アースクライシス2019⑥~波間の蝋燭
●ハワイ沖
「キャプテン! これは普通の波じゃねぇ!!」
「くそ、近づく事すらできんとは……!」
ハワイ沖で発生したビッグウェーブ。それはアトランティスのレディ・オーシャンが開始した、世界を滅ぼすと言われている『大海嘯』の儀式で発生した前兆だった。そのビッグウェーブが、集結したアメリカ第七艦隊を初めとした国連軍やヒーロー・ヴィラン連合軍を阻んでいた。
「この大波……だんだん強まっている!?」
「見ろ! 大波を、何かが乗っているぞ! あれは
……!?」
それは蝋燭だった。
だが、ヒーローをすら阻む大波に乗るのがただの蝋燭であろうはずがない。それは蝋燭の身体もつ怪人、蝋燭兵士『キャンドルソルジャー』。サーフボードに乗った蝋燭兵士が波間を駆けるたび、ビッグウェーブが強まってゆく。
「あれは……」
「知っているのか、オババア!?」
「うむ、あれこそは我らハワイの古代部族に代々伝わる『サーフィン魔法』に違いない。」
キャプテンの隣に居た老婆オババア曰く、『サーフィン魔法』とは波を制する魔法。その使い手たるサーフライダーであれば波を荒ぶらせる事も、逆に静める事も出来るであろうと。
「ならば、サーフライダーが居ればあのビッグウェーブも……」
「さよう。しかし一族の者は此処には居らず、婆も波に乗る体力はない。一族の祈りを受けしボードならあるが、乗り手が居らんでは。」
あるいは付け焼刃でも『サーフィン魔法』を覚えれる者が居れば……強まるビッグウェーブを前に、キャプテンとオババアは歯噛みした。
●グリモアベースにて
「皆さん、ハワイ沖でビッグウェーブが発生しています。これはレディ・オーシャンの『大海嘯』の前兆です。」
聖典のグリモアをぱたんと閉じ、アルトリンデ・エーデルシュタインが行き交う猟兵を集めて話す。世界を滅ぼすという『大海嘯』の儀式を看過する事などできないが、その前兆であるビッグウェーブが儀式まで辿り着く事を阻んでいる。
「ですので、まずは皆さんにビッグウェーブを乗りこなしてもらいたいのです。」
何故、波乗りをするのか。それはハワイの古代部族に伝わる『サーフィン魔法』が関係している。
「現在、レディ・オーシャン配下のオブリビオンがこの『サーフィン魔法』でビッグウェーブを強化しています。このまま波をどうにかするのは容易ではありません。」
そこで、猟兵たちに『サーフィン魔法』を会得し、敵に対抗する事でビッグウェーブを抑えよう、という事である。
「幸いにも『サーフィン魔法』を覚えるのは難しくありません。」
現地で古代部族の一人であるオババアから講釈を受け、一族の祈りを籠めたサーフボードを借り受けたら、後は海と波を感じ取れ、みたいなアバウトな物らしい。
「サーフボードで波に乗っていただければ問題なく魔法は発動するでしょうが、ビッグウェーブを静める為にはオブリビオンの『サーフィン魔法』を上回る必要があります。」
『サーフィン魔法』は波を巧みに乗りこなすほどに強まる。即ち。
「オブリビオンよりも巧みに、ビッグウェーブに乗ってください。」
一般的にはビックウェーブで有利な場所を取った方が圧倒的に有利になる。
「あ、現れたオブリビオンですが蝋燭兵士『キャンドルソルジャー』です。」
蝋燭兵士の灯は、水を被ったぐらいでは消えない。逆に蝋を操りボードのウェイトを変える事で変幻自在なサーフィンを仕掛けてくるだろう。
「一風変わった勝負になると思いますが……どうか、皆さんのお力をお貸しください。」
そう言葉を括り、アルトリンデは猟兵たちを送り出すのだった。
こげとら
しばらくぶりです、こげとらです。
このシナリオは一章完結の戦争シナリオになります。
『サーフィン魔法』操る蝋燭兵士『キャンドルソルジャー』を相手に、猟兵側も『サーフィン魔法』で対抗する事になります。魔法とサーフィンボードは開始時点で受け取っている為に特に何かする必要はありません。また、このシナリオでは下記の特別なプレイングボーナスがあります。
プレイングボーナス……ビッグウェーブをサーフィンしながら戦う。
蝋燭兵士はサーフィン勝負に負けると海の藻屑と消えてしまう為、戦闘アクションは必須ではありません。蝋燭戦士のユーベルコードは主に波に対して使い、ボードに蝋を付着させる事でトリッキーな動きをしてきます。
戦闘は基本一対一になります。連携希望があった場合は猟兵と同数の蝋燭兵士が現れる事になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしております!
第1章 集団戦
『蝋燭兵士『キャンドルソルジャー』』
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POW : 広域蝋散布
【身体中の溶けた蝋】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 抱擁蝋漬け
【抱き着き】が命中した対象に対し、高威力高命中の【対象の全身が見えなくなるほどの大量の蝋液】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ : 集中蝋液散布
【両手】から【溶けた蝋】を放ち、【ドロドロ蝋固め】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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シノギ・リンダリンダリンダ
大いなる海原!!
迫りくる大波!!
ひしめき合うサーフィン魔法!!
いいですね、海賊としてうずうずします!
巻けていられません。ここは、『海賊として』がんばらなければ!!!
さぁ海賊の時間です!
36の海を駆けましょう、略奪の限りを尽くしましょう!!
海賊団しゃにむにー、出航です!
『幽玄な溟海の蝗害』で呼び出した自分のガレオン船の船体の先にくくりつけたサーフボード。
つまりこれでこの船もサーフィン魔法が扱えます!!
普段使い慣れている海賊船。これならどんな相手にも負けません。
どんな大波も、どんな高波も、どんな足場の悪い海も!
全ての海を統べる大海賊、シノギ・リンダリンダリンダの敵ではありません!!
ハワイ沖。どこまでも広がる青い海は今、荒れに荒れていた。原因は言わずもがな、『大海嘯』の前兆の大波をさらに大きくしている蝋燭サーファーが居るからである。
「大いなる海原!!
迫りくる大波!!
ひしめき合うサーフィン魔法!!」
まさにサーフィン魔法で荒れゆく海。シノギ・リンダリンダリンダの前に広がっていたのはそんな光景だった。我が物顔で波に乗る蝋燭兵士『キャンドルソルジャー』へ不敵な表情を見せるシノギ。
「いいですね、海賊としてうずうずします!
負けていられません。ここは、『海賊として』がんばらなければ!!!」
荒れる海原何するものぞ。海賊の航路が穏やかで如何とするか。シノギは高らかに、己が船出を宣言した。
「さぁ海賊の時間です!
36の海を駆けましょう、略奪の限りを尽くしましょう!!
海賊団しゃにむにー、出航です!」
【幽玄な溟海の蝗害(ウェイクアップ・シャニ・ムニー)】により現れた無敵の海賊船シャニムニー。そのガレオン船の船体の先にはサーフボードが括りつけられている。突如出現した海賊船に蝋燭兵士が目を剥いた。
「バカなッ、船でサーフィンが出来るはずが……」
サーフィンとはサーフボードで波に乗るスポーツである。ならば、ボードが船体に括りつけられていようともそれで波に乗れるならば何の問題があろうか?
「つまりこれでこの船もサーフィン魔法が扱えます!!」
唖然とする蝋燭兵士。だが事実、サーフィン魔法は発動し、波に影響を与えている。
「くッ……だがこの荒れる大波、船で凌ぎきれるかな!?」
アメリカ艦隊すら近づけぬビッグウェーブが襲い掛かる。蝋燭兵士は【広域蝋散布】した蝋を固めてボードを安定させてひっくり返るのを防ぎ、波の高みへと昇ってゆく。だがシノギが操る船は普段使い慣れている海賊船。これならどんな相手にも負けないと、自信を持って言える船だ。
「どんな大波も、どんな高波も、どんな足場の悪い海も!」
ビッグウェーブに海賊船が乗る。その勢いは止まる事無く蝋燭兵士の後ろに迫っていった。
「全ての海を統べる大海賊、シノギ・リンダリンダリンダの敵ではありません!!」
その勢いのまま海賊船シャニムニーが波を蹴立ててビッグウェーブを駆け抜ける。蝋燭兵士はシノギに対抗する事できずに海へ沈んでいった。
成功
🔵🔵🔴
栗花落・澪
サーフィンは友達が好きで知識はあるんだよね
体幹は【ダンス】で結構あるつもりだし
なにより…自然を操れるのはこっちも同じ
風魔法で体を支えバランスを安定させる
さ、やろうか?
体重の使い方を工夫し大波の中でもスムーズな移動や方向転換
時折くるっと宙返りしてみせたり
足を置く位置さえ気をつければボード上でのダンス【パフォーマンス】も出来るよ
勿論合間に水の【高速詠唱、属性攻撃】で本体を狙ったり
氷魔法で進行ルートに氷塊を作ったりと妨害
ただサーフィンに勝てばいいなら
妨害したもん勝ちって解釈でいいんだよね?
というわけで指定UC発動
操る火の鳥の火力で
敵が固めた波(蝋)を尽く溶かしてあげちゃう
これも一種の戦略です
栗花落・澪はビッグウェーブ連なる海でサーフボードの具合を確かめた。
「サーフィンは友達が好きで知識はあるんだよね。
体幹はダンスで結構あるつもりだし。」
澪の身体はうねる波に浮かぶボードの上に在ってなお、危なげなく立っていた。一見すれば何の事も無い、だが常人であれば船であっても転覆しそうな荒れた海であればそのバランス感覚と身体能力の高さも窺えよう。
「なにより……自然を操れるのはこっちも同じ。」
そして澪は風魔法で身体を安定させバランスをとる事で波の上でパフォーマンスをする余裕すら生み出していた。だが、対する蝋燭兵士も負けてはいない。蝋燭ゆえにボードにがっしりと融け付いた身体の安定感たるや。さあ勝負だと言わんばかりの顔を向けてくる蝋燭兵士を前に、澪はボードを一際大きい波へと向けた。
「さ、やろうか?」
それは魅せる為のサーフィン。ビッグウェーブを縫うように滑る澪、それは波に合わせた細かな重心の移動とそれを可能にする体幹の強さによるものだ。方向転換のみならず、時折くるっと宙がえりを混ぜながら波に乗りサーフィン魔法を重ねてゆく。さらに澪はボードの上でダンスパフォーマンスも織り交ぜた。それを見た蝋燭兵士も対抗心を燃やす。
「こっちも負けてはいられねぇな……っと、うお!?」
蝋燭兵士の進行上に突如、氷塊が浮かび上がった。慌てて躱した蝋燭を掠める、水。それは飛沫というには鋭く、明らかに蝋燭兵士を狙ったモノ。もしや、と蝋燭兵士が澪を見やると、澪はにこやかに返した。
「ただサーフィンに勝てばいいなら、妨害したもん勝ちって解釈でいいんだよね?」
如何にサーフィンをしているように見えるとはいえ、これは猟兵とオブリビオンの勝負。いかな手段を用いたとて、最後までサーフィン魔法を通せばいいのである。澪の言葉に蝋燭兵士もにやりと笑う。蝋燭兵士とて技巧のみを競う訳ではないのだ。
「上等! 集中蝋液散布!!」
蝋燭兵士の両手から迸る蝋が見る間に波を固めてゆく。その上を滑る蝋燭兵士のボード。これはサーフィンなのか。そんな事はお構いなしに意気揚々と滑る蝋燭兵士の前に炎が一羽、舞い降りた。それは澪の【浄化と祝福(ピュリフィカシオン・エト・ベネディクション)】で召喚された炎の鳥。
「これも一種の戦略です。」
澪の操る炎の鳥が蝋の波を溶かし、解いてゆく。足場を崩されバランスを失う蝋燭兵士。波間を炎が舐め尽くし蝋がなくなった時には蝋燭兵士の姿もまた、見えなかった。
成功
🔵🔵🔴
レフティ・リトルキャット
※詠唱省略やアドリブOK
にゃんこサーファー参上にゃ!…7代目様のUC【霊査士】でサーフィンボードの精霊を呼び出して一緒に波乗りしたかったけど流石に代償(戦闘行為)がアウトかにゃあ…ここは30代目様のUC【ガイアキャット】で乗り越えるにゃ。
僕は子猫に変身し、波(地形)の影響を無効化。完全に無効化といかなくても波の影響を軽減しながら、ダンスで鍛えたバランス感覚と髭感知で波の動きを見切り、大波に乗ってくにゃ。余裕があれば波に肉球で触れ、配下の子猫達(水製)を錬成し、水上を走る子猫達と共に波乗りにゃあ♪。ついでにリーダー効果で戦闘力を高め、成功率を底上げしていくにゃね。
荒ぶる海原、次々起こるビッグウェーブの合間にキャンドルの赤が揺れる。そこへサーフボードで颯爽と現れるは白い毛を纏いし猫だった。それも子猫。
「にゃんこサーファー参上にゃ!」
それはレフティ・リトルキャットが【ガイアキャット】で変じた姿。子猫になる事でサーフボードの安定感が増し、波の影響が軽減される。四つ足で踏ん張る姿も愛らしく、されどダンスで鍛えたバランス感覚に波の動きを読み取る髭感知によりビッグウェーブをものともせずに滑ってゆく。
(……7代目様のUC【霊査士】でサーフィンボードの精霊を呼び出して一緒に波乗りしたかったけど流石に代償がアウトかにゃあ……ここは30代目様のUC【ガイアキャット】で乗り越えるにゃ。)
といった事情により取っている猫の姿だが、波に乗るには申し分ない。乗っているビッグウェーブ、その頂を目指して上がろうとした矢先。レフティの前方の波が蝋に覆われてゆく。
「子猫だからって手は抜かねぇ!」
それは蝋燭兵士の【集中蝋液散布】で撒かれた蝋が固まった姿。普通のサーフボードは蝋を滑るには難がある為、乗り上げてしまうと厄介だ。蝋の波を前にレフティの前足の肉球が水を叩いた。
「ごめんね 猫々の「平和」を守る為に 私の「呪い」を受け入れた子達よ
今ここに来たれ、大地の子猫達――それが私のガイアキャット。」
叩かれた水から次々に水で形作られた子猫が現れる。子猫の群れに乗ったレフティのボードが華麗に蝋を躱して波に乗ってゆく。蝋の波に乗る蝋燭兵士VS子猫の波に乗るレフティという他に類を見ないサーフィン対決。レフティは子猫の上に居る事で増強された戦闘力で巧みにボードを操り、難しい大波も乗りこなしていく。徐々にレフティのサーフィン魔法が強まってゆき、そして。
「バカな、オレの蝋が子猫に負ける、だと
……!?」
一際大きな波が起こり、飲み込まれてゆく蝋燭兵士。後にはその波をも乗りこなすレフティの姿があった。
成功
🔵🔵🔴
フィラデルフィア・シャイントピア
【アドリブOKデース】
オーウ!エクストリームサーフィンデスネー!
ワタシ、そういうのベリーベリーラヴデスヨー!
【パフォーマンス】
ここはやはりエクリプスフォームでワタシのパワーをシャイニングさせて
激しいウェーブを探しマース!
そしてウェーブをキャッチしたら
飛行能力も交えて華麗なスピンとジャンプを何度も決めて見せマース!
もし妨害があればそのパワーを駆使して妨害に対して
サンパワーでクラッシュさせるのデース!
爆発効果もあって演出パワーアップが保証できマスネー!
「オーウ! エクストリームサーフィンデスネー!
ワタシ、そういうのベリーベリーラヴデスヨー!」
ヒーローたちですら乗り越えらえなかったビッグウェーブで繰り広げられるサーフィン対決。そこへ現れたフィラデルフィア・シャイントピアはテンション高くサーフボードで大波に乗ってゆく。それも、より激しい波を目指して。
「 fusionize SUN AND MOON! エクリプスフォーム! ウェイクアーップ!」
【エクリプスフォーム!AWAKENING!】により纏うは太陽と月が融合した日食のオーラ。より神々しさを増したその姿が内包する光と闇のエネルギーが、フィラデルフィアの動きを力強く、よりダイナミックにしてゆく。それはビッグウェーブとの真正面からの勝負。フィラデルフィアを飲み込まんとする大波を突き抜けるように乗り、そしてその頂からスピンを加えてさらに高くジャンプする。
「華麗なスピンとジャンプを何度も決めて見せマース!」
うねる海の上、まるで陽が落ちまた昇るが如くフィラデルフィアが連続でジャンプを決めてゆく。
「何だ、あれは
……!?」
その光景に目を剥く蝋燭兵士。フィラデルフィアがエクリプスフォームで得た飛翔能力で補助し、繰り出すスピンとジャンプ。そのタネを知らねばこの海での連続ジャンプは神懸って見えていた。そして技巧で劣るならば勝つ為には手段を選ばぬこの蝋燭兵士の取った行動、それは【広域蝋散布】。
「蝋を広げればこっちのボードは安定、そしてアイツのジャンプは蝋の上では出来まい!」
激しい波の上でフィラデルフィアと競う為、蝋燭兵士は自分のボードを蝋で塗り広げて大型化し、安定させようとしていた。そして広がる蝋はフィラデルフィアのジャンプ、その着地先にも広がってゆく。蝋燭兵士の妨害を知ったフィラデルフィアは己が内にあるパワーを高め、そのまま勢いをつけて蝋目掛けて突っ込んだ。
「サンパワーでクラッシュさせるのデース!」
海面を叩く轟音、日輪が如き烈光が巻き起こる。たちまち砕けてゆく蝋を爆発するように噴き上がる海水が吹き飛ばした。その噴き上がる水と共にフィラデルフィアは一層派手なパフォーマンスでスピンジャンプを決める。
「爆発効果もあって演出パワーアップが保証できマスネー!」
巻き込まれて海へと消えゆく蝋燭兵士の目に最後に焼き付いた光景は、海上にきらめく太陽と月の輝きだった。
成功
🔵🔵🔴
鈴木・志乃
※第二人格【昨夜】で戦闘
また面妖な……サーフィンとか普段やったことないのだけれど?
でも、まあ、楽しそうね
思い切り、行きましょうか
UC発動
跳ね上がった第六感で波を見切り、念動力でサーフボードと自身を操り波に乗ってみましょう
ふふ、こういうのってワクワクする! 私の故郷に海はなかったもの
青い空、白い砂浜なんて典型的なイメージだけど、結構好きだったり
オーラ防御で波に弾かれないように体を守る
いざと言う時は全力魔法で衝撃波を和らげるね
でもきっと一番大事なのは、楽しむ気持ち
よくいうじゃない、波は友達っえ、言わない?
サーフボードを海に浮かべ、乗る。地の上では味わう事のない感触が足から伝わってくる。
「また面妖な……サーフィンとか普段やったことないのだけれど?」
鈴木・志乃の内にある第二人格、昨夜は口の端を綻ばせながらボードの感覚を確かめた。
「でも、まあ、楽しそうね。
思い切り、行きましょうか。」
ビッグウェーブに乗り、スピードを上げて滑り降りる。刻一刻と姿を変える波を捕え、また常人ならば目もくらむような高さへと上がる。どう乗るか、どの波にするか。志乃/昨夜は【Ms.Yesterday(ミズ・イエスタディ)】で跳ね上がった第六感で波を読み、そしてサーフボードと自身を念動力で操って思い切りビッグウェーブに乗っていた。
「ふふ、こういうのってワクワクする! 私の故郷に海はなかったもの。」
青い空、白い砂浜なんて典型的なイメージだけど、結構好きだったり。『大海嘯』を止められればこの海も穏やかになるだろうか。そうしたらハワイ辺りに行けば思い描いた光景も見れるかもしれない。海を全力で楽しむ彼女の姿は蝋燭兵士のサーファー魂にも火をつけていた。
「オレも負けてはいられねぇな!」
ボードの下に蝋塊を作り出す事でひっくり返るのを防ぎ、荒ぶる波間もものともせずにくぐり抜ける蝋燭兵士。その力強いサーフィンとは対照的に志乃/昨夜は的確に波を読み、難しい体捌きも念動力を使って難なくこなして魅せつける。これはビッグウェーブを巡る戦い。だが、それ以上にこの勝負は。
「でもきっと一番大事なのは、楽しむ気持ち。」
サーフィンなのだ。ならば全霊をもって楽しんでこそ、より高みへ昇ろうというもの。横殴りの波しぶきをオーラで防ぎ、ビッグウェーブを突き進む彼女の表情はどこまでも楽しそうだった。せめぎ合う志乃/昨夜と蝋燭兵士を大波が呑み込む。その水を志乃/昨夜は全力で放った衝撃波で吹き飛ばして波の上に飛び出した。
「よく言うじゃない、波は友達って、言わない?」
そのビッグウェーブが去った後、蝋燭兵士の姿は見えず。ただ波を楽しむ志乃/昨夜の姿があった。
成功
🔵🔵🔴
須野元・参三
波乗りの気品の私が華麗に乗りこなし波を鎮めてやろう!
サーフィンの魔法で波を鎮めることに集中するぞ
敵の妨害はあまり考えない……なぜ?簡単だ『溢れる気品力(オーバーフロー・エレガンス)』のおかげで妨害は遮断されている
フフーフ、優雅に波に乗りながら溢れる気品力の輝きで周囲を照らす【存在感】【パフォーマンス】を続ける
ああ、なんて簡単なことなんだろうか?と思いつつさり気なくボードで敵に【スライディング】でぶつける【だまし討ち】はしたりする
でも戦闘行為はしないよ気品は争いが嫌いなんだ
だって、痛いの嫌だからな!
(アドリブはお好み歓迎)
ビッグウェーブは徐々に収まりを見せてきているとはいえ、いまだ猟兵以外が近づくには危険な状態だった。さらに蝋燭兵士が再び波を大きくしようとサーフィン魔法を続けている。そこへ一人の猟兵がサーフボードで波に乗り、颯爽と現れた。
「波乗りの気品の私が華麗に乗りこなし波を鎮めてやろう!」
気品漂う雰囲気を纏い、須野元・参三がビッグウェーブに乗る。何気ない動きの端々から溢れる気品は、ただ波に乗るだけでもさまになっていた。それは参三の【溢れる気品力(オーバーフロー・エレガンス)】の輝き。見る者を惹き付ける存在感は、無論、蝋燭兵士も目を奪われた。
「気品と存在感で波に乗るなんざ、オレは認めねぇ!!」
蝋燭、魂の叫び。まっとうに勝負をするには分が悪いと判断したか、参三の前方に躍り出た蝋燭兵士はその両の腕で大波を抱きしめた。
「抱擁蝋漬け!」
参三の行く手を阻まんと雪崩れ落ちてくる巨大な蝋の塊は、しかし参三に当たる事無く海へと沈む。まるで、参三の気品に触れるなど恐れ多いと言わんとばかりに。
「フフーフ、気品力が止めどなく湧き出てしまって仕方がないな!」
蝋燭兵士の妨害など眼中にないとばかりに気品あふれるサーフィンを続ける参三。それもそのはず、参三の【溢れる気品力】は彼女が何かに没頭している間、邪魔される事を防ぐ。或いは他に目を奪われるような事でもあれば別だったかもしれないが、蝋燭兵士の業では足りなかったようだ。
「ああ、なんて簡単なことなんだろうか?」
参三は前から来る蝋燭兵士とすれ違いざまにボードを軽く振り、蝋燭兵士のボードにぶつけた。
「なっ!?」
崩れたバランスを取りなおそうとする蝋燭兵士を後目に参三は波間を駆け抜ける。この程度の妨害ならばするが戦闘がしたい訳ではないのだ。
「だって、痛いの嫌だからな!」
気品は争いが嫌いなんだと嘯き、参三はサーフィン魔法で波を静める事に没頭していく。それを妨害する蝋燭兵士は既に立て直せずに波の底へと消えていた。
成功
🔵🔵🔴
ナイ・デス
なんて、命知らずな……!蝋燭が、サーフィン!
耐性は、あるらしいですが、クレイジーなことに、変わりなし
この蝋燭さんより、上手くサーフィン、ですか……
……今生最期のサーフィンです。蝋燭さん、いいサーフィンで、送ってあげましょう
その為に
よーく海を観察【情報収集】波を【第六感】で感じ取る
素直にオババアさんの教えの通り、心を海と通わせ……
にゃーん(一緒に、サーフィンしましょー!
【地形の利用】海の精霊にゃんこの力をかりて、サーフィン!
蝋燭兵士さんとは対となる様に、猫精霊さんの波操作もあって変幻自在についていき
【念動力】を使って空中に水流つくり
【空中戦】のように波にとびのって更に自在に乗りこなします!
その話を聞き実際に目の当たりにした時、ナイ・デスは驚愕した。
「なんて、命知らずな……! 蝋燭が、サーフィン!」
風前の灯火とはこの事ではなかろうか。いやコレは波間の灯火か。
「耐性は、あるらしいですが、クレイジーなことに、変わりなし。
この蝋燭さんより、上手くサーフィン、ですか……」
蝋燭兵士が命を懸けて臨んでいる事は疑いようはない。海に落ちたら最後なのだろうから。ならば、ナイがとるべき行動など決まっている。
「……今生最期のサーフィンです。蝋燭さん、いいサーフィンで、送ってあげましょう。」
しかと蝋燭兵士を見据えるナイに蝋燭兵士も気づいたようだ。蝋燭兵士は波に乗るスリルを楽しむが如く高波をものともせずに突き進んでゆく。その蝋燭兵士の乗る波、周囲の海をナイはつぶさに観察しながらオババアの言葉を思い返していた。
(素直にオババアさんの教えの通り、心を海と通わせ……)
海に生きる古代部族の教え、それは海の声を聞きその流れに我が身を乗せる事。逆らうでも呑まれるでもなく、乗るのだ。
「にゃーん(一緒に、サーフィンしましょー!)」
第六感が海の声を届けてくれる。その導きのままにナイは【猫の手(エレメンタルキャット)】で精霊の力を借りてビッグウェーブへと滑り出す。周囲には様々な属性の猫の姿をした精霊。変幻自在な大波をまるでどう動くかが分かっているかのように乗ってゆくナイ。いつしかその動きは蝋燭兵士の動きと対になっていた。
「コイツ……オレの動きに合わせているのか!」
互いに技量を競うとなれば蝋燭兵士とて全霊をかけねばなるまい。それはサーフィン魔法を続ける為の安定したサーフィンではなく、蝋燭の技巧を魅せる為の波乗り。ついてこれるか、そう問いかけるように蝋を操り大波の間を滑り抜ける。ナイもその動きに合わせるように猫の精霊に波の流れを作ってもらい、自身は念動力で空中に繋げた水の道を駆けあがる。空中を波と共に舞うがごときその姿は蝋燭兵士の目に焼き付いた。
「いいサーフィンだ……そんなの魅せられたら、オレは……」
それまで対を為して滑っていた蝋燭兵士は空中へ投げ出され、そして波間へ消えた。
「ええ、いいサーフィンでした。」
ナイはサーフィンを続けながらも海中へ没する灯火を見送ったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ナギ・ヌドゥー
サーフィン知識皆無ですが、
あの『大海嘯』が迫ってるなら致し方ない。
乗りこなして見せましょう、このビッグウェーブを。
UC「闇舞鋼装」展開
強化ウェットスーツ武装の姿に変身
この暗黒のオーラでサーフボードを包み一体化し乗りこなす。
【ドーピング・第六感・野生の勘】で知覚を限界まで研ぎ澄ます。
感じろ……海と波を、有利な場所を【見切り】突破する!
自らの後方に【誘導弾】連発、その反動で波を乗り越し敵の上を行け!
これが猟兵のサーフィンだ!
ビッグウェーブが連なるように荒れる海。もしも『大海嘯』が起きれば、この光景が世界中に広がる事になるだろう。だからこそ、ナギ・ヌドゥーは此処に来た。
「サーフィン知識皆無ですが、 あの『大海嘯』が迫ってるなら致し方ない。」
その為にもオブリビオンを上回るサーフィン魔法を敷かねばならない。で、あるならば。
「乗りこなして見せましょう、このビッグウェーブを。」
ナギの身体が【闇舞鋼装(ダークメタモルフォシス)】により強化ウェットスーツに包まれる。その身を覆う暗黒のオーラは彼の乗るサーフボードをも包み込み、ボードを体の一部であるかのように一体化させた。ナギのオーラを感じ取ったのか、蝋燭兵士がこちらへと迫ってくる。
「その動き、まるでシロウトじゃないか!」
余裕を見せる蝋燭兵士の表情は、しかし長くは続かなかった。
「感じろ……海と波を、有利な場所を見切り突破する!」
己が感覚と勘にドーピングによる増強を加え研ぎ澄まされた知覚は、周囲の波の動きを先まで予測するかのように捉えていた。そこにボードと一体化したナギの能力が加わった結果、初めてとは思えない、高度なサーフィンを可能としていたのである。
「この波の予測、ボードのキレ……コイツ、いったい!?」
より有利な位置を取り返そうとする蝋燭兵士だが、ナギはそれを許す事無く巧みに防いでゆく。相手のボード運びを読めば、どこを目指すかが、そこに波の動きを合わせればその狙いも読み解けるのだ。ならば先回りして動きを潰すのは容易い。このままでは上を取られ続ける……そう感じた蝋燭兵士は躊躇わず【集中蝋液散布】を放ち、周囲一帯の海水を蝋で覆った。
「これでオマエの乗る波は……ナニィ!?」
その時、蝋燭兵士は見た。蝋で固めた波に乗る自分よりも、より高みへ昇るナギを。己が後方へと誘導弾を連続で放ち、その反動で波を、蝋燭兵士を乗り越しさらに上へと行く姿を。
「これが猟兵のサーフィンだ!」
それまで高みを取り続けていたナギのその跳躍は、蝋燭兵士のサーフィン魔法を上回るに十分だった。着水し、切り返したナギの視線の先で蝋燭兵士は波に呑まれて沈んでいった。
成功
🔵🔵🔴
フェルト・ユメノアール
蝋燭が海で戦いを挑んでくるなんて……
背水の陣とはこの事だね
でも、ボクたちも負ける訳にはいかない!
絶対に勝って大海嘯を阻止してみせる!
サーフィンは初めてだけど、いつも『パフォーマンス』でやる綱渡りの要領で左右のバランスを取りながら
勢いをつけて斜めに波を切るようにテイクオフ!
さらに、ボクは手札からスペシャルゲストをご招待!
カモン!【SPアクロバット】!
アクロバットにロープを『投擲』ウィンドサーフィンの要領で
風力と波力、二つの力を融合させて推力をアップ!
『カール』に飲まれないように注意しながら
一気に速度を上げ、敵を抜き去り、波力の一番強い『リップ』部分に移動
『サーフィン魔法』で大波を静めるよ!
ビッグウェーブを強めるサーフィン魔法の使い手、蝋燭兵士『キャンドルソルジャー』は次々に海へと消えていった。残すは後一体。だが、その蝋燭兵士は引く事なくサーフィンを続ける。自分が居る限り、このビッグウェーブは終わらないと言うかのように。
「蝋燭が海で戦いを挑んでくるなんて……
背水の陣とはこの事だね。」
サーフィンを続ける蝋燭兵士を目に、フェルト・ユメノアールは蝋燭兵士の覚悟を見る。
「でも、ボクたちも負ける訳にはいかない!
絶対に勝って大海嘯を阻止してみせる!」
世界の命運をかけて戦うのは猟兵とて同じ事。フェルトも初めてのサーフィンだが、そこは道化師としての経験が活きていた。不安定なサーフボードの上でもいつもパフォーマンスでやる綱渡りの要領で左右のバランスをとる。そして、勢いをつけて斜めに波を切るようにテイクオフ! ビッグウェーブに乗る蝋燭兵士を追い抜き、一気に上を取る。
「さらに、ボクは手札からスペシャルゲストをご招待!」
抜き放つは一枚のカード。まるで観客に見せるかのように大仰にそのカードを上へと飛ばす。
「カモン! SPアクロバット!」
そのカードは【<ユニットカード>SPアクロバット(スマイルパペット・アクロバット)】、召喚された蝙蝠が急降下してくる。そこへアクロバットな動きでロープを投擲するフェルト。繋がれた蝙蝠が風を受けて推力へと変え、ウインドサーフィンの要領でさらに加速する。大波のフェイスを駆けあがり、その頂、波の力の最も強いリップへと。その後ろには負けじと喰らい付く蝋燭兵士のボード。
「く、そ……蝋で重しを付けてちゃ追いつけねぇ!」
それまで波を抱くようにして蝋の重しを付けて安定を重視していた蝋燭兵士。だが、勝負に出なければ勝ちは無い。蝋燭兵士はボードから蝋を切り離し、フェルトを猛然と負う。先を行くフェルトを追い越さんとする蝋燭兵士、そのすぐ後ろにビッグウェーブが雪崩れ落ちるカールが迫る。フェルトが大波を抜けたのは波が崩れる僅か先。そして蝋燭兵士はついにフェルトを抜く事叶わずカールの中へと消えていった。
その蝋燭兵士を最後に、辺りの波が正常に戻ってゆく。フェルトが、猟兵たちがかけたサーフィン魔法がこの辺り一帯のビッグウェーブを静めたのだった。
大成功
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