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アースクライシス2019⑭~レイラ・サイダ~

#ヒーローズアース #戦争 #アースクライシス2019 #オブリビオン・フォーミュラ #クライング・ジェネシス


●地球全土を覆う程の、超巨大立体映像
 ギャーッハッハッハッ!
 久しぶりだなジャスティス・ワン! そして地球のクズども!
 死んでも晴れねぇ、貴様らに対する恨み!
 腐った人間社会に対する恨み!
 俺の恨みをくだらねーと嘲笑した恨み!
 そして何より、このオレを理解し、共感しようとした恨み!
 その恨みだけで、とうとうココまで来たぜぇ!!!

 かつて無能力者だった俺は、嘘とハッタリだけでヒーローを殺しまくり、自分の体にユーベルコードを移植し続けた。
 で、副作用でアッサリ死んだわけだが……。
 死んだ後に、凄え能力をパクってやったぜ!

 それがこの、「骸の海発射装置」だ!
 怒涛の「過去」を喰らって地獄に堕ちな!
 カタストロフはもうすぐだぜ。ギャーッハッハッハッ!

●よき朝を迎えられますように
「お前達、決戦の時間だよ」
 サハル・マフディー(神の信徒は紫煙と共に・f16386)は愛用の煙管から煙をふかしつつ、キッパリとそう告げた。
 四つの知られざる文明は解放され、遂にオブリビオン・フォーミュラ「クライング・ジェネシス」が姿を現した。
 猟兵たちを撃破するところを人目に付く場所で人々に見せつけることで、ヒーローズアースの人々を絶望に陥れ、自分の鬱憤を晴らそうとしているこのオブリビオンは、「骸の海発射装置」のチャージを行っている。
 この装置のチャージが完了すれば「骸の海」がヒーローズアースに解き放たれ、カタストロフの始まりだ。
 そうなる前に何としてでも、クライング・ジェネシスを撃破しなくてはならない。
「クライング・ジェネシスは人気の多い、世界各地の見た目が派手な観光名所に出現する。これらの観光名所は自分が目立てて、その活躍を引き立たせられる舞台装置のようなもの……だからやつは観光名所を破壊しようとはしないだろう。
 自分のユーベルコードで、猟兵を何も出来ないままに叩きのめす。それが奴の望みだ」
 そう話すサハルの表情は、いつも以上に硬い。
 クライング・ジェネシスは必ず、猟兵たちに先んじて行動してくる。それに対して如何に防御し、如何に反撃するか。そこが作戦遂行の上で重要だ。
 そして、今回の戦場となる舞台は。
「ブルジュ・ハリファ。ドバイにある世界一高い高層ビル、その屋外展望台「アット・ザ・トップ」だ」
 高度452メートル。世界で三番目に高い場所にある展望台。眼下に広がるドバイの街並みと、遠方に広がる砂漠を一望できる、ドバイ屈指の人気スポット。
 そこにクライング・ジェネシスは現れる。
「屋外展望台とはいえ、私の身長よりも高さのある透明の壁が作られている。派手にぶつかっても、落ちる心配はしなくて大丈夫だよ。飛べるやつは自力で飛んでもらうことになるだろうが」
 クライング・ジェネシスの攻撃手段は、胸にある「骸の海発射装置」だ。
 ここから少量の『過去』を放って攻撃する他、『過去』を具現化して敵と同じ姿の幻影を作り出して攻撃させてくる。また、胸からオブリビオンを繰り出し続ける状態になることで、行動不能になる代わりに無敵になることもできるようだ。
 そこまで説明して、サハルはふっと目を閉じた。祈るように、静かに手を組む。
「強敵だ。疑いようもなくね。それでも、お前達ならやれるって私は信じている。
 さぁ、行ってくるんだ。お前達の働きに期待しているよ……アッサラーム・アライクム」
 あなた方の上に平和がありますように。そう言って手を組みながら、サハルは猟兵たちを戦場へと導いた。


屋守保英
 こんにちは、屋守保英です。
 戦争もいよいよ終盤戦。
 カタストロフ阻止のため、やもりさんも全力で頑張ります。

●目標
 ・クライング・ジェネシス×1体の撃破。

●特記事項
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「アースクライシス」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 クライング・ジェネシスは必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります。
 また、戦場となる観光名所は自分の活躍を引き立てる舞台装置なので、クライング・ジェネシスは破戒を行いません。

●戦場・場面
(第1章)
 ドバイにある世界一高い高層ビル「ブルジュ・ハリファ」124階にある展望台です。
 展望台は屋外にありますが、高い壁があるので墜ちる心配はしなくても大丈夫です。
 クライング・ジェネシスが展望台で皆さんを待ち構えています。

 それでは、皆さんの力の籠もったプレイングをお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『クライング・ジェネシス』

POW   :    俺が最強のオブリビオン・フォーミュラだ!
全身を【胸からオブリビオンを繰り出し続ける状態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    貴様らの過去は貴様らを許さねェ!
【骸の海発射装置を用いた『過去』の具現化】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【相手と同じ姿と能力の幻影】で攻撃する。
WIZ   :    チャージ中でも少しは使えるんだぜェ!
【骸の海発射装置から放つ『過去』】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を丸ごと『漆黒の虚無』に変え】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
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●特記事項
 プレイング締め切りは【11/26 18:00】となります。
 以降にいただいたプレイングは流させていただきますので、ご容赦ください。
山梨・玄信
ようやくお出ましか。
ここが頑張り時じゃな。

【POWを使用】
敵がオブリビオン召喚を行なって来たら、こっちもアースジャイアントを召喚じゃ。
ダガーを二刀流で持ち、素早い連続攻撃(範囲攻撃)で敵をなぎ倒しながらクライング・ジェネシスに向かって進むのじゃ。当然、アースジャイアントも同じ動きをするから、効果は2倍になるはずじゃ。
これで道が開いて味方が進みやすくなれば、わしが倒れても後に繋がるしの。

防御はオーラ防御を全身に展開して激痛耐性で耐えるのみ。アースジャイアントに無駄な動きをさせない為じゃ。

本体が巨人の射程に入ったら、捨て身の範囲攻撃でわしは周りの敵を倒し、巨人は取り巻きごと本体を攻撃じゃ!



●ラウ・サマハト
 ブルジュ・ハリファにやってきていた観光客が、一斉に建物の中に避難をする中で。
 124階に上がって来た山梨・玄信(ドワーフの破戒僧・f06912)は、一目散にブルジュ・ハリファの屋外展望台「アット・ザ・トップ」に駆け込んだ。
「ようやくお出ましか。ここが頑張り時じゃな」
「ヒッハハハハ!!随分と小さいのが転がり込んできたもんだなぁ!!」
 下品な笑い声を響かせたクライング・ジェネシスが、玄信を見るや胸元の骸の海発射装置からオブリビオンを放った。
 次々と湧き出てくる、まるで闇が形を作ったかのような名も無きオブリビオン。
 それが現れ、展望台の床を埋める中で、玄信も自身の手を前に翳した。
「来い、アースジャイアント!」
 刹那、重量のある音を響かせて玄信の前に大地の巨人が現れる。踏みつぶされたオブリビオンが、塵となって消えていった。
 しかし、その巨人も少々身長の高い人間と同程度でしかない。クライング・ジェネシスが巨人を見下ろしながらけらけらと笑った。
「小さいのが小さいのを一つ呼び出したところで、何が出来るもんでもねぇよなぁ!?」
「確かに、わしら一人一人は小さいかもしれん……じゃが、わしらには仲間がいる。お主のように助けの手すら拒んで、ただ一人でいるのとは違うのじゃ!」
 そう言い返しながら全身にオーラを纏い、玄信と巨人はクライング・ジェネシス目掛けて駆けた。道中のオブリビオンを踏みつぶし、蹴散らし、ダガーで斬り払い、一直線に突き進んでいく。
 どんどんと近づいてくる巨人を見ながら、立ったまま一歩も動かずにいるクライング・ジェネシスが皮肉な笑い声を零した。
「ギャハハハ、仲間だとぉ!?そんな他人を当てにしているようじゃ、力を持っても高が知れてるんだぜ!?」
「言うとれ!」
 攻撃が届く範囲に立ち入るや、玄信は迫りくるオブリビオンに向かって回転するようにダガーを振るった。動きをトレースする巨人も同じように回転し、巨大なナイフを振り回す。
 ダガーの刃でオブリビオンが散らされると同時に、クライング・ジェネシスの無敵の身体にナイフが高速でぶつかっていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ウィルヘルム・スマラクトヴァルト
馬鹿は高いところが好きだと言いますが…。
カタストロフを止めるためにも、ここで貴様を討つ!

先制攻撃は「第六感」で予知して攻撃を「見切り」、
「残像」を囮にして回避します。
もしそれで回避出来ない場合は、緑の大盾による「盾受け」、
緑の斧槍による「武器受け」、「オーラ防御」を駆使して
ダメージを抑えつつ「気合い」で耐えます。

先制攻撃をしのいだら「クリスタライズ」発動。
『漆黒の虚無』に同化するように透明になって
クライング・ジェネシスを攪乱してから
「怪力」で緑の斧槍による攻撃。
まず「ランスチャージ」を敢行して「串刺し」を狙い、
すかさず「2回攻撃」で緑の斧槍を「なぎ払い」追撃します。



●ビ・タウフィーク
 召喚されたオブリビオンが自壊していく中で。
 ウィルヘルム・スマラクトヴァルト(緑の騎士・f15865)はその手の大盾をしかと構え直した。
「馬鹿は高いところが好きだと言いますが……カタストロフを止めるためにも、ここで貴様を討つ!」
「ゲハハハハ、やれるもんならやってみろよ、やれるもんならなぁ!!」
 そう言って笑うクライング・ジェネシスの胸元、チャージ中の骸の海発射装置から、漆黒の塊がウィルヘルムに向かって放たれた。
 あれこそが、過去。超高速で弾丸のように放たれたそれが、ウィルヘルムの構える緑の大盾に直撃した。
 直撃は躱したが、無傷とはいかず。盾でガードしきれなかった過去が、ウィルヘルムの身体を苛んだ。
 そして、それと同時に。
「これは……!」
 ウィルヘルムは目の前の空間が、まるで『削り取られたように』漆黒に染まっているのを見た。
「ギャハハハハハ、どうだ、驚いたか!『過去』に塗りつぶされた空間は、こうして虚無になるんだぜ!」
「なるほど……そういうことですか」
「んんっ?」
 高らかに笑ったクライング・ジェネシスの声に被さるように聞こえた、ウィルヘルムの声。その声を聞いた途端に、クライング・ジェネシスの笑い声が止まった。
 ウィルヘルムの緑色をした姿が、どこにもないのだ。
「おかしいなぁ~、どこへ行きやがった?」
 きょろきょろと辺りを見回し、様子を伺うクライング・ジェネシス。あれだけ輝かしい姿をしていれば絶対に目立つはずなのに、それがない。
 おかしい、と思った矢先。後方から声がかかった。
「こちらががら空きです!」
「なにっ!?」
 振り向いた時、そこには斧槍を構えて自分の目の前に迫るウィルヘルムがいて。
 緑の槍の穂先がずぶりと、クライング・ジェネシスの身体に突き刺さった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

セゲル・スヴェアボルグ
取りあえず、発射装置から放たれた過去とやらに盾をぶん投げてぶつけてみよう。
無論、自分の立ち位置を意識して可能な限り離れたところで当てたいが、相殺できない場合を考えて後ろに下がりつつだな。

着弾すれば、そこが漆黒の虚無となるなら、寧ろそれが死角となるはずだ。
位置さえ分からないなら、攻撃に当たる可能性も下がる。
その隙に兵たちに攻め込ませるとしよう。
俺自身は適度に位置を変えつつ、虚無の影に隠れているとしよう。
兵を狙ってそういった空間も増えるだろうしな。
逆に、向こうさんにはその場に立たせないように、物量の差で圧をかけておこう。
タイミングと余裕を見て兵を消し、死角から俺自身が一撃叩き込んでやるとしようか。



●ラームシュキラー
「なるほど……ああなるわけか」
 空間に虚無が浮かぶように存在しているのを見て、セゲル・スヴェアボルグ(豪放磊落・f00533)は何かを思いついたように目を見張った。
 虚無となった空間はその場に固定され、クライング・ジェネシスが消すか消さないかを自在に選択できるらしい。
 ならば。
「また次から次へと、飽きねぇなぁクズどものくせによ!!ギャハハハハ!!」
 けたたましく笑うクライング・ジェネシスがセゲルを認めて再び骸の海発射装置を稼働させる。飛んでくる漆黒の塊。
 それに対してセゲルは、自分の握る盾を放り投げることで対処した。
 ぶつかる盾と、過去。その直撃地点にぐちゃりと広がる、漆黒の虚無。
 それを目にしたクライング・ジェネシスが高らかに笑った。
「敢えて盾をぶっつけて、虚無の発生場所を操作したか!クズにしちゃ考えたじゃねえか!!」
「生憎、俺達はお前さんと違って一人じゃないもんでね」
 そう告げるセゲルの代わりに、クライング・ジェネシスの前に立つのは総勢128人の兵たちだ。
 指揮官に副官、126人の兵が手に手に武器を持って、一気呵成にクライング・ジェネシスへと襲い掛かる。
「数で押してくるしか能がねえのか、クズどもらしいやり方だなぁ!」
 銃を向け、剣や斧を掲げる兵たちに、クライング・ジェネシスは骸の海発射装置から過去を放つことで応える。次々に兵が過去に飲まれ、漆黒の虚無が広がっていく中で、セゲルは虚無に隠れるようにしてクライング・ジェネシスに接近していった。
 そして、兵士たちを潰すことに完全に意識が向いているクライング・ジェネシスの傍まで接近したところで。
「ギャハハハ、数がいたところで何にもならねえってのによぉ!!」
「そいつはどうかな?」
「ハ……!?」
 途端に、忽然と消える兵士、副官、指揮官。クライング・ジェネシスが目を見張っている間に肉薄したセゲルが、マシャルクを思いっきり振り下ろした。

成功 🔵​🔵​🔴​

アララギ・イチイ
あら、これが敵の親玉なのねぇ
なかなかの実力者みたいだし、楽しそうだわぁ

敵の先制攻撃に対してはシールドシステムの【早業】の【盾受け】で【時間稼ぎ】を行い、迫撃砲で煙幕弾を展開して姿を隠すわぁ(屋外なので短時間と予想

その間に【選択UC】使用よぉ
自分の分身体を召喚して、敵の召喚した幻影にぶつけるわぁ
この時、敵の視界を【見切り】【第六感】も併用して、分身と私が同時に入らない様に注意して移動よぉ
分身体(又は自身)が分身を抑え込んでいる間に、もう片方がバトルアックス×2を取り出して【2回攻撃】で【なぎ払い】する様にぶん回して敵にダメージを与えるわぁ
分身を抑え込んでいる方が防御優先よぉ



●マ・アッサラーマ
「あら、これが敵の親玉なのねぇ。なかなかの実力者みたいだし、楽しそうだわぁ」
 クライング・ジェネシスの姿を見て、アララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)が心底から楽しそうに告げた。
 それを面白くないと思ったか、クライング・ジェネシスの右手がアララギへと向けられる。
「楽しそうだぁ?ヒャーハハハハ!!そんな調子のいい事を言ってられるのも今のうちだ!!」
 そうけたたましく笑いながら、胸元の骸の海発射装置をきらめかせるクライング・ジェネシス。と、アララギの傍にアララギと同じ姿をした幻影が立つのを彼女は見た。
 幻影が実体を伴って、その両手に握ったバトルアックスを振りかぶる。
「っ!」
 言葉を吐くよりも早く、アララギはシールドシステムを起動させた。展開した盾でバトルアックスを受け止め、その身を後方に退く。
 続けざまに接近して攻撃してくる幻影を盾でしのぎながら、アララギは迫撃砲をその手に握った。クライング・ジェネシスへ向けて引き金を引く。
「今よぉ!」
「んっ!?」
 迫撃砲から発射され、展開されるのは煙幕弾だ。クライング・ジェネシスの視界が、煙の濃い白で覆われる。
 とはいえ屋外の高所、風も強い。煙は徐々に晴れていって、視界も明瞭になっていく。
 再び視界を取り戻したクライング・ジェネシスが見たのは、幻影のアララギの猛攻を盾でしのぎ続けるアララギの姿で。
「ギャーハッハッハッハ!!どうしたどうした、お前は、お前の過去に負ける程度の存在なのかぁ!?」
 その戦闘を面白そうに観戦するクライング・ジェネシス。そうして幻影のアララギのバトルアックスが、アララギの盾を掻い潜ってその首元に迫る瞬間。
「隙ありなのよぉ!」
「あ――!?」
 クライング・ジェネシスの後方からかかる声と、強い衝撃。
 振り向くとそこには、もう一人、アララギ・イチイの姿があった。バトルアックスを二振り持って、それを思い切り振り抜いている。
 慌てて視線を前に戻すと、そこにはアララギの命を刈り取ったばかりの幻影の姿のみがある。倒されたアララギの姿はない。
 ドッペルゲンガー。分身の召喚。幻影の相手を分身に任せたアララギは、クライング・ジェネシスの隙を突くために隠れて後方まで回ってきていたのだ。
「さぁ、楽しませてちょうだいねぇ?」
 にっこりと笑って、アララギはもう一度バトルアックスを振りかぶった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニコ・ベルクシュタイン
何が骸の海発射装置だ、頭の悪い名前を付けよって
もう少しこう…まあ良い、決着を付けに来たぞ
刻限は違い、だが俺達は最後まで抗ってみせよう

俺の過去…時計が過去を顧みると思うか?
強いて言うならひととして得た幸福な過去しか知らぬが
骸の海から出づるものなら歪んでいても仕方が無い

来い、と「挑発」しつつ「ダッシュ」で駆け
「ジャンプ」や「スライディング」で飛来する攻撃を躱すが
其の際着弾部が極力小面積、点在するように立ち回る
面積が広いと強化が易く厄介だ、多少の被弾は耐えよう

反撃は【葬送八点鐘】を発動、死神を召喚して嗾けつつ
俺自身も双剣で斬り掛かり援護しよう
「2回攻撃」の初撃でつけた「傷口をえぐる」ようにもう一撃だ



●アルハムドゥリッラー
 ニコ・ベルクシュタイン(時計卿・f00324)はあきれ顔だった。
「何が骸の海発射装置だ、頭の悪い名前を付けよって……もう少しこう……まあいい」
 ネーミングセンスに物申したい気分は凄くある。言葉を扱う人間の端くれとしては。もうちょっと、こう、ド直球でない名前があったのではないかと。
 しかし当の本人は大真面目なようで。ニコに向かってびしりと指を突きつけてきた。
「あぁん!?オレのネーミングセンスをバカにしようってぇのかぁ!?」
 抗弁するクライング・ジェネシスがその胸の、骸の海発射装置のチャージを継続する中で。くわんと小さく音が鳴る。
「刻限は違い、だが俺達は最後まで抗ってみせよう」
「抗ってみせろよ、抗えるモンならなぁ!!ギャーッハハハハハ!!」
 時計の針のような双剣を構えるニコ目掛けて、クライング・ジェネシスの胸元から過去が発射された。黒い弾丸がニコの身体目掛けて飛来する。
 それをニコは、ジャンプすることで回避した。過去が着弾したアット・ザ・トップの床が、ぞわりと漆黒に染まる。
 床が抜けたのではなく、虚無になった。そこは最早何もなく、ただ口を開けている闇であって。
 その穴をちらと見やりながら、ニコはクライング・ジェネシスとの距離を詰めていく。
「俺の過去……時計が過去を顧みると思うか?強いて言うならひととして得た幸福な過去しか知らぬが」
「知らねぇたぁなぁ!!だがそんな綺麗ごとを言う奴ほど、心の奥に真っ黒なもんを抱え込んでるものだよなぁ!!」
 そう言いながらも次々に発射される過去。それを時には受けつつ、時には躱しつつ、なるべく展望台の床が黒く染まらないように立ち回る。
 そして接近した僅かな隙を突いて、ニコが胸元へと手をやった。
「鳴り響け八点鐘、彼の者を呼びたもう」
 声が響くや、ニコの足元の陰から立ち上がるのはフードを目深にかぶった、鎌を持った死神で。
 その姿を目にしたクライング・ジェネシスが、小さく笑みを零した。
「ハ、死神でも呼んで、オレを送ろうってハラかぁ!?」
「送るとも。お前はここで骸の海に還す」
 手にした双剣で胸元を斬りつけるニコの後を追うように、死神の鎌がその傷口を抉るようにもう一撃。
 ばしゃりと、黒い液体が展望台の床に落ちた。

成功 🔵​🔵​🔴​

バロン・ゴウト
クライング・ジェネシス!絶対にカタストロフなんて起こさせないのにゃ!
ボク達猟兵の底力、甘く見るにゃよ!

敵に邂逅する前に【アイリスの嵐】でレイピアを花びらに変え、花びらに【オーラ防御】を付与するのにゃ。
その花びらをマントの裏やレイピアの鞘に隠し、敵が先制攻撃を仕掛けたら花びらを操作し、ボクを守る盾にするのにゃ!
先制攻撃を凌いだら再び【アイリスの嵐】を【全力魔法】で胸の穴を攻撃し、花びらで塞いでやるのにゃ!

絡み、アドリブ大歓迎にゃ。



●トゥスビアラーハイル
 アット・ザ・トップの床のあちこちが黒く染まる中で。
 バロン・ゴウト(夢見る子猫剣士・f03085)がその手に握る黄金のレイピアを眼前に翳した。
「クライング・ジェネシス!絶対にカタストロフなんて起こさせないのにゃ!ボク達猟兵の底力、甘く見るにゃよ!」
「んん~?どこからか声がするなぁ。どこにいるんだぁ??」
 クライング・ジェネシスはどこからか聞こえてくるバロンの声に、大仰に驚くようにしながらわざとらしく辺りを見回した。
 30センチもないバロンの身体だが、見つけられないということはないだろうに、しかしそうするのは、侮っているが故にか。
 その行動に少しばかりの不快感を感じながら、バロンがレイピアをアイリスの花びらへと変える。それをマントの内側に潜ませるようにすると。
「まぁいい、適当に撃てば当たるだろ!」
 クライング・ジェネシスが骸の海発射装置から過去を発射した。どこにいるのか、と言っておきながらその狙いは正確だ。バロンの逃げ道を塞ぐように、大きく広く、覆うように過去を撃ち出す。
「にゃっ!」
 逃げられない、と悟ったバロンがマントの内側に隠したアイリスの花びらを展開した。過去を包み込むように展開した花びらが、バロンを守る盾となる。
 そうして受け止めた過去は空中で虚無となり、受け止めきれなかった過去は雨のように降り注いで、バロンの周囲を黒く染めた。
「うう、恐ろしい攻撃なのにゃ……でも、今こそチャンスだにゃ!」
 その攻撃範囲の広さに背筋を震わせたバロンだが、すぐさま指先をクライング・ジェネシスへと向けた。渦を巻くように一直線に向かうのは、骸の海発射装置の内側だ。
 しかしてぶつけられた花びらが骸の海発射装置の内側に貼り付いて、発射の邪魔をしていく。
「あぁん!?このっ、発射装置の内側を!?」
「塞いでしまえばこっちのものだにゃ!」
 ニヤリと笑ったバロンが、大きくジャンプして虚無から逃れながら力強く言い放った。

成功 🔵​🔵​🔴​

ステラ・アルゲン
展望台……実に良い場所ですね
自分の活躍を見せ付ける為に選んだ舞台のようですが、残念ながらそうはなりません
なぜなら我々猟兵が貴様を撃ち倒し、平和を知らしめる為の舞台となりますから!

【高速詠唱・全力魔法】で【希望の星】を使い白き聖女姿に変身
先制攻撃を飛び回りながら回避
当りそうな攻撃は星の【オーラ防御】を剣に纏わせ【武器受け】し受け流す

黒き虚無の過去は白き希望の未来の力にて撃ち破ってくれよう

黒く染まった場所すら浄化するように【破魔・祈り】を込めて【力溜め】
聖【属性攻撃】の光線にて敵を攻撃する



●レイラ・サイダ
「展望台……実に良い場所ですね」
 ステラ・アルゲン(流星の騎士・f04503)は漆黒の中に降り立ちながら、手にした流星剣の切っ先をクライング・ジェネシスへと向けた。
 高度452メートル。彼方を見渡せるほどに高いその場所で、繰り広げられる世界の命運をかけた戦い。
 まさに平和を知らしめる為の舞台にふさわしい。
「自分の活躍を見せ付ける為に選んだ舞台のようですが、残念ながらそうはなりません」
「お前らクズどもが、オレを打ち倒すから……ってかぁ?ギャーッハッハッハッハ!!甘え、甘えな!!」
 ステラの言葉に被せるように、言葉を投げつつ笑ったクライング・ジェネシスだ。高らかに笑い、その胸の骸の海発射装置をドンと叩く。
「オレは最強のオブリビオン・フォーミュラだ!お前らなんぞに負けるようなオレじゃねえ!!」
「ふん、吠えていなさい。その割には随分追い詰められているでしょうに!」
 力強く言ってのけるオブリビオン・フォーミュラへと、ステラが冷厳に告げた。
 事実、これまでの猟兵たちの攻撃によってクライング・ジェネシスは大きなダメージを負っていた。まだ両足でしっかと立っているが、全身は傷だらけ、もうあと幾らか攻撃を加えたら限界だろう。
 しかし、しかし。まだ彼は高らかに、自身を鼓舞するように吠えた。
「黙れ黙れ黙れ!!お前もオレの放つ過去で塗り潰してやる!!」
 その勢いのままで胸元から放たれる、黒い過去。飛来するそれを星のオーラを纏わせた流星剣でいなしながら、ステラが告げた。
「黒き虚無の過去は、白き希望の未来の力にて撃ち破ってくれよう」
 そうして彼女の身体が光に包まれて、真っ白な衣装をまとった聖女へと変身する。宙に浮かび、飛翔しながら、ステラの握る流星剣から光の帯が放たれた。
 それは戦場に広がる黒い過去と、虚無を、浄化して消し去っていって。
 初めてここでクライング・ジェネシスが狼狽した。
「なっ……このぉっ!!」
「これで、トドメです!!」
 その生じた隙とチャンスを、ステラは見逃さない。まっすぐに、祈りを込めて振り下ろした流星剣から、光の帯が飛んでいく。
 その光がクライング・ジェネシスの胸元に吸い込まれ、骸の海発生装置の射出口にひびが入っていく。同時にぐずぐずと消えていくその身体。
「ぐ……畜生、この、オレが……!!」
 恨み言を残して、クライング・ジェネシスは消え去った。全くの元の姿を取り戻した展望台に降り立って、聖女は空を見つめる。
「これで、世界に平和が訪れるでしょうか……」
 世界が平和になるか、否か。それはまだ、今は。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年11月27日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト