囚われのシロウサギ
(ここは……?)
こぽり……こぽり……。
暗い部屋の中、人が一人浮かぶシリンダー。
(そうだ……私、捕まって……。)
その中に浮かぶ、バニーガールの姿をした少女。
……周囲には、誰もいない。
(持って逃げなきゃ……。)
ぼやけた思考に差し込む、一つの白。
はたと気が付き、何も持たない手を見つめていた。
(……何を?)
持って逃げるどころか……そもそも、私は誰?
自身の記憶の空白に戸惑う少女……自身の事すらも、思い出せない。
(なんで……なんで、なんでなんで!?)
シリンダーの液体の中で頭を抱えていると、突然差し込む光に目がくらむ。
「みーつけた!」
傾いたシリンダーから引っ張り出され、目が慣れた時……周囲に立つのはバニーガールの少女達。
自身と同じ姿をした少女たちは笑顔で言い放つ。
「さぁ、帰るよ!」
(どこへ……?)
ついていってはいけない気がする……少女は、差し伸べられた手を掴めずにいた。
「……って感じのことが起こるようでね、君たちの力を借りたいんだ。」
グリモアベースの一角で、異変についてかいつまんで話をしていたニャルラ。
「UDCアースの研究所に囚われてるのは、『エージェント・シロウサギ』って呼ばれてる個体でね、モノを盗って逃げるのが仕事なのさ。
だが……予知で見た、囚われてる子はどうにも、そういう意識が全くないのさ。
最近、UDCの中にそういうのが見つかっているんだ。
君らもシャーマンズゴーストを知ってるだろう?
彼らのように世界を滅ぼす意思のないUDCの事を、UDC-Pと呼んでいるのさ。
今回の子も、その可能性が高いんでね……何とかして捕まえてくれ。」
ニャルラが手にしたグリモアが輝くと、怪しげな廃屋の前にゲートが繋がった。
「場所はここ、地下のどこかの部屋に彼女は囚われてる。
こんななりだが、中は意外と広いし物騒でね……人に動物の部位を繋ぎ合わせた、キメラのような怪物が廊下をうろうろしているのさ。
まぁ、君らの実力なら倒すのはそれほど難しくないが、一応は意思の疎通ができるようでね。
上手く使えば、早くたどり着けるかもしれない。」
ニャルラはパイプの煙を一口吸い、紫煙を吐きながら続ける。
「彼女のお仲間より早く着くに越したことはないが、それはさすがに無理なようだ。
だが、当人はお仲間と一緒に行くのを嫌がってるからね。
すぐにはその部屋から動かないから、君らも必ず間に合うさ。
頑張ってくれたまえ。」
ヨグ
ヨグです、戦争中ですがUDC-Pの物語です。
謎の研究室からバニーガールの女の子を救い出してください。
第1章に出てくる『キメラのような怪物』については、プレイングに特記がない限りは哺乳類の特徴を持った人型のモノとなります。
『アッチ……イッタ……。』などのように、片言で言葉を返してきます。
第1章 冒険
『研究所を調査せよ』
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POW : 片っ端から調査する、敵がいたら倒す
SPD : 重要そうな所にあたりをつけて調査する、敵に気づかれないよう行動する
WIZ : 魔力の痕跡を追って調査する、敵を懐柔する
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キイィィィ……。
廃屋の扉を開けて中を覗くと、地下へと続く階段が目につく。
地下へ進むと、まるで病院の廊下のような通路と部屋が連なっている。
薄暗い中、響く足音に目を向けると……キメラが歩いている。
頭が動物に置き換わった者、腕や足も同様に……節操なく、組み合わされた生き物が歩き回っていた。
可愛猫・仮面
キメラであるか……我輩たちも似たようなものでは?
「あたし、にゃんちゃんかぶってるもんね~」
姿形だけであるけど、それっぽいかもしれないのである。
人間と袋のキメラである。猫ではないのである。
さて。
こういうときはわかる人に聞くのが一番である。
つまり、キメラたちに道を聞いてみるのであるよ。
うさちゃんを探してるのである!
「しってたら、おしえてー!」
あ、ダメだったときとわからなかったときのために、UC「ネコチャンを呼ぶ」にてねこちゃんロボを呼んでおくのである。
戦闘用であるが、今回は数を利用して探索にあたらせるのである。
ねこちゃんロボはネコチャンなので、廃墟にいてもおかしくないと思うのである。
備傘・剱
…狂気と、背徳の世界って奴かね
こいつらをこのままにしておくのも、ちょいと、気が引けるが…
優先順位があるんでね、悪く思うな
基本的には天井や、物陰に潜んでやり過ごす
狂暴そうな奴がこっちに向かってきたら、遊戯守護者を呼び出して、囮にしてやり過ごそう
そうやって、内部の重要そうな区画を一つづつ、確認していくぜ
比較的、大人しそうで話が通じる奴にはこっそりとコンタクトを取ってみるが…
そういや、俺達のほかにも侵入者がいるんだっけかな?
そいつらがどっちへ行ったのか、何人ぐらいかぐらいはきいてみるぞ
…にしても、こいつら、望んでこんな形になったわけじゃないだろうになぁ…
哀れ、という奴か
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
地下に降り、曲がり角から覗く影が二つ……。
視線の先には、頭と腕が山羊に置き換わったキメラが1体、奥に向かって歩いている。
「実物を見ると、悪趣味だな……狂気と、背徳の世界って奴かね。」
ひそひそと呟く、備傘・剱(絶路・f01759)。
後ろから見る限り、歩く様も少しふらついていた。
「見たところ、危険そうな感じはない、か?」
『うむ、大丈夫そうなのである。』
備傘の下から顔を見せているのは、可愛猫・仮面(我輩は猫ではない・f23412)。
大きめの猫のパペットを被った少女で、
『それにしても、キメラであるか……我輩たちも似たようなものでは?』
「あたし、にゃんちゃんかぶってるもんね~。」
『うむ、人と袋のキメラである。』
人である幼女先輩と、袋の可愛猫のペアである。
『……それと、猫ではないのであ』
「あ、おい!?」
可愛猫の否定と備傘の驚きの声を残し、幼女先輩はキメラの側へ走っていったのだった。
パタパタと走ってくる音に、キメラもくるりと後ろを振り返る。
「……オマエ、ハ?」
山羊の頭で話す言葉は少し聞き取りにくいが、解らないほどではない。
「んーとね、うさぎさんをさがしているの!」
「ウサ、ギ……?」
「そう、ウサギを探してるんだ。」
備傘も角から姿を現し、言葉をかける。
頭を傾けて考えているキメラ……彼を見る限りでは、襲い掛かってくる様子はない。
「バニーガールってわかるか?」
目の前のキメラに気が付かれないよう、質問をしながらも周囲を油断なく見渡す備傘。
「ばにー……。」
『こう、耳が生えてて、黒い水着みたいな恰好をしているのだ。』
「ぴょんぴょんって!」
手を頭の上に当て、跳ねる幼女先輩の姿。
「……アア、イタ。」
それを見たキメラは、やっと思い当たったようだ。
「ココ、ハシッテイッタ。」
「どっちに行ったか解るか?」
「……アッチ、ダ。」
そう言って、奥を指さす。
『助かったのである。』
「ありがとうな。ところで、」
近くに開いた部屋を備傘が覗き込むと、簡素なベッドといくつかの服が散らばっていた。
「……ここに、住んでるのか?」
「……アア。」
特に考えもせずに、キメラは頷いて答えていた。
「そう……か。すまない、手間とらせたな。」
「テマ……キニシナイ。」
「じゃあな。」
「わーい、うさぎさんあっちなのー。」
駆け出す幼女先輩を追いかけながらも、備傘の心の中は複雑だった。
(……にしても、こいつら、望んでこんな形になったわけじゃないだろうになぁ。)
振り向いた先には、自分の部屋に入ろうとするキメラ。
(……哀れ、という奴か。)
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
四王天・燦
オブリビオンとしてではなくアタシが教育すれば清く正しいシーフに育つのかな
良からぬ事を考えながら忍び込む。
キメラの姿に眉を顰める…
(知性も希薄、人の体とも掛け離れ…幸せなのかねー)
仕留めることが慈悲かと悩むが今は騒ぎはやめておこう
盗賊ノスヽメを補助に発動させ、暗視で見通しながら闇に紛れ忍び足。
時に密かに通風ダクトを進み、時に大胆に見回りの背後を気配を殺して進むぜ
PC等の機器があればハッキング。
怪しい箇所を洗い出して探索に役立てる。
セキュリティとロックを無効化しておく。
あわよくば施設関係者の名義を情報収集
盗賊の性で金目の物や、イケナイ尋問用と思しき媚薬の類を盗む。
(悪い兎のおしおきに使おっと♪)
(モノを盗って逃げるのが仕事のオブリビオン、ねぇ……おっと危ない。)
足音もなく廊下を進み、人影を見て柱に隠れる、四王天・燦(月夜の翼・f04448)。
視線の先には1体の豹の頭、足もそうか。
腕は別で蹄のあるモノ……いずれも力強いシルエットで、周囲を見渡している。
そんなキメラの姿に、四王天は眉を顰め、
(知性も希薄、人の体とも掛け離れ……幸せなのかねー。)
仕留めることが慈悲か、と頭に浮かぶ。
しかし、殺すことで騒ぎが起きても困る……そう考え、気配を消してキメラの後ろへぴたりとついて歩く。
足音も全く同じ……気配を頼りに歩き、視線だけで周囲を見ていく。
廊下の横に見える部屋は、大体が簡素な寝室という感じだった。
(お、ここは……。)
今までと雰囲気の違う、立ち上がったPCと数多くのモニターが置いてある部屋。
キメラが振り向く前にするりと潜り込み、通り過ぎるのを待ち……PCのモニターを覗き込む。
(さてさて、ここは何のための部屋……お、監視部屋か、ラッキー。)
音に気を付けながらキーを叩けば、いくつかの部屋の鍵を遠隔で開け閉めできることがわかる。
監視カメラは部屋の番号しか振られていないが、その中にバニーガールの少女達が映っている部屋もあった。
(……よし、隔壁のロックは解除。)
部屋の番号から、あと二つ下の階層か……そこまでは簡単に行けるようにした四王天。
ふと部屋を見渡し、ほかに何かないか物色する。
……引き出しから、主にキメラたちに使うであろう薬品が出てくる。
(鎮圧用……神経毒かな? あ、これは……?)
繁殖用、とラベルに書かれた薬瓶を、ニヤリと笑いながら胸元にしまい込む。
(悪い兎のおしおきに使おっと♪)
成功
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シホ・エーデルワイス
アドリブ&味方と連携歓迎
記憶喪失ですか…
私も猟兵になったばかりの頃は思い出が殆ど無く
とても心細かったです
私は彼女の力になれるかしら?
<第六感と聞き耳で魔力の痕跡や研究所の構造を情報収集>しながら探索
キメラと会い
人の残酷さに悲しみます
何て…痛々しい姿…
私に何かできる事があると良いのですが…
<優しさを込めた歌唱で誘惑し
動物と話すや念動力による念話でコミュ力>を駆使して
UDC-Pが居そうな場所を聞きます
お礼に何かできる事があれば可能な限りしてあげたいです
治療なら【祝音】
保護なら【救園】に匿いUDC組織へ託し
安らかな最期なら…【終癒】で看取ります
UCでなく
技能で役に立つものがあればそちらを使ってもOK
雨音・玲
さてと・・・・
問題はキメラにどこまで自我が残ってるかだな
薄気味悪い地下通路を辟易しながら進みながら
既に薄暗い通路にキメラたちが徘徊している以上
潜入系の能力に乏しい俺としては下手に隠れるより
堂々と進んだ方がいいと判断
ダメもとで「俺は敵じゃないと」
(※演出で了承いただけるなら「月夜の烏」で身体の要所を歪な感じに烏パーツに変化させて置きます)
「動物と話す+動物使い」の特技で意思疎通、懐柔を試みます
失敗した場合は仕方無いので
野生の勘で紙一重で避けつつ
属性攻撃を追加した「アライアンス・リベンジャー」の
激しく燃える炎拳の一撃で撃退します
悪いな…俺じゃぁ力になってやれないみたいだ
せめて安らかに眠ってくれ
「囚われている子は記憶喪失、ですか……。」
薄暗く、人気のない廊下を歩きながら、グリモアベースでの説明を思い出していた、シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)。
隣を歩く雨音・玲(路地裏のカラス・f16697)に聞こえるように、静かに呟いていく。
「私も、猟兵になったばかりの頃は思い出が殆ど無く……とても心細かったです。」
「へぇ、そうだったんだ。」
シホは相槌を打つ雨音の方を向き、真面目な顔で聞く。
「私は、彼女の力になれるかしら?」
「んー……俺は記憶喪失ってわかんねえけどさ。」
少し宙を見上げ、そう呟き……笑顔を返す雨音。
「そうやって思いやれるシホなら、大丈夫だと思うぜ。」
「……ありがとう、頑張ります。」
その笑顔につられ、シホもほっとしたように表情が緩む。
……ここまで、二人は特に隠れることもなく進んできた。
「……オマ、エラ……ダレダ?」
気が付けば、横の部屋から年をとった犬の顔をしたキメラが顔を出していた。
こういう事もあろうかと雨音は、事前に腕や足の一部をトレードマークのカラスに変えていた。
「あ、俺は新入りなんだぜ! よろしくな!」
「……ソウ、カ。」
それで納得したのか、力無く呟きながら部屋に戻るキメラ。
ズルリ、ズルリ……何かを引きずるような音と共に。
「待ってください。」
嫌な予感に部屋を覗き込んだシホの目に、片方の犬の脚を引きずり歩くキメラの姿が映る。
「何て……痛々しい姿……。」
「……ハハ。」
口元を押さえて絶句したシホを見返し、キメラはため息をつくように笑う。
雨音も部屋に入り、
「おっさん……それ、もう。」
「ウゴカ、ナイ……ハハ。」
力が入らないのか、痩せた脚に目を落としながら嗤うキメラ。
組み合わされた動物の部位が衰え、腐りかけ……それを知り、全てを諦めた嗤い。
「……オマエ、タチ……ウサギ、ヲ?」
「……ええ、そうです。」
「助けに来たんだ。」
「ソウ、カ……ソレナラ、ロウカ……アッチ、ダ。」
途切れ途切れに、指さしながら呟く。
「あの……なんで、私たちにそれを?」
「……ナンデ……ハハ。」
肺に残る息を吐きだし、濁った目で二人を見つめて続ける。
「タスケテ、ヤレ。」
「ああ、必ずな。」
そう答えた雨音に頷き返し……崩れるように床に倒れる。
「何か、私たちに……貴方にできることはありますか?」
「……ツカレ、タ。」
荒い息で呟くキメラ。
「コロシテ、クレ。」
「……解りました。」
うなづいて、シホは歌いだす。
その歌は静かに優しく、心を鎮め……永遠の眠りへと誘うもの。
「行きましょう。」
「ああ、この先だったな。」
廊下を走る二人……部屋には、安らかに眠るキメラだけが残されていた。
成功
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リカルド・マスケラス
「助けが必要な子がいる。なら、助けないといけないのがヒーローっすよね」
そんな訳で洋館に潜入する空飛ぶお面。
「ちーっっす! お邪魔するっすよー」
「ここって、何の研究所っすかねー? 実は生き物を合成してUDCを人工的に生み出すとか?」
詳しい事情とかキメラ達が何か知っているのなら、【コミュ力】で話は聞いてみたい。あとは屋敷の構造とか。依頼の本筋とは違うけど、彼らが研究の犠牲者なら助けてあげたい気持ちもあるんすよね。あと、背景事情を知れば、後々マニュアル作りに役立つかも
「アンタ達も、いつかちゃんと迎えに行くっすよ」
もし襲いかかるようなら、【UC】で囮を作って逃げる
「悪いけど、後にしてもらうっすよ」
霧島・絶奈
◆心情
戦わずに済むのならば其も良いでしょうね
少なくとも、私は敵では無い相手を甚振る趣味はありません
◆行動
魔力の痕跡を追いつつ件のバニーを探しましょう
シリンダーに入っているのであれば、何かしらその部屋に集約されている物がある筈です
道中に出会うキメラ達にバニー姿の少女を見なかったかどうか尋ねるのも良いでしょうね
出来れば、バニー姿の少女が入っているシリンダーを見かけなかったどうかまで聞ければ良いのですが…
キメラ達もこの世界の規格では異常でしょうけれど…
他世界のバイオモンスターやキマイラの一種と考えると其処まで忌避感は感じませんね
ですので、尋ねる場合も【優しさ】を籠めて、穏やかに声を掛けようと思います
「助けが必要な子がいる。なら、助けないといけないのがヒーローっすよね。」
「ええ、その通りです。」
ふわりと浮かびながら軽い調子で話す狐の仮面、リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)。
隣で相槌を打つ霧島・絶奈(暗き獣・f20096)も、考えとしては同じだった。
「できることなら、ここの住人達も助けたいところっすね!」
「そうですね。……もっとも、造られた彼らが生きていくには、この世界は少し難しいでしょうが。」
霧島がちらりと横を見ると、ふわふわ浮かぶリカルドの姿。
例えば、彼の同族であるヒーローマスク達が棲むキマイラフューチャーなら、何も気にする必要はない。
だが……
「UDCアースは、良くも悪くも人間の世界ですから。」
そう考えるのが、妥当ではある。
「……でも、それでもやるのがヒーローっす!」
「ふふ……そうでしたね。」
諦める気のないリカルドの言葉に霧島は一つ思い出し、自嘲気味に笑いながら呟いていた。
そうだ、この世界でも異形のモノであるシャーマンズゴーストが、混ざって生きていたのだった、と。
「……痕跡を見る限りでは、こちらですが。」
廊下に残る魔力を読み解き、歩みを進める霧島とリカルド。
角を曲がると、いくつかの扉が続く廊下は奥で行き止まり……そして、途中にキメラが一人。
馬の頭に、手足は犬だろうか……ちぐはぐながらも、器用に歩き回っている。
「初めまして、お元気ですか?」
「ハジメ、マシテ。……キャクガ、オオイナ。」
振り向き、答えてくるキメラ。
その言葉に、少し話が聞けそうと判断したリカルド。
「ここって、何の研究所っすかねー? 実は生き物を合成したUDCを、人工的に生み出すとか?」
「……ゆーでぃーしーハ、シラン。ガ、ソンナトコロ、ダ。」
「ちょっと聞きにくいっすけど……あんたらも、実験体で?」
「ソウ、ダ。」
受け答えも、言葉は少ないながらもしっかりしている。
せっかくなので色々と聞いてみるが……研究を行っている者の事などは知らないようだった。
「……そういえば、お客が多いとか。もしかして、バニーガールの姿をした少女でしょうか?」
「アア……ツイサッキダガ、コノオクヘ、イッタ。」
「ちなみに、人数は。」
「イッパイ、ダナ。」
その言葉に、霧島とリカルドはお互い顔を合わせてうなづく。
「ありがとうございます。……この先は、どういう部屋でしょう?」
「ウマレル、ヘヤ……ダ。」
「産まれ……え、つまり合成する所っすか?」
「ソウ……ソノハズ、ダ。」
新入りが出てくる場所、と言いたいらしい。
「さて……それではそろそろいきますか。」
「そうっすね。」
「イク、ノカ。」
「少し、騒がしくなるかもしれませんが……。」
「アア……。」
言い含めるように話す霧島へ、大きく頷くキメラ。
「コンナ、バショ……コワシテ、シマエ。」
「あんた……分かったっす。」
奥へと進む霧島にリカルドもついていき……途中で振り返り、
「アンタ達も、いつかちゃんと迎えに行くっすよ。」
返事はない……が、キメラが頷いたのが見えた。
成功
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第2章 集団戦
『エージェント・シロウサギ』
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POW : 三十六計逃げるに如かず
技能名「【逃げ足】【忍び足】【ジャンプ】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
SPD : 先祖代々による話術
【口先八寸による言いくるめ】から【瞬時の判断では誤った方を信じてしまう言動】を放ち、【言動の真偽を長考させること】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 応援要請
戦闘力のない、レベル×1体の【エージェント・シロウサギ】を召喚する。応援や助言、技能「【罠使い】【地形の利用】【ハッキング】」を使った支援をしてくれる。
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猟兵達が部屋を覗くと……。
「ほら! 早く行くよ!」
「……いや。」
「もー、せっかく手伝いに来たのに。」
「いやなの!」
バニーガールの少女達が、1人を取り囲んでいる。
その1人は壁にへたり込み……周りの少女の手を振り払っている。
「げ、猟兵達が来ちゃった!」
「もう、行くよ!」
周りの少女たちが、無理やりでも連れて行こうとひっつかんでいる。
それに抵抗しながら、1人の少女は叫んだ。
「お願い……助けて!」
備傘・剱
これは、乱戦になったら、まずい事になる
と言うわけで、生き人形の一足りないを助けを求めてる奴にくっつけて守らせる
こうすりゃ、雑じられてもよくわかる様になるわな
…と、もう一つ、こっそりと、シーフツール内のマーカーで小さく目印を書いておくか
そして、残りの奴には誘導弾と衝撃波で威嚇しつつ、青龍撃発動
悪いウサギには、お仕置きが必要ってな!
逃げ足が速かろうが、高速移動中の俺から逃げられると思うなよ
目印はちゃんとしておいたし、迷うはずもないわな
罠や地形はこっちも利用し返してやろう
オーラ防御は全開にして、カウンターを狙ってやる
あんまり、同族が倒されるのを、見せたくはないが、なぁ…
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
可愛猫・仮面
助けてと言われたのなら助けざるを得ないのであるな!
UC「大きいネコチャンを呼ぶ」にて大きいネコチャンを呼び、仲良しのうさちゃんを守ってもらうのである。
我輩たちは仲良しのうさちゃんと一緒に大人しくしてるのである。
我輩たち、本体はあんまり強くないであるから……
「まだよわいだけだもん!」
うむ。これからに期待してもらうタイプなのである。
ただ、【コミュ力】には自信があるのである。
お話で気を引いて囮ができるのであれば、仲良しのうさちゃんから離れることも考えておくのである。
なんにせよ、優先すべきは仲良しのうさちゃんの保護である。
【挑発】でも【時間稼ぎ】でも、使えるものは使うのである。
四王天・燦
「アタシと組んで盗賊稼業しない?」
拒まれる前提で兎達を勧誘
貴重品を盗み攻撃でかっぱらい。
密かにビー玉を転がし転倒狙いの罠を張る。
応援の兎が罠を組んでいたらビー玉投擲して誤作動させるぜ。
盗賊の実力差を思い知らせるのさ
四王稲荷符を乱れ撃ちで範囲攻撃。
呪詛とマヒ攻撃で動きを封じる
再び勧誘し、拒めば接吻し生命力吸収にて精気を吸って躯の海に還すよ。
嘘吐き兎のだまし討ちには注意
嘘の代償として、刃を滑らせバニースーツを裂く。
敗者の自覚を与え、兎耳を甘噛みして繁殖薬を垂らし…符術"琥珀の檻"発動。
「悠久の快楽の中でアタシの部屋を彩りな。年明け再交渉だ」
琥珀に指を這わせ狂気の笑みを浮かべるぜ
※表記名は『燦』希望
『助けてと言われたのなら、助けざるを得ないのであるな!』
「だが、乱戦になるとまずい事になる。」
どうするか……と、可愛猫と備傘が考えていると、
「なぁ、あんた達。アタシと組んで盗賊稼業しない?」
前に出た燦が唐突に言い放つ。
「な、今それどころじゃない」
「……これでも、かい?」
いつの間にか、燦の手にあるのは黄色いリボン。
それに気が付いた時、一番近くにいたバニーの髪が解ける……。
「い、いつの間に!」
『今なのである! 大きいネコチャン!』
「ああ、行け『一足りない』。」
燦の早業に気を取られた隙に、可愛猫と備傘は配下をそれぞれ飛び込ませる。
「きゃああ!」
名前の通り、大きなトラ猫の霊に飛び掛かられ、助けを求める少女を掴んでいたバニーたちが吹き飛ばされていく。
そこへ生き人形の一足りないが滑り込み、少女の身柄を確保して猟兵達の元へと戻った。
「あ、ありがとうございます。」
一足りないから降ろされ、猟兵達の後ろに隠れる少女。
「ふぅ、何とかなったか。」
「二人ともご苦労さん、さて……。」
燦は懐から符の束を取り出し、備傘と共に身構える。
「悪いウサギには、」
「お仕置きが必要ってな!」
大量の符を放って結界を張り、その中へ高速でつっこむ備傘。
『我輩たちが見ているのである。』
「お兄ちゃんたち、がんばってー!」
可愛猫は、大きいネコチャンと共に少女を守っていた。
『我輩たち、本体はあんまり強くないであるから……。』
「まだよわいだけだもん!」
『うむ、これからに期待してもらうタイプなのである。』
「まずいよ、逃げなきゃ!」
燦の張った結界により、バニーたちは寒気に足が鈍っている。
「ひぃ!」
そして、襲い掛かる備傘の手は水龍の爪と化し、空間を斬り裂き放たれる真空波に退路を塞がれていた。
それでも、バニーたちはあきらめたわけではない。
「……助けて!」
「あ!?」
突然、周りバニーたちに体を掴まれた一人が悲鳴を上げる。
まさか、救出対象? と、備傘の手は一瞬止まるが、
「偽物が!」
「きゃあ!」
容赦なく振るわれた爪に斬り裂かれ、血を噴いて倒れるバニー。
そのまま亡骸を手放し、走るバニーたち。
「くっそー、なんでわかったの。」
「目印を付けておいたんだ。」
「うあ!?」
離れていたはずの備傘がすぐ横にいた。
「逃げ足が速かろうと、俺の脚から逃げられると思うなよ。」
「く、ああ!」
高速移動する備傘に捉われ、そのまま斬り裂かれていくバニーたち。
ふと救出対象を見ると、若干青ざめた顔で備傘を見ていた。
(あんまり、同族が倒されるのを、見せたくはないが、なぁ……。)
倒さないわけにはいかない、そう考えなおして爪を振るう。
「わ、ぶ!」
逃げている途中、バニーの一人が転倒する。
足元に転がるのは、小さなビー玉。
「なんで……。」
「かかったね。」
すぐ後ろにいた燦に声をかけられ、仕掛けた主を見上げる。
「もう一度聞こうか。アタシと組む気はない?」
「……降参、降参よ。でも、私なんかでいいの?」
負けました、とばかりに言うバニー。
それに燦はにっこりと応じ、
「ああ、その逃げ足は使えるからね。」
「そう!」
ひょいと転がった状態から飛び退るバニー。
「甘く見ないでよね!」
「そのつもりだったけど?」
「っ!?」
背後から燦の声が聞こえ、抱き止められ……その口がふさがれる。
すっかりバニーの身体から力が抜け、燦の腕の中でぐったりとしていた。
「……もう、好きにしてください。」
「そうそう、素直になってくれればそれでいいんだ。でもね……。」
「ひ!?」
突然首筋に冷たい液体が注がれ……身体が火照る。
「なに、これ……ひゃう!」
「……逃げようとする悪い子には、お仕置きが必要だ。」
手にした符をバニーに押し付けると……燦の手には、小さな琥珀と繁殖薬と書かれた小瓶が握られていた。
「悠久の快楽の中でアタシの部屋を彩りな。年明け再交渉だ。」
琥珀に口づけをする燦の目は、狂気に彩られていたのだった。
一方、
「ねーあれなにしてるのー?」
『見ちゃダメなのである。』
そんな燦を指さした幼女先輩の目を、可愛猫が塞ぎ……その上から救出した少女が抑えていたのだった。
『でもこれで大体であるか……おや?』
「見つけた!」
部屋の扉から、新たなバニーたちが現れるのが見えた。
『まだ終わらないようであるな。』
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
シホ・エーデルワイス
アドリブ&味方と連携歓迎
助けを望むのね
その願い全力で叶えましょう!
【華霞】を<誘導弾、フェイント、誘惑>
で花弁を舞わせて攪乱
敵の気を逸らしている内に隙を<見切り、
目立たない様にスライディング、ジャンプ、ダッシュ、忍び足を駆使して
UDC-Pへ近づいて救助活動>
<優しさを込めたコミュ力で鼓舞し安心させる>
もう大丈夫ですよ
私達は貴女を助けに来ました
浚われない様に<手をつなぐ事と立ち塞がってかばう>
彼女は貴女達とは別の道を歩み始めました
彼女の事は諦めて頂けませんか?
敵の罠は<第六感と聞き耳>で看破
戦後
上着をUDC-Pに貸し出して
今後の希望を尋ねる
UDC組織なら匿ってくれると思いますがいかがでしょうか?
リカルド・マスケラス
「嫌がってるじゃないっすか。理由も訊かずに無理矢理は良くないとお兄さん思うんすよねー。このままじゃこじれると思うんで、一旦こっちで預かるってことで……は、ダメっすかね?」
ダメなのは分かってるっすけどねー【コミュ力】で会話しつつのらりくらりと近づいて、可能ならUDC-Pのお嬢さんに被ってもらいたいっすね。そうすれば、彼女の身体を借りて戦えるので、自衛手段が生まれる。
あとは【神火分霊撃】で炎の分身とか作って、応援で来たシロウサギを攻撃するなり威嚇するなりして支援の邪魔するっすかね?出来れば建物は延焼させないように気をつける。
敵を倒すよりもUDC-Pの安全確保のスタイルで。
「もう、大丈夫っすよ」
雨音・玲
「先祖代々による話術」がヤバいな
状況が状況なだけに、上手く嵌っちまうと
救助対象が分け分からなくなっちまう
接敵は他の猟兵に任せて
「わるいな、ここはもう通行止めだぜ?」
情報収集で周辺を確認し
テキパキと目につく退避経路の確認と封鎖に回り
逃走を阻害
あえて分かりやすい逃走経路を一つのこし
誘ってみる積りです
逃げようとする「三十六計逃げるに如かず」の使用に対して
抜撃ちの神速の「浄化の炎拳」で打ち消し
逃走の出鼻をくじき、技能による強化を阻害します
炎を拳に纏った姿はそれだけでも威嚇の効果があるかな?
「さぁてと…お話が出来るなら、色々と喋ってもらおうかな?」
「俺には嘘が通じないから、正直に話すのをお勧めするぜ?」
霧島・絶奈
◆心情
ヒトの意志が超常に勝る…
其の何よりの証左です
◆行動
『暗キ獣』を使用
屍獣を逸早くUDC-Pの少女の元へと向かわせ、敵と分断
加えて何割かの屍者の槍衾で迎撃体勢を整え護衛
其以外の軍勢は数に任せて罠に飛び込ませ、敵の設置する罠を機能不全に陥らせます
私も軍勢に紛れ【目立たない】様に行動
【罠使い】の知識と経験を活かし、敵の罠を解除しつつ自分達に有利な物へと再利用
加えて其とは別に「魔法で敵を識別するサーメート」も設置
罠使いたる私にとっては、ある意味「やり易い」相手とも言えそうですね
解除や設置の合間にも【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】
負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
「今度は逃がさないから!」
「ひっ! また!」
救助対象の少女を捕まえようと、バニーたちは一斉に飛び掛かってくるが、
「嫌がってるじゃないっすか。理由も訊かずに無理矢理は良くないと、お兄さん思うんすよねー。」
間に浮かぶ狐の面、リカルドの言葉に合わせ、銀色に輝くエーデルワイスの花びらが吹き荒れる。
「わ、ちょっと!」
「貴女達に、渡すわけにはいきません。」
バニーたちの行く手を塞ぐ花びらがシホの手に戻ると、地から湧き出る屍獣の群れが飛び掛かかっていく。
「ひぃ!」
「嫌がる子を前に、黙ってはいられませんからね。」
屍獣に追い回されるバニーたちの背に、クスクスと嗤う霧島の声が響く。
そして、いったん退避しようと出口へ向かうが、
「わるいな、ここはもう通行止めだぜ?」
炎を纏った拳を構え、雨音が立ちふさがっていた。
そうして部屋の中を右往左往しているバニーたちに、再度リカルドが語り掛ける。
「さて、このままじゃこじれると思うんで、一旦この子はこっちで預かるってことで……は、ダメっすかね?」
「ダメに決まってるでしょ!?」
「……そういうと思ったっす。」
ふわりと、リカルドは少女の正面へと飛び、
「よかったら、自分を被ってほしいっすよ。」
「……どうして?」
「そうすれば、自分の能力で守れるっすよ。ちょっと体を借りることになるっすけど。」
少女は少し悩み……狐の面を、手に取る。
「お願い、します。」
バニーガール姿の少女は狐の面を装着し、
「……絶対守るっす。」
リカルドの力で手に炎を浮かべ、自身の分身を模らせていった。
「彼女は貴女達とは別の道を歩み始めました。」
その腕を広げ、少女の前に立ちながらバニーたちへ話しかけるシホ。
「彼女の事は諦めて頂けませんか?」
「そういうわけにはいかないの!」
戦う力もないはずのバニーたちだが、
「……なぁ、あんたら。なんでそこまで、あの子にこだわるんだ?」
仲間の一人というだけなら、見捨てるという手もある……記憶喪失とわかればなおさらだ。
疑問を感じた雨音の問いに、バニーたちは一瞬言葉に詰まる。
「まぁ、話したくないというなら、それでもかまいませんけども。」
姿を見せぬ霧島の声に合わせ、屍獣たちが包囲の輪を狭めていく。
「……ここの秘密を知ってるの、その子は。」
「秘密っすか?」
リカルドは問いかけと共に、一旦体の支配を解く。
「……知らない。」
「そんなわけないでしょ!? キメラたちを生み出す方法を知るために潜入して、あなた自身が実験体になったのに!」
「あぁ、なるほど。」
ふらりと前に出る雨音。
その手は赤く燃え盛り、バニーたちの顔を照らしていく。
「その秘密を持ち帰るのが仕事ってことか。」
「そうよ!」
「……んじゃあ悪いな。」
バニーが跳んで逃げる素振りを見せた瞬間、雨音の拳が放たれる。
距離はあったが、放たれた拳から炎だけがバニーたちを素通りし、その足の動きが鈍る。
「うそ、でしょ!?」
「いいえ、現実です。」
その足は、飛び越えるはずだった屍獣たちの口へ。
噛みつかれ、引き倒され……一部が霧島の仕掛けた地雷を起動させてしまう。
燃え上がる炎、その周囲からは銀色に輝く花びら。
「……退く気がないのであれば、容赦はしません。」
「っく、あぁ!」
飛び交うエーデルワイスの花びらに、バニーたちの目が晦む。
「これで終わりっすよ。」
リカルドの生み出した分身の炎が飛び込み、花びらが一斉に燃え上がる。
……すぐに炎は消えるが、あとには黒い塵だけが床に広がっていた。
「さて……もう、大丈夫っすよ。」
「おっと! あっぶねえ!」
ふわりとリカルドが少女から外れると、ふらりと少女が倒れそうになる。
いち早く雨音が抱き止め、床に座らせた。
「あ、あの……。」
「心配しなくても、大丈夫ですよ。」
カタカタと震えている少女へ上着をかけ、シホはその手をやさしく握りながら笑顔を向ける。
「私達は、貴女を助けに来ました。」
「ふふ……それにしても、少し困りましたね。」
同じく笑顔だが、状況を楽しむように呟く霧島。
「先ほどのエージェントたちの言う通りならば、これからもあなたを狙ってくるようです。」
「でも……私、なにも。」
「知っているかどうか、そんなことは些細なことのようですよ?」
「そ、そんな……。」
どうしたら……とへたり込む少女に見かね、
「おいおい、不安にさせるのはその辺にしておけよ。」
「ふふ、失礼を。ですが、事実ですよ。」
雨音の制止にしれっとしている霧島。
「……でも確かに、その通りっす。」
「ええ、だから……。」
頷くリカルドと共に、シホは少女へ語り掛ける。
「UDC組織なら匿ってくれると思いますが……いかがでしょうか?」
優しく示される今後に、少女は大きく頷く。
「よろしくお願い、します。」
成功
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第3章 日常
『UDC-P対処マニュアル』
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POW : UDC-Pの危険な難点に体力や気合、ユーベルコードで耐えながら対処法のヒントを探す
SPD : 超高速演算や鋭い観察眼によって、UDC-Pへの特性を導き出す
WIZ : UDC-Pと出来得る限りのコミュニケーションを図り、情報を集積する
👑5
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少女はUDC組織へ行くことを望んだ。
見た目は少し違えど、彼女は人間とほとんど変わらない……衣食住については問題はないだろう。
しかし、彼女には追手がかかっている。
連れ去ろうとするのはエージェント・シロウサギたち、もしくは別のものが来るかもしれない。
それをなんとかしなければ、彼女は安心して暮らすことはできないだろう。
そして、何かの拍子に記憶を取り戻した場合……彼女自身が、外へと抜け出そうとするかもしれない。
あくまで可能性ではあるが、考えておく必要があるかもしれない。
備傘・剱
WIZ
戻れば敵に、戻らなくても命を狙われる、か…
思えば、難儀な人生になりそうだな
…よし、飯の作り方を教えよう
これから、どうなるかは、解らないが、腹が減るのはどこでも一緒のはずだ
迷った時や、つらい時の活力にもなるしな
まぁ、なんだ、何思い出しても、どんな選択するにしても、人生って続いてくわけだからな
身を立てる技術があれば…、普通に働く事もできるはずだし、な
俺がそうだったし
人間、できる事があれば、その内、自分の道も見えてくるもんだ
その道を見つける為にも、覚えておいて損がないとは思うが、な
記憶を取り戻した時も、ちゃんと見守ろう
どの洗濯をするも、こいつ次第なんだからな
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
可愛猫・仮面
ふむ……難しい。
我輩たちにはあんまり力になれぬやも……
「にゃんちゃん、弱気はダメ~!」
うむ、できることをやるべきであるな。
少なくとも、UDCたちの襲来は考えられるのである。
それを対処する場合は……襲来があっても問題のないところに住むのがいいのであるな。
ただ、UDCになってしまったときのことを考えると、組織の内部や近くはあまりおすすめできないのである。
「んー、ピーちゃんたちのおうちをつくればいいんじゃない?」
ピーちゃんではなくUDC-Pである。
しかし、ふむ。別の場所に専用の拠点を作るのはアリだと思うのである。
組織にとっては囮にもなるであるし。
どうであろ? 最後に決めるのはうさちゃんである。
「戻れば敵に、戻らなくても命を狙われる、か。」
『ふむ……難しい。』
備傘と可愛猫はそろって悩んでいた。
そうなってしまうくらい、解決しなければいけない問題は多い。
「……難儀な人生になりそうだな。」
『我輩たちには、あんまり力になれぬやも……。』
早くも気弱な言葉を漏らす可愛猫だが、
「にゃんちゃん、弱気はダメ~!」
ぷんぷん! と腕を振り上げながら言う幼女先輩。
その言葉にハッとし、
『……うむ、できることをやるべきであるな。』
「だな、まずは一つ一つ考えていこうぜ。」
二人は改めて考えていくことにしたのだった。
『さて、少なくともUDCたちの襲来は考えられるのである。』
「えっと……そう、ですね。」
少女を前に、まずは可愛猫が話し始めた。
『まず思い浮かぶのなら、襲来があっても問題のないところに住むのがいいのであるな。ただ、UDCになってしまったときのことを考えると、組織の内部や近くはあまりおすすめできないのであ』
「ちょい、ちょいストップ。」
備傘の制止に少女の方を見ると、すっかりうつむいてしまっていた。
『……すまなかったのである。』
「いえ、あの……こちらこそすいません、私」
『皆まで言わなくてもいいのである。』
「まぁなんだ、この子が記憶を取り戻しても俺たちやUDC組織の人が見ていられれば、大丈夫じゃないか?」
『うむ、確かに。』
「んー……」
可愛猫と備傘が話し合っているところに、幼女先輩が手を上げて言葉を続けた。
「ピーちゃんたちのおうちをつくればいいんじゃない?」
『ピーちゃんではなく、UDC-Pである。しかし、ふむ……別の場所に専用の拠点を作るのはアリだと思うのである。』
うんうんと頷きながら、少女へ向けて問いかける。
『どうであろう? 最後に決めるのはうさちゃんである。』
「……そう、ですね。」
少し考えているようだったが、すぐに頷いて答える少女。
『では決まりである。そのようにUDC組織には伝えるのである。』
「そうだ、お前さん……飯は作れるのか?」
ふと気が付いたように、問いかける備傘。
少女は突然の質問に考えをめぐらすが、
「え? ええっと……よく、知らないです。」
「……よし、住む場所が決まったら、飯の作り方を教えよう。」
「あ、ありがとうございます。でも、どうして?」
「いや、大したことじゃないんだ。だが、覚えておいて損はない……迷った時や、つらい時の活力にもなるからな。」
そして、備傘は少し考えながら言葉を続ける。
「まぁ、なんだ……何思い出しても、どんな選択するにしても、人生って続いてくわけだからな。身を立てる技術があれば……普通に働く事もできるはずだし、な。」
「確かに、そうですね。」
「俺が、そうだったしな。」
「……なるほど。」
全てを無くし、拾われて、教えてもらった……その実感の篭もる言葉に、少女も頷いていた。
「よろしく、お願いします。」
「よし、じゃあ何がいい? おかずからデザートまで、何でも教えるぜ?」
「わーい! あたしケーキがいいー!」
『吾輩たちにではないのである。』
「……ふふ。」
途中から割り込んできた幼女先輩に、少女は自然と笑みを浮かべていた。
「みんなで作ろっか?」
「わーい!」
『なんだか悪いのである。』
「いや、問題ない。しっかり教えてやるよ。」
備傘も笑みを浮かべ、教えるレシピを頭に浮かべていた。
成功
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四王天・燦
WIZ
改めて自己紹介して名前を聞く。
名前を忘却していたら考えてみるさ
とりあえず変装してデートに行こう。
万一に備えて(という建前)べったりガードしておくぜ
遊園地やショッピング・焼肉食べたりエトセトラ。
楽しいことをいっぱい見て貰いたい
これからも楽しいことや幸せをいっぱい見て、記憶が戻ったときも現在を大事にしたいと思って欲しいと伝える
「その時が来たら、こいつの手も引いてあげな」
シロウサギ入りの琥珀を手渡す。
…可哀想になったから発情薬は拭って再封印しているぜ(反省)
砕くと死ぬので封印解除は手順を踏めよ
名前だけど、幸せになれるようサチでどうよ。
最後に連絡先は交換。
困ったときや、デートのお誘いは呼んでくれ
リカルド・マスケラス
「記憶がないなら、呼び方はどうするっすかね~?仮にシロちゃんとか?」
基本はコミュニケーション
追手
「一番安全なのはUDCの施設の奥でUDC-Pの研究に協力しながら厳重な警備の中で閉じこもることっすけど、シロちゃんは望むっすか? 何かやってみたいこととかあるなら、対策もそれ相応になると思うんすよ」
能力も戦闘向けじゃないので、何かあった際にUDCの職員と連携して身の安全を確保する訓練とかっすかねー?ユーベルコードも相手にダメージ与えるもの持ってないっすし
外へ抜け出すこと
「抜け出してもいいじゃないっすかね?過去と向き合うことができたなら。その時は自分を、猟兵を呼んで欲しいっす。力になりたいんすよ」
「そうだ、改めて自己紹介と行こうぜ。」
「お、いいっすね。じゃあ自分から。」
燦の提案にリカルドも乗ってきた。
「正義のヒーロー、リカルド・マスケラスっすよ! 自分はいつでも弱い者の味方、みんなが笑顔で暮らせる世界を作りたいっす!」
「おー、すごい……。」
「ふっふっふ、君も自分の虜になっても構わないっすよ?」
「ふふ、面白い人ですね。」
芝居がかった物言いに、少女もクスリと笑っていた。
「じゃ、次はアタシ、四王天・燦だ。アタシの得意なことは盗むことさ、欲しいものはなんでも手に入れるよ。」
「なるほど……え?」
少女の手を取る燦。
「もちろん、あなたのような可愛い子も逃がしはしないぜ?」
「え、えーと、その……。」
「はは、困らせるつもりはないさ。」
するりと手を戻し、少し顔を赤くした少女へと言葉を続ける。
「さて、そんな感じであなたの事を教えてくれると嬉しいんだぜ。」
「そっすね、名前とか知りたいっす。」
「あ、えっと……名前……。」
……出てこない。
忘れているだけか、元々名前は存在しないのか……だんだん俯き始めた少女。
「あー、せっかくだから新しい名前を考えてもいいんじゃないっすかね?」
「いいね、そうしようぜ。」
「シロウサギだから、シロちゃんとかどうっすか?」
「んー、それもいいけど……。」
そうだなぁ……と燦は少し考え、
「サチ、でどうよ。この子には新しい人生、幸せになってほしいからさ。」
「いいっすね!」
「サチ……。」
繰り返す少女の表情が明るく変わっていき、
「はい、じゃあ……サチ、です。えっと、何も覚えてませんが、よろしくお願いします。」
笑顔で自己紹介を終えたのだった。
「サチちゃんのやりたいこと、ってあるっすか?」
「ええっと……。」
リカルドの質問に、言葉に詰まるサチ。
その様子にリカルドは、おどけるようにふわふわと漂いながら、
「なーんでもいいんすよ? ほら、美味しいものが食べたいとか、楽しいところに行きたいとか。」
「あ、えっと。」
「あーでも、銀行強盗をしたいとかだったら止めるっす。」
「しませんよ!」
「んー……。」
やり取りを聞いていた燦。
「もしかして、そういう記憶もないのか?」
「あの……多分。」
「そっか……。」
知らないから出てこない……。
「だったらさ、アタシがいろんなところに連れてってやるよ。遊園地やショッピングにいって、焼肉食べたりしようぜ。」
「そういう事なら、自分も手伝うっすよ! ほら、自分を被れば変装もばっちりっす!」
「え、あの。」
「サチには、楽しいことや幸せをいっぱい見てもらいたいんだよ。もし記憶が戻っても、楽しい今が引き留めてくれるように。」
「それに、過去と向き合うこともできると思うっす。昔の生活と今と、どっちの方がいいかって考えてみれるっすから。」
「……そう、ですね。」
何も知らない自分……昔の自分を思い出したなら、そのまま昔の自分になるだろう。
「じゃああの、お手柔らかに。」
「よーし、決まりだぜ! 最高の思い出にしてやるよ。」
連絡先のメモ取り出した燦はふと思い立ち、ポケットから取り出した琥珀を添えてサチへ差し出した。
「その時が来たら、こいつの手も引いてあげな。」
「あ、これ……。」
「そ、あんたのお仲間さ。手順通りに封印の解除をしてやれば、元通りに出てくるからな。」
さすがに可哀想になって、発情薬も拭ってあるからな……というのは言わなくてもいいだろう。
そして、ふわりとサチの前に浮かぶリカルドが語り掛ける。
「そういう時にもし迷ったら……自分を、猟兵を呼んで欲しいっすよ。力になりたいんすよ。」
「はい、その……ありがとうございます。」
改めてよろしくお願いします、とサチは頭を下げるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
シホ・エーデルワイス
アドリブ&味方と連携歓迎
追手対策
彼女の死を偽装
研究所の監視カメラに彼女が息絶えて消滅する様子(演技)を撮らせた上で
彼女を【救園】へ匿う事を提案
その際は彼女に私のロザリオを握らせ
光<属性攻撃>の魔術を応用し演出で【終癒】の光に見せて
彼女を包んでいる間に入れる
以後自身に<催眠術をかけて救えなかった悲しみに暮れる演技>
時間があれば彼女に<変装>術を教える
他
有る無しに関わらず
キメラの研究資料らしき物を猟兵が持ち去った様に見せられれば
追手は私達に来るはず
記憶復活対策
何を成すかは彼女の自由
けど
新しい生活を選べるように
楽しい思い出を一杯作って欲しいと思う
キメラ対応
基本第1章と同じ
けど
仲間に名案があれば手伝う
霧島・絶奈
◆心情
記憶と言う寄る辺を失う…
其はとても不安な事です
◆行動
少しでも彼女の不安が紛れる様に、話をしたいと思います
…但し、私なりのやり方で、ですが
さて…庇護下に入るとは言っても、四六時中警護されるとは限りません
それに…そんな生活は息が詰まります
ですので、貴女自身が自衛出来る様に少し御自分の力を確認してみては如何でしょうか?
的は…私の屍者達を使って下さい
後は…約束して頂けますか?
記憶を取り戻した時、事情を話すかどうかは別にしても黙って姿を眩まさない…と
誰しもが自分の利と情を抱えています
だから貴女の意思や行動を縛るつもりはありません
ただ…世話になったUDC組織への義理だけは、果たして頂きたいと思います
「……どうか、しましたか?」
天井の隅、監視カメラを見上げるシホに、問いかける霧島。
「あぁ、いえ……うまくやれば、彼女の追手を撒くことができるかなと思いまして。」
「ふむ、死を偽装するということですか。」
「その通りです。」
と小声で話す二人の横で、頭に疑問符を浮かべている少女・サチへ、
「ちょっとした演技を」
「いえ……永遠の休息をとってもらいましょう。」
「え……え!?」
パチリと霧島が指を鳴らすと、周囲に屍人の群れが沸き上がる。
「お覚悟を。」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」
屍人たちは手に持った槍を向けてきた……当然だが、本気で殺すつもりはない。
だが、必要なのはサチの怯えと、死のリアリティ。
「うそ……ですよ、ね?」
「……いいえ、本気のようです。」
とシホは庇うように立ち……後ろから握りしめてくるサチの手に、十字架を握らせる。
「そ、そんな……。」
「ごめんなさい、あなたを守ることはできそうにないの。」
シホが軽く突き放すと、サチが光に包まれる。
これから楽しいことをやろう……そう言っていたのに。
嘘つき! ……と泣く声を最期に、その姿は消えていた。
「……心苦しいものがありますね。」
「ふふ、私だけを悪役としても良かったのに。」
落ちている十字架……サチを封印した触媒を拾うシホ。
「そうもいきません、提案したのは私です。」
「お優しいことで。それでは後で、一緒に謝りましょう。」
「……はい。」
そうして猟兵達はさらに部屋を物色し、出ていった。
途中、通路にいるキメラたちへ話しかけながら……外に出たいという者は、サチと同じように封印しながら、外へと向かった。
「本当に……本当に怖くて、もう駄目だって思って……。」
「すいません……。」
「ええ、それについては反省しています。」
ここは、UDC組織の用意した隠れ家。
封印を解くと、中にあったお菓子を抱えたサチが飛び出して……事情を説明して謝っていた二人。
「とはいえ、あの監視カメラの映像を見たものは思ったでしょう。貴女はもうこの世にいない、と。」
「……本当に?」
「ええ、狙うとすれば私たちになると思います。あなたを殺し、あなたの持っていた物……この十字架ですが、それを拾った上に研究に関する資料を漁り、という映像が残っていますから。」
「……。」
サチは手にしたクッキーをサクっと齧り、たっぷり時間をかけて噛んで……バターの香り良いそれを飲み込んで。
二人を見ながら、ゆっくりと頭を下げた。
「……ありがとう、ございます。」
「許して、くれますか?」
「もちろんです、私のためにやってくれたことですから。でも、」
サチは緊張した顔から笑顔へと変わり、抱えたお菓子をさらに抱きしめ、
「このお菓子は私のです、絶対渡しません!」
「ふふ……ええ、もちろん取りませんよ。必要なら、紅茶も淹れましょうか?」
「はい、お願いします。」
それでは、とシホがキッチンへ……残されたのは、サチと霧島。
「さて……貴女は、UDCの庇護下に入るという選択をされましたね。」
「……はい、そうです。」
語り掛ける霧島に、慎重に言葉を返すサチ。
「とは言っても、四六時中警護されるとは限りません。まぁ……そんな状態では息も詰まるでしょうから、それはいいでしょう。ただ、」
紅茶を淹れたシホが戻ってきて、カップを二人と自分の前に置く。
それを一口啜り、言葉を続ける霧島。
「貴女は、自分の身を護れますか?」
「え、あの……えっと……。」
考え込むサチに、クスリと笑みを見せ、
「ふふ、何も相手を殺すことだけが力ではありませんよ。貴女には、持ち前の逃げ足があります。」
「そっか、助けが来るまで逃げればいいんですね。」
「あとは、お化粧もすればバレないんじゃないでしょうか? 簡単な変装として。」
シホも言葉を続ける。
「お化粧……。」
「興味があったら、教えますよ? 道具も一式置いていきますし。」
「あ、あの……お願い、します。」
「ええ、喜んで。」
楽し気に化粧の方法などの話をしているところへ、霧島が真面目な様子で言葉をかけていった。
「一つ、約束して頂けますか? 記憶を取り戻した時、事情を話すかどうかは別にしても、黙って姿を眩まさない……と。」
「えっと……?」
「ふふ、何も難しいことを言うつもりはありません。ただ、世話になったUDC組織への義理だけは、果たして頂きたいと思います。」
「ある程度の自由と共に、匿う家も用意してくれましたしね。」
「……そう、ですね。」
「もちろん、誰しもが自分の利と情を抱えています。だから、貴女の意思や行動を縛るつもりはありませんよ。」
「でもだからこそ、」
シホも、サチの手を取って言葉を続ける。
「新しい生活を選べるように、楽しい思い出を一杯作って欲しい……と思うんです。」
「はい……ありがとうございます!」
サチはとびっきりの笑顔で、答えてくれたのだった。
UDC-P報告書 NoXXより抜粋
元個体識別名:エージェント・シロウサギ
現状況:経過観察
郊外の一軒家にて、『サチ』という名前の一般市民として生活中。
本人の安全を確保するため、組織への緊急連絡回線の携帯、そして数日おきの訪問が義務付けられる(本人の了承済み)。
一部の猟兵達の訪問が定期的に続けられており、肉体、精神共に健康である。
収容初期は外部からの襲撃が予想されたが、現在に至るまでそのような痕跡はなし。
ただし、これからもないとは断言できず、監視を続ける必要あり。
追記:
同研究所より確保した、仮称『キメラ』について。
彼らは人を元としているが、後天的な移し替えによるものではないようだ。
生まれた時点での置き換えは、現在の技術では不可能
【中略】
まだ複数体が存在している、さらなる確保が必要。
成功
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