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逃避の旅の果てに

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●『逃げる影々』
「静かに、あまり音を立てると見つかるぞ」
 月すらも暗い静まり返った夜。星明りのもと足早に、しかし慎重に進む20人程の一団がいた。馬は鳴かぬよう口元を縛り、蹄には布を巻いて音が鳴らぬように徹底している。
「他のレジスタンスたちの話だと、この先あと数日行ったところに隠れ里がある。そこまでの辛抱だ」
 その一団はなにも最初から一つだったわけではない。ヴァンパイアたちの非道により村を、街を捨てざるを得なかった者たち。そんな人らが少しづつ寄り集まり、かつて聞いた話を頼りにヴァンパイアの手が及ばぬ隠れ里へと向かっていた。
「もう少し、もう少しなんだ......」
 周囲を励ますように、そして己により一層信じさせるために、リーダーとなった男はずっと言い続けていた。
「分かっているさ、でもお前はちょっとばかし気を張りすぎだ。気を抜けとまでは言わないがその仏頂面くらいどうにかしろよ」
 少しくらいは助けになるかとあえて混ぜっ返すのはサブリーダーとなった別の男だ。
 彼らは元から面識があったわけではないが、見つかれば嬲り殺されるだけのこの神経をすり減らしていく旅の中で気の置けない仲となっていた。
 彼らは進んでいく。この先にこそ助かる道があると信じて......。

●『さて、恒例の説明と行こうじゃないカ』
「ダークセイヴァーの世界、皆ご存知の通りだろうケド、あそこはヴァンパイアたちが支配する暗黒の世界ダヨ。」
 いつになく真面目な顔をしてほんの形をしたグリモアを読みながら説明する石動・レイン。
「だがしかし、いつの世も抵抗勢力とはあるもの。今回はそんな彼らのお話ダヨ」
 猟兵たちがしなければならないのは隠れ里を目指し、逃げる人々と合流し、彼らを隠れ里まで連れていくこと。その後は隠れ里の人々のちょっとした手伝いなんかをしてほしい、とレインは言う。
「いかにも簡単そうダヨネ?」
 でもちょっとネ......、何やら話しづらいように複雑な顔をし、そう前置きを置くレイン。
「今回は読めないことも多いんだヨ......何がどうなるかわからない。君たちの臨機応変な対応が鍵となるだろうネ」
 そう言ってしぶしぶ、といった風にゲートを開く。
「本当に危ないことがあるかもしれない、気を付けてほしいヨ」


外持雨
 外持雨です。新年明けてもう1週間過ぎようとしてるとか早いですね。受験生の皆さんはもうちょっとでセンター試験ですけどだいじょうぶですかね?

 さてさて、今回はちょっとダークな感じにしていきたいと思います。普通にいったらトゥルーエンドです。お前の思い描いた風にはさせないぜ!というくらいでないとハッピーエンドは難しいと思います。

 猟兵たちのすることは簡単です。隠れ里目指して逃げる人々を護ってください。リーダーやサブリーダーと仲良くなるといろいろ円滑に進むかもしれません。
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第1章 冒険 『反逆者の手引き』

POW   :    護衛として付く、見回りをする。

SPD   :    馬車を改造する、人々を運ぶ。

WIZ   :    安全な新天地を探す、人々を宥める。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エスタシュ・ロックドア
「ああ、どーも。お前がリーダーか?
俺達ゃ猟兵、お前らを助けに来た」
「俺ぁ殿について護衛してやる、何か来たらこのフリントでぶん殴ってやらぁ。
だから安心して進んでくれや」

荒事の気配はぷんぷんするが、護衛対象がいるのがなぁ、難点なんだよなぁ。
シンディーちゃんで運ぶにゃ多すぎるし。
つーわけで、シンディーちゃんに乗って鉄塊剣のフリント担いで、
連中の殿をウロウロして護衛しようかね。
一応静かにするように気を付けるか。

なんかあったらすぐ駆けつけるわ。
敵ならフリントのエサだ、喜び勇んで突っ込むぜ。
斥候かもしれねぇからな、生かして逃がすつもりはさらさらねぇ。

他の奴との絡みやアドリブは好きにしてくれや。


ヴィゼア・パズル
【wiz】絡み歓迎
自由は、良い。下らない物に囚われぬ在り様こそが自然の摂理。…動かねば、風ではあるまい?では、手を貸そう。
何、私は君達の在り様が気に入った… コレはただの、恩返しだよ。

名を名乗り何故の声にはそう答える。心中では、彼らを泳がせているだけだろうと目星を付け地中空中よりの襲撃に備え餌を手に【動物会話】で眼を増やそうか。敵の考えなら、少なからず小規模の襲撃はあるはずだ

リーダーと話し、地図を確認
エレメンタル、ファンタジアでその道中の土を固め、地下からの襲撃を防ぐと同時に近付けば【串刺し】に。【聞き耳、拠点防御、罠使い】を使用
【全力魔法、マヒ、2回、属性攻撃】にて襲撃に備えよう
必ず、守る


ウィズ・ザー
【SPD】使用・絡み歓迎
必要な事以外は声を出さない無口。常は影に擬態しているがフシュルと蜥蜴らしく影から身を出す。眼孔の無いグールド型の蜥蜴。体長134cmだが尾を含めればもっと長く、尾か下半身足先が不完全である事が多い。
・馬車を点検。特に裏側や車輪の支点力点付近は影に溶けたままに隅々まで見る
・問題無ければ自身で天幕を覆い【バウンドボディ】でガード、跳ね返せる様に。難路も同じUCで解決させ、人々を運ぶ
「名は…with. …ウィズ・ザー。…其が、助けと成る様に。」


レナード・レッドホーク
OK、彼らの護衛をしよう。
索敵はまかせてくれ。
暗視ゴーグルの「暗視」を使って、道中の偵察をするぜ。

ヴァンパイアや敵がいれば、見つからないよう迂回ルートを考えよう。
そのへんは「戦闘知識」で対応できるといいんだが……。

ヒマなときは、彼らと仲良くなれるようコミュニケーションをするぜ。
飯作りを手伝ったり。
俺ぁこう見えて、戦場でこと美味いものを作るのが大事だと思ってるんだよ。
だから、美味い飯を作って、団結力を高めるぜ。



●『邂逅』

 疲労というものは蓄積する。それはなにも肉体的な疲れだけでなく、精神的なものもまた然り。闇の中を進む一団は、たとえそれが追手に気づかれるリスクを増やす行為だと知っていても、馬車を止め休息を取らざるを得ない。女や子供たちが馬車の中で休息をとる中、男たちは明かりも最小限にして外で警戒を続ける。
 そんな彼らに近づく人影が3つ。
 最初に気がついたのはサブリーダーの男、腰から剣を抜くと鋭く誰何を問う。
「誰だ!?」
「ああ、どーも。お前がリーダーか?俺たちゃ猟兵、お前らを助けに来た」
 そんな彼に気軽な口調で応えたのはエスタシュ・ロックドア(ブレイジングオービット・f01818)
「猟兵だと?なんだそれは?信用ならんな」
 一拍遅れて猟兵たちに問いかけるリーダー。なにせこの世界で猟兵たちの存在は知られていない。不審に思われるのも仕方のないことだった。
「あー......」
「我々はヴァンパイア達に対する抵抗勢力の一つ、その一員だ」
 言葉に困ったエスタシュの後を継いで言葉を発したのはヴィゼア・パズル(風詠う猟犬・f00024)。
「抵抗勢力......レジスタンスの一味か?だがなぜ俺たちを助ける?」
「自由は、良い。下らない物に囚われぬ在り様こそが自然の摂理......動かねば、風ではあるまい?では手を貸そう。何、私は君たちの在り様が気に入った。コレはただの、恩返しだよ」
 詩を吟じるような穏やかな声でそう返すヴィゼアに、最初は訝しんだリーダーの男も、とりあえず敵ではなさそうだと判断する。しかしその手にはまだ武器が握られている。
「だが俺たちはなにも男だけじゃない、女子供だっている。皆疲れ切っているんだ......」
「......安心、なされよ......其が、助けと成るように......」
 そう言って影から身を起こしたのはウィズ・ザー(闇蜥蜴・f11239)。
 今までいなかったように思われた者の突然の登場に、驚いた男たちが各々の武器をウィズに向けるが、彼が何もして来ないことを見て再び下ろす。
 当のウィズはといえば、気を害したことでもなくまた影へと潜っていく。
「な、なんなんだあいつは?どうやったんだ今の?」
 だがそんなことをすれば不可解な現象に疑問の声を上げる者は当然いる。数人の男が興奮して再度猟兵たちに武器を向ける。
「あんまし詳しくは言えないんだけどよ、まあ俺たちにはあんな感じで不思議な力があるんだ。それでヴァンパイアたちとも戦えるってわけだな」
 レナード・レッドホーク(人間の戦場傭兵・f00218)が興奮気味の男らを宥めるように、両手で落ち着くようジェスチャーをしながら説明する。
「おい、いいから武器を下ろして静かにするんだ。なにもヴァンパイアだけじゃない。魔獣に気づかれでもしたらどうするんだ」
 そう言って皆に落ち着くよう促すリーダーの男。
「先ほども言ったが皆疲れ切っている。あんたたちが味方で不思議な力があるって言うんならしばらくでいい。見張りをしていてくれないか?」
「お安い御用だぜ。何か来たらこのフリントでぶん殴ってやらぁ」
「無論だとも」
「......」
「OK、索敵は任せてくれ」
 大きくうなずきながら鉄塊剣を担ぎ答えるエスタシュに続き、猟兵たちもそれぞれの行動に移る。だが未だ完全に信頼されたわけではなく、サブリーダーを含む数人が訝し気な視線を向ける。
 そんな彼らの視線を受ける中、エスタシュは、
「そんじゃ、なんかあったら呼んでくれ。すぐに駆け付ける」
 そう言って鉄塊剣を担ぎながら静かに移動し明かりの届かぬ距離の見回りを始める。
「......」
 ウィズは一言もしゃべらず影に潜んだまま、馬車の点検をし始める。裏側や車軸は特に念入りに見ているようだ。
 一方でヴィゼアは、
(襲撃は少なからずあるだろう......やつらとて馬鹿ではないだろう、おそらく泳がされているだけだ......)
 ヴァンパイアたちの襲撃に備えて動物会話を使い、周囲の動物たちから怪しい動きはないか見張るよう頼むと、リーダーの男から聞き出した道中の土を【エレメンタル・ファンタジア】で固め地下にからの襲撃にも備える。
(必ず、守る)
 軽く拳を握り、そう決意する。
 そのころレナードは......
「よし、腹が減っては戦ができぬ。何より疲れも取れないだろう」
 携帯コンロを用いて食事を作り、振舞っていた。
「休息くらいちゃんと取らないとな。遠慮せず食えよ」
 だが料理をしつつも警戒は怠らない。

「彼らは、信頼......できるのかもな」
「ああ、だがまだ完全に信用できるとわかったわけじゃない」
 猟兵たちを見ながらそう言葉を交わすリーダーとサブリーダー。猟兵たちの行動に、戸惑い、疑いの視線を向ける者の数は減っていき、徐々に信頼を勝ち得ていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

紅葉・智華
【行動指針:POW】【選択UC:WIZ】
逃げる人々の護衛、猟兵じゃなく傭兵の頃にも経験した事がありますが、なかなか難しいであります。ですが、力のないものを守るのは力ある猟兵の責務であります。

護衛に同行致します。礼儀作法、コミュ力で多少親交を深められれば良いのでありますが……。あと、現地の知識について知っておけば会話で違和感を持たれる事も少ないでありましょう。襲撃に対してはレジスタンスの面々からは見えない位置にカバリングアームズを展開して対応致します。
私自身はアサルトウェポン改とハイレーザーライフルをいつでも撃てるようにしておくのみであります。

【使用技能:礼儀作法2,世界知識1,コミュ力1】


アルジェロ・ブルート
【WIZ】

よー、コンバンハ。
あいっかわらず気持ち悪ぃ夜だな。
あんたらも逃亡者?俺もなんだよ、途中まで一緒に行かね?

いやいや嘘はついてねーよ、都市から逃げて来たのはホントだし。
まー最近の事じゃねぇけど。ってのは黙っとくか。ひひ。

その隠れ里ってのはどこら辺にあんのよ。
安全な里は知らねぇがやべぇトコの噂ならいくつか知ってっから当たりそうなら避けて通んな、ああ、ここの生まれ育ちだかんな俺。
つっても全部知ってるわけじゃねーし必ず近づかねぇとは限んねーけど。
ま、そこらへんあとは【第六感】だろ。

つかお前らちゃんと寝てんの?交代でちっとずつでも寝ておけよ。
お前らは1人で逃げてるわけじゃねぇんだからよぉ。



●『旅路は続く』

 猟兵たちも加わり休息中の一行に、また一人、近づく者がいた。
「よー、コンバンハ。あいっかわらず気持ち悪ぃ夜だな。あんたらも逃亡者?俺もなんだよ、途中まで一緒にいかね?」
 などと気安くのたまうアルジェロ・ブルート(f10217)。言わずもがな、非常に怪しいのだが......
「そうか、同じ逃亡者なら助け合いだな」
 そう言ってアルジェロを迎え入れるサブリーダーの男。もちろんだが他の猟兵たちは、アルジェロもまた猟兵であることに気が付いている。が、これも何か策の内だろうと知らぬふりをする。
(まー別に嘘は言ってねーしな。都市から逃げてきたのはホントだし。ただここ最近のことじゃないってだけで)
 ひひ、と心の中だけでうすら笑いを浮かべながら感謝の意を伝える。
「やべぇトコの噂ならいくつか知ってるから避けた方がいい場所とか教えられるぜ」
「それはありがたい。早速だが出発する前にいくつか聞いてもいいか?」
 安全という名の情報を手に自分を売り込むアルジェロ。ダークセイヴァーの出身であることがここで功を奏す。

 アルジェロも加わり、逃亡の旅を再開する一行にまた近づく人影。
「初めまして、私は紅葉・智華であります」
 礼儀正しい挨拶と自己紹介から入る紅葉・智華(紅眼の射手/サイボーグの戦場猟兵・f07893)。
「遅ればせながら私も護衛として皆さんに同行します」
 もはや慣れてきたのか、彼女に向けられる視線は不信感からよりも興味からくるものの方が多いように思われた。
「そうか......あんたも猟兵ってやつなのか?」
「そうであります」
 問いかけに対し、即座に答える智華。他の猟兵たちもまた彼女が仲間であると説明する。
「ならいいさ。護衛してくれるんなら願ってもないことだ」
「ではあとはお任せを」
 そう言って武器を手に周囲を警戒しつつ、ゆっくり進む馬車に歩調を合わせる智華。なおレジスタンスから見えないところには【戦場覆う四足歩行兵器CA-X-001(カバリングアームズ)】を展開済みである。それらもまた一行が進む速度にペースを合わせ辺りに警戒網を敷き、いつでも戦闘へ移行できるよう準備は済んでいる。

「これならばきっと......隠れ里までたどり着けるな」
「ああ、本当に。感謝しかない」
 猟兵たちの助力にほっとした表情をするリーダーと微笑むサブリーダー。もしも猟兵たちが来なければ......そんな考えが浮かぼうとするが、かき消そうとするように頭振るリーダーの男。
「まだ到着したわけではない。気を抜かないようにしないとな」
 だが最初と違い、心には余裕が生まれている。隠れ里にはきっとたどり着ける、そんな確信がリーダーの中ではあった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『流浪の民を守れ』

POW   :    建材や食料の調達や運搬をする。

SPD   :    外敵に見つからず、住みやすい環境を整える。

WIZ   :    人々の健康を心身ともにケアする。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
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 大成功🔵🔵🔵
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👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●『到着』

 猟兵たちと旅をして早数日。
「もうすぐだ。この地図によるともうほんの数時間で隠れ里につく。あんたたちには感謝しかないな」
 そう言って猟兵たちに頭を下げるリーダー。事実、数日の間にも魔獣やヴァンパイアたちの眷属と思しきモノたちが幾度となく襲ってきたが、そのすべてが被害者を出すことなく猟兵たちにより撃破されていた。
「それでなんだが......もしよければ隠れ里に着いてもしばらく一緒にいてくれないか?そこでの生活に慣れるまででいいんだ。そうしてくれた方が皆安心できるしな」
 そんな彼の頼みを猟兵たちは二つ返事で快諾するのだった。


●『さてさて、追加の説明ダヨ』

「とまあ、そんな感じで無事一行は隠れ里に到着するのダヨ」
 さっきまで読んでいた「本」を閉じ、説明を始めるレイン。
「お次は隠れ里のお助けダネ。魔獣とかに対する防衛を固めたり、資材を運んだりといったところダヨ」
 隠れ里の規模はさほど大きくないため、猟兵たちが手助けした一行を迎え入れるにもいろいろと物が足りていないようだ。ここもまた、猟兵たちが信頼を勝ち得るチャンスだろう。
「ただネ、最初の説明でも言ったケド、なぜか予知で読めないところもあるんダヨ」
 だから襲撃なんかもあるかもしれない、十分に注意してほしい。そう言ってレインはまた新たな猟兵たちを送るため、ゲートを開くのだった。
エスタシュ・ロックドア
荒事求めてここまで来たは良いが……なーんか嫌な予感するな。
気のせいなら良いんだがよ。

さて、力仕事に励むかぁね。
羅刹の腕を見てろよ、【怪力】の使い所だぜ。
重てぇ建材中心に運ぶわ。
森で建材や薪用の木の切り出しなんかもな。
……襲撃があんならそこで察知できんだろーからよ。
そんときゃフリントぶん回して迎撃するか。

さてそれだけじゃぁ芸がねぇか。
作業中の雑談混じりに誰か身の上話でも聞いてみるかね。
思わぬ情報も聞けるかも知れねぇしな。

何事も無きゃいいが……っと、らしくねぇこと考えちまった。

アドリブとか絡みとかは任せるぜ。


紅葉・智華
【行動指針:POW】

本当なら里の方々のケアを重視したいところではありますが、生憎その道のスペシャリストではない故、逆効果になり得るであります。
大人しく、私自身の身体を活かし、運搬に従事するであります。身体は丈夫でありますし、銃の腕もありますから、狩りなんかもできると思うでありますよ。

「こう見えて重いものはお任せあれ、でありますよ」(運搬
「仕留めるでありますよ」(狩り・状況によっては【UC:支配者の弾丸(WIZ)】を使用

【使用技能:視力2,第六感4,暗視2,追跡3,地形の利用1,礼儀作法4,怪力2,世界知識1,コミュ力1,情報収集1】



●『隠れ里part1』

 レジスタンスたちの住む隠れ里。そこから少しばかり歩いたところにある森のはずれに、とある巨漢が腕を組んで立っていた。
「荒事求めてここまで来たは良いが......なーんか嫌な予感がするな。気のせいなら良いんだがよ......」
 エスタシュ・ロックドア(ブレイジングオービット・f01818)には第六感だとかそんな感知技能はない。ないものの、それでも歴戦の経験からくる技か勘か、不吉な気配が忍び寄ってきていることを感じ取っていた。
「さて、力仕事に励むかぁね」
 だがどうせ何か起これば解決すればよいだけだと、いったんその予感を思考の片隅に置いておく。
「羅刹の【怪力】の使いどころ、ってなぁ!」
 などと言いながら鉄塊剣「フリント」を力任せに振り回し木々をを薙ぎ払っていく。ここが現代ならやれ森林破壊だのなんだの言われそうだがそんなものここでは関係ない。まるで鬱屈とした気分を、嫌な予感を振り払うかのようにエスタシュは木々を伐採していく。
「っと、ちょいと切り過ぎたか?まあ別に困りぁしないよな」
 十分すぎるほど切り倒すとそれらを束ねてひょいと担ぎ、隠れ里へと戻っていく。
(後で誰か身の上話でも聞いてみるか。何か思わぬ情報も聞けるかもしれねぇしな......)
 何も無きゃいいが......などとらしくもない考えを抱きながらマルタを束ねて運ぶエスタシュだった。

「丁度良い獲物が......いますね」
 紅葉・智華(紅眼の射手/サイボーグの戦場傭兵・f07893)はエスタシュと同じように里の外にいた。
(本来なら里の方々のケアを優先したいところではありますが、私は生憎とその道に明るいわけではないので......)
 自分では逆効果になるかもしれない故その道のスペシャリストに任せよう、そう判断した彼女は狩りに出ていた。何より智華の得物は銃火器に、暗視や視力、追跡に地形利用と狩りに役立つ技能を複数所持している。
 そんな彼女が獲物を見つけたのは、里の外に出て1時間にも満たないほど。
 スコープを覗き込んだその先には鹿に似た生物が草を食んでいる。
「おそらくは食用に適すると思われますが......とりあえず仕留めて持ち帰ってから聞いてみるであります」
 そう言ってそっと弾を込める智華。
 そんな彼女の発する気迫を感じ取ったのか、首を上げきょろきょろと辺りを見渡す謎生物。
「ーー逃さない。仕留めるでありますよ」
 それをそっと見つめたまま、智華は【支配者の弾丸(ドミナント・バレット)】を放つ。抵抗する間もなく撃たれた獣は膝を折り地面に倒れる。
「さて、まずは一丁上がりであります」
 そう誰ともなく呟くと、手早く血抜きを済ませ担ぎ上げる智華。
「こう見えて重いものはお任せあれ、でありますよ」
 そう言うと仕留めた肉を届けるために、里へと引き返す智華だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エスタシュ・ロックドア
「おう、丸太持って来たぜ」
さっき斬り倒した丸太持って里に帰るわ
里の連中と一緒に丸太の加工も手伝う
気は向かねぇが他にやる事も無し、雑用も手ぇ出す
地味に【掃除】とか【救助活動】とか持ってるしな
それから作業の合間の休憩に話を聞いてみっか
「なぁ、お前らがいたのはどんなとこだったんだ」
「そうかぁ、まぁなんとかココに来れて良かったじゃねぇか」
「俺も出来る事ぁやるからよ。
特に力仕事は任せな。
それにヤベェ奴が来たら真っ先に俺がぶっ飛ばしてやらぁ」
湿っぽいのは苦手なんだがなぁ、しゃーねぇ
俺にできるのは腕っぷしの面で安心させる事ぐらいか
酒がありゃちったぁ連中の気も紛れるんだろうがなぁ
在庫あるかぁね、探してみるか


栖夜・鞠亜
遅ればせながらだけど、手を貸す。

まりあも会話は苦手。 隠れ里には行かずに周辺を探索して敵の痕跡を探る。
道中敵と遭遇してたみたいだけど、後を付けられているかもしれない。

もし斥候だったり偵察役がいたら、撃退せずユーベルコードで召喚したメイドさんに追跡してもらう。 奇襲を受けるのは避けたい。 混乱して逃げ惑う人間を守りながら戦うのは厳しいから。


レナード・レッドホーク
隠れ里って話だが、本当に細々と暮らしているだけみたいだな。
受け入れ態勢が整ってないなら、こっちとしても誠意の見せ所だ。
戦場傭兵の知識と経験を生かして、里の防衛体制を固めるぜ。

「戦闘知識」を使い、レジスタンスや住人と協力しながら、防護・監視設備を整え、戦闘や避難の訓練も行う。
隠れ里の住人だけで、ある程度の防衛と時間稼ぎができるのを目標に。
魔獣だけじゃなく、ヴァンパイア対策も視野に入れるぞ。
あまり目立つ設備を作ると隠れ里の意味がないから、うまいこと「地形の利用」もして効果的に。
ダークセイヴァー出身の猟兵がいたら、そのへんアドバイスをもらえると助かる。

その間の偵察は、「斥候部隊の召喚」を使う。



●『事態は進む、されど気づかず』

「おう、丸太持ってきたぜ」
 先ほど斬り倒した丸太を担ぎながら隠れ里へと戻ってきたエスタシュ・ロックドア(ブレイジングオービット・f01818)。
「どうせ暇だしな、加工も手伝うぜ?」
 力仕事なら得意だしな、そう言って丸太を運び木材へと加工している人々の手伝いをし始める。
 最初はそこまで手伝ってもらわなくとも、と遠慮がちだった人々も、エスタシュの仕事っぷりに次第にいろいろと頼みだす。
 そんな風に時間も過ぎていき、さて休憩しようかといったところで、
「なぁ、お前らがいたのはどんなとこだったんだ?」
 はきはきと働く人々を見て浮かんだ疑問をぶつけるエスタシュ。
 聞かれた側はなぜそんなことを聞くのか、と思うもおずおずと話始める。
「俺がいた村はなぁ......特に何もないところだったよ。それなのにある日、何の前触れもなくすべて燃やされたんだ。何もないなら燃やしたところで同じだってな......この隠れ里に着いたやつはだいたい皆そんな風に住んでた所を奪われた連中だぜ」
「そうそう、そういう居場所のないのが集まって逃げてたらいつの間にか集まってできたんだよ、ここは」
「そうかぁ、まぁなんとかココに来れて良かったじゃねぇか」
「ああ、だからもう二度と奪われたくないんだよ」
 そう呟いた男を尻目に、
(湿っぽいのは苦手なんだがなぁ......しゃーねぇ)
 などと考えながら
「まぁ、ヤベェ奴が来たら真っ先に俺がぶっ飛ばしてやらぁ」
 そう言って励ますエスタシュと、そいつは頼もしいと笑う男たち。だがかれらの知らぬところで事態はすでに動き出していた。

「隠れ里って話だが、本当に細々と暮らしてるだけみたいだな。ここは一つ、俺の出番だな」
 里の在り様を見てふむふむと頷くレナード・レッドホーク(人間の戦場傭兵・f00218)。
「戦場傭兵の知識と経験、お見せするとしよう。まずは里の防衛からだな」
 そう言うと里の人々と話し始める。
「人も増えたことだし防衛は重要だ、だからと言ってあまり目立つ壁なんか立ててもかえって注意を引くだけだろう。そこでここは里の周囲に堀を掘って底に杭を立てようと思う」
 あくまで時間稼ぎが目的だが、と説明するレナード。
「なるほど、確かにその通りだ。だがその堀を掘っている間の守りはどうするのだ?まだ他に猟兵とやらがいるのか?」
 彼の案に賛成しつつも質問をしてきたのは逃げてきた人々のサブリーダーをしていた男だ。
「それなら問題ない、すでに俺の能力で辺りに斥候を送っている。今のところ異常は見つかっていない」
「そうか、なら問題ないな。続けてくれ」
 そう言って微笑むサブリーダー。
 サブリーダーの後押しもあってか、レナードの提案は受け入れられ手の空いている者が手伝うこととなる。

 「......なにかおかしい?」
 人付き合いは苦手なだからと、里の中には入らずに周辺を探索していた栖夜・鞠亜(ダンピールのマスケティア・f04402)はふいに立ち止まり呟く。
「痕跡がない?」
 来る途中で敵と遭遇したことから、後をつけられているかもしれないと里の周りを見回っていた彼女だが、一切の痕跡を発見できずにいた。
 それは里の周囲に敵がいないことを示している。本来ならば安心できる材料のはずだが、彼女の胸には漠然とした不安が浮かぶ。
「いったいどういうこと?」
 不審に思うまま、さらに周辺を見て回るが何も見つからない。いくら闇の中でもよく見える目を凝らしても敵どころか斥候すらも見つからない。
 初めは漠然としていた不安も徐々に予感へと変わっていく。そう、まるで嵐の前の静けさのような......
「......里が危ない?!」
 そう結論付けると踵を返し、急ぎ里に向かう鞠亜だった。

 各々が里のためと動いていた猟兵たちだが、そんな彼らも致命的な間違いを犯していた。そう、彼らは忘れていた。何も敵は外からしか来ないわけではないと。

「ーーああ、本当に......ありがとう」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ヴァンパイア』

POW   :    クルーエルオーダー
【血で書いた誓約書】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    マサクゥルブレイド
自身が装備する【豪奢な刀剣】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    サモンシャドウバット
【影の蝙蝠】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●『真実』

 里のためと働いていた猟兵たちだがそれらの作業も一段落つき、一堂に会する猟兵たち。そんな中持ち込まれた、里の外には敵の痕跡が一切ないという報告に頭を悩ますこととなる。だがそんな行為もまったくの無意味となる。なぜなら......
「ーーああ、本当に......ありがとう」
 そう言って猟兵たちの前に立っていたのは先ほどまではサブリーダーとして慕われていた男だった。目を紅に輝かせ、口元からは赤い雫が滴っている。
 そんな男の足元にはつい先ほどまで息をしていたはずの人々。いや、人々だったものが転がっている。
「君たちのおかげで随分と楽しめたよ」
 そう言って優雅に笑う姿に猟兵たちの思考が止まる。いやでも理解せざるを得ない光景に脳が思考を放棄する。
「だが悲しいかな、遊びの時間は終わるもの。私の城に戻る前に君たちを始末していくとしようか。君たちならもっと楽しませてくれるだろう?」
 
栖夜・鞠亜
迂闊だった。 でも、起こってしまった事を悔やんでも仕方が無い。 視線で全員殺されたかどうか確認しつつ銃を取ってゆっくりと弾を込める。 鞠亜は道中や里での出来事は知らないけど、さぞかし愉快だったんじゃない?

距離を離しつつヴァンパイアの行動を妨げるように狙撃する。 これ以上何か仕掛けが無いとも言い切れないけど、今は戦闘に集中しないと。 よそ見をしながら勝てる相手じゃない。

マサクゥルブレイドに対しては射撃である程度は撃ち落とすけど、撃ち漏らしは属性攻撃を応用して魔法で闇の衝撃波を飛ばして軌道をずらす。
味方が上手くやり込めてくれるといい、けど。 策を弄する必要があるかどうか、様子を見る。


紅葉・智華
「裏目とはこういうことでありますな……」
「良いでしょう、吸血鬼。……迷わずに逝け……っ」

これ以上の被害を出さない為にも此処で仕留めます。本当なら隠れて狙撃が良いのですが、察知されそうな気がするであります。
よって、隠れず正面から行きます。
初手でペイント手榴弾で視界を妨害してから、【UC:虚構の神脳】での短期未来視による回避をしつつ、【UC:支配者の弾丸】(右手にアサルトウェポン改)と【UC:連鎖する支配者の弾丸】(左手にレーザーライフル)とで止めどなく攻撃します。

【使用技能:第六感4,見切り2,ダッシュ5,戦闘知識3,2回攻撃3,援護射撃2,鎧無視攻撃8,目潰し2,投擲3,だまし討ち1】


エスタシュ・ロックドア
「――っ、の、クソ野郎がぁ!」

何が起こったか理解した瞬間怒りに任せてブレイズフレイム発動
こう言う荒事求めて来たのは確かだ
だがな、僅かな間とは言え、
面倒見てやった連中が殺られたのを見て平然としてられるほど、
俺ぁ薄情じゃねぇんだよ!
シンディーを駆ってフリント構えて突っ込むぜ
【騎乗】で高機動攻撃
【怪力】と【吹き飛ばし】で杭の埋まった堀に突き落としてやろうか
自分は落ちないように気ぃ付けてな

敵の攻撃は燃やす、燃えねぇならフリントで弾き飛ばす

「ああそうだ、あいつぁ村を燃やされたんだったな。
分かった、俺があいつの代わりにこのクソ野郎を念入りに燃やす。
そんでちゃんと地獄の果てまでぶっ飛ばしてやらぁ!」




「ああ、実に愉快だったよ。私がすぐ傍にいることにも気づかず、「護ってやる」だなんてね」
 笑い声が響く。
「ヴァンパイアだって倒せる、だって?いやはや、笑いすぎて腹の皮を破くつもりだったのかな?」
 そして猟兵たちは気づく。ヴァンパイアの笑い声以外に物音がしないことに。恐怖に叫び、泣く声は聞こえない。助けを求める声は聞こえない。もう聞くこともできないことに。
「ああ、今更気付いたようだがもうこの場に君たち以外生きている者はいないよ。なに、良き領主たるもの、遊びが終われば片付けは欠かさず行わなければね」
 やっと事態を飲み込めた者たちから武器を手に握る。両目に焔が灯る。怒りから、悲しみからか、この者を生かしておけぬと魂が吠える。
「ふむ、やっと腑抜けた目ではなくなったね。それでは遊ぼうか」
 そう微笑みながら言う男を殺すため、猟兵たちは立ち上がる。

「迂闊だった」
 辺りを見渡して生存者の確認をする栖夜・鞠亜(ダンピールのマスケティア・f04402)。だがいくら見ても動いているものは猟兵たちとヴァンパイアのみ。どうやらもう生きている者はほかにいないというのは真実らしい。
「でも起こってしまったことを悔やんでも仕方がない」
 悲しんでいる暇はないと、ともすれば冷酷ともとれる台詞を吐き捨てるように言い放ち、ゆっくりと銃に弾を込めていく。距離をとりつつ、他の猟兵たちを援護するためにも今は目の前の敵に集中しなければと。

「裏目とはこういうことでありますな......これ以上の被害を出さないためにも此処で仕留めます。」
 紅葉・智華(紅眼の射手/サイボーグの戦場傭兵・f07893)が悔やむように呟きながらペイント手榴弾を投げつける。まずは視界を潰して近づきありったけの攻撃を叩き込もうという算段だったが......

「ーーっ、の、クソ野郎がぁ!」
怒り狂ったエスタシュ・ロックドア(ブレイジングオービット・f01818)が全身を燃え上がらせながら、愛車のシンディーちゃんに跨って特攻を仕掛ける。
 一瞬であろうとも視界を奪われていたヴァンパイアは受け身を取ることもままならず、里の外まで弾き飛ばされていく。

 だがしかし、轢かれたはずの男は平然と笑う。
「おお、怖い怖い。だが君たちに私が倒せるかな?」
 大仰な身振りをしながら幾数もの刃を呼び出すと、一斉にエスタシュに向かって飛ばす。それらは躱そうが防ごうが、数が多すぎて......
「クソがぁあああ!」
 吠えながら鉄塊剣を振り回し、降り注ぐ剣戟を弾き飛ばし、燃やしていくエスタシュだが間に合わない。

「させない」
 そっと隙を伺っていた鞠亜の放つ弾丸が更に飛来する剣を打ち落としていく。闇の属性を纏った弾丸は剣を弾き、直接当たらくとも衝撃波で剣の軌道をずらしていく。

「良いでしょう、吸血鬼......迷わずに逝け......っ」
 初手は奪われた智華だったが、他の二人が気をそらしている間に一気に近づき、左右の持つ銃で【支配者の弾丸(ドミナント・バレット)】と【連鎖する支配者の弾丸(ドミナント・チェイン・バレット)】を放つ。必中の弾丸がヴァンパイアの身体を穿つと、それを更なる弾丸の雨が追随する。

「これはさすがに堪えるな」
 そう言いながらも笑みを浮かべたまま、呼び出した剣を盾に弾丸を防ぐヴァンパイア、だがそれすら飲み込む炎の嵐が横合いから放たれる。

「ああそうだ、あいつぁ村をも燃やされたんだったな......分かった、俺がこのクソ野郎を念入りに燃やす。そんでちゃんと地獄の果てまでぶっ飛ばしてやらぁ!」
 ヴァンパイアを取り囲む【ブレイズフレイム】がエスタシュの怒りに呼応するかのように勢いを増していく。
 だが彼の怒りをあざ笑うかのようにゆっくりと炎の渦から出てくる影が一つ。

「それで、これだけかね?だとしたら期待外れもいいところだが」
 笑みを崩さぬまま、服を叩いている男を前に猟兵たちは再度気を引き締める。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ヴィゼア・パズル
――、く、ハハハッ!!そうか、そうだったか…! いや、何…「よくある事」ではあるが…、久しい感覚だった物でね?
…有難いですよ。流石に「ただの元村人」では…多少の裏切りでは多目に見てしまう。その点、貴方なら気兼ねが無くなります
えぇ、楽しみましょうか

【wiz】使用、絡み歓迎
すっかり騙されました……恥ずかしい話ではありますがね
助からない方達は…丁重に弔いましょう。今は避難を

非戦闘員の仲間へ避難を呼びかける。己は集中
【マヒ攻撃・二回攻撃・属性攻撃】の【鎧砕き、全力魔法】
【地形を利用・敵を盾にする】事で攻撃回避【カウンター】を狙う
…この大人数相手では正に人質ですね……。心中で毒づく




 お前たちの全力はこんなものかと笑いかけるヴァンパイア。だがこちらにも笑う者がいる。
「ーー、く、ハハ八ッ!!そうか、そうだったか......!」
 得心が行ったと笑うヴィゼア・パズル(風詠う猟犬・f00024)。だがそれはけっして喜びからではなく、怒りのあまりこぼれ落ちたたものだ。
「いや、何......「よくある事」ではあるが......久しい感覚だったものでね?」
 普段の穏やかさは鳴りを潜め、苛烈に、獰猛に、牙をむき出し笑う。

「おやおや、それはそれは、そちらも楽しんでいただけたようで何よりだ」
 片や怒りから、だがこちらは愉悦から笑みをこぼす。
「だからもっと私を楽しませてくれたまえ」
 そう言って手を振り、再度剣を召喚する。

「ただの元村人であったなら多少は多目に見てしまっていたでしょう......その点、貴方なら気兼ねが無くなります。えぇ、楽しみましょうか」
 己が眼に炎を宿すが、その心中では怒りが振り切れ、一周回って冷静になっている。
「時渡り風に乗り、姿変えし蝶の翼よ......遊べや遊べ」
 ヴィゼアが風に詠いかけ、黒の花弁が風に舞う。

 風が吹き荒れ、剣と花弁が交錯し、互いを切り裂かんと宙を舞う。
「ああ、本当に、本当に楽しいな」
 笑いとともに振り下ろされる剣。そのの一振り一振りが風をも砕き花弁を切り払う。それでもすべてを防ぎきれるものではなく、肉体を削られているというのにそれでもわらいつづける男。

「助からなかった方々は後で丁重に弔いましょう。戦わないのならば今は避難を」
 その一方でヴィゼアは、未だ立ち直れずにいる仲間に指示を出す。
 襲い来る剣を躱し、時に木々や岩を盾としながら立ち回る。

「ーーそれで、次は何を見せてくれるのかね?」
 己の血で朱く染まりながらも笑い続ける男は立つ。
 まだ夜は明けない。

成功 🔵​🔵​🔴​

栖夜・鞠亜
そうやって油断している間はまだ付け入る隙がある、はず。
今が夜なのが少し厄介だけど、1回くらい直撃を当てて見せる。

銃弾に光属性を付与して射撃しながらヴァンパイアに接近する、狙いはつけないから弾はまず当たらないけど狙いはそこじゃない。
相手からの攻撃はあえて受けながらもギリギリまで肉薄して、ゼロ距離で銃を構える。
でもヴァンパイアへ向けてじゃない、上空へ向けて光属性の弾丸を放ち照明弾として利用。 互いの影を確認したらユーベルコードでヴァンパイアを拘束しにかかる。 この距離なら・・・外さない。(詠唱不要

許される時間は一瞬、今度こそゼロ距離でヴァンパイアめがけ銃弾を放つ。




「油断している間はまだ付け入る隙がある、はず......」
 高らかに笑うヴァンパイアを睨みつけながら、そっと栖夜・鞠亜(ダンピールのマスケティア・f04402)は呟く。
「今が夜なのが厄介だけど......」
 せめて一撃は入れて見せると、先程までは遠くから他の猟兵たちの援護に回っていたが、自らも前に出る決意を固める。
 そっと銃を握り、込めていた魔力の属性を闇から光へと変える。狙いは大雑把に撃ちまくり、敵に向かって走り寄る。

「次は君かな?さきほども面白いものを見せてもらったが、今度はどうするのかな?」
 牽制のためにも放たれる弾丸を涼しい顔で弾きながら笑う男。既に受けた攻撃で全身から血を流しながらも未だに弱った素振りは見られない。
「だがそんな適当な狙いでは、とてもじゃないが当たらないぞ?」
 崩れぬ笑みを浮かべたまま、間合いの内に入ってきた彼女へと刃を振り下ろす。 

「別に当てるのが目的じゃない」
 感情のこもらない声で返す鞠亜。
 振り下ろされた剣に薄皮一枚斬られながらも懐に入り込むと、銃口を真上へと向け一発の弾丸を放つ。
 放たれた弾丸は光を放ちながら周囲を照らし、夜の世界に太陽を生み出した。

「目くらましが目的ならばあまり良いとは言えないが......?!」
 突如出現した太陽に目を奪われるもただ眩しいだけだと判断した男は、なぜか身体を動かせないことに気付き驚く。それはこの戦いで初めて見せた笑み以外の表情だった。

 地面に明々と描き出されたのは互いの影とそれを結ぶ茨。闇夜のままでは使えなかった鞠亜の【這う荊棘の姫(グズマニア・マグニフィカ)】がヴァンパイアを拘束する。
「この距離なら......外さない」
 自らの目論見通り事が運んだ鞠亜は、この一瞬を逃すまいと薄く微笑みながらゼロ距離で銃口を向けその身体を撃ち抜く。

「ああ......これはしてやられたよ。だがまだ私を倒すには足りないな」
 驚いていたのも束の間のこと、拘束を抜け出した男はまた笑う。昇った太陽は沈み、世界は再度夜へと戻る。
 まだヴァンパイアを倒すには至らない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フラウロス・ハウレス
くくっ……吸血鬼風情が、人間様の真似事などして悦に浸っていたとは滑稽すぎて笑いしか出ぬな!
それで貴様のミジンコほどのちっぽけな自尊心は満たされたのであろう?
ならば早急に死ぬが良い!

敵の攻撃など意に介さず攻め立てよう。
敵の攻撃で受けた傷から流れ出た血は、全て《ブラッド・ガイスト》で黒爪に喰らわせてやる。
「くくく……良いぞ、抗え。貴様の死に物狂いの顔こそ我が家悦だ。さぁ、餌の時間だぞ!吠え猛ろ黒爪!」

強化を済ませたら、踏み込んで《ブラッディ・インパクト》で思いっきりぶん殴る。
何、このような輩に小手先の技など必要ない。その顔、潰してくれよう!

死に行く貴様に教えてやろう。
人間様を無礼ない方が良いぞ?




「まだだ、まだ足りない。戦いを、血を!」
 狂ったように笑いながら猟兵たちへと迫るヴァンパイア。全身を刻まれ、穿たれ、傷という傷から血を流しているというのにその気迫は衰えない。
 男の狂気に気圧され、一歩引く猟兵たち。そんな彼らを鼓舞する声が上がる。

「くくっ......吸血鬼風情が、人間様の真似事などして悦に浸っていたとは滑稽すぎて笑いしか出ぬな!」
 ほかの猟兵たちを庇うように、あえて前に進み出るフラウロス・ハウレス(リベリオンブラッド・f08151)。
「それで貴様のミジンコほどのちっぽけな自尊心は満たされたのであろう?ならば早急に死ぬが良い!」

「良い啖呵だ。ならば次は君に遊んでもらおうか」
 挑発を気にした様子もなく。ただ新しいおもちゃが手に入ったとばかり、彼女へと笑いかけながら剣を向ける。

 交錯し火花を散らす互いの武器。敵の攻撃を意に介することなく、攻撃こそ最大の防御といわんばかりに踏み込んでいくフラウロス。だが手数の差は大きく、複数の剣を操るヴァンパイアの前に一つ、また一つと傷が増えていく。
 しかし流れるはずの血はすべて黒爪へと吸われていき、その対価に一撃一撃の破壊力を増していく。

「ああ、素晴らしいな。見た目は幼子と侮っていたが、これは謝罪しなければならないようだ」
 押されているというのにそれでもまだ男は笑う。表情を崩すこともなく剣を振り続ける。

「くくく......良いぞ、抗え。貴様の死に物狂いの顔こそ我が愉悦だ。さぁ、餌の時間だぞ!吠え猛ろ黒爪!」
 こちらも負けじと笑いながら拳を振りかぶるフラウロス。小手先の技は不要と、彼女の拳が紅く染まり、【ブラッディ・インパクト(ブラッディ・インパクト)】が男の顔目掛けて放たれる。
「その顔、潰してしまえば笑うこともできまい?」

 強烈な一撃を食らい吹き飛ばされるヴァンパイアに向ってさらに言葉を投げかけるフラウロス。
「死に行く貴様に教えてやろう。人間様をなめない方が良いぞ?」

 それを聞いてか、ゆらり、と立ち上がる男。
「ああ、どうやらそのようだ。これは......実に......楽しいな」
 あと少し、されど今少し、猟兵たちの牙は届かない。

成功 🔵​🔵​🔴​

レナード・レッドホーク
完全に裏をかかれたな。
なるほど、ヴァンパイアは、力でも知性でも俺たちより上だった。
そこに敬意を表したいところだが、こっちもオブリビオンを倒すのが仕事だ。
厚かましくも、数を頼りにさせてもらおうか。

敵はマサクゥルブレイドを攻防の主軸にしていると見た。
なら、アサルトウェポンの「援護射撃」でそれらを撃ち落とすぞ。
同時に「戦闘知識」で仲間にアドバイスを送り、攻撃のサポートをする。

弾を撃ち尽くすか、何らかの理由で射撃を封じられたら、こっちも白兵戦だ。
アサルトウェポンを投げ捨て、「ナイフ・コンバット」でお相手しようか。
銃を撃つだけが能じゃないってのを、見せてやる。


エスタシュ・ロックドア
あー、こいつ殺す、ぜってぇ殺す
その余裕がクッソ腹立つ
テメェのスカしたツラ歪ませてやらぁこの野郎!!!

シンディーをゴッドスピードライドで強化
【騎乗】で乗り回し何度かフリント叩き付けたら、
一旦距離を取って、【怪力】でフリントをブン投げるぜ
そのすぐ後を追って敵がフリントを叩き落とすなりした隙を狙って、殴る
シンディーの高速そのまま乗っけた右ストレートで顔を狙う

その後も余裕そうならもー頭に血が上り過ぎて何も考えられそうにないわ
ひたすら轢殺してやろうと追い回すわ
フリント回収できる余裕があるならやるが、
フリントで殴るかシンディーで轢くかの二択しかないわ
ブレイズフレイム?
さっきの時から燃えっ放しじゃねぇかぁね




 敵は満身創痍のはずといえども未だ猟兵たちの前に立ちはだかる。
「どうしたのかな?その程度でこの私の首が取れるとでも?」

「完全に裏をかかれたな......なるほど、力でも知性でも俺たちより上だったか」
 眼前の敵を見つめながら、自分たちが及ばなかったと、レナード・レッドホーク(人間の戦場傭兵・f00218)が呟く。
「そこは敬意を表してもいいが、こっちもオブリビオンを倒すのが仕事だからな」
 だったら力には数で対抗だと。そう言って浮遊し続ける剣に向かって銃口を向け乱射する。

「それはもう先ほど似たようなのを見せてもらった。他に何かないのかね?」
 些か飽きてきた、と不満気に呟く男は、剣を盾にする。

 撃ち落としてもその分また召喚され続ける剣、比べてこちらの銃弾は有数だ。このままではジリ貧なだけだとレナードはあえて銃を捨てる。
「銃を撃つだけが能ではないんだな!」
 そう言い放つと一気に距離を詰め、アーミーナイフで斬りつける。

「遠距離、と思わせて近距離からというのは悪くない。だがそれも先ほども似たようなことをするお嬢さんがいたな」
 しかしその一振りも気軽に防がれてしまう。だが......

「別に俺の攻撃は当てることを目的としていない。お前の気を逸らすことができれば十分だ」
「なっ?!......」

 次の瞬間、ヴァンパイアは横から飛んできた巨大な剣とともにくの字に折れ曲がって飛んでいく。

「あー、こいつ殺す、ぜってぇ殺す」
 怒髪天を衝くとは正しく、【ブレイズフレイム】で全身を燃え上がらせたままのエスタシュ・ロックドア(ブレイジングオービット・f01818)。愛車のシンディーちゃんの上から鉄塊剣をぶん投げた張本人である。

 吹き飛んだ先で土埃を払いながら立ち上がるヴァンパイア。
「人が話している最中だというのに得物を投げて割り込むとは、随分と失礼ではないかな?」

「だからその余裕がクッソ腹立つんだよぉ!テメェのスカしたツラ歪ませてやらぁこの野郎!!!」
 怒りで吠えながら今度はバイクで撥ね飛ばしてやると突っ込むエスタシュ。

「流石にそれはそうやすやすと食らうわけにはいかないな」
 空駆ける剣がエスタシュに向かい飛んでいく。怒りでもはやただ轢いてやることしか考えられず、防ぐことや躱すことなどとうに頭から消え失せている。

「そうはさせるとでも?」
 だがそれらはすべてレナードに撃ち落とされていく。ならば、とばかりエスタシュの特攻を躱そうとするヴァンパイアの足を撃ち抜き膝をつかせる。

「消し飛べ!クソッタレがぁ!」
 吠え声とともに走り抜けるエスタシュ。走り抜けた後ろには焼け焦げた跡が刻まれている。

「ああ、これは、流石に......」
 最後まで笑みを崩さなかった男の半身が宙を舞う。炎を纏いあとはただ灰となっていくばかり。

「だが私を倒そうとも同胞なら多くいる。君たちが今日助けた人々は明日死んでいく。所詮、無駄ではないのかね......」
 そう言い残し、崩れ消え行く男。

「それでも......それでもよぉ......」
 それでも、と。放っておくなどできるはずがない、と。必ずこの世界に朝をもたらすべく猟兵たちは戦う。
 だがその前に、まずは散っていった人々を弔うべく、里へと向かって足を進める。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月20日


挿絵イラスト