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スイーツ★ウォーズ

#アルダワ魔法学園 #【Q】 #お祭り2019 #ハロウィン #装魔封災戦


 アルダワ魔法学園、魔法調理科。
 彼らにとってハロウィンパーティーはお披露目会のようなものだ。

 魔法で中まで火を通した絶品のかぼちゃプリン。
 飛び跳ねて逃げる魔法のマシュマロ。
 会場の上を雲のように漂うメレンゲクッキー。
 フラワーアレンジメントに紛れて咲く精巧なお菓子の花。

 このパーティー会場にも災魔はやっぱりやってくる。
 どこからか降ってきたフラスコが砕ける。飛び散った緑の液体はひとりでに寄り集まると、水面から女の顔が現れた。
「来たな!」
「今年こそ、最後までパーティーするんだから!」
 椅子から立って身構える学生たち。
 床を滑ったスライムは、彼らには目もくれずにテーブルを目指した。
「えっ!?」
「私たちのお菓子が……!」

 会場内のお菓子を平らげたスライムたちは、むくむくと大きくなり……。

●スイーツ・パーティー
「今日は装魔封災戦の記念日。むかしむかし仮装した人たちが大量の災魔を封じ込めた日なんだって。アルダワ魔法学園でも色んな場所でパーティーをしてるんだけど、その会場が襲われるみたいだよ」

 虎視眈々とスイーツ情報を集めていたシトラ・フォルスター(機械仕掛けの守護者・f02466)にも、とある会場の悲劇の予知が舞い降りてきたようだ。

「学生たちが作ったお菓子には魔力が込められてるんだ。災魔はまずそっちを狙って吸収して、巨大化したり増殖してから襲ってくるみたいだよ。だからみんなには、お菓子が奪われるのを全力で阻止して欲しいんだ」

 端的に伝えてシトラはさっそく転送準備を始める。

「罪のないお菓子たちを救えるかどうかは君たちの手にかかってるよ! それじゃ、頑張ってね!」


氷水 晶
 災魔の手から魔法のお菓子を守りましょう。
 スイーツパーティーが舞台のギャグテイストのシナリオです。
 広いパーティー会場には、オレンジのテーブルクロスがかけられた丸テーブルが点在しています。
 敵の優先度は『お菓子>>>仮装した猟兵>>>>>仮装していない猟兵・一般生徒』です。

●勝利条件
 どんな手段でも構いません。スライムにお菓子を食べられないように守りましょう。守るお菓子は1種類に特化しても複数種類でもOKです。攻撃して防ぐなり、先に食べるなり、隠すなり……お菓子を災魔の手から守りさえすればどんな行動を取って頂いても構いません。
 会場内には学生もいるので協力を仰ぐことも可能でしょう。
 スライムは魔法のお菓子を食べるたびに大きくなり、分裂して最終的には手に負えなくなります。彼らが狙っているお菓子を奪うと、混乱する為か無防備になるようです。

●お菓子
『かぼちゃプリン』
 一抱え程あるかぼちゃをくりぬいて作ったプリン。テーブルの上に置かれています。絶品です。
『マシュマロ』
 会場内を飛び跳ねて逃げるマシュマロ。人間の膝~胸ほどの高さの宙を蹴って逃げるため、衛生面も問題ありません。ふわっふわです。
『メレンゲクッキー』
 会場の上をふわふわと雲のように漂っています。色と味は様々です。雪のような口溶けになる魔法がかけられています。
『お菓子の花』
 花や植物と変わらない外見のお菓子の花です。クッキーやマカロン、飴細工、チョコレート等で作られています。会場のいたるところに隠されています。外見のみならずかなりおいしいです。

●締め切りについて
 マスターページとTwitterにて確定次第お知らせします。
 今回は窓が開いている間はプレイングを送って下さって構いません。
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第1章 集団戦 『マースライム』

POW   :    酸弾銃
【弾丸のように飛ばした体の一部】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を強酸の水たまりに変え】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    シャークバイト
自身の身体部位ひとつを【サメ】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    捕食
【全身】から【触れたものを飲み込む物理攻撃】を放ち、【窒息】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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 会場の片隅に投げ込まれたフラスコが、次々に砕け散る。
「来たな!」
「今年こそ、最後までパーティーするんだから!」
 予知の内容そのままに椅子から生徒たちが立ち上がる。
 そこに現れたのは猟兵たち。
 どんなパーティーになるのかは、彼らの行動にかかっている。
コイスル・スズリズム
いつもは魔法学園の生徒!
そして現在はかぼちゃの国から出てきたプリンセス!
カボチャドレスで参戦!お菓子とハロウィン、本気を出すときがきたよ!授業以上にっ!

まずは『残像』を適当に撒いて『おびき寄せ』
すずは『地形の利用』と学生への『情報収集』で
『お菓子の花』を探す。すずが狙うのはこれ一種類
近くにあるものは【UC】で袖口に隠す

発見次第
『大食い』

ひたすら、
お菓子の花を食べつくそうとする。

敵が寄ってきたらしめたもの
敵の前でしっかりと食べた後
『見切り』とドラゴンランスの『武器受け』で防御
攻撃はドラゴンランスを『乱れ撃ち』『一斉射撃』『二回攻撃』

限界がくるまで、一人で食べつくそうとするんだよ!

アドリブ大歓迎



●かぼちゃの国のお姫様
 オレンジとグリーンのスカートがふわり。靴の先が会場の床にふれる。
 フリルのたっぷりとられたドレスを纏い、コイスル・スズリズム(人間のシンフォニア・f02317)がアルダワ魔法学園に転移してきた。色違いのリボンで纏めたふんわり金色のツインテールが、背中に遅れて着地する。
「いつもは魔法学園の生徒――そして今は、かぼちゃの国から出てきたプリンセス!」
 ちょこんと乗ったティアラがきらり。
 カボチャドレスにカボチャの花をちりばめて、マースライムの前でくるりと回る。
「お菓子とハロウィン、本気を出す時がきたよ! 授業以上にっ!」
 スズリズムこと『すず』は、藍色の大きな瞳をきらめかせた。

 黒にオレンジ、クモにクロネコにコウモリに、笑う月に箒に乗った魔女のシルエットを魔法のイルミネーションがミステリアスに照らし出す。
 気合の入ったハロウィンパーティー会場の非日常に、すずのドレスはよく映えた。
 現れた猟兵を差し置いてテーブルに滑るマースライムを、カボチャのドレスが取り囲む。
「ギギッ……!?」
 ぐるりと一周30人。
 残像で増えたプリンセスがスカートの裾を持ち上げて一斉に会釈する。
 360度ぐるりとはじける笑顔の真ん中でスライムはオロオロとさまよった。
 そんな中、本人はというと……?
「あっ、いたいた! お菓子の花ってどの辺りに隠したのかな?」
 調理科の学生を見つけて情報収集。
 魔女の帽子のコックの卵は、会場に置いてあるガラスのかぼちゃの大きな花瓶を指さした。
 オレンジのバラに黄色のガーベラ。ぴょこんと飛び出すランタンみたいなサンダーソニア。濃いブラウンの可憐な一輪はチョコレートコスモスで……。
「見つけた!!」
 本物のカカオの芳香を手に振り向けば、ようやく残像を抜け出したマースライム。
 目の前で胸いっぱいに香りを吸い込んで、花弁の1枚に口を寄せる。
「あまーいっ!!! 真ん中はクッキー? すっごく香ばしいっ!!」
「ギギー!!」
 飛び跳ねるスライムの前で、無慈悲にも残りをぺろっと一口で。
 ショックを受けたポーズのまま固まったスライムを、オレンジのドラゴンランスでちょんと突く。

「この調子でどんどんいくよー!」
 かぼちゃの国のプリンセスは、フリルを揺らして駆け出した。
 お菓子の花の1輪2輪くらいでは、まったくもって食べ足りないのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

詩音・マコト
(アドリブ連携歓迎・UC詠唱は有っても無くても大丈夫です!)

なんとしてでもお菓子を守らねばですね!
こわーい人狼の仮装をしてレッツ突撃です!
……まぁ私は猫なんですけど。

私はスライムさんがお菓子を見つけられないように惑わしましょう。
ふわふわのメレンゲクッキーを狙うスライムさんを見つけてUC発動!
どれが本物のお菓子かわからなくしてあげますよ。
迷うスライムさんを置いて、お先にクッキーいただきです! 美味しい!
さて、それでは……

がおーっ、食べちゃいますよーっ! ……この子が。
捕食を避けながら大きなライオンを召喚
一発お仕置きですっ!



●こわーい人狼(にゃんこ)
 どこからか歌声が聞こえてくる。
 お菓子に向かってジャンプしようとぷるぷる震えたマースライムは首をひねった。視線の先にはぷかぷか浮かぶメレンゲクッキー。それが2重3重にブレて見える。

「――お先にいただきです!」
 ぴょこんと立った紅茶色の大きな耳に、ふかふか立派な狼の尻尾。毛皮のブーツが床を蹴れば、同じ毛皮の手袋がメレンゲクッキーをキャッチする。りぃん、と胸元の鈴が鳴る。紅茶色の瞳が悪戯っぽく笑った。
 生まれ持ったネコの耳はそのままに、こわーい人狼に扮したのは詩音・マコト(妖の笛吹き猫・f22398)。床に軽々着地すると、災魔から救い出したクッキーをぽいっと口の中に放り込んだ。
「にゃあああぁぁ! ……あっという間にとろけました!!!」
 噛み砕く間もなくさあっと形がなくなれば、ミルクティーの豊かな風味が広がった。
 ピンクは甘酸っぱいフランボワーズ。明るいオレンジはパンプキン。気になる黄緑はマスカット。
「にゃっ!? そういえば任務の途中でした!」
 うっかりすっかり魔法のクッキーの虜になりかけて、もう一度マコトは歌を紡ぐ。
 『戯曲【Lunar eclipse】』。
 月食を意味するユーベルコードは月の狂気を旋律に。心を強く揺らすほど、目に映るものが本物かどうかをあやふやにする。

 メレンゲクッキーがぺかぺかと光りだす。
 目の前の猟兵がおそろしい人狼へと変化する。

 立て続けにクッキーを奪われて、動揺中のスライムたちはたやすく歌に囚われた。
「ギッ……ギギキキキ!!!」
 スライムが1匹、体をぷるぷる震わせて幻覚を追い出そうと試みる。
 現れたのは黄金のライオン。
 ――これはホンモノかニセモノか。
 迷ったマースライムを遠慮なく、巨大なライオンがかぷり。
「がおーっ! 油断してると食べちゃいますよーっ! この子が……って早いですね!?」
 人狼がたてがみから顔を出すころには、とっくにスライムは口の中。
 大きな猫科の王様は『こいつ、美味しくない』と言わんばかりに背中のマコトを振り向いた。
「まだまだ守るクッキーは沢山あります! 口直しにこのままレッツ突撃です!」
 ハロウィンパーティー会場を、ライオンに乗った人狼が縦横無尽に駆け巡る。
 腕いっぱいに集めたメレンゲクッキーを1人と1匹で頬張れば、どれも淡雪のようにとけていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リンドウ・ノア
仮装:おばけ(白いシーツを被っている)

お菓子を守ったらいいんだね。
どれにしよう、どれも美味しそうだけど……。
よし、かぼちゃプリン。きみに決めた。
きみたちのことは、あたしが身を呈してでも守るよ!(かぼちゃの器ごと抱えて、おっきなスプーンで掬いつつもぐもぐ)
スライムにプリンを取られそうになったら、UCで動きを鈍らせてその隙にぱくぱく食べる。

きみたちは、とりあえず紅茶でも飲んでてほしいな。
ここのプリンはあたしのものなんだよ。

美味しい、いくらでも食べられそうだね。
どんどん食べちゃうよ(いつもはらぺこの胃袋にどんどん納めていく)



●かぼちゃプリンとおばけ
「どれにしよう、どれも美味しそうだけど……」
 白いシーツをかぶって、あけた穴から赤い瞳をきょろきょろと。
 かぼちゃプリンは見るからに美味しそう。跳ねるマシュマロも気になるし、メレンゲクッキーを食べた仲間はとろけそうな顔をしていた。お菓子の花も美味しいみたいだ。
 しばらく迷っておばけに扮したリンドウ・ノア(コットンキャンディは夢を見る・f19568)は、自分の気持ちに素直に従うことにした。
「よし、かぼちゃプリン。きみに決めた!」
 一抱えほどあるかぼちゃの中身をくりぬいた、魔法調理科の目玉スイーツ。
 テーブルの中央に鎮座するへた付きの蓋を取ってみれば、滑らかな黄金に艶めくプリン。鏡面のような表面に大きな木のスプーンを押し当ててみると、しっとりとした弾力がリンドウの手を押し返す。
 最初のひとさじを口に運ぶ。
 滑らかな口当たりが舌の上でほどければ、ざらりと感じるかぼちゃの味の存在感。丁寧に裏ごしされたかぼちゃとミルクが調和して、卵がそれを纏めている。
「――――!!! ――!!」
 ギザギザに開けたシーツの口へ、2匙目、3匙目が消えていく。
 中心には火が通りにくい巨大プリン。その弱点を解決したのは魔法だ。中心はさすがに少々柔らかいが、かえってその絶妙な食感の差が食すものを飽きさせない。

「ギギ……? ……ギギギギギ!!」
 黙々とかぼちゃを抱えてスプーンを動かす白いおばけに、マースライムがにじり寄る。
 気配に気づいて振り向いて、シーツの中の赤い瞳が真剣な光を帯びた。
「――ここのプリンはあたしのものなんだよ?」
「ギッ!?」
 ただならぬ気配にびくっとスライムは硬直する。
 おばけ姿でリンドウは瞳を閉じてにっこりと微笑んだ。テーブルにあるティーセットでスライムのために紅茶を注ぐ。
「きみたちは、とりあえず紅茶でも飲んでてほしいな」
 言いつつ山盛りの黄金のひとさじをスライムに見せつけ口に運ぶ。
「美味しい。いくらでも食べられそうだね」
「ギ! ギギギギギ!!!」
 悔しがるようなスライムの声。
 ユーベルコード『紅茶の時間』はお茶を楽しんでいない対象の早さを大幅に下げてしまう。
「きみたちのことは、あたしが身を呈してでも守るからね」
 かぼちゃをしっかり抱きしめささやいて、スプーンを手に次のプリンへと向かう。
 リンドウとかぼちゃプリンの逃避行。

大成功 🔵​🔵​🔵​

吉備・狐珀
落浜・語(f03558)さんと

お菓子が跳ねたり、ふわふわと漂ったり…。
わっ、このお花もお菓子なんですね!アルダワの魔法すごいですね。

パーティーとお菓子を守る為に災魔にはお引取り願いましょう。
仮装で着たドレス風ワンピースだとあまり派手な動きはできないので、月代、協力お願いします。
月代に風を起こしてもらってマースライムが食べようとした跳ねたり漂っているお菓子が逃げるのをお手伝いします。
月代、マースライムに食べられてしまったら、私達の食べる分がなくなってしまいますから頑張りましょうね。
テーブルのプリンや飾られたお菓子の花を守る為に【青蓮蛍雪】でマースライムを凍らせて動かせなくします。


落浜・語
狐珀(f17210)と一緒に。

さすがアルダワ、お菓子が動くのか……。まぁ、おいしいければそれでいいかな。
この仮装(執事服)なら、動くことは問題ないし仔龍やカラスにも手伝ってもらえばいいかな。

宙に浮いているようなのは、仔龍やカラスに任せつつその他のを守りに。
食べてもいいけど、食べ過ぎには気をつけろよ。
狐珀は足元気を付けてな?慣れてないと動きづらいだろうから

ふと思ったんだけど、スライムなら、水である程度流してまとめられたりとかしないかな…?
床【掃除】の延長みたいな感じで。ついでに濡れたところへ仔龍の雷【属性攻撃】を。



●お嬢様と執事
 イルミネーションに照らされた会場をお菓子たちが動き回る。学生の腕の間をすり抜けてマシュマロが飛び跳ねれば、メレンゲクッキーはただのんびりと揺蕩う雲のように。
 珍しく口調にうっすら熱を帯び、吉備・狐珀(狐像のヤドリガミ・f17210)は会場を輝く藍の瞳で見回した。
「お菓子が跳ねたり、ふわふわと漂ったり……アルダワの魔法すごいですね! わっ、このお花もお菓子ですよ!」
 狐珀の顔近くを横切る一輪は、よくよく見れば飴細工。手に取るとオレンジの鬼百合は本物と違って透き通り、花向こうの執事の姿を透けさせた。
「さすがアルダワ、お菓子が動くのか……この花もよくできてるな」
 驚くような呆れたような。落浜・語(ヤドリガミのアマチュア噺家・f03558)はしげしげと鬼百合を見つめてから花弁を挟んで藍色の瞳を覗き込む。
「まぁ、おいしければそれでいいかな。それより狐珀は足元気を付けてな? 慣れてないと動きづらいだろうから」
「……は、はい。語さん」
 いつもと違う洋装のせいか、前とは変わった呼び方のせいか、はたまた賑やかな会場の雰囲気のせいか。あるいはそのすべてかどうかは定かでないが、どことなく落ち着かない。
 察して執事がうやうやしく手を差し出せば、お嬢様の手が重ねられる。
 七色のイルミネーションに照らされて、ふんわりフリルとレースのドレスは紅に色づき始めた藤色のように見える。

「……ぐるる!」「キュウ!」
 逃げ回るマシュマロをようやく捕まえて、2匹の仔龍と1羽のカラスが戻ってくる。
 月白色に鈍色の小さな東洋風の龍はどことなく誇らしげに、くわえた白いふわふわをそれぞれの主に報告する。
「月代。その調子でお願いします。この服だとあまり派手な動きはできないので」
「俺の執事服なら動くことは問題ないか。仔龍とカラスは飛べるから、宙に浮かんだ菓子は頼んだよ。食べてもいいけど、食べ過ぎには気をつけろよ」
 口いっぱいにマシュマロを詰め込んで、むぐむぐと2匹と1羽は返事する。いつかの砂浜と源流で仲間になった仔龍たちは今日も元気だ。
 マースライムに追われてマシュマロが、こちらの方へと跳ねて来る。
「月代」
「ぐるる!」
 狐珀が百合をかざすと月白色の仔龍がたてがみを震わせた。月代の力がマシュマロに追い風を送り、スライムから引き離す。
「思ったんだけど、スライムなら水で流してまとめられたりとかしないかな」
 頭に思い描いたらやってみるのが一番早い。
 いつもの床掃除の要領で、語は属性攻撃で水を呼ぶ。渦を巻いた水流は、広い床の中心へとスライムたちを集合させた。
「仔龍、頼んだ」
「キュウ!」
 ぱりりと小さな雷を、鈍色の仔龍がスライムへ落とす。
「そして水なら凍らせられますね」
 百合を狐珀がもうひと振り。うす暗い会場に青い炎が灯される。
 静かに宙を滑った狐火はスライムの近くに溶け落ちて、水ごと敵を凍結させた。

「……あっ……!」
 無事にスライムを凍らせて、息をついた狐珀の靴が薄氷に滑る。咄嗟に語がその手を握る。
「――これは後でもう一度掃除しないとな」
「それなら、お掃除の前に私達もお茶にしましょうか」
 お礼を言いつつ微笑んで、語の手を支えに狐珀はゆっくりと歩きだす。
 近くの丸テーブルの上では、仔龍とカラスとさっき助けたマシュマロとお菓子の山が待っている。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

英・明夜
フロー(f17729)と一緒に

気持ちの籠もったお菓子だもん。
味わって食べて、美味しかったよって伝えたいな。
それで災魔も倒せるなら、一石二鳥だね!

仮装は、異国の童話のお姫様だよ!
えへへ、ひらひらしててつやつやで、綺麗な衣装でしょう。
リボンが南瓜の色なんだよ。可愛いよねえ。

スライム達が近寄ってる卓に2人で突進。その卓を拠点みたいにするね!
お菓子は、食べられるだけ食べちゃって、食べきれない分は、袋に仕舞ったり、
フローの頭上に放るね。お願ーい!
「ふわふわで」「しょわしょわする…!」「美味しくて、頬っぺた落ちちゃいそう!」

寄って来たスライムには、【早業】で霊符をバシバシと。
手に負えない時はUCを使うね。


フローリアン・ロイス
明夜(f03393)と一緒だよ。

仮装は、和風…エンパイア風?
ウシワカマルと言うのだって。ベールみたいで、ちょっと色っぽいでしょ(笑って)。

さて。明夜とテーブルの一つを占拠したら、かぼちゃプリンを左腕で抱えるね。
右手にスプーンを持って、掬っては食べ。
スライムに見せびらかすように、スプーンをそちらに差し出しては、自分でパクリ。
滑らかで濃厚で、美味しいよって、生徒さんに笑顔を。

ちょっと明夜、僕だって無尽蔵な胃袋をしてるワケじゃないからね?(美味しいけど!)

戦う時は、スプーンをルーンソードに持ち替えて斬ったり(この衣装も
フェイントに使えるよね、有り難い)、UCで一斉に倒してしまったり(詠唱省略OK)。



●ウシワカマルと異国の姫
 水色ドレスのスカートを薄手の手袋で持ち上げ小走りに。
 英・明夜(啓明・f03393)はひとあし早く丸テーブルに両手をついた。
「拠点確保だよ!」
 テーブルの上にはかぼちゃプリンが3つ。
 一緒に走ってきたフローリアン・ロイス(導き給え・f17729)が小脇に抱えた2つを追加する。
「5つも大丈夫かな。結構重かったよ、これ」
 スライムを追い越してやってきた猟兵ふたり。
 置いてあった茶器から紅茶を注いで、なんだか和やかにお茶会がはじまった。

「んーっ!!」
 駆けてくる途中にキャッチしたマシュマロを明夜は頬張る。割と大きめのマシュマロとはいえ、小柄な明夜がぱくつけば口の中が一杯になってしまう。
 そんな彼女の今日の仮装は、異国の童話のお姫様。
 つやつやした水色の布地を何枚か重ね合わせ、かぼちゃ色のリボンを飾る。いつもの藍色の狐耳の間には、いつもと違う金色のクラウンが乗っていた。
「――――このマシュマロふわっふわだよ! フロー!」
 ようやくマシュマロを咀嚼し終えて、明夜はティーカップを空にした。
 フローリアンが柔和な笑みを浮かべながら、お代わりの紅茶をポットから注ぐ。
 こちらは打って変わって和風装束。青い紐の袖括りの狩衣に、蜘蛛の巣柄の水色袴。妖艶な淡い紫のヴェールをかぶり、腰には龍笛。
 ハロウィン仕様の『ウシワカマル』の装束は、線が細く神秘的な雰囲気のフローリアンにしっくりと似合っていた。
「うん。僕のかぼちゃプリンも滑らかで濃厚で美味しいよ」
 そう言って、近くを通りかかった調理科の学生に微笑みかける。
「このお花も美味しくて頬っぺた落ちちゃいそう!」
 明夜が嬉しそうに言葉を添えれば、コックの卵は嬉しそうに『ありがとうございます』と笑い返す。
 忙しそうに走り回る後姿を見送って明夜はぽつりと呟いた。
「気持ちの籠もったお菓子だもん。しっかり食べて味わって、美味しかったよって他の子にも伝えたいな」
 フローリアンも頷いて、左腕で抱えたかぼちゃプリンをもうひとすくい。迫る無粋なスライムの前で美味しそうに口に運ぶ。
「プリンとカラメル、生クリームが本当によく合うね。君もいるかい?」
「ギギギ!?」
 スプーンの上には山盛りのかぼちゃプリン。フローリアンはそれをマースライムの前に差し出した。
 はらはら明夜が見守る前でスプーンの軌道が引き返す。口を開けたスライムを置き去りにフローリアンがプリンをぱくり。
「…………ギ?」
 あまりのことに思考停止したスライムを、ルーンソードがさくりと切り裂いた。
 テーブルの反対側でほっと一息。明夜が可愛らしい霊符をびしっと投げ打つ。
 あっさりスライムを撃退したらお茶会の続きだ。

「お腹いっぱい! フロー、おねがーい!」
 マシュマロとメレンゲクッキーを持ってきた袋の中に詰め込みながら、明夜はかぼちゃプリンをパス。飛んできたかぼちゃを椅子から身を乗り出すようにして、フローリアンがキャッチする。
「ちょっと明夜、僕だって無尽蔵な胃袋をしてるワケじゃないからね?」
「えへへ。でも、美味しいでしょ」
「まあ……美味しいんだけど」

 フローリアンが身にまとう、サムライエンパイア風の装束。
 そこではこんな言葉が言い伝えられている。(かもしれない)
 『甘味は別腹なり』。(甘い物しかないけどな)

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シン・バントライン
アオイ(f04633)と
仮装は南瓜SDの王子

花を花で守るという彼女の作戦に乗り、剣を牡丹の花弁に変える。
花弁はお菓子の花のディスプレイの様に見せかける。
お菓子の周りに散らしておいたり、組み合わせて牡丹の花を作り混ぜておいたり。
スライムが食べようと近付いてきたら攻撃。

悪戯を選択。
可愛い悪戯に思わず笑う。
人魚姫みたいに目の前から消えないで欲しいと、逃げる彼女を慌てて捕まえる。
「アオイ、俺からも悪戯や」
そう言って彼女の髪に咲く勿忘草に接吻する。
まだ戦いは終わっていない。
生涯をかけて守りたい花が目の前にあるのだ。

お菓子は色んなものを一緒に食べようと提案。
甘い時間はいつだって彼女と分け合いたい。


アオイ・フジミヤ
シンさん(f04752)と

〇南瓜SDの人魚姫の仮装
動きやすいスリット入りのロングドレス

木を隠すには森の中作戦!
UCでたくさんの種類の本物の”花”を給仕してお菓子の花を守ろう
桔梗、彼岸花、薔薇に秋明菊
彼の紅牡丹も綺麗
混乱してるうちにシンさんと協力して倒す

シン王子様、『Trick or Treat!』どっちを選ぶ?
お菓子なら半分ずっこ、悪戯なら、あ!またスライム!といって目線を外した瞬間、頬にキス

…いたずら!
きっと真っ赤になってしまう
泡になって溶ける前にその場から逃げようと

勿忘草に触れるキスに幸福で微笑む
泡になる運命から掬い上げてくれるのはあなたという”王子様”だけ

うん、甘いもの、一緒に食べようね



●いたずらかお菓子か
「木を隠すには森の中作戦!」
「よし乗った」
 マーメードラインのロングドレスの人魚姫が悪戯っぽく提案すれば、王子は即座に鞘に収まった剣を赤い花弁に変える。
 アオイ・フジミヤ(青碧海の欠片・f04633)が腕を開くと秋の花があふれだした。
 秋明菊の合間から、紫と白の桔梗が凛と伸び、彼岸花は炎の簪のように赤くシルエットを浮きあがらせる。薔薇は瑞々しい甘い香りをいっぱいに漂わせて、お菓子の花でも隠れていやしないかとスライムたちを呼び込んだ。
 シン・バントライン(逆光の愛・f04752)は花の隙間を牡丹の花弁で埋めてゆく。絢爛ながら奥ゆかしく、柔らかな花弁が重なって一輪の花になる。
 華やかな秋の花でいっぱいのフラワーアレンジメントが出来上がった。

 甘い香りの花々が敵を引き寄せアオイが敵の動きを鈍らせれば、シンの牡丹の花弁が迎撃する。
 その場に留まり戦っていると、次第にやって来るスライムも段々とまばらになってくる。

「シン王子様、作戦は大成功のようです。……次は『Trick or Treat!』どっちにしましょう?」
 いたずらかお菓子か。
 人魚姫が冗談めかして報告すれば、王子は腕組みをして苦悩したフリをする。
「そうだな。今の気分としては悪戯にしようか」
「……いたずら」
 復唱して目を伏せてから、アオイははっと青い瞳を見開いてシンの死角を指さした。
「あっ! またスライム!」
「どこや!?」
 視線の先には桔梗の花。敵の姿などどこにもない。
 代わりにシンの頬に柔らかい感触。
 ふれた唇が離れれば、色白のアオイの頬が桜色へ色づいてゆく。
 悪戯は大成功。
 だけど自分でもわかるほど頬は熱を帯びていて。真っ赤な顔を見られてしまったら、泡に溶け落ちてしまうかもしれなくて。
 海色のフリルを翻して走り出そうとしたアオイの後ろ姿を、反射的に白手袋の両手が捕まえる。
「アオイ、俺からも悪戯や」
 目の前の花を守る為なら何を賭けても惜しくはない。人魚姫の話のようにもしも手の届かぬ場所へと消えてしまったら、一生後悔するだろう。
 藍色の髪に咲く、勿忘草に口づける。
 その暖かさに包まれるような心地がして、微笑んだ。

 スライムの牙から逃げてきて、うっかりアオイの手に飛び込んできたマシュマロとテーブルに向かう。
「マシュマロにメレンゲクッキーにお菓子の花にかぼちゃプリン……アオイとふたりなら全部食べられるな」
「うん、半分ずっこ! 甘いもの、一緒に食べようね。あっ、シンさん。あそこのテーブル空いてるみたいだよ」
 ふわふわのマシュマロが逃げないようにしっかり包んで、一緒に歩く。
 甘い時間はまだまだこれから。
 おそらくきっと、始まったばかりなのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年11月08日


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト