ます、蠱惑の呪紋は吸血姫以外に見せないよう気を付けるわ。

昔のわたくしと背丈以外変わらないこの姿を見て、吸血姫はどんな反応をするのかしら?
わたくしも裸と大差ないこの姿で吸血姫の前に立って、残虐の恐怖や屈従の不安と一緒に浅ましい恍惚も感じてしまうのかしら?
想いつつ【わたくしからのちょっとした試練】を使うわ、痺れるガスを放つだけの悪戯レベルのユーベルコード、でも今、そばに大丈夫と言ってくれた人がいます。



「わたくしの真の姿……どうかしら……?」
 キアは殆ど裸と大差ない自らの真の姿を吸血姫の前に晒す。
 頭から脚の先、女性的な部分まで、値踏みするような無遠慮な視線が浴びせられる。
「ふふっ、そうね……その物欲しげな目、悪くないわね?」
 誘惑されるままに、キアの身体へ吸血姫の肢体が絡みつく。
 同時に召喚された触手が、キアと吸血姫の身体を這い纏めて絡み取る。
「そういう趣向? 可愛がってあげるわ、お人形さん♪」
 触手から麻痺ガスが噴き出すが、吸血姫は耳に赤い舌を這わせて甘く囁く。
 鋭い爪が無防備な柔らかな肌を裂き、描かれた赤い線から血が零れ落ちる。
 キアの心に、残虐の恐怖や屈従の不安が沸き上がる。――同時に、浅ましい恍惚も。
 そこに割り込む、ランスの穂先。
 小さな少女が、キアと吸血姫の間に入り立ち塞がる。
「大丈夫です、キアお姉さん。きっとどんな姿でもそれはあなたなんですから」
 声を掛けた少女、カルティーチェ。
 悩むキアの姿が、なんだか痛々しくて、見ていられなかったから。
「あら、お邪魔虫なんて野暮ね。あぁ、貴女もシて欲しいの?」
 吸血姫とてユーベルコードの影響は皆無ではない。
 余裕の笑みを浮かべたその見た目以上に、動きが鈍くなっている。
「ええ、お願いします。貴女がもたらす全ての痛み、苦しみ、恐怖の一切を、カルティーチェが受け止めます――『受難の代替者』」
 この城に満ちる怨嗟、苦痛、恐怖……それらがカルティーチェの身に宿る。
 同時に放たれた無数の紅い刃が、その身を刻む。
 あまりにも濃い苦痛によって、ぞくぞくっと甘い感覚が全身を駆け巡る。
「は、ぁ……っ」
 頬を紅潮させたカルティーチェの口から、熱っぽい声が漏れてしまう。
 その様子を敏感に感じ取った吸血姫は小首を傾げて問う。
「貴女……もしかしてM?」
「えむ? よくわかりませんが、私はただ、痛いのが気持ちいいだけです!」
「それをMっていうのよ」
 流れ落ちる血を厭わず、ランスを構えて突撃する。
 吸血姫は余裕を持って躱そうとしたところを、強引な方向転換で吸血姫の身体を捉える。
 防御の上からでも痛烈な威力は、この城に満ちる負の力を吸い取ったが故に。
「調教済みの子も面白いわね。何なら二人とも飼ってあげてもいいわよ?」
「いいえ! そうはさせません、勿論私もお断りです!」
 呪いがカルティーチェの小さな身を苛みながらも、吸血姫の提案を一刀両断する。
 一歩踏み込む度に、筋肉が悲鳴をあげる。それでも、立ち止まらない。
「どうして? 貴女も、貴女だって。私を拒む理由なんてないでしょう?」
 吸血姫はきょとんと、心底不思議そうに問いかける。
 それは純粋な疑問。

「貴女は知ってるはずだわ。心を委ねた隷属の安らぎも、身を捧げた隷属の悦びも」
「……迷いを吹っ切った訳ではない、私は悩み続けるだろう」
 キアに根付いたその想いは、簡単に拭えるものではない。
 未だ過去へと振り向き、その心は囚われ続けている。
「でも今は……彼女に委ねてみますわ、わたくしの不安を」
 傍には『大丈夫』と言ってくれた少女がいるから。
 こうして悩み続けてしまうことすら、今の自分なのだから。
 まだ、『今のままのキア』でいい。

「じゃあ貴女は? どうして気持ちいい事に、身を任せないの?」
 痛みを拒絶するのは防衛本能だ。
 それを快楽という甘い毒に書き換えられた少女は、抗う事は難しいはずだ。
 自らを痛めつけるような行為。だがそれは快楽だけを求めてのものに見えなかった。
「わからないです。わからないけど……」
 カルティーチェは痛み止めの薬で抑えているものの、全身の傷が甘く疼く。
 痛みが快感に変わり、激しすぎる快感が苦痛になり、だがそれすらも快感へと置き換わる。
 幼い身に余る快感が走り脚が震える。今にも腰砕けて、ねだってしまいそうだ。
 きっとこの吸血姫は、望むままに痛みを与えてくれる。
 ――だけど。

「わからないままでも、この手を誰かに差し伸べることも、この脚を前に踏み出すこともできるから!」
 強く踏み込んで、手にしたランスを吸血姫へと放ち傷を負わせる。
「キアお姉さんや、この城の人々の達の抱く負の感情全て、カルティーチェが受け止めて力に変え、希望を見せてやりましょう!」
 だって、カルティーチェは痛みや苦しみが大好きだから。
 あんな辛そうな顔、キアお姉さんも他の人達も皆、しなくていい。
「あぁ……良いわね、屈服しないその魂。ますます貴女達のこと気に入ったわ♪」
 ランスの突撃を受けて吹き飛び、流れ出る血を気にせず。
 吸血姫は『だからこそ』と恍惚の笑みを浮かべた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ミルフィ・リンドブラッド
【朧月】
『挑発』を使って吸血姫の攻撃を引き受け、月乃やシエラへの攻撃がいかねぇようにして2人が攻撃しやすいようにする、です。
「名前が姫なわけでもないのに自分から吸血姫となのってやがるです?ぷーくすくす、です。痛いやつです。
姫のように愛されたいから名乗ってやがるんですね。誰も趣味の悪いお前なんて愛さねぇです。」

敵の攻撃を「天竜殺し」で防いで守り(『武器受け+怪力+オーラ防御+かばう』耐えて、連携攻撃をするタイミングを計るです
「シエラ、今です」

シエラが「腹パン」して吹き飛ばした敵に「血の弾丸」を射出。
「天竜殺し」で殴って上に浮かせる。
そこに【ただの右ストレート】で腹パンして月乃の方へパスするです


麗明・月乃
【朧月】
過去の亡霊が言いよるのう。
「お前程度の攻撃がフィーに通じるわけないのじゃ」
「うちのフィーは強いぞえ。お主に倒せるかの~?」
…絶望を示すには良い獲物じゃろ?と暗に『誘惑』

敵がフィーを向いたら真の姿で私と指輪の『封印を解く』
同時に【九破天狐の舞】で九尾に変身。
4種『属性攻撃』を駆使し、『野生の勘』でフィーに踏み込もうとする奴の動きの妨害を試みるのじゃ。
シエラの準備が出来たら少し緩める。

シエラの奇襲に合わせて『高速詠唱』し『全力魔法』で【弱者の力】発動。
「行け、シエラ。…フィー!」
私自身は上へジャンプ。
炎を爪に宿して…フィーの攻撃に合わせて全力で叩きつける!
「お腹は良い感じに空いたかの?」


シエラ・アルバスティ
【朧月】

「そんな……救世主様がこんな方だったなんて……」

変装衣装のまま来た私
儚い少女の演技復活!
槍? 入口に置いてきた!

「わ、私は……ミルフィさんにお願いして連れて来て貰ったの……ミルフィさんが納得行くまで自分の目で確かめればいいって……」

【目立たない】状態から『雷糸』を地に這わせてカルマリアの足に巻き付け放電!

「かかったな!」

前回の不完全燃焼解消!(恍惚)

【クレイジー・アトモスフィア】発動
全て翼を消費し超【ダッシュ】しながら【穿孔滅牙】腹パン正拳突きでミルフィの方へ吹き飛ばす

「一番~、シエラ・アルバスティ!」

・ラスト絡み(月乃)

「期間限定降参イベント! 最後の晩餐つきのん鶏料理ついてくる!」



「そんな……救世主様がこんな方だったなんて……」
 ボロを纏った儚げな少女が、愕然とした表情を浮かべる。
「あら? 紛れ込んだのかしら」
「わ、私は……ミルフィさんにお願いして連れて来て貰ったの……ミルフィさんが納得行くまで自分の目で確かめればいいって……」
「そう。でも今更、絶望なんて味わう気分じゃないの。それよりも……貴女、とってもおいしそうね」
 さして目立たない有り触れた少女を一瞥した後、視線をミルフィと月乃へと移す。
 ミルフィは挑発するような視線を遠慮なく叩き込んでいた。――儚げな少女から注意を自分に移すべく。
「名前が姫なわけでもないのに自分から吸血姫と名乗ってやがるです? ぷーくすくす、です。痛いやつです」
 無表情のまま、出会い頭に挑発されたように小ばかにして挑発し返す。
「姫のように愛されたいから名乗ってやがるんですね。誰も趣味の悪いお前なんて愛さねぇです」
「ふふっ、口の悪い子ね? でもそれでこそ、躾け甲斐があるわ」
「お前程度の攻撃がフィーに通じるわけないのじゃ。うちのフィーは強いぞえ。お主に倒せるかの~?」
 月乃が誘惑するように、ミルフィをアピールする。
 吸血姫の表情は、バカにされた怒りではなく喜びの笑みを浮かべる。
 骸の海より蘇ってからヴァンパイア100年の治世。刃向かう者はいる。
 だが、こうまで強い意志で向かってくる者がいただろうか。
 吸血姫は唇をちろりと舐める。
 こんなにも愛しい御馳走、骨の髄まで味わい尽くさなければ。
 ――勿体なくて狂おしくて死んでしまいそうだ。

「雑魚は私に任せるがよい!」
 月乃は真の姿へ変じながら、指輪の封印を解く。
 炎と氷を纏う巨大な九尾の狐へと姿を変えた。
 ゾンビ達へ、炎、氷、風、岩。4つの属性攻撃で鎧袖一触する。
「フィーの邪魔はさせないのじゃ!」
 雑魚の狙いを惹きつけながら、ミルフィを妨害しようとする敵を魔術で薙ぎ払う。
「ふふっ、可愛いちみっこちゃん。力だけは大したものだけど……まさか1対1なら勝ち目があると思ったの?」
 ミルフィは虚空から現れる紅き刃をハンマーで防ぐが、防御がこじ開けられる。
 間合いを詰められ、纏ったオーラも鋭い爪で削り取られる。
 急所を庇い、その身体そのもので受ける。
「っ……!」
 ミルフィは痛みで僅かに怯みながらも防御のオーラを再展開。
 だがそれごと蹴り倒される。
「さぁ、跪いて苦悶の悲鳴をあげなさいな!」
 地べたへ倒れながらも無表情なミルフィへ、嗜虐に満ちた笑みを浮かべる。
 踏みつけようとしたその脚が、突然止まる。

「っ、なに、これ?」
 吸血姫の脚に絡みついた、雷の糸。
 その先を辿るとボロを纏った、儚げな少女……その演技をやめたシエラだ。
 確実に捕えられる、この好機を待っていた。
「かかったな!」
 前回の不完全燃焼解消できたシエラは満足げに恍惚の笑みを浮かべ、一気に放電する。
 吸血姫は、屈服させ甲斐のある美味しい獲物に釣られ、興味が薄れた対象への疎かになっていた。
 それを自覚した吸血姫の顔が、忌々しげに表情に歪む。
 電撃によるダメージより、不意を撃たれた事がよっぽど悔しいらしい。
 だがそれはあくまでも布石。
「1対1なら勝てると思ってるか、とか何とか言いやがりましたね。んな事思ってるわけねぇです……」
 ミルフィはその隙に、ゆっくり立ち上がる。
「だって、フィーは独りじゃねぇですから。――だから勝てると思ってるんです」
「その通りじゃ! 行け、シエラ」
「一番~、シエラ・アルバスティ!」
 月乃の号令を受けたシエラは、6枚の大気の翼をその背に纏う。
 風を纏った高速移動。そして開いた間合いから突撃の構え。
 脚を拘束された状態で回避は不可能。盾になるゾンビは月乃によって品切れ。
 吸血姫は防御を取ろうとする――が、遅すぎた。
 6枚全ての翼を消費し、背後に爆風が吹き荒れる。
 超高速に更にブーストを掛けたダッシュ加速は、限界の更に限界を超え、自らを『射出』する。
 音すら置き去りにして、拳を無防備な腹へと叩き込む。
「ぐぅっ……!?」
 脚を拘束していた雷糸が断ち切れ、吹き飛ぶ。
 その先には、シエラが作った隙に抜け出したミルフィが待ち構えている。
 吸血姫は吹き飛びながらも放たれた血の弾丸を防御するが、振り上げた巨大ハンマー『天竜殺し』に打ち上げられる。
「こっちじゃ、フィー!」
 月乃は合図しながら、天井近くまで高く飛び上がる。
「月乃、パスです」
 即座に飛びあがったミルフィが、軽く拳を握りしめる。
 踏み締める大地の無い空中。だからミルフィは、自分の筋力だけで振りかぶった拳を放つ。
 それは大陸が割れるほどの力が籠っているだけの『ただの右ストレート』。
 シエラが殴った腹部の同じ場所を、その拳で打ち付ける。
 踏み止まれないのは、吸血姫とて同じ。空中で吹き飛ぶ。
 待ち構えるのは九尾狐、月乃。
 纏った炎をその爪に全て宿した、全力の魔法。
「これで……仕舞いじゃ!」
 炎爪を振り下ろし、地面へと叩きつける。
 石の床が砕けるほどの衝撃が、吸血姫を襲った。

「……ぐ、ぁぅ、女のお腹をぽんぽん殴るなんて……全くこの娘達お転婆ね……」
 砕け舞う粉塵の中から、吸血姫はゆらりと立ち上がる。
 しかしその受けた傷が再生し切れていない。確実に上回っていった。
 だが吸血姫は、愉しげに、狂ったように哄笑を挙げる。
「ああ、あぁ、それでも、それでこそ!
 屈服させ甲斐があるというものでしょう!? あはっ、あははははっ♪」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ナターシャ・フォーサイス
WIZ
つまるところ貴女は、我々を屈服させて愉しみたい。
…そう仰りたいのですね?
ですがそれは受け入れられません。
導くうえで、これ以上罪を重ねさせることはできませんから。

ゾンビたちの相手は天使たちに任せましょう。
力は彼等の方が上かもしれませんが、導くうえでは些細なこと。
彼等を一人残さず、楽園へと導いてあげてください。

カルマリアさん、貴女にはこの私が。
人間として怒りはしますが、使徒として赦し、導きましょう。
サディストなのもは個人の趣味ですから否定はしません。ですが、それは愛あって成り立つもの。
そもそも貴女のされていることには愛が見えません。
愛が何たるか、甘く蕩けるように教え、そのうえで導きましょう。


雛菊・璃奈
「貴女と遊ぶ趣味は無い…多くの人達を弄んだ罪…償ってもらう…」

可能なら「斬り刻んで~」の範囲外、距離を置いて戦う…。
【unlimited】を周囲に展開…。全体に【呪詛】を込める中、一部の魔剣達に特別力を込めて呪詛を付与…。
九尾乃凶太刀からの【2回攻撃】【衝撃波】や【unlimited】の一部で断続的に攻撃を仕掛け、回避の余裕を奪い、最後に特に【呪詛】を一際込めた本命の【unlimited】の魔剣達で一斉掃射…。呪詛を込めた魔剣達で葬り去るよ…!

敵ゾンビは召喚されたら【衝撃波】【なぎ払い】や一部【unlimited】で対応。直接攻撃は【カウンター】【呪詛】【オーラ防御】のアンサラーで反射。



「つまるところ貴女は、我々を屈服させて愉しみたい。……そう仰りたいのですね?」
「えぇ勿論。だって反抗的な子を嬲るのが、とっても愉しみんですもの♪」
 ナターシャは小首を傾げて問いかければ、無邪気な少女のようににぱっと微笑む。
 追い詰められていようと、その享楽を変えようともしない。
「多くの人達を弄んだ罪……償ってもらう……」
 璃奈は一振りの妖刀、九尾乃凶太刀を抜き放って禍々しい呪力と共に殺気を放つ。
 弱っていようと、圧倒的力量差。この空間全てが吸血姫の間合いだろう。
 だがこの限定空間なら璃奈にとっても同じ事。
「あら、怖ぁい……ふふ、でもそれでこそ。じっくりたっぷりいたぶって、被虐の快楽に目覚めさせてあげるわ♪」
「それは受け入れられません。導くうえで、これ以上罪を重ねさせることはできませんから」
「あぁ、貴女、聖者ね? ホント意味わかんない。けどいいわ。存分に反抗して頂戴?」
 吸血姫がぱちんと指を弾けば、どこからともなくゾンビ達が現れる。
 ナターシャも同時に眷属たる天使達を召喚する。
 胸の数字の合計は、数えて計算するのもばかばかしい。
 低レベルの者なら、天使のほうが勝る。だが一撃受ければ消滅させられてしまうだろう。

「ですがそんなことは導くうえで些末なこと。彼等を一人残さず、楽園へと導いてあげてください」
 ナターシャが吸血姫へと歩み寄りながら大鎌を手に告げる。
「まずは、雑魚を掃除する……」
 璃奈はその刀を振るい、衝撃波で天使の援護をする。
 いくらでも呼び出せるようだが、決して消耗しないはずだ。
「カルマリアさん、貴女にはこの私が」
「えぇ、いいわ。ゾンビに貴女の相手させるには勿体ないもの♪」
 吸血姫はナターシャの誘いに乗る様に、懐に飛び込む。
「人間として怒りはしますが、使徒として赦し、導きましょう。サディストなのも個人の趣味ですから否定はしません」
 大鎌を刈る様に薙ぎ、上へ跳んだ吸血姫の爪を柄で受け止める。
「ですが、それは愛あって成り立つもの。そもそも貴女のされていることには愛が見えません」
「愛ならあるわ? 愛って言うのはね、奪うこと、押し付けるもの、支配すること、欲望のまま、貪り尽くすもの」
「いいえ、そんなものは愛ではありません。愛が何たるか、甘く蕩けるように教え、そのうえで楽園へと導きましょう」
「ふふっ、なら教えて? 代わりに私は苦痛と快楽を教え込んで、その淑やかな顔を滅茶苦茶に乱してあげるわ」
 ナターシャと競り合いながら、吸血姫は口づけするかのように顔を近づけ、紅潮した笑みを浮かべる。

 そこへ璃奈の剣閃が迫り、ナターシャから引き剥がす。
 従えるのは百を数える魔剣、妖刀の数々。
「あらあら、言うだけあるわね?」
「諸共、葬り去る……!」
 吸血姫は愉しげにその光景を眺める。
 璃奈は魔剣を時間差で、回避される事も織り込み、追い詰めるように放つ。
「ふふっ、鬼さんこちら、手の鳴る方へ♪」
 剣閃の衝撃波を織り混ぜながら、断続的に魔剣を放つ。
 ひらひらと踊る様に、あるいはゾンビに庇わせ、盾にしながらそれを回避していく。
 璃奈の二閃が、小さな数字の有象無象のゾンビを薙ぎ払う。
 その隙に、遠間から踏み込んだ吸血姫が近づく。
「近くで見ると貴女もやっぱり可愛いわね。ふふ、その反抗的な目も私好み……♪」
 璃奈の柔らかな頬を撫でるしなやかな手に、全身の毛が逆立つような怖気を感じる。
「私に、触れないで……!」
 璃奈は刀を薙ぎ払いながら、魔剣を再展開する。
 吸血姫は指を弾いて更に下僕を呼び出す。
 最初に呼び出していた頃より数も少なく、胸の数字も小さい。

「あぁ……とっても歯応えのある美味しい獲物……いいわ、もっと、もっと味わわせて!」
 昂る吸血姫は、受けた傷で『ハイ』になっているのだろう。
 予備動作の大きい、無駄とも言える攻撃動作を見せる。
「(囮? 誘い? ううん、そうだろうと関係ない……)」
「アンサラー……!」
 璃奈は幅広の剣を抜き放つ。
 纏った魔力の壁が紅き刃を悉く跳ね返す、それは報復の魔剣。
「ぐぅ……!?」
「貴女と遊ぶ趣味は、ない……これで、全て終わらせる……――『unlimited curse blades』……!!」
 自らが放った紅刃に刻まれ、吸血姫の動きが明らかに鈍った一瞬。
 囮はもはや不要、百の魔剣の全てを叩き込んだ。
 吸血姫の盾になろうとするゾンビを、ナターシャの天使達が殺到し阻む。
 漆黒の呪詛が、ヴァンパイアの居城の一角を埋め尽くした。

●絶望は潰えて
「っ、ぁ、はぁ……はぁ……あーぁ、もう、お気に入りの服、ボロボロね……」
「まだ、立ち上がるつもり……?」
「ん、ぅ……いいえ、これは、多分、もう、無理みたいねぇ……?」
 吸血姫は床に縫いとめるように突き刺さった魔剣を、呪詛がその手を蝕むのも構わず乱暴に抜く。
 その存在はあまりに希薄であり、今正に消えようとしているところだった。

 前のめりに倒れそうになった吸血姫を、ナターシャが静かに抱き留める。
「はぁ……これが貴女の愛なの? ……なんだかくすぐったいわ、コレ」
 ナターシャが再生しきれず、傷だらけになった抱きしめる。
 そこに痛みも快楽もない。
 ただ、柔らかくて温かいだけの包み込むような抱擁。
「けどまぁ……愉しかったわ……ふふっ、ご褒美よ。この城の人間は、好きにしなさいな……」
 吸血姫は囁くように言い残し、灰となってナターシャの腕の中から零れ落ちた。
 ナターシャが大鎌を振るえば、落ちた灰は空中に舞い、霧のように散っていく。
「カルマリアさん。これで貴女の魂は、正しく楽園へと導かれる事でしょう」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

佐藤・和鏡子
無理してでも(元々の性格はおとなしい方です)気丈に振る舞うことと、目立つ格好(セーラー服とスクール水着に看護帽)でカルマリアの注意を引きつけるようにします。
攻撃時は救急箱型ガジェットの属性攻撃(様々な物を出して攻撃)を使用します。
けが人が出たら生まれながらの光を使って積極的に回復させるようにします。
戦闘が終わったらレジスタンス達のゾンビのようなカルマリアの犠牲者をきちんと葬ったり、残された信者たちのケア(けが人がいたら生まれながらの光で回復、洗脳されてる方はカルマリアはもういない事を伝えるなどして説得するなどできる限りのことをしようと思います。



●希望は灯り
 猟兵達の傷を癒しながら、気丈に振る舞っていた和鏡子が力を抜きへたり込む。
 元々大人しい和鏡子には、生まれながらの光の代償以上に、精神的疲労が強かった。
 だがまだやるべきことは残っていると、和鏡子は身体に鞭を打って立ち上がる。
 ゾンビ達は吸血姫と共に塵と消えてしまった。
 埋葬できない代わりに、小さく祈りを捧げる。
 城の中にはまだ、囚われた人々がいる。

「ひっ?! ごめんなさい、ごめんなさいっ!!」
「大丈夫、助けに来ました」
 地下牢。鎖で囚われた怯える女性に、和鏡子が優しく声を掛ける。
 スク水セーラー服看護帽、この世界ではどれも見たこともない服を纏った、お人形のように美しく小さな少女。
 地下牢には、酷く痛めつけられ、素人目にも命に関わるものもいた。
「これでもう、大丈夫」
 怯えさせないよう友好的な微笑みを向け、疲労を押してその光で照らす。
 和鏡子の聖なる光が、暗闇に包まれた地下牢を暖かく照らしていく
「あぁ……カルマリア様は……もう一度私達にご奉仕を許して下さるのですか……?」
 洗脳され、懲罰として入れられたのだろうか。
 一人の女性が濁った瞳で、和鏡子へ問いかける。
「いいえ、いいえ。もうカルマリアはいません。皆、帰れるんです」
 信じがたいというように、驚愕する者がいた。
 安堵に涙を零し泣きじゃくる者がいた。
 洗脳され切ったものか、空虚に崩れ落ちる者がいた。

 だが真実吸血姫の支配から解放された事を知った女性達は、涙を零し生を喜んだ。
 和鏡子の小さな体に縋り付くように抱き付き、猟兵達へと感謝の言葉を何度も何度も繰り返した。
 女性達を連れて城から脱出すると、やがて悪い夢が覚めるように――霧に包まれ消え去った。
 今だ、心に傷痕を深く残している者がいる。
 けれど、和鏡子は彼女達の姿を見て安堵した。
「きっと、すぐに立ち直れる……」
 この世界に虐げられながらも、懸命に生きて来た女性達。
 彼女達は再び歩み出していくことだろう。
「私も、出来る限りの事はします」
 和鏡子達、猟兵と言う希望が確かに存在するのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月12日
宿敵 『嗜虐の吸血姫カルマリア』 を撃破!


挿絵イラスト