アンダーグラウンド・マーケット
●マーケット
大規模な会場で年に数度行われる創作界隈の大祭がある。いや、それは祭りと言う生易しい物ではない。事前に打ち合わたメンバーで、複数人で宿の一室を借り、徒党を組むパーティプレイ。熟練者達から指示が下る、警備が敷かれ、厳重な警戒にも関わらず、交代制で徹夜を観光する新米、参加側への優遇の為、創作物を持ち込まず、空しく椅子のみを立て、陣地を独占する空打ち屋。
そこにある富の為に、参加者達があらゆる手を尽くし、ボランティアスタッフはやがて恭順し、不吉な笑みを零す。
その無駄な努力を評価しよう。この戦場で君達はルールを破る恥知らずだ。ローグ共め。その執念深き欲望が、我々にとって最大の愉悦であることを知らない愚者共め。
そうして、夜明けが過ぎた先、警備員の誘導と共に、何千という兵が足音を鳴らし、一斉に進軍する。
「これより、イベントを開催致します」
そこに雄叫びは無い。しかし、むせ返るような熱気、規則正しい足音、朝陽、無機質な建材、ほんの僅かな電子機器によるディスプレイの光輝があちこちで明滅する。
会場に入れば、警備員に咎められぬ程度の足早な歩行速度で、チェックした陣地を余すこと無く回りきるため、決めたルートを徘徊し、スムーズに金銭を渡す。対面の所持物、身のこなしから、ぶつからぬよう身を躱すのが推奨され、覚束ない足取りをしていれば、新米と見破られ、冷めた視線で威嚇される。
一週間の半分にも満たないこの祭典を、彼等は満喫していた。会場から、その極々一部の人々が消えるまでは。
●グリモアベース
「UDCアースで事件が起こるみたいじゃけー、皆に解決を依頼するな」
UDCアースは比較的平和だが、人々はUDCという組織の名の下、長年に渡ってオブリビオンに抵抗しており、この組織は猟兵へのバックアップを惜しまない、と海神・鎮(ヤドリガミ・f01026)はかいつまんで、UDCアースについて説明を行う。
「慣れてねえ人も居るじゃろうし、詳しくは今回の事件概要と一緒に資料で配るけ-、順に見て行ってな」
言いながら、文字で纏められた書類を猟兵に配る。配り終えてから、一息と言った様子で、緑茶を口にした。
「本題に移るな。猟兵には創作好きな人等も多いと思うけー、よう知っとる人は知っとると思うんじゃけど、大規模な個人創作イベントがオブリビオンに狙われとるみてえじゃな。内容は、この会場に居る人等の一部が、イベント中に行方不明になる。原因は分からんが、対象はどうも、その場で日常を満喫しとる人等らしい。つまりじゃな」
猟兵には、このイベントを、その会場に居る誰よりも満喫して欲しいということだ。
「創作分類は問わんらしい。期間は4日じゃが、日毎に規定があるんか? 規則やルールは多分、儂より詳しい人の方が多いじゃろ。適した印刷屋なんかは一応、UDCの人等に頼んで上げて貰うたし、サークル……でええんかな。その参加枠もどうにかしてくれるけー、ブース出す人は安心してな」
もし、良い配置を得たい場合は予め、その場所を取る予定のサークルに実力があることを見せ、交渉をするなど、良く考えるべきだろう。
「買い手で楽しむ場合は、まあ買いてえ物の概要を抑えとかんとな」
あらゆるジャンル、あらゆる創作物が並ぶだろう。何を基準に買うかは君達に委ねられている。
「ええと、衣服を会場内で着替えて楽しむ遊びもあるんじゃったか。後、これは飽くまで交流会とも言っとるよなあ」
撮影、コスプレをするならば、一層マナーには気を遣うべきだろう。このイベントは売買の体を取った交流会でもある。売買自体は少なくても、同好の士と語り合ったり、休憩時間に休憩スペースでゲームをする様な出会いも、イベントの魅力の一つだ。
「色々規則は有ると思うけど、まあまずは兎に角、気楽に楽しんで。ホテルとか必要な物あったら、こっちでUDCの人等と交渉して、どうにかするけーな」
そう言って、鎮は猟兵達を送る準備をし始めた。
紫
紫と申します。
ちょっと大変なシナリオかもしれません。
●シナリオについて
・1章の目的は【日常を誰よりも満喫すること】です。
・PSWの能力値はあまり気にせず、ユーベルコードを利用したり、好きな行動をプレイングに書いて構いません。
・シナリオ期間
4日となっております。全て行動しても良いですし、どれかに絞っても構いません。ホテルは人数分手配してくれます。
・創作について
創作期間にも制限はありません。この日の為に○ヶ月前から用意してきた! 1週間前から準備していた! 他にも、時間操作UCでなんとかした! 何でも通ります)
●その他
なるべく出来る限り、頑張ってシナリオを運営したいと思っております。
宜しくお願い致します。
第1章 日常
『オタクの祭典』
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POW : 目当てのサークルや企業ブースに並び根気で目的の物をGETだぜ!
SPD : サークルで参加し己の熱意を詰め込んだ創作物や同人誌を頒布する
WIZ : コスプレ会場で撮影したりコスプレしたり
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シーザー・ゴールドマン
【WIZ】【ステラと】
『グリゴリの流転』
不可視の悪魔を呼び出し、ステラが呼び出した囮となる人型悪魔を監視。
敵の接触、その後の追跡を担当。
シーザー自身はステラを伴ってのんびりとイベントを見て回る。
創作物自体にはあまり興味がないが、それに夢中になる人間には興味がある模様。
適当に金も落とします。
不可視の悪魔と五感を共有しているので一日二日楽しんで敵の反応がなければ後はホテルでのんびりとしているかもしてません。
「この様な祭りに目をつける、オブリビオン。
どの様な存在なのかなかなか楽しみだね」
アドリブ◎
ステラ・リデル
【SPD】【シーザーと】
『悪魔召喚Ⅱ』
普段からこの世界に溶け込んでいてかつ創作活動に熱意を持つ人型悪魔を3体、召喚。
(十代から二十代に見える男女3人、彼等はサークルとして参加)
彼等はこんなこともあろうかと……ではなく、普通に数ヵ月前から同人誌を作成していた。自由時間に何をしようが自由なのである。
彼等の態度はステラ→優しい上司 シーザー→畏怖する王
「今回の任務はイベントを精一杯楽しむことです。
敵が接触した場合、一般人として振舞って下さい」
囮を人にしか見えない悪魔達に任せて、自身はシーザーのお供を満喫します。
アドリブ◎
●準備(悪魔達の日常)
Urbs novum管理下の悪魔達は警備と訓練の合間、自由時間に、皆それぞれ好きに羽根を伸ばす。皆それぞれ、趣味くらいはあるのだ。中でも、風変わりな3人組が居た。
「つまり、また外出許可が欲しいと……構いませんが、最近少し多くはありませんか?」
ステラ・リデル(ウルブス・ノウムの管理者・f13273)は、軽く目を閉じてから、額に手を当てる。理由を聞くと、3人とも少しばつの悪そうな顔を見せた。どうも、己の趣味はひけらかすような物でもないと、恥じている様子だった。察したステラはふう、と一つ溜息を吐く。
「……分かりました。もし、暫く続くようであれば、都度許可を取るのではなく、スケジュールを此方に渡して下さい。良いですね?」
理由を聞かず許してくれた彼女に、少しオーバーな礼と共に三人組は世界を後にし、UDCアースへと向かう。3人の目的は買い物と、とある制作物の準備だった。あの世界では、あまりこういった事に没頭できない。仲間内で噂が広まれば何を言われても、仕方がないのだ。褒められた趣味ではない。悪魔が悪魔である故に、そして、皆が軍人である故に。
「二次元に熱上げてるなんて、まず悪魔として終わってるんだよなあ……」
「好きな物は好きだから、しょうがないんだけどねえ」
「姉さん、あの作品好きだったの?」
「どうだったかしら、もう随分と古いしねえ。でも、可愛い子が絡んでるのは正義じゃない?」
「その感覚を異性に求めないで下さい。可愛いのは正義ですけど。俺も百合とか好きですけど。あれ……姉さん、両刀だっけ?」
「そうねえ、可愛ければ何でも良い所はあるわ。そう言えば、ステラ様も可愛いわよね。あれで何だかんだ、優しいし」
2人がその評価に最もだと、2度頷いた。
「さて、買い物終わったら本腰入れるわよー」
んーっと大きく伸びをする。2人はそれを待ってから、歩き出した。
「何を題材にします? 俺達はアシスタントみたいなモンですが」
「そうねえ、いつもはエグいの描いてるけど、今回、何でか嫌な予感がするのよ」
「出たよ……じゃあ健全ですか。オリジナルにします?」
「日常もいいわよねえ。私達、あんまり経験ないし、憧れるわあ」
「非日常が日常ですからねえ。となると、サイトのオリキャラですかねえ」
擬態しているとは言え、悪魔としてどうなのかという会話は続く。欲望に素直なのが辛うじて、3人が悪魔であることを証明していた。買い物とは主に漫画やアニメDVD、ライトノベルや玩具、資料集、付随して編集用の物資やパーソナルコンピュータの部品、食材に、手軽に食べれる既製品だ。
姉さんと呼ばれた悪魔はとある建物の一室で、黙々とPCと向かい合い、ペンタブレットを滑らせながら、時折、マウスとキーボードに触れ、専用ソフトをこなれた手付きで操作する。コマ割り、アタリを終え、本格的に人物を描き込んでいく。
「ベタ、背景、トーン、お願いね」
「はいよっと」
2人も資料等と見比べながら、慣れた様子で指定した作業をこなす。進捗は予定通りだ。時折茶を入れ、5分程度の休息を取り、自由時間はすぐに過ぎていく。
「休暇……取れるかしら?」
「流石にそれは無理でしょう、俺達、サークル参加に全振りしてますしね。無理ですよ」
「そうよねえ……このペースならまあ、間に合いはするんだけど」
後日、サークル参加の当選が送られて来た日には、3人はやけに気合を入れて仕事をした様だ。付いて来た優待券を、然程興味も無いであろう事は分かった上で、ステラに渡す。これは恒例の事だった。
「時期はいつも一緒なのですが……」
どういったイベントなのだろうと、この時だけは何故か興味が湧いた。
●偶然(2人の場合)
「ああ、ええと……」
ボイス・レコードと共に、配られた資料へ改めて目を通す。イベント名を我ながら驚いたような表情で確認し、日付と日程も合致した事が決定打となった。数ヶ月前に優待券を受け取ったこと、丁度それを渡してきた3人組がいつも通り、少しだけ疲弊した様子で、休暇申請をして来たこと。恒例になっていたあの行動は、イベントの為だったのかと、ステラは得心した。
「妙な偶然も……いえ、聞いた所、人が多く、欲望が渦巻いているのですから、狙われるのも当然、と言った所でしょうか……?」
「事件に何か、心当たりがあったのかな?」
通りかかったシーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)にステラはハッとしてから、事実のみを伝える。
「先日というには、随分前ですが……このイベントの優待券らしき物を頂きまして……何時もは持て余してしまうのですが」
「ふむ。部下の中に、詳しい者が居るのかな」
「はい。恐らく参加するつもりでしょう。人間への擬態にも優れています、囮には適任かと……」
「では、そうしよう。私は監視者を手配すれば良いわけだ」
「そうして頂けると、助かりますね」
「それで、ステラ。君の手元には幸運な事に、優待券がある」
「はい」
「ならば、見て回るというのはどうかな? 参加する彼等も、その方が都合が良いだろう」
嬉しいのだが、誘われるならもう少し、別の場所が良かったと、青の双眸が一瞬、虚空を惑う。
「はい」
嬉しいだけに余計、口惜しかった。
●イベント前日
前日の夜、三人はホテルで召喚され、休暇が無効となり、イベント参加が囮捜査という任務に変わったことを伝えられた。シーザーも居る手前、立ち居振る舞いはステラ一人と接する時と比べ、非常に堅苦しい、軍人のものだった。告げられた命令を、喜んで引き受けると、3人は手配されたホテルの一室へと通された。
「彼等の参加サークルには訪れるとして、他は……」
日程と参加サークルを見合わせ、主にミリタリー、オカルト、その他と言ったジャンルに照準を合わせ、良さそうなサークルを見繕う。
「後は、見て回ってみましょうか」
「面白そうな所はあったかな?」
何時もより興味が無さそうな様子で、シーザーがステラに声をかけた。
「もう少し、楽しそうにするものだと思っていました」
心無しか、少し不機嫌な様子でステラが聞き返すと、当然と言った様子で、シーザーは涼やかに返す。
「イベントや物販については、余り興味をそそられないがね」
「その言い方だと、興味があるのは人と、オブリビオンの方、でしょうか?」
「御名答。そちらに関しては、今から楽しみだね」
外見を取り繕いながら、その下に潜ませているのは歪んだ欲と願望だ。提供側は富と名声、購入側は色欲と知識欲と言った所だろうか。それらの為に、一定水準を満たした美麗なキャラクターが消費される様は、実害のない、完成されたソドムの市と言っても良いだろう。
「作家は得てして、そういった欲望を抱えている人種ではあるがね」
「……寝ます」
「拗ねたかな。一緒に寝るかい?」
「……明日、お供出来るだけでも……十分ですから」
照れた様子でそう言うと、空のベッドに寝転がる。眠りに就いた後に、大きな掌が数度、髪を撫ぜた気配がした。
●イベント当日(1日目)
参加者としては良く眠れた方だろう。優待券が3枚の内、2枚渡されたのは彼等の内、一人が手慣れているという証拠でも有った。列に並ばなくても良い2人は早めに起きると、ホテルで朝食を取ってから、のんびりと会場まで足を伸ばす。
既に不健康そうな顔付きをした徹夜組が、スタッフの指示に従って、長蛇の列を作っているのを物珍しげに眺め、中には大きいキャラ物タオルを羽織った人物も見受けられる。
「仮装行列……ではないね」
「資料に有ったコスチュームプレイ……でも有りませんね?」
「愛した者その者を身につける、か……似たような者といえば、血塗れドレスがあったかな。騎士も令嬢も、変わり者だがね」
「それは、どの時代でも変わり者ですね」
その派生系の趣味なのだろうと2人は納得した。詳細は彼等に少し聞けば分かるかもしれない。程なくサークル用の入り口が見えてきて、スタッフにチケットを見せる。滞り無く会場内へ歩を進めた。巨大な会場には簡素な机が等間隔に並べられ、パイプ椅子が規則正しく、各ブースの机に載せられている。集まったサークルはそれぞれ、小物や物販の準備を真剣な面持ちでこなしていた。中には印刷は出来たものの、製本が間に合わず、その場でホチキスで留めていく者も見受けられた。
まずは彼等に会おうと、周囲を見渡す。すぐにそれらしき人影が見つかった。女性悪魔が人に擬態をしていた。出品物を並べ終えたのか、今は釣り銭の準備をしているようだ。表紙は所謂コピー本ではなく、印刷屋に頼んで貰った確りした製本、オフセットである事から、少しは名が知れている事が伺える。
「先日は有難う御座いました。お伝えしたとは思いますが、今回もこのイベントを精一杯楽しんで下さいね。見えた時の対応は」
「心得ております。所で、一番に私達のサークルへ?」
「私もステラも、余り馴染みのない場所だからね。それに、始まってから動かなければ退屈だろう?」
「頼りにして頂けたなら、光栄です。此方、新刊2冊になりますので、興味が有りましたら、お読み下さい」
「題材を聞いても良いかな?」
「日常ですね。陛下から見れば、退屈な内容かも知れません」
パラパラと冊子を捲ると、そこにはハイスクールに通う男女の、甘い恋物語が綴られていた。デッサン、キャラデザイン共に申し分ないレベルだが、ストーリーラインは良くも悪くも平凡だった。あえて、そういった意識している様にも視える。
「絵は十分な出来だ。誇りを持ちたまえ」
言いながら、有無を言わさず、冊子の料金より多めの金額を彼女に渡した。
「陛下にそう言って頂けるとは……光栄です……まだまだ未熟な身の上ですが、今後も精進致します」
「趣味にも全力を尽くす気があるのは、良い心掛けだ」
昨日の時点で急遽、新刊のみとしたのは正解だったと言って良い。
(ステラ様にあんなモノを見せる気があったのか、なんて陛下に知られたら、間違いなく首が飛ぶわね……ええ!)
「一つ、聞いても宜しいですか?」
会場外で並んでいる者に、キャラ物を着用している人間が居たことをステラが問うと、お察しの通り、趣味です。と返答が返って来た。
「サークル側は見ての通り、何だかんだ、結構忙しいんですが、一般参加は暇が多いんですよ。だからああやって、暇潰しの材料を作るのが居るんです」
そう言って、スマートフォンに会場実況の様子を見せると、先程の人物の画像や、他にも何人か、キャラは違うが奇抜な格好をしている映像が見えた。
「あと、試読は余り好まれません。お気をつけ下さい」
「善意で成り立っている、ということですね」
「お察しが早くて助かります。その気になれば、何でもタダで読み放題ですからね。売買が成立しなくなるんですよ」
それから幾つかパンフレットに載っていないマナーを彼女から教えて貰っていると、開始のアナウンスが流れ、すぐに大音量のBGMが会場を満たしていった所で、彼女とは別れる。
●流入
それを見て、2人はまず軍の行進を思い浮かべた。そこまで一挙手一投足に乱れがない訳ではないが、皆警備員の誘導に従い、隊列をなるべく乱さず、迷路の様な会場を、目的地に向かって歩いていく。痩身と肥満体が両極端で、筋肉質な者は稀だった。それでいて通行人同士とは肩が擦れ合うことすら少なく、抜け駆けして走ろうとする者にはスタッフが身体を張って止めに入る。
「話に聞くバーゲン会場とは、また違った熱気が有る様に思えますね」
「思ったよりも愉しめそうだ。ステラ、前は任せるよ」
「手は、繋ぎますか?」
「望むならば、そうしよう」
「有難う御座います」
何処からか剣呑な眼差しが突き刺さるが、シーザーは寧ろ、その視線の主を片っ端から視線で煽り返していき、ステラは勘付いて居なかった。
まず、目をつけたミリタリーのブースに足を運び、現代兵器の資料を纏めた物を漁る。一切擬人化等もない、華の少ないブースのせいか、余り人気が無く、隣のサークルと和気藹々と話し合っている事が伺える。シーザーはその腹を、知識量の測り合いと見る。友好も真実だが、本質はそれだ。互いに負けまいと穏やかに意地を張り合う姿は、シーザーの目を随分と楽しませた。
「物販はどうだい?」
「許可を貰って閲覧させてもらいましたが、個人的には楽しめる物でしたよ。幾つか買って行きましょうか?」
「そうしよう」
過去冊子含めて幾つかを仕入れ、他のサークルを回る。軍事の歴史を取り扱った物も細々と息をしており、同好の士と楽しそうに語り合っていた。歴史の方は簡易的な纏めで痒い所に手が届かず、試しにとステラとサークルメンバーに同様の状況でどう運用するか、という思考ゲームをさせてみると、それなりにウケが良く、しかし内心で、女性に負けたという歪んだ悔しさと敗北感が、彼から伝わって来る。迷惑料も兼ねて、そこの出版物を多めに購入する。
「いや、悪かったね。必要なのは、どのような意図を持って軍を動かすか、だ。精進したまえ」
「楽しいですか、シーザー?」
「勿論だとも」
「……それなら、良かったです」
不意にステラが笑顔を見せた所で、召喚した監視悪魔が動き出した。
●変
「君達はとても、このイベントを楽しんでいる様に見える。どうかな、少し、私と付き合ってくれないか?」
「それは、どういう意味で?」
「……アリね!」
「無いですから、姉さん。流石に無いですから!」
「失礼、こう言う者だ」
差し出された名刺には、プロゲームチームの資金提供者である事が示されていた。
「……ゲームの心得はあんまりないですよ?」
「無くても良いんだ。君達の発行物には夢があった。広告塔を頼みたいと思ってね。安心して欲しい。青田買いではないからね。報酬も前金を出そう。どうかな? 悪い話では無いだろう? 代わりに、今すぐイベント会場を後にすることになるが、どうかな?」
新刊は部数も分相応にしていたため、売り切った。3人は1度、如何にもと言った感じで顔を示し合わせ、この人物の誘いを了承する。静かに、不可視の悪魔もその跡を追跡したが、不可視の悪魔も含め、全ての反応が消失した。
穏やかな時間が過ぎ去り、猟兵の時間がやってくる。
大成功
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第2章 冒険
『プレイデータの悪用を阻止せよ』
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POW : ゲームセンターを片端から周り、敵のデータ採取現場を押さえる
SPD : ゲームをプレイして高ランクを獲得し、自分のデータを採取する所を狙う
WIZ : 高ランクプレイヤーを探して張り、そのデータを採取する所を狙う
👑11
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●プレイ・ゲーム
ゲームセンターに連れて来られた猟兵の下僕は、早速、とあるゲームを紹介された。ジャンルとしてはキャラクターを操り、チームで競う対戦ゲーム。タイトルはガンスモーク・マシーナリーズと銘打たれていた。勝敗はキルデスによって決まるシンプルなルールで、タイプ毎にキャラが違い、一応は固定されている。画面を見てみれば、本格的なeスポーツらしく、性能に影響は無いが、男女スキンから、フルメカニックスキンまで選べる仕様らしい。
このゲームセンターは、どうも、惚れ込んでいる様で、台を多めに仕入れており、プレイヤーが居るにも関わらず空席が有る。座り、彼等も軽くプレイをしてみる。シンプルな操作、出来の良い3Dモデル、声優もベテランと人気から幾つか収録しているのが見受けられ、ゲーム内報酬か、すぐに欲しい人向けに、追加クレジットによる購入が可能なようだ。
キャラクターゲームとしての出来を追求しながらも、ゲームバランスはプレイヤースキルが大きな割合を占める構成だった。こう言った一種のギャップに、熱を上げるプレイヤーが出て来るのは納得が行く。
「どうかな、良い物が描けそうかね?」
3人の下僕が頷く。
「では、事務所に案内しよう。暫く、仕事が終わるまで、そこで生活してもらう。付いて来た以上、拒否権は無いと思ってくれ」
その事務所は明らかに雰囲気が異なっていた。電脳に惚れ込んでいると言えば聞こえは良いが、異様な大きさのモニターがずらりと並び、何らかのプログラムを常に処理している。数人が絶えずPCと向かい合い、その眼は真剣だが、何処か、プログラム自体を信仰しているような異常さだった。
彼等は直感する、此処は、プログラムという邪神を崇拝する、カルト教団だと。それと同時、不可視の斥候が、何者かの手によって始末され、タイミングから、招いた彼等も同時に消滅した。
「……これだから、本部には案内できんのだ……全く。さあ、ガンスモーク・マシーナリーの戦闘データ収集を続けようか。最高の機械兵を作り上げる為に!」
●状況整理
最後に残されたボイス・データから、彼等は最高の機械兵を作り上げる為に動く、邪神崇拝者の陰謀であることが分かる。彼等の手口はまず事務所という支部に招き、それから、疑いが無い場合は本部に案内するという段階を踏んでいる様だ。支部は一応、都市部から離れた閑散な平地に有るのが分かる。
データはネットワークを介して常時同期されているが、プレイヤー自身はスカウトされる。その現場に出会うまで粘るのも一つの手だろう。ただし、上述の様にまずは支部に通される、追跡よりは、彼等に何かを持たせる方向の方が安全を保証できる。
常時同期であるがゆえに、そこから逆探知することも可能だ。此方は恐らく幾つかのサーバーを経由し、本サーバーに送られている。事後処理をスムーズにするために、筐体ごと修理費を賄う、筐体をゲームセンターから買い上げる等の行動も視野に入る。これらはUDCに頼めば容易いと見るべきだ。
また反抗心さえ無ければ良いので、自身が高スコアを残せば、先程のようにスカウトは来る。
不可視の兵が消滅した事から、この支部には機械兵が潜んでいる。恐らく、この機械兵の感知能力は高い。特に聴覚センサは非常に感度の良い物が積まれている可能性が高い。
此方から敵の足取りを辿るならば、音で誘導やライブでの撹乱、音響兵器を使用しての強引な手法も考慮に入れるべきか。
どれを取るにしても、純粋な能力で勝負するか、ユーベルコードを使用するか、はたまた両方か、猟兵は自身の能力を鑑みて行動指針を思考する。
ウィンディ・アストレイ
クネウスさん(f02209)さんと参加
アドリブ&他猟兵との連携や絡み歓迎
張り込みも嫌いではありませんが…
今回は、こちらの方が手っ取り早そうです。
【SPD】当該ゲーム筐体の多いゲーセンで(OPの場所でも可)プレイ開始
移動速度と操作応答速度が高いキャラを選択
ゲーム開始直前にUC【無念無想】にてトランス状態に入り
『見切り&第六感』を最大限に活用して
敵のモーションで発生する隙を狙って攻撃を当て
時にクネウスさんの狙撃の囮となるのが基本戦術です
敵のオファーには素直に同意、大人しく同行しつつ
サイボーグである事を利用して
アクティブセンサで定期的に一定の電波を発信する事で
自身を発信器として、仲間の道標となります
クネウス・ウィギンシティ
ウィンディ(f09020)さんと参加
アドリブ&絡み歓迎
郷に入りては郷に従うべしと云いますし、やってみましょうか
【SPD】ゲームプレイ
当該ゲーム筐体の多いゲーセンで(OPの場所でも可)追加クレジットを投入しフルメカニックスキン開放、機動性のある遠距離(狙撃)タイプのキャラを選びます。
「やはり、自分に合ったキャラが一番ですね」
ゲーム開始直後に、『サーチドローン』(偵察用のガジェット)を使い敵位置の【情報収集】。
ウィンディさんが目立っている隙に発見した敵に【スナイパー】として【指定UC】でヘッドショットを狙います。
「敵影確認、射撃開始!」
スカウトには素直に従い、潜入を試みます。
●郷に入っては
「張り込みも嫌いでは有りませんが、今回は、此方の方が手っ取り早そうです」
「そうですねえ、郷に入りては郷に従うべしと云いますし、やってみましょうか」
「クネウスさんと一緒なら、後方は任せてしまっても良さそうですね」
「有難う御座います。代わりと言ってはなんですが、前をお任せしても?」
「はい、そちらはボクにお任せ下さい」
ウィンディ・アストレイ(W-ASTRAY・f09020)がクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)を見上げて笑顔を見せると、クネウスが穏やかに微笑む。
連れ立ってゲームセンターに入り、ガンスモーク・マシーナリーズの筐体があるスペースの両替機に足を運ぶ。まずは紙幣の両替からだ。
黙々と紙幣を崩し終えると、筐体に腰掛けてクレジットを投入。簡単なID登録等を済ませていく。クネウスは予め、使用キャラクターのフルメカニックスキンの為に50クレジット以上を投入する。この手のゲーム筐体には珍しく、500円玉が通る仕様になっていたので、負担は軽減されたが、思わず眉がわずかにつり上がった。
(この金額の販売ならいっそ、紙幣が通っても良いのではないでしょうか?)
恐らくゲーム筐体の独占をこういった所から避けているのではないか、とクネ薄は推測するが、無駄な思考だとすぐに割り切った。
「前に出るならこれ、ですね」
「やはり自分に有ったキャラが一番ですね」
筐体はビデオゲームの体を取った製造も安価な低コスト仕様で、隣り合っていれば問題なく会話が出来る。ここは惚れ込んでいるのもあって、椅子がバケットシートを模した、人工皮革製の高級な物が敷かれていた。
「モードに2on2がありますね。これをランキングで回す事になるのでしょう。ともかく、まずはチュートリアルですね」
「まずはテスト運用と言った所ですね」
モードは豊富だった。1on1から、最大8人マッチ。チュートルアル。1プレイする毎に1クレジットを消費する事が、各モード画面の下部に小さく書かれていた。
2人はチュートリアルを選び、まずは自身の機体性能とこのゲームへの操作感覚を慣らす。操作は本当に単純でボタンに応じた行動が出来る。但し、感覚としては2人が経験した実戦に近い物が有った。
「どうです? ボクは問題無く行けると思います」
「使いやすいインターフェースですね。此方も万全で臨めるかと」
「では、早速始めましょうか」
その一言から、この日、ゲーム内ランキングの蹂躙が始まった。
初戦の相手は重装近中距離武装、フィールドは障害物の少ない荒野が選ばれた。火線を掻い潜り、ウィンディの強襲格闘タイプが1体の頭を潰し、早々に1キル。相手側は動揺しつつもウィンディに火砲を向け、その隙をクネウスが正確に頭を撃ち抜いた。接敵を除けばとんでもない速度での2キルとなる。相手は低ランクながら、歯噛みした。
理由はこうだ。このゲームにも当たりと外れは少なからずある。それは本当に僅かな有利差やリーチ差、火器の利便性の差だが、彼等が選んだ強襲格闘タイプと狙撃タイプは特にハズレの部類に当たる。
まず前者、通常、狙撃という攻撃行動は観測者とのツーマンセルによって成り立つ技術であり、これを極力単独で扱える様、ゲーム内アレンジを加えている。しかし、結果的には数値の山となっており、一般層がこれを実用的に扱える距離は中距離が精々で、それならばサブマシンガン系統で弾幕をばら撒く方が効率が良い、と考えるのは道理だ。
開発側はこれに関して、バランスに問題は無いとしており、実際、熟練者が使用した動画などでは見違えるような戦果を叩き出しており、バランスに関する擁護などもコメントされているが、聞き入れるプレイヤーは当然ながら、極々少数だった。
次に後者、強襲格闘型を採用する際に重視されるのは、機動性よりも装甲だ。これは単純に被弾を避けにくいという側面がある。高機動とする時間が限られているならば、その持続時間よりもタイミングを重視し、生存に重きを置く。軽装を扱うとしても、それはステルスからの奇襲が主な利用用途であり、真面目に近接戦をやろうという物は少ない。というかそれをやろうとするのは本当に極々一部のトッププレイヤーと言う、俗説的に言えば、変態の部類である。
同ランク、いや格下プレイヤー、しかも勝敗は0勝0敗だったはずだ。つまり、今相手にしているのは正真正銘の初心者であり、兵装も全て初期装備だ。詐欺ではない。低ランクの自覚があるとはいえ、現状に頭がおかしくなりそうだった。気を取り直し、リスポーンから動き方を立て直す。待ち伏せ、弾幕を張り、砂塵を巻き上げ、視界を潰す。一方は中距離で狙撃位置を割り出し、射線に出ないよう慎重に位置取り、突っ込んでくる前衛を制しようという形だった……が、ウィンディは何一つ意に介さない。まるで無差別に吐き出されるガトリングの弾丸が視えている様に、躱し、入り込み、両腕を格闘モーションで潰す。耐久限界に陥った腕が、ガトリングを取り零す。そのまま背後を取ったウィンディの機体が、振り向くより早く、格闘モーションによる3キル。次いで、そこを狙うように飛び出してきたもう一人の機体を、クネウスの大口径スナイパーライフルが頭を捉えた。
コールド・ゲームの様な判定が成され、1ゲームが終了。画面がリザルトに移行する。実力からか、階級グループが随分飛んで更新された。。サイドに行動判定によるポイントが見受けられたので、それを加味した内容となっているのだろう。
「これはまた……随分と上がりましたね」
「基準が厳密であれば、歓迎すべきでしょう」
合わせて、ランキングも更新された。
半ば飛ばしながら次の対戦へ移行。フィールドは市街地。先程と比べて障害物が多く、視認性も悪い。
階級が上がると、当然ながら対戦相手の力量も高くなっていく。狙撃位置を予測し、クネウスを警戒して火砲を集中させようとする動きや、ウィンディに対して陽動を行うような動きが幾つも見受けられた。段々とウィンディの目から遊びが消えていく。独り言の様に、キーワードが唇を濡らす。
「心静かに、己が内と外とを捉(とら)まえて。全てを見通す、無我の境地へ……」
ただ静かな、無念無想の一句。一切の想念を捨てきり、ウィンディの感覚が俄然鋭くなっていく。元々鋭い第六感が超能の域に達し、ゲーム内での行動に対する結果を未来予知の様に伺っていく。
「それでは、此方も本領と行きましょう」
掌サイズの超小型のサーチドローンを、誰にも視認されないよう、手元へ転がす。ゲーム内環境データのフィードバックならこのサイズで十分だった。疑似風速、疑似風圧の推測算出法を送り込み、地形から敵影の把握、ポイントを絞る。
ウィンディと派手にやり合う1体の影、陽動から影に潜んだもう一機に向け、銃口が向けられる。狙撃距離は先程の対戦の比ではなく。
「敵影確認……射撃開始」
スコープ・モードを展開し、一人称視点となった機体の画面が、肩部の衝撃を再現するように僅かな時間、ブレる。ライフル弾が風の影響を受け、徐々に運動力を失い、緩やかな放物線を描き、敵機の頭部を貫いた。
それは1キルとして表現され、サイドに長長距離射撃と、ヘッドショットに数値が付け加えられた文字が流れていく。
一方、ウィンディも避けと逃げが上手い相手に対して、直感的にモーションの隙を覚えていく。つまり、僅かなモーション硬直をカウンター気味に追いかけ、格闘モーションでゲージを着実に削る。軽装の応答操作性と機動性が相手を着時に追い詰め、とうとう片足を破壊、最後には頭を掴みモーションから、マニピュレータ搭載型の高熱兵装によって爆破に追い込み。2キル。遠距離兵装を使用しない、被弾ゼロ等の文字がサイドに浮かび上がる。
相手の動きを覚え、このゲームに慣れた2人の蹂躙を止める者は居らず、瞬く間に最高階級グループに到達。
過渡集中によって前線を支えるウィンディと、絶えず計算を行い、位置取りを考えるクネウスのタッグはゲームセンター側にも注目され、大型モニターによって映像が映され始める。興味のなかった者達まで集まり、モニターに集中するが、出てくる言葉は変態とか有り得ないとか、パーツバランスも公開され、何でこいつらこれで今まで一つもデスが無いんだと驚愕の言葉ばかりが上がる。実際のプレイヤーがそこに居る分、これを否定する材料はなく、スナイパーライフルが適正なバランス、つまり、使いこなせる者が使えば強いと言う現実を、やり込んでいたプレイヤーはほとほと思い知らされた。それでも、ウィンディの軽装強襲型、しかも近接兵装のみで、あの立ち回りは非人間的であると、彼等は結論付けた。
高ランク帯でのバトルは、これまでの経験もあり、ほぼ2人の思惑通りに展開され、ウィンディが前に出て囮、あわよくば近接兵装で殲滅、クネウスが超長距離の狙撃ポイントから狙撃するという試合運びが、数パターンで進行していく。この辺りになると、アイコンタクトのみで幾つかの作戦パターンを決定、取捨選択する所までになっていた。
絶えず送られてくる潤沢な戦闘データ、指示を受け、現場の視察に来ていたスカウトマンがリザルトに入った所で2人に声をかける。
「やあ、そこのお二人さん、親子か兄弟かな。ちょっと良いかい?」
「はい。丁度、休憩を考えていた所ですよ。ね、クネウスさん?」
ぴたり、と何処か機械的に手を止め、ウィンディはクネウスに同意を求め、クネウスはそれを穏やかな笑みを浮かべ、肯定した。
「ええ、結構長丁場になって来ましたからね。そろそろ一息入れようかと思っていたところです」
「それは良かった。まずはこれを渡しておくよ」
スカウトマンは2人に名刺を差し出し、そこには、このゲームのプロゲーマーチームのマネージャー業兼スカウトマンをしていると己の身分が簡単に書かれている。
「つまり、このチームにボク達をスカウトしたい、という事ですか?」
「君達の評価は彼等を見れば分かるからね。君達程の腕なら、きっとこのゲームの立役者になれる。どうかな? 報酬も出る。悪い話ではないだろ」
「確かに、悪い話では有りませんね。受けようと思いますが、どうします。ウィンディさん?」
「断る理由も有りませんし……良いと思いますよ」
「ありがとう! それじゃあ、僕の後に付いてきてくれ!」
支部に案内された後、2人は本部への道を行く。事前の打ち合わせた周波数で電波を送りながら、スカウトマンに、素直に付き従った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シーザー・ゴールドマン
ふむ、敵はなかなか慎重のようだ。好感が持てるね。
まずは筐体をUDCに働きかけ入手。
逆探知による本部の特定をステラに依頼。
本部を特定してから支部に潜む機械兵を狩りに行きます。
本部を先に潰すと逃走の可能性があるからね。
『創造の魔力』で即席の斥候(囮)を創り出し、支部への浸入を試みさせ、それを排除する為に出現するであろう機械兵を屠ります。
攻撃手段は電光(属性攻撃:雷×串刺し×投擲×『破壊の魔力』)
【ステラと】【アドリブOK】
ステラ・リデル
彼女達には代休と特別賞与が必要ですね。
(UDCアースで仮の肉体を滅ぼされてUrbsに帰還済みの部下たちを思い浮かべ)
シーザーが入手した筐体を使い逆探知する事で本部の位置を特定します。
(情報収集×ハッキング×第六感×見切り×学習力×世界知識)
この際、『魔眼』の未来視を活用して失敗を回避します。
シーザーの期待には必ず応えます。
本部特定後はシーザーのお供を。
【シーザーと】【アドリブOK】
●エレクトリック・チェイス
「ふむ、敵は中々慎重な様だ。好感が持てるね」
感覚共有を奇襲前に切り、第一目的を達成したシーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)はイベント会場を後にし、ホテルの一室に戻る。備え付けられた通信機を外線で操作した。
「少々、厄介でしょうか」
余裕の有るシーザーに対して、ステラ・リデル(ウルブス・ノウムの管理者・f13273)は仮の肉体を滅ぼされた部下の顔を思い浮かべ、黙祷するように、蒼眼を軽く閉じる。3人の方はと言えば、肉体消滅に伴う精神ショック、及び付随する気絶症状から、ベッドに転がされていた。悪い夢だとか良い夢だとか今はペルソナに変わりましたよ、ネタが古いとか、そんなうわ言が聞こえてきては、看護師が小首を傾げていた。
(……彼女達には代休と特別賞与が必要ですね)
そう彼女が考えていると、外線に繋いでいたシーザーが受話器を置いた。同時に、扉へやや足早だが、丁寧な3回のノック音。警戒するステラをシーザーが手で制し、扉の方に悠然と歩み寄る。
「お呼びでしょうか?」
少し扉を開いた状態で、黒服、どうやらUDCエージェントの様だ。
「ああ、少し手配して欲しい物があってね。これなんだが、どうかな?」
「アーケードゲーム筐体ですね。承知致しました。此方にお運びする感じで宜しいでしょうか?」
「宜しく頼むよ」
黒服が承知の旨を伝え、携帯端末で何処かしらに連絡を取ると、気配が消えていく。
「……逆探知ですね」
「その通りだ。そちらは任せるよ。ステラ」
「お任せ下さい。期待には必ず応えてみせます」
「やる気なのは嬉しいが、筐体が届くまでは英気を養べきだ」
再びノックの音、今度は接客の言、ホテル側の人間である事が伺える。ついでにルームサービスを幾つか頼んでいた様だ。軽食のホットサンドに焼き菓子、紅茶の配膳を終え、従業員は部屋を後にする。紅茶は既に蒸らされており、仕事の丁寧さが伺える。
「此処の朝食は中々だったからね」
「……時々、シーザーのツボが、良く分かりません」
適度に肩の力が抜けたのを満足そうに頷かれ、軽く返す。確かに出来ることも無く、今は休養の時と割り切る。
まずはと、二人分のカップに紅茶を注ぎ、カップを傾けた。良く蒸らされていた癖のないニルギリ茶葉の芳醇な香りが、味覚を通して伝わって来る。
ナイフとフォークでホットサンドを一口大に切り分けると、断面から熱せられたチーズが零れ出て、断面からは薄いハムが顔を覗かせる。そのままフォークで刺し、上品に口に運ぶ。
シーザーはやや大き目に切り分けたが、2人が向かい合っての食事は、合わせ鏡を見ている様だ。食器が擦れ合う音と、無言の感想が部屋の中を支配する。焼き菓子は全てステラに寄越され、少し戸惑いはしたが、少しずつ口に運ぶ。小麦粉に、砂糖とバターが混ざり合い、音を立てて口の中で弾けた。舌に残る甘味を、紅茶で拭う。幾度かそうしている内に、ノックが響く。やや早足で、丁寧な3回のノック。先程のUDCの人間だろう。出迎えようとすると、シーザーが既に向かっている。
筐体は分解された状態でダンボールに梱包されていた。組織の人間はどうも、買取先で解体許可を貰った様だ。この部屋での回線の使用許可と、電気代の件についても、既にホテルと交渉し、終えているとも伝えていた。
「礼を言うよ。そちらは此方で負担する予定だったからね」
「いえ、これが猟兵の皆様の助けになるのならば、安い買い物です」
筐体の組立は思いの外スムーズに行われた。組織には技術屋も当然居るということなのだろう。組み上げが終わり、コンセントと回線ケーブルをモデムに繋ぎ、スイッチを入れると、無事、画面が立ち上がった。動作チェックを兼ね、組織の人間が最後に幾つか操作を終えると、それでは、と敬礼と共にホテルを後にした。
「では、始めます」
ノート型の端末を繋ぎ、制作した解析用プログラムを投入、キーボードを軽やかに叩く。受け渡しされているプログラムの内、プレイヤーの戦績行動データブロックに割り当てられたプロトコルへ同期偽装。IPアドレスを抽出、勿論、これの行き先は代理サーバーだ。ステラの蒼眼が魔力の輝きを帯びていく。この先から、失敗は許されない。魔力の流れに呼応し、契約の証が灯る。そうしている内にも、端末の画面には無数のデータが黒い文字の波となって押し寄せる。
ステラは滞りなく、それらに目を通し、データの通り道を追っていく。代理サーバーが処理するデータの内、取り扱うデータの一致を見つけ出し、次のサーバーへ、同様の作業の後に、更に次のサーバーへ、幾重、幾重にも張り巡らされたデータ港。物質か情報かの違いはあれど、それは現実の密輸を想起させる。
予知の先には幾つもの失敗の可能性が視え、未だに予断を許さない。冷や汗が頬から顎へ伝い、音を立てずに滴り落ちる。粘った末に、支部と思しき場所を幾つか周回し、データはいよいよ巡回を止め、本部のサーバーIPを曝け出す。別のプログラムからIPを変換、どの場所に有るのかを大まかに割り出した。周囲はやはりというか、閑散とした田舎を指している。目を閉じて、安堵したように息を吐く。
「特定しました。シーザー」
未来視の解除と共に、仄かなステラの魔力光が消えていく。
「お疲れ様。それではこの筐体は用済みだね、始末してしまおうか」
赤の奔流、破壊の魔力が筐体を包み、その一切を塵に還す。構造は魔力内に一応ストックしておく。
「加えて、あちらも支部を出たようです。報復と言うと、少々感情的ですが……向かうならば、良いタイミングですが」
事前に他の猟兵から渡された、特定周波数の追尾機器が、示し合わせ通り、機械兵の感知範囲外の時点で送られて来たのをステラのノート型端末に表示された。
「では向かおう。本部を先に潰すと、逃走の可能性があるからね」
「お供致します。支部は10程、全て大まかな位置は把握できました。スカウトマンはどうやら、一つの支部のみ、教えられていた様ですね」
「宜しい、それでは急ごうか。お手をどうぞ?」
「そういうからかい方、良くないと思います」
ホテルをチェックアウト。シーザーが指を鳴らす。創造と維持の魔力でオーラの翼を作り、破壊の魔力を推進力代わりとして、ステラを腕に抱え、支部の近くへ、感知外と思われる範囲から、創造の魔力で斥候の囮を作り出す。
支部への侵入に勘付いた機械兵が、遠距離からガトリングでの狙撃を開始した所を、シーザーが捉える。赤の雷光が、機械の体を串刺しにする。斥候に気を取られていた機械兵は、回避する暇すら無く、その機能を停止した。機械兵は一。次には、特大の雷光が上空から支部に降り注いだ。
結果は分かりきっている。振り返ること無く、他の支部も同様の手順でシーザーは手際よく壊滅させていく。
「それでは本部に向かおうか」
大成功
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第3章 集団戦
『リエ・デッドコピー・ルシーズ』
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POW : Re-Inicienteration
自身の【残存動力と一定時間後の自壊】を代償に、【再起動させた破損した量産型】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【遠距離からのガトリングガンの一斉発射】で戦う。
SPD : Re-Connect
【眼帯を経由した量産型統合戦術システム】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ : Re-Location
自身が【ダメージ・UCによる機能不全の危機】を感じると、レベル×1体の【リエ・デッドコピー・ルシーズ】が召喚される。リエ・デッドコピー・ルシーズはダメージ・UCによる機能不全の危機を与えた対象を追跡し、攻撃する。
イラスト:柿坂八鹿
👑11
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●本部
猟兵達が発覚した本部に踏み込む。そこには支部と同様で、巨大なモニターが絶えず演算処理を行い、常に画面に結果を吐き出している、その下で住人程の邪教徒が一心不乱に演算装置を操作している。その眼は何処か虚ろで、狂気的であった。打ち出されていくデータ・プログラムこそが、彼等の呪文に他ならない。
異様な光景の片隅で、連れて来られたゲーマー達が、全てを忘れたような呆けた顔に僅かな怯えを含み、薄ら笑いを浮かべながら件のゲームをプレイしていた。うわ言の様にデウスエクスマキーナを繰り返しながら、精緻にキャラクターを操る姿は、廃人に他ならない。
「どうだい、彼等の様に、我等の主に尽くせる事は素晴らしいだろ?」
そういったスカウトマンの言葉に、連れて来られた猟兵は頷いた。満足そうにする狂信者はそのまま、地下へと案内する。
「所で、君達が過ぎ去った後、支部が残らず破壊されてね。いや、きっと関係は無いと僕は信じているんだが、君達程の腕ならきっと、こう言った事にも慣れているんだろう?」
そこに置かれていたのは、ゲーム内の女性型機体の一つに良く似た、人間大の機械兵。左右に6体ずつ、合計12体が。背面の太いケーブルに繋がれ、ハンガーに待機されていた。スカウトマンがモバイル端末を操作すると、一斉に目を開く。
「スリープ・ラーニング解除……実戦データの収集に移行します」
「我等がデウスエクスマキーナの降臨の為に!」
「戦闘データの収集はR-seriaseの使命、戦闘データの収集はR-seriaseの使命。戦闘データの収集はR-seriaseの使命……」
レコードの様に繰り返しながら、1体がスカウトマンに対してガトリングガンを操車する。呆気なく肉片となる。残りの機体も、すぐに地下を抜け出し、上階の人間を肉片に変えていく。
●状況整理
猟兵はまず、これはどう言った状態なのかを推理し始める。まず彼女等の状態、これは明確な暴走状態だろう。邪教集団の目的と彼女等の目的は別にあり、彼等は統制下に置いた機械兵を持っていなかった、と言うことになる。或いは、制作してはみたものの、彼女等には性能ですら遠く及ばなかった。彼等のいうデウスエクスマキーナを降臨させるには、まだ時間が必要だった、と考えられる。
つまり、此処に居る彼女達は偶然手に入った都合の良いサンプルだった。と考えるべきだろう。送られて来た資料には、リエ・デッドコピー・ルシーズという、名称が書かれていた。
彼女等はどうやら、人体をベースとしたサイボーグ、R-Seriaseの量産型だ。型番はRe-E-Mp。
オリジナルに比べれば大幅に性能が劣化しており、また、長期のメンテ不足から、ほぼ暴走状態であることが書かれており、その目的は生きている命令である「戦闘データの収集」の様だ。
猟兵は戦火の中、更にユーベルコードの欄を読み進める。
動力炉を利用した、自身の【残存動力と一定時間後の自壊】を代償に、【再起動させた破損した量産型】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【遠距離からのガトリングガンの一斉発射】で戦うRe-Inicienteration。
睡眠学習による経験を活かした【眼帯を経由した量産型統合戦術システム】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上するRe-Connect。
演算によって、自身が【ダメージ・UCによる機能不全の危機】を感じると、レベル×1体の【リエ・デッドコピー・ルシーズ】が召喚される。リエ・デッドコピー・ルシーズはダメージ・UCによる機能不全の危機を与えた対象を追跡し、攻撃するRe-Location。
以上の3つだ。全てを確認し、猟兵達は上階に集中したサイボーグ、12体の迎撃を開始する。
リズ・ルシーズ(サポート)
生体ベースのサイボーグ、何らかの理由で生命維持モード(Re-A=リア)として活動中、普段の活発さはなくミステリアスな雰囲気。生命維持を最優先、リスクの高い行動を避けるとともに敵対する存在に対して容赦はしない。
『私はリア、この身体に敵対するものに容赦はしません』
『『解析・検証・再定義』データの取得に使わせていただきます』
『私はリズ程は甘くはありませんよ?』
21歳 女
口調:おしとやか(私、貴方(貴女)、~さん、ですね、です、ですか、でしょうか?)
武器:電磁ランスと疑似刻印による光属性攻撃のレーザー
補助装備:ナノワイヤー(トラップ・移動用)、重力制御装置
探索時:R-Seriesでの人海戦術など
ヘスティア・イクテュス(サポート)
SkyFish団船長、ヘスティア・イクテュス!助太刀に参上よ!
設定諸々はステシ参照お願いするわ!
戦闘ならティターニアを使った空からの攻撃ね!
アベルによるサポートを受けて
ミスティルテインを使った牽制やらダミーバルーンやスモークミサイルによる絡め手からのUCでトドメよ!
冒険系ならアベルを使った情報収集をメインに立ち回りかしら?
お宝とかそういうものには好奇心旺盛に
人が犠牲になってたりそういうのには真面目にね
ノブレスオブリージュ
力ない人を守るのは力ある者の使命ってね
●マシン・フェアリィ
「SkyFish団船長、ヘスティア・イクテュス!助太刀に参上よ! まずは被害の拡大を防ぐわね!」
猟兵を除き、生存者を蹂躙し尽くした、女性型の機械化兵が、本部に銃口を向ける。上空に出現したヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)に、12体が一斉にそちらを向いた。
「……熱源反応の出現を確認、熱量、重量、装備から空戦型、或いは宇宙機動型であると推測。実戦データ収集の為、交戦を開始します、実戦データ収集の為、交戦を……」
「悲しい子達ね。なら、少しの間遊びましょう」
青い髪を靡かせ、暴走する機械兵を挑発する。構う必要もないと、12の大型回転式機関銃が唸りを上げる。照準器とレーダーの性能は良さそうだと、ヘスティアは考え、ティターニアを機動。立体機動に移行し、絶え間なく吐き出される弾丸から逃げ回る。
「アベル!」
「委細、完了しております」
「助かるわ。制御、任せるわね」
執事のような口調で小型AI端末が、準備の完了を申し出る。高速軌道を続ける推進機からから幾つもの小型球形ドローンが展開、尚もヘスティアを追い、絶え間なく飛来する弾丸を幾筋かの光線が焼き尽くす。
「流石ね、助かるわ」
青空に航跡雲の余韻を残しながら、ヘスティアはまず逃げの一手だ。これに対抗して、彼女等はガトリングによる対空狙撃戦法を取り、同時に弾幕を展開していく。彼女等はヘスティアの影を的確に捉えるが、当然ながら、逃げる方も黙って居ない。ドローンの光線、ミスティルテインの光弾がセミオートで吐き出され、尽くを焼いていく。益々執拗になっていく射撃に、ヘスティアは一芝居を打つことにした。
ミスティルテインを実弾モードへ、同時にダミーバルーンを展開、スモークで弾幕を作り、ドローンの操作を一度打ち切った。最後に撃ち落とされ、推進力を失ったかのように見せかけるために、ティターニアとの接続を切る。
「墜落を確認
……!?」
「周囲への警戒が足りていませんよ」
一筋の光が、姉妹機の身体を掠め、蒸発させる。
●R-Series(ルシーズ)
「Re-Eの姉妹達ですね。どの様な形で此処に流れ着いたかは分かりませんが、その様になっても、与えられた使命を忘れず、稼働していたことだけは、褒めて差し上げましょう」
リズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)は彼女等と同じ、黒を基調としたメカニック・アーマーを身に付け、降り立った。姉妹機との邂逅に、せめて、その使命を果たさせてやろうと、Re-AシステムがRe-Zの人格を取り払い、統率機構としての顔を覗かせる。
『解析・検証・再定義』データの取得に使わせていただきます。『アーカイブ接続、解析、最適化』」
「私はルシーズを統べるモノ。収集データは以降、私が引き継ぎます」
「……使命の遂行こそがR-Seriesの使命……」
本来統率機構である筈の、彼女の言は暴走化にある姉妹機には届かない。使い物になるかどうかは後で整理すれば良い。火砲を向けた姉妹機の腕が、不可視の何かによって切断される。Re-Aの行動は既に終わっている。高分子ワイヤによる包囲、彼女等の眼はそれを捉え、結果動きを縛る事になる。解析から行動に移る空白に、Re-Aは手近な一体を騎兵槍で突き刺し、機能不全の危機を認識されるより早く、クラックさせ、全ての機能停止へと追い込んだ。二頭身の小さなロボが、乱入する。
●小さな機械妖精の伏兵
「今回は奇襲だから、気まずさも無いわね」
53の作り出された自身の分身、プチ・ヘスティアを眺め、頷く。それらは次々に合体していき、お腹にno.1030と書かれたプチ・ヘスティアが、サイボーグに向かってミニ・ティターニアを起動し、飛翔する。膠着状態に陥っていた戦場に、小さな熱源反応はドローンと勘違いされた様だ。小さなミスティルテインを構え、最大出力で放つ。針の様な光線が、機械兵の胸に小さな穴を穿つ。それを見て、すぐさまRe-Aが姉妹機に触れ、クラック。統率化とし、量産型統合戦術システムの機動系指揮を無理矢理自身に帰属させた上で、全機能を停止させた。
ワイヤーの包囲を暴き、デッドコピー達が逃れるのを、Re-Aとヘスティアが逃すまいと更に牽制を続けていく。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ステラ・リデル
【SPD】
暴走状態ですか。
この状態で戦闘データを収集してどうしようというのでしょうね。
『魔剣舞踏』を発動。
複数の宙に舞う輝く魔剣を操って戦います。
(空中戦[空間把握能力的な意味合]×見切り)
ステラ自身もオーラセイバーを発現。
宙に舞う魔剣は2本を守備に残りを攻撃に。
シーザーの動きに合わせます。
敵SPDUC対策
動きが良くなった様ですが……
宙を舞う魔剣たちで牽制、動きを制限して徐々に追い込みます。
「詰み、です」
【シーザーと】【アドリブOK】
シーザー・ゴールドマン
【POW】
おや、既に終幕が始まっているようだね。
敵が残っていると良いのだが。
(ステラを伴って本部へ)
ふむ、ロボット、サイボークかな?
その反乱と言うのはある種の様式美を感じるね。
雷の槍、風の刃、炎の弾
(属性攻撃:雷×串刺し×投擲)
(属性攻撃:風×衝撃波×なぎ払い)
(属性攻撃:炎×鎧無視攻撃)
など多様な魔法で攻撃
まれにオーラセイバーで斬り裂いたり。
攻撃は直感(第六感×見切り)で回避又は受け流しからのカウンター
敵POWUC対策
ガドリングガンの一斉発射された弾丸を『破壊の魔力』で強化された炎(属性攻撃:炎)で空中で焼き尽くした後、再起動した量産型に破壊の雷(属性攻撃:雷)を
【ステラと】【アドリブOK】
●協奏
「おや、既に終幕が始まっているようだね。敵はまだ残っているようだが、彼女等はロボット、サイボークの類かな? その反乱と言うのはある種の様式美を感じるね」
「それにしては少し様子がおかしいかと。あれは……暴走していますね」
「軛を解き放ったとステラは見るのかな?」
オドの維持を解き、紅の奔流がシーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)の周囲で霧散し、還っていく。降ろされたステラ・リデル(ウルブス・ノウムの管理者・f13273)はその状態で戦闘データを収集して何の意味があるのかと、眉を顰めた。
「はい。いえ、彼等の考えは全く分かりませんが……」
「敵を知るには、とは言うが、推測しても仕方がない類では有るね。さて、開戦と行こうか。前線は任せよう」
「仰せのままに。支援をお願いしても宜しいでしょうか?」
「数が多いからね。任せたまえ」
「有難う御座います」
支援を請け負った2人から、抜け出たデッドコピーがガトリングを構え、ステラを照準に合わせる。
「……舞い踊りなさい」
オドの活性に契約の証が灯る。42の光剣がトリガーに手を掛けるより早くガトリングガンに突き刺さる。破壊に回したのが内10に満たない本数で、他が牽制するように デッドコピーの周囲を浮遊する。熱源の数を把握するも、ブースタ-可動部を切り落とされ、そのまま四肢を解体され、首を飛ばす。眼帯を経由した量産型統合戦術システムが、首無しの身体を高機動で操るが、光剣の追い打ちによってそれも長くは続かない。
「先に四肢を奪ってしまえば、出来ることも有りませんね。積み、です」
飽くまで自身の把握できる範囲であればとなるが、余り他の猟兵に負担を掛けるのも良くないと、前へ出る。
牽制包囲内の彼女等に視線と数を手で示し合わせ、後5体は此方で持つと、デッドコピー残り9体に光剣42をけしかけ、分断、誘導する。同時にシーザーが投擲した雷槍が降り注ぎ、分断のついでとばかりに、轟音と共に1体がショートし、灰へと帰る。
「これで分断は完了かな。もう少し前に出ようか」
火砲、特に自動火器を集中砲火されるのは避けるべきだ。ステラと挟み撃ちになるよう、シーザーは埃を払い、悠然と駆ける。
誘導に成功したステラは残4体と向かい合う。今度は流石に編隊を組まれ、上空から斉射、後に離脱を繰り返される。厄介さに思わず舌を巻く。吐き出される銃弾を光剣で弾き、射程外に逃げる前にどうにか追い縋り、火砲の銃身を発言させた光剣で斬り飛ばす。僅かな隙、逃走の前に2本の光剣が動力部を破壊、戦術システムが機動し、戦闘力の向上した1体はステラの周囲を包囲するように舞い、残った四肢による格闘戦へと移行した。頭を狙った蹴撃を対空させた2本の内の一本が庇い、息吐く火間もなく、銃弾の雨が降り注ぐ。間一髪で場所を変えれば、追うように拳が繰り出され、手に持った剣で捌く。衝撃に、思わず足を滑らせた。
「流石に、そこまで軟な鍛え方はしていませんよ?」
手を付き後転。元位置に多量の弾丸が突き刺さり、弾痕を残す。間隙の間に、滞空させた光剣が装甲ごと四肢を削ぐ。
(とはいえ、やはり……厄介ですね)
歯噛みをしている所に、巨大な風刃が、デッドコピーの背後から1体を薙ぎ払う。背後の接近に気付き、ガトリングを振り回すも、炎弾が装甲ごと1体を燃やし尽くす。警告音の後に自壊、再起動してきたデッドコピーを、シーザーの光剣が刺し貫く。
「鍛え直しだね」
「……精進します」
風刃によって吹き飛ばされたデッドコピーの四肢を光剣が削ぎ、胴体と首を残すのみとなっていた先程の一体を捉え、首を落とす。
「宜しい。では、合わせたまえ」
「はい!」
42の光剣が目標を360度から取り囲む、一瞬で踏み込むシーザーに合わせ、瞬間の2撃に間髪入れず、光剣を突き立てる。首を刈り取り、破壊の魔力が雷となり、デッドコピーを焼き尽くした。
「これで此方の制圧は完了かな、牽制と包囲を手伝おうか」
「被害拡大は防がないといけませんね」
「何、すぐに終わるよ。もしかしたら、必要ないかもしれないね」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
クネウス・ウィギンシティ
ウィンディ(f09020)さんと参加
アドリブ&絡み歓迎
「対象スキャン、R-Seriesですか」
【POW】
●準備
味方の周囲に『サーチドローン』を展開し、自動【操縦】で敵の位置を【情報収集】させつつ牽制射撃を行います。 「警戒してくれればそれで良し」
●UC対抗
「破損すら与えず破壊できれば……」
●戦闘
「CODE:LAXIS。打ち貫く!」
UCを用いて、破損させずに対象の頭部・中枢のみを『貫通【誘導弾】』で狙撃。(【スナイパー&鎧無視攻撃】)。
ウィンディさんと私に複数体が同時接近する場合は【零距離射撃】で対応します。
「せめて安らかに逝かせてあげましょう」
ウィンディ・アストレイ
クネウスさん(f02209)と参加
アドリブ&他猟兵との連携や絡み歓迎
「全く…ゲームの開発だけしていてくれたら、
誰もが笑顔で大団円だったでしょうに…!」
基本的に全射撃装備の一斉射で、一体ずつ集中攻撃を叩き込み
敵を木っ端微塵にする心積もりで各個撃破を狙います
(先制攻撃&戦闘知識&一斉発射&スナイパー&2回攻撃)
もし射撃武器では敵を微塵にできないか
クネウスさんか自身の極至近に隣接されたら
Blanches Aileの推力全開で突進してカウンターを取り
【選択UC】を叩き込んで、一気に敵を粉砕します!
(空中戦&ダッシュ&カウンター&見切り&鎧無視攻撃&怪力)
「どうか、妄念を捨てて。ゆっくりお休み下さい…」
●Sweeping and snipe
「対象スキャン完了、R-Seriesですか」
ばらまいたサーチドローンが、姉妹機との奮闘と、その位置を正確に伝える。一塊になっていたそれらが轟音を伴う高エネルギー体によって分断されてから、すぐに撃破されたのを、クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)は電脳ゴーグル、E.MAGI下で認識し、狙撃位置に移動する旨を仲間全員に通達する。
「全く……ゲームの開発だけしていてくれたら、誰もが笑顔で大団円だったでしょうに……!」
普段は大人しいウィンディ・アストレイ(W-ASTRAY・f09020)は、この狂信者のやり方に憤慨し、思わず劉備を上げ、声を上げる。クネウスとの打ち合わせ通り、彼よりは前に出るが、砲撃戦の準備に移る。送られて来たデータを演算端末に送り空間に投影させながら、背面の白翼を展開、エネルギーを送り込み、白翼型の背面推進ユニットを作動させる。青の燐光と共に、身体が宙空を軽やかに舞う。長く残したはちみつ色の横髪が、風圧に忙しなく上下する。
「システム起動。サモンオーダー、A・D・C Tyoe-R」
高速飛行と同時に兵装準備。登録した装備を圧縮転送、粒子から再変換、機械化ユニット部分へ接続、承認、並列で光学兵装であるウィル・オーと共に稼働チェック、オールグリーン。エネルギーを充填、質量弾を装填。
「目標補足。ロック完了。全兵装フルオープン……伝達、一斉射を開始します」
目標地点到達と同時に滞空、肩部装甲及び下腿装甲に内蔵された光学兵装と、吐き出される質量。洞に響く轟音と共に襲い来る凶悪なリコイルを、推進ユニットの噴射によって無理矢理に押し殺す。
デッドコピー1体を幾筋もの白光が襲い、反応が遅れ、四肢を焼く。遅れて飛来した大型の質量砲弾が、ガトリングごと胴体を押し潰す。自爆より早く、敵1体は破壊された。
「残存兵力を確認、2体……?」
対応は思ったより早かったようだ。此方に気付いたデッドコピー1体が、ミドルレンジからガトリングを掃射、すぐにローリングに移行、高速戦闘の態勢を整えるが、それは杞憂に終わる。
狙撃ポイントを静音ブースターで確保したクネウスは、ゴーグル下で敵の動作から狙撃タイミングを伺いつつ、初手からウィンディのカバーリングに移行する。風量計算、弾道シミュレート、試算完了。ゴーグル下に擬似弾道と着弾タイミングが表示される。
「CODE:LAXIS。打ち貫く!」
地対空モードで、ゲオルギウスが聖銀製の質量砲弾を吐き出す。肩部へ慣れた、並みの人間なら骨折しかねない凶悪なリコイル、同時に、黒色の硝煙が舞い上がる。薬莢排出、次弾装填、結果を見ず狙撃ポイントを変更する。
頭部の中枢のみを的確に破壊する聖銀弾丸は、ウィンディからの礼と共に通信により、効果を確認出来た。手近なドローンカメラにも墜落の様子が見える。
「此方に向きましたか。ハイド&シークには、慣れていますけどね」
通信。隠れんぼには付き合って貰う方が、好都合でもある。
●hide and seek? a game of tag?
12居た機体は残2体、デッドコピーはそれすら戦闘データとして収集、統合する。敗戦は貴重だ。強敵との邂逅は貴重だ。データを、データを、長距離は叩かなければならない。高速機動。牽制部隊を振り切り、2体は強引に目標を迫撃する。狙撃手はもう移動する筈だ。狙撃ポイントを早期に割り出す。もう一方は中距離からの一斉射を狙う筈だ。
暴走状態に掛かる異様なストレス。生体ユニットが消失と壊滅への、感情的な拒否反応を示し、バイアス値が乱れるも、暴走であるが故にコンディションチェックも、クールダウンにも考えは及ばない。回路に巡るのはレッドシグナルのみ。誰が、どの様な兵装を持っているか、データから推測は簡単な状況だった。目標を捕捉した所で、白翼と燐光が視界をよぎり、横から殴られる様な衝撃、同時に視界のブラックアウト、物理的に覆われていることを確認する。
「どうか、妄念を捨てて。ゆっくりお休み下さい……」
「命令は失効されていません、命令は失効されていません、命令は……」
鷲掴みにされた掌から僅かな振動音、高振動波を感知。圧力はそのまま、製剤性能を全開放されたマニピュレータ内蔵兵装が、生体脳ごと分子結合を崩壊させていく。小さな光の粒子となり、風に攫われていく。
「……せめて安らかに、逝かせてあげましょう」
もう1体は予定通り、戸惑うこと無くクネウスの方へ向かう。仕組まれていたかのように砲身が向けられる。ウィンディは火線から離脱、再装填した聖銀製の弾丸が、零距離で炸裂する。中枢のみを破壊し、最後のデッドコピーも完全に機能を停止する。電子ゴーグルを上げ、改めて機能停止の確認を行う。立ち会っていた姉妹機の同士が、残った残骸からデータを余らず収集しているのが見えた。
「状況終了。帰りましょうか」
「はい」
差し出された手を取り、2人は帰路に着く。猟兵の時間は一先ず、終わりを告げた。
●終幕
ゲーム自体は組織が一度接収し、資金源とするため、運営会社を変え、再開、サービスを継続する手筈となった。一般人の死者については、こちらも組織によって生死不明と報道された。建物の倒壊には頭を悩ませたらしいが、不動産として買い取ることで事なきを得たらしい。
ヘスティアは状況終了と共に早々に、海賊船に早々と引き返す。
Re-Aは姉妹機のデータと、もしかしたら原型の残る遺骸を回収したかもしれない。理由は、どう考えても甘いものではないが、Re-Zが表に出てくれば、少々事情も変わるだろう。
シーザーは一応ストックしていた筐体を、ウルブス・ノウムに展開するのも余興になるかと一考しつつ、ステラの教導に励む。そんなシーザーにステラは、刃が届かない事実に一層修練に入れ込んでいく。
クネウスとウィンディは馴染みのシップに帰る。事件のことを仲間内での話題のタネにしているかもしれない。
事件の収束と共に、猟兵はそれぞれの日常に帰っていく。
成功
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