その恩義に報いる為に、僕は貴方を殺します。
●悪の美学
「……ろ……して」
命を、青年に生きる道を与えた彼女は、彼にどういう想いで本音を漏らしたのだろうか。
いや、その瞳は既に光を失っているし、彼女を取り囲む有象無象の軟体生物に身をゆだね、与えられた感覚に反応することで精一杯だ。きっと彼の存在に気づいていないのだろう。
――かつて街を守るために命を散らせた魔法少女。
青年も元々は半人前のヴィランであり、悪として彼女に救われ、悪として雇われた。どうせ悪を行うなら悪に向けて悪を放ち。悪を以て悪を制する。
そう教わったはずなのに。彼女に向けた慣れない刃を取り出す彼の心にあったもの。それは悪とは程遠く、とうに捨て去った筈の錆びては濁り、鋭利さをも失った正義の心に灯る炎。
「その『恩義』に報いる為に、僕は貴方を――ッ」
悪には悪を。恩には恩を。新たに芽生えた青年の美学も刃も。彼女を支配する触手の前に弾かれてしまう。その想いは届くこともなく。触手、そして目撃していた彼女の手下によって砕け散る。
芽生えた筈の恩義の心。砕けた想いはやがて昇華し、予知へと結びつく。その未来の形に新たなる変化と希望を見出すことになることを、彼はまだ知らない――。
●グリモアベース
「オブリビオンが、ヴィランを殺すという予知を見たんだ。誰か行ってくれるかい?」
神坂・急須(遊戯茶屋の店主・f15846)が、世界の敵であるその存在を予知した為に、討伐依頼を持ち掛けていた。
「ヒーローズアースのとある廃ビルにオブリビオンと、雇われた者たちが活発に活動しているみたいなんだ」
その場所は繫華街からもそう遠く離れていない場所にあり、街へ繰り出されてしまえば、大きな被害が出ることは間違いないと言う。
「ヴィランや悪党を狙って襲うと噂の組織の場所と類似してるし、今すぐ一般人を襲うのかは分からないけれども。ヴィランの人が殺されてしまうかもしれないし、オブリビオンを早急に排除するに越したことはない。それに……」
予知で見た知り得る限りのオブリビオン。触手に侵され続け、世界の破滅を望む存在になりがらも、自身の死をも望み悪に手を染める存在と。
それに気づき、安らかな死を与えるべく立ち上がり、今にも生死の狭間で戦い始めるであろうヴィランの存在。
「願わくば、恩返しが届きますように。皆も、気をつけて」
その言葉を最後に、猟兵たちはヒーローズアースへと向かうのであった――。
えんぷ茶
悪ってロマンですよね! 私もそう思います。
えんぷ茶です。よろしくお願いいたします。
ヒーローズアースらしい熱くシリアスな物語を!
皆さまと共に築いていければと存じます。
本内容は以下の通りとなります。
第1章:『呪法骸操士ネウィとデッドボディバタリオン』 (集団戦)
第2章:『『自殺する王』マギ・カロラス』 (ボス戦)
第3章:『時には故人を偲ぶ一時を』 (日常)
●第1章(集団戦)
敵はヴィランの青年を殺してゾンビ軍団に迎え入れようとしているようです。
ヴィランの青年も目的の為に生きようと必死に戦っていますが、手助けするかしないかは自由です。
とにかくオブリビオンを倒してしまいましょう。
●第2章(ボス戦)
かつて街を守るために命を散らせた魔法少女は、本人の意思とは関係なく、触手に守られています。
オブリビオンを倒す為には、彼女の意思とか関係なく無数に現れる触手を排除もしくば無効化する必要があります。触手を直接攻撃したり、触手に攻撃させて疲弊させたりするなど。触手に対してアプローチを仕掛けるのが効果的でしょう。
今の彼女を生かしておくことはヴィランの青年にとっての「悪の美学」に反する為、参戦して触手をナイフで刈り取ります。彼を手助けして共闘しても、しなくても特に問題はありません。
※本シナリオは【♥】ではありませんので、触手によるお色気描写は希望されても控えめになる場合がございます。
●第3章(日常)
街角の隅にある、かつて街を守るために命を散らせた魔法少女のお墓にヴィランの青年と向かいます。ヴィランの青年は、この場所を最後に掃除してから刑務所に出頭するようです。
かつての魔法少女と同じように世界を守る為にこれからもオブリビオンに立ち向かう猟兵たちですから、彼女の結末に未来を憂うもよし。
ヴィランの青年を𠮟咤激励するもよし。青年と魔法少女の話を聞くもよし。猟兵さま方、一人一人にとってのエピローグをご自由にお過ごしください。
●ヴィランの青年について
名前:石蕗敏郎(つわぶき・としろう)
年齢:18歳。
性別:男。
特技:盗み。情報収集。
(概要)
親に捨てられ家もなく、盗むことで何とか生きてきた青年。
魔法少女と出会い、悪を叩く為の悪という新しい人生に、
希望すら感じ自分なりに謳歌していた。
第1章 集団戦
『呪法骸操士ネウィとデッドボディバタリオン』
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POW : ネクロマンサーズ・カウンターアタック
全身を【呪詛の瘴気】で覆い、自身が敵から受けた【ゾンビ軍団の損害】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD : デッド・ストリーム・アタック
【巨人型ゾンビ兵の】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【他のゾンビ兵達】の協力があれば威力が倍増する。
WIZ : サクリファイス・エスケープ
【雑兵ゾンビを捨て駒にして】対象の攻撃を予想し、回避する。
👑11
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「く、くそぅ……!」
猟兵たちが目的地へとたどり着くと、そこでは一人の青年と、
「早く殺しちゃいなさい」
呪法骸操士ネウィとデッドボディバタリオン。そしてゾンビの群れが一方的な戦いを繰り広げていた。
「……案外、しぶといわね」
「ぼ、僕には。やらないといけないことがあるんだ……!」
その瞳は絶望に怯えて形を変え続けていた。それでいて、瞳の奥に映る灯火が消えることもない。
骸操士は不服なのか、更に力を集めて青年を追い詰めようと画策する。目の前の戦いに集中しているからこそ。
切り込んでいくのならば、まさに今が絶好のチャンスだ――1
バーン・マーディ
……我はヴィラン
ならば同じヴィランを救う事もあるだろう
バイクで突入
青年を庇う位置へと立ち
我はバーン・マーディ。ヴィランである
お前の中に悪の正義を見た
故に(【オーラ防御】展開)
此度はその命を繋ぐために力を貸そう
【武器受け】で敵の攻撃を受け止め
【カウンター・怪力・生命力吸収・吸血】による反撃
お前にも目的があるのだろう
ならばこの場で倒れる訳にはいかぬな
ならば…我を…我らを利用するがいい
我らもまた猟兵
目の前のオブビリオンを倒さねばならぬ宿業を持つ存在だ(言いながらも【戦闘知識】で常に己と青年の周囲の状況と危機の解析を冷徹に行っている
敵が多く己の射程に入るならユベコ発動
そのまま一気に殲滅に入る
ルード・シリウス
◆行動
ヴィランの青年と敵の間に割り込み、青年への攻撃を暴食剣・呪詛剣の二刀で防ぐ。その際、防ぎきれずに攻撃を受けても構わない
そこから【黒獣爪牙】の一撃で、範囲内に存在するゾンビ軍団含めた敵総てを暴食する様に攻撃。その前に傷を負っていれば攻撃した敵の血肉を捕食(生命力吸収&吸血)して傷を癒す
以降は青年を守る形で立ち回り、二刀を以て敵を斬り伏せていく
…正直、何故この依頼を請け負ったのか、自分でも不可解に感じてる
だが…俺の心の何かが告げた気がした。お前を助けて欲しい…とな
為したい事があるのだろ?
なら手を貸してやる…。阻む総ては、俺が喰らい尽くす
ウィーリィ・チゥシャン
俺は正義の味方じゃない。
けど、
「あんたの想い、助太刀させてもらうぜ!」
ヴィランの青年への攻撃を鉄鍋の【盾受け】で【かばう】。
そしてそのまま攻撃を仕掛けたゾンビを【カウンター】の【シールドバッシュ】で跳ね飛ばし、態勢を整える。
「あんたのやるべき事については後で聞く。今は、生きろ!」
ゾンビ軍団の損害に応じてボスがパワーアップするのなら、ボスを直接狙うまで!
ゾンビの群れに斬りかかるフリをして【神火の竈】の強火の業火を操りそれを目くらましにしてボスに接近し、炎の【属性攻撃】を付与した大包丁での【二回攻撃】を叩き込む!
●救いの手
街中、あるいは広い道で快音を響かせるモーター音。その音が今、建物の中で響いている。
黒く輝くバイクを乗りこなし、バーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)が先陣を切って乗り込んだ。
そのバイクはゾンビを弾いて進み。ヴィランの青年の目の前で止まる。
「あ、あなたは?」
「我はバーン・マーディ。ヴィランである。お前の中に悪の正義を見た」
更に襲い掛かるゾンビを避けるべくオーラ防御を展開するバーン。
「此度はその命を繋ぐために力を貸そう」
「……助けてくれると言うんですか」
徐々に戦闘力が強まっていくゾンビを魔剣であしらっていく。、行動そのものが彼の答えだった。
「割り込みなんて、ズルいじゃない」
全身を呪詛の瘴気で覆う呪法骸操士ネウィは、猟兵の乱入に心底不満そうに声を上げる。
しかし、その顔がニヤリと冒涜的な笑みを浮かべると。ヴィランの青年の背後にゾンビたちが大量に召喚されてしまう。
それでも、常に己と青年の周囲の状況と危機の解析を冷徹に行っていたバーンは問題ない、と目の前のゾンビたちに集中していた。
そう。猟兵もまた、1人ではない――。
背後からやってくるゾンビに反応しきれないヴィランの青年。まさに絶体絶命かに思われたが、その命は、二刀の舞に救われる。
ルード・シリウス(暴食せし黒の凶戦士・f12362)は、青年であれば1つ持つのもやっとであろう大剣を難なく。そして的確に振るいゾンビと青年との距離を離していく。
なぜこの依頼を請け負ったのか。心の何かに従ってやってきたルードは、自身の行動を不可解に感じていた為だろうか。微かに集中が乱れ、ゾンビとの距離を誤ってしまう。
ゾンビの攻撃を受けるということは、ルードの間合いにゾンビが入ってしまうことに同義。
ゾンビの足を貫くように剣を突き立てる。その瞬間。ゾンビの目の前に、身体を貫くほどの強力な黒い斬撃が縦横無尽に駆け回る。
近くにいたゾンビごと、黒い斬撃は生きている獣のように。爪を立て牙を剥き。2度と起き上がれないように、バラバラに砕いていく――。
前方にはバーン。後方にはルード。力強い2人が次々とゾンビを殲滅するなか、その間を抜けて青年に近づこうとするゾンビもいた。
青年に向けられた殺意を、ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)が鉄鍋を割り込ませて弾いていく。正義の味方という訳でもないウィーリィだが、その胸にたぎる思いは単純でかつ、純粋なものだった。
「あんたのやるべき事については後で聞く。今は、生きろ!」
まずは生きること。生きていなければ為すべきことも償うことも叶わないのだ。
鉄鍋でゾンビを弾き出し、ウィーリィはゾンビを青年に近づけないようにひたすらゾンビを跳ね飛ばした。
辺り一帯のゾンビを一度片付けると、3人は再び青年に声をかける。一度窮地に追いやられた青年の顔は、沈んだ表情のままだった。
「お前にも目的があるのだろう。ならばこの場で倒れる訳にはいかぬな?」
バーンが青年に手を差し伸べる。その手を掴む青年にルードが問う。
「為したい事があるのだろ?」
「……、はいッ!」
その手を掴み、青年は再び立ち上がる。視線の先は呪法骸操士ネウィ……そして、その奥へ。
「なら手を貸してやる…。阻む総ては、俺が喰らい尽くす」
「ならば…我を…我らを利用するがいい」
「あんたの想い、助太刀させてもらうぜ!」
呪詛の瘴気はますます立ち込め、更にゾンビを増援させていく。力をゾンビ兵に注ぐ一瞬の隙を、猟兵たちは見逃さない――。
「我は選別する。我に牙剥く者、我に抗うもの、我に刃向けるもの、我を貶めるもの…!須らく等しき神罰を与えん事を!!」
「喰らい尽くせ、炎の顎!」
ルードの放つ十字型の溢れんばかりの閃光。ウィーリィの放つ龍の姿の紅蓮の炎。光と炎の嵐のような激しい挟撃に湧いたばかりのゾンビたちも一瞬で消えてゆく。
「なッ――!」
一瞬の出来事に驚く呪法骸操士ネウィの前に、光炎の壁からルートが飛び出す。
「お前、運が悪いな…。そこは俺の領域だ」
再び突き立てられた剣から、光炎をまとった黒い斬撃が呪法骸操士ネウィを襲う。呪詛の瘴気は厚く、斬撃を防ごうと盾のように展開するが……。
それ以上に。4人の想いが乗った一撃は重かった。
呪法骸操士ネウィから呪詛の瘴気は消え去り、肩で息を吐きつけながらも、従えてるゾンビ兵の中でもひと際大きいゾンビ。デッドボディバタリオンに支えられて距離を置く。
無事に青年を守り、呪法骸操士ネウィを追い詰めていく猟兵たち。その先に待つ新しい未来を掴む為。戦いはまだまだ続く――。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
桜庭・愛
「悪をもって悪を制する?」
半端ものね、それって!
ほんものの悪っやつはね、
世界が否定したってそれを肯定する
自分勝手さが必要なのよ?
あんたたちね、ほんものの悪党ってヤツを教えてあげるわ
サイコキネシスで周囲の瓦礫を持ち上げて、営利な石津ぶてに加工していく、
さらに、魔法少女参上ってね♪
「惚れた女も助けられないようじゃ悪とか正義の前に男として
駄目だね」
「あんたもだ、魔法少女、
死んでたってまだ、魂があるだろ、言葉にできるだろ!
殺してなんて後ろ向きだね、
あんたはどうしたいのさ」
悪党の魔法少女はそう、幾十の石礫を構えつつ、ふたりを叱咤する、
まあ、三十路の魔法少女なんだが
●ほんものの悪
「悪をもって悪を制する?」
桜庭・愛(黒髪の女子プロレスラー・f22918)は彼ら彼女らの考え方を半端ものにすら感じていた。
ほんものの悪党ってヤツをその目にその身体に、その心に刻むべく、サイコキネシスで周囲の瓦礫を持ち上げて、鋭利な石に加工していく。
その姿は嫌でも注目が集まり、青年の目にもはっきりと映っていた。
「世界が否定したってそれを肯定する。自分勝手さが必要なのよ?」
「自分……勝手さ?」
「惚れた女も助けられないようじゃ悪とか正義の前に男として駄目だね」
試しにと、精製した1つの石を勢いよく投げつける。更に増援したゾンビに石が当たると、その身体をいとも簡単に貫通させ、呪法骸操士ネウィの頬をかすめていく。
規格外のパワーに呆然とする青年であったが、そんな力が自分にもあれば。もっと力が欲しいと願う。
𠮟咤とその力に何かを感じとった青年。愛は、その様子に1つ頷いて視線を呪法骸操士ネウィの更に後方へと向ける。
「あんたもだ、魔法少女、死んでたってまだ、魂があるだろ、言葉にできるだろ!」
当然、返事はない。しかし、魔法少女の配下である呪法骸操士ネウィが魔法少女への暴言に反応した。
「……やめなさいよ」
「殺してなんて後ろ向きだね、あんたはどうしたいのさ」
「やめなさい――ッ!」
下がろうとしていた呪法骸操士ネウィが遂に振り返り、ゾンビ兵をを青年ではなく、愛の方へと突撃させる。
呪法骸操士ネウィに憎しみを向けられている悪党の魔法少女はそう、幾十の石礫を構え、一斉に投げつける。
三十路の魔法少女の悪党たる美学。大胆な立ち振る舞いに大胆な戦い方。ゾンビたちがいいように倒されてしまうその姿を。
青年はしっかりとその瞳に焼き付けるのであった――。
成功
🔵🔵🔴
四王天・燦
野郎の願いに興味なし。
ただ少女に僅かでも正気の時間を作ってあげたいと思うだけさ
「ひゃっはー。死体は焼却だ」
突入するなり四王稲荷符の乱れ撃ち。
符を炎の属性攻撃で発火・延焼させるぜ
冒涜は巫女の敵。珍しく悪意をもって神鳴を女性―ネウィに向ける。
「死に寄り過ぎたか、屍と交わったか。腐った精気の臭いがする…お前は食えねーな」
雑魚ゾンビは殺陣の如く斬り伏せる。
包囲は注意。逃げ足で立ち回る
巨人の突進は武器受けとオーラ防御で耐える。
素直に吹っ飛んで衝撃をいなそう
初見でない二撃目以降は見切って、符術『力場の生成』で跳んで頭を越え、背後から部位破壊:首
ネウィまで跳んで強襲。
「冒涜した死者が黄泉平坂で呼んでるぜ?」
●己が願いのままに
「ひゃっはー。死体は焼却だ」
四王天・燦(月夜の翼・f04448)は、ヴィランの青年には興味を示すことなく、呪法骸操士ネウィへに向かい突入する。
霊符を惜しみなく取り出し炎の符を乱れ撃ち、一体を火の海へと染めていく。
湧いて出てくるゾンビ兵を火の壁に隔離すると、珍しく神鳴を女性―ネウィに向ける。
「死に寄り過ぎたか、屍と交わったか。腐った精気の臭いがする…お前は食えねーな」
「随分と言うじゃない」
呪法骸操士ネウィは、今までのゾンビたちよりも更に大きい巨人型のゾンビを前に立たせる。
「突撃――ッ!」
呪法骸操士ネウィが号令をかけると、炎の壁からゾンビ兵が飛び出し、ネフィの正面からも巨大なゾンビ兵が突進を仕掛けていく。
燦は炎の壁から襲い掛かるゾンビは軽くいなして切り伏せる。まるで殺陣のような動きは、包囲されないように立ち回っているとは思えないほどの美しさだった。
更にゾンビの背後から押し寄せ燦に突進する巨人。得物で受けオーラを纏うものの後方へと吹き飛ばされる燦。
しかし、これも計算の範囲内。ダメージを最小限に食い止め、後方の壁に両足をつけると、足をバネにして再び飛び込む。
カウンターを狙う大きなゾンビ兵は突進を続けて燦を襲う。
「御狐・燦が命ず。符よ、我が意のままに空に留まり、天へと至る足掛かりと成せ!」
間一髪で空中を蹴り上げてゾンビ兵を躱した燦は、勢いのままに奥へと進み……。
「しまっ――」
「冒涜した死者が黄泉平坂で呼んでるぜ?」
正面で構えていたネウィだが、燦はもう一度空中を跳ねて背後に回り込む。そして背後から迷いなく、その首を狙って突き刺した――。
呪法骸操士ネウィの首は身体と分離し、その身は地に倒れる。
「こう……なったら、みんな道連れよ……! デッドボディバタリオン……!」
戻ってきた巨人型のゾンビが、呪法骸操士ネウィの首を手に持つ。他のゾンビ兵たちも、これが最後とばかりに猟兵たちと青年に向かって襲い掛かる。
呪法骸操士ネウィが息絶えるのは時間の問題かもしれないが、少しでも早く奥へと向かうべく、猟兵たちは戦いを続けるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
備傘・剱
悪に矜持があるのなら、最後まで、不敵に笑って乗り切らなきゃな
男なら、特に、だ
とはいえ、ここで死んだら、それもできねぇわな
石蕗を守りながら戦うぞ
呪殺弾・衝撃波・誘導弾、その全部をゾンビに放ちつつネウィに接近して二回攻撃と鎧無視攻撃でダメージを与えるぞ
倒れたゾンビは傀儡子で片っ端からこっちの戦力に取り込んで敵ゾンビとの戦わせておく
そうすりゃ、石蕗も体勢を整える余裕ぐらいできるだろうな
敵の攻撃はオーラ防御と武器で受けて弾いてやる
綺麗なお題目があろうが、俺達がやってる事は結局は、殺し殺されの危険がある生きざまだ
恩義があるってのなら、自分に合った戦い方を覚えなきゃな
アドリブ・絡み・好きにしてくれ
シャーリー・ネィド
ボクたちが守るのは、目の前の「希望」
「困った時のサメ頼み、だよっ!」
【エクストリームミッション】を発動させ、空中からブラスターの【援護射撃】で青年の周りのゾンビを遠ざけて青年をピンチから救う
そのまま牽制射撃でゾンビを一か所に集めたら【ロープワーク】で縛り上げる
長くは持たないかも知れないけど、少しは時間は稼げるよね?
その間に真っ直ぐ骸操士の元を目指し、空中から【クイックドロウ】&【スナイパー】で骸操士に集中攻撃!
ナギ・ヌドゥー
死はいかなる生命をも救ってくれる祝福……そんな風に思ってましたが自ら死を願うオブリビオンがいるとはね。
理由は分かりませんが、このヴィランに協力せざる得ないようです。
敵は減ってはいますが、まだまだゾンビ共が湧いてますね。
殺るべきはあの骸操士と見ました。
確実に骸操士を直接攻撃する為に奴の周りにいるゾンビ共を剥がしましょう。
まずは正面からの攻撃を繰り返しこちらにゾンビを【おびき寄せ】ます。
【オーラ防御】【生命力吸収】で粘り続け敵の全力UCを誘う。
複数のゾンビ兵が突進してくるこの瞬間は敵の守りが薄まる。
同時にこちらもUC発動、幻影よ倒れているゾンビ共に紛れ迂回し骸操士を【暗殺】せよ。
●死兵を越す者たち
死の覚悟はとうに超え、今一度消える覚悟を持って猟兵たちを襲うゾンビ兵たち。その気迫は死兵を超えるものがあった。
前から迫る危機に決して目を離さず、それでも身体を震わせている青年の背中を備傘・剱(絶路・f01759)が軽く叩いて励ます。
「ありがとう、ございます」
「名前は?」
「石蕗です」
「悪に矜持があるのなら、最後まで、不敵に笑って乗り切らなきゃな
男なら、特に、だ」
更に安心させるようにか。石蕗の傍に陣取る剱は、呪殺弾・衝撃波・誘導弾……。遠距離からの攻撃を次々とゾンビに向けて放っていく。
「死はいかなる生命をも救ってくれる祝福……そんな風に思ってましたが自ら死を願うオブリビオンがいるとはね」
ナギ・ヌドゥー(殺戮の狂刃・f21507)は、事件の解決の為はこのヴィランに協力せざる得ないと、正面からゾンビの群れに挑む。
ひと当てしては後方へと下がり、またひと当て……と繰り返して、ゾンビを石蕗のいない方へと徐々におびき寄せていく。
巨人型のゾンビが、大きな雄叫びをあげる。最後の突撃を決行しようというのか、徐々にゾンビ兵たちも集まり、その攻撃に合わせて突撃するべく列を整えていく。
オーラによる防御壁を展開し、削ったゾンビの生命力を吸収しつつ粘ろうと防御姿勢を取るナギ。それでも耐えきるには僅かに数が多いか。際どい戦局の中、天井ギリギリの高さまで飛翔するサメ型パワードスーツを装着した猟兵が現れた。
「困った時のサメ頼み、だよっ!」
バイクから変形した勢いそのままに、シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)は空中からブラスターを放っていく。石蕗の周りにゾンビが近づかないように、そして列を徐々に狭めて、一網打尽にする為に。
ゾンビたちは自然と一か所に集められ、いざ突撃というタイミングでシャーリーはロープをかけて縛り上げようと試みる。
ロープに絡めとられたゾンビたちは、一匹ずつ遅れ始め、隊列が乱れていく。
ナギへの突撃、シャーリーによる妨害。その隙を剱は見逃さない――。
「綺麗なお題目があろうが、俺達がやってる事は結局は、殺し殺されの危険がある生きざまだ」
シャーリーの狙撃に倒れたゾンビを、様々な武器を持つ殺戮人形として操り始める剱。
「天の繰糸、地の舞台。舞うは現世の道化なり……。恩義があるってのなら、自分に合った戦い方を覚えなきゃな」
「自分に合った戦い方……」
何かを考えている石蕗をよそに、殺戮人形と化したゾンビでゾンビを同士討ちさせていく剱。
誰が味方で誰が敵なのか。ゾンビたちの中で疑心暗鬼が広がっていく中で、ゾンビ兵の突撃を凌いでいたナギが動く。
「我が幻影よ……走狗となり現出せよ」
静かに呟くと、幻影が姿を現してゾンビ兵に紛れていく。その間にもシャーリーは空を渡り、骸操士の元を目指す。その頭はすぐに見つかった。
「見つけたっ!」
シャーリーが空中から狙撃する。巨人型のゾンビが身体を張ってブラスターを受ける。空中からの攻撃に身体を入れるということは、地上に、足元に隙が生じる。
「骸操士を暗殺せよ――」
幻影が巨人型のゾンビの足元から、骸操士を突き刺す。その頭蓋を貫くと共に。ゾンビ兵、そして骸操士そのものが徐々に光を灯し、程なくして消えていった。
こうして、呪法骸操士ネウィとデッドボディバタリオンを撃退し、奥へと進む猟兵たち。
この先に待っている者を救うため。オブリビオンを倒すため。己の目的を果たすため。猟兵と青年、石蕗の本当の戦いはここから始まる――。
大成功
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第2章 ボス戦
『『自殺する王』マギ・カロラス』
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POW : 触手要塞
全身を【自他を責めるいやらしい触手で覆われた状態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD : 触手大帝の特殊能力
【自分を普段苦しめる】【媚薬塗れの透明触手】【風景に溶け込む怪しい擬態触手】【自由自在に転移する卑猥な触手】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ : 擬似触手ヴィラン召喚
自身が【他者の存在や命の危険】を感じると、レベル×1体の【自他を卑猥に責め苛む強靱な人型の触手塊】が召喚される。自他を卑猥に責め苛む強靱な人型の触手塊は他者の存在や命の危険を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
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奥で待ち構えていたのは、かつて街を守るために命を散らせた魔法少女……いや、『自殺する王』マギ・カロラスだった。
その視線は虚ろながらも、何かを懇願するかのように猟兵、そして青年へと注がれる。
「くっ……! 今、助けます――!」
魔法少女に敵対の意志を示すヴィランの青年――石蕗に、触手が放たれる。オブリビオンによる危険な攻撃。それでも一歩も引くことはなかった。
「その『恩義』に報いる為に、僕は貴方を――ッ」
新たに芽生えた青年の美学と刃は、先の猟兵たちの戦いに奮起され、研ぎ澄まされていた。
世界が否定したってそれを肯定する力。自分に合った戦い方。盗みによって磨かれた素早さと一瞬の集中力。
為したい事がある。やるべき事がある。殺す――。そんな後ろ向きではない、膨れ上がった気持ちが上回り、世界が僅かに変わっていく。
「――助けますッ! 貫通一閃ッ!」
その理を超えて貫く力は、石蕗に伸びた一本の触手と貫き、引き裂いた。無論、触手は何本も現れて魔法少女を守護しているため、助けるには程遠い。
それでも、魔法少女の虚ろな瞳に再び光を宿すには充分だった。
「僕の全力では、一本が限界です。それでも共に戦わせてください。そして、お願いします。彼女を、どうか――」
オブリビオンを倒す。その為に猟兵たちはここにいる。ヴィランの青年が何を言おうと、この戦いは変わらない。
猟兵たちは猟兵たちの赴くままに。この長い戦いに終止符を打つべく、『自殺する王』マギ・カロラスに挑む――。
バーン・マーディ
ヴィランの魔法少女よ
お前もまた我と同志足りえた存在だろう
故に…救おう
【オーラ防御】展開
【戦闘知識】で敵と触手の動きと状態と周辺状況から敏郎の立ち位置も把握
敵の触手攻撃に対しては
【武器受け・カウンター・怪力・二回攻撃・生命力吸収・吸血】を以て反撃迎撃に努め
射程に数多の触手を捕捉すれば
死して尚続くその苦しみ
自ら死を願う程の苦痛と恥辱
我が叛逆を以て粉砕せん
ユベコ発動
狙うは須らく魔法少女ではなくそれを蹂躙し己達に牙を剥く触手共
須らく焼き尽くす
……我はヴィラン
即ち悪なり
故に…お前の望む終焉を叶える気はない
だがその前にも…その邪魔な汚物を斬り捨てねばならんよなぁっ!
継続して触手を最優先で斬り千切り粉砕する
備傘・剱
すでに朽ちているのに、この世を彷徨う、か…
末路といえば、それまでなんだが、なぁ…
石蕗を庇いつつ、マギ・カロラスを止めよう
ワイヤーワークスを引っ掛けて、ロープワークで縛り、動きを止めた所に、二回攻撃と鎧砕きを食らわせる
纏わりつく触手は武器で受けるか、頭の上の一足りないに迎撃させる
オーラ防御は、常に体を覆うように展開し、触手を近づかせない
そして、本体に隙ができたら、黒魔弾で殴る
躯とはいえ、生きてる時の面影は…あるんだろうなぁ
なら、戦っている最中とはいえ、ちゃんとその目で、見ておくんだな
この機会を逃したら、もう、二度と見れないからな
ただ、最後に、何か、言葉をかけてやりな
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
ルード・シリウス
救われねぇな、お前も…
揃いも揃って、クソみたいな世界の犠牲にされやがる
…だが、それでも変えようと足掻くお前の意思は、確かに伝わった
それじゃあ、喰らいにいこうか。これ以上、奴等の食い物にされない為にな
紅刃をヴィランの青年に貸し渡し、原初渇望発動
向こうが無敵の防御を敷くなら、こちらは総てを喰らう刃と捕食能力(吸血&生命力吸収)による持久戦を以て応戦
どちらが先に尽きるか、真っ向から仕掛けてやる。いくぞ『正義の味方』、全力で阻んでみせろよ
(紅刃渡しながら)
先も言った様に、阻む総ては俺が喰らい尽くす…。だから、仕掛ける瞬間、それを絶対に逃すなよ
アドリブ歓迎
●救うということ(前編)
「すでに朽ちているのに、この世を彷徨う、か……」
死してなお生かされて世界を蝕む存在と化していた哀れな少女の姿に備傘・剱(絶路・f01759)は思わず言葉をこぼす。
「救われねぇな、お前も…。揃いも揃って、クソみたいな世界の犠牲にされやがる」
こぼれた言葉に染みていくように、ルード・シリウス(暴食せし黒の凶戦士・f12362)も続ける。
末路といえば、それまでのこと。それでも変えようと足掻く意思。それは、その場にいる誰もが感じ取っていた。
「それじゃあ、喰らいにいこうか。これ以上、奴等の食い物にされない為にな」
ルードは石蕗に声をかけると、血に濡れた様に真紅に染まった短剣を渡す。
「先も言った様に、阻む総ては俺が喰らい尽くす…。だから、仕掛ける瞬間、それを絶対に逃すなよ」
斬りつけた者の血を啜り、切れ味を増すと言われる血に飢えた刃を受けとった石蕗は何かを感じ取ったのか、徐々に触手に覆われていくマギ・カロラスの姿を見て、短剣を強く握った。
猟兵たちが得物を握り、戦いの意志を示すと、触手が次々と猟兵たちに襲い掛かる。
一本一本は細くとも、先端が鋭利でなくても刺さってしまうのではないかと錯覚する程に力強く、更には数も多い。
「ヴィランの魔法少女よ。お前もまた我と同志足りえた存在だろう」
バーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)は、触手に覆われ身動きの取れなくなっていたマギ・カロラスに1つ語りかけると、オーラによる防御壁を展開した。
「故に…救おう」
それぞれの想い、それぞれの動きを1歩後ろから見守っていたバーンは、動きと心理。2つの情報から戦局を見極めようとしていた。
猟兵の足を止めるけん制のような触手と、石蕗や隙を見て猟兵と狙う狙撃の触手を冷静に見極め、襲ってくる職に対してしっかりと武器を出して攻撃を防ぎ、弾いていく。
「死して尚続くその苦しみ――」
触手は猟兵たちを追い詰めているようで、
「自ら死を願う程の苦痛と恥辱――」
バーンの術中に飲まれていく。
「我が叛逆を以て粉砕せん――!」
射程に数多の触手を誘い込み、十字型の閃光でまとめて触手を叩き斬る――。
「……我はヴィラン。即ち悪なり。故に…お前の望む終焉を叶える気はない」
継続して触手を最優先で斬り千切り粉砕するバーン。
オブリビオンを倒すことだけに非ず。その世界に生きる誰かの心を。想いを尊ぶ者だからこそ。
「だがその前にも…その邪魔な汚物を斬り捨てねばならんよなぁっ!」
彼らは強いのだ――。
その反撃は、猟兵たちの攻勢へと繋がっていく。
「これは俺自身が心に抱く、世界を、その世界を敷く存在を喰らう渇望の形だ…。神だろうと魔王だろうと、その世界諸共等しく喰らい尽くす」
バーンが触手を狙った一瞬の隙を逃さず、一対の漆黒の大剣を創造するルード。
向こうが無敵の防御を敷くなら、こちらは総てを喰らう刃。更に血を啜れば疲れを最小限に戦い続けることもできる。
「どちらが先に尽きるか、真っ向から仕掛けてやる。いくぞ『正義の味方』、全力で阻んでみせろよ」
ルードは一瞬を生み出す為に、マギ・カロラスへと接近していく――。
「躯とはいえ、生きてる時の面影は…あるんだろうなぁ。なら、戦っている最中とはいえ、ちゃんとその目で、見ておくんだな」
纏わりつく触手は武器で受け、頭にしがみついていた妖怪も、ダイスを投げて触手を遠のける。
身体にオーラを纏い、持久戦になってもいいようにと、触手を自身に、そして石蕗近づかせず、一度隙を見出せば。
「漆黒の魔弾はいかな物も退ける。罠も、敵も、死の運命さえも!」
漆黒の魔弾を容赦なく触手に叩き込んでいく。堅実な戦い方は強さと相まって抜群の安定感を誇る。
「この機会を逃したら、もう、二度と見れないからな。ただ、最後に、何か、言葉をかけてやりな」
猟兵たちに後押しされる石蕗。もう一本が限界などとは思っていなかった最後の機会を逃がさぬよう、覆われた触手が徐々に剥がされていく、マギ・カロラスを見つめていた――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
桜庭・愛
「だとしてもっ!もうあなたはヴィランじゃない。あの子を全力で抱きとめる覚悟はできた?」
そう、愛は力強く言葉を石蕗に告げる。
…もう、答えはわかってる。
「ならばあなたの背中を押してあげる!あの触手からヒロインを抱きとめ
なさい。私のサイコキネシスであなたの身体を高速で発射します。」
あなたは前だけを、あの子だけを見ていなさい。いいわね。
「みんな、露払いをよろしく。この子が大好きな女の子を助けて、
女の子もこの街も救ってハッピーエンドになるために」
蒼いハイレグの魔法少女(実年齢は三十路)の愛は元気よく青年と自分の間に力を溜めて爆発力を利用したロケットブースターになるために力を使うのだった。
シャーリー・ネィド
【かにかま】
あそこにいるのが石蕗さんが助けたい人なんだね
だったら手助けするよ!
そのためには邪魔な触手をどうにかしないとね
ボクたちは触手の対処に専念するよ
【援護射撃】の【スナイパー】でウィーリィくんに向かってくる触手の数を減らしながら【バトル・インテリジェンス】でタイミングを見計らい【罠使い】+【ロープワーク】で予め張り巡らせておいたワイヤーで触手たちをまとめて絡め取る
これで邪魔なのは大分減ったかな?
ウィーリィ・チゥシャン
【かにかま】
んじゃ、最後の一本はあんたに任せた。
それ以外の相手は俺達に任せな。
これはあんたが明日に進み、未来を生きるための戦いだからさ。
その想い、最後まで貫き通せよな!
シャーリーと協力し、石蕗さんが最後の一撃を放つチャンスを作るために触手達の相手を務める。
敢えて上着を脱ぎ捨てて隙を作り、魔法少女を捕えている触手を俺達への攻撃に回させる事で彼女自身の守りを薄くする。
そして向かってくる触手を鉄鍋での【盾受け】で防ぎ、【カウンター】で【シーブズ・ギャンビット】の早業で【部位破壊】を【二回攻撃】で繰り出して触手を次々と切断しながら触手の狙いを俺に集め、シャーリーが捕縛しやすいようにする。
四王天・燦
「可愛いな。その精気と魂いただくぜ」
邪悪な笑みで舌なめずり
残像を囮に触手の動きを見極める。
埃を舞い上げ透明&擬態触手を可視化。
転移触手は足を止めず的を絞らせない。
見切って武器受け。
神鳴で触手を斬り続ける
「大技に備えて休憩する。前に出て守りに徹しろ」
触手の勢いが落ちたら敏郎を嗾ける
(いい顔しやがって。これで精気を喰ったら皆に殺されるぜ)
物陰で観察しながら息を整え…
「一本押さえろ!」
敏郎に要求。UCが封じられなければ問題ない。
符術『魔封じの儀』で触手を封じる。
覚悟の突貫…捨て身の攻撃で三枚叩き込む!
一時でも彼女を正気に戻し甦った意味を与えたい。
笑顔が見れたら僥倖
でも媚薬で悶絶。
敏郎に出し抜かれるわ
ナギ・ヌドゥー
触手とこの少女は意思を別にしている?……オブリビオンと化しているのに何故……。
……苦しいか?
大丈夫、今すぐ死の祝福を与えよう。
【先制攻撃】【誘導弾】連射と同時にUC発動、
【オーラ防御】を纏いつつ斬り込み敢行!
【部位破壊】【傷口をえぐる】で触手を斬り開いていく。
敵のUCは視覚に頼っては躱せない……【第六感】【野生の勘】を研ぎ澄ませ!
――このままオレが殺してやりたいが……あのヴィランの意気が伝わってくる……。
『恩義』……か。
石蕗さんとやら、この娘に早く死の救いを。
●救うということ(後編)
「あそこにいるのが石蕗さんが助けたい人なんだね。だったら手助けするよ!」
徐々にマギ・カロラスの姿が見えてくると、シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)が、倒すべく触手の動きを観察しながら照準を合わせていた。
「これはあんたが明日に進み、未来を生きるための戦いだからさ。その想い、最後まで貫き通せよな!」
とウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)は、上着を脱ぎ捨てて、触手を誘うように石蕗を見る。
隙を見つけた触手たちは一斉にウィーリィを狙って襲い掛かる。触手同士が微かに触れるだけで粘り強い液体が糸を引く。
触れてしまっては危険。そんな状況にもかかわらず、鉄鍋で触手を受けて応戦する。
鉄鍋を超えずにとどまる触手に短刀を振りかざしては切り刻み、触手を次々と切断していくと、触手たちの狙いはウィーリィへとシフトする。
自らを囮にする作戦ではあるが、AI搭載型戦術ドローンによって演算された罠でシャーリーが動く。
猟兵たちが戦っている隙にワイヤーを忍ばせていたのだ。それらを一気に起動すると、誰かを襲い掛かろうとする触手たちは、猟兵たち届くことなく絡めら取られてしまう。その隙に触手を狙撃して、触手たちを殲滅していく。
「これで邪魔なのは大分減ったかな?」
数の減りを実感する程には減って来たものの、まだまだその数は多い。不安そうにする石蕗に、
「んじゃ、最後の一本はあんたに任せた。それ以外の相手は俺達に任せな」
ウィーリィはそう声をかけると、シャーリーと共に前線へと駆け上がる。マギ・カロラスに近づけないようにと触手たちが懸命に道を阻もうとするが。
「ボクたちは触手の対処に専念するよ」
「ああ、分かってる」
服を脱いで身軽になった身体は、軽快に戦場を駆け抜け、危険な角度からウィーリィを狙う触手はシャーリーに撃ち抜かれ、それを止めることができずにいた。
魔法少女に絡みつく触手が次々と出動し、その守りは少しずつ薄れていく。それこそが、2人の目的だった――。
「触手とこの少女は意思を別にしている?……オブリビオンと化しているのに何故……」
ナギ・ヌドゥー(殺戮の狂刃・f21507)は、明らかに自らの意志と乖離している触手の存在に疑問を抱くが、詮索よりも成すべきことがあった。
「……苦しいか?」
もがく姿はマギ・カロラスの表情だけに収まらず、触手から抜け出そうと逃げ出そうと懸命に身体を捻ろうとしていた。
しかし、それが望まない快楽となり、時に恍惚の笑みを強制的に浮かべさせられ、骨身に堪える苦しみを味わっている。
「大丈夫、今すぐ死の祝福を与えよう」
触手に手始めにと誘導弾を叩き込むと、自身の瞳が輝きを放つ。殺戮の為だけに鍛え抜かれた鋭利な刃物を手に取ると、輝きが刃に反射して、よりいっそうの殺意が込められる。
自身にオーラによる防壁を付与すると、マギ・カロラスを目指して斬り込んでいく。
邪魔をする触手たちを1本ずつ、何度も何度も切り刻み、更には手負いの切り口に刃をねじ込むようにして、文字通り道を切り開いていく。
それでも、自由自在に転移する卑猥な触手たちは、前後左右、あらゆるところから現れてはナギを狙っていく。
「敵のUCは視覚に頼っては躱せない……ならば」
第六感に野生の勘。それは戦いの中で目覚めていくセンスのことか。未だに言葉として定義できない戦闘力のことか。
己の力を全身に巡らせ、己の力を一振りに込める――。
「可愛いな。その精気と魂いただくぜ」
邪悪な笑みで舌なめずりする四王天・燦(月夜の翼・f04448)は、残像を囮に触手の動きを見極め、その癖やパターンを見極めようとしていた。
「見えないなら、こうだ」
足元を滑らすように蹴り上げ、一度埃を舞い上げれば、見えなかった背景に溶け込んでいる触手たちにも被さり、その擬態を見破っていく。
転移触手は足を止めず的を絞らせなければ不意打ちされることもない。見切って武器受け。神鳴で触手を斬り続けていく。
「大技に備えて休憩する。前に出て守りに徹しろ」
戦いの中、今まで一度もコンタクトを取らなかった石蕗に声をかける燦。
「は、はいっ!」
戦いを見ることしか出来なかった少年が、その戦場へと一歩進む。そこにはおどおどした様子もなく。ただしっかり前を見据えた男の姿だけがある。
物陰で観察しながら息を整える燦。一時でも彼女を正気に戻し甦った意味を与えたい。それは変化か気まぐれか。いつもと変わった決断を選ぶ燦。
「一本押さえろ!」
再び燦が前に出る時、残り少なくなった触手たちも、最後の攻防とばかりに一斉に攻撃を仕掛けていく。
「御狐・燦が命ず。符よ、我が敵を夢へと落とさん。符よ、我が敵を石とせよ。符よ、我が敵の呪力を断ち切らん。これをもって魔封じを為せ!」
自らが触手に絡めることもためらうことなく触手を符で封印しにかかる燦。触手たちも懸命に暴れて抵抗するが、燦の符を前に一本ずつ地に落ちていく。
そしていよいよ、決着の時はやってくる――。
「もうあなたはヴィランじゃない。あの子を全力で抱きとめる覚悟はできた?」
最後に残るであろう、いっそう太く、一本の触手をめがけて走り出そうとする石蕗に、桜庭・愛(天真爛漫な美少女レスラー・f22918)は力強く言葉を告げる。
深く頷く石蕗。……もう、答えはわかっていた。
「ならばあなたの背中を押してあげる!あの触手からヒロインを抱きとめ
なさい。私のサイコキネシスであなたの身体を高速で発射します」
「よろしくお願いします」
「あなたは前だけを、あの子だけを見ていなさい。いいわね」
深々と頭を下げる石蕗だが、愛はすぐに頭を上げるように促す。女の子もこの街も救ってハッピーエンドになるために。触手を払いオブリビオンを倒す、そして――想いを、世界を救う。
蒼いハイレグの魔法少女は、元気よく青年と自分の間に力を溜めて、最後の一手を放つ。
爆発力を利用したロケットブースト。愛から発射された石蕗。猟兵に助けられ、励まされ、武器を借り、
(――このままオレが殺してやりたいが……あのヴィランの意気が伝わってくる……)
(いい顔しやがって。これで精気を喰ったら皆に殺されるぜ)
想いを託される。自身の願い、彼女の想い。そして猟兵が託した最後の1撃は。
「その『恩義』に報いる為に、僕は貴方を殺します――ッ!」
最後の触手を貫き殺し、魔法少女に架せられた最後の鎖を砕く。勢いのままに魔法少女を抱きしめる石蕗。
「あり……がとう……」
死してなおこの世に存在する魔法少女。しかし、悪意の本体を倒してしまった以上、彼女にこの世を滅ぼす意志はない。
この世を滅ぼす意志はないということは、もう彼女はオブリビオンではない。そんな存在が、現にとどまることはない。
光に導かれるように、ゆっくりとその身体を薄めていく魔法少女。結局はオブリビオンは倒され、消える運命にあったのだ。
青年を励まし、叱咤し、最後は託した猟兵たちだったが、その行いは決して徒労ではない。
その世界に生きる人の心を救った行いであり、心と命を救われたヴィランの青年はもちろん。この世と青年に最後の別れを告げる魔法少女の目には、微かに涙が浮かんでいたが、それ以上に。
向日葵のような眩しい笑顔で彼女は最期を迎えたのだから――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 日常
『時には故人を偲ぶ一時を』
|
POW : 故人のお墓または思い出の場所をきれいに清掃
SPD : 故人のお墓または思い出の場所について尋ねる
WIZ : 故人のお墓または思い出の場所へ祈りを捧げる
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戦いから一夜。ヴィランの青年――石蕗敏郎と猟兵たちは街角の隅にある小さな墓地へと向かっていた。
目的は、かつて街を守るために命を散らせた魔法少女のお墓だった。
「罪を償い、刑務所に出頭する前に、やっておきたいことがあるんです」
そんな石蕗が手にしていたのは、水の入った容器とタオル――この場所の掃除をすることだった。
世界を守る為に戦い続けた魔法少女。しかしその末路は、死後には守った世界を自らの手で壊してしまう呪いをかけられてしまい、悲惨な運命へと攫われた。
それでも希望が消えることはない。魔法少女と同じように世界を守る為に戦い続ける猟兵がいた。魔法少女が願い、猟兵をこの地へと導いた者がいた。
猟兵たちは、ヴィランの青年と共にか、各々にか。いずれにせよ、故人を偲ぶ一時を過ごしていくだろう。
また明日から、再び世界を守るべくに戦い続ける為に――。
ルード・シリウス
墓掃除をする石蕗を眺めながら話をする
とりあえず、何故お前を助けようとしたのか、俺なりに答えも出たしな
ただ、惜しむらくは折角の『正義の味方』を喰いそびれた事か…
言ったろ?阻む総ては喰らい尽くすってな
嗚呼でも最終的に、お前が救ったんだ…クソったれな『世界』からな。なら、それで俺は十分だ
それに、お前のやった事は罪じゃねぇ。例え罪だったとしても、それを償うだの恥だの考える必要もない、寧ろ誇れ
それ以前に、お前の手であの少女を救った時点で償われてるんだよ
とりあえず、お前なら猟兵になれるかもな。それだけ強い意志を持ってるんだ、なれない筈がねぇ
ただ…一つこれだけは言っておく
…俺みたいな奴にはなるなよ
●忠告
テキパキと墓掃除をする石蕗。その姿を眺めていたルード・シリウス(暴食せし黒の凶戦士・f12362)が声をかける。
なぜ助けようとしたのか。それは戦いの中に答えはあった。
「ただ、惜しむらくは折角の『正義の味方』を喰いそびれた事か…」
それが冗談ではなかったことを告げる言葉に石蕗は顔を少しだけ歪ませる。
「言ったろ? 阻む総ては喰らい尽くすってな」
それでも、態度を変えずに淡々と語るルード。それでも彼はこの結末を、『正義の味方』を喰いそびれること選んだのだ。
「嗚呼でも最終的に、お前が救ったんだ…クソったれな『世界』からな。なら、それで俺は十分だ」
不器用に聞こえるが、自らの本心を語るルード。そこには共闘した青年への労いの様な意も込められているのかもしれない。
「それに、お前のやった事は罪じゃねぇ。例え罪だったとしても、それを償うだの恥だの考える必要もない、寧ろ誇れ」
彼が過去にどんな罪を行っていたとしても、最後は魔法少女を救った。それは贖罪としても十分ではないか。それがルートの考えだった。
「あ、ありがとうございます。僕も、いつか僕自身を誇れるように、あなたのように強くなりたいです」
掃除を一度中断して振り向いて頭を下げる石蕗。しかし、その言葉を聞いたルードは振り向き、石蕗から視線を逸らした。
「とりあえず、お前なら猟兵になれるかもな。それだけ強い意志を持ってるんだ、なれない筈がねぇ。ただ…一つこれだけは言っておく」
自身を誇れるように、強くなること自体は悪いことではない。それでも、貧しく盗みを働き、そこに住む人間から忌み嫌われながらも愛情を覚え、恩義を持って行動したのだから。
「…俺みたいな奴にはなるなよ」
ルードが最後に口にした言葉は、忠告だった――。
成功
🔵🔵🔴
備傘・剱
WIZ
俺は、祈る神も祈りの言葉も知らないが…
故人に思いを伝える意味は解るよ
静かに、黙祷して、様子を見守ろう
ここで声をかけるほど、俺も野暮じゃない
出来れば、石蕗には、後悔しない選択を選んでほしいもんだ
刑務所で罪を償って、まっさらになった後、どうなるかは…、その選択次第だろうな
だが、少なくとも自棄にはならないだろうな
この墓がある限り、どんな選択肢を選んでも、道を踏み外す事はないだろうからよ
…もし、また、会う事があったら、どんな選択をしたのか、語り合ってみたいもんだな
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
●苦難と後悔を乗り越えて
「俺は、祈る神も祈りの言葉も知らないが…」
それでも、故人に思いを伝える意味は解るのだと、備傘・剱(絶路・f01759)は静かに黙祷して、様子を見守ることにした。
祈るように手を合わせ、墓の前で何かを呟いている石蕗。ここで声をかけるほど、剱も野暮ではない。
石蕗には、後悔しない選択を選んでほしいと願う剱だが、その表情を見ることはなくとも、雰囲気を感じ取る。
少なくとも自棄にはならないだろうと思う剱。ただ刑務所で罪を償って、まっさらになった後、どうなるかは石蕗次第。しかし、それも杞憂だろうと目を開けると辺り一帯を見渡す。
この墓がある限り、魔法少女との思い出がある限り、どんな選択肢を選んでも、道を踏み外す事はないだろう。
真剣な表情でお祈りを続ける石蕗をもう一度確認すると、剱は最後まで声をかけることなく、その場を去ることにした。
人は多くの選択を余儀なくされる。真っ当ではない非情な選択をすることもあるだろう。
それでも、苦難と後悔を乗り越えて、猟兵だけでない、その世界に生きる者も今を生きているのだ。
「…もし、また、会う事があったら、どんな選択をしたのか、語り合ってみたいもんだな」
剱は新たな楽しみと共に、自身の日常へと帰っていくのであった――。
成功
🔵🔵🔴
桜庭・愛
刑務所に出頭する石蕗くんに
「じゃあ、キミが更生してヒーローとして戻ってくるまで、おねーさんが代理でこの街を守ってあげるよ。だって服役終えて帰ってきたら街がヴィランがいっぱいなら死んだ魔法少女も浮かばれないじゃない?」
でも、私は人知れずなんてしない。
自分の存在を喧伝し悪人を懲らしめる魔法少女をするわよ。
プロレスを毎週開催しリングの上で悪人を退治するの。
墓前に供える言葉はひとつ。
「後は任せて♪」それだけよ。
石蕗くんもはやく出所しておねーさんを安心させてよね。
この街を守りつつ、猟兵するのは大変そうだからね。
そう蒼いハイレグの長い黒髪の魔法少女はいつもの笑顔で見送るのだ。
●魔法少女から魔法少女へ。
「じゃあ、キミが更生してヒーローとして戻ってくるまで、おねーさんが代理でこの街を守ってあげるよ」
桜庭・愛(天真爛漫な美少女レスラー・f22918)は、刑務所に出頭を決意した石蕗に宣言した。
「この街を……。本当ですか?」
「だって服役終えて帰ってきたら街がヴィランがいっぱいなら死んだ魔法少女も浮かばれないじゃない?」
件の魔法少女とはまたジャンルの違うパワー溢れる魔法少女は、自身がこれからやっていくプランを石蕗に語る。
「プロレスを毎週開催しリングの上で悪人を退治するの」
「か、格闘技でですか? 派手に活動されるんですね」
「もちろん。自分の存在を喧伝し悪人を懲らしめる魔法少女をするわよ」
人知れずなんてしない。正しいと思って行うことを堂々と。格闘家らしい真っ直ぐな心で、愛は石蕗と墓前に言葉を1つ。
「後は任せて♪」
猟兵という役割だけでなく、この街を守る。それは簡単なことではない。それでも愛は笑顔で続ける。
「石蕗くんもはやく出所しておねーさんを安心させてよね」
「はっ、はい!」
事件が解決し、墓に辿り着いてから1番の大きな声で返事をする石蕗。彼ならもう大丈夫だろう。そう確信した蒼いハイレグの長い黒髪の魔法少女はいつもの笑顔で見送る。
次に再会する時を楽しみに。そして、想いは魔法少女から魔法少女へと、静かに引き継がれていく――。
成功
🔵🔵🔴
四王天・燦
wiz
「はぁ…自首ぅ?」
ポカーンとした表情で数分。
盗賊ギルド仕込みのガチ裏社会人とヴィランはやはり根本が違うんだなと内心思ってる
「ヴィランを辞めるという意味が籠っているのかな」
マギの跡を継いでヒーローに転向という意味もある。
彼女に縛られず、自分の意思でそうしたいってならもう止めない。
出家みたいなモノかと見送るよ
(魔法少女定番の浄化攻撃が一番効いたのは、どーもあの野郎みたいだぞ)
墓前で囁き、お経を南無南無
今回の功績もあるし、大した前科じゃねーならさっさとシャバに出られるよう裏から手を回してみるよ。
猟兵の口添えってやつさ…賄賂(fromネウィの遺品)という手も使うけどなー
●定番の浄化攻撃
「はぁ…自首ぅ?」
猟兵たちが言葉を交わしていた間、四王天・燦(月夜の翼・f04448)はポカーンとした表情で固まっていた。
燦の知る裏社会の人とヴィランの青年――、石蕗はどこか根本が違ったのだろう。
「ヴィランを辞めるという意味が籠っているのかな」
魔法少女の跡を継いでヒーローに転向という意味も考えられる。だが、どこか澄んだ瞳を見れば、魔法少女に縛られているようには思えなかった。
「出家みたいなモノか」
彼女に縛られず、自分の意思でそうしたいのであれば。燦は静かに墓の前まで移動すると、お経をあげる。
(魔法少女定番の浄化攻撃が一番効いたのは、どーもあの野郎みたいだぞ)
魔法少女らしく。世の中を助け。最後には誰かの希望になれた。だから安心して眠れ。
「今回の功績もあるし、大した前科じゃねーならさっさとシャバに出られるよう裏から手を回してみるよ」
「い、いいんですか。しかし……」
「猟兵の口添えってやつさ」
躊躇う石蕗。しかし、彼の善良な行いは、罪を軽減するだけ価値はあると考えたのだろう。
「……賄賂という手も使うけどなー」
「えっ、何か言いましたか?」
肝心なところを聞き逃してしまう石蕗。燦は二度は言わないぞと、楽しげな表情は見せず、最後まで振り返ることなく去っていくのであった――。
成功
🔵🔵🔴
ウィーリィ・チゥシャン
(POW)
敏郎さんを手伝って彼女の墓の掃除を手伝う。
一人の人間の心を救った彼女への手向けとして、
そしてその彼女の想いを守った敏郎さんへの感謝として。
「ヒーローだけじゃなく、ヴィランも譲れない信念や叶えたい願いを持っているんだよな」
それが、余所者である俺がこの世界に来て学んだ事。
「それでも、その想いと力を誰かの為に使える人がヒーローなんだと思う」
これは敏郎さんの姿から教わった事。
「ここから先はあんたが選び、掴んだ未来だ。罪を償った後、どう生きるかはあんた次第だ」
だけど。
「それでも、あんたが守った彼女の想いはあんたの中で共に生きている。それだけは忘れないでくれよな」
「それじゃ、元気でな!」
●ヒーローを学んだ日
「ヒーローだけじゃなく、ヴィランも譲れない信念や叶えたい願いを持っているんだよな」
石蕗を手伝って彼女の墓の掃除を行うウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)は、この世界に来て学んだ事を口に出す。
「それでも、その想いと力を誰かの為に使える人がヒーローなんだと思う」
ウィーリィは真っ直ぐ真剣な眼差しで石蕗を見る。それは他でもない石蕗の姿から教わった事だった。
「力を誰かの為に使える人……ですか」
この戦いの中で力の片鱗を掴みとった石蕗は、自身の手に視線を送り、指を握って開いてを繰り返す。
「ここから先はあんたが選び、掴んだ未来だ。罪を償った後、どう生きるかはあんた次第だ」
「僕次第……ですか」
手にした力で何を成すのか。再び、自分自身が生きるためだけに力を使うのか。
受け継ぐなんて大層なことは思わない。縛られるなんて呪縛のようにも思わない。
「それでも、あんたが守った彼女の想いはあんたの中で共に生きている。それだけは忘れないでくれよな」
ウィーリィはその答えに可も不可も示さない。それでも、石蕗の中にその想いも生きていく。
「僕の中で生きている想い。無駄にしないようにします」
経験から言葉の1つまで。全てが軌跡となって心は進化を続けていく。今日という日に語ったこのやりとりも、時を経ることで大きな意味と成すこともあるだろう。
「それじゃ、元気でな!」
ウィーリィは話を終えると、笑顔でその場を去っていく。想いと力を誰かの為に使える人がヒーローであるならば。猟兵も、彼もまた、ヒーローであるに違いない――。
成功
🔵🔵🔴
シャーリー・ネィド
(WIZ)
大切な人を助けるために、大切な人を手にかける
こんな結末って哀しいけど、これが精いっぱいなんだよね
少なくとも魔法少女と石蕗さんの想いは守る事は出来たんだから
石蕗さんと一緒にお墓の掃除の手伝いをした後、魔法少女のお墓にお祈りする
あの時、あなたが救ったのは石蕗さんの中にある「正義の心」
それは「希望」となってあなたを救った
ううん、あなただけじゃない
きっとこれから、あの人は多くの人を救うんじゃないかな
ヒーローとしてかヴィランとしてか、それともただの一人の人間としてかはわからないけど
だから、安心して眠ってね
あなたの想いは、石蕗さんの中で生きているんだから
●バッドエンドのその先へ
大切な人を助けるために、大切な人を手にかける。それは決してハッピーエンドとは言えない。むしろバッドエンドに近いことだろう。
「こんな結末って哀しいけど、これが精いっぱいなんだよね」
少なくとも魔法少女と石蕗の想いは守る事は出来た。それでもシャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)はその寂しさを。予知をして、悲劇の前に行動したとしてもどうにもならないことがあるやるせなさを感じていた。
だからこそ、石蕗と一緒にお墓の掃除の手伝いをした後、魔法少女のお墓に祈りを捧げる。そして、隣で祈りを捧げている石蕗に語りかけた。
「あの時、あなたが救ったのは石蕗さんの中にある『正義の心』。それは『希望』となってあなたを救った……ううん」
あなただけじゃないと、静かに首を振るシャーリー。その仕草は普段の天真爛漫さを感じさせず、とても落ち着いていた。
「きっとこれから、あの人は多くの人を救うんじゃないかな」
それはヒーローとしてかヴィランとしてか、それともただの一人の人間としてかはわからない。それでも、その世界に残したもの。繋いだことには必ず意味があるのだから。
「だから、安心して眠ってね。あなたの想いは、石蕗さんの中で生きているんだから」
バッドエンドのその先へ。この悲劇は、これからのハッピーエンドの為にある。シャーリー・ネィドは、誰よりも明るい未来を信じていた――。
成功
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ナギ・ヌドゥー
呪いの身に堕ちても、決死の想いで殺してくれる友が居るなんてね……。
石蕗さんの想いが半端な覚悟だったのなら、
ぼく達が現れる事は無かったでしょう。
この少女が羨ましいです、
ぼくにはそんな大切な友など作れそうにないですから。
……無粋な質問ですが、生前の彼女はどうして命を懸けてまで街を守ろうとしたのですか?
彼女の意志はオブリビオンに堕ちても消え去っていなかった。
ぼくだったら、とてもあんな意志を保ち続けられない……。
良かったら……彼女との思い出を聞かせて下さい。
●その強さは思い出の中に
「呪いの身に堕ちても、決死の想いで殺してくれる友が居るなんてね……羨ましいです」
ナギ・ヌドゥー(殺戮遊戯・f21507)の言葉に、石蕗は思わず首をかしげる。どういうことなのか、理解が追いついていない石蕗に、ナギは率直な想いを語る。
「石蕗さんの想いが半端な覚悟だったのなら、ぼく達が現れる事は無かったでしょう。ぼくにはそんな大切な友など作れそうにないですから」
石蕗はその言葉を素直に受け止める。それは、力も何もなかった己が初めて認められるモノを持った証でもある。
「……無粋な質問ですが、生前の彼女はどうして命を懸けてまで街を守ろうとしたのですか?」
魔法少女の意志はオブリビオンに堕ちても消え去っていなかった。並の人であれば、いや。猟兵であっても意志を保ち続けるのは難しいだろう。だからこそ、ナギは知りたかった。
「良かったら……彼女との思い出を聞かせて下さい」
それほどまでに強い意志は、どこから来るのだろうか。その気持ちに押された石蕗は、静かに一度だけ頷く。
「わかりました。助けてくださった皆さんにも知る権利はあると思いますから」
石蕗はナギに魔法少女のことを知っていることを語っていく。最初は成り行きだったこと。それこそ今の猟兵のように、救えなかった命を何度も何度も見てきたこと。
……守れなかった、そんな悔しい思いが染み付いて離れず、最後まで追い求めていたこと。
「ある意味、命を落とす前から、狂っていたのかもしれないですね。それでも、魔法少女になったことに後悔してるようには思えませんでした」
呪いの身に堕ちても、決死の想いで殺してくれる友が居る。そういう者であっても、狂うようにして戦いの日々を過ごしていたのだ――。
こうして、猟兵たちの戦いは一度幕を閉じる。救った命。落ちていく命。人々と触れ合い、様々な生き様を知る。
しかし、戦いの日々はまだまだ終わらない。猟兵たちは、各々の想いを胸に、グリモアベースへと帰還するのであった――。
大成功
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