アースクライシス2019⑨~自由へ続く一筋の道
● 猟兵、空を舞う
「ヒーローズアースでは未だ、戦争が続いています。皆様のお力をお貸しくださいませ」
グリモアベースに集まった猟兵達に、アカネ・リアーブル(とびはねうさぎ・f05355)は語りかけた。
エリア51のUFOを奪うことに成功した猟兵達は、いくつもの宇宙船がぶつかってできた沢山の島ーーラグランジュポイントを目指すための作戦を開始した。
一人乗りのUFOを操り、米軍が敷いた「ビームハイウェイ」という光線の道を辿り、空の高い場所まで向かうのだ。
ラグランジュポイントまで迷うことはないが、その道の途中には巨大化したオブリビオンがいる。
これを倒さなければ、先へ進むことができない。
● 翼あるものと輪舞曲を
「皆様の行く手を遮るのは、ヴァンパイアバットです。体長は二十メートルまで巨大化しています。巨大化により攻撃力は強化されていますが、その代わり小回りは効かないようです。ですので皆様は、奪ったUFOを華麗に操り、蝶のように舞い蜂のように刺す戦法で戦えば有利となります」
戦いは一人乗りUFOで行うのが基本となるが、空を飛べる種族の猟兵は自分の力で飛んでも構わない。
奪い取った一人乗りのUFOのデザインは多種多彩。いろいろな形状のものがある。
UFOには通常攻撃相当の攻撃手段が搭載されていて、猟兵は空を飛ぶことに専念できる。
攻撃手段も様々。翼が剣になるとか大砲に跨っているとか、まあ大体のことはできると思えば間違いはない。
「ここを突破すれば、目指すラグランジュポイントまであと一息です。皆様のお力で、道を切り開いてくださいませ」
アカネはにっこり微笑むと、グリモアを発動させた。
三ノ木咲紀
オープニングを読んでくださいまして、ありがとうございます。
マスターの三ノ木咲紀です。
今回は一人乗りUFOに乗っての空中戦です。③、⑥とくれば⑨ですよ。
次が⑫かどうかは分かりません。
詳細はオープニングの通りです。
特に指定がなければベーシックなUFOに乗っていると思われます。
プレイングボーナスは、『華麗な空中戦を展開する(UFOは使わなくても可)』です。
とにかく華麗にかっこよく、空中戦を楽しんだもの勝ちです。
プレイングはオープニング承認後すぐにお受け致します。
皆様の熱きプレイングをお待ち致しております。
第1章 ボス戦
『ヴァンパイアバット』
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POW : ブラッディ・トレイター
【衝動に身を任せた暴走状態 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : ヴァンプ・シザーズ
【鋭い爪 】による素早い一撃を放つ。また、【六枚の羽で飛翔する】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : ゴーストナイト・ボディ
自身の身体部位ひとつを【不可視かつ不可触のエネルギー 】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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カーバンクル・スカルン
理性を失って速く動く物を攻撃しようとするのねー。ならこの手で簡単にやれそう。
【置酒高会】を発動して相手を檻の中に入れて、ワニ達に襲いかかっていただいて、その間私はUFOを操縦してワニ達よりも速く動きます。
檻の中からその様子は見えるから、多分そっちばかりに気を取られてワニは相手をノーマークで噛み放題に出来ると思うんだ。
だが、その檻はワニを全部倒さなければ出ることが出来ない! さあ、あなたはそれに気付いて私を諦めてワニを全部倒すのに何分かかるかな?
● ワニと鳥籠と私
光り輝く道が一筋、ラグランジュポイントへ向かって続いている。
円盤型のUFOに乗り込んだカーバンクル・スカルン(クリスタリアンの咎人殺し・f12355)は、迫るヴァンパイアバットの巨体に向けて笑みを浮かべた。
健康的に焼けた肌に、丈の短いシャツとパンツ。露出度は高いが不思議といやらしさを感じさせないのは、そこに浮かべる快活な表情故か。
一房だけ色の違う赤い髪につけたゴーグルから得られる情報を、カーバンクルは精査する。
攻撃力を増し、巨大化したオブリビオン。何の情報もなく突撃するのは危険極まりないが、カーバンクルは既に敵の手の内を知っている。ならば対処のしようもあるというものだ。
「理性を失って、速く動く物を攻撃しようとするのねー。ならこの手で簡単にやれそう」
ヴァンパイアバットに対し先陣を切るカーバンクルに向けて、鋭い爪が迫る。一撃で屠る凶暴な爪をヒラリと避けたカーバンクルは、滑るように空を飛びながらユーベルコードの詠唱を開始した。
「さぁ、あなたは何分耐えられる?」
詠唱の最後に投げる質問。同時に現れた巨大な鳥かごが、答えられないヴァンパイアバットを閉じ込めた。
体長二十メートルはある巨体を閉じ込めて余りある巨大な鳥かごに閉じ込められたヴァンパイアバットが、怒りの咆哮を上げる。
誇り高きヴァンパイアバットを、あろうことか鳥かごに閉じ込める。この屈辱に怒りの炎を燃やしたヴァンパイアバットは、衝動に任せた暴走状態へと変化した。
鳥かごの外でUFOを操るカーバンクルの姿に向けて、エネルギー波を次々と放つ。鳥かごを破ろうと力任せにこじ開けようとするヴァンパイアバットに、5体の機械仕掛けのワニが一斉に噛み付いた。
本物のワニの牙のように幾重にも並んだ鋭い牙が、ヴァンパイアバットの翼を貪り喰らい噛み砕き、頭部の回転機構が食らいついた肉をひきちぎるように唸りを上げる。
食らいついてくるワニはヴァンパイアバットに比べて小さく、死角に入りやすい。それでもワニ達を振り払おうと攻撃を仕掛けるヴァンパイアバットの目の前に、カーバンクルは躍り出た。
「コウモリさんこちら!」
UFOを操り、目の前を高速移動するカーバンクルの姿に、ヴァンパイアバットは再び意識を向ける。超攻撃力で鳥かごを破ろうと暴れるが、この鳥かごはワニを全部倒さなければ出ることが出来ない。
衝動に任せて暴走状態にあるヴァンパイアバットに、ワニ達は執拗に攻撃を仕掛け続ける。それに気づいてユーベルコードを解除しなければ、ワニ達を排除することはできない。
「さあ、あなたはそれに気付いて私を諦めて、ワニを全部倒すのに何分かかるかな?」
超耐久力で攻撃を耐えながらも衝動に任せてもがくヴァンパイアバットの姿を、カーバンクルは楽しそうに笑いながらUFOで宙を駆けた。
成功
🔵🔵🔴
ノエル・マレット
巨大オブリビオンですか……厄介ですがラグランジュポイントへの道を切り開くためにもなんとかしなくてはですね。
私は飛べないのでUFOをお借りしますね。
マニュアルがありましたら目を通してから。UFOはおろか自動車も運転した事ないので。
経験不足は[第六感]で補いましょう。
部位変化で何か仕掛けてくるならば[オーラ防御]を。
小回りが効かないそうですのでUFOの火器で牽制して攻撃を引き出したらその合間を縫うように飛んで背後に肉薄。
UFOの外に出ますが……オートパイロットとか……ありますよね?
攻撃後の回収、おまかせしますね。
UC【彼岸の姫花】。6枚の翼と本体、まとめて攻撃します!
● 正しいマニュアルの使い方
手渡されたUFO操縦マニュアルを読み込んだノエル・マレット(誰かの騎士・f20094)は、マニュアルの奥付の日付まで目を通すと分厚い本をパタリと閉めた。
ノエルはUFOはおろか自動車も運転したことがない。だが、これだけきちんとしたマニュアルがあるのだ。後はやってみないことにはなんとも言えない。
なんとかなるしなんとかする。白いコートの裾を翻してUFOに乗り込んだノエルは、まるで騎馬を駆る騎士のようにビームハイウェイへと躍り出た。
米軍が敷いた、光の一本道。光る道を真っ直ぐに駆け上がるUFOの操縦桿を握る手にも力がこもる。
やがて現れたヴァンパイアバットの姿に、ノエルは眉をひそめた。
「巨大オブリビオンですか……。厄介ですが、ラグランジュポイントへの道を切り開くためにもなんとかしなくてはですね」
決意を新たにUFOを進ませるノエルに向け、ヴァンパイアバットが咆哮を上げた。
威嚇のために発せられる超音波のような声にも臆せず、攻撃を仕掛け続ける。苛立ったように振り上げられたヴァンパイアバットの腕が、ふいに消えた。
同時に感じる衝撃。不可視かつ不可触のエネルギー体と化した腕が、ノエルを乗せたUFOを薙ぎ払う。
咄嗟にオーラ防御でダメージを最小限に抑えたノエルは、態勢を立て直すとトリガーを引いた。
放たれる通常攻撃の銃弾が、見えない壁に阻まれる。
その直後。背筋を走るぞわりとした感覚に、ノエルは操縦桿を思い切り引いた。
間一髪。不可視・不可触となった腕から放たれるエネルギー弾を回避したノエルのUFOが、空中で円を描く。
凶暴に爪を繰り出すヴァンパイアバットの背後に回り込んだノエルは、UFOのの自動運転モードをオンにすると、窓を開け外へ身を乗り出す。
ノエルのユーベルコード【彼岸の姫花】の射程は39m。ヴァンパイアバットに有効打を与えるには、危険を承知で接近するしかない。
ノエルに気づいたヴァンパイアバットの爪が迫る。不可視・不可触の攻撃を第六感で感じるが、構わず詠唱を続ける。
ヴァンパイアバットの腕がノエルを切り裂く直前、ユーベルコードが完成した。
「さあ、行きましょうルケイオス」
完成と同時に、無数のネリネの花びらがノエルの周囲に現れる。翼のように二方向に長く伸ばされる花びらが、ヴァンパイアバットの翼と本体を切り裂いていく。
無数の傷を穿つ攻撃に晒されやヴァンパイアバットが、たまらず回避行動に出る。ノエルの頭上を薙ぐ攻撃に、操縦席へと戻る。
ヴァンパイアバットにUFOが激突する寸前、オートパイロットをオフにして操縦桿を再び思い切り引く。
間一髪。壁のように迫る身体を回避したノエルは、態勢を立て直すと距離を取った。
成功
🔵🔵🔴
栗花落・澪
窓だけ全開にした普通の円盤型UFOでの【空中戦】
一番操作慣れしてるんだよね
敵の動作時生じる僅かな風切り音や風の揺らぎを
【聞き耳】や全身で感知し【見切り】
攻撃は反射レベルでの速やかな回避行動
極力背後に回るよう時折旋回しながら飛行
UFOから放つ光線で気を引きつつ
少しでも隙を見せた瞬間氷の【高速詠唱、属性攻撃】で翼を狙い凍結
6枚全てを狙えるかは戦況次第だけど…
出来る限り敵のUC発動までに減らせるように
更に蝙蝠は音に過敏だと思うから
常に【催眠歌唱】を響かせることで惑わせる
爪攻撃の動きが見えたら一時的にUFOを囮に離脱
自前の翼で爪を回避しつつ敢えて敵に突っ込み
近距離で【全力魔法】の【破魔の指定UC】
● 空に響くは天使の歌声
未だ健在なヴァンパイアバットに向けて、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)が駆るUFOが滑るように飛ぶ。
窓だけ全開にしたUFOは、ごくベーシックな円盤型。いくつもの戦場を駆ける澪にとって、突出した特長がない代わりに全てにおいて平均以上の性能を誇るこの型のUFOが扱いやすく、また一番操作慣れもしていた。
もはや相棒と言ってもいいくらい慣れた手付きで操縦する澪は、頬をなぶるように過ぎゆく風から感じる情報を余すことなく受け取ろうと神経を研ぎ澄ませた。
琥珀色の髪が、過ぎる風になびく。サーモンピンクのコートが風を孕み、様々な情報を澪に教えてくれる。
ヴァンパイアバットが動く時に生じる、僅かな風切音やゆらぎ。そういった情報を全身で感知しながら操縦桿を微調整。
澪機の接近に気づいたヴァンパイアバットの爪が、ふいに消えた。
鋭い爪による攻撃を敏感に察知した澪機が、機体をわずかに上昇させる。その直後、澪がいた空間を鋭い爪が薙いでいく。
続けざまに操縦桿を右に倒す。足元のペダルで速度を微調整しながら右へ左へとダンスを踊るようにUFOを操り、ヴァンパイアバットの攻撃を華麗に回避していく。
ヴァンパイアバットの耳を震わせる歌声に惑い、攻撃が空を切る。生まれる大きな隙を、澪は見逃さなかった。
高速詠唱で完成する氷の魔法が、ヴァンパイアバットに迫る。放たれた氷の槍が六枚羽根を氷結させ、確実に機動力を削いでいく。
その後も続く連撃を、もはや反射レベルで察知し見切る澪に、ヴァンパイアバットが怒りの声を上げた。
同時に飛翔。澪に向けて振り上げた右手の爪が再び消える。
回避しようと動いた先に、左手の爪が迫った。
両手で潰すように迫る攻撃に、澪の乗ったUFOがぐしゃりとひしゃげる。
まるで今までの憂さを晴らすようにぐしゃぐしゃになったUFOの機体が、地球へ向けて落下する。
勝利を確信したヴァンパイアバットは、勝利の声を上げようと口を開く。
その目の前を、澪は飛翔した。
ヴァンパイアバットの爪がUFOを破壊する寸前、オラトリオとして持つ自身の羽根で飛翔した澪は空を翔ける。
地上へと落ちていくUFOの残骸を感謝と寂しさで見送った澪は、顔を上げヴァンパイアバットを睨みつけた。
「相棒の仇、取らせてもらうよ!」
宙を蹴った澪の身体が、引き絞られた矢のように放たれる。
繰り出されるヴァンパイアバットの攻撃に臆することなく、その懐へ向けて突っ込んでいく。
「全ての者に光あれ!」
全力魔法を乗せた【Fiat lux(フィーアト・ルクス)】が、ヴァンパイアバットに迫る。
高威力で放たれる光条がヴァンパイアバットの体表を侵食していく。全方位に向けて放たれる攻撃は、すれ違ってなおヴァンパイアバットの翼にダメージを与える。
「仇は取らせてもらったよ」
苦痛に暴れるヴァンパイアバットを見下ろした澪は、大気圏内で流星となり消えるUFOを歌で見送った。
大成功
🔵🔵🔵
鈴木・志乃
大砲UFO搭乗
UC使用で第二人格【昨夜】に移行
あらあら、まーまーおっきな敵さんですね
……なんか目がちかちかします
巨体の癖に素早いし困りましたね
全力魔法の衝撃波による急加速と念動力、それにロープワークの要領で光の鎖を敵の巨体に食い込ませ反動を利用することで、あちこち飛び回りたいですね
第六感で動きを見切り、弛緩剤を仕込んだ針を背中中心に刺して回りましょう
(コイツに効くか不安ですね……)
念動力で宇宙ゴミと鎧砕き出来る魔改造ピコハンをぶん回し、爪と羽の破壊を狙います
牽制、撹乱として呪殺弾を乱れ撃ち、少しずつ呪い殺します
あとはそうですね、口元近く来たら破壊工作用の爆弾を投げ入れます
消し飛べ
● オラトリアン・ダンス
大砲にコクピットを取り付けたという、少年の夢を体現したかのようなUFOに乗り込んだ鈴木・志乃(ブラック・f12101)は、迫るヴァンパイアバットの姿に苦笑いをこぼした。
与えられるダメージに苛立ったようなヴァンパイアバットが上げる金切り声がやかましい。
「今回も昨夜の出番かな、……お願いね、昨夜」
目を閉じ、自分の魂に呼びかけた志乃は、湧き上がる魔力に意識を委ねる。
目を開いた志乃は、その姿を一変させていた。
ショートカットの黒髪は白く染まり、背中まで伸びる。オレンジ色の瞳は夕焼け色に変わり、ヴァンパイアバットの姿を好戦的に映し出している。
白いドレスを狭い操縦席に沈めた昨夜は、近づくヴァンパイアバットの姿に肩を竦めた。
「あらあら、まーまーおっきな敵さんですね。……なんか目がちかちかします」
からかうように言った昨夜の言葉が聞こえたのか。顔を上げギロリと睨みつけたヴァンパイアバットは、鋭い爪を振りかざした。
大砲型のUFOに、鋭い爪が迫る。巨大さに物を言わせて振り下ろされる攻撃を急加速で避けた昨夜は、すり抜けざまに光の鎖を放った。
「巨体の癖に素早いし、困りましたね」
鋭い爪が、ヴァンパイアバットに食い込む。爪を支点に半月状に宙を舞うUFOを追いかけるように反対の手の爪が迫る。
弧の頂点で鎖を外す。放物線を描いて宙を舞うUFOは、ヴァンパイアバットの背後に回り込むと弛緩剤を仕込んだ針を打ち込んだ。
無数の太い針が、ヴァンパイアバットの背中に打ち込まれる。象をも倒す弛緩剤はしかし、耐性があるのか効いている様子はない。
打ち込まれる針に振り返ったヴァンパイアバットは、鋭い爪を振り上げた。
さっきとは比べ物にならないほどのスピードで、爪が繰り出される。
次々に繰り出される必殺の爪に、昨夜は全力魔法を放つ。
爪を牽制しつつ放たれた魔法が生み出す衝撃波に合わせて急加速。爪を避けた昨日は、念動力で周囲に浮かぶ宇宙ゴミを集めた。
砲弾型のUFOに、何の変哲もないピコピコハンマー(に見える何か)を魔改造した形に固めた宇宙ゴミ。そのアンバランスさが、動画映えして人目を引くだろう。
「さあ、お仕置きの時間だよ!」
念動力で振り上げられたピコピコハンマーが、ヴァンパイアバットの頭上に迫る。
避けようと振り上げられた腕に食い込むハンマーが、バラバラと砕け散る。その宇宙ゴミに紛れて接近した昨日は、開けられたヴァンパイアバットの口に破壊工作用の砲弾を撃ち込んだ。
「消し飛べ」
すれ違い去る昨日の背後で、爆発音が響き渡った。
大成功
🔵🔵🔵
南雲・海莉
UCで飛行
姿はバイクのAIが映したホログラムのようにも見える
刀に雷の魔力を纏わせ
敵のエネルギー化に顔を顰め
(なら、肉を切らせて……)
自身を囮にしようと考えた時
『自分すら大切にできないなら、他人を大切になんてできない』
高速飛行の中で過るのは自分でない自分の……『異なる可能世界』の記憶
「そうね、義兄さん」
その記憶が仮想でも、前世のそれでも
記憶の中で苦く呟いた義兄に頷き
接敵の直前で急上昇し前後反転
そのままバイクの後輪で敵の目元を轢く形でフェイント
敵がすり抜けさせるのは分かってる
そのまま進行方向を下へ
見えている部分を刀で刺し貫き
魔力を全力解放して注ぎ込みつつ
引き裂くように一気に体の上を駆け抜ける
● 義兄の思いを力に変えて
光り輝くビームハイウェイを、一台の宇宙バイクが駆ける。
モスピンクと白でカラーリングされたレトロなスクーター『エスバイロ:ブリスコラ』に乗り空飛ぶ南雲・海莉(コーリングユウ・f00345)は、銀桃色の髪をなびかせながら先を急いだ。
ユーベルコードで変身し、バイクのAIが映し出したホログラムのような姿になった海莉は、眼下に広がる地球と上空に広がる宇宙のコントラストに目を細めた。
どこまでも広がる、青と黒の世界。落ち着かない気持ちのまま空を翔けた海莉は、光の道を塞ぐように立つヴァンパイアバットと相対した。
鋭い爪が海莉を襲う。じゃじゃ馬仕様の宇宙バイクを乗りこなし、回避しながら攻撃を仕掛ける。
紋朱に雷の魔力を纏わせ、ヴァンパイアバットを斬りつける。攻撃直後の硬直を狙った爪を避け、距離を取り隙を伺う。
幾度目かの攻防を経た時、ヴァンパイアバットが動いた。
ヴァンパイアバットの右腕が消失する。不可視・不可触のエネルギー体となった腕は、どこから攻撃が仕掛けられるのか分からない。
距離を取った海莉は今、遠距離攻撃能力をもたない。このままでは早晩、敵の攻撃に沈められてしまうだろう。
「(なら、肉を切らせて……)」
骨を断つ。自身を囮にして受ける攻撃をいなし、接近して一撃を叩き込むのだ。
ダメージは負うが、これより他に方法がない。決意を固めた海莉がヴァンパイアバットに向けて宇宙バイクで翔けた瞬間。
脳裏に声が響いた。
『自分すら大切にできないなら、他人を大切になんてできない』
苦く呟く義兄の声が、電撃のように海莉の意識を貫く。
これは何の記憶だろう。海莉が探し求める義兄の声だが、現在の義兄ではない。
この記憶は、現在ではない。自分ではない自分の……『異なる可能世界』の記憶。
直感的に悟った海莉は、心の中で諭す義兄の声に深く頷いた。
「そうね、義兄さん」
その記憶が仮想でも、前世のそれでも。記憶の中で苦く呟く義兄は、確かにそこにいたのだ。
義兄の言葉を軽んじることは、義兄を軽んじること。
例えそれが妄想だったとしても、義兄を蔑ろにすることは許さない。
迫るエネルギー体の攻撃が海莉を捕らえる寸前、急上昇。空振りに終わった攻撃を頭の下で感じながら前後反転させる。
そのまま急接近。バイクの後輪で敵の目元を轢く形でフェイントをかけた。
腕が実体化し、頭部が透明になる。だがすり抜けるのは織り込み済み。
そのまま進行方向を下へ向け、見えている部分を刀で刺し貫いた。
直後、魔力を全力解放して注ぎ込む。体内で炸裂する魔力に甲高い悲鳴を上げるヴァンパイアバットを無視し、引き裂くように一気に体の上を駆け抜ける。
再び見える黒と青の光景に、海莉は知らず微笑んだ。
大成功
🔵🔵🔵
藤崎・美雪
【WIZ】
アドリブ連携大歓迎
サーフィンの次はUFOか!
ヒーローズアース、何でもありだな!!
(ツッコミ属性発動中)
…いや、突っ込んでいる場合ではないな
早くラグランジュポイントまでの道を開かねば
空は飛べないので素直に普通の円盤型UFOに乗ろう
とにかくアクロバティックな動きをすればいいのか?
敵の目の前を横切ったり
振り下ろされた爪をギリギリで見切って避けたり
通り過ぎたと思ったらスピンターンとか?
…格好よくというよりおちょくってる気もするぞ
敵が行動する前に「歌唱、鼓舞、パフォーマンス」+【幸福に包まれしレクイエム】で無力化を図るぞ
身体部位をエネルギーに変えられたら逃げ回るしかないのだが
ミスツ・シューパリツェ
※連携アドリブ可
デカブツ相手か
なら派手にやるとするかねぇ!
UCでUFOを丸ごと食べて合体
これで操縦とかめんどい事は考えずにやれるぜ
全方位に触手≪撃式≫を配置し◆一斉発射で撃つ
相手の攻撃は空を飛びながらかわしていく
なにしろオレの体自体がUFOだからな
反応から回避までは普通に操縦してる奴よりは速いぜ?
暴走モードに入ったなら
囮用の高速ミサイル触手を撃って奴の目の前をびゅんびゅんさせて注意を引かせる
そっちに気を取られてる間に
UFO側面に触手≪殴式≫で大きな腕2本を触手を固めて形成
◆力溜めてから一気に近づき
◆怪力でこっちに対応する前に防御の上から一気に殴りまくる!
『お前さん邪魔なんだよ。とっとと失せな』
● 天使の歌と天使の触手
目の前に伸びるのは、光り輝くビームハイウェイ。
その上を飛翔する円盤型のUFO達。
先を行く仲間のUFOの後ろを飛んでいた藤崎・美雪(癒しの歌を奏でる歌姫・f06504)は、先行するUFOの姿にたまらず叫んだ。
「サーフィンの次はUFOか! ヒーローズアース、何でもありだな!!」
窓に向けて裏拳ツッコミをかました美雪は、ゴン! と音を立てて勢いよく窓にぶつかった裏拳を痛そうにさすった。
美雪が着ているのは、いつものシンプルな洋服。飾らないデザインの服は、勝ち気な表情の美雪によく似合っている。それにしても裏拳が痛い。手袋でもしてくればよかったか。
そんな美雪に、隣を飛んでいたミスツ・シューパリツェ(バイオモンスターのバーバリアン・f17654)はおかしそうにくつくつと笑う。
「まあ、俺たち猟兵だって人のことは言えないぜ?」
少女のような容貌のミスツは、UFOにも乗らずに空を飛んでいる。
ミスツはオラトリオのように、種族特性として空を飛べる訳ではない。だがその飛行速度は美雪のUFOと並べるほど早く、風圧で苦しい思いをしている様子もない。
白い身体の美少女に、美雪は出発前に見た衝撃の映像を思い出し、さっきとは反対側の手でツッコミを入れた。
「あの巨大なUFOがその口に入る光景が、未だに信じられないんだが!?」
「これで操縦とか、めんどい事は考えずにやれるからな!」
自慢気に胸を張るミスツは、【喰い潰し・蔓(クイツブシ・カズラ)】で飲み込んだUFOの特性を我がものとして空を飛んでいるのだ。
胸を張るミスツは、どう見ても可憐な少女にしか見えない。髪も肌も、雪のような純白。身にまとった服も同様に白く、ひょっとしたら服ではないのかも知れない。背中の天使の羽根には、ルビーのような赤い目がある。
だがバーバリアン故か元人格故か、粗野でヤクザな言動がミスマッチと言おうかギャップ萌えと言おうか。
反対側の裏拳を痛そうにさすった美雪は、ついに突っ込むのをやめて前を見た。
「……いや、突っ込んでいる場合ではないな。早くラグランジュポイントまでの道を開かねば」
「デカブツ相手だ。派手にやるとするかねぇ!」
楽しそうに指を鳴らしたミスツは、美雪に先行するとヴァンパイアバットへと接近した。
触手≪撃式≫を全方位に配置したミスツは、こちらに気付き攻撃を仕掛けるヴァンパイアバットに向けた銃口に手を上げる。
「そーら、撃て撃て!」
配置された白い触手から、一斉に砲弾が放たれる。連続して撃ち込まれる銃弾の嵐に、ヴァンパイアバットはたまらず腕を振り上げた。
突き刺さる攻撃に腕を振ったヴァンパイアバットは、金切り声のような声を上げるとミスツに爪を振り上げた。
鋭く連撃のように放たれる攻撃を、ミスツは驚くべき機動力で避けていく。UFOと同化し、その能力を自分の身体のように使いこなすミスツにはタイムラグというものが存在しないのだ。
迫る爪の攻撃を避け続けるミスツに、死角から攻撃が迫った。
鋭い爪がミスツを抉る寸前、UFOが横切った。
「お前の相手はこっちだ!」
ヴァンパイアバットの視界を横切った美雪のUFOに、攻撃の手が一瞬緩む。その隙に回避したミスツを確認した美雪は、挑発するようにヴァンパイアバットの前を飛んだ。
「とにかくアクロバティックな動きをすればいいのか? なら……鬼さんこちら、だ!」
目の前を横切り、通り過ぎたと思わせてスピンターン。追いかけるヴァンパイアバットの爪をギリギリで見切って避けた美雪は、今度は8の字ターンを目の前で決める。
格好よく、というよりおちょくってる動きでヴァンパイアバットの気を引く美雪に、金切り声を上げたヴァンパイアバットは自身の身体を透明にしようと詠唱を開始する。
その時を見逃す美雪ではなかった。
「その力、無力化してやる!」
UFOに取り付けてもらった高性能スピーカーのスイッチをオンにした美雪は、【幸福に包まれしレクイエム】を歌い始めた。
戦場に響き渡る、美しい歌声。ビームハイウェイ上に広がる歌声は波のように響き、聞くものの心の不和を解きほぐしていく。
幸福でいることの素晴らしさを称賛する歌が戦場に響き、ヴァンパイアバットの動きが一瞬止まる。
その隙だけで良かった。
攻撃準備を整えたミスツは、高速ミサイルを放つ触手の銃口をヴァンパイアバットへ向けて一斉に射撃を開始した。
防御の姿勢を取ったヴァンパイアバットが、衝動に身を任せた暴走状態と化す。目の前を飛ぶ全てを無差別に攻撃を開始するヴァンパイアバットの目の前で、ミスツは触手を高速移動させた。
狂ったように高速ミサイル触手を攻撃する。次々に撃墜される触手に気を取られているヴァンパイアバットに、触手≪殴式≫が迫った。
大きな腕2本の触手を固めて形成した触手が、ハンマーのような形になる。
力を溜めてから一気に近づき、怪力で連続して殴りまくる。
「お前さん邪魔なんだよ。とっとと失せな」
高笑いを上げながら殴りまくるミスツの連撃に、ヴァンパイアバットはたまらず距離を取った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
櫟・陽里
UFOが選び放題?!ええー迷うーどれも乗ってみたぁい(子供)
なるべく仕組みが謎で操縦の難しいやつを…
反重力?いいねいいね乗りこなしてみせる!
ジェット噴射式じゃ起こりえない、ふわっとした動きが面白くてハイテンション
ビームハイウェイの直線で最高速を試し
敵に接近したら旋回能力をチェック
マシンの挙動を把握した俺の操縦、簡単に捕まえられると思うなよ!
最初は緩やかに大外を旋回し敵を観察
動きとそれに伴う気流をサイバーアイで計測
周回を重ねるごとにどんどん旋回範囲は狭く角度はきつく
ありえない近さまで接近し攻撃を叩き込む
今日のレースはチェックポイント制ってとこだな
頭、爪、羽の付け根…
UFOの武器を適当にポチっとな
ペーナァ・キャットハウス
pow
UFO! UFOなんや! うちのんもあるん!?
なんかビームとか撃てるやつないん?
じゃあうちこれ乗るやんー(なんか撃てそうな機体を選ぶ
UFOの操縦なら任せてーや!
だってうち、こういうの乗った事あるもん!(助手席やけど…
だから乗れるに決まってるやん!
序盤は操縦に慣れるまで色々試します
「凄い!宇宙までひとっ飛びなんやー!」
テンションMAXで飛んだり他の猟兵のUFOと(勝手に)競争したり
戦闘
他のUFOに紛れて、速度もそこまで出さずに「目立たない」様に接近
「だまし討ち」をする様にUFOに備わってる飛び道具で攻撃
他にも色々テキトーにボタンぽちぽち連打
「あ、なんか出た! あ、他にもなんか出たああ!!」
● 選ぶ基準は人それぞれで
時は少し遡る。
UFO整備場に現れた櫟・陽里(スターライダー ヒカリ・f05640)は、目をキラキラさせながら広い倉庫いっぱいに並ぶUFOの間を歩き回った。
「UFOが選び放題?! ええー迷うーどれも乗ってみたぁい」
整然と並べられたUFOはどれも目新しく珍しく、スペースノイドである陽里でも見たことのないものばかりだった。
子供のようにはしゃぐ陽里の隣で、ペーナァ・キャットハウス(お外でゴロゴロ・f05485)もまたはしゃいだ声を上げた。
「UFO! UFOなんや! うちのんもあるん!?」
7歳のペーナァはワクワクが止まらない! という様子でUFOの間を駆け回り、まるでおもちゃを選ぶ子供のように機体に手を触れては中を覗き込んでいる。
楽しげな声を上げる2人は、通りがかった整備士を見つけると同時に駆け寄った。
「なるべく仕組みが謎で操縦の難しいやつはどれ!?」
「なんかビームとか撃てるやつないん?」
むはー! っと言わんばかりに熱っぽくにじり寄る2人に押されたように、整備士はUFOのリストに目を通す。
「ええっと、陽里さんはこっちの機体はどうですか? 反重力装置を搭載していますが、いかんせん気難しくて」
「反重力? いいねいいね乗りこなしてみせる!」
整備士が勧める機体に乗り込んだ陽里は、起動させ浮き上がる機体に更にテンションを上げた。
「これこれ! ジェット噴射式じゃ起こりえない、ふわっとした動き! いいねいいね! 俺これにする!」
「うちもうちも!」
「ペーナァさんは、ビームが撃てる機体ですよね。ビームはこれしかないかなぁ」
整備士に案内されて乗り込んだ機体は、ビームが撃てる機体の中でも色々な武器が搭載されたものだった。設計者が面白がって武器を搭載しまくった機体で、それだけにスピードは出ない。だが、それで全然構わない。問題はそこではない。
「ビーム撃てるん? じゃあうちこれ乗るやんー」
「で、でも操縦できるんですか?」
「任せてーや! だってうち、こういうの乗った事あるもん! だから乗れるに決まってるやん!」
「そ、そうですかさすがは猟兵」
助手席やけど、の言葉は敢えて言わないペーナァに、整備士は辛うじて納得する。
ワクワクハイテンションで乗り込んだペーナァは、ふと思いつくと陽里の機体に通信を入れた。
「陽里さん、競争しよう競争! うち経験者やから負けんし!」
「お、いいね! 俺もこの機体の性能を確かめようと思ってたんだ」
気軽に受けた陽里と共に、発着場へ機体を移動させる。横並びに並んだ2人のUFOは、整備士の号令で一斉に飛び出した。
直後。はるか彼方に消える機体に、ペーナァはあ然とした声を上げた。
「早いやんね! さすが本職やん。うちも負けてへんよ!」
操縦桿を握ったペーナァは、陽里の背中を追いかける。だんだんコツを掴んでくると楽しくなって、スピードを出すのも旋回するのもワクワクして止まらない。
「凄い! 宇宙までひとっ飛びなんやー!」
楽しそうに操縦感を握ったペーナァは、UFOの操縦を慣らすと陽里の後を追った。
● 空を駆けるはデコボココンビ
一方。
ビームハイウェイの直線で最高速を試した陽里は、初めて乗った機体の調子を掴み始めいた。
この機体はどうすれば早く飛べるのか。どうすれば小回り良く飛べるのか。
機体の調子を掴んだ陽里は、自信に満ちた目でヴァンパイアバットを睨んだ。
「マシンの挙動を把握した俺の操縦、簡単に捕まえられると思うなよ!」
最初は緩やかに大外を旋回し敵を観察した陽里は、動きとそれに伴う気流をサイバーアイで計測。
周回を重ねるごとにどんどん旋回範囲は狭く角度はきつく、ありえない近さまで接近し攻撃を叩き込む。
UFOに備え付けのミサイルで攻撃を仕掛ける陽里に、鋭い爪が迫った。
超高速で迫る爪。普通なら避けられない攻撃だが、宇宙を・戦場を走りこんできた経験を元に爪の動きを見切り、鋭い挙動で回避していく。
苛立ったようなヴァンパイアバットに、ビームが突き刺さった。
「やった! 当たったやんー!」
陽里の派手な動きに紛れて目立たないように接近したペーナァが、だまし討ちで強烈なビーム砲を放ったのだ。
苛立ったようにペーナァを睨んだヴァンパイアバットは、衝動に身を任せた暴走状態になると陽里に爪を伸ばした。
「なんで俺!?」
暴走状態で迫る爪をギリギリで避けた陽里は、思わず叫ぶが難易度が上がるのは悪い気はしない。
ペーナァよりも早く飛んでいるから狙われたのだが、暴走状態で鋭く仕掛けてくる攻撃を紙一重で躱し、次の攻撃を予測しUFOの性能をギリギリまで引き出すのは……。
「正直面白い!」
当たりそうで当たらない爪に、ヴァンパイアバットもムキになったように陽里を追いかける。
「攻撃のチャンスやんー!」
残されたペーナァは、ヴァンパイアバットの背中に向けてテキトーにポチポチと押す。
何をどう押したのか。ペーナァのUFOに搭載された全ての武装が一斉に起動し、レーザーがミサイルが爆弾が、次々にヴァンパイアバットに向けて放たれた。
「あ、なんか出た! あ、他にもなんか出たああ!!」
照準だけはヴァンパイアバットに向いているが、動き回るため正確なものではない。
もはやペーナァにも制御不能な攻撃は、当然陽里にも流れ弾がいく。
「上等! 全部避けてやる!」
難易度の追加に、陽里のテンションがこれ以上上がらないくらい上がっていく。
ヴァンパイアバットの攻撃とペーナァの流れ弾を神がかったテクニックで回避していく陽里の脇を、巨大なミサイルが通過し、大爆発。
巻き起こる爆風を背中に受けながら、2人は戦場を離脱した。
大成功
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アララギ・イチイ
空中戦ねぇ
地面に敵を叩き落してあげるわぁ
背中から翼を展開して【空中戦】を挑むわぁ
敵はUCの効果で高速で動くものを狙う様だから、装備品の浮遊レーザー砲台を放出して、【念動力】で加速、高速で動かして囮として使用するわぁ
私自身も両手に拳銃を構えて、【2回攻撃】の【乱れ撃ち】で牽制射撃、同時に敵の動きの【情報収集】を行い、その動きを【見切り】するわぁ
上記の【時間稼ぎ】している間に、【選択UC】で用意していたロケットを打ち上げて、浮遊砲台を囮に目標地点に誘い出し、ロケットを質量爆弾として敵に叩き込むわぁ
外れても【早業】で弾丸をロケットに叩き込んで起爆させて、爆風の【範囲攻撃】でダメージを与えるわぁ
火土金水・明
魔法の箒に跨って【空中戦】の技能を使用します。
「相手は巨大化したオブリビオンですか。気を引き締めて戦いましょう。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【先制攻撃】で【高速詠唱】し【破魔】を付けた【属性攻撃】の【全力魔法】の【サンダーボルト】を【範囲攻撃】にして、『ヴァンパイアバット』が何処に移動しても巻き込めるようにして【2回攻撃】をします。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「さあ、オブリビオンは『骸の海』へ帰りなさい。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。
● 科学と魔法の螺旋劇
UFOやユーベルコードで先行する猟兵達に遅れることしばし。
自らのドラゴンの翼を背中に展開して空を飛ぶアララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)は、苛立った様子のヴァンパイアバットを見下ろしながらおかしそうに笑った。
「空中戦ねぇ。地面に敵を叩き落してあげるわぁ」
翼に流した赤い髪が風になびく。赤いドレスの上に羽織った白衣がよく似合うが、それは要塞のような機能が搭載されているとはとても思えない。
あのコウモリを叩き落とす時、どんな声で鳴くのだろう。それを思うと笑みも止まらない。
楽しそうにするアララギの隣で、魔法の箒に跨った火土金水・明(人間のウィザード・f01561)は冷静な目でヴァンパイアバットを観察していた。
黒髪に黒目。黒い魔法使いの三角帽を被り、豊かな肢体を包む魔法使いの衣装を纏って魔女の箒に横座りする。
ウィザードの衣装を身にまとった明は、なびく髪を押さえながらアララギを振り返った。
「相手は巨大化したオブリビオンですか。気を引き締めて戦いましょう」
「そうねぇ。窮鼠猫を噛む、っていうし。この場合は窮蝙蝠かしらぁ」
「窮蝙蝠猟兵を噛む。なかなか言い得てて妙ですね」
思わず納得した明は、アララギと視線を交わすと箒を滑らせた。
矢のようなスピードで箒を滑らせた明は、流れるように先制攻撃を仕掛ける。
同時に高速詠唱。破魔を付けた雷属性の魔力を練り上げ、全力魔法のサンダーボルトが広範囲に渡って電撃を繰り出す。それが連続二回。
一瞬の出来事だった。
外から見た人間には、明が飛び出した次の瞬間、広範囲に渡ってサンダーボルトが巻き起こりヴァンパイアバットに直撃を食らわせた。そうとしか見えないだろう。
明の攻撃を正確に見て取ったアララギは、翼を大きく広げると飛翔を開始した。
「私の獲物も取っといてねぇ」
二丁拳銃を手にしたアララギが、からかうように明の隣に並び立つ。
同時に構えた二丁拳銃から、銃弾の嵐が巻き起こった。
乱れ撃ちに次ぐ乱れ撃ち。絶え間なく弾幕を張るかのように攻撃を仕掛けるアララギに、ヴァンパイアバットは翼の先からエネルギー砲を放った。
音波の塊のように振動するエネルギーがアララギを襲う。全てをマヒさせるような攻撃はしかし、空を切った。
敵の攻撃をつぶさに観察していたアララギは、攻撃の予兆を察知すると同時に加速。宙返りのように身を翻すと距離を取った。
アララギの攻撃に苛立ったのだろう。翼を震わせたヴァンパイアバットは、衝動に身を任せるとアララギに向けて猛然と爪を振り上げた。
「危ない!」
一瞬身動き取れないアララギを箒の突進で突き飛ばした明の身体に、鋭い爪が突き刺さる。
胸から脇腹に。急所を貫かれ悲鳴を上げる明の姿に、ヴァンパイアバットは勝利の叫びを上げる。
だが、それは妄想と残像に過ぎなかった。
勝利を確信したヴァンパイアバットの爪から、明の姿が消える。驚きの声を上げるヴァンパイアバットの耳に、冷徹な声が響いた。
「残念、それは残像です」
「これはお返しねぇ」
明に突き飛ばされ攻撃を回避したアララギは、態勢を立て直すと同時に放った動力炉付きシールドビット(給電システム+遠隔操作型レーザー砲台×20)を放出した。
それら全てを念動力で浮遊させると高速で操作を始める。
高速で動くものに反応するヴァンパイアバットは、囮として放たれたレーザー砲台に向けて爪を繰り出す。
レーザー砲台の攻撃は同時に付与された超耐久力で大したダメージは与えられていない。
だがそれで十分だった。
囮がヴァンパイアバットの攻撃を引き受け、一つ、また一つと落とされていく。アララギもまた攻撃を仕掛け牽制をしていたが、それでも倒すには至らない。
アララギと呼吸を合わせた明のサンダーボルトが、ヴァンパイアバットに突き刺さる。雷に巻かれ、レーザー砲台の集中攻撃を受けてなお、ヴァンパイアバットは攻撃をやめない。
やがて最後の砲台が落とされ、ヴァンパイアバットが我を取り戻す。攻撃を仕掛け続けるアララギを睨んだヴァンパイアバットが鋭い爪を繰り出した時、指が鳴った。
「さあ、いらっしゃいなサターンⅤロケット。私が有効活用してあげるわぁ」
アララギが指を鳴らした直後、ヴァンパイアバットの頭上にサターンⅤロケットが現れた。
囮と自身で時間稼ぎしている間に打ち上げられた【追加装備 アポロ・ザ・リメンバー】により召喚されたサターンVロケットが、超高度からヴァンパイアバットに飛来する。
攻撃を察知したヴァンパイアバットが、ギリギリまで引きつけ回避を試みる。
ヴァンパイアバットの身体の脇をサターンVロケットが通過する時、アララギの拳銃が閃いた。
「あらダメよぉ。女からのプレゼントを避けるだなんて、無粋な男ねぇ」
早業で撃ち出される弾丸が、サターンVロケットの液体燃料に突き刺さる。
直後、起爆。
爆風がヴァンパイアバットを巻き込み、苛烈な炎がヴァンパイアバットを焼き尽くすかのように燃える。
炎を割り、辛うじて生きているヴァンパイアバットがよろよろと逃げだす。
その背中を、明は指差した。
「受けよ、天からの贈り物!」
明の詠唱と同時に、周囲の魔力が渦を巻く。
場の魔力を全て集めつくすかのような明の詠唱に応え、指先に籠められたサンダーボルトの魔力がどんどん肥大化していく。
「さあ、オブリビオンは『骸の海』へ帰りなさい」
ついに放たれたサンダーボルトが、ヴァンパイアバットの背中を貫く。
直撃を受け、数値化するのも馬鹿馬鹿しいほどの電圧と電流を流し込まれたヴァンパイアバットが、断末魔の声を上げる。
真っ黒な煤の塊になったヴァンパイアバットが、風に流され消えていった。
● 激戦が終わり、そして
激戦を制した猟兵達の前に、ビームハイウェイがその光を強くする。
もはや猟兵達を遮るものは何もない。
うなずきあった猟兵達は、称えるように輝く光の道を、誇らしげに飛んでいった。
大成功
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