アースクライシス2019④〜ノウテンの月
●宙を視る
洞窟から現れた少女は、キラキラとした破滅を携えて、脳『天』に広がる宙を視る。これを抱擁、内包した我が身を知りながら――元英雄は力に溺れる。そして、歓喜するのだ。少女は胸いっぱいにブラックホールを魅せ尽くし、神鋼の鎧を着用する。現こそが狂気の、虚ろの、星々の輝く時だ。ルナティックの微笑み――地に定められる。ああ。ああ――強大なら、殺されないといけないの。だったら、抵抗しないとね。
それは破滅的な想いだった。それは暴走と呼ばれる最悪だった。それは、もはや倒さねば止まらない、凄まじい、悲劇。
●グリモアベース
「猟兵よ。貴様等の活躍を揮う時が訪れた。戦争だ――先の予知も『鎧』だったが、此度も【神鋼の鎧】案件た。鎧を着込んだ『ルナティック』を倒してもらいたい」
テケリリケテルリリ・テケリリテケリャアが資料を捲り、猟兵達に触手で示した。其処には星のような鎧(オーラ)を纏った少女の姿。外見では判断し難いだろう。だが。グリモア猟兵の声色から強さが伝わってくる。
「元英雄の『ルナティック』は星や月、狂気の力で、圧倒的な『攻撃』を仕掛けてくるオブリビオンだ。これを凌ぐのは至難の技だろう。重ねて――奴は『神鋼の鎧』を纏っている。これを着用したオブリビオンは【殆どの攻撃を無効化する】が、鎧の【隙間】を突けば傷を与えられる。今回の【隙間】は【脳天】だ。星を落とすかのように、奴の【脳天】に叩き込んでやれ――宜しく頼むぞ」
グリモアが輝いて。
にゃあら
にゃあらです。
月の狂気、星の光輝、黒の破滅。
オブリビオンは『神鋼の鎧』を着用しており、殆どの攻撃が無効化されます。隙間である【脳天】を突けば、ダメージ(プレイングボーナス)が入るでしょう。
宜しくお願い致します。
第1章 ボス戦
『ルナティック』
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POW : スターパンチ
【星の力を宿した拳】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 狂気の月光
【月の輝きと共にその場に居た者すべてが凶暴】に変身し、武器「【宇宙エネルギー】」の威力増強と、【宇宙エネルギーと相対する猟兵の数】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。
WIZ : 虚ろの無海
単純で重い【ブラックホールによる消滅】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
👑11
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暗い。昏い。地の底よりも。
美しく。破滅的な宇宙の方が好ましい。
過去に堕ちた英雄が月に狂えば。
虚ろへの暴走が始まるだろう。
猟兵よ。少女の脳天に拳骨(攻撃)を叩き込むのだ。
白石・明日香
後がつかえているんだ。さっさと退場しろ!
残像で撹乱しながらダッシュで接近、敵に近づいたら手にしているルーンブレイドを敵に目掛けてぶん投げる!
引っかかって攻撃すればよし、そうでなくても気を取られるだろうからその隙を突いて周囲の地形を利用して相手の脳天目掛けて飛び上がり、2回攻撃、怪力、属性攻撃で叩き斬るとしよう。
踊り回るかのように、星辰のエネルギーを抱きながら少女は笑う。嗤う。狂喜する。世に解放された感覚が脳内になだれ込み、破滅的なキラキラが瞳に溢れて仕方がない――後がつかえているんだ――最初に転移した白石・明日香(十字卿の末裔・f00254)が貌を晒して言葉を突き付ける。戦争は未だ序盤で、クライマックスじみた宇宙(コスモ)は不要なのだ。さっさと退場しろ――呪いを構えて対象を睨む。星の力が圧縮され、オブリビオンの拳に宿る。ならば『翻弄』が最適解だ。
猟兵が動いたかと思えば残るのは像。ダンピールの『素』が解き放たれ、好戦的な性格が『挙』に現れる。敵の拳が揮われる前に接近し、魔の剣を――投擲する。切断に使わなかったのは何故か。一撃に示さなかった所以は。少女は天を視る。観る。それは『奈落への招待状』に相応しい幕『空け』だった。
地を踏みしめて飛び上がり、剣豪の技(すべ)が炸裂する。宙返りで剣を掴み、拳の射程距離外から『属性』を二度、叩っ斬る――総て。全て。悉くを――怪物じみた刀身が、少女の脳天を一閃(切断)した。
――ピンク色がハラりハラり。
成功
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パルル・ブラックベリー
月がなんだ!星がなんだ!パルルちゃんは、ビッグバンだぁぁぁぁ!!
接近戦で勝負だな!30センチギリギリまで近付いて急遽上昇!そこから急降下!気分はジェットコースター!そして脳天に向かって突撃だぁぁぁ!パルルちゃん爆撃機いくぞおおおおお!!!
パルルちゃんはビッグバン!爆発するのは宇宙の真理!故に敵の頭はこの爆発に飲み込まれるのだ!多分!
刺激を与えると如何に成るのか。果てるのか。
はらりはらりと髪が舞う。神の力が膨れ上がる。月が。星が。黒が。未だ、終わりを望まない。抗いを掴む――それがなんだ! パルルちゃんはビッグバンだ――パルル・ブラックベリー(腹黒フェアリー・f10498)の腹の底からハイテンションが噴き出した。こうなってしまったら終いはカオスの暴力に違いない。キラキラとした破滅よりもキラキラとした面の方がよろしい『もの』だ。叫ぶ。轟く。果実(ベリー)は腹(ベリー)からアイドルを放出する。アイドルエネルギーとは何だろうか。誰にも理解出来ない。
接近戦での勝負が好ましい。星々の廻りが再び、オブリビオンの拳に集中する。うおおと突っ込む猟兵を待つ姿は、真逆の落ち着きにも視える。引き付けて。引き付けて――引き付けて『居た』のは猟兵だった。射程範囲外寸前で急上昇。翅を懸命に働かせ、空高くから……急降下だ。一なる妖精(ジェットコースター)がオブリビオンの【脳天】を認識する。状況を把握出来ない。思考は猟兵の宣言(せりふ)と共に停止した――パルルちゃん爆撃機いくぞおおお
!!!!!
パルルちゃんは確かにビッグバンだった。
爆発とは宇宙の真理で在り、宇宙の真理こそが爆発だ。故に敵対者の頭部は『爆発』に呑み込まれる運命に在る――たぶん。おそらく。きっと!!!
成功
🔵🔵🔴
アリシア・マクリントック
頭部が弱点ですか……鎧があっても狙うところではありますが。その分有効打は狙いにくい、といったところでしょうか。
ですが、私はあえて格闘戦で勝負です!……変身!ティターニアアーマー!
相手も拳が自慢のようですし、『ステゴロ』の『タイマン』を仕掛けましょう。拳と拳の勝負です!
少々卑怯ですが、サイズとリーチの差を活かして戦いましょう。警戒しているでしょうから、本命の一撃の前に動きを止めたいですね。掴んでしまえればいいのですが……
いえ、リスクを恐れてはいけませんね。相手が全力の一撃を叩き込むために近づいてきたところにカウンター狙いです。その脳天に思いっきり拳を振り下ろしてやります!
混沌の爆から立ち直った少女は、けぽぉと煙を吐き出した。仕切り直しだ。強大な力に身を委ね、精神を『抵抗』に傾ける――アリシア・マクリントック(旅するお嬢様・f01607)が瞳を『遭』わせ、場に緊張感が戻ってくる。訪れた静寂は『拳』の合図。無音の鐘が響いたならば、ピンクと青の中に【真剣】が満ちる。勝負だ――変身!
オブリビオンが鎧(オーラ)を纏うならば、猟兵は重機を着用した。巨大な鎧(アーマー)は正しく『力』の象徴で、星と呼ばれる逸脱とは別の超越性だ。武器は要らない。頼れるのは己の『肉体』だけだ。これは『一対一』の挑戦状だ。素手での殺し合いを動きで伝え――キラキラな破滅が大笑いした。
命中せずとも空気が震え、衝撃が地面を抉っていく。オブリビオンの拳が天を潰したら、猟兵の拳が鎧に触れる――本来ならば猟兵の有利だろう。それは体格の差。接近戦に於いて重要と成る事柄だ。卑怯でも何でも無い。殴り合いではなく殺し合いだ。考える。脳天の中を働かせるのだ。
オブリビオンは隙間を理解し、猟兵の拳を警戒するだろう。それは此方も同じ事だ。手首を掴み、抑え込めれば完璧だが――リスクを恐れて何を成せる。為すべきは確実な巨人の一撃――反撃(カウンター)。オブリビオンの拳が意識に迫る。
――額スレスレで星が止まる。振り下ろした思いっきり。
頭蓋が砕け、中身が凹む感触。
成功
🔵🔵🔴
ルカ・ウェンズ
英雄でもオブリビオンとして現れたなら消えてもらわないと。
【行動】
狂気の力…凄いわね!逃げ回って攻撃しても、この敵には勝てないないと思うし、消えてもらうどころか、こっちが殺されそうだわ!殺されるのは嫌だから理性を失うけど強くなれるこのユーベルコードを使って攻撃するわ。
近寄れば敵も【星の力を宿した拳】で攻撃してくるけど、速く動いてくれるから味方を攻撃しないで済むし、私も脳天を狙って、やり返すことができるわ!武器で攻撃するよりも、殴ったり蹴ったりした方が脳天を叩き割れそうだから、脳天を狙って【怪力】にまかせに敵を殴ったり、蹴ったりしてみるわ!
強大な力を有する少女。英雄だった溺死(オブリビオン)の輝き。ルカ・ウェンズ(風変わりな仕事人・f03582)の赤い眼が、漆黒の髪が、淡々と『敵』を認識する。少女が如何に『素晴らしい』過去だったとしても『今』こそが重要なのだ。此れは悪と解くよりも純粋と見做すべきか。力に呑み込まれ、一度殺され、抗いを誓うのは『当たり前』で在る。故に。猟兵は狂気を理解した。少女の心身に宿った星のエネルギーは、真に恐ろしい『膨大』――凄いわね。言の葉は本心に違いない。
逃げ回る事は悪手だろう。何れは消滅させるほどの一撃に殺されてしまう。消す前に消えて終うのは勘弁だ。だったら。此方も狂って魅せよう。滅ぼす為の札を切って魅せよう――理性を手放したとしても、猟兵には【殺す】理由が在るのだ。
許さない。赦す必要が無い。過去が現在に謝っても、それは無粋という類だろう。無差別と称される適切な解を――滅ぼす。滅する。屠る。絶やす。断つ――撲れ。殴り潰せ。蹴るのだ。蹴り堕とせ。輪郭は硬く、翅(よく)は禍々しく、貌は髑髏のように――星が狙うのは全身。猟兵が狙うのは脳天。激烈な戦闘が啼き叫ぶ。
星が過ぎる。首を傾けて逸らしたならば。そして、誰もいない――再生して間もない脳天に【殲滅】たる踵落とし。怪力任せの黒が、狂気に致命を捺し浸けた。
成功
🔵🔵🔴
フェルト・ユメノアール
どんな悲劇でもボクが喜劇に変えてみせる
それが道化師の役割だからね
レディースエーンジェントルメン!
『ミラクルシルクハット』から花火と紙吹雪を打ち上げ
手品をするような大仰な身振りで敵と対峙
キミにもボクのマジックショー、楽しんでもらうよ!
『トリックスターを投擲』して敵を牽制
倒す事は考えない、防戦をしつつ攻撃の隙を見極め
タイミングを合わせて一気に反撃を手を打つ
ボクは【SPアクロバット】の効果発動!
このカードがバトルする時、手札を捨てる事で戦闘力をアップさせる!
そう、戦闘前の手品は敵の注意を逸らしアクロバットを花火に紛らせ頭上に飛ばすための策だったのさ!
頭上から一気にアクロバットを降下、弱点を狙い撃つ!
悲劇や惨劇は喜劇に染まらねば成らない。それが物語ならば問題ないが、現実ならば『そっち』の方が好いに決まっている――フェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)はお楽しみの『幕』を無理矢理捲り除いた。覗き込むようにオブリビオンが屈んだならば、其処から飛び出る花火と紙吹雪――レディースエーンジェントルメン! 夢と笑顔が溢れる。愉快でカラフルな舞台(マジックショー)へご招待だ。それが道化師の役目ならば、全うしなければ詰まらない。大仰に身振り手振りで星を誘い。楽しんでもらう為、宣言している暇はない。
さあ。ご覧入れますは奇怪な道化師の投擲だ。トリックスターの舞い踊るサマは少女を舞台に上げる切っ掛けだ。月の狂乱が空間を掻き乱す時、刃が歪んで鎧に阻まれる。倒す事は考えなくて好い。最重要なのは防戦を『成立』させる事だ。飛翔するオブリビオンの連撃を躱して受けて宙返り――札を棄てろ!
肥える墓地は越える唯一の方法だ。効果発動。【SPアクロバット】がバトルする時、棄てた札の枚数分戦闘力が上昇する。手品師の罠は遂に『成立』した――気を取られたオブリビオンの頭上。色鮮やかなアクロバット。
花火に紛れて飛んでいた。
急降下――闇夜の眷属が脳天を狙い撃つ。
猟兵の『手』は最初から、運命を引き寄せていたのだ。
成功
🔵🔵🔴
アレク・アドレーヌ
…まさかこの戦争中に再び彼女と相対することになるとは運命というものはどう転ぶかわからん。まして『二度止めねばならない』というのも因果を感じる
あの時は苦渋の決断の末だったが…正直今回もまた苦渋の決断を選ばないといけないようだ。だが世界の為でもある以上『個人の迷い』で世界を滅ぼしかねないのは許されることじゃない
『覚悟』を持って相対するとしよう
UCを使用し身体能力を強化。その上であえて至近距離に歩み他のUCの使用させぬよう接近戦でもって殴り合いに行きます
…しかし彼女もまた英雄だった。それを忘れてはいけない かの地の人々は知らぬがね
一人では。独りでは『辿り着けなかった』道だ。独りでは『辿り着けなかった』のは、目の前の【彼女】が証明してくれている。運命とは如何に転ぶものか。赤い糸が存在すると説くならば、世の中の絡まりは血の滴りだろう。アレク・アドレーヌ(仮面の英雄・f17347)は無貌(マスク)を外さない――二度も止(と)めねばならない。止(とど)めねばならないとは。因果を感じる星辰の揃い。
あの時は苦渋の決断だった。過去から訪れた現も、苦渋を選ばねばいけない。世界の為だ。英雄として。仮面として。個人の迷いは赦されない。世界の破滅を許容するほど、英雄(俺)は慈悲深くないのだ――覚悟を持って。面を遭わせよう。たとえ『素』が視得なくても、彼女は首を横に振る筈だ。
殺されるの。また。もう一度――抗う。抗う他にない。強大な『星』が頂に到達する。無限なるエネルギーが此処に集結したのだ。拳(意思)が衝突し――英雄の鎧が星に砕かれる。神鋼の鎧が結集を逸らしていく。力の差はわかっていた。だが。俺達には『未来』が。白紙の希望が。進む覚悟が『宿る』のだ――脇腹が壊れる。骨が悲鳴を上げる。脳髄が焼け切れるような、強烈な痛み。それでも。それでも。
――限界は越えていた。外骨格は崩れている。
――ぐちゃ、と、脳天が、星が地に息絶える。
しかし。彼女も、また、英雄だった。
それを忘れてはいけない。誰も、忘れてはいけない。
かの地の人々は知らぬが、俺は忘れられないね。
ノウテンに月は無い。
大成功
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最終結果:成功
完成日:2019年11月02日
宿敵
『ルナティック』
を撃破!
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