アースクライシス2019⑨~セミファイナル・ビート
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『ミイイインミミミミンンン!!』
米軍が、エリア51から「ビームハイウェイ」がラグランジュポイントを照射し、光の道を作り出す。
目指すはラグランジュポイント。
だが、その行く手を遮る巨大化オブリビオンが出現する。
『ミーンミンミンミ
……!!』
空中を浮遊するオブリビオンは、体高20メートルほどあろうかというセミであった。
セミの鳴き声とともに、ドンタタ、ドドタタ、とドラムの音が鳴り響く。
腹に響くバスドラム。タムタムがリズムを彩り、時折16ビートのハイハットが刻まれる。
チキチキタカチキ、チキチキタカチキ
『ツクツクボーシ、ツクツクボーシ』
一見、呑気そうでもある敵だが、ラグランジュポイントへ向かう者を見つければ、爆音を駆使し吹き飛ばそうとするだろう。
その大きさや範囲的な攻撃は、敵を掻い潜り、ただ通過するには脅威であった。
●
ヒーローズアース『アースクライシス2019』。
着実に戦果を得ながら、猟兵とヒーローたちは知られざる文明へとその手を伸ばしていく。
「今や皆さんもヒーローズアースでは注目の的ね、お疲れさま!」
グリモアベースへ入った猟兵たちを迎えたのはポノ・エトランゼ(エルフのアーチャー・f00385)であった。
「早速だけれど、皆さんにはラグランジュポイントへと赴いてもらいたいのよね」
奪取した一人用UFOに乗り、大気圏外に存在する文明に向かって欲しいのだとポノは言う。
しかし進む空域を遮るように巨大化し、空中を浮遊するオブリビオンがいる。
「まあ、セミなんだけど、巨大化により攻撃力が上昇しているのが油断できないところね。
けれど、小回りは利かないみたいだから、そこを狙っていくのがポイントかしらね」
華麗な空中戦を行えば有利に戦うことができるだろう。
爆音や蝉のロックバンドを掻い潜り、セミドラマーへと攻撃を行う。蝶のように舞い蜂のように刺す、といったところだろうか。
「えーっと、なんかちょっと可愛い敵な気もするけど、巨大化だものね。油断はしないでね。色々……虫のお腹的なモノとか見えちゃうから、苦手な人は気を付けてね」
そう言って、ポノは猟兵たちを送り出すのだった。
ねこあじ
ねこあじです。
よろしくお願いします。
プレイング受付は、
13日(水)8時半から。
16日(土)いっぱいの受付となります。
たくさんの採用は無理ですので、許容量突破したら、戦争シナリオの少ない方を優先に採用していきたいと思っています。
申し訳ございませんがご了承のほど、お願いいたします。
一人用UFOは、円盤型やロケット型など色々あります。
勿論、自分で飛べるよって人は、UFOは使わなくてもOKです。
プレイングボーナスは華麗な空中戦を展開することです。
第1章 ボス戦
『セミドラマー』
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POW : 256ビート
【リズムを刻む】事で【256ビートモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD : 生ける騒音公害
【けたたましい蝉の鳴き声】【ダミ声のボーカル】【ドラムの爆音】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ : セミロックバンド
【蝉のロックバンド】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
👑11
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中村・裕美
連携OK
「……まさかこの季節に……セミに遭遇するとは」
とりあえず、防御策としてUFO(円盤型)に電脳魔術で【ハッキング】し、騒音をシャットアウトできるよう防音性能などを【防具改造】で強化する。
「……データ送信……現実空間へ……性能具現化」
他に参加者がいれば、同様のものを施す
あとは空間にハッキングして【残像】として自分や猟兵達の偽の映像をセミ周辺ばらまいて敵の狙いを絞らせないようにしつつ周囲を不規則に飛ぶ
「……UFOといえば……不規則飛行よね」
飛んで攻撃を避けている間に【ステルスボム】をセミの所々へ【早業】で設置。一気に起爆させてダメージを狙う。
「……起爆」
伊藤・毅
「こちら380戦術戦闘飛行隊、コールサインドラゴン、グレームレイク上空を飛行中、これより戦闘に入る」
自前の戦闘機で参戦、セミに【空中戦】を仕掛ける
UCは命中率重視で、長射程の【誘導弾】で【先制攻撃】を仕掛け、爆発の音と【衝撃波】に紛れて接近、すれ違いざまに機関砲の【零距離射撃】をドラムめがけて打ち込み、急旋回して再アプローチ、翅目掛けミサイルを【一斉発射】し味方への【援護射撃】として一気に離脱する
「レーダーコンタクト、セミ、敵、ドラゴン01交戦開始、FOX3」
スピカ・セプテンバー
もう冬だってのにやかましいヤツだナ、キモいしとっとと藻屑にでもなってろ。
UFOがあるならオレでも問題ないダロ、搭載された武装を使って空中戦をするゾ。
動きが鈍いなら円を描くように動き回って攪乱ダナ、現れたセミロックバンドは優先的にミサイルなんかを使って撃墜していくゾ。
生ける騒音公害はミサイルの爆風や爆音で相殺してやれば問題ないダロ、こうやって妨害を中心に動けば味方も少しは動きやすくなるだろうしナ。
勿論隙があればオレも一気に距離を詰めて本体に攻撃を加えるゾ、そう簡単にリズムに乗れると思うなヨ?
UFO群に気付いたセミドラマーが、ジャァァァンとシンバルを鳴らし、曲調を一転させる。
ドンドン、ジャン! ドンドン、ジャン!
『ミンミンミミンミー!!』
「……まさかこの季節に……セミに遭遇するとは」
中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)の指は、そこに鍵盤があるかのように華麗な滑りを見せる。
浮上するUFOの光のタッチパネルから一つ、アクセスを行えば電脳魔術による電脳世界が展開された。
「……あった……これね……」
その時、ややノイズ混じりの通信が入る。
『――こちら380戦術戦闘飛行隊、コールサインドラゴン、グレームレイク上空を飛行中、これより戦闘に入る』
JSFライトニングに乗る伊藤・毅(Nemo・f06702)は現在管轄であろうエリア51、そして鹵獲されたUFOの群へと伝え、『交戦開始』の合図を送れば、近くのUFOがやや速度を落としたり、JSFライトニングから距離を取ったり。
毅が操縦桿を引けば機首が更に、ぐんと上がり――、
「マスターアーム点火、エネミータリホー、ドラゴン01、エンゲイジ」
捉えた瞬間、長射程のホーミングミサイルが射出された。高空域により雲粒が発生し、誘導煙がよりくっきりとした軌跡を描く。
命中したミサイルが爆発し、ドン! ジャーーーンとした様々な音が、セミドラマーの辺りから排出された。
『ミ゛!?!? 』
発生した爆風を掻い潜るように。
やや一方向へ倒した操縦桿に伴いJSFライトニングの機体が傾く。
速度を保ったまま接敵した毅は、すれ違い様にガンポッドからの機関砲射撃を行った。
ドラム、セミドラマー、シンバルと流れるような射撃列がやはりドンジャンとした音を奏でる。
『ミ゛ミ゛ミ゛ミ゛ミ゛
!!!!』
ビートが跳ねあがり、256ビートを刻むセミドラマー。爆音に火花の残滓やら煙がかき消されていく。
「もう冬だってのにやかましいヤツだナ」
音圧が耳どころかUFOをもブレさせる。
揺れを利用し、機体を跳ねあがらせるはスピカ・セプテンバー(ジェノサイドール・f23694)。
その時、ざりざりとノイズ混じりの通信。裕美であった。
『……うるさ……もう限界……データ送信……現実空間へ……性能具現化』
強化された防音性能、振動防護、視覚情報の改竄などがUFO及びJSFライトニングへ送られ、当機のデータが書き変えられていく。
『Gが――感謝を』
Gの負担が減った毅の端的な礼。
スピカもサンキュと声を送るのだが――Gの単語に、何故だか連想する『ゴ』で始まり『リ』で終わる生物。色もそっくりではないか。
「キモいしとっとと藻屑にでもなってろ」
スピカのUFOが円を描いて撹乱の動きを行えば、届く猟兵の声。
『……援護するわ』
航空レーダーや座標などの手に入れた情報を元に、裕美が投影魔術を展開させた。
JSFライトニングから剥がれるように、もう一体の戦闘機。
スピカの動きが残像を空に映し、裕美は自身の対角へと偽の映像を、セミドラマーの周辺にばら撒いた。
UFOのディスプレイ――視覚情報に一噛み、敵の音攻撃が色別され、それを狙ってスピカが機体に備わる円盤型のビームミサイルを放つ。
薄い薄いそれは、敵音に当たるとともに爆発し、発生した爆風と爆音が敵のそれを吹き飛ばす。
「よしっ」
敵上空、高度を取ったスピカが旋回し、適宜射撃の態勢に。
急旋回し、再アプローチを仕掛ける毅がセミドラマーの翅目掛けてミサイルを一斉発射させた。巨大で強化されている翅が、ジジジジッと震える。
「……UFOといえば……不規則飛行よね」
スピカの援護を受けつつ、不規則に飛び敵の攻撃を散らし続けていた裕美は、次の瞬間燕のように機体を翻らせた。
「……起爆」
指定した座標――この時はセミドラマーの頭部――に生成・設置された見えない爆弾が起爆する。
一瞬の閃光、爆発。ジャアアアアアンンという複数のシンバルが鳴り響いた。
成功
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マリス・ステラ
【風の通り道】を使用
UFOに搭乗すると"星の大戦"が流れ出す
「せっかくの宇宙戦闘です、盛り上げてください」
妖精達に声をかけて、
「主よ、憐れみたまえ」
『祈り』を捧げると星辰の片目に光が灯り、機体が光を纏う
「灰は灰に、塵は塵に」
オブリビオンは骸の海に還します
「レディ、フォースだ!」
「ファイエル!」
「小宇宙を感じますわ!」
妖精達の助言、何か色々混ざっていませんか?
UFOの放つビームは流星の如く
ロックバンドが現れたらミサイルを『一斉発射』
「これが僕らの翼だ!」
「キラッ🌟」
「デカルチャー!」
好き勝手に騒いで、曲は"銀河の歌姫"に変わる
星の『属性攻撃』は彗星のように突撃
「フォースと共にあらんことを」
エリア51。
UFOに搭乗しようと歩みを進めていたマリス・ステラ(星を宿す者・f03202)は、そよ風を捉える。
「森の中に棲む妖精たち――」
そよそよ、さわさわとした気配。
「月夜の晩はオカリナを吹いて――」
紡いだり、途絶えたりする、音合わせ。
「そよ風と共に訪れる」
UFOのハッチが閉じたその時、癒しの森の音楽が奏でられる。
「せっかくの宇宙戦闘です、盛り上げてください」
マリスが星の転がるような、魅力的な声で音を紡げば、曲調は一転。勇ましい「星の大戦」なる戦闘曲。
ひとつ、満足そうに頷いたマリスは、そして祈りを捧げる。
「主よ、憐れみたまえ」
星辰の片目に光が灯り、機体も光を纏う――マリスの領域が拡張された。
米軍の誘導に従い発射台から飛び立ったマリスのUFOは、駆けのぼる星の如く。
光の道を辿り、大気の層半ば。
ドンドン、ジャン! ドンドン、ジャン!
『ミンミンミミンミー!!』
UFOのディスプレイに映される、巨大化した虫……否、セミドラマー。
「灰は灰に、塵は塵に」
巨大化していようが、セミだろうが、オブリビオンはオブリビオン。骸の海に還すという猟兵の使命は揺るがない。
しかし、
『レディ、フォースだ!』
『ファイエル!』
『小宇宙を感じますわ!』
フォースを感じろと言われたり、ふんわり独語的なスペースシップワールドの銀河帝国でふんわり使われていたかもしれない掛け声だったり、と。
妖精たちの助言は様々で。
「……何か、色々混ざっていませんか?」
そう言うマリスの声はほんのちょっぴり呆れたものであったが、光のパネルへ指を滑らせた。
鍵盤で、音を紡ぐように。
瞬間、UFOから射出された光のビームが敵のシンバルと胴を貫く。流星の如き煌きが青の空を翔け、大気圏を貫き果てる。
『ミ゛!!』
――ツクツクボーシツクツクボーシ。
――チチチチヂヂヂヂ。
――ミーーーンミンミンミー。
セミドラマーが刻むメインリズム。蝉のロックバンドが鳴き声と共に現れ、同時にギター各種の音がギュイイイインと呼応する。
バンドにおけるドラマーは『指揮』であり、むむっとした妖精たちの気配をマリスは感じた。
『これが僕らの翼だ!』
『キラッ☆』
『デカルチャー!』
どこで仕入れたのか、妖精たちは好き勝手に騒いで、マリスを乗せるように曲調は可愛らしいアップテンポ。
「仕方がありませんね」
マリスは呟き、くっと顔を上げた。映し出される青――抜ければ星の海。
「フォースと共にあらんことを」
成功
🔵🔵🔴
黒鵺・瑞樹
宇宙って真空だと聞くが、それでも音って響くのか?
それとも某映画監督の言葉の様に、ヒーローズアースの宇宙では音は響くのだろうか。
【騎乗】【世界知識】で操作。戦闘に支障が無いように目的地まで基本操作をしっかりマスターしておく。
相手の攻撃は【第六感】【見切り】で回避。【空中戦】で時折【残像】を残すようにして攻撃を誘い隙を狙う。
いくらスピードと反応速度があがるって言っても、巨大化してるからそこまで脅威にならないと思うが…。
UC鳴神で攻撃力強化。こちらの攻撃は【存在感】を消し【闇に紛れ】【目立たない】ように動いて、奇襲の【暗殺】攻撃をする。
直撃のダメージは【オーラ防御】【激痛耐性】で耐える。
黒曜・鵺
●……セミの鳴く季節はとうに過ぎたと思うのだが。ともあれ、あんな騒音をいつまでも聞いてはいられんな。とっとと退場願おう。
●UCのベントラーアタックを使えば高速での空中戦は可能だ。まずは怪光線で遠距離攻撃を行い、すぐさまステルス気よろしく、ナノマシンアーマーの光学迷彩を用いて「目立たない」ように移動。そして再び怪光線攻撃を死角から行って行く。防御は「オーラ防御」を全開に。回避はUCの高速飛行、あるいは「念動力」で自分を無理矢理急制動することで行う。
●万一、UCを封じられてしまったら「空中浮遊」「空中戦」を用い、こっそりとセミに近づいてから「念動力」で行動を阻害して仲間のサポートを行う。
霧島・クロト
うるせえええええええええええ!!(第一声)
いや宇宙のど真ん中で巨大なセミが大音量で鳴き散らかすんじゃねぇよ
しかもドラムじゃんじゃん叩いてんじゃねぇよ!?
……えっと、じゃあいこっか、【空中戦】。
宇宙なら他の世界でも経験が有るし。
そしてロックバンドと来たか……都合のいいもの抱えてんな?
なるべく射程内に大量の楽器を捉えられるように
【フェイント】【残像】で躱しながら捌いて。
時が来たら一発で『分からせてやる』。
【高速詠唱】【全力魔法】で【指定UC】。
連中の持ってる楽器を纏めて氷塊に変換して――
そのまま【属性攻撃】【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】の凍結で
複数箇所から瞬間凍結を仕掛けてやらァ!!
※アドリブ連携可
ヒーローズアースの地上から飛び立つは、数多のUFO。
行進曲が奏でられ、テレビを見る住人たちのために途中までクローズアップされる。
青い青い、空。
雲を抜け、対流圏、成層圏と到達し光の道に沿う猟兵たちは、ぐんぐんと上昇していく。
その空を今、支配するオブリビオン――何となくアレに似ている色合いの巨大セミドラマー。
UFO群に気付いたセミドラマーが、ジャァァァンとシンバルを鳴らし、曲調を一転させる。
ドンドン、ジャン! ドンドン、ジャン!
『ミンミンミミンミー!!』
「宇宙であれば、音は遮断されるのだろうが――」
黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)が呟いた。
真空である宇宙は通常、音の伝播はない。いざ問題空域に到達した瑞樹は、UFOに備わる高度計を見る。熱圏の入り口。あと20キロ程、上昇すれば宇宙である。
一直線に進んでいたUFOを操作し、やや右側へと機体を傾ける瑞樹。
チキチキタカタカ、チキチキタカタカ。
『ツン、ツクツクツク、ツクツクボーシ! ツクツクボォォォォシイイイィィ!!』
『うるせえええええええええええ!!』
リズムを取ったセミドラマーの大音声に、思わずといったような霧島・クロト(機巧魔術の凍滅機人・f02330)もノイズ混じりの大音声。確りと、外部へ叩きつけるいわゆるスピーカーオン状態にしていた。
勿論、一気にメーターを突き抜けた不満は、セミドラマーへ向けたもの。
『ミ゛!?
ミ゛ミ゛ミ゛ミ゛ミ゛! ミ゛ミ゛、ミイィーーンン!』
張り合うセミドラマー。
ダラララララッと華麗なドラムアクションが披露され、
『張り合ってんじゃねぇよ!? いや、そもそも、宇宙のど真ん中で巨大なセミが大音量で鳴き散らかすんじゃねぇよ。しかもドラムじゃんじゃん叩いてんじゃねぇよ!?』
「……セミの鳴く季節はとうに過ぎたと思うのだが」
『そうだそうだ!』
黒曜・鵺(影渡り・f10896)の言葉に便乗するクロト。
鵺はUFOに擬態しているため――というかもうUFO状態なせいか、鵺の音声はクリアだ。
『空虚かな 季節外れの セミの声』
やはりノイズ混じりの通信を飛ばす瑞樹が一句。
「ともあれ、あんな騒音をいつまでも聞いてはいられんな。とっとと退場願おう」
『あっ、うん……えっと、じゃあいこっか』
すんっとクロトの声。何やら半ば立ち上がっていたのか、気配が遠ざかった。
怪光線を放つ鵺――この時には仲間の猟兵たちも一斉に遠距離攻撃を放ち、一部猟兵が旋回行動。
敵の目を逸らした隙に、ナノマシンアーマー・インヴィジブルの光学迷彩が鵺自身を隠す――とてもUFOらしく、パッと消失した。
セミドラマーのけたたましくもダミ声な鳴き声、ドラムの爆音を掻い潜る。
瑞樹の残像が音攻撃にかき消されていくも、次々とそれが空に映されていった。
「境の先へ……!」
鳴神にて、渡の力、月の力、龍の力で自らを強化した瑞樹は、気配を消し敵死角へと回る。
「スピードと反応速度があがるって言っても、巨大化してるからそこまで脅威にならないと思うが――……」
蝉のキラキラと輝く翅、その向こうの胴を貫くようにUFOからビームを発射させた。
『ミィン!?』
ビビビビッと翅と胴を震わせるセミドラマー。ゴロンとのたうち回れば、ドンガラガッシャンと一緒にドラムやシンバルも回る。
同期しているような動き。ドラマーとドラムは一心同体なのだろうか。
燕のように旋回し、一旦その間合いから離脱する瑞樹と鵺がオーラを全開に風圧を凌ぐ。
チキチキタカタカ、チキチキタカタカ。
『ミーン……ミミン……ミーーーン!』
――ツクツクボーシツクツクボーシ。
――チチチチヂヂヂヂ。
――ミーーーンミンミンミー。
暴れ回り、立て直したセミドラマーが刻むメインリズム。蝉のロックバンドが鳴き声と共に現れ、同時にギター各種の音がギュイイイインと呼応する。
バババッと飛び立つセミたち。
場を変えるのではない。
バンドらしく、立ち位置がちゃんとあるのだ。
「ロックバンドと来たか……都合のいいもの抱えてんな?」
セミたちの立ち位置を阻害するように、フェイントを仕掛け、残像をばら撒くクロト。
同時にパッ、パッとUFOの華麗な動きを見せる鵺が死角へと回りつつ、怪光線を放つ。
そして、その『時』がくる――ビィン! とギターの音が鳴り響き、クロトがセミドラマーたちの頭上に現れた。
「北天に座す」
クロトの魔術回路が魔力の奔流を迸らせる。熱圏となる場が玲瓏な月光の如き鋭さへと変換されていく。
「貪狼の葬送を」
氷戒装法『貪狼の氷棺』を展開すれば、敵陣の楽器が瞬間凍結し、破壊の音。
『ミ゛ギィッ!?』
ギターがバキンと割れ――その勢いがロックバンドなセミたちの脚をもぐ。体節へと入り込む凍結の魔術がセミたちを氷漬けにし、そして、次々と瑞樹が仕留めていく。
鋭いUFOの光線がピンのように的確に胴を貫き、ロックバンドは瓦解。解散と相成った。
成功
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ニコリネ・ユーリカ
UFOに乗れる日が来るなんて!
「ニコリネ、いきまーす!」って言ってみたかったの
ツクツクボーシ! ツクツクボーシ!
ツクツク……この後何って言ってるのか分かんないのよねぇ
鳴き声も気になるし、刻むビートもエッジが利いてて踊っちゃう
第六感(ノリ)で音の波を見切り、乗りこなすパフォーマンス!
UFOを巧みに運転・操縦しながら颯爽と回避してみせるわ
接敵後はUFOの天板に騎乗し、良い感じにセットされたドラムを攻撃
私のシャッター棒でもイイ音が鳴りますよーに!(ばりっ)
狙い易いフロアタムからタムタムを破ってドラム音を阻止したら
お胸に目掛けてフルスイング! ツクツク言えなくしちゃう
ムセた瞬間に皆に攻撃して貰おうっと
シリン・カービン
【SPD】
指揮台のような小型のUFOの上に立ち、
サーフボードの様に乗りこなします。
セミドラマーの前に進み、
指揮者の様に両手を上げ、
【ピクシー・シューター】発動。
複製猟銃がズラリと並びます。
腕を振り下ろすと同時に流れる様に動き出す猟銃。
ダンダン、ズダンダンッ!
ダンダン、ズダンダンッ!
リズミカルな銃撃が演奏の様に響きます。
セミドラマーは気づいているでしょうか。
自身の演奏が弱まっていることに。
精霊弾に宿る風の精霊が音を減衰させていることに。
躍起になればリズムが崩れ、さらに威力が失われることに。
流れる様にUFOを操りセミに近接。
「アンコールはいりますか?」
一斉射撃のフィナーレを。
アドリブ・連携可。
泉宮・瑠碧
巨大化は凄いとは思うが…すまない
虫はあまり得意では無い
極力避ける位には苦手とも言う
…遠距離から狙おうか
僕は弓を手に精霊羽翼
UFOは操縦出来る気がしないので自己空中浮遊
風の精霊へ願い
周囲の音の振動を防いだり緩やかにし
射る矢に風を纏わせて音も切り裂く属性攻撃
距離感を含め、攻守で第六感を張り巡らせる
ロックバンドは
後ろ向きに飛びつつスナイパーで翅を狙い
近付いて来たら急旋回して距離を取って射る
本体へは節や翅などの脆そうな個所を狙い
死角へ回り込んで撃つ
被弾や距離は心を無にして動きだけは把握し見切り
回避不可ならオーラ防御
長らく地中で耐えた命を散らすのは忍びないが…
躯の海に帰り、夢の中で賑やかに過ごせますよう
ヒーローズアースの地上から飛び立つ数多のUFO。そのうちの一つに乗ったニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)は、ニコニコ笑顔だ。
ゆっくりと乗り込んだUFOを動かし、離発着所を進みながら誘導員に手を振って。
「ニコリネ、いきまーす!」
ふわりとした浮上感は一瞬であった。
Gの調整がされたUFOの乗り心地は快適。
「ふふ、まさかUFOに乗れる日が来るなんて!」
UFO内部を見回せば、上には青い空。床には地上が見えていて、身ひとつで飛んでいるかのような錯覚に。
「わあ、格好良く乗りこなしている人もいるのね」
と、シリン・カービン(緑の狩り人・f04146)を見る。
指揮台のような小型のUFOの上に立つシリンは、サーフボードのように乗りこなす。
更に横風を波として捉え、発生する浮力でより安定感を得る。
「身一つで飛んでいる子もいるのね」
凄い凄い、と様々に飛行する猟兵を見るニコリネ。
泉宮・瑠碧(月白・f04280)は、精霊の力で具現した幻の翼で飛翔する。
瑠碧の方からしてみれば、UFOを難なく操縦できる猟兵の存在が「凄いな」と感じるものであった。
肌を刺す空の冷気は、彼女たちを慕う風の精霊が阻み、護る。
雲を抜け、対流圏、成層圏と到達し光の道に沿う猟兵たちは、ぐんぐんと上昇していく。
その空を今、支配するオブリビオン――何となくアレに似ている色合いの巨大セミドラマーの姿に、ほんの少し瞳の焦点をぼかしてしまう瑠碧。
(「巨大化は凄いとは思うが……すまない」)
虫はあまり得意では無い瑠碧。極力避けたいくらいで、近付けばあの体節がよりくっきりと見えてしまうため、後ろから回りこむような軌道を取る。
セミドラマーが、ジャァァァンとシンバルを鳴らし、曲調を一転させた。
チキチキタカタカ、チキチキタカタカ。
ドンドン、ジャン! ドンドン、ジャン!
『ツン、ツクツク、ボーシ!!』
「ツクツクボーシ! ツクツクボーシ! ツクツク……この後何って言ってるのか分かんないのよねぇ」
呼応してみるニコリネ。
ドラムの音と、16ビートから少しずつ上がっていくリズム。
ツクツクボウシは、じっくり聞いていると起承転結を感じる鳴き方だ。
けたたましいダミ声とドラムの爆音が圧となり猟兵たちに放たれる。
「テイクオフ!」
シリンのように、音の波を乗りこなすニコリネ。
一気に音のダンパーを抜け、アップスン&ダウンズ。
セミドラマーの前まで浮上したシリンが、指揮者のように両手を広げた。
『ミンミ……?』
「羽根妖精よ、私に続け」
シリンがピクシー・シューターを発動させれば、複製された精霊猟銃が空にずらりと並ぶ――その数、53。
腕を振り下ろすと同時に、精霊猟銃が流れるように動き出す。銃口はセミドラマーに向かったまま、くるくると――そして火を噴いた。
ダンダン、ズダンダンッ!
右手を振り下ろせば、対角の銃群が。
左手をぐるりと回せば、円陣を描くような射撃。
ダンダン、ズダンダンッ!
『!? ミ゛ミ゛ミ゛ミ゛ミ゛! ミ゛ミ゛、ミイィーーンン!』
ロックバンドにおいて、ドラムは指揮者である。
指揮権の奪い合い。シリンによってリズミカルな銃撃音が場を支配し、セミドラマーは御立腹だ。
セミドラマーの背中側、下方へ来た瑠碧が精霊弓の弦を引き、生成された水矢を放つ。
射った矢は螺旋の如き風を纏い、拡がる鋭いそれは音攻撃を吹き飛ばし、セミドラマーへと到達した。
『ヂヂヂヂッ!』
翅が激しく震え、陽光に反射しキラキラと輝いたその時、セミのロックバンドが現われる。
――ツクツクボーシツクツクボーシ。
――チチチチヂヂヂヂ。
――ミーーーンミンミンミー。
鳴き声と共に、ギュイイイインとギターを高鳴らせるロックバンドのセミたち。
ドラムは後ろ、ギターは前に出て広がる立ち位置。
シリンは銃撃を行いながら、やや後退する。
ビビビビビと動く翅を狙い射る瑠碧が、付け根を狙って二の矢、三の矢と放てば、
『ミーーーン
……!?』
翅が千切れ、ロックバンドセミその1が落ちていく。
「長らく地中で耐えた命を散らすのは忍びないが……」
『ツ、ツクツクボォォォォシイイイィィ!?』
驚いたその2が瑠碧へと突撃してくるセミアタック。
「――」
向かって飛んでくるその姿に、心を無にする瑠碧。――背を向ければきっと追ってくるし、ぶつかれば痛いどころではすまない。
冷静に体勢を整えたのち、瑠碧は急旋回して避け、がら空きとなった敵腹部へと矢を射る。
『ジジジッ……』
脚を丁寧に畳んでロックバンドセミは息絶えた。
ダンダン、ズダンダンッ!
ドンドン、ダラララッ!
リズミカルな銃撃音とドラム音のなか、突如、ジャジャーンと鳴り響くシンバル。
またもや指揮を乱されたセミドラマーは、ドラムスティックでシンバルを抑える。
UFOから出て、天板に騎乗したニコリネがにっこりと微笑んでいた。
その手には、シンバルを打ったと思われるシャッター棒。移動販売車のシャッターを引き下げる際に用いる金属棒なので、勿論、先端はフック――つまり。
「こっちもイイ音が鳴りますよーに!」
思いっきりシャッター棒でドラムを叩けば、ドンッ! バリィッ! とフロアタムのドラムヘッドが破れた。
『…………!?!?』
最重要パーツ部分である。指揮にも使う。ショックのあまり、声もでないセミドラマー。
試しにセミドラマー側から、ドンとしてみても、どこか抜けた音になってしまった。
するっと接敵したニコリネが、セミドラマーの胸目掛けてシャッター棒をフルスイング!
『ジジジジッ!?』
「ごめんあそばせ!」
硬い体節を傷つたニコリネは、跳ねるようにして上空へ。猟銃の射線を抜ける。
『……カナカナカナ……』
どこか哀愁ある鳴き声を放つ。
ドラムもどこか哀愁あるメロディ――だが、それは細波程度の弱弱しいものとなっている――シリンの撃った弾は、風精霊が宿るものであった。
数多に発生した見えない風の波紋が、セミドラマーの音攻撃を封じ込めている。
弱くなった音波をUFOで掻き分け、近付くシリン。
「アンコールはいりますか?」
ゆるりと上げた手が振り下ろされた時、風精霊の宿る精霊猟銃が一斉に叩きこまれた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
木元・祭莉
【かんさつにっき】で!
わ、大セミの一人バンド?
アンちゃん、ノリノリだね!
じゃあ、おいらは違うリズム感で行こっと♪
ヘッドバンギングもいいけど、UFOでは難しいし!
葉巻型に乗り込んで。
操縦はダンスに同期させるよ(コードまきまき)。
『白蓮の舞』発動。
ゆるゆる前進しつつ、ふわりと避ける葉巻。
おっと、セミバンドが出現しはった~。
ほな、コラボセッションと洒落込みましょ?
じゃ~ん(扇ひらり)
だかだかだか(ふわりと白炎放射で薙ぎ払い)
つくつくほー(ぱしっと扇畳み)(爆発)
あらあら、大セミはん、腹筋割れてはる~。
たくまし♪(葉巻が加速して体当たり)
あら、ほんまに割れはった。
お茶目やなあ、コダちゃんみたいやわ~♪
木元・杏
【かんさつにっき】
UFOは透明超硬化ガラス(+オーラ防御)のスノードーム型
小太刀、まつりんの機体にもオーラ飛ばして防御し
ん、GO(こくん)
じゃーんとエレキギター装着
これがこの船の操縦桿
ビシッとグラサン、衣装はゴスロリ
♪今日のわたしはロッキン☆あん(いえーい)
♪せみに負けない
歌と演奏に合わせて機体も踊るように飛び回り
せみの鳴き声なんて気にならない
ノッて一回転&突撃ついでに
うさみみメイドさんズ(パンク姿)、GO!
セミの周りをくるくるっとまとわりついてジャンプ、目潰し、
密林で覚えたうさみみキックで
ドラムを叩く足をぴしっと折りにかかって?
徹底的に演奏の邪魔して、ドラムもリズムも刻ませない、いえぃ!
鈍・小太刀
【かんさつにっき】
宇宙の蝉時雨
空気ないのに音を響かせるなんてロックじゃないの
嫌いじゃないわよこういうの
勿論負ける気は無いけどね!
ノリノリで駆る乗物は
スピード重視の宇宙バイク的なUFO
黒地に青く鮮やかなエンブレムは兎のシルエット
バリバリバリっと爆音轟かせ戦場へ
杏の音楽に合わせ縦横無尽に駆け回る
はんなり祭莉んとは対照的に
ドラムを突き破り
トゲトゲ車輪で踏みつけながら蝉の巨体を駆け上がり
悪路をアクロバティックに疾走
蝉の背中に落書きするのも忘れずに♪
蝉ロックバンドが現れたら
スチームエンジンでブースト
文字通り蹴散らすわよ!
セミ(半分)ロック?
そんな半端許さない
完全燃焼させてあげるから!(炎と破魔の属性攻撃
空飛ぶヒーローもいる、ヒーローズアース。
UFOに乗ってエリア51から光の道を辿り、雲を抜け、対流圏、成層圏と到達しぐんぐんと上昇していく猟兵たち。
ドンドン、チャン! ドンドン、チャン!
『ミン、ミ、ミ、ミ、ミー!』
リズミカルなオープニングミュージック、巨大化したセミドラマーへと攻撃を仕掛ける猟兵たち。
熱圏へ入る手前にて、ドラムテクニックを披露するセミドラマーの音攻撃が空へ拡がる。
「わ、大セミの一人バンドー?」
葉巻型UFOに乗り込る木元・祭莉(オオカネコミミレッドメイド・f16554)のふわふわな狼耳がぴこぴこと動けば、UFOもくるんと回る。
接敵。
「ん、GO」
こくりと頷いた木元・杏(たれあん・f16565)が灯る陽光を手に、【かんさつにっき】の仲間へオーラを飛ばした。
透明の超硬化ガラスが施されたスノードーム型のUFOは、杏のオーラで内部がキラキラと輝く。
『ツン! ツックツック! ボォォシィィ!!』
「空気ないのに音を響かせるなんてロックじゃないの。嫌いじゃないわよ、こういうの!」
バリバリバリッと爆音を轟かせ、空を駆けるは黒いボディのバイク。
青い、鮮やかなエンブレムは兎のシルエット――鈍・小太刀(ある雨の日の猟兵・f12224)は宇宙バイクなUFOに騎乗し、灰色のツインテールをなびかせて爆走する。
音の衝撃波に乗り上げ、アップスン&ダウンズ。
「もちろんっ、負ける気は無いけどね!」
体を傾け急旋回、脚力に方向を任せ虚空でスライディング走行。その動きはリズムに乗っている――メインリズムを刻むのはエレキギターを装着した杏だ。
スノードーム型UFOの操縦桿である。
ギュイイイィィンンとかき鳴らす杏は、ビシッとグラサンそしてゴスロリな衣装とキメキメである。たれあん、もとい、たれてないあん。
『わ~、アンちゃん、ノリノリだね!』
ノイズ混じりの双子の兄からの通信に、杏はこくりと頷いた。
『♪今日のわたしはロッキン☆あん』
ドンドン、ジャン! ドンドン、ジャン!
『♪せみに負けない☆』
腹に響く重低音に負けじと、弦を弾き、リズムを阻害していく。
「じゃあ、おいらは違うリズム感で行こっと♪」
祭莉が乗る葉巻型UFOの操縦は、騎乗者の動きに同期していた。UFOから伸びる光のコードは数多に、祭莉の体に巻きついている。
いつも元気な祭莉の所作が、がらりと変化した。
力を抜き、芯を据え、正中線をより意識する。
「ご覧じ入り奉り候へ」
舞妓姿となった祭莉が踊れば、葉巻型UFOの動きもゆるやかに。けたたましい蝉の鳴き声もまた風情と、受け流し。
舞踊の祭莉、音を奏でる杏、そして爆音を轟かせて縦横無尽に駆け回る小太刀。
『ヂヂヂヂッ!』
指揮を担うドラマーが、新たなロックバンドを出現させていく。
「おっと、セミバンドが出現しはった~。ほな、コラボセッションと洒落込みましょ?」
扇を口元にあて、祭莉がにこりと言う。
「じゃ~ん♪」
開いた扇でひらりひらりと白拍子の、やや力強い舞い。
リズミカルな足踏みに、照射する白炎は勢いよく、そして摺り足の間合いに応じてふわりと拡がっていく。
「つくつくほー」
仕上げにぱしりと扇を畳めば、白炎が爆発し、ドンドン! ジャーン! と煽られた楽器も賑やかに。
――ギュイイイン、ジャンジャカジャカ。
ギターが鳴けば杏のスノードーム型UFOがくるりと回ってキラッと輝く。
回転&突撃はセミドラマーの体を抉っていた。
ジャーン! とシンバルに着地したうさみみメイドさんが、ジャンジャンと音を鳴らして飛び回り、セミドラマーのつぶらな瞳を潰しにかかっていた。
『カナカナッ!?』
ドラムスティックでぱしんと弾かれても、ただでは終わらないうさみみメイドさん。降下の勢いに乗って繰り出したキックはセミの脚を一本折る。
『ヂヂヂヂッ』
とても嫌そうに、セミドラマーが鳴き、ドラムを叩きまくった。
小太刀は、とある猟兵がフルスイングで破ったドラムヘッド――今は小さな破れ穴――に突撃していく。
そのままドラムヘッドを突き破り進めば、視界いっぱいに広がるセミの体節。
『ミ゛!?』
こんな懐まで入られたのはハジメテなセミドラマーは戸惑いの声をあげた。
「セミ(半分)ロック? そんな半端な演奏、許さないんだから」
セミの体を道に、ギュイイインとバイク型UFOで駆ける小太刀。
「完全燃焼させてあげる!」
炎と破魔の力をのせて。トゲトゲ車輪で、踏みつけ疾走するセミの体節はまさしく悪路。
『ヂヂヂヂッ』
くねっと動くセミの腹。
「よっと」
ハンドルを動かし、柔軟な対応。セミバトラーの背中に回れば、頭上はキラキラと輝く翅。
「鹵獲したバイクで走った記念、残さなきゃね」
と、落書きも忘れずに。
そんな小太刀から、セミドラマーを挟んで腹側。
「あらあら、大セミはん、腹筋割れてはる~」
ころころと鈴が転がるような笑い声で祭莉。トゲトゲ車輪の轍が残るセミの腹を見て。
「たくまし♪」
そう言って葉巻型UFOがぐるぐるっと加速して、セミドラマーへ体当たった。
轍を中心に、ぱっきり割れるセミの腹。
『あら、ほんまに割れはった。お茶目やなあ、コダちゃんみたいやわ~♪』
『ま、祭莉んんんんー!?』
通信はON。しっかりばっちり、小太刀には聞こえていた。
上空を駆けていた小太刀がロックバンドなセミにぐしゃりと着地。
蹴散らされたロックバンドなセミたちの――電撃解散の瞬間であった。
大成功
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ミルケン・ピーチ
SPDで行くよー
幼女ボディのぺしぇで出撃
セミさんだー!今年は10月くらいまで鳴いてたよねー!
UFOはロケットのとにかく早く動ける奴!
具体的に言うとマッハ1以上!
UFOに乗って思いっきり突っ込んでって、まずは一旦前を通り過ぎるよ
さらにUターンしてから【残像】を残しつつ目の前をまた通過
相手が攻撃してくるたびに、近づいては通り過ぎてくよ
相手の攻撃は全部音だから、こっちより遅くて追って来れないもんね!
相手の周りを飛び回りつつ攻撃の合間を【見切り】、途絶えた瞬間に一直線に飛び込んで【桃花百彩】で攻撃!
音速スピードから飛び出す【捨て身の一撃】だけど、速さが乗ってる分威力は倍増かも!
ドンドン、チャン! ドンドン、チャン!
ダララララララッ!
ドラマーの技が光る、空のロック会場。
『ミンミミミミー!』
リズミカルなオープニングミュージック、巨大化したセミドラマーへと攻撃を仕掛ける猟兵たち。
熱圏へ入る手前にて、ドラムテクニックを披露するセミドラマーの音攻撃が空へ拡がる。
それを突き抜けるように、ロケット型UFOに乗って接敵するのは花園・ぺしぇ――の体を借りたミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)!
「わー、セミさんだー! 今年は10月くらいまで鳴いてたよねー!」
陽気に元気に、六歳の子らしい、どこかたどたどしい声で突っ込んでいくミルケン。
『ミ゛!?』
凄い勢いで通り過ぎて行った何か(視認できなかった)に、びくっと仰け反るセミドラマー。
『……?』
なんかいっぱい飛んでるから、その一つだろうと、ドラムをリズミカルに打ち鳴らし、爆音で範囲攻撃。数打ちゃ当たる、である。
Uターンしたミルケンは、ぐるぐるーとセミドラマーの頭部を中心に飛び回った。
徐々に、その範囲を狭めながら。
『ミィン!?』
爆音が叩きつけられようとするも、それよりも早く、音圧から逃げるミルケン。
波長は円であり、一旦抜ければ、次の波。その波を見切って、縦横無尽に動くミルケンは一気に接敵し、仲間の猟兵が傷つけた敵ボディへと突撃した。
「いっぱい満開桃の花! 桃花百彩!」
音速に乗り、虫の胴へ頭から突っ込むミルケンロケット。
ゴーグルから伸びる触手がバキリッと体内を押し広げ、かつボディの連撃が襲う。
敵にとっては、内部で蠢く大きな弾丸が撃ちこまれたようなものだ。
『ミ゛ミ゛ミ゛ッッ!?』
体を貫き、再び青い青い空の中へ。
「えっへっへー、どーだぁっ!?」
くるりとミルケンが振り向けば、キラキラ輝くセミの翅がビビビビッと震えている。
「よーし、もっかいね!」
そう宣言して、ミルケンロケットは再び加速し、敵を狙うのだった。
大成功
🔵🔵🔵
城島・冬青
アヤネさん(f00432)と
アヤネさんのパイロットスーツ姿が格好良い!
乗り込む機体も戦闘機型で格好良い!
あのあの…コクピットに入ったら
アヤネ、いっきまーす!
って言ってみて下さい
キャー❤️(通信用インカムで聞いて黄色い悲鳴)
猟兵軍のエースパイロット(勝手に決めました)アヤネさんを堪能したので
華麗にセミも倒せそうです
あ、私はUFO乗らなくてもUCで空飛べるんでそのまま飛びますね
しゅわっち!(マッハで上昇)
華麗に舞いセミを倒す!!(ダッシュと残像で素早く動き回り死角からザックリ)
UC夜歩く効果である黒蘭の花弁はセミドラマーへの目眩しにも使ったりします
花弁を散らしながら戦う…私も超格好良い!
…はず!!
アヤネ・ラグランジェ
【ソヨゴf00669と】
UFOはカッコいい戦闘機型
はっきり身体の線が見えるスペーススーツに身を包み
スタイリッシュに戦おう
ソヨゴに言われた通りにしたのだけど
彼女テンション高いネ
うれしそうなのは良い事
調子に乗って行こう
ソヨゴは
ふつうに飛んじゃうのか
スーパーヒーローは便利だネ
敵がやかましいのは織り込み済み
ノイズキャンセリングヘッドホンで聴かないことにしよう
でも見てるだけでも騒がしいネ
SilverBulletをUCで機体に固定
でかいヤツには良く利く武器だ
電脳ゴーグル展開
照準をUFOとリンクして
機体を敵に向ける
腹と胸の間辺りが急所だろう
そこをまっすぐ狙って発射
セミファイナル
ぴたりと、身体にフィットするスペーススーツを着用したアヤネ・ラグランジェ(颱風・f00432)。
すらりとした脚、凜とした背。いつも流している長い髪は、一つに括ってポニーテールに。
「――ソヨゴ?」
しなやかな曲線に、アヤネが動くたびに揺れる髪。
どこか訝し気に城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)を呼ぶ声であったが、冬青の耳には届かなかったようだ。
「アヤネさんの……ッ、パイロットスーツ姿が格好良い!」
ぐっと拳を作って、震えている。
「ソ、ソヨゴ……」
もう一度声を掛けてみる。
震えていた、というか悶えていた冬青は、一度俯き――何か色々のみこんだようだ――ばっと顔を上げた。
「アヤネさん!」
「えっ、どうしたの?」
「あのっ、あの――あの戦闘機に乗るんですよね!?」
UFOが格納された広いハンガーの一画を、びしぃっと指差す冬青。そこには、いかにもエマージェンシーに赴くような戦闘機型UFO。
この戦闘機も格好良くって、色々相互したり掛け算されたり、様々な要因を経て冬青は、今、悶えていた。
「あのあの……」
冬青、頬を染めてもじもじ。
「コクピットに入ったら、『アヤネ、いっきまーす!』――って言ってみて下さい……!」
「???」
「お願いします!」
キラキラした瞳でお願いされたら、やるしかない。よく分からなかったけれど、アヤネは頷いた。
開いたハッチから中へストンと座って、通信装置をオンに。
閉まるハッチ越しに冬青の方を見たら、元気に手を振ってくれた。そして凄くキラキラしている。
約束(?)は果たさねば。
『アヤネ、いっきまーす!』
通信用インカムから直接響くアヤネの声に、
「キャー❤️」
と冬青は黄色い悲鳴を上げながら、ぴょんと跳んだ。
「猟兵軍のエースパイロット! ね、ね、そう思いませんか
!?!?」
誘導する米軍の人に、思わず同意を求めれば、と若干戸惑われつつも頷きが返ってきた。
『は~、すっごく堪能しました。いえ、してます。もっと、今から、堪能します』
インカムを通して聞こえる冬青の声は弾んでいる。
冬青の言われた通りにしてみたアヤネだが、まだ、あまりよく分かっていない。
けれど、彼女が嬉しいのなら、それでいいのだ。良いことだ。
と、アヤネの表情もまた嬉しそうなもので。
「ソヨゴ、このままこの調子に乗っていこう」
『はい! この、ビックウェーブに乗ります』
そう言って黒蘭の花弁を纏いながら、腕を突き上げる冬青。
「しゅわっち!」
その身は遥か空の彼方へと向かう。
「速い……ソヨゴはふつうに飛んじゃうのか。スーパーヒーローは便利だネ」
呟いて、アヤネもまた空へと飛立つ。
――テイクオフ!
ドンドン、ジャン! ドンドン、ジャーン!
ドラムとシンバルの音が響き渡る熱圏の手前。
『ミ゛ミ゛ミ゛ミ゛ミ゛! ミ゛ミ゛、ミイィーーンン!』
そしてけたたましいセミの声。
ノイズキャンセリングヘッドホンを装備したアヤネには、その音も声も聴こえないのだが――、
「見てるだけでも騒がしいネ」
『アヤネさん、行きますね』
「オーケー」
ノイズはなく、クリアに聞こえる冬青の声に応答し、アヤネは操縦桿を傾けた。画面に映るセミドラマーを見て、必中の位置を探す。
猟兵たちの華麗な攻撃に翻弄されるセミドラマー。
「音速で駆け抜けますよ!」
黒蘭の花弁を纏う冬青が空中を駆ければ、澄み渡る青の世界に滑らかな黒。闇夜を散らす。
『ヂヂヂヂッ!』
リズミカルにドラムを打ち、音攻撃を行うセミドラマーが発生する衝撃波で花弁を吹き飛ばす。
散る夜に紛れ、シンバルを踏み台に上へと飛翔し、死角へと迫る冬青。
陽光を受け、キラキラとしていたセミの翅は重なる猟兵たちの攻撃によってボロボロに。
付け根を狙い、花髑髏を抜刀した冬青が斬撃を繰り出す。
縦横無尽に空を翔ける冬青を目に、SilverBulletをセミドラマーに向けるアヤネ。二重螺旋のウロボロスで固定されたそれは、既に電脳ゴーグル越しにUFOと照準がリンクされていた。
「これで、セミファイナルだ」
射撃の反動も、音も、固定するUFOに吸われ――静かなものであった。
硬そうなセミの体に撃ちこまれたのは、UDC細胞炸裂弾。敵内部から破壊するその弾は、重ねてきた攻撃もあり、セミドラマーを瓦解させるには一瞬であった。
『ミ
……!?』
バラリ、と翅と残った脚が落ちた瞬間、セミドラマーは爆発四散した。
わわわ、と慌てて仲間の猟兵たちと一緒に離脱する冬青。
「これが本当のセミ爆弾……」
そう、呟いて。
こうして、ラグランジュポイントへの道は拓けた。
猟兵たちは宇宙へと進出していく。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴