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青藍迷宮

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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 グリモアベースの一角。ひとり、またひとりと集まってくる猟兵たちの姿があった。
 何かを待つ様な面持ちの彼らは、挨拶を交わして最近の情勢や近況を話し合っている。
「遅くなりました!」
 ほどなくしてよく通る弾んだ声が響く。
 紫の瞳が印象的な女性が背筋の伸びた人々の前に進み出て、にこりと微笑んだ。
「お集まり頂いて有り難うございます。私は人間の竜騎士でバーバリアンの、プルミエール・ラヴィンス。グリモア猟兵です。今から皆さんに依頼の概要をお話ししますので、質問がある場合は手を挙げて下さいね」

「アルダワ魔法学園の地下迷宮に宝が隠されている、という噂が流れています」
 それは何とも射倖心を煽る話であり、耳にした学生のみならず職員の間にも動揺が広がったが、真偽も話の出処もわからない上に危険度が大きい事が重く見られ、全体へ探索禁止令が出されたのは比較的早い段階だった。
 しかし、いつの時代にもどこの世界にも向こう見ずで好奇心の大きい連中は存在し、ルールを顧みない行動をとるものだ。
「監視の目をすり抜けて迷宮へ入ってしまった人たちがいるんです。それもよりによってオブリビオンが近くにいるという情報がある場所へ。万一遭遇して襲われれば命を落とすでしょう。そこで皆さんにお願いしたいのです」
 言葉を切り、仲間を見渡すプルミエール。
「敵を倒さなければなりません。その為にはまず、彼らより早く先へ進むこと。それが最初に課せられた目的です」
 件の冒険者たちにとって猟兵は宝探しのライバルであり、友好的とは言えない。道中で遭遇するのは避けられない為、何らかの対応を行う必要がある。
「大きく分けてその方法は三つ。物理で蹴散らして進むか、スピード勝負で近道や抜け道を探すか、相手の行動を読んで出し抜いたり利用したりするかです。どれも、成功するかどうかは皆さんの力量と相手次第ではありますが」
「探索に入った人はどれくらいいる?」
 ひとりの猟兵が挙手をして尋ねる。
「三人前後で動いているグループが多いですね。皆さんは協力して行っても単独で行っても大丈夫。もし戦闘になる様な事があったら一対一で相手をしていくと考えて下さい」
 また別のひとりが質問を投げる。
「迷宮に行った事がないんだけど、どんなとこ? 準備は必要?」
「大きな洞窟を想像して貰うといいかしら。昔、一部を利用して蒸気エンジンの実験や開発をしていたみたいで、その名残がありますよ。壁や天井はごつごつした岩肌です。当時の配管が残ってたり部品が落ちていたりしますね。広い所もあれば狭い所もありますが天井は割と高いですし、人ひとりが立って歩くには十分な空間です」
 発光生物の土ボタルがそこかしこに生息しており、迷宮内は闇の中という訳ではない。しかし足元は暗いので、備品として頭や腰にも取り付けられる小型ランタンの貸し出しがある。
 姿を変える迷宮に地図は無く、手探りで進まなければならないが、先んじるにはまず何より急ぐ事だ。方向としてはゆるい坂を下りていく形になり、奥へ歩むにつれて周囲の土ボタルの数が増していくので、それらが手がかりになるだろう。
「地下に封じられているオブリビオンについては、今の時点では具体的な数や能力が分かっていません。迷宮によく見られる書物の魔物がいる事は間違いないんですけれど……もしかしたら他の種類の災魔も存在する可能性があります。新しい情報が入り次第お伝えするようにしますね」
 どうか油断せずに。皆さんを信じています、とプルミエールは言葉を結んだ。


在原
 新人マスターの在原です。

 探索者たちを相手にする方法は、プルミエールの説明の通り3種類。
 それぞれは猟兵たちの以下の能力に該当します。

 攻撃して蹴散らすなどの力技を使う→「POW」
 スピード勝負で近道、抜け道を探す→「SPD」
 行動を先読みして利用する→「WIZ」

 お好きな方法をお試し下さい。

 宜しくお願いいたします!
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第1章 冒険 『冒険競争』

POW   :    力技で迷宮を攻略する

SPD   :    速度を活かして迷宮をショートカットする

WIZ   :    競争相手の生徒達の行動を読んで出し抜き先行する

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ルイーネ・フェアドラク
探索でしたら、一応本職ではありますからね
さすがに、素人の学生さんに後れを取るわけにはいきませんよ

地下迷宮の宝、というものにも気は惹かれますが
まずは何より、被害を防がなければいけませんね

反響音や痕跡をもとに、学生たちの動きを探りましょう
先回りが叶えば、軽い礫などを飛ばす【罠】を仕掛け、
レプリカクラフトで偽物の壁を作っておきます
少しばかり、痛い目を見るだけの罠には留めておきますが…
これに懲りたら、今後軽挙は謹むよう心がけてください

経路には自分用にしるしをつけ
足音をひそめながらもできるだけ急ぎましょう



洞窟の様だと聞いた通り、そこは地下空間独特の湿っぽい空気が充満し、意識せず歩けば天井や地面に靴音が反射して響く場所だった。
(まずは被害を防がなければいけませんね)
 ルイーネ・フェアドラクはなるべく音を立てぬよう速やかに、迷宮の奥へと足を進めていく。研究員という職務についている身として、宝とは何かが気にならない訳ではないが、今は猟兵としての生業である探索の技を活かす時だ。素人の学生たちに遅れを取るわけにはいかないというもの。
 辺りの様子を確認し、経路の覚えとして印を残しながら慎重に歩んでいた彼は、道が合流する数m手前の地点でふと立ち止まった。
 小石や土を荒々しく踏む音、複数の人の声。
 壁ひとつ向こう側から聞こえるそれは間違いない、禁を破って侵入した探索者たちのものだ。
 これは好機。眼鏡の奥で銀の瞳が細められる。そう、 あちらは既に彼が通った道であり、後続の牽制の為に簡単な罠を仕掛けておいたのである。
 前方に狙いを定め詠唱の文言を口にする。次の瞬間、一つになる道を再び分断する壁が出現し、硬いものがぶつかり弾ける音がそれを追いかける。
「うわ、何!?」
「あいたっ! 何か飛んできた! おい下がれよ!」
「えっ石!? 痛い痛い! 押すなって!」
 叫びは壁に跳ね返り増幅されて騒音となり、瞬く間にパニックが起こるが、それもわずかの間。不満げな声と共に、足音は後ろの方に遠のいていった。
 静寂が戻る。
「これに懲りて、今後軽挙は慎むよう心がけてください」
 彼らが去った方を見やって軽く息をつき、ルイーネは再び前に進みだした。

成功 🔵​🔵​🔴​

四王天・燦
「お宝と聞いて黙ってたら盗賊さん失格ってーやつだ♪」
淡い期待を抱くアタシにしてみりゃ学生どもを出し抜かなきゃならねー…まあ、危険から遠ざけてやるのはついでだついでっ

蛍の数も頼りだけど、奥ほど澱むだろう空気を嗅覚で感知したり、平地に出たらビー玉でも転がして正確に降り坂を測って最短コース狙い。
蛍が狭い隙間から出てきてたらシーブズギャンビットで壁面砕いてみよう

先行してる学生どもを見つけたら不意を討ってやろう。荷物降ろして軽装でシーブズ・ギャンビットで強襲。
…怪我させんのは寝覚め悪いから荷袋なりを引き裂いて探索不能にしてお帰り願おうっと。
「学生はお勉強がお仕事だろ。帰って宿題やってろ」

さ、お宝お宝…♪



「お宝と聞いて黙ってたら盗賊さん失格ってーやつだ♪」
 迷いのない足取りで迷宮を駆ける四王天・燦。本当に宝があるかもしれないし、なんて淡い期待を抱く彼女にとって、探索に入った学生たちはライバルだ。……まあ、結果的に危険から遠ざけてやる事になってもそれはついでの話。
 最初に足を踏み入れた場所よりも空気の澱みが増している。さて左右に分かれたこの道はどちらに進むべきか。左の壁の亀裂から青い虫が数匹出てきたのを見てとり、シーブズ・ギャンビットで砕いてみるが、現れたのは新しい岩肌とさらに数匹の蛍のみだった。奥の窪みを住処としていたのだろう。
 ならば、と燦は懐から取り出したビー玉をそっと地面に置く。ややあってそれは右の道へゆっくりと転がり始め、行先を示した。
 歩く事しばらく、仄かに青みがかった視界の端に動く影を捉える。それが何かを判断するや否や、荷物を降ろして身軽になった彼女はより一層の早わざで学生たちに攻撃をしかけた。
「うわ、あああ!」
「なっ、何!?」
 不意を打たれた驚き、困惑。未知のものからの攻撃を受けたという事実と恐怖。
 ……怪我させんのは寝覚めが悪いな。怯える彼らを見るとそんな気持ちが浮かんできたので、転がっている手荷物を引き裂いて放り投げ、それ以上の無謀な冒険を不可能にする。
「学生はお勉強がお仕事だろ。帰って宿題やってろ」
 ひっ、と息を呑み瞬く間に逃げ去る少年たち。一瞥して燦は元の道へ戻った。
 さ、お宝探しの続きといこう。

成功 🔵​🔵​🔴​

ティル・ライハ
お宝争奪戦?! ……なワケないよな、わかってるわかってる。
現地の奴らより早く行動してオブリビオン倒しゃいーんだろ?
まっかせな、俺探検とかそーいうの得意だから!

提示してくれた手段の中ならダントツでスピード勝負でいくぜ。“逃げ足1”でも上手く使えば上乗せできっかな。道中に罠が無いかどうか確認しながらでも間に合いそうじゃん。
あ、“レプリカクラフト”で安全な偽仕掛け罠作って配置したら、その人達の足止めになんねぇかな?

『SPD 速度活かしたショートカット』
『逃げ足1 が通用するなら使用』
『道中の罠には気を付ける』
『レプリカクラフトで安全な偽仕掛け罠を配置して後続の学生達の移動を遅らせる』



ほんとにお宝争奪戦だったらなあ、ともしもの想像をしつつ進むティル・ライハ。勿論分かっている、これはオブリビオンの絡んだ案件だ。先に迷宮に入った学生たちより早く奥へ到達して敵を倒す、それが今回の仕事。
 危険が無いか気を配りながら狭まった通路を行く。無造作に放置され積み上がった古いガラクタはあれど、作為的な罠は無い様だ。
 探検とかそーいうの得意! と常日頃から自負している通り探し物や調べ物に長けている彼は、手先の器用さも合わせ持っていた。道すがら偽の仕掛けを配置していくのは、後から来るかもしれない探索者たちを牽制し、移動を遅らせるため。傷つけるのが目的ではないその威力は、何かあってもかすり傷程度で済むレベルにしてある。
 学生たちを相手にする方法は3種類と言われたが、ティルなら迷う事なくスピード勝負だ。実は逃げ足の速さにも自信があったりする。
 人の気配を探りながらひた走り、下り勾配を選んで横道を抜けて長い直線にさしかかった時だった。彼の耳に微かな物音が届く。
「ん?」
 来た道を振り返る。闇に包まれた洞窟の向こうから伝わってくる空気の振動。
(こっちに来るなよぶつかる!)
(どけって! わああ!)
 かろうじて聞き取れた音はそういう感じの言葉だった。ひとしきり騒いだ後、足音が遠ざかって行くのが分かる。
 どうやら目論見は当たった様だ。
 上手くいったなーとひとりごちて、ティルは軽快に一歩を踏み出した。

成功 🔵​🔵​🔴​

ティエル・ティエリエル
「地下迷宮の宝物ってなんだかワクワクするね♪って、ダメダメ。きちんとお仕事しないとね!」

迷宮に入る前、頭につける小型ランタンを用意して準備万端だよ!

迷宮内では天井の端を隠れるように飛んで移動していくよ。
もし冒険者に見つかって邪魔されたら、自前の翅とスカイステッパーで立体的に動いて上手い事すり抜けていくね。

途中で配管が見つかったらショートカット出来ないか確認するね♪
配管の中を覗いて見える範囲で何もなければレッツ突撃だよ☆



迷宮に入るにあたり妖精の少女が選んだのは、天井の端を飛んで移動する方法。
「地下迷宮の宝物ってなんだかワクワクするね♪」
 超小型のランタンを頭に装着し、楽しそうに周囲を見回すティエル・ティエリエル。
(って、ダメダメ。きちんとお仕事しないとね!)
 人間の6分の1ほどであるフェアリー、その中でもまだ幼いであろう彼女にはぴったりの手段である。ただ今回は地上の障害物を気にしなくていい代わり、空中の発光生物に注意せねばならない。
「わわっびっくりしたー」
 それは目の前を不意に横切り、また服の裾をかすめていく。自由に飛び交う土ボタルの大きさは3cmほどで、さほど危険なものではなかったが、徐々に数を増してくるとそれなりに厄介ではあった。
 どうしようかと思案するティエルの目が錆びた配管で止まる。この中を通れたらいいかも? 考えて中を覗いてみたが、狭い上に通路より更に見通しが悪く、利点より欠点の方が勝るように思われた。
「何か飛んでる?」
 はっとして声の方を振り向く。探索者たちがいつの間にか足下近くまで来ていた。
「捕まえよう!」
 物騒な物言いと共に繰り出された躊躇ない攻撃を、流れる様なステップで華麗にかわす。
 じゃあこのままレッツ突撃! 力をこめて翅をはばたかせる。瞬時にして彼らの姿は視界から消えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

空飛・空牙
SPD勝負だな

『誰かが通った跡』を足場に可能な限りスカイステッパーで移動
床にも天井にも壁にも極力触らず、罠の危険を排除
その上で風属性エレメンタルロッドで大気を作りつつそれを駆動力に変換したレガリアスシューズで駆け抜ける

「ヒーホゥ! 悪いなガキども。先いくぜ?」
先行していた学生は出会い頭に
エレメンタルロッドでド突こうか

「今のが罠や魔物なら死んでたぜお前ら。あの程度が避けらんねぇなら明らかに実力不足だ。大人しく鍛えてから出直しな」

死んだり死なせたりしてからじゃ遅いんだぜ?
と真面目なことも言いつつ飛び去るか

…これで帰らねぇなら、迷ったふりして帰るまでド突き回すか



『誰かが通った跡』にステップを重ね、あたかも空中に道があるかのように進む空飛・空牙。万一の危険の可能性を最小限に抑えるべく、迷宮内のものには極力接触しない作戦である。
 エレメンタルロッドから生み出された風はレガリアスシューズの動力となり、更なる速さを彼に与えた。持てる能力を駆使して迷宮内を駆け抜けていくさまは、実に鮮やかだ。
「おっ」
 前方に複数の人影が見えた。すかさず得物を構える。
「ヒーホゥ!  悪いなガキども。先いくぜ?」
「は!? へ!? ぐはっ!」
 間の抜けた悲鳴。突然目の前に現れた男から遠慮のない一撃をお見舞いされ、困惑した表情で探索者たちは膝をつく。
「今のが罠や魔物なら死んでたぜお前ら。あの程度が避けらんねぇなら明らかに実力不足だ。大人しく鍛えてから出直しな」
 空牙を訝しげに睨みながらも、その言葉が自分たちへの警告である事は理解したらしい。殆どの者はもう逃げ腰だ。
「でもここまで来たんだぞ!」
 尚も言い募るひとりに空牙は笑みを消す。
「死んだり死なせたりしてからじゃ遅いんだぜ?」
 言葉に詰まって項垂れる学生。
 それを一瞥し、先へ進むべく再び地を蹴って跳ね上がる。数m進んで念の為にと肩ごしに確認すると、遠く後方に消えていく連中の後ろ姿が見えた。
 迷ったふりをしてド突き回す必要はないようだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

二神・マ尾
【SPD】好奇心は猫を殺すか、だっけか?
ったく、めんどくせぇけど……そんなオチにさせるかよ。

腰にランタンを下げ、人の通った痕跡と音を頼りに急いで進む。道が別れたら迷わねぇように来た道に印をつけとく。

蛍が多くなってきたら近道がないか探すぞ。
壊せそうな壁の隙間とか……蛍が飛んでく方向とか。

学生達を見つけたら、……あー。
やっぱ罠にしとけば良かったかなぁ。
恥ずいからあんま使いたくなかったけど。
ガチキマイラでライオンの頭に変えて吼えて脅しとく。
脅し効かなきゃ荷物を噛みちぎっとくかな。

仲間を危険に晒しても手に入れる宝に価値はねえだろ。
もう危険なとこには入んじゃねーぞ!



好奇心は猫をも殺すだっけか、そういう諺か何かあったよなぁ。などと考えながら二神・マ尾は道の途中で足を止める。飛び交う蛍が妙に多い場所がある事に気づいたからだ。
 ふらふらと遊ぶ一匹を目で追えば、通路を塞ぐ大岩と天井との隙間1m、そこへ入っていくのが分かった。試しによじ登って覗いてみると、数mほど向こうに青みがかった空間があるのが見える。
 腹ばいになれば通れるかもしれない。行ってみるかと身を屈めた時。
「誰かいる!」
 それが自分の事だと気づくのに少々かかった。地面に飛び降りて見回すと、声の主は別の方向から来た探索者の連中である。じりじりと近づいてくる彼らを眺め、罠を張っておくべきだったかなぁと思ってしまうのには、理由がない訳でもない。
(恥ずいからあんま使いたくなかったけど)
 目が小さくなっていくと同時に鼻が縦に長く伸び、角ばった形になる。尖った耳は丸く、口元はより猛々しく、顔の周囲の毛はたてがみへ。金と水色のオッドアイをそのままに、灰色の猫は雄々しいライオンの容貌へ変化した。
 ガチキマイラの発動を目にして、探索者たちの表情がみるみる内に凍りついていく。足がすくんで動けない者、それを置いて逃げ出すそうとする者がいる中、響くのは場を制するマ尾の声。
「帰れ。噛みちぎってやるぞ」
 先を争って走り去るその背中に、もう危険なとこには入んじゃねーぞ! と投げかける。尻尾の先の白い蛇たちが、それに呼応するかの様にゆらりと揺れた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『書物の魔物』

POW   :    魔書の記述
予め【状況に適したページを開き魔力を蓄える】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    ページカッター
レベル分の1秒で【刃に変えた自分のページ】を発射できる。
WIZ   :    ビブリオマジック
レベル×5本の【毒】属性の【インク魔法弾】を放つ。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 知識が力であるのならば、それを集積した書物はどれほどの強い力を持つのだろうか。
 猟兵たちの視線が集まる中心で、一冊の本がゆっくりと空中に浮かび上がり、鈍い光を放ち始めた。
 それは迷宮の知識を守るオブリビオン。どうやら次の相手は目の前の魔書らしい。
ティエル・ティエリエル
冒険者たちを振り切って奥へ奥へ飛んできて無事到着だよ!
でもでも、出迎えた文字がいっぱいの本には興味ナッシングだよ!

「ボク、もっとイラストいっぱいの本がいいな☆」

戦闘に突入すると、【ライオンライド】で体長40cm程度の子供の黄金のライオンを呼び出し跨ると、
縦横無尽に走り回りながら、【SPD】でかく乱して戦うよ。

【ページカッター】で飛んでくるページを見切ると、カウンターにレイピア型の獣奏器でぶすりと刺して回るよ♪
子ライオンくんには鋭い爪でビリビリに引っかいていってもらうね。

「ふふーん、そんな攻撃なんて当たらないよ☆」


四王天・燦
「黙らせてから書庫の本を頂戴できるかな」
学者さんに売れば金に…なってほしーなー

SPD勝負!
敵集団のページカッターに対し、先ずは無理せず守りを重視しながら各個撃破。
ただ黙って守り重視じゃねーぞ。
ページ射出のクセや動作を『見切り』することが目的だ

ほっぺを紙で切られた瞬間に瞳に残酷な光を宿して反撃開始。
「おい。女の子の肌に傷つけたらどーなるか、本には書いてねーみたいだな」

見切ればこっちのもの。
『残像』を残すほどの『ダッシュ』で詰め『二回攻撃』も狙ってのシーブズ・ギャンビットで大暴れしてやる。
「さっきの学生どもよりやりやすい。心が痛まないからな」
あらかた引き裂いたら価値ありそうな本を物色…できるかなー



かつての書庫の名残か、そこは本が散乱する広間だった。
 中心に浮かぶ一冊の書物が発する力は強大で禍々しい。それに感化される様に一冊、また一冊と浮遊する書物が増えていく中、ティエルは不満げな顔でそれを見つめる。
(頑張って飛んできたのに、出迎えが文字いっぱいの本なんて! ボク、もっとイラストいっぱいの本がいいな)
 時を同じくして到着した燦がぐるりと見回し敵の数を確かめる。放置された書棚に並んでいるのはごく普通の辞書や専門書で、攻撃してくる事はなさそうだ。
(て事は、学者さんに売れたりするかも?)
「……黙らせてから……頂戴……」
「何か言ったー?」
 近くにいた妖精の少女が燦に問い掛ける。
「な、何でもない!」
 価値がありそうなものを物色するのは、敵を倒してからだ。

 ティエルの呼ぶ声に応じて現れたのは40cmほどの小型のライオンだ。互いの力を強化し命を共有する獣の背をひと撫でして跨り、レイピア型の獣奏器を構える。
 その動きに合わせ、複数の魔導書から一斉にページカッターの刃が放たれた。侵入者を切り刻もうと襲いかかるそれを、ひとりと一匹は俊敏な動きでかわしていく。
「来るなら来ーい! 見切っちゃうからねー!」
 一方の燦も攻撃をいなしながら、見切る為の動きを探る。
「もしかして……!」
 ページが射出される瞬間わずかに本体が震えている。これか、と思った時、頬に鋭い痛みを感じた。
 燦の瞳に宿る酷薄な光。
「おい。女の子の肌に傷つけたらどーなるか、本には書いてねーみたいだな」
 間断なく繰り出される刃の一枚が今度こそ燦の頭部に命中し、彼女の姿が揺らいだ。しかしそれは敵の攻撃を上回るスピードで詰め寄った彼女の残像。一撃、二擊を続けざまに叩き込み、魔導書をバラバラにする。
(さっきの学生どもよりやりやすい)
 だって相手は無機物だから、心が痛まない。

 縦横無尽に駆けるティエル目掛けて紙の刃が飛ぶ。
「ふふーん、そんな攻撃なんて当たらないよ☆」
 既に動きを読み切った彼女は獣の上でひらりとそれを避け、返す刀で束として串刺しにする。子ライオンも主に負けじと、鋭い爪で紙を引っ掛けてはビリビリに破っていく。

「結構やっつけたかな?」
 視線を戻し敵を確認してみる。書物の数はいくらか減ったが、魔力の圧はさほど変わらない気がした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ティル・ライハ
おぉ、なんかすげぇのきた! ウィザード達が持ってる本が暴走した感じか??
遠距離攻撃タイプなんだな? じゃあ俺は皆が戦ってる裏で「目立たない4」ように「忍び足3」で近付いてタガーナイフで「2回攻撃1」!  
でも、もし途中でバレて攻撃がきたら、「逃げ足2」で避けながらタガーナイフ「投擲1」して距離おかなきゃなぁ。
どっちにしても、本のヤツの事はシッカリ見て行動するぞー

『SPD  密かに近付いて近距離2連攻撃』 or
『状況に応じて、投げナイフによる遠距離攻撃に切り替え』
『戦闘開始から敵の様子はしっかり観察する』


ルイーネ・フェアドラク
書物の魔物、ですか
さて、意志を持つものであるのか、それとも本そのものが持つ力がただ発動しているのか
どちらにせよ、……中身を覗いてみたくはなりますが

そう呑気なことを言っている余裕はなさそうですね

背の刻印からUDCを開放
この感覚には実は、いまだにどこか慣れない
蠢く触手を盾にしつつ戦います

【世界知識】でこの世界の魔物に関する知識を思い起こし
敵の動きからその特性など【情報収集】、他の猟兵と共有しましょう
本に【マヒ攻撃】が有効か、試してみる価値もありますか
また、攻撃はできうる限り【見切り】、それでも負う怪我は【激痛耐性】で堪えます

私が抑えている間に、突っ込んでくださる方がいれば助かるのですが



「おぉ、なんかすげぇのきた!」
 ティルが声をあげ、応戦する。猟兵に迫る攻撃の勢いは苛烈だ。書物からは休む事なくページが切り出され彼らを牽制しているが、その厚さは失われず、むしろ質量を増している様に見えた。紙が重なり合って擦れる音が響く。
「ウィザード達が持ってる本が暴走したって感じか?」
 呟いた一言にルイーネが頷く。
「書物の魔物、と言われるものですね」
 意志を持っているのか、力がただ発動しているだけなのかは気になるが、見た目から判別するのは難しい。
「……中身を覗いてみたくはなりますが」
 視界を覆う紙の束をなぎ払い、ルイーネは武器を持ち直す。そう呑気な事を言っている余裕はなさそうだ。

 本体を離れて飛び交う紙片をみやり、遠距離タイプと判断したティルは、攪乱に走る仲間の合間を縫う様に動く。狙いは勿論、真ん中の魔導書だ。
 気配を消して忍び足で近づく。敵はこちらに注意していない。チャンス。ナイフを握る手に力を込める。いける。
 振りかざしたその時、横から勢いよく飛んできた紙が視界に入り、咄嗟に身をよじって飛び跳ねた。見つかったか。
「もう少しだったんだがなぁ」
 場を離れる為にダガーを投擲し、距離を作る。
「真ん中の、動きませんね」
 彼の視線の先をよく見ると、攻撃を仕掛けているのは眷属の様な周囲の書物たちであり、中央の魔導書はページを開いたままの状態で殆ど停止している状態だった。
「もしかして攻撃の前ぶれじゃ?」
「その可能性は高いですね」
 言葉とともにルイーネが麻痺を狙う一撃を放つ。僅かのあいだ魔導書の動きが止まった様に見えたが、予想より早く効果は消え、すぐさま反撃の刃が飛来した。不意を打たれ、右の袖に一筋の裂け目が入る。
「おっと。……ならば」
 破れた箇所からじわりと滲んだ鮮血を媒体とし、彼の背中の刻印から顕現していくのは異形。いまだ馴染まない感覚を覚えながらも蠢く触手を操り、仲間たちを守る盾を展開させる。
「私が抑えます。その間に攻撃を」
「オッケー! 頼んだ!」
 ティルが地を蹴って走る。当てるには対象から目を逸らさない事。指の先まで精神を集中させて目標を捉え、穿つ。力を込めて下へ押し切り、すかさず同じ場所へ突き通す。手応えあり。気合とともに真っ二つに分断する。
 攻撃を妨害するべく襲いかかる残りの書物たちは、ルイーネの触手のターゲットとなった。人ならざる力に打ち付けられて本の形が崩れ、再び動く事を止めていく。

 圧倒的な力の魔導書が消えた後は早かった。場の力を失い、地面に落ちる大量の紙の束。バラバラになった書物が散乱する。
 広間から災魔の気配が消えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『錬金術ドラゴン』

POW   :    無敵の黄金
全身を【黄金に輝く石像】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    ドラゴンブレス
【炎・氷・雷・毒などのブレス】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    アルケミックスラッシュ
【爪による斬撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に錬金術の魔法陣を刻み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



その空間は今までのどの場所よりも青白い光に包まれていた。
身の丈4、5mほどであろうドラゴンがゆっくりと首をもたげ、猟兵たちの姿を捉える。

ついにたどり着いた。後は奴を倒すだけだ。
四王天・燦
お宝の間だ!(書庫の本をリュックから溢れさせながら)
…あるの?お宝…ガセ?
なぁにあのドラゴン…黄金ぽいけど、偽者くせー!

初見では爪を回避できないかもしれねーけど徐々に見切っていこう。
大事なのは強化させないこと…魔法陣に留まらせないようダッシュで駆け周りながら戦闘

ちっと本気で行くか…真の姿に近づいて狐の尻尾が3本に増える。
「術は得意じゃねーんだけど…今のアタシならできる!」
符術って感じでフォックスファイア(1枚1枚が燃えて狐火となり降り注ぐとかできたら良いなー)
最後は掌に狐火をあつめて「ふっ」とセクシーに吹きかけ

お宝は盗るし竜が黄金なら嬉しいけど…火遊びしすぎて気付いたら書物燃やすのがオチだぜ…


ティル・ライハ
今度は、デケェのでたな!……ってドラゴンじゃん。
俺んトコにもいるけど、コイツはなんかキラキラしててキレーだな。
っと、じゃ、頑張ろっか!

そうだな、まずあの翼を攻撃しときてぇかも。[投擲2]ナイフをそれぞれの翼に[2回攻撃2]投げるぞ。
今度は敵一体だから、アイツ注視してりゃ攻撃は避けられそーだし。

周りの皆の行動にもよるけど、素早く[逃げ足3]なりコッソリ[忍び足4]なりで背後から[暗殺5]っぽく攻撃すりゃ
俺でも少しはダメージ与えられるか、も??

『SPD 初手は翼狙い』『SPD 次手は背後からの攻撃に挑戦』
『攻撃を避ける(スピード・サバイバル)ために注視』



本の災魔を倒して先へ進んで来たら、何かがキラキラ光っていたから。
「お宝だ!」
 期待に満ちた眼差しでそこに飛び込んできたのは燦。リュックに詰め込んで溢れ落ちそうな書物を抑え、きょろきょろと辺りを見回す。
「……あれ? お宝……」
 青い迷宮の最奥に控えていたのは黄金のドラゴンだった。咄嗟に戦闘態勢をとるが、彼女の頭の中は混乱している。あれがお宝……な訳は流石に無いよな。
(えっ……やっぱガセ……?)
「今度はデケェやつか!」
 同じく魔導書との戦闘を終えて走ってきたティルが、敵の姿に唸る。
 自分のところにもドラゴンはいるが、目の前のそれとは大きさも色も違う。見慣れたフォルムでも威圧感は桁違いだ。
「っと!」
 威嚇の咆哮。錬金術ドラゴンの翼が大きく上下し、巻き起こる風でよろめく。
 戦闘は既に始まっているのだ。
「じゃ、頑張ろっか!」
 武器を構えて相手を見据え、初手のタイミングを見計らいながら最善の位置を探っていく。

 敵の周りの空気が一点に圧縮されていく気配。ゆっくりと吸い込まれる息、その喉の奥に見える赤い火。
「ドラゴンブレス! 来るぞ!」
 燦が叫ぶ。猟兵たちに向かって炎のブレスが放たれる。熱を持った暴風が物体に衝突する音。振動。間一髪逃げ切り、ややあって振り返れば、自分たちのいた場所が焦げてひび割れた地面になっているのを知る。
「みんな大丈夫!?」
「こっちは何ともないぜ!」
 仲間の無事を確かめる声にティルが応じる。
(奴が地表に立っている内に翼を潰しときてぇけど)
 上手く背後に回れないか。考える間にもドラゴンの太い前足が振り上げられ、鋭い爪の攻撃が繰り出される。
「あぶね!」
 際どいところで避ける燦。灰色の髪の先がぱらりと散る。外れた。しかし勢いのまま地表を抉った爪痕は、何かの形を成している。
「もしかして強化の魔法陣……!?」
 言うや否や、ティルが走る。相手は一体、動きを追うのは紙の刃より容易い筈。まず一投、ナイフを敵の両翼に投げつける。魔法陣に向かおうとしていたドラゴンの歩みが緩慢になり、煩わしげに翼を震わせた。
 仕掛けるなら今。気配を抑え忍び寄り、付け根に近い所に狙いを定める。踏み込む力をのせて続く二投めを放つ。やや逸れたものの、傷をつけるには十分の威力で命中する。
「……やったか!?」
 のたうつ様な呻きが大音量で響き渡った。
(――ちっと本気で行くか)
 燦の金の瞳が細められる。何かが発現する前触れか、彼女の内から外へ力が溢れ出し、体が変化していく。妖狐の尻尾をひとつ増やしたそれは真の姿に近づいた証だ。
 生み出す狐火は、ひとつ、またひとつ、ドラゴンを見下ろす位置まで高く上がる。
「術は得意じゃねーんだけど……今のアタシならできる!」
 一斉に降り注ぐ火が黄金の体躯に移り、瞬く間に広がってドラゴンを包む炎の塊となる。叫びの中に苦悶の響きが混じる。
 残り火を掌に集め、ふっ、とセクシーな仕草で息を吹きかけた。

 ドラゴンの爪が猟兵たちの数m先を大きく薙いでいく。しかしそれに最初の勢いは無い。片翼に負った傷が響いている様だ。
 この調子で追い込んでやろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

木霊・ウタ
心情
この世界の「過去」であるアンタだ
嘗て自分が在ったこの世界を壊したいなんて
思う筈ないよな

OK、任せとけ
俺達が止めてやるぜ

手段
ずっと封じられていて寂しかったか?
ちょいと相手をしてやるぜ


命と未来を守るという想いを込め
Wウィンドを奏で歌い
皆を鼓舞しつつ聖なる調べで敵の力を削ぐ
;コミュ&パフォ&演奏&歌唱&手をつなぐ&鼓舞&勇気&優しさ&破魔

石像になる直前か解除した直後を狙い地獄の炎を放つ

爪やブレスは剣で受け流して逸らし
その勢いのまま体を回転させて
逆側から紅蓮の炎を纏う焔摩天を喰らわせるぜ
:武器受け&属性攻撃&破魔&薙ぎ払い&鎧砕き

地形に刻まれた魔法陣は炎で炙り滅する



 猟兵たちの目前には、黄金に輝く石像と化し、微動だにしないドラゴンの姿があった。
 このチャンスを逃すまいと攻撃を仕掛ける者もいたが、自身の防御力を無敵のレベルにまで高めた竜にダメージを与える事は叶わない。

 石化が解けるタイミングを図りながらウタは思考する。
 ――あれはこの世界の「過去」だ。
 ぴくり、と竜の前足が震えた。石像が意思を持ち、再び侵入者に襲いかからんとする脈動の合図。
 ――嘗て自分が在ったこの世界を壊したいなんて、思う筈ないよな。

 幾度めかの咆哮。振動が足場を揺るがし、ふらつかぬ様に力を入れる。
(OK、任せとけ。俺達が止めてやる)
 例え壊す意思が無いとしても、蹂躙される現実を黙って受け入れる訳にはいかないのだ。
「ずっと封じられていて寂しかったか? ちょいと相手をしてやるぜ」
 込める想いはひとつ、命と未来を守る事。ウタの奏でるワイルドウィンドの音色が仲間を奮い立たせ、同時にドラゴンを圧する音の風となる。
 迫る爪が上衣を掠めて逸れた。獲物を仕留め損ねたそれが跳ね返り、戻ったところを剣で受け、流す勢いのまま体を右へひねり回転する。
 焔摩天の梵字を刃に持つ巨大な剣を振り下ろせば、その軌跡を追う紅蓮の炎が刃に添って走る。猛る熱波。瞬時にして赤く染まるドラゴンの、凄まじい苦悶の叫び。
「こっちも始末しといてやるよ」 
 地形に刻まれた魔法陣に狙いを定め、剣から生み出された炎を放つ。
 土が焼かれて陣のかたちを崩し、錬金の力が断ち切られた。

成功 🔵​🔵​🔴​

富井・亮平
【心情】
クッ! チャンスを逃すまいとこっそり攻撃を仕掛けていたのだがッ!
全くダメージを与えることが叶わないとは思わなかったッ!

しかし邪悪なオブリビオンを見過ごすわけにはいかないッ!
ここからは本気で戦わせてもらうとしようッ!

【行動】
「ゆくぞッ! トォリニティィィ・エェンハンスッッッ!!!」
ルーンソードに炎の魔力を宿らせ、ヒーロー的な斬撃を放つッ!
重視するのは……状態異常力ッ!

この場は立て続けに行われた炎の攻撃で、新鮮な炎のエネルギーに満ちているッ!
状態異常の炎はそれを吸収し、消えない炎となってまとわりつくはずだッ!
防御をしても、防御が解けるまで焼き尽くすッ!
ヒーローに同じ手は通用せんのだッ!



 ルーンソードを手に亮平が駆ける。攻撃を凌いで焦げた地面を踏みしめ、ドラゴンに向き直った。
 チャンスを逃すまいと密かに攻撃を仕掛けていた彼は、改めて決意する。
 ここまで全くダメージを与えることが叶わないのは予想外だったが、しかし。
(邪悪なオブリビオンを見過ごすわけにはいかないッ!)
 ここからは本気で戦わせてもらうとしようッ!

「ゆくぞッ! トォリニティィィ・エェンハンスッッッ!!!」
 振りかざした剣に言葉がもたらすのは、炎の魔力。
(この場は立て続けに行われた炎の攻撃で、新鮮な炎のエネルギーに満ちている)
 自身の持つ能力を強化するそのユーベルコードで、そう考えた亮平が選んだのは。
(状態異常力ッ!)
 猛烈な勢いの火柱が生まれ、次の瞬間にドラゴンを飲み込む。 
 狙いは状態異常の炎で敵のそれを吸収することだ。上手くいけば消えない炎となって、行動を妨害できるかもしれない。
 すぐさま構え直し、火の粉をかい潜ってぎりぎりのところまで接近、一撃を与えるべく刃を振り下ろす。防御力が下がったところを上手くついたか、手応えを感じる。
 体躯を捻ったドラゴンの尾が地面を打ち付け、地響きと共に土埃が舞い上がった。その間も炎の勢いは衰えることなく、敵を焼き尽くさんとばかりに燃え続ける。
 亮平は力強く声を上げた。
「ヒーローに同じ手は通用せんのだッ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニノン・トラゲット
お宝を守るドラゴンが待ち構えているっていうのは、冒険ロマン的にお約束ですよね!
……ほんとにお宝があるわけじゃないみたいですけど、それはそれとしてドラゴン退治っていうのもロマンです! 大いにアリです!! 張り切っていっちゃいましょう!!

あんまり戦いを長引かせてもこっちがジリ貧になりそうですし、短期決戦狙いでガンガン攻めてみますね。【高速詠唱】からの【全力魔法】で、全開のエレメンタル・ファンタジアをお見舞いです!
本体にぶつけてダメージを稼ぐのは勿論、向こうが地形に刻み付けた錬金術の魔法陣もうまく巻き込んで壊してしまえればラッキーかなって思います。



 お宝を守るドラゴン、それは冒険ロマンのお約束。
 学園の探索者たちも抱いたであろう期待を胸に、わくわくして迷宮を駆け抜けてきたニノンが目にしたものは、眩いばかりに輝く黄金のドラゴンだった。
「本物……わわっ!」
 彼女が足を踏み出したすぐ先に、焼けた石くれが飛来して落ちる。
 辺りを見回せば度重なる攻撃の応酬で穿たれた地面や壁面が目に入り、長く留まると危なそうなところもあった。
 敵からやや距離を取りながら、しかし彼女は心が躍るのを感じる。
(宝物は流石にないみたいですが)
 ――荒ぶる黄金のドラゴンを退治するなんて、これはまさしくロマンです!!

「張り切っていっちゃいましょう!!」
 気合をいれ、武器を構えるケットシーの少女。形のいい耳がぴくりと震えるやいなや、その足が地を蹴る。刹那の間をおいて響く硬質な衝撃音。
 狙いを仕留め損なったドラゴンの爪が土を引っかき持ち上がった。間一髪で危機を脱し、それを見つめる緑色の瞳。
(あまり戦いを長引かせても、こっちがジリ貧になりそうですよね)
 それならば短期決戦――口に乗せた詠唱は一瞬。みるみるうちに生成された氷のヴェールがドラゴンを覆っていく。
「全開のエレメンタル・ファンタジアをお見舞いです!」
 唸る赤い口がその牙の奥から毒のブレスを吐き出そうとするも、冷たい壁に押さえ込まれて反撃が叶わない。
 幾度目かの咆哮と共にもがく巨体が氷を砕いたが、そのままぐらりと揺れ、たたらを踏んだ。これまでの攻撃で強度が落ちた装甲に無数の傷が刻まれている。
 地面を見れば魔法陣の形が崩れているのに気づき、尻尾を揺らしてニノンは小さく跳ねた。
「上手くいきました!」

 攻撃を繋いでドラゴンへのダメージを蓄積させていく猟兵たち。戦いの天秤の傾きがどちらにあるのかが見えてきた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・マジック
うーん、まだまだ元気みたいだね
生憎ボクの手妻は継戦向きでね。一撃必殺とか、そういうのはないんだ。まぁ、それでもやりようはあるけど。
武器を1つ奪わせてもらうよ。さぁ、ボクの手妻をご覧あれ!

〇WIZ
ウィザードミサイルを空中に多数展開し、遠距離から1本ずつ小出しで攻撃します。付かず離れずの距離を堅持し、防御に徹しながらの退き撃ちです。
錬金術ドラゴンが焦れてブレスを撃とうとしたら、その瞬間にウィザードミサイルを全弾口に叩き込みます。



 体の至るところに傷を負ったドラゴンが炎のブレスを放つ。苛立っているのか、目についたものを手当たり次第に破壊していく。
(うーん、まだまだ元気みたいだね)
 この状況で自分の技を活かすには。
 火の粉を振り払い、考えるアリス。彼女の攻撃は継戦向きだし、一撃で仕留める様なものではないけれど。
 誰かが放った矢が金の装甲に弾かれた。――それでもやりようはある。
「さぁ、ボクの手妻をご覧あれ!」
 掛け声と共に形を持ったのはミサイル。ドラゴンから距離をとり、扇を広げるように展開したいくつもの弾丸、そのひとつが前触れなく動いた。
 ドラゴンが足を動かすより速く、そのつま先に着弾し爆発する。
 それを皮切りとして空気を切る短い音が次々に生まれ、彼女の攻撃の合間を縫うように続く。
 近づきすぎず絶妙な距離を保ち、自らの防御を優先しながらも、ドラゴンへのダメージを与えるのを怠らない。
(もう少し……)
 帽子の上から長い黒髪を押さえ、少女は何かを待つ。
 尾を叩きつけ吼えるのは更なる傷を受けたからか。警戒が手薄な背面への攻撃に振り向けば横から叩かれる事を数度繰り返し、翻弄されたドラゴンが発したのはひときわ大きな唸り声。
 動きが止まった。
 ――好機!
 アリスの操る全弾が一斉に同じ方向を向く。目指すは一点、その口の中!
「行け!」
 号令と共に終わりを告げる爆音が響いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

パルミリーリル・アーティルノッド
≪アドリブ・アレンジ大歓迎≫
むむっ、お宝があるというのは偽情報でございましたか!
とはいえあのドラゴン様もどうやら只者ではないご様子ですねぇ!
死体とは言わないまでも、その破片でも持ち帰ればそれはお宝でございましょう!

*エレクトロレギオンを展開する*
さてさて! ブレスや爪など何かと厄介でございますため!
近寄りたくはないでございますねぇ!
*兵器を数機ずつで編隊を組ませ、波状攻撃*
ブレスも連続では吐けないはず!
そしてその爪も何かに当たってさえしまえば地形に魔法陣を刻むこともないでございましょう!
さぁさ! ドラゴン様! 無駄な抵抗はおよしになってくださいませませ!



 彼女の頭上に陣を構えた小型の機械兵器はいくつかの編隊となり、攻撃の態勢をとった。
「もしや何らかのお宝が、なんて少々期待しておりましたけれど」
 偽情報でございましたねぇ、とパルミリーリルは呟いた。 
 とは言え、黄金のドラゴン様。その破片でも持ち帰れば、それはお宝でございましょう! 
「参りましょうか!」

 氷のブレスを凌ぎ、旋回する兵器。
「連続では吐けないのではございませんか?」
 狙うのは爪。何かに当たってさえしまえば、地形に魔法陣を刻むこともないのなら。
(厄介な攻撃をお持ちのご様子、身に受けては大ごと。近寄りたくはないでございますねぇ)
 果たして目論見通り、飛来する兵器は小さな爆発を起こして斬撃を相殺し、陣を描く事を許さない。
 少女は敵に向き直り、高らかに口上を述べた。
「さぁさ! ドラゴン様! 無駄な抵抗はおよしになってくださいませませ! 」
 波状の攻撃がドラゴンを襲う。少し前ならば跳ね返された筈の一撃が、刻まれた傷を抉り、さらに深いものとして力を奪っていく。
 
 熱気で上昇しきった空間の気温、立ち込める煙に混ざる蒸気。巻き込まれない様にそれぞれが身を守り、戦いの行く末を見つめる。
 靄の向こうの物体がゆっくりと倒れていく。それは地面にぶつかり、足場が崩れたかと思う程の衝撃をもたらした。
 音が収束するのを待ち、敵がいた場所を確認する。
 動くものは無く、断末魔の叫びは既に途絶えていた。

「私たちの勝利、でございますねぇ!」
 パルミリーリルの喜びの声に仲間の歓声が続く。
 猟兵たちは確かに黄金のドラゴンを倒したのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月05日


挿絵イラスト