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アースクライシス2019④~神速を穿て

#ヒーローズアース #戦争 #アースクライシス2019


●神速の白
 アメリカ、モニュメントバレー。荒野にモニュメントの如く屹立するテーブル状の台地、その一つにぽっかりと穴が開く。光を拒む闇に満たされた洞窟から一人の少女が現れた。

「……」

 深く息を吸い、肺腑から全身へ空気を沁み渡らせる。その身を白き鎧が覆ってゆく。鎧と呼ぶには華奢な形状、だが己が力を活かすなら重厚な金属など邪魔でしかない。その少女、オブリビオン『克銘ノ五・白連』ケイト・ルマインは呼気を吐き、来るべき敵を待つ。

●グリモアベースにて
「皆さん、ヒーローズアースのアメリカ、モニュメントバレーにオブリビオンが出現しました。」
 聖典のグリモアをぱたりと閉じ、アルトリンデ・エーデルシュタインは行き交う猟兵へ向けて声をかける。そして足を止めた幾人かに説明を続けた。

「現れたのは『克銘ノ五・白連』ケイト・ルマイン。高機動戦闘を得意とする少女のオブリビオンです。もともと高い能力を持つオブリビオンですが、今回はさらに『神鋼の鎧』と呼ばれる物を装備しているようです。」
 モニュメントバレーに突如現れた洞窟より出現したこのオブリビオンは鋼神ウルカヌスより授けられた鎧を身に纏っているという。それは即ち、神々が住まう『地球の中心』センターオブジアースからの刺客に他ならない。

「『神鋼の鎧』はあらゆる攻撃に対して高い耐性を誇ります。物理的な攻撃だけでなく、化学兵器や魔術、果ては罵詈雑言や煽りなどに対しても、です。」
 その為、真正面から打ち破るのは非常に困難であると言わざるを得ない。
「ですが、鎧にも弱点はあります。ケイト・ルマインが着用している鎧は背中に掌ほどの大きさの青い光のクリスタルがあり、この部分には鎧の超防御力はないようです。」
 いわば『鎧の隙間』とも言うべきこの弱点だが、当然、敵も承知している。容易く背中は狙わせないだろう。その上、ケイト・ルマインのユーベルコードによる防御低下は本人のみ影響し、鎧の性能は下がらない。無論、鎧を抜けた攻撃には弱くなるが。
「ですので、高機動戦闘をするケイト・ルマインの背中のクリスタルから攻撃を通す、という事が必要となります。」
 背中に攻撃を通す何かしらの対策は必要だろう。精神的な揺さぶりなども鎧によって効果が薄い。加えて高速で連打される攻撃に対処する手段も必要となる。

「手強いオブリビオンではありますが、皆さんならば倒せると信じています。よろしくお願いします。」
 そう言葉を括り、アルトリンデは猟兵たちを送り出すのだった。


こげとら
 お久しぶりです、こげとらです。
 このシナリオは『アースクライシス2019』の戦争シナリオです。

 『神鋼の鎧』お装着したオブリビオン『克銘ノ五・白連』ケイト・ルマインとの戦闘となります。鎧はオブリビオンの装備を含めて全身を覆っており、弱点以外からの攻撃に対し超耐性を持ちます。その代わり弱点への攻撃に対して、鎧は一切の防御効果をもちません。オブリビオン本体の防御力はさほど高くはないため、鎧を抜けたダメージはそのまま本体に通ると考えていただいてかまいません。
 また、今回は特別なプレイングボーナスがあります。

 プレイングボーナス……どこかにある「鎧の隙間」を狙う。

 今回、鎧の隙間は背中の青い光のクリスタルです。光が集まってクリスタルのように見える箇所なので、触れてもクリスタルの感触はありません。

 戦場は荒野。遠くにモニュメントバレー特有の岩山とかありますが、近くには障害物となるような物はありません。

 それでは、皆さんのご参加をお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『『克銘ノ五・白連』ケイト・ルマイン』

POW   :    輝弾『アリオカルプス』
【突撃】が命中した対象へ【圧倒的手数の連撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD   :    閃弾『エピテランサ』
【防御力】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【攻撃回数を9倍に引き上げ】、【武器を刃状】に変化させ、殺傷力を増す。
WIZ   :    光弾『コピアポア』
【腰の装甲】を【解放モード】に変形し、自身の【飛翔速度を底上げする】。そして【防御力】を代償に、自身の【敏捷性】と【攻撃力】を強化する。
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パルル・ブラックベリー
敵はスピード重視かぁ。まともにやったら負けちゃうね。なので肉を切らせて骨を断ちます!
まずは相手に上から接近して脱力しながら攻撃を受けよう。回数は9倍だけど速度が9倍になるわけじゃないからまだ対応出来るはずだ。
攻撃を受けたら暴言吐いて上か敵の背後に吹っ飛ばされよう!ブレードなら形状の関係上振ってから次に振るまでには多少の時間があるはずだからその僅かな隙を狙って翅を使って空中で強引に反転して背中に突っ込もう!
パルルちゃんの腕でも頭でもどこでもいい!直接攻撃じゃい!当たればいいんだよ当たれば!いっけぇー!



 モニュメントバレーの茶けた荒野を風が渡る。神の鎧を纏いしオブリビオン『克銘ノ五・白連』ケイト・ルマインは来訪せし者を迎え撃つべく地を蹴った。
 パルル・ブラックベリーは転送されてすぐに、こちらへ向かってくる人影を見つけていた。風さえ置き去りに、などと形容したくなるスピードに声が漏れる。

「敵はスピード重視かぁ。」

 まともにやったら負けちゃうね、と呟く顔に諦観は無い。手はすでに用意している。それは。

「なので肉を切らせて骨を断ちます!」

 ふわり、とパルルは上空へ舞い上がり、高速で接近してくるケイトの上から接近する。当然、パルルの姿はケイトに見えている。
「閃弾――」
 ケイトの両の手に在るトンファーの封印が解かれ、青い光刃を形成した。その瞳が捉えるは上より来るパルル。
「――『エピテランサ』」
 直後、垂直に跳ねたケイトがパルルの身体を薙ぐ。パルルの脱力した身体が吹き飛ぶほどの衝撃。さらに空中で追撃をかけようとしたケイトに、パルルの罵声が浴びせられた。

「キャー! いったぁーい……テメェやってくれたじゃねーか!」

 確かにケイトの刃はパルルを斬り裂いたはず。だが何故、吹き飛ばされる程度で済んでいるのか。見ればトンファーから刃が消えている。脱力して攻撃を受けたパルルの【パルルちゃんシャウト(ボイス・カウンター)】がケイトの閃弾を打ち消していた。ケイトの攻勢が緩む。

「やられる覚悟はできてるだろうなァ? オイ!」

 ケイトが次の一撃を振う間。パルルは吹き飛ばされた勢いのまま、翅で強引に反転して突っ込んだ。

「パルルちゃんの腕でも頭でもどこでもいい! 直接攻撃じゃい!」

 只、勢いで以てパルルはケイトの背に在るクリスタルを目掛けた。どう仕掛けるとか考えるより先に、とにかく前へ。

「当たればいいんだよ当たれば! いっけぇー!」

 なりふり構わず突っ込んだパルルの頭が青いクリスタルを突き抜けてぶち当たる。
「ぐっ……」
 呻く声、そしてパルルの身体に衝撃。払い飛ばされたパルルの眼には、失速して地に足をついたケイトの姿が映った。

成功 🔵​🔵​🔴​

神代・凶津
ヒーローズアースの危機と聞いて駆けつけたが、どうやら敵さんは速さに自信があるようだぜ。
「・・・速さなら私たちも負けてない。」
おうよ、見せつけてやろうぜ相棒ッ!

「いくぜ、相棒ッ!」
「・・・転身ッ!」
雷神霊装、コイツでスピード勝負と洒落混もうかッ!

まずは挨拶がわりに強化したスピードで距離を詰めて破魔の雷撃を纏った妖刀で先制攻撃だぜ。
まあ、情報通りならほとんど効かねえだろうがな。

その後は強化したスピードと反応速度で奴のスピードに食らい付いてやる。
敵の攻撃を見切り、ギリギリで避けてカウンター気味に背後に回って弱点のクリスタルを穿ってやるぜッ!


【技能・破魔、先制攻撃、見切り、カウンター】
【アドリブ歓迎】



「ヒーローズアースの危機と聞いて駆けつけたが、どうやら敵さんは速さに自信があるようだぜ。」

 迅速の攻防を目にし、朱き鬼面である神代・凶津の声が響く。その面を手に神代・桜はしかしと応じた。

「……速さなら私たちも負けてない。」
「おうよ、見せつけてやろうぜ相棒ッ!」

 バチリ、と風に雷が舞う。少女は躊躇う事無く鬼面を顔に、そして鬼面は力を解放した。

「いくぜ、相棒ッ!」
「……転身ッ!」

 【雷神霊装・二ノ型(スパークフォーム・ツー)】を纏い、雷が吹き荒れる。そして荒野に風を残し、鬼面を被る巫女はケイトへと突き進んだ。

「雷神霊装、コイツでスピード勝負と洒落混もうかッ!」

 挨拶代わりに、と振り抜いた妖刀の一閃がケイトの打ち降ろしたトンファーに阻まれる。だが刀身が纏う破魔の雷撃を止める事あたわず、強烈な閃光と轟音と共に力の奔流となって大地を抉り飛ばす。並の相手ならこれで仕舞であろう。だが。

「まあ、情報通りならほとんど効かねえだろうがな。」

 帯電する大気、舞う土埃の中から現れたケイトの姿に凶津が零す。叩いた手応えから全くのノーダメージという事はないだろうが、大したダメージは受けていないだろう。やはり有効打を与えるには背中のクリスタルを狙うより他ない。
「……」
 無言のまま、ケイトが武装の封印を解除する。お互いに侮らず、手を抜くなどありはしない。是より先はスピードとスピード、お互いの反応速度の勝負。どちらとなく構え、そして凶津が吼えた。

「さあ、派手に暴れようやアアァァッ!」
「うるさい。」

 破魔の雷纏う妖刀と、青き光刃発するトンファーがぶつかる。斬り込みを打ち降ろし、滑り込む刃を雷が吹き飛ばす。打ち合う事数度、時間にすれば僅かな間。トンファーを妖刀でいなして凶津が横に滑り込む。ケイトが身を捻って対の手で繰り出した一撃を受けずに潜り、撥ね上げた刀の切先がその背のクリスタルを切り裂いた。
「……っ!?」
 例え切先だけであれ雷を届かせるには十分。凶津と桜は確かな手ごたえを感じるも、放たれた雷の余波が収まる事にはケイトはその場から離脱していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

メンカル・プルモーサ
……神鋼の鎧かぁ……その成り立ちとかに興味はあるけど…まずは打破しないとだね…
…あいては超高速…だけどまあ、どうにかなるかな?
…こちらも箒に乗って空中戦を展開…速度差は小回りでカバーして行動の癖を把握…
…その間に【空より降りたる静謐の魔剣】を遅発連動術式【クロノス】により、空間へ幾つも発動待機状態しておく…
…そして、ケイトが方向転換などで速度を鈍らせた瞬間を狙って発動待機状態の魔剣を超高速で射出…クリスタルから本人へと差し込むよ…
…防御力が下がっていればダメージも多いだろう…凍り付いて動きが鈍った瞬間を狙って他の魔剣もクリスタルへと殺到させるよ…



 モニュメントバレーの岩肌に、突如現れた洞窟。そしてそこから現れた神の鎧を纏うオブリビオン。未知なる存在を耳にしたメンカル・プルモーサは現場へと降り立った。

「……神鋼の鎧かぁ……その成り立ちとかに興味はあるけど……
 ……まずは打破しないとだね……」

 一戦交えた後だろう、ケイト・ルマインの姿を見つけたメンカルは自身の興味を抑えて戦闘へと意識を切り替える。

「……あいては超高速……だけどまあ、どうにかなるかな?」

 飛行式箒【リントブルム】に乗り、空中へ。速度は相手が上、だが戦いは其れがすべてではない。宙に浮かぶメンカルを捕捉したケイトが腰部装甲を解放する。
「光弾『コピアポア』――」
 開かれた装甲から青い光が噴きだす。増した速度を叩きつけるように向かってきたケイトをメンカルが横へスライドするように躱す。如何に早くとも直線的な動きでは……そう思った刹那、横へ直角に曲がりながらケイトがトンファーを振ってきた。

「……危ない……」

 迷わず急下降するメンカルの頭上をケイトのトンファーが通り過ぎた。さらに食らい付いてくるケイトの連撃を右へ左へと躱しながら宙を舞うメンカル。その合間に一手一手と布石を打ってゆく。だいたいケイトの動きに慣れたかという頃合いで、メンカルが回避しすれ違いながら距離を離した。
「……逃さない。」
 ケイトが追おうとしたその矢先。メンカルはその近くに置いていた遅発連動術式【クロノス】を解除した。発動待機状態で留められていた【空より降りたる静謐の魔剣(ステイシス・レイン)】が頸木を解かれて放たれる。想定外の所から、方向転換の為に速度の落ちたケイトの背後のクリスタルを高速で放たれた魔剣が穿つ。
「く、ぁ……!?」
 『鎧の隙間』に刺し込まれた魔剣がケイトの身体を凍てつかせてゆく。その、動きの鈍った隙に、メンカルは【クロノス】を使って空間に待機させていた魔剣を一斉に解き放った。

「……これで、どうかな?」

 矢の如く放たれた魔剣はその軌道を自在に変え、ケイトの背後にある青いクリスタルに殺到してゆく。貫かれた肉体を凍り付かせながらケイト・ルマインは地へと落ちていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(共闘・アドリブ可)
「さすがに簡単に後ろを取らせないわね」
ならば挟撃する状況を作り出すしかないわ
■作戦
UCで作りだした迷宮の十字路に誘い込み挟撃することで背中を取る
■行動
まずは[高速詠唱]から【影の追跡者の召喚】でケイト・ルマインを追跡開始
「フォルセティ。今よ、迷宮に閉じ込めて」
弟に指示を出し迷宮が出現したらケイトを補足
「東に移動しているから、A-7地点で仕掛けるわよ」
近くに猟兵がいれば協力を呼びかけつつケイトが字路や丁字路に差し掛かった時を狙い
「今がチャンスよ!」
[高速詠唱]で【ロンギヌスの槍】を放つ。[一斉発射]と[乱れ撃ち]で全弾躱すことが
困難な状況にする


フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(共闘/アドリブ可)
「なんとか背中をとらないとだね」
フィオ姉ちゃんと一緒に戦ってケイト・ルマインの背中を取るよ
【行動】()内は技能
フィオねちゃんとは離れて行動するよ。インカムで通信しながら戦闘だね。
「任せてフィオ姉ちゃん。それじゃあ始めるよ」
(先制攻撃)でラビリント・ネプトゥノを唱えるんだ。氷壁の迷宮に閉じ込めちゃえ。
そしてフィオ姉ちゃんの指示した場所に移動して、ケイト・ルマインを挟撃するよ
「いっくよー」
タイミングあわせて(高速詠唱)でロンギヌスの槍を放つ。
(一斉発射)と(乱れ撃ち)で攻撃だよ
敵の光弾は通路の壁を利用して(地形の利用)、(見切り)で躱すんだ



 地に落ちゆくケイト、その背に向けて魔力の槍が放たれる。が、当たる直前にするりと抜けるように躰を捻って避け、地に降りたケイトは放った者を見据えた。その様子を目に、フィオリナ・ソルレスティアが呟く。

「さすがに簡単に後ろを取らせないわね。」
「なんとか背中をとらないとだね。」

 姉の言葉にフォルセティ・ソルレスティアが頷く。負傷しての落下中ですら難なく躱すならば、策なく対するのはリスクが高い。先ほどの攻撃に紛れてフィオリナが放った【影の追跡者の召喚】はケイトには見つかっていないようだ。ならば、予定通りに。

「フォルセティ。今よ、迷宮に閉じ込めて。」
「任せてフィオ姉ちゃん。それじゃあ始めるよ。」

 ケイトに飛び道具の類は確認されていない。故に向こうから攻めるにはまず近付いてくるのは必定。そうと分かっていれば、いかに早くとも対処のしようはある。

「凍結を抱きし冷雪の英霊よ。」

 ケイトが仕掛けるより早く、フォルセティが呪文を紡ぐ。今だ陽は高いというのに、荒野を冷たい空気が包む。

「彼の者に封縛の柩を捧げよ。」

 括られた言葉に応じ、【ラビリント・ネプトゥノ】が絶対零度の氷壁の迷宮を作り出す。如何にケイトが早くとも、広範囲に展開された迷宮を突き抜けるのは難しい。フォルセティが氷の迷宮を出現させた直後、迷宮の中でドン、と大きな音が響いた。

「……ケイト・ルマインが壁にぶつかったみたい。」
「ダメージとか?」
「なさそうね。壁が崩れた様子もなし。」

 影の追跡者から得た情報にフィオリナとフォルセティは予測通りに進めている事を確かめた。あの様子では強引に突破しようとはすまい。もししようとするならばその隙を突くだけである。姉弟は迷宮内でケイトを挟撃すべく駆けだした。ケイトの位置確認を受け持つフィオリナが、仕掛ける場所を選定する。

「東に移動しているから、A-7地点で仕掛けるわよ。」

 氷の迷宮内は視界を遮る霧が発生しておりケイトが姉弟の動きを把握する事は難しい。だからこそ向こうに感づかれる前に挟撃し、さらに回避困難な数の攻撃を叩き込むのだ。ケイトが十字路を突っ切ろうとしたその時。

「今がチャンスよ!」
「いっくよー」

 十字路の左右、霧の向こうからフィオリナとフォルセティ、二人の【ロンギヌスの槍】が無数に放たれた。フィオリナの放つ雷の槍、そしてフォルセティの氷の槍は互いに共鳴するかのようにその力を増している。
「……ッ!」
 されどケイトは躱せないものは神鋼の鎧で受け、左右に視線を走らせる。輝く雷が乱れ撃たれるフィオリナへ向かうか。凍てる氷の槍を斉射するフォルセティを叩くか。一拍も置かず、ケイトは【光弾『コピアポア』】で底上げしたスピードで以てフォルセティへと吶喊した。直撃する氷の槍を左右のトンファーで受け砕き、打ち放つは神速の一撃。それは霧に紛れていた氷の壁を砕いていた。

「あっぶないなー」

 ケイトの動く先を見切ったフォルセティは氷の槍を目くらましに、出っ張った氷の壁の裏へと移動していた。その壁ごしに見えたフォルセティへケイトは攻撃を行っていたのだ。氷の壁へ打った腕を引き戻すより早く、その背を雷の槍が撃ち付ける。
「――……!」
 それでもクリスタルへの直撃は避けようと身をずらし鎧の背で受けるケイト。だが、ケイトが既に躱した氷の槍が雷を受けて、輝きに誘われるようにその軌跡をなぞる。加速した氷の槍は雷を纏い、一つの閃槍となり。神の鎧、その隙間である青いクリスタルを貫いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フィーナ・シェフィールド
アドリブ連携、歓迎です♪
【WIZ】

モニュメントバレー。雄大な景色ですね。
こんなところで演奏会するのも、いいかもしれませんね…
そのためにも、まずはオブリビオン退治、がんばります♪

翼を広げて空に舞い上がったら、ドローン<シュッツエンゲル><ツウィリングス・モーント>を展開して演奏準備。

「花びらに乗せて、届け、わたしの歌声!」
敵の攻撃に対し、展開したシュッツエンゲルで受け流しつつ、カウンターで【歌声に舞う彼岸の桜】を発動、オーラ<モーントシャイン>を花びらに変えて敵を包み込みます。

「包みんでしまえば、避けられないでしょう?」
クリスタルに触れた花びらから、破魔の歌声を直接響かせます!


ルパート・ブラックスミス
こんな身体だ、よくわかっている。破れぬ防御など無い。
その神鋼、撃ち抜く。

UC【錬成カミヤドリ】展開。50体越えの複製鎧で包囲、一斉攻撃。
9倍程度手数が増えようがこの数を捌くのを一瞬でとはいくまい。なによりこの複製鎧の迎撃に手数を割けば他の猟兵を【かばう】ことにも繋がるだろう。

勿論これ自体は【フェイント】だ。敵の高機動力が僅かでも鈍った一瞬を【見切り】、複製鎧の包囲網で【物を隠す】ように潜ませていた短剣【誘導弾】を飛ばし『鎧の隙間』ことクリスタルを【串刺し】にする。

まだ戦いは始まったばかりだ。早急に消えてもらう。

【共闘・アドリブ歓迎】


アリソン・リンドベルイ
【WIZ 午睡に誘う茉莉花香】
……無敵の鎧。ええ、ええ。それは素晴らしいわね。でも、逆に言えば、その鎧を突破できれば、あとは容易く攻略できるということでしょう? 『空中浮遊、おびき寄せ、時間稼ぎ』で、挑発してみるわ……もっとも、効果は期待できないかもしれないけれど…。
狙うのは、敵の突撃。……正直に言って、私には防御を突破する手段がないの。だから…他の猟兵の人が一撃入れる隙を、あるいは『鎧の隙間』を見つけることを期待して、一瞬だけでも敵を空中で足止めすることを狙うわ。
『オーラ防御、呪詛耐性』で突撃を防御し、その瞬間に『午睡に誘う茉莉花香』を発動……眠らなくても、舞い散る花弁で一瞬だけ視界を奪うわ



 見渡す限りの赤茶けた荒野。まばらに屹立するモニュメントのような岩山以外、遮る物ない風景にフィーナ・シェフィールドは息を漏らした。

「モニュメントバレー。雄大な景色ですね。
 こんなところで演奏会するのも、いいかもしれませんね……」

 それはホールとはまた違った趣になるだろう。どこまでも続きそうな荒野と蒼空のコントラストに思いを馳せる。

「そのためにも、まずはオブリビオン退治、がんばります♪」

 先に仕掛けていた猟兵が展開していた氷の迷宮がその役目を終えて砕けた。仕掛けるならば今だろう。そう感じ、動いたのはルパート・ブラックスミスも同じだった。

「こんな身体だ、よくわかっている。破れぬ防御など無い。」

 如何に神の授けた鎧であろうとも。

「その神鋼、撃ち抜く。」

 猟兵が、砕けぬ道理はないのだから。

 同じ頃。アリソン・リンドベルイは宙に舞い、ケイトを見下ろした。

「……無敵の鎧。ええ、ええ。それは素晴らしいわね。」

 ケイトの身に纏う鎧には傷一つない。だがその表情から、そして鎧から染み出るように垂れる赤い雫から、既に手負いである事は見て取れる。

「でも、逆に言えば、その鎧を突破できれば、あとは容易く攻略できるということでしょう?」

 だからこそアリソンはわざとケイトに見つかるように空中から近づいていた。神鋼の鎧は精神攻撃すら防ぐ。故に挑発の類は非常に効きづらい。しかし攻撃をこちらへ向けるだけならば、単純に最初に敵の視界に入ればいい。他に攻撃目標がなければ、間違いなくケイトはアリソンを狙うだろう。
「――光弾『コピアポア』」
 はたして、ケイトは空中を浮遊するアリソンへ向けて突撃した。解放された腰の装甲がケイトの速度を押し上げる。圧倒的な加速を乗せて迫るケイトにアリソンは微笑んだ。

「……正直に言って、私には防御を突破する手段がないの。」

 アリソンがケイトの突撃を呪詛をも防ぐオーラで防ぎ、わずかに押し返したその時。その間に阻むように現れた多数の金属の鎧が包囲した。それはルパートの【錬成カミヤドリ】により複製された鎧。ケイトは即座に【閃弾『エピテランサ』】に切り替えて鎧の一体を打ち据えるも包囲を抜けるのは容易くはない。

「手数が増えようがこの数を捌くのを一瞬でとはいくまい。」

 ケイトが阻まれた隙に、アリソンは距離を離している。鎧の対処をさせる事で他の者を庇うルパートの狙い通りに。そして包囲されて動きが阻まれたケイトの上空から響くは、歌声。

「花びらに乗せて、届け、わたしの歌声!」

 上空に舞い上がり、周囲にドローン<シュッツエンゲル><ツウィリングス・モーント>を展開したフィーナが高らかに歌い上げる。その歌声に乗り【歌声に舞う彼岸の桜(ソング・オブ・スプリングブロッサム)】がフィーナの纏うオーラ<モーントシャイン>を彼岸桜の花びらに変えて解いてゆく。離脱か、迎撃か。対処をしようと動くケイトにアリソンの声が届いた。

「だから……一瞬だけでもあなたを空中で足止めすることを狙うわ。」

 それは他の猟兵の人が一撃入れる隙を、あるいは『鎧の隙間』を見つけることを期待して。フィーナが、そしてレパードが打つ一手を確実とするために。

「長い、永久の眠りに夢を見て……泡沫の果てまで微睡むといいのよ。」

 アリソンの【午睡に誘う茉莉花香(ロングアフタヌーン・ジャスミンノート)】がケイトを包む。舞い散る茉莉花の甘美な香りに、くらり、とケイトがよろめいた。眠るには至らない。だが、たとえ僅かでも微睡んだ隙は大きかった。その隙を機動力の殺がれる隙を狙っていたルパートが逃すはずもなく。

「まだ戦いは始まったばかりだ。早急に消えてもらう。」

 複製鎧の包囲網の影に潜ませていた短剣が、死角を縫って飛ぶ。その切先がケイトの背にあるクリスタルへと突き立った。 そして。

「包みんでしまえば、避けられないでしょう?」

 辺りを舞うフィーナの花びら、その一片がルパートの短剣に押し込まれていた。そこから響くは破魔の歌声。二重に防御力を落としていたケイトの身体を抉った短剣、そこから直接響く歌声が深く深くその身を打ちのめす。その痛みを振り切るように離脱したケイトは地に膝をついた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

フロッシュ・フェローチェス
※アドリブ歓迎
他人の気がしない――アンタ、いったい?
いや、今は目的を完遂するのみ。行くよ『白連』、既視感ごと潰す。

加速式励起、ダッシュ開始。
残像を生む程の緩急をつけ足を止めず、連打を受けない様にしつつ、走りながら情報収集だ。
また衝撃波で眼暗まし手に持った短刀を伸ばして不意打ち。
迎え撃つ必要があるなら【斬撃モード】の銃も用いた二刀流で対処しつつ隙を見てジャンプで離脱する。

思い、出したよ、ケイ。あの計画と実験、あの場所で一緒にいた――友達の……。
だからこそ今ここで解放する……!
UC発動。正面からぶつけ合せ、だまし討ちの仕込みをする。
気を取られた隙に早業で隙間の側に回り込み、渾身の一撃を叩きつける!



 幾つもの傷を負い、それでもなおケイト・ルマインは立っていた。既に肉体が負ったダメージは致命と呼べるほど深い。だがその身に纏う神鋼の鎧には翳りなく、ケイトの戦意に衰えはない。それは、まだ戦うべき者と戦っていない、そう感じていたからか。
「――」
 ケイトは現れたフロッシュ・フェローチェスを前に、ただ両のトンファーを構えた。

「他人の気がしない――アンタ、いったい?」

 そのケイトの姿、その構えにフロッシュの脳裏に何かが引っかかる。己の口をついて出た問いにかぶりを振り、眼前のオブリビオンを見据えた。

「いや、今は目的を完遂するのみ。行くよ『白連』、既視感ごと潰す。」

 加速式励起。フロッシュの体に刻まれた術式が、己が速度を引き上げる。フロッシュとケイト、二人が互いへダッシュしたのは同時であった。まるで互いのタイミングを知っているかのように。
 ケイトの突撃がフロッシュを抵抗なく突き破る。残像、と認識するより早くケイトが横合いから放たれた衝撃波を打って相殺した。その衝撃波を目くらましにフロッシュが短刀で不意打ちをかける。刀身を伸ばして間合いを見誤らせる一撃をケイトは飛びすさって躱した。

 ――まるで、互いに手の内を知っているかのようだ。

 フロッシュとケイト、互いに感じた既視感を胸に沈め互いに屠るべく再びぶつかる。一手先んじたケイトの左での殴打をフロッシュが斬撃モードに変形させた銃で弾く。空いた隙に斬り込んだフロッシュの短刀をケイトは右の得物で受け流した。ケイトはそのまま滑らせた右腕でフロッシュを押し、半歩引く。その開いた僅かな距離でケイトは突撃を仕掛けた。受ければ続く連撃を防ぐ事は難しい。初見で対処するには難しい、まさにケイトの奥の手ともいえる動き。だがフロッシュは押されるままに大きく飛びのいていた。まるで、その動きを見た事があるかのように。距離を離して相対したフロッシュは自身の抱いた既視感、それが何なのかをその攻防で掴んでいた。

「思い、出したよ、ケイ。あの計画と実験、あの場所で一緒にいた――友達の……。」

 お互いに知っているのも道理。時も場所も違えども、過ぎし情景が浮かぶは互いに同じか。過去の影となってなお、再び対する事を望んだ少女にフロッシュが想うのは。

「だからこそ今ここで解放する……!」

 ケイトは負傷をおしてあれだけの高機動戦闘を行っている。そう長くはもつまい。なればこそ、最後の一撃は自分が打つ。向かってくるケイトに、フロッシュは真っ向から迎え撃った。

「輝弾――」
「翠碧迅殴――」

 フロッシュの展開した減速空間で、鉄拳がケイトの突撃とぶつかる。

「『アリオカルプス』!!」
「『ファイアリー・ヒート』!!」

 ケイトの放つ圧倒的手数の連撃とフロッシュの豪速の鉄拳連打が打ち合う。真正面から打ち合い、相殺を狙った。そう見せかけ……フロッシュは僅かにケイトの連撃が終わるより早く連打を止め、減速空間に捕えているケイトの背後へ抜ける。ケイトが振り向くより早く、フロッシュの渾身の一撃がその背を貫いた。
 確かな手ごたえ。纏う者の力が尽き、神鋼の鎧が解けてゆく。その身が消える刹那、振り向いたケイトの視線がフロッシュと交錯する。交わした想い、それは互いの心の裡に。

 モニュメントバレーの戦い、その一つはこうして幕を下ろした。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年11月04日
宿敵 『『克銘ノ五・白連』ケイト・ルマイン』 を撃破!


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠フロッシュ・フェローチェスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト