アースクライシス2019⑬~変身せよ、イェーガー!
大気圏外に存在するラグランジュポイントの『島』――宇宙船がぶつかった地点にて。
ここの住民は、様々な外見の宇宙人達だ。
かつては侵略者の奴隷だった善良な人々が、超テクノロジーを活用して暮らしていた。
だが、今はオブリビオンによって支配され、強制労働を強いられているのだ。
「日がな一日、ランニングマシンでマラソン……いい加減に心身病むんだが」
「逃げようとするともっとキツイ作業のある『島』へ移送されるらしいぜ? 見ろよ?」
脱落したものや反抗的な態度の住人たちは、メイドの格好をしたオブリビオンたちに連れ去られていってしまう。彼らが何処へ行き、どうなるのか、ここにいる住人たちに知る由もない。
「まだ延々と走ってたほうが楽だよなぁ……」
「だよな、走ってさえすりゃあ、文句は言われねぇし……」
「つーかテレビ見放題とはいえ、ヒーロー活劇ばかりってのもなぁ。ああ、でも、あの謎兵器を使える奴がいたら、こんなふうにカッコよく戦えるんだろうなぁ……」
住民たちは虚ろな目で今日も訳も分からず走らされるのだった。
「今こそ、ラグランジュポイント解放のチャンスだよっ!」
蛇塚・レモン(白き蛇神オロチヒメの黄金に輝く愛娘・f05152)は拳を握り締めながらグリモアベースで叫んだ。
「住民たちは毎日12時間ぶっ通しでランニングマシンで走らされるという過酷な強制労働に苦しんでいるんだよっ! どうやら、一人乗りUFO製造のための電力の一部を人力で賄ってるみたいだよっ!」
うわ、それって完全に嫌がらせじゃないか……。
「あたいもそう思うよ……。でも反乱の機会は伺っているっぽいっ! 住民たちを勇気づけるためにも、みんなはこの『島』に伝わる謎兵器を使って、オブリビオンをカッコよく撃退してほしいんだよっ! 住民たちの此処の戦闘力は到底オブリビオンに及ばないけど、数の暴力で圧倒できるから、一斉蜂起できれば此方のものだよっ!」
して、その謎兵器とは、一体?
「こういう事ができる魔法の紋章だよ!」
レモンは急にヒーローっぽいポーズをしてみせた。
「ずばり! 『スーパーヒーロー紋章』! なりたいヒーローをイメージして天に掲げると、本当にその姿になれちゃうマジックアイテム! とってもロマンあるよねっ!?」
つまり、ヒーローズアースで本当にヒーローショーをやるのか……!!
「戦闘はカッコよかったり可愛かったりするほど、効果的だよっ! 紋章はひとり1個ずつ住民から託されるから、悪のオブリビオン戦闘メイド『万能派遣ヴィラン隊』を華麗にやっつけちゃってっ!」
なお、男性でも魔法少女になったり、女性でも地獄の仮面戦士になったりと、イメージ次第ではカオスになるらしい。
……インパクト勝負、という意味では選択肢のひとつ、かもしれない。
「それじゃあ、ヒーローズアースでのリアルヒーローショー! 頑張ってねっ!!」
レモンのグリモアが瞬くと、猟兵たちはラグランジュポイントへと転送されてゆくのだった。
七転 十五起
このシナリオは一章構成の戦争シナリオです。
そして版権物へダイレクトに引っかかりそうなプレイングは却下対象になりますので、予めご了承下さい。
なぎてんはねおきです。ヒーローショーですよ!
ヒーローに変身してオブリビオン戦闘メイドを討ち倒せ!
『プレイングボーナス』
島に眠る『宇宙人の謎兵器』を使う。
本作では『スーパーヒーロー紋章』で皆様には、変身ヒーローになっていただきます!
戦隊系ヒーロー、魔法少女、巨大化超人などなど!
紋章の効果があれば、どんな姿にでも変身できてしまいます!
自分だけのオリジナルヒーローに変身して、戦闘メイドたちに差を付けろ!
希望のコスチュームや決め台詞があれば、どんどん採用しますのでプレイング内に明記下さいませ。カッコよく戦えば戦うほど、住民たちへ勇気を与えることが出来ます。
勿論、オブリビオンとの戦闘にキッチリ勝利してくださいね!
24日(日)に執筆を行いますので、それまでにご参加をご検討下さいますよう、よろしくお願い致します。
それでは、皆様のはっちゃけたプレイングをお待ちしております!
第1章 集団戦
『万能派遣ヴィラン隊』
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POW : これより業務に移ります
【民衆もしくは敵に対して一礼と共に宣言する】事で【機能性を重視した業務用メイド服】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD : 業務の邪魔は許しません
【超高速移動からの目にも留まらぬ打撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : あらゆるニーズにお答えします
技能名「【全技能】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
👑11
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ラモート・レーパー
「こうゆうのは嫌いじゃないですね」(UC【万人の理想像】でアイコンの姿に変えておきます)
悪役にありがちな性別を隠したダークヒーローに変身して、???でバイクやら銃を生成して、バイクアクションで敵を蹴散らしつつ、UCで轢いていきます
パティ・チャン
【POW】
※変身姿=体躯を6倍巨大化させた「剣士」
(人間族と同じくらいの大きさに。コスチュームは、自己紹介画像同様の、中華ロリ。というわけで、パンツは見えないようにしつつも、裾を翻して戦います)
「私は、騎士、パティ・チャン!我が名と家名において、貴方を退治致します!」
(スカートの裾をつまみお辞儀)
【誘惑、カウンター】でヴィラン隊に対抗し、【2回攻撃、なぎ払い、属性攻撃、鎧砕き、衝撃波】で叩きます!
「妖精で騎士、だなんて、驚かないで欲しいな」
(これで「身を楯にしても守る」というマネができます!)
※アドリブ・連携はともに歓迎
ティエル・ティエリエル
WIZで判定
ようしボクは依然UDCでやった魔法少女の姿に変身しちゃうよ!
人間サイズの天使の羽の生えた真っ白な服をきた魔法少女になっちゃうね♪
魔法の妖精天使、フェアリエル・ティエル――、ぴかっと登場っ☆
かわいく決めポーズもやっちゃうぞ☆
変身したら天使の羽で飛び回ってレイピアで戦うね♪
トドメは【お姫様ビーム】による必殺技!フェアリエル・プリンセス・ビームだ!
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です
住民たちは猟兵が『島』に到着したと報せを聞くやいなや、強制労働の持ち場から逃げ出して一斉に蜂起し始めた!
「俺たちも戦うぞー!」
「もう毎日走りたくない!」
「オブリビオンは出てけ!」
口々に不平不満を喚く住民たちの前に、万能派遣ヴィラン隊のメイド戦闘員たちが立ちはだかる。
「警告します。直ちに持ち場へ戻りなさい。さもなくば排除します」
「うるせー! どけーッ!!」
「排除します」
「ぎゃあっ!?」
勇敢な住民が万能派遣ヴィラン隊の1体に殴りかかったが、返り討ちに遭って投げ返されてしまった。
「お、俺たちでは勝てないのか!?」
「こんなとき、猟兵が駆け付けてくれたら……!」
「この紋章を渡せるのに……!」
「なんで俺たちには使いこなせないんだ……!」
蜂起早々に早くも絶望する住民たち。
その手には、謎兵器『スーパーヒーロー紋章』が握られていた。
誰もが猟兵の登場を待ちわびた。猟兵なら、この紋章を使いこなしてくれるはず!
「無駄です。あなた達は排除します」
万能派遣ヴィラン隊の非常な宣告、そして拳が振り上げられた!
……と、その時だった!
「こうゆうのは嫌いじゃないですね」
性別不明のスーツの人物へと概念ごと化けたラモート・レーパー(生きた概念・f03606)は、バイクに乗ったまま万能派遣ヴィラン隊の中へ突っ込んだ!
戦闘メイドたちが前輪に跳ねられ、前方へふっ飛ばされていった。
「あ、またやっちまった。けどオブリビオンだし、まあいっか」
ひとはそれを轢き逃げという。だが、これはラモートの立派なユーベルコードである。その威力は折り紙付きだ。
「猟兵が来てくれたぞ!」
ド派手なエントリーをしたラモートに、住民たちは歓声を上げて喜んだ。
「私たちもいますよ!」
「ボクも忘れないでね♪」
フェアリーの2人組、パティ・チャン(月下の妖精騎士・f12424)とティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は、ラモートの肩から降りて住民たちの目の前へ飛翔してみせた。
「一気に猟兵が3人も! そうだ、これを使ってくれ! 他の猟兵にも、手渡しておく!」
「これが謎兵器の紋章……!」
「よーし、これで変身しちゃうよ!」
住民が3人へ紋章を手渡すと、3人は不思議とその扱い方が頭の中へ流れ込んでくる事に驚いた。
そして、3人はそれぞれ紋章のパワーを開放!
ラモートは漆黒のプロテクトスーツに身を包み、ダークヒーローさながらにバイクでメイド戦闘員たちをひき逃げせんと追い回す!
「猟兵の乱入を確認。これより業務に移ります」
一礼して挨拶を行った戦闘メイド達の衣装が、たちまち動きやすいメイド服へと変形すると、バイクにも負けない速度で並走し始める。
「……邪魔です。退いて下さい」
ラモートは拳銃を生成すると、すかさず戦闘員たちへ発砲!
反応速度が上がったメイドたちと一進一退の攻防を繰り広げ始めた。
一方、フェアリー2人組は、紋章を掲げた途端、その身が光りに包まれてぐんぐんと巨大化!
光の粒子が2人の周りを包み込むと、手・足・胴体と光が弾ける度に衣装が顕在化していき、最後に頭に装備が具現されると、揃って2人はポーズ!
「私は、騎士、パティ・チャン! 我が名と家名において、貴方を退治致します!」
人間と同じ身長まで巨大化したパティは、変身前とさほど変わらぬミニ丈の中華ロリータ服である。更に騎士っぽく胸当てと兜が装着され、華麗さと剛健さが兼ね備わった女騎士へと変身を遂げた。
対して、ティエルは完全に魔法少女のコスチュームを身に纏っていた。
「前にUDCアースで着た衣装をイメージしてみたんだよ♪ 大成功だねっ!」
こちらも元の6倍のサイズ……人間と同じ身長へと巨大化しており、背中にはオラトリオを思わせる二対の純白の翼が羽ばたく。細身の幼い身体を包むのは、純白のドレス。スカートは大きな白の花弁が幾重にも重なった意匠で、まるで白薔薇を逆さまにして頭から被ったかのような豪奢な作りであった。
「魔法の妖精天使、フェアリエル・ティエル――、ぴかっと登場っ☆」
右手をピースサインのまま目元へ添えるカワイイポーズ!
パティもクールに剣と盾を構え、ティエルの横に佇んだ。
まるで姫を守る近衛騎士! カッコいいぞ!
住民たちのハートへクリティカルヒット!
「うおおおおお! ティエル! ティエル! ティエル!」
「パティちゃぁぁぁん! 世界一かわいいよー!」
住民たちは変身後のフェアリーコンビに大歓喜!
「みんな、ありがとう♪ 応援よろしくね?」
「えっと、なんだか照れますね……!」
どうやら2人の変身で住民たちは尊さにより生きる希望を見出し、その後ろでバイクを駆るラモートの戦う姿に闘志を燃やし始めた。
「それでは此方も、これより業務に移ります」
色々と空気を読んだメイド戦闘員たちが一斉に恭しく一礼すれば、パティとティエルもそれに答えてスカートの裾を摘んで一礼した。
なんたる奥ゆかしさ。
しかし、次の瞬間、両者は住民たちが目で追えぬほどの超高速戦闘を繰り広げ始めた!
「私の魅惑の剣捌きに見惚れなさい!」
レイピア型フォースセイバーの高速刺突がメイド戦闘員たちを次々と刺し貫いてゆく!
スピードと反応速度が向上しているメイド戦闘員たちでも、パティの剣捌きに思わず目を見張り、動きが一瞬鈍ってしまうようだ。
勿論、短いスカートは鉄壁の如く翻らないように意識しながら戦闘することで、住民たちのハラハラ度を上手くコントロール!
「わぁっ♪ 種族だけじゃなくて武器もお揃いなんて奇遇だね!」
パティの戦いぶりに目をみはるティエルは、背中の4枚の天使の翼で空を飛ぶと、上空からメイドへ向かって愛用のレイピア『風鳴りのレイピア』を振るい出す。
その風鳴り音は音楽となり、戦場の中で旋律を奏でてゆく!
「猟兵の飛行を確認。どんなニーズにも対応する私たちに不可能はありません」
万能派遣ヴィラン隊の名に相応しく、今度はすべての技能を超強化したメイド戦闘員たちが空中へ浮かび上がってきた!
「これより、念動力による空中戦を開始します」
「うそー!? メイドさんが空を飛んだよ!? でも、ボク負けないよ☆」
ティエルはもとより空を飛ぶフェアリー種族、技能で空中を飛んだオブリビオンより飛行経験は一日の長がある。
空気抵抗や旋回技能は、メイド戦闘員たちよりもティエルに軍配が上がる!
「やーい! 鬼ごっこならボクのほうが得意だよ♪」
メイド戦闘員たちの魔手を掻い潜りながら、レイピアでメイド達を着実に個別撃破してゆくティエル。
と、その時、パティとティエルの視線が合わさった。
「ヒーローなら、合体必殺技とか楽しそうだよね♪」
「いいですね! それでは、いち、にの、さんっ、で行きましょう!」
「オッケーだよ☆ それじゃ!」
2人は互いに背中を預けると、同時にカウントを開始!
「「いち! にのっ! さ~んっ!!」」
パティとティエルは弾き出されたかのようにお互い前方へ飛び出してゆく!
「私の剣から逃れられるとは、思わないで!」
ブゥゥゥンとフォースセイバーが低く唸ると、襲い掛かるメイド戦闘員をバッサバッサと連続で斬り裂き、見事な殺陣を披露するパティ。
「住民たちへは手出しさせないわ!」
盾を押し出してメイド戦闘員の拳を受け止め、住民たちを驚異から庇う!
「やっぱり人間サイズは便利だわ。こうやって誰かも守りやすいから」
高速移動での強襲を防がれ、メイド戦闘員は目を大きく見開いて驚いていた。
そこへパティは決め台詞を突き付ける!
「妖精で騎士、だなんて、驚かないで欲しいな!?」
フォースセイバーが瞬く時、また1体、オブリビオンが骸の海へと帰ってゆくのだった。
ティエルは前方に駆け出すと、レイピアの剣先をメイド戦闘員たちへ向けた。
「必殺技! フェアリエル・プリンセス・ビームだ! うー、どっかぁ~ん☆」
レイピアの剣先がバチバチと火花が散った次の瞬間!
ティエルの上がりきったテンションと気合がビームとなって、眼前のメイド戦闘員たちを一気に右から左へなぎ払った!
ビームが通った跡には煙と瓦礫しか残されておらず、ティエルの気合がどれだけ凄いかを物語っている。
「やったね♪ この調子で、この『島』を解放するよ!」
ティエルは別のメイド戦闘員たちの集団に向け、第二射を放ってみせた。
「うおおおお! パティちゃん最高!」
「ティエルちゃん、尊すぎ!」
「轢き逃げネキまじ轢き逃げネキ」
住民たちの声援に包まれながら、猟兵達は『島』の解放の初戦を華々しく飾ってみせた。
大成功
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鈴木・志乃
※UC第二人格【昨夜】で戦闘
何それ私の為の依頼???
特撮もヒーローも大好き!さあて、どうしてやろうかな
戦隊出来るほど誰か呼んでないけど、やっぱレッドでしょ
真っ赤なロングコートはためかせて、胸には十字架の紋章を
『断罪の赤、クロスレッド。さあ燃え上がるぜ!!』
※羞恥心は置いてきたらしい
【全力魔法】で燃え上がらせた【カウンターオーラ防御】で敵の拳を燃やし尽くす
【第六感】で行動を【見切り】光の鎖を【念動力】で操作、隙が出来た瞬間に巻き付けて燃やすし地面に叩きつける【衝撃波】攻撃
逃げようもんなら【高速詠唱】【早業念動力】で火災旋風巻き起こして囲んでやる(【なぎ払い】)
トドメは【鎧砕き】ピコハンで炎の鉄槌
ユウナ・フリューアー
毒には毒と言いますし
......メイドにはメイドでしょ
てわけで、メイドヒーローユウナさ
......これ違う!ゴスロリ!
ああもう、メイドじゃないんだったら魔法少女路線です!
蔓延る悪意を撃ち抜く氷炎!魔法少女華麗に推参!
......恥ずかしいからとっとと消えてください!
わざと魔法陣を見えるようにしつつ高速で氷と炎魔法を使い殲滅。今回は少し華麗さを意識していきますよ。相手のスピードは氷で鈍らせます。
翼無しで空飛んだり、肉弾戦はちょっと苦手なので剣に魔法付与して頑張って斬る!
悪のメイドは正義の魔法で倒してやります
!......いつまで見てるんですか!写真とか撮らないでくださいよ?
エミリロット・エカルネージュ
●POW:緋色のドラゴンの紋章
何か緋色の騎士甲冑になったね
武器は餃子の形をした刃の大鎌
シャオロンも騎乗出来る程
巨大化してるし
まぁ、玉にはこう言うのも良いかな?
緋餃姫エミリロットいざ参るっ!なんてね。
シャオロンに騎乗したまま
使用UCで【かき氷餃子のオーラの乱気流】を餃子の大鎌に纏わせて
シャオロンの翼に【緋色の龍の炎】纏わせ
敵陣に低空『空中戦』で『ダッシュ』で駆け抜け『範囲攻撃』で『属性攻撃(ラー油)』を込めて『なぎ払い』の『グラップル』で緋の雪が散る様に
攻撃は『第六感』で『見切り』『残像』で避けて『カウンター』
被弾時も『オーラ防御・激痛耐性』の『武器受け』でパワフルに
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
ランドルフ・フランセット
※孫のベテルローズ(f09312/呼び名はロゼ)が後から駆けつけてきます
ふむ、変身ヒーロー?
わしの十八番じゃないか!
じじかるみらくるはいぱーめたもるふぉーぜじゃ!
(いつもよりフリル増しの魔法少女コスチューム)
さて、ぱうあーあっぷしたじじかるらんらんの新技、特とご覧あれ!
じじかるみらーじゅらんらんいりゅーじょn(ごきっぶちっ)うごぁっ!
(さらにフリル増し増し幻影じじかる軍団登場)
あ、立てぬ…そして残り少ない髪が…と、おおっ!?
ロゼ!こっちじゃこっちじゃ!(孫の姿を見て手招き)
っと、わしを乗せたまま振り回すでない!
(搬送されて退場)
ベテルローズ・フランセット
※祖父のランドルフ(f09319/呼び名はじぃじorじじぃ)のピンチに駆けつけます
じぃじがまた無茶しやがったのだ!?
ロゼも急ぐのだ!
べてるんしゃいにんぐめたもるふぉーぜなのだ!
(南瓜SDのキュートな猫耳魔法少女に変身)
ストレッチャー持ってダッシュなのだ!
あ、じぃじの姿が見えるのだ。ターゲット照準なのだ!
この後じぃじをはんそーするのだ!邪魔な敵にはごたいじょー願うのだ!
(ストレッチャーを敵にぶつけて蹴散らそうと)
じじぃ無茶すんなって言っただろうがー!!
(ストレッチャーに祖父を乗せ、敵にガシガシぶつけつつもそのまま押して退場)
蜂起した住民たちが建物から続々と溢れてくる。
猟兵たちに勇気を貰い、オブリビオンへ立ち向かおうと突き進んでゆく。
しかし、その実力差は天と地ほどある。
「流石に数で押されては敵いません。ですが、今ならまだ排除可能です」
万能派遣ヴィラン隊のメイド戦闘員たちは、住民たちを抹殺せんと立ちはだかる。
「ご苦労様でした。それでは皆さん、ごきげんよう」
メイド戦闘員たちが一斉に住民へ飛び掛かった!
と、その時である!
「そこまでだ! オブリビオン! フレイムウィップ!」
真っ赤なロングコートはためかせてる謎のヒーローが、光の鎖に炎を纏わせてメイド戦闘員たちをまとめて打ち据えた!
その胸には十字架の紋章!
「断罪の赤、クロスレッド。さあ燃え上がるぜ!! ――決まった!」
ヒーローポージングと共に叫んだのは鈴木・志乃(ブラック・f12101)の第二人格『昨夜』だ。純白の長い髪と真っ赤なロングコートの配色が、なんとも主人公感を全面に強調している。
「何これ、私の為の依頼??? 特撮もヒーローも大好き! さあて、どうしてやろうかな?」
思わず素の口調が出てワクワクしてしまう昨夜である。
「業務の妨害を確認。何者ですか?」
尋ねるメイド戦闘員に、クロスレッドは即答した。
「正義の炎から誕生した猟兵ヒーローだ! ちなみに羞恥心は置いてきたぜ! 今のわた……オレに死角はない!」
きっちり口調と設定を練り込んできた昨夜さん、ノリノリである。
「本当は人数揃えてヒーロー戦隊を組みたかったが、ここはオレひとりで充分だぜ!」
「待って下さい! 油断大敵ですよ!」
「だ、誰だ!?」
クロスレッドを呼び止める少女の声に、その場にいる誰もが振り返った。
「レッドにばっかり美味しいところを持っていかせません! フリージングボンバー!」
ユーベルコードと紋章のパワーにより、黒と青のメイド服っぽいゴシックロリータ服を纏ったユウナ・フリューアー(霊集いし氷炎の竜・f07259)が、ド派手な魔法陣から氷と炎の爆発魔法をメイド戦闘員へ投げつけて吹き飛ばした!
スカートの裾にはハートの紋章!
「毒には毒と言いますし……メイドにはメイドでしょ。てわけで、メイドヒーローユウナさ、ってこれ違う! 黒ゴスロリ! ああもう、メイドじゃないんだったら魔法少女路線です!」
ごほん、と咳払いした後、ユウナはスカートの裾を持って優雅に一礼。
「蔓延る悪意を撃ち抜く氷炎! 魔法少女ユウナ、華麗に推参! ……恥ずかしいからとっとと消えてください!」
「おっと、今日の餃子パーティ会場は此処かな?」
その時、頭上から響く謎の少女の声がユウナは聞いた!
「どちら様ですか!?」
「待たせたね、ボクだよ」
今度は天空より飛来するヒーローのお出ましだ!
緋色の飛竜騎士へと変身したのは、エミリロット・エカルネージュ(この竜派少女、餃心拳継承者にしてギョウザライダー・f21989)!
鎧には餃子を咥えるドラゴン紋章が描かれていた。
「みんなも他の住民から紋章をもらって此処へ駆け付けたようだ。ボクは気が付いたら何か緋色の騎士甲冑になったね。武器は餃子の形をした刃の大鎌だし、シャオロンも騎乗出来る程にまで巨大化してるし」
シャオロンとは、エミリロットの相棒である餃子っぽい槍小竜のことである。ちなみに槍ではなく伸縮自在の麺棒へ姿を変えるのだ!
「まぁ、偶にはこう言うのも良いかな? では、緋餃姫エミリロット! いざ参るっ! なんてね?」
「ちょーっと待つんじゃあ!」
「まだいるんですか……?」
エミリロットはたしかに聞こえた。
遠くから猟兵に向かって叫ぶ声が聞こえる。
なんか台車に乗ったままこっちへ急接近するおじいちゃんの姿が見えてきた!
「かぁぁぁぁわっ! ばんがあぁぁぁぁぁっ!!」
ランドルフ・フランセット(じじかるらんらん・f09319)、ヒーローズアースで覚えたカッコいいヒーローチャントを叫びながら台車に乗ってエントリー完了!
「みんな酷いのう、変身ヒーロー? わしの十八番じゃないか!」
「「いや知らないってばよ」」
「総ツッコミ……じゃと……」
猟兵、住人、そしてオブリビオン全員から全力でランドルフへツッコミが入ってしまう。
ある意味、敵も味方も心が1つになった、奇跡の瞬間がここに存在した。
「ともかく、これぜ全員揃ったようじゃな?」
「おじいさん、変身すらしていないですけど!?」
ユウナはしれっと変身ヒーローとして紛れ込もうとするランドルフの剛胆さに唖然としてしまう。
これにおじいちゃんは決断的に回答した。
「今からきちんと変身するんで安心するのじゃ! しかし、なぜじゃろうか? 変身すると高確率で腰を痛めるのじゃよ。じゃから、決めポーズは変身前に限るのじゃ!」
「ヒーロー戦隊の中に普通のおじいちゃんが混じってる絵面とか、どうかしてるぜ!?」
昨夜も唐突なコミックリリーフおじいちゃんの登場に困惑を隠せない。
「まぁ、ひとまず、ヒーローが集まったらやることはひとつだよね」
エミリロットは上空でシャオロンをホバリングさせながら立ち上がった。
「ま、まぁ、細かいことはいいな、この際!」
昨夜は住民たちを勇気付けるべく、センターでポージング!
ユウナが向かって右、ランドルフが向かって左、そして頭上ではエミリロットが身構えていた。
「一体何なのですか、あなた達は?」
メイド戦闘員の問い掛けに、ランフドルフがまっさきに答えた。
「一体何なのですかと尋ねられたら、答えてやるのが世界の常じゃ!」
「世界の破滅を防ぐため、メイドの悪事を挫くため!」
盛り上がってきたユウナが言葉を継ぐ。
「餃子となんやかんやのパワーで戦うスーパーヒーロー!」
エミリロットは特大の餃子製ビームキャノンもどき『棒餃功筒』を担いで叫んだ。
「愛と勇気と正義の味方、その名も!!」
昨夜の掛け声とともに、4人は一斉にチーム名を口にした!
「猟兵戦隊! イェガレンジャー!」
「ゴシック魔法少女Aチームです!」
「餃子騎士団フォーナイツだよ!」
「じじかるらんらんと愉快な仲間たちじゃ!」
「「誰ひとり噛み合ってない
!!!!」」
「これはひどい……」
これには万能派遣ヴィラン隊も呆気に取られていた。。
「カオスだ……」
住民も非常に困惑している!!
猟兵4人は互いの顔を見詰め合い、数秒間アイコンタクトを行った。
そして一斉に万能派遣ヴィラン隊へ向き直ると、そのまま攻勢に討って出た!
「え……っと、とりあえず、突撃開始だぜ!!」
「恥ずかしい思いをさせてくれたお返しをします!!」
「派手に戦えばいいんだよね? いこう、シャオロン!」
「じじかるみらくるはいぱーめたもるふぉーぜじゃ!」
3人が息巻きながら突撃する中、ランフドルフだけは平常運行だった。
着ている衣服が膨大な魔力爆発で吹き飛び、全裸のじじいが光の球のなかでうっとりと恍惚の表情を浮かべたまま宙に浮く!
……流石にじじいの変身バンクは精神的ダメージが大きいため、これ以上の描写は割愛させていただこう。
しかし、リアルタイムで全行程を眺めてしまったメイド戦闘員たちの一部は、そのおぞましさに怯えて足が動かなくなってしまった。
「あ、あれは全年齢版で流していい代物ではありません! デジタルモザイクが必要だと抗議します!」
「餃心拳が奥義っ! 渦巻け、かき氷餃子のオーラの乱気流!」
「きゃあぁっ!?」
エミリロットは餃子の大鎌に凍える餃子オーラを纏わせ、シャオロンを低空で駆りながら、すれ違いざまにメイド戦闘員を斬り刻んでゆく!
「次は焼き餃子だよ」
シャオロンの翼が緋色の龍の炎に包まれると、香ばしい餃子の皮の焼けた香りが戦場に漂ってくる。
「色々とツッコむべき箇所が多すぎますが、その実力は脅威とみなします」
メイド戦闘員たちが一斉に一礼すると、機能性を重視した業務用メイド服へとコスチュームが変形、高速移動と反応速度を大幅に向上させて猟兵たちに襲い掛かってきた。
「無駄だよ! シャオロン、駆け抜けて!」
翼を左右に大きく広げたまま、シャオロンは低空で高速飛行!
いくら反応速度が上がっても、巨大な翼を避けきることが出来ずに次々と巻き込まれて燃え尽きてゆくメイド戦闘員たち!
だが、難なく回避した一部のメイド戦闘員たちがシャオロンに飛び乗る!
「皆さん、あの騎手を狙うのです」
「「かしこまりました、メイド長殿!」」
翼を伝ってエミリロットへオブリビオンが殺到する!
「こうなることも想定済みだよ。餃心拳の極意、その身に叩き込んであげるね?」
メイドの拳と蹴りを大鎌で受け止めた後、エミリロットはそれを払いのけると同時に遠心力を生かして刃を振るう!
時にはエミリロット自らメイドの拳を素手で受け止め、掴んだまま直に相手を焼き焦がしてゆく。更には振り回して燃え盛るメイド戦闘員を敵中へ放り投げてゆく。
それはまるで、緋の雪が散る様に綺羅びやかで残酷で、美しい戦闘方法だった。
炎で揺らめく残像に惑わされる敵の攻撃をひらりと避けて、一撃離脱のカウンター斬撃をシャオロンの上で繰り広げるエミリロットに、住民たちは思わず大興奮!
「すげぇ! あんなのカンフー映画でしか見たことがねぇぜ!」
「おい! あっちも凄まじいぞ!?」
「な、なにが起こってやがるんだ!?」
住民たちが驚くのも無理はない。
ド派手な魔法陣が至るところから光を帯びて浮かび上がり、その度に炎と氷の大魔法がメイド戦闘員へ降り注いでいるのだ!
「今回は少し華麗さを意識していきますよ。住民の皆さんに、勇気を届けるのが魔法少女の役目ですから!」
氷結魔法で足元を固められたり、滑らされたりしたところに、特大の火炎弾やら熱波が押し寄せてくるのだから、メイド戦闘員たちはたまったものではない。
「術士ならば、接近戦に弱いはずです。肉弾戦に持ち込むのです!」
敵の指揮官らしきオブリビオンの号令で、次第に結依は包囲されてゆく。
だが、ユイは慌てたりしなかった。
「悪のメイドは正義の魔法で倒してやります!」
押し寄せるメイド戦闘員たちの攻撃を、ユウナは垂直に急上昇して回避!
「翼を出さなくても、紋章のお陰で空を飛べますよ! さぁ、反撃の時間です!」
短めの元バールの片手剣『ディペンデレ』と全長30㎝ほどの黒い短剣『ミセリコルデ』を左右に携え、その刃に氷と炎を宿してゆく。
「選ばせてあげましょう。凍えながら焼き尽くされるか、燃えながら氷結させられるかを。どちらでもお好みの方で骸の海へお見送りいたしますよ!」
青と赤の刃を双翼が如く広げると、メイド戦闘員たちを取り囲むように魔法陣が出現した次の瞬間、ユウナはマッハ5の超高速でメイド戦闘員たちを凍り付かせ、あるいは焼き尽くしていった!
「ヒューッ! まさに青と赤のエクスタシーだぜ!!」
「おい知ってるか!? ジャパンではメイドは『冥道』とカンジで書くらしいぜ?」
「それはつまり、メイドさんは冥界の使者だったのかっ!」
「「な、なんだってーッ!?」」
「んなわけねーだろ!? それよりも、あっちは激アツ展開だぜ!?」
住民のひとりが指差した先には、昨夜ことクロスレッドが激闘を繰り広げていた!
「業務の邪魔は許しません。排除します」
「排除します」
「排除します」
排除排除排除排除排除排除排除!
四方八方から超高速の拳がクロスレッドに浴びせ掛かり、完全にタコ殴り状態になっているではないか!
「こ、こいつは想像以上にヘビーな展開だぜ!?」
クロスレッドはオーラ障壁を身に纏い、必死に押し寄せる拳の弾幕を耐え忍んでいた。
「なかなか頑丈な守りですが、果たしていつまで持ち堪えられるでしょうか?」
メイド戦闘員の部隊長が、無表情のまま目にも留まらぬ連撃を繰り出している。
クロスレッド、未だ防戦一方のまま!
これにメイド長は若干口元を緩めた。
「ても足も出ないようですね。では、そろそろ業務を完遂させていただきます」
オーラ衝撃を打ち砕くべく、メイド戦闘員たちは拳に力を込めながら大ぶりな動きへと変わる。
「……ああ、この瞬間を待ってたぜ!」
クロスレッドのオーラ障壁が徐々に赤く光を帯びてゆく!
しかし、全方位から再び拳の弾幕が襲い掛かってきた!
「「排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除!」」
ドジュウゥゥーッと肉の焼ける音とともに焦げ臭い匂いが立ち込める。
「「ぎゃああぁっ!?」」
その時、拳を抑えながら苦悶するメイド戦闘員たちの姿があった!
よく見てみれば、メイド戦闘員たちの拳が焼けただれている!
「オーラの障壁に火属性の魔力を全力で注入してやったぜ! 殴れば殴るほど、その拳は焼かれて使い物にならなくなるって寸法だ!」
これは、カウンタートラップ!
一方的に殴られると見せかけて油断させ、相手が緩みきった瞬間に痛打を与える!
クロスレッドの策略が見事に功を奏した瞬間だ!
「負傷した戦闘員は後退、第二陣、前へ」
難を逃れていたメイド長、後ろに控えていた残りの戦闘員をクロスレッドへぶつけてきた!
土石流めいて雪崩込む数の暴力!
しかし、クロスレッドはこれを全て目視で回避しているではないか!
「何故です? 何故、攻撃が当たらないのです!?」
困惑するメイド長に、クロスレッドは光の鎖を放ちながら答えた。
「I fully learned the attack.(その攻撃は完全に見切った)」
不敵に微笑むクロスレッドの、夕日めいた両眼が輝く。
と、その時、真紅の炎に包まれた光の鎖は念動力でクロスレッドの意のままに操られ、そのままメイド長を強かに殴打して衝撃波でふっ飛ばした!
巻き込まれるメイド戦闘員たち!
「グワーッ!!」
「サヨナラ!!」
哀れ、メイド長と戦闘員達はまとめて爆発四散!
指揮官を失った残りのメイド戦闘員たちは、慌てて散り散りになって逃亡を図ろうと背を向けた。
「逃がすか! ヘルファイア・ストーム!!」
念動力による素早い空気の撹拌と高速詠唱により、至るところで火災旋風が発生!
メイド戦闘員たちを取り囲み、そのまま炎の中へ追い込んでいった。
「さぁ、トドメだ! 燃えよ、ピコハンっぽい鈍器!」
何故か敵対者へ2トンの衝撃を与えることが出来るアルダワ魔法学園魔改造兵装に最大火力の炎魔法を纏わせる。
すると、クロスレッドは天高く飛び上がり、空中で2回転ひねり3回転宙返りをしながらピコハンっぽい鈍器を振り下ろした!
「自由落下で威力は2倍! 捻りが加わって更に2倍! 宙返りの遠心力でもう3倍! そして俺の心の熱量は無量大数! 喰らえ! アンリミテッド・クリムゾン・ストライィィクッッ!!」
燃え盛る鈍器が火炎旋風の中心に命中すると、中に閉じ込められていたメイド戦闘員たちは灼熱の火柱とともに天高く打ち上げられ、そのまま骸の海へと帰ってゆくのだった。
「しゅごい……」
「いぇーがー、がんばえーっ!」
「かっくいーっ!!」
住人たちはあまりの迫力に5歳児レベルの語彙力に戻っていた。
「なぁ……、あれ、大丈夫か?」
「……えっと、俺も分かんね……」
住民の一部が、もうひとりの猟兵の戦闘を見て絶句してしまっていた。
おじいちゃんが、ピンクと白を基調としたリボン増々フリルごてごてのエクストラ豪華な魔法少女コスチュームに身を包み、超ご機嫌でマジカルステッキを振りまくっていた。
「荒ぶれ、雷よ! 押し流せ、波濤よ! 魔法少女じじかるらんらん、ここにありなのじゃ!」
「グワーッ!?」
「アバババーッ!?」
ランドルフの全力魔法がメイド戦闘員たちを圧倒してゆく!
どうやら紋章の力で魔力がパワーアップしているようだ。
もはや単なる悪夢でしかない。
「そんな……あんなにふざけた見た目なのに、魔法の腕前は本物だなんて!?」
愕然とするメイド戦闘員たちに、ランドルフは気を良くして一気に畳み掛けるべくユーベルコードを繰り出す!
「ふぉっふぉっふぉっ! お若いの、そろそろ幕引きとゆこうかのう?」
マジカルスティックをくるくると回し、決めポーズをするランドルフは高らかに宣言した。
「さて、ぱうあーあっぷしたじじかるらんらんの新技、特とご覧あれ!」
マジカルスティックから音楽が鳴り始めると、先端のハート型オブジェクトが輝きを増してゆく……!
「じじかるみらーじゅらんらんいりゅーじょ」
ごきっぶちっ。
詠唱途中で腰が砕ける音が響き渡り、同時に何故か残り少ない頭髪が何かの引力によって引きちぎられた!
「うごぁっ! あ、立てぬ……そして残り少ない髪が……!」
だが、引きちぎれた頭髪がみるみるうちに膨張してゆくと、あっという間にランドルフの分身となって揃いも揃ってポージング! 勿論、全員が魔法少女コスチューム着用だ!
「うわキツ……」
メイド戦闘員が思わず独りごちる。
腰を痛めた本人の背後には、7人の魔法少女じじかるらんかんたちがいるわけで。
しかもユーベルコードの効果で分身は本人よりもド派手なコスチュームで、しかも若干マッチョだった。
「「わしらの究極魔法を見せてくれやるのじゃ!」」
ユニゾンする7人の分身たちは、メイド戦闘員たちを手当り次第にボコボコに殴り始めた。グーで!
「いや、魔法使わないのですか!?」
思わずツッコミを入れるメイド戦闘員に、7人のじじいはマッスルスマイルで答えた。
「「筋肉=魔法!」」
「地獄だ……!」
メイド戦闘員は戦意喪失してしまった。
このユーベルコード『じじかるみらーじゅ!(ジジィガフエテカミハヘッタ)』は、ランドルフ本人の後ろ髪と腰の健康を代償にした分だけ、分身の戦闘力は比例して増大する。
マッチョになったのは本人の腰が完全にアウトになった証拠であり、分身のじじいが健康体なのもその反動であると考えられる!
だが、本人は完全に動けない。
当然、本体を狙って敵が攻めてきたぞ!
「た、助けておくれ! ロゼ~ぇっ!!」
思わず養孫の名を叫ぶランドルフ!
と、その時、奇跡が起きた。
「べてるんしゃいにんぐめたもるふぉーぜなのだ!」
ぽわわわ~んっとピンクの光とともに、猫耳フリフリ衣装のキュートな魔法少女が駆け付けてきたのだ!
「お、おお! ロゼ! 来てくれたのじゃな!?」
喜びのあまり、涙を流すランドルフ。
目の前に現れた正真正銘の魔法少女こそ、ミレナリィドールのベテルローズ・フランセット(見習い魔法少女まじかるべてるん・f09312)……ランドルフの養孫なのだ!
「じぃじ、また無茶しやがったのだ!? としとせーべつかんがえろ!!」
だが、ロゼちゃんは到着後2秒でガチギレした。
「あれほどロゼが注意したのに、何度言えば分かるのだ、このじじぃ!?」
幼女とは思えぬ口の悪さと凄みに、メイド戦闘員は思わず身を竦めてしまう。
コワイ!
「す、すまんかったのじゃ……! というか、助けて……! 動けんのじゃ!」
「そうだと思って、ロゼはじじぃせんようすとれっちゃーを持ってきたのだ!」
「おお、気が利くのう、ロゼ! ……なんでところどころ、血で濡れているのじゃろうか?」
「ここへたどり着くまでに、邪魔なメイドを何人もこれで撲殺したから、なのだ!」
うわー、この天使の笑顔~っ!!
ロゼは閉口してしまうランドルフを強制的にストレッチャーに乗せると、ドスの利いた声でメイド戦闘員たちへ道を開けるように告げた。
「オラ、そこを退きやがれなのだ! じぃじを連れ帰るのだ、死にたくなければ道を開けろなのだ~!」
「ちょっ! ロゼ!? わしを乗せたまま振り回すでな、アーッ!?」
「この後じぃじをはんそーするのだ! 邪魔な敵にはごたいじょー願うのだ!」
ランドルフを乗せたまま、ロゼはストレッチャーを軽々と持ち上げてドキッバゴッゴシャァッとメイド戦闘員たちをぶん殴って骸の海へ叩き帰してゆくではないか!
それもそのはず、これこそがロゼちゃんのユーベルコード『すとれっちゃーあたっく!(テキヲケチラシジジィヲビョウインヘ)』なのだから!
「数が多すぎるのだ! じぃじ、風魔法なのだ!」
「ふぁ、ふぁぁい……!」
旋風とともにプロペラめいて回転しながらオブリビオンを蹴散らすロゼの姿は、もはや天変地異のそれであった。
これがまさか、彼女のデビュー戦だとは、誰が想定していたであろうか……?
「うわ、幼女つよい」
「幼女つよいな」
「幼女に出来て、俺達に出来ないはずがないよな!?」
「よっしゃ、今が反撃のチャンスだぁぁl!!」
「「うおおおおお!!」」
猟兵たちに勇気を貰った住民たちは、一丸となってオブリビオンへ向かって殺到してゆく!
個々の実力は彼岸の差だが、『島』の住民はオブリビオンよりも遥かに数が多い。
あっという間に残りのオブリビオンは、住民の数の暴力の呑み込まれて消滅していってしまった。
かくして、猟兵たちの華麗なる活躍により、またひとつラグランジュポイントの『島』が解放された。
そして、紋章パワーでヒーローへ変身した猟兵たちの戦いは、いつまでも住民たちの語り草となるだろう。
「……と言うわけで、写真、いいっすか?」
「いつまで見てるんですか! 写真とか撮らないでくださいよ!?」
黒ゴスロリ姿の魔法少女ユウナは、住民のリクエストを涙目で断固拒絶するのであった。
大成功
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