UDCアース。山のふもとにあるビルの地下。
「はーい。ご主人様。ごはんですよー」
穏やかな女性の声。それにこたえる猛獣に似たナニカの吠え声。
「もーう。がっつかないでください。最初は頂きますを言って……」
女性の声がたしなめると、ナニカは先程よりも強く吠えた。
「怒らないでくださいよぅ……怒ってない? 本当ですかぁ? じゃあ、食べてもいいですよぉ」
ばり。ぴちゃ。ぐちゃ。噛み砕き、咀嚼する音。
「美味しそうに食べてくれる姿、大好きですよぉ。これからもお料理頑張りますねぇ」
嬉しそうな女性の声。
だが。彼女の主たるナニカが食べているのは、人の肉。
数時間前まで生きていた少女が、誘拐され調理され、今、異形の存在に喰われている。
「――という未来を予知したんだ」
グリモアベースで。ベッキー・ウッドは挨拶もそこそこに事件の説明を始めている。
「UDCアースのとあるビルは、邪教団のアジトとなってるんだ。
この邪教団は、先日、一体の強力なオブリビオン、邪神の召喚に成功した。
私が見た未来では、邪教団は人間を誘拐して殺害、邪神に食べさせてしまう。
――そんな未来は実現させちゃいけない!」
ベッキーは拳を握りしめ、怒鳴るように言う。
「今から動けば、誘拐が起きる前にビルにたどり着ける。事件を阻止できる。みんな急いでビルに行って。そして地下にいる邪神を退治してほしい」
このビルは地上階に邪教団の人間がいて、邪神は地下にいる。
地上階の制圧と人間たちの拘束・無力化は、UDC組織が行ってくれる。
「なので、皆は現場についたらすぐ地下に降りて」
だが、邪神がいる場所の手前の広い部屋には、『泥人』という種族が、多数集まっている。
泥人は邪神に仕えており、邪神の元に行く猟兵を通そうとはしないだろう。
「だから、まず『この泥人を倒してほしい』」
泥人は、不定形の泥みたいな生命体で、今は、人間の女性の姿をしている。人の言葉を話すこともできる。
「でも。私が予知した未来では、この泥人が攫われてきた人間を『調理』し、地下奥の邪神に食事として捧げるんだ」
本来は真面目で温厚な性格の彼女らは、今は邪神の為なら、抵抗なく人を殺せる。
邪神に仕えた影響か。あるいは邪教団が彼女らを洗脳したか。
「どっちにしたって、泥人との交渉は無駄。一体残らず殲滅してほしい。
一体一体は強くない。けど、数が多いし、協力し合う知恵もある。気を付けてね」
泥人たちを倒した後は、邪神との戦闘になる。
「連戦でしんどい依頼だから、戦いが終わった後は、気晴らしを用意したよ。
ビルは山のふもとにあるんだけど、山の中に温泉宿があるんだ。そこを猟兵みんなの貸し切りにしたんだ! ゆっくり体と心を休めてね」
でも、とベッキーは顔を引き締める。
「まず泥人達との戦いだね。彼女らも、みんなが邪神の敵と知ると、容赦してこない。だからみんなも容赦しなくていい。
犠牲者を出さないためにも――確実な殲滅を」
支倉みかん
支倉みかんです。ご閲覧ありがとうございます。
さて、今回の敵は泥人と泥人の主たる邪神です。
第一章の目的は、泥人の群れを倒すこと。
泥人は優しそうな女性の外見をしていますが、邪神に忠誠を誓っています。
邪神の元に行くためには、泥人のいる場所を通らないといけません。
故に戦いは避けられません。
ビルの地上階にいる人間教徒の拘束は、UDC組織が行ってくれます。
UDC組織は地下への侵入もサポートしてくれます。
なので人間への対処や侵入方法にプレイングをかける必要は『ありません』。
第三章に進めれば、温泉宿を貸し切りで楽しむこともできます。
皆様のご参加お待ちしております。
第1章 集団戦
『泥人』
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POW : 痛いのはやめてくださいぃ…………
見えない【透明な体組織 】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
SPD : 悪いことはダメです!!
【空回る正義感 】【空回る責任感】【悪人の嘘を真に受けた純粋さ】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ : 誰か助けて!!
戦闘用の、自身と同じ強さの【お友達 】と【ご近所さん】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
👑11
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UDC組織ともに邪教団のビルに侵入する猟兵。
地上階の制圧をUDC組織に任せ、猟兵達は地下への階段を降りた。
いくつかの扉を開け、通路を駆け、そして。部屋にたどり着く。
広い空間にいくつかの机や椅子が点在する部屋。そこに、多数の女――否、女の姿をした『泥人』がいた。
ある者達は立ち、ある者は椅子に腰かけ、互いに何かを話し合っている。
その泥人たちが一斉に、猟兵達に顔を向けた。
「こんにちはぁ」
「あれ?」
「あれれれ?」
「知らない人ですよぉ」
「どなたですかぁ? ひょっとして教団の人じゃない人ですかぁ?」
泥人達の眼に浮かぶ不審と警戒の色。
ジョン・グッドマン
先手必勝だ、慈悲はない
命乞い?それをしたであろう少女たちを泥人はどうした?それが答えだ
突入時【トライ・バル】【怪力】で戦闘力を上げる。
距離がある場合【クイックドロウ】【二回攻撃】【恐怖を与える】【マヒ攻撃】で敵の動きを封じよう。
肉薄した時には【捨て身の一撃】を【グラップル】で相手を他の敵に投げつける。囲まれたときは【なぎ払い】で敵を吹き飛ばす。
回避は【第六感】と【見切り】、防御は【激痛耐性】【生命吸収】で相手のスキを【戦闘知識】を【フェイント】を使い無理矢理突破する。
千頭・定
なんと恐ろしい。忠誠心は尊ぶものと学びましたが、 害あるものは別ですね。
「こんにちは、UDCエージェントです!」
私のユーベルコードは「驚愕」の感情を与えることで発動しますからね。
扉を勢いよく開けたら、そのままナイフを突き付けながら泥人に突っ込んでいきます。多少なりとも「驚いて」くれたら十全ですね。
「驚きました?驚きましたね?」
「どうぞ、お聞き下さい。ーーーーーの声を!」
成功したらユーベルコード発動です。
私の背中から飛び出す、白と黒の触手。それで泥人と戦闘をしましょう。
攻撃範囲に注意し、なるべく遠距離にならないように。
戦闘用に召喚されても、泥人自身を狙うことを第一に片付けていきましょう。
●技術と作戦
泥人たちの不審が確信に変わる前に、
「こんにちは、UDCエージェントです!」
千頭・定が突進。ナイフの切っ先を泥人に向けて。
「きゃあ?!」
「驚きました? 驚きましたね?」
声をあげた敵を、定は緑の瞳で見つめ、
「どうぞ、お聞きください。ーーーーーの声を!」
【可哀い私の祝い児】を発動。定の背から何かが飛び出た。蠢き伸びる。白と黒の触手だ。
定は触手を操る。一本で敵の脚を払い、別の一本で顔を殴る。泥人の顔を苦痛で歪ませた。
「ひっ……酷いですぅ」
「酷いだと? なら、泥人は人間に何をするつもりだ? それが答えだ」
冷たく言い放つのはジョン・グッドマン。ジョンはバルケースから出した錠剤を摂取、
「……トライバルッ!」
雄叫ぶ。【トライ・バル】で肉体を融合体へ。
ジョンは対UDC用の銃・プリエールを素早く抜き、撃つ。泥人の胸を貫く。
敵の悲鳴。ジョンは容赦も慈悲もなく連射。弾丸で敵を怯ませ、動きを鈍らせる。
定の触手とジョンの銃に、飛び散る敵の体液。
不意に。ぐにょ。床に落ちた体液が蠢動。体液は泥人に似た人型、泥人モドキに変化。床のあちこちで、泥人モドキが大量に出現。
「「助けてっ」」
泥人の声に従い、猟兵に迫る泥人モドキ。
ジョンは近づいた一体の腕を掴む。投げようとするが、ぐにゃ、掴んだ腕が伸びた。投げれない。
「人型だが、不定形。投げは不向きか」
逡巡するジョン。その隙をつき、他の泥人達が何かを投げてくる。投げてきたのは、透明な体組織。ゼリー状のそれが、ジョンの顔に付く。呼吸を封じようと顔の上を這う。
が、ジョンは怪力でそれを引き剥がす。ジョンは近くのモドキを薙ぎ払い、続く不可視の投擲を、勘と経験を活かしサイドステップで回避。
「ジョンさん、泥人モドキではなく、泥人自身に攻撃を。それでモドキは消える筈です!」
声を張る定。定はモドキ達を掻い潜り、泥人本体へ迫る。触手で鞭の如く打つ。
泥人本体が攻撃を受けた途端、モドキ二体が、ぱんっと破裂し消滅。
さらに定は別の泥人に接近、アサルトウェポンと記憶消去銃で胴を抉る。さらにモドキ二体を消した。
奮戦する定。が、敵の只中で戦う故に、消耗は大きい。荒く息をする定の背後に、一体の泥人が回る。その時、
ドス。ジョンのプリエールがその泥人の頭を撃ち抜いた。
「有難うございます、ジョンさん!」「こちらこそ先程の忠告、感謝だ」
敵の能力と数は厄介。が、己の技術を最大限に活かすジョン。敵の性質を見抜き的確に動く定。二人は敵数を、少しずつしかし確実に減らしつつある。
成功
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清水寺・大牙
「この世界は神様のバーゲンセールだな」
【行動】
「POW」で対抗しよう
とは言えやる事は一つ
泥人とやらを切り伏せるだけだが
透明とは言え実体はあるようだ、叩き落すか引き剥がして接近
剣刃一閃で切り伏せる
●やる事は一つ
「怖いですよぉ」「でも、ご主人様の所へ通しちゃだめですよぉ」
叫ぶ泥人達に、清水寺・大牙は常にまして鋭い眼光を放つ。
「ご主人様というのは、呼び出された邪神か……この世界は神様のバーゲンセールだな」
大牙はサムライブレイドの切っ先を前に。
「とは言えやる事は一つ。泥人とやらを切り伏せるだけだ」
前進する大牙に、泥人達が気づく。
「こないでぇ」「やめてくださいぃ」
言いつつ、透明な体組織を次々投げてくる泥人。
大牙は目を細める。
「投げてくるものは、透明だが実体はある。なら対処は可能だ」
敵の構えから投擲の軌道と速度を推測、透明なそれを刀で叩き落す。
が、床に落ちた体組織が蠢く。大牙の脚に絡み付き、動きを封じんとする。
それでも大牙は強引に足を動かし前へ。続く投擲物を切り捨て、或いは片腕で払い、消耗しつつも進む。
「こ、このぉ」
「切り捨てる」
掴みかかろうとする泥人達に、大牙は【剣刃一閃】。横凪の斬撃! 次の瞬間には、泥人二体の胴が切断され、床に崩れ落ちた。
大牙は斬撃を放ち続ける。悲鳴をあげる敵を微塵の容赦もなく、斬る。
敵は既に遭遇時の半数以下。
敵意のこもった敵の眼を、大牙は無表情で受け、刀を中段に構えなおす。
成功
🔵🔵🔴
ルリ・アイカワ
POWにて対抗
「さて・・・目標多数、こういう時は」
自身は最適解を演算を開始し、答えを出す
各射撃兵装での【範囲攻撃2】【誘導弾2】【一斉射撃2】を使った面制圧
丁寧かつ念入りに広範囲を攻撃するのが一番だ
それでも抜けてくる者は居るだろうから、近接戦も考慮しておく
近接武器による【2回攻撃5】、移動時に【踏みつけ1】をついでに行っておこう
可愛い容姿に心地よい声で懇願されては良心が痛み隙も出来るだろう
残念だけど、うちは機械身体で戦闘用のロボット
相手が悪かったと思ってもらう他無い
●銃撃は無慈悲な雨の如く
「さて……未だ目標多数、こういう時は」
ルリ・アイカワは緑の瞳で敵群を観察、演算を開始。
敵は投擲する為か、猟兵と距離を取ろうとしている。ルリは前衛の仲間へ声をかけた。
「皆、下がって」
仲間が動いたのを確認。ルリは携行していた装備から、誘導質量弾を発射する。誘導弾は敵の只中に着弾。
轟音。天井から砂埃。
「やめてくださいぃ」「痛いの嫌ですよぉ」「帰ってくださいぃ」
「その心地よい声で懇願されては、良心が痛み隙も出来るだろう」
傷だらけの泥人の声に、ルリは眉一つ動かさず、マルチウェポンシステムを起動。
「残念だけど、うちは機械身体で戦闘用のロボット。相手が悪かったと思ってもらう他無い」
ルリは銃撃する。雨の如く放つ無数の弾丸。点ではなく、面を制圧するための徹底的な攻撃。泥人に幾つも穴を開け、完膚なきまで破壊した。
だが。三体の泥人が銃撃を迂回、ルリに迫る。
その接近は予想済み、ルリはエクスアンチマテリエルハンマードアックスを一閃、二閃、三閃! 床に倒れる泥人達。
虫の息の泥人が問う。
「こ、こんな……アナタは何者?」
「既に言った。うちは戦闘用のロボットだ」
ルリは答え、斧の刃を敵の首へ。敵を終了させた。
残敵はあと僅か。が、どの個体も必死で抗おうとしている。油断は禁物だ。
大成功
🔵🔵🔵
虚偽・うつろぎ
むむむ、ブラックタールと被ってるんじゃないかい?
とりあえずUDCは全て補食スール
それでは我輩が相手をしてあげよう
ユー達、エスケープさせないのである
戦闘時は12の刻印を変化させた腕で攻撃
防御もその腕で受けて対応
呪詛耐性、毒耐性、オーラ防御に武器受け、盾受けなどの技能を駆使して敵の攻撃に耐え
おびき寄せで敵を誘き寄せ
ウツロギ(ブンレツモード)で範囲内全ての敵を数の暴力で袋叩きにしていく
上記技能とPOWでそれなりに耐久性はあると思うので
回避は考えずそれぞれ12の腕によるぺちぺち叩く攻撃で群がって袋叩きである
本体は少し離れた所(ユーベルコードの効果範囲内)でふっふっふっふっ!と高笑いしながら高みの見物
●75×12
「それでは、吾輩が相手をしてあげよう」
『うつろぎ』を体現するブラックタール、虚偽・うつろぎは声を響かせた。
「か、帰って下さいぃ」
「残念だが、吾輩はゴーホームしないのである」
うつろぎは飄々と敵に答え、12の刻印を腕に変化させる。
「嫌ですぅ、帰ってぇ」
声をあげ腕を振り回す泥人。か弱く見えても、その力は強い。
が、うつろぎは12の腕を操り、敵の攻撃を払い、防御。己の身に届かせない。
泥人達はうつろぎを強敵と判断したか、一斉に向かってくる。
そのタイミングで、うつろぎは【ウツロギ(ブンレツモード)】を実行。75の分裂体が出現!
「ユー達、もうエスケープさせないのである」
うつろぎが言った瞬間、分裂体が各々12の腕で泥人を襲い出す。
泥人達の悲鳴。それでも、数体はうつろぎ本体を睨む。
「ほ、本体さえ倒せば――」
「着眼点はグッドだが、数の減ったユー達にはインポシブルである。ふっふっふっふっ!」
高笑いするうつろぎ。自身は敵から距離を取る一方、分裂体で泥人達を囲み、接近を許さない。投擲しようとする個体には、背後から攻撃を加え妨害。
分裂体は泥人達を攻め続ける。顔に背に腹に、75×12の腕から徹底的な打撃!
仲間の攻撃で弱っていた泥人達は、うつろぎの力に意識を失い、倒れていった。
全ての泥人達の消滅を確認し、猟兵達は、部屋の奥にある扉に目を向ける。
金属でできた分厚い扉の向こうに、邪教団が呼び出した【邪神】がいる筈。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『牙で喰らうもの』
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POW : 飽き止まぬ無限の暴食
戦闘中に食べた【生物の肉】の量と質に応じて【全身に更なる口が発生し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD : 貪欲なる顎の新生
自身の身体部位ひとつを【ほぼ巨大な口だけ】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ : 喰らい呑む悪食
対象のユーベルコードを防御すると、それを【咀嚼して】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑17
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怯えながら悲鳴をあげながら、それでも猟兵に抗い続けた泥人。
だが、猟兵達の猛攻が泥人達を最後の一体まで掃討した。
猟兵達は部屋奥の金属扉を開く。饐えたような酸っぱいにおいが猟兵の鼻に届いた。
先程より広く、薄暗いその部屋の奥にソレはいた。
二本の脚で立つ異形。
「「キキキキ……飢飢飢飢……」」
ワニに似た巨大な口から、腹や背に存在する複数の口から、声を出す。
ガチ! とソレは歯を打ち鳴らす。ガチガチッ、ガチイッ!
ソレ――『牙で喰らうもの』と呼称される邪神は猟兵達へ体を向ける。
「「ジジジジ……餌餌餌餌……」」
口から体液を零しながら、近づいてくる。
星蝕・焉夜
【POW】
「人肉を喰らうUDCか……
『笑顔』と似ているが、こんなモノを放ってはおけんな……
徹底的に潰すとしようか……」
『僕はこんなに下品じゃ無いしー
食べる時はもっと美味しそうな時に食べるよ!』
「今は黙ってろっ!」
右手に持った銃ごと鮮血を纏わせ大鎌の形状へと変貌させ足や腕を切断させる
(ブラッド・ガイスト)
「『ミミック』、出番だ、任せるぞ……」
『ーーーっ!!』
人格を変え、咆哮を上げながら本能的に見切り、力強く薙ぎ払い、死角に回り込んで捨て身の一撃を叩き込む
ただただ戦闘本能に身を任せ確実に潰れるまでぶち壊す
アドリブなど歓迎
『ミミック』
性格はバーサーカーで喋れない
『笑顔』
暴食で楽観狂人
●本能に身を委ね
「人肉を喰らうUDCか……『笑顔』と似ているが、こんなモノを放ってはおけんな……徹底的に潰すとしようか……」
『僕はこんなに下品じゃ無いしー食べるときはもっと美味しそうな時に食べるよ!』
「今は黙ってろっ!」
星蝕・焉夜は別人格に怒鳴りつつ、銃に血を垂らす。血を纏い銃は大鎌へ変化。
彼の目前で邪神は牙をガチッと打ち鳴らし、腕を振り上げた。
「『ミミック』、出番だ、任せるぞ……」
焉夜はミミックと人格を交代。現れるなりミミックは吼えた。
『ーーーっ!!』
そのミミックに邪神の腕が振り下ろされる。爪がミミックの肌と肉を抉った。鮮血。
「……キキキキ……喜喜喜喜……!」
邪神は爪で抉った肉を喰い、血を啜る。邪神の肌が蠢き、ぐばぁと新たな口が開く。
邪神はまた腕を振り回す。血肉を喰らった故か速度が増していた。
が、爪が当たる直前、ミミックは身を屈めた。空ぶる敵の腕。ミミックは屈んだまま、鎌を横凪ぎに。脚を斬る。
バランスを崩す敵。即座に、ミミックは立ちあがった。
『――っっ!!』
咆哮。ミミックは背をそらす。体のばねを用い、鎌を縦に一閃。
相手の腕を断たんばかりの、一撃!
「「ガガガガ……餓餓餓餓……ァ!」」呻く邪神。声に混じる、敵意と痛み。ミミックの攻撃は確かに効いている。
成功
🔵🔵🔴
ルリ・アイカワ
POWで対抗
「うちは生物か否か」
哲学を巡らせながらも策を考える
自身での答えは既に出ていた
金属等の塊の無機物に過ぎないと
それにちょっと手足が生えてる程度だろう
無数の口と牙はどの程度かけん制し脅威度を計っておこう
場合によっては腕の1つくらいは喰わせてやる
何も無ければそこからはうちのユーズベルトコードの出番だ
一転攻勢に出る
もし、良くない結果なら後退して【援護射撃1】で後続の支援に回るとするか
虚偽・うつろぎ
まだまだインパクトが弱いのである
口増やすだけではねー
僕を食べれるものなら食べてみると良いよ
ほら、柔らかジューシーっぽいよ
防御重視でディフェンダー的役割を担うよ
いわゆる肉壁
仲間が攻撃を受けそうになったらとっさに庇い(技能かばう)
同時にムテキモードを発動
技能おびき寄せを活用し、しばしの間、敵を引き付けるよ
ムテキモード中は一歩も動けないので
敵を引き付ける代わりに攻撃は仲間に任せるよ
我輩ごと攻撃するのである、ってやつです
●牙を弾く者、身を貫く銃弾
「うちは生物か否か」
ルリ・アイカワは哲学的な問いを口にしつつも、戦場を駆ける。茶のウェーブヘアが揺れた。
「その口と牙はどの程度か――」
邪神の胴へ長柄の斧で切りかかる。邪神の肉を裂く刃。追撃するルリ。二度三度と胴を傷つける。
が、刃が止まる。邪神の腹に生えた口が、ルリの刃を牙と牙で挟み、止めたのだ。
「「ググググ……愚愚愚愚ッ!」」
邪神は体を揺する。斧越しの振動に体勢を僅かに崩す、ルリ。その瞬間。邪神は、斧から口を離す。ルリに身を寄せた。
邪神の牙が、ルリの身の金属部分を抉り、貪る。
邪神はルリを喰わんとさらに口を動かす。その時、
「インパクトが弱いのである!」
虚偽・うつろぎが邪神に接近。邪神に体をぶつけた。
「口を増やすだけではねー。ん? 僕を見てどうしたの? 僕を食べたいの?」
自分に注意を向けた邪神へ、うつろぎは矢継ぎ早に言葉を投げる。
うつろぎそのものの、ブラックタールの体をくねらせた。
「僕を食べられるものなら食べてみるといいよ? ほら柔らかジューシーっっぽいよ」
言葉を理解したか、邪神はワニの如き口をうつろぎに近づけ、咬む。
が、うつろぎの体はその牙を弾く。牙が当たる寸前、【ウツロギ(ムテキモード)】を発動させ、究極防御めいた姿勢を取ったのだ。
邪神はうつろぎに腕をぶつける。が、うつろぎは揺らがない。
爪で突きかかる。しかし、うつろぎには刺さらない。
再び咬む。それでも、うつろぎは全くの無傷。金属さえ貫く牙を、うつろぎの体は完全に弾く!
「「ギギギギ……疑疑疑疑?!」」邪神の苛立ちの声。
「おや、吾輩のボディはユーのマウスには合わないのであるか?」
うつろぎは敵を挑発、そして仲間に告げる。
「吾輩ごと攻撃するのである!」
「了解だ。計測と演算は終わった。攻勢に出る」
答えたのはルリ。損傷は軽くない。しかし平然とした顔で立っている。
「金属を喰いはするが、生肉の場合と違い、戦闘力の増加はない。なら接近戦に問題はない」
ルリはうつろぎに気を取られた邪神へ接敵。
マルチウェポンを起動。肌へ銃口を突きつけ撃つ。零距離射撃で穴をあける。
よろめく邪神。その背後に、ルリは【実体を持つ戦場の虚像】で複製体を召喚。
複製体は、敵の背へ銃撃! 弾丸が敵の肉を貫通!
敵を引きつけ、固い守りで壁役を務めたうつろぎ。敵の脅威度を計測した上で、一転攻勢に出たルリ。二人の作戦は見事に噛みあった。
結果、ルリの銃弾は邪神に複数の穴をあけた。
それでも邪神は立ち続けている。
「「キキキキ……忌忌忌忌ッ
……!」」
今まで以上の禍々しい気を放ち、猟兵へ一歩を踏み出してくる。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
千頭・定
これが邪神…神ですか!?
触らないように攻撃とかできますかね…?無理ですよね…。
[先制攻撃]で攻撃です。
武器は対UDC道具の三叉槍。その長い舌を刺してやりますよう。
「ええ、邪神討伐です。速やかにお帰りください。」
真っ向から向かうと危険ですので、技能[だまし討ち]を使って背後から攻撃です。
「飢えているのですね。なら、コチラをお食べくださいな!」
大きな口ですから。槍を喉奥に突っこみましょう。
後は繰り返し、隙を狙って[だまし討ち]や技能[2回攻撃]で力を削いで行きます。
最悪、大ダメージを受けてしまったらユーベルコードで対処します。
少しでも、力を削いでやりましょう。
(アドリブ・連携歓迎ですよう)
ジョン・グッドマン
犠牲者はもう出さない、ここで終わらせる
行くぞ、トライバルッ!
敵に肉薄し、【見切り】と【第六感】で相手の攻撃を避ける
【グラップル】【捨て身の一撃】で肉弾戦を行い相手の攻撃を誘発する
攻撃してきたら【第六感】【見切り】【フェイント】【武器受け】で攻撃をいなし、【二回攻撃】【クイックドロウ】の【零距離射撃】を行う
【恐怖を与える】【マヒ攻撃】【呪詛】で相手の動きを阻害し、のちに続く猟兵達のサポートをする
喰いたいのなら馳走してやろう。特殊弾だ、刺激的な味だろう?
●内部を破壊
千頭・定とジョン・グッドマンは、邪神の巨大な殺意と食欲を、肌に感じていた。
「これが邪神……神ですか!?」
「相手が何者でも、犠牲者はもう出さない。ここで終わらせる。行くぞ、トライバルッ!」
眉を寄せながら、細く黒い三叉鎗を構える定。使命感を青の瞳に宿すジョンは、超濃縮特殊キレート剤を出し、【トライ・バル】で融合体へと変化。
二人の視線に気づいたか、邪神は走り距離を縮めてくる。
「そちらから来るとは都合がいいですね。邪神討伐です。速やかにお帰り下さい」
定は虎鶫の槍の先端を邪神に向ける。が、それはフェイント。
邪神が身構えた瞬間、定は厚底の靴で床を蹴る。低姿勢で相手の横を潜り、背後を取った。
邪神の背にある口。そこから伸びた舌を、定は穂先で貫く。
「「――?!」」
不明瞭に叫ぶ邪神。邪神は体を捻る。腕を振り回す。その動きは乱暴で且つ速い。
定の頭に邪神の腕が命中。床に転がる定。
追撃せんと手を伸ばす邪神。その腕に、
「させるか!」ジョンがナイフを突き立てる。使い込まれた黒の軍用ナイフで肌を抉る。
二人が作った傷から邪神の体液が飛び散った。
「オオオオ……悪悪悪悪ッ!」
邪神の怒声。邪神は首を突き出す。ワニの如き口で咬まんと。
ジョンは咄嗟にバックステップで回避。
反撃に転じようとするジョン。が、敵は止まらない。爪で、体に生えた口で、執拗にジョンを狙う。
「早いっ……だが、反撃の機会は必ずある筈……」
必死に攻撃を捌き続けるジョン。
ジョンが防戦している間に、定は態勢を立て直した。
定は敵側面に回り、槍を大きく振る。派手な動作で放つ、注意を引く為の一撃。
果たして邪神が定に意識を向けた。
その隙をジョンは逃さない。敵の口の一つにプリエールの銃口を向け、
「そんなに喰らいたいのなら馳走してやろう。特殊弾だ、刺激的な味だろう?」
撃ち出す、対オブリビオン用弾丸『THE QUEEN』!!
「「ヒヒヒヒィィ……悲悲悲悲ィィィッ……ッ!」」
弾丸に込められた麻痺と恐怖の呪詛の力に、邪神は全ての口を開き、悲鳴。
定は、
「私からもご馳走です。コチラをお食べくださいな!」
一際大きく開いた邪神の口に、虎鶫の槍を突き入れる!
渾身の力で喉奥を刺す。確かな手応え!
「「―――――っ
!!!」」邪神の絶叫。
ジョンと定は敵の体内への攻撃に成功。
ジョンと定が与えた大きなダメージに邪神はのけ反り、仰向けに倒れた。
両手をつき立ち上がるが、体勢は大きく崩れている。猟兵達にとって、大きなチャンス。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
クラト・ディールア
これだけ、ボロボロならば倒さねばなりません。
ええ、絶対に。
「全力でまいります!」
武器は『黎明・龍牙刀』で『弐式・龍牙開眼』を発動させて、ほぼ攻撃重視でまいります。
『フェイント』で噛みつかれるフリをし、『2回攻撃』『呪詛』を込めたユベコの衝撃波で攻撃をします。
「深淵へお帰り下さい!」
体力を奪われたら『生命力吸収』で奪い返すだけです。
「さぁ、痛みのない世界へ……現世とお別れしましょう」
『翼竜の槍』を槍形態し、『槍投げ』をして『串刺し』にします。
その牙が生えた口で、満たされない餓えから解放させる為に。
虚偽・うつろぎ
そろそろトドメとなるであるかな
しっかり食べておいてあげるから安心すると良いよ
その口は我輩に融合されるであろう
ブンレツトッカンモードを使用
攻撃回数を重視してマシンガンの如く分裂体を突貫させまくるよ
本体はおびき寄せで敵を引き付け、オーラ防御や武器受けで防御重視のスタイル
その間に分裂体で攻撃である
敵が倒れる寸前と感じたら
最後は技能:捨て身の一撃で本体も突貫して無駄に有終の美を飾っておくよ
まるで親指立てながら溶鉱炉に沈んでいくかの如く
無駄に満身創痍になった状態で
残った敵の体はもそもそ腕から吸収して補食しておくね
●それぞれの動機を抱き
虚偽・うつろぎは、再び邪神の前に躍り出た。
「そろそろトドメとなるであるかな? 倒した後はしっかり食べておいてあげるから、安心すると良いよ」
うつろぎは、ウツロギ(ブンレツトッカンモード)を実行。18体の分裂体を出現させた。分裂体は跳びはね、邪神へ特攻。次々に体当たりを浴びせる。
一体が払われても、別の一体が体をぶつけ、さらに一体が攻める。止まない連撃。
「オオオオ……悪悪悪悪ッ!」
怒る邪神。うつろぎ本体を睨むが、
「虚偽さん、私も戦います」
クラト・ディールアが、邪神の側面に立つ。傷ついた邪神に向ける眼差しに、確かな決意。
「牙で喰らうものよ、全力で参ります!」
『黎明・龍牙刀』で敵の胴を、斬る。結果、邪神は標的をクラトに変えた。顔をクラトに寄せる。
口が己に触れる寸前、クラトは【弐式・龍牙開眼】を発動!
「あなたはここにいるべきではない。深淵へお帰り下さい!」
刀を素早く縦に。至近距離の敵に、衝撃波を放射。慌てて顔を引く邪神に、新たな衝撃波で追撃!
「ド、怒ォ―――ッ!!」
邪神は絶叫。複数の口から、血めいた物。
邪神の腕が、ほぼ口だけの頭部に変化。
大口を三つに増やし、邪神は暴れ回った。元右腕の口で、クラトの腹を抉る。元左腕の口で、うつろぎの分裂体の一体を齧った。
「吾輩はヒアである!」うつろぎは本体自ら敵前で跳ね、注意を引く。
邪神の大口二つがうつろぎを狙った。牙が刺さるが、うつろぎは刻印の力で防御、ダメージを軽減。
本体が攻撃を受けている間に、分裂体は攻撃を再開。銃弾の如く鋭く突貫。
黒き龍の衣を己の血で染めたクラトも、反攻。
龍牙刀で敵を刺す。己を齧った敵の力を吸収、生命力を奪い返す!
うつろぎの分裂体とクラトの刀に圧され、邪神は尻餅をつく。
「ビッグなチャンスである。合わせるのである!」「了解です、虚偽さん」
うつろぎはクラトと言葉を交わし、床を蹴る、分裂体と共に突撃。うつろぎの捨て身の一撃が、邪神を悶絶させる!
クラトもうつろぎに呼応。
小型ドラゴンが槍形態に変化。クラトは、その柄を確り握った。邪神の姿を金の瞳で見つめ、
「さぁ痛みのない世界へ……現世とお別れしましょう」
背をそらし鎗を投擲。『翼竜の槍』が邪神の左胸を貫き、串刺しに!
二人の攻撃を受け、邪神は「悲ィィィィィィ!」一際高く鳴く。そして完全に沈黙。塵となって消えていく。
うつろぎは満身創痍の体を動かし、元邪神の塵をもそもそ吸収。
クラトは目を閉じる。満たされない餓えにもがいていた存在へ、真摯に黙祷。
猟兵達の活躍で、山のふもとの地下にいた邪神は消えた。もう誰かが食べられることはない。猟兵の力が、惨劇を防いだのだ!
大成功
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第3章 日常
『山奥秘境隠れ家的温泉宿』
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POW : 美味しい料理に御満悦コース
SPD : 卓球に遊具にアクティビティコース
WIZ : 温泉にサウナ、岩盤浴のリフレッシュコース
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猟兵達は邪神は倒した。故に邪神と泥人が誰かを殺すという未来も、消えた。
世界を救った猟兵達に――UDC組織からプレゼントがある。
邪教団のビルは山のふもとにあるのだが、その山の奥に温泉宿がある。
その温泉宿を、猟兵達の貸し切りにしてくれるというのだ!
空気の澄んだ山の中、体に沁みる温泉にゆっくりつかって、体の疲れを癒そう。
卓球やまくら投げを楽しんでもいい。
料理も常識的な範囲なら、好きなものを好きなだけ注文して構わない。
他にも、楽しみ方はあるだろう。
さあ、それぞれの方法で温泉宿を楽しもう!
ジョン・グッドマン
役得だな、普段なら直帰して書類の嵐だが。偶には悪くない
WIZ 温泉にサウナ、岩盤浴のリフレッシュコース
露天風呂に入りながら景色を楽しむとしよう、湯にのぼせる前にあがって宿回りを散歩する
●穏やかな時
ジョン・グッドマンは今、露天風呂の湯の中に体を埋めていた。
湯の熱が体に沁み込んでくる。頬に触れる涼やかな空気が、心地よい。
ジョンの青い瞳に映るのは、温泉の湯気と、露天風呂を囲む常緑樹たち。
視線を上に移せば、空には満天の星。一月の澄んだ空気が、星をいっそう綺麗に見せる。
「ふぅぅぅ……」
深く息を吐くジョン。
「湯を楽しみ、夜の山の景色を楽しむ。これも役得だな。温泉宿を貸し切りにするとは、UDC組織もなかなか粋なことをしてくれる」
ふっ、ジョンは微かな笑い声を漏らす。
ふと。ジョンは遠い目になった。
「普段なら直帰して、今頃は書類の嵐と格闘しているころだが」
でも今の自分がいるのは、山中の鄙びた温泉だ。普段とのギャップに、ジョンは湯につかったまま、また笑う。
暫くして。
ジョンは湯から出て、眠る前に宿の近辺を散歩していた。
人の手が余り入っていない暗い山中、舗装されていない道を、歩く。
肌には冬の冷たさ。肺に流れ込むのは、木々のそばにいる故の、新鮮な空気。ほーぅ、梟らしき生き物の声が遠くから聞こえてくる。
「温泉宿に、山の散歩……こういうのも偶には悪くない」
ジョンはゆっくりと歩き、夜の山の中の自然を堪能し続けるのだった。
大成功
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虚偽・うつろぎ
WIZを選択
岩盤浴を体験してみるよ
じゅーじゅー下から熱されてステーキな気分だね
いや、違う、これはステーキではなくバターだ(軽く溶け
らめぇー我輩溶けちゃう
岩盤浴の次は温泉かな
ぐつぐつ煮られ気分で出汁もたっぷりだね
うつろぎ汁が染みだしたうつろぎ温泉と名付けよう
効能は肌にネバつきを与え、髪が少し溶けるよ
温泉を堪能した後はマッサージチェアでのんびりくつろぐとするよ
チェアの上で伸びて垂れてリラックスモードさ
●溶けちゃう位に良い温泉
虚偽・うつろぎはタオルを引いた天然石のベッドで横になっていた。温泉宿で岩盤浴をしているのだ。
「じゅーじゅー下から熱されてステーキな気分だね」
熱をより感じようと体を裏返す。「う」から「ぎ」まで全ての部分が輻射熱で温まっていく。
「うん?」
一画目のリーゼントが、ぴくり。
「違う、これはステーキではなくバターだ」
そう、うつろぎの体が熱されたバターの如く溶けていく。タオルの上にとろっと広がるうつろぎ。
「らめぇー吾輩溶けちゃうー」
うつろぎのあられもない声。
岩盤浴で溶けかかったうつろぎは、今度は温泉の湯の中へ。
熱い湯に漬かったまま体をふにゃふにゃとくゆらせる、うつろぎ。
「今度は煮られ気分で出汁もたっぷりだね」
朗らかに言いつつ、湯を覗き込む。体周辺の湯は光の加減か、黒ずんで見えた。くすっとうつろぎは笑う。
「本当に出汁が出たら、うつろぎ汁がしみ出したうつろぎ温泉と名付けよう。効能は肌に粘着きを与え、髪が少し溶けるよ」
髪が溶けちゃ駄目じゃん――突っ込む者はいない。
うつろぎは体を起こす。今度はマッサージチェアでくつろごうと脱衣場へ。
バターになったり伸びて垂れたり、温泉宿をめいっぱい楽しむうつろぎだった。
大成功
🔵🔵🔵
ルリ・アイカワ
SPDで卓球でも
娯楽に興味が無く、その辺をうろうろしてる
ふとユーズベルトコードの性能に疑問が沸いて出てきた
勿論、戦場ではないここでは発動した所で出来る事が無いだろう
「ふむ、あれならどうだろう」
遊戯室へ行って誤認プログラムを走らせよう
戦場では起動が遅く、使えないが今は時間はたっぷり有る
プログラムが作動し準備が出来次第それを使って自信と自身の複製の性能を測ってみるか
ラケットを持って、ユーズベルトコードの発動を待つだけ
そう、卓球台という戦場で待つだけ
●ラリーは精密にして高速
ルリ・アイカワは宿の廊下を歩いていた。
すたすた……ぴた。ルリは足を止める。腕組みをし、何かを考えこむ表情。数秒して、
「ふむ、あれならどうだろう」
ルリは宿の遊戯室へ入った。
「プログラムを走らせよう。戦闘では起動が遅く使えないが、今は時間はたっぷりある」
遊戯場の道具を手にすると、宙の一点を見つめた。時が止まったように動かなくなるルリ。
……。どれほど時が経ったか。
不意に。ルリそっくりの存在が出現。【実体を持つ線上の鏡像】で召喚したルリの複製体だ。ルリは独自の方法でユーベルコードの使用条件を満たしたのだ。
「さあ、うちと複製体の性能の測定を行おう。卓球台と言う名の戦場で」
ルリと複製体は、手にした道具――ラケットを握りなおし、卓球台の前にそれぞれ立つ。
複製体と視線を交わし、玉を投げラケットを振る。相手のコートにボールを叩きつける。
弾むボールを打ち返す複製体。
右に左に機敏に動くルリ達。打ち合う度どんどん早くなる玉。
「もっとスピードをあげよう」
既に素人では視認し辛いスピードの玉に、ルリはラケットを当てた。
「もう少し早くても対応できるか……?」
性能の測定はまだまだ続きそうだ。卓球台の前、ルリと複製体は息を乱さず、動き続けている。
大成功
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クラト・ディールア
【POW】
やはりこういう時は、食べ物を食べるに限ります。
肉料理、魚料理……中華とか異国の料理は初めてです。
(アックス&ウィザードの和国出身)
「お寿司……そういえば、師匠も好きでしたね」
魚が乗ってるお寿司ばかり食べて、何となく昔を思い出す。
「白い! お菓子が白いです!」
全粒粉みたいな小麦を使った物が多いので、白くなくて黒糖が入ったパンみたいな色が普通。
「師匠と皆に持って帰りたいです。なんで、こんなに綺麗なんですか!?」
ちょっと興奮しつつも食べる。
「コーヒーも美味しいです! 師匠作のタンポポコーヒーより美味しいですねぇ」
驚きもありつつも今は落ち着いて楽しんでいる。
●ご馳走と想い出の味
クラト・ディールアは宿の食堂で食事をとっていた。
チーズ沢山のグラタンや、中華風の餡を地鶏の唐揚にかけた料理……クラトは様々な料理を楽しんでいたが、ふと箸を止める。
運ばれてきた皿に、寿司が載っていた。
「お寿司……そういえば、師匠も好きでしたね」
クラトは鰻の寿司を摘まむ。力強い鰻の味に、ほんのり酢の利いた飯。
その味は、思い出の味と同じではない。それでも、クラトは遠い目で追憶に浸る。
お腹がやや膨れてきた頃、デザートが運ばれてくる。
雪のように純白の、レアチーズケーキ。上に、ラズベリーのジャムがちょこん。
「白い!」はしゃぐクラト。
「お菓子が白いです!」
クラトの顔は、童心に返ったかのよう。
「師匠と皆に持って帰りたいです。なんで、こんなに綺麗なんですか!?」
ケーキを一口し、「わあ」とまた声。
滑らかな舌触りと、程よい酸味と甘味に、うっとりするクラト。
ケーキの横に置かれた珈琲は、芳しい香り。飲めば、さっぱりした苦み。
「コーヒーも美味しいです! 師匠作のタンポポコーヒーより美味しいですねぇ」
お寿司もケーキも珈琲も、クラトの舌を楽しませ、お腹と心を満たしてくれた。
「やはりこういう時は、食べ物を食べるに限ります」
クラトは幸せそうに微笑みつつ、珈琲を啜った。
大成功
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