アースクライシス2019⑯Super Pluton
●スーパーステルス宇宙母船内、環境ブロック
「ギシャーシャシャシャ!」
プルトンフォーミングを想定した荒野の中心でスーパープルトンが笑っていた。
「ワガ、すーぱーすてるすすぺーすしっぷヲツキトメルとはコレガいえーがーノチカラトイウコトカ!?」
ヒーローに母艦の居場所を知られ、猟兵の潜入を許すも冥界の王たる名を持つ指導者にとってはとるに足らない事だった。
「ワレハムテキ、ワレニハまじぇすたーずノぱわーガアル……モンダイナイ! スベテノいえーがーヲタオシ……」
地球外生命体特有の独特の外見が邪悪に笑う。
「ぷるとんタチヲツカッテじぇのさいどトイコウデハナイカ! ギシャーシャシャシャ!」
環境を想定して吹く風の音のみが響くブロックでスーパープルトンは一人笑っていた。
●グリモアベース
「思うんだけどさ……」
グリモア猟兵、雷陣・通(ライトニングキッド・f03680)は何かに気づいたかのように皆に問いかける。
「こいつら、地球をこういう大地にして住むらしいけど、苦労しないかな? あ、もちろんみんなが戦える広いスペースもあるよ。むしろ隠れるのが難しいくらい」
咳払いをすれば少年は改めて説明を開始する。
「敵はジェネシス・エイトの一人、スーパープルトン。かつて殺害したヒーローチーム『マジェスターズ』のユーベルコードで戦ってくる。そしてこいつもユーベルコードを『先制攻撃』してくる。それに対する対策が必要だ、もちろん精神論で何とかできる訳が無い……気をつけて」
少年が時計をいじればラグランジュポイントへの道が開かれる。
「それじゃ行ってきて、相手はバカそうだけど強敵だ、必ず倒してきて!」
みなさわ
冥界の王を騙りし存在の強さは借り物の力と言えど、本物である。
こんにちは、みなさわです。
今回はジェネシス・エイト、スーパープルトンとの決着を。
●戦場
スーパーステルス宇宙母艦内の環境ブロック。
荒野を想定された隠れる所もない程の広い大地があり、そこでスーパープルトンが迎え打ちます。
●注意
スーパープルトンは先制攻撃を行います。
その為ユーベルコードを先手で叩き込むことが出来ません。
故にプレイングによる対策が必要となり、これが『ボーナス』となります。
「防御系ユーベルコードで回避」や「技能をただ羅列する」ような感じですと難易度的に難しいかと思われます。
お気を付けください。
また、複数のユーベルコードを使う場合、スーパープルトンも同じだけユーベルコード先制攻撃で使ってきますので注意を。
●その他
マスターページも参考にしていただけたら、幸いです。
それでは皆様、よろしくお願いします。
第1章 ボス戦
『スーパープルトン』
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POW : マジェスティック・ミックス
【「マジェスティックマン」の武装化する骨】【「ミス・タイフーン」の風を操る力】【「アバドンボーイ」の全てを喰らう口】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : マジェスティック・アッセンブル
【5人組のヒーローチーム「マジェスターズ」】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : マジェスティック・ツインズ
戦闘用の、自身と同じ強さの【炎と光を操る「ザ・サンシャイン」】と【ダイヤの体を持つ「ダイヤジャイアント」】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
👑11
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●ザ・ロンリー・キング
プルトンフォーミングされた大地と大気が妙に郷愁感を呼び起こす。
かつて住んでいた星と地球を同じくすることをスーパープルトンはオブリビオンになる前に望んだことがあったのを思い出す。
「ソウイエバ……」
何かを思い出すように冥王のジェネシスエイトが呟いた。
「ばーにーハ、イマ、ドウシテル……シンダカ」
スーパープルトンの顔が邪悪に歪む。
「ナラバ、チュウチョスルコトハナイ、レットウナルチキュウジンヲじぇのさいどダ!」
吹っ切れたようにジェネシス・エイトは向きなおり、そして猟兵を迎え撃つ。
河津・跳太郎
・先制攻撃対策
ホバーサーフボードで滑空しながら「風を操る力」をしのぎつつ挑発
「全てを喰らう口」で吸い寄せてきたら勢いを逆に利用して突撃
(空中戦、パフォーマンス、空中浮遊、騎乗使用)
「武装化する骨」の外骨格では防げない張り手による衝撃波を叩きこむ
(気絶攻撃、鎧無視攻撃、怪力、吹き飛ばし使用)
・攻撃
ボードに騎乗しながら歌舞伎の見得のように構え
掲げた手のひらに気合を込める(ぼんやりと手が光り輝く)
上空から突撃してすれ違いざまにこめかみに輝く張り手を覆いきり叩きつけ
相手の意識が混濁したところで他の猟兵たちに追撃を要請する
セリフ
「カエル一匹落とせないとは大した力でありますな!」
「今であります!追撃を!」
●グリーンサーファー
一陣の風が吹いた。
スーパープルトンが空を見上げれば、視野に移るのは緑色のシルエット。
それは河津・跳太郎(🐸負けるなピョン太ここにあり・f18965)の姿。
ホバリング・サーフボードで風を読む異形のヒーローは環境ブロックの空を滑空しつつプルトンの王へ迫ってくる。
「キタカ! チキュウ……ガイセイメイタイダト!?」
「失礼な! カエルで在りますが人間でござるよ!」
オブリビオンの勘違いを跳太郎が訂正する。
「ナラバ、かえるニンゲンヨ」
スーパープルトンは邪悪な笑みを浮かべ
Frogman is die.
「ココデ――シネ」
死の宣告と共に右足を蹴り上げ烈風を飛ばした。
「ぐぅっ……」
強烈な風と言う名の暴力が嵐となってピョン太を吹き飛ばそうとする。
「みす・たいふーんノチカラ、らいどデキルトオモウナ!」
耐える跳太郎、自らの力とばかりに能力を誇示するオブリビオン。
「くぅ……カエル一匹落とせないとは大した力でありますな!」
だが、カエルのヒーローは嵐を乗りこなし、急降下でプルトンの指導者へと迫っていく。
「ホウ、サスガハいえーがー……ナラバ!」
感心するスーパープルトンの胸に出現したのはアドバンボーイの口。
全てを呑み込むブラックホール並みの能力で大気を呑み込めば、負圧を利用して跳太郎を引き寄せる、そして握られるのはダイヤジャイアントの遺産である金剛石のカウンターパンチ。
「それを……待っていたでござる!」
「ナンダ……ト!?」
機を待っていたのは猟兵の方であった。
無限に呑み込む口が大気を呑み込むことを狙い、勢いに乗って加速。両腕を広げ見栄を切れば、光を帯びるその右手!
「サセルカ……だいやじゃいあんと!」
オブリビオンの全身がダイヤモンドに輝き、硬度を増す。
さらに腕より飛び出たマジェスティックボーンが刃となって跳太郎を切り裂くために迎え撃つ。
両者が交錯し――そして互いに吹き飛んだ!
「ヌ……グオオオオ」
立ち上がろうとするスーパープルトン。
だが気合を込めた猟兵の張り手が意識に直接、衝撃を叩き込んだせいで、世界が回転し、思考が乱れ膝が笑う。
「今であります! 追撃を!」
サーフボードから転落し転がっていた跳太郎が上体を起こし、切り裂かれた右腕を高く掲げる。
それは進撃の狼煙であった。
成功
🔵🔵🔴
水元・芙実
遥か空からお疲れ様
でもあなたの長い旅はここでお終い
お引取り願えないのなら太陽系の真空の中で果ててもらうわ
相手の攻撃に合わせてハイドロボムを投擲、多分サンシャインに対応されれば一気に水蒸気爆発が起きるでしょうね、これによる衝撃ももちろん目的だけどもう一つ
それは霧
視界が深くなった所でダイヤジャイアントを幻炎合成法で焼いて二酸化炭素に変えるわ、所詮炭素の塊だし
そしてその二酸化炭素でサンシャインを窒息させるわ、酸素がなければ何もできないでしょ
真っ向から敵を倒してプルトンの周りの霧を猛毒の高濃度オゾンに変えて急速に酸化
環境改造する前に地球の防御力をその身で味ってもらうわ
私の第二の故郷を好きにはさせないわ
天御鏡・百々
◎
死者を冒涜する悪漢め
我が討伐してくれようぞ!
ザ・サンシャインの放つ光は鏡で反射
炎は神通力(武器)の障壁(オーラ防御81)で防御
ダイヤジャイアントの攻撃は第六感10を頼りに回避し
大きく距離を取る
我が本体より放つ光でマジェスターズの二人を目潰ししつつ(目潰し5)
ダイアジャイアントの体での光の屈折を観察(情報収集19)
そして『天鏡破魔光』をダイヤジャイアントへと放つ
しかし、標的はダイヤジャイアントではない
その金剛石の体にて光を屈折させ
スーパープルトンへ我が破魔の光を喰らわせてやろう(破魔78)
傷を与えればマジェスターズも消える
更に破魔の光で追撃だ
●神鏡のヤドリガミ
●本体の神鏡へのダメージ描写NG
ウィーリィ・チゥシャン
もし地球を自分達の星と同じ環境にしても、こいつ以外に共に暮らす仲間はいないんだろうな。
そう考えると寂しいな。
それでも、地球のみんなをこいつの孤独の道連れにさせる訳にはいかない。
敵がUCを発動させたら盾代わりの鉄鍋を両手に一つずつ構えてヒーロー達の間に突っ込み、
二人の攻撃のタイミングを【見切り】両手の鉄鍋で【盾受け】で防御する様に見せかけて(【フェイント】)お互いの視線を遮る(【物を隠す】)事で連携を崩し、同士討ちを誘う。
そして敵自身を狙って【厨火三昧】を連続で叩き込み、生じた隙に大包丁の【二回攻撃】を繰り出し敵をX字に切り裂く!
いくら倒した相手達の力を手にしても、結局お前は『ひとり』なんだな。
●ジ・アース・ドゥセント・ゴーダウン・イーズリィ
「遥か空からお疲れ様、でもあなたの長い旅はここでお終い」
水元・芙実(スーパーケミカリスト・ヨーコ・f18176)が不調から立ち直るスーパープルトンに近づき告げる。
「ヌカセ! おぶりびおんトナッタトキヨリモ、ハルカニミジカイワ!」
燃え盛る右腕を振り回せば、軽快とは言えない足取りで距離をとる芙実。炎はやがて形となり、現れるは二人の戦士。
The Majesters.
「マジェスターズ……」
陽気で輝ける炎の戦士ザ・サンシャインと鋼より硬い意志と身体を持つダイヤジャイアントの姿にケミカリストはこめかみに冷たいものが流れるを感じた。
「まじぇすたーずサイキョウノこんび! まじぇすてぃっく・ついんずヨカカレ!」
炎による上昇気流の発生から空を飛ぶサンシャインが上から炎の弾丸を複数乱射し、動きを止めれば、そこに熱に耐えられるダイヤの身体をも持つジャイアントがSmashを叩き込むべく、走り込む。
「本物と変わらない動きじゃない! けどね……」
白衣を翻して、小さなボールを空に投げる芙実。ボールは炎に触れると中身の水が急速に気化し水蒸気となって爆発する。
「お引取り願えないのなら太陽系の真空の中で果ててもらうわ」
衝撃でマジェスティック・ツインズを吹き飛ばせば、ケミカリストは霧の中に消えた。
Phreatic explosion.
「フン、スイジョウキバクハツデタオセルトオモウナ。スデニワレガタメシテイル!」
自信満々に語るスーパープルトン。
だが、その余裕の笑みは霧の中に見えた、ダイヤジャイアントが脆く崩れ去った姿によって驚愕の表情へと変わる。
「サガレ、さんしゃいん! CO2ダ!」
意図を理解したプルトンの王が一人残ったサンシャインへ叫ぶが、時すでに遅し。
ダイヤジャイアントを高熱によって酸化させることで作り上げた二酸化炭素が炎の戦士から酸素の供給を断ち、彼を守る炎も消し、炭酸ガスナルコーシスにて絶命に至らしめる。
CO2に満ちた霧が今度はスーパープルトンを包み込む。
「ちぃっ! コチラニモカ!?」
「違うわ、もっと強いものよ」
芙実がプルトンの王に捧げるものは地球を覆うもう一つの気体――
「おぞん……ダト!?」
喉元を抑え、膝を着くオブリビオン。
「私の第二の故郷を好きにはさせないわ」
ケミカリストたる矜持が異星の指導者を下せば
「ヤルナいえーがー! ダガ……イマ、ナンカイゆーべるこーどヲツカッタ?」
返ってくるのは邪悪な笑み。
直後、ダイヤジャイアントの拳が芙実を吹き飛ばした。
「コッチモゆーべるこーどヲ、ナンドモツカエルコト、シラナイトハイワセナイ」
右足の風が霧を払えば、不安定な気体であるオゾンは霧散する。
次に立ち向かうのは天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)だ。
「死者を冒涜する悪漢め、我が討伐してくれようぞ!」
意気軒昂に叫べば、そこに現れるはやはりマジェスティック・ツインズ。
ザ・サンシャインの炎を神通力で受けとめれば、身に感じる危険に気付き後ろへ大きく距離を取ると、先程まで居た場所へダイヤジャイアントの拳が振り下ろされる。
反撃を狙わず距離を取ることに専念したのが幸いした。
けれど、それは防戦に持ち込まれやすいのを意味する。
サンシャインの炎の弾丸がマシンガンのように撃ち込まれると、神通力で障壁を張るのが精一杯となってしまう。
勿論、百々とて防戦一方ではない。
本体である鏡が輝けば、マジェスティック・ツインズの動きを止め、そして……ダイヤジャイアントの輝きから勝利の方程式を導き出す。
「悪しき者よ、我が破魔の力によりて滅び去るがいい!」
金剛石の輝きから勝機を見出したヤドリガミの持つ鏡が輝き、破魔の光がダイヤジャイアントへと放たれる。
「ホウ……マズハだいやじゃいあんとヲカ、ダガ、モウヒトリヲワスレタカ? さんしゃ――グァアアアアッ!!」
ダイヤジャイアントへの光を悠々と眺めていたスーパープルトンへ光が叩き込まれ、マジェスティックツインズが消えていく。
「金剛石の身体、良き輝きだった。我が光を全て屈折させるほどにな」
「クッ……すねるノホウソクカ」
吹き飛ばされ、起き上がろうとするオブリビオンへ百々が再び鏡を構える。
「まじぇすてぃっく・ついんず!」
スーパープルトンが邪悪な笑みを浮かべれば、ダイヤジャイアントが現れて、破魔の光を受けとめた。
ジェネシス・エイトは猟兵のユーベルコードに対して先制のユーベルコードを発動させる。
――それは一度だけではないのだ。
反射する閃光に目を灼かれたヤドリガミへ光が襲う……。
そこへ赤い服を纏った猟兵が一人立ち、黒光りする鍋が光を受けとめた。
「今のうちに速く!」
ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)が光を凌ぎ叫べば、ウィーリィの調味料で味付けしたタルトで体力を回復させた芙実が百々に肩を貸し、戦場から離れる。
足元が大地を削る中、全ての光を受けきった料理人がスーパープルトンを見る。
「もし地球を自分達の星と同じ環境にしても、お前以外に共に暮らす仲間はいないんだろうな」
「ワガぷるとんヲノゾイテナ」
「そう考えると寂しいな」
「アワレミカ、レットウジンシュ?」
ウィーリィの言葉を鼻で嗤うプルトンの王。
星が違う故に、ヴィラン故に、オブリビオン故に、二人の溝は深く遠い。
「それでも、地球のみんなをオマエの孤独の道連れにさせる訳にはいかない!」
「フン! チキュウニ、ジンルイナドイラヌ。ホロベ!」
死したヒーローを尖兵としスーパープルトンが料理人へと襲い掛かった。
盾代わりの鉄鍋を二つ、ウィーリィが両手に担ぐと一直線にマジェスティック・ツインズへと立ち向かう。
「マショウメンカラ……カテルアイテカ! ヤレ! まじぇすてぃっく・ついんず!!」
プルトンの命を受け、空よりザ・サンシャインが、地よりダイヤジャイアントが、料理人を血祭りにあげようとその腕を伸ばす。
「…………」
ウィーリィは臆することもなく、かと言って勇を以って立ち向かうことなく、ただ二人の間に飛び込み、左右に盾を構える。
「ハサミウテ!!」
スーパープルトンが指示すれば、サンシャインが燃える身体を肉弾とし、ジャイアントが飛び上がって拳を打ちあげる。
「今だ!」
マジェスティック・ツインズの動きを待っていた料理人は鉄鍋から手を離し、姿を消す。
「ナン……ダト?」
オブリビオンの疑問はすぐに解決した。
宙に浮いた盾はマジェスティック・ツインズの視界を遮り、そしてウィーリィはその場に居ない。
空を切った拳と肉弾が互いの同胞を殺める中、既に荒野に着地した料理人が繰り出す炎の弾丸がスーパープルトンの動きを止める!
「ドウシウチカラノ……セイアツシャゲキ!?」
「いくら倒した相手達の力を手にしても」
左腕をダイヤに変え、凌ぐ、プルトンの王。そして踏み込むウィーリィ。
「結局お前は『ひとり』なんだな」
袈裟から逆袈裟への連撃がスーパープルトンを切り裂いた!
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
尾守・夜野
私は私になっているわ
…先制止められないのね?
なら…出たのを止めれば良いだけよ
「金剛の体の眩しい事
久方ぶりに強い光を浴びた気がするわ
日光浴ありがとう」
挑発し、攻撃を避けながら辺りを駆け巡りましょう
…私達の体って足が悪いから不安だけど…
後、炎については大きく避けるわ
くるりくるりと翻るすかぁとからは避けきれずに出来た傷からの血と共に、黒い液体が舞うでしょう
これぐらいでいいかしら?
撒いていたのは液体の火薬よ?
引火すればドカン
あなたを確実に巻き込めるように動いていたの気づいておられて?
炎のお人の攻撃をギリギリまで惹き付けてから姿を隠すわ
火薬って、毒物利用しているのが多いのよ
防げないなら…利用するまでよ
●ダンス・ウィズ・フレイムアクア
「オノレ……オノレ……レットウジンルイメ!」
顔を斬られ、流れる血をダイヤの手で抑えながらスーパープルトンが怨嗟の叫びを上げる。
その前に尾守・夜野(墓守・f05352)が立つ。
「キサマモ……いえーがーナノカ!?」
「私は……私になっているわ」
そこにいるのはもう一人の夜野。
名を知るのはまたいつの機会に。
「フン、ココロワレシモノ……トイウコトカ。マアイイ、ドチラニシテモ」
再び現れる炎と金剛石の二人組、マジェスティック・ツインズ。
Multiple personal is die.
「コ コ デ ―― シ ネ」
オブリビオンの死の宣告を合図に、三人の優雅且つ血と炎に塗れたダンスが始まった。
「金剛の体の眩しい事、久方ぶりに強い光を浴びた気がするわ……日光浴ありがとう」
スカートを抑え、ダイヤジャイアントの拳が迫るギリギリのところで刻印持ちがターン。
大地が割れ、破片が足を傷つける中、赤と黒のコントラストを地面に描く。
次に迫るはザ・サンシャイン。
彼が炎の鞭を振り回せば、これは大きく避け、ステップを踏みながら距離を取る。
「ナニヲシテイル! さんしゃいん、ホノオヲフラセロ! じゃいあんと、ぷれっしゃーヲカケテイケ!」
苛立ちを隠せずにプルトンの指導者が指示を出す。
「いいのかしら?」
牽制するように口を開くのは夜野。
それは何かを警告するようでもあり、誘うようでもあった。
「足元……ご覧になられて?」
オブリビオンの視界に移るのは流れた血とそして黒い液体。
鼻腔を刺激する臭いにスーパープルトンの顔が歪む。
「なふさ……イヤ、ろけっとコンゴウネンリョウ!」
「これぐらいでいいかしら? ええ、撒いていたのは液体の火薬よ?」
「キサマ!?」
「あなたを確実に巻き込めるように動いていたの気づいておられて?」
プルトンの王がたじろぐ間に指示を実行しようと炎の戦士が火球を放つ。
「ヨセ――」
瞬間、辺りは炎熱と爆轟に包まれた。
遥か彼方へ吹き飛ばされ、荒れた大地を二度、三度と跳ねるスーパープルトン。
咄嗟に右足で風を操り、全身をダイヤ化し、アドバンボーイの口で爆風と衝撃を呑み込まなければ、命はなかったであろう。
それでもダメージは大きく、立ち上がるのに時間を要する。
「――ッガハァ!」
オブリビオンが腹の奥からこみ上げるものを感じ、血を吐く。
視界は明滅し、呼吸も浅い。
「火薬って、毒物利用しているのが多いのよ。だから……利用させてもらったわ、炎のお人」
声はすれども、姿は見えず。
トドメを刺されるかと警戒すれば――何もなく時は過ぎる。
「――やつモフショウ、シタカ? ソレトモ」
それ以上は口にできなかった。
自分は生かされたのかもしれない……だとしたら何よりも屈辱であるのだから。
成功
🔵🔵🔴
トリテレイア・ゼロナイン
星を故郷と同じ環境とする…SSWの住人としては否定しずらい行為ですね
居住可能惑星があったとしてもしそこに先住の知的存在が居たとしたら……
ですが侵略・虐殺、それもHEの力でHEを攻める等論外です
悪しき鏡像、打ち砕かせて頂きます
舞う砂埃から●情報収集し風の向きを●見切って速度強化や此方の転倒狙いの強風への対応をしつつ、自己強化をした相手の攻撃を迎撃
武装骨を●怪力での●武器受けからの●武器落としで凌ぎ、口は●盾受けからの●シールドバッシュで視界ごと塞ぎます(大型盾による●目潰し)
盾が喰われる一瞬の隙を突きUCによる全格納銃器を用いた脚部への●だまし討ち
奇襲から態勢を立て直される前に●怪力で剣を一閃
ミハエラ・ジェシンスカ
◎
さしずめヤツは僭王と言ったところか
良いだろう。では大逆(Lese Majesty)と行こう
骨による攻撃を【見切り】【武器受け】で捌きつつ
口による攻撃を最大限警戒
懐へ飛び込むのは避け、常に距離を取れるよう立ち回る
隠し腕、ドローンの使用も惜しまん
同時にフォースレーダーの【情報収集】で大気の状態を観測
敵が操作する風に【念動力】で介入する
尤もユーベルコード相手では僅かに制御を乱すのが精々だろうが
そうして私がどの程度まで介入できるのかを誤認させ【だまし討ち】
さらなる強風の発生を誘発
悪心回路(アイテム)起動
【サイコキネシス】最大出力でそれに介入
風を逆に利用し一気に懐へと飛び込む【捨て身の一撃】を仕掛ける
●ウォーマシン・フロム・シー・オブ・ザ・ノースターズ
「星を故郷と同じ環境とする……星無き宇宙の住人としては否定しずらい行為ですね」
トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)が起き上がったスーパープルトンを近づき発声機能を駆動させる。
「フン、センソウデ、カエルバショヲナクシすとれんじゃーカ?」
騎士の言葉に異星の王は嗤う。
「ですが侵略・虐殺、それもこの世界の力で地球を攻める等論外です」
「イカイノモノガ、コノセカイニカンショウシ、ナニヲノタマウ?」
「まあ、そう言うな。こっちの世界には縁があってな?」
二人の言葉を遮る様に歩くもう一人のウォーマシン、名はミハエラ・ジェシンスカ(邪道の剣・f13828)。
「さしずめオマエは僭王と言ったところか……良いだろう」
「おーばーろーど・えくすまきなヲタオシタうぉーましんダナ? ぷるとんヲ。カイホウシタホウビニ、ラクニコロシテヤロウ」
黒いウォーマシンに対し笑みを漏らせばプルトンの王は両腕から骨を生やし、刃へと変える。
「では、悪しき鏡像、打ち砕かせて頂きます」
トリテレイアが武器を持てば
――Lese Majesty.
「ああ、では大逆と行こう」
ミハエラがそれに続いた。
「ハッハー! ソレガうぉーましんトヤラノぱわーカ! ニンギョウニオトルワ!」
理力剣、実体剣、二つの刃を一人で受けとめ、打ち落とし、そして骨の刃を振るってスーパープルトンが迫る。
「させません!」
トリテレイアが前に出て大盾で刃を凌げば、ミハエラが理力剣型のドローンを飛ばし、フォースブレードの矢として射出する。
「Typhoon!」
オブリビオンの右足が唸りを上げ、放たれる旋風が壁となってドローンの刃を遮った。
「風速計算、同期を!」
「もう済ませた、誤差は無し……システムの基本は同じか」
白いウォーマシンが情報共有を求めれば、背後にいた黒いウォーマシンが答え、空を舞う。
「では、ちょっと悪戯をしてくる……ふむ」
「ならば私は正面から……なるほど」
互いに送信し合ったデータに頷きながら、二人の元帝国製ウォーマシンは逆襲を開始した。
まず動いたのはミハエラ。
「ホウ、さいきっくカ!」
自らの放った風に対し、干渉する黒のウォーマシンにスーパープルトンが嗤う。
「ダガ、みす・たいふーんノチカラ、ソノヨウナコザイクニ、マケナイワ!」
風が強さを増し、ミハエラもそれに囚われる。
それを阻もうとトリテレイアが突進すれば、プルトンの王は骨の刃を振るう。
「せいっ!」
気合一閃、有り余るパワーで騎士が骨の刃を叩き折り、トドメを刺さんと剣を振り上げれば、オブリビオンは邪悪な笑みを次に白のウォーマシンへ向けた。
「あどばん!」
胸元に現れた全てを呑み込む地獄の口がトリテレイアを捕えようとすれば、騎士は躊躇なく盾を捧げ、スーパープルトンの視界を奪う。
「いい仕事だ、騎士というのはああいうのを言う――悪心回路起動」
ミハエラのブラックボックス深くに凍結されている、堕ちたフォースナイトを体現する機能が発動される。
リミッターを外した邪道の剣は念動力の出力を上げ、ユーベルコードレベルへとギアを上げていく。
――風が掌握された。
「ナンダト!?」
驚愕するプルトンの王。
風を奪い取ったミハエラがその勢いを利用して、スーパープルトンへと飛び込めば、オブリビオンの視線はアドバンの口が今にも呑み込まんとするトリテレイアの盾へと注がれる。
盾さえ呑み込めば、後は二人とも呑み込むか違うパワーで粉砕できる。
大盾に亀裂が入り、砕け、呑み込まれた時、スーパープルトンは勝利を確信し。
「騎士道を鑑みれば言語道断なのですが」
肩と腕、そして騎士の頭から展開される格納銃器によって足を撃ち抜かれ、勝利の女神から裏切りを受けた。
「いいや、オマエは騎士だ――私と違ってな」
「ですが――いや、やめておきましょう」
白と黒、理力剣と実体剣、二人の騎士の二つの刃が同時にプルトンの王を切り裂いた。
防ぐ術は――なかった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
蒼焔・赫煌
◎
まったく幹部クラスっていうのはどこの世界でも厄介ってもんだね!
それでも負けないのが正義の味方だけれど!
可愛いボクの狙いは……その口!
その口でボクを食べようとしてもらうために、武装化した骨はアイテムを使って【盾受け】!
風は杭の投擲を防ぐさせるために使わせる!
ダメージがあっても気にはしないさ、【覚悟】の上!
むしろ弱った所を仕留めにきてくれるなら大歓迎!
口を開いてボクを食べようとした所で、ガシャドクロ発動!
習わなかったのかい、食材はちゃんと調理して食べないと危ないってさ!
口の中から鎧の展開する刃で【捨て身の一撃】の【カウンター】!
ボクもただじゃ済まないだろうけど、これくらいやらなきゃ勝てないさ!!
●ハウ・ワズ・ザ・テイスト・オブ・ガシャドクロ
「まったく幹部クラスっていうのはどこの世界でも厄介ってもんだね!」
騎士の刃から逃れれば、次にプルトンの王へと立ちふさがるのは蒼焔・赫煌(ブレイズオブヒロイック・f00749)。
「それでも負けないのが正義の味方だけれど!」
七妖鎧装を起動し、骨を纏ったと思わせる姿で構えれば
「フン! ひーろーカ、じぇねしす・えいとモナメラレタモノダ」
拳より骨の杭を生み出したスーパープルトンも同じように構える。
「キサマヲコロシテ、ギャクシュウノサキガケトシヨウ」
オブリビオンの宣告が合図となって二人が動いた。
「ハッハッハー! ヨワイ、ヨワスギル!」
武装と化した骨を武器に次々と赫煌の柔肌を切り裂いていくスーパープルトン。
「くっ!」
流れを変えようと青い髪のダンピールが自らの血を杭と変えオブリビオンへと突き刺さんとすれば
「オット!」
プルトンの王が繰り出す蹴りが烈風をなりて、その動きを阻む。
「アマイ!」
チャンスを逃さず、スーパープルトンの蹴りが赫煌の腹を穿ち。
「アマイ!」
後頭部に拳を落とし。
「アマスギル!」
倒れたところを蹴り飛ばす!
叩き伏せ、抵抗する力を失った少女をダイヤの腕で捕まえればプルトンの王は邪悪な笑みを浮かべた。
「キサマハ、フツウニコロシテモ、オモシロクナイ――あどばん!」
全てを呑み込むアドバンボーイの口がプルトンの胸に現れて、赫煌を食べようと口を大きく開く。
「ノマレテ、シネ――サラバダ!」
ダイヤの手が少女を離し、アドバンの地獄へと誘っていく……直後、刃のような骨が飛び出し、アドバンボーイの口が切り裂かれた!
「習わなかったのかい、食材はちゃんと調理して食べないと危ないってさ!」
それは赫煌による覚悟の一撃だった。
アドバンボーイの口が自分を呑み込むところを狙ってのユーベルコード発動による、骨の刃を形成展開。
まさに捨て身のカウンターであった。
いくら全てを喰らう口と言えど突然の刃には対応が遅れ、そしてなす術なく切り裂かれる。
「ヌガァアアッ!」
痛みに悲鳴を上げスーパープルトンが口から少女を引きずり出せば、アドバンの口を消して杭の出た拳を握る。
「オノレ……オノレェ!」
立ち上がった赫煌をその杭で突き刺さんとすれば、代わりに叩き込まれるのは正義の拳。
How was the taste of gajha-dokuro?
「えーと……ガジャドクロの味、いかがだったかしら?」
倒れ行くプルトンの王へ向かい、満面の笑みで少女が問いかけた。
ちょっと自信なさげなイングリッシュで。
大成功
🔵🔵🔵
ザフェル・エジェデルハ
◎樒(f10234)と共闘
POWとWIZを連携させ先制攻撃を凌ぐ
先制攻撃を【第六感】で感じ取ったら
【オーラ防御】を展開すると共にグラウンドクラッシャー(UC)を
目の前に撃ち、地形破壊時に発生する土煙を煙幕として回避を試みる
煙幕発生後は【第六感】研ぎ澄ませて【オーラ防御】と
【武器受け】で敵攻撃を凌ぐ
敵が樒に反応して「ザ・サンシャイン」「ダイヤジャイアント」を
召喚したら【力溜め】をしながら一気にスーパープルトンへ
詰め寄り、【鎧砕き】【部位破壊】を狙ってUCを撃ち込む
ツインズを出してる間は戦えないみたいだからな
その機を逃さず出来る限りのダメージを与えたい
樒を信頼しスーパープルトンに挑む
織部・樒
◎ 連携OK
ザフェルさん(f10233)と協力して行動します
空の上にはこのような世界があるのですね
……と、感嘆している場合ではありませんでした
先制攻撃対策
敵の言動はよく見ておき、召喚の動作に入ったら
此方も印を結び【高速詠唱】
UCにて障壁を作り、攻撃をいなします
ザフェルさんの先制攻撃が此方に至る場合は
【オーラ防御】【武器受け】【見切り】使用
戦闘
障壁は可能な限り何度でも張り直し敵の攻撃を防ぎます
障壁が間に合わない場合はザフェルさん先制攻撃時の
対処同様に
またはザ・サンシャイン担当にて【炎耐性】
【オーラ防御】を使用しつつ錫杖で攻撃
本来なら敵本体を叩きたいところです
●ロジック・オブ・ユーベルコード
「空の上にはこのような世界があるのですね」
作られた荒野に体重をかけ、地面の感触を確かめながら織部・樒(九鼎大呂・f10234)が呟いた。
「……と、感嘆している場合ではありませんでした」
大地から視線を離し、振り向いた先には傷だらけだが殺意に漲る異星のオブリビオン。
「手負いか、厄介だな」
ザフェル・エジェデルハ(流離う竜・f10233)が長柄の戦斧を構え、相手を見る緑の目に油断は無く、むしろ警戒の色が強い。
「オマエタチハヤッカイダ」
スーパープルトンの眼が殺意とそして警戒の色を見せた。
「ユダンモチョウハツモシナイ、コチラノキョウイヲケイカイシ、シトメルコトニチカラヲソソグ……まじぇすてぃっくまんヲオモイダス」
「確かに厄介ですね」
「だろう?」
樒の言葉にザフェルが頷く。
「オマエタチハ――まじぇすてぃっくまんノヨウニカクジツニ、コロシテヤロウ!」
スーパープルトンは骨を刃に変えると獅子が兎を殺すかの如く全力を以って二人へ襲い掛かった。
風を纏った足で跳躍し、刃と化した骨をオブリビオンが振り下ろせば、ザフェルが斧で受け止め、その威力に膝を曲げる。
「本体の方のスーパープルトンはクローンが一つしか使えなかった能力を複数使用していますね――けれど!」
「ああ、分かっている!」
ヤドリガミの相棒の言葉に応えるかのように竜の使い手は斧でプルトンの骨をかち上げて、一歩踏み込み体重の乗った一撃を叩き込む。
オブリビオンの繰り出す烈風が一瞬ザフェルの動きを止め、斧は空を切る。
だが、その一撃は大地を割り、周囲に土煙を巻き起こした。
「今だ!」
叫びを聞き、樒が印を結ぶ。
「サセルカ――まじぇすてぃっく・ついんず!」
ユーベルコードを察知して、スーパープルトンがザ・サンシャインとダイヤジャイアントの二人の戦士を召喚。
炎と金剛石、二つの拳が同時にヤドリガミを狙う中、高速真言によるスピードと召喚からのタイムラグが重なり破邪の法を用いた結界が樒への攻撃を阻む。
即座にヤドリガミが錫杖を振り回せば、ザ・サンシャインの側頭部を強かに打ち、吹き飛んだところをダイヤジャイアントが受けとめ、相棒をカバーする。
「ナニヲシテイル、ベツベツニネラエ!!」
やや焦れたプルトンの王が指示を飛ばす。
それは自らのユーベルコードの弱点を知るが故。
命令を受けた炎の戦士が振り向いてザフェルを狙おうとした瞬間、金剛石の拳を掻い潜った樒がサンシャインの背中を突いた。
「こっちを狙ってくれないと困ります」
ヤドリガミが呟けば
「ああ、俺が狙えないからな」
土煙から声が聞こえ、体重の乗った斧の一撃が振り下ろされた。
ジェネシス・エイトは猟兵に対し先制攻撃のユーベルコードを放つことが出来る。
だが、もし……本人が戦えない状況で猟兵がユーベルコードを撃てばどうなるだろう。
答えは――ここに証明された。
「ガハァッ!!」
すぐにスーパープルトンは身体をダイヤに変えたがユーベルコードに勝てるわけがない。
ダイヤは砕け、荒野に煌めきとなって散り、そして夥しい出血がオブリビオンの足元を汚した。
「ヤハリ……キサマラハ、ユダンナラナカッタ!」
負傷によりマジェスティック・ツインズが消える中、傷をダイヤと骨で硬め止血したプルトンの王は蹴りを放ち、二人を嵐の園へと引き込んでいく。
風に動きを封じられた猟兵が嵐から脱出すれば、スーパープルトンの姿はそこには無かった。
点々と大地に残る赤錆びた染みを除いて……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
穂結・神楽耶
鷲生様/f05845と◎
まあ…よくぞこんなところに隠れ潜んだというものです。
何れにせよ、死者を辱しめる無礼は糺さねばなりませんね。
参りましょう。
【朱殷再燃】――
初手の攻撃から鷲生様を庇い、時間を稼ぎます。
ヤドリガミたる身は本体さえ損傷しなければ問題なく動きます。
そしてダイヤモンドは炭素。炎と熱を操るのなら条件はこちらも同じ。
無視はできないでしょう?
鷲生様がヒーロー達を抑え次第、本体たるスーパープルトンへ突貫。
たしか、召喚している間は戦えないのですよね?
彼の方が抑え損ねるなど無用な心配。
申し訳ありませんね、孤独な王様。
わたくし達は猟兵ですので――こうして、力を合わせ勝つのですよ。
鷲生・嵯泉
太刀の娘(f15297)同道
随分と面倒な所へ逃げ込んだものだ
とは云え何時までも奪った力で悦に入る屑を放ってはおけん
では往くか
数を増やすのならば其れに合わせる迄
――招来、【歳殺】
此れから流れる血氣をくれてやる、お前はあの炎人形を抑えろ
決して太刀の娘へ近付かせるな
お前の相手は私だ、硝子人形
……奪われ操られる苦痛から今解放してやろう
攻撃は戦闘知識にて軌道を先読み躱す
多少の傷は激痛耐性と覚悟で無視
なぎ払いの牽制を加えて劈開性の方向を探り、点が見えれば一気に叩く
生憎だがダイヤが決して砕けんという事は無い
怪力乗せた此の1刀を証明としてやろう
彼女の1撃は数々の手練れを制した神速の1刀だ
お前如きに躱せるものか
●ザ・パニッシュメント・オブ・オリエンタル・ゴッズ
スーパープルトンが窮地を脱するため、ミス・タイフーンの力で飛翔し誰もいないであろう荒野へ着地する。
「まあ……よくぞこんなところに隠れ潜んだというものです」
だが、そこには先客がいた。
一人は穂結・神楽耶(舞貴刃・f15297)、太刀を佩き、人に生かされた者。
「全くだ。随分と面倒な所へ逃げ込んだものだ」
もう一人は鷲生・嵯泉(烈志・f05845)、柘榴のような赤い眼を持つ、今を生きる者。
「キサマラ……イミモナク、テキノマエニ、ミヲサラスカ?」
傷の痛みで精神が蝕まれようとする中でも、ジェネシス・エイトの一角は戦術の正当性を主張する。
「それも道理ですが、何れにせよ、死者を辱しめる無礼は糺さねばなりませんね」
神楽耶が自身たる白銀の太刀を抜けば
「どうやら馬鹿でもないようだ。とは云え何時までも奪った力で悦に入る屑を放ってはおけん」
嵯泉も災禍を絶ち切る一振りの刃を見せる。
「では往くか」
「ええ、参りましょう」
「さむらいカ……ダガ、たきおんデモむらまさデモナケレバ、ソレハ、タダノテツヨ!」
嘲りの言葉は金剛石と炎によって形を成した。
ザ・サンシャインが炎の弾丸を放ち、そこへダイヤジャイアントが飛び込めば、最初に前に出るのは太刀のカミ。
自らの身体を炎に焼かれる神霊へと姿を変えれば、サンシャインの炎をその身に取り込み、金剛石の拳に正面から受け止めてたたらを踏む。
「ヤドリガミたる身は本体さえ損傷しなければ問題なく動きます」
大地を踏みしめ、体勢を立て直す神楽耶。
神霊になったはずの身ですら髪が燃える程に炎が勢い増すと
「そしてダイヤモンドは炭素。炎と熱を操るのなら条件はこちらも同じ」
ダイヤジャイアントの拳が熱によって昇華され、肘から先を焼失させる。
「無視はできないでしょう?」
笑みを浮かべる、ヤドリガミ。
だが、お世辞にも無傷とは言えない。
先手を奪われたことによるダメージに加え、炭素を昇華、消失させた結果、熱を失ったことで自らを焼く炎が勢いを増したからだ。
神霊を蝕む炎は決して、彼女を離すことは無い。むしろ消し去ろうとすればするほど燃え上がるだろう。
――その太刀、折れるまで。
だが、傍らに居た男はそれをただ見守る者ではなかった。
近づくのも憚られる炎熱の領域。
嵯泉は顔をしかめながらも足を踏み入れ、小柄の刃を握り、凶方に坐し殺気を司る軍神を呼ぶ。
それは八将神が壱、権現は大威徳、名は――
「歳殺、手を貸せ。血氣をくれてやる、お前はあの炎人形を抑えろ」
小柄を握り指間より流れる紅を見せつけ
「決して太刀の娘へ近付かせるな」
念を押す。
ひりつく熱と刃食い込む痛みではまだ彼女の苦しみに届かないと、握る手に力を込めながら……。
「御意」
金星の精は約定に従い、冥王星が操る炎へと飛ぶ。
それを見送り、自らは金剛石の巨人へと足を向けていく。
「お任せします」
「ああ、頼む」
予想以上の熱に膝を着きつつも、回復と隙を図る神霊とすれ違えば、交わす言葉は一言ずつ。
それで充分であった。
「お前の相手は私だ、硝子人形……奪われ操られる苦痛から今解放してやろう」
歳殺神がザ・サンシャインを抑える中、男は最小限の動きでダイヤジャイアントの拳をかわす。
空を切り、砕いた大地が瓦礫となり、頬を裂く。
だが痛みなどというものはアドレナリンが燃やす戦の熱がそれを消し去っていた。
嵯泉が刀を大きく振り、薙ぎ払う。
金剛石の巨人も鈍重ながらも大きく後ろに下がり、そして逆襲の一撃を加えんと今度は一歩前に進み、大地を踏み砕かんばかりに体重を乗せる。
そこへ――男が音も無く踏み込み、刀を当てた。
さすれば自然物において最硬にして最も熱に強いダイヤの身体に、バターを切る様に刃が入り、その片腕が落ちていく。
岩石を構成する造岩鉱物は結晶構造由来の結晶面を持つ。
結晶面同士の原子結合は弱く、面に沿って衝撃を加えれば、割れやすいという性質を持つ。
それを劈開といい、そしてダイヤモンドは完全な劈開面を持つ、割れやすい鉱物の一つであった。
「生憎だがダイヤが決して砕けんという事は無い」
一刀によってそれを証明した嵯泉の姿にスーパープルトンが渋面を見せる。
だが、すぐに頭を回転させると尖兵へ指示を飛ばす。
「じゃいあんと! ソノママぷれっしゃーヲカケロ! さんしゃいん! ジャマモノハムシシテ、オンナヲ――」
そして気づく、神楽耶の姿を見失ったことに。
だが、すぐに見つけた。
自らに向かって吶喊してきたのだから。
「たしか、召喚している間は戦えないのですよね?」
膝を着いた状態から全体重を前へ乗り出すようにヤドリガミが駆け出せば、炎が勢いに負け、空に舞う。
「さんしゃいん! じゃいあんと!」
神霊の問いにプルトンの王は尖兵を呼ぶことで答えとした。
「彼の方が抑え損ねるなど無用な心配」
「カクナルウエハ!!」
援軍が来ないことを悟ったスーパープルトンが骨の刃を作り出し、神楽耶を迎え撃つ。
「申し訳ありませんね、孤独な王様。わたくし達は猟兵ですので――こうして、力を合わせ勝つのですよ」
「ヌカセいえーがー! まじぇすたーずノマネゴトナド!!」
「彼女の一撃は数々の手練れを制した神速の一刀だ」
嵯泉が口を開く。
「お前如きに躱せるものか」
それは確信であった。
交錯し、残り火が荒野に咲く中、神霊の太刀は遥か遠くへとプルトンの王を吹き飛ばした。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ヘンリエッタ・モリアーティ
――こんにちは、ミスター・エイリアン
どれで殺しあう?どれでやっても大丈夫よ。ぶち殺す
私ね、頭の悪そうな生き物を見るとイライラするんですよ
お前なんて、とくにそう
【黄昏】でお相手しましょう
死樹の篭手をはめた手で武装化する骨は叩き折る、風を操るというのなら地面をこぶしで穿って衝撃波を起こし、隆起させて壁にしましょう
――なにもない(ゼロ)っていいわよね。100にも1000にもできるから
私のことを食らうというのなら食らってもらいましょう、腹から、ぶち破ってあげる。文字通り「お腹を壊す」わよ
死んだ英傑を辱めるのは此処までにして頂戴
虫唾が走るんだよ、――この異星人
絶えて死ね。お前の因子は未来に要らない
◎
●エクスターミネーション・トゥ・プルトン
「――こんにちは、ミスター・エイリアン」
吹き飛ばされたスーパープルトンの頭を小突くようにヘンリエッタ・モリアーティ(Uroboros・f07026)が爪先で蹴る。
「ココロワレタ、オンナハ、まなーヲ、シラナイトミエル」
マジェスティックマンの知性が見抜いた性質を皮肉り、プルトンの王は起き上がる。
「どれで殺しあう?」
ヘンリエッタが黒銀の篭手を見せる。
「どれでやっても大丈夫よ。ぶち殺す」
どの『きょうだい』が見せたのか、鮫のように嗤う。
「私ね、頭の悪そうな生き物を見るとイライラするんですよ」
顔を近づければ
「お前なんて、とくにそう」
異星人の顔に唾を吐いた。
「フン、ヤハリチキュウジンハ、レットウジンシュダナ」
スーパープルトンも右手を骨の籠手で武装する。
「ソレトモ、やんでれトイウヤツカ?」
嘲笑ったプルトンの顔面に拳が入った。
ヘンリエッタの籠手が武装化した骨を叩き割れば、返ってくるのはプルトンのダイヤの拳。
追い打つように右足を蹴り上げれば、生まれる疾風は何もかも吹き飛ばさんばかりに放たれ、モリアーティは大地に拳を穿ち、衝撃を以って壁を作り上げ嵐を凌ぐ。
「――なにもない(ゼロ)っていいわよね。100にも1000にもできるから」
壁から飛び出したヘンリエッタの拳が再びプルトンの顔面に叩き込まれる。
「ヒトノコトバヲハナセ、レットウジンシュ」
逆襲とばかりにスーパープルトンの右手が女の顔面を掴み炎で焼けば、ヘンリエッタはその腕を掴み、暴力で引きちぎった。
「私のことを食らうというのなら食らってもらいましょう、腹から、ぶち破ってあげる。文字通り『お腹を壊す』わよ」
流れを変えようとしたプルトンがアドバンボーイの口が開く。
そこに女の両手が引っかかれば、その口を乱暴に引き裂いた。
オブリビオンの悲鳴が上がり、そして憎悪のこもったダイヤの拳がヘンリエッタの整った鼻梁を砕いた。
「死んだ英傑を辱めるのは此処までにして頂戴」
追い打ちの蹴りを叩き込もうとしたスーパープルトンの足を掴めば黒銀の籠手が握られオブリビオンの腹を穿つ。
「虫唾が走るんだよ、――この異星人」
さらに生身の拳がプルトンの顎を揺らし、膝を着いたところへ、その顎先を全力で蹴り上げた。
Extermination to Pluton.Yourfactor is nofuture.
「絶えて死ね。お前の因子は――未来に要らない」
折れた鼻を指で無理矢理直し、ヘンリエッタ・モリアーティは倒れ伏したスーパープルトンへ言い放った。
成功
🔵🔵🔴
ヴィクティム・ウィンターミュート
くだらねーな
お山の大将気取ったエイリアンが、粋がってるだけの話だろ?
猟兵の力って奴を存分に味わってもらおうじゃねーか
さて、5人組を出してくるか…まあ関係ねえや
【ハッキング】で自前のサイバネをオーバーロード
演算、知覚、反射、身体能力を向上
【ドーピング】でコンバット・ドラッグを摂取
攻撃の軌道を【見切り】、【早業】で回避
【ダッシュ】で出来るだけ距離をとり、反撃の構えだ
Forbiddenストレージ解放──セット、『Destroy』
射程距離は3km以上だ…狙うは本体のみ
さぁ、お前の過去の滅びはどんなものなのか…教えてくれ
一発撃ったらそれで終いさ
致命的な威力してんだからな
これ以上1対6やるなんて、ごめんだ
●レスト・イン・ピース・プルトン
That’s stupid.
「――くだらねーな」
猟兵から逃れたスーパープルトンを嘲笑う声。
「お山の大将気取ったエイリアンが、粋がってるだけの話だろ?」
オブリビオンの視線の先にはスマートフォン片手に岩に座るヴィクティム・ウィンターミュート(impulse of Arsene・f01172)。
「レットウジンシュメガ!」
プルトンの王が炎の鞭を振るえば、ヴィクティムはハンドポケットのまま跳躍し、後転から着地。残ったのは砕かれた岩の跡。
「ソノウゴキ、タイジュウ……ドコマデ、テヲイレタ?」
「へえ、お見通しって訳か」
「ナンナラ、モット、カイゾウシテヤロウカ?」
「お断りだ、豚に任せたら0.1ミリもエッセンスが残らねえ」
「ナラ、シネ――まじぇすたーず!」
くだらない話は終わり、五人の尖兵と共にシーンは切り替わる。
The Majesters.
「マジェスターズの登場か……まあ関係ねえや」
ヴィクティムのシナプスが起電し、拡張された電脳が多大な情報量を計算する。
端役を自称する少年だが、彼の足は刃の上で常に踊る。
そうしなければ生きていけなかったし、そうしなければ生きる価値が無い。
だからこそ、ここに立っている。
空を舞うミス・タイフーンが風を起こし、彼のランを封じようとすれば、自己をハッキングすることでオーバーロードしたサイバネとドラッグが限界以上の動きを発揮し、風の中を走り抜ける。
炎の弾丸が降り注ぎ、左右からダイヤと骨の拳がサイボーグのBLTサンドを作り出そうとすれば、アンプル一つ飲み込んだヴィクティムの足が大地を蹴り、大きく距離を取る。
そこへアドバンボーイが口を大きく開き、空気を呑み込めば、発生した負圧によって強化人間の身体がマジェスターズの射程距離へと引き寄せられる。
「まあ、待てよ……メシの前のお祈り、忘れてねえか」
――Forbidden=storage release.
Search……Super Pluton.
「こうやるんだよ、天に召します……」
Set――『Destroy』
「三色団子ってなあ!」
そして戦いを見守っていた異星人の視界が変わった。
スーパープルトンを名乗る前。
彼が見るのは機械生命体による滅び、改造されていく同胞、耐えられず死にゆく友、戦うためにプルトン人の超人――スーパープルトンとなり戦い、失った愛すべきもの。
彼が最後に見たのは金属の海に沈む故郷、そして……
「キサマ……」
地獄から帰ってきたスーパープルトンが周りを見回せば、ヴィクティムの姿は無い。
だが、自らの科学力とマジェスティックマンの知性が自分が何をされたのかを覚えていた。
「ヴぃくてぃむ……ヴィクティム……ヴィクティム・ウィンタァァァミュートゥゥゥゥ!!」
怨嗟より深く、怒りより煮えたぎる叫び。
「コロス! コロス! コロシテヤル!! オマエノスベテヲコロシテヤル!」
スーパープルトンは何が何でも生きるべき決心を固めた。
「チキュウノゲンゴデ、オボエテヤル、ヴィクティム・ウィンターミュート!」
奴は殺すために……。
だが、その叫びは届く事は無かった……。
成功
🔵🔵🔴
ソラスティベル・グラスラン
ナイくん(f05727)と
大斧を地に突き刺し、風に揺るがぬ楔として
武装化した骨を防ぐ為に【盾受け】で盾を構え、【オーラ防御・怪力】で防ぎ受け流し
全てを喰らう口を【見切り】、わたしが持てる最も速い技、拳で顎を殴り閉じる
勝ち誇るのは貴方の勝手です、相応の強さへの自負も見事
ですが、遥か銀河からの侵略者の王よ!
どれほど強大な力でも、人の心までも侵すことは決してできないのです!!
ナイくん、お願いします
この世界のヒーローたちを、解き放って!
解き放たれたヒーローたちを肩を並べ只管に猛進
真っ直ぐ進むわたしに注目させ、ナイくんから目を逸らさせる
全ては漲る【勇気】のままに、【鎧砕き】の大斧を叩きこむ為に
ナイ・デス
ソラ(f05892)と
【第六感】で繰り出される攻撃【見切り】
一撃で意識飛ばされないよう【かばい】受け
【激痛耐性と覚悟】で耐えて
折れたり砕けたり、喰われた身体【念動力】で支え動かして
殺して、力を利用して……!
マジェスターズの力は、あなたの為にあるのでは、ない、です!
『光をここに』発動
お願いします。一緒に、倒しましょう
世界を、救う為に。ヒーロー!
そして私は、代償に倒れ
……まだ、私も、戦います
【迷彩】纏い、念動力で自身【吹き飛ばす】ように移動
【忍び足ダッシュ】で近付いて【暗殺】
【鎧無視攻撃で串刺し零距離射撃】
【生命力吸収】する光を放ち、虚脱感で動きを鈍らせて
ソラ、マジェスターズさん
今、です!
全力を!
●イッツ・マジェスティックタイム
スーパープルトンに生きる理由が出来た。
何が何でも生きのこり、そして探し出し、殺さねばならぬものがいた。
だが、それを阻む最後の猟兵がいた。
「ジャマヲスルカ!」
「ここ、で」
「終わりにします!」
ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)とソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)がそれぞれ武器を構えれるとプルトンの王は指を鳴らし、かつてのヒーローを尖兵として呼び出した。
自分の傷も浅くはない、死力を以って猟兵を打ち倒す覚悟であった。
まずはミス・タイフーンが空を飛び、烈風で動きを止める。
ソラが大斧を地に突き刺し、風に揺るがぬ楔とすれば、次にザ・サンシャインが炎の弾丸を掃射する。
ナイが駆けより、相棒の少女を伏せさせれば、追い打ちをかけるようにダイヤジャイアントの拳が飛んで来た。
「ナイくん!」
金剛石の拳を受け、ヤドリガミの身体が二転三転と荒野をバウンドする。
「大丈夫、です」
脳が揺れる感じを現身が感じることに可笑しな感覚を覚えながら、ナイが立ち上がる。
一方、ソラも安全では無かった。
風が止み、炎が収まった直後、畳みかけるようにマジェスティックマンとアドバンボーイが襲い掛かってきたのだ。
武装化した骨を少女がオーラを付与した盾で受け、膂力で跳ね除ければ、目の前の骨の使い手が笑い、その隙を突いてアドバンの口が開かれる。
骨の折れる音が鼓膜を打ち、熱い何かがソラの顔を汚す。
目の前にいるのはナイ。
彼が片腕を引き換えに相棒を守ったのだ。
咄嗟にソラの拳がアドバンボーイの顎を殴りつけると衝撃で口が開かれ、食いちぎられた腕から赤いものが荒野を汚す。
片腕を失い、倒れ行くヤドリガミ。
咄嗟に少女が肩を貸し、その身体を懸命に支えた。
「サイショカラ、コウスレバヨカッタ。まじぇすたーずノチカラガアレバ、ワレハムテキナノダ」
「勝ち誇るのは貴方の勝手です!」
勝利を確信するスーパープルトンへソラが声を上げた。
「相応の強さへの自負も見事、ですが、遥か銀河からの侵略者の王よ!」
斧を片手に、少女はプルトンの王を真っすぐに睨む。
「どれほど強大な力でも、人の心までも侵すことは決してできないのです!!」
「殺して、力を利用して……!」
ナイもソラの肩から離れ、一人立ち上がれば、オブリビオンとマジェスターズを見る。
「マジェスターズの力は、あなたの為にあるのでは、ない、です!」
「ダガ、イマハ、ワレノチカラダ……まじぇすたーず!」
死の宣告とばかりに五人に告げれば、彼らはトドメを刺すべく動き始めた。
「ナイくん、お願いします」
少女がヤドリガミを見る。
「この世界のヒーローたちを、解き放って!」
ナイがソラに頷く。
「ソウハサセルカ!」
彼らの言葉に不吉な何かを感じたスーパープルトンが二人を焼き殺そうと右腕の炎を飛ばす。
「お願いします。一緒に、倒しましょう」
ヤドリガミの手が光る。
「世界を、救う為に。ヒーロー!」
それは輝きとなりて、そして……。
「話は分かった……さあ、戦おう!」
よく通る聡明な声が二人の耳へ響いた。
「全く、二人相手に6人とはスーパープルトンらしいぜ」
硬い意志と金剛石の身体を持つダイヤジャイアントが二人を炎から庇い、皮肉った。
「ナン……ダト!?」
驚愕するオブリビオン。
「おいおい、奇跡はいつも見てるだろ? 俺達と一緒に」
いつも陽気な光と炎のザ・サンシャインがプルトンの王をからかう。
「二人とも戦えるか? 僕は腹ペコだ」
全てを食べる、心優しい少年アドバンボーイがソラとナイへ近づき二人を気遣う。
「サニーもダニーもからかうのはそれくらいになさい、今は仮初の命と身体でやるべきことがあるでしょう?」
風を操るクールビューティ、ミス・タイフーンがマジェスティックツインズを嗜めれば。
「そうだ、これが私達の最後の戦いになる。皆、気を引き締めるんだ。そして猟兵の二人よ……」
骨を操る天才、マジェスティックマンがナイとソラに向かって笑い。
「ありがとう、スーパープルトンを倒す為、力を貸そう!」
少女の顔が輝き、そしてヤドリガミは笑みを浮かべるとその場に倒れた。
「ナイくん!?」
「大丈夫、命に別状はない。さて、スーパープルトン」
骨と知性の戦士がプルトンの王を見る。
「ウラギルカ、まじぇすたーず」
「本来の姿に戻っただけさ、そして、こういう時になんていうか知っているだろう」
五人のヒーローはオブリビオンへ向きなおると。
It,s Majestic time!!
「「「「「さあ、堂々と戦おう
!!」」」」」
戦いの狼煙を上げた。
「オノレ、いえーがー! オノレ、まじぇすたーず!」
怒りに狂うスーパープルトンが襲い掛かる。
「さてソラ君、ご存じの通り、私達に彼を倒せる力はない。君が頼りだ。タイフーン!」
マジェスティックマンの言葉にソラが頷けば、ミス・タイフーンが嵐を呼び、プルトンの王を捕える。
「仮初の命だけれども!」
「ジャマダ!」
オブリビオンが自らも風を操り、嵐を打ち消せば、炎の右手から弾丸を打ち出す。
「させないよ!」
アドバンボーイが前に立ち、炎を呑み込めば、耐え切れずに爆散する。
「アドバンくん!」
少女が叫ぶと、その肩を叩く二人の男、マジェスティック・ツインズ。
「言ったろ、最後はヒーローとして終わらせてくれって……行こうぜ、カラット野郎」
「口が悪いな、サニー。まあ、そういうこった、すまないなお嬢ちゃん」
炎と金剛石、二人の戦士が飛び込めばしがみつくようにスーパープルトンの両腕を抑え込む。
「隙は私達が作るわ」
続くようにタイフーンが飛んでいく。
「私達は過去の存在だ。タブロイド紙の重さくらいで充分さ。だから――君達に未来を託す」
武装化した骨に身を纏ったマジェスティックマンが走れば、ソラも斧を持ち、彼らに続いた。
「ムダダ!」
プルトンの王がザ・サンシャインとダイヤジャイアントを振り払い、その頭を握り、砕く。
「キサマラハ、ワレニ、マケタ!」
疾風で動きを制しようとしたミス・タイフーンを右腕の炎で焼き払えば
「ココデシヌダケダ!」
ダイヤの腕でマジェスティックマンの胸元を貫く。
「ああ、そうだな。だがオブリビオン退治は――猟兵の仕事なのだよ、スーパープルトン」
知性と骨の戦士が笑い、こと切れた時、オブリビオンを覆う影。
見上げれば飛び上がり、斧を振り下ろそうとする少女の姿。
「バカメ!」
隙だらけだと言いたいばかりにプルトンの王が右足で風を吹かせようとした時、その足を掴む腕が一つ。
「ソラ……」
倒れていたはずのナイが最後の力を振り絞り、スーパープルトンの生命力を奪い、虚脱感を引き起こさせる。
「今、です!」
「――うん!」
その一瞬が決め手となった。
勇気を以って振るわれた斧は雷の如くプルトンの王を両断し、大地へと突き刺さる。
「ココデ……ココデ……ワレハシヌノカ!?」
両断され、顔半分となりてもスーパープルトンは驚愕の表情を見せ、呟く。
「ショセンハ……カリモノノチカラ……ナノカ……ナニモ……ナカッタ……ノカ」
「貴方には、何か、あったかも、しれない」
ナイがプルトンの王を見下ろす。
「でも、ヒーローの力を得て、見失ったのです」
ソラが告げれば。
「ミウシナッタ……ハハッ……ハハハハハハハハ!」
プルトンが笑った、命が止まるまで笑った。
戦いは終わった。
オブリビオンはオブリビオンとして。
猟兵は猟兵として。
ヒーローはヒーローとして全てを終わらせた。
大成功
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