襲来する、『M』
●(災魔が)突撃!隣の昼ご飯!!
ここはアルダワ魔法学園の学食。
いつものように学生達が昼休みを満喫していたのだが……。
その平穏は突如として破られた。
「うわッ、さ、災魔だ!」
「なんだって、どこから!?」
開いていた窓から鳥型の災魔が翼を広げ、何匹も学食内へとなだれ込む。
突然現れた災魔を前に、学食内は混乱に陥る。
「くそ、俺の昼飯はやらねえぞ!」
なんとかAランチを死守しようとする学生だったが、そこへ災魔が襲い掛かる!
「ホー」
「あっ……あ、もふもふ、すごい、もふもふ……」
なんたる事か、学生はもふもふ攻撃の前に沈んでしまったではないか!
そのまま戦意を喪失し、Aランチを差し出す学生。
それを貪る災魔。
「く、もふもふが何よ! そんな物にやられて……」
「ホー!」
「へぶしッ!?」
もふもふ攻撃を避けた途端、災魔が翼びんたの一撃を叩き込む!
そして思わぬ一撃を受けて崩れ落ちる学生。
周りももふもふorびんたにやられて混乱状態が続いている。
一体誰がこの混乱を止められるのであろうか……?
●学食奪還作戦
「みんな、アルダワ魔法学園が災魔の襲撃を受けたわ」
アヤカ・ホワイトケープ(ロストイノセント・f00740)が真剣な顔で呼びかけた。
一体何が起きたのかと猟兵達の間に緊張が走る。
「災魔が現れた場所は学食、ちょうど昼休みの時にやってきて、学生達に襲い掛かってランチを貪る……って、待ってみんな。そんな微妙な顔しないで……」
話を聞いてなんだそりゃ、と言う顔をする猟兵達。
まあ、内容的にはそうもなるが。
「みんなには急ぎ現地へ飛んで、学食の災魔を一層して混乱を収めてほしいの」
襲撃からそれほど時間は経っていないので、急げば混乱の拡大を防げるはずだ。
今のところ、災魔は昼食を貪る事に必死なのですぐに学食から出る事は無いだろう。
外に出られては更なる混乱が出るのは避けられない。
そうなる前に駆除する必要がある、と言う事だ。
「学食に襲来した災魔は……これは強敵ね。ふかふかもふもふの『モリフクさま』よ」
ふかふかもふもふ。
……今、確かにそう言いました?
「そのもふもふは人をダメにする、一度その胸のモフに沈んだら動く気を無くすとまで言われているモリフクロウ型の恐ろしい災魔よ。一度だけでもいいから、わたしももふもふしたい……な、なんでもないわ」
あの、ちょっと本音漏れました?
ともかく、これは強敵とも言える(ような気がする)災魔だろう。
主にもふもふ的な意味で。
「学食を奪還し終えた後、どこかの教室に新しく災魔が現れる予知が見えたけど……うーん、こっちも強敵ね。モフィンクスって言う、特徴的な鳴き声のモフモフした災魔よ」
モフモフ。
……え、またモフモフですか?
「ともかく、そっちもなんとかすれば災魔のボスが出てくるから、そのままボスも対処すればこの事件も解決するはずよ」
ただし、ボスの姿までは分からなかったので油断はしないでね。
アヤカはそう付け加えた。
「こんな事態でも、放置したら大変な事になるのは避けられないわ。そうなる前に、急ぎ解決に持ち込んでね。それじゃ、気を付けてね!」
説明を終えたアヤカがアルダワへのゲートを開く。
果たして猟兵達は、もふもふと言う強敵に打ち勝つ事が出来るのだろうか……?
そしてまだ見ぬボスは一体何者なのか?
……きっとユルい予感がするかもしれないけれど!
NS
はいどうも、NS(えぬえす)でございます。
唐突ですけど可愛いですよね、モフィンクス。
石黒さんの声が付いた事を受け、今回はアルダワです。
●目的
学食に襲来した災魔を討伐し、学食を奪還。
その後、どこかに現れた別の災魔とボスの撃退。
なお、学生はリプレイに登場しますが、基本的にチョイ役程度の出番となります。
第一章はOPにあった通り、モリフクさまです。
ふかふかもふもふなので、もふもふしたりされたりしつつも倒しましょう。
……持ち帰ったり、餌付けとかはしちゃダメですよ?
第二章はモフ~ンと鳴くモフィンクスです。
OPの前にシナリオトップ絵でバレバレですね。
内容詳細は章導入を参照の事。
第三章のボスはめぇめぇ鳴く黒いあの災魔です。
察しのいい人ならすぐ分かりそうですね。
こちらも詳細は章導入を参照の事。
●ご注意
今回はユルめの内容になると思います。
主に災魔と戯れつつ……みたいなノリのリプレイとなります。
リプレイはいつも通りプレイングが集まり次第、様子を見て取り掛かります。
書けそうな状態なら早めに、最低でも失効までには仕上げたい方針です。
それでは、アルダワの憩いの場(兼戦場)を取り戻しましょう。
第1章 集団戦
『モリフクさま』
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POW : 翼びんた
単純で重い【翼】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 人をダメにするもふもふ
【胸部のモフモフ】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : うぉーみんぐあっぷ
予め【羽ばたく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
👑11
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●第一のM、モリフクさま
猟兵達が学食へ踏み込むと、そこは地獄絵図が繰り広げられていた。
モリフクさまのもふもふに轟沈し、蕩けた顔をしている学生。
学生達から奪った昼食を我が物顔で貪り食うモリフクさま。
もふもふ攻撃を避けた途端に叩き込まれた翼びんたを受け、気絶している学生。
……一体これはどうなっているんだ、と思わざるを得ない状況だ。
ふと、侵入者に気付いたモリフクさまが一斉にこちらを向く。
「ホー」「ホー」「ホー」
モリフクさまの群れは羽ばたきながら空中をホバリングし、猟兵達を見ている。
まだ襲い掛かってくる様子はないが、いつ仕掛けてくるかは分からない。
さて、この状況をどうするか。
もふるか、もふられるか、それとも……?
ソフィア・ウェスタ
え、ちょっと何アレかわいい……
……って駄目駄目、あんなもふもふでも立派な敵で、今はまだ学食食べてるだけでも今後人的被害が増えちゃうかもしれないわけで……
もふろうとしてる暇があったらやっつけないといけなくて……
……やっつけるの?あれを?あんなかわ……って!だから!敵!もふもふしててかわいくても敵!あれは私たちを油断させるための擬態なの!たぶん!
もふられたら危険ね、なら当たらないように気をつけなくちゃ。
「親からもらった贈り物」……この大切な体で全力でもふ……っちゃ駄目だってば!もふられないように素早く一撃入れてヒット&アウェイ。
……スピードを上げるために少し脱ぐけど、あんまり見ないでね男子。
●ソフィア、大いに悩む(主にもふもふ的な意味で)
「え、ちょっと何アレかわいい……」
ソフィア・ウェスタ(能天気レディ・f04506)が率直な感想を口にする。
一部のモリフクさまは猟兵に目もくれず、学生から奪い取ったランチをもっしゃもっしゃと貪っている。
「……って駄目駄目、あんなもふもふでも立派な敵で、今はまだ学食食べてるだけでも今後人的被害が増えちゃうかもしれないわけで……」
そう、モリフクさまは災魔である。
こんなに可愛い外見をしていても人々に害を成す存在なのだ。
現にこの学食は混乱の渦中にあり、その原因はモリフクさまに他ならない。
……まあ、中には比較的無害な災魔も存在するのだが。
「ホー?」
ふと、ソフィアと目が合ったモリフクさまが鳴いた。
『なんだ、もふりたいのかい?』とでも言っているのであろうか?
「……やっつけるの? あれを? あんなかわ……って! だから! 敵!
もふもふしててかわいくても敵! あれは私たちを油断させるための擬態なの! たぶん!」
モリフクさまを前にして、ソフィアは激しく心を揺さぶられていた。
倒さなければならない敵ではあるが、目の前のもふもふを前にして冷静でいられようか?
否、いられまい!(反語)
周りで堕落したような蕩けた顔をしている学生は、あのもふもふを味わったのだろう。
それはさぞ心地よかったに違いない。
ああ、もふりたい……でも、そうなっては戦意を丸ごと喪失してしまうはずだ。
「やるしか、ないよね……!」
まさに苦渋の決断であった。
ソフィアは覚悟を決めて衣装に手をかける。
「……スピードを上げるために少し脱ぐけど、あんまり見ないでね男子」
少し服を脱ぎ、けしからん状態になるソフィア。
自身のユーベルコード、『親からもらった贈り物(マイ・ファースト・ギフト)』を使い、速度をもってモリフクさまを駆除しようと言うつもりのようだ。
脱げばそれだけ機動力が上がるのであれば、向こうからもふられる前にこちらからやれるだろう。
「……ごめんねっ!」
疾風のように駆けると、モリフクさまに魔力によって強化された拳を叩き込む。
「ホー!?」
そして一撃を受けて弾き飛ばされると、壁にぶつかって消滅する。
反撃する余裕すら与えない素早さだ。
「この大切な体で全力でもふ……っちゃ駄目だってば!」
もふもふの誘惑に抗いながら、モリフクさまを一匹ずつ殴り飛ばしていく。
なお、周囲の男子達は大半がもふもふに沈んだか、翼びんたで気絶していたのでソフィアのあられもない姿はほとんど見られていなかったらしいですよ!
成功
🔵🔵🔴
月藤・紫衣
ああ、なんて、もふもふなのでしょうか…!
鳥の姿のオブリビオンというのは大体どの世界にも現れていますがどの子もいい羽根の柔らかさなんです
倒さなければ、とは思うのですが…その前に少しだけもふもふしてみようかと
とはいえ、何もなしにというのは不用心ですね…
ああ、羽ばたいている子を狙っていきましょう
戦闘力が上がっていますが攻撃を【見切り】ながらもふもふすればいいことです
ついでに私自身もUCで強化しておけば問題ないでしょう
はぁ、素晴らしい感触、羽の艶に柔らかさ…
餌付け…餌付けして連れて帰りたい…
いいえ、ダメなのはわかっているのですが
もう少し、もう少しだけもふもふさせてください
ちゃんと【なぎ払い】ますから…
●「すげえ、あの転校生もふりながら戦ってる……」(現地にいた学生の一言)
猟兵達の災魔駆除作戦が始まった。
最初は様子見を決め込んでいたものの、攻撃してきたのを見てモリフクさまの群れも反撃に転じるべく動き出す。
そんな中で、一人の猟兵がうっとりした様子でモリフクさまを見ていた。
「ああ、なんて、もふもふなのでしょうか……!」
動物大好きな月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)である。
この世界だけではなく、他の世界の鳥型オブリビオンと何度となく触れ合って(?)きた経験のある彼は、それぞれの羽根の柔らかさ・もふ心地と言う物を熟知している。
「さて、倒さなければ、とは思うのですが……その前に少しだけもふもふしてみようかと」
……とは言え、いくら愛らしい鳥とは言えど相手はオブリビオン。
心を鬼にして倒されなければならないのは理解している。
もふりを存分に味わってから、骸の海へとお帰り願うつもりのようだ。
紫衣がどのモリフクさまから狙おうかと考えていると、バッサバッサと羽ばたきながら警戒したような様子でこちらを見ている固体が一匹。
「ふむ、あの子にしましょうか」
狙いを定めた紫衣が三色梅花(サンショクバイカ)を使い、自身を強化する。
モリフクさまが羽ばたいている事で戦闘力は上がってはいるが、反応速度を強化している以上、攻撃を避ける事は容易であろう。
「ホー!」
そして、モリフクさまが先手を取るように紫衣へと襲い掛かるのだったが。
見切りで難なく攻撃を避けると、左右両方の翼をガシッとホールドする。
「ホー!?」
攻撃が避けられた上、翼びんたの手段すらも封じられてしまい身動きが取れなくなってしまったモリフクさま。
やられる、と死を覚悟するが。
「はぁ、素晴らしい感触、羽の艶に柔らかさ……餌付け……餌付けして連れて帰りたい……」
凄い蕩けたような顔をした紫衣がモリフクさまをもふり出す!
胸部のモフモフは極上の感触であり、人をダメにすると言う肩書きもあながち嘘ではないと言う事がよく分かる。
出来る事なら餌付けして連れ帰り、毎日もふり倒したいくらいだ。
しかし災魔を持ち帰るのはさすがによろしくないし、飼育が出来るのかも怪しいものである。
「いいえ、ダメなのはわかっているのですが……」
「ホ、ホー?」
「もう少し、もう少しだけもふもふさせてください。ちゃんと薙ぎ払いますから」
「ホー!?」
どっちにしても駆除される運命である事を悟ったモリフクさまが、絶望の表情を浮かべた。
もっとも、本当にそんな顔だったのかは定かではないが。
……因みにこの後、紫衣はモリフクさまを十二分にもふった後で骸の海へと帰したそうな。
成功
🔵🔵🔴
観那月・唯希
オブリビオンが学校内に攻めて来ていると聞いて来ましたが、何だか緊張感がない気が……。いや、ここで倒さないともっと大変なことになるので頑張りますよ!
まずはダッシュして先制攻撃を仕掛けていきましょう。複数の敵に巻きこまれたらなぎ払いや範囲攻撃を使っていきます
……戦っているうちにもふりたくなってきましたね。気絶攻撃で気絶させていけば、思う存分もふれるでしょうか?そのうち気絶してなくても、もふりまくりそうですが
見た目以上にふかふかしているんですね……。倒したくなくなって……、さすがにダメですよね。もふりを堪能したら【狼牙連舞】で一気に片付けましょうか
他の人の絡み・アドリブOK
●もふらずには、いられない
「オブリビオンが学校内に攻めて来ていると聞いて来ましたが、何だか緊張感がない気が……」
うん、やっぱりそう思うよね!
もっともらしい事を口にしたのは観那月・唯希(陽光に煌めく琥珀・f01448)。
これが狂暴かつ凶悪な災魔であれば、この場は惨劇の舞台となったであろう。
……が、現れたモリフクさまは学生から奪ったランチを貪り、抵抗する学生をもふもふor翼びんたで黙らせると言う変な光景だ。
「いや、ここで倒さないともっと大変なことになるので頑張りますよ!」
今は奴らがここで足止めされているからいいが、ランチを食い尽くした後でどこへ行くか分からない以上、一匹残らず駆除しなければならないのだ。
仮に学園がもふもふに制圧されては一大事だ(色々な意味で)。
「さて……数は多いようですけど、どう戦うべきか……」
唯希がなぎなたを手に、モリフクさまの群れを見る。
なるべく周囲を巻き込まないよう戦う必要がある事を頭に入れ、自身のサイバーアイが安全に戦える範囲を高速で演算し、弾き出す。
「……よし、こんなところですね。さあ、行きますよ!」
唯希はサイバーアイの視界内に映し出されたガイドラインをなぞるように、その場から駆け出した。
純白のマフラーが揺れ、ダッシュからジャンプして机に飛び乗ると、そこから更に跳躍すると同時になぎなたで広範囲を薙ぎ払うように振り回す。
空中をホバリングして様子を見ていたモリフクさまの群れが攻撃を受けて切り裂かれ、羽を撒き散らしつつ地へ落ちると共に消滅する。
そんな感じで駆除をしていた唯希であったのだが。
「……戦っているうちにもふりたくなってきましたね」
唯希もやはり、もふりの衝動を抑えられなかったのか。
彼の視線は、警戒しながらこちらを見ているモリフクさまの胸部のモフモフに向けられていた。
気絶攻撃で気絶させる事が出来れば、存分にもふれるだろうか?
そんな事を考える唯希。
「まずはやってみますか。……それっ!」
再びダッシュ、ジャンプで飛び上がり、なぎなたの柄の部分で軽くモリフクさまを叩くと消滅する事なく、フラフラと落ちていく。
それを空中でキャッチする唯希。
「うっ、これは……見た目以上にふかふかしているんですね……。倒したくなくなって……」
唯希が早速もふってみると、予想以上のもふり具合に感嘆する。
なるほど、これは確かに癖になるし人をダメにするのも頷けると言う物だ。
「……さすがにダメですよね。本当はもう暫くもふっていたかったですが、ぼくのやるべき事をやらないと、ですね」
これ以上は戦意を失いかねないため、自身を律すると所持品である銀のハーモニカ『twinkle star』を鳴らし、狼を召喚する。
「ぼくたちの連携を甘く見ないで下さい!」
狼牙連舞(ウルフ・コンビネーション)を発動させた唯希が、再びモリフクさまの狩りを再開する。
そして狩られる側となったモリフクさまは恐怖に怯えつつ、ハンターとなった唯希から必死に逃げ回るのであった。
成功
🔵🔵🔴
ツィギィ・オルティス(サポート)
『腹が減った、チーズバーガーよこせ。』
年齢 15歳 男
口調 男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)
補足:外見中身共々プリンセスとは呼びにくい上、口が悪く拳が出るプリンセスヤンキーだが、5人兄弟の長男故に子供の面倒見がとても良い。また、先輩の猟兵達やダークヒーローに憧れを持ち、彼らのようになりたいと思っている。
戦闘スタイルは基本後衛。
ドレスアップのドレスは完全ヴィジュアル系な衣装である。ギターがあれば最高だなとか言ってる。
●アルダワチーズバーガー・480円(UDCアースの日本円換算)
「ここにチーズバーガーはないのか?」
混沌とした学食に足を踏み入れたツィギィ・オルティス(プリンセスヤンキー・f20561)の第一声である。
いきなり何を言い出したのかと思うが、彼はジャンクフード……主にチーズバーガーなどが大好物なのだ。
ただし野菜が入っているのはNGとの事らしく、ごく最低限のレタスやタマネギならギリギリで許容出来るのだとかなんとか。
「……なんて言ってる場合じゃねえか、こいつは」
彼もまた、猟兵としての仕事をしに来たのは事実。
その力をもって、この場をなんとかしなければならないのだ。
「つっても、俺は基本的に後衛で戦うスタイルなんだけどなぁ」
こいつはどうしたものか、と学食内の様子を見て頭を掻く。
ただ、幸いにも今回の相手はモリフクさま。
もふもふと翼びんたが主な武器だが、その程度の攻撃であれば猟兵からすれば蚊に刺された程度の威力でしかないだろう。
……とは言え、もふもふは猟兵にも効果は大きいやもしれないが。
「考えても仕方ねえ、とにかくやってみるか……それじゃあ、始めるぜ!」
ドレスアップ・プリンセスを発動し、完全ヴィジュアル系な衣装に身を包んだツィギィの体が浮かび上がる。
悪魔のような漆黒の翼と派手な衣装は、まさにUDCアースなどで見かけるヴィジュアル系バンドのそれと言ってもいいだろう。
「これに後はギターでもあれば最高なんだけどな」
あいにくツィギィが現時点で所持している武器はプリセンスハートとダークネスクロークの二つのみだ。
その内、キマイラフューチャー辺りでギター型のサウンドウェポンでも探してみるかなどと考えつつも、学食内を飛翔する。
……ふと、ツィギィの目に留まったのは学生から奪ったであろう四角い包み紙に挟まった、彼も良く知るあのフードを貪ろうとしているモリフクさまの姿が。
「って、やっぱりあるんじゃねえかチーズバーガー! おい、そいつをよこせ!」
言うが早いか、ドレスアップに合わせてシャープな形になった黒いプリセンスハートがモリフクさまへ襲い掛かる!
「ホー!?」
食事に気を取られ、ツィギィの攻撃に反応出来なかったのか。
モリフクさまはバシーンと弾き飛ばされて消滅する。
「よし、ゲット……ああ、くそ! 結構かじられてるじゃねえか!」
残念ながらモリフクさまのクチバシで啄ばまれてしまったらしく、チーズバーガーはところどころが穴だらけになっていたようだ。
やはり落ち着いてチーズバーガーを味わうには……
「……まずはやっぱりこいつらを何とかしねえと、だな」
気持ちを切り替え、ツィギィが学食内にまだまだ存在するモリフクさまの群れを見据える。
幸い、周りには共に戦う先輩猟兵もいる。
猟兵としては新人のツィギィとしては、彼らにいいところを見せたいと思っているようだ。
いつか自分も、肩を並べて戦えるように。
そして弟達に誇れる自慢の兄貴になれるように。
「よぉし、やってやるぜ! ……Let's Rock Baby!!」
気合に満ちた表情と共に、ツィギィはモリフクさまの駆除へと再び飛翔した。
成功
🔵🔵🔴
セフィリカ・ランブレイ
颯夏(f00027) と一緒に行くよ!
私のご高説はじまるよー、颯夏、世の中には二種類のカワイイがあるんだよ
自覚し磨くもの!自覚せずに溢れるもの!
後者はそりゃ尊いし、前者の努力も尊いよ
けど!可愛いを利用しお弁当を奪うなんて自分の可愛さを利用した悪党!
いくらキュートでも遠慮会釈一切なし、無慈悲に倒すよ!
と、思っていた時代もあったんだなあ
……やー
でも実際に見ちゃうとなー
可愛し毒気が抜かれて……
アレに向けて攻撃指令を出すのが?そのね?凄い悪事に思えてきてね?
あのね、颯夏さ、ここに攻撃用ゴーレムの作動スイッチがあるんだけど、押してみるとかしない?
ぽちっといくとオートで攻撃しに行くんだけど
青葉・颯夏
セフィリカさん(f00633)と
可愛い、について語る友人を微笑ましく見守る
うん、それはよくわかる
こんな風に一生懸命な彼女はきっと自覚しない方の可愛さかしら
もふもふと手の中のモリフクさまをなでながら頷く
だけど、見逃すわけにもいかないのよ
……セフィリカさん、いいかしら
モリフクさまを手放して
返事を聞く前に彼女の手を取ってゴーレムの起動スイッチを押してもらう
こういうものはマスターの仕事よ
にっこり、笑顔で「説得」しながら花風を撃つ
あたしも相応の仕事はするから、一緒にね
●学食、更にカオスになるの巻
「私のご高説はじまるよー」
いきなりセフィリカ・ランブレイ(蒼剣姫・f00633)がフリーダムなノリを全開に語り出す。
「颯夏、世の中には二種類のカワイイがあるんだよ。自覚し磨くもの! 自覚せずに溢れるもの!」
「わかる、わかるわ」
可愛い物について語り出すセフィリカの横で、うんうんと静かに頷くのは青葉・颯夏(悪魔の申し子・f00027)。
「後者はそりゃ尊いし、前者の努力も尊いよ。けど! 可愛いを利用しお弁当を奪うなんて自分の可愛さを利用した悪党!」
モリフクさまへ向けてびしっと持論を展開、指摘をするセフィリカ。
言われてみればそうかもしれない……の、だろうか?
「……と、思っていた時代もあったんだなあ」
彼女がパンを夢中で啄ばむモリフクさまを見て、しみじみ言うと。
「……やー、でも実際に見ちゃうとなー。可愛し毒気が抜かれて……アレに向けて攻撃指令を出すのが? そのね? 凄い悪事に思えてきてね?」
嗚呼、やはりそう思うのはごく自然な事なのであろうか。
もしもこれが醜悪な災魔であれば、問答無用で駆除していたやもしれないが。
げに恐ろしきは可愛さと言う名の武器なのか。
「うん、それはよくわかる」
颯夏が淡々と返すが、その両手の中ではモリフクさまが既になでられていた。
……えっ、君いつの間に捕獲してたの!?
「話に聞いてたけど、ホントにいいもふもふだよねー」
胸のモフモフをこちょこちょするセフィリカ。
颯夏に捕獲され動けないモリフクさまがくすぐられて(?)プルプルしている。
(こんな風に一生懸命な彼女はきっと自覚しない方の可愛さかしら)
楽しそうにモリフクさまと戯れているセフィリカに対し、颯夏が微笑ましげな様子で頷いている。
君達、仲良しだね?
「だけど、見逃すわけにもいかないのよ……セフィリカさん、いいかしら」
両手でホールドしていたモリフクさまをリリースすると、自分達の任務を忘れてはいないかと言う事を再確認する颯夏。
もしも颯夏がいなかったら、おそらくセフィリカが任務に取り掛かるのが更に遅れていたかもしれない……多分。
「ん、分かってるって。この子達が災魔じゃなかったら良かったんだけどねー」
名残惜しそうにくすぐりを止め、ポケットから何かを取り出すセフィリカ。
何かスイッチのような物であるが……?
「あのね、颯夏さ、ここに攻撃用ゴーレムの作動スイッチがあるんだけど、押してみるとかしない? ぽちっといくとオートで攻撃しに行くんだけど」
セフィリカが何やら楽しそうに問う。
こう見えても彼女は魔法と機械を融合させたゴーレムの作成が趣味であり、それを使って戦闘を行ったりするのである。
……いや、しかし大勢の学生を収容出来る広さとは言えど、ここは学食。
さすがにそこでゴーレムと言うのは少し問題が……
「こういうものはマスターの仕事よ」
颯夏が笑顔で説得しつつ、彼女の手を取ってゴーレムの起動スイッチを押す。
え、返事聞く前に押しちゃったの!?
すると、どこからともなくゴーレムが学食内に現れる!
突然やってきた新たな闖入者に、モリフクさま達が混乱……あ、あの、どうなっちゃうんですかこれ?
「あたしも相応の仕事はするから、一緒にね」
そう言うと、花風(タンペット・ドゥ・フルール)で自身の武器をラナンキュラスの花びらに変え、モリフクさまの群れへと攻撃を行う。
ゴーレムがやってきた事で注意を逸らされ、颯夏から半径47mの範囲内いたモリフクさまが次々と落とされ、消滅する。
「おー、颯夏やるぅ! よーし、私も負けてられない!」
セフィリカも負けじと、フォースマシン総突撃(フォースマシンソウトツゲキ)でゴーレムに命令し、モリフクさまに攻撃指令を出す。
……さて、想像してもらいたい。
突然現れた魔法と機械の融合したゴーレムに襲われると言う事を。
自分よりも背丈の高い『それ』がいきなりやってきたら?
「ホー!?」「ホーッ!?」「ホーーー!!」
蜘蛛の子を散らすように、モリフクさまがあちこち逃げ出していく。
中には翼びんたで反撃を試みようとした固体もいたようだが、さすがに相手が悪すぎたかゴーレムチョップで難なく返り討ちにされたのを見て、もうこれは逃げるしかないと彼らは判断したようだ。
「あたしのところに来たのが運の尽きね。落ちなさい」
颯夏のところへ逃げてきたモリフクさまを花風で容赦なく迎撃する。
ラナンキュラスの花びらが両目を塞ぎ、前が見えなくなったモリフクさま同士で衝突・墜落、そして消滅する。
「……本当に、災魔じゃなければどれだけ良かったかしら」
両手に微かに残った、あのもふもふ具合を思い出す颯夏。
どうやら忘れられない感触だったようだ。
しかし突然学食に現れ、昼食中の学生からランチを奪うと言う行為は決して見過ごす事など出来る訳がない。
例え小さな事でも、人に害を成す存在であれば倒すだけだ。
その一方で、ガッションガッションとゴーレムがモリフクさまを追い回している様子があちこちで見られる。
大勢やってきたモリフクさまの数は少しずつ減りつつあるようだ。
「あぁ……もふもふ……もふも……ハッ、俺は何を!?」
ふと、もふもふ攻撃にやられた学生が正気に戻る。
そんな彼が目にしたのは。
「え、なに、これ」
ゴーレムがモリフクさまを追い掛け回している。
一目間違えば、災魔が災魔を追い掛け回しているようにも見えるカオスな光景であった。
「……うん、これは夢だ。そうに違いない。ああ、もふもふ……」
見なかった事にして現実逃避したようだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ロート・カニーンヒェン
「凄く・・・持ち帰りたいです」(WIZ)かわいいな~。絶対手触りいいぞあれ。これは、もふらざるを得ない。ただもふられるのもつまらないから、グッドナイス・ブレイヴァーでもふもふ具合を中継してもふもふ具合、もとい危険さをアピールしよう。生半可な気持ちでもふれば危険だとわかれば被害は少なくなるはず。私の一心不乱のもふもふをお見せしよう!!(アドリブ歓迎です)
●「もふもふの危険な罠・アルダワ魔法学園編」(配信タイトル)
「凄く……持ち帰りたいです」
モリフクさまを見たロート・カニーンヒェン(グリーディー・ファントム・f00141)の正直な感想が漏れる。
彼女もまた、動物好きと言う事もあっての反応だろうか。
……だが思い出したいただきたい、いくらモリフクさまが可愛くても!
災魔、つまりはオブリビオンである事を!!
持ち帰って飼育は……多分、不可能な気がする。
「かわいいな~。絶対手触りいいぞあれ」
などと言いつつ、両手をわきわきさせているロート。
既にもふり倒す気マンマンなようだ。
だが、少しでも油断すると戦意を丸ごと削り取られてしまうもふもふだ。
取り扱い……もとい、もふり扱いには十分注意せねばなるまい。
「そうだ、もふもふ具合を中継しよう!」
ピコーン、と頭に電球が光ったエフェクトを出すロート。
グッドナイス・ブレイヴァーでもふもふ具合を中継してもふもふ具合、もとい危険さをアピールしよう。
生半可な気持ちでもふれば危険だとわかれば被害は少なくなるはず。
……と、言うのがロートの狙いらしい。
えっ、どう言う事なの……。
「はい、ロートだよー! 今日はアルダワ魔法学園の学食からお送りするねー!」
ロートはグッドナイス・ブレイヴァーを使い、動画撮影ドローンを召喚。
そして本当にもふもふ具合の生中継を始めてしまったではないか!
一応、この放送はここの世界に配信されているらしいが、学園内でその様子を映し出しているのであろうか……?
「今、学食に災魔のモリフクさまが来てるんだけど、実は凄い危険なんだよ。どれだけ危ないか、私がそれを身を持って実証するんだよ!」
……などと言うと、ロートは近くでばっさばっさと羽ばたいていたモリフクさまをひょいっと捕まえる。
さあ、私の一心不乱のもふもふをお見せしよう!!
目がきゅぴーんと光り、モリフクさまを逃がさないようにホールド。
そしてドローンのカメラ目線をキープしながら……
「まずは頭! 意外にも羽毛の量は少なめながら、その触り心地はふよふよ、ふさふさ。優しく触れる事が大事だよー」
「ホ、ホー……」
軽く触れるようにもふるロート。
それに対し、まな板の鯉の状態でプルプルしているモリフクさま。
「続いて左右の翼! ここは羽が多い分、少し感触が独特な感じかな? そしてメインである胸のモフモフ! ここがモリフクさまの一番危険なところ!」
わしゃわしゃと両手でモリフクさまの胸部をもふる。
「ここは『そのもふもふは人をダメにする』とまで言われてるところだよ。迂闊にもふったら戻ってこれなくなるかも!」
ドローンから「マジか、それはヤベーな!」や「も、もふりたいわ……」など、視聴者の反応が返ってくる。
……これ見てる学生、いるんですね。
「胸のモフモフに触れる時は、まず手で軽く。そこから段階を踏んで……」
ロートのモリフクさまもふもふ講座が続く。
その内容は学生の心に深く刻み込まれ、アルダワもふもふの会なる物が発足したとかしなかったとか。
因みに配信が終わった後、ロートはなんやかんやあって捕まえたモリフクさまを(骸の海へと)帰したそうです。
成功
🔵🔵🔴
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
こ、これはまた、何とも可愛らしいですねぇ。
確かに倒し辛いですぅ。
取り敢えず、暫くはもふもふさせていただきつつ、どうするか検討しましょう。
(十分にもふったところで)
名残惜しくは有りますが、そろそろ対応した方が良さそうですねぇ。
出来るだけ苦しまずに済む様、『刀』を用いた【指定UC】で一気に斬らせていただきますぅ。
或る程度纏まっているようでしたら[範囲攻撃]を、此方の攻撃後の隙を狙って近づいてくるなら[2回攻撃]を、それぞれ重ねて使いますねぇ。
ところで、これだけもふもふした「羽毛」が取れるのでしたら、冬場に向けて回収し「モリフクさまの羽毛布団」を作っても良さそうでしょうかぁ?
●るこるは容赦しない(例えもふもふであっても)
「こ、これはまた、何とも可愛らしいですねぇ。確かに倒し辛いですぅ」
駆除対象であるモリフクさまを一目見て、早速心奪われる夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。
やはりその外見、もふもふは強い武器になるようだ。
それは猟兵とて例外ではないのが実に厄介である。
「取り敢えず、暫くはもふもふさせていただきつつ……」
どうするかを検討しよう。
そう考えたるこるは、自身の方へと飛んできたモリフクさまを捕まえると、迷う事なく胸部のモフモフに顔を埋めてみる。
……それは実に柔らかく、そしてふかふかしていた。
「あぁー……これはダメになっちゃいますぅ……」
るこるはふにゃりと蕩けた顔でもふもふを堪能する。
干したての布団よりもふかふかした感触は、ずっとこうしていたいと言う気にすらさせる魔性のもふもふだ。
それを自分の顔だけでなく体でも味わってみたいと思ったるこるは、モリフクさまを自身の大きな胸へムギュッと押し付けてみる。
「ふわぁ、こっちも……たまらないですぅ……」
一言で言えば、実に心地良い感触であった。
いっその事モリフクさまを布団にしてみたい、そんな事も考えてしまう。
……そのモリフクさまは、るこるの胸に押し付けられて酸欠になりそうでジタバタしているのだが。
そんなもふもふを味わう事、数刻……
「ふぅ、最高のもふもふでしたぁ……名残惜しくは有りますが、そろそろ対応した方が良さそうですねぇ」
そして十分にモリフクさまをもふったるこるは、そろそろ仕事にかかるべく気持ちを切り替える。
……すると先程とは打って変わって、別人のような目になったるこるが霊刀『純夢天』を抜く。
彼女が仕事モードに入ったのだ。
「出来るだけ苦しまずに一気に斬らせていただきますぅ」
まずはリリースしたモリフクさまを剣刃一閃で斬る。
スパッと真っ二つになると、何が起きたかも分からず表情を変える事もないまま消滅した。
実に鮮やかだ。
「悪く思わないでくださいねぇ。これも、仕事ですからぁ」
続いてモリフクさまが固まっているところを見るや、範囲攻撃で一閃。
まとめて両断されると共に、羽を撒き散らして消え去る。
そこへ反撃しようとモリフクさまが翼びんたを行うが……
「隙だらけ、ですよぉ?」
難なく避けると攻撃後の隙を見て、すかすざ二回攻撃で切り伏せる。
縦と横、十字のように斬られたモリフクさまは四等分にされ、消滅する。
……ふと仕事の最中、辺りに落ちている『もふもふした羽毛』を手に取ると、るこるは何かを思い付く。
「ところで、これだけもふもふした『羽毛』が取れるのでしたら……冬場に向けて回収し『モリフクさまの羽毛布団』を作っても良さそうでしょうかぁ?」
その言葉を聞いたモリフクさまの群れがビクッと震える。
モリフクさまを布団にしてみたい、そんな事から思い付いた事だったが。
彼らからすれば、まさに死の宣告であった。
「でも……まだ、これだけじゃ足りませんよねぇ?」
「「「ホー
!?」」」
モリフクさまは最大の恐怖に震えた。
彼らが再び骸の海へと帰る時に見たのは、情け容赦ないハンターの目であった。
●第一のM、沈黙
……こうして学食に現れたモリフクさまは駆除された。
この戦闘で多少なりとも学食は荒れてしまったが、ひとまずは災魔の魔の手からここを奪還する事が出来ただけでも十分であろう。
しかし、このモリフクさまはどこからやってきたのか?
そんな事を考えていると……。
「あ、転校生! ここに災魔出たって言うから来てみたけど……」
そこへ、学食にやってきた一人の女子学生が猟兵達に話しかけてきた。
「どうやら、解決してくれたみたいね。それよりも、災魔がまた出てきたわ!」
ここまでは出撃前の話の通りのようだ。
確か今度はモフィンクスらしいが、一体どこに現れたのだろうか?
「こっちよ、付いてきて!」
一行は女子学生の案内を受け、移動する。
果たして、その行き先とは……。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『モフィンクス』
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POW : モフ~ン
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【気の抜けた鳴き声 】から排出する。失敗すると被害は2倍。
SPD : モフ~zzz
【眠気を誘うアクビ 】を聞いて共感した対象全てを治療する。
WIZ : モフッ、モフッ(実は今欲しい物)
質問と共に【質問の解答が具現化する靄 】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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●第二のM、モフィンクス
学食に現れたモリフクさまを駆除した猟兵達は、新たに災魔が現れた事を聞く。
その発見者である女子の案内を受け、次の現場へと向かうのであった。
……一行は学食から少し離れたところにある教室の前にやってきた。
「ここよ、普段からほとんど使われていない空き教室。いつも昼休みが終わったらアタシがここで授業をサボ……んんっ! と、ともかく、ここに災魔が出たのよ!」
何かよからぬ事を聞いたような気がしたが、それよりもここが出所らしい。
慎重に扉を開き、内部の様子を見ると……
「モ~フ~……zzz」
モフィンクスのむれが、きょうしつのいっかくで、おひるねをしていた。
でっぷり、もっちりしたもふもふボディ、うさみみのような部分、そしていつも眠そうな顔をしている愛嬌抜群の顔。
更には聞いた者を脱力させる事確実の、ユルユルな鳴き声。
これはある意味強敵……いや、それよりもだ。
「ほら、見える? あいつらの塞いでる後ろ、迷宮の扉があるでしょ?」
女子の言う通り、モフィンクスの群れの後ろには何故か迷宮の入口が。
普段はこんなところに迷宮の入り口が出てくる事はないはずだが……しかし、モリフクさまがここから出てきた証拠として、教室内の窓がいくつか割られていた。
ここから学食へ襲来したのだろう。
「そう言えばモフィンクスって、直接戦わなくても遊んであげたりすれば、満足して帰って行くって話だったわ。アタシも迷宮内で迷って遭遇した時は、あいつらの相手するのが大変だったけど……」
なるほど、戦わずに済むのであればそれに越した事はないだろう。
とりあえず彼らと触れ合って、何かしら楽しませたりしてみよう。
モフィンクス達が迷宮へ帰れば、きっとボスが出てくるはずだ。
それに何より、彼らももふもふしてるからね!
ロート・カニーンヒェン
「おいでおいで~。」(W)遊んであげればいいなら、願ったり叶ったりよ。たっぷりなでなでもふもふしてる様子を動画にしながら遊んであげよう。ついでにお手やおかわりみたいな芸でも仕込んでみるかな・・・君ら、家に来ない?(アドリブ歓迎です)
ソフィア・ウェスタ
直接戦ったりしなくても、遊んであげたりすれば……
よ、よかった、今度はあのもふもふと戦わなくても大丈夫なのね。
戦わないで済むならそれに越したことはないし、あわよくば一匹連れて帰っ……いやいや流石にそれは駄目だってば。
とはいっても、遊ぶってどうしよう?散歩とか行ったりしても大丈夫なのかな?
ふかふかのお布団や毛布持ってきて一緒に寝るとか……駄目?遊んでないよねコレ。
……えーい!悩む暇があったらやればいいのよ!誰か!良さげなお布団持ってませんか!
あと、飲むかどうかわかんないけど、ティーセット持ってるから、紅茶も一緒にどう?
ぬるめにしとくし、うっかり火傷したりしたら生まれながらの光で治療してあげるから。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
モフィンクスさん、可愛いですよねぇ。
倒さなくて良いのでしたら、その方が有難いですぅ。
「学園の施設」ですから、何処かにボールくらいは有ると思いますので、まずは此方を確保して参りましょう。
その上で、モフィンクスさん達が起きるまでは、もふもふしながらまったりしますねぇ。
起きて参りましたら、確保してきたボールで遊びますぅ。
【指定UC】で「複数個を一度に投げる」等、飽きさせない様にしながら遊びますねぇ。
元々のんびりした方々ですから、疲れるのも早そうでしょうかぁ?
丁度『スイーツセット』を持っておりますので、此方を一緒にいただきつつ一休みしましょう。
楽しんでいただけると良いのですが。
●対決、モフィンクス!(戯れる的な意味で)
「モフィンクスさん、可愛いですよねぇ」
るこるの言葉にうんうん、と頷くロートとソフィア。
三人の視線の先には、鼻ちょうちんを膨らませながら眠っているモフィンクス。
その様子の、なんと可愛い事か。
「遊んであげればいいなら、願ったり叶ったりよ」
「直接戦ったりしなくても、遊んであげたりすれば……よ、よかった、今度はあのもふもふと戦わなくても大丈夫なのね」
事前に話で聞いた通り、何かしらの手で彼らを満足させれば帰っていくと言う事を聞いて、二人は安堵の表情を浮かべる。
戦わず、好きなだけもふれるのなら尚更だ。
「倒さなくて良いのでしたら、その方が有難いですぅ」
やはり可愛い災魔と戦うのは本意ではないのか、るこるもモフィンクスに対して気を許している。
これがもし、モフィンクスも攻撃的な災魔であったのならモフィンクスのもふもふ毛を愛用の刀でスパスパッと狩り集め、先の学食におけるモリフクさまと同じ運命を辿っていたやもしれない。
「とはいっても、遊ぶってどうしよう? 散歩とか行ったりしても大丈夫なのかな?」
うーん、とソフィアが考える。
やるとしたら首輪にリードを付けて学園内を歩き回る?
……さすがに学園内に災魔を連れ回すと言うのは問題があるだろう。
それに下手したら騒ぎが大きくなってしまうのは避けられない。
「やっぱりここで何とかするしかないかなぁ。そうなると何か遊び道具になりそうな物が必要になるよね?」
「そもそもここは『学園の施設』ですから、何処かにボールくらいは有ると思いますので、まずは此方を確保して参りましょう」
るこるの提案を受け、ロートがここに案内してくれた女子学生に尋ねる。
「早速だけど、ボールがありそうなところは?」
「ここからだと……そうね、運動部の部室が近いんじゃないかしら? アタシには縁のない場所だけど」
「これだけモフィンクスがいるなら、数は必要になるよね。案内してくれる?」
「いいわ、付いてきて」
女子学生はロートを運動部の部室へと案内すべく、教室から出る。
戻ってくる頃にはボールを多数持ってきてくれるはずだろう。
「それじゃあ、ロートさんが戻ってくるまでもふもふしながらまったりしましょうかぁ」
「そうね、そうしましょう」
るこるとソフィアは教室内の机を少し後ろへ下げると、お昼寝中のモフィンクスを一匹、群れの中からそっと拝借(?)し、その場に座ると膝の上に乗せる。
そんな事をされても、モフィンクスが起きる様子は特になく……
「モ~フ~……zzz」
二人の膝の上でゆるゆるな鳴き声と共に寝息を立てている。
これなら大丈夫そうだろうと思い、今度はそのモフモフボディに触れてみると。
「お、おお……凄い、ふかふか……」
「何から何までもふもふしてますねぇ……癖になっちゃいそうですぅ」
体全体が柔らかい毛で覆われ、そのもっちりボディも相まって素晴らしいもふもふ度である事が分かる。
先のモリフクさまとはまた違ったもふもふ感だ。
二人のモフィンクスに触れる手が止まらない。
そんな風にもふもふタイムを味わっていると。
「お待たせー、ボール持ってきたよー」
ロートが鞄いっぱいにテニスボール大のボールを持って戻ってきた。
「お、これだけボールがあれば!」
「モフィンクスさん達を楽しませてあげられますねぇ」
遊び道具が増えた事を喜ぶ二人。
「うーん、他に出来る事はないかな……ふかふかのお布団や毛布持ってきて一緒に寝るとか……駄目?」
ソフィアはモフィンクスと一緒にお昼寝を想像してみる。
……うん、これは天国だ。
「……えーい! 悩む暇があったらやればいいのよ! 誰か! 良さげなお布団持ってませんか!」
「ふ、布団? さすがにそれはないけど、敷物だったら……えーと、確か……」
唐突に話を振られた女子学生が、教室内のロッカーを開く。
「アタシがここで昼寝に使ってる奴だけど、これでいいなら使って」
そう言うと丸めた敷物を差し出す。
……いや、君そんなのここに隠してたんかい。
「じゃあ、ちょっと使わせてもらうね」
ソフィアが敷物を広げると、改めて三人がその場に座る。
……そうこうしている間に、モフィンクスの一部がお昼寝から目覚めた。
「モフン?」
「おいでおいで~」
ロートがモフィンクスに手招きをすると、ぴょこんと立ち上がってやってくる。
どうやら人の言葉が分かるらしい。
やってきたモフィンクスをキャッチすると、ロートはいつの間にか準備していたグッドナイス・ブレイヴァーで撮影用ドローンを前に配信を始める。
「はいはーい、ロートだよー。モリフクさまの次はモフィンクス! 一部では有名かもしれない災魔だけど、知らない子もいるよね? 今回はモフィンクスとの戯れ方について知っておこうねー」
「モフ~ン」
「まずはもふもふしてみよう! モフィンクスは温厚な災魔だから、こんな風にしても……」
頬ずりするような感じでロートがもふると、モフィンクスは気の抜けた鳴き声をするだけで、特に何もしてこない。
「……ね、安全でしょ? それじゃあ続いて、モフィンクスの知性について」
人の言葉が理解出来ると言う点に触れると。
「はいモフィンクス、お手!」
「モフン!」
手を出したロートに、ぴょこっと右手を差し出すモフィンクス。
モフィンクスは犬か何かなのだろうか……?
「……と、こんな風にある程度の知性はあるみたいだよ。続いて、習性については……るこるちゃん」
「はぁい。例えば、モフィンクスさんの視線に先にこうやってボールを投げてみますとぉ……」
るこるはフルバースト・マキシマムでロートの持ってきたボールを一斉に投げる……え、ユーベルコードでそう言う使い方ってアリなんです!?
いや、それはともかくとして……投げたボールに対して、お昼寝から目覚めたモフィンクスの群れが反応する。
「モフ~ン」「モフッ」「モフ~」
一斉に投げたボールへ向かって、ぴょこぴょこと短い足を動かしながらボールを取りに行く。
それから少しすると、前足にボールを抱えたモフィンクス達がるこるのところへ戻ってきた。
「はい、いい子いい子……こんな感じで、反応しますねぇ。もし迷宮に行くのなら、準備しておくといいかもしれませんよぉ」
「るこるちゃん、協力ありがとー! そしてモフィンクスのもふもふっぷりを味わいたいのなら、こんな風に一緒に添い寝してみるのもアリかも?」
撮影用ドローンが、敷物の上で一緒にモフィンクスと添い寝しているソフィア(蕩けた表情)を写す。
「このもふもふはいい物だわ~」
「モフ~ン」
あの、これは写していい物なんでしょうか……?
しかし、ドローンの向こう側からは「モフィンクスと一緒に寝たい」「むしろモフィンクスを布団にしたい」と言う反応が多く来ていた。
げに恐ろしきはもふもふの魔力か(二度目)。
「もしモフィンクスを迷宮内で見かけたら、こんな風に戯れるといいかもしれないよ。……それじゃ、今回はここまで。見てくれてありがとー!」
軽くまとめるとロートは配信を締めくくった。
これで学生達にモフィンクスのもふもふっぷりを十分アピール出来ただろう。
「ん……これでよし」
「お疲れ様ですぅ。……あら、モフィンクスさん達もお疲れですかぁ?」
投げたボールを持ってくるだけであったが、それだけでも体力を使ったのか。
ぐでっとした様子で横になっているモフィンクス達。
「丁度『スイーツセット』を持っておりますので、此方を一緒にいただきつつ一休みしましょう」
「あ、飲むかどうかわかんないけど、ティーセット持ってるから、紅茶も一緒にどう?」
るこるのスイーツセットに反応してか、ソフィアがバッと起きると使い古したティーセットを取り出す。
……あっと言う間に(即席的ではあるが)お茶会の場が展開される。
「さあさあ、どうぞぉ」
るこるが皿の上に乗ったスイーツを差し出す。
それを見たモフィンクスがくんくんと匂いを嗅ぐと小さな口でパクパクと食べる。
「モ~フ~ン……」
相変わらず気の抜けた声だが、どうやら気に入った様子だ。
それを証拠に夢中になってスイーツを貪っている。
「紅茶もあるよー」
次いでソフィアが出来るだけ冷ました紅茶をティーカップに入れて差し出す。
モフィンクスは水を飲む猫のような動作でペロペロと舌を付けるが……
「モッ!?」
熱さのあまり、ぴょんと兎のように飛び跳ねてしまう。
どうやら猫舌だったようで……いや、そもそも猫科なのかも分からないが。
「わっ、大丈夫!? すぐ治すからね」
そこへすかさず、ソフィアが生まれながらの光でモフィンクスの舌を治療する。
まさに万全のおもてなしだ。
「んー……これ、美味しいね。……君ら、家に来ない?」
「モフン?」
紅茶を味わいつつ、スイーツを口にするロートがモフィンクスに問いかける。
「私もあわよくば一匹連れて帰っ……いやいや流石にそれは駄目だってば」
モフィンクスに魅せられたソフィアも本音が漏れそうになるが、寸前のところで踏み止まる。
いくら危険度は低いとは言え、やはり災魔を連れて帰る事はよろしくない。
しかし、そう考えてしまうほどにモフィンクスのもふもふは魅力的であった。
「気持ちはとても分かりますけど、このアルダワだけで我慢しましょうねぇ」
「うーん……辛いところだけど仕方ないかあ」
さすがにそうもいかないかと、残念そうにロートがスイーツの切れ端をモフィンクスの口へと運んでいくのであった。
その後、三人のおもてなしを受けたモフィンクス達は満足げに迷宮へと帰っていったそうな。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
月藤・紫衣
くっ…なんて素晴らしい空間なのでしょうか…
どこを見てももふもふとは…
彼らの毛並みも、モリフクさまの羽根とはまた違った良さがありますからね
さて、遊ぶというか楽しませれば良いのですね
ふむ…少々手間なのですが、ブラシを使ってブラッシング
その後、マッサージ
最後に心地よく眠れるように子守唄を【歌唱】しましょうか
ああ、いい…素晴らしい、もふもふです
ちょっと、ちょっとだけこのもふもふに顔を埋めて…
はぁ…ふわふわ…ふわふわです…
このもふもふを傷付けるなんて私には出来ません…
彼らの心行くまでもふも……んんっブラッシングとマッサージをしましょうね
●「モフ、モフモフ~ン(特別翻訳:これめっちゃ気持ちいいわぁー)」
「くっ……なんて素晴らしい空間なのでしょうか……。どこを見てももふもふとは……」
それは紫衣からすれば、まさに理想郷とも呼べる物であったか。
モフィンクスは一匹だけではない、群れで固まってお昼寝中なのだ。
その数はそれなりの物であり、今ここにいる猟兵達が総出で相手をしない限り全てを迷宮へ帰す事は難しいであろう。
「彼らの毛並みも、モリフクさまの羽根とはまた違った良さがありますからね」
逸る気持ちを抑えつつ、紫衣はモフィンクスの群れに近付く。
その中で眠る一匹を慎重に抱え、近くに座る。
「さて、遊ぶというか楽しませれば良いのですね」
何をすべきであろうか、と思案する。
紫衣の膝の上で、モフィンクスはユルい鳴き声でお昼寝継続中。
このまま無闇に起こして安眠を妨害をするのは可哀想だ。
「ふむ……少々手間なのですが」
ならばと紫衣は所持品の『対猫用秘密七つ道具』からブラシを取り出す。
モフィンクスは猫科なのか分からないが、少なくともこの毛並みを見るからにブラッシングは出来るであろうと判断したようだ。
紫衣がブラシを手に、モフィンクスの背に向けてブラッシングする。
毛が引っかからないよう力は弱めに、丁寧に流していくように。
ブラシは毛並みの奥のもっちりボディに当たらないギリギリの所まで入れる。
手馴れているのか、その動きは実にスムーズだ。
背中部分のブラッシングが済むと、ブラシには意外にも多めに毛が付着していた。
「これは想像以上ですね。ですが、その分やり甲斐もあると言うものです」
楽しそうに紫衣がブラッシングを続ける。
されている方のモフィンクスはと言うと、気持ち良さそうに寝息を立てていた。
背中の次は頭から胴体にかけて、丹念にブラッシングしていく。
……一通りそれが済むと、モフィンクスの毛並みはブラッシング前よりもきれいなつやつやになっていた。
「よしよし、いい具合です。次はマッサージですよ」
ブラシを一端置くと、指を胴体の下の辺りに当て、こねるように動かす。
上から下に、下から上にと言う動作を繰り返しつつ、前足から後足へと移動する。
それを数分かけて行っていると。
「モ~フ~~~ン……」
モフィンクスは気が抜けるどころか蕩けたような声を漏らしているではないか。
あまりに気持ち良いのか、少しよだれが出ているようにも見える。
「♪~~♪~……」
更に追い討ちをかけるかのごとく、紫衣が子守唄を歌唱する。
……こうかは、ばつぐんだ!
紫衣が一通りの仕事を終えると、モフィンクスはもふもふ毛並みからきれいなもふもふ毛並みに変化した。
「ああ、いい……素晴らしい、もふもふです」
我ながらよく出来た、と言わんばかりのノリでブラッシングの出来に満足する。
「ちょっと、ちょっとだけこのもふもふに顔を埋めて……」
もう我慢出来ないとばかりに、ブラッシング済みモフィンクス(お昼寝継続中)の背中に顔を埋める紫衣。
それは言葉に出来ないもふもふで、ブラッシングした事で更に倍となった。
「はぁ……ふわふわ……ふわふわです……。このもふもふを傷付けるなんて私には出来ません……」
紫衣がこの上なく幸せそうな様子でもふもふを堪能する。
そこへ……
「モフッ」「モフフ~」「モフッ、モフ~」
いつの間にやら、ブラッシングからマッサージの様子を見ていたのだろうか?
別のモフィンクス達が紫衣を包囲していた。
彼らが言いたい事は、おそらく……
「……ああ、君達もですか? ふふ、いいですよ。ただし、順番ですからね?」
「モフッ!」「モフッ!」「モフ~!」
言いたい事を理解してくれたのか、気の抜けた鳴き声で喜ぶ(?)様子のモフィンクス達。
「彼らの心行くまでもふも……んんっブラッシングとマッサージをしましょうね」
紫衣はブラシに付いたモフィンクスの毛を落とすと、改めてブラッシングに取り掛かった。
まだまだ先は長くなりそうだが、彼らの事を思えば苦にもならないだろう。
……因みに、その後やたらと毛並みのきれいなモフィンクスの群れが時折迷宮内で見られるようになり、そのレア(?)なモフィンクスを見た者には幸運が訪れるとまで言われるようになったとか、ならなかったとか。
成功
🔵🔵🔴
青葉・颯夏
セフィリカさん(f00633)と
こんなところに入口ができるなんてね
出てきたのがもふもふだからまだよかったけどこれがもしもっと物騒なものだったら……
考えるだけで背筋が寒くなる
ここにいるのは戦わなくてもいいみたいだし、思う存分可愛がれそう
そうセフィリカさんに言いながら、近くにいた仔を膝に乗せる
……うん、いつ見ても可愛いわ
撫でてもふって頬ずりして久々の感触を楽しむ
ああ、セフィリカさんのことも見ておかないと
あんまりリラックスしすぎた姿を大っぴらにはできないもの
満足してくれて帰ってくれたなら、あたしたちも次への心構えができるかしら
セフィリカ・ランブレイ
颯夏(f00027) と一緒に行くよ!
颯夏?ちょっと浮かない顔してるけど
あ、もしかしたらもっと悪いことが起きてたら、とか考えてた?
良いんじゃない?実際はこういうゆるふわ光景なんだし
なるようにしかならないってことも割とあるからね
遊んであげたら満足するとか君には災魔の誇りはどうした?
まあ?今だけは?乗ってあげるけど?
いい手触りだし触れながらうとうとするともう最高だね
この子らって実際どんな遊びが好きなんだろ?
いつもだるだるしてる印象しか…
おーい、何が好きなのー?自由をゆるーすぞー
なんて語りかけながら、のんびり過ごそうかな
やっぱり可愛いもの好きの颯夏は実にキュートで女の子らしい、これも高得点だね
●やっぱり可愛い物は可愛いのです
「こんなところに入口ができるなんてね」
颯夏は教室内に現れた迷宮の入口を前に、真剣な顔をしている。
いつもであれば、学園の地下に迷宮への入口が現れるが……今回のようにアルダワの地上階層に出てくるのはイレギュラーな事だ。
(出てきたのがもふもふだからまだよかったけど、これがもしもっと物騒なものだったら……)
想像しただけでゾッとする颯夏。
こうして出てきたのがモフィンクスで心底良かったと思う。
もし危険性の高い災魔であれば、学園は阿鼻叫喚の地獄絵図となっていたはずだ。
「颯夏? ちょっと浮かない顔してるけど……あ、もしかしたらもっと悪いことが起きてたら、とか考えてた?」
そんな不安を感じていた颯夏とは対照的に、セフィリカがいつもの明るい調子で横から話しかけてくる。
彼女の言う事はまさにその通りであった。
「そうね、否定はしないわ」
「んー、良いんじゃない? 実際はこういうゆるふわ光景なんだし。なるようにしかならないってことも割とあるからね」
そう言うセフィリカはモフィンクスの近くに座り、群れの中から一匹をひょいっと拝借(?)する。
教室内で群れで固まり、絶賛お昼寝中のモフィンクスは周囲にユルい空気を放っていた。
「それに、この子達は温厚な性格みたいだから大丈夫でしょ。ほら、颯夏も……」
手招きするセフィリカに促されるように、颯夏もモフィンクスを一匹確保すると近くに座り膝の上に乗せる。
それは実にいいもふもふであった。
「ここにいるのは戦わなくてもいいみたいだし、思う存分可愛がれそう」
颯夏の緊張が解けたのか、隣のセフィリカに向けて少しだけ微笑む。
「そうそう、せっかくの機会なんだから存分にもふらないと」
セフィリカの手がモフィンクスの背中をゆっくりと往復する。
手に馴染むもふもふ感がとても心地良い。
もふられているモフィンクスは、起きているのか寝ているのか分からない顔をしたまま『モフ~』とゆるゆるな鳴き声を返すのみである。
「……うん、いつ見ても可愛いわ」
アルダワの事件でモフィンクスに何度か触れ合った事のある颯夏からすれば、彼らの感触は大体覚えている。
それ故、もふもふポイントについてもそれなりに熟知しているらしく。
「モフィンクスは大体この辺りが……ふふ、やっぱり変わらないわ」
わき腹の辺りに頬擦りをすれば、ふわふわもふもふの感触が。
警戒を解いてすっかりリラックスした颯夏ではあるが、モフィンクスと戯れつつもセフィリカの様子はしっかりと見ている。
その理由は本人曰く『あんまりリラックスしすぎた姿を大っぴらにはできない』からとの事だとか。
やっぱり仲良しね、君達。
「遊んであげたら満足するとか、君には災魔の誇りはどうしたー?」
「モフン?」
そんなセフィリカは、と言うと……膝の上に乗せていたモフィンクスを目の前に置き、同じ目線で問いかける。
問いかけられているモフィンクスはどこ吹く風か、気の抜けた返事をするのみ。
そもそもモフィンクスとはそんな災魔なのだが。
「まあ? 今だけは? 乗ってあげるけど?」
……などと、楽しそうにモフィンクスと戯れるセフィリカ。
好きなだけもふっても、嫌な顔一つしない辺り(と言うより表情が殆ど変わらない、と言うのが正しいかもしれない)が気に入ったのだろう。
「いい手触りだし触れながらうとうとするともう最高だね。……この子らって実際どんな遊びが好きなんだろ?」
ふと思った疑問にを口にする。
そう言えば謎かけをしてくる事もあった話を聞いた事があっただろうか?
「いつもだるだるしてる印象しかないけど……おーい、何が好きなのー?」
セフィリカがちょっとした戯れで賢者の影を使い、モフィンクスに問いかける。
魔法で伸ばした影がモフィンクスに近付くと……
「モフ~ン、モフッ、モフン!」
何か言ったようだが、何を言っているのかは分からない。
しかし、その影がスッと消えた辺りを見るに正解を口にしたのだろう。
「おー、正解……って、何て言ったんだろうなぁ。ま、いっか。自由をゆるーすぞー」
「モフ~ン」
こうやって戯れているだけでも楽しいのだから、特に気にしない事にしよう。
セフィリカはそんな事を思った。
「……セフィリカさん、気が緩みすぎじゃないかしら?」
颯夏が若干心配そうな様子で友人を見ている。
楽しそうにしているのはいいが大丈夫なのだろうか、と思っていると。
「モフ~」「モフッ」「モフフ~」
セフィリカに遊んでもらっている仲間の様子を羨ましく思ったか、別のモフィンクスが遊んで遊んでと言わんばかりに颯夏に寄ってくる。
「あら、あたしと遊んで欲しいのかしら? ん、そうね……」
何か変わった物でも見せれば興味を引くだろうかと考えた颯夏が、花風(タンペット・ドゥ・フルール)で武器をラナンキュラスの花びらに変える。
それを攻撃に使わず、その場で絨毯のように敷き詰めると……
「こんなのはどうかしら? 珍しいでしょう?」
「モフ~!」「モフフン!」「モフ~ン!」
どうやら気に入ったらしく、花びらの絨毯の上でゴロゴロと転がり出す。
モフィンクスの体が花びらに塗されると、満足げに『モフ~ン』と鳴いた。
中には花びらの匂いをクンクンと嗅ぐと、それを口にしようとする物もいたが。
「食べちゃダメよ?」
元々は自分の武器と言う事もあり、さすがにそれを食べられてしまう訳にはいかないとばかりに静止する。
花びらを口にしないよう監視しつつ、颯夏は引き続きモフィンクスと戯れる。
……存分にもふもふと可愛さを堪能する様子を今度はセフィリカが見ていた。
(やっぱり可愛いもの好きの颯夏は実にキュートで女の子らしい、これも高得点だね)
うんうんと楽しそうに頷くセフィリカ。
彼女を監視するつもりが、逆に監視されていた事に気付くのはもう少し後の事である。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
大崎・玉恵
【神魔】
これが此度の災魔か、些か緊張感に欠けるのう。
まぁ、戦わずに済むならばこれ以上楽なことはなかろう。
ちょいと悪戯してみるかのう。
【傾国の魔眼】で一匹【誘惑】する。
人に近い形ではない者にかけたことは少ないが、誘われるかのう?
誘われるならば、膝に乗せて少し揉んでやる。……うむ、よい手触りじゃ。
眼の魅了に堕ちれば、容易に満足するじゃろう。
新手が来たが……なんじゃ?わしの尾が気になるのか?
ほれ、遊んでやろう(尾を振って猫じゃらしのように)
少し疲れた、休ませよ。
む、こやつわしの尾を枕にしおったわ。まぁよい、気の済むまでそうしておれ。
何やら重いと思えば、てぃのが混じっておる。大きな差ではないがの。
ティノ・ミラーリア
【神魔】
災魔がいるけど、戦わなずにやり過ごす方針なんだね…
…………戦わずに遊ぶ…どうすれば…
考えてみたもののどうればいいかわからず、なにか参考にしようと取り敢えず玉恵の方へ。
…向かったところ災魔のもふもふかUCの余波に当てられたのか、見えたもふもふに誘われるように。もふもふ。
そうしている間にモフィンクスのアクビも効いてきてしまってうとうと。
止めるものがなければそのまま、モフィンクスも尻尾も手近のもふもふを手元に集めて一休み。
●モフィンクスだってもふりたい(?)
「これが此度の災魔か、些か緊張感に欠けるのう」
モフィンクスと対面したものの、若干困惑したような様子を見せる大崎・玉恵(白面金毛・艶美空狐・f18343)。
見た目からしてユルい雰囲気を放ち、更には気の抜けるような鳴き声の災魔ともなればそうもなるだろうか。
「まぁ、戦わずに済むならばこれ以上楽なことはなかろう」
災魔相手でも平和的に解決出来るのなら、それに越した事はない。
問題は何をどうするか、であるが。
「さて……どうしたものかのう」
お昼寝中のモフィンクスを見つつ、玉恵は考える。
もし相手が人であれば、妖狐らしく手玉に取って篭絡する事など朝飯前ではあるが……いかんせん今回は災魔、それも犬なのか猫なのかよく分からない生物だ。
「むぅ、通じるか分からぬが……どれ、ちょいと悪戯してみるかのう」
玉恵は目の前で眠っているモフィンクスの一匹に狙いを決め、声をかけてみる。
「これ、おぬし。少しでいい……起きるのじゃ」
「モ~、フ~……?」
モフィンクスの耳元辺りで囁くように声をかけると一体何事かとばかりに、眠そうな鳴き声を上げた。
目が合っているのかどうかも分からない表情のままだが、このまま悪戯を続ける。
「さぁ、わらわのものになれ。幾千幾万を経ようと、生物の摂理は不変であろう?」
玉恵が人を誘惑する時によく使っているであろう、傾国の魔眼(ケイコクノマガン)をモフィンクスへと向ける。
(人に近い形ではない者にかけたことは少ないが、誘われるかのう?)
少しだけ不安になる玉恵ではあったが、魅了する視線の効果は……
「モフゥ~ン……」
相変わらずの表情ではあるが、明確な効果はあったようだ。
モフィンクスはゆっくり立ち上がると玉恵に擦り寄ってきたではないか。
「かかか、わしの眼はまだまだ錆付いてはおらんのう。さあさあ少し揉んでやる」
玉恵がその場に座り、膝の上にモフィンクスを乗せる。
そして、そのもふもふに触れてみると。
「……うむ、よい手触りじゃ。眼の魅了に堕ちれば、容易に満足するじゃろう」
なかなかの触り心地に玉恵の表情が綻ぶ。
もっと触れてみたいと言う欲求が玉恵を突き動かし、モフィンクスを手玉に取るかのようにもふっていく……。
「災魔がいるけど、戦わずにやり過ごす方針なんだね……」
その一方でティノ・ミラーリア(夜闇を伴い・f01828)がモフィンクスと戯れている仲間達の様子を眺めていた。
アルダワの迷宮に潜った学生達を襲う封印された危険な魔物、それが災魔である事は猟兵の間では基礎知識だ。
だが、目の前にいるモフィンクスは危険とは程遠い存在であり、仲間達が楽しそうに遊んでいる光景が繰り広げられている。
「そう言う災魔も、ごく少数存在するとは聞いた事もあるけど……」
実際目にすると違和感があるな、ティノはそんな事を考えていた。
しかし、彼も災魔を対処すべくやってきた猟兵の一人として、やるべき事……つまりはモフィンクスと戯れなければならないのだ。
「…………戦わずに遊ぶ……どうすれば……」
しかし長い間、半ば軟禁状態で外の世界を知らなかったティノからするとなかなかに難しい問題のようだ。
とりあえず、共にやってきた玉恵のところへ行けば少しは何か分かるだろうか。
そう考えたティノは、現在膝の上に乗せたモフィンクスをもふっている玉恵の方へと向かってみる……事に、したのだが。
そこへ別のモフィンクスが眠そうなアクビをする。
「モフ~……」
「う、もふもふ……」
その余波に当てられたのかどうかは分からないが、引き寄せられるかのようにティノの足がそのモフィンクスへと向いてしまう。
(何をどうすればいいのか、僕には分からないけど……もふもふすれば、いいのかな?)
もふもふに誘われるがまま、両手でそっとモフィンクスを抱きかかえてみる。
柔らかく、もふもふした感触がハッキリと伝わってきた。
例えるなら大きなぬいぐるみ……いや、それよりももっと凄い何か?
言葉にするのは難しい、けれど……
「これは……病み付きになりそう、かも」
この気持ち良さが手放せない、ティノは真っ先にそう思った。
そしてモフィンクスはある意味、強敵であると言う事も。
「モフ~ン……」
抱きかかえられているモフィンクスが再びアクビをすると、それにティノも釣られてしまう。
「うぅ、なんだか……眠く、なってきた……」
眠気と戦いつつも、なんとか彼らの相手をしなければ。
ティノはそう考えるが……戦況は厳しそうである。
それだけモフィンクスの眠気を誘うアクビが強力であったのか。
(ああ、でも……一緒にお昼寝と言うのも、悪くはない、のかな……)
もふもふと一緒なら、それはきっと心地良いに違いない。
思考が追い付かず、意識が途絶えないようにするので精一杯の様子だ。
フラフラとした様子で、ティノはモフィンクスを集めるべく動くのである……。
「うむうむ、こうして戯れているだけでも楽しいのう」
同じ頃、玉恵の膝の上ではモフィンクスが猫のようにゴロゴロと転がって遊んでおり、すっかり玉恵に魅了されてしまっていた。
もちろん、そんな楽しそうな様子を他のモフィンクス達が見逃す訳もなく。
「モフ~」「モフッ!」「モ~フ~ン」
それを見ていた別のモフィンクスが玉恵のところへやってきた。
「新手が来たが……なんじゃ? わしの尾が気になるのか?」
彼らの視線はふりふりしている玉恵の尻尾へ向けられている。
まるで猫じゃらしに反応する猫のようだ。
「ほれ、遊んでやろう」
ならばとばかりに、玉恵が尻尾を振ってモフィンクス達を挑発する。
反応するかのごとく、ぴょいんと短い足で必死に飛び跳ねる。
……が、さすがに尻尾を長時間振り続けるのは厳しかったのか、動きが止まる。
「……少し疲れた、休ませよ」
床に尻尾を寝かせると、それを待っていたかのようにモフィンクス達が殺到。
あっと言う間に尻尾の上に次々と寝転がってしまう。
「む、こやつらわしの尾を枕にしおったわ。……まぁよい、気の済むまでそうしておれ」
「モフ~……」「モフ……」「モフン……」
今度はモフィンクスが玉恵の尻尾をもふってしまい、その気持ちよさに眠ってしまった。
そうしている間にも一匹、また一匹と玉恵の尻尾枕にモフィンクスが引き寄せられてくる。
「かかか、千客万来……って何やら重いと思えば、てぃのが混じっておる」
どう言う事か、玉恵の尻尾枕にティノまで引き寄せられていた。
どうやら彼が眠気と戦っている間に、なんやかんやあってモフィンクス達を手元に集めてしまっていたらしい。
そしてその行き着いた先が玉恵の尻尾であったようだ。
「……くかー……」
当のティノはと言えば、眠気の限界を超えてしまったのかモフィンクスと共に眠っていた。
もふもふに囲まれ、実に気持ち良さそうな寝顔である。
「わしの尻尾の上でよく眠っておるのう。ま、大きな差ではないがの」
玉恵は孫を見るようなお婆ちゃんのような目で、尻尾枕で眠るティノとモフィンクス達を見守るのであった。
●モフィンクス、お帰りの時間
「モフ~ン、モフッ!」
モフィンクスの群れの最後の一匹が、たっぷり遊んでもらって満足したような鳴き声を上げると、立ち上がってくるりとターンし、迷宮の中へと帰っていった。
教室内に残っているモフィンクスはもういない。
ひとまずこれで彼らを迷宮へと帰す事は出来たようだ。
だが、まだ最後の問題が残っていた。
「あとは、この迷宮の入口ね……」
残りはこの入口をどうにかして閉じなければならない。
このままでは、また迷宮から学園内に災魔がやってきてしまうだろう。
そう言えば、モフィンクスをなんとかすればボスがやってくると聞いたが……。
その時であった!
「あ、あれ? モフィンクスが帰ってきた? 行き先が間違ってためぇ?」
迷宮の中から、何者かが現れる。
一体何がやってくるのか……!?
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『上司のくろやぎ』
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POW : でりしゃすれたー
【『あまい』告白の手紙】【『しょっぱい』別れの手紙】【『からい』怒りのお手紙】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : ようしゃしないめぇ!
【『するどいきれあじ』の催促状のお手紙】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ : そくたつぽっぽさんめぇ!
レベル分の1秒で【頭上にいる速達担当の相棒ぽっぽさん】を発射できる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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●最後のM……?
空き教室内に開かれていた迷宮の入口。
そこからモフィンクスがやってきたが、猟兵達の活躍で彼らは一匹残らず元いた迷宮へ帰っていった。
あとはこの入口をどうにかしなければならないが、そこへボスらしき災魔が!
そのボスの正体とは……
「……えぇーっ!? 学園に繋がっちゃってためぇ!? なんで、なんでー!?」
姿を現したのは、郵便屋の格好をした黒いヤギの姿をした災魔であった。
こいつが元凶ならば、さっさと倒せば解決するのでは?
猟兵達が武器を構えるが……
「わーっ、待ってー! 待ってめぇ! 話を聞いて欲しいめぇ!」
慌てて交戦意思がない事を示す災魔。
……話によれば、この災魔『くろやぎさん』は元々迷宮内にいたモリフクさま、モフィンクスがお腹を空かせていた事から食べ物の出てくる迷宮への扉を開いたが、何らかの手違いでここに繋がってしまったらしい。
「悪気はなかったんだめぇ……モリフクさまの事で学園のみんなに迷惑をかけてしまって申し訳ないめぇ……」
申し訳無さそうに謝るくろやぎさん。
意図的ではなく、今回の事件は事故から始まったのは間違いなさそうだ。
「それじゃあ早くこの入口を閉じてよ。それで全て解決するんだから」
ここの空き教室へと案内した女子学生がくろやぎさんに抗議するのだが……
「うぅ、そうしたいのはやまやまだけど、扉を開くのには力を使うんだめぇ……あの扉を開いて、ボクはお腹がぺこぺこだめぇ……」
どうやら何か食べたい、との事のようだが……
「……あなた、もしかして手紙を食べる災魔?」
「そうだめぇ! おいしいお手紙が食べたいめぇ!」
「そっちかぁ……転校生は知ってる人もいるかもしれないけど、説明するわ」
彼女の話によれば、迷宮には手紙を食べる災魔が存在しているが、このくろやぎさんもそれに分類されるようだ。
しかも厄介な事に、ちゃんとした手紙でなければダメで、適当な文字の羅列はペッと吐き出してしまうそうな。
中には手紙を求めて襲い掛かってくる固体もいるのだとか。
「こうやって会話が出来るだけでもマシだけど……よし、転校生。ここは任せたわ、アタシは紙とペン持ってくるから!」
さすがにこの災魔は手に負えないと判断したか、猟兵達に事件の解決を託す。
……先の災魔との戦いもそうだったやもしれないが、気にしてはいけない。
ともかく、これから猟兵達はくろやぎさんに食べさせるための手紙を書かねばならないようだ。
彼が満腹になれば迷宮へと帰り、この入口も閉じて事件は解決するだろう。
「ここでお手紙待ってるめぇ! 書けた人から持ってきて欲しいめぇ!」
さて、どうしたものか……?
ロート・カニーンヒェン
「ふむ、お手紙・・・今回のもふもふのお礼を手紙にしよう。」(SPD)モフリクちゃん、モフィンクスちゃん、そしてその機会をくれたくろやぎちゃんにもふもふのお礼の気持ちをたくさん込めた手紙をたくさん作るよ。くろやぎちゃんからすると複雑かもだけど、今回の件はくろやぎちゃんのお陰だからね。ライドンウォークでウォークも呼んで、私が書いたお手紙を封筒に入れたりするのを手伝ってもらってたくさん作るよ。(アドリブ歓迎です)
●お手紙を食べさせよう!~ロートの場合
「ふむ、お手紙……今回のもふもふのお礼を手紙にしよう」
ロートの考えは実にシンプルな物であった。
今回の事件を通じ、もふもふをたっぷり味わう事が出来た件についての感謝。
それを書いてみようと思い立ったようだ。
例え事故から始まったとは言えど、これはくろやぎさんのおかげでもあるのだから……との事らしい。
「そうと決まれば一つや二つだけじゃ足りないよね。よーし、どんどん書くぞー!」
思いつく限り、とにかく書いて書いて書きまくるロート。
手紙用の紙を用意してくれた女子学生に追加を頼むほどの量である。
……そうして少しした後、結構な量の手紙が書けたようだ。
「これでいいかな。後は……ウォーク達、出て来い!」
ライドンウォークを使い、おおよそ身長3mのウォーク(アルダワに生息しているらしい、触手の生えたオーク)が現れる。
「早速だが、今からこの手紙を封筒に入れる作業を始めろ! はいスタート!」
突然の無茶振りに『えっ、マジで!?』みたいな顔をするウォーク達であったが、召喚主の命令は絶対であり、悲しいかな拒否権は無い。
社畜めいた死んだ目になりながら、ウォーク達はロートと共に手紙を封筒に入れる作業を行うのであった。
因みにロートの口調が変わったのは、たまに起こるバグらしい。
「……よーし、出来たー! くろやぎちゃん、お待たせー!」
「あ、書けためぇ? ……わわ、両手にいっぱいお手紙が!?」
ロートが大量の手紙を持ってきたのを見て、くろやぎさんが驚く。
一通でも十分なのに、予想を上回る数を用意してくれたのだから当然か。
「でも、いっぱいあって嬉しいめぇ! それじゃ、早速いただきますめぇ!」
ぱくり、と手紙を口にするくろやぎさん。
ロートが書いた手紙の内容を抜粋すると、主にこんな感じだった。
『拝啓モリフクさま。今日は学食でたっぷりもふらせてくれてありがとう!
ふさふさのもふもふはとっても気持ち良かったよ。
忘れられない感触で、また会った時はもふもふさせてくれると嬉しいな』
「……ふむふむ、これはモリフクさまへのありがとうの気持ちなんだめぇ。みんなにはボクのせいで迷惑をかけちゃったけど、そう思ってくれるのならモリフクさまも浮かばれるめぇ」
「ふふふ、まだまだあるからどんどん食べてねー」
「わーい♪ ……お、こっちはモフィンクスへのありがとうだめぇ」
嬉しそうに手紙を次々と食べていくくろやぎさん。
頭の上にいる相棒のぽっぽさんも、体を上下に揺らして上機嫌のようだ。
「ありがとうの気持ちのお手紙は甘くておいしいめぇ! ちょっとだけ力が戻ってきためぇ!」
それからややあって、ロートが用意した多くの手紙を完食したくろやぎさん。
完全回復はまだらしいが、おいしくいただいたのは確かなようだ。
「おいしかったのなら何よりだよ。……ところでくろやぎちゃん」
「なんだめぇ?」
「次の人の手紙来るまでもふってもいい?」
ロートはまだもふり足りなかったのか、くろやぎさんをもふりたい事を告げた。
「めぇっ!?」
……結局断るに断りきれず、次の手紙が来るまでの間、ロートにたっぷりもふられる事になったくろやぎさんであった。
大成功
🔵🔵🔵
ソフィア・ウェスタ
う、うーん……
食べられるのがわかってて手紙を書くってのもなんか変な感じだけど、まああんなかわいいやぎさんいじめるのも可哀想だし、仕方ないよね。
どんな手紙書こうかな……実家の両親宛てでいいか。
拝啓、お父様にお母様、お元気ですか……っと。
あとは近況報告かな。
泣く泣くかわいいフクロウ……もとい、モリフクさまをやっつけることになったこととか、モフィンクスに添い寝したこととかモフィンクスのもふもふがいかに素晴らし……あれ、近況っていうかもふもふの話しかしてなくない?
……まあいいか!!
●お手紙を食べさせよう!~ソフィアの場合
「う、うーん……食べられるのがわかってて手紙を書くってのもなんか変な感じだけど……」
手紙を書く際に、ソフィアは少し悩んでいた。
わざわざ書いた手紙を災魔に食べられてしまうのだから無理もないが。
しかし、くろやぎさんのような災魔は『手紙に込められた想い』を食べる事で腹を満たすタイプの災魔なのだ。
そして今回の事件を解決するには、くろやぎさんを倒すか腹を満たして力を取り戻させるかの二択しかない。
(まああんなかわいいやぎさんいじめるのも可哀想だし、仕方ないよね)
モフィンクスの時のよう、戦わずに済むのならそれに越した事はない、である。
「どんな手紙書こうかな……実家の両親宛てでいいか」
難しい事は考えず、とにかく書いてみよう。
サラサラと手紙を書き出すソフィア。
「拝啓、お父様にお母様、お元気ですか……っと。あとは近況報告かな」
色々考えながら、思いついた事を書いていく。
そして十数分ほど時間をかけ、手紙を書き終えると封筒に入れる。
よし、と頷くと席を立ってくろやぎさんのところへと向かう……。
「くろやぎさん、お待たせ。私の手紙が書けたわ」
「わあ、待ってためぇ。早速食べさせてもらうめぇ」
次の手紙が来るまでロートにもふられまくって少しお疲れ気味のくろやぎさんが、喜んで手紙を受け取るや否や、すぐさまパクッと口にする。
ソフィアの書いた手紙には主にこう書かれていた。
『拝啓、お父様にお母様、お元気ですか。
見聞を広めるための旅は今のところ順調なので、特に心配は無用です。
今、私はアルダワ魔法学園と言う所でこの手紙を書いています。
今日はここで災魔と呼ばれる魔物と戦ってきました。
モリフクさまと言う名のモリフクロウの姿をしたもふもふした可愛い災魔がいますが、それが人を襲う狂暴な災魔だったため、泣く泣く倒さざるを得なかったのが辛かったです。
また、モフィンクスと呼ばれる猫のような犬のような(?)災魔とも遭遇しましたが、こっちもとても可愛くてもふもふしていていました。
更に温厚な災魔だったので、襲われる事もなく一緒に添い寝したのがとっても気持ちよかったです。
どれくらい気持ちよかったと言うと……(略)』
(……あれ、近況っていうかもふもふの話しかしてなくない? ……まあいいか!!)
書いた手紙の事を思い出すソフィアだったが、内容が偏っていたのではないかと気付くも、あまり気にしない事にしたようだ。
「ほほう、これは家族へのお手紙なんだめぇ?」
「うん、今は見聞を広めるために家を出ているんだけどね……」
「元気でやっている報告のお手紙は大事めぇ。なんだかホッとするような、安心感のある味がするめぇ!」
それは具体的にはどんな感じなのやら?
ソフィアはそう思ったが、多分くろやぎさんにしか分からない事なのだろう。
「あと、もふもふについてもいっぱい書かれていためぇ。モリフクさまとモフィンクス、そこまで印象深かっためぇ?」
「そうね、どっちもいいもふもふだったし、とても忘れられそうにないから書かなきゃって思ったと言うか……」
「ある意味、そっちからは熱意にも似たような物を感じためぇ。アクセントの効いた味だっためぇ!」
どうやらくろやぎさん的にはプラスだったらしい。
思い返すと多少複雑な気分ではあるが、こうして喜んでもらえたのを見てホッとするソフィアであった。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
お手紙、ですかぁ?
結構難題という気がしますねぇ。
「満腹に」ということは、質より量を意識した方が良さそうですかねぇ?
少々思いついたことが有りますので、試してみましょうかぁ。
内容としては「進捗確認のお手紙」ですが、時候の御挨拶等に、出来るだけ「名前の入るもの」を使用しますぅ。
その上で、その「名前」ですが、有名な落語に「寿限無」というものが有りまして。
彼方に出てくる「長い名前」を使用すると、自然とかなりの長さになるのではないかとぉ。
逆に、「UDCアース」に於いて「世界一短い手紙」として実際に出された記録の有る「?」や「!」の一文字のみの便箋が食べられるか知りたい気がしますぅ。
●お手紙を食べさせよう!~るこるの場合
「お手紙、ですかぁ? 結構難題という気がしますねぇ」
るこるが『むむむ』と悩む。
よもや最後の仕事が事件の張本人(?)へ手紙を書いて食べさせる、なんて事になるとは思わなかったであろう。
もちろん、当人に悪気が無かった事は確認済だが。
「みんなの書いたお手紙、どれもおいしいめぇ。でも、たまには変わった味のお手紙も食べてみたいめぇ」
なんて、偉そうな事は言えないけど……くろやぎさんがそう言う。
(「満腹に」ということは、質より量を意識した方が良さそうですかねぇ?)
結局のところ、くろやぎさんの腹が膨れればそれでいいのではないか?
自分の中で答えが出てきた。
「少々思いついたことが有りますので、試してみましょうかぁ」
早速るこるがペンを握り締め、手紙を書き始める。
さて、一体どんな手紙を書くのであろうか?
「くろやぎさぁん、お手紙用意出来ましたよぉ」
「待ってためぇ! 早速ちょーだいめぇ!」
るこるから手紙を受け取ったくろやぎさんは素早くそれを口にする。
手紙の内容はこんな感じであった。
『虫の音にも深まる秋を感じる頃となりました。
さて、寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助……(略)』
るこるのお手紙を食べたくろやぎさんが固まる。
それから数秒後、ようやく口を開くと。
「……えっと、これ、何のお手紙めぇ?」
どうやら未知の内容だったのか、困惑している様子のくろやぎさん。
「進捗確認のお手紙ですよぉ。手紙に書いてある名前が長いのは、ここではない別の世界で付けられた最も長い名前なんですよぉ」
「これが、そうなの!?」
内容が衝撃的だったのか、驚きを隠せない様子だ。
……と言うか、るこるが説明しなければ多分くろやぎさんには分からない内容だったとも言えるが。
なお、その長すぎる名前のせいで封筒のキャパシティ限界まで、便箋がぎっちりと詰められていた事を追記しておく。
量を意識した、とはそう言う事なのだろう。
「これは……今まで味わった事のないお手紙だめぇ……」
「うふふ、他にもまだありますよぉ」
るこるは胸の谷間に(いつの間にか)仕込まれていた封筒をスッと取り出し、くろやぎさんに渡す。
「他にもまだあるめぇ? それは嬉しいめぇ」
そのままパクッと食べると、くろやぎさんは再びフリーズする。
「えっと……これ、お手紙なのかめぇ?」
また困惑するくろやぎさん。
何故ならばその手紙は『便箋にデカデカと「!」や「?」だけしか書いてなかった』のである。
「これもこことは違う世界で『本当にあった世界一短い手紙』なんですよぉ」
「な、なんだってー!? ……いや、どんな状況でこの手紙出しためぇ!?」
「えっと『「本の売れ行きはどうだい?」「順調に売れています!」』を一文字だけでやり取りだったそうですよぉ?」
因みにこれ、調べてみたらホントにそんな内容だったそうです。マジかよ。
まさかの別世界の手紙を奇しくも口にする事となったくろやぎさん。
実際にはどう感じたのか……
「言葉にするのが難しいレベルの新しい味だっためぇ……すごい衝撃的だっためぇ」
図らずも別の世界のお手紙を食べる事が出来たくろやぎさん。
その未知の味は、彼の脳裏に深く刻み込まれた……の、かもしれない。
「ぽっぽー……(特別翻訳:ホントかなぁ?)
そう言う事にしてくださいね、ぽっぽさん!
大成功
🔵🔵🔵
大崎・玉恵
【神魔】
文のう。
食われる物じゃ、行く宛のないものがよい(毛筆を出し)
内容は二つ。
一、滅びた村の氏子達へ
わしを神と慕ってくれた。
事件で半数以上が死に、残りも移住を余儀なくされたが……暫くは詣でに来た者もおった。
田助の妻は子を産んだと報告に来たのう。田助は事件で死んだが、あの時は救われた。
二、最も慕った者へ
高貴な家柄で皇子様と呼んでおった。
互いに愛し合ったが、わしが狐とばれて都を追われご破算じゃ。祀られる遥か昔の話となる。
あの頃に倣い歌で綴る。(五七五七七の愛の歌)
少し書き過ぎたか。
どうしたてぃの、元気のない顔じゃったか?すまぬのう。
お主は優しい子じゃ。しかし、優しさで女子に勘違いされぬようにの。
ティノ・ミラーリア
【神魔】
手紙…これも僕には経験がないものだ……折角だし、この機会に書いてみようかな…
今後書く機会があるかわからないので練習というよりは体験として。
聞きかじりの知識や周りの様子を参考にしながら手紙を書いてみよう。
後で食べられちゃうし、下手でもなんでも…そこまで恥ずかしくはない…
猟兵として普段世話なっている仲間のことを思い出しつつ、
苦戦しながらそれぞれ伝えたいことなどを認めていきます。
玉恵の方を伺うとその手紙の量に驚いて、その後どこか悲しそうな様子に気付く。
以前、似たような時はおにぎりを差し出したけれど今回は違いそうだし…
なにか出来ることはわからないけれど傍にいようと、手紙を書く位置を少し寄せる。
●お手紙を食べさせよう!~玉恵、ティノの場合
くろやぎさんへお手紙を食べさせるミッションは順調に進んでいる。
しかし猟兵の中には思わぬ苦戦を強いられている者もまた、存在しており……。
「手紙……これも僕には経験がないものだ……」
ティノである。
長い軟禁生活は彼から多くの事・物に触れる機会を奪っていた。
手紙もその一つだ。
「折角だし、この機会に書いてみようかな……」
今後書く機会があるか分からないため、練習というよりは体験として……と言う感じで書いてみようかと考える。
……とは言えど、いざやってみようと思うとなかなか筆が進まない。
内容が浮かばないのである。
そこで、まず彼はくろやぎさんの様子を見てみる事にした。
食べた手紙の内容が分かれば、ある程度の方針は見えてくるかもしれない。
他の仲間がくろやぎさんへ手紙を渡す様子をじっくりと観察してみると。
出会った災魔へのお礼、家族へ宛てた手紙、進捗確認、世界一短い手紙……一部、手紙と呼べるかは怪しい物もあったような気はするが、何となく分かってきたような気がする。
(後で食べられちゃうし、下手でもなんでも……そこまで恥ずかしくはない……)
それに真面目に書いた物であれば、くろやぎさんも理解してくれるだろう。
そう考えたティノは猟兵として普段世話になっている仲間の事を思い出しつつ、
苦戦しながらもそれぞれ伝えたい事を書いていく……。
「文のう。食われる物じゃ、行く宛のないものがよい」
ティノの隣の席にいる玉恵は、用意された便箋を前に愛用の毛筆を取り出す。
ペンよりも使い慣れた、こちらの方がいいと言う事なのだろうか。
「さて、そうなると何を書いた物かのう……」
玉恵は少しばかり考える。
内容は行く宛のない物……そこで頭を過ぎったのは遠い昔、過去の記憶だった。
あの頃の事は、あまりいい思い出とは言えない物であるが……。
「どうせ食われる物だからのう」
昔を懐かしむような目で記憶の糸を手繰り寄せながら、時には何かを思い出し、サラサラと毛筆を走らせる。
……そうして書き始めたら意外にも筆が進んでしまったのか、便箋の数が増えていた事に気付く。
「おや、ちと書きすぎてしもうたかのう? まあ、良かろうて。……ふむ、興が乗った事だし、もう一つ書いてみるかのう」
玉恵が新たに便箋を近くの箱から何枚か取ってくると、再び過去を思い出しながら筆を進める。
……ただ、その表情はどこか悲しげな物すら感じられた。
そして、その様子に真っ先に気付いたのはティノであった。
最初は玉恵に聞きたい事があったため、様子を伺いつつも声をかけようとしていたのだが……まず、彼女が書いた便箋の量の多さに驚きつつ、新たにもう一通の手紙を書いている時に悲しそうな様子を察したのだ。
「玉恵? どうしたの? なんだか元気がないようだけど……」
「ん、どうしたてぃの、元気のない顔じゃったか? すまぬのう」
声をかけられ、すぐ普段の調子に戻そうとする玉恵。
前に似たような事があった時、ティノはおにぎりを差し出したが今回は違う。
何となく、悲しそうな様子をしている理由が分かったような気がした。
(多分、手紙なんだろうな……誰に宛てたのは分からない、けど)
こんな時、自分に何か出来る事はないだろうかと考えるが、思い付かない。
ああ、でも……
(やっぱり一人は、寂しいよね……)
そう思ったティノは机をくっつけて、手紙を書く位置を少し玉恵に寄せた。
……それが正しい事かは分からない、でもこれが自分の出来る精一杯だから。
そして、その意図を察した玉恵は少しだけ笑ってみせた。
「かか、お主は優しい子じゃ。しかし、優しさで女子に勘違いされぬようにの」
「う、え、じょ、女子にって……」
玉恵の言葉にティノの顔が赤くなる。
僕はもしかして間違った事をしてしまったのだろうかと、頭が混乱してしまう。
「ささ、早う手紙を書こうぞ?」
「う、うん……」
机をくっつけた状態で二人は手紙を書く行為を再開する。
(……じゃが、その優しさがわしには嬉しかったぞ、てぃのよ)
口にせずとも、玉恵は心の中で彼に感謝するのであった。
その後、手紙を書き終えた二人はくろやぎさんの所へとやってきた。
「待たせてすまんのう、わしとてぃのの手紙が書けたので持ってきたぞ」
「えっと、どうぞ……?」
「わーい、待ってためぇ! それじゃあ、手紙をいただきますめぇ」
まずは玉恵の手紙(一通目)をパクッと口にする。
最初の手紙の内容は主にこんな感じであった。
『わしを神と慕ってくれた滅びた村の氏子達へ。
事件で半数以上が死に、残りも移住を余儀なくされたが……暫くは詣でに来た者もおった。
田助の妻は子を産んだと報告に来たのう。田助は事件で死んだが、あの時は救われた……』
「めぇ……そんな事があったんだめぇ」
「まあ、永く生きておると色々な事もあるからのう」
どこか遠い目をして、玉恵は言葉を返す。
手紙の内容を察してか、くろやぎさんはあえて何も語らなかった。
……あれは悲しい出来事ではあった、だが救われた事もあった。
自身を神と慕ってくれた彼らへ向けた手紙である。
「それじゃ、もう一通もいただきます、めぇ」
続いて玉恵の二通目の手紙も口にする。
二通目の内容はと言うと……
『我が生涯で最も慕った、皇子様へ。
互いに愛し合ったあの頃をわしは今も忘れてはいない。
いつまでもこの関係が続いて欲しかったと思うが、わしが狐とばれて都を追われたあの日の事も、一生忘れる事はないだろう。
あの頃に倣い歌で綴ろう……』
「うぅ、重いめぇ……こっちも重すぎるめぇ……」
最も慕った皇子様と呼んだ者へ対する、悲しくも愛の歌を綴った物である。
それは別れの手紙にも近い物があったのだろうか。
いつの間にか、くろやぎさんが涙しつつも手紙を咀嚼していた。
因みに、五七五七七の愛の歌の部分が更にプラスになったらしい。
くろやぎさんが袖の部分で涙を拭きつつ、鼻水もチーンとかむと。
「……でも、こう言うお手紙もボクにはごちそうだっためぇ。ありがとめぇ!」
「うむ、満足してくれたのならわしも嬉しいぞ」
パッといつもの表情に戻り、玉恵に礼を言う。
「それじゃ次はこっちのお手紙めぇ。いただきまーす、めぇ」
続いてはティノの手紙、その内容は……
『僕が出会った友人のみんなへ。
こうして手紙として書くのは初めてで、何を書けばいいのか分からないけどその辺りの事は許してほしい。
長い間過ごした城から抜け出し、外の世界に触れた時にみんなと出会ったあの頃の事は、今もよく覚えている。
僕の知らない事を沢山教えてもらった時は、今まで見えなかった物が見えて驚きの連続だった。
世界はこんなにも輝いている事を知れたのは、みんなのおかげ。
だからこそ、僕はこの手紙を通じてお礼が言いたい。まずは……』
「ふむ、ふむふむ。お友達へのお手紙めぇ?」
「手紙を書くのは初めてだったから、これでいいのか分からないけど……」
因みに、この後は個別に友人への礼がしっかりと書かれていたようだ。
「十分すぎるめぇ! 気持ちがこもっているんだから文句の付け所もないめぇ!」
「くるっくー(特別翻訳:手紙はハート、それが大事さ!)」
くろやぎさんとぽっぽさんが太鼓判を押した。
それはつまり、手紙がおいしかったと言う意味でもある。
「それはよかった……今後、手紙を書く機会があるかは分からないけど……」
「今回限りはもったいないめぇ。気持ちを伝えるにはお手紙だって大事めぇ」
そんな事をくろやぎさんに言われたティノは……
(そういう物なのかな……でも、それならまた今度書いてみようかな?)
手紙と言う物について、深く知る事が出来たようだ。
大成功
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青葉・颯夏
セフィリカさん(f00633)と
今回の災魔はずいぶんと話が分かるというか穏やかな感じ
ちょっと調子は狂うけど、お手紙を書けばいいのね
セフィリカさんがあたし宛てならあたしも彼女に向けてにするわ
立ち居振る舞いからしていいところのお嬢様なのかも
そうだとしたら出会うこともなかったかもしれないわ
たとえ知り合えたとしてもこうして一緒に出掛けるなんてことはできなかったはず
これも猟兵になったから
そう思うと感謝しかないわね
考えているうちに手渡されたお手紙
……自分に素直な彼女が眩しい
いつもありがとう
これからもよろしくお願いします
どうにかこれだけは書いて、返す手紙に添えて渡す
――セフィリカ、これ。ありがとう
セフィリカ・ランブレイ
颯夏(f00027) と一緒!
話せばわかる相手に暴力は流石にいけない
食べられ前提で思いを込めた文を書く。えぐいー。
けど戦うよりはマシかあ
うん、折角だし颯夏に向けて書こう
颯夏のいい所
気配りが上手で面倒見がいい所や計画的な所
後は好きを語ってる時意外と熱が入り気味な事とか、可愛いものを目にした時により可愛くなる所とか
彼女のいい所を褒めちぎり!
そんなあなたは私の得難い友達。これからもよろしく。親愛なる颯夏へ
PS、そろそろ私だけ呼び捨てもいかがなもの?
という感じで〆よう。
お手紙書いたんだけど、誤字チェックしてもらえる?
と、颯夏に見せて、お手紙出そう!
そうそう私ね、家族からはセリカって呼ばれてたんだよね!
●お手紙を食べさせよう!~颯夏、セフィリカの場合
「話せばわかる相手に暴力は流石にいけない。んで、食べられ前提で思いを込めた文を書く。……えぐいー」
バッと両腕を机の上に投げ出すように倒れ込む仕草をするセフィリカ。
「今回の災魔はずいぶんと話が分かるというか穏やかな感じ。ちょっと調子は狂うけど、お手紙を書けばいいのね」
一方、隣の席で冷静に今回の事件に当たっている颯夏。
まさに対照的な二人と言えよう。
「けど戦うよりはマシかあ」
「ええ、最後まで出来る事をしっかりやりましょう」
モフィンクスの時もそうだったが、戦わずに済むのならそれに越した事はない。
もっとも今回のくろやぎさんは手紙を書かねばならないと言う点で、少しばかり頭を使う事になるのだが。
「で、手紙の内容なんだけど。颯夏はもう決まってるの?」
「そうね、いくつか考えているところかしら」
「えー、もう思い付いてるの? 早くなーい?」
口を尖らせるセフィリカ。
難しい事を考えるのは苦手なのだろうか?
「そう難しいものでもないと思うけど……例えば、親しい相手に送るとか」
「ふむふむ。……うん、折角だし颯夏に向けて書こう」
真っ先に親しい相手=颯夏が浮かんだようだ。
もっとも、このやり取りを見ていればそう思えるのも当然かもしれないが。
「それを本人に言うの? ……セフィリカさんがあたし宛てならあたしも……」
「おぉ、お手紙の交換って奴? いいねー! やろうやろう!」
楽しそうな様子でペンを取る。
内容が決まれば、あとは書くだけだ。
(颯夏のいい所、いい所……)
(セフィリカさんのいい所、かぁ……)
便箋を前にして、二人が考える。
探してみればいくつも出てくるが、それを手紙に書き示すのは難しい。
くろやぎさんが口にする以上、思いを込めたメッセージでなければならないのだ。
(気配りが上手で面倒見がいい所や計画的な所とか……)
(立ち居振る舞いからしていいところのお嬢様なのかも……)
大事な友人だからこそ、失礼な事は書けない。
それはもちろん理解している。
頭の中で文章をまとめつつ、ペンを走らせる。
(うーん、あんまり硬い文章で書くのは私らしくないよねー……)
(これで大丈夫かしら? 見直してみると少し不安になってきたわ)
時に内容を見直したりしつつ、着実に手紙の完成に一歩ずつ近付いていく。
それから時間は少しかかったが……
「……よーっし、出来たーっ!」
「ふぅ……こんな感じで良さそうね」
二人はほぼ同時に手紙を書き終えた。
「お手紙書いたんだけど、誤字チェックしてもらえる?」
セフィリカが颯夏に書き立ての手紙を見せる。
「……今それを見せるの?」
「どっちみち手紙食べられちゃうんでしょ? なら、その前にって事で、ね?」
「それもそうね。それじゃ、あたしの方も……」
颯夏もセフィリカに手紙を渡す。
そしてお互いが手紙の内容をチェックする。
それから少しして、チェックが終わると。
「――セフィリカ、これ。ありがとう」
少しだけ気恥ずかしげな様子で颯夏がチェックを頼まれた手紙を返す。
セフィリカはそれを嬉しそうに頷きながら受け取って。
「はい、私の方も」
にこやかにチェックの済んだ手紙を颯夏に返す。
……これで準備は出来た。
あとはくろやぎさんに渡すだけである。
二人は席を立ち、くろやぎさんの待つ教壇へと向かった。
「くろやぎさーん、お手紙用意出来たよー!」
「あたしの方も出来てるわ」
「おお、書けためぇ? それじゃあそれを渡してほしいめぇ」
二人が頷き、手紙をくろやぎさんに渡す。
「それじゃ、早速……」
セフィリカの手紙から口にしようとしたくろやぎさんであったが……
「あ、ちょっと待って。そのお手紙、二つ同時に食べてもらえないかな?」
「あたし達にとって意味のある、大事な内容だから……」
「めぇ? 二ついっぺんに? そう言うなら、そうするめぇ」
両手でそれぞれの手紙を持つと、同時に口にし、もっしゃもっしゃと咀嚼する。
セフィリカと颯夏の書いた手紙の内容はそれぞれこんな感じである。
『私の大事な友達へ。
颯夏のいい所は、気配りが上手で面倒見がいい所や、計画的な所。
後は好きを語ってる時、意外と熱が入り気味な事とか、可愛いものを目にした時により可愛くなる所。
あと他にも……(中略)
そんなあなたは私の得難い友達。これからもよろしく。親愛なる颯夏へ
PS、そろそろ私だけ呼び捨てもいかがなもの?』
『親愛なるセフィリカへ。
初対面の時は、立ち居振る舞いからしていいところのお嬢様なのかもと思ったけれど、そうだとしたら出会うこともなかったかもしれないわ。
たとえ知り合えたとしても、こうして一緒に出掛けるなんてことはできなかったはず。
これも猟兵になったから……そう思うと感謝しかないわね。
いつもありがとう。
これからもよろしくお願いします』
「……二人は凄い仲良しなんだめぇ、ボクは感動しためぇ!」
「ぽっぽー(特別翻訳:尊い、友情マジ尊いわ)」
「このお手紙を同時に食べて欲しいって意味が分かっためぇ!」
率直な感想をくろやぎさんとぽっぽさんが述べた。
お互いに宛てた手紙からは、二人の仲の良さとが垣間見えたと言えるだろう。
「……な、なんだか面と向かって言われると少し恥ずかしいわね」
「え、そうかな? でも、事実だよね?」
「それはそうだけど……」
手紙の内容は手渡す前にお互い確認済みとは言えど、他人(この場合は災魔だが)に見られて(と言うよりも食われた上で)感想をもらうのは、やはり恥ずかしいと言う物だろうか。
もっとも、セフィリカはそうでもなさそうだが。
「そうそう私ね、家族からはセリカって呼ばれてたんだよね!」
「そ、そうなの?」
「うん、だから颯夏にもそう呼んで欲しいかなーって、ね?」
屈託の無い笑みを向けるセフィリカ。
「その呼び方は、もう少し慣れてからでもいいかしら……?」
ようやく呼び捨てで呼べるようになったばかりだと言うのに、もっと砕けた呼び方をするのは少しばかり難しいようだ。
「ん、いいよー。颯夏がセリカって呼んでくれる日を楽しみにしてるぞー!」
(……自分に素直な彼女が眩しいわ)
颯夏はそんな事を思う。
でも、そこが彼女のいいところなのだろう。
何はともあれ、今回の事件を通じて二人の仲はより深まったと見ていいはずだ。
「仲良き事は美しきかな、だめぇ。とっても美味しいお手紙だっためぇ」
そしてくろやぎさんも頷きながら二人の仲良しぶりを見守っていた。
まあ、彼は元々この事件の張本人なんですけどね!
●最後のMは「めぇめぇ」のMだったり「メール」のMだったりした、らしい
「みんなのお手紙のおかげで、力が湧いてきためぇ!」
「ぽっぽー!(特別翻訳:これなら扉を閉じられそうだね!)」
くろやぎさんは元気いっぱいな様子でぴょんぴょんと嬉しそうに飛び跳ねる。
ぽっぽさんも上機嫌だ。
「それじゃボクは迷宮に帰って、この入口を閉じるめぇ。……もし、今度はあっちで会う事があったら、その時はまたお手紙を食べさせてくれると嬉しいめぇ! それじゃ、まためぇ!」
そう言うと、くろやぎさんは一行に手を振って別れの言葉をかけると、迷宮へと帰っていった。
その少し後、迷宮への入口が音を立てて閉じられ、やがてそれは光と共に教室内から消滅する。
「出来ればあんまり会いたくはないけど……と、ともかくこれで解決したのよね? 転校生のみんなには、また助けられちゃったわね。本当にありがとう」
ここまで付き合ってくれた女子学生が一行に礼を言う。
……これでようやく全てが終わったのだ。
こうして学食から始まった、もふもふ災魔襲来事件は終結した。
学園内の混乱はごく僅かに留まったのも、猟兵達の活躍によるところが大きいであろう。
もし、もふもふに学園が制圧されていたらと考えると、実に恐ろしい事になっていたはずだ。
……たぶん、きっと、おそらく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵