狙われたハロウィンパーティ
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「トリック・オア・トリート!!」
10月31日、ハロウィン。
他の多くの世界と同じく、ここアルダワ魔法学園でも、この日はお祭り騒ぎとなる。
「マシュマロ、キャンディ、クッキー、ビスケット!」
「お祝いのパンプキンパイも欠かせないね!」
「ローストビーフにシチューにサラダ、お料理もいっぱい用意したよ!」
南瓜のランタンに照らされた会場で、思い思いの仮装をした学生たち。
この日のために作ったお菓子と料理、それとイタズラのアイデアの数々。
年に一度のお祭りを盛大に祝う準備は、ばっちり整っていた。
――だが、しかし。
「何がハロウィンだよ、くっだらない!」
「ウチらは年がら年中地面の底だっていうのに!」
「憎らしい、忌々しい、妬ましい!!」
異世界においてハロウィンとは、あの世の死者や悪霊が現世を訪れる日だとも言うが。
この世界のハロウィンに現れたのは、まさに地の底より現れた悪霊――オブリビオンであった。
「「「ハロウィンなんて、メチャクチャにしてやる
!!!」」」
彼女達――日の当たらない迷宮の奥で量産された盗賊ホムンクルスは、何故こんなにも腹立たしいのか自分でも分からないまま、パーティ会場に乱入する。
何でもいいから、とにかくこの楽しそうなお祝いを台無しにしてやるために。
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「事件発生です。リムは猟兵に出撃を要請します」
グリモアベースに招かれた猟兵たちの前で、グリモア猟兵のリミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は淡々とした口調で語りだした。
「アルダワ魔法学園のハロウィンパーティ会場を、災魔が襲撃しようとしています」
かの世界において"ハロウィン"とは、他の世界とは一風違った意味合いを持つ。
まだ全ての災魔がアルダワに封印されてはいなかった時代。かつての人類は災魔の仮装をして災魔の拠点に侵入し、大規模な奇襲を仕掛けるという大作戦を決行した。
「この『装魔封災戦』は大成功を収め、大量の災魔を封印することができました。その成功と勝利を祝って行われるようになったのが、アルダワ世界のハロウィンです」
作戦の決行された日付こそが、現在のハロウィンの日である10月31日。これらは【Q】によって発見された古文書によって明らかとなった歴史だが、本題はここからである。
「アルダワに封印されている災魔には、今もこの『装魔封災戦』の敗戦の記憶が残っているのか、ハロウィンを本能的に忌み嫌う災魔が数多くいます」
人類にとっての輝かしい勝利は、オブリビオンに取っては忌々しき敗北。
その報復のつもりなのか、衝動のままに学園まで現れる災魔が出るのだという。
「そうしたオブリビオンはハロウィンへの憎しみが強すぎるせいで理性が低下しており、正常な判断はできません。加えて、『仮装した者を優先的に狙う』性質があります」
そこで猟兵も仮装してパーティに参加すれば、オブリビオンは一般の生徒や教師には目もくれず、猟兵だけを狙って襲ってくるため、会場への被害を防ぐことができる。
「さらにパーティを楽しみながら戦闘すれば、敵は怒りのあまり冷静な判断ができなくなり、隙だらけになります」
もはや古文書にしか残っていないような過去の戦いでも、"過去"そのものであるオブリビオンにとっては正気を失うほど忘れがたい屈辱なのかもしれない。
「説明は以上です。ハロウィンパーティを楽しむついでに、災魔を撃退してください」
要点を簡潔にまとめると、リミティアは手のひらにグリモアを浮かべて、アルダワ魔法学園のパーティ会場への道を開く。
そこでは綺麗に飾り付けられた会場と、たくさんの料理とお菓子が猟兵を待っている。
「転送準備完了です。リムは吉報を待っています」
戌
ハッピーハロウィン! 戌です。
今回の依頼はアルダワ魔法学園にて、ハロウィンパーティの会場に乱入してきたオブリビオンを撃退するのが目的です。
出現した『ホムンクルスの盗賊』は、ハロウィン憎さのあまり我を忘れています。
がっつりハロウィンの仮装をしている人を優先的に狙ってきますし、パーティを楽しんでる人を見ると逆ギレして隙だらけになります。
つまりハロウィンパーティを楽しみながら戦うとプレイングボーナスが入ります。
パーティ会場には他にも一般の学生や教師がいますが、猟兵が仮装していれば敵のヘイトは基本そちらに向くので、特に問題はありません。
この日のために皆で作ってきたお菓子や料理がテーブルに並べられており、飲み食い自由です。生徒から「トリック・オア・トリート!」されることもあるかもしれません。
飲み物は基本ソフトドリンクですが、成人向けにお酒も用意されています。
年に一度のお祭りということで、楽しく参加してもらえれば幸いです。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『ホムンクルスの盗賊』
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POW : 後ろにも目をつけといたほうがいいよ!
【打撃能力を持つ魔法のミサイル】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
SPD : 早いねキミ、でもウチらも負けないよ!
【攻撃の宣言】を向けた対象に、【ホムンクルスの姉妹たちの連携攻撃】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : 良いもの持ってるね!ちょっと貸してくんない?
対象のユーベルコードを防御すると、それを【劣化した性能で魔力の回路に一時的保存し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
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ボアネル・ゼブダイ
アドリブ連携OK
ハロウィンとは秋の収穫を神に感謝し、悪霊を追い出す祭事だ
過去の悪霊共を倒すに相応しいイベントだな
古城に潜む騎士の亡霊のコスプレ
黒いフードを被り、目は赤く輝き、腰にあるランタンは鬼火のように揺らめく
まずは会場にある料理を楽しむ
ジャックランタンや蜘蛛の巣のデコレーションがされたカボチャのパイ
蝙蝠や幽霊のピックが刺さったローストビーフ
どれも絶品だな
お菓子を欲しがる子供達には食糧袋からお菓子を渡そう
目玉や幽霊のマシュマロに舐めると舌の色が変わるモンスターキャンディもあるぞ
敵が現れたら黒剣グルーラングで攻撃
黒犬達も呼び出しUCで変身して攻撃を行う
この姿はコスプレと言う訳ではないのだがな…
「ハロウィンとは秋の収穫を神に感謝し、悪霊を追い出す祭事だ。過去の悪霊共を倒すに相応しいイベントだな」
祭りの謂れに思いを馳せながら、ローストビーフを小皿によそう銀髪の青年。
周りにいる大勢の学生達と同様、彼もまた"悪霊"に扮した仮装をしている一人。
アルダワのハロウィンパーティ会場に用意された料理を楽しみながら、ボアネル・ゼブダイ(Livin' On A Prayer・f07146)は災魔の襲来に備えていた。
「トリック・オア・トリート! わっ、すごく気合入った仮装ですね!」
まだ年少と思しい学生達が、お菓子入れの籠を差し出しながら話しかけてくる。
今宵のボアネルの仮装のテーマは「古城に潜む騎士の亡霊」。黒いフードを被り、目は赤く輝き、腰にあるランタンは鬼火のように揺らめく――遠目に見れば、まるで本物の幽霊がそこに佇んでいるかのような完成度だ。
「そう言って貰えて光栄だ。さあ、これを持っていくといい」
おどろおどろしい装いとは反して、いたって穏やかな物腰と表情で、ボアネルは食料袋から用意しておいたお菓子を彼らの籠の中に入れていく。目玉や幽霊など、ハロウィンらしい形をしたマシュマロをもらった子供達は大喜びだ。
「舐めると舌の色が変わる、モンスターキャンディもあるぞ」
「わーい!!」
嬉しそうに飴玉を口の中で転がす子供達を見ていると、ボアネルの表情も綻ぶ。
年に一度のお祭りというだけあって、会場内はどこも楽しげな活気に満ちている。そして用意されたお菓子や料理も豪華であった。
「どれも絶品だな」
ジャックランタンや蜘蛛の巣のデコレーションがされたカボチャのパイや、蝙蝠や幽霊のピックが刺さったローストビーフ。見た目から凝った品々がテーブルに並ぶ。
ボアネルも料理はそれなりに嗜む方だが、その味は彼からしても文句のない出来栄えのようだ。
「なにさなにさ、みんなお気楽にしちゃってさあ!」
「こんなパーティ、ウチらが台無しにしてやる!」
――と、ボアネルが舌鼓を打っていると、会場の雰囲気に場違いな怒声が響く。
見るとそこには、盗賊の装いをした少女の一団が、怒りの形相で場内に押し寄せてきていた。
「現れたか」
予知されていた災魔の来襲に、ボアネルは慌てず騒がず、カボチャのパイをゆっくり口に運びながら前に出る。
別に呑気にしているわけではない。ハロウィンを満喫する姿を見せつけることで、相手の動揺を狙うのが今回の作戦だからだ。
「ムッカー! あいつムカつく!! 気合入った仮装しちゃって!」
案の定、敵はボアネルに怒りの矛先を集中させて一斉に襲い掛かってくる。
冷静さを欠いた正面からの愚直な突撃を、ボアネルはひらりと悠然と躱しながら、すれ違いざまに抜き放った黒剣グルーラングで斬り捨てる。
「きゃうっ!!」
悲鳴を上げながら会場の床に倒れ伏し、消滅していく少女のホムンクルス。
その手応えから「大した事はないな」とボアネルは思う。彼女達の個々の戦闘力はもともと低いうえ、策も小細工も弄さないのであれば、猟兵達の敵ではない。
「我が爪牙よ、断罪の双剣と成れ。我が瞳よ、昏き冥道を照らす燈火と成れ。我が肉体よ、生者に仇なす骸を還す墓守と成れ……!」
一気に蹴散らしてやろうと、ボアネルの唇が厳かに詠唱を紡ぐ。
亡霊騎士の装束が落とす影から現れるのは、火の粉と冷気を吐き出す黒犬の群れ。
そして彼自身も【墓守の黒犬】、チャーチ・グリムへと変身し、牙を剥く。
「さあ、骸達よ。貴様らの墓場へ私が送り還してやろう」
「ひっ?!」
風のようにさっと獲物に飛び掛かり、鋭い爪牙で引き裂いていく魔犬ボアネル。
同時に召喚された黒犬達も、炎や冷気の吐息を災魔に浴びせて援護する。
チャーチ・グリム、ヘルハウンド、ブラックドッグ。それは新月の象徴にして死刑の執行者。死者の安息を守護する番犬にして、冥府より迷い出した悪霊を狩る猟犬。
あわてて災魔達が逃げだそうとしても、その爪牙はどこまでも獲物を追い立てる。
「すっげー、変身した!」
「カッコいい!」
黒犬に変身して災魔をやっつけていくボアネルの姿に、学生達は大盛り上がり。
自分たちのほうに被害が及んでこないためか、どうもこれを一種のイベントだと思っているふしもある。緊張感のないことだが、パニックを起こすよりはいいだろう。
「それも仮装? あとでちょっと毛皮触らせてくれませんか!」
「この姿はコスプレと言う訳ではないのだがな……ここは危ない、少し下がってくれ」
「はーいっ!!」
軽く嘆息しながらも穏やかにたしなめると、子供達はボアネルから貰ったお菓子を大事そうに抱えながら、遠巻きに応援をはじめる。
まあ、こういうのも悪い気はしない――墓守の黒犬は赤く目を輝かせながら、皆の平和なパーティを守るために災魔を狩りたてるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
羽月・姫香
【仮装はSDイラスト参照】
へぇ~、仮装…ねぇ?
これは忍としては避けて通れへん行事やねっ☆
早速頼んでおいた衣装に【早着替え】して【変装】、お祭りに参加やっ☆
…あれ? この服ウチが頼んどいたのとちゃう…もっと色っぽいの頼んどいたはずやのに…
どこかで取り違えられたんかなぁ?
だけど、ちゃんと着られる寸法なのが不思議やなぁ…
ま、とりあえずお祭りを賑やかしながら殴り込みを待ってよか
「はーい、とりっくおあとりーとーっ☆ イタズラされたいんは誰や~?」
お…きたきたっ☆
連携攻撃は【残像、第六感、見切り】で避けて…【毒使い、物を隠す】で仕込んどいた毒針で反撃やっ☆
ウチのイタズラはぁ…ちょーっとだけ刺激的…やでっ☆
「へぇ~、仮装……ねぇ? これは忍としては避けて通れへん行事やねっ☆」
と、今回の祭りを聞いてやる気十分なのは羽月・姫香(災禍呼ぶ忍・f18571)。
幼い頃からあらゆる忍術を学んできた彼女は、もちろん変装や潜入もお手の物。
会場の隣に併設された更衣スペースで、早速頼んでおいた衣装に着替え、パーティに参加しようとするのだが――。
「……あれ? この服ウチが頼んどいたのとちゃう……もっと色っぽいの頼んどいたはずやのに……」
着替えてみようとした段で、姫香の前にあったのは小悪魔ちっくな衣装。本来彼女が頼んでいたのは魔女の仮装だったのだが、何か発注ミスでもあったのだろうか。
しかし今から新しい衣装を用意している時間もないので、ともかく着替えてみる。
「どこかで取り違えられたんかなぁ? だけど、ちゃんと着られる寸法なのが不思議やなぁ……」
まるで最初から自分用にあつらえられたように、ヒールのブーツのサイズまでぴったりと合っている。体型や背丈までそっくり似た誰かでもいたのだろうか?
――実はこことは別にもうひとり、衣装の取り違え事件に遭遇している猟兵がいるのだが、姫香がそれを知ることはついぞ無かった。
(ま、とりあえずお祭りを賑やかしながら殴り込みを待ってよか)
ひとまず作戦に支障はなさそうだと、早々と着替えを済ませた姫香はマントを翻して、軽やかな足取りでハロウィンパーティの会場に飛び込んでいく。
「はーい、とりっくおあとりーとーっ☆ イタズラされたいんは誰や~?」
明るい笑顔と楽しそうな声、そしてちょっぴり色っぽく悪戯っぽい眼差し。
本人は「もっと色っぽいの頼んどいた」らしいが、この衣装も際どいスカート丈だったり、おへそが丸見えだったり、胸が強調されていたりと十分色っぽい。
「と、トリックで……」
「バカ、何言ってんだ!」
主に男子生徒達からの熱い眼差しを注がれつつ、姫香の前にはたちまち山程のお菓子が贈られる。「これは一人じゃ食べ切れへんかもなぁ」と思いながら、彼女はパーティを満喫するのだった。
「ぐぬぬ……なにさなにさ、ちやほやされちゃってさ!」
そんな姫香に怒りと嫉妬の視線を送るのは、乱入してきたホムンクルスの少女。
これ以上いい思いをさせてなるものかとばかりに、仲間達へと号令を発する。
「みんな、あいつをボコボコにしちゃえ!」
「お……きたきたっ☆」
自分に狙いを絞って一斉に襲い掛かってくる災魔達に気付いた姫香は、近くにいた学生を下がらせながら、忍び仕込みの俊敏な身のこなしで攻撃を躱していく。
かつんとヒールを鳴らし、ばさりとマントを翻しながら、パーティ会場をひらりと飛び回る姿はまるで踊っているかのよう。怒り狂った少女達の攻撃が捉えるのは、彼女の残像だけだ。
「ウチのイタズラはぁ……ちょーっとだけ刺激的……やでっ☆」
華麗に敵を翻弄しながら、姫香は衣装の隙間からあらかじめ仕込んでおいた毒針を取り出すと、悪戯っぽい笑みと共に投げ放つ。
塗布された毒の種類は三種。神経毒、血液毒、筋肉毒。どれが当たるかはお楽しみ、さりとてどれが当たっても待っているのは地獄。これぞ【忍法・禍怨塵】。
「痛っ! あ、あれ、身体が……」
「う、動けない
……!?」
雨のように降り注いだ針の毒はすぐに少女達の全身へと巡り、力を奪っていく。
あっという間に制圧された敵集団を前に、姫香は余裕の笑みでお菓子を口に運ぶのだった。
大成功
🔵🔵🔵
御劔・姫子
【仮装はSDイラスト参照】
わぁ~、えらい楽しそうなお祭りやなぁ~♪
うちも『こすぷれ』好きやし…少しぐらい楽しんでもえぇかなっ?
早速頼んでおいた衣装に【早着替え】して…
えぇ~っ!? う、うちこないな服頼んでへんのに~っ!?
取り違えられてもうたんやろか…でも着替えへんとお祭りに出られへんし…
それに…うちの体型にあった寸法になってる…なんでなんやろ?
会場に来たはえぇんやけど、えらい恥ずかしいわぁ…でも、できるだけ楽しそうにせなっ!
「とりっくおあとりーと…なんて、えへへ…」
災魔が来たんやったら【第六感、見切り】で攻撃を避けて…【表奥義・蛟卸し】っ!
うぅ~…こないな格好やと動くときに色々困ってまうなぁ…
「わぁ~、えらい楽しそうなお祭りやなぁ~♪」
おもちゃ箱をひっくり返したような活気と、愉快に飾り付けられた学園の様子を見回して、御劔・姫子(はんなり剣客乙女・f06748)はワクワクと胸を高鳴らせる。
「うちも『こすぷれ』好きやし……少しぐらい楽しんでもえぇかなっ?」
それが今回の作戦でもあるし、何より猟兵もこの世界では"転校生"。
学園内のお祭りに参加するのに気兼ねすることもないだろう。
彼女は早速この日のために頼んでおいた衣装を取り出して、袖を通そうと――。
「えぇ~っ!? う、うちこないな服頼んでへんのに~っ!?」
学び舎に響くすっとんきょうな悲鳴。林檎のように赤く染まる姫子の頬。
彼女が手にしていたのは魔女の衣装だった。ピンクのリボンのついた黒いとんがり帽子。黒いマントに黒い袖。その辺りは間違いなく古典的な魔女の格好に相違ない。
しかし、肝心の胴体を覆う部分が――服というより、帯状になったリボンのみ。いちおうスカートはあるものの、そちらもかなり際どい丈になっている。
仮装という体は守られているものの、何というか、たいへん刺激的な衣装だった。
「取り違えられてもうたんやろか……でも着替えへんとお祭りに出られへんし……」
しばらく赤い顔で衣装とにらめっこしていた姫子だったが、やがて意を決したように更衣スペースに飛び込むと急いで着替えはじめる。
「それに……うちの体型にあった寸法になってる……なんでなんやろ?」
リボン部分はともかくとして、袖の長さもスカートのウェスト周りも、寸分の狂いもないほどぴったりと着こなせる。奇妙なこともあるものだと首を傾げる。
――ちなみに同時期に衣装を取り違えられた猟兵はもうひとりいたのだが、幸か不幸か、姫子が彼女と鉢合わせることは無かったのであった。
(会場に来たはえぇんやけど、えらい恥ずかしいわぁ……でも、できるだけ楽しそうにせなっ!)
着替えを終えてパーティの中に加わった姫子を迎えたのは、たくさんの熱い視線。
胸も大きくスタイルも良い彼女がそんな際どい格好をしていれば、注目を浴びるのも無理もないことだろう。
恥ずかしさのあまり隅っこに隠れてしまいたいが、それでは作戦が果たせない。
姫子はなるべくマントで身体を隠しつつ、赤くなった顔でなんとか笑顔を浮かべてみせ、学生達に定番の挨拶をする。
「とりっくおあとりーと……なんて、えへへ……」
「か、かわいい……っ!」
際どい格好と恥じらいのある笑みのギャップに、ハートを撃ち抜かれる生徒多数。
姫子の手の中はたちまち学生達から送られたお菓子でいっぱいになった。
「ぐぬぬぬぬ! そんなの見せつけられても悔しくないからね!」
そんな姫子の一部分を凝視しつつ、とても悔しそうにしている災魔の少女達。
怒りと憎しみで我を忘れた彼女らは、魔法の呪文も忘れて掴みかかってくる。
「うがーっ!!」
「っ!」
それまで恥ずかしそうにしていた姫子は、敵の気配を第六感で察した瞬間、剣客としての顔つきに戻る。鋭い目つきで攻撃を見切り、仮装中でも手放さなかった愛刀『巌太刀』の柄に手を当てる。
「これが御劔の技……奥義・蛟卸しっ!」
最小限の体捌きで攻撃を躱し、すれ違いざまに抜き放った一閃が災魔を断つ。
真っ二つにされたホムンクルスの少女は、断末魔の悲鳴を上げる暇もなく、塵となって骸の海に還っていった。
「うぅ~……こないな格好やと動くときに色々困ってまうなぁ……」
敵の強さは大したことはないようだが、刀を振るうような激しい動きをすると、見えてはいけないものが見えてしまいそうな自分の格好を改めて意識してしまう姫子。
幸いにも敵はこちらを目の敵にして自分からやって来るので、こちらは動かずにそれを迎え撃てばいいだけだ。逃げる敵をこの格好で追いかけ回すよりはマシだろう。
一刻も早くこの戦いを終わらせるために、姫子はほんのり顔を赤く染めたまま、刀を振るい続けるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
小宮・あき
すずちゃん(f02317)と。
すずちゃんの仮装に似せたパーティドレス。
紫色がベース、差し色にオレンジ。スカート丈が少し長いの。
グレイのストッキング、黒いハイヒール。
取付チャームに南瓜があったから、靴や髪飾りに刺して。
すずちゃんの写真を沢山撮ります!
カメラを持ってきたの。いろんな角度ですずちゃんを撮影するね。
背景のアルダワ学園も合わさって、すごく素敵!かわいい!!
ホテルからお菓子の詰め合わせを持ってきました。
UDCアースで有名なチョコレート菓子。
そういえば、アルダワ学園の単位ってどうなってるんです?
攻撃は被害の出ないように。暗い雰囲気にさせないように。
指定UC、さくっと仕留めてしまいましょう♪
コイスル・スズリズム
仲良しのホテルのオーナーさん(f03848)
を
魔法学園に招待!
すずは南瓜の国のプリンセスの恰好!
『地形を利用』して撮影ポイントを探る
色んなろんな飲み物を持ってポーズをとって
オーナーさんに写真をとってもらうよ
生徒に声かけられたら
オーナーさんと笑顔でお菓子を渡す
どう?プリンセスってる?
でも次は―――
オーナーさんに
ポーズをとってもらって
すずも写真をぱしゃり
あなたのこんな姿、はじめて見たよ
魔法学園を好きになって貰いたいな
え?成績がどう決まるって?
あ!いいところに敵だ!
はしゃぎまくったから
きっと敵は隙だらけ
『全力魔法』と『範囲攻撃』を込めた【UC】で攻撃
防御は『見切り』と袖での『武器受け』
アドリブ大歓迎
「今日は招待してくれてありがとう、すずちゃん」
「こちらこそ来てくれてありがとう、オーナーさん!」
待ち合わせ場所で顔を合わせ、互いに笑顔を浮かべたのは、小宮・あき(人間の聖者・f03848)とコイスル・スズリズム(人間のシンフォニア・f02317)。
年に一度のお祭りということで、魔法学園の生徒であるコイスルは、仲のいいホテルの「オーナーさん」こと、あきをハロウィンパーティに誘ったようだ。
「すずちゃんの仮装、とっても可愛い!」
合流を果たしてから早々に、あきは持ってきたカメラを手荷物から取り出すと、さっそく「すずちゃん」ことコイスルの写真を撮り始める。
今日のコイスルの仮装は南瓜の国のプリンセスの恰好。橙と緑をメインにしたドレスにたくさんの花飾りをあしらい、頭上には立派な王冠のティアラを戴いている。
あらかじめ撮影に適したポイントを探って待ち合わせ場所にしていたりと、どうやらこちらもノリノリの様子で飲み物を持ってポーズを決める。
「どう? プリンセスってる?」
「背景のアルダワ学園も合わさって、すごく素敵! かわいい!!」
愉快に飾り付けられた蒸気と魔法の学園を背景にして、無邪気に微笑む南瓜のプリンセス。その愛らしさと幻想的な雰囲気は、あきが絶賛するのも頷けよう。
「わぁ、すっごい! お姫様だぁ!」
楽しそうな撮影に惹かれたのか、近くにいた生徒が目を輝かせてやってくる。
憧れの眼差しを送るまだ幼い少女に、コイスルは「ありがと!」と微笑みながら、用意しておいたお菓子を渡す。
「私もホテルからお菓子の詰め合わせを持ってきました」
一緒にあきが取り出したのは、UDCアースで有名なチョコレート菓子。
見たこともない異世界の甘味に、少女の目はたちまち釘付けになる。
「これって外国のおかし……? もらっていいの?」
「ええ、どうぞ」
「わーい!!」
嬉しそうにチョコを口にした少女は、「あまーい!」とほっぺを抑えてはにかみ。
残りのお菓子を大事そうに籠に入れると「おねえちゃんたち、ありがとう!」と、満面の笑顔で去っていった。
「みんな楽しそうです。素敵なお祭りですね」
「そうでしょ?」
微笑みながら生徒を見送るあきに、コイスルはどこか得意げな表情で応え。
でも次は――と、あきの手からするりとカメラを抜き取って、レンズを向ける。
「オーナーさんの写真も撮ろうよ」
「私もですか? じゃあ、お願いします」
勧められるままに、学園を背景にしてカメラの前でポーズを取る、あき。
今日の彼女の服装は、コイスルの仮装に似せたパーティドレス。ベースは紫色で、少し長めのスカート丈が大人びた雰囲気を感じさせるが、差し色のオレンジが少女らしい明るさも演出している。
脚を包むのはグレイのストッキングと黒いハイヒール。靴や髪飾りに刺した南瓜のチャームが、プリンセスと並んでハロウィンの統一感を増していた。
「あなたのこんな姿、はじめて見たよ」
ぱしゃりとシャッターを切り、いつもとは少し違う雰囲気のオーナーさんの姿を写真に収めるコイスル。誘った甲斐があったよ、と笑みを深めながら。
「このお祭りをきっかけに、魔法学園を好きになって貰いたいな」
この世界はコイスルの故郷であり母校。それを異世界でできた仲良しの友人にも気に入ってもらえれば、彼女にとっては幸いなことだ。
「学園のことはまだ知らないこともありますけど、このお祭りはとても楽しいです」
にこりと微笑みながら答えたあきは、ふとある事が気になって小首をかしげる。
「そういえば、アルダワ学園の単位ってどうなってるんです?」
「え? 成績がどう決まるって?」
学生以外の人間には意外と謎の多い、アルダワの学業制度。
あきとしてはふとした疑問だったのだが、コイスルはなぜか返答に詰まる。
なにか学業において答えづらいことでもあるのだろうか――。
「ずいぶん楽しそうだねキミたちっ!」
「ムカつく! 超ムカつく!」
「あ! いいところに敵だ!」
――と、会場に災魔が乱入してきたのを良いことに、話を切り替えるコイスル。
はぐらかされた気分になるあきだが、確かにそちらの対処が優先なのも事実。
「攻撃は被害の出ないように。暗い雰囲気にさせないように。さくっと仕留めてしまいましょう♪」
とてもいい笑顔でドレスから手裏剣を取り出し、袖口から小冊の紙片を覗かせるコイスルと共に、押し寄せるホムンクルスの盗賊達を迎え撃つ。
「そのキレイなドレス、ビリビリに引き裂いちゃうから!」
ハロウィンへの憎しみで理性を失った災魔達は、ユーベルコードを使うことも忘れて殺到する。楽しそうにはしゃぎまくっていた2人への嫉妬もあるのか、勢いはあっても無防備である。
「隙だらけだね」
「むきーっ!」
単調な敵の攻撃をひらりと袖ではたき落としながら回避するコイスル。
余裕綽々といったその態度に、災魔の怒りはさらに燃え上がる。
「本物どーれだ♪」
そんな災魔達の前で、あきがおもむろに発動したのは【戦場のハレム】。
本人とそっくりな容姿のダミーが何十人と姿を現し、敵の目を撹乱する。
「えええっ!? 増えたっ!?」
「ど、どれが本物なの?」
本物とダミーを見分けるポイントは掌に刻印された「1」の数字。
しかし冷静さを欠いたホムンクルス達がそれに気付けるはずもない。
「誰かに恋する時のよに誰かを待つよに深く甘く続いてく」
混乱する敵陣に向けて、すかさずコイスルが“恋する空ある街の灯”を唱える。
するとドレスの袖口から魔力を込めたハート型の紙片が放たれ、大きな紙吹雪となって敵を呑み込んでいく。
「みぎゃーーーーっ
!!!?」
悲鳴を上げて吹き飛ばされたホムンクルスの少女達は、そのまま紙片の渦に埋もれるように消滅していった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フレミア・レイブラッド
久し振りのアルダワだけど、リリィとか見知った子達に会えるかしら♪
サキュバスをイメージした翼や服装等を付けて仮装。
周囲の学生(男女問わず)魅了しつつ、可愛い子達とパーティーを楽しんだり、知り合いの子を探して一緒に楽しんだりしながら敵を待ち受けるわ。
理性が低下してるなら精神的な耐性は下がってるハズよね。
敵が現れたら、【念動力】で束縛したり、クラウ・ソラスで縛り上げたりしながら【魅了の魔眼・快】で魅了して鎮圧。大人しくさせるわ♪
大事なのは過去じゃない。今をどう生きるかが大切なのよ。折角のハロウィンだし、貴女達も楽しみなさい♪
※イタズラ等々なんでも歓迎
「久し振りのアルダワだけど、見知った子達に会えるかしら♪」
学園中を取り巻く賑わいに心躍らせながら、ハロウィンパーティの会場を訪れたのは、フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)。
何度か依頼でここを訪れたことのある彼女は、いつもと雰囲気の違うアルダワの様子を楽しみながら、知り合いの姿はないかと辺りを見回す。
「あっ、先輩っ。先輩もパーティに来てたんですねっ」
フレミアの姿に気付いて駆け寄ってきたのは、赤い髪に青い瞳をした学生の少女。
黒猫の仮装だろうか、耳と尻尾を付けたその娘は、フレミアの顔見知りだった。
「あらリリィ、久し振りね」
「お久しぶりです、フレミア先輩」
嬉しそうに笑みを浮かべる赤髪の少女、リリィ。
彼女は以前にも何度か、学園で起こるイベントや事件でフレミアに助けられたことがある。「スライム恐怖症」というある種深刻な問題を抱えていた彼女のトラウマ克服に一役買ったフレミアは、彼女にとって恩人であり、敬愛する先輩なのだ。
「黒猫なんて可愛らしい仮装ね♪」
「フレミア先輩も……その、すごく綺麗ですけど……」
ぽっと顔を赤らめて、思わず目を泳がせるリリィ。彼女がそんな反応になるのも無理はなく、フレミアの今の服装はサキュバスをイメージした仮装。
露出度が高めの妖艶なドレスを纏い、背中に蝙蝠のような翼を生やしたその姿は、十代の見た目とは思えないほどの蠱惑的な印象がある。
男女問わず魅了するその色香にあてられたリリィがどぎまきしているのを見て、フレミアは悪戯っぽく笑みを深めると、耳元にそっと唇を寄せて。
「トリック・オア・トリート?」
「ひゃわわわ……っ!?」
途端、トマトのように真っ赤になったリリィの顔を見て、くすくすと笑う吸血姫。
かわいい後輩からの返答は、たっぷり悩んでからの「トリート」であった。
「あっ、あなたは前に、スライム大量発生の時に助けてくれた……」
「えっ何、あの美人、あんたの知り合いなの……?」
それからもフレミアの周りには、過去に会ったことのある知り合いや、魅惑の気配に引き寄せられてきた学生達が集まり、気付けば大きな人だかりとなっていた。
「アルダワのハロウィン、なかなかいいお祭りね♪」
可愛い子達と献上されたお菓子に囲まれながら、パーティを楽しむフレミア。
その様子はサキュバスと言うよりも、もはや女王様のようだった。
「ハロウィンなんてぶっ壊せーーー
!!!!!」
「ウチらの怒りと悲しみを思い知らせてやるーーー
!!!!」
――と、そんな楽しい雰囲気に水をさすように現れたのは、ホムンクルスの集団。
ハロウィンへの怒りと憎しみに染まった彼女達は、今この場で最もハロウィンを満喫していそうな者――すなわちフレミアを見つけると、一斉に敵意をぶつけてくる。
「ようやく現れたわね」
あらかじめこの襲来を知らされて待ち受けていたフレミアは、優雅な微笑みを絶やさないまま学生達を下がらせると、念動魔剣クラウ・ソラスを抜き放つ。
目的は彼女らの制圧だが、そこまで手荒なことをするつもりはない。数に任せてがむしゃらに掴みかかってくる敵を、まずは念動力とクラウ・ソラスで拘束する。
「うゃっ?! う、動けないっ?!」
「なにこれっ?! はなせー!」
見えない力場に束縛され、あるいは鞭のようにしなる魔力の光刃に縛り上げられて、あっけなく次々とパーティ会場の床に転がる少女達。大層お怒りの様子ではあるが、彼女達一人ひとりの戦力はさほど高くはないのだった。
「理性が低下してるなら精神的な耐性は下がってるハズよね」
なおも「はなせー!」と床の上でもがくホムンクルス達の元にかつかつと近寄ったフレミアは、彼女らの瞳をじっと見つめて【魅了の魔眼・快】を発動する。
「わたしの僕になりなさい……あなたはもう、わたしのトリコ♪」
「ふにゃ……?」
吸血姫の読みどおり、魔力を込めた魔眼の視線にあてられたホムンクルスの少女達は、怒りに満ちていた表情をとろんと緩ませて、たちまち魅了の支配下となった。
「大事なのは過去じゃない。今をどう生きるかが大切なのよ」
「今を、どう、生きる……?」
夢見心地な少女達を、フレミアは優しい微笑みと共に説き伏せる。
確かにハロウィンは災魔にとって忌むべき過去かもしれない。しかしそれに囚われていては悲劇を繰り返すだけであり、今のあり方に目を向けていくことも必要だと。
「折角のハロウィンだし、貴女達も楽しみなさい♪」
「「はーいっ!! わかりましたっ!」」
吸血姫に隷属したホムンクルスの少女達は、それまでの怒りはどこへやら、主人の言いつけに満面の笑顔で頷くと、パーティの輪に加わりはじめる。
学生達が怪物の――災魔の仮装をするこのハロウィンの期間中でなら、本物の災魔が紛れ込んでいても騒ぎさえ起こさなければ誰も気付かないだろう。
「これで一件落着ね♪」
無事に被害を出すことなく騒ぎを収めたフレミアは、その後も学生達とホムンクルスの少女達と一緒にハロウィンパーティを満喫したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アマータ・プリムス
七曜様(f00724)と連携
衣装は阿吽の狛犬人形(吽形)
ハロウィンパーティ、まずはお菓子を配って歩きましょうか
学生たちに籠に入れたお菓子を配ってパーティを楽しみます
当機はたまにお酒を飲むくらいにしておきましょう
人形ですから酔いませんし
「皆様の仮装を見ながらお菓子を配る、というのもいいですね」
さて、災魔ですか
楽しんでいる所に不躾ですね
「ではやりましょうか、七曜様」
アルジェントムから三味線を2つ取り出し一つを七曜様へ
「ここからが本番ですよ」
UCを発動しながら七曜様とセッション開始
奏でる音の衝撃波と歌声で災魔を攻撃して一掃です
いつもは一人ですかたまには合わせもいいですね
「ノってまいりました」
茲乃摘・七曜
アマータさん(f03768)と連携
衣装:阿吽の狛犬人形(阿形)
「装魔封災戦…地上に災魔がいた頃の話ですか興味深いですね。とはいえ、まずはパーティを楽しみましょう
AngelsBitsを和風に仮装し籠を取付け、アマータさんと魔法学園の生徒にお菓子を配りながら会場のお菓子を摘まむ
「えぇ、皆さんとても楽しそうで良い時間ですね。
「はい、お任せを。アマータさん、無粋なお客様には退場いただきましょう
三味線を受け取り、旋律を重ねるように演奏を開始しAngelsBitsで会場全体へ音を拡げる
UCによる音の収束をアマータさんの歌声に合わせ災魔のみを倒すようなアンサンブル
「それでは、もっと盛り上げていきましょうか!
「装魔封災戦……地上に災魔がいた頃の話ですか、興味深いですね。とはいえ、まずはパーティを楽しみましょう」
「ええ。ハロウィンパーティ、まずはお菓子を配って歩きましょうか」
いつもとは違う雰囲気の学園を、ふたり連れ立って訪れたのは茲乃摘・七曜(魔導人形の騙り部・f00724)とアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)。
東洋における寺社の番犬、阿吽の狛犬人形の仮装をした彼女達は、薙刀を片手にお菓子の籠を携えて、パーティを楽しむ人々の輪に加わっていく。
「トリック・オア・トリート! 素敵な仮装ですね!」
「ありがとうございます。こちらをどうぞ」
黒と赤の着物を美しく着こなした姿に称賛を贈られ、お礼を述べながら籠に入ったお菓子を学生達に配る、吽形の狛犬人形・アマータ。
彼女の対となる阿形の狛犬人形・七曜は、浮遊する小型蒸気機関式拡声器「Angels Bit」を和風に飾りつけ、そこに籠を取り付けてお菓子を運搬していた。
「これ、よかったら食べてみてください! 自信作です!」
「あら、では頂きますね……本当、美味しいです」
お菓子を配る傍らで、生徒から勧められた会場のお菓子もひと摘み。
南瓜やコウモリの形をしたクッキーの優しい甘みが、七曜の唇をほっと綻ばせる。
「皆様の仮装を見ながらお菓子を配る、というのもいいですね」
アマータは順調に軽くなっていく籠を振り、お菓子や料理のかわりに酒の入ったグラスを傾けながら、学生達の様子を眺めていた。
馴染みのある学園でも、オオカミ、吸血鬼、妖精、魔女――個性あふれる仮装に身を包んだ学生たちがパーティ会場を行き交っていると、いつもとは違う景色になる。
「えぇ、皆さんとても楽しそうで良い時間ですね」
空っぽになったAngelsBitsの籠を付け替えながら、七曜も友人の言葉にこくりと頷き、この賑やかで愉快な時間をお菓子と一緒に味わうことにする。
普段は読書のような静かで穏やかな時間を好む七曜だが、たまにはこうした愉快で賑やかなひとときに身を委ねるのも悪くはないと、そう思う。
とはいえ二人共あまり羽目を外して騒ぐようなタイプではないのだが、会場の賑わいをその仮装のとおり狛犬のように見守る彼女達は、確かに祭りを満喫していた。
「キミたち、ずいぶん仲良さそうだね……」
「おそろいの仮装なんかしちゃってさ! 気に入らない!」
――そんな楽しい時間に空気を読まずに現れるのが、災魔という連中である。
ハロウィンへの怒りに燃えるホムンクルスの少女達は、会場内でもひときわ目立つ仮装をしている七曜とアマータに目をつけると、敵意をむき出しにして迫ってくる。
「楽しんでいる所に不躾ですね」
興が削がれたように少しだけ眉をひそめながら、アマータはそっと酒盃を置く。
人形である彼女はいくらアルコールを摂取しても影響はない。酔っ払って戦闘に支障をきたすようなことはある筈もなく、戦いの備えは万全だ。
「ではやりましょうか、七曜様」
「はい、お任せを。アマータさん、無粋なお客様には退場いただきましょう」
銀色のトランク型ガジェット「アルジェントム・エクス・アールカ」からアマータが取り出したのは2つの三味線。そのひとつを手渡された七曜は、弦の調子を確かめるように軽く爪弾きながらこくりと頷く。
「ここからが本番ですよ」
開幕を告げる鋭い旋律。ハロウィン会場に響く三味線の音色。
阿形と吽形、鏡合わせのように並び立つふたりの狛犬人形のセッションが始まる。
「な、何なのさ……?」
「一体なんのつもり……ふぎゃっ!?」
突然の演奏に困惑する災魔達が、見えないハンマーで殴られたように吹き飛ぶ。
これはただの演奏ではない。歌や音楽の力をユーベルコードの粋にまで昇華させた、ふたりのシンフォニアによる共演にして、攻撃なのだ。
「―――聴くだけではなくその身体に。この歌を届けましょう」
巧みな撥捌きで三味線を弾き鳴らしながら、伸びやかな声で歌を紡ぐアマータ。
【Fama crescit eundo】により増幅された人形の歌声は、万物を破壊する不可視の衝撃波となって、パーティマナーの悪い災魔達を打ちのめす。
「それでは、しばしの間……お楽しみください」
七曜はアマータの歌と演奏に旋律を重ねるように三味線を奏でながら、宙に浮かぶAngels Bitを通して、ふたりの音楽を会場全体に拡げていく。
【残響の福音】によって収束された演奏の音波は、災魔のみを傷つけるように指向性を持たされており、会場内にいる他の参加者に被害が及ぶことはない。
「すっごく綺麗な演奏……それに、素敵な歌!」
「初めて聞くけど、なんだろう、心がぽかぽかする感じ!」
狛犬人形のアンサンブルが響き渡るにつれて、学生たちの顔には笑顔が浮かぶ。
リズムに乗って身体を揺らすものや、手拍子や口笛を合わせるもの――音楽の輪はたちまち会場全体へと広がっていく。
「このっ、調子に乗って……みぎゃーーーっ!!!」
唯一、面白くなさそうな顔をしているのはホムンクルスの少女達だが、場内の盛り上がりと共に熱を帯びていくふたりの演奏の前には為す術もなく、悲鳴というアクセントをメロディに添えて消滅していく。
「いつもは一人ですかたまには合わせもいいですね」
奏で合い響き合うことで高まっていく自分達の演奏を感じながらアマータは呟く。
クールな表情こそ変わらないが、その顔はいつもより高揚しているように見える。
「ノってまいりました」
「それでは、もっと盛り上げていきましょうか!」
七曜が奏でる力強いビートが、場内の熱気をさらに一段と高める。AngelsBitsが拡げるその音色は、パーティ会場を越えて学園中にまで響き渡っていく。
アマータもまた乗り遅れまいと、高鳴る胸の想いを声に乗せて高らかに歌い上げ。
ハロウィンの祭りを彩る狛犬人形のセッションは、割れんばかりの拍手と喝采で迎えられ、悪しき災魔をことごとく退散させたのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
薄荷・千夜子
クロウ(f04599)さんと
南瓜SDのアラビアン衣装で参加
わぁ、クロウさん!こちらこそお久しぶりです
ふふふ、もちろん祭は古今東西、どの世界のものも大好きです!
あれ、ですか?あー!分かりますよ!お菓子をくれるやつですよね?トリック・オア・トリート……ってお菓子ないんですかぁ!?
い、悪戯……考えてもなかった、って今私遊ばれてましたね!?
もう!悪戯でそのローストビーフ横取りしちゃいますからねっ!!
それじゃ、お姫様も頑張りましょう!
お姫様も負けられませんからね
UC発動で舞い踊るように複製した炎を纏った『夜藤』を投擲による一斉射撃で追い討ちを
杜鬼・クロウ
千夜子◆f17474
アドリブ◎
仮装はアラブ系の商人
紫のベスト
白ズボンに赤スカーフ
シェシア帽子
夏祭りの屋台で会った以来だなァ、千夜子(手ひら
やっぱ祭好きなのか?
…言わねェの?アレだよアレ
俺、生憎甘いモン苦手だから菓子持ってねェンだよなァー
どんな悪戯してくれるンだ?
可愛いアラブのお姫サマは(ニヤ
ウソウソ冗談だ(並ぶ飴の一つをくすねており渡す
ローストビーフが美味い(もぐ
え、俺の食うのか?
与太話はココまでにして
商人たるもの交渉(物理)は基本なンで
姫サマに有利に働くよう動くぜ
UC使用
攻撃力up
どうせミサイルは俺達目掛けて攻撃すンだろ?
ンじゃ近付くまで待つ
で、炎宿した玄夜叉で二連撃っと
千夜子、後は任せるぜ
「夏祭りの屋台で会った以来だなァ、千夜子」
「わぁ、クロウさん!こちらこそお久しぶりです」
ひらり、と手を振りながら、パーティ会場で見知った顔に声をかけたのは杜鬼・クロウ(風雲児・f04599)。それに気付いた薄荷・千夜子(鷹匠・f17474)は、ぱっと明るい笑顔を見せながら応える。
ふたりの仮装はどちらもアラビア系。クロウが商人で、千夜子がお姫様。
これも何かの縁だろうと、彼らは一緒に祭りを見て回ることになった。
「やっぱ祭好きなのか?」
「ふふふ、もちろん祭は古今東西、どの世界のものも大好きです!」
アラビアン・ナイトに登場するような、紫のベストに白ズボンに赤スカーフ、円筒形のシェシア帽子といった格好で、千夜子にたずねるクロウ。
対する千夜子はこちらも千夜一夜の踊り子のような麗しい衣装姿でヴェールを翻し、異界の祭りの様子を興味津々、といった様子で眺めながら答えた。
どちらを向いても仮装した笑顔の学生たちがいて、辺りからは甘くて美味しそうな香りが漂ってくる。この祭り特有の活気と熱気は、どこの世界でも変わらない。
「……そういや言わねェの? アレだよアレ」
「あれ、ですか?」
祭りの雰囲気を楽しみながら、ふと思い出したようにクロウが聞く。最初は何のことかと首をかしげた千夜子だが、すぐにピンときたようですっと手を差し出す。
「あー! 分かりますよ! お菓子をくれるやつですよね? トリック・オア・トリート……」
「俺、生憎甘いモン苦手だから菓子持ってねェンだよなァー」
「……ってお菓子ないんですかぁ!?」
そっちから聞いたのに! と少し不本意そうな様子で声を上げる千夜子。
そんな彼女にニヤリと悪戯っぽい笑みを見せながら、クロウはさらに聞く。
「どんな悪戯してくれるンだ? 可愛いアラブのお姫サマは」
お菓子がないなら悪戯されてしまうのが、ハロウィンのお約束。
しかし彼の場合、可愛いお姫サマに悪戯されるなら望む所だと言わんばかりである。
「い、悪戯……考えてもなかった」
何をすればいいのか想像もつかず、千夜子は困った顔で視線を泳がせる。
日頃はきりっと凛々しい彼女が、おたおたと慌てている姿はやけに可愛らしく、思わず吹き出しかけたクロウは笑いを噛み殺しながらベストの内側に手を入れる。
「ウソウソ冗談だ」
取り出したのは南瓜柄の包装がされた一粒の飴玉。会場に並んでいるお菓子の中からくすねておいたものを、お姫サマの手のひらの上にぽんと置く。
「あ、ありがとうございます、って今私遊ばれてましたね!?」
はっと我に返った千夜子が、飴玉を握りしめつつ抗議しても、彼はどこ吹く風。
お菓子と一緒に並んでいた料理をもぐもぐと口に運んでパーティを満喫中である。
「ローストビーフが美味い」
「もう!」
ちょっぴり怒った千夜子は食事中のクロウに近付くと、ぱっと素早く手を伸ばす。
「悪戯でそのローストビーフ横取りしちゃいますからねっ!!」
「え、俺の食うのか?」
はたとクロウが気付けば、自分の手にあったはずの肉の小皿は、いつの間にか千夜子の手に。トリックを成功させた彼女は得意げにローストビーフを口に運ぶ。
美しい赤身にじわっと詰まった肉の旨味。からかいのお返しとしては申し分ない勝利の味だ。
「仲の良さそうなおふたりさん発見!」
「これ以上、楽しいパーティなんてさせないから!」
――楽しそうなふたりの仮装姿を見つけてやって来たのは、災魔の少女達。
無論、この襲撃を予期していた猟兵達は、即座に臨戦態勢へと意識を切り替える。
「商人たるもの交渉は基本なンで、姫サマに有利に働くよう動くぜ」
「それじゃ、お姫様も頑張りましょう!」
与太話はココまでにして、と黒魔剣「玄夜叉」を抜き放ちながらクロウが前に。
短刀【夜藤】を構えた千夜子が、その後ろから敵の隙を窺う。
「鬼も隠れし十重二十重にて消えし我が銘をクロウと号す。天照へ祝を奏上し請い願う――」
クロウが【奏上・三位一体之祓剣】を唱えると、魔剣に施されたルーンが輝き、精霊の力がその身に流れ込む。ほとばしる炎によって攻撃の威力を高めた彼は、さっと後ろを振り向きざまに剣を振るった。
「八咫が守りし遍く輝きにて、昏き禍つを祓う力をと!」
「うそっ!? 気付かれたっ!」
驚いたのはホムンクルスの少女達。一見誰もいないところを薙いだかに見えたクロウの剣は、彼女達が密かに放った魔法の追尾ミサイルを両断していた。
「どうせミサイルは俺達目掛けて攻撃すンだろ? ンじゃ近付くまで待てばいい」
事前に発見するのが難しい攻撃なら、ギリギリまで引きつけたうえで断つ。
炎宿した玄夜叉の斬撃は一呼吸のうちに2度振るわれ、2人に飛来したミサイルのことごとくを斬り捨てる。これがクロウの交渉術(物理)だった。
「千夜子、後は任せるぜ」
「はい。お姫様も負けられませんからね」
道を開いた商人の働きに応えるため、アラビアンの姫君は【夜藤】に炎を纏う。
舞い踊るような彼女の動きに合わせて、ひとつ、ふたつ、よっつ、やっつと増えていく短刀。最終的には54まで複製されたそれらが、災魔の集団に切っ先を向ける。
「これで終わりです!」
【干渉術式:護火剣乱】。一斉に射ち放たれた短刀がパーティ会場に鮮やかな炎の軌跡を描き、千夜子と共に舞うようにホムンクルスの少女達を追い詰めていく。
それは人に仇なすモノノケ共に容赦せぬ、美しくも苛烈な祓いの舞であった。
「あつっ、いたっ、あつつっ、ぎゃーーーーっ
!?!?」
切られる痛みと焼かれる苦しみの中で、悲鳴を上げながら消えていく災魔の群れ。
やがて炎の舞いが収まった時、そこには元通りの平和な祭りの光景が取り戻されていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
レパル・リオン
ルクちゃん(f14346)と一緒!
仮装:ハロウィンSD
いぇーい、ルクちゃーん!楽しんでるゥー?
やー、コンコンスポットで服を探してたらこの服が出てきたんだけどね?
その魔法少女衣装、絶対ルクちゃんに似合うと思ったのよ〜!
カラフルでファッショナブル!ルクちゃんの心の中を表すような、素敵な衣装だと思わない?
はあぁ…今日のルクちゃんはホントに可愛いわ〜♪
…ん、来年?……(ルクが話し終えるのを待つ)
…!!怪人(オブリビオン)!やっつける!
攻撃モードの【トリニティ・エンハンス】!ルクちゃんが凍らせた怪人を片っ端から粉砕するわよ!
…うん!来年も再来年もその次も、あたし達、友達よ!
(2人で満面の笑みを浮かべる)
ルク・フッシー
レパルさん(f15574)と一緒に
仮装:ハロウィンSD
(レパルさんにもらった服…完全に女の子の服じゃないですか…)
(は…恥ずかしいです…!)
(…でも、レパルさん…いっぱい褒めてくれてる…)
(レパルさんと一緒にいると…なんだか、大丈夫な気分になってきました…)
…えっと、その…ありがとう、ございます…レパルさん
あの、レパルさんさえよければ…来年のハロウィンも、一緒に…
あ…災魔!た、倒さなきゃ!
【束縛塗装】青白い氷属性の塗料を浴びせ、災魔を氷漬けにします!
あ、そのあのえっと…
れ、レパルさん!来年もよろしくお願いします!
(2人で満面の笑みを浮かべる)
「いぇーい、ルクちゃーん! 楽しんでるゥー?」
「え、えぇっと、はい、レパルさん……」
盛り上がるハロウィンパーティ会場、そこにテンションMAXな様子で沢山のお菓子を抱えてはしゃぐのはレパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)。
彼女に連れられてお祭りにやって来たルク・フッシー(ドラゴニアンのゴッドペインター・f14346)は、緑色の肌を赤らめて、もじもじしながらこくりと頷く。
普段からおどおどしがちな少年ではあるが、今日はいつにも増して落ち着かない様子。その理由は彼の仮装にあった。
(レパルさんにもらった服……完全に女の子の服じゃないですか……)
ルクが今着ているのは、色とりどりの布を使った、ヒラヒラでフリフリなスカートのドレス。手にぎゅっと握りしめられているのは絵筆を模した魔法の杖。女児向けアニメのヒロインが着るような、ファンシーな魔法少女の仮装である。
(は……恥ずかしいです……!)
客観的に見るとかなり着こなせている。しかしルクとて14歳の多感な男の子なのである。似合っていてもあまり嬉しくないし、さっきからやけに視線を感じて仕方がない。
「やー、コンコンスポットで服を探してたらこの服が出てきたんだけどね? その魔法少女衣装、絶対ルクちゃんに似合うと思ったのよ~!」
そんなルクの気持ちを知ってか知らずか、レパルは得意げにその衣装の入手経緯を語る。げに恐るべきはキマイラフューチャーのコンコンの万能性である。
「カラフルでファッショナブル! ルクちゃんの心の中を表すような、素敵な衣装だと思わない?」
レパルはからかっている訳ではない。本心からそう思ってこの衣装をルクに贈ったのだし、上辺だけではなく絵描きであるルクの優しく鮮やかな心根をも汲み取った上で似合っていると思う。そして何より魔法少女は彼女のフェイバリットである。
「はあぁ……今日のルクちゃんはホントに可愛いわ~♪」
とても満足げなため息をつきながら、うっとり微笑むレパル。裏表のない手放しの賛辞を受けて、最初は恥ずかしいばかりだったルクの気持ちも変わってくる。
(恥ずかしい……でも、レパルさん……いっぱい褒めてくれてる……)
最初は気になって仕方のなかった周りの視線も、ちょっとは平気になってきた。
目の前には視線なんかよりも気になる大事な友達。今日のレパルの仮装はセーラー服に大きな絵筆とベレー帽で、頬のハートのペイントが愛らしい。
魔法少女の仮装をしたルクと、絵描きの仮装をしたレパル。ふたりの格好は奇しくも――あるいは意図してか、お互いの衣装交換のようにもなっていた。
(レパルさんと一緒にいると……なんだか、大丈夫な気分になってきました……)
ほっと肩の荷が外れたような心持ちで、ルクはおずおずと口を開く。
「……えっと、その……ありがとう、ございます……レパルさん」
「どういたしまして! 喜んでくれたら嬉しいわ!」
やはり満面の笑顔を浮かべて、元気いっぱいに答えるレパル。
そんな彼女に、ルクはもうひとつ、伝えたいことがあった。
「あの、レパルさんさえよければ……来年のハロウィンも、一緒に……」
「……ん、来年? ……」
きょとりと首を傾げながら、レパルはルクが話し終えるのを待つ。
心臓が、さっきとはまた違う理由でドキドキしているのを感じながら、少年は最後まで気持ちを伝えようと――。
「ハロウィン満喫しているリア充どもはここかー
!!!!」
「あ……災魔! た、倒さなきゃ!」
「……!! 怪人! やっつける!」
あと少しのところで青春の1ページに水をさしたのは、ハロウィンを憎む災魔達。
少年少女はすぐさま臨戦態勢に入り、襲い掛かってくる敵集団を迎え撃つ。
年若くともこの2人もまた、いくつもの場数を踏んだ猟兵なのである。
「ボクが動きを止めます……やあっ!」
怒りのままに突っ込んでくる敵集団に向かって、ルクは絵筆の杖を振り抜く。
すると先端から青白い塗料の弾丸が放たれ、ホムンクルスの少女達に着弾する。
「つ、つめたっ?! なにこれっ?!」
「さむっ! 動けないんだけどっ!」
ルクの画法は魔法のアート。少女達に浴びせられた氷属性の塗料はまたたく間に凍りつき、凍結という枷となって彼女らの動きを封じ込める。
「怪人なんてお呼びじゃないのよ! 片っ端から粉砕するわ!」
ルクの【束縛塗装】が氷漬けにした災魔を打つのは、熱く燃えるレパルの拳。
【トリニティ・エンハンス】によって炎水風の魔力をその身に宿した彼女は「羽根のように軽く、剣のように鋭く、鋼のように重く」という自身の戦闘術の通りに、怪人――すなわちオブリビオンを叩きのめしていく。
「ぎゃーーーーっ
!!!?」
「お、おぼえてろーーーっ!!!」
パリンと氷が割れる音と共に吹っ飛ばされ、そのまま虚空に消えていく災魔達。
何度もしつこくハロウィンパーティを襲ったホムンクルスの盗賊達は、かくして捨て台詞だけを残して、ひとり残らず撃退されたのだった。
「これでお仕事完了ね! そういえば、さっきの話の続きは?」
「あ、そのあのえっと……」
平和になったパーティ会場で、ユーベルコードを解除しながら尋ねるレパル。
一瞬、しどろもどろになったルクだったが、じぃっとまっすぐに見つめてくる彼女の瞳を見れば、すうと深呼吸してから今度こそ意を決して――。
「れ、レパルさん! 来年もよろしくお願いします!」
「……うん! 来年も再来年もその次も、あたし達、友達よ!」
返ってきたのは、お日さまのように明るい笑顔と、喜びにあふれた言葉。
それを受け取った少年の顔にも、まるで蕾が開くように笑顔が咲く。
――年に一度、学園が笑顔とお菓子に包まれる、このハロウィンで。
多くの学生と猟兵たちが笑いあい、楽しんだ、この甘く幸せな一日で。
少年と少女は2人で満面の笑みを浮かべ、互いの絆を確かめあったのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵