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寂しがり屋は夜泣くの

#UDCアース

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#UDCアース


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●ある実況者の動画
「ハロー! オカルト系動画配信者のジャキョーです!
 今日も元気に紙降ろしやっちゃいましょう! あ、視聴者参加型なんでトイレは先に。なんちゃって」
 げらげらと笑う声がする。
 それはどこかのビルの一室であろう。窓から覗く景色はそれなりの都会であり、1階ということか行きかう人々の姿もカメラにバッチリと収まっている。
 オカルト動画だからだろうか、時間にも気を配られ、夕方4時を過ぎたばかりの空は少々だけ陽が傾き始めている。
 ジャキョーと名乗った青年は白いマスクを着け、実況者らしく『雄弁』に『愉快』に振る舞い続けている。
「今日は~、皆さんがご期待の『鑼犠御・螺愚喇』さん!
 ラグオ・ラグラ。漢字では~~~……」
 フリップボードにきゅ、きゅと辺を滑らせて丁寧な字でその名を掻いたジャキョーはにやりと笑う。
「鑼犠御・螺愚喇さんを呼び出すために頑張りましょう。
 さてさて、この鑼犠御・螺愚喇さん。人語を理解し綺麗な声音で僕らに語り掛けてくるのです。
 いつの日か別れた『人の友』との再会を願って――善良でしょう? 可哀想でしょう?
 な、の、で、そのお手伝いをしに来たわけです! さて、視聴者参加型と言いました」
 ジャキョーがゆっくりと立ち上がる。動画に映し出されたのは赤く光る魔法陣だ。
「どういうことか? ご説明しますね!
 生贄は視聴者の皆さんの魂――! おおっと、動画閉じたって無理ですよ?」
 けらけらと笑ったジャキョーの声が響く。その彼の後ろ、窓の外に立っていたランドセルの少女は、あれは行方不明の『ゆかりちゃん』ではないだろうか……?


 ぴえっと声を上げてルーチェ・パディントン(花括・f05334)は怯えた様に動画サイトを眺めている。
「お、オカルト系実況ってどうしてこんなに怖いのにサクサクっと進めるのでしょう……?
 ルーチェには無理ですの……心が強いシャーマンズゴーストになりたいですの……」
 震えるルーチェはノートパソコンを机の上に置き「実況者さんが問題ですの」と告げた。
 邪神召喚の儀式。それに動画サイトが使われているのだという。
 オカルト系動画配信者として活動するジャキョーという男。その彼が『企画』として様々な邪神召喚の儀式を行っている。
 その儀式に使用されるのが偶然にも彼の動画を見た視聴者たちの魂。
「邪神はいけない存在ですの。それ以上に、望まない結末を視聴者(みなさん)に与えたくはないですの……!」
 邪教の信者であればその命を捧げることこそがその命の在り方という者もいるかもしれない。
 しかし、偶然。たまたま開いた動画でその命を邪神の生贄にされてしまうのは堪ったものではないではないか。
 此度に召喚されるのは鑼犠御・螺愚喇。禍々しい外見をしているが善性を感じさせる邪神だ。しかして、その性質が善くとも邪神であることが問題だ。
 友を探し鈴鳴る声で語り掛けられては邪神にとっては何食わぬことでも普通の人間では精神が持たぬ。
 それ故に、動画内で召喚の儀式が進んでしまっていて――不完全でも――召喚されてしまうであろうその邪神をどうか、倒してほしい。
 ルーチェは「どうぞ、お願いしますの」と頭を下げ、ふと不思議そうに目を丸くした。
 動画の端、ランドセルを背負った小さな少女。目を引く黒髪に黄色の帽子。
 そうだ、彼女は行方不明になったという――「……ゆかりちゃん?」


日下部あやめ
 日下部あやめと申します。

 本依頼は、
 ★1章:動画配信者を止めよ!
 ジャキョーと名乗るオカルト系動画配信者の動画での『神降ろし』を妨害してください。
 動画の配信は始まってしまっていますが彼の儀式の場は動画を見れば突き止められる気もします。
 彼の配信を終わらすこと/視聴者の目を逸らすことが出来ればその時点でクリアです。
 ★2章:ゆかりちゃん。
 ジャキョーの動画に映り込んでいたのは行方不明となった筈の小学生。
 果たして彼女はほんとうにゆかりちゃんなのでしょうか?
 ★3章:鑼犠御・螺愚喇。
 ジャキョーが降ろした神様。1章の結果によっては召喚は不完全であったり完璧であったりします。
 それは只の友人を探す優しい善性の怪物。しかし、ひとたび誰かに声をかければ、きっとその精神は狂ってしまう――憐れな存在なのです。

 どうぞ、よろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『神の降臨を実況中継します!』

POW   :    動画の撮影場所を探す

SPD   :    ネットを通じて配信者、関係者に接触

WIZ   :    動画を解析、中継の妨害工作

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 白い仮面にラフなフード。雑な格好ではあるがそれがいつもなのだろう。
 コメントが流れる動画内で朱く光る魔法陣がひとつ。
 茫とした輝き受けて、笑った青年――実況者『ジャキョー』は「さあ!」と手を打った。
「邪神を皆で呼びましょう!
 この動画は神の降臨を実況中継して楽しむものですから」
 大仰な仕草でそう笑ったジャキョー。
 最も、と口元に指先を持って行って笑った彼は冗談めかす。
「『最後』まで生きてご視聴いただける保障はありませんが!」
クレイ・ギルベルン
【WIZ】

私はUDC『メカニック』ですよ。この《ゴーグル(と、拡張機能)》をもってすれば
『ハッキング』程度容易いことです。動画にアクセス、解析しますね。
セキュリティ対策も『鍵開け』で突破出来るでしょう。

一時的にでもハック出来たら視聴者に語りかけ、
邪神降臨の不安を煽って『恐怖を与え』、視聴中断を促します。

――配信をご覧のみなさんは、たしかに聞いたのではないですか?
生贄は皆さんの魂、と。最後まで生きて視聴出来る保障は無いと。
これだけは真実ですよ。神降ろしなどヒトの心には荷が勝ちすぎるのです。

まだ間に合いますから、興味本位ならばお戻り下さいね。
わけのわからないモノの為に、人間やめたくないでしょう?



 パソコンの画面から流れ続ける動画。ジャキョーと名乗った『ヘンテコ』な実況者の声を聴きながら、クレイ・ギルベルン(迷いの夜に・f04293)の肉球がキーボードを叩き続ける。
「誰だと思っているんですか」
 かたた、とリズミカルに踊る掌。ギミックゴーグルとその拡張機能を駆使すれば『UDCメカニック』とは何たるかを教えてくれる。
「メカニック――その名に恥じる事無く、『ハッキング』程度容易いことです。
 まずは動画にアクセス、解析しますね。セキュリティ対策も『鍵開け』で突破出来るでしょう」
 邪神降臨。それさえもエンターテイメントとしているならば醜悪な行いであることはすぐに理解できるではないか。
 画面を抉じ開けるように――それこそ、鍵開けだ――辿り着いたのはジャキョーのフィールドだ。
 そのメカニックとしての能力を生かしクレイは視聴者へと語り掛ける
「――配信をご覧のみなさんは、たしかに聞いたのではないですか?
 生贄は皆さんの魂、と。最後まで生きて視聴出来る保障は無いと。
 これだけは真実ですよ。神降ろしなどヒトの心には荷が勝ちすぎるのです。

 まだ間に合いますから、興味本位ならばお戻り下さいね。
 わけのわからないモノの為に、人間やめたくないでしょう?」
 ハッキングし、その声を届ける。リアルタイムカウンタで視聴者の数が減っていく様子をクレイは見詰めていた。

成功 🔵​🔵​🔴​


「オヤオヤァッ!」
 動画の中で青年が嗤っている。『まさか怖気付いた』のですかと言わんばかりに。
 煽られていると気づいた視聴者たちの中で留まる者もいただろう。
 ならば――
南雲・海莉
ネットから生贄ホイホイとか、また性質の悪い事を考えついたわよね

『耐える』のは得意だもの
動画、観てあげるわよ
……簡単に私や人の命、奪えると思わない事ね

(スマホ取り出し、該当サイトや
その『外』での関連の書き込みを探し)
「って、ロケーション頑張ってるのは分かるけど……」
コメント欄や外部SNSを使い、
ランドマークや、天候・日の差し方等を指摘して推察を促し
視聴者の集合知を利用
対人の時のノウハウを応用して、話題の誘導を試みるわね

無論、早めに動画やSNSへの干渉は切り上げるつもりよ
仲間による妨害工作の事もあるし、潮時は見極めるわ

集めた情報から、場所を推察して乗り込むわよ
機材も魔方陣も全部、残さず壊してあげる



「ネットから生贄ホイホイとか、また性質の悪い事を考えついたわよね「
 観てあげるわよと、視聴者カウンタの1人である南雲・海莉(コーリングユウ・f00345)は生実況動画を見詰めながらスマートフォンを取り出した。
「……簡単に私や人の命、奪えると思わない事ね」
 画面の中から見れるものすべて。コメント欄に外部のSNS、邪教宗教のホームページの数々。
「って、ロケーション頑張ってるのは分かるけど……」
 ランドマークに転向、日の差し方を指摘して推察を促していく。
『ジャキョーに凸りに行くために場所を特定しようぜ』と視聴者を先導すれば、面白半分でノってくるものもいるだろう。
 早め早めにそうした行いを切り上げねば『生贄』になってしまう可能性もある――
 周囲の猟兵達の動きを確認しながら海莉は闇色の瞳に熱意を乗せ、唇を噛み締めた。
「……集めた情報から、場所を推察して乗り込むわよ。
 機材も魔方陣も全部、残さず壊してあげる」

成功 🔵​🔵​🔴​

空廼・柩
いや、直接繋がらずにネット配信で邪神召喚とか反則でしょ
既にそれなりの人気を得ているならば生贄だって確保し易いだろうしね
手っ取り早くて便利だろうさ
けれど、うっかり踏んだら人生終了とか地雷にも程がある

けれど…ネットならばネットの弱点がある筈
動画を解析して彼の使ってる回線とか調べられないかな?
他の猟兵への協力も惜しまない
もし発見出来たらUDC組織に要請してネットの強制切断とか難しいかな?
難しいなら、迷惑になるけれどいっそ動画サイト自体を使えない様にするとか

その後、他のサイトで配信を開始するかも知れない
兎に角ジャキョーを【影纏い】で追跡出来るならば試してみる
何が何でも居場所を突き止めて、やめさせないと



 作り物めいた顔立ちで空廼・柩(からのひつぎ・f00796)は白磁の肌に僅かに高揚する気持ちを乗せていた。
「いや、直接繋がらずにネット配信で邪神召喚とか反則でしょ。
 既にそれなりの人気を得ているならば生贄だって確保し易いだろうしね。
 手っ取り早くて便利だろうさ……けれど、うっかり踏んだら人生終了とか地雷にも程がある」
 飽きれ半分、そしてその『手口』に関心すると共に柩は野暮ったい眼鏡をくいと弄る。
 インターネットならインターネットならではの弱点が存在しているはずだ。
「動画を解析して彼の使ってる回線とか調べられないかな?」
 それは先んじてSNSで声かけた者や動画にハッキングを仕掛けた者たちと同様だ。
 回線を発見できたならば動画を物理的にシャットダウンしてしまえばいい。何重ものセキュリティを食い破る様に工夫しながら柩は嗚呼と僅かに唸った。
「迷惑になるけれどいっそ動画サイト自体を使えない様にするとか」
 そう――そうしなくては、ジャキョー自身は止まらない。この場で彼を逃がすわけにはいかないと、彼の許へと向かう猟犬の群れを追い掛けるように一歩踏み出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ブク・リョウ
勝手におれたちの魂を使われたら困るのさ
直談判しようにも
まずは場所を突き止めないといけないね

動画内に何か場所を特定できそうなものや人が映らないかチェック
うーん…動画にコメントもしてみようか
『この場所なんか見覚えあるんだけどわかる人いる?』
コメントに反応があったら
その場所に向かってみるのさ

向かってる間は
ジャキョーについて検索したり
UDC組織の職員さん達に協力を仰いで
大量コメントで動画を荒らしてやるのさ
(他の猟兵さんの策の邪魔になるようなら控えるのさ)

儀式の場を突き止めたら
上機嫌で配信してるジャキョーの死角から
【援護射撃】の応用でカメラを狙撃して壊せないかな



「勝手におれたちの魂を使われたら困るのさ。
 直談判しようにも、まずは場所を突き止めないといけないね」
 我楽多を弄るのには慣れているとブク・リョウ(シャーマンズゴーストのスクラップビルダー・f08681)は動画内に映り込む物を探す。
 人や特定できそうな場所――様々なものがあるだろうが、それを血眼になって探せばきっと『ヒント』は多数散らばっているはずだ。
『この場所なんか見覚えあるんだけどわかる人いる?』
 それはSNS作戦と同様だ。ジャキョーが「オヤッ、凸ですかぁ?」と煽る様に笑うものだから視聴者たちの中でも場所特定が熾烈になっている。
 もしも、視聴者の誰かが乗り込んでしまっては危ない――が、一先ずはジャキョーの悪口や彼の評判を下げる事に注力しながら彼の許へ向かえばいい。
「ヤラセ」だと言えば現場に向かう者も減っていくだろう。
 検索ワードは『ジャキョー 実況者』。
 それで飛び出すのは彼が今までやってきたホラー実況の数々。しかして、其処には彼の情報は余りに乗っていなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

揺歌語・なびき
SPD

ネット通じ書き込みで配信者に呼びかけ
【コミュ力、誘惑、催眠術】活用

ジャキョーさん
君は邪神を降ろしてどうしたいの?
面白いから?わくわくするから?
それとも…君が、さみしいからかな?

君の配信は、結局誰かに構ってほしいだけの作り物だよね
他の動画もちょっと見てみたけど
正直言ってつまんなかった
結局なんにも出てこないし

これを見てる皆も、こんなのよりもっと面白い動画沢山あるよね?
と、他の視聴者にも【誘惑、催眠術】で他の動画へ誘導

大幅に視聴者数が減ってから再度書き込み

ね、おれともうちょっと話でもしない?
直に会って、話してみるのはどうかな
場所、教えてよ
ジャキョーさんが降ろすカミサマ、ほんとに居るなら見せてよ



 桜色の瞳はテキストウィンドウをじつと見詰めている。
 揺歌語・なびき(春怨・f02050)は書き込みによって視聴者の心を離す役割を担っていた。
『ジャキョーさん。君は邪神を降ろしてどうしたいの?
 面白いから? わくわくするから?
 それとも……君が、さみしいからかな?』
 Enter。
「おやおや? エンターテイメントですよ!
 そ・れ・に『面白い』でしょう? わくわく、しませんか?」
 楽し気に返された言葉。なびきはその言葉に何所か作り物めいた響きを感じて、むと唇を尖らせた。
『君の配信は、結局誰かに構ってほしいだけの作り物だよね。
 他の動画もちょっと見てみたけど、正直言ってつまんなかった。
 結局なんにも出てこないし……』
 Enter。
「おっと、ここでやらせ発言ですか!?」
 視聴者カウンタが減り続ける中でなびきはおもしろ動画といってURLを貼り付けて視聴者たちを先導していく。
「あっれーーー?」
 大袈裟な反応をしているジャキョーに対し、なびきはまたも書き込んでいく。
『ね、おれともうちょっと話でもしない?
 直に会って、話してみるのはどうかな。
 場所、教えてよ。ジャキョーさんが降ろすカミサマ、ほんとに居るなら見せてよ』
 Enter。
「その手には――のーりませんよぉ?」
 ファンでしょう、と楽し気に告げられた言葉になびきは小さく肩を竦めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

エト・ルカス
なんていうか、度胸が違いますよね生主って
配信始めるだけで実際に幽霊──オブリビオン呼び出してるあたり、やっぱ『プロ』は違うなあって思いますね。知らないけど
あ、実はその道のプロなんですかね?実際の狂信者かなにか?

とりあえず、現場見つけないとですね
このジャキョーって人の関係者、ネットから見つけて現場の位置を聞き出せないかな
「この動画配信者に、人を暴行して視聴率を上げるような行いをした疑いがかかっている。今すぐこの配信を止めさせなければならない」
「現場の位置を特定させてほしい。何も反応がなければこちらにも考えがある」
……みたいなことを、【恫喝】を交えてメールか何かで伝えてみますかね
うーん、厳しいかな


リーオ・ヘクスマキナ
いやいや、邪神とかそうホイホイ呼んでいいもんじゃないから?
しかも動画視聴者の魂を生贄に?
それは見逃せないなぁ、見逃しちゃいけないなぁ。

【POW】?
動画に映る景色と、目立つ商店の配置や建造物などからネットの地図等を駆使して候補地をピックアップ。
配信地での「外からの音」にも注目し、電車の音(線路の近く)、車の走行音(大通りの近く)等の情報も貪欲に拾っていく。
可能ならUDC組織にも候補地探しの支援を受けたいが、不可能なら諦めて探索に集中。
同じく候補地を探している人物とは協同、情報の共有も行いたい。


……全く。邪神と関わっても、ロクなことがないっていうのに。
なんで俺がそれを知ってるかは解らないけどねー?



「いやいや、邪神とかそうホイホイ呼んでいいもんじゃないから?
 しかも動画視聴者の魂を生贄に? それは見逃せないなぁ、見逃しちゃいけないなぁ」
 繰り返し言葉にしてリーオ・ヘクスマキナ(魅入られた約束履行者・f04190)は魔女帽を指先弄る。
 動画に映り込んだ景色と地図を駆使して、場所をピックアップして絞っていく。
 遠く聞こえた車の音から大通りが近いことが推測された。
 実況動画をスマートフォンで流しながらエト・ルカス(mirrors・f05965)はふむ、と小さく呟く。
「なんていうか、度胸が違いますよね生主って……。
 配信始めるだけで実際に幽霊──オブリビオン呼び出してるあたり、やっぱ『プロ』は違うなあって思いますね。知らないけど。
 あ、実はその道のプロなんですかね? 実際の狂信者かなにか?」
「狂ってるのは確かじゃないかなぁ」
 リーオにエトは肩を竦める。いや、ひょっとしたらルカスであったかもしれない。
 兎も角、エトとルカスは何処か呆れ半分感じている。
 生放送で進んでいく動画の中――ランドセルの少女が映り込んだことに「あれって」とリーオが呟いた言葉にエトが「嗚呼、見た事のある……」とどこかで見た行方不明の張り紙を思い浮かべた。
『この動画配信者に、人を暴行して視聴率を上げるような行いをした疑いがかかっている。今すぐこの配信を止めさせなければならない』
 メールに認めた文章。それで場所の特定は難しいだろうかと悩まし気に呟くエトにリーオは「もしかして――」と地図をかけて顔を上げる。
「これ……」
 その背景にあるビルの広告看板はやけに目立つものだ。マップから見つけ出したと顔を上げたリーオにエトはゆるりと頷いた。
「そこに乗り込む?」
「勿論。……全く。邪神と関わっても、ロクなことがないっていうのに。
 なんで俺がそれを知ってるかは解らないけどねー?」
 からからと笑って、邪神の召喚を止めるためにとある部屋の扉をノックした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

庚・鞠緒
目立ちたがりってのはどうしてこう癪に障る話し方すンだろうな
しかも何も知らねェ人を巻き込むときたもんだ
サイテーのクソだぜ、そのマスク真っ赤にしてやるよ

【POW】
動画を見て背景からどこで撮影されてるか特定するわ
自力で厳しいならUDC組織の力を借りれねェかな…動画見せたらまずいか?
無理ならいいけど

んで撮影場所に突っ込むとするかな
配信者なら好きだろ? 視聴者凸
動画を盛り上げるのに一役買ってやるよ
まあウチが突っ込んだ時点で滅茶苦茶にしてやるけどな

機材があればウチの「鉤爪」で斬りつけて
止めようとしてくるなら【恫喝】して妨害する
食い下がるなら骨の一本くらい折ったっていいンだからなこっちは


ウーゴ・ソルデビラ
けっ、手の込んだ真似しやがって。動画に写ってた野郎も、いかにも小細工が好きそうな奴だったぜ。今からリア凸してやっから覚悟しとけよ。

【動画の撮影場所を探す】つもりだけど、
出来れば他の手段の連中からも情報を貰いたい所だな。

建物がビルって事と、窓の外に写り込んでる建物や看板とかが頼りだな。
後、夕方になって周りが動画と同じ位の人通りになるビルをそこら辺の人間を捕まえて聞きだしてみるか。
とにかく【野生の勘】を頼りに、【ダッシュ】で【追跡】あるのみだぜ。

もし、儀式の場についたら「止めねえとひでえ目にあわす」と脅す。
駄目ならPCの電源を落としたり、スマホなら放り投げたりして、
割と力づくで儀式の妨害をするぞ。



 はあいと軽い声が返される。息を潜めていた庚・鞠緒(喰らい尽くす供物・f12172)は肩を竦めて「邪魔するぜ」とまるで他人事のようにそう言った。
「目立ちたがりってのはどうしてこう癪に障る話し方すンだろうな。
 しかも何も知らねェ人を巻き込むときたもんだ――サイテーのクソだぜ、そのマスク真っ赤にしてやるよ」
 だん、と地面を踏み締める。ウーゴ・ソルデビラ(吸血鬼マイラ・f09730)はそれに合わせてカメラを蹴り飛ばしマイクに向かって声を張る。
「テメエ、何見てんだよ。血ィ吸っちまうぞこのヤロー!」
 正しくエンターテイメントだ。ががが、と音を立てたパソコンの電源を無理矢理オフにして、ウーゴが儀式の場で「止めねえとひでえ目にあわす」と脅しをかける。
 一方の鞠緒はに、と唇を釣り上げた。
「配信者なら好きだろ? 視聴者凸。
 動画を盛り上げるのに一役買ってやるよ。まあ、ウチが突っ込んだ時点で滅茶苦茶にしてやるけどな」
 動画はその『視聴者凸』――乗り込んだ猟兵たち――でぷつりと切れる。
 ガタタ、と椅子を音鳴らし赤い魔法陣の上によろけたジャキョーが「ひ」と声を漏らす。
「凸ってやったんだから挨拶位どうだ?」
 爪で傷つけたカメラのレンズはもはや役には立たないだろう。
 苛立った様子の鞠緒にジャキョーが「け、けいさつ」と声を震わすが、面白半分であれど彼の実況の方が十分に他人のいのちを脅かしている。
「けっ、手の込んだ真似しやがって。
 動画に写ってたお前も、リアルで見ても、いかにも小細工が好きそうな奴だったぜ。
 ――リア凸される覚悟位できてたろ?」
 あれだけ動画が荒らされ、場所の特定が進んでいたのだから。
 そう告げるウーゴにジャキョーが震えた声で「すみません」と声を漏らす。
 これにて一件落着か、とそう鞠緒が顔を上げたその向こう。
 窓の奥からじいと見つめるランドセルの少女がいる。
「あれは――」
「な、なに……」
 ジャキョーが床を這い、逃げていくのを見送りながらウーゴは彼のやっていた儀式は不完全ながらも魔を呼び寄せるものだと実感した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ゆかりちゃん』

POW   :    「ただいま」「おかあさん、おとうさん」
戦闘用の、自身と同じ強さの【母親の様な物体 】と【父親の様な物体】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD   :    「どうしてそんなへんなかおでわたしをみるの?」
【炎上し始める捜索願いからの飛び火 】が命中した対象を燃やす。放たれた【無慈悲な】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
WIZ   :    「ひどいよ、ひどいよ、ひどいよ」
【嗚咽を零した後、劈く様な叫声 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 其処に立っていたのは電信柱に良く張られているビラ紙の少女だ。

 ――ゆかりちゃん。小学一年生。探しています。

 その言葉をどこかで見たことはないだろうか。
「おねえさん?」
 たどたどしい声が響く。
「おにいさん?」
 窪んだ眼光は見えない。
 魔を引き寄せたのだろうか――彼女は何処か面白そうにくすくすと笑って。
「さみしいの」

 一緒に、きて?
ウーゴ・ソルデビラ
まーた、『ゆかりちゃん』かよ。相変わらず迷子みてえだな。これで2回目だったか?ま、出会っちまったらやる事は一つだ、さっさと終わらせようぜ。

もしかしたら、帰る家も無きゃ家族も居ないってオチもありそうな気がするぜ。他の猟兵と組んで集中攻撃だな。【先制攻撃】と【ダッシュ】で間合いを詰めて、【寝苦露腐悪慈威・有獲奔】を【命中重視】でブチかますぜ。【2回攻撃】の内一回は【フェイント】をかけて確実に当てる。相手からの攻撃は【野生の勘】を使って避けてやんよ。

哀れっぽいだけなのか本当に可哀想なのか、俺にゃ解らねえ。でも、家に帰すなり楽にしてやるなりして、いつか終わると良いよな。うろうろし続けるのも疲れんだろ。


クレイ・ギルベルン
(……行方不明の、ゆかりちゃん。寂しかったのでしょうね)
(寂しさごと、終わりにしてあげましょう)

【WIZ】

こんな置き土産を残して、元凶の男は逃走ですか。呆れたものですね。
行方不明の少女がなぜオブリビオン化しているのかなど、
気になることはありますが……粛々と、撃破しましょう。

諸々の装備で強化した『視力』で『スナイパー』の技能を行使。
ゆかりちゃんの頭部に狙いを定めて【熱線放射】します。
『2回攻撃』で追撃もしましょう。泣き叫ぶ暇など与えません。
両親のような物体は、居ても無視します。

攻撃は『視力』や『第六感』を働かせて『見切り』、回避を優先。
『呪詛耐性』や『破魔』の力を纏い、叫声に心動かされぬように。



 泣いている。
 泣いている。

 幼いこどもの姿をして。ウーゴ・ソルデビラ(吸血鬼マイラ・f09730)は「まーた」とその少女の爪先から頭の上まで見遣って「ゆかりちゃんか」と独り言ちた。
「相変わらず迷子みてえだな。これで2回目だったか?
 ま、出会っちまったらやる事は一つだ、さっさと終わらせようぜ」
「だぁれ?」
「――それに、『憶えてない』と来たか」
 面妖なもので、その姿は同じであれど彼女はつくりかえられた別物の様な貌をしてウーゴの前に立っていた。狼の首飾りに触れ、ウーゴは走りより寂しがるこどもの許へと飛び込んだ。
「帰る家も無きゃ家族も居ないってオチもありそうな気がするぜ」
「……?」
 幼いこどもの窪んだ眼窩が覗き見る。
「哀れっぽいだけなのか本当に可哀想なのか、俺にゃ解らねえ。
 でも、家に帰すなり楽にしてやるなりして、いつか終わると良いよな。うろうろし続けるのも疲れんだろ」
「どうして、」
 囁く声が――ウーゴを襲う。ぐん、とその身に巻き付く焔は『可哀想な自分』を守るための防壁であろうか。その焔の気配を払うように的確に熱戦を放ったクレイ・ギルベルン(迷いの夜に・f04293)は「ゆかりちゃん」とその名を呼んだ。
(……行方不明の、ゆかりちゃん。寂しかったのでしょうね。寂しさごと、終わりにしてあげましょう)
 終わりに、終わりになるのだろうか。クレイは彼女を呼び寄せた魔は『人が沢山見て居る』というその自称が寂しさを紛らわせると『幼い魔が判断した』と認識していた。
 ジャキョーと名乗った男の置き土産。偶然なる産物。只の、災厄の魔。
 彼女にどうしてその姿をしているのかと問い掛けれど、きっと返る答えはないのだ。
 ぐずぐずと泣きながら「どうして」「たすけて」「さみしい」とこどもが駄々をこねるように周囲に散らばる焔は涙のようで。
 粛々と、ゆかりちゃんの黄色い帽子を吹き飛ばすように放つ熱線に幼い魔は黒髪を振り乱し悲し気に言った。
「おにいちゃん――いたいよ」
 嗚咽に、続く覇劈く叫声。響くそれに僅かに眉根が寄った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リーオ・ヘクスマキナ
はーい、お兄さんだよー。まぁもしかしたら本当はおじちゃんかもしれないけどね?

所で、ジャキョーとやらは結局一般人なの? それとも、やっぱ所謂「狂信者」? 解らないし、逃げないよう赤頭巾さんに見張ってて貰おう。
俺自身はビル内の起伏、使えるものや、【迷彩】でちょくちょく隠れながら【援護射撃】。メインの戦闘は他の人に任せて、あの配信者が逃げないように気を配っておこうかねー。そもそも逃げられても困る訳だしさ。

本気で逃げるつもりなら脚の1本2本。それでも逃げたり、今回の事について何も吐かないつもりなら、首から上が無くなる事も覚悟してもらいましょう。
……邪神に汚染された者は、最早人間と呼べないでしょうから。


星鏡・べりる
やっと見つけた、ジャキョー!
あれ、いない?逃げたの、そう……

お仕事でジャキョー探してたんだけど、UDCがいるじゃん。
しかも、行方不明のゆかりちゃんだ。UDCになってたのかぁ。
それじゃ、もう死んじゃってるのかな。南無南無。


アハハ、セリフと行動が合ってないよ、ゆかりちゃん。
さみしいなら、私が遊んであげるよ。

私は【スカイステッパー】で戦おーっと。
空中を駆け回りって近づいて、ゆかりちゃんを蹴飛ばそうかな。
特におとうさんとおかあさんが居る時なんかは無防備らしいから狙うよ。

アハハ、見た目で手加減なんてしないって、ちゃーんと殺す気で蹴るから!
ゆかりちゃんのしたい遊びってこういうのでしょ?

※諸々ご自由に!



 胡桃色の髪を揺らし部屋へと飛び込んだ星鏡・べりる(Astrograph・f12817)は「やっとやっとやっと見つけた!」と声を張り上げる。
「ジャキョー! ってあれ……? いない?」
 リーオ・ヘクスマキナ(魅入られた約束履行者・f04190)は赤ずきんさんこと『化身のイチ:赤頭巾』にジャキョーを見張らせては居たがゆかりちゃんの一件で姿をくらましたことに唇を尖らせる。
「逃げちゃったよ。……それにしてもジャキョーって結局一般人? それか狂信者?」
「狂信者で、ある宗教団体に所属している『広報部隊の一員』だとか?」
 お仕事の情報だよとべりるはそう告げ、それにしてもと肩を竦めた。電柱に張られていた張り紙、よく見た貌、そしてよく見た名前。
「しかも、行方不明のゆかりちゃんだ。UDCになってたのかぁ……」
 なぞる名前は、只、記号のようで。
 おにいちゃん、おねえちゃん、と囁かれるその声さえも不協和音のように響く。
「はーい、お兄さんだよー。まぁもしかしたら本当はおじちゃんかもしれないけどね?」
 くすくすと笑うリーオは無邪気な童のように笑いBK-9コンバットナイフを翻す。
 叫声に紛れ込む悲痛なる『少女のすがた』を切り裂く様に投じた一手。パパとママの幻影は幼い子供を守る様に手を差し伸べた。
「さみしいから、」

 一緒に、きて――?

「アハハ、セリフと行動が合ってないよ、ゆかりちゃん。さみしいなら、私が遊んであげるよ」
 べりるが地面を踏み締める。機械鏡《ヤタ》に指先滑らせて、べりるがゆかりちゃん目掛けて距離詰める。
 窪んだ眼窩が見つめている。その隙をつけと、言わんばかりに気を配ったリーオの援護射撃に合わせてべりるが跳ねる。
「アハハ、見た目で手加減なんてしないって、ちゃーんと殺す気で蹴るから!
 ゆかりちゃんのしたい遊びってこういうのでしょ?」
 に、と笑う。その声音にリーオは『どうしたことか逃げたジャキョー』が一筋縄でいかぬのだと認識して居た。
 首を刎ねてもいい程に神々を信仰し汚染されたその姿を思い返してリーオが唇を噛み締める。
 只、残された部屋にずるりと歩み寄る様にしてゆかりちゃんの鳴き声が響いていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

庚・鞠緒
なんだコイツ?ジャキョーが呼ぼうとしたヤツとは違うぞ?
迷子にしちゃ雰囲気が異様だし……やり辛ェ
ターゲットとは違ェけど、やる気ならやるしかねェか

POW重視
●「ただいま」「おかあさん、おとうさん」にはこっちのユーベルコード
Reign in Bloodでゆかりちゃんを狙って対抗する
娘を守る親ってさ、見てると辛ェんだよ……ま、個人的な感傷だわな
SPDのはジャケットの【火炎耐性】に期待するしかねェな

攻撃は「鉤爪」での【2回攻撃】をメインにやっていく
隙があれば【力溜め】も挟んでいきてェな
ゆかりちゃん自体がイレギュラーみたいなモンだろうし
本命倒すまでにもたつくわけにもいかねェんだ、短期決戦狙っていかないとな


ブク・リョウ
ユーの名前を、おれは知ってるのさ
ゆかりちゃんで合っているかな?
……ユーは、本物のゆかりちゃんかい?

ごめんよ、一緒にはいけないのさ
そうだ、さみしいのなら
おれたちと一緒にきてくれないかい?
くすくす笑う少女を警戒しつつも
声を掛けてみるのさ。
さみしいのは、おれだって嫌なのさ。

相棒の【からくり人形】を動かして【フェイント】
囮になれば他の猟兵さんたちが攻撃しやすいかな。

ははは。生憎この顔は生まれつきなのさ。
攻撃を食らいそうなら焦らずに深呼吸、
力を抜いて【オペラツィオン・マカブル】。
さみしさごと吹っ飛ばしてあげるのさ。



 ゆかりちゃんのその名を口にしても庚・鞠緒(喰らい尽くす供物・f12172)にはぴんとは来なかった。
 ジャキョーが動画の中で口にしていた異形とはまた違う。本来の意味での迷子はぐずぐずと涙を流しながらパパとママに頼る様にして立っている。
「ターゲットとは違ェけど、やる気ならやるしかねェか……」
 やり辛ェと小さく呟く。鞠緒の鉤爪より放たれた血潮の刃。朱いランドセルに似合いの色は幼い少女の肢体に赤い傷をつけていく。
「ひどいよぉ」
「ッ――」
 幼い子供が涙を流す様にするものだから鞠緒は唇を噛み締める。やり辛いと戸惑っている場合でもないのだろう。
(ゆかりちゃん自体がイレギュラーみたいなモンだろうし……本命倒すまでにもたつくわけにもいかねェんだ、短期決戦狙っていかないとな)
 きっと、不完全であれどジャキョーの召喚は進んでいたはずだ。本命為る『邪神』の姿が現れる前に何としてもその少女へ対処をせねばならない。
「どうしていじめるの……」
 えんえんと泣き続ける小さな子供にブク・リョウ(シャーマンズゴーストのスクラップビルダー・f08681)は柔らかに声かける。
「ユーの名前を、おれは知ってるのさ。ゆかりちゃんで合っているかな?」
「……うん」
「……ユーは、本物のゆかりちゃんかい?」
「……?」
 その問い掛けに、少女は首を傾げる。嗚呼、きっと、彼女は本当に迷子なのだ。
 ゆかりという名前だけが目印になって彼女は形造られる。父と母というまぼろしは彼女が求め、作り上げられた空想なのだという様に。
 問いに分からない、と首振って、どうしてそんな顔をするのとゆかりちゃんが泣き続ける。
「ははは。生憎この顔は生まれつきなのさ」
 相棒のからくり人形が躍る様に動き出す。ゆかりちゃんの攻撃を受け止めて、息を潜めた彼の痛みはくるみ割り人形は『痛みを割る様に』してケタケタ動く。
 相棒(非売品)の姿に「おれは相棒がいるからユーの所には行けないんだ」と手をひらりと上げる。
「さみしいなら、それごと吹っ飛ばしてあげようじゃないか」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

揺歌語・なびき
やあ、ゆかりちゃん
そっか
君達みんな、さみしかったんだね

猟兵から十分距離をとってから咆哮
一度に大勢のゆかりちゃんを巻き込むよう意識
【傷口をえぐる、呪詛、串刺し、2回攻撃、援護射撃】活用
うんうん、痛いのはやだよねぇ
すぐに終わらせてあげる
全員殺してやるから、おうちに帰ろうね

相手の攻撃は【見切り、第六感、野生の勘】で躱し
討ち漏らしは小型銃を一撃
【催眠術】に掛けて【敵を盾にする】で更に数減らし

ゆかりちゃんには常に穏やかな笑顔で接する
こわいのは、もう、いやだろう?

ごめんね
君達と一緒には行けないんだ


ルフトゥ・カメリア
はッ、終わった奴がしゃしゃり出て来んじゃねぇよ。生きてねぇならすっこんでろ。
情なんぞ持つ気もねぇな、バカバカしい。
テメェらはその死を面白可笑しく語り継がれただけの、都市伝説みたいなもんだ。んな空虚なもんに、なんで俺が同情してやんなきゃなんねぇんだよ。
俺の情は高いんでね。

両手首を掻っ捌いて、溢れる地獄の炎と共に突っ込む。
片手でバスターソードを軽々と操り、大振りは炎で隙を塞ぎ、反対の手でNova.を振るって伸びて鞭の如く斬り払うそれで中距離までをカバー。【怪力】【鎧砕き】【ロープワーク】【祈り】

もし近くで誰かが危険な目に遭えば、文句は言いながら見捨てられない。【かばう】【カウンター】【武器受け】



 薄藤色が揺れる。声は波紋を作る様に風を靡かせルフトゥ・カメリア(Cry for the moon.・f12649)の髪を撫でた。ネモフィラの花はひらひらと彼の動きと共に揺れ動く。
「はッ、終わった奴がしゃしゃり出て来んじゃねぇよ。
 生きてねぇならすっこんでろ。――情なんぞ持つ気もねぇな、バカバカしい」
 ひどいひどいと繰り返される声はまるで壊れたラジオスピーカー。何度も叫ばれるそれが蓄積する痛みとなるならばルフトゥはその身を投じ、仲間を庇う。
「テメェらはその死を面白可笑しく語り継がれただけの、都市伝説みたいなもんだ。
 んな空虚なもんに、なんで俺が同情してやんなきゃなんねぇんだよ。俺の情は高いんでね」
 吐き棄てるようにそう告げて。身の丈ほどの黒翼をはためかせたルフトゥの古く刻まれた傷口を引き裂く様に溢れるネモフィラの色は命をつなぐ掌より滴り落ちる。
 いやだと泣く様に動き回るゆかりちゃんに揺歌語・なびき(春怨・f02050)は肩を僅かに竦め「ゆかりちゃん」とその名を柔らかに呼んだ。
「そっか、『君達』みんな、さみしかったんだね」
 ジャキョーが呼び出さんとした『彼』も此処にこうして姿を見せた『彼女』も。
 そのどちらもが『さみしい』と泣いているのかもしれない。姿を見せた幼い少女は手を伸ばす――「いっしょにきて」と。
「こわいのは、もう、いやだろう?
 ごめんね。君達と一緒には行けないんだ」
 傷つけられるのは怖いこと。一人ぼっちは怖いこと。
 こどもの癇癪のように張り上げられた声音を切り裂いて、なびきはゆかりちゃんへと肉薄する。
 父と母。そのまぼろしを討ちルフトゥが顔を上げれば眼前に窪んだ眼窩が歪められる。
「――さみし、」
「うるせェ」
 その咽喉を掻ききる様にして、一打放てばそれになびきが続く。
 霞む灰緑。紅の色が枯れの頬にぺしゃりと掛る。
「さみしいの」
 嗚呼、その咽喉を掻ききっても少女は未だ終わらない。
 まるで『彼女が命あるもの』ではないかのように。切り裂かれた喉奥より幼い声音は深と響いて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

南雲・海莉
寂しい、か
……親や友達と逸れてしまう苦しみ、分からない訳じゃない

……分かってるのよ
オブリビオンは過去に焼き付けられた残像だって
本人といえるのか微妙だって事も

でも……与えられた感情はきっと、幻じゃない
それを抱えて彷徨うのは、辛すぎる
だからその終わりをもたらす何かを求めてきたのね

大丈夫、私達がその終わりをあげる
炎の魔力を刀にまとわせて、攻撃力上昇

相手の攻撃を交わしたり防ぐのは最低限に、
一撃で意識を刈り取れる瞬間を狙って刀を突きだすわ
傷なんて大丈夫よ
孤独の方がずっと痛いもの

その体も想いも、残さず燃やし尽くして骸の海に還してあげる

いつかこんな歪な形ではなくて
本当の人間として生まれ変われたらいいのに、ね


花剣・耀子
惹かれて迷って出てきたのかしらね。
悪いけれど、君の寂しさに付き合ってあげる訳にはいかないのよ。

【剣刃一閃】で斬り伏せていくわね。
なるべく炎は避けるように。
叫び声は、喰らっても斬れるならそのまま進みましょう。
頭と腕が残っていれば戦えるわ。
伊達や酔狂で羅刹をしているわけではないのよ。
君の首を斬るまで止まってあげない。

出来れば本体を狙っていきたいけれど、
両親に阻まれるなら拘らないで斬るわ。
守るの。そう。でも、関係のない事よ。
そこに居るのは、ただの影でしょう。

UDCと判っていても、幼子を斬るのはすこしだけ心が痛いわね。
戦場に迷いこんだのが、君の不運よ。
帰り道を見つけてくれるヒトの所へ行きなさい。



 射干玉の髪を揺らして花剣・耀子(Tempest・f12822)はその声へと手を伸ばす。
「惹かれて迷って出てきたのかしらね。
 悪いけれど、君の寂しさに付き合ってあげる訳にはいかないのよ」
 穏やかに、只、笑う。吹きすさぶほどに赤く赤く色づく背の花を揺らしながら耀子はがむしゃらに進んだ。
「伊達や酔狂で羅刹をしているわけではないのよ――君の首を斬るまで止まってあげない」
 その切れた喉奥から覗いた『異形』の姿。幼い子供の姿は紅に濡れ、焔を纏い、癇癪のように声をとどろかせ続ける。
 それが幽霊と呼べる代物でもなく、正しく「UDC」であるとわかりながらも心がちくりと痛んだのはその姿故であろうか。
「戦場に迷いこんだのが、君の不運よ。
 帰り道を見つけてくれるヒトの所へ行きなさい」
 しかし、だからと言って迷いは彼女の胸にはなかった。一撃、只、振り翳した刃が一閃する。南雲・海莉(コーリングユウ・f00345)は繰り返された声を、再度、確かめるように口にした。
「寂しい、か……親や友達と逸れてしまう苦しみ、分からない訳じゃない。
 ……分かってるのよ。
 オブリビオンは過去に焼き付けられた残像だって、本人といえるのか微妙だって事も」
 今、耀子が言っていたではないか。『不運』なのだと。語り草にされ、異形としてその姿を映し出した残像。けれど、語られ刻み付けられた感情は幻ではなく、『ゆかりちゃん』そのものなのだろうと海莉は唇を震わせた。
「感情(それ)を抱えて彷徨うのは、辛すぎる。
 だからその終わりをもたらす何かを求めてきたのね」
 寂しいと、一緒に来てと。その感情を紛らわす様に動く異形の姿。
 掻き切られた喉奥から手を伸ばす様に金切り声が響く。やだやだ、ひどい、と癇癪を起しながら。
 ならば、と重なる攻撃の中。その意識さえ霞の彼方へやる様に只の一刀を差し入れる。
「あ、」とその咽喉から漏れた声が小さく止まる。消える。その身も、霞のように。
「傷なんて大丈夫よ。孤独の方がずっと痛いもの。
 その体も想いも、残さず燃やし尽くして骸の海に還してあげる……。
 いつかこんな歪な形ではなくて――本当の人間として生まれ変われたらいいのに、ね」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『鑼犠御・螺愚喇』

POW   :    友、死にたまふことなかれ
【友を想う詩 】を聞いて共感した対象全てを治療する。
SPD   :    怪物失格
自身の【友の帰る場所を守る 】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ   :    永遠の怪
【皮膚 】から【酸の霧】を放ち、【欠損】により対象の動きを一時的に封じる。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は吾唐木・貫二です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 幼いこどもが霞む。それを見送る様にして顔を上げれば――ずるり、と音たてた異形。
 鑼犠御・螺愚喇は『友』を探す様に周囲を見回した。
 親愛なる友を求める鑼犠御・螺愚喇。寂しがりのゆかりちゃんはその想いに反応し、姿を現したのだろうか――?

 動画で語られた異形は、人語を理解し乍らも『人を害為す性質』を持つ。
 世界に仇なす以上は放置しておけのだ。
 不完全なれど、人語を理解せど、それは危険なる永遠の怪。

 友はいずこに。

 ああ、只、寂しが故に鑼犠御・螺愚喇は云うのだ。

< ここ に とも は かえって くるのだ >

 ――きっと、もう、狂っている。
ブク・リョウ
綺麗な声音で紡がれる詩。
これには共感せざるをえないのさ。
友達と会えないのは、さみしいね。
おれも、相棒と会えなくなったらさみしくて
きっといい年こいて泣いちゃうのさ。

残念だけど、悲しいけれど、
きっとユーの友達はもう、
ここにはかえってこないのさ。
人の命は思いの外短くて、思いの外脆いのさ。
友達を探すのは、今夜でおしまい。

おれにはこんな花しか手向けられないけれど、
せめてユーが友達と同じところにかえれるように祈るよ。
鉄屑の舞踏で酸の霧を吹き飛ばし、
泣いた夜とはオサラバして、笑って朝を迎えるのさ。



 しくしくと、涙を流す様に。深々と、言葉を紡ぐ様に。
 凛とした声音は只――只、寂寞を伝えるように。ブク・リョウ(廃品回収者・f08681)は彼――ひょっとすれば彼女であろうか――の声を聴きながら目を伏せる。
「これには共感せざるをえないのさ。
 友達と会えないのは、さみしいね」
 友を求める異形。有り得ざる存在は骸の海を泳ぐかの如く何かを探し求めその皮膚よりじわりじわりと酸を滲ませる。

< とも は >

「いないさ、さみしいね。さみしすぎて、こころがしくしくしてる。
 おれも、相棒と会えなくなったらさみしくて、きっといい年こいて泣いちゃうのさ」
 相棒を見下ろしたブクはゆるりと肩を竦める。伴に或る非売品の感情はたしかに彼の心に刻まれていて。
「残念だけど、悲しいけれど、きっとユーの友達はもう、ここにはかえってこないのさ」

< うそ だ >

 嘘じゃないとブクは頭を振る。その鮮やかな瞳にちょっとばかしの哀愁を乗せ。
「人の命は思いの外短くて、思いの外脆いのさ。友達を探すのは、今夜でおしまい。
 おれにはこんな花しか手向けられないけれど、せめてユーが友達と同じところにかえれるように祈るよ」
 咲く、裂く鉄屑の花を伴って彼は迎え撃つ。脳を狂わせるほどに軽やかな鈴の音で悲しげに、涙ながらに友を探す偉業を。
「泣いた夜とはオサラバして、笑って朝を迎えるのさ」

成功 🔵​🔵​🔴​

星鏡・べりる
🕷よーこ(f12822)と一緒に

あれ、よーこも居たんだ?
聞いてよ、ジャキョーに逃げられちゃったよ
ゆかりちゃんと目の前のアレ倒せば結果オーライになるかな?

さてと、どうやって戦おっかな~
どうせよーこは剣持って突っ込むでしょ?
剣を振り回してるよーこと一緒に突っ込むと私が危ないしな~

あっ、そうだ!
私は上から行くね。よーこ、地上はよろしく!
【スカイステッパー】で空中から強襲かけるって事!
あの、らぎお……らぐら?だっけ?
目がいっぱいあるっぽいから、死角なさそうだし
タイミング合わせていこうね。
じゃ、いくよー
3、2、1、ゴー!


キミが探してる友は、きっと過去にいるよ
早く帰ってあげなよ

※諸々ご自由に!


花剣・耀子
べりるちゃん(f12817)と同道。

あら、奇遇ね。
逃がしてしまったものは仕方が無いわ。また後日ね。
それよりも、アレを斃さなければ何もかもが御破算になるもの。

その通りだけれど。言い方。
当てない計算くらいは出来るけれど、
べりるちゃんは根本的にどう動くかが判らないのよね……。
変なところから飛び出さないで欲しいわ。

了解。
上から行ってくれるなら話が早いわ。
そうね。今更、不意打ちもなにもない。
止められないほど、捉えられないほど、速く踏み込めば良いだけのこと。
降ってくる声に合わせて接近、【剣刃一閃】。
霧も肉も切り捨てましょう。

馬鹿ね。
ここがどこか、もう見失って仕舞っている癖に。
黄泉路を辿ってお帰りなさい。



 碧色の瞳を細めて星鏡・べりる(Astrograph・f12817)はぱちりと瞬く。
 伴に在るべき――彼女にとっては標的であったジャキョーを取り逃がしたことが一番の痛手であったか。跳ねた髪先を指先でくるりと遊ばせて居たべりるは花剣・耀子(Tempest・f12822)の姿を見遣りにいと口元を緩ませた。
「あれ、よーこも居たんだ? 聞いてよ、ジャキョーに逃げられちゃったよ。
 ゆかりちゃんと目の前のアレ倒せば結果オーライになるかな?」
「あら、奇遇ね。逃がしてしまったものは仕方が無いわ。また後日ね。
 それよりも、アレを斃さなければ何もかもが御破算になるもの」
 まるで教室で戯れ事の様に語らうかのように。少女の声音は軽やかそのもので。
 べりるは「そっか」と耀子の言葉に頷いた。斃さなければならないならばその手が機宝銃《ベリル》を握りしめるは当たり前で。
「どうせよーこは剣持って突っ込むでしょ?
 剣を振り回してるよーこと一緒に突っ込むと私が危ないしな~」
「言い方」
 共に『土蜘蛛』と呼ばれる対UDC組織に所属する仲。互いがどのような戦闘スタイルであるかは十分に把握しているが――耀子からすればべりるの戦闘スタイルは彼女の軽やかな言葉の様に『予測不能』だ。
「あっ、そうだ! 私は上から行くね。よーこ、地上はよろしく!」
「上ね」
『指定してくれる』のならば話は早い。柔らかに頷き、手にしたは機械剣《クサナギ》。
「キミが探してる友は、きっと過去にいるよ。早く帰ってあげなよ」
 跳ね上がる。べりるの姿が耀子の視界から消える。それは一瞬、地面を蹴る彼女の『在った』場所に踏み込めば、間合いを詰めるのは容易。
 異形なる瞳がぎょろりとべりるを見遣る。隙が無いと冗談めかして笑った彼女は「よーこ」と軽やかに呼んだ。
「いくよ? 3、2、1――ゴー!」
 べりるの立って居た場所。今は、もう『居た』場所となったそこに耀子が踏み入れた間合い。酸が吹きすさぶ赤き背にぱたりと落ちる。
 燃えるかの如き感覚に眉根を寄せて、それでも尚、一閃すべく刃は留まらぬ。

< とも は >

「馬鹿ね。ここがどこか、もう見失って仕舞っている癖に。
 ――黄泉路を辿ってお帰りなさい」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

南雲・海莉
真の姿解放
ホログラムのような光を纏う

あの馬鹿(ジャキョー)が……!

UCで攻撃回数を増やし、正面から相手を引き付けるわ
相手の狂気(こころ)に踏み込むことも、傷つけるたびに散る酸も惧れはしない
それが敵の在り方なら、私も痛みごと受け入れる

邪神が街を、人々を傷つけることなど一切赦さない
私の意地に代えても止めてみせる

でも逢えるはずの無い『友』を求めるのが相手の本質だというのなら……
少しだけ分かる

ここで留まっていても友には逢えない
だから一緒に歩き出しましょ

私は、一足先に来世に行った友達に持って行く土産話の為に、幸せになりに行く
貴方は骸の海にいる同類たちの元へ、還りなさい
手荒になるけれど、皆で召還してあげる



 それは『不利』を演じたのだという事を南雲・海莉(コーリングユウ・f00345)は直ぐに察知した。異形は友が感じたであろう痛みをその躰で一心に受け止め、そして『その身を強化している』のだ。
「ッ――あの馬鹿が……!」
 ジャキョー。そう名乗った配信者を思い浮かべて唇を噛み締める。
 相手の狂気(こころ)に踏み入れることも、ましてや、その身が酸に塗れ傷付く事も惧れる事無く海莉はホログラムをその身に纏う。
 邪神が街と、そして、其処に生き住まう人々を傷つける事は赦さず、その身を削ってでも護って見せると言わんばかりに距離詰める。それが意地と呼ばず何たるか。

 < ああ、 ともよ ともよ >

 その声は鈴鳴る様に。心の柔らかい部分に突き刺さる刃の様にじわりと寂寞が滲む。
(逢えるはずない『友』――わかる。
 ここで留まっていても友には逢えない。歩くしか、ないんだ)
 語らう声音に海莉は紋朱をゆっくりと握りしめ、一気に肉薄した。
「私は、一足先に来世に行った友達に持って行く土産話の為に、幸せになりに行く。
 貴方は骸の海にいる同類たちの元へ、還りなさい――手荒になるけれど、皆で召還(かえ)してあげる」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウーゴ・ソルデビラ
おう、遅かったじゃねーか。お前に会いたがってたおバカさんなら、もう帰った後だぜ。けっ、ジャキョーの野郎、こいつのどこが善良で可哀想だって?

残念だったな。俺らはお前を待ってたけど、それはお前をぶっ殺す為さ。案外、「友」って奴も先に逝って待ってるのかもしれねえぜ?
傷を治されたり、強化したりされる前に【ダッシュ】で【先制攻撃】だ!【2回攻撃】の内一回を【フェイント】に使って、【シーブズ・ギャンビット】を喰らわせる。酸の霧は【野生の勘】と【見切り】で躱すぞ。

悪気がない相手っつーのはどうにもやり難いぜ。ジャキョーみたいなアホならブッ飛ばして終わりって感じで、解りやすくて良いんだけどよ。



 ああ、ああ、ああ。何度も繰り返されるその声音。
 ウーゴ・ソルデビラ(吸血鬼マイラ・f09730)は「騒がしい」とジョークを重ねる。
「おう、遅かったじゃねーか。
 お前に会いたがってたおバカさんなら、もう帰った後だぜ」
 猟兵たちが相手取る異形の声音が脳を掻き混ぜる様にぐわりぐわりと響く。
 その様子を見て、可愛そうなバケモノと称したジャキョーはやはり狂っていたのだろうか。
「けっ、ジャキョーの野郎、こいつのどこが善良で可哀想だって?」
 毒吐いてウーゴはダガーをしかと握りしめた。響く声音に耳傾けてゆっくりと、その両足に力を籠める。固い床を踏み締めて、肉薄する。埃が散り、酸がウーゴの頬を撫でた。
「残念だったな。俺らはお前を待ってたけど、それはお前をぶっ殺す為さ。
 案外、『友』って奴も先に逝って待ってるのかもしれねえぜ?」
 淡々と告げた一声。異形は「ああ」と虞れるようにその声を震わせた。

<ああ ああ ともよ とも―― わが、ともよ >

 狂ったように繰り返されたその言葉。友を探すがあまり寂寞に狩られたその異形を見遣り、ウーゴは唇を噛み締めた。
(悪気がない相手っつーのはどうにもやり難いぜ。
 ジャキョーみたいなアホならブッ飛ばして終わりって感じで、解りやすくて良いんだけどよ……)

成功 🔵​🔵​🔴​

クレイ・ギルベルン
友が帰ってくるのではありません。あなたが帰るんですよ、骸の海にね。
寂しくなんてないでしょう。

……UDCにも情というものは芽生えるのですね。
そんなふうに見えているだけでしょうか。

【WIZ】
「――おいでなさい、この世ならざる執行者よ」

異形には異形をぶつけましょう。
馬蹄で踏み散らす、騎士の剣を振り翳し『衝撃波』を与えるなどして攻撃させます。
なるべく前線に出せば盾役も担えるでしょう。

召喚中、私自身は無力になってしまいますので、
念の為『呪詛耐性』や『破魔』の力は引き続き纏いつつ、
離れた所に居させてもらいます。戦場内、敵の姿を確認出来る範囲で。
万一召喚が解除された場合、『高速詠唱』で再召喚を試みます。



 壊れたラジオの様に繰り返された言葉。それを『情』と呼んだとするならばクレイ・ギルベルン(迷いの夜に・f04293)にとっては大いなる発見であった。
 UDCにもそのような情が芽生える――尤も、それが『本来意義』的な情であるのか、それとも『そう見えているだけ』なのであるかは定かではない。
「友が帰ってくるのではありません。あなたが帰るんですよ、骸の海にね。
 寂しくなんてないでしょう……――おいでなさい、この世ならざる執行者よ」
 異形に対するならば異形を。
 クレイは首なし騎士とそれに跨る幻馬を召喚する。自身はその身を異形の前に晒さぬように気を配り、つい、と視線をやる。
 煙る都市を見遣る様に前線を見詰めたクレイの視線を受けて騎士は異形へ向けて飛び込んだ。
 鈴鳴る声音が友求め、響き続ける。呪詛の如き――甘えた言葉。

< ともよ >

 感情とは毒だ。何処までも心のやわらかい部分を抉る、苦い毒。
 猟兵としてやるべき責務はただ一つ。まやかしの如き友への情を消し去る如く、攻撃を重ねる、只、それだけなのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

庚・鞠緒
わざわざ呼び出されて来てみりゃァそこらじゅう敵だらけで
ぶち殺されるってのは、ちょいと哀れだけどよ
UDC相手じゃ可愛そうなんてちっとも思わねー
友達なら地獄で作ンな…きっとお前みたいな化け物がいっぱいいるぜ

【POW】
【先制攻撃】で接近してユーベルコードHate Crew Deathrollをぶち込む
内臓があるかわかんねェけど、えぐり取ってやるぜ
【2回攻撃】でガンガン切りこんで、【傷口をえぐる】
治療なんて間に合わないくらい削ってやる

酸の霧がちと厄介だな…【なぎ払い】で払ったり【毒耐性】でなんとか耐えれねェもんかな


ルフトゥ・カメリア
友なんぞ居たこともなければ、さびしいなんて思ったこともねぇ。
それで俺を曲げるなんて、気狂いになるなんて、想像も出来ねぇししたくもねぇ。
俺は俺しか持ってねぇからな。
他の何かになんて、譲ってやらねぇ。

そんなに友とやらに逢いたきゃ、身軽になってあの世で待つんだな。

ユーベルコードに【破魔】【祈り】を乗せて、炎をバスターソードに纏わせながら突っ込む。
翼の付け根と足元からも炎を噴き出してブースター代わりに、大剣の勢いも込めて叩っ斬る!【怪力】【2回攻撃】【鎧砕き】

敵からの攻撃は周囲の猟兵共々【武器受け】【かばう】【オーラ防御】【激痛耐性】【カウンター】で対処する。
別に護りたかねぇよ、ボサっとしてんな。



 今はその姿なき友人を求めんとするその姿。庚・鞠緒(喰らい尽くす供物・f12172)は『召喚ばれ』て来てみれば周囲が敵だらけで死が待ち受けているのは憐れだと肩を竦める――尤も『可哀想』だという感傷は彼女にはなかった。
 何故? 所詮はUDCだ。
「友達なら地獄で作ンな……きっとお前みたいな化け物がいっぱいいるぜ」
 友を求めながらその身から酸を吐き出す異形の許へと走り込む。
 頬撫でるように鈴鳴らした声音を払いのけ、紫苑の瞳が細められる。
「滅茶苦茶痛ェぞ……後悔しやがれッ!!」
 喰らう。全てを。その異形をも飲み込む様に。
 敢えて鞠緒を受け止めるようにその身を『披いた』異形から酸がぱたたと飛び散った。
「ッ――」
 ルフトゥ・カメリア(Cry for the moon.・f12649)は、飛び散る酸をも振り払うように焔纏う刃を振るう。
「友なんぞ居たこともなければ、さびしいなんて思ったこともねぇ。
 それで俺を曲げるなんて、気狂いになるなんて、想像も出来ねぇししたくもねぇ――俺は俺しか持ってねぇからな」

 < とも は >

 Enterrar.を振るえ。押し潰せ、焼き焦がすは酸よりも強烈なる焔の勢い。
「他の何かになんて、譲ってやらねぇ」
 友の為と声を震わす異形のその瞳を抉る様に突き抜けた鞠緒の一撃。唸る声が耳朶を滑り落ちていく――まるで、乙女が泣いているかのようなその声に構う事無くルフトゥは只、地獄の業火を花散らす。
「そんなに友とやらに逢いたきゃ、身軽になってあの世で待つんだな」
「案外、『友はあの世に或る』かもしれないぜ」
 冗談めかす鞠緒にルフトゥは嗚呼と小さく目を伏せる。きっと――きっとそうなのだ。
 異形の――鑼犠御・螺愚喇の親愛なる友はもはや生きてはないだろう。
 友が為の詩になど共感することもない。只、真実を教えるように刃は無慈悲に振るわれる。

< とも よ――いずこ へ >

「さあ? あの世で訪ねてみな」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リーオ・ヘクスマキナ
友を求めるあなたのその欲求、俺にとっての記憶と解釈すれば分からなくもない気がするんだ。
けれどあなたが「此処に在る」だけで、より多くの人が大切な友を失う悲嘆に暮れる事になるんだ。
それは見過ごせない。見過ごしちゃあいけない。
ジャキョーも何時かは確保したいけど、先ずはあなただ。

……故に。邪神、討つ/撃つべし……!

【WIZ】
今度は全力で行かせてもらう。赤頭巾さんの最大火力、炎の散弾で以て「面」の火力で圧倒。可能なら他の猟兵とも協力して、生まれた間隙を縫うように【暗殺、2回攻撃】を叩き込む。
不完全かもしれなかろうと、相手が相手だ。ヒット&アウェイを徹底して、確実に勝ちに行くよ。


揺歌語・なびき
帰ってこないよ
お前のともだちは何処にも居ないんだから

鞭と銃で眼球の様な黄色い部位を狙って攻撃
【恐怖を与える、呪詛、催眠術】で、死の恐怖を与える
その後来世の贄で確実にダメージを稼ぐ
【2回攻撃、傷口をえぐる、串刺し】活用

敵の攻撃は【野生の勘、第六感、見切り】で回避

味方の攻撃時は【援護射撃】で支援

お前を必要とした奴はさぁ
存在しないんだよ
ああうん、悲しいか
泣いてもいいが、誰もお前のともだちにはならない
そういう風に生まれてきたんだ

寂しくても、お前はひとりで死ね
来世を望みながら跡形もなく死ね
おれが必ず殺してやるよ



 ゆるりと声を震わせて。
 リーオ・ヘクスマキナ(魅入られた約束履行者・f04190)は「友を求めるあなたのその欲求、俺にとっての記憶と解釈すれば分からなくもない気がするんだ」とへにゃりと笑みを溢した。
 それは共感であったか――異形の詩による回復はリーオにも及んでいる。
(……けれどあなたが『此処に在る』だけで、より多くの人が大切な友を失う悲嘆に暮れる事になるんだ。それは見過ごせない。見過ごしちゃあいけない。
 ジャキョーも何時かは確保したいけど、先ずはあなただ――)
 もしもこの場で異形たる存在を放置した為れば、その影響は少なからず出てくる。
 揺歌語・なびき(春怨・f02050)は、その影響を想像するだけで表情を曇らせ唇を噛み締めた。
「帰ってこないよ――お前のともだちは何処にも居ないんだから」
 桜の瞳は彼の心に渦巻く怨嗟の感情を乗せていた。存在自体が悪となる。
 患う病に怯える心にひとつ、悪を懼れるが如く糾弾し続ける執念が見える。なびきの言葉に、リーオは『ここにはいない』と唇で形作ってゆっくりと、呟いた。
「……故に。邪神、撃(討)つべし……!」
 溢れる酸の気配になど構うことはない。只の全力、『赤頭巾』を伴い、リーオは前進する。聞こえる声音に脳を掻き混ぜられる感覚がその存在を異形であると認識させた。
「お前を必要とした奴はさぁ……存在しないんだよ」
 涙の様に酸が溢れ出る。なびきはそれを感情のいろを乗せぬまま桜の瞳を細めた。
「ああうん、悲しいか。泣いてもいいが、誰もお前のともだちにはならない。
 ……そういう風に生まれてきたんだ。
 寂しくても、お前はひとりで死ね。来世を望みながら跡形もなく死ね」
 対照的な二人。一方は、その心を『理解』し、寄り添うような言葉をかけ、もう一方は完全なる拒絶を見せる。
 鑼犠御・螺愚喇は満身創痍という調子で酸を吐き涙を流す様に友を求めた。
「――おれが必ず殺してやるよ」
 只、静かに。告げたその言葉ひとつ。
 死の恐怖と寂寞が襲い来るかのように鑼犠御・螺愚喇は唸る。

 ああ、ああ――

 ああ―――――

 そうして、其処に残ったものは何もなく。伽藍洞の部屋には子供の落書きの様な赤い魔法陣が残っていただけだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月28日


挿絵イラスト