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アースクライシス2019②〜かつてのヒーローは今や…

#ヒーローズアース #戦争 #アースクライシス2019


●オブリビオンと化したかつての英雄を撃破せよ!
「予想外のところから降ってきたな……」
 傍らに浮かぶ丸盾のグリモアが齎した予知に、グリモア猟兵館野・敬輔が軽く眉を顰めているのを見て、猟兵等が次々と集まってくる。
「ああ、皆に気を使わせてしまったか。すまないな」
 最近どうも皆耳聡いよな……と呟きながら、敬輔は右手で頭を掻きながら困った笑みを浮かべたが、それも一瞬のこと。すぐに真剣な表情で語り始めた。
「集まってくれたのであれば聞いてほしい。ヒーローズアースのロサンゼルスを襲撃しているオブリビオン軍のボスを討ち取り、ヒーローたちを助けてほしいんだが、頼めるか?」
 頭を下げる敬輔に、猟兵等はそれぞれの想いを抱き頷いた。

「現在、ロサンゼルスはアトランティスの洪水兵器を擁したオブリビオン軍に攻め入られている」
 それを食い止めているのは、ヒーロー、ヴィラン、国連軍等、種族や主義を超えて結成された「ロサンゼルス防衛軍」だ。
 軍備・戦力はオブリビオン軍が勝るが、防衛軍はオブリビオン軍相手に勇敢に戦っている。そのおかげで今のところロサンゼルスへの侵攻はギリギリで食い止められている状態だ。

 ――それは些細なことで戦線が一気に瓦解しかねない、危ういバランスとも言える。

 その前に猟兵がボスを討ち取り、戦線を防衛軍に有利な状態にしてほしい、と敬輔は語る。
「今は危険な均衡状態を打ち崩すのが先だろう。そのためにも皆は危険地帯を突破し、ボスの元へ向かってほしい」
 ボスの元へ向かうには、飛び交う砲弾とユーベルコード、そして防衛軍に群がろうとする雑兵を突破しないといけない。極力消耗せぬよう戦場を駆け抜けられれば、ボスとの戦いで多少有利になるかもしれない。
「皆に倒してほしいオブリビオン軍のボスは【十字皇シュラウディ】だ。さっぱりした姉御肌の人物だが、既にオブリビオンと化している」
 シュラウディは、かつてジャスティス・ウォーで活躍したヒーローの1人。彼女にあこがれてヒーローを志した者も多いと聞く。

 ――なぜ彼女がオブリビオンとして蘇ったのだろうか?

 猟兵のひとりが口にした疑問に、敬輔は目を閉じ首を横に振り答える。
「蘇った理由はわからない。だが気にしている余裕はおそらくない。だから……」

 ――今はただ、安らかに眠らせてやってほしい。

 敬輔の祈りを込められた言葉と共に、丸盾のグリモアがロサンゼルスへのゲートを開き、皆を戦場へと誘う。


北瀬沙希
 北瀬沙希(きたせ・さき)と申します。
 よろしくお願い致します。

 ヒーローズアース初シナリオだったりしますが、
 お手柔らかにお願いいたします。

 ロサンゼルスの防衛軍がオブリビオン軍のボスに手を焼いているようです。
 皆様には、ロサンゼルスを侵略しているかつての英雄の撃破をお願い致します。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「アースクライシス2019」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

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 状況は全てオープニングの通りです。

●本シナリオにおける「プレイングボーナス」
 飛び交う砲弾やユーベルコード、雑兵の攻撃をかわすような行動をとった場合、プレイングボーナスが付与されます。
 ※上記の行動が記されていなければ採用されない、ということではございません。

●プレイングの採用について(重要!)
 通常、北瀬は問題ないプレイングは全て採用しておりますが、戦争シナリオでは【プレイングの全採用を保証しておりません】。
 本シナリオは必要成功数+α程度の人数のみの採用とさせていただきますので、有難くも参加者多数になった場合、プレイングに問題のない方から【戦争シナリオへの参加回数が少ない方を優先して】採用致します。
 ひとりでも多くの方に戦争シナリオへご参加いただきたいがための措置ですので、どうかご理解よろしくお願いいたします。
 ※1度北瀬のマスターページにも目を通して頂けると幸いです

●プレイングの受付について
 オープニング公開直後から受付開始。
 公開後、軽い追記は行いますが、その前に送ってくださっても構いません。

 本業の都合及び上記採用基準との兼ね合いで、受付締切は「最初に採用が確定したプレイングの失効日の前日」となります。決定次第マスターページ及びTwitterで告知致します。
 なお、サポートプレイングとおまかせプレイングは一律でお返しとなります。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『十字皇シュラウディ』

POW   :    シュラディック・ブラスト
【目から強力な破壊光線】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    スーパー・プレスクキック
【天空から超音速で落下するキック】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    十字百裂拳
【高速で放つ拳】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
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●ロサンゼルス某所
 猟兵達が転送された戦場は、見渡す限りの青い海に面した海岸。

 戦場を見渡すと、洪水兵器を擁するオブリビオン軍と、それぞれの主義主張を超えて結成された防衛軍が乱戦を繰り広げている。
 オブリビオン軍に人為的に洪水を引き起こすことができる洪水兵器を使用されれば、それは世界の滅亡へとつながりかねない。だからこそヒーローもヴィランも国連軍も一時的に手を取り、ロサンゼルスを必死に守っている。

 海岸で指揮を取っている金髪のポニーテールと赤いマント、そして赤いスーツが印象的なヒーローの女性。おそらく彼女がオブリビオンと化したかつての英雄【十字皇シュラウディ】。
 彼女を撃破してオブリビオン軍の瓦解を招くため、猟兵等は行動を開始した。
ハイパー・マン
「さあ、来たぞ私が、ハイパーマンだ!」
あえて【存在感】を発揮し敵の雑兵や砲撃を自分に集中させたところで攻撃を【見切り】、一時的に【空中戦】に移行、雑兵を飛び越えボスのもとに飛んでいく
奇襲気味に【力溜め】た一撃を見舞い、ボスを【吹き飛ばす】そのまま追撃を仕掛け、敵からの反撃は【気合い】と【激痛耐性】で耐えながら、距離を離されないように食らいついて殴り合いを続ける
「かつての英雄といえど、容赦はしないぞ! くらえニュートラルナックル!」



●ヒーローとしての存在感を発揮して
「さあ、来たぞ。私がハイパーマンだ!」
 堂々とした名乗りと共に、防衛軍とオブリビオン軍の双方に存在を誇示しながら現れたのは、青のヒーロースーツに白のパンツ、そして濃青のマントとエメラルドグリーンのガントレットが印象的なヒーロー、ハイパー・マン(神のスーパーヒーロー・f16472)。
「あれは!」
「ヒーロー、いや猟兵!?」
 その堂々とした立ち振る舞いは、劣勢でも必死にオブリビオン軍に立ち向かっていた防衛軍に感銘を与え、オブリビオン軍の雑兵の注目を集めていた。

 充分注目を集めたところで、そのまま地を蹴って空へ舞い、一気に雑兵を飛び越えようとするハイパー・マン。
「撃ち落とせ!」
 オブリビオン軍からの砲弾とユーベルコードの一斉射がハイパー・マンを撃ち落とさんと集中するが、ハイパー・マンはそれらを華麗に見切って避ける。
「彼を狙わせるな! 撃て!!」
 ハイパー・マンの鼓舞に活気づいた防衛軍からの一斉攻撃で、雑兵らが一時的に沈黙。雑兵や砲撃を集める目的は十二分に果たされていた。

 そのまま空を飛び一気にシュラウディに接近したハイパー・マンは、飛翔中にためておいた力を一気に解放、光子エネルギーを結晶化したエメラルド色のクリスタル状のフォトンガントレットをはめた右手を振り上げる。
「真っ向から来るとはね! ヒーロー!」
「かつての英雄と言えど、容赦はしないぞ!」
「アタシも容赦はしないよ! シュラディック・ブラスト!」
 シュラウディの赤眼に宿った輝きは赤い破壊光線となってハイパー・マンを狙い撃つ。ギリギリで見切り身体を捻って避けるも、わずかに左肩をかすめ激痛を誘発する。しかしハイパー・マンは痛みを顔に出さず、耐えた。
「しつこいヒーローは嫌われるよ!」
 シュラウディの挑発を意にも介せず、ハイパー・マンはそのままシュラウディに拳を突き出す。フォトンガントレットがハイパー・マンの意を力に変え、さらに輝きを増した。
「くらえ、ニュートラルナックル!」
 エメラルドの光の筋を残すほどのスピードで繰り出された渾身の右ストレートが、シュラウディの腹にめり込み、彼女を遠くまで吹き飛ばしていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒木・摩那
どういう事情があったかはわかりませんが、
ジャスティス・ウォーの英雄までもオブリビオンになってしまうなんて、
恐ろしいです。
ですが、英雄の落ちた姿というのは見たくないです。
ここで倒します。

UC【胡蝶天翔】を使って、周囲のものを黒蝶に変換して、攻撃をかく乱しつつ、
シュラウディの下に向かいます。

対戦になったら、相手は接近戦が主なので、ヨーヨーで間合いを取りつつ、
戦います【先制攻撃】【衝撃波】。
ヨーヨーは【念動力】で操作することで回避困難にします。

防御はスマートグラスのAIと【第六感】で対応。
破壊光線は【念動力】で軌跡を逸らして回避します。



●堕ちた理由は骸の海の中か
(「どういう事情があったかはわかりませんが、ジャスティス・ウォーの英雄までもオブリビオンになってしまうなんて、恐ろしいです」)
 かつての英雄すらオブリビオンと化す現状に、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)が感じたのは――恐怖。
 しかしその一方で、英雄が英雄の座から堕ち、世界の敵に回った姿は見たくないのも、正直な想い。

 だから、摩那が出した答えはひとつ。
 ――ここで倒します。

 心を決め、戦場を駆けだした摩那を狙い、オブリビオン軍の雑兵が次々とランチャーを構える。
「撃て!!」
 四方八方から摩那に撃ち込まれる……いや豪雨の如く降り注ぐ砲弾の雨。
 しかし、撃ち込まれた砲弾は、摩那に届く前にその全てがふっと掻き消える。
「何!?」
 雑兵らの目の前で掻き消えた砲弾の代わりに飛び立ったのは……大量の黒い蝶。

 ――天に漂いし精霊よ。物に宿りて我に従え。姿さずけよ。
 
 摩那の言の葉に応えた黒い蝶は、オブリビオン軍の兵器に次々と止まり、羽を細かく震わせ、センサーを妨害。
「セ、センサーが!?」
「妨害されていて撃てない!!」
 オブリビオン軍の雑兵が各種センサーを妨害する黒い蝶の大群に手を焼き混乱している間に、防衛軍が一斉攻撃を仕掛け雑兵を蹴散らす。彼らの支援もあり、摩那は悠々とシュラウディの元へたどり着いていた。

「十字皇シュラウディ、ここで倒します!」
 転倒状態から立ち上がったばかりのシュラウディに体勢を立て直される前に、摩那は超高速ヨーヨー『ミストラル』を念動力で操作し、真空の衝撃波を四方八方からシュラウディに浴びせかける。
「ちいっ!!」
 たちまち防戦一方に追い込まれるシュラウディ。四方八方から撹乱するヨーヨーを掻い潜って摩那に接近し、超高速の拳の連打を浴びせたいのだが、予測不能な方角から衝撃波が飛び交い、ヨーヨー自体も死角から襲い来る状況ではそれもかなわない。たまらず赤眼から破壊光線を放つも、摩那の念動力で狙いを狂わされてしまう。
 そのまま摩那はヨーヨーでシュラウディを殴打し、ワイヤーで右わき腹を大きく斬り裂いた。
「やるね……まったく猟兵とやらは芸が多いんだから」
 右わき腹を抑えながら、シュラウディは憎まれ口で摩那を称賛する。ここまで完封されたらなす術もなかったのだから。

「シュラウディ、あなたはなぜ、オブリビオンとして蘇ったのですか?」
「さあね」
 摩那の問いは、シュラウディにあっさりとはぐらかされる。
 ――英雄が堕ちた理由は、まだ明かされぬ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月待・楪
くははっ!
かつてのヒーローが世界を滅ぼす、なァ?
ま、一度死んだもんが蘇った段階でヒーローもくそもねーか
だが、まァ…そっちがそのつもりなら
ヴィランが世界を守るってのも。面白いかもな?

【黄昏】で変身
上がった反応速度と【戦闘知識】で砲弾や雑兵どもの攻撃は【見切り】躱す
間に合わないなら近場の【敵を盾にする】ことで防ぐ

飛翔能力で接近、つってもあんまり近寄らねぇ方がいいか?
【ダンス】するみたいに拳を【見切り】ながら
威力の上がったカルタとガランサスで【クイックドロウ・傷口をえぐる・2回攻撃】を

よォ、ヒーロー
お前らが世界の敵になるって言うなら…ヴィランが世界を守ってやるよ
悪として、な



●黄昏の悪が破滅の善を撃ち抜く時
 月待・楪(Villan・Twilight・f16731)は、かつての英雄の姿を認めるや否や、くははっ! と嘲笑しながら侮蔑するような視線を向ける。
「かつてのヒーローが世界を滅ぼす、なァ?」
 ヒーローではなくヴィランとなり、赤雷と共に闇に潜むことを選んだ青年にとって、『ヒーローが世界を滅ぼす』という構図は如何なる感情を抱かせるものだろうか。
(「ま、一度死んだもんが蘇った段階でヒーローもくそもねーか」)
 あるいは、オブリビオンとして蘇った時点でヒーローたる資格はないと思っているのかもしれない。
「だが、まァ……そっちがそのつもりなら」

 ――ヴィランが世界を守るってのも、面白いかもな?

 楪は鴉をモチーフにしたマスクをつけ、ヴィラン・トワイライトに変身。戦場へと躍り出る。
 数多くの戦場を渡り歩いて培った経験から、砲弾の軌道や雑兵らの攻撃手段を予測。飛び交う砲弾や雑兵の一撃を、時には倍増された反応速度を生かして見切って躱し、時には雑兵を掴んで投げつけ盾代わりにして攻撃を防ぐ。
 それでも運良く至近距離まで接近した雑兵が、楪の背後からナイフを一閃するが。
「ヴィランが、死……ぎゃああああああ!」
 ナイフが楪の纏う赤雷に触れた瞬間、雑兵は雷に打たれたかのように硬直し、その場に倒れ伏した。

「よォ、ヒーロー」
 悠々と雑兵らを振り切り、シュラウディの前に立つ楪。
「ヴィラン……!」
 楪がヴィランであることに気づき、憎々しげに吐き捨てるシュラウディ。オブリビオンと化してもヒーローの心は失っていないのだろうか?
「お前らが世界の敵になるっていうなら……ヴィランが世界を守ってやるよ。悪として、な」
 楪……否、ヴィラン・トワイライトは、ヴィランへの憎悪に染まったシュラウディの高速の拳の連打を、軽やかにダンスを踊るようにして回避。拳を振るった腕が伸び切った一瞬を見逃さず、躊躇なくシュラウディの右わき腹にカルタとガランサスの銃口を向け、立て続けにトリガーを引く。
「ぐぅ……っ!!」
 既に他の猟兵によって傷つけられていた右わき腹の傷が、カルタとガランサスの弾丸でさらに深く大きく抉られ、シュラウディの端麗な顔を大きく歪めていた。

 ――善が世界を滅ぼすなら、悪が世界を守るだけさ。

 ヒーローに己の銃で引導を渡した楪が他に抱くのは、如何なる想いなのだろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユウキ・スズキ
「OK、飛び交う砲弾、血と硝煙。大歓迎だ、久方ぶりに地獄で踊るとしようぜ?」
UC起動。
反応速度を上げてスローな世界で攻撃を回避しつつ敵将に全速力で接近する。
「女か、くだらん」
どんな理由で蘇ろうが、知ったことか。
かつてはヒーローだった?聞いて呆れる。
「こうして蘇った以上、貴様は世界の癌だ。黙って死ね」
空から飛び蹴りとは芸がないな。
さあ、来い。
貴様の勢いはそのまま利用してやる。
「風向き、対象の接近速度、気圧。問題は無い」
お前の飛び蹴りの弱点。
それは空気抵抗を受ける中心。
そこを精確に撃ち抜けば、弾丸が弾かれることはない。
「俺の狙撃技術をなめるなよ、なぁ、ヒロインさん?」



●英雄と地獄で踊る狂詩曲
「OK、飛び交う砲弾、血と硝煙。大歓迎だ」
 撹乱した猟兵等の活躍で防衛軍が持ち直しつつある戦場の空気は、ユウキ・スズキ((元米国陸軍)少尉 不審者さん・f07020)が好むもの。なお、最近の言動と称号からは疑われるかもしれないが、あくまでも仲間に対してふざけているだけであり、今の姿が素のユウキ……のはず。
「さあ、久方ぶりに地獄で踊るとしようぜ?」
 死へ誘う舞踏会の開催を宣言しつつ、ユウキは己の体内に埋め込まれているシステムを起動した。

 ――【StartenSieWalküreSystems】。

 身体の機械化している部分と脳を直結することで得られる、肉体の限界を遥かに超えた反応速度とスピード。
 ユウキは己を中心に回るスローな世界を駆け抜け、緩やかに飛び交う砲弾と動きの鈍い雑兵を最低限の動作のみで躱し、全速力で駆け抜けシュラウディに接敵した。

 接近してシュラウディが女性であることに気づくユウキ。
「女か、くだらん」
 戦場に立った以上は性別は関係ない。男だろうが女だろうが、等しく兵士。
「かつてはヒーローだった? 聞いて呆れる」
 ユウキはあえて過去形を用いて形容し、吐き捨てる。どんな理由で蘇ろうと知ったことか。
「ああ、『かつては』ヒーローだったさ。今は世界の敵だけどね!」
 シュラウディもそれを否定しないなら、ユウキの取る道はひとつ。
「こうして蘇った以上、貴様は世界の癌だ」

 ――黙って死ね。

「死ぬのはアンタたちだよ! スーパー・プレスクキック!」
 空高く飛び上がり、天空から音速のキックをユウキの脳天にぶち込もうとするシュラウディ。
(「空から飛び蹴りとは芸がないな」)
 とはいえ、まともに食らったら周囲の被害も甚大だ。
「風向き、大正の接近速度、気圧。問題はない」
 幸い、スローな世界の中心にいるユウキには、シュラウディの音速の飛び蹴りもゆったりと落下しているように見える。
「お前の飛び蹴りの弱点、それは、空気抵抗を受ける中心」
 ユウキは両手でDSR-70 Panzerbüchse【Sanngriðr】を構え、シュラウディの足裏に狙いをつける。弱点を精確に撃ち抜けば、弾丸も弾かれることはないはず。
「俺の狙撃技術をなめるなよ?」

 ――なぁ、ヒロインさん?

 銃声一発。
 70口径劣化ウラン弾【Eir】がシュラウディの足裏を捉えたかに見えたが、直前でシュラウディがわずかに軌道を変えたのか、それとも悪魔のいたずらで外れたのか、弾丸は足裏ではなくシュラウディの胴を捉えていた。
「あああっ!!」
 着弾のインパクトでバランスを崩し、そのまま無様に地面を転がるシュラウディを、ユウキは冷めた目で見下ろしていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

白石・明日香
十字皇・・・どの世界でも戦う宿命だが、ここでは初めてだったな。
そしていきなりサヨナラだ!
接近しなければ話にならんけど飛び交う砲弾やら攻撃は戦闘知識を生かして
動きや軌道を見切り、当たりそうなのは武器で受けて流してダッシュで追跡する。
奴と対峙したら残像で攪乱しながら狙いをつけられる前にダッシュで接近
一気にオレの間合いまで詰めて怪力、2回攻撃、属性攻撃、鎧無視攻撃で
叩き切る!
この世界のお前とはこれまでだが、違う世界でまた会うだろうさ・・・アバよ!



●世界線を超え戦う宿命
(「十字皇……どの世界でも戦う宿命だが、ここでは初めてだったな」)
 刀身が血のように赤い刀『全てを食らうクルースニク』を手に、白石・明日香(十字卿の末裔・f00254)は宿縁で結ばれたオブリビオンを眺める。
「会って早々だが、いきなりサヨナラだ!」
 この世界の十字皇との縁を断つべく、明日香はダッシュで接近。雑兵からの攻撃や飛び交う砲弾は、過去の戦闘経験で得た知識をフル活用して動きや軌道を予測した上で見切り、それでも被弾しそうになったらクルースニクで受け流してシュラウディに肉薄する。
「アンタ……十字卿の末裔か!」
「ああ、世界を超えて戦う宿命を持つオレが、十字皇シュラウディ、貴様を討つ!」
 明日香は残像を生み出して撹乱しながら一気に踏み込み、間合いに入るや否や真っ向からクルースニクを袈裟に振り下ろし、斬る。
「アンタ、世界を守るよりアタシと戦いたいんだろ?」
 シュラウディの問いに対する明日香の返事は、逆袈裟に斬り上げたクルースニクの一撃。二撃で確実に胴を斬り裂くも、シュラウディの顔に浮かぶのは嘲笑。
「なあんだ、アンタもアタシと同じじゃないか」
「同じ?」
 軽く首を傾げながらも、至近距離からの破壊光線を紙一重で躱す明日香。
 そして、シュラウディはケラケラと笑いながら、明日香の問いに答える。
「アタシはヒーローでいることが重荷だったんだよ」

 ――ただ、悪者を殴れれば、それでよかったんだ。

「ジャスティス・ウォーで暴れすぎたために、英雄なんて呼ばれるようになった」
 拳で明日香の胴を殴りつけながら、シュラウディは語る。
「戦争の英雄だと祭り上げられてそれらしい振る舞いを強制されて、英雄らしい戦いを強制されて……そしてヴィランとの戦いでアタシは死んだ」
「そしてオブリビオンとして蘇ったのか」
 クルースニクでシュラウディの腕を斬り裂き、いったん距離を取って投げられた明日香の問いに、シュラウディは晴れやかに答える。
「死ぬ直前に気づいたんだよ」

 ――アタシは、アタシをアタシとして存在させなかったこの世界を憎んでいた、ってな。

「だからアタシは世界を破滅させる。世界を滅ぼす」
「オブリビオンとして蘇ったから、か?」
「ああ。ヒーローとヴィランという安っぽい幻想に支配されたこの世界を、ヒーローの手で徹底的に壊してやるのさ!」
 壊れて乾いた笑いをあげ、憎悪を露わにするシュラウディ。

 ――彼女の目的は、かつての英雄の名のもとに行う……世界への復讐。

「御託はここまでにして、そろそろ終わらせようじゃないか!」
「ああ、終わりだ!」
 シュラウディが最後の力で高速の拳の連打を明日香に浴びせようとするも、紙一重で見切られ1歩外に踏み出されて躱される。
 明日香はそのまま内側へ大きく踏み込み、クルースニクを横に構えて全力で薙いだ。

 ――明日香の横薙ぎは、シュラウディの胴を上下真っ二つに両断していた。

「この世界のお前とはこれまでだが、違う世界でまた会うだろうさ」
「アタシの完敗、か……」
「ああ、アバよ!!」

 明日香が返す刀でシュラウディの上半身を両断し、その存在ごと宿縁を断ち切った。
 世界を守るための刀でなく、戦うための刀が、その縁を完全に消滅させた。

 こうして、英雄たることを望んでいなかったヒーローの物語は、縁を持つ猟兵の手で幕を下ろされた。
 彼女の真実は……この戦場に立つ猟兵のみ、知る。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年11月08日
宿敵 『十字皇シュラウディ』 を撃破!


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠白石・明日香です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト