アースクライシス2019⑱〜掃き溜めのソドムとゴモラ
●グリモアベースにて
「来たな。連戦に次ぐ連戦で休ませたい所だが、次のミッションが入った」
テレビウムのリコ・エンブラエル(鉄騎乗りの水先案内人・f23815)が躯体に乗りながら、集まった猟兵達の前でモニターに映像を映し出してブリーフィングを開始する。
「諸君らには、ニューヨーク州ナイアガラ・フォールズ市『ラブ・キャナル』地下に築かれた地下基地に潜伏しているスカムキング、ならびにアシュリーの殲滅をして貰いたい」
モニターに映し出されたのは有名な観光地であるナイアガラ滝、そして映像がスライドされると運河を囲む巨大な要塞が表示された。
「奴らは汚染された運河を拠点にしていたようだ。それだけならまだいいが、奴らが逃走に使おうと地球脱出用に準備しているUFOが厄介な物でな。情報によれば元はプルトン人が乗っていた1人乗りUFOを解析し、巨大化させて物資の運搬も出来るように改造した物だが…燃料は様々な化学薬品を混ぜ合わせ製造された化学燃料で、一度浮上すればその残り滓である汚染物質を船外へ垂れ流され周囲に撒き散らされる、まさに空飛ぶ公害マシーンだ」
モニターが切り替わり、巨大なUFOが空を飛びながらスモッグやら汚染物質を地上に撒き散らし、それを浴びた人間を含む動植物が白骨化したり枯れ果ててしまうアニメーションが流される。
「地球から逃げ去る前に迎撃し墜落させる事も可能ではあるが、そうなった場合の地球上で拡散される汚染物質による二次的被害は、地球規模の甚大な被害と予測されている。そこで、諸君らにはUFOが飛び立たれる前にスカムキング、ならびにアシュリーを倒して貰うこととなった」
一通り説明が終わったとスカムキングとその愛人であるアシュリーの顔写真を最後にモニターの映像が切られ、あとは猟兵達の顔だけが映っている。
「地下基地だが、奴らの生存圏らしく有害物質の霧で満たされ、耐えられないような異臭で覆い尽くされている。諸君らがそれに戸惑っている隙に、奴らは先制攻撃を行ってくるだろう。その対策も念頭に対処してくれ」
今回のミッションの説明は終えた、とリコはグリモアを操作し、ゲートを作り出す。
「耐え難い臭いが身体に染み付くだろうが、風呂の準備はしておこう。では、諸君らの活躍、健闘を祈ってるぞ」
ノーマッド
ドーモ、ニュービーMSのノーマッドです。
初の戦争幹部戦シナリオとなりますが、宜しくおねがいします。
敵の先制ユーベルコード対策ですが、こちらもユーベルコードで対処しようとすれば、苦戦、ないし失敗扱いとなりますのでご注意下さい。
ちゃんと相手の先制攻撃に対処すれば、自然とこちらが有利となる感じです。
戦争も後半戦、ないし余裕がない戦況ですので、今回は最小限の採用数でクリアとなる可能性がありますのでご了承下さい。
それでは皆様の熱いプレイングをお待ちしています。
第1章 ボス戦
『スカムキング』
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POW : キングアンドクイーン
自身の【体重60kg】を代償に、【体内から飛び出した破壊魔術師アシュリー】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【肉弾戦を挑むスカムキングとの連携攻撃】で戦う。
SPD : スーパートニックナイトメア
【アシュリーが禁断の呪文をかけ続ける】事で【近付くだけで敵を侵食する超汚染存在】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : ダスト・テリトリー
自身からレベルm半径内の無機物を【汚染物質】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
👑11
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ティエル・ティエリエル
うぅぅ、すっごく変な匂いだ……早くやっつけてお風呂に入ろう!
背中の翅で羽ばたいて空中に浮いて戦闘態勢!
飛んでくる汚染物質を空中で「見切り」や「空中戦」を使って回避!回避!回避♪
広範囲に広がった汚染物質は風を纏わせたレイピアによる「属性攻撃」で吹き飛ばしちゃうぞ!
ちょっとくらいの汚染物質ならママがくれた「お守りの宝石(毒耐性)」が守ってくれるはず♪
先制攻撃をしのいだら反撃の準備だ!
むむむー、お前たちやっつけたら温かいお風呂だーーとテンションを上げて反撃!
飛んでくる汚染物質を隠れ蓑に利用して、相手から視線が切れたところに【お姫様ビーム】で逆襲だ☆
※アドリブや連携も大歓迎です
「うぅぅ、すっごく変な匂いだ……早くやっつけてお風呂に入ろう!」
ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は充満する異臭に思わず鼻を塞ぎながら背中の翅を羽ばたかせ、巨大なUFOが今も製造されている運河要塞の地下基地に潜伏するスカムキングを捜索する。
『おい、アシュリー。こんな掃き溜めに可愛いお客さんが来たようだぜ』
『そうだね。、あんた、ちょいと脅かしてやんなよ』
『おいおい、脅かすだけじゃつまんねぇじゃねぇか。とっ捕まえて妖精の瓶詰め、ってのも悪かぁねぇぜ?』
絶えず配管から漏れ出ている汚染物質を含んだ蒸気に身を隠していたスカムキングとその愛人アシュリーは、可愛らしい侵入者を歓迎しようと廃液が滴り落ちる配管を汚染物質に転換させ、汚染有機物の触手となった配管が四方八方から襲い掛かる。
「うわわわっ、何? 何!?」
突然の奇襲にティエルはあたふためきながらも、触手の動きを見切りながらすり抜けて回避する。
触手から滴り落ちた廃液が危うく透き通った翅に当たりそうになるが、ティエルのママが持たせてくれた宝石の加護が穢れを弾いて事なきを得たようだ。
「むむむー、そこに居たな! お前たちやっつけたら…温かいお風呂だーーッ!!」
蒸気と物陰に隠れながらゲラゲラと笑うスカムキングを見つけたティエルは、手にしていたレイピアの剣先をスカムキングが居る方向に向けさせる。
するとレイピアからお姫様の気合が入った謎のビームが迸り、その熱で蒸気の霧を切り裂きながらスカムキングの肩を刳り、吹き飛ばした。
『ちっ、可愛い顔してとんだお転婆だぜ!』
『藪蛇だったようだね。まずは逃げるよ、あんた!』
スカムキングが肩を押さえながら奥へ奥へと逃げると、漂う蒸気で姿が薄れ、見えなくなった。
ティエルは奥へと逃げるスカムキングを見失ったが、深手とは行かずも手痛い一撃を与えることに成功したようだ。
大成功
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ダビング・レコーズ
【SPD・全歓迎】
悪臭が当機に及ぼす影響は機能上軽微であると推定
しかし有害物質が装甲腐食作用等を及ぼす可能性は十分在り得ます
よってEMフィールドを展開
非実体防御手段で直接接触を阻止します
交戦開始の初動は回避に専念
身体構造の性質から敵は接近戦主体の戦闘スタイルと想定
接近ないし取り付かれない事を最優先とします
速力と運動性(ダンス)を駆使し不規則な回避運動を取りながら全速後退
天井高度が十分ならば立体的な機動も取り入れます
反撃態勢を整えた後、敵が再度接近を試みた瞬間にプラズマバーストを発動
敵の力の源が有害物質だとするならば、超高温の荷電粒子による爆発と衝撃波でそれらを目標ごと焼却消毒し吹き飛ばします
『ここまで来りゃ…ひと安心、か?』
『あんた、大丈夫かい!? いま、傷の手当を…』
『いや、それよりも…次の客が来やがったぜ』
スカムキングが配管がひしめき合うエリアから抜けた先にある地下基地内に充満する蒸気を外に逃がすための大空洞には、ダビング・レコーズ(RS01・f12341)が水色のカメラアイを光らせ、3基のエンジンと6枚の刃翼からなるフライトエンジンで飛行と旋回をしながら2人を待ち構えていた。
「ターゲットを発見。システムを索敵モードから戦闘モードに移行します」
機械的な声と共に白銀のウォーマシンが急降下すると同時にスカムキングが吠える。
『しゃらくせぇ! アシュリー!!』
『分かってるよ…コイツだね?』
互いに以心伝心する程まで愛している故か、説明を要すること無くアシュリーが禁断の呪文を唱えるとスカムキングは近付くだけで敵を侵食する超汚染存在へと変貌した。
「装甲腐食作用等を及ぼす可能性がある有機汚染物質を感知、EMフィールド展開。非実体防御手段で直接接触を阻止します」
『こンのぉ…ポンコツがぁ!!』
特殊鋼をも溶かす強酸性の身体と化したスカムキングが殴りかかるが、ダビングは取り付かれたら重大な損害を被ると回路が答えを導き出し、まるでダンスを踊るかのように滑りながら躯体を駆動して攻撃を躱す。
スカムキングが拳を振るう度に強酸性の雫が飛散するが、展開されたEMフィールドが障壁となってダビングの装甲に触れること無く、宙で虚しく煙をくゆらせていた。
『バリアを張らせてやがる、ンなら…ぶち破るまでよ!!』
スカムキングが痺れを切らし、組み付こうとタックルをかまそうとコンクリートの床を力強く蹴る。
その行動が、ダビングが待ちに待っていた行動と露知らずに…。
「EMフィールド反転、リアクター出力強制開放。プラズマバースト、発動します」
障壁を破ろうとしたスカムキングを、出力が反転し荷電粒子を放出する電磁障壁となったが出迎えた。
スカムキングの叫び声とともに、身体を構築する有害物質が蒸発した煙が立ち昇る。
「敵の力の源が有害物質だとするならば、超高温の荷電粒子による爆発と衝撃波でそれらを目標ごと焼却消毒。実行かい…」
『そうは…させないよ!!』
アシュリーの攻撃魔術がゼロ距離で放たれ、超高温の荷電粒子による電磁隔壁の爆発か、それとも電磁隔壁を破壊した爆発か。
爆炎で舞い上がった煙が収まると、ダビングの映像が回復する。
スカムキングが居た場所には焼け焦げたスカムキングのコートと…地下基地の奥の方へとスカムキングのものと思わしき体液が点々と続いていた。
「ターゲットロスト…戦闘モードから索敵モードに移行。追跡を開始する」
大成功
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スカル・ソロモン
【】:使用技能
さあ、掃除の時間だ。手にするのは箒や雑巾ではなく武器だがね。
敵のユーベルコードに対しては向かってくるアシュリーに武器のスカルガイストでオーラを放ち、【恐怖を与えて】スカムキングとの連携を崩す。
統率の取れていない攻撃なら武器のタクティカル・スパインを使い、【見切り】や【オーラ防御】でいなせるとも。
さあ、エンディングの時間だ。
二人の連携が乱れた隙を突いて攻勢に出る。【恐怖を与えつつ】まずはアシュリーをタクティカル・スパインで打ち据えて攻撃、さらに【2回攻撃】でスカムキングにはスカルガイストの波動を放って攻撃だ。
そして直後にユーベルコードを発動して死の刻印を二人に刻み、トドメとしよう。
ファラン・ウルフブラッド
□アドリブ歓迎
汚染王……なるほど、『王』か。貴様、王を名乗ったな?
いいだろう、貴様に王としての器があるかどうか、我が見定めてやろう。
【常時発動スキル:怪力・毒耐性・属性攻撃(炎)・存在感】
・分離したスカムキングとの戦闘は大剣による【武器受け】と【見切り】で打撃ポイントをずらし、受けるダメージを抑えます。
・アシュリーが魔法を撃ってくる時に、剣を【投擲】して手傷を負わすor注意を逸らしてチャンスを作り、【早業・クイックドロウ】からのUCを発動し、呪われた炎の【呪殺弾】による【暗殺】をします。
「確かに俺は剣術や殴り合いが得意ではあるが……遠距離攻撃が苦手とは一言も言ってないぞ?こっちも俺は得意だぜ」
『糞ったれが、この…スカムキング様が、深手を食らっちまうなんざ、よ…。大丈夫か、アシュリー?』
『あたしも平気さ…でも、あんた。このままじゃ…』
『ああ、猟兵を血祭りに出来なかったが…逃げ切りゃ、こちらの勝ちだ』
足を引きずりながらスカムキングとアシュリーは巨大UFOを見上げる。
全ては完成していないが、飛行と大気圏離脱の機能は既に完成していた。
資材の搬入もまだ途中段階…だが、猟兵たちが侵入し、直に追い詰められ倒されるだけの今の状況ではこのまま逃げてしまうのが得策と判断し、地下施設最奥のドッグまで逃げ果せて来たのだ。
しかし、それは猟兵たちはそれを予期していた。
「待ちかねたぞ。さあ、掃除の時間だ。手にするのは箒や雑巾ではなく武器だがね」
「汚染王……なるほど、『王』か。いいだろう、貴様に王としての器があるかどうか、我が見定めてやろう」
UFOの中へ続くドッグの前で、スカル・ソロモン(目覚める本能・f04239)とファラン・ウルフブラッド(不滅の狼王・f03735)は彼らを待ち受けていた。
『へっ、お見通しだった訳かい…アシュリー、準備はいいか?』
『何時でもいいよ…あんた!』
2人の猟兵が身構えようとする瞬間、スカムキングとアシュリーが分裂し襲いかかる。
ここさえ抜ければUFOに乗れる。そして、UFOを破壊すれば充填されている化学燃料で付近一帯に甚大な被害を与えることを彼らも知っている。
猟兵が地球から脱出しようとするスカムキングを瀬戸際で食い止めるか、またはスカムキングがみごと猟兵を打倒し逃げ果せれるか。戦いの火蓋は切られた。
『アシュリー、俺はこのスカした野郎をぶっ飛ばすぜ!』
『あいよ! じゃあ、あたしは骨野郎だね!』
スカムキングはファランに殴りかかり、アシュリーはスカルへ魔術を詠唱し叩き込む。
だが、これも猟兵たちの思惑通りだった。
1対2ではスカムキングとアシュリーの息のあった連携攻撃は驚異となったであろう。
では、2対2ではどうなるだろうか?
どちらがどちらを攻撃し、今現に攻撃は分散されたのだ。
スカルはスカルガイストで闇の波動(オーラ)を放ち、アシュリーに恐怖を与える。
僅かな虚を与えられて放たれた魔術を、スカルは背骨を模した杖タクティカル・スパインで弾きいなす。
ファランはスカムキングの攻撃を見切り、大剣による武器受けでいなし、距離を取る。
「さあ、エンディングの時間だ」
「確かに俺は剣術や殴り合いが得意ではあるが……遠距離攻撃が苦手とは一言も言ってないぞ? こっちも俺は得意だぜ」
スカルはスカル・ブランディングでアシュリーに死の宿命を与える刻印を刻み、ファランは燃焼する複合弾が装填されたツェアシュラーゲン・トートを抜き撃つ。
死の刻印を刻まれたアシュリーは崩れ落ち、スカムキングは化物用複合弾による炎でその身を焦がしながら叫び、倒れる。
『あ…ア、シュ…リー』
『あん…た…っ』
今尚も燃え続けるスカムキング、死を与えられ身体が崩れていくアシュリーは猟兵たちに囲まれながらも互いに名前を呼び合い、這いながら近づき、そして抱き合う。
抱き合った2人は炎に包まれながら塵となり、骸の海へと還っていった…。
大成功
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