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アースクライシス2019⑩~K・フロア/大群を越えて

#ヒーローズアース #戦争 #アースクライシス2019 #アトランティス


 猟兵たちの一大攻勢は、ついに海洋都市アトランティスへ到達した。
 しかし! 海底都市に蔓延るは超・大量のクローンオブリビオン軍団!
 善良なるアトランティスの人々は、その苗床として搾取され続けている……!
「今回の厄介な要因は"数"だ。これは100や200ではきかぬ」
 グリモア猟兵、ムルヘルベル・アーキロギアは注意深く、箴言めいて告げた。
 ドクター・アトランティスの設置したクローン装置を超稼働させることで生まれた、
 すさまじい数のクローンオブリビオン軍団こそが、此度の強敵である。
「真正面から正攻法で挑めば、よほどのタフネスが無い限り根負けしてしまうであろう。
 効率よくクローン軍団を抹殺するには、その根幹である装置を停止させるべきである」
 しかし当然、超・大群は文字通り壁となって猟兵の行く手を阻む。
 アトランティスの本来の住人たちを捕らえ、その魔力や生命力を吸い上げる装置。
 巨大な真珠貝めいたこのクローン装置にいかにして辿り着くかが、重要な課題だ。
「……ワガハイとしてはあまり勧められぬが」
 と、前置きした上で、宝石賢者は言った。
「ひたすらクローン軍団を撃破し続けることで、いわば装置をオーバーフローさせ、
 以てクローン装置を破壊。そして超・大群を弱体化させることは理論的には可能だ」
 それでも、ほぼ無限に超速度で量産される大群相手に戦うのは非常に危険である。
 しかもムルヘルベルの予知によれば、クローン軍団はあのスカムキングなのだから!
「オリジナルには劣るであろうが、それでも彼奴は強大、それが無数なのだ。
 どのように攻略するかはオヌシらに任せるが……無茶だけはするのではないぞ」
 いずれにせよ、クローン装置を破壊し、超・大群を完全に根絶しなければ、
 アトランティスの奪還は不可能と言っていいだろう。
「かの皇帝にして戦術家たるナポレオンに曰く、
 "戦術とは、一点にすべての力を注ぎ込むことである"とも云う。
 キリング・フロアめいた殺伐の空間を踏破し、超・大群を討ち果たすのだ」
 そう言って、賢者は本を閉じた。
「オヌシらの健闘を祈る」
 その言葉が、転移の合図となった。


唐揚げ
 ゾンビです。わんさか出てくる敵を潰すのってFPSめいてますよね。
 そんなわけで、やることとしてはシンプルな集団戦となります、
 以下のシナリオまとめと併せてルール説明をぜひご一読ください。

●シナリオの目的
『クローンの超・大群を乗り越え、クローン装置を破壊する』

●敵戦力
『量産型スカムキング』(集団戦)
 ジェネシス・エイトのひとり、スカムキングの量産型クローン軍団。
 クローン装置により超・大群が量産され続けており、数で猟兵を圧倒する。
 クローン装置を破壊することで、すべてのクローンを大幅に弱体化させられる。

●プレイングボーナス
『条件:「超・大群」に何らかの方法で立ち向かう』
 クローン装置により、今回の集団戦は敵の数が文字通り桁違いになっています。
 根本的原因であるクローン装置にしてどうにかして取り付いたり、
 量産を超える速度で敵を殲滅し続ける……といったプレイングによって、
 判定にボーナスを得ることが出来ます。

●プレイング採用について
 なるべく採用できればいいなあ、出来るかなあ、的な感じです。
『11/22(金)23:59前後』
 まで受け付けている予定ですので、ご参加をお考えの方はお早めに。

 では、前置きはこのあたりにして。
 皆さん、無限リスポンするモブを狩りつつよろしくおねがいします!
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第1章 集団戦 『量産型スカムキング』

POW   :    バッドイーター
戦闘中に食べた【汚染物質】の量と質に応じて【肉体の毒性がさらに増し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    ダストブロンクスの王者
自身の身体部位ひとつを【汚染物質の塊】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    ポリューション・スワンプ
【体内から放つ猛毒の汚染物質】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を瞬く間に汚染し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。

イラスト:V-7

👑11
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●海底都市アトランティス
「「「ハハハハハ!! 最高にいい気分だぜ!!」」」
 おぞましいまでの臭気があたり一面を満たす。なんたる汚濁!
 見渡す限りに蔓延るは、巨悪スカムキングのクローン体だ!
「「「さあて、来いよ猟兵。俺とアシュリーが団体様で歓迎してやるぜぇ!」」」
「あぁ、素敵だよあんた!」
「みんなみんな殺しちまおうねぇ!」
「あたいとあんたがこれだけいれば無敵だよ……!」
 一心同体の愛人、アシェリー"たち"が恍惚とした声でスカムキングを称える。
 なんたる反自然的光景。これがオブリビオンの邪悪たる所以か!
 雲霞の如き超・大群を乗り越えて、その背後のクローン装置を破壊せよ!
 そこに囚われた海底都市の人々を、今こそ開放するときだ……!
フランチェスカ・ヴァレンタイン
他のオブリビオンでしたらともかく、この状況でスカムキングのクローンですかー…
上から見ると完全に黒いアレじゃありませんかコレ

超・大群の上空を旋回飛行しながら、焼夷弾頭の対地マイクロミサイルを乱れ撃ち+範囲攻撃で雨霰とばら撒いての掃討を
開いた空間に再密集する群れを空中戦闘機動を繰り返しながらの照射砲撃でなぎ払っていきましょう
汚物は焼き払って消毒です、ジヒはありません

「では、仕上げと参りましょうか…!」
UCで上空に巨大な水晶群を生み出しましたら、それらに向けて砲撃の乱れ撃ちを
水晶間で不規則な乱反射を繰り返し、極限まで増幅されて地表へと拡散して降り注ぐレイストームをどうぞ、存分に召し上がれ――!



●降り注ぐは億万の水晶(ひかり)
 BRATATATATA! BRRRRRTTTT……KBAM! KRA-TOOOOOOOOOM!!
『AAAARRRRGGGHHHH!』
『なんだ!? 畜生、くそったれ!』
『どこからだ!? 上からか!』
 意気揚々と猟兵たちの前線に雪崩込もうとしたスカムキングの軍勢が、
 突如としていくつもの爆炎に飲まれ、断末魔とともに吹き飛んでいく。
「あんた、あんた、あそこだよ!」
「あそこに女がいる!」
「あいつが、あいつがやったんだよぅ!」
 アシュリーたちもまた、空を舞う戦乙女を指差し、恨めしげに叫んだ。
 然り。頭上から超・大群めがけ無数の焼夷弾頭対地飽和攻撃を見舞ったのは、
 フランチェスカ・ヴァレンタイン。ハゲタカめいて旋回し飛行する。
『畜生、高みの見物か!? ビッチが!!』
『俺様とアシェリーを見下すんじゃねえ!!』
『降りてきやがれ、ファックユー!』
 その見た目に相応しい口汚い罵りも、フランチェスカはどこ吹く風だ。
 敵が毒性を増そうとなんだろうと、頭上からの攻撃に対抗する手段はあるまい。
 回避しようにも、その数ゆえにマイクロミサイルの乱れ撃ちを避けられない!
「見た目もそうなら中身も野蛮で穢らわしいですわね、まったく」
 まるでゴキブリでも見るような目で、フランチェスカは嘆息した。
 KBAM! KBAM!! 鳴り響く砲火、爆炎はまさに戦争交響曲さながら。
「汚物は焼き払って消毒です。ジヒはありませんわよ?」
「畜生! どうにかできないのかい、あんたぁ!」
『AAARRRRGGGHHHH……! クソアマがぁああ!!』
 KA-BOOOOM!! 悔しげなスカムキングがまた、爆炎に飲まれていく。
 しかして敵は超・大群。フランチェスカの攻撃にも数を減らすことはない。
 クローン装置を破壊しない限り、敵の耐久力と生産速度は超絶強化されている。
「――ならば、仕上げと参りましょうか……!」
 その時フランチェスカがユーベルコードによって生み出したのは、
 まるで太陽……あるいは月のように煌々と輝く、巨大な水晶群であった。
 万能可変のエーテル水晶で、質量爆撃でも行おうというのか?
 ……いや違う。彼女はエーテル水晶そのものめがけて砲撃を行った!
『なんだ? トチ狂いやがったか! ハッハー!』
「いや違う、あんた――ありゃ、"跳弾"だよ!」
『『『何ッ!?』』』
 然り! 放たれた光弾は、水晶間でカキキキキッ! と不規則乱反射!
 数百回以上繰り返されたそれは、いわばレーザーの発振装置そのものだ。
 増幅された光の雨、否、嵐――いいや、もはや瀑布。
「さあ、光の嵐(レイストーム)をどうぞ、存分に召し上がれ!」
『『『AAAAARRRRRGGGGHHHHHH!!!』』』
 ギャギャギャギャギャ――ッ!!
 スタングレネードめいて視界を灼くほどの閃光!
 塵一つ逃さぬ超飽和攻撃は、超・大群の再生速度を凌駕するほどだ……!

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルトリウス・セレスタイト
そうか
では試してみるとしよう

破天で掃討
高速詠唱を『刻真』で最大加速、『再帰』で無限循環
『解放』を用いて全力で魔力を注いだ2回攻撃分の魔弾を統合
無数の巨大な爆ぜる魔弾を驟雨が如く叩きつけ、目に映る全てを死の原理で文字通り消し飛ばす

周囲一体を巻き込む絶え間ない範囲攻撃で回避の余地を与えず
攻撃の密度速度威力で反撃の機を与えず

自身への攻撃があれば『絶理』『刻真』で自身を異なる時間に置いて影響を回避
攻撃文含め必要な魔力は『超克』で“外”より汲み上げ供給

湧くより早く潰し続ければ息切れするだろう
そうでなくとも、尽く潰しておけば他の猟兵が装置に辿り着く
飽和攻撃による火力と物量で圧殺する

※アドリブ歓迎



●すべてを滅びへと
 巨大真珠貝めいたクローン装置の内部には、人々が囚われている。
 然り……この海底都市アトランティスの本来の住人、適応人類である。
 彼らはドクター・アトランティスの邪悪な実験によって装置に組み込まれ、
 その生命力と魔力を汲み上げることでクローンを量産しているのだ。
『まだだ! 圧殺してやるぜ猟兵ぁ!!』
『ハァーハハハハ! どうにか出来るのか? てめえらにィ!』
『殺せ、殺せ、殺せ! 最高の気分だぜぇ!!』
 反自然機構により生み出されるのは、まさに汚染の塊、スカムキング。
 オブリビオンへと堕落したその身に、個の破滅は意味をなさない。
 オリジナルが生きている以上――そしてクライングジェネシスがいる以上!
 ここでクローン体の自分が死んだところで、痛くも痒くもないのだ!
「実に――どんな世界でも、どんな敵だろうと、どんな状況だろうと。
 お前達(オブリビオン)は変わらんな。もはや呆れ果てるのにも飽いた」
 その眼前に立ちはだかったのは、あろうことかたったひとりの男だ。
 アルトリウス・セレスタイト。白亜を人の形に凝り固めたような残骸。
 されど過去に堕したそれと異なるのは、アルトリウスの双眸である。
 そう、蒼い燐光――それは彼が操る、原理の輝きでもある!
「お前達が無敵だというならば、では試してみるとしよう」
『『『!?』』』
 その時。何の前触れもなく、空中に無数の蒼い魔弾が生まれた。
 詠唱も魔力の循環すらも見えない、まさに一瞬のことである。
 破滅をカタチにしたかのような輝きは、まさに驟雨のように降り注いだ。
 天(そら)が破れたかのような大破滅。宿せしは死の原理に他ならない……!
『邪魔をするなぁ! その程度で俺様とアシェリーが』
 汚染物質をぶちまけようとしたスカムキングが、消えた。
 オブリビオンという過去の残骸を、その存在の根幹から否定し滅ぼす術式。
 あとに残るものはなにもない。残骸の残骸などこの世に遺しはしない。
 隙間なき密集攻撃。スカムキングは戦慄した――追い込まれているのは此方だ!
「どうした。死を超越し滅びを克服し、無敵に至ったような顔をしていたのが、
 今では綺麗サッパリ余裕が失せているぞ。無敵ではなかったのか」
 アルトリウスは蔑笑すら浮かべることなく、無面目のまま淡々と言った。
「あるいは、ようやく自覚したか。お前たちも所詮、カタチある存在なのだと」
 破滅は降り注ぎ続ける。過去をすべて滅ぼすまで止まることはない。
「――ならば味わいながら滅びろ。それがお前たちに似合いの最期だ」
 過去が現在を蹂躙することを、アルトリウスは決して許さない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジャガーノート・ジャック
◆ロクと
(ひしめく敵のクローン達。)

(ザザッ)
壮絶な臭気を検知。
海の都市には相応しくないな。

本機達の得意分野だ、ロク。
仕事をしよう。
オーヴァ。
(ザザッ)

汚染物質。
古典的だが汚物の始末はこうつけるべきだろう。
則ち
"消毒だ"。

"C.C.":「Craft: Bomb」を指定。
更に精製指定:「焼夷弾」。
Craft:Bombの通常限界精製量が58㎥。
それを更に58個分。
限界容量3,422㎥分の弾頭を以て制圧・殲滅する。

ロクが動きを止めてくれたので狙い易い。
――これなら市街地に余計な被害も出さずに済む。
ターゲット:ロックオン。
Fire.
(スナイパー×一斉発射×範囲攻撃)

(ザザッ)


ロク・ザイオン
◎ジャックと

(森には無い、腐って爛れた匂いだ)
(ひとの街の昏い片隅の陰で、感じたことがあるような)
……。
(それは今、考えることではないけれど)

目標。
ぜんぶ。
……できるな。おれたちなら。

(飛来する汚泥は【野生の勘】で躱し、或いは灼熱する【武器で受け】、
「烙禍」で病んだ土ごと脆い炭に。
大群の重みは容易に地を踏み抜くだろうし
粘りつく体も熱に炙られれば燃え、乾く。
最前線の動きが滞れば、相棒には格好の的だ)



●全てを焼き、総てを祓え
 海底都市アトランティスに、おぞましいまでの臭気が満ちる。
 それはスカムキングの大群が撒き散らす、それ自体が危険な有害物質だ。
 ロク・ザイオンはそれを識っている。ヒトの街にもそれはあった。
 大路から離れた昏い路地裏で。
 あるいは、コンクリートで蓋をされた地下世界で。
 森の輪廻にはありえない、何も生み出すことがない汚濁の異臭。
 ヒトの営みが当然のように生み出す残骸――それはオブリビオンのように。
 では、病とはヒトが生み出すもの……獣が生きるために喰らうように、
 必然としてあり得るものなのか? ……ロクは、その思考を振り切った。
 今考えることではない。今なすべきことは、そうだ。
《――見渡す限りの大群か。ゴミ掃除ならば本機たちの得意分野だ》
 そうだろう? とばかりに、ジャガーノート・ジャックがロクを見やる。
 ロクはその視線を……鎧越しの眼差しを受けて、こくりと頷いた。
「目標、ぜんぶ。……できるな、おれたちなら」
《――無論だ》
 そのためにこそ自分たちはここにいる。残骸というゴミを抹殺するために。
《――仕事(ミッション)を始めよう、ロク。オーヴァ》
「おーば」
 そしてふたりは立つ。海の如き、嵐の如き、汚泥の王の軍勢の前に!
『ハッハァ! たかがふたりで何が出来るんだぁ!?』
『俺様とアシェリーは無敵だぜぇ! 殺せやするもんかよ!』
『俺様たちはオブリビオン! 不滅の存在なんだからなァ!!』
 無数のスカムキングどもが、異口同音に無敵と不滅を口ずさむ。
 ふたりは苛立ちすらしない。そんなものはそよ風のようなものだ。
 そして礫めいて飛来する無数の汚泥。まず動いたのはロクであった。前に躱す。
 燃え上がる烙印刀は、それが海洋都市を汚染することすら許さない。
 円弧は白熱して大気を焦がし、汚濁を炭化させ昇華せしめる。
「病が、森を穢すな」
 森番は憤っていた。然り、これは紛れもない怒りだ。
 海の底であろうと、ここにはヒトの営みがあった。自然が、森が在った。
 それは病によって奪い取られ、穢され、蹂躙されている。
 許せぬ。その存在を許さぬ。輪廻なき存在を森番は決して許容しない。
 ゆえに退くことはない。躱すも、焼くも、すべて前へ――前へ。
《――無敵、不滅。お前たちオブリビオンはみなそうやって勝ち誇る》
 対するジャックは動くことなく、砂嵐をぞわりと展開させた。
 そこから生み出されるのは……砲塔。そして、榴弾である。
《――古典的だが、汚物の始末はこうつけるべきだろう――すなわち》
 消毒。精製されたのはおよそ3422㎥ぶんの超・飽和火力。
 起こすのは戦争ですらない。これはもはや虐殺のための大鎌だ。
 森番はたったひとりで汚濁の雲霞へと挑み、これを切り裂き進む。
 スカムキングは苛立つ。王たる己らをたったひとりの、しかも女が、
 躱し、灼き、斬り、一顧だにしないことに苛立つ。不遜がある。
 ゆえにこそ意識は逸れる。本来彼奴らが敵視すべきは鋼の豹のほうなのだ。
 だが、出来ぬ……然り、"しない"のではなく"出来ない"のだ。
 彼奴らは死という概念から解き放たれ、滅びを擬似的に克服したからこそ、
 生物が本来持ち得る、死に瀕した際の追い詰められた力を見いだせない。
 滅びを滅びと厭わぬからこそ、差し迫った滅びへの危急の対処が出来ぬのだ。
 たとえるなら、それは龍の傲慢である。
 ドラゴンは強大なものだ。しかしその強大さゆえに獲物を見下す。
 獲物が天敵であると識ったときにはもう遅い。逆鱗は砕かれている。
 古今東西の神話はそう在る。その寓話から学べるのもまた、人間だけ。
 大群でありながら根本的に同じ存在である超・大群には、
 ヒトが持ち得る多様性もない。強大であるがゆえに、答えは変わらない。
 だから、アシェリーたちが危険を察知してサインを出したとしても、
「あんた! あいつだ! あいつが何かしようとしているよ!?」
「その女はほっといて、あっちを殺さないと駄目だよ!」
「あんた! 冷静になっとくれ!」
 彼奴らはそれを聞き入れない。
『うるせぇ! 俺様たちを前にひるまねえなんざ、生意気だぜ!』
『殺してやる、穢し尽くして殺してやるぜぇ猟兵!』
『所詮天敵(てめぇ)らなんざ怖くねえんだよ!!』
 ならば、容易いことだ。森番の疾走は敵の目を引き耳を惹く。
 ターゲットサイトが雲霞のひとつひとつを捕らえ、弾丸は装填された。
「お前らが見るべきは、おれじゃない」
 ロクは言った。そのときにはもう相棒は、すべての準備を整えていた。
《――実に狙いやすい。では、"消毒(せんめつ)"を始めよう》
 ガチャコン。装填弾頭、無数。予測される被害程度は……。
《――Fire》
 示す必要はあるまい。弾頭は放たれ、一切合財を灼き尽くした。
 汚泥は焦がされ、昇華され、呻き断末魔をあげながら無へと帰する。
 それはまさに、神が怒り裁きをもたらした神話の街のように。
 すなわち……炎の海が、そこに現出したのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シズホ・トヒソズマ
要さん(f02609)と連携
旅団にてよく話す間柄

リキッドメタルで身体をコーティングし弾丸の形で要さんの戦車の砲台の中にいて撃ち出してもらいます

撃ち出され、敵が半径60M内に広がっている地点でリキッドメタルを戻し空中でUCでドラゴンテイマーの力を使用
60m内の無機物、主に海水をありったけ黒竜の群れに変えて
◆団体行動として行動させてブレスや爪でクローン達を攻撃させます
UCデメリットは◆毒/呪詛/激痛耐性で軽減

要さんの虫とも連携させてクローン達を次々攻撃
私自身もヴァジラ姫の◆電撃属性攻撃の◆一斉発射や
シュヴァルツヴィアイスの斬撃で敵を攻撃
『例え王といえどクローンでは、私と要さんの敵じゃないですね』


地鉛・要
シズホ(f04564)と共闘アドリブ可
良くふざけ合う相手

この戦い糞の山の掃除(物理)で良いのか?
まず戦車白雁を影業で操縦して中央に向かって突撃。勿論止められるだろうけれど止められ動かなくなる前に白雁でシズホを打ち出す

打ち出し次第戦車から出て、【監視軍蟲】で蟲を召喚
今回召喚するのは【別の世界で地球侵略の際にもっとも適した】10mサイズの金色の蟻を召喚上限まで
召喚する蟻には#電気属性、生命力吸収、鎧無視攻撃を付与して召喚

俺自身は影業での足元からの攻撃と圧殺研磨での削り潰しで対応
民の居ない王と妃だけでは群衆に勝てる訳が無いのよな。



●ツイン・アナイアレイター
 ギュラ、ギュラギュラギュラ、ギュガガガガ……!!
 地を揺らすほどの轟音とともに、蒸気を吹かして鉄の戦車が突き進む。
 見るも無残な汚泥の雲霞を、まるで海を踏破するように揺るぎなく。
 蒸気戦車"白雁"。その装甲と突撃力は並の戦車など比較にすらならない。
 スカムキングの巨躯、その群れであろうがお構いなしに蹂躙するのだ。
『たかが戦車ごときで、俺様たちを突き抜けられると思ってんのかぁ!?』
『ナメやがって! 思い知らせてやるぜ!!』
 不遜なる汚泥の王たちは、次々にその装甲に取り付いて腐食させていく。
 汚染はウィルスめいた速度で進む。いかな強固な装甲とて、これでは……!
『頃合いだな。そろそろ撃ち出すぞ』
「存分にどうぞ! あとはおまかせしますよ!」
 その時である……KA-BOOOOM!!
『『『ぬおっ!?』』』
 突如として戦車の主砲が炸裂した。だが狙いは明後日の方角だ!
 そもそも撃ち出したのは砲弾ではない。では、あれは……まさか!?

 然り! 撃ち出されたのは、見た目こそ弾丸だが弾丸に非ず!
 それは流体金属によって己をコーティングしたシズホ・トヒソズマだ!
「汚物の処理には、同じ汚物(オブリビオン)の力で応じるのが道理でしょう!」
 空中で解き放たれたのは、かつてキマイラフューチャーを襲った災禍の力。
 オリジナルのそれに比すれば範囲・威力ともに見劣りはするものの、
 "射程範囲内の無機物を文明侵略の黒竜へと変貌させる"というそれは、
 まさに文明の汚泥から生まれたスカムキングには銀の弾丸も同然だ。
 ダイウルゴスの姿をした残骸の群れは、かくして爪と牙によって蹂躙を始める!
「……ッ、さすがにこの量は骨ですね……!」
 "爆心地"に着地したシズホは、ずきりと体を苛む毒の痛みに呻いた。
 いかに彼女がそれに対する耐性を持っていたとしても、代償は強烈だ。
 無事ではいられまい。さりとて、それを恐れて猟兵は務まらぬ。
 黒竜が一匹、また一匹と生じ、スカムキングの汚染を物ともせず暴れ狂う。
 なんたる暴威か。だが、遺された戦車のほうは無事なのだろうか!?

 それについて、シズホは懸念を抱くことすらしなかった。
 影業によって操られていた戦車は、腐食によって使い物にならない。
 だがそれを厭わず、操縦者――地鉛・要は平然と外へ出た。
 そして招来したのは、身の丈10メートルにも達するほどの黄金の蟻である。
『なんだ、こいつは……!?』
『次から次へと妙なものを生み出しやがって!』
『そんなもんで、俺様とアシュリーを滅ぼせるってかぁ!?』
 口々に罵り嘲るスカムキングの群れを、無感情な瞳が一瞥した。
「糞の山がよく囀る。どうせ掃除されるなら黙って消えろ」
『『『なんだとォ!?』』』
「民のいない王と妃だけで、俺たちに勝てるとでも思っているのか?」
 直後、要を中心に放射状に影業が爆ぜ、汚染された汚泥の王どもを絡め取る。
 そこへ襲いかかるアリの群れ! 鋏角ががっきと呪われた肉体を食んだ!
『う、おおおお……!? お、俺様を、喰うつもりか、こいつら……!?』
「どのみち苗床にもなれん連中だ。胃袋を満たせるだけマシと思え」
 要の声音に抑揚はない。憐憫も、侮蔑も、殺意も、そこにはありはしない。
 動いて喋る塵芥も同然。ならばこそ蹂躙と滅殺は無慈悲に行われるべし。
「そちらの調子はどうですか、要さん!」
「上々だ。まあ、手こずる理由がないな」
 斬撃をもって敵を切り裂き合流したシズホに、要はなんてこともなく言った。
 ふたりという暴威を中心として、無数の敵は切り裂かれ退けられ滅ぼされる。
 それはまさに、何もかもを燼滅せしめる人の形をした暴力と言えよう。
「オリジナルならばともかく、クローンでは私たちの敵ではないですね」
「ああ。さっさとこの糞の山の掃除を終わらせるとしよう」
 さらに生成増幅するクローンの群れを、ふたりの破滅者が見やった。
 その速度をも上回る終局をもたらすべく、黒と金の軍勢を率いて進軍する。
 虚構の王を打ち砕く、革命に燃える群衆の奮撃めいて……!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リア・ファル
WIZ
アドリブ共同歓迎

さあ、やろうか
今を生きる力ヒーロー達の明日のために!

「何処を見てもスカムキングにアシュリー、こういう時、なんて言ってやるかな? そう。『選り取りみどり!』」

まずは汚染対処だ
海底にグラビティアンカーをサークル状に配置、円周内の不純物を沈殿、ライブラリデッキの水の魔術と組み合わせて、渦の水流で防御を試みる

その間にヌァザを多元干渉し、虚数空間から、母艦のミサイルを取り出し、使用する!

「増殖には増殖を! これが、ボクの新兵器! 」
UC【無限の流星群】だ!

空いた風穴からイルダーナが突撃!
セブンカラーズの弾丸がコアに風穴を空けるだろう

「うん、流石の新兵器かな!」


ヌル・リリファ
……やっぱり、これだけおおいと真正面から相手をして殲滅しきるのは効率もよくないし大変そう。

地面にシールドを展開。敵の攻撃をふせぐために展開するんじゃなくて、うえにのったわたしを、一気にシールドの範囲をひろげる【シールドバッシュ】で上空に弾き飛ばす。
上空から【視力】でクローン装置をさがして、みつけたらUCを起動。ひかりの武器をたたきこんで停止させる。

相手の攻撃は、サイキックエナジーの【衝撃波】でそらす。
これだと地面への汚染はとめられないけれど……。多少の毒なら、マスターの最高傑作として造られたわたしにはきかないし……。(【毒耐性】)
それよりは弱体化させるほうを優先するよ。


非在・究子
た、大群、相手に、無双ゲーも悪くは、ないけど……ま、まともに、相手を、するのも、骨が、おれる、な。
……ほ、骨を、おるなら、得意分野で、おると、しよう、か。
……ゆ、UCの、力で、アタシの、スピードの、向こう側を、見せて、やる。
ど、どんなに、数が、多かろうと、どいつも、こいつも……戦闘態勢に、入る前に、限界を、越えた、スピードで、もって、通り抜けさせて、もらう、ぞ。
そ、それで、装置が、見えたら、【ハッキング】を、仕掛けて、装置を、停止させる、ぞ。
て、敵の増殖を、一時的にでも、止められたら、後は、他の猟兵が、無双ゲー、してくれる、だろうさ。


フェルト・フィルファーデン
あまり長居したい空気じゃないわね、ここは。気が滅入る前に片付けてしまいましょうか。

数には数で対抗よ。UCで兵士人形を呼び出し装置までの道を切り開くわ。
盾と槍を構え、槍で牽制し【シールドバッシュ】で弾き飛ばして蹴散らしながら突撃するわ。無理に倒す必要はない。数を減らすより、攻撃を耐え凌ぎ敵を押し出す事に専念するの。

わたしはその間に騎士人形と敵を撹乱するわ。
剣で脚を【薙ぎ払い】機動力を削ぎ、弓で目を射抜き(【スナイパー+援護射撃】)視界を奪い障害物にするわ。これだけ数がいるのだもの。前の状況なんて自分のクローンの背中でよく見えないわよね?

装置の破壊は誰かにお任せするわ!よろしくね?


ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

…戦力とは別として。正直近づきたくないわねぇ…
やる前からちょっと気分悪くなってきたんだけど。

クローンとはいえ相手は幹部級。
それが無尽蔵にわらわら…うん、ばらばらに当たっても一瞬で飲み込まれて潰されるのが関の山ねぇ。
できれば他の人と協力したいとこだけど。

あたし対多数は割と得意だけど、突破力には欠けるし。最前衛の切先が斬り開いた空間を即座に押しつぶされないように維持するわぁ。
ルーンの弾丸を使った●鏖殺や各種グレネードの〇投擲で○範囲攻撃して、前衛が突破に集中できるよう〇援護射撃するわねぇ。
○目潰し・足止め・武器落とし、鎧砕きに部位破壊。イヤガラセの手なら色々あるのよぉ?



●妨害、混乱、無双、活路
 右を見ても左を見ても敵だらけ。悪臭を纏うスカムキングとその情婦の群れ。
 並の戦士ならば、その光景だけで心折れてへたりこむことだろう。
 だがその雲霞を前にして、リア・ファルは腰に手を当てて笑顔で言った。
「こういうときにピッタリの言葉は……うん、"よりどりみどり"、だね!」
「……オブリビオンは、うりものじゃないよ?」
「まあまあ、そこはそれ。比喩表現ってことで!」
 傍らに立つ少女、ヌル・リリファの言葉にリアはおどけてみせた。
「今回もやろうか。今を生きるヒーローたちと」
「うん、この世界のひとたちのために。やろう」
 直後、ふたりはそれぞれ重力錨と光の盾を広域円周展開した。
 目標は足元。盾とアンカーの使い方としてはやや不自然かもしれない。
 しかし、これでいいのだ。ふたりの狙いはそれぞれに異なる。
 まずリアが射出したグラビティアンカー、これは床を突き抜け海底に到達した。
 そして海水内の不純物を沈殿させ、水のみを魔術によって汲み上げる。
『小娘が! 俺様たちで捻り潰してやるぜぇ!!』
『殺せ殺せ殺せぇ! ヒャハハハッハ!!』
 下卑た笑い声とともに、スカムキングの大群がふたりに迫る。
 しかし、その眼前に生まれたのは……そう、汲み上げられた水だ!
 魔術によって渦潮となったそれは、止まらぬ壁となり敵の足を阻む!
「おっと、まだ終わりじゃないよ? さあご堪能あれ!」
 さらに……KBAMKBAMKBAM!! リアの切り開いた虚数空間からミサイル砲撃!
『『『AAAARRRRGGGGHHH!?!?』』』
 潮流の上に燃え上がるいくつもの爆炎。敵は怯まざるを得ない!
「じゃあ、いくね」
 そしてヌル――広域展開したシールドは彼女の"ジャンプ台"である。
 シールドバッシュの要領で、ヌル自身を頭上高くへと跳ね上げたのだ!
 そして頭上アドバンテージを得たヌルは、その空色の瞳で戦場を睥睨した。
 見渡す限りの汚泥。だが目指すべきはそれではない。
 ……そう、クローン発生装置。その在処さえ見い出せばどうとでもなる……!

 当然、スカムキングの群れはそんな悠長な索敵を見過ごすつもりはない。
 リアの飽和攻撃によって全身を止められつつ、汚染物質を射出せんとする。
 しかし、敵が猟兵の動きを察知して妨害しようとするならば、
 その妨害を妨害する猟兵がいるのも、また当然のことである!
「わたしのからくりの騎士、そして兵士たちよ! さあ前へ。進みなさい!」
 颯爽たる高らかな声とともに、無数の妖精めいた人形たちが盾を構え前進した。
 それを率いるのは、気高きフェアリーの少女、フェルト・フィルファーデン!
 盾と槍を構えた兵士と騎士の人形たちは、群衆を牽制する軍団そのものだ。
 迸ろうとしていた汚染物質の弾丸を防ぎ弾き、さらに敵を押し戻す。
『なんだ、このちみっこいガラクタどもは!?』
『俺様を邪魔するんじゃねえ!!』
「黙りなさい。その悪臭、悪辣、心の底から穢らわしいわ、アナタたち」
 侮蔑と嫌悪をあらわにし、フェルトは不敵に微笑んでみせた。
 そう、彼女はどんなときであろうと笑顔を忘れない。それが敵であれ。
 見るもおぞましい汚泥どもであろうとも、支配者めいた笑みで傲然と見下ろす。
「わたしの騎士たちを、そう簡単に突破できると思わないことよ!」
『『『しゃらくせぇ! 押し戻……AAARRRRGGGHHH!?!?』』』
 BLAMBLAMBLAMBLAM!! KBAM! KRA-TOOOOOOOM!!
 突如の銃声、そして爆炎。それはリアのミサイル飽和攻撃ではない。
 では、フェルトの操る人形たちの放った弓矢か? それも否!
 答えは、少女めいて笑みを浮かべる女フィクサーの構えた拳銃にある。
 すなわち、ティオレンシア・シーディアによるファニングの嵐だ!
「いいわよぉ、その調子でどーんどんあいつらを押し戻して切り開いてねぇ。
 あたし、対多数は得意だけど突破力はあんまりなのよぉ。とても助かるわぁ」
 甘やかな声音で言い、神速のリロードからさらなる弾雨を放つ。
 ただのリボルバーでありながら、その連射速度はマシンガンもかくや。
 合間合間にグレネードを投擲し、ルーンの魔力で敵を退かせるのを忘れない。
 まさに"鏖殺"の弾雨。これだけの相手ならば狙いを定める必要もないのだ!
「ああ、本当に気分悪くなりそうな匂いに光景ねぇ、長居したくないわぁ。
 イヤガラセならいくらでも味わわせてあげるから、さっさと消えてくれるぅ?」
 BLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAM!! マズルフラッシュが反論を許さない!
 かくして騎士と兵士たちの軍団は徐々に戦線を押し、砲火がそれを擁する。
 しかし敵はさらに生成され援軍が現れた。やはり装置が要か!

「――あった」
 その時、頭上を滞空していたヌルは、ついにクローン装置を発見した。
 光の武器を生み出し、狙撃を――否、そのプランをヌルは棄却する。
 敵があまりにも多すぎる。この距離では致命的クラックをもたらせない。
 であれば。少女の高度な演算能力が、戦力を分析し最適プランをはじき出す。
 空色の瞳が捉えたのは、混迷の戦場を疾風のように駆ける残像だった。
 ヌルは生成した光の武器たちの鋒を、その残像の予測ルートに当てはめる。
 頭上から降り注ぐ光の雨。それはまるで影の進む道を開くように!
「お、おお……進行ガイドがついてるなんて、ありがたい、な」
 神速の影……現実そのものをハッキングして己を超加速させた少女、
 すなわち非在・究子は、その光の雨の導きに素直に従った。
 彼女を捉えられる者はいない。その挙動は完全に物理法則を無視している。
 いわゆる、ゲーマーが言うところのTASモード、というやつである。
 何を非現実的な、と笑うなかれ。それこそが彼女のユーベルコードなのだ。
 電脳の世界から現れたバーチャルキャラクターにとっては、
 この現実もまたゲームのひとつ。ならばチート出来ぬ理由もなし!
『くそっ、速すぎる! なんだアイツは!?』
『と、止められねぇだと!? 俺様とアシュリーが!』
 色付きの風めいて駆け抜ける究子を、スカムキングは止められない。
 彼女の目指す先は――然り、クローン装置! 電脳魔術の食指が、届いた!
 無限の生成を繰り返す忌まわしき装置が、つかの間その機能を停止する!
『『『し、しまった!! てめぇえ!!』』』
「あ、アタシ相手にしてていい、のか? む、無双が始まる、ぞ?」
 足を止めた究子は不敵に笑う。スカムキングは有無を言わさず押し潰そうとした。
 だがそこへ降り注ぐ光の雨、そして無数の弾雨と剣、そして弓!
「わたしの騎士たちを前にして、よそ見だなんて悠長ね?」
「こういうときに邪魔されるとイラつくでしょお? あたしの得手だわぁ」
 フェルトとティオレンシアによる、抜群のタイミングのインタラプトだ!
 苦し紛れに撒き散らされる毒素も、ヌルの光盾がドームめいて封じてしまう!
「――リアさん、いける?」
「もちろん! 増殖には増殖を。これがボクの新兵器さ!」
 見よ。空を埋め尽くすほどに現れた、虚数空間からの使者。無限の流星群。
 それはリアが、次元を越えて呼び出した砲火の嵐に他ならぬ!
「それでは焼却処理といこう。――フルファイア!!」
 スパパパパパパ……KBAM! KBAM! KA-BOOOOOM!!
 破滅が降り注ぐ。爆炎を呼び、炎と炎が結びつき海となる!
 響き渡るのは、一網打尽にされた虚飾の王どもの断末魔のみ……!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ネグル・ギュネス
【アサルト】
問題無い、存分に使い潰せ
オレを、奴らを滅ぼす為の札としてな


──行くぞ、【幻影疾走・速型】
奴らの土手っ腹に、風穴を開けてやる

多いが故のデメリット、其れは移動区域の低下、つまり回避や逃げ場な無さ
容赦なく、轢き殺し、斬り潰す
逃げようと背中を向ければ、破れかぶれに姿を晒せば、『二人』の暴雨が吹き荒れる
下手に固まってきたならば、衝撃波と破魔の雷光の剣閃が連鎖的に痺れさせ、吹き飛ばし、互いに倒れ潰し合え

兎に角機動力で引っ掻き回し、クローン装置に向けての線を作り上げる
クリアした瞬間、アイツは絶対外しはしない
其れが、assaultだ

疾走し続け、止まりはしない
人機一体の境地を、存分に味わって逝け!


鳴宮・匡
◆アサルト

準備はできてるぜ、いつでもいける

……はいはい、“いつも通り”ね
問題ないぜ、やろうか

どうしたって派手に暴れるほうに目がいくだろう
闇に紛れてなるべく目立たぬように心がけ、敵群の中をゆく
“群れの中に敵が潜んでいる”とあれば混乱も招けるだろう

相手の攻撃を見切り、回避を主体に
位置を気取られぬようにこまめに移動を繰り返しながら
影から影へ、敵の間を縫うようにして立ち回る
基本は弱った敵・隙を見せた/足を止めたやつから
急所を精確に狙って効率よく数を減らしていく
精確性より速度が必要な時は直感と反射任せに端から削っていくよ

……ところでネグル
使い潰す、とかそういう言い方すんな
そういうの、俺が気に食わない


ヴィクティム・ウィンターミュート
【アサルト】

各自弾薬や消耗品はたんまり持ってきたな?
グッド──では、ランだ

敵は超大群、まともにやり合うのは馬鹿らしい
だからこそ"正面からやる"

向こうの数は多い、いや…『多すぎる』
故に一人一人の可動域は狭い
しかも奴らの司令塔はおらず、それぞれが散発的に対処するしかない
対してこちらはかなり自由に動ける少数精鋭
機動性、そしてレンジをスイッチして押し上げるぞ

攻撃の隙間を作らず、効率的に仕留め続けろ
右腕のクロスボウを展開
内部まで衝撃が響き、一定時間【マヒ】するコンカッション・ボルトで複数人をスタンさせてチャンスを作ろう
『俺達』のキルレンジは長く、広いぜ?

突破口が出来たら一気に装置破壊へ
さぁ──残党狩りだ



●群れの脅威、個の強さ
 一体だけでも強大なジェネシス・エイト、そのクローン体の無限生成。
 なるほど無敵である。真正面から相対する道理が何一つ存在しない。
 だからこそ、スカムキングの群れは慢心し、たかをくくっていた。
 "猟兵たちに何が出来るのか。俺様にスキはないぜ"
 ……と。

(だからこそ隙だらけなのさ。いくらでもかき混ぜがいがある)
 ブリーフィングのさなか、ヴィクティム・ウィンターミュートはそう言った。
 脚本家であり道化師たる端役にとって、敵の隙を見出すなど容易いこと。
 己を強者と驕り、無敵を信じる輩などまさにうってつけの相手だ。
(だから、"正面からやる"。弾薬、消耗品。しっかり用意しておけよ)
(……ようは、"いつも通り"ってことだな)
 鳴宮・匡の声音は、呆れるようでもあり納得するようでもあった。
 言われずとも、匡は行住坐臥、常にエマージェントな態勢を整えている。
 そうでなくば傭兵は出来ない。そして、アサルトの一員たることも同様か。
(問題ない。オレを、奴らを滅ぼすための札として存分に使い潰せ)
(…………)
 だが隣に立つネグル・ギュネスの言葉に、匡は物言いたげな目を向けた。
 ネグルはそちらを見ない。まっすぐに、ヴィクティムを見据えている。
(それも"いつも通り"だろう? たとえ壊れようと、食らいついてやるさ)
 その言葉はどこか捨て鉢めいている。あるいは究極の自己犠牲だろうか。
 匡はじっとネグルの横顔を見つめた。相棒がそちらを見ることは、ない。
 ヴィクティムは肩をすくめた。この程度ならばビズの支障にはなるまい。
(ま、お前がそう言うならそれでいい。グッド、ってやつさ)
 そして悪童は目を細め、いつものように言った。
(――では、ランだ。せいぜいかき乱してやろうぜ)
 転移の直前、海洋都市に向かう前のやりとりである。

『くそっ、どこだ、どこにいやがる!?』
『野郎……疾すぎる! 俺様が捉えきれねえだと!?』
『AAARRRRGGGHHHH!! 体がしびれやがる、クソがァ!!』
 蓋を開けてみれば、群れの脅威などそこには欠片もありはしなかった。
 無敵。無敵であるはずの軍勢。だが現実はまさに烏合の衆である。
「有象無象が囀るな。黙って、さっさとゴミらしく潰れて死ねッ!!」
 エンジンに点火(イグニッション)した以上、ネグルは止まらない。
 いや、止められない。疾走する幻影と化した彼と愛機は、無敵だ。
 色付きの風――あるいは光の帯めいたネグルの残像ばかりを虚しくかき乱す。
 汚泥の王の毒も汚染も、なにもかもネグルを捉えることは出来ない。
 そして立ち往生したところに、矢のようにまっすぐとネグルは襲いかかる。
 容赦も慈悲もなく、轢き潰し、漆黒の刀でもって一と言わず十を切り崩す。
 蹂躙。蹂躙である。ジェネシス・エイトのクローン体が聞いて呆れる!
 それも無理はない。戦場を駆け巡るのはネグルだけではない。
(遅い。思った以上に他愛もないな……まあ、いいことだけど)
 影から影へ。死角から死角へ。誰にも悟られることなく気取られもせず、
 気配を完全に消した匡が飛び渡るように、あるいは水銀めいた速度で進む。
 派手に暴れるネグルの動きは、彼の隠密行動を完全に覆い隠していた。
 四方に敵がひしめく戦場において、生き延びるために最善の行動は何か。
 それは"気付かれる前に殺す"ことだ。この難行を満たす条件はふたつある。
 ひとつ。あらゆる敵を、気付かれる前に察知する鋭敏感覚。
 ふたつ。あらゆる敵に、気付かれることなく移動する野伏としての技量。
 匡にはそれが備わっている。彼はそうして生きてきたからだ。
 積み上げた屍と啜ってきた血と泥の山が、その有用性を証明している。
 だからこそ、匡は気付かれない。そして敵を憐れむこともない。
 轢殺を逃れた手負いのスカムキングを、冷徹な弾丸で終焉に導く。
 慣れてしまえば簡単だ。作物を刈るような、あるいは屠殺のようなものだ。
 どちらも生きていくには必然の作業。ならば匡の半生も同様ではないか?
 彼は生きようとしただけだ。殺戮と屍山血河は結果に過ぎまい。
(――違う)
 だが、誰よりも匡自身がそれを否定する。己は呪われていると断定する。
 人でないのだから。その残虐に心を揺るがすことすらないのだから。
 己の心を代償に使い潰してきた男は、とうに涙すらも枯れ果てていた。
 落ちるのは薬莢。響くのは落滴ではなく、断末魔と致命の音である。
「そうだネグル、かき乱せ! 奴らに風穴を開けてやりな!
 どうしたスカムキング、こっちはたかが三人だぜ? いいようにされてよ!」
 そしてふたりに指示を飛ばし、自らも機敏に動くのがヴィクティムだ。
 すなわち、司令塔。その有無が彼我の趨勢を定めたと言ってもいい。
 たしかにスカムキングは強大である。それが群れをなしたならば無双だろう。
 だがそれゆえに、一体一体の間合いと可動域はひどくせせこましい。
 そして群というのは、大勢を決めるためのブレインが必要不可欠。
 いかに個として強大であろうと、群れとしての強さは別にある。
 かしこき人も、群衆というひとつの群れになれば愚民に堕するように。
 それが個の強み。ヴィクティムの采配はコンマ秒ごとに下される。
 目まぐるしく各々の位置を変え、前衛と後衛をスイッチさせ、
 放たれたクロスボウのボルトが蜘蛛の巣めいて有象無象を絡め取る。
『ち、畜生!! 俺様が、なぜ!?』
「その"何故"を、考えるのが遅すぎたからだよ」
 ヴィクティムは勝ち誇って言った。そこに幻影の疾走が来たる。
 人機一体。疾く、無慈悲。風をも後に引くほどの疾走。
「いかなる相手だろうが、それ以上の勢いで"強襲"し抹殺する。
 ――それが、オレ達(アサルト)だ。骸の海まで覚えておけ」
 ギャリリリリッ!! とバーンナウトを刻み、ネグルは言った。
 そのあとに響く密かな銃声。目に見えた敵はついに倒れ伏す。
「……ネグル」
 神速のリロードを終えた匡は、ただ一言のために姿を見せた。
 それは合理的ではない。生き延びるためだけならば決してしない行動だ。だが。
「使い潰すとか、そういう言い方すんな」
「何? オレはただ――」
「俺が、気に食わない」
 ネグルは匡の瞳を見た。相棒は、じっと双眸で彼を見つめていた。
「理屈じゃないんだ。だから、やめてくれ」
「匡――」
 ネグルの言葉を待つことなく、匡はふたたび闇に沈む。
 伝えるべきことは伝えた。彼がどうするかは彼次第の話だ。
 ヴィクティムはそのさまを見やり、瞳を細めた。
「ならプラン変更、だな。"使い潰さない程度に"、やろうぜ? ネグル」
「…………了解した」
 カウボーイに返ってきた男の声には、苦笑めいた色があった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霑国・永一
臭い(確信)
いやぁ参ったなぁ、グロ邪神にも勝る汚物感だよこれは。
汚いものには蓋をする、触るべからずという事で……任せるよ、《俺》
『クソが!文字通りクソが!貧乏くじだなァ、オイ!』

狂気の戦鬼を発動
高速移動で突貫し、直接触れないよう衝撃波でスカムキングを吹き飛ばしてそこを一気に駆け抜けるようにする
全てを倒す必要ないので自身の通り道だけを切り開くようにする。
衝撃波で地面吹き飛ばして纏めて体勢を崩させたり、大きく飛び越えたりをしたりもする
装置に辿り着いたらスカムキングに気を付けて動き回りながら衝撃波を叩き込み続け、破壊次第離脱
「汚いな、流石スカムキング汚いぜ!だが俺様が殺す!汚物は消毒だ、石鹸食え!」


グレイス・リリィ
肥溜め王の量産型ね――うっわ凄い臭い

狙うのはクローン装置、空中から一気に行くわ
恐らく汚染部室を飛ばしてくるだろうし
衝撃波を放ちつつオーラ防御で直撃を躱すわね

外れたら地形を汚染するんでしょ――だったら
クライシスゾーンでその地形ごと破壊しながら進むわよ
私の半径43mは超次元竜巻よ
その勢いを利用して、そのままクローン装置へ

辿り着いたら可能な限り装置に取付いて
その機能を止められる様に努めるわ
どんなサイズか分からないけれど
抉った機械を全力の雷魔法でショートさせれば
たとえ竜巻が止まっても装置が万全に動かなくなる筈
敵の勢いさえ止められれば――猟兵だって一人じゃないのよ
数には数で当たれば、負けるわけが無い!


杜鬼・クロウ
アドリブ◎
全身の服着用

数の暴力は強ち馬鹿に出来ねェからなァ(剣振り
実力も申し分ねェ
ならばどうするか

逆境こそ俺を強くする(空気汚染した向かい風に目細め先行した敵を薙ぎ払う
此れまで刃を交えた嘗ての敵との戦で得た経験が(脇構えからのUC使用。攻撃力up
更に俺を高みへ
うねる焔で修羅の如く

大群で来ようが俺は止まらねェ
揮う
ただ只管に
駆け抜けろ、己が役目を果たす為!

荒く見える剣筋は確実に敵を捉え
効率重視で流水の様に斬る

予想以上の数に圧され気味なら

限界を!超えろやァァ!
煮え滾る血潮を代償に

沸血の業火(メギドフレイム・ブラッド)

攻撃と移動速度向上
光の速さで一閃
装置破壊まで
あと、

ち、折角の一張羅が台無しじゃねェか


ヒルデガルト・アオスライセン
これまで立ち寄ったどの外界にも穢れが存在した
どの道を往けど、汚染から遠退くことは出来そうにない
何よりこの身が叫ぶのだ、根絶せよと

不浄を相手に逃げる事能わず
汚れを気にせず隠れもしません、正面突破ですわ
察知→伝達→集結までに1秒でも早く真珠まで駆けます
銀靴と浄化の剣で自在飛行

浄化のオーラを纏い、触れた者を塩に変え
包囲にはトンネル掘りで地形破壊からすり抜け
身代わりに瓶を持たせてデコイに使い爆発させ、篭手衝突で強引に進攻します

天変地異のように夥しく群れ、腐臭と生彩のない濁悪
しかもお喋りと来た
でも戦友のアンデッドを葬らねばならない故国より何百倍もマシです

銀貨を弾き、汚染生物ごと真珠を引き裂いて黙らせます



●雲霞をも振り払い
 ようは、あの真珠貝めいた装置さえ破壊してしまえばいいのだ。
 それでおおよそ事は足りる。……それが難いからこそ状況は厄介なのだが。
 かといって、この大軍を相手に足を止めるのは文字通りの愚行であろう。
 ではどうするか。たとえばヒルデガルト・アオスライセンの場合はこうだ。
「邪魔です、退きなさい! 私の道を塞ぐことは、許しませんわ!」
 聖別されしその五体から、あらゆる汚濁を否定する浄化のオーラを放ち、
 触れようとする汚泥は塩に変え、まっすぐと駆け抜けた。矢のごとく。
 気高き少女のなびく銀髪は、その速度もあってさながら流星のよう。
 一秒でも疾く。敵が一体でも集まる前に、あの装置のもとへ。
 銀の靴を高らかに鳴らし。奔る。走る。疾(はし)る。
 おお、気高き聖処女よ。だが汚泥の王は御身を阻まん。
『イイねぇ、好みだぜぇお前みたいな生意気な女はよォ!』
『アシェリーが妬いちまうかねぇ? ヒッヒヒヒ!』
『遊んでいこうぜ、俺様と永遠になァ!!』
 下卑た笑みを浮かべ、また一体、さらに一体とスカムキングが来たる。
 聖水の瓶が爆ぜて浄化を撒き散らそうが、その剣閃が汚泥を払おうが、
 また次が来る。そこに終わりはない。際限なき生成と増殖。反自然の行為!
「――この程度、故国の惨状に比べれば……っ!」
 おぞましいその言葉と悪臭に顔を顰めながらも、ヒルデガルトが見るのは前だ。
 向かうべきはひとつ。それ以外はすべて踏破すべき有象無象に過ぎない。
 だが足取りを阻むように、さらにまた一体、汚泥の王が集う……窮地である!

 その時であった。
 ヒルデガルトの進むべき道を切り開くように、炎がうねったのである。
 まるでそれはサラマンダー……燃え上がる炎の精霊めいた、獄炎の輝き。
 炭化すらも許さぬ焼滅の焰は、その魔剣を振るう男の義憤のままに燃える。
「邪魔だ邪魔だァ! 燃えやすいように固まるのは結構だがなァ!!
 ――テメェらごときが、俺たちの足を止められると思ってンじゃねェ!!」
 神話に謳われた勇者のように、長身の偉丈夫――杜鬼・クロウが吠える。
 身の丈を越える黒魔剣を振るい、剣閃が焦がすは炎の魔力。
 されど見よ。その挙措、身のこなしはひとときとて止まることなく、
 敵を燃やす怒りの劫火とは対照的に、流水のように冷たく澄んでいた。
 なによりもその速度。色つきの風のように外套が翻り、敵を撹乱する!
 走れ。剣を振れ。かの邪悪共を滅ぼし、前へ。あの気高き少女と同じように。
 クロウに迷いはない。恐れもない。恐れを抱かせるような理由がない。
 これまでに踏みしめてきた道程が、乗り越えてきた戦いの数々が、
 ……ヤドリガミである彼が、それでも人と歩んで刻んできた年月が、
 その血潮に宿りし正義と決意の薪となり、邪悪への憤懣と憎悪を燃やす。
 一秒とて気の抜けぬ鉄火場のなかで、クロウの頭は冷え切っていた。
『てめぇひとりで俺様全員を相手にするつもりかぁ!?』
『生意気な野郎が! ひねり潰してやるぜ!』
『無駄だ、無駄だ、無駄なんだよ! 死になァ!!』
 有象無象は更に来る。浄化の輝きが雨のように降り注ぎ汚染を否定した。
 だがそれでもなお来たる。退くか? ここが己の限界だと?
 ……否。否だ。あの少女のように、数多の戦士たちのように、前へ。
「無駄だ? ハッ――テメェが、俺のことを、定めンじゃねェ」
 不敵に笑う。応じるように、なおも剣は燃え上がる。血潮を糧として。
 限界を超えろ。今の己で叶わぬというならば、いまここで成長すればいい。
 さあ、ショウダウンの時間だ。己のまた前へ。邪悪を滅する逆鱗を目指せ!
「――俺は俺の役目を果たす。テメェらに、取り沙汰される理由は、ねェッ!!
 何もかも燃え尽きちまいな……この俺の、炎に呑まれてなァ!!」
 業火が爆ぜた。クロウは血を流しながらも休むことなく駆け続ける。
『『『AAAARRRRGGGHHHHH!?!?』』』
 死闘の最中に見出した、これこそが限界を超えた男の新たな力。
 "沸血の業火(メギドフレイム・ブラッド)"。邪悪を滅する終焉の業火である!

 そして、クローン装置を目指して駆けるのは、かれらだけではない。
 まず見るがいい。他方に渦巻き、敵を薙ぎ払うあの超次元の竜巻を。
「ああ、臭い臭い……おまけにゴキブリみたいな数がわんさか集まってきて、
 やかましいし胸糞悪いったらないわ。だから、さっさと全員消えなさい」
 グレイス・リリィの声音は酷薄であった。嫌悪すらも生ぬるい冷淡なもの。
 たかが量産型風情に、ここで足を止めている理由は彼女にはない。
 この戦いに勝利することこそ、猟兵であるヒーローたる己の至上目的。
 雷鳴を纏った竜巻を次々に生み出し、グレイスもまた敵陣に風穴を開ける。
 前へ。汚染をも吹き飛ばし、下卑た笑いとその驕慢をミキサーめいて砕き、
 終焉を終焉させるために前へ。この正義を明日へ届けるために!
「あんた! あの女の動きを止めて殺しちまおうよ!」
「あたしたちの邪魔をしてさぁ、鬱陶しいったらないよねぇ!」
 スカムキングの体に融合した情婦、アシェリーたちが熱っぽく囁いた。
 その嫉妬に狂ったような眼差しを、グレイスの赤い瞳は一瞥し、切って捨てる。
「無様ね」
「「「……あ?」」」
「汚らしいヘドロみたいな男にへばりついて、あなたもヘドロみたいだわ。
 そんなくだらない男に抱きしめられながら、何も出来ずに滅びる気分はどう?」
 悪女どもの顔面が怒気に染まり、鬼のごとき形相に変わる。
 グレイスにとってはその隙があらば十分。魔力の全てを雷撃へ変換!
「同じ女のよしみよ――せめて苦しまずに吹き飛ばしてあげるわ!!」
「「「この――ぐ、ギャアアアアアアッ!!?」」」
 ZZZZZTTTTTTT!!! 神の落とす怒槌のごとき雷霆が敵陣をつんざいた!
 超次元の竜巻によって増幅されたその雷気、とどまるところを知らず。
 アシェリーもろともスカムキングを打ち据え、しびれさせ、炭化させ、
 昇華されたその敵自体が新たな導線となり、次の犠牲者へと電撃を運ぶ。
 バケツリレーめいた衝撃の連鎖は、ついにクローン装置へ……届いた!
『『『しまった!!』』』
 バチ、バチバチ――真珠貝めいた装置が、スパークを起こして停止した。
 スカムキングどもは怒りの眼差しをグレイスに向ける。女は不敵に笑った。
「見るほうが違うんじゃない? "猟兵はひとりじゃない"のよ」
 彼女は勝ち誇ったように言う。
「数には数よ。負ける道理なんて、最初っからありゃしないの」
 その言葉を示すように、一陣の衝撃波が敵陣をかき乱した!

 はたして誰が? そこにいたのは長身痩躯、薄く笑った男であった。
「クソが! 文字通りのクソだな、貧乏くじもここに極まれりだぜ!!」
 霑国・永一――正しくは多重人格者である彼の宿すもうひとつの人格は、
 狂的な笑みを浮かべ、吐き捨てるように言って再び衝撃を飛ばした。
 地面ごと抉るような鋭い斬撃。クローン装置による強化を喪ったいま、
 スカムキングどもがこれを避け、あるいは防ぐことなど出来はしない。
『うらなり野郎が! なめやがってぇ!!』
「ハッ、汚物は消毒って言葉知らねえのか? 俺様が殺してやらぁ!!
 同じクソみたいな輩同士、せいぜい仲良くしようじゃねえか、えぇ!?」
 狂った盗人に宿ったもうひとつの人格は、殺戮と闘争に酔いしれる。
 吹き荒れる毒素の汚染を自ら飛び込み、笑いながら躱して刃で抉り、殺す。
 まるでそれは暴威だ。ヒトの形をした竜巻のような荒れ狂い方だ。
 されど、その足もまた前へ。この有象無象の息の根を止めるために。
 機能停止したクローン装置はじきに復帰するだろう。この間隙が好機である。
 吹き飛ばし、切り裂き、払い、あざ笑い、ねじ伏せ、からかうように退く。
 姿を消したかと思えば死角から現れるさまは、まさに神出鬼没である。
「オラオラオラオラ! 汚いクソども、数だけは大層だなぁ!?
 だがいいぜ! 俺様も殺しがいがあるからよ! さっさとくたばれ!!」
『こ、こいつ……がぼっ!?』
 邪悪と嗜虐を愛するスカムキングをして、その狂気には当惑した。
 何がおかしい。何が愉しくて斯様に笑う。笑いながら死地を走る。
 オブリビオンにすら理解できぬ狂気。それこそが永一"たち"の武器だ。
 超自然の竜巻と張り合うように荒れ狂う、狂気と暴力という名の嵐は、
 ついに残存するスカムキングどもを吹き飛ばし、血路を――開いた!

「――ここね」
 そのとき、ヒルデガルトは、おもむろに銀のコインを指で弾いた。
 直後、浄化のオーラを纏うその五体は、白く輝くプラズマと化す。
 狂った盗人の刃が、最期に立ちはだかった敵の群れを吹き飛ばした、その一瞬。
 矢のように、剣のように、あるいは気高きその志そのままに。
 まっすぐ一直線に――再動せんとする真珠貝めがけ、プラズマが走る!
『『『させるか、ガキが――』』』
「ンな悪あがきを、させるかよ」
 ごう――と、業火が再び渦巻いた。
 光の速度を思わせるほどに、稲妻めいて割って入ったクロウが言う。
「テメェらは終いだ。ここで滅びな……全員まとめて、消えやがれ!!」
 外套が翻る。ほとばしる血のごとき毒液を、煮えたぎる血潮が焼き尽くす。
 そして――ついに、プラズマはすべてを焼き払い、装置を射抜いた。
 再び迸ったグレイスの雷撃とともに、生命エネルギーがほとばしる。
 開放された人々の歓声。パワーソースを喪ったクローンどもの断末魔!
 それを刈り取るのは――勇ましき四人の猟兵たちの、無慈悲なる刃である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジャスパー・ドゥルジー
【狼鬼】
俺がコピーを引き付けてる間に
ザザに装置をブチ壊してもらうぜ

肉を抉り【ジャバウォックの歌】
相棒の炎で群れを焼き払う
俺を仕留めねえ限り混沌の竜は暴れ狂うぜ
殺してみろよ、死なねえけどなァ?
挑発交え自らも前線へ
燃える血をナイフに這わせヘドロ野郎に切り込む
突破しようとする奴を掃討
傷は【激痛耐性】でスルー

クソ、抜かれたか?
間に合わねえ、あの『角度』はマズい
「ザザ!!」
叫ぶと同時に持てるナイフを全て敵に投げつける
少しでいい、逸れてくれ
(死ぬな!!)

「……ハ、しぶとい奴だ」
ザザの無事を悟り
今までの狼狽を悟らせないようにニヤニヤ笑み

ナイフは全部使っちまった
残る敵へは肉弾戦を仕掛ける


ザザ・クライスト
【狼鬼】

「真正面からナンてやってられねェだろ」

【暗い若者】を発動
視界のドローンと共に透明化

ドローンで【情報収集】
リンクしたサイバーアイが最短ルートと狙撃ポイントを導き出す

ジャスパーをインカムで誘導して装置を目指す

「敵を惹きつけろ。その隙に突破する」

"牙"を鋼糸形態でワイヤーアクション
【忍び足】で狙撃ポイントに

アラーベルガーに【呪殺弾】を装填
【スナイパー】の本領発揮

「静かに、清らかに」

ブッ壊れるまで叩き込む

オレに気づいた敵が雪崩れ込む

片目を失って生じた隙、死角からの一撃、だった

「──あァ、オダブツだ」

唇を吊り上げる
首を捻り、頬を皮一枚切り裂かれながら鮮やかな回避

「派手に踊るぜ、ロックンロール!」



●死闘、あるいはタガの外れたロックの旋律
 戦場はひとつではない。停止すべき装置も一つに限らない。
 たとえば此度、有象無象に立ち向かったふたりの猟兵がいる。
 それぞれの名を、ジャスパー・ドゥルジーとザザ・クライストと云った。

 どんな敵が相手であれ、ジャスパーが隠れ潜んだりするようなことはない。
 真正面から挑み、挑発して己を殺してみせろとシラフで云ってみせる。
 あるいは常に狂気と血に酔っているのか――余人には定かならぬことだ。
 見渡す限りの汚泥の王に対し、己の肉をえぐって立ち向かうさまは、
 自暴自棄を通り越してオブリビオンの狂気すらも上回っていよう。
 されどそこから混沌の竜が現れた時、スカムキングどもは一様に呻いた。
「あァ? どうした、無敵の軍勢サンよォ! 殺してみろよ、俺を!
 ――殺されたって死なねえけどなァ? ハッハァ!!」
『『『ほざきやがれ、イカレ野郎が!!』』』
「褒め言葉だねェ、だが残念だぜ。あんたらその程度かよ!!」
 燃える血を刃に這わせ、ジャスパー自身も死闘の渦へ飛び込んだ。
 切り裂く。ヘドロめいたその肉体を、悲鳴を上げる情婦もろとも一撃で。
 慈悲。躊躇。あるいは敵への恐れ。刃を鈍らせるものはなにもない。
 傷を負おうと、毒素によって汚染されようと、ジャスパーは止まらない。
 荒れ狂う混沌の竜もまた同様。炎は何もかもを焼き尽くすように荒れ狂う。
 それはまるで、獲物を求めてのたうち回る餓死寸前の獣めいていた。
 死をよこせ。己のものでもいい、お前ら有象無象のものでもいい。
 死こそがこの空虚を満たす。法悦をもたらす。傷では足りぬのだ。噫!
 ジャスパーは酔っていた。戦場のもたらすスリルを高揚に。
 だが――此度ばかりは、それだけで終わるわけにはいかない事情があった。

 そう、この場に同行したはずのザザである。
 彼は今どこに? ……狂乱と混迷の戦場のすぐそばにいる。
「相変わらず派手に暴れやがる。おかげでこっちは上手くいったがよ」
 透明化することで、装置を停止させるための狙撃ポイントを見出したザザ。
 ジャスパーは陽動だ。この手の仕事に関してあれより優れた狂人(やつ)は居まい。
 呪殺の弾頭を装填し、彼奴らの首根っこ、逆鱗を狙撃して破壊せしめる。
 静かに。清らかに。ワイヤーがその身を宙へと運んだ。
 無数の目と意識を盗むようにして、ザザは堅く守られた真珠貝へ迫らんとする。
 ジャスパーの狂ったような笑い声が背中を叩く。ザザは振り仰がない。
 あいつならうまくやる。なにせ殺しても死なないような手合だ。
 己もまた己の仕事を果たすべし――さあ到達した。仕上げの時間といこう。
「ブッ壊れちまえよ――!」
 BLAM! BLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAM!!
 いかなる神話生物であろうが、その外皮を貫き殺傷せしめる銃をして、
 一撃では片付かない。ドクター・アトランティスの科学力がゆえか。
 反動を厭わぬマズルフラッシュが戦場をつんざき、敵の耳目を惹いた。
『陽動か!? 小賢しい真似しやがる!』
『ただで済むと思うなよ? てめぇから血祭りだァ!!』
 そして敵が来る! ザザは振り返らぬ。ひたすらにトリガを引く!
「邪魔すんなよ、いまいいとこなんだ、あと少しなんだよ……!」
 BLAM! BLAMBLAMBLAM!! 死が来たる。生存本能が危険を告げている。
 厭わぬ。ザザはただ、装置のようにひたすらトリガを引き続ける……。

 その時ジャスパーの胸中をかき乱したのは、彼らしからぬ感情だった。
 法悦の熱はウソのように失せ、極度の緊張が主観時間を鈍化させる。
 ザザに殺到する敵。攻撃が彼を苛む。ザザは厭わず、トリガを引き続ける。
 KRAK――真珠貝にヒビが走った。クローンの再生と生成が停止する。
 敵はそれに厭わず、怒りのままにザザを殺そうとした。
(間に合わねえ)
 あの角度はマズい。そう思った直後、ザザの頭部に危険な一撃。
 遠目に見ていてもわかる。片目をやられたか。そこに続く追撃……あれは!
(やめろ)
 それは、殺戮と自傷の高揚に酔いしれた男とは思えぬ思慮だった。
(ザザ――死ぬな!!)
 あるいは、言葉のままに叫んでいたかもしれない。
 きっとあいつのことだ、"あァ、オダブツだ"だなんて皮肉げに嗤って、
 これもひとつの終わりと受け入れてやがるに違いない。
 それは、厭だ。それは断る。そんな死はほしくない。認めない!
 すがるような気持ちとともに、擲った鋼が――スカムキングの腕に刺さった。
 わずかに。ハンマーめいてザザの頭部を吹き飛ばすはずだった豪腕が、
 わずかに逸れる。ザザもまた、首をかしげるようにしてそれを避けた。
 頬一枚。裂けた血の滴が散るなか、ザザは思ったとおり皮肉げな笑みで、
 片眉を吊り上げたまま、彼を――ジャスパーを、しかと見た。
 視線が噛み合う。ジャスパーの主観時間が戻る。混迷と狂乱が彼を迎える。
「……ハ」
 唇を吊り上げる。あの男のそれを真似するように。
「ハ、ハ! しぶとい奴だなァ、オイ!!」
「当たり前だろうが。それとも心配したのか、ア?」
「ハ――バカ言えよ。オラ、それよかまだまだ仕事だぜ?」
 ニヤニヤと道化師めいた笑みを貼り付けて、ジャスパーは言ってみせる。
 然り。装置は破壊した。残る敵は数百体以上、だが。
「他愛もねェな」
「あァ。競争しようぜ、スコアレースだ」
「悪くねェ。ンじゃまァ――」
 男たちはともに不敵な笑みを浮かべ、声を揃えて言った。
「「派手に踊るぜ、ロックンロールッ!!」」
 そして雲霞のごとき敵へと、狂ったような勢いで飛び込む!
 パーティはクライマックスだ。ここからが己らの本領だ。
 さあ、死をよこせ。クズはクズらしく、死んで滅びて塵と化せ。
 男たちの呵々大笑が、混迷の戦場にこだまする――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リヴェンティア・モーヴェマーレ
ネロさん(f02187)と一緒!

なんだか凄く毒々しいですネ…
あんまり攻撃に当たりたくない気持ち…

管狐さん達を召喚して相手のまとめて捕縛し、ネロさんの攻撃が当たりやす様にサポートでス!
管狐さん達!隙あらば噛みついちゃってもいいですヨ!

その間にハッキングなどを駆使して元の装置がある場所を探ってみマス
もし見つけられた場合は、その場所を共有し全力魔法でぶち壊しに行きたい気持ち!

気休めカモしれないですガオーラ防御を付けられる対象全員に付与し耐久力上昇

終了後ネロさんが傷ついてた場合は邪魔にならない場所に移動し医術で応急手当を施したい気持ち
ネロさん…?疲れてしまったのでしょうカ?
起こさない様静かにしてまショ


ネロ・バロック
リヴェンティア(f00299)と参加!

うへぇ、これまた気持ちワリィ奴等がわんさかと…
纏めてたたっ斬ってやるから覚悟しやがれ!(剣が汚れちまうなァ…)

羅刹旋風で片っ端からぶっとばしてやるぜ
隙がある技だからよ、ティアにサポートしてもらって使うか
こんだけいると無傷って訳にもいかねえからなあ…ダメージ覚悟で敵陣に突っ込むぜ
生命力吸収と残像で多少なり被ダメを軽減しつつ、乱戦に持ち込んで敵の動きを制限だ

「ばっちい奴らがウジャウジャと鬱陶しいんだよ!汚物は俺とティアで消毒してやるぜ!」

装置の場所が分かったらそっちの方へ道を拓く!

終わったらティアに傷治してもらうか…疲れきってたら胸に顔埋めちまおう、スヤァ…



●K・フロア/大群を越えて
 一度始まった物事は、いつかは必ず終わりが来るものだ。
 どんな戦いであろうとも、火蓋が切られたならばやがて終結する。
 スカムキング――強大なるジェネシス・エイトの一、そのクローン体は、
 一様に己らの勝利を確信した。疑う余地など、欠片もなかった。

 なかった、はずであった。
 だが、数多のクローン装置は次々に破壊され、停止され、
 囚われた人々は次々に開放され……無限のはずの己らは駆逐されていく。
 オブリビオンとなったことで忘れたはずの、自己喪失の恐怖。
 それをすべてのクローン体が感じたのは、奴らの愚行の代償と言えよう。
『負けるのか、俺様が?』
『ありえねぇ。ありえねぇ!』
『てめえらが勝つなんざ……ありえねえんだよ、猟兵どもォ!!』
 最後の一つ。クローン装置を護るように、残存するすべての個体が集結した。
 これに挑むのは……あろうことか、たったふたりの少年少女である。
「ばっちい奴らがウジャウジャと鬱陶しいんだよ! 汚物は消毒してやるぜ!!
 ティア、遅れずについてこいよ? こんな数じゃ無傷たぁ行かねえからな!!」
 身の丈を越える魔剣を強引に振り回し、ネロ・バロックが進む道を切り開く。
「もちろんデス! こんなばっちいヒトたち、すぐ片付けたい気持ち!」
 そのあとに続くリヴェンティア・モーヴェマーレは、素直に頷いた。
 リアルタイムのハッキングによって、進むべき最短ルートを見出し、
 大振りなネロの斬撃が生む隙を、管狐たちの使役によって埋め合わせる。
 己らを迎撃しようとしたスカムキングの手足に管狐たちが絡みつき、
 動きを止めたところを旋風じみた一撃が薙ぎ払う、というコンビネーションだ。
『クソッ、ガキごときが……!!』
「ああ、あんたっ、まずいよ! このままじゃクローン装置が!」
 苛立つスカムキングに、一体化した情婦・アシェリーが悲鳴めいて叫んだ。
 怒号と憎悪が飛び交い、それを黒き旋風めいた斬撃が切り開く。
 斬撃ごとにその穢れた生命力を啜り、ネロは前に進むための活力とした。
 終わりのない戦い――だがふたりには勝算がある。そして!
「!! ネロさん、発見デス! ここから2時の方向!」
「よォし!! 全力で行くぜ、ついてこいッ!!」
 ハッキングによるクローン装置の位置探索が成功したのだ!
 リヴェンティアは自分たちの周囲に防護フィールドめいてオーラを展開し、
 足を止めることなく走る。降り注ぐ汚泥を拭うことも厭わしい。
『させるかよ!! テメェらはここでおしまいだァ!!』
「そりゃこっちの台詞だ! おいティア、ドデカいのぶちかませるか!」
「待ってましたの気持ち! 準備おっけーデス、ネロさん!」
 ネロはその言葉に、にぃいと不敵な笑みを浮かべた。
 そして、敵の反撃を考慮しない、大ぶりかつ無造作な乱撃を放つ!
 当然のように、スカムキングのカウンターがその体をあちこち切り裂いた。
 だが厭わぬ。リヴェンティアのための隙を産めればそれでいい。
 そして――ふたりを中心に、大きな魔法陣が足元に広がり、輝いた。
『『『何……!?』』』
「邪魔なモノ、ぜーんぶ吹き飛ばしちゃいマス! えいっ!!」
 KRA-TOOOOOOOM!!
 破壊力のみに特化した魔力の塊めいた全力の魔法攻撃が、敵陣に炸裂した。
 たとえるならそれは、ガソリンでパンパンになったドラム缶のようなもの。
 純粋な魔力は衝撃によって爆ぜ、炎が渦巻きスカムキングを吹き飛ばす!
 いや、それだけではない――探知したクローン装置もまた同様!
『『『し、しま――』』』
「迂闊だろ。まだ戦いは終わってねぇぜ? おらよォ!!」
 敵の足並みが乱れたその瞬間、簒奪はネロの刃がによってもたらされる。
 獲物を刈り取る死神の大鎌めいた斬撃がひとつ、ふたつ、十、二十!
 まさに竜巻のような刃の嵐が、遺された汚泥を刈り取るのだ……!

 ……ほどなくして、暴威は過ぎ去り静寂が訪れた。
 戒めから開放された人々の、歓声と感謝の声もどこか遠い。
「ネロさん、手当はこれで終わったデスよ」
「ああ……いやしかし、あんだけの数はさすがに疲れるぜ……」
 物陰で治療を終えたとたん、ネロはへたりとリヴェンティアに寄りかかった。
 いきなりのことにリヴェンティアが驚いて受け止め損ねると、自然、
 少年の頭は少女の豊かな膨らみに抱かれる形となる。
「わわっ、ど、どうしまシタ? どこかまだ傷が――ネロさん?」
「……Zzzz……」
 普段の彼の荒々しさとは打って変わった、穏やかな寝息。
 リヴェンティアはきょとんとしたあと、ふっと穏やかな笑みを浮かべる。
「しょうがないデスね、もう」
 声を潜め、そのまま眠るに任せて抱きとめてやる。
 殺戮のあとの、次の戦いまでの穏やかな一時。
 少年の年相応の寝息が、少女の耳に心地よく響いていた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年11月26日


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト