アースクライシス2019②〜勝利求めし卑屈な叫び
数多の砲弾が頭上を飛び交い、轟音によって仲間からの報告や作戦指示が聞こえない。
進むべきか、それともこの場を死守するのか、一旦下がって体勢を整えるべきなのか。
周囲の地形を抉り取る砲撃の雨あられ、遠方へ視線を移せば相手側もこの砲撃の中では思うように進めないのか、障害物に身を隠し動きが無い。
ここは地獄の入り口と化したロサンゼルス西海岸。
国連軍・ヒーロー・ヴィランからなる「ロサンゼルス防衛軍」が布陣しオブリビオンの猛攻をギリギリのラインで食い止め、あわよくば反撃に転じ戦況を変えようと喘ぐ場所。
時折仲間を鼓舞する声と共に小隊が突撃、ヴィランが刻んだ敵陣の傷口にヒーローの猛攻が食い込みこじ開け、国連軍が発砲しながら戦況を切り開こうと奮戦。
されどその連携は戦場の轟音すらかき消す絶叫、それが生み出す衝撃波によって弾き飛ばされ、再度の立て直しを強いられていた。
「いいいいいやだぁあああああ、僕は負けたくない、負けたくないんだぁあああああ!」
頭を抱え、体をくねらせ叫び続けるオブリビオン。
気弱な発言とは裏腹にその力は異様に高まり、叫び声によって防衛軍が見出した反撃の糸口を片っ端から押し潰し、その実力によって押し返すオブリビオン。
「たまたま、たまたま相手が強かっただけなんだ、だから負けたのは間違いじゃなくて当然で……けど!
今度は僕のほうが強い、強いはずなんだ、だから負けない、負けないはずなんだ。
こ、こいよ! みんな吹き飛ばしてやるぅううううううううううううう!」
オブリビオンが再び叫び、再度突撃を仕掛けようとしていたチームを吹き飛ばす。
膠着する戦線、飛び交う砲弾を掻い潜り辿り着いた先には圧倒的な叫びで持って迎撃するオブリビオン。
防衛軍の力だけではこの苦境を乗り切ることは困難であり、早急な援軍が必要と通信が飛んでいた。
●
「少々厄介なことになっています。既に状況を知っている方も多いと思いますが今現在、ヒーローズアースで大規模な戦いが発生しています。
この戦いに敗れればヒーローズアースの世界は崩壊、オブリビオンの望む展開となってしまいますが食い止めることが出来る存在、猟兵の皆様の助力が必要な戦場が判明しました」
集まった猟兵達にクアド・ペントヘキシウム(バーチャルキャラクターの人形遣い・f09688)が淡々と説明を開始する。
今回はヒーローズアース世界で発生している大規模な戦いのひとつ、ロサンゼルス西海岸で勃発したアトランティスの洪水兵器を有するオブリビオン軍とヒーロー、ヴィラン、国連軍が一体となった防衛軍との戦いへの介入である。
「戦況は膠着状態、いえ。不利な状況にも関わらず、防衛軍が進軍を良く食い止め場合によっては反撃に転じ、戦列をほころばせる程度には奮戦しています。
しかし折角の反撃もその一帯を指揮するオブリビオンの反撃によって早期に押さえ込まれ有効打を与えられない情況。
このままでは時間経過で洪水兵器の発動により大災害は必至、ですので皆様にはこの指揮官たるオブリビオンへの奇襲、撃破を担って頂きたいのです。
戦場は激戦区、双方の砲弾やユーベルコード、雑兵の妨害と様々な障害がありますがそれらを掻い潜り指揮官に接近、撃破さえすれば後は防衛軍の士気も高まり一気に押し返す事が出来るでしょう」
成すべきは弾幕と数多の妨害を掻い潜り指揮官目掛けての一転突破。
その首級を取ることで敵の戦意を奪い、友軍は昂揚させ一気に押し返すという事である。
「説明は以上です。単純明快、妨害を掻い潜り指揮官を倒す。
その為に必要な手段ならば何でも用いて下さって構いません。では、転送を開始します」
そういって説明を切り上げたクアドはグリモアを起動、一同を砂塵舞い散る海岸線の戦いへと送り出していた。
紅葉茉莉
このシナリオは戦争シナリオです。
一章だけで完結するシナリオとなっておりますのでご注意ください。
またシナリオの性質上、全員採用は不可能な場合があります、ご了承ください。
こんにちは、紅葉茉莉です。
今回はヒーローズアースで発生している大規模な戦いに関するシナリオとなっています。
クアドも説明していましたが、今回の戦いでは。
『飛び交う砲弾やユーベルコード、雑兵の攻撃を上手くかわしたりやり過ごす』
といった行動をしっかり行っており、それが成功するとプレイングボーナスとなります。
また戦場は西海岸、砂浜と各所に遮蔽物として設置されたコンテナや破損した戦車が点在し、障害物や場合によっては武器や何らかのアクションに使えそうな状況です。
敵対するオブリビオンのリーダーは海岸から向かって海側、腰ぐらいの深さの海辺に移動補助のボート等を浮かべその上に乗り、状況に応じて動いている様です。
上手く砲撃や攻撃を掻い潜り、ボスまで到達し撃破を狙ってください。
それでは、ここまで長文をご覧頂きありがとうございました。
ご縁がありましたら、よろしくお願いします。
第1章 ボス戦
『ネガティブ・スクリーマー』
|
POW : ネガティブマインド
全身を【陰鬱としたオーラ】で覆い、自身が敵から受けた【負傷と、それに伴う負の感情】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD : ダークスクリーム
【不平不満を込めた、衝撃波を伴う叫び】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : エンヴィカウンター
対象のユーベルコードを防御すると、それを【妬む気持ちから無理やり再現する事で】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
祓戸・多喜
故郷の世界が大変!
これは頑張らないとJKの名が廃るってもの。
何か物騒な場所でも頑張る!
…隠れるのは流石に無理かなー。
最悪陽動でもできれば…?
UC発動し戦車とかアタシの体隠せるサイズの頑丈な遮蔽物二つ、両手に持つ。
そして気合入れて突撃!
砲弾とかUC飛んできたら両手のを盾代わりにしてダメージ抑える。
道中にいい感じのサイズのあったら持ってるのを砲撃してくる敵へと投げつけ交換、そのまま指揮官に突っ込むよ!
無理そうなら遮蔽物武器に配下の妨害に切り替え!
指揮官にはそのまま両手のを叩きつけ、直後に相手の足を掴み砂浜へ頭から叩きつける!
泣き言なら砂の中で言ってればいいんじゃないかな!
※アドリブ絡み等お任せ🐘
宮落・ライア
さ、さっさと斬り開こうか。
お仕事は山積みだ!
防衛軍の後ろ、それの少し高い位置になる場所に降り立つ。
構え【力溜め・気合い】で準備し、【怪力・薙ぎ払い・衝撃波・鎧砕き・
森羅万象断】で加害範囲の飛び交う弾雨と敵陣の一部、そして海を断ち切り
空白地帯にする。ボスにも当たらないかなー。当たらずとも断ち切った海の引き潮の波に飲まれて溺れないかなー。
切り開いた後に間髪居れずに【ダッシュ】で突入。まぁ対応してきても
【激痛耐性・覚悟】でボスだけ目指して無視。
【見切り】でボスを見つけ【捨て身の一撃】で切り捨てる。
あっはっは。お前の負け。不幸だね。今度もお前の方が弱かった。
ユースティ・アストライアー
◇アドリブ、絡みOK
◇一人称「私」二人称以上「名前+さん」
このスーパーウィッシュガールが来たからには好きにはさせません!
到着後「スーパー・ジャスティス」で空に急上昇
空中を飛び緩急をつけ砲弾や攻撃をかわす
当たりそうな砲弾は【怪力】で握りつぶしたり、殴り返したり
小さな弾丸はマントを用いて弾いたり
そして「ちょっとお借りしますね」
と敵を見つけたら近くの地上に降り立ち【怪力】で大型コンテナを一つ拝借し敵の真上まで運び【怪力】で投げつける
敵が怯んだ所で接敵
故郷を踏みにじられた思い、湧き上がる正義の意思によって強化された戦闘力と【怪力】を用いてアテネソードやランス、アームドフォートで攻撃します
空葉・千種
アドリブ絡み歓迎
地元ヒーローズアースでの戦争!
日本まで戦いが広がらないように頑張らないと!!
叔母さんに(無理矢理)取り付けられた巨大化装置で巨大化してから
コンテナを持ち上げ、両手に一個ずつ構えてから突撃!
コンテナシールドをぶつけ合い大きな音をだしながら強行突破するよ!!
ついでに私も大声で相手の声をかき消すように叫ぶ!
大声を出すならぁぁぁっ!
もっと楽しいことをいいなさぁぁぁぁい!!!!
戦闘は海に入って水面を荒らしながら丸太(いっぱい)を投げて攻撃!
障害物で進路を悪くして、私の起こす波で相手のボートを転覆させるよ!!
鈴木・志乃
痛々しい。
見ていられない。
UC発動
この戦場なら沢山の負の感情を吸収しながら進めそうだね
沢山吸収していこう
全力魔法オーラ防御発動
弾幕は遮蔽物に身を隠したり、念動力で逸らしたりして対処
極力早く戦場を駆ける
その妬む気持ちを……奪う
貴方の存在意義自体を奪う
……頼む、もう妬んだりしなくていいから
それともどうしても妬みたいなら、あたしだけ妬んでろ
第六感で行動を見切り光の鎖で早業武器受けからのカウンターなぎ払い
隙が出来たら鎧砕きも出来る魔改造ピコハンでぶっ叩く衝撃波なぎ払い攻撃
もう嫌なんだけどな、戦うのは
トリテレイア・ゼロナイン
このような乱戦よりも一騎打ちの方が好みですが、防衛軍が苦境に立たされているのならば馳せ参じ助太刀いたします
…騎士の様に戦うのは難しそうですが
●防具改造で装備した煙幕発生装置で周囲を●目潰しし移動
自身はセンサーでの●情報収集で敵味方や遮蔽物の位置を●見切ります
遮蔽物の傍の狙撃ポイントに目星をつけ移動
流れ弾を防ぐ為地面に大盾を突き刺して(●盾受け)安全を確保しつつUCで持ち込んだウォーマシン用の剛弓での狙撃を開始(●スナイパー)
あれだけの叫びを挙げている以上、熱源と音響センサーだけでも狙えるでしょう
●怪力で引き絞り放たれる矢の運動エネルギーはボート撃沈も可能
海に放り出させ二射目で確実に射抜きます
ヨナルデ・パズトーリ
妾のUCを模倣する程度か
妾の戦い方は技能も含めてのもの
UCを模倣した程度でどうにかなる物ではないわ!
『目立たない』様に『迷彩』をし『暗殺』の要領で『殺気』と気配を消して
雑兵を躱す
『野生の勘』と『第六感』を駆使し流れ弾を警戒
『残像』で回避するか避けると目立つならコンテナ等の瓦礫の多い『地形を
利用』し其れ等を盾に『盾受け』する等して流れ弾を防ぐ
近づけたらUC発動
『範囲攻撃』状態の煙の『属性攻撃』魔法で『目潰し』する『先制攻撃』
速攻で高速飛行の『空中戦』で肉薄
『零距離射撃』の『全力魔法』を『高速詠唱』で叩き込み間髪入れず『怪力』の『鎧無視攻撃』の『二回攻撃』
攻撃は『オーラ防御』後『カウンター』で対応
レナータ・バルダーヌ
どちらかというと躱すより耐える方が得意ですけど、ここまで砲火が激しいとそうも言っていられませんね。
できる限り頑張ってみましょう。
わたしは敵の妨害や接近戦を避けるため、両翼の傷痕から炎の翼を形成して飛行し、サイキックオーラで自身の周囲に斥力場を形成して砲弾の軌道を逸らしながら進みます。
物理的に軌道を曲げられない類のユーベルコードには注意しますけど、すべて防ぎきれなくても問題ありません。
海辺に辿り着くまでに受けたダメージは【A.B.エンパシー】で指揮官さんに叩き込みます。
もし相手のユーベルコードで借用されても1度くらいなら凌いでみせます。
【痛みに耐え】るのは得意ですから、2発目はさらに倍返しです!
神羅・アマミ
なるほど…敵は負の感情を原動力に攻撃してくるというわけじゃな?
ならば一旦は気持ちよくしてやるというのはどうじゃろう!?
作戦はまずコード『操演』にて蜘蛛型ドローンのオクタビアスくんを背負いつつ猪突猛進!
ところが流れ弾にやられたフリでおもむろに浅瀬へダイブ(この時点でドローンは分離・独立・潜航を行う)!
「ひぃ~!妾泳げないんじゃよ~!イヤじゃ~!死にとうない~!助けてくりゃれ~!」と命乞いモードに突入!
敵がまんまとノってくれたらドローンが背後から拘束というわけじゃよー。
妾の役目はそこまでじゃが、他の猟兵が致命的な一撃を叩き込む隙は作れよう。
当然「ヒャハー!かかったなアホが!」と煽るのも忘れずに。
霧島・絶奈
◆心情
嗚呼…なんて愉しげな戦場でしょうか!
◆行動
『暗キ獣』を使用
軍勢を陽動とし、私は【目立たない】様、姿勢を低く保ち遮蔽物を利用しつつ侵攻
移動しつつ要所要所に【罠使い】の知識と経験を活かし、味方を巻き込まない様に「サーモバリック爆薬」を設置
頃合いを見て起爆しながら進みます
派手な「花火」ですので、陽動としても露払いとしても役に立ちます
接敵時には【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】
また、戦闘中も【罠使い】の技能を活かし【目立たない】様に「指向性散弾とサーメート」を設置
軍勢を使う私が軍勢の壊し方を知らないとでも思っているのでしょうか?
負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
フェルト・ユメノアール
洪水兵器が発動すれば、大勢の命が失われる……
そんな事、絶対にさせちゃいけないんだ!
近くにいる雑兵には『ワンダースモーク』を使用して視界を奪い
流れ弾に当たらないように姿勢は低く、遮蔽物の影に隠れるように海に向かって駆け抜ける
そして、海についたらUCを発動!
逆巻く水の魔術師よ!その魔力を以て、世界に新たな理を示せ!
現れろ!【SPマーメイジ】!
マーメイジの効果で足を魚の尾びれに変化させ、海中を進んで敵ボスに奇襲を仕掛けるよ!
海中から勢いよく飛びあがり、『トリックスターを投擲』
海中では衝撃波の威力も半減するはず、そのまま海中・海上からのヒット&アウェイ攻撃で確実にダメージを蓄積させる!
四季乃・瑠璃
【破壊の姫君】で分身
瑠璃が【高速詠唱、全力魔法、情報収集、ハッキング】による探知魔術で敵味方の位置や状況を把握し、緋瑪や仲間、探知範囲にいる防衛軍に【ハッキング】情報共有。
緋瑪は敵の隙を突く為、敵の射程範囲ギリギリの遮蔽物に隠れて待機。
瑠璃は戦場を把握した後、高空からボスへ接触式ボムやK100の銃撃で攻撃。
恐らく叫びで攻撃を迎撃されると思うので、叫び終わりを狙い、緋瑪が飛翔翼と大鎌の機巧を利用した全速で接近し、首を狙い高速の一撃。
瑠璃が同じく高空から大鎌で接近して両断を仕掛け、倒せなければジェノサイドノヴァを叩き込むよ。
緋瑪「悪いけど、貴方はここで終わりだよ♪」
瑠璃「その叫び、止めてあげる」
飛び交う砲弾、数多のユーベルコード。
進むも地獄、引くも地獄の戦場に響き渡る絶叫は防衛軍のに負えぬオブリビオンの絶叫であった。
徐々に当初の勢い失い後退を始める防衛軍ではあったが、ここまで奮戦した彼らを神は見捨てて居なかった。
「大声を出すならぁぁぁっ! もっと楽しいことをいいなさぁぁぁぁい
!!!!」
オブリビオンの指揮官、ネガティブ・スクリーマーに負けずとも劣らぬ大絶叫が響き渡った。
視線を移せばそこには10メートルを超える巨躯へと姿を変えた空葉・千種(新聞購読10社達成の改造人間・f16500)が手近なコンテナを抱え上げ、打ち鳴らしながらの猛進撃。
何かこう、ヤケクソ気味に見えるがそれもそのはず、この巨大化は叔母に無理矢理つけられたという装置が原因らしく致し方ない所であろう。
そんな乱入者にオブリビオン、防衛軍共に気を取られれば更なる新手。
「そっちだけじゃないよー! こっちからも戦車いきまーす!」
別方向から大声上げるは祓戸・多喜(白象の射手・f21878)、その手に、というより両手で押し進んでいたのは駆動部を破損、移動不能になっていた戦車。
気合と共に力を入れて押し出す戦車は彼女を守る盾となり、降り注ぐ砲弾を弾き飛ばし砂を巻き上げ海岸線を突き進む。
巨人に象、力自慢としか見えぬ存在がその体躯を、膂力を余す事無く用いて大型コンテナ、戦車を使っての猛進撃。
これ以上進ませてなるものかとオブリビオン達が密集、数多の火砲を集中させて盾としたコンテナと戦車を破壊しようと試みるがそれより早く、上空から巨大な質量が密集した彼らを押し潰していた。
「ちょっとお借りしました。意外と軽いんですね、これ」
あっけらかんと言い放つ声の主は上空に浮かび、地響き鳴らし砂を巻き上げ鎮座したコンテナを見下ろすユースティ・アストライアー(スーパーウィッシュガール・f16665)
地上を駆ける千種と多喜、二人がコンテナを、戦車を手にするより速くに空を舞ったユースティは滅茶苦茶に放たれた砲弾を掻い潜り、手近なコンテナを持ち上げ飛翔。
その動きに気付かずに迎撃にと密集した好機を逃さず、オブリビオンの集団へそのコンテナを怪力任せ、上空から重力加速も載せた投擲を叩き込んでいたのである。
配置された物品を用いた地上2方向、更には上空からとコンテナ、戦車の不規則移動。
地上の二人が一直線に突き進み、射線が通る位置をずらしていけば上空を舞うユースティは数多の砲弾を紙一重で回避、髪の毛を数本回避の代償として散らしつつ地上のコンテナを持ち上げて、千種や多喜を狙うオブリビオンの合間へ投げ込み盾とする。
一人ならば1、個々に動くだけならば1+1で2でしかない動きも互いを補い、盛り立てあえば3にも4にも膨れ上がる。
三者三様の怪力無双、遮蔽物を用いた射線の分断はオブリビオンたちの攻撃を著しく阻害し、猟兵達が切り込む隙を生み出していた。
「嗚呼……なんて愉しげな戦場でしょうか!」
その最中、敵味方が入り乱れ血と硝煙の香の中で歓喜の声を上げる者がいた。
それは目深に被ったフードの下、不敵に口元を歪め己が体を異端の神々の似姿へと転じた霧島・絶奈(暗き獣・f20096)
彼女が姿を変えると同時にその周囲には夥しい数の屍者の軍勢が槍を翳して姿を現し、更には疾病撒き散らす屍獣の群れが唸り声を上げながら徘徊を始めていたのだ。
「さあ、行きましょう。損耗した兵士の穴を生め、進軍を止めるのですよ」
呼び出された死の軍勢に指示を出し、群れの中へと姿を紛れさせていく絶奈。
輝かしき神の姿もすぐに不吉な死に飲み込まれ、隠れおおせた彼女の狙いは戦場全体の混乱。
突き進む軍勢はオブリビオンの軍勢と至る所で干戈を交わし、防衛軍の援護もあってか押し込まれつつあった戦線の再構築がなされていく。
集団同士の激しい消耗戦、接近させまいと銃器を用いて応戦するオブリビオンと、体の一部を吹き飛ばされつつも強引に槍を掲げ突っ込む屍者の軍勢。
互いに一歩も引かずに押し合う戦いではあったが、その膠着状態は突如戦場を駆け抜けた閃光にて変化を向かえる。
それは双方、削りあう最前線にて起こった異変。
次々と地面が、コンテナや破損し動けなくなった戦車の影から爆発が、炎がオブリビオンに向けて次々と展開。
その衝撃と熱量に耐え切れず倒れ伏したオブリビオンが見たものは、乱戦の中駆け抜ける白き影。
それは戦場の至る所へ罠を仕掛け、ここぞというタイミングにて発動、甚大な被害をもたらす絶奈の姿であったのだ。
「あちゃー、ちょっと大人しく動きを探ってたら爆破の先、こされちゃったね♪」
「仕方ないよ、緋瑪。あまり無理せずチャンスを待とうね」
その様子を少し羨ましげに眺める者がいた。
それは自分自身の別人格を実態化、共に戦う四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)と緋瑪である。
いつもなら二人揃ってド派手にどんぱち、爆破するのだが今回は戦況把握を優先し、仲間と情報共有というサポートを担いつつ切り込むタイミングを計っていたが為に、爆破攻撃に出遅れてしまったのだ。
だが、純粋に戦場で暴れるだけが戦いではない。
既に上空、地上と探知魔術を張り巡らせ、散らばるコンテナの位置と敵の配置を確認した瑠璃がデバイスを操作、友軍たる防衛軍にその情報を伝えることで被害軽減、そして一斉攻撃時の援護を受けれる体勢を作り上げていたのだから。
既に多くの猟兵が戦いへ介入、遮蔽物の活用に位置情報の相互把握。
これによって生じたスクリーマーに切り込む糸口。
今はか細く、すぐにでも千切れてしまいそうなその糸ならば、新たに糸を張り巡らせ編み込んで、千切れぬ強靭な縄へと変えてしまえば良いだけのこと。
糸口へと真っ先に、好機逃さず飛び込んだのは蜘蛛型ドローンを背負い、浮遊しながら突っ込む神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)であった。
ほんの一瞬、その隙間に食い込むためにと敵の砲弾回避も考えず、一直線にスクリーマー目指し飛翔するアマミであったがやはりその突進は無謀だったか?
周囲に飛来、着水した砲弾が激しい水しぶきを上げ、それが収まった先には水中に没し、ジタバタともがき苦しむアマミの姿があったのだ。
「ひぃ~! 妾泳げないんじゃよ~! イヤじゃ~! 死にとうない~! 助けてくりゃれ~!」
浅瀬ですら溺れてしまう、哀れな姿。
自らを脅かしかねない集団の一人がこうも情けない姿を見せ、今にも命を奪えそうな状況を前にしてスクリーマーの焦った心に慢心が生まれていた。
「ハ、ハハハハ、なんて様だ、倒しにきてそれかい! 安心してよぉおおお、すぐに殺してあげ……ごふっ!?」
無様な姿、手軽に倒せそうなアマミを前に余裕を見せて攻撃準備に入ったスクリーマーであったが、直後わき腹へ走る鈍い痛み。
視線を自らの腹部に向ければ、そこにはアマミが背負って突撃していたはずの蜘蛛型ドローンが海水を撒き散らしながら自身に体当たりを決めており、完全なる不意打ちを受けた事を物語っていた。
「ヒャハー! かかったなアホが!」
そこへ追い討ち、もがいていた筈のアマミがすくっと立ち上がり、挑発的に指差しして嘲笑う。
完全に嵌められた、普段ならば押されて、悪い方悪い方の展開を考えてきた筈なのに有利すぎてその考えが出来ない状況にされたこと、そしてこの挑発である。
「お、お前、お前、おまぇえええええええ!」
怒り任せの大絶叫、空気震わすその咆哮を避ける様にアマミは海中に身を隠せばスクリーマーの全周囲、海面が激しく波うち彼の援護を行っていたはずのオブリビオンですらボートの制御を完全に失う有様。
優位からの不意打ちに理性失ったスクリーマーは、あまりにも大きな代償を支払い猟兵たちはアマミの策により、更なる優位性を持ってしてオブリビオンの軍勢を押し返していくことになる。
「あっはっは、あくどいな、実にあくどい。じゃあわたしはちょっと切り開くとしようかな」
計略に嵌められ、スクリーマーの絶叫で連携が崩れ始めたほころびを広げるべく最初に動くは宮落・ライア(ノゾム者・f05053)
アマミが突っ込む最中に、彼女は敵味方入り乱れる戦場のやや後方、防衛軍を壁にするような位置取りをしつつ手にした大剣を大上段に構えていた。
そのまま大きく深呼吸、全身全霊をその一瞬に向け感覚を研ぎ澄まし、アマミが策にて動きを乱し、スクリーマーが叫び連携が乱れたその刹那。
笑いながら振り下ろされた一撃は凄まじき衝撃波を生み出して、砂浜を、飛び交う砲弾を、そして海面を引き裂いて火力も何も存在しない、直線的な空白地帯を作りあげ地上を駆ける面々がスクリーマーへと至る道を指し示す。
「なるほど、進むべき道ですか。ならばそこへ至る皆様を護るのも騎士の役目」
生み出された道、その道こそ仲間が勝利へ突き進む為に潰えさせてはならない物と判断、雑兵を切り伏せトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)が駆けながら鎧の隙間より多量の煙幕を噴出。
更に先ほど、瑠璃より貰った敵情報をリンクさせ最も敵の数が手薄な遮蔽物まで一気に走り、その眼前へと大盾を突きたて視界を塞ぎ自身は手にした剣でもってオブリビオンを一閃。
砂浜へと一人目を斬り倒し、続けざまに二人目倒せば煙幕に護られつつ、自身は各種センサーとリアルタイムで更新される、仲間からの情報にて見えぬ中を見る目を持った狙撃手となり援護の準備は万全に。
その手には既に剛弓を携え、大矢を番え不用意に進路を塞ごうとする者出れば射抜ける状況へとトリテレイアは至っていた。
既にこの時点で猟兵側が大きく流れを引き寄せていたが、猛攻はとまらない。
大地と海面断ち切ったライアの一撃、何とか直撃を回避するも水が戻り、波が乱れるが為にボートがよろめき、軍勢の統制が取れず優位性を失ったスクリーマーに迫る新たな影。
ボフンボフンと音をたてつつ、赤青黄色と色鮮やかな煙幕を広げつつ波打ち際まで雑兵の攻撃をやり過ごしたフェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)が駆け込んでユーベルコードを発動。
「逆巻く水の魔術師よ! その魔力を以て、世界に新たな理を示せ! 現れろ! 【SPマーメイジ】!」
詠唱と共に彼女の両足は魚の尾びれへと変化を遂げ、一瞬で人魚の様相へ。
そのまま海中を突き進み、視界外、足元たる海面から突如飛び出すダガーたるトリックスター。
認識できぬ場所からの一撃に体を傷つけ、怒り任せに叫びを上げるスクリーマーだが闇雲に放った無差別範囲の衝撃波では的確な反撃にはならず。
更には海面、水という天然の障壁がその衝撃を大きく殺し、フェルトへの反撃を失敗に終わらせていく。
こうもスクリーマーへの攻撃が届き、反撃すらも封じればオブリビオン軍の猛攻にも限界が生じるのは自明の理。
上空を飛び交う火砲、海側より飛ぶその数が減じた好機逃さずに、炎の翼を背に生やし数を減らした砲弾をオーラの力で捻じ曲げてレナータ・バルダーヌ(復讐の輪廻・f13031)が一直線にスクリーマー目指して飛翔。
起動曲げれぬユーベルコードの被弾も厭わずに飛び込む彼女の狙いは自身が受けたダメージをそのまま乗せて相手に叩き込む一撃、ならば多少のダメージは望むところ。
「お邪魔します、指揮官さん。ちょっと痛かったので、この身に受けた痛み、すべてあなたにお返しします!」
眼前、スクリーマーが座するボートの上へ突き刺さるように落下、その衝撃でボートを揺らしつつ、これまで数発貰ったダメージと落下の衝撃にて生じた痛みもまとめて載せて。
突如広がる強烈な力場、その中に取り込まれたスクリーマーは砲弾の、落下の、そしてレナータの体の各所に刻まれた過去の拷問により残る痛みをまとめて流し込まれ、激痛に苛まれる。
「ごぁあああ!? おまえっ、よくもっ! なぜ、痛みに耐えられる!!」
全身を駆け巡った激しい痛み、それに耐える耐久力を無理矢理妬む事でそのユーベルコードを模倣してスクリーマーがレナータへ同一効果、痛みを与える力場にて反撃を。
だがその一撃、痛みに強い体を持ったレナータは凌ぎきり、ぐらりとよろめきながらも目だけは相手をまっすぐ射抜き。
「痛みに耐えるのは得意、ですから……さらに倍返しです!」
再びの攻撃、初撃と反撃された痛み、二つの痛みが重なって二倍の痛みとなった一撃にスクリーマーは苛まれ、流石の彼も膝をつく。
誰か、自分を助けろと頭を回し援護を求むスクリーマー。
しかし遠方、海岸線では屍の軍勢が配下の動きを阻害、時折生じる閃光と爆発が自軍の連携を断ち切って、時折死の中にて光る絶奈の光が煌く度にオブリビオンの軍勢がその数を減じていく。
まるで、軍勢の使い方はこうだといわんばかりに崩す光景に絶望すれば、更に自らへ迫る二つの影。
双方、猟兵介入の序盤にて生じた障害物の移動、それによって生じた道を活用。
砲撃を避けつつ距離を詰めるはヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)と鈴木・志乃(ブラック・f12101)の二人であった。
彼女らの進撃を阻止しようと海上に布陣、銃器を構えたオブリビオンも何体か存在したが既に陸上が制圧されつつあり、また猟兵たちが攻め立てる中でそんな事が出来るはずもなく。
「邪魔はさせませんよ、少し頭を冷やして下さい」
銃火にて食い止めようとしたオブリビオン、その行動を阻止したのは陸上にて弓を構えていたトリテレイア。
海上にて援護をしていた面々のボートを狙い放たれた大矢は一撃の下、小型ボートを転覆させてオブリビオンを水没させれば、その間に切り込む二人は一気に肉薄。
「さて、妾のUCを模倣できるようじゃが……何処まで再現出来るかの?」
先に切り込んだヨナルデが振りかざすは黒曜石にて形成された戦斧。
そして彼女は黒曜石にて作られた鎧を纏った姿へと転じれば背部に生やす数多の犠牲者の血液と、そして骨にて作られた翼を持って得る飛翔能力。
肉薄、そして羽ばたきにて生じた血煙、それが目潰し効果となってスクリーマーの視界を奪えば間髪いれずに連続攻撃、振りかざした黒曜石の大斧を振り下ろせばスクリーマーのスーツをいとも簡単に引き裂いて、赤き血液ほとばしり新たに斧を彩る赤を増やしていく。
続けざまに放たれた攻撃、嫉妬に駆られて模倣をしようにもそれすら許さぬ怪力任せの叩き付けにてボートの床が叩き割られ、浸水と共にスクリーマーは投げ出される。
海中に体の一部を浸しつつ、傷口より染み入る海水の痛みに顔を歪めた先に迫るのは後詰としていた志乃。
「痛々しい。見ていられない」
戦場に満ち溢れていた負の感情を取り込みつつ迫った志乃、だが感情をかき集めた彼女の眼前にて叫ぶスクリーマーは集めた感情を上回る負の感情が溢れていた。
圧倒的な感情、だがしかしその妬む気持ちを、存在意義を奪うという目的に彼女は突き動かされ負の感情を吸収する神光はスクリーマーを眼前にして、更にその輝きを増していた。
「……頼む、もう妬んだりしなくていいから。それともどうしても妬みたいなら、あたしだけ妬んでろ」
搾り出すような、そして願うような志乃の呟き。
その言葉と共に自らの存在意義、妬む感情が急激に薄れ、吸い上げられている事に気付いたスクリーマーは此れまで以上の絶叫を上げ、ユーベルコードの使用すら忘れ志乃を止めようと両腕振り上げ飛び掛る。
だが何もかも手遅れだった。
冷静さも、力も、存在意義も吸い上げられつつあるスクリーマーにまともな反撃など出来るはずもなく。
スッと志乃の取り出した魔改造ピコハンに殴り飛ばされ、海中に倒れ込んで起き上がった先に見たものは。
「悪いけど、貴方はここで終わりだよ♪」
「その叫び、止めてあげる」
上空を飛翔、数を大きく減じたオブリビオンの砲撃を難なく避けて緋瑪と瑠璃が加速機構を組み込んだ大鎌掲げ切り込む光景。
直後、胸部と腹部に走る痛みは大きく自身の体が引き裂かれた証左。
更に追い討ちとばかりに投げ込まれた二人の爆弾が数多の水柱を生み出して、その衝撃によろめけば。
「これ以上の抵抗は無意味です!」
「はい、泣き言なら後で砂の中で言ってればいいんじゃないかな!」
千種と多喜が盾に使ったコンテナや戦車を投げつけ、スクリーマーの付近に着弾、更に大きな水しぶき。
「この地をこうも荒らしてくれましたね、許しません」
生じた水しぶきを手にした剣で断ち切って、海面を飛翔しユースティが切り込めば突き出す槍が胸部を貫き。
その後ろ、間髪入れずに突っ込んできたライアが速度を重視し刀を一閃、スクリーマー必死の叫びも意に介さず袈裟懸けに斬りつけたのが終幕の合図となる。
蓄積されたダメージがあまりに大きく、末端から崩れ去り恨み言と共に海中に没していくスクリーマー。
「あっはっは。お前の負け。不幸だね。今度もお前の方が弱かった」
その怨嗟の言葉をライアが笑い飛ばせば最後の心も折れたのか、スクリーマーは沈黙し一気に消滅、指揮官を失ったオブリビオン軍は一気に崩れ、防衛軍の猛攻にて殲滅され海岸線の攻防は猟兵と防衛軍の勝利に終わっていた。
ひとつの戦いは終わりを告げた。
だが、これは大きな戦いの、ほんの小さなひとつでしかない。
しかし小さな積み重なりがやがて大きな結果となる。
いまは唯、戦い傷ついた者たちに、次なる戦いに備えての休息を。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵