アースクライシス2019⑬~その炎を狼煙に掲げ
●今は遠き炎
ラグランジュポイントに浮かぶ、いくつもの宇宙船がぶつかってできた『島』。そこではオブリビオンに支配され、住民たちが強制的に働かされていた。
「さあ、テメエら! 今日もお仕事の時間だぜ!!」
「サボらず働くんだよ、いいね?」
その島を支配していたのはスカムキングの量産型クローン。力で従わされているのはスペースモヒカン族の住民たちだ。今日も今日とて望まぬ労働……柱から突き出た棒を押し、数人がかりで柱をグルグル回す仕事を課せられる。
「ちくしょう……なんだってこんな事……」
「イヤだって言っても、逆らう事も出来やしねえしな……」
一見、無意味に思える仕事を延々と続けさせられ、住民たちの精神もだいぶ参っているようだ。スペースモヒカン族の証たるモヒカンヘアーも心なしか萎れている。この棒を回す事で島の下にあるUFO工場を稼働させるエネルギーを発生させている事を彼らは知らない。そのUFOが何に使われているのかも。
「汚物を焼却してた日々が懐かしいぜ……」
遠い目をするスペースモヒカン族の男の視線の先にはガラクタを積み上げた山。そこにはスペース火炎放射器が打ち捨てられていた。
●グリモアベースにて
「ラグランジュポイントには宇宙船がぶつかってできた島がいくつもあり、オブリビオンはそこの住民たちを働かせてUFOや装置を作っているようです。」
アルトリンデ・エーデルシュタインが聖典を閉じて猟兵たちに呼びかける。ビームハイウェイを辿った先、ラグランジュポイントまで乗り込む事に成功した猟兵たち。そこでは、オブリビオンが島に住んでいる住民たちを強制的に従え、働かせていた。
「皆さんに向かってもらいたいのはその内の一つ、スペースモヒカン族の島です。」
頭のモヒカンヘアーが特徴の彼らは、物事を深く考えずに行動する一族だ。そして強い者に弱い。それ故に島を支配するオブリビオンに逆らおうという気が削がれてしまっているのだ。
「島を支配しているのは『量産型スカムキング』です。スカムキングの撒き散らす汚染物質で、すでに島のあちこちが汚染されています。」
クローン故に数も多く、個々の力も侮れない。力づくですべて倒すのは骨が折れるだろう。
「ですが住民たちを勇気づけ、蜂起させる事ができれば数で押し返す事ができると思います。」
元よりスペースモヒカン族は数が多い。そのすべてが蜂起すれば如何なスカムキングのクローンといえども数を頼みに畳み込めるだろう。
「スペースモヒカン族に蜂起を促すには、まず猟兵が優位である事。次いで古来より彼らの愛用する武器『スペース火炎放射器』を活用して戦う事、です。」
スペースモヒカン族は強い者に逆らおうとしない。なので立ち上がらせるにはまず、猟兵側につけば勝てるかもしれないと思わせる事が必要である。その上で彼らの愛用する『スペース火炎放射器』をうまく活用して戦う姿を見せれば、スペースモヒカン族を激しく鼓舞する事ができるのだ。
「『スペース火炎放射器』についてですが、武器としての性能はそこまで高くありません。噴射する炎の威力も、宇宙空間でも燃える事を除けば通常の炎と同程度です。」
一点、特筆すべきはこの炎、汚物なら何でも燃やし尽くしてしまう。それこそスカムキングの撒いた汚染物質さえも。
「スカムキングの本体には影響ないようなのですが、周囲の汚染物質を焼き払えば相手の優位を消す事になります。上手く活用してくださいね。」
『スペース火炎放射器』はあちこちのガラクタの山にたくさん埋まっている。転送後、すぐに手にする事ができるだろう。
「日々課せられる強制労働は住民の方々を心身ともに疲弊させています。彼らをオブリビオンの支配から解放してください。よろしくお願いします。」
そう言葉を括り、アルトリンデは猟兵たちを送り出すのだった。
こげとら
しばらくぶりです、こげとらです。
このシナリオは一章完結の戦争シナリオです。
舞台は宇宙、ラグランジュポイントに浮かぶ宇宙船が幾つもぶつかってできた島の一つです。この島を支配しているオブリビオンを倒し、住民を解放するのが目的となります。重力などは地上と同程度、特に対策などなくても問題なく活動可能です。
戦場は屋外で、瓦礫の山があちこちにある荒れ地のような場所です。所々に設置された棒のついた柱をスペースモヒカン族たちが回しています。
このシナリオには下記の特別なプレイングボーナスがあります。
プレイングボーナス……島に眠る「宇宙人の謎兵器」を使う。
この島の謎兵器は『スペース火炎放射器』です。単純に炎を噴くだけの武器になります。小型のタンクとライフル銃がホースで繋がった形をしており、タンクは2リットルのペットボトルくらいの大きさです。威力は通常の炎と同程度で射程は数mほど、宇宙空間でも燃えて汚物を焼却できます。その辺にたくさんありますので幾つ使ってもかまいません。
火炎放射器の威力ではスカムキングにはダメージはありませんが、スカムキングの撒いた汚染物質や汚泥は燃やす事ができます。
また、派手に炎を上げるほどスペースモヒカン族のテンションが上がります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしております!
第1章 集団戦
『量産型スカムキング』
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POW : バッドイーター
戦闘中に食べた【汚染物質】の量と質に応じて【肉体の毒性がさらに増し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD : ダストブロンクスの王者
自身の身体部位ひとつを【汚染物質の塊】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : ポリューション・スワンプ
【体内から放つ猛毒の汚染物質】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を瞬く間に汚染し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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リカルド・マスケラス
「ヒャッハー! 汚物は消毒っすー! って、なんか元気ないっすねー」
そんな感じ登場するバイクに乗ったお面
「みんな、力を貸して欲しいっす。そうすれば倒せない相手じゃないっすよ!」
と、【コミュ力】で説得しながらバイクのビーム砲で敵を【なぎ払い】倒せなくても、勝てる可能性を示せたら十分
協力をこぎつけたら
「それじゃ、楽しい宴の始まりっすよ!」
とモヒカン達を【仮面憑きの舞闘会】で強化。【団体行動】で連携してもらい、【属性攻撃】で強化されたスペース火炎放射器で汚物を燃やしたり、パワーアップした彼らならクローンにもある程度太刀打ちできるかもしれない。
UCの効果中、リカルドの動きは悪くなるが、バイク走らせ頑張る
宇宙船がぶつかり合って出来上がった『島』。今はあちこちに汚染物質が撒き散らされている中で、スペースモヒカン族たちはただひたすらにグルグルと棒を回し続けていた。『量産型スカムキング』たちに監視されていてはサボる事は出来なかった。
「ヒャッハー! 汚物は消毒っすー! って、なんか元気ないっすねー」
威勢よく飛び込んできたバイク、そこに乗っている白い狐の仮面のヒーローマスク、リカルド・マスケラスがスペースモヒカン族の様子を見る。格好からしてヒャッハーしてそうなモヒカン族は、今や虐げられる側だった。
「オレだって、ヒャッハーしてぇさ! けどよぉ……」
過去を思い返すモヒカン族、彼らをそうさせた元凶がリカルドのバイクを見つけて近寄ってくる。
「おいおいアシュリー、見てくれよ。勝手にバイクが停めてあるぜぇ?」
「ヒトの土地に勝手に上がり込んでくるなんて……オシオキしないとねぇ!」
次々と集まってくる量産型スカムキングをリカルド一人で相手取るのは厳しそうだ。だがもし、スペースモヒカン族も立ち向かってくれるならば。リカルドはスカムキングへとバイクのビーム砲を放ちながらモヒカン族へと言葉をぶつけていった。
「みんな、力を貸して欲しいっす。そうすれば倒せない相手じゃないっすよ!」
リカルドがなぎ払ったビームがスカムキングを焼く。だがそれは【ダストブロンクスの王者】で変じた汚染物質を薙ぐに止まった。
「あっついねぇ、ヤケドしちまったじゃないかい!」
スカムキングの胴に埋まるアシュリーにビームがかすり、その肩を焦がす。戦えている、その事実はモヒカン族たちの心を今一度奮い立たせた。
「あの汚物のバケモノにヤケドさせたぞ……」
「狐面のダンナとなら、オレたちも……!」
一度火のついた心は止まらない。持ち場を離れて立ち上がるスペースモヒカン族の姿にリカルドも応じる。
「それじゃ、楽しい宴の始まりっすよ!」
50を超える白い狐のお面が現れる。それは【仮面憑きの舞闘会(マスカレイドパーティ)】で召喚されたリカルドの狐面の分体。手に手にスペース火炎放射器を持ち暴れはじめたスペースモヒカン族たちの顔にその狐面が被さってゆく。
「なんだこの面? ダンナのと同じ?」
「お、おお!? 力が湧いてくるぞ!」
リカルドの力を宿し、超強化されるモヒカン族たち。白き狐面をつけたモヒカンの姿にスカムキングが怯んだ。
「今っす! 一気に攻めるっすよ!!」
リカルドの号令の下、統率された動きでモヒカン族がスカムキングに火を放つ。
「「「ヒャッハー! 汚物は焼却だァッ
!!」」」
個々の力ではかなわずとも、一斉に襲い掛かればスカムキングといえどもただでは済まない。
「クソ! 汚染物質の生成が追い付かねぇ!!」
身体を変じた汚染物質は瞬く間に燃え尽き、リカルドの力で強化された炎がスカムキングを焼く。統率するリカルドを叩こうにもバイクで巧みに距離を取られ、量産型スカムキングは思うように攻められないまま燃え尽きていった。
反撃の炎はこうして上がったのだった。
成功
🔵🔵🔴
国栖ヶ谷・鈴鹿
●POW
【スペース火炎放射器】
火炎放射器かー、そんなに珍しい技術じゃ……って、え?汚染物質を消毒?ちょっと待って、汚染物質って言っても幅広いよ?え?これ地味にすごくない??
【消毒作戦】
ひゃっはー!汚物は消毒だー!
お前たちに食わせる汚物はない!
(ノリノリでまずは周囲の汚染物質を消毒して、弱体化狙い)
紅路夢と合体して、汚染物質で強化される前に[属性攻撃]で炎を付与、弾頭に焼夷弾を仕込んで、ちゃんと消毒しよう!
[毒耐性]はあるから、[運転と操縦]で回避しながら、派手に毎回燃やしていこう!
スペース火炎放射器で一通り楽しんだら、スペックをあれこれ聞いちゃおうか!
……話通じないかもしれないけど……。
島へと着いた国栖ヶ谷・鈴鹿は放置されていたスペース火炎放射器を手に取った。タンクの大きさなど改良はされているようだが基本的な部分は普通の火炎放射器とそう変わりはないように思える。
「火炎放射器かー、そんなに珍しい技術じゃ……」
だが、鈴鹿は気が付いた。スペース火炎放射器の可能性に。
「……って、え? 汚染物質を消毒? ちょっと待って、汚染物質って言っても幅広いよ? え? これ地味にすごくない??」
そう、それこそがスペース火炎放射器が謎兵器とされる所以。それに比べれば宇宙空間でも燃える炎など大した事ではない。そしてこの島に居るのは量産型スカムキングだ。ならばやるべき事は言うまでもないだろう。
「ひゃっはー! 汚物は消毒だー!」
その後しばらくして。【鋼鉄のヲトメゴコロ(アイアン・メイデン)】でフロヲトバイである紅路夢と合体した鈴鹿はノリノリで周囲の汚染物質を焼き払って消毒していた。
「なんだ!? 一体何事だァ!?」
派手に噴き上がる炎に様子を見に来たスカムキングが向かってくる。さらには騒ぎにスペースモヒカン族も集まってきた。
「アンタ! すぐにアイツを止めるんだよ!!」
炎で周囲を消毒してゆく鈴鹿を見て、アシュリーが血相を変える。このままでは折角の汚染拠点が台無しになってしまうとばかりにスカムキングも応戦しようとするが。
「お前たちに食わせる汚物はない!」
スカムキングが【バッドイーター】で己を強化しようとするのに先んじて、鈴鹿のスペース火炎放射器が火を噴いた。炎が舐めた後には汚染地帯はきれいさっぱり燃え尽きていた。そして汚染物質を食べ損ねたスカムキングに鈴鹿は弾頭に焼夷弾を仕込んだ弾を撃ち込んだ。
「汚物はちゃんと消毒しよう!」
直撃を受け燃え上がるスカムキング。その姿に湧き上がるモヒカン族。その頃には鈴鹿は次の汚染物質へと火炎放射器を向けていた。あちこちに撒き散らされた汚染物質を巧みな操縦で縫うように躱しながら燃やしてゆく鈴鹿。多少の毒性ならば耐性があるので問題はない。
「スペース火炎放射器で一通り楽しんだら、スペックをあれこれ聞いちゃおうか!
……話通じないかもしれないけど……」
その後、向かってきた量産型スカムキングと周囲の汚染物質を消毒した鈴鹿は興奮して駆け寄ってきたスペースモヒカン族に話を聞いた。
「スペース火炎放射器の性能? マジパネェ性能なんだよなァ!」
そしてスペースモヒカン族は火炎放射器を誇りに思っているらしいが、語彙力が無さ過ぎたため詳しい事は分からなかったという。
成功
🔵🔵🔴
鈴木・志乃
※UC第二人格【昨夜】で戦闘
いええええええええい!!!
ひゃっはーサイッコーにハイな気分ね!!
飛ばしてくわよ、ありったけ武器を頂戴な!
【オーラ防御】展開
【第六感】で敵の動きを【見切り】【念動力】で油を、めちゃくちゃに、はちゃめちゃに、【スライディング】しながらぶちまける!
【高速詠唱】【全力魔法】で勢いを上げた火炎放射器を、【早業】で思いっきりぶっぱなせ!!全部焼き尽くせ!!!
(【破壊工作】【衝撃波】【なぎ払い】)
炎から逃れるであろう所に【ロープワーク】でこっそり捕縛罠設置
【呪殺弾】乱れ撃ちよ(【カウンター】)
こちとら普段から爆弾ぶっぱなしてんのよ
このパーティー、いつまで続けさせてくれるの?
『島』に着いた鈴木・志乃は早速こちらに向かってくる『量産型スカムキング』を目にした。既に警戒はされているという事か。だが向こうから来るならば逆に好都合、志乃は手近なスペース火炎放射器を瓦礫の山から引き抜く。その顔は、普段の志乃とは別の表情を浮かべていた。
「いええええええええい!!!
ひゃっはーサイッコーにハイな気分ね!!
飛ばしてくわよ、ありったけ武器を頂戴な!」
【 Ms.Yesterday(ミズ・イエスタディ)】で表に現れたのは志乃の第二人格【昨夜】。続けざまに念動力で火炎放射器のタンクを引き寄せる。
「猟兵がまた来やがったか……だが、これ以上好きにはさせねぇぜ!」
スカムキングとて油断はない。志乃/昨夜を囲うように汚染物質を伸ばし、押しつぶそうとする。その動きを読み、志乃/昨夜は汚染物質の隙間をスライディングで潜り抜ける。その後にはぶち撒かれた大量の油。反転し、向けた火炎放射器をその油を撒かれた汚染物質に向けて放つ。
「全部焼き尽くせ!!!」
早業で放たれる炎は志乃/昨夜の全力の魔法が乗せてある。その威力は通常のスペース火炎放射器の比ではない。炎がなぎ払い、引火した油が爆発する。
「ぐはッ! なんだァ!?」
火炎放射器の威力もだが、撒かれた油のせいで逃げ場が少ない。下手な所へ踏み込めば四方から炎と爆発の衝撃波が襲ってくるのだ。そして、かろうじて見つけた炎から逃れる場所に足を踏み入れたスカムキングを絡みついてきたロープが引き倒した。
「罠、だと
……!?」
スカムキングの動きを止める為のロープによる捕縛罠、とすればその狙いは。
「こちとら普段から爆弾ぶっぱなしてんのよ。」
志乃/昨夜が乱れ撃つ呪殺弾がスカムキングを撃ちのめしてゆく。動かなくなった量産型スカムキングから目を放し、次なる汚物へ向けて志乃/昨夜は油を飛ばしてスペース火炎放射器を向けた。
「このパーティー、いつまで続けさせてくれるの?」
火炎放射器から噴き上がる炎が新たな爆発を巻き起こし、汚染物質を吹き飛ばす。スペースモヒカン族はその光景を目にし、その心に再び炎を取り戻していったという。
成功
🔵🔵🔴
セゲル・スヴェアボルグ
なるほど、汚物は消毒だ!ってやつだな。
タンクはそうだな……まぁ持てるだけ持っていこう。
射程があまり長くないようなので、
ちょいと炎を追加してやるとしよう。
なに、俺のブレスを混ぜてやるだけの話だ。
これで少しは射程も伸びるし、燃焼時間も延長できる。
汚染物質を食べようとしても、その汚染物質が燃やされてしまえば強化は出来ん。
なら、あたり一帯を火の海にするつもりでいこう。
これから毎日、島を焼こうぜ。
ん?燃え続けてもらっちゃ困るって?
安心しろ、俺の炎が混ざってるので、いつでも消せる。
戦闘が終わったら火の後始末はきちんとするぞ。
「なるほど、汚物は消毒だ! ってやつだな。」
話を聞いたセゲル・スヴェアボルグは頷いた。そうとなれば如何にスペース火炎放射器を活用するか、だ。
「タンクはそうだな……まぁ持てるだけ持っていこう。」
ガラクタの山からスペース火炎放射器を一つ引っこ抜き、ホースで繋がるタンクを手にセゲルは他のタンクを探す。近くにタンクが大量に積まれている山を見つけ、そこから多数のタンクを取り出した。試しに近くの汚染物質に向かって火炎放射器で火を放つ。
「ふむ、射程はあまり長くないようだな。それなら……」
スペース火炎放射器の使い勝手を確認し、セゲルはこちらを発見したらしい量産型スカムキングに火炎放射器を向けた。スペース火炎放射器の性能はスカムキングも知っている。猟兵の力で思いもよらぬ威力を出す事があるとはいえ、所詮は火炎放射器。そんな驕りがスカムキングにはあったのだろうか。
「なんだ、この火炎放射器……普通じゃねぇ!?」
セゲルの放った炎はスカムキングの知る火炎放射器の性能を遥かに超えていた。想定外の射程と威力に対応が遅れたスカムキングを炎が包み込む。
「なに、俺のブレスを混ぜてやっただけの話だ。」
火炎放射器の炎にセゲルの竜頭から吹かれた【朱竜回禄(ブランド・カタストロフ)】の炎が混ざり込んでいる。ユーベルコードの炎と汚物を焼却する炎、二つが混じりあいスペース火炎放射器の性能を上げていたのだ。その威力もセゲルの炎に等しく、故にまともに受けたスカムキングは全身にダメージを負っていた。
「だがこの程度で終わらねぇぜ……!」
汚染物質を食べ、【バッドイーター】の強化があれば挽回は出来る、そう判断したスカムキングが手を延ばした汚染物質が炎に包まれる。スカムキングの強化を防ぐべく、周囲の汚染物質をセゲルが広範囲に放った炎で焼却しているのだ。【朱竜回禄】の炎は燃焼時間の通常の炎より長い。瞬く間に辺り一帯が火の海と化した。
「てめぇ……この『島』を燃やし尽くすつもりか?」
元はスペースモヒカン族の暮らす『島』を焼き尽くす気か。そう問うスカムキングにセゲルは当然、と答える。
「これから毎日、島を焼こうぜ。」
無論、セゲルは戦闘が終われば炎を消して後始末はするつもりであった。だが、セゲルの言葉はスペースモヒカン族のヒャッハー心に火をつける。
「おう、派手にやるじゃねぇか!」
「ドゥンドゥンやろうじゃねぇか!」
手に手にスペース火炎放射器をもって辺りに火を放ちまくるスペースモヒカン族。瞬く間に周囲の汚染物質は焼却され、なすすべなくスカムキングはセゲルの炎に焼かれる。後の火の始末はセゲル主導の下、しっかりと行われたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】 (連携・アドリブ可)
「ヒャッハー、火炎放射器ってすごいよね」
スペース火炎放射器片手に、フィオ姉ちゃんと一緒に量産型スカムキングをやっつけるよ
【行動】()内は技能
「ばっちぃのは全部燃やしちゃうよー」
左手に持った聖箒にディオス・デル・ビエントを唱えるよ。
『強力な吸引力』で汚染物質を引き寄せて、火炎放射で派手に燃やしちゃうんだ(掃除)
「どんな汚れも見逃さないんだからね」
ほらほらと軽快に燃やす(パフォーマンス)でモヒカン族のテンションUPだね
「最後は派手にいくよ」
とどめとばかりに(全力魔法×範囲攻撃)でカラミダド・メテオーロ!
これで量産型スカムキングを一網打尽だよ。
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(連携・アドリブ可)
「もー、変な言葉使わないの」
フォルセティを窘めつつも、しれっと大量の火炎放射器を足元に集める
■作戦
一心同体のアシュリーにUCをぶつけつつ、その隙に周囲の汚物を燃やすことに専念
■行動
「前から思っていたけど、一体何なの貴女は!」
見え隠れする『愛人アシュリー』を狙って【ティアマトの大嵐】を唱え海嘯龍の大群をぶつける。
「全部、燃やし尽くして綺麗にしてあげるわ」
海嘯龍が突撃している隙に[乱れ撃ち&なぎ払い]で次々に汚物を焼き尽くしては、
タンクが空になるとすぐに足元から拾い上げて連続射出
周囲に発生する熱量も[火炎耐性]でものともせずに炎の化身と化す
龍ヶ崎・紅音
アドリブ・絡み歓迎
【POW】
「うぅ…ちょっと匂いがきついね。汚物は早めに焼却しないと…」
敵が汚染物質を食べる前にホムラを【槍投げ】で牽制しつつ、"スペース火炎放射器"で早め焼いておくよ
あとは、モヒカンたちを鼓舞する意味でも"黒焔竜剣 壱式"の焔【属性攻撃】での【なぎ払い】や『煉獄猛焔波動』でド派手に量産型ごと汚物を焼却するね
猟兵たちの攻勢により『島』のあちこちから炎が上がる。その炎を瞳に写しフォルセティ・ソルレスティアは見つけてきたスペース火炎放射器を握った。
「ヒャッハー、火炎放射器ってすごいよね。」
「もー、変な言葉使わないの。」
フォルセティを窘めるのは姉のフィオリナ・ソルレスティアだ。その彼女の足元にはしれっと大量のスペース火炎放射器が集められていた。その傍らで龍ヶ崎・紅音はスペース火炎放射器を手に取りながら、辺りを漂う悪臭に顔をしかめていた。
「うぅ……ちょっと匂いがきついね。汚物は早めに焼却しないと……」
いかに焼却が進んでいるとはいえ、島にはまだ多くの汚染物質が残っている。まるで下水を濃縮したような悪臭は微かにでも感じ取れれば気になる匂い。紅音は元凶を断つべく辺りの汚染物質を、そしてこちらへ向かってくる『量産型スカムキング』の一団を見据えた。
「どれだけ燃やされようとも、俺の身体に溜め込んだ汚染物質は尽きはしねぇ。」
「火炎放射器の炎もろとも汚泥に沈めてやるぜ……!」
出会い頭に【ポリューション・スワンプ】を放つ量産型スカムキング。スカムキングの行く先にベチャリと音を立てて猛毒の汚染物質が撒き散らされた。それは瞬く間に地面を汚染してゆく。先に戦場を汚染して優位に立ち回るつもりか。
「ばっちぃのは全部燃やしちゃうよー」
だが即座にフォルセティの掲げた聖箒が【ディオス・デル・ビエント】を受けてサイクロン掃除機を搭載する。その強力な吸引力が汚染され脆くなった地表ごと汚染物質をフォルセティまで引き寄せた。一塊になって吸い寄せられる汚染物質に向かってフォルセティのスペース火炎放射器が火を放つ。焼却された塊はパラパラと塵に変わり、掃除機に吸い込まれていった。
「こっちのヤツは掃除機まで持参かよ!」
悪態をつくスカムキングへとフィオリナが目を向ける。正確にはスカムキングの身体に埋まるアシュリーの姿を。
「前から思っていたけど、一体何なの貴女は!」
見え隠れするアシュリーを狙っていると知り、スカムキングがその腕をフィオリナへと向けた。
「俺の女だ、それで十分だろ?」
「なぁに……小娘に負けはしないさ、アンタ?」
アシュリーの視線がフィオリナを撫でる。ある点において、アシュリーは勝ったと確信していた。
「大きくなくて悪かったわね。全てを無に帰せ、海嘯龍ティアマトよ!」
その視線の先、その笑みの意味する所を察し、フィオリナの【ティアマトの大嵐(テンペスター・デ・ティアマト)】が放たれる。召喚された62体のティアマトはスカムキングが汚染物質を放つのにも構わず、執拗にアシュリーを狙って襲い掛かった。
「クッ、こいつら……!」
ティアマトの大群を振り払うべく、スカムキングは汚染物質に手を延ばす。【バッドイーター】で力を増せば、群れを蹴散らして猟兵どももブチのめせる……そう目論んだ矢先、伸ばした手を槍が貫いた。
「いくよ。ホムラ!!」
紅音が投擲した燃え盛る焔を纏うスピア・ホムラが白銀の竜へと変じてスカムキングをけん制する。振り払うように引いた隙に、スカムキングが取ろうとしていた汚染物質へと紅音がスペース火炎放射器で炎を放ち燃やしていった。そして紅音とホムラ、辺りを覆うティアマトの群れにスカムキングが意識を撮られた隙を逃さず、フィオリナはありったけのスペース火炎放射器を噴射した。
「全部、燃やし尽くして綺麗にしてあげるわ。」
乱れ撃つように放たれる炎が汚染物質を次々となぎ払ってゆく。フォルセティも姉に負けずに汚染物質を吸い寄せては焼却してゆく。
「どんな汚れも見逃さないんだからね。」
広域を焼き払うのがフィオリナであれば、重点的に、あるいは炎の届きにくい所までしっかりと焼き尽くすのがフォルセティの炎だった。そして紅音がホムラと共にスカムキングをけん制しながらその周囲を焼き払う事で、スカムキングが汚染域を広げる事も汚染物質を取り込んで自分の力を強化する事も防いでいた。
「すげぇ……すげえ炎だ!」
三者三様、異なる趣の焼却を見せられたスペースモヒカン族たちもかつてに置き去ってきたその心を思い出してゆく。フィオリナがタンクが空になった火炎放射器を放り、足元から次の火炎放射器を取って続けざまに炎を放ち続ける。周囲を焼けた空気が満たすのも構わず炎を撒くその姿は、まさに炎の化身と化していると言っても過言ではなかろう。怒涛の如き勢いで火を放つフィオリナと対照的に軽快にパフォーマンスを魅せるフォルセティの姿にモヒカン族のテンションも上がってゆく。
「最後は派手にいくよ!」
そしてフォルセティが【カラミダド・メテオーロ】を広範囲に放ち、その場にいた量産型スカムキングに隕石の雨を降らせた。
「ぐ、このまま負けるなど
……!?」
自分たちの足元に汚染物質を敷き、耐え切ろうとするスカムキング。その足元の汚泥が高温で焼け付いてゆく。スペース火炎放射器の炎とは比べ物にならないその熱は。
「あとは、モヒカンたちを鼓舞する意味でもド派手に汚物を焼却するね。」
その手に在る無骨な巨大剣“黒焔竜剣 壱式"が焔を纏い振るわれる。吹き付ける熱波が地を焼き、剣閃がスカムキングを斬りつける。それでもなお屈する事なく向けた視線の先でスカムキングが目にしたのは、紅音の背に広がる焔の翼。
「みんなまとめて燃えちゃえ!!」
【煉獄猛焔波動(レンゴクモウエンハドウ)】が焔の翼から地獄の炎を放ち、周囲のスカムキングを焼き払った。その灼光は確かに、多くのスペースモヒカン族の心に焼き付いたのだった。
大成功
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パトリシア・パープル
くっさい汚物は消毒ね……って、スカンクのわたしが言うのもアレだけど
『スペース火炎放射器』装備したら、スカムキングの群に突っ込むわ
周囲の汚物を焼き払いながら、【野生の勘】で相手の攻撃【見切り】つつ、「時限式スカンクガス爆弾」を【罠使い】で設置
爆弾の位置に【おびき寄せ】て、ガスが噴射されてからが本番ね
ガスが充満している個所に火炎放射攻撃して引火爆発!
さらに、自分の身体も火炎放射で燃やしてUC発動!
引火爆発を生き延びたスカムキングの『【汚染物質の塊】に変異』している個所を炎獣に変えて、反対に噛み付かせてやるわ
自分が燃えるダメージは【火炎耐性】とUCの生命力吸収効果による回復でチャラよ
あちこちで上がる火の手を眺め、パトリシア・パープルはスペース火炎放射器をガラクタの山から引き抜いた。
「くっさい汚物は消毒ね……って、スカンクのわたしが言うのもアレだけど。」
焼却が進んでいるからか、残された『量産型スカムキング』には集まっている一団もあった。そのスカムキングの群れ目掛けてパトリシアは突っ込んでゆく。
「こっちにも来やがったか!」
「けど、この数に一人で来るなんてねぇ!」
【ダストブロンクスの王者】で変じた汚染物質を次々と投射してくるスカムキングたち。パトリシアは瓦礫あら瓦礫へ走り、飛んでくる汚染物質を躱しながら距離を詰めてゆく。その移動中、スペース火炎放射器を使って周囲の汚染物質を焼却するのも忘れない。
「その程度じゃ、わたしは捕まえられないわよ!」
動き回りながら火炎放射器え炎を浴びせてゆくパトリシアの挑発に、スカムキングもイラついていく。
「相手は一人だ、囲んで畳み込むぞ!」
「ちょっとアンタ、短気は……」
「大丈夫だアシュリー、この数でなら負けはしねぇさ。」
パトリシア目掛けて周囲のスカムキングが一斉に突っ込んでくる。その身体は汚染物質へと変質しており、物量で一気に押し潰すつもりだろう。その動きを見てパトリシアはほくそ笑む。スカムキングたちがパトリシアへと襲い掛かった瞬間、周囲をガスが覆った。
「なに、ガス弾か!? ……くっさッ!!」
それはパトリシアが瓦礫の影に設置していた時限式スカンクガス爆弾。その名の通り強烈なスカンクガスを噴射する物だ。さしものスカムキングも怯むほどの刺激。その隙にガスから離れたパトリシアはスペース火炎放射器をガスの充満する空間に向ける。
「ここからが本番ね。」
放たれた炎がガスに引火し爆発を起こす。身体を汚染物質に変えていたスカムキングたちにも引火し、燃え続ける。そして、パトリシアは火炎放射器を自分の身体に向けて引き金を引いた。
「地獄まで相乗りしてもらうからね!」
パトリシアの身体が燃え、その炎が移るように【激怒火炎獣(ゲキオコ・ファイヤー・ビースト)】がスカムキングの汚染物質の塊に変異している部位が炎獣の頭部に変じる。炎獣がスカムキングに噛みつき、吸い取る生命力が燃えるパトリシアの身体を癒した。その場にいたすべてのスカムキングが炎獣に喰らい尽くされた後には、己の火炎耐性と吸い取った生命力で耐えきったパトリシアだけが立っていたのだった。
大成功
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日向・史奈
スペースモヒカンに、火炎放射器…?ちょっとよくはわからないですけど、スカムキングと戦うなら、これは素晴らしい武器になるかもしれませんね
例え地形が汚染されたとしても、この武器があれば対策はいくらでも出来ます
なら、それよりも考えるべきことは…どうやってここの住民の方を奮い立たせるかですね
炎には炎を、炎の竜巻の魔法を使用して、火炎放射器の出力がとんでもなく上がったように見せかけます
炎の魔法なら、敵にも思う存分攻撃が出来ますから
私ならこの炎を自由に操れます、だから私と一緒に、自由を手にするために…ついてきて下さい…!
「スペースモヒカンに、火炎放射器……?」
その話を聞いて日向・史奈は首を傾げた。
「ちょっとよくはわからないですけど、スカムキングと戦うなら、これは素晴らしい武器になるかもしれませんね。」
そして今、スペース火炎放射器を手に史奈は『島』へと降り立った。汚染物質をも焼却できるスペース火炎放射器があれば例え地形が汚染されたとしても対策はいくらでも出来る。
「なら、それよりも考えるべきことは……どうやってここの住民の方を奮い立たせるかですね。」
既に一部のスペースモヒカン族は立ち上がっているようだが全体から見ればまだ少数だった。ここで決め手となる炎を盛大に上げれば、残るスペースモヒカン族の蜂起にも繋がるだろう。スペースモヒカン族が暴れ出さないように監視しているスカムキングへ向け、史奈はスペース火炎放射器の引き金を引いた。
「炎には炎を……!」
火炎放射器から放たれた炎が史奈の【は之業【白虹貫日】(ハノワザ・ハッコウカンジツ)】で生み出された炎の竜巻に惹き込まれる。それは傍から見れば火炎放射器から巨大な炎の竜巻が噴き出ているように見えるだろう。
「なんだ、あの炎!?」
「あの子が持ってるの……オレらのスペース火炎放射器じゃねぇか!?」
どよめくスペースモヒカン族の前で、不意をつかれた量産型スカムキングが燃え尽きた。スペース火炎放射器だけではダメージは与えられずとも、史奈の炎の魔法ならば敵にも思う存分攻撃が出来る。
「私ならこの炎を自由に操れます。」
スカムキングを焼き払った火炎放射器を手に、史奈はスペースモヒカン族に向き直る。
「だから私と一緒に、自由を手にするために……」
その言葉が虐げられていた一人一人の胸に沁み込んでゆく。誰もが、史奈が続ける言葉を待っていたのだ。
「ついてきて下さい……!」
今、スペースモヒカン族がオブリビオンに支配されて失っていた心、誇りが再び蘇る。今まで猟兵たちが積み上げてきた活躍が、史奈の言葉を引き金としてスペースモヒカン族を立ち上がらせたのだ。そのモヒカンは天に向かい、誰もが気勢を上げていた。
「こうしちゃいられねぇ! いくぜぇぇッ!!」
「ヒャッハーッ!! 汚物は焼却だァッ!!!」
スペースモヒカン族の蜂起は瞬く間に島中に伝播した。皆、手にスペース火炎放射器を持ち、ある者は火炎放射器で殴りかかり、またある者は引っ張り出したトゲ付きバイクで走り出す。
「俺がモヒカンごときに……グハァ!?」
「汚物は良く燃えるぜぇ! ヒャッハーッ!!」
多勢に無勢、あちこちで残った量産型スカムキングがスペースモヒカン族にタコ殴りにされていた。残党狩りよろしくスカムキングが残らず叩きのめされ、汚染物質も焼却される。まさに島は今、世紀末の様相を呈していた。
こうしてスペースモヒカン族たちはかつての誇りを取り戻し、オブリビオンから解放されたのだった。
「何だァ? 島の下に工場があるぞ!」
「派手にぶち壊そうぜ! ヒャッハーッ!!」
その日、宇宙に大きな花火が一つ、咲いたという。
大成功
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