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淡い花びらは死の香を乗せて

#サクラミラージュ



 サクラミラージュ。
 至るところで幻朧桜の花弁舞い散る、いかにも華やかなこの世界にも、オブリビオンの影が射していた。
 不安定な怨嗟を抱えて荒ぶる『影朧』である。
 永きに渡る大正時代の浪漫を伝える豪奢な洋館から、こんな脅迫状が届いた。
『目も眩む遺産に踊らされた莫迦どもへ。
 金が欲しければ生き残ってみせろ』
 それは、私財を貯め込んだまま病没した大富豪——さる華族の当主に縁ある者たちへ、血縁の有る無し問わず送られているという。
 どうやら『影朧』の目的は、当主の一族を一度に館へ集めて一網打尽に殺し尽くす事らしい。
 ——否、傷つき虐げられた者らの過去の集合体である影朧にしてみれば、自ら手を下さずとも、当主の一族が遺産目当てで互いに互いを殺し合うような、血で血を洗う醜い争いを起こしてくれればそれで満足なのかもしれない。


「だからといって、一族が互いに殺し合って自滅するだなんてとても見過ごせませんから、予知を伝えて洋館へ行かないよう説得いたしましたの」
 椀種・クルトン(憂き実・f00365)が説明を始める。
「これで影朧による被害者は出ないでしょうからめでたしめでたし……ですが、やはり影朧も倒しておきたいので、皆様のお力を拝借したいのですわ」
 そこで、猟兵たちにはぜひとも『殺人事件の被害者』になってほしい——とクルトンはいう。
「猟兵である皆様なら、普通の方がお亡くなりになられるようなトリックでもどうにか生還なさいましょう」
 何せ、犠牲者が誰であれ、『予知通りの連続殺人』さえ発生すれば影朧はのこのこ姿を現すようなので、その際にやっつければ良い。
「というわけで、まずは洋館でごゆるりとご自由にお過ごしくださいませ♪」
 但し、条件がある。
「うふふ。皆様がたは謎の招待状によって館へ集められた『遺産狙いの下衆な親族』でいらっしゃいますもの。どうぞ『こいつはいかにも殺されそうだと他人に思わせるような』一癖も二癖もある人物像を演じてらしてくださいませね」
 連続殺人の犯人視点で説明するならば、『いち早く殺したくなるぐらいけったくそ悪い人物』を演じるのが、影朧を誘き寄せるコツである。
「恋愛絡みなら……既婚者でいながら当主の後妻、即ち若い義母へしきりに言い寄る長男、なんて確実に自分の妻から、下手をすると義母からも殺意を抱かれてますわよね。これは義母にしても息子の嫁にいつ殺されたっておかしくはないですわ」
 その長男の妻という役柄にしても、夫の金を使い込んで密かに借金を膨らませている、息子や娘、あるいは使用人へ辛く当たっているなど、殺意を抱かせる動機は数多く思いつくだろう。
「使用人の大人しそうなメイドさんが実は当主の愛人で嘘か真かお胤も宿していた……これも他の親族にしてみれば殺すに充分でしょう」
 とにかく遺産狙いで金に汚い、あるいは人の心が無いような人物を演じて、極自然に殺人被害者になり得るよう振る舞ってほしい。
「皆様がたのご健闘をお祈りいたしますわ」
 クルトンはぺこりとお辞儀した。


雨都瑣枝
 ご覧くださりありがとうございます、雨都です。
 ド修羅場依頼です。腕がなります。

●第1章について
 雰囲気のある洋館で思い思いに過ごしましょう。
 きっとアイツが隠れて俺の命を狙ってるに違いない、なんて自分の悪行を振り返りながら怯えるもよし。
 どうせ自分は既に汚れた人間だ、人殺しが何だ返り討ちにしてやる、と意気込むもよし。
 親族全員で相手の顔色を伺いつつ、遺産分配の交渉会議を始めるのも楽しいかもしれません。
 当主にあんな酷いことをしたクセに、誰々とデキてるクセに、などと存分に皆の本性をバラして罵りましょう。貴方もバラされ罵られるでしょう。

●第2章
 第1章でご自身のキャラクターを印象づけたら、いよいよ影朧の仕掛けた罠にかかって殺人被害者になりきりましょう。
 どこかに潜んでいる影朧の仕掛けた『死のトリック』をどんどん喰らって本格的な死んだふりをお楽しみください。
 いくら猟兵とはいえ、一応安全の為に死なない工夫を入れておくのもお薦めですよー。
(トリックの内容はお好きにお考えください。無理がなければ採用できます)

●第3章について
 影朧『影竜』が1体出てきます。
 相手の使うユーベルコード をよくお確かめの上で対策を立てて撃破なさってください。
 気分は2時間サスペンスのクライマックス。
 連続殺人の動機がどんなものであれ、探偵や刑事よろしく非難して、引導を渡してあげましょう。

●第2章と第3章のプレイング受付開始について
 冒頭に事態の変転や敵さん登場シーンの文章を挟みます。
 それが載ったらプレイング受付開始となります。
(シナリオ進行のペース次第では、都合により受付開始を数日遅らせる可能性があります)

 皆様のプレイング、楽しみにお待ちいたしております。
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第1章 日常 『桜の街に何を問う』

POW   :    胸の内より溢れる情熱を言葉にする

SPD   :    耳に残る、ロマンの音を言葉にする

WIZ   :    目の前に広がる鮮やかな世界を言葉にする

👑11
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涼風・穹
【役】
当主が頻繁に通っていた女郎屋の常連客
当主とは店で何度か顔を合わせて女自慢もされていた
情報の価値には無自覚だが当主の女性遍歴を知っている

働かないでも棚ボタで金が手に入るなんてついてるぜ
当主さんは裏で色々とあくどい事をやっていたけど随分と都合の良いタイミングでくたばったり大勢に遺産を分配するとは最後の最後で善行に目覚めたのかもな
……自然死なら、だけどな
ま、死人は反論しようがないんだし死者を悪く言うのはどうかとは思うけど、綺麗な金ではないんだし俺が散財して社会に還元した方が世の為人の為、ってもんだ
……それにしても、当主さんとはそれ程親しかったとも思えないけど、なんで俺まで呼ばれたんだろうな…?



●陽気なお邪魔虫
 大きな洋館。
「働かないでも棚ボタで金が手に入るなんてついてるぜ」
 謎の脅迫状によって館へ招かれた人物のフリをして、涼風・穹(人間の探索者・f02404)は豪奢な革張りの座椅子へ悠々と寝そべり寛いでいた。
「それに、当主さんが金に物を言わせて長っ尻だったせいで、なかなかこっちに良いのが回ってこなかったりしたからな……」
 穹が演じているのは、当主が頻繁に通っていた女郎屋の常連客。
「ま、これからは自由に誰でも抱けるってもんだ……」
 当主とは店で何度か顔を合わせ、女自慢にも付き合っていた為、自然と彼の女の好みや女性遍歴へ詳しくなっていたようだ。
「貰える遺産の額によっちゃ、連れ出しや身請けだって夢じゃないかもな」
 お気に入りの女郎の顔を思い浮かべているのか、ニヤニヤと下卑た笑いを洩らす穹。
「当主さんは裏で色々とあくどい事をやっていたけど、随分と都合の良いタイミングでくたばったり、大勢に遺産を分配するとは……案外最後の最後で善行に目覚めたのかもな」
 などと自分にまで遺産をくれようとする当主——集められた人物が脅迫状の主を当主だと思うのは道理である——へ感謝しつつも、
「……自然死なら、だけどな」
 彼の親族が当主の遺産を狙っている事も、重々承知しているのだった。
「ま、死人は反論しようがないんだし死者を悪く言うのはどうかとは思うけど、元々綺麗な金ではないんだから、俺が散財して社会に還元した方が世の為人の為、ってもんだ」
 だが、目先の欲にすっかり思考を奪われているのか、穹は大した警戒心もなく遺産の皮算用をしている。
「……それにしても、当主さんとはそれ程親しかったとも思えないけど、なんで俺まで呼ばれたんだろうな……?」
 それだけ、穹は自分が握っている情報にどれだけ価値があるか気づいていないのだろう。
 当主の女性遍歴を把握している——即ち、当主の愛人や隠し子と偽って遺産のお零れに預かろうとしている輩の嘘を見抜けるという事。
 この機に乗じて遺産をがっぽり頂こうとしている『当主と無縁の不届き者』からすれば、穹は殺したいぐらい邪魔な存在に他ならないのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドクター・パプリカ
『当主の容態が悪くなる直前くらいに雇われた若い家政婦』ですよっ!
『昔、母がこちらで働かせてもらっていた』とか『母が亡くなったときにここを頼るように言われていて』とか言って隠し子感を振りまくのですっ!
当主が亡くなる直前まで身の回りのお世話をしていたならば、当主から親戚一同への感情も知っているかもしれません。これは遺産分配の上でとても邪魔な存在の筈っ!
『私は当主様をお慕いしていただけで』とか無害感装いつつ、「皆さんと居ると怖いので私は部屋に籠もらせていただきますっ! 自分の身は自分で守りますからっ!」とか言ってひとりになってしまうのです。
あ、でもほんとにひとりで居て罠が来たら怖いですね。うーん。



●しおらしい落とし胤
 次いで、だだっ広いリビングへおずおずと現れたのは、
「失礼します……」
 青く美しい髪とブラウスからはちきれそうな巨乳が特徴的なドクター・パプリカ(ミス・カラーピーマン・f22377)。
「ああ」
 軽食を摘んでいた穹が手を挙げて応じる。
「昔、母がこちらで働かせてもらっていまして」
 愛嬌のある笑顔をにっこり振り撒きながらパプリカが言うには、『当主の容態が悪くなる少し前に雇われた家政婦』らしい。
「母が亡くなったときにここを頼るように言われていて」
 長い髪を地味に引っ詰め、自前の黒いブラウスの上から粗末なエプロンを巻いて、明るく身の上話をするうら若き女性——いかにも当主の隠し子っぽい見事な演技である。
 何より、当主が亡くなるまで身の回りの世話をしていた役柄であれば、当主が親戚一同へ抱く感情も知っていただろう。
 更には当主から秘密を打ち明けられていたり、当主の遺書を口述筆記していた可能性すらある。
 そして本当に当主の隠し子なら、当然ながら遺産相続の権利を有している。
(「これは遺産分配の上でとても邪魔な存在の筈っ!」)
 そんな若い家政婦ならいつ殺人トラップにハマっても不自然ではない、パプリカが確信するのも尤もである。
「ふ〜ん、母にね……」
 パプリカの説明を聞いた穹が、ジロジロと彼女へ無遠慮な視線を向ける。
 彼女の言の真偽を見定めようとしているのか、単に女好きのサガで舐め回すように見ているだけなのかは判然としない。
「なるほど、御母堂によく似ておいでだ」
「私は当主様をお慕いしていただけで」
 パプリカは両手で自分を抱くようにして警戒心を露わにすると、
「こちらに居る方がなんだか怖いので、私は部屋に籠もらせていただきますっ! 自分の身は自分で守りますからっ!」
 誰の目にも明らかに思える死亡フラグをおっ立てて、リビングから出ていくのだった。
「あ、でもほんとにひとりで居て罠が来たら怖いですね。うーん」
 思わず廊下で後悔する家政婦の運命やいかに。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レイン・ドロップ
ぐえっへっへ、修羅場とは腕が鳴るのですわ!
昼ドラで培った知識を、今こそ見せるのですわー

レインの役は『当主の愛人として名乗り出た、謎の美女』ですの
獲物を素早く喰らう様子から、ついた仇名は『かえる夫人』

財産目当てなのは見え見え、加えてこれを機にちゃっかり
当主の息子(イケメン希望)も毒牙にかけようとする魔性の女なのですわー
……ちょっとそこ、幼女趣味はないってどういうことですの!
レインは立派なレディでしてよ、ふしゃしゃしゃ(笑い声)

一族が集まる場所にまんまと潜り込んで、ペットのけろちゃんを使った毒殺を計画
「この雌ガエル」と罵られつつも、不和をもたらすのですわ
当主様は果たして、本当に病気だったのかしらー



●獲物を狙う捕食者の目
 さて。
「ぐえっへっへ、修羅場とは腕が鳴るのですわ! 昼ドラで培った知識を、今こそ見せるのですわー」
 と、いかにも悪辣そうな笑い声を立てるのは、レイン・ドロップ(みずたま・f14853)。
 かわいいものと昼ドラを愛する彼女は、『当主の愛人として名乗り出た、謎の美女』を演じる気満々なのだ。
(「うっしっし……獲物を素早く喰らう様子から、ついた仇名は『かえる夫人』、ですのー」)
 満々なのは実に良い事だが、いかんせんレインはまだ小さな——身長30cmにも満たないテレビウムの女の子。
 しかも、常々身に着けているかえるをモチーフにした『れいんのコート』が元来の愛らしさをますます引き立てている為、本人の計算高い意気込みが全くもって外見に表れていない辺り、ちょっぴり切ない。
 そのせいか、
「お待たせしましたわね。れい……わたくし、こちらの当主様には以前から庇護を受けておりまして。ずっと奥様を憚って日陰の身ではございましたが、当主様が亡くなられた今、やはりお線香の一本でも差し上げたくて、恥を忍んで罷りでましたのよ」
 リビングへ入るなり、優雅にレインコートの裾を摘んで挨拶してみせたものの、
「まあっ、当主様……母以外にも女の人を囲っていただなんて……女、のひと……??」
「それはそれは……、あの当主さんに幼女趣味はなかったと思うけれど……?」
 廊下にいたパプリカやソファーから起き上がった穹を、大いに困惑させた。
「……ちょっとそこ、幼女趣味はないってどういうことですの!」
 ぷんすこと憤慨するれいん。余計に可愛さが増している事には気づいていない。
「レインは立派なレディでしてよ、ふしゃしゃしゃ」
「その笑い声は果たしてレディに相応しいのか……?」
 呑気にツッコむ穹。
「あの女……絶対に財産目当てですね。しかも自分の幼児体型を利用して不穏な空気を作り上げるなんて、恐ろしい子……!」
 一方、同じ女であるからか、それともれいんの糸目から何やら底知れない野望を感じ取ったのか、パプリカは逃げるように部屋へと戻っていく。
「ところであなた、当主様の御子息でいらっしゃいますの?」
 れいんはれいんで、穹がパプリカへしてみせたのと同じ舐めるような視線を穹へ寄越して、品定めをしている。
「いや、俺は当主さんの知り合いさ……ま、あの人にとっちゃ、唯一の友人だった可能性もあるがね」
「左様でしたの」
 実は当主の息子をも毒牙にかけようと目論んでいたれいんだから、穹が当主の息子でないと知って、あからさまに落胆した。
(「せっかく、親子両方をうまうまと喰らう悪女ぶりを発揮したかったですのに、残念ですわー」)
 それでもすぐに気を取り直すと、ペットのけろちゃんをこっそり荷物の中から放して、毒殺の準備を進めるれいん。
「当主様は果たして、本当にご病気だったのかしらー」
 物憂げな幼女、もといかえる夫人が、雌ガエルと罵倒される時は近い。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドクター・パプリカ
マイン・ラクーン(一族の頭目・f07082)
魔黒・免次郎(フューチャーマグロタイム・f21734)
と一緒に参加ですっ!
叔父様(免次郎)と長男様(マイン)が罵り合っているところに部屋から出てきて、「でも私、知っているんです。マイン様は当主様が亡くなったあの日、屋敷に出入りしていました。本当はマイン様が遺産欲しさに当主様を殺したんじゃないんですか!?」と糾弾します。いいですよね洋館ミステリ、こういうの大好きです。人形に話しかけている叔母様には伏し目がちに悲しい顔で、「免次郎様、またそんな事を言って。もう、たけしさんなら昨日食べたでしょ?」と。あれ、なんか違いますねこれ。


マイン・ラクーン
魔黒・免次郎(フューチャーマグロタイム・f21734)
ドクター・パプリカ(ミス・カラーピーマン・f22377)
上記二名と参加
我は『ゲスい妻と一緒に帰ってきた長男』である。ゲスい妻役はユーベルコードの友に任せるのである。
妻「もう、辛気臭いったらないわ! こんな屋敷に連れてこられるなんて!」
我「まあ、もう少し待てよ! もうじきこの家の遺産は全部俺のもんだからよぉ!」
と言いながらゲハゲハ笑うのだ。
免次郎に対しては、
「何がたけしだよ! ボケやがってよぉ!」
とか言いながら日本人形を奪うのだ。
パプリカからは、主人殺害の嫌疑をかけられるので、
「う、うるせぇな! 知らねぇよ!」
と狼狽えた様子で自室へと戻るぞ。


魔黒・免次郎
ドクター・パプリカ(ミス・カラーピーマン・f22377)
マイン・ラクーン(一族の頭目・f07082)
と参加

遺産を相続するのは自分の息子だと主張する気の狂った叔父役で加わります。
赤褌一丁で溶けない冷凍マグロを頭に被り、日本人形の『たけし』を常に膝に抱えています。
「みんな何を言っている? 遺産の相続先はたけし意外にありえないだろう。なあたけし?」
「なんて汚いアライグマだ! そんなに心が汚れているからお父様を殺しても平気なんだろう!? お前もそう思うだろうたけし!」

最後は毒を飲んで血を吐きます
「たけし……何か言ってくれ、たけし……?」



●ミンクとアライグマとたけし
 続いてリビングに入ってきたのは、派手な身なりの2人連れ。
「ゲヘヘヘヘ、親父の死を嗅ぎつけたハイエナどもが、雁首揃えて集まってやがるぜ」
 アライグマの丸みを帯びた耳とふさふさの尻尾が可愛らしい、マイン・ラクーン(一族の頭目・f07082)である。
 彼女が演じるのは『ゲスい妻と一緒に帰ってきた長男』。
 そして、『おいでませ我が同胞』によって喚び出したアライグマキマイラの友人が、マインのゲスい妻役だそうな。
「もう、辛気臭いったらないわ! こんな屋敷に連れてこられるなんて!」
 ラクーン夫人になりきった友人が、ミンクらしきファーストールを派手に翻して大仰に喚く。
 この友人、毛皮に負けないボリュームのロングパーマのウィッグを被っていて、唇に引いた艶やかな紅いルージュもよく似合っている。
 線の細い美形のマインと並んでいると、まるで本物のカップルのように見えるが、性別は不明。
 マイン自ら——彼女の普段着からして男装の必要こそないとはいえ——長男役を選んだ上で、もし男の友人へ妻役を頼んだのだとしたら、役と実際の性別が逆転したなかなか奥の深い夫婦といえよう。
「酒でも飲まなきゃやってらんないわ。このブランデー、貰うわよ」
「まあ、もう少し待てよ! もうじきこの家の遺産は全部俺のもんだからよぉ!」
 妻を宥めて豪快にゲハゲハ笑っているマイン当人も、ろくでもないボンボンの雰囲気がよく出ていた。実に良い役者である。
「全部ね……」
 マインの決めつけへ、流石に穹が気色ばむ。
「ふしゃしゃしゃ、あれが当主様のご長男ですのね。小煩いBBAが邪魔だけれど、睡眠薬でもなんでも一服盛って黙らせれば……ふしゃしゃしゃしゃ」
 レインは長男のマインが待ち望んでいたイケメンだったので、物騒な事を呟いて色めき立った。
 すると、
「みんな何を言っている?」
 バーンとリビングの扉を勢いよく開けて、魔黒・免次郎(フューチャーマグロタイム・f21734)が話に割り込んできた。
「遺産の相続先はたけし以外にありえないだろう。なあたけし?」
 ずかずかと居間へ入ってきたこの免次郎、常に抱えた日本人形のたけしを息子だと思い込んで語りかけている『当主の気が触れた弟役』なのだが。
「……マグロ?」
「まぁまぁ赤褌一丁だなんて、豪気な殿方ですことー」
 そう。皆が口々にツッコむ通り、免次郎は溶けない冷凍マグロの頭を被れるようにした『マグロ面』なるヒーローマスクであり、しかも宿主は屈強な肉体を赤褌のみで包んだ中年と、はっきり言って日本人形の存在が霞んでしまうぐらいに元々のキャラが濃過ぎる御仁であった。
「何がたけしだよ! ボケやがってよぉ!」
 免次郎からすれば甥っ子のマインは、叔父の奇行に腹を立てたのか、膝に乗っていた日本人形を無理やり奪い取る。
「なんて汚いアライグマだ! そんなに心が汚れているからお父様を殺しても平気なんだろう!?」
 免次郎も命より大事なたけしをぞんざいに扱われた事へ激昂し、鬼気迫る表情でたけしを奪い返した。
「なっ、お前もそう思うだろうたけし!」
 どっかと椅子へ腰を下ろすやたけしへ頬ずりする免次郎。当然ながら日本人形は何も答えてくれない。
 そこへ、男2人の罵り合いを聞きつけたパプリカがやってきて、
「免次郎様、またそんな事を言って。もう、たけしさんなら昨日食べたでしょ?」
 そっと目を伏せた悲しい顔で妙な慰めをした。
(「あれ、なんか違いますねこれ」)
 言ってから首を傾げるパプリカ。
「……弟さんとやらが昨日息子のたけしを食べた……親子丼というやつか?」
「……でも叔父様はまだしも、たけし様はお人形でしょう。いくら悪女のレインでもお人形をうまうまとはいただけませんわ」
 あまりに大間違い過ぎて妙な憶測を呼んだのか、穹とレインがひそひそやっている。
「でも私、知っているんです」
 とりあえず気を取り直して、パプリカはマインへ向き直った。
「マイン様は当主様が亡くなったあの日、屋敷に出入りしていました。本当は、マイン様が遺産欲しさに当主様を殺したんじゃないんですか!?」
 まさしく家政婦は見ていたのだが、決定的な瞬間とは言えずせいぜい状況証拠ぐらいにしかならないのが、何とももどかしい。
 その反面、だからこそ傍から見れば、誰が当主を殺したか真犯人の推理し甲斐もあるというものだ。
(「いいですよね洋館ミステリ、こういうの大好きです」)
 と、糾弾したパプリカ自身も内心大変興奮している。
「う、うるせぇな! 知らねぇよ!」
 マインは面白いほど狼狽えて、リビングを飛び出し自室へ戻っていく。
「肝っ玉の小さい男……」
 夫を追うどころか心配すらせずに吐き捨てるラクーン夫人。
「やるなら上手くやりなさいよね」
 そう毒づく一方で、
「グフッ!!?」
 ラクーン夫人が飲もうとしていたブランデー——実際はそう見せかけた麦茶である——を勝手に煽った免次郎が、突如血を吐いて椅子から転げ落ちた。
「たけし……何か言ってくれ、たけし……?」
 床へ取り落としたたけしに向かって手を伸ばし、死んだ魚の眼を見開いたまま、動かなくなる免次郎。
 パプリカとラクーン夫人の悲鳴が響く。
「……とんだ雌ガエルだな」
 穹は眉ひとつ動かさないかえる夫人を見やって低く呻いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『カフェーのおまじないの噂』

POW   :    自身でおまじないを試し、何が起こるか確かめる

SPD   :    おまじないを実行した人に接触して手がかりを探す

WIZ   :    カフェーに魔術的な仕掛けなどが無いか調査する

👑11
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●幕開け
 ついに起こってしまった第一の殺人。
 屋敷へ集められた親族たちは、別段絶海の孤島という訳でもないのに逃げ帰らず、犯人の恐怖に怯えて一晩過ごす事になる。
 果たして犯人はどこの誰インなのか。
 本当に叔父はたけしを残して逝ってしまったのか。
 第一の殺人に乗じて、脅迫状の主が屋敷内に仕掛けた殺人トラップが今、親族たちに牙を剥く——!
 幻朧桜の散る頃に、生き残れた者は無し。

 ……という訳で、猟兵たちは、好き好きに相手を犯人だと疑ったり罵ったり勝手な推理を繰り広げながら、どんどん殺人トラップに引っかかって事切れる演技をしてほしい。
 底意地の悪い被害者が生や金に執着したまま絶命する演技——これまで濃厚な修羅場を演じてきた猟兵たちにとっては、さぞやり甲斐のある見せ場であろう。
 ただ、料理に一服盛られた毒殺にしろ、梁から刃物が降ってきたりソファから針が飛び出てくるにしろ、影朧は本気でこちらを殺しにかかってくる為、猟兵だから必ずしも無事とは言い切れない。
 念の為、本当に絶命してしまわぬよう一命を取り留める工夫が必要かもしれない。
涼風・穹
どうでもいいけど随分と遺産の相続権の優先順位が低い方から殺されたもんだな…
まあそこへいくと血縁関係のない俺には始めから相続権すらないんだけどな
……もっとも、そういう意味では内縁の妻や客観的に血縁を証明できない子供も法的には同じだろう
遺産相続人を指定した当主さんの遺言状でもない限りは、な
俺は遺産のお零れ程度で充分だし無理に争うつもりもない
少し寝てるからそっちで勝手に決めてくれ

その後、何故かそこにいる筈のない場所で槍に貫かれて絶命しています
……《贋作者》で作った槍で実際には刺さってはいませんけどね…
影朧も死んだ(と思っている)相手を殺しにはこないだろうし、これが本当の「殺られる前に殺れ」…なんてな



●風呂場からの悲鳴は定番です
 当主の弟の死体が転がるリビング。
「どうでもいいけど、随分と遺産の相続権の優先順位が低い方から殺されたもんだな……」
 女たちが青褪めた顔でガタガタ震えて度を失う中、涼風・穹は、冷静に今の状況の不自然さを分析してみせた。
 元よりけろちゃんで毒殺を計画していたかえる夫人が、すすすとわざとらしく視線を逸らす。
「まあそこへいくと血縁関係のない俺にははじめから相続権すらないんだけどな」
 果たして蒼眞が、第一の殺人が遺産目当てではない突発的な犯行だと察しているかは不明だが。
「……もっとも、そういう意味では内縁の妻や客観的に血縁を証明できない子どもも法的には同じだろう」
 それでいて、日陰の身のかえる夫人に加えて隠し子疑惑の色濃い家政婦ならば、遺産目当てだとしても弟を殺す動機はそれなりにある——と言外に匂わせた。
「遺産相続人を指定した当主さんの遺言状でもない限りは、な」
「わ、私は何も……!」
 家政婦がいかにも怯えた声を出す。
「俺は遺産のお零れ程度で充分だし、無理に争うつもりもない。少し寝てるからそっちで勝手に決めてくれ」
 穹はこんな非常時だというのに微塵も警戒心を見せず、むしろ寛いだ様子でひらひらと手を振りながらリビングを後にした。
「ねー、こういうのって、探偵小説とかだと下手に触ったら警察に怒られるわよね? 現場を荒らすなって」
 そして、彼と同じぐらい平常心を保っているのが、長男の妻。
「ええ……」
 家政婦が頷く。
「じゃ、私何もしなくていいわよね。お風呂入ってこようっと」
 流石のふてぶてしさを発揮して、妻もリビングを後にする。
 それぞれが部屋に戻った長男と穹、単身風呂場へ向かった長男の妻、リビングに残されたのは愛人と家政婦、そして弟の死体。
「…………」
 それぞれが遺産を巡って敵対しているだけあって、面白いぐらいバラバラに行動したものだ。
 正体不明の殺人者に対し、皆が支え合って生き延びようという気はこれっぽっちも無いらしい。
 むしろ、この機にもっとライバルの頭数が減ってくれたら——と皆が腹の底では願っているのかもしれない。
 家政婦がいかにもな洋館ミステリの展開に内心ゾクゾクしていた、その時。
「きゃぁぁぁぁぁ!!!」
 絹を裂くような悲鳴が洋館に響き渡った。
 皆が慌てて風呂場へ向かうと、そこには、
「えっ……!?」
 なんと、風呂桶の中で、穹が太い槍に腹を貫かれて絶命していた。
 ——勿論、この槍は彼が贋作者で作った精巧な偽物で、実際には刺さっていなかったりする。
(「影朧も死んだ相手を殺しにはこないだろうし、これが本当の『殺られる前に殺れ』……なんてな」)
 そう考えた穹は、殺人トラップを回避する為に敢えて自分から殺されてみせたのだった。
「お前……」
 駆けつけた長男が、一糸纏わぬ姿で死体に慄く妻を見て、声を震わせる。
「ち、違うわ、私じゃない! お風呂に入ろうと電気をつけたら、中に人影がいたからびっくりして」
 扉を開けたら既に死んでいたのだと、妻が狼狽えながら説明する。
 部屋に戻った筈の穹が何故風呂場で死んでいたのか。
 一体誰に殺されたのか。
 新たに増えてしまった被害者と謎へ、残された親族たちは戦慄する……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レイン・ドロップ
きゃー、犯人は誰インですの!? っていきなりネタバレ喰らってますの!
とにかく、疑心暗鬼に陥るきっかけは作りましたの
ぐふふ、後は砂のお城が崩れるように、めくるめく修羅場に突入ですわ!

そんな中、リビングにあったぶどうジュースで一人祝杯をあげますの
「あらあら、恐ろしいですのー。犯人は、ここに居る全員を殺すつもりなのかし……ゴフゥ!」
なんと、ジュースにいつの間にか毒が!
余裕ぶっていたら、真犯人に裏を掻かれたようですわー!

盛大に吐血して、白目を剥くかえる夫人
テレビ画面には、無情な「しばらくお待ちください」の文字……!
(その裏では、ユーベルジャックを使用して罠の相殺を行いますの)

「生き残るのです、わ……」



●悪女の最期
 さて。
(「きゃー、犯人は誰インですの!? っていきなりネタバレ喰らってますの!」)
 すっかり身も心も『かえる夫人』になりきったレイン・ドロップ(かえる夫人・f14853)は、密かに慌てふためいていた。
 それもそうだろう。本当はイケメンな当主の長男をうまうまと喰らうべく邪魔な妻を始末しようとしたところ、何故か当主の弟が毒を飲んでしまったのだから。
(「と、とにかく、疑心暗鬼に陥るきっかけは作りましたの……ぐふふ、後は砂のお城が崩れるように、めくるめく修羅場に突入ですわ!」)
 それでも、弟の死によって全員がすっかり疑心暗鬼に陥ったのは事実であり、加えて自分へ疑惑の眼差しを向けていた穹までもが、いつのまにか勝手に死んでくれた。
(「左様ですとも、レインの計画は順調ですわ。けろちゃんも手筈通りにブランデーへ毒を盛ってくれましたし」)
 調子に乗ったレインが、ワイングラスを手にぶどうジュースでひとりこっそり祝杯をあげたくなるのも、無理からぬ心境だろう。
「あらあら、恐ろしいですのー。犯人は、ここに居る全員を殺すつもりなのかし……」
 だが。
「ゴフゥ!」
 なんという皮肉だろうか、当主の弟に一服盛ったレインが、今度は真犯人もとい影朧から一服盛られるとは。
「ゲッ……コッ……余裕ぶっていたら、真犯人に裏を掻かれたようですわー!」
 盛大に血を吐き散らかし、白目を剥いてぶっ倒れるかえる夫人。
 その白目を剥いた表情が余りに恐ろしいせいか、顔のテレビ画面はすぐ、『しばらくお待ちください』の無情なテロップが流れる、綺麗な花畑の画面へ切り替わった。
 ちなみに、しばらくお待ちくださいの文言が示す通り、彼女の体内ではユーベルジャックが発動。
 影朧によるユーベルコードの防御——即ち毒の中和が行われているようだ。
「生き残るのです、わ……」
 レインはかえる夫人の最期を演じ切ってみせようと、必死の形相もといお花畑画面で床を掻き毟りながら、絶命するフリをした。
 迫真の演技とテレビ画面の剥離っぷりが、場の混迷具合をよく表している。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マイン・ラクーン
「ぬわーーーっ」
マインの絶叫が、館の中にこだまする!
マインは死んでいた!
屋敷の庭、見事な枯山水の真中で、刀に刺されて死んでいたのだ。
奇妙な点は一つ――枯山水には一切の乱れなく、何者の足跡も残っていないという事!
枯山水を汚さずにマインを殺すことは出来ない! にもかかわらず行われた殺人……そう、これは不可能犯罪ッ! 果たして犯人は誰インなのかッ!

と、此処でネタばらし。これは実は綿密に計画された自殺である。これには恐ろしいトリックがあるのですが、文字数が限界なので記すことができません。残念。

それから妻役のアライグマはギャラをもらったので帰りました。猟兵じゃないから、刺されたら死んじゃうからね。


ドクター・パプリカ
前回までのあらすじ!
免次郎は死んだ!ついでにひろしも死んでいた!スケジュールの急な変更で打ち合わせができなくなったからだが、これもきっとどこかの誰インの仕業に違いない!!
というわけでふたりでの合わせプレイングなわけですが、大変です!確認したところ、電話線は切られて四方は崖に囲まれてて吊橋は軒並み切り落とされていて嵐で警察はあと5年は来られないとのことです!こんなことをひとりでやってのけるだなんて犯人の誰インさんはなんてがんばりやさんなのでしょう!
そんな事を言っていたらマイン様の叫び声が!ふふん私にはこのトリックが分かりましおやこのボタンはなんでしょうポチッとなうわ歯車が私の身体をあーれーー!!



●一家全滅
「ずっと部屋にいらしたマイン様の為に前回までのあらすじ! 免次郎は死んだ! ついでにたけしも死んでいた!」
 パプリカが今までに起こった事を身振り手振りを交えて説明するのを聞きながら、マインがかえる夫人と叔父&たけしの転がったリビングを見渡す。
「ここと風呂場と合わせて、後2人ぐらい死体が増えてるな……生き残ったのは俺たちだけかよ……」
 流石にこの異常事態では金の事ばかりも言ってられず、頭を抱えるマイン。
 ちなみにラクーン夫人役の友人は、たんまりギャラをいただいて帰っていったそうな。
 彼女は猟兵ではない為、もし殺人トラップにかかって刺されでもしたら大変非常に危険が危ないので、当然の成り行きである。
「これもきっとどこかの誰インの仕業に違いありません!!」
 パプリカは拳を握って力説するも、
「そのどこかの誰インさんも殺られてるじゃねーか」
 マインが至極もっともなツッコミを入れた。
 そして、パプリカは家政婦らしく率先して雑事を担当——警察へ電話しようと廊下へ出る。
 何分、ここは終わらない大正時代サクラミラージュ、電話も廊下に備えつけられた黒電話がせいぜいなのだ。
 パプリカが戻ってきたのは十数分後。
「大変です! 今確認したところ、電話線は切られて四方は崖に囲まれてて吊橋は軒並み切り落とされていて、しかも外は酷い嵐で警察はあと5年は来られないとのことです!」
 と、扉を開けるなり大変都合良く構築されたクローズドサークルについて説明してみせた。
 流石洋館ミステリへ傾倒してるだけの事はあるが、5年来られない警察とはこれ如何に。もはや死体が腐乱通り越して白骨化しそうである。
「こんなことをひとりでやってのけるだなんて犯人の誰インさんはなんてがんばりやさんなのでしょう!」
 予想もつかない脱出不可な展開にパニクっているのか、何故か犯人を褒め称えるパプリカ。
 確かに単独で警察の干渉を向こう5年跳ねのけたのなら、是非はともあれ感嘆する気持ちもよく判る。
「あれっ……マイン様?」
 ここで、ようやくパプリカはマインの姿がリビングから消えている事に気づいた。
「ぬわーーーっ」
 その刹那、マインのものと思われる絶叫が館中にこだまする。
 慌ててポーチから庭へ回り込むパプリカだが、既にマインは死んでいた。
「そんな、マイン様まで……!!」
 屋敷の庭、見事な枯山水のド真中で、刀に刺されて死んでいたのだ。
 これだけならただの他殺に思えるかもしれないが、現場には奇妙な点があった。
 枯山水を構成する砂紋から庭石、飛石、石灯篭に至るまでどれも一切乱れがなく、何者の足跡も残っていなかったのだ。
 石への足跡を残さないだけならまだしも、生身の人間が枯山水の顔でもある砂紋を汚さずにマインを殺すことなど、到底出来はしない。 
(「にもかかわらず行われた殺人……そう、これは不可能犯罪ッ!」)
 ——果たして犯人は誰インなのかッ!
 またも内心盛り上がるパプリカ。
 しかし彼女は知らなかった。
 マイン殺人事件の真相は、実のところ綿密に計画された自殺であるという事を。
 勿論本当には死んでいないマイン曰く、恐ろしいトリックを用いたらしいが、残念ながらトリック解明へ費やす時間もついでに死人ゆえ口もなかった。
「ふふん私にはこのトリックが分かりましおやこのボタンはなんでしょうポチッとな」
 それでもミステリの探偵よろしく推理を始めようとしたパプリカは、ふと、つくばいの縁についた赤いボタンが気になって、何も考えずに押してしまう。
「うわ歯車が私の身体をあーれーー!!」
 そして、当然ながら真犯人による通算第5の被害者と相成ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『影竜』

POW   :    伏竜黒槍撃
【影竜の視線】が命中した対象に対し、高威力高命中の【対象の足元の影から伸びる黒い槍】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    影竜分身
【もう1体の新たな影竜】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    影界侵食
自身からレベルm半径内の無機物を【生命を侵食する影】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●黒幕登場
 屋敷内が静寂に包まれて数分。
「…………」
 リビング、風呂場、庭の枯山水と、本当に被害者が事切れているのかを確認するかのように徘徊する黒い影がいた。
 影朧『影竜』である。
 影竜は、床へ落ちたブランデーのグラスやたけし、ご主人様が動かなくなって不安そうなけろちゃん、風呂場や庭の奇妙な遺体を眺め眇めつするだけで、新たに暴れようとする気配はない。
 それだけ、皆が本当に死んだものと信じきって独り悦に入っているのかもしれない。
 さて、この影竜を今から猟兵たちで袋叩きにするわけだが。
 いかに非道な行いを企てたオブリビオンだとしても、こうして殺人を未然に防げた上、相手は影朧ともなれば、郷に入りては郷に従え。
 影竜の荒ぶる魂と肉体を鎮めてからやっつけて、転生の可能性に繋げてあげてほしい。
 もし、あなたがこの屋敷で既に絶命している死体なら。
 ゾンビのごとく蘇って、それこそオブリビオンや影朧になりきりつつ、影竜を遺産目当ての邪魔者として襲いかかると良い。
 死しても遺産への執着衰えぬ醜悪な根性を丸出しにすれば、影竜はきっと心平らかに転生するに違いない。
 元より、『血で血を洗う醜い争いを起こしてくれればそれで満足』とばかりに脅迫状をばら撒いた奴なのだから。
 もし、あなたが一家惨殺の報を後から聞いて駆けつけた生身の人間であるならば。
 影竜を連続殺人事件の犯人として、その非道さをどんどん糾弾するのもアリだろう。
 影竜が見たいのは人間の醜悪さ。
 例えそれが自分の事であっても、他人に言葉にしてもらえれば自分が稀代の凶悪犯になったつもりでまたある種の満足感を得て、転生の糧になるかもしれない。
 ともあれ、影竜をできれば転生の望みを残しつつ討伐して欲しい。
魔黒・免次郎
影竜がよそに意識を向けている間、後ろでぐいーんと起き上がる。
毒の涎を垂らすマグロを右手に、力尽きたたけしを左手に。
憎しみの連鎖によって死した免次郎の報復が今始まる!
「我はマグロマン。遺産争いの犠牲となった免次郎とたけしの遺志を継ぐもの。
 笑顔の守護者にして――遺産の守護者である!」

「貴様……今、シリアスになったな?」

マグロ面を九倍に増やし口のあのなんだその尖ったトコで影竜を襲う。
だが影竜が一体だけでないことは承知の上。
私もまた一人では無い!
ゆけたけしよ! その力を影竜二号に思い知らせ――ソォイ!!(必殺たけしクラッシュをくらえ)



●マグロマン再び
 ひっそりとした静寂を取り戻した洋館。
 影竜がかえる夫人の顔をまじまじと覗き込んで、果たしてこれは遺体なのか、放送事故のお花畑画面が続いている蛙型テレビなのかと首を傾げていた時。
 その後ろでぐいーんと起き上がった人物がいた。
 第一の被害者、魔黒・免次郎である。
 毒の涎を垂らすマグロを右手に、力尽きたたけしを左手に、憎しみの連鎖によって死した免次郎の報復が、今始まる!
 連鎖どころか殺した犯人は影竜でなくかえる夫人、しかも免次郎は憎まれて殺されたのですらなくラクーン夫人へ向けて盛られた毒を誤って飲んだに過ぎない——などとツッコんではいけない。
「我はマグロマン。遺産争いの犠牲となった免次郎とたけしの遺志を継ぐもの」
 また、たけしは床に落ちる前からずっと力尽きているだろうという事にも触れてはいけない、多分。
「笑顔の守護者にして――遺産の守護者である!」
「遺産の守護者だと……?」
 ここで初めて影竜が口を開いた。
 自分を差し置いて遺産の守護者を名乗るなど、とブチ切れた訳ではなく、むしろ守護者を名乗るぐらい遺産を独り占めしたいのか、という興味故である。
「貴様……今、シリアスになったな?」
 おかげで影竜の魂が幾ばくか鎮まりつつあるのへ気づいているのかいないのか、免次郎もといマグロマンが勝ち誇った顔で襲いかかる。
 冷凍マグロの頭であるマグロ面を殺戮刃物に見立てて攻撃回数を9倍に増やし、鋭く尖った上顎をまるでフェンシングの剣のように突き出して、影竜の胴体をブスブス刺し貫いたのだ。
 それにしても、マグロ面のマグロは上顎の鋭さや長さから察するにカジキマグロだったのだろうか。ますます謎の深まるヒーローマスクである。
「だが影竜が一体だけでないことは承知の上。私もまた一人では無い!」
 マグロマンは影竜が分身するのもお見通しとばかりに、必殺たけしクラッシュを意気揚々と放つ。
「ゆけたけしよ! その力を影竜二号に思い知らせ――ソォイ!!」
 ごちーーん!!
 たけしも主の意思に忠実に影竜の分身体へ頭からぶち当たって、決して少なくないダメージを与えた。
 ついでに、分身と衝突する事で自分も打撲を負った為、九死殺戮刃のデメリットである術者の寿命減少を防いだ。
 大変よく働く日本人形である。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドクター・パプリカ
よくもたけしさんを! 影朧許すまじ!
たけしさんが殺されたことへの怒りが肉体を凌駕して蘇りました。そういうあれです。強敵を前にして盛り上がるやつです。
たけしさんの弔いのため、この影朧は絶対に倒さねばならないのです。免次郎さんよりたけしさんを受け取り、びったんびったんで振り回して影朧にたけしさんを何度も叩きつけます。
たけしさんの、無念をしれーーーーー!!
そのうち叩きつけているたけしさんがひん曲がって変な方を向き始めるかもしれませんがそれはそれ。たけしさんの恨みを晴らすための尊い犠牲です。
何度も叩きつけているとすっぽぬけてたけしさんがマイン様の方に飛んでいくかもしれませんがそれもそれ。


マイン・ラクーン
マグロが戦っている隙をついて登場します。
「おお……なんとおそろしい。これが人間の本質であるのか! お前たちの血は何色だ!」
と、適当な事を言いながら、今回の殺人事件を総括します。

さて戦闘ですが、敵は視線が当たったものに攻撃をしてくる――と、マインの足元にはたけしが転がってます。
たけし! 己の身を挺して我を守ってくれるのか!(たけしで視線を避けて反撃します。
食らうがいい、我が一族直伝の拘束地雷――そして一族の群れを!
これはたけしの分! それもたけしの分! あれもたけしの分! そしてこれが! たけしの分だーッ!
たけし――終わったよ(我の攻撃が
そしてたけしは違う誰かの下へと転がっていくかもしれません。



●たけし・その生と死
 マグロマンとたけしが影竜たちと戦い始めてから程なくして。
「よくもたけしさんを! 影朧許すまじ!」
 つくばいのトラップによる歯車にアレされていたドクター・パプリカが、廊下から飛び込んできた。
 本人曰く、たけしを殺された怒りによって魂が
肉体を凌駕して蘇ったとのこと。
 いかにも強敵との戦いの最中で盛り上がる展開だが、どこの地獄の三つ首番犬だとかツッコんではいけない。
「たけしさんの弔いのため、この影朧は絶対に倒さねばならないのです! さあ、たけしさん、私に力を貸してください……!」
 弔い合戦に燃えるパプリカは、必殺たけしクラッシュを終えたたけしを拾い上げるや、景気良くぶん回して影朧へびったんびったんと叩きつける。
「たけしさんの、無念をしれーーーーー!!」
 ただでさえ『必殺たけしクラッシュ』の名の通り、既に壊れ気味のたけしを叩きつけているからには、次第にたけしの手足や頭がひん曲がって変な方を向き始めるのも道理である。
 だが、パプリカに言わせるとそれはそれこれはこれ。
「たけしさんの恨みを晴らすための尊い犠牲です!」
 との事。健康の為には病も厭わぬ論理である。
 すぽーーーん!
 果たしてそんな扱いに嫌気がさしたたけしの意思か、何度もぶっ叩かれているうちに日本人形はパプリカの手からすっぽ抜けた。
 一方。
「おお……なんとおそろしい。これが人間の本質であるのか! お前たちの血は何色だ!」
 枯山水で偽装自殺していたマイン・ラクーンも、重々しい言い回しで適当な事を嘆きながら華麗に舞い戻ってきた。
「まさか親父の愛人が我に横恋慕して愛する妻を排除しようとする一方、別の愛人の隠し子はその素性がバレるのを恐れて親父の友を殺すとはな……そして隠し子は妻を失った我と遺産の相続権をかけ引くに引けぬ度胸試しを決行して共倒れよ……」
 せいぜい影竜が喜ぶように今回の殺人事件を後半適当にでっち上げつつ、どうすれば伏竜黒槍撃の初撃を外させる事ができるか——考えを巡らせるマイン。
 すると、絶妙なタイミングでマインの足元へ日本人形がごつんと落ちてきた。
「たけし! 己の身を挺して我を守ってくれるのか!」
 すかさずマインは掴んだたけしを影竜の顔へ近づけて、黒い槍による刺突をすんでのところで回避。
 真下からユーベルコード製の黒い槍で串刺しにされたたけしの見た目がエラい事になっているが気にしてはいけない。
「食らうがいい、我が一族直伝の拘束地雷――そして一族の群れを!」
 マインは自分から盾にしておきながらも、無残なたけしの姿を見て激昂、拘束地雷を影竜へと取りつかせた。
「これはたけしの分! それもたけしの分! あれもたけしの分! そしてこれが! たけしの分だーッ!」
 マインが熱く叫ぶ度に、影竜をアライグマ一族の鋭い牙や爪が襲う。
「たけし――終わったよ」
 影竜をズタズタに引っ掻き倒した一族を眺めて、まるで全てが終わったかのように呟くマイン。
 だが、あくまでも終わったのはマインの攻撃だけで、その手を離れて再び床に落ちたたけしは、コロコロ転がっていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

涼風・穹
俺としては槍で貫かれて血を流すよりは、可愛い女の子を布団の上で貫いて血を流させたいんだがな…

ま、他人の命よりも金、って部分には同意するさ
命は大切、とは言うけどこの世で最も値引きが効くのも命だからな
……否定するのは勝手だけど、自分や近しい人間の命と比べて他人の命が等価だというのならそっちの方がおかしいと思うぞ
見ず知らずの人間、邪魔者、自分の敵…
そんな相手と自分の命とを天秤にかけるとしたならどうだ…?

ただの欲にまみれた悪党のくせに自己正当化はみっともないぞ
楽しかっただろう…?
なぁ、当主さん…

死体から白い仮面が浮かび上がり…マスカレイドと化して黄泉がえり、影竜を斬ります
またも《贋作者》での演出ですな



●命の価値
 他方。
「俺としては槍で貫かれて血を流すよりは、可愛い女の子を布団の上で貫いて血を流させたいんだがな……」
 よくよく考えると結構危ない嗜好だと判る涼風・穹の声が、例の風呂場の中から反響と共に響いてきた。
 女好きな当主の友人としての演技だと思いたい。
「ま、他人の命よりも金、って部分には同意するさ。命は大切、とは言うけどこの世で最も値引きが効くのも命だからな」
 影竜は穹のドライながら人の世の真理を突いている演説に気を取られて風呂場へ一目散に向かう。
「……否定するのは勝手だけど、自分や近しい人間の命と比べて他人の命が等価だというのならそっちの方がおかしいと思うぞ」
 穹に果たしてそのつもりがあったのかは不明だが、日頃人々が目を逸らしている利己心というには当たり前過ぎる本能を躊躇なく曝け出していくその弁舌へ、どれだけ影竜の荒ぶる心が癒されただろうか。
 汚いのは自分たちだけではない。誰だって己が一番可愛いからこそ、時には残酷かつ非常にも思える決断ができるのだ——と。
「見ず知らずの人間、邪魔者、自分の敵……そんな相手と自分の命とを天秤にかけるとしたならどうだ……?」
 それは当然自分の命だろう、と内心頷きながら、風呂場の開きっ放しの扉から中を覗く影竜。
「ただの欲にまみれた悪党のくせに自己正当化はみっともないぞ」
 すると、死体の顔面へ白い仮面が浮かび上がると同時に、穹だった者がふらふらと立ち上がった。
 そう。棘の憑依した拒絶体と化して黄泉がえったのだ。
 ——勿論、白い仮面は『贋作者』による演出であり、穹はハナっから死んではいないのだが。
「楽しかっただろう……? なぁ、当主さん……」
 影竜の正体を病没した当主という事にしてか、手にした風牙で斬りつける穹。
 影竜とその分身体も一斉に襲いかかるが、奴らが噛みつくより一瞬早く、鋭い切断音と閃光が疾った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レイン・ドロップ
あの影が、この悲劇の連鎖を生み出した張本人……!
毒殺? 何のことですの?
黒幕を前に、今まで敵対していた人々が手を組むのはお約束ですの!
ついでにいい人っぽくなったりして、全ての罪を黒幕になすりつけるのですわー
ぐへへ、人間の醜悪さを思い知るが良いですのー!

お花畑の画面がぱっと切り替わり、そこに浮かぶのは愛らしい笑顔
「ふしゃしゃしゃ、かえる夫人、華麗に復活ですわ!」
心配してくれたけろちゃんをそっと労わりつつ
威厳たっぷりにガジェットショータイムの始まりですの!

有効な形は、たけし! 貴方ですの!
遺産を受け取るのは、貴方こそふさわしいですのー!
分身共々、転がってきたたけしと一緒にぼっこぼこにしますのよ!



●相続人決定
 さて、マグロマンやマインが復活し、パプリカは凌駕して穹は黄泉がえった。
「あの影が、この悲劇の連鎖を生み出した張本人……!」
 となれば、かえる夫人ことレイン・ドロップも蘇生してこないハズがない。
「毒殺? 何のことですの?」
 自分がラクーン夫人への狙いを外して免次郎を手にかけた事など、すっかり忘れた様子で空とぼけるあたり、悪女の風格は健在である。
「黒幕を前に、今まで敵対していた人々が手を組むのはお約束ですの!」
 それでいて、影竜に対してマグロマン、マイン、パプリカ、穹が集中攻撃を仕掛けたのを団結と称するのも、流石は昼ドラ好き——否、少年向けバトル漫画も嗜むのかもしれない。
「ついでにいい人っぽくなったりして、全ての罪を黒幕になすりつけるのですわー」
 この辺はやはり昼ドラやミステリ好きで正しいだろうが。
「ぐへへ、人間の醜悪さを思い知るが良いですのー!」
 ともあれ、かえる夫人の本性丸出しといった秀逸な演技——という事にしておこう——でゲヘゲヘ笑うレイン。
 すると、ずっとお花畑だった画面がぱっと切り替わり、やたら愛らしい笑顔が浮かんだ。
「ふしゃしゃしゃ、かえる夫人、華麗に復活ですわ!」
 影竜へ堂々たる物言いで啖呵を切る傍ら、心配してくれたけろちゃんをそっと労わるところに、レインの優しさが窺える。
「有効な形は、たけし! 貴方ですの!」
 そして、威厳たっぷりに言い放つや、ガジェット召喚——もとい転がってきたたけしを拾い上げた。
「遺産を受け取るのは、貴方こそふさわしいですのー!」
 そこからはレインの独壇場。
 影竜はレインの笑顔に気圧されてか、彼女の言うところによると『たけしと一緒にぼっこぼこに』されていた。
 この『たけしと一緒に』が果たしてどちらの意味なのか考えてはいけない。
 ——否、先のパプリカの例のように、たけしはレインの手の中で『共に影竜をぼっこぼこにする立場』でありながら、その打突の衝撃によって結局『たけし自身もぼっこぼこに』なってしまった。
 つまりは『たけしと一緒に』をどちら側の意味に取っても、結果との辻褄は合っている。
「……もし……生まれ変われたら」
 たけしに……なりたい。
 レインの攻撃が致命傷になったのだろう、影竜は、謎の言葉を残して消滅した。
 傷つき虐げられた者らの過去から生まれた影朧ゆえに、死してなお皆から愛されているたけしに、何かしら素直な憧れを抱いたのかもしれない。
 もしかすると、たけしへ理想の自分を投影して、ささくれ立っていた気持ちが満足したのかもしれない。
 かくて、豪奢な洋館で起きた連続殺人事件のお芝居は、真犯人の消滅をもって解決を見た。
 消えた影竜が他の影朧の例に洩れず、いつか転生する事を願うばかりである。
 ところで、あくまで皆は親族に成り代わっていただけな為、実際に当主の遺産が猟兵たちへ転がり込んでくる事はないのだが、もしこの中から遺産相続人を1人決めるとしたら。
 きっと皆、口を揃えて言うだろう。
 影竜戦で身を削って死闘を演じたたけしこそ、遺産を受け取るに相応しい……と。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年10月10日


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#サクラミラージュ


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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト