アースクライシス2019⑫~我こそは破壊神
「君たちは、爆破は好きか? 私はわりと好きだ」
グリモア猟兵の望月・秀は集まった猟兵たちに問い掛ける。特にダイナマイトによるビル爆破が好きだ、と言う彼はちょっと引いている猟兵たちに気づき、軽く咳払いをして組んでいた腕を解いた。
猟兵たちの活躍によりパンゲア大空洞で『鍵の石版』が発見され、センターオブジアースへの道が開かれた。
センターオブジアースに存在する巨大な世界樹。そこに果実の様に連なった『神の神殿』。この無数の神殿こそがこの世界を守護してきた。しかし、この神殿の一部がオブリビオンに奪われ、『オブリビオン神殿』へと変貌、敵に巨大なパワーを与えている。この『オブリビオン神殿』を破壊して敵のパワー供給源を絶たない限り、勝利は困難と言えるだろう。
「そこで破壊工作、つまり爆破だ」
君たち猟兵には『オブリビオン神殿』の破壊を依頼したい。秀は真顔で頷く。
「『オブリビオン神殿』は元々そこにあった『神の神殿』を破壊し、その上に建設されている。この神殿を破壊し、元の神殿に戻す事ができれば、センターオブジアースを救う事ができるはずだ」
お誂え向きに、元々の神殿で祀られていた神は『火神』。つまり、火の神だ。爆破は理に適っている。秀は自分の発言の正当化を図った。実際に、祀られていた神の力を呼び起こす様な戦い方をする事で『神の神殿』の力が蘇る可能性もある。
「む? という事は『焼き討ち』もアリか……」
たいやきの中身を『あんこ』にするか『カスタードクリーム』にするか悩む、と言った面持ちの秀は説明を続ける。
「もちろん、オブリビオンは破壊工作を妨害してくるだろう。君たちは楽しい一時を邪魔してくる厄介者を先に排除したいだろうが、彼らは神殿の力でチート化している。神殿の破壊前に倒す事は難しいだろう」
秀は続けて邪魔者のオブリビオンの説明に入った。
邪魔をしてくるオブリビオンは、人々の負の感情から生まれた精神生命体である。人々の邪悪な心から生まれるダークエナジーをエネルギー源とし、善良な人々の心を悪に染め上げる事を至上としている。
「負の感情を抱いた瞬間、その感情は相手の力と成ってしまう。破壊工作を邪魔された君たちがイラッとした瞬間、相手はパワーアップするという訳だ」
つまり、最善策はシカト。無視だ。真面目な顔で子どものイジメじみた事を言う秀は腕を組み、まとめに入った。
「君たち猟兵は『オブリビオン神殿』を破壊する。邪魔をしてくるオブリビオンは可能な限り無視する。パワー供給源を絶たれ、存在を無視され、負の感情を得られないオブリビオンは弱体化する筈だ」
邪念なくオブリビオンを無視し、澄みきった善の心で『オブリビオン神殿』を破壊してくれ。そう言うと秀は、猟兵たちを問題の神殿前に送り出した。
こふ
●マスターより
マスターのこふです。よろしくお願いします。
このシナリオは第1章で完結となる戦争シナリオです。
目的はオブリビオン撃退なのですが、どっちかっていうとメインは『オブリビオン神殿』の破壊です。巨大建造物を盛大に、豪快に、ド派手にぶっ壊してください。お察しの通り、ギャグ寄りです。
当然のことですが、オブリビオンは攻撃を仕掛けてきます。パワーアップしているオブリビオンのチート攻撃をどうやって無視するのか。ぜひぜひ最高の無視をしてください。
●プレイングボーナス
敵のパワー供給源を断つ。『オブリビオン神殿』の破壊、もしくは『破壊された神殿に祀られていた神の力を呼び起こすような戦い方』で神の神殿の力を蘇らせてください。
●補足
グリモア猟兵はシカトしろとか言っていますが、もちろんオブリビオンと真正面から戦っていただいてもオッケーです。ただその場合、相手はチート化してますのでかなり強敵です。ギャグらしからぬ判定で負傷する可能性があります。ご注意ください。
第1章 ボス戦
『堕悪魂『ダークソウル』』
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POW : dye打撃
【ダークエナジー 】を籠めた【ダーク手刀やダーク握撃】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【精神やプログラム】のみを攻撃する。
SPD : dye変身
全身を【目の前の相手の悪落ちした時の姿 】で覆い、自身の【ダークエナジーと相手の強さ】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ : dye邪身
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【ダークエナジーで強化された悪堕ちヒーロー】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
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禍々しいオーラを放つ『オブリビオン神殿』の前に降り立った猟兵たち。正面には黒で全身を覆うオブリビオンが待っていた。
「よぉやく来たか。待ってたぜぇ」
人々の負の感情から生まれた精神生命体『ダークソウル』は、黒の中に浮かぶ口を釣り上げる。神殿から送り込まれる無限のパワーを以て勝利を確認する敵は、さっそく猟兵と相対しようとして気付いた。――誰も自分を見ていない。
「お、おい! オレが目の前に居るってのに、お前ら何やってんだ!?」
猟兵たちは天を仰いでいた。想像を超えてでかい。そして、首を見回していた。想像を超えて長い。
慌てる敵など見えていないかの様に猟兵たちは神殿の破壊方法について相談している。
神殿はあまりに巨大だ。一気に全てを破壊するのは難しいかもしれない。手分けして少しずつユーベルコードで破壊していこう。
「おいっ!? 聞けよ! オレはオブリビオンだぞ!?」
シカトすんじゃねぇ! ダークソウルの悲痛な声が木霊した。
セゲル・スヴェアボルグ
爆破の神……ではなくて火神が祀られてられていたのなら、その変に爆発しそうなものとかが落ちてないだろうか。
あればそれを拾ってぶん投げる。
勿論、それ自体に爆破性能は期待しておらんが、多少でもその気があるなら問題ない。
そういった性質を持ち合わせたドラゴンを創りだせればいいからな。
まぁ俺自身がブレスで後押しをしてもいいが、経た日被かない方が良いな。
高みの見物といこうじゃないか。
あぁ、そういえば、ダーク何とかがいるらしいな。
相手はこっちの発破作業が終わってからだ。
そこで大人しく、ちょっと待ってろよ。
終わったらそのままドラゴンをけしかける。
精神攻撃だか知らんが、そもそも理性がぶっ飛んでるので関係ないな。
セゲル・スヴェアボルグは神殿の周囲を歩き回り、地面を物色した。爆破の神……ではなくて火神が祀られていたのならば、その辺に可燃物や爆発物が落ちていてもおかしくない、だろう、多分。
特段、爆発性能に期待している訳ではない。多少なりともその気があれば問題ない。と思っていたら、普通にダイナマイトが落ちている。
細けぇ事は気にするな。セゲルはそれを拾って神殿に向かってぶん投げた。次の瞬間、ダイナマイトがドラゴンに変化する。大きく口を開いたドラゴンは口から巨大な火の玉を放った。凄まじい爆発音が響き、神殿が破壊される。
高みの見物を決め込むセゲルは金の瞳を細める。ブレスで後押しをするか? いや、下手に近付かない方が良いな。目の前で再びドラゴンが火の玉を放った。
発破作業を続けるドラゴンに向かって、何やら喚き立てる黒い奴が見える。
「あぁ、そういえば、ダーク何とかがいるらしいな」
「ダークソウルだ!」
ようやく相手をしてもらえると思ったのか、ダークソウルの声が弾む。しかし、セゲルは「そこで大人しく、ちょっと待ってろよ」と言うと、再び爆発炎上する神殿に目を戻した。
しばし呆然としたダークソウルは、大きく叫びながらダークエナジーを籠めたダーク手刀を放つ。肉体は傷付けず、精神を攻撃する一撃がセゲルの胴体に炸裂した。
しかし、そもそもセゲルはユーベルコードの代償に理性がぶっ飛んでいる。精神攻撃を無効化した彼は振り返り、敵に目を向けた。その背後からドラゴンが現れ、口を大きく開く。放たれた火の玉がダークソウルを飲み込み、大爆発した。
大成功
🔵🔵🔵
鈴木・志乃
ふーんふんふーんふんふんふんふんふふーん♪
UC発動、【念動力】で花火して遊ぶ。油ばらまきながら。
いいいいいいいやっはあああああああああバカンス最高いええええええええい!!!
(【スライディング】【アート】爆竹撒き散らし&花火上げ。※連戦ストレスが相当溜まっているようです)
おーそらに浮かぶハートの花火ー、宙で描けよ光のアーチ~♪
もえろやもえろー嵐となりてー♪
(【早業高速詠唱】発火。即席の歌作ってわめいている。24歳絶賛幼児退行中。片手には手筒花火。)
あー焼きいもつくってもいーなー落ち葉ないのかなー
油まいてーあはは滑っちゃったー☆
【破壊工作】爆弾でラストはドカーン、だよ
【全力魔法】派手にいく!
「ふーんふんふーんふんふんふんふんふふーん♪」
真の姿となった鈴木・志乃は、周囲に油をばらまきながら花火をして遊んでいた。非常に危険な行為だが、光球となった彼女は外部からの攻撃を遮断する。全く問題はない。尋常ではない数の花火が彼女の周囲で火花を散らし、引火した油が轟々と燃えている。しかし、全く問題はない。ないのだ。
「いいいいいいいやっはあああああああああバカンス最高いええええええええい!!!」
爆竹を撒き散らし、ロケット花火を打ち上げ、花火でSNS映えしそうな光のアートを作る志乃。どうやら連戦ストレスが相当溜まっている様だ。彼女は小さな子ども並の大きさを誇る手筒花火を持ち、即席の歌を作り、歌い喚いている。24歳。絶賛幼児退行中。
「おーそらに浮かぶハートの花火ー、宙で描けよ光のアーチ~、もえろやもえろー嵐となりてー♪」
花火が飛ぶ。火花が散る。油が燃える。志乃の目の前で、彼女が悪落ちした姿をとるダークソウルが何事か叫んでいるが、彼女の元には届かない。
「あー焼きいもつくってもいーなー。ここ落ち葉ないのかなー」
落ち葉の代わりに、さらなる油をばらまく志乃。彼女は、あはは滑っちゃったー☆ と言いながらあっちこっちに転がり、ダークソウルの攻撃を躱した。
徐に停止した志乃は爆弾を取り出すと、ぽーんと神殿に向かって投げる。ついでに全力で魔力を込めた。
「派手にドカーン、だよ!」
発火。凄まじい爆発音が鳴り響き、周囲は大炎上した。火達磨になったダークソウルが地を転がり回る。その様を、志乃はキャッキャと無邪気に笑いながら見ていた。
大成功
🔵🔵🔵
オニオン・ナイト
我輩、バレンシアの火祭りなるものを見て、一度やってみたかったのである。
著名人やらドラゴンやらの巨大な人形を作っては燃やすアレであるな。
せっかくなのでダークなんとか君の人形を用意して盛大に燃やすのが良いであろ。
無視ばかりされて心に傷を負っているであろうしな。
祭りの主役ともなれば気も安らぐに違いない。
敵とは言え、あまりいじめてやるのも可愛そうだ。
我輩なら、傷心の最中に自分そっくりな人形を燃やされたらしばらく寝込みそうであるが、オブリビオンだから大丈夫であるな。オブリビオンだし。
ほらほら、ダークなんとか君、君の人形があんなにも盛大に燃えて。嗚呼、頭が剥がれ落ちた。
盛大であるなぁ。ん、嬉し泣きかね?
「我輩、バレンシアの火祭りなるものを見て、一度やってみたかったのである」
バレンシアの火祭りとは、著名人やらドラゴンやらの巨大な人形を作り、フェスティバルの最後に盛大に燃やすアレである。
弱きを守り、悪しきを挫く騎士であるオニオン・ナイトは、せっかくなので『ダークなんとか君』を主役に添えてあげようと考えた。敵とは言え、あまりいじめてやるのも可愛そうだ。無視ばかりされて心に傷を負っているであろう彼も、祭りの主役ともなれば気も安らぐに違いない。
オニオンは、手際よく人形を用意する。相手はとにかく黒いので、とても簡単なお仕事だった。彼は敵そっくりにできた真っ黒な人形を十字架に掛けると、やり投げの要領で炎上する神殿目掛けて放り投げる。放物線を描いた十字架は、上手い事地面に突き立った。
しばらくすると、火の粉が人形に燃え移り、メラメラと燃え上がり始める。ダークソウルは盛大に炎上する自分の人形を呆然と眺めていた。
そんなダークソウルの肩を抱き、オニオンは語り掛ける。
「ほらほら、ダークなんとか君、君の人形があんなにも盛大に燃えて。我輩なら、傷心の最中に自分そっくりな人形を燃やされたらしばらく寝込みそうであるが、オブリビオンだから大丈夫であるな。うむ、ダークなんとか君オブリビオンだし」
嗚呼、頭が剥がれ落ちた。オニオンの容赦ない物言いと実況に、ダークソウルは膝から崩れ落ちる。
「ん、嬉し泣きかね?」
「嬉しくて泣いてんじゃねーんだよぉ!」
打ち拉がれるダークソウルにオニオンは追い打ちをかけ、遂には本気で号泣させたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
中村・裕美
「……爆破なら……お任せ」
神殿に【ハッキング】を仕掛けて爆弾を設置。【早業】でどんどん設置して爆破
ダークソウルは自分の悪落ちした姿、半人半竜の悪の女幹部っぽい姿(http://tw5.jp/gallery/?id=167080)を取るかもしれないが、無視
「……世界の理不尽とか……世間の何かにとか……憎悪して滅ぼしたいと思った時も……確かにあったけど」
敵の攻撃は空間ハッキングで【残像】を出すことで、そちらに攻撃を向けさせて回避
「……私ももう中三。……そんな中二病みたいなこと言ってるのは……卒業するの」
そういう状況から救ってくれた人(自分の別人格)がいるのだが、あえて言わない。
しつこいなら敵も爆破
「……爆破なら……お任せ」
中村・裕美の両手が高速で動いた。神殿をハッキングすると、どんどん爆弾を設置し片端から爆破していく。
目の前でダークソウルが半人半竜の悪の女幹部っぽい姿で裕美を挑発しているが、彼女は歯牙にもかけない。完全無視で神殿の爆破を続ける。無視されたダークソウルは地団駄を踏み、裕美に襲い掛かった。
「……世界の理不尽とか……世間の何かにとか……憎悪して滅ぼしたいと思った時も……確かにあったけど」
裕美は素早くハッキング対象を変更する。敵の直ぐ側の空間をハッキングし、自分の残像を生み出した。裕美が高速で移動し、自分に攻撃を仕掛けてきたと思い込んだダークソウルは、喜々として残像の裕美を追う。
敵の素早い攻撃で残像は瞬く間に破壊されるが、裕美のタイピングは止まらない。次々に新たな残像が生み出され、ダークソウルを翻弄する。
「……私ももう中三。……そんな中二病みたいなこと言ってるのは……卒業するの」
ネガティブ思考を拗らせて世界への憎悪に塗れた事もあったが、そこから救ってくれた人がいる。しかし、それはこれから倒す敵に教えやる必要などない。自分だけが知っていればいい。
ダークソウルはまだまだ残像を追い掛け回している。……悪の女幹部っぽい姿の自分が、残像とはいうものの自分を延々と追い回している。
「……さすがに……しつこい」
辟易した裕美は指を滑らせ、神殿のついでにダークソウルも爆破した。
大成功
🔵🔵🔵
トリテレイア・ゼロナイン
騎士としては爆破は好きではないのですが…
囚われた人々を救出するとか人質を殺されぬよう潜入する等、必要な場面は中々にありまして……
神殿を解放する為知識を活かしましょう
内部に突入後、各種センサーで神殿の構造を●見切り●防具改造で大量に装備した煙幕発生装置で敵を●目潰し
暗闇の中、センサーによる●情報収集で敵を避けて動きつつ●破壊工作の為に用意した爆弾を神殿各所に設置
爆弾を囮と神殿破壊の為にリモート(●ハッキング)で起爆しつつその爆破に紛れて此方もUCでのシールドバッシュで破城槌宜しく更に神殿を破壊します
真面目に戦えと罵声が響いてきましたね
その声を頼りに背後から一撃
…騎士のような戦いは難しいですね
騎士である事を行動基準とするトリテレイア・ゼロナインは理想と現実の狭間で苦悩した。『爆破』は騎士として好ましくない。ないが、囚われた人々を救出するとか、人質を殺されぬよう潜入するとか。必要な場面は中々に存在する。
「神殿を解放する為、その知識を活かす時が来たと考えましょうか」
気を取り直したトリテレイアは扉を蹴破り、神殿内部に突入した。
中は薄暗く見通しが悪い。各種センサーフル活用で内部構造を把握したトリテレイアは、速やかに煙幕発生装置を起動する。常軌を逸した量の煙が神殿に充満し、周囲を暗闇に変えた。彼を追って来たダークソウルが激しく咳き込みながらダークエナジーを籠めた手を闇雲に振り回しているのがセンサーから読み取れる。
暗闇の中、トリテレイアはセンサーで敵の動きを把握しながら各所に爆弾をどんどん設置していく。そして、爆弾を全て設置し終えたら自分から最も遠い爆弾をリモートで起爆した。何やら喚いていたダークソウルは狙い通り囮に引っ掛かった。彼は敵が自分から離れていった事をセンサーで確認すると、身の丈ほどの大型盾を振り上げる。同時に、全ての爆弾を起爆した。
響き渡る爆音を背に、トリテレイアは盾を破城槌宜しく壁に叩き付ける。全ての音を掻き消すほどの轟音が鳴り響き、壁に巨大な穴が空いた。尚も盾を振り上げる彼の耳にダークソウルの罵声が届く。
「おい! どこだ! オレと真面目に戦えぇ!」
「……騎士のような戦いとは難しいですね」
声を頼りに、ダークソウルを背後から殴り付けたトリテレイアは溜息を吐く。敵は綺麗な放物線を描き、神殿外に飛び出していった。
大成功
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パトリシア・パープル
戦闘開始直前に「時限式スカンクガス爆弾」を持たせた「リッキー・ジョー」を【目立たない】よう放ち、神殿の各所に【罠使い】でガス爆弾設置する【破壊工作】を決行
その間、自分は【オーラ防御】と【盾受け】全開で身を固めつつ【野生の勘】を生かして敵の攻撃を【見切る】ことで極力ダメージを抑えながら敵を【おびき寄せ】
「なんか釘バット持ったギャルが前にいるんだけど、あれがわたしの悪堕ち?
ガス爆弾が炸裂して神殿にガスが充満したところでライターを点火し引火爆発による爆破を決行!
自分に燃え移った炎を利用してUC発動
相手の腕を炎獣に変え【動物使い】で操って噛み付き
UCの生命力奪取効果と【火炎耐性】で炎のダメージは軽減ね
戦闘が始まる直前。パトリシア・パープルの相棒『リッキー・ジョー』は『時限式スカンクガス爆弾』を抱え、神殿内部に侵入した。人並みの知能を持った優秀なスカンクは神殿各所に爆弾を設置して回る。
その間パトリシアは、釘バットを持ったギャルの姿をしたダークソウルと戦っていた。敵は構ってもらえた嬉しさからか、高笑いをしながら攻撃をしてくる。
持てる力を防御と回避に全振りし、極力ダメージを抑えながら立ち回るパトリシア。しかし、無限のパワーを持つダークソウルに押され、少しずつ傷が増えていった。と、その時。神殿からリッキーが出てきて、頭上で大きく丸を作る。爆弾が炸裂し、神殿にガスが充満した合図だ。彼女は素早くライターに点火すると、神殿に向かって放り投げる。
吸い込まれるように飛び込んでいったライターは、神殿内のガスに引火し大爆発を引き起こした。広範囲に衝撃と火の粉が飛び、火の粉を浴びたパトリシアの身体も燃え上がる。次の瞬間、彼女の青い瞳がキラリと光った。燃え上がる神殿を呆然と見ていたダークソウルの腕が炎獣に変わる。
「な、なんだ、こりゃ!?」
「地獄まで相乗りしてもらうからね!」
炎獣に噛み付かれたダークソウルが悲鳴を上げて藻掻く。奪い取った生命力で傷を癒やしたパトリシアは、改めて目の前のギャルを見詰めた。あれがわたしの悪堕ち? 彼女の頭上にハテナマークが浮かんだ。いまいちピンと来ない。そのうち、敵の姿が元の黒い影へと戻った。
「なかなかお似合いの女装だったよ!」
「女装じゃねぇ!!」
肩で息をするダークソウルに、パトリシアはサムズアップして告げる。敵は地団駄を踏んで喚いた。
大成功
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カタリナ・エスペランサ
※悪落ち姿:故郷でヴァンパイアに敗れ生ける屍として手駒にされたイフの自分
実は神サマにはあまり良い印象無いんだけどね
現地の人を助けるようなものだと思って頑張ろうか!
敵の妨害は《見切り》回避しつつ《空中戦》の要領で飛び回り、紅雷を付与したダガーの《属性攻撃+ハッキング+アート》で落書きするみたいに神殿に翼を象ったサインを刻もう
これは《力溜め+高速詠唱》代わり、一通り済めば侵蝕させた魔力を起点にUC【ドミネイション】を《全力魔法》で発動。時間を巻き戻して元の神殿を復元するよ
続けて自分も黒風を纏い時間流を操って加速、弱った敵も《早業+怪力》の蹴りで吹っ飛ばそうか
弱い自分なんかに長々と構ってられないしね
カタリナ・エスペランサの目前にイフの自分が立っている。故郷でヴァンパイアに敗れ、生ける屍として手駒にされた姿。あったかもしれない『もしも』の姿。
ニヤニヤ笑うダークソウルとは対象的に無表情のカタリナ。彼女は意識を切り替えるかのようにゆっくり瞬きをすると、口の端を釣り上げた。
「実は、神サマにはあまり良い印象無いんだけどね」
カタリナは紅雷を纏うダガーを構え、翼を大きく動かす。舞い上がる彼女をダークソウルが追った。高速の攻撃をひらりひらりと躱しながら、カタリナは神殿の周囲を飛び回る。
「ま、現地の人を助けるようなものだと思って頑張ろうか!」
それに、弱い自分なんかに長々と構ってられないしね。小さく呟いたカタリナはダガーを操り、神殿に翼を象ったサインを刻んでいく。魔力が籠められたサインはゆっくりと神殿に染み込んでいった。
一通りサインを刻み終えたカタリナは宙で止まり、大きく翼を広げる。
「さぁて、少しばかり書き換えるよ?」
強い光を放ったサインを起点に、物理法則を書き換える黒風が巻き起こった。やがてそれは巨大な竜巻と成り、神殿を包み込む。激しい風が止むと、そこには力強い炎に包まれた神殿があった。時間が巻き戻され、『神の神殿』が復元されたのだ。
「そんな馬鹿な!?」
ダークソウルの力が急速に弱まり、元の黒い影へと戻る。慌てる敵の元に黒風を纏ったカタリナが急襲する。時間流を操り超加速した彼女の蹴りが炸裂した。
吹っ飛ばされ、地に叩き付けられたダークソウルの元に『神の神殿』から炎が降り注ぐ。敵は声を上げる事もできず、一瞬で焼き尽くされた。
カタリナは甦った『神の神殿』を見上げる。あと幾つ『オブリビオン神殿』があるのか知らないが、この甦った神殿がセンターオブジアースを救う一翼と成れば良い。踵を返した彼女は、次の戦いを見据えた。
大成功
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