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アースクライシス2019⑬~蜘蛛型ペットロボット発進!

#ヒーローズアース #戦争 #アースクライシス2019 #ラグランジュポイント


「皆さまのご活躍によって、ラグランジュポイントへの侵攻がはじまりました! ここはたくさんの宇宙船がぶつかってできあがった島のような場所になっており、捕らわれた住民たちが奴隷のようにオブリビオンたちの下で働かされているのです」
 黒弗・シューニャ(零・f23640)は痛ましげに顔を伏せると、「なので!」と声を張り上げた。
「皆さまにはこの島を支配しているオブリビオンを倒し、その勇姿をもって住民たちを奮い立たせて欲しいのです。彼等の戦闘力はさほどでなくとも、数ではオブリビオンたちを圧倒することができるでしょう」

 だが、いったいどうやって虐げられている住民たちに矜持を取り戻してもらおうというのだろうか?
 猟兵たちの疑問にシューニャは「これです!」とその映像を公開した。

 鋼の丸いフォルム。
 狭い所でも機動力を失わない多脚型。
 そして、つぶらな丸い眼球代わりのレンズ。
 ――どこからどう見ても、蜘蛛型のロボットだ。
 それ以外の何者にも見えない。

「その通り、住民たちの開発した蜘蛛型戦闘用ペットロボット『ブイブイ』であります。喋れはしませんが言葉は理解して簡単なコミュニケーションがとれますし、重力制御によって壁だろうと天井だろうと自由自在に走り回ることが可能。皆さまにはこの『ブイブイ』に乗って、島を占拠している『ちゅんちゅんさま』を一掃して頂きたいのですわ」

 それぞれの『島』には、その『島』の住民が誇りとする武器や戦い方がある。
 そして、この『島』の住民にとっては、『ブイブイ』がそれというわけだ。
 猟兵達が『ブイブイ』を乗りこなし、オブリビオンを撃破する所を住民に見せれば、彼等の矜持を呼び覚まし、オブリビオンに立ち向かう勇気を鼓舞する事が出来るに違いない。

「彼等の力を得られれば、きっとオブリビオンの手から『島』を解放することができます。皆さま、何卒よろしくお願い申し上げますわ……!」


ツヅキ
 蜘蛛が好きです。ツヅキです。
 こちらのシナリオでは、狭い宇宙船間を飛び回って逃げる『ちゅんちゅんさま』を蜘蛛型戦闘用ペットロボット『ブイブイ』に乗って追跡、排除して頂きます。

●ブイブイ
 ・大きさ1.5mほどの蜘蛛型ロボット。言葉による簡単な意思疎通ができ、その背に騎乗(座り乗りでも立ち乗りでもOK)してあらゆる向きの高速移動を行える。
 ・武装は蜘蛛の巣型特殊鋼ワイヤーによる捕獲と、雷撃牙による噛み付きで相手を動けなくさせることの2種類。

 基本的には『ブイブイ』を移動・捕獲手段に使い、とどめはユーべルコードなどを使って倒して頂く流れになります。
 この謎兵器を使いこなして頂けるとプレイングボーナスです。

 プレイングは11/22のお昼頃までの受付予定です。
 頂いた順に個別で判定・執筆します。

 蜘蛛に乗って戦う……ロマンだとは思いませんか!
 同志をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『ちゅんちゅんさま』

POW   :    頑丈なくちばし
単純で重い【くちばし】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    鋭い翼
【翼】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    羽根ガトリング
レベル分の1秒で【翼から羽根】を発射できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
フィーナ・ステラガーデン
蜘蛛とか気持ち悪いわよ!
あれ潰れたらぶわーって小さい蜘蛛がでてきて・・んん?
何よあんた、言葉わかるの?手を振って何か言いたいのかしら?
よく見るとつぶらな瞳してるわね?
(一つの友情がうまれた瞬間であった)

と!いうわけで!
いくわよシルバー!(ばっちり蜘蛛に乗り勝手に名前を付けていく子)
私達のコンビネーションで八つ裂きよ!
移動は完全に蜘蛛に任せるわ!ワイヤーを使って壁を立体移動しつつ翻弄するわ!
蜘蛛がワイヤーを使って壁から壁を移動ジャンプをした直後に空中で地面を薙ぐUC使用
着地後【属性攻撃】で炎で焼却するわ!
んっふー!私達に敵無しよ!
(シャキーンと蜘蛛両前足を挙げ決め)

アレンジアドリブ連携大歓迎!



●第1章 『それゆけ、ブイブイ猟兵隊!!』

「ペットロボットって言うけれど、蜘蛛とか気持ち悪いわよ! あれ潰れたらぶわーって小さい蜘蛛がでてきて……んん? へえ、いっぱいいるのね!」
 ぶつくさと文句を言いながらも島の住民たちの案内でにブイブイの世話をしている区画までやってきたフィーナ・ステラガーデン(月をも焦がす・f03500)は、人懐こく足元までやってきたブイブイがもの言いたげに手を振っているのを見て首を傾げた。
「何よあんた、言葉わかるの?」
 こくりとブイブイは頷き、頭の先でフィーナの脚を軽く突いた。まるで、早く上に乗れと言っているかのようだ。
 フィーナはぱちくりと瞬きして、ブイブイの前にスカートの裾を抑えてしゃがみ込み、感歎の吐息をこぼした。
「ふうん……よく見るとつぶらな瞳してるわね? 体は固そうで潰れたりもしなかそうだし。よし、私のパートナーはあんたにするわ! 名前は――そうね、シルバーよ!」
 手綱代わりにブイブイの肩へ装着された操縦桿を掴み、フィーナは一番乗りで飛び出した。
「まるで空を跳び回ってるみたいだわ! ふふ、これなら相手が鳥だろうと何だろうと追いつけるわよ!」
 移動はシルバーに任せ、フィーナは額に掲げた杖に魔力を込めて炎の呪文を紡ぎ始める。
 ――ちゅんちゅんさまの背中が見えた!
 ブイブイは射出したワイヤーを天井付近の壁に引っ掛け、一気にそれを巻き取ることで空を滑走。
「ぴぴッ!?」
「追い抜いたわ! シルバー、上を取れる?」
「キィ!」
 ぐっ、とシルバーの脚が縮まって勢いをつけ、壁を蹴る。高い。髪をなぶる大量の酸素を含んだ風が杖を中心に渦巻き、それらを素に生み出された高熱量の熱線が地上へ向けて薙ぎ払われた。
「ぴぴぃッ!!」
 丸焦げになるのは御免だい! とばかりに退路を探すちゅんちゅんさまを、シルバーから飛び降りたフィーナが着地と同時に炎魔法で完全焼却完了。
「んっふー! 私達に敵無しよ!」
 後ろ立ちになって両方の前脚を伸ばしたシルバーと鼻歌混じりのハイタッチ。
「キキッ♪」
「さー、この調子でドンドン殲滅してやりましょ! 第2戦、いくわよシルバー!」

成功 🔵​🔵​🔴​

泉・火華流
この子を活躍させてあげればいいのよね

普段はレガリアス・エアシューズで駆け巡ってる子


事前準備
『スチームエンジン』をブイブイに使用、機動力上昇
【メカニック・武器&防具改造】で攻撃力・守備力…と、ワイヤー強度UP

どうせなら、(護身用とかで)色々と着けたかったんだけど…
それは、すべて片付いたあとの話…と

戦闘
それじゃあ…ブイブイちゃん、レッツゴー♪

ブイブイに乗ってナイトメア・シザーズ(風車刀形態:柄の両端から刃が伸びている)を旋回させて羽根ガトリングを防御

ブイブイの蜘蛛の巣型特殊鋼ワイヤーでちゅんちゅん様を捕縛してもらい…とどめに『もふり殺す』(もふられる事のストレスで消滅するまでもふります)



「それじゃ、ちょっとおとなしくしててね……大丈夫! 痛くないよ。すぐに終わるからね」
 ちゅいーん。
 きゅるきゅるきゅる……ばこん。
 がきんっ!!
「できた!」
 泉・火華流(人間のガジェッティア・f11305)は油で汚れた額を肘でぬぐった。
「名付けて、ブイブイスチームバーニア改! スチームエンジンで機動力アップ、ワイヤー強度なんかも増強して攻撃面・防御面ともにかなりの性能が上昇してるはずだよ」
 頭を撫でると、ブイブイは嬉しそうに体を揺らした。
「ほんとうは、もっといろいろ弄りたかったんだけど……それは、すべて片付いた後で、ね」
 火華流はにっこりと微笑み、操縦桿を取ってその背に乗った。
「それじゃあ……ブイブイちゃん、レッツゴー♪」
「ぴぴいー!!」
 追手に気づいたちゅんちゅんさまが高速で翼を回してガトリングウイングショットで迎え撃つのを、火華流は風車のように両刃の武器を回転させて弾き返す。
「いまだよ、ブイブイちゃん。お願い!」
「キッ!」
 強化されたワイヤーによる捕縛はちゅんちゅんさまがいくら暴れても解ける気配がなく、満面の笑みで近寄る火華流の両手がわきわきと動くのを戦慄して見上げるしかできない。
「ぴぴ、ぴぴぃ……!?」
「そーれ、もふもふもふもふもふもふもふもふ!!」
「ぴぴぴぴぃッ!!」
 散々もふられたちゅんちゅんさまはぴくぴくと震えながら消滅していった。『もふり殺し』恐るべし……!
「ふう、満足!」
 戦いを終えた後で、火華流はとても幸せそうにそう言ったという。

成功 🔵​🔵​🔴​

闇之雲・夜太狼
ライアーヒーロー「クライウルフ」参上!
俺が来たからにはお遊びはここからだよ!

なにこれなにこれ!?
乗っていいの?
一番元気そうなのがいいなー
よーし、ブイブイ!君に決めた!
立ち乗りしてブイブイデサントだ!

さあ、走りまくれ!ブイブイ!
攻撃されそうになったら、ブイブイに【念動力】を働かせて、
一瞬の【空中浮遊】で緊急回避!
クモの巣ワイヤーで積極的な捕縛行動をとらせるよ

捕縛に成功したら、ブイブイを掴みながらUC発動!
ブイブイごと縮小して、弾丸のように強くなった俺とブイブイでダブル体当たりだ!



「さあ、走りまくれ! ブイブイ!」
 闇之雲・夜太狼(クライウルフ・f07230)はブイブイの中で1番元気そうに駆け回っていた個体を名指しすると、紫色のマントを翻してその背に飛び乗った。
「ちゅぴぴぃ!」
 此方を敵だと認識したちゅんちゅんさまがキラリと目を光らせ、急降下してくる。だが、夜太狼はブイブイを念動力で浮かせ、鋭い刃と化した翼は敢え無く空ぶった。
「ぴぴッ!?」
「そんな馬鹿なって顔だね! けど、隙だらけだよ! ブイブイ、クモの巣ワイヤーだ!」
「キュィ!」
 阿吽の呼吸で射出されたワイヤーががんじがらめにちゅんちゅんさまを掴まえることに成功。
 会心の笑顔を浮かべた夜太狼はブイブイの背に捕まるような格好でその背を両手に掴むと、弾丸のように小さくなった。しかもただ大きさを変えただけではなく、強い伸縮性と弾力性をもった恐るべき武器に――だ。
「さあ! ブイブイと一緒にダブル体当たりだ!」
「ぴぴーッ!!」
 風を切り、動けずにいるちゅんちゅんさまを見事にストライク。もとの大きさに戻った夜太狼は嬉しそうにブイブイの頭を撫で、拳を高々と突き上げた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アラン・スミシー
これはハンターかそれとも騎兵か
まあどちらでも代わりはしないか

さあバースト、短い間だが少し付き合ってもらおう
…?
ああ、この蜘蛛の名前さ。あったほうが呼びやすいだろう?

バーストの力を引き出し力を見せるのなら、私の手はなるべく動かさない方が良いね。とは言っても何もしないわけには行かないか
…よし、追い込み猟だ。この鳥に銃弾を放って印象付けさせて袋小路に誘導するとしよう、そこにワイヤーを放ってもらえば捕獲からの牙で完全に動きを封じることができそうだ。あとは止めの銃弾を放つだけ

おそらく設計思想的に複数で追い込むタイプのマシンなのだろう?
なら大丈夫だ、住人たちで使えばこの程度の相手ならなんとでもなるさ



「あの、本当にこの子たちを使って戦われるおつもりなんですか?」
 不安げにブイブイを貸し出す住民たちに、アラン・スミシー(通りすがりの・f23395)は被っていた帽子を脱いで飄々と言ったものだった。
「戦うつもり? それだけではない。できるだけこのバーストの力を引き出して勝つつもりさ」
「バースト?」
 首を傾げる相手に向けて、アランは微かに口元をほころばせた。
「ああ、この蜘蛛の名前さ。あったほうが呼びやすいだろう? それでは、ゆこうか。バースト」
「キッ」
 名前もらったブイブイはその場にうずくまり、自分からアランが乗りやすいような体勢をとった。
 頭上でちゅんちゅんさまの鳴き声が反響して聞こえる。
 島は幾つもの宇宙船がぶつかり合う形で成り立っており、ちゅんちゅんさまと言えども伸び伸びとは飛ぶことができないと思えた。
「……袋小路へ追い込むぞ」
 操縦桿を取ったアランは幾重もの魔法陣が展開する銃口を空へと向ける。威嚇するように、発砲を数回。
「ぴちちぃ!」
「いまだ、バースト!」
 バーストの吐き出したワイヤーが行き止まりに追い込まれたちゅんちゅんさまを磔にしたところへ伸し掛かり、獰猛な牙を首筋に立てる。
「捕まえた!?」
 近くの宇宙船の窓から見物していた住人たちの間から歓声が沸き起こった。まさか本当にブイブイを使ってオブリビオンを倒せるとは信じていなかったのだろう。だが、猟兵たちはそれをやり抜いたのだ。
「こいつは設計思想的に複数で追い込むタイプのマシンなのだろう? なら君たちでもきちんと作戦を立てればこの程度の相手なら問題ない」
 アランは指先で回した銃を突きつけると、わざとゆっくりと時間をかけてその引き金を引いた。
「――これは、反逆の烽火だ。一度占拠したからといって、彼等をいつまでも虐げられるとは思わないことさ」

成功 🔵​🔵​🔴​

アマネク・アラニェ
アドリブ連携OK
*心情*
「フフ、こんにちはブイブイちゃんたち。アナタたちを作った人はいい趣味してるわ」
蜘蛛型のペットロボットのビジュアルとスペックを
大変気に入りにこにこしてしまう。
こんな趣味のいい人を害すオブリビオンは例え可愛らしい小鳥の姿でも許さないわよ。

*行動*
《電脳ゴーグル》を着けブイブイちゃんの背中に座る。
《寄眼》を具現 させて周辺『情報収集』、指定UCで出した蜘蛛型兵器で辺りの『地形利用』し敵を特定地点へ『誘惑』。
一見何もないそこの天井か物陰からブイブイで『だまし討ち』して鋼ワイヤーで『釣り』上げようとするわ。
捕まえた相手に蜘蛛型兵器とブイブイの背中に乗せた《呼鉄》から『一斉発射』!



 借り出したブイブイの背に腰を下ろしたアマネク・アラニェ(ユビキタス・アラニェ・f17023)は、何やらごそごそとその背中を弄って武装のようなものを取り付けている。
 よほどこの蜘蛛型ペットロボットがお気に召したらしく、彼女は見た瞬間に前から横からそのビジュアルを堪能し、住民からもらったスペック表を読み上げて口笛を吹いたものだ。
「よし、これでOKよ。もともと素敵だけど、さらに格好よくなったじゃない?」
 アマネクは満足げに微笑むと、装着した電脳ゴーグルを通して蜘蛛型情報収集プログラム《寄眼》の収集した情報を共有。
「なるほど、北東の辺りに巣があるのね? ちょうど近くに戦いやすそうな広場があるから、そこへ誘導してあげましょ」
 くすりと喉を鳴らすアマネクの周囲に蜘蛛型の機体兵器がわらわらと姿を現した。
「ぴゅちちッ!?」
 驚いたようなちゅんちゅんさまの鳴き声を捕捉し、包囲網を狭めていく。
「そうよ。すこーしずつ、誘き出して……」
 不気味な機械兵器が気になるのか、ちゅんちゅんさまは羽を飛ばしてこれを攻撃。しかし、機械の蜘蛛たちは物陰に隠れつつ、後ろ向きに後ずさりながらアマネクの指定した地点まで敵を誘導していった。
「――チャンスよ、ブイブイちゃん」
 合図と同時に天井から放たれたワイヤーのネットがちゅんちゅんさまを一網打尽にして吊り上げる。
「ぴゅちーッ!!」
「飛んで巣に入るオブリビオンの鳥ね。さあ、やっておしまいなさい。かわいい子たち!」
 周囲を取り囲む蜘蛛型兵器とブイブイの背中に装着させた武装プログラム《呼鉄》の砲口がずらりと揃い、タイミングを揃えて一斉射撃――!
 フン、とアマネクは背から生えた蜘蛛の脚を腰に当てると威勢よく啖呵を切った。。
「ブイブイちゃんみたいなペットロボットを作る趣味のいい人を害したのが過ちね。蜂の巣になって反省しなさいな!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

御形・菘
蜘蛛に乗る、その発想は無かった!
妾は騎乗してバトることはないのでな
足での指示・操作が根本的に対応不可能なので、言語指示で動くなら嬉しいのう
この独創的なビジュアル、妾が身を任せるに相応しい!

右手を上げ、指を鳴らし、スクリーン! カモン!
はーっはっはっは! 元気かのう皆の衆よ!
今日の妾は、イケてるパートナーとタッグを組んでのバトルだ! 名前は芹!(勝手に命名!)
さあ此奴にも応援を送ってやってくれ、きっと喜ぶ!

はっはっは、蜘蛛と蛇で鳥を狩る! まさに自然の摂理ではないか! 待てー!
お主の見せ場だ、どいつを狙うかは任せよう
捕獲をしたら左腕でボコる!
ガトリングはきっちり左腕でガードするぞ、当然芹もな!



 ラグランジュポイントに散らばる『島』はそのいずれもが宇宙船同士がぶつかり合ってできた鉄屑の塊であり、遠目から見ると『墓場』という言葉さえ頭をよぎる。
 そんな曰くのありそうな場所を蜘蛛に乗って疾走する異形の怪物がいた。
「なんだあれは?」
「新手の敵か……いや、でも俺たちの作ったブイブイに乗ってるぞ」
 宇宙船の窓から身を乗り出す住民たちの視線を快く受け止めた御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)は高々と掲げた右手の指を鳴らし、戦場を幾つものスクリーンでにぎわせた。
「はーっはっはっは! 元気かのう皆の衆よ! 今日の妾は、イケてるパートナーとタッグを組んでのバトルだ! 名前は芹!」
「お、おー!?」
 雰囲気に呑まれ、住民たちも釣られたような歓声を発した。
 もの珍しい相棒を得て、菘のテンションも最初からフルスロットルだ。
 蜘蛛と蛇。
 古来より言い伝えには事欠かぬ独創的な組み合わせは、否応なしに怪奇めいた筋書きを配信の華に添えてくれるのだった。
「のう、芹よ? 今宵はお主にも多くの声援が寄せられておるぞ。あれを見るがいい」
 住民たちの躊躇いがちな応援風景にスクリーンが切り替わった途端、ブイブイこと芹は俄然やる気を出したようだ。ギアを上げ、ちゅんちゅんさままでの距離を一息で詰める。
「さあ、どいつを狙う? 好きなのを選ぶがよい!」
「キュキィッ」
 芹は助走をつけて跳躍し、ひと際高いところを飛んでいたちゅんちゅんさまの後背に脚を絡みつかせた。
「ぴぴちぃッ!?」
「ふん、このようなものが効くとでも思うたか!」
 びっくりしたちゅんちゅんさまの翼がぐるんぐるんと回転して飛び出す羽刃は菘の左腕によって呆気なく弾き返される。
「喝ッ! この島は住民たちのものであるぞ、疾く去ぬがよい!」
 渾身のレフティスクリュードライバーと共にその暴虐を喝破する菘の勇姿に喝采は鳴りやまず。
「ぴー!」
 配信の終わりを知らせるBGMと共に、ちゅんちゅんさまは星になった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

パウル・ブラフマン
どもー!
エイリアンツアーズでっす☆
今日は今超話題のペットロボット
ブイブイさんに密着取材しちゃうよ♪
ヨロシクね、ブイブイさん!(【コミュ力】全開で朗らかに)

ブイブイさんの脚とタコの脚
コレを合わせればなんか無敵な気がするよね!
持ち前の【運転】テクを存分に発揮し
背に跨るように【騎乗】して猛然と天井を【ダッシュ】。

ホラー映画さながらの図になりながらも
交戦時はこの日の為に作曲した登場テーマ曲
『ブイブイ・イン・ダ・ハウス』をガチ【歌唱】(UC発動)。
ブイブイさんのワイヤーで捕獲した
ちゅんちゅんさまをKrakeで【制圧射撃】ィ!
アハハ☆腕の多さとスピードで
オレらに勝てるとでも思ってるのかな?

※アドリブ歓迎!



「whew!」
 パウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)はブイブイの丸い背を跨いだ格好で天井を逆さまになったまま疾駆。
 無敵。
 体の奥底から沸き上がる熱狂を抑えきれず、吼えるように笑う。
 ここは宙の上。今超話題のペットロボットと往くちゅんちゅんさま討伐ツアー。事前の密着取材によれば、ブイブイさんの好物は添加物の少ない純正不凍水冷液とのことです。
「ぴ……!?」
 物陰から飛びかかられたちゅんちゅんさまは、その異様な影に身震いして動きを止めた。
 タコの脚と蜘蛛の脚の競演。
 触手をおっぴろげ、ブイブイに跨ったパウルの姿はまさにホラー映画さながらの恐怖。
 ――ブイブイ・イン・ダ・ハウス――。
 パウルの握り締めるハンドマイクの側面に、登場と同時にかかったテーマ曲のタイトルが表示された。
 偶然その場に居合わせた住民は、後にその戦いの様子をこう語る。
「ガチでしたね」
「ああ。本気の熱唱でした」
 神妙な顔で、彼等は他の住民たちにも語り継いだ。
 ――たこ脚を背負ったイキのいい若者が、ブイブイ歌い叫びながら敵を木っ端みじんに制圧してくれたのだと。
「アハハ☆ 腕の多さとスピードでオレらに勝てるとでも思ってるのかな? アンコールいくよ、ブイブイさん♪」
「キュィンッ」
 星々の瞬きを逆光に、二人の黒い影がラグランジュを駆け抜ける。後日、その姿を描いたバッヂが非合法で出回ったとかなんとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヒルデガルト・アオスライセン
なんですのこのスパイダー
なんですのあのバード
ううん…この蜘蛛2機ほど借りられません?

虫の強さの一つ、個々の全てを群れの為に捧げる、無個性で合理的な組織形態
昆虫らしく数と意志統一で攻めます

雷属性&分身で、実態を持った偽ブイブイを量産
光の操作と催眠術を織り交ぜて、実体を持たない偽ブイブイを大量に生み出し錯乱
UC追跡者をブイブイⅡに騎乗

ワイヤーと電磁場で徐々に自由な空間を狭めます
初見ガトリングを分身犠牲に観察
射程・事前動作を記録全ブイブイに伝達・対応
範囲を離れ、ガトリング中の背後を襲い、破損すれば更に学習。相手と対応力勝負

隙を見て実体ブイブイを全て合体変形、ド派手なオーラを身に纏い巨大蜘蛛で体当たり



 空を翔ける白き機影が……2つ?
 それを見かけたある住民は見間違いかと目を擦ったし、また別の住民はそういえばと事の成り行きを思い出すのだった。
 猟兵たちが、ブイブイを借り受けてこの『島』を支配しているオブリビオンに戦いを挑むらしい――と。
「でも、それにしたって数が多すぎやしないか?」
 最初は二騎だったはずのそれが、いまや光操作と催眠による複合魔術によって夥しい数のブイブイ――実も虚も含め――ありとあらゆる隙間をくぐり抜けて進軍する様は黒き波濤の如し。
「意外と乗り心地は抜群ですわね……ッと、追跡者の方があのバードと交戦を始めたようですわ」
 ヒルデガルトの瞳に電子魔術による紋様が発光。
 ブイブイⅡに乗せて先行させた分身が羽弾に全身を射抜かれ、囮となったまま消失してゆく一部始終を精密な記録機器のように分析、伝達。
「キキィ」
 データを送信されたブイブイが大きく動いた。
 一は全、全は一。
 美しいとヒルデガルトは思った。
 群れ全体がひとつの動きとなって、駆ける。襲う。破損してはそのジャックを乗り越え、フィードバック情報を元に最適な行動を導き出す。
「あれを見ろ、ひとつに合体していく……!?」
 ざわりと住民たちがどよめく中、ヒルデガルトは真正面を見据えたまま跨っているブイブイⅠに命じた。
「ワイヤーと電磁場で逃げ場を塞いで。焦らなくても大丈夫ですわ。彼等に注意が向いている隙に、ゆっくりと……けれど確実に――」
「ぴちゅ!?」
「かかりましたわ!」
 動けない。
 ワイヤーが、脚に絡んで――目の前にはびりびりとした稲妻を放つ合体ブイブイ、その巨体がこちらに向かって突進――迫り、激しい衝撃。極彩色のオーラが弾け、ヒルデガルトの横顔を虹色に照らした。
 神々しく、けれど不撓不屈に。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オルハ・オランシュ
本物の蜘蛛は小さいやつでも怖いけれど……
こういうペットロボットならちょっと可愛いかも
君の力を貸してくれる?
私はオルハ
よろしくね、ブイブイ!
そーっと撫でてから乗らせてもらおう

わわ……っ
本当に壁でも走れるんだ!ブイブイすごい!
よし、ワイヤーが最大でどれくらい伸びるのか前もって確認しておこう
掴めてきたよ!

速さはブイブイの方が上だね、これならいけるっ
ちゅんちゅんさまに近寄るのは最短距離に留めるように意識
未だよブイブイ、捕まえちゃって!
ワイヤーを解くと同時に噛みついてね
同じタイミングで私もUCを使うよ
連携が決まったらハイタッチ……は難しくても
タッチくらいはしておきたいな
一体一体確実に仕留めよう



 オルハ・オランシュ(アトリア・f00497)の今晩のお仕事は、蜘蛛型ペットロボットに乗っての鳥退治。
 うまく乗れるかな? オルハはそっとブイブイの前に身を屈め、「はじめまして」と小首を傾げてその背を撫でる。
 くすぐったい? けれど、ブイブイは「いいえ」と言わんばかりに自分から背を擦り付け、オルハの足元に跪いた。
 雑用から暗殺までそつなくこなすオルハにとって、操縦に慣れるまでの時間はほとんど要しなかった。
「本当に壁でも走れるんだ! ブイブイすごい!」
「キキィッ」
「なら、どこまでワイヤーが伸ばせるのがやってみて? いい、私が合図をしたらお願いね。――それじゃ、やって!」
 ブイブイのワイヤーは少し離れた場所へ置き去りにされていた梯子まで到達。なるほど、視界内ならほぼ問題なく使用できそうだ。
 では、本番。
 よーい、どん! でちゅんちゅんさまを追うブイブイは宇宙船の廃材が埋め尽くす足場の悪い路でさえも軽々と乗り越える。
 いつしか、オルハの纏う風の一部がブイブイをも包み込んでほとんどその身を宙に浮かせるほどだった。
「今だよブイブイ、捕まえちゃって!」
「キュィ!」
 ワイヤーが迸り、ちゅんちゅんさまを確保。
 鋭い翼が切り裂いて飛び立とうとするも、止めを与えるはウェイカトリアイナ。黄金に輝きし軽やかなる三叉槍の刃。それと一緒に噛みついたブイブイの牙がちゅんちゅんさまを無事に討伐すると、オルハはブイブイと両手と両脚を触れ合わせ、タッチ&スマイル。
 どんなもんだい! その後も順調に狩り続けた結果、ウェイカトリアイナはちゅんちゅんさまキラーの異名をとったと伝え聞く。三叉槍を携えてブイブイと戦った少女の伝説とともに。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳴宮・匡
蜘蛛、蜘蛛なあ
確かに天井や壁にも張りつけるのは利点かな

追跡行はロボットに乗っていくか
なるべく敵が多くて、密集してる場所がいいな
天井がある区画だとなおいいんだけど
……探せる? うん、大丈夫なら頼むよ

戦闘時は背中から降りておく
別の大事な役目を伝えてあるからな
こちらは射撃で敵を牽制
最初はできるだけ派手に弾をばら撒いて気を引くよ

十分にこっちに注目が集まって、敵が殺到したところで
天井に潜んでてもらったロボットに合図
巣型ワイヤーで一網打尽にしてもらう

一ヶ所に固めちまったらあとは倒すだけだ
網にかからなかったやつから先に片付けるぜ
思いっきり噛みついてやんな
動きが止まったのから仕留めていくから



 なんだか昔を思い出すような場所だな、と鳴宮・匡(凪の海・f01612)は思考の海に身を沈める。『島』を形成する宇宙船のバラック。廃油と土埃の匂い。外敵に制圧された典型的な戦場だ。
 それも、居住区が近い。
「よ、ッと」
 乗っていたブイブイの背から降りた匡は追い詰めたちゅんちゅんさまに銃口を差し向ける。
「ぴぴッ!」
 抵抗する羽刃を狙い撃ち、威嚇及び牽制。驚いたちゅんちゅんさまは、天井――ブリッジに使われる強化ガラス状の天蓋に頭をぶつけて狂ったように飛び回った。
 逃げ場はない。
 匡はそういうところで手を抜かない。
 もし、相手が判断力を持つ敵であったなら、おかしいとすぐに気が付いたはずなのだ。
 凪の海の異名をとるこの男がこれほどまでに派手な発砲を繰り返す、その意図に。
「そろそろ頃合いだ。頼むよ」
 合図と同時に天井裏に潜んでいたブイブイの放った巣型のワイヤーが匡という囮に群がっていたちゅんちゅんさまを一網打尽にしてしまった。
「思いっきり噛みついてやんな。手加減? する必要があるとでも?」
 ちら、と匡は安全なところから見物していた住民たちを振り返る。彼等は最初こそブイブイの活躍に驚いていたものの、次第に緊張を解き、握った拳を振り上げた。
「いいぞ、ブイブイ! やっちまえ!」
「俺たちの島を取り戻すんだ!!」
 蜂起の烽火が広がっていく。
 最初は小さくも、いずれはこの島全体を飲み込むほどに。
 匡は微かに微笑み、網にかからなかったものから一羽ずつ撃ち落としていった。最後にブイブイの毒牙によって動きが止まったものから、順番に。
「これで俺たちの役目は終了。あとは彼らが己の意思で立ち上がる番さ」

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年11月25日


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト