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アースクライシス2019⑲〜極彩色の戦火

#ヒーローズアース #戦争 #アースクライシス2019 #ジェスター #ラグランジュポイント


●極彩色の鳥籠
 赤、橙、黄色――この場所に集められたのは、他の区画とはまた違った鮮やかな彩り。
 いや、彩りだけではない。聞こえるのは、鳥たちの美しい鳴き声。
 けれど、島は島でも、極彩色の鳥たちは、この場所では自由に空を飛べない。
 何故ならば、歌を歌う鳥たちは全て、狭い鳥籠に入れられてしまっているのだから。
 そして在るのは、美しい鳥が織り成す色とりどりの風景に、似つかわしくない存在。
「いやハヤ、これダケ集まると美しいモノデスネェ。十分集まったデショウカ」
 相変わらずのおどけた態度で、口先だけの感嘆を述べつつも。
 ぐるりと芝居染みた様に周囲を見回すのは、殺戮道化師。
 その道化――ジェスターは、その「島」、改造巨大輸送船へと何故か鳥たちを集めながらも不気味に嗤う。
 残り時間は……あと僅か。
 けれど、そう簡単にいかないということも、道化には分かっているから。
「オロロロロ、邪魔ガ入りそうデハありマスガ……持ち帰ルためニモ、急ぎマショウ」
 さっさと逃げるべく、美しい鳥たちを運び込む作業を急がせるのだった。
 そう……『持ち帰る』ために。
 ――それデハ、パレードと参りマショウカ!

●殺戮道化師
「みんなお疲れ様だ、戦争もいよいよ大詰めだな。でも、まだやんなきゃいけないことが残ってるから、力を貸してくれ」
 姫城・京杜(紅い焔神・f17071)は猟兵たちに、集まってくれてありがとな! と礼を告げながらも、予知の概要を語り始める。
「ジェネシス・エイトのうちのひとり、ジェスターが発見されたんだ。ジェスターの目的は、何かを『持ち帰る』ことらしいんだけど……ヤツの本拠地と思われる「島」が見つかったんだ」
 そこは、ラグランジュポイントの「島」の一つ。
 探索を続けていたヒーロー達が、その「島」が巨大輸送船に改造されているということに気付いたのだ。
 そしてその巨大輸送船には、様々な物品が運び込まれているのだという。
「この巨大輸送船が、きっとジェスターの本拠地だろうな。ヤツも今、そこにいる」
 巨大輸送船内は、地球上の様々な動物や植物、鉱物などの自然物品や文明の成果としての書物、機械などが、種類ごとに分別されて運び込まれているのだというが。
 ジェスターの居場所――今回、戦場となる区画は、鳥がたくさん集められた、鳥かご区域だという。
「その鳥かご区域にいるジェスターは、これまでの量産型とは違って、本物だ。けどよ、オブリビオンだから、倒してもすぐ躯の海から蘇ってきちまう。ただ、短い間に何度も繰り返し倒せば完全に撃破できるから、鳥かご区域にいるあいつをぶっ倒してきて欲しいんだ」
 けれど、ジェスターもきっと猟兵達の邪魔が入ることは予測済みだろう。
「どうして物品を運ぼうとしてるのか訊いても、はぐらされるだろうし。準備と対策を万全にして臨まねェと、返り討ちにあうかもしれないくらいの強敵だから、今回はジェスター討伐に集中して欲しいぞ」
 ジェネシス・エイトのうちのひとりであるというジェスターは、京杜の言うようにかなりの強敵。
 故に、先手を取ることは不可能だろう。
 なので、ジェスターの先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』という作戦や行動が、今回とても重要となる。
 対抗策を用意しても、それが不十分であれば、苦戦や敗北となる危険性が大いにあるということだ。
 無策であったり生半可な対策では、呆気なく倒されてしまうだろう。
「でもな、有効な対策をちゃんと考えて臨めば勿論、勝機はあるから。これまで強敵を倒してきたみんなに、後は託すぞ」
 だから戦場への転送はしっかり俺が担うからなと、京杜は皆を見回して。
 よろしく頼むぞ、気を付けてな――そう極彩色の島へと導く、炎と紅葉のグリモアを、神の掌に燃え上がらせる。


志稲愛海
 志稲愛海です。
 よろしくお願いいたします!

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「アースクライシス2019」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●プレイングボーナス
 『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』。
 (ジェスターは必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります)

●シナリオ概要等
 戦場は、鳥が沢山集められた鳥かご区域となりますが。
 特に障害物や広さなど、気にされなくて大丈夫です。
 鳥たちを助けるプレイングは不要、質疑応答なども大抵はぐらかされるので。
 強敵を倒すための、戦闘に関する行動や対策をしっかりと立てて臨んでください。
 このシナリオでは、難易度【やや難】相応の判定をいたします。
 ですので、技能名を並べただけやその熟練度が低いと、返り討ちにあいます。
 ジェスターの先制攻撃への具体的な対策をプレイングにてお願いします。

●お願い
 同行者がいる場合は【相手の名前(呼称可)と、fからはじまるID】又は【グループ名】のご記入お願いします。
 ご記入ない場合、相手と離れてしまうかもしれませんのでお忘れなく。

●プレイング受付に関して
 OP公開後、すぐにプレイングの受付を開始いたします。
 今回は早めの完結を最優先に、短期間で締め切る予定です。
 送信可能な限り、プレイング送っていただいて構いませんが。
 人数次第では内容に問題なくても返金となる可能性もあること、ご了承下さい。

 それでは、ご参加お待ちしております!
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第1章 ボス戦 『ジェスター』

POW   :    力押しもたまには悪くないデスね
単純で重い【魔法金属製のメイス】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    古い馴染みの仲デシて
レベル分の1秒で【意志持つ魔剣『レギオスブレイド』の群れ】を発射できる。
WIZ   :    別に見捨てても良いデスよ
戦闘力のない【名も知らぬ一般人の人質】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【呪詛により人質が傷つき、悲鳴や苦痛の声】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
館野・敬輔
【SPD】
アドリブ可

質問は無意味か
なら、殺戮道化師、ここで果ててもらおうか
…貴様の居場所はここではない、骸の海だ

意志持つ魔剣が群れで撃ち出されるのは厄介だ
「視力、暗視、戦闘知識」でジェスターを観察、予備動作を把握
「第六感」も頼りに発射のタイミングを察知
発射の瞬間「早業、残像、ダッシュ」で左右どちらかにダッシュし避けよう
回避困難なら「怪力、武器受け」で黒剣で魔剣を斬りつけて逸らそう

魔剣に暴れられる前に討ち取るぞ
避けた勢いでそのままジェスターの懐に飛び込み
「早業、先制攻撃、2回攻撃、怪力」+【憎悪と闘争のダンス・マカブル】で力いっぱい黒剣を叩きつけ、全身くまなく斬り刻む!
ここで果てて骸の海に沈め!



 鳥の声が響く、極彩色の島。
 けれど歌う鳥たちは鳥籠に捕らえられ、美しい声や色に相応しくない殺戮道化師の姿がそこにはあった。
「やはり来マシタカ、仕事を増やさないでいただきたいのデスガねぇ」
 先陣を切り戦場へと降り立った館野・敬輔(人間の黒騎士・f14505)の姿に、はあっと演技染みたように溜息をつくジェスター。
 そんな道化師の目的は、何かを『持ち帰る』ことだというが。
(「質問は無意味か」)
 きっと、いつもの調子ではぐらかされてしまうだろうから。
 ――なら、殺戮道化師、ここで果ててもらおうか。
 赤と青……敬輔の異なるいろを纏う瞳が、討つべき敵を確りと捉えて。
「……貴様の居場所はここではない、骸の海だ」
 瞬間、虚無から召喚されるのは『レギオスブレイド』、意志持つ魔剣の群れ。
 ひとつひとつが鋭利な刃、群れで撃ち出されるのは厄介だ、と。
 敬輔はその視力をもって暗視を試み、戦闘知識でジェスターを観察。第六感も頼りに、魔剣が撃ち出される予備動作の把握に努めるけれど。
 相手は力の差が歴然な敵の幹部、それを完全に成すには高い技能レベルが要求される。
「……!」
 けれども、虚無から召喚されし邪剣の群れが戦場へと発射された刹那。
 戦場を駆けながら生み出した残像はすぐに掻き消されるが、早業を駆使し襲い来る刃を素早く左へと避ける敬輔。
 それを全て躱し切ることはできず、はしる鮮血が極彩色の戦場をより赤に染めるけれども。
 迫りくる魔剣の刃を振り払うは、異端の血を啜る呪われし黒剣。怪力を駆使し、斬りつけて逸らしていく。
 だが、そういつまでも、虚無から生まれし邪剣の群れを好き勝手にさせる気はない。
「暴れられる前に討ち取る」
 無力で、弱い――そう敬輔は、己自身に思っているけれど。
 でも、いや、だからこそ……少しずつ出来ることを、と。
 邪剣の群れを避けた勢いに乗り、そのままジェスターの懐に飛び込んで。
 ――怒りと憎悪、そして闘争心を力に替えて……貴様を斬り刻む!!
 右目の青がより輝きを増し、強い闘争心が増幅すると同時に。
「……グゥッ!」
 敬輔の黒剣が力いっぱい、ジェスターへと叩きつけられる。
 けれどそれは、一撃では決して終わらない。
「ここで果てて骸の海に沈め!」
 殺戮道化師の全身をくまなく斬り刻むべく。
 発動させた『憎悪と闘争のダンス・マカブル』による斬撃を幾度となく繰り出す敬輔。
 己の身をも血で飛沫かせる、その連撃をもって。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロベリア・アナスタシア
道化ですもの、きっと世の中を楽しくする事を考えてるのよ。
快楽と媚薬に生きる私の様に…♪

先制は避けられないから人質を盾にされる訳だケド
人質を『見捨てても良い』なんて道化師が言うなら、遠慮なく
自作した媚薬(誘惑+医術)を人質にばら撒いて
私も人質たちに弄ばれつつ、みんな媚薬付けに。

で、受けた『快感』と『負傷』は其の儘【UC】の糧にして
ジェスターの命も吸収しにいくよ。
あぁ、攻撃したら呪詛で人質が傷つくらしいけど…。
媚薬と快楽で蕩けさせた所に見えない何かで吸われる感覚が来たら
【苦痛と悲鳴】じゃなくて【嬌声と快感に喘ぐ声】が出るかもね。
貴方の力の糧にできるかしら?

ピンク色の世界で踊りましょう…道化師サン♪



 鳥たちが歌い、美しい極彩色に満ちる戦場で。
「折角出向いていただいたのデスカラ、楽しいパレードにしまショウカ!」
 そう愉快気に嗤うのは、殺戮道化師。
 そしてそんな道化に迎えられたロベリア・アナスタシア(『媚薬』と『影』を司る美魔嬢・f23913)も、ジェスターを見つめる蠱惑的な赤の瞳を細める。
「道化ですもの、きっと世の中を楽しくする事を考えてるのよ」
 ――快楽と媚薬に生きる私の様に……♪
 そんなロベリアの眼前に道化師が喚ぶは、呪詛により悲鳴や苦痛の声を上げる一般人。
 人質が召喚されることは、相手との力の差を思えば避けられないことなのだけれども。
「別にこの人たちのコト、見捨てても良いデスよ」
 ジェスターがそう言うのならば……お言葉に甘え、遠慮なく、と。
 魔女……もとい、魔嬢が叫ぶ人々へとばら撒くのは、誘惑と医術が込められた自作の媚薬。
 際どい衣装と体から発する淫気による誘惑を放つロベリアは、その薬の効力を向けられ弄ばれつつも。
 戦場に在る人々を皆、器用な手先と多大な知識から創り出した媚薬付けに。
 そして次のお目当ては、ホホウ? とメイス握りながらも興味深く様子を見ているジェスター。
 ――貴方の体で返して貰うわ……♪
 刹那、そう、受けた快感と負傷をそのまま糧として。
 全身を媚薬の服用で強化した霊力と淫気で覆い、道化師の命をも吸収せんとする魔嬢。
「オロロロロ、ワタクシが痛いと、ミナサン痛がってしまいマスヨ?」
「あぁ、攻撃したら呪詛で人質が傷つくらしいけど……」
 媚薬と快楽で蕩けさせた人々が、その状態で衝撃を与えられたら……出る声は、苦痛と悲鳴ではなく。
「嬌声と快感に喘ぐ声が出るかもね」
 ふふふ♪ と、うっとりしたように微笑むロベリア。
 そして――貴方の力の糧にできるかしら? と。
 視線を再びジェスターへと向ければ。
「……ッ!」
 発動させた『魔嬢の色欲的仕返し術』をもって、ロベリアはその命を吸い取る。
 ――ピンク色の世界で踊りましょう……道化師サン♪ って。

成功 🔵​🔵​🔴​

セゲル・スヴェアボルグ
ふむ、槍対剣というわけだな。
石を持っているのが厄介だが、いずれにしてもまずは距離を取ろう。
て手で弾き返しながら後ろへと下がり、初回の連撃がやむのをまずは待つ。
反撃はそこからだ……と言いたいところだが、一度に放てる数では少々分が悪い。
此方の方が重さでは勝るが……仮に大きくしたとしても、全て叩き落せる保証はないか。
ならば、本体を狙う以外に道はないな。
まぁ、そちらに狙えば、否が応でも何体かはガードに回るだろうしな。
わざわざ狙った叩き落す必要もなくなるな。
ご丁寧に巨大な武器をもってるので、槍の重さもそちらを狙ったの方が上がるしな。
発射さえ止められれば勝機はある。
針山になるまで相手をしてもらうぞ?



 鮮やかな極彩色の戦場に降り立つは、青い竜人……いや、青いドラゴニアンか。
 どちらも同じ様に思えるが、細かい事はさて置き。
 迫力ある体躯のその猟兵の名は、セゲル・スヴェアボルグ(豪放磊落・f00533)。
 だが、セゲルが動きをみせるよりも早く先手を取るのは殺戮道化師。
「サァ、楽しいパレードといきマショウカ!」
 古い馴染みの仲デシて――そうジェスターが戦場に成すのは、意志持つ魔剣『レギオスブレイド』の群れ。
「ふむ、槍対剣というわけだな」
 セゲルはそう、虚無から生み出されし邪剣の群れへと金の視線を向けて。
 かつて、王と共に戦った竜の残滓――応龍槍【ギュールグルド】を手に。
 ジェスターへと不用意に近づかず、まずは距離を取ることを選択する。
 刹那、数多の魔剣による第一波が、竜人の身を斬り裂かんと打ち出されれば。
「……!」
「立派な体格をしてイマスガ、鬼ごっこがお好きなのデスカ?」
 それを手で弾き返し後退するも、鋭利な刃を前に無傷ではいられない。
 けれども、おどけた様に嗤う道化の初回の連撃が止んだ、一瞬の隙を見逃さずに。
「反撃はそこからだ……と言いたいところだが」
 攻勢へと転じたセゲルが展開し発射されるは『絶巓の帝』――攻撃対象の重量が一時的に加重された、突撃槍の鋭撃。
 だが、セゲルには分かっている。一度に放てる数では少々分が悪いと。
 しかし、ジェスターの重量が加算された応龍槍の方が、相手の成す魔剣よりも重さでは明らかに勝る。
「仮に大きくしたとしても、全て叩き落せる保証はないか」
 ――ならば、本体を狙う以外に道はないな。
 これまで後退していた動きから一転、力強く地を蹴り、敵前へと果敢に踏み込むセゲル。
「……!」
 その動きに反応し成された魔剣がガードに回るけれど、それも想定済みだ。
「わざわざ狙った叩き落す必要もなくなるな」
 それにご丁寧にも、相手は巨大な魔法金属製のメイスを持っている。
 槍の重さもそちらを狙ったの方が上がるしな……そうセゲルは、手数では劣る分、確りと狙いを定めて。
 ――義を見てせざるは勇無きなり。巨城すら穿つ一撃をくれてやろう!
 刹那放ち叩きつけるは、竜の如く猛る、重き突撃槍の衝撃。
「オロロロロ、痛いじゃないデスカ……!」
 その鋭撃に思わず声を上げるも、再び激しい魔剣の連撃を放つジェスター。
 そんな襲い来る刃に傷つき耐え、抗い弾きながらも。
(「発射さえ止められれば勝機はある」)
 セゲルは力の限り勇猛に、ギュールグルドを振るい続ける。
 ――針山になるまで相手をしてもらうぞ? と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メグレス・ラットマリッジ
【WIZ】
そっちから始めた戦争なのにどうして帰ろうとしているんですか
二度とふざけた事が出来ないように、物も命も持っている物を全て置いていってもらいましょう

私の存在は呪詛と祝福のちゃんぽん、長らく着用している衣服も同じ性質を獲得しています
強力な呪詛は他の呪いに対する防壁でもあり、私の帽子と服の一部分を身に着ければ一般人でもジェスターの呪いを和らげることが出来るでしょう
人と寄り添うというのが自分とのお約束、破れば己を喪うのだから必死にもなります

後は真っ向勝負です
生命力を奪う拳、帯電する鉄杖、漆黒の投斧を武器に回避を主体とした接近戦を挑み
隙をついてからの一撃を狙っていきます



 これまで受けてきたダメージも蓄積されているのか。
 極彩色の戦場へと次々赴く猟兵達に、おどけながらも溜息をつくジェスター。 
「厄介デスねぇ、まだ来るのデスカ。早いトコロ『持ち帰る』必要があるというノニ……」
「そっちから始めた戦争なのにどうして帰ろうとしているんですか」
 メグレス・ラットマリッジ(襤褸帽子・f07070)はそんな道化の言葉に、ふるりと小さく白き髪を揺らしつつ首を横に振った後。
 美しい歌を奏でる籠の中の鳥たちを赤茶色の瞳でぐるり見回し、続けて紡ぐ。
「二度とふざけた事が出来ないように、物も命も持っている物を全て置いていってもらいましょう」
 目的の何かを『持ち帰る』ことなどさせはしない。
 むしろ運び込んだものだけでなく、その命をも置いていって貰うつもりだから。
 けれども殺戮道化師は、愉快そうに嗤いながら。
「デハ、人質を置いていきマショウカ。別に見捨てても良いデスよ」
 戦場へと召喚するのは、悲鳴や苦痛の声を上げる名も知らぬ一般人。
「うわあァァ!」
「な、なんだこれは……ひいっ!!」
 そんな一般人たちに、メグレスはボロボロのフェルト帽や服の一部分を身に着けさせ、落ち着かせんとする。
 メグレスの存在は、呪詛と祝福のちゃんぽん。高い呪詛耐性を持っている。
 よって、長らく着用している衣服も同じ性質を獲得しているだろうから。
 所々が色褪せていたりほつれたりと、年季は入っているけれど。
 宿る強力な呪詛は他の呪いに対する防壁でもあり、それを身に着ければ、一般人でもジェスターの呪いを和らげることが出来るはず。
 そしてそんな、人と寄り添うという自分とのお約束に、必死にもなるメグレス。
 破れば――己を喪うのだから。
 それに人々の悲鳴や苦痛の声がなければ、ジェスターの強化の効果も薄くなるだろう。
 一般人に寄り添い、呪いを和らげてあげた後……メグレスが挑むのは、真っ向勝負。
 接触により生命力の共有を可能にした手を握り、拳を固めて。
 帯電する鉄杖の雷撃を放ち、懐を叩いて光沢を放たない漆黒の投斧を得物に、多彩な攻撃による接近戦を仕掛けるメグレス。
「ソウは、いきマセンヨ!」
 ジェスターも手に握る巨大な魔法金属製のメイスを振り回してくるも。
「……!」
 狙うは、相手に生じた隙をつく一撃。
 意識を刈り取られる直前――メイス振るうジェスターの予備動作を逃さずに。
 メグレスの投じた漆黒の手斧が、殺戮道化師のその身を斬り裂いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

西条・霧華
「後に禍根を残すわけにはいきません。全力でお相手します。」

守護者の【覚悟】を以て…

先制攻撃に対してですが、単純な一撃との事なので冷静に【見切り】、纏う【残像】を利用して回避
ただ、周囲一帯も危険ですから、【オーラ防御】で守りも厚くした上で【ダッシュ】で気持ち遠くに避けようと思います

先制攻撃対処後は『無名・後の先』で誘った攻撃を【見切り】つつ【武器受け】
纏う【残像】で敵を乱し、【破魔】と【鎧砕き】の力を籠めた[籠釣瓶妙法村正]にて【カウンター】

避けるのではなく、受ける事で反撃の機会へと転化します

【見切り】の時点で反撃が困難だと判断した場合
【武器受け】しつつ【オーラ防御】と【覚悟】を以て受け止めます



「ソロソロ、『持ち帰る』時間だとイウのに……マダ邪魔をするのデスカ?」
 先行している猟兵達との交戦での傷が見受けられる道化師は、少々うんざりしたように言い放つけれども。
「後に禍根を残すわけにはいきません。全力でお相手します」
 そう守護者の覚悟を以て、極彩色の戦場へと降り立ち、斬るべき敵へと黒き瞳を向けるのは、西条・霧華(幻想のリナリア・f03198)。
 敵の動きは、予知されて分かっている。
 先手を取ることは不可能、けれども、ジェスターが放ってくるのは、握る魔法金属製のメイスからの一撃。
 強敵が繰り出すその衝撃は重く、着弾した地形が破壊されてしまうほどの威力を誇るというが。その分、単純な一撃であるという。
 霧華は振り上げられたメイスの軌道を冷静に見切り、残像を駆使して回避を試みる。
 残像こそ強敵に相対する習熟度が足りず有効とはいかなかったが、高めていた見切りでメイスを躱して。
 重く強烈な威力を誇る一撃が及ぼす周囲への余波をも考慮し、守りの気をその身に纏う。
「……ッ」
 そして、見切り躱した後、素早くダッシュしできるだけ遠くへと避けようとしたが。
 駆けて躱すまでの技能の余裕はなく、叩きつけられた衝撃の余波を受けてしまうも。
 その攻撃を見切り、守りを固めていたため、倒されるまでには至らない。
 そんな力押しの敵の攻撃を凌げば……次に訪れるのは、反撃の機会。
 過去に起こった何らかの出来事が、「護り」に主眼を置いた「守護者」たる彼女の行動原理となっているからか。
 霧華の持論は――「刃は使う時に抜くもの」。
 そして今、眼前の敵を斬るべくスラリと抜かれるは、妖しくも美しい刀。
 全身を使って相手の攻撃を誘い、そして二種の倶利伽羅の彫刻が施された刀が、見切った道化師のメイスを受け止めれば。
 相手の鎧を砕くことは叶わなかったが、破魔の力を籠めた『籠釣瓶妙法村正』の刃で反撃の衝撃を繰り出す霧華。
「! オロロロロ、くらってしまいマシタカ」
 そんなカウンターの一撃をもらい、ぐらりと上体を揺らすジェスター。
 霧華の立ち回りは、まさに「守護者」たるもの。
 強敵相手に長くは持たないかもしれないが。
 守護者たる矜持を胸に、黒の髪を極彩色の戦場に靡かせながら。
 倒れるまで、敢えて避けることはせず受ける事で、反撃の機会へと転化させる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルトリウス・セレスタイト

単純すぎる
芸を磨いて出直せ。次があれば、だが

避け得ぬ先制へは顕理輝光で対処
『絶理』『刻真』で自身を異なる時間に置き影響を回避
攻撃分含め魔力は『超克』で“外”から汲み上げ供給

初撃を凌ぎつつ天楼で捕獲
対象はオブリビオンとその行動全て、及び一般人対象の呪詛
原理を編み「迷宮に囚われた」概念で縛る論理の牢獄に閉じ込める

迷宮内から外へは何もできず、外から内へは干渉も自由
理不尽に慄け
人質も結構だが彼らは対象外
呪詛だけが綺麗に迷宮に取り込まれ、人質は自由に逃げ出すだけだ

出口は自身に設定
迷宮の破壊、俺の突破
どちらでも良いが急がねば存在が消え失せるぞ
攻撃も自壊し消える中で何が出来るか、必死に足掻く気分を味わえ


マリス・ステラ
「主よ、憐れみたまえ」

『祈り』を捧げると星辰の片目に光が灯り全身に輝きを纏う

「エリ、エリ……(主よ、主よ)」

先制攻撃は『オーラ防御』の星の輝きを何層にも重ねて受け止める
余波に輝きが星屑のように散る

「灰は灰に、塵は塵に」

弓で『援護射撃』放つ矢は流星の如く
味方を『かばう』

負傷者に【不思議な星】
緊急時は複数同時に使用

私は祈り続ける
その御名は尊く
憐れみに限りなく
世の罪を赦す愛に満ちている

「我が心、主を崇め、我が魂、主を讃える」

人質を捕らえる『封印を解く』ように祈りを捧げる

聖なるかな
聖なるかな
聖なるかな

「主よ、天と地はあなたの栄光にあまねく満ち渡る」

星の『属性攻撃』は反射の性質を帯びて人質に加護を与える



 続き戦場に降り立つは、『原理』を扱う異能者。
「猟兵とは、どれだけ湧いてくるのデショウカ」
 アルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)の姿を確認し、そう大袈裟に溜息をついてみせてから。
「デハ、こういうパレードはどうデショウ?」
 極彩色の戦場へとジェスターが喚ぶは、名も知らぬ一般人の人質。
 鳥の美しい鳴き声を掻き消すかの如く人々の悲鳴や苦痛の声を響かせ、殺戮道化師は、自身を強化せんと目論むけれど。
 向けられる眼光鋭き藍の瞳は、決して揺らぎなど一切しない。
「単純すぎる。芸を磨いて出直せ」
 ……次があれば、だが。
 その声と共に極彩色の戦場に解き放たれ漂うのは、淡青の輝き――理を絶ち世界を刻む、絶理と刻真の光。
 同時に、道化を討つべく汲み上げる魔力は超克の光……世界を超える淡青の耀い。
 そんな淡青色の光の粒子が具象化した原理で道化師の初撃を凌ぎつつも。
 ――惑え。
 アルトリウスが原理を編み展開するは、敵を捕え存在を消去する自壊の原理で出来た強固な迷路。
 その迷路へと誘う対象は勿論、オブリビオンとその行動全て、そして一般人へと向けられる呪詛のみ。
 人質も結構だが彼らは対象外――理不尽に慄け、と。
 人々を傷つけんとする呪詛だけを綺麗に迷宮に取り込ませ、人質を自由に逃がすべく。
 アルトリウスは道化を論理の牢獄へと閉じ込め、「迷宮に囚われた」概念で縛らんとする。
 そしてその迷路の唯一の出口は、アルトリウス自身……迷宮の破壊、それはすなわち彼の突破。
「どちらでも良いが急がねば存在が消え失せるぞ」
 ジェスターは圧倒的強さを誇る敵の幹部、強敵故にいつまでも迷宮に捕らえたままにはできないだろうが。
「攻撃も自壊し消える中で何が出来るか、必死に足掻く気分を味わえ」
「オロロロロ、迷路遊びは好きではアリマセンネ……!」
 囚われた道化師は暫し、アルトリウスという出口へと辿り着くまで――囚えられ解き放たれる淡青の原理に弄ばれる。
 そして、そんな逃げ惑う一般人へと向けられるのは、星の加護を纏う慈愛の輝き。
「主よ、憐れみたまえ」
 マリス・ステラ(星を宿す者・f03202)が祈り捧げれば、星辰の片目に灯る光の煌めき。
 美しき極彩色の風景をも霞むほどの愛と星を司る眩い輝きが、その身を包み込めば。
「エリ、エリ……」
 主よ、主よ――そう幾重にも重ねられる、星の輝きを帯びた守りの気。
 その余波が、まるで満天の空に耀う星屑の如く、キラキラと光を散りばめて。
「ウグッ……眩しい光は邪魔デスねぇ!」
 まだ迷路に手こずりながらも、ジェスターはさらに多くの一般人の人質を、戦場へと召喚するけれど。
「灰は灰に、塵は塵に」
 刹那、流星の如く極彩色の戦場を翔けるのは、番えた大型の弓矢から解き放たれた一矢。
 その天翔ける軌道を描き散る星屑が、より眩い煌めきを、星の加護による輝きに与えながらも。
 迷宮を抜けんと繰り出された敵の衝撃から庇う様に、仲間の援護をする。
 そしてジェスターの呪詛に傷つけられた人質へと煌めくのは、不思議な星。
 ――私のためではなく、あなたのためではなく、私たちのために。
 全身から放たれる星の輝きが、逃げ惑い怪我を負った人たちを高速治療して。
 代償に、圧し掛かる様な疲労感をマリスは感じるけれど。
 それでも、美しき桜霞咲かせた星の如き金色の髪を躍らせつつ、輝きを放つことを止めない。
 ――私は祈り続ける その御名は尊く 憐れみに限りなく 世の罪を赦す愛に満ちている……。
「我が心、主を崇め、我が魂、主を讃える」
 ――聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな。
 己の星の輝きが消えぬ限り、マリスが尚もそう、強い祈りを捧げていけば。
「主よ、天と地はあなたの栄光にあまねく満ち渡る」
 星の属性攻撃が反射の性質を帯び、人質に与えられる加護。
 悪しき殺戮道化が成した、人質を捕らえる、その『封印を解く』ように。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

織銀・有士郎
……さて、戦争も気付けば終盤か。
今回は余り動けなかったが、少しは役立つとしようかい。

「何を持ち帰りたいのか解らんが……」
聞いても答えんだろうし、倒してしまえば問題はないよな。
……敵のコードは連続で放たれる魔剣の群れか。
三千世界と似たようなもんかな……余り動かず群れの動きを【見切る】ことに集中したい所。
群れているものを全て回避するのは難しそうだ。避けれないなら武器で受けるか何本かのサムライブレイド射出して相殺を狙ってみよう。

連続で放つといっても限界はあるはず。群れが途切れた時こそ反撃の機会だ。
今度はこちらがサムライブレイドの連打を叩き込んでやるとしよう。



「モウ、いい加減『持ち帰る』目的を、果たさせてイタダキタイのデスガ……!」
 ジェスターはそう、相変わらずふざけた調子を崩しはしないが。
 明らかにこれまでの戦いで体力も削られ、疲労しているのが目に見えて分かる。
 そして戦場に降り立つのは、極彩色の戦場に銀の髪躍らせる、美しき剣豪。
 いや、見た目だけは美人であるのだが。
「……さて、戦争も気付けば終盤か。今回は余り動けなかったが、少しは役立つとしようかい」
 口から出るのは男言葉、のんびりとペースを崩さない様子の織銀・有士郎(織りなす銀の一振り・f17872)は、基本怠け者という残念美人だというが。
 けれども……フォロー体質なためか、結局はこうやって戦場へと赴く。
 そして赤の視線を投げた先には、何かを『持ち帰る』ことを目論む、殺戮道化師の姿が。
「何を持ち帰りたいのか解らんが……」
 有士郎はそう微かに首を傾けるも。
 ――聞いても答えんだろうし、倒してしまえば問題はないよな。
 戦場へと成された敵の得物を見遣る。
「……敵のコードは連続で放たれる魔剣の群れか」
 先手を取るのは、強敵であるジェスターの方。
 でもそれは事前に分かっていることであるから。
「コノ『レギオスブレイド』とは、古い馴染みの仲デシて」
(「三千世界と似たようなもんかな……」)
 古い馴染みの仲、という意味深な相手の言の葉に、そうふと考えつつも。
 有士郎はその場から余り動かず、意志持つ魔剣の群れの動きを見切ることに集中する。
 とはいえ、高い習熟度を誇る見切りをもってしても、相手は敵の幹部でもある格上の強敵。
 ジェスターが放つ刃の群れを全て回避するのは難しいだろう。
 どうしてもその刃を受けてしまうが、けれど避けれぬと見切り判断したものは武器で受け、射出させた数本のサムライブレイドで相殺を狙ってみる。
 そして、有士郎は襲い来る邪剣を見切り躱し、受ける斬撃に耐えながらも待つ。
(「連続で放つといっても限界はあるはず」)
 群れが途切れた時こそ……反撃できる瞬間だと。
 そして刹那、魔剣の群れが一瞬止んで、その機会が訪れれば。
 ――我が太刀が織りなすは三千世界……ゆくぞ、一斉抜刀。
 鮮やかな戦場に、流れるように靡く銀の髪。
 すかさず反撃へと転じた有士郎が、ふざけた道化師へと、今度は連打を叩き込む番。

大成功 🔵​🔵​🔵​

幻武・極
意志を持つ魔剣か、面白いね。
複数の意志を持つ魔剣を高速で撃ち出すのか。
でも、そんなに早く撃ち出されて、キミ達は大丈夫なのかな?
途中で急に曲がったりしたら、接触事故になりそうだよね。
高速で飛んでくるレギオスブレイドを横に回避して急カーブさせるようにするよ。
あと、時々「右、危ない」とか横に意識を向けさせて脇見運転のような状態にさせるよ。

数とスピードは両立出来ないってことだね。
ボクはバトルキャラクターの数で攻めてみるとするよ。



「オロロロロ、またまた猟兵デスカ……流石に飽きてキマシタねぇ」
 はあ、とうんざりしているからか。それとも、散々向けられた攻撃による疲労からくるものなのか。
 大袈裟に息を吐く、殺戮道化師・ジェスター。
 けれども、極彩色の戦場にまたひとつ増えた猟兵の姿を見れば。
 刹那、召喚するのは、意志持つ魔剣――『レギオスブレイド』の群れ。
「意志を持つ魔剣か、面白いね」
 己へと襲い掛からんとするその鋭利な刃の群れにも臆することなく。
 幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)はそう口にしながらも、予知にて事前に聞いている敵の攻撃方法を思い返す。
(「複数の意志を持つ魔剣を高速で撃ち出すのか」)
 それは刃の雨となり、斬撃の嵐となって戦場へと降り注ぐ、驚異的な技であろうが。
 唸りを上げ迫る魔剣の群れを見遣りつつ、極は殺戮道化へと言い放つ。
「でも、そんなに早く撃ち出されて、キミ達は大丈夫なのかな?」
「強がりデスカ? その刃は古い馴染みの仲デシて」
 容赦なく魔剣を飛ばしながらも、不気味に嗤うジェスター。
 けれど極の言葉は、道化師の言う様な強がりでは決してない。
「途中で急に曲がったりしたら、接触事故になりそうだよね」
 瞬間、急に大きく横へと飛ぶ極。
 意志持つ魔剣に自身を追わせるように、高速で飛び交うレギオスブレイドを急カーブさせるように仕向ければ。
「……!」
 群れて飛び交う邪剣同士がぶつかり合い、接触しあって。
「右、危ない」
 意志を持つことを逆手に取るように、そう時々発せられる極の声に翻弄されて。
 横に意識を向けさせられ、脇見運転のような状態に。
 ジェスターは格上の強敵、戦場に召喚することのできる魔剣の数も、それに比例して多くなるから。
「数とスピードは両立出来ないってことだね」
 極は魔剣を急カーブさせるよう立ち回り、受ける刃の衝撃をできる限り減らしながらも。
 殺戮道化師へと繰り出すのは、己が何故か追い求めることとなった最高の武術……魔法拳とゲーム武術!?
 いや、きっとそれもひとつの、最高峰の武術の可能性に違いありません。
 そんな極が展開するゲーム武術、それは。
「ボクはバトルキャラクターの数で攻めてみるとするよ」
「グウッ、殺戮ゲームは好きデスガ……こんなゲームは好きではアリマセンねぇ!」
 これぞまさに、ゲーム武術。
 刃の渋滞を引き起こしてしまい、極を倒すにまでは至らなかった魔剣の群れの間隙を縫って。
 今度は、極によって繰り出された戦闘用ゲームキャラクターが、殺戮道化師へと反撃の衝撃を向ける。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーノ・ディエール
鳥の皆さんには申し訳ありませんが……爆音で飛ばします!
クルセイダーに騎乗したまま突入
直撃を避けるべく空中戦で全武装の一斉発射
地形を利用し範囲攻撃で弾幕を形成
敵UCの狙いを定めさせず、直撃を回避します!

この世界の宇宙でも、オブリビオンの好きにはさせません!
そのままUCを発動しデスワーム以外の武装を念動力で遠隔操作
敵の動きを封じつつクルセイダーで吶喊して
デスワームを放ち虚無に包んでやりましょう

接敵したら大盾を二振りの大刀に分離して
虚無に飲まれて身動きの取れないジェスターを
ひたすら串刺しにしてやります!
間合いを取ればそのメイスも襲るるに足らず
念動力で対艦突撃槍を呼び出して
駄目押しの一撃を! 喰らえ!



「オロロロロ……コレは、ピンチというやつデショウカ」
 猟兵達の攻撃を受け、ぐらりと上体を揺らしながらも、尚も道化はおどけて嗤う。
 けれど、そんな不気味な嗤い声は、美しい歌声が響くこの場に相応しくはないから。
 流しの傭兵として様々な戦場を駆けてきたユーノ・ディエール(アレキサンドライト・f06261)が金の髪を踊らせるのは、極彩色の戦場の宙。
 聞こえてくる鳴き声も確かに美しいが、捕らわれた鳥がもっと自由に歌えるように。
「鳥の皆さんには申し訳ありませんが……爆音で飛ばします!」
 ジェスターへと迫るべくユーノが騎乗するのは、銀河帝国の遺失技術と異世界の理論。
「ピンチですし、力押しもたまには悪くないデスねぇ」
 ジェスターもそれを撃ち落とさんと、重い魔法金属製のメイスを振り上げるけれども。放つは、強烈だが単純な叩きつけるような一撃。
 強化修復された試作艦上戦闘騎を操り、宙を戦場に選んだユーノは、全武装の一斉発射で弾幕を張って。
 単純な分だけ威力の高いその一撃を完全に防ぎ切る事はできないが……それで十分。
「……!」
 刹那、振り下ろされた魔法金属製のメイスが、戦場の地形を破壊するほどの衝撃と轟音を鳴らすけれど。
 敵の重く小回りが利かない得物の性質を利用し、狙いを定めさせず、直撃を回避する。
 そして地形を破壊したメイスをジェスターが再び振り上げる、その前に。
「この世界の宇宙でも、オブリビオンの好きにはさせません!」
 これまで翔けてきた宇宙と同様に、この世界の宙も。
 失われた過去の化身に好き勝手などさせない。
 翔ける勢いそのままに、ユーノが己と念動力で遠隔操作した武装による突進を道化へと仕掛ければ。
 威力を倍増させるのは、モンゴリアンデスワーム――全てを飲み込む虚無の申し子。
 瞬間、殺戮道化師の身を、虚無が飲み込んで。
 構えていた超合金で構成された大盾が、二振りの大刀へと変化する。
 そしてユーノは、金緑石の如き光纏う青の瞳で狙いを定める。
 殺戮道化を、ひたすら串刺しにするために。
「グゥッ……コレはもしかして、非常にまずい状況デショウカ」
 身動き取れぬその身に刹那見舞われる、宇宙を翔ける流星群の如き鋭撃。
 間合いを取ればそのメイスも襲るるに足らず……ぐらりと揺らいだジェスターとの間合いを絶妙にはかったユーノがすかさず手にするのは、右肩に装備していた念動増幅式対艦炸裂突撃盾槍。
 ――そして。
「駄目押しの一撃を! 喰らえ!」
「……!!」
 ――パレードもこれで幕引きのようデスねぇ。
 そう最後までおどけるような言葉を吐きながらも。
 殺戮道化は美しい歌声響く極彩色の戦場から消滅し、躯の海へと還されたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年11月30日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト