邪心遊園想失儀式~冷たき箱の堪え難き飢餓
#UDCアース
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「じ、じゅんちょう……。すべ、て順調……。」
昼下がりの遊園地『邪神パラダイス』、西側のレストラン。
通常なら食事の家族連れなどでごった返す時間……だったが、隣のアトラクション『イネブ・ヘジの遺跡』が崩壊した影響で、お客が誰もいない。
「あ、あ……後はデ、ザート、を。」
それなのに、テーブルには所狭しと料理が並べられ、後は最後のデザートを置くのみ。
片言で仲間に指示を出しながら料理を並べていた、兵士然とした者たち……コスチュームと言われればそうとも見えなくもない彼らが、冷凍庫を開けると、
バタン!
……内側から伸びた腕が、その扉を勝手に閉めたのだった。
「こ……こ、こま、る」
兵士たちは、その様に首をかしげている……。
「……と、なんだか不思議な状況になっています。」
猟兵達に状況を説明するアト。
「まず、レストランで料理を作って並べている兵士たちは、その食事で邪神を呼び出そうとしていました。
実際、それは順調に進み……最後のデザートを並べようとしたら、冷凍庫に別の邪神が潜んでいた、というわけです。
……放っておけば、儀式も完成せずに邪神の召喚もうまくいかないで終わるかと、最初は思いました。
しかし、不完全な儀式で召喚された邪神へ、冷凍庫の別の邪神が料理を投げ渡して、完全な力を得る……私の見た通りなら、そういう流れで復活してしまいます。
いやはや……困ったものです。」
深いため息一つ……そしてアトは、気を取り直したように続ける。
「現在、料理をあらかた作り終えた兵士たちは、レストランでのセッティングに動いています。
冷凍庫は厨房の中……今なら、兵士たちに邪魔されずに倒すことができるでしょう。
ちなみに、デザートはオレンジとメロンのシャーベットだそうです……これも処分してください。
方法はお任せします、もちろん皆さんのお腹の中でも構いません。」
そう言ったアトがグリモアを掲げると、ゲートが開いてレストランの厨房の光景が広がった。
「おそらく、冷凍庫の邪神を倒した頃には、兵士たちに気が付かれるでしょう。
そして、儀式そのものは中途ですが進んでいるので……呼び出される邪神も、不完全ながら出てきてしまうと思います。
……大変だと思いますが、すべて倒してください。
皆さんの無事を祈っています。」
ヨグ
ヨグです、遊園地『邪神パラダイス』での騒動、邪心遊園想失儀式の第3弾となります。
まずは冷凍庫の邪神退治、よろしくお願いします。
なお、オープニングでグリモア猟兵が語っている『イネブ・ヘジの遺跡』というアトラクションは、にゃあらMSの執筆したリプレイ「邪心遊園想失儀式~王様の耳は何の耳?」に登場したものです。
第1章 ボス戦
『冷凍庫に潜む者』
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POW : FREEZER_MODE_READY
【冷凍庫の中に引き込む吹雪と腕】が命中した対象に対し、高威力高命中の【冷気で氷漬けにした対象】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 猛抵抗
【手当たり次第、氷雪と冷気と冷凍庫にある物】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : もっといい感じの冷凍庫を…
真の姿を更に強化する。真の姿が、🔴の取得数に比例した大きさの【謎の力で改造された、すごい冷凍庫】で覆われる。
イラスト:夏目零一
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ポーラリア・ベル」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
厨房へ出てきた猟兵達……その眼に映るのは、半開きの冷凍庫。
中からの視線に気が付き、目を向けると、
バタン!
……中から伸びた手によって、閉められてしまった。
幸い、兵士たちはメインディッシュを並べることで手いっぱい。
デザートを取りにくるまでには時間がある。
厨房とフロアを仕切るのは、大きく開く扉のみ……ここを閉じれば、さらに時間も稼げるだろう。
テラ・ウィンディア
この世界の遊園地って一度行ってみたかったんだよな!
しかも色々美味しいのが食べられるって聞いたのであればいかざるをえないよな!
ユベコ発動
【属性攻撃】炎を武器と己自身に付与!冷気には負けないぞ!
【戦闘知識】で冷蔵庫の動きと攻撃動作について解析
【見切り・第六感・残像】で攻撃を回避して
【空中戦】で更にユベコでの空中機動を強化
槍による【串刺し】
【早業】で武器を切り替えつつ剣と太刀で切り刻み
更に冷蔵庫に乗り込みアイスの強奪に掛かる!
…いや処分しなければいけないからな!だから仕方なく危険に身をやつしての献身的なあれって奴だ!!(もぐもぐ
別に食べたかったわけじゃないんだからな!!(もぐもぐもぐもぐ
照宮・篝
パラダイス、とは、楽園?
楽園なのに、邪神がいるのか
世界には、私の知らない楽園がある…
私はまだ、戦闘では…それほど役に、立てないから
厨房と、フロアを仕切る扉を、兵士の様子を見ながら閉じよう
私は、門を開く女神だから…閉じる事は、性に合わないのだけれど
扉が閉じても、まだ冷凍庫の敵が生きていたら
少し怖いけれど、自分を鼓舞して、立ち向かってみる
大丈夫、私には、私の竜がいる…っ
おいで、黒曜飢竜!その雷で、あの箱を――壊せ!
「パラダイス、とは、楽園? 楽園なのに、邪神がいるのか。」
そう呟くのは、UDCアースには不慣れな照宮・篝(水鏡写しの泉照・f20484)。
猟兵としての初仕事、皆の迷惑にならないように……と内心考えつつ、
「世界には、私の知らない楽園がある……。」
「そういうもんだぜ! おれは、この世界の遊園地って一度行ってみたかったんだよ!」
そんな照宮にあっけらかんと返したのは、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)。
オブリビオンとの戦いも数えきれないほど……そんなテラは敵との戦いより、
「しかも色々美味しいのが食べられるって聞いたのであれば、いかざるをえないよな!」
今は、冷凍庫のシャーベットに用があるようだった。
「だから邪神をぶっ倒す!」
テラは龍の牙を加工した槍を構え、炎を纏って冷凍庫へ突進した。
「あ、えっと……じゃあ私は、入り口を。」
そっと照宮が厨房からフロアを覗くと、兵士たちがフロア内をあわただしく動いているのが見えた。
後ろからは燃え盛る火の音、何かを貫くような音など聞こえているが……兵士たちは特に気にする様子もなく、料理を並べている。
「問題なさそうね。……閉じる事は、性に合わないのだけれど。」
フロアに通じる扉を閉め、鍵を閉め、箱を置く。
そして、少しのため息とともに呟く。
「私は、門を開く女神なのに。」
「おい、お前!」
「ひぁ!?」
テラが冷凍庫の扉を燃え盛る槍で貫くと、中から悲鳴が聞こえてきた。
「な、何をするんですか!?」
「お前には用はないんだよ! 中のもん、出しやがれ!」
貫いた槍を引っ張って開こうとすると……扉を掴んで抵抗してくる、中の邪神。
「こんな居心地のいいところから出ろって言うんですか!?」
「うおっと!」
邪神が扉を掴む手を放し、開くと……冷凍庫の中へ向けて、吹雪が吹き荒れる。
「な、なに……これ?」
「ああ、これが敵の攻撃みたいだぜ!」
突然のことに驚いている照宮に、炎の槍を邪神に突き刺しながら応えるテラ。
「あぐ……!」
「そらどうした!」
そのまま早業で剣や太刀を取り出し持ち替えつつ切り刻む。
中から邪神の腕が伸びてきたのを見て、テラが飛び退る。
「おいで、黒曜飢竜! その雷で、あの箱を……壊せ!」
そこに、照宮の呼び出した片角の黒曜飢竜が放つ雷が、邪神を貫いた。
「ぐああ!」
「やったぜ!」
邪神が痺れてるのを見たテラが、歓声と共に照宮の肩に手を置くと……その体が、小刻みに震えていた。
「わた、私の竜が……やった?」
ありったけの勇気を振り絞って竜を呼び出し、攻撃させた照宮。
敵に立ち向かうのは初めてで……体の緊張が解けていない。
「そうだぜ、お前さんのおかげで……っと!」
自信を持たせるようにテラが声をかけた時、何かが冷凍庫から高速で飛んできた。
受け止めると……それはシャーベットの入った容器。
「それが欲しいんでしょ!?」
邪神の声と共に冷凍庫の扉が閉まると、頑丈そうな扉に姿が変わっていた。
「あ……それは。」
「……いや、処分しなければいけないからな! うん、別に食べたかったわけじゃないんだからな!!」
別に言い訳をする必要もないのだが……テラは容器を開けてふと考え、
「お前も食べるか?」
「……食べる。」
そうして、二人で仲良く食べ始めた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
波狼・拓哉
…なんかUDC集まり過ぎでは?場所ごと爆撃したほうが良さそうな気がしてるんだが…まあ、何か問題があるんだろうなっと。
さて…さて!!!何で冷蔵庫???はぁ…まあいいか。ミミックー化け喰らいなー。自分は扉閉めてくるわ。どう考えても不味いとは思うけど我慢して『かみ』殺しておいてね。
さて自分はフロアの方から見えないように地形を利用して目立たないように扉閉めて…………開けたら音と爆発するように破壊工作もしといて時間稼ぎできるようにしといたろ。
さて後は…衝撃波込めた弾で扉空いた瞬間を狙い撃つか―
(アドリブ絡み歓迎)
マレーク・グランシャール
音が響かないよう仕切り扉を閉めたら、冷蔵庫を【碧血竜槍】で穿ちまくる
この槍には鎧砕きと部位破壊の効果がある
中に隠れたまま出で来なくても冷蔵庫ごと串刺して殺す勢いで
敵に恐怖心を植え付け冷蔵庫のドアを開けさせる
ドアが開いたらすかさず【魔槍雷帝】を隙間に突っ込んで雷撃
雷は空気中の氷の粒がぶつかり摩擦で電気を生むもの
冷蔵庫の中で雷撃したら余計にひどいんじゃないか?
隠れていることが出来なくなるまで追い詰める
ドアを開けて出てこようとしたところでUC【流星蒼槍】発動
扉を閉められないように槍を一本嚙ませたら、もう一本を敵に当て双頭竜で追撃
敵は全裸だったのか
冷蔵庫が服なのか
女の裸を見ても動じる俺ではないぞ
「……なんかUDC集まり過ぎでは? 場所ごと爆撃したほうが良さそうな気がしてるんだが。」
そっとフロアを覗いた波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)が呟くと、
「気持ちは解るが何が起こるかわからん、今は目の前の物を対処しよう。」
その仕切り扉を閉め、冷凍庫へ向き直るマレーク・グランシャール(黒曜飢竜・f09171)。
一瞬、嵐を呼ぶ雷竜が姿を現したかと思うと、マレークが蒼い稲妻を纏う槍を構える。
それを見て、波狼も抱えていたミミックを冷凍庫の方へ投げた。
「そうね。何か問題があるんだろうけど、倒せばわかるか。……ミミック!」
その声に反応したミミックは、口を開いて狼と化し、
「どう考えても不味いとは思うけど、我慢して『かみ』殺しておいてね。」
一声鳴くと、マレークと共に冷凍庫へ突進した。
「ひや!? また?」
「……俺の槍は、鋼鉄すらも貫くぞ。」
言葉通り、冷凍庫の扉ごと槍で貫いたマレーク。
一度引き抜き、再び構え、
「そのまま中にいても構わん。……貫き殺す。」
「やめてよ!」
バタン! と扉が開くと、冷凍庫の内側へ向けて吹雪が巻き起こる。
中から伸びる邪神の手は衝撃波を纏ったBB弾に押し込まれ、すかさずマレークが槍を突き入れて雷撃を放つ。
「きゃああああ!」
「雷は、空気中の氷の粒がぶつかり摩擦で電気を生むもの。……そこにいては、逃げ場があるまい?」
と、開いた扉へ伸びる、ミミックの影の顎。
雷撃も気にせず邪神へかぶりつき、そのまま外へと引きずり出した。
「いったたたた……。」
「お前は冷凍庫が服なのか?」
その姿は全裸の女性だが、全く気にせずにマレークは槍を突き刺す。
「ぐ!」
「そのまま竜の餌になるといい!」
マレークが槍から手を放すと、碧眼の双頭竜へと変化する。
それは雷を放ちながら、影の顎に食いつかれて動きの取れない邪神へ噛みつき、引き裂いてゆく。
「あああああ!」
邪神の叫びが厨房へ響いていた。
「さて、これで大丈夫。」
仕切り扉を開けると爆発するトラップを仕掛け終わり、冷凍庫の側へ視線を移す波狼。
邪神の叫びが聞こえ、BB弾を込めたモデルガンを油断なく構えながら近づいて行く。
「終わったようだね。」
「……いや、まだだ。」
マレークが放った竜が弾き飛ばされ、邪神の体が新たな冷凍庫に包まれる……もとい、新たな冷凍庫が生み出される。
「はー、はー……も、もう絶対に出てやらないんだから!」
「全く、往生際の悪いUDCだな。」
「だが、相当弱っている。……あと少しだ。」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
木常野・都月
猟兵新人の俺が入っても、どれだけ貢献できるか分からないが…なんか先輩方困ってるように見える…。
猫の手、ならぬ狐の手になってしまうが…
「狐の手ですが助力します!」
と参戦する。
とはいえ、どれくらい戦えるものなのかわからないが…未熟だからこそ出来る事に最善を尽くすようにしよう。
ユーベルコード、精霊の矢発動。
[全力魔法]で雷の精霊様を集めて冷蔵庫に雷を叩きつけておく。
加えて追撃で雷の[属性攻撃]を叩き込む。
他にも何か手があるのかもしれないが、思いつく限りの事はしたつもり…だが…
効いてるのかな…
白木院・雪之助
ゆうえんちとやらは賑やかだとは聞いたが、邪神がいるとは聞いてないであるぞ
しかし冷凍庫の邪神か。雪の神さまといえば我であるのでな
我の方がすごいということを見せつけてやろう!
【フォックスファイア】を発動するである
炎【属性攻撃】で冷凍庫を燃やすぞ
冷気を使うかと思ったか? 馬鹿め!
こんな寒い場所はとっとと燃やして失くすのが良いに決まっておるだろう!
さていつまで閉じ籠もっておれるかのぅ?
そのまま蒸し焼きにしようか
あぁ、他の者や場所を燃やしてしまわぬよう十分気を付けておくぞ!
「ゆうえんちとやらは賑やかだとは聞いたが、邪神がいるとは聞いてないであるぞ。」
冷凍庫を前に、真っ白な毛並みを揺らして現れた白木院・雪之助(雪狐・f10613)。
「しかし冷凍庫の邪神か。雪の神さまといえば我であるのでな、我の方がすごいということを見せつけてやろう!」
霊符を取り出し意識を集中していると、後ろから声がかかる。
「狐の手ですが助力します!」
「……んあ?」
白木院が振り返ると、少し自信無さげに立つ妖狐の木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)の姿があった。
「おお、手助けであれば我も歓迎するぞ!」
「猟兵新人の俺が入っても、どれだけ貢献できるか分からないが……。」
「よいよい、我も昔はそうであったぞ! では参ろうか!」
「ああ、未熟だからこそ出来る事に最善を尽くすようにしよう。」
木常野もエレメンタルロッドへ力を籠め、精霊たちを呼び出していった。
「寒さには強そうだが、これはどうかのぅ?」
冷凍庫の扉へ向け、狐火を放つ白木院。
「……絶対に、出ていかないから!」
「ふむ、そうなるか。」
扉を焼き尽くした……かと見れば、新たに冷凍庫で覆って自身を守る邪神。
「だが……さて、いつまで閉じ籠もっておれるかのぅ?」
「いくらでも扉を作るなら、外せばいい……はずだ。」
いうが早いか、エレメントロッドに集まった雷の精霊たちに矢を放たせる木常野。
雷撃の矢が蝶番を外し、扉に隙間ができた。
「でかした!」
「うあ、熱っつい!?」
隙を逃さず、白木院が狐火を冷凍庫の中へ送り込み、内側を燃やす。
「そのまま蒸し焼きにしようか。」
中では少しの間、ガタガタと音がしていたが……。
「殺す気なの!?」
「元より、そのつもりだ。」
飛び出してきた邪神に、木常野の雷撃の矢が突き刺さる。
「く、この!」
「そうはさせんぞ!」
邪神は痺れた身体で新たな冷凍庫を作り出そうとするが、身体を白木院の狐火に覆われ身動きが取れなくなっていた。
「さぁトドメだ! やれ!」
「ああ!」
そして、ありったけの力で生み出された雷撃の矢が邪神に突き刺さると、
「ぐ……あああああ!」
燃え上がる邪神の体は、そのまま砕け散っていった。
「やったのう!」
喜ぶ白木院につられて、木常野もはにかむように笑顔を返し、
「俺の力でも、効いてるようで……なによりだ。」
その尻尾はぶんぶんと振られ、喜んでいるようだった。
……と、突然フロアと厨房を仕切る扉が爆発した。
猟兵達が視線を向けると、そこには兵士たちが並んでいる。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 集団戦
『奇跡亡き夜の囚人』
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POW : 乱心『明けぬ夜の旅』
【失われたはずの自我が不意】に覚醒して【邪神の力を完全制御した闇を纏う姿】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD : 汚染拡大『数珠繋ぎの不運』
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【影人間】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
WIZ : 変異侵食『悪夢が始まった日』
自身が戦闘で瀕死になると【全身から無数の影人間】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
イラスト:nii-otto
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「お、お前たち……。」
兵士たちは、厨房にいる猟兵たちに気が付いた。
バリケードと化した扉を破り、なだれ込んでくる。
「じ……自分たちの、じゃま……を、するな!」
その声と共に、配膳をしていた影人間をけしかけてきた。
ホールのテーブルには、フルコースの料理が並んでいる。
前菜のサラダ、メインの肉料理と魚料理、スープとパンも……。
これが邪神を呼び出す儀式という話だが……?
テラ・ウィンディア
真の姿解放するぞ!(イラスト参照
【戦闘知識】で兵士達の陣形を把握
【第六感・見切り・残像・空中戦】で飛び回り残像を残しながら回避しつつ
取りあえずお前らの召喚の邪魔はさせて貰う…というのは建前で
お前達…よくやった
おれの為に色々用意した努力はしっかりと堪能させて貰うぞ
本来は神仏に供える者だろうが…邪神に供えるべき物はないだろう?
あ、味については料理漫画風味に語って見せよう(MSにお任せ
ご飯を食べ始めると同時に…槍で地面を叩き付けた瞬間ユベコ発動!!
溶岩のドラゴンが兵士たちに襲い掛かるぞ!
それでも尚おれに迫る相手は
紅蓮の槍で【串刺し】
【早業】で剣と太刀に切り替えては切り刻
最後に言おう
御馳走さま!!
木常野・都月
テーブルに美味しそうな食べ物が…
こういう時、匂いに敏感な狐の嗅覚は辛い…。
アトさんは、デザートは食べていいって言っていた。
でも、この料理も…うん、少しくらい…食べたら駄目かな…
食材に、罪はないと思うんだ…
つまみ食いのためにも、今は戦闘に集中する。
まずはユーベルコード[狐火]で敵を攻撃する。
敵をしっかりこんがり焼いておきたい。
影が沢山出てきたら、火の精霊の[全力魔法]を[高速詠唱]。各個撃破する。
捌き切れない場合は、火の[属性攻撃]で[カウンター]を狙っていく。
それでもまだ手数が足りないなら[オーラ防御]と[武器受け]で凌ぐ。
集団戦は初めてなので、やれる事を慌てず確実に。
落ち着いて対処したい。
白木院・雪之助
これは神に捧げる供物か?
おいしそうであるな……いやいや!
な、なんでもないであるぞ!!
それより邪魔じゃと?
その通り、我らはお主らの邪魔をしに来たのだ
世の中には目覚めさせてはならんものもあるからな
UCを使って雪だるまの下僕を呼び出すぞ!
数には数をである
雪だるま達に氷【属性攻撃】をさせるである
ほれ、気をつけよ!敵の攻撃がそちらから来そうであるぞ!
下僕はもちろん、他の者の動きを援護するよう敵の動きを集め伝えるである(情報収集・鼓舞)
さらに敵の動きを止めるように【呪詛】の札を【投擲】して【マヒ攻撃】で痺れさせるである
料理の腕が立ちそうで、すかうとできぬのが少し残念であるが仕方ないな
「邪魔じゃと? その通り、我らはお主らの邪魔をしに来たのだ!」
兵士の言葉に対し、霊符を向けながら応えた白木院。
しかし、その間にもホールからいい匂いが流れ込んでくる……。
「テーブルに美味しそうな食べ物が……。こういう時、匂いに敏感な狐の嗅覚は辛い……。」
「神に捧げる供物か? おいしそうであるな……。」
隣に立つ木常野が、尻尾を揺らしながら兵士の後ろの料理を気にして呟いている。
それにつられ、白木院も乗ってしまいそうになるが、
「……いやいや! な、なんでもないであるぞ!!」
ぶんぶんと顔を振り、向かってくる影人間に対し、改めて手で印を結ぶ。
すると、白木院の周りに小さな雪だるまたちが一斉に出てきた。
「食材に、罪はないと思うんだ……だから、つまみ食いのためにも、今は戦闘に集中する。」
木常野も、妖狐の尻尾を揺らしながら周囲に狐火を上げてゆく。
「行け、我がしもべたちよ!」
「そのまま燃えてしまえ。」
雪と炎、相反するものたちが影人間へと襲い掛かっていった。
「なかなか……や、やるな。」
兵士の操る影人間は狐火に燃やされ、雪だるまの体当たりに姿を消してゆく。
その横を、東洋のお姫様という雰囲気の服装に変わったテラが、燃え盛りながら通り抜けてゆく……。
「お前達……よくやった。」
「なん……だ?」
兵士は、テラの発した言葉の意味が解らなかった。
が……何のためらいもなくテーブルにつき、
「おれの為に色々用意した努力は、しっかりと堪能させて貰うぞ!」
いただきます! と手を合わせたのを見て、意図を理解した。
「さ、させる、か!」
「ず、ずるいぞお主! 我も食べたいのだ!」
兵士だけではない……いつの間にか、白木院も厨房側から叫んでいた。
そんな二人と襲い来る影人間をテラは一瞥し、ほかのテーブルにも並ぶ料理をちらりと見渡して、右手でスープを一匙すくいながら、
「なに、料理はまだあるだろ?」
左手に持った燃え盛る槍を、床に叩きつけた。
途端に床が割れ、影人間に龍の形をした溶岩が襲い掛かる。
「……ん、玉ねぎのいい甘味が出ているな。このコンソメスープ。」
「き、貴様。それい、以上食べ、ぐふ!」
影人間を生み出す兵士の体が狐火に覆われ、燃え上がった。
「……早く片付けて、俺も食べたい。」
「そうじゃな! とっとと片づけることにしようぞ!」
……そこからは、一方的な蹂躙が始まった。
燃え上がる兵士を溶岩の龍が襲ったと思えば、雪だるまの群れが兵士の体を覆い……熱と冷気に取り巻かれ、やがて兵士は動かなくなっていた。
「……案内の人も、デザートは食べていいって言っていたし。」
「何をためらう必要がある! さぁ食べるとしようぞ!」
木常野と白木院も料理の並ぶテーブルにつき、ナイフとフォークを手に皿の上の料理に手を付けていく。
「うむ、この肉を焼いたのも美味いぞ!」
「焼き加減もミディアムレアとは気が利くな! 黒コショウを効かせた味付けもいいが、ここにかかったバターソースを絡めるとなお……」
白木院の簡素ながら素直な感想に対し、テラは一口運ぶごとに蘊蓄を含めた感想を呟いていく。
「……パンおいしい。」
その横で、木常野はいつも呼び出す精霊たちにも分け与えながら、焼き立てのように暖かいパンに齧りついていた。
……さすがにすべての料理を食べきることはできなかったが、大体一人前ずつ食べ終えた頃。
「おいしかった。」
「御馳走さま!!」
静かに言うか元気よく言うか、その差はあれど美味しい料理への感謝を口にする、木常野とテラ。
「料理の腕が立ちそうで、すかうとできぬのが少し残念であるが……仕方ないな。」
名残惜しそうに呟いて、白木院が兵士の死体へ視線を移すと……。
「……ぎ、儀式……儀式、はまだ終わってい、ない!」
兵士の声が響いたと思えば、無数の影人間がしたいから湧き出してきた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
波狼・拓哉
…あんまり爆発でダメージ与えられなかった感じかね。まあ、時間も無かったししゃーない。冷蔵庫撃破するまで持っただけマシだね。
んじゃー…化け刻もうか。ほれミミック。弾倉は空けておいたから秒針に化けな。化けた状態で弾倉内で再召喚すれば無限弾ってなー。…ミミック通すから衝撃波込めれんし火力はないけど。
ま、ダメージ狙いじゃないからいいんですけど、ねっと。さあ、時を冒涜して加速しようか!(指パッチン)その闇の纏う姿…長くは持たないんじゃない?そのまま一日過ごせば…ま、結果は見て分かるかな。
後は適当に闇に化けた奴や影人間撃って指パッチンして回るかー。
(アドリブ絡み歓迎)
照宮・篝
ああ、扉が…!
けれど、あの兵士…影人間達…どこか、哀れな気がする
どうして、あんな姿で戻ってきてしまったのだろう
大丈夫、冷凍庫には驚いてしまったけれど
ああいうものは、逆に怖くない
【退魔水晶】を掲げて力を込めて、【遍泉照】を
邪神の闇を照らして、光に吸収してしまおう
私の光で皆に力を、哀れな絶望に温もりを
昏きを燃やして輝け、焔!
…まるが、いたような気がする
私の槍、私の竜
…まるは強いから。きっと大丈夫
私はここで、焔を燃やし続ける
マレーク・グランシャール
邪神だか影だか知らないが、向かってくる集団に向けて【竜牙氷纏】の吹雪を放つ
この吹雪は全てを凍らせ、敵の動きを鈍らせてくれるだろう
影さえも凍気によって霜が付く程に
さらにUCで生み出した無数の氷の槍を投げて兵士達にダメージを与える
実は先の冷蔵庫女戦にインスピレーションを得たのだ
トドメに【山祇神槍】のランスチャージによる一撃を刺して回る
この槍は神や魔や霊に特化している
邪神の力を破るには有効だろう
吹雪と氷の槍とで弱体化させた敵の間を【黒華軍靴】のダッシュ、【泉照焔】の見切りでかいくぐる
攻撃しようとしても無駄、それは【金月藤門】で生み出した残像、フェイントだ
この先で待つ敵の元へ進ませて貰うぞ
「あー、ダメージはかなり入ってるみたいなんだけどね。」
兵士の死体から影人間が湧き出てくるのを見て、波狼は呟きながらモデルガンの弾倉を開けてミミックを呼び寄せる。
「あの影さえ倒しきれば終わりかな。」
「そのようだ、ほかには残っていない。」
猟兵達へ向かってくる影人間へ向け、マレークは手にした氷の槍を振るう。
その軌跡は吹雪となって影人間に襲い掛かり、その足を止めさせていた。
「あの冷凍庫女の戦い方だったが、なかなか具合は良さそうだ。」
「……でも、あの兵士……影人間達……どこか、哀れな気がする。」
盲目的に、邪神の復活のために動かされ続ける兵士と、配下の影人間達。
彼らの姿が照宮の目に、とても悲しいものに映って……。
「どうして、あんな姿で戻ってきてしまったのだろう。」
「操られている彼らを憐れむ気持ちは解る。だが、」
手を広げて照宮へ向かってくる影人間へ向け、手にした氷の槍を投げつけて貫くマレーク。
「それはそれとして、彼らは黄泉へと還さなくてはならん。」
「まる……うん、解った。」
「そういう事。……ミミック!」
波狼は手元に来たミミックを、モデルガンの弾倉に変化させて装着し、
「化け刻んでやろうぜ!」
モデルガンからは、時計の短針と化したミミックが撃ち出された。
放たれてもミミックはすぐに呼び出せる、弾倉は常に残弾1だ。
「黄泉の昏きを焔とす。我は、標の焔なり。」
退魔水晶を掲げた照宮の声に呼応するように、その体が光を放つ。
放たれるのは、太陽のように明るく、暖かな光。
「私の光で皆に力を、哀れな絶望に温もりを。昏きを燃やして輝け、焔!」
「おお、なかなか効いてるみたいだね。」
目に見えて動きが鈍る影人間たち。
その1体に、波狼はモデルガンから短針を放つ。
「この弾丸は、時を冒涜して1日分吹き飛ばすのさ。」
当たった影人間はそのまま、元から存在しなかったかのように消えてなくなっていった。
「照宮さんの光の中じゃ、1日と耐えられないみたいだね。」
「そのようだ。」
その暖かな光を受けつつ、手にした山祇神槍を構えて突進し、影人間を刺し貫くマレーク。
大山祇神の力を降ろしたその槍は、神や魔を払う力が備わっていた。
前に出たマレークに影人間が抱き付くように襲い掛かっていく。
「私の槍、私の竜……まるは強いから。きっと大丈夫。」
身動きの取れない照宮の見ている前で、影人間がマレークに抱き付く……
と見るや、その場に残っていたのは残像で、横から槍で刺し貫かれた影人間が消滅していった。
他の影人間も襲い掛かるが、
「私はここで、焔を燃やし続ける。」
照宮の光に動きが鈍り、波狼の短針に消され、マレークの槍に貫かれて。
すべてを消滅させるのに、それほど時間はかからなかった。
「ふぅ、ざっとこんなもんかな。」
「ああ、終わったな。」
厨房を見渡し、波狼とマレークが声を掛け合っていると、照宮はフロアの側を覗き込んでいた。
「こちらも居な……っ!」
驚き、指をさしたまま、言葉が止まっていた。
「何事だ!」
マレークが急ぎ近づき、フロアを覗くと……テーブルの料理を貪る、異形の少女の姿。
「あー、あれが不完全に召喚されたっていう邪神かな。」
落ち着いて呟く波狼の言葉に、誰も異論はなかった。
少女の身体はあちこち人ではない部分があり……その先にある口で、一心不乱に料理を貪っていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第3章 ボス戦
『『賢き贄』葛葉・美香』
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POW : たべちゃうから、やめて!
戦闘中に食べた【肉】の量と質に応じて【全身の細胞が活性化し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD : からだが、いうこと、きかないの
対象のユーベルコードに対し【正確に全く同じユーベルコード】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
WIZ : おねがいだから、あたしを
単純で重い【武器】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
イラスト:tora
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠出水宮・カガリ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
……それは、『貪る』という表現が正しいだろう。
少女はひたすらに、わき目もふらず……テーブルの料理を貪っている。
本来の口のほか、腹や三つの尾の先に憑いた口も全て、料理を口に運んでいる。
「たりない……。」
つぶやきが聞こえた。
全てを食べたわけではない……が、見えている料理では。
「もっと……あるでしょ!」
満たされぬ餓えの赴くままに、猟兵達へ襲い掛かってきた。
木常野・都月
飢え?
飢えだけなのだろうか。
様子みていると、食べたくないのに飢えてる?ような…
どっちにしても辛そうに見える。
とはいえ、邪神もどきに同情して、俺が食べ物になる訳にはいかない。
ユーベルコード【雷の足止め】で一時的に相手の足止めをして距離を取りたい。
そして足止めしている間に、[全力魔法]で火の[属性攻撃]で対応する。
少しだけ同情はするけど、手加減手抜きはしない。
波狼・拓哉
身体に取り入れるという行為は進化するのに一番近いとは聞くけど…まあ、成功しないから進化何て遅いもんで。
じゃ、まあ送り還しましょうか。…化け喰らいなミミック。どっちが良く食べ…お前じゃ取り入れてないから勝負にもならんか。ま、影なら食われてもダメージなさそうですからね。口を狙って行動阻害といこうか。噛み切れそうなら尻尾を行って貰っても構わんよ。
自分は衝撃波込めた弾で相手の武器を逸らしたり、落ちてる料理を撃って遠くに運んで時間稼いだりとサポートに。動きが止まれば早業で同じ箇所に銃弾叩き込んで傷口を抉って部位破壊も狙ってみるかね。
(アドリブ絡み歓迎)
「……飢えだけ、なんだろうか。」
「ぎゃ!?」
飛び掛かってきた邪神の少女に木常野は手を向け、雷の精霊の力を解き放つ。
感電し、足を止めた少女から距離をとり、様子を窺う。
「食べたくないのに飢えてる? ような……。」
「そうね、普通なら喜んで食べそうだけど。……ミミック!」
モデルガンを構え、ミミックを呼び出す波狼。
「化け喰らいな。どっちが良く食べ……お前じゃ取り入れてないから勝負にもならんか。」
「あ、う……や、やめ……!」
がぱっと開いたミミックの口から、影でできた狼の顎が飛び出す。
少女の周りにある食べ物を奪い、喰らう影たち……その様を絶望の表情で見る少女。
「やめて!」
その異形化した腕で、ミミックの影ごとテーブルを砕く……。
「あ……ああああ!」
食べる物がなくなった……その事に気が付き、叫び声をあげる少女。
「食べなきゃ辛い、食べ終わっても終わらない……か。」
少女が別のテーブルに飛び掛かるように食べ物を狙うのを見て、木常野の口から言葉が洩れる。
「……少しだけ同情はするけど、手加減手抜きはしない。」
「ああ、それでいいのさ!」
「あ、あああ!」
またも雷撃を放つ木常野に動きを止められ、波狼のモデルガンに料理をテーブルから落とされ……。
少女の目の前で、料理がひっくり返されていく。
「身体に取り入れるという行為は、進化するのに一番近いとは聞くけど……まあ、成功しないから進化何て遅いもんで。」
邪神を植え付けられた、少女の体の異形の部分を見ながら呟く波狼。
「なんで……なんで、じゃまを!」
「あんたを骸の海に返すためだ!」
血の涙を流しながら空腹を訴える少女に木常野が向けるのは、周囲に浮かべた狐火。
小さな灯が集まり、火炎となって少女を飲み込んでいく。
「あああああ! あつ、い!」
「おっと、そっちもダメだ。ミミック!」
少女の意思と関係なく動く尻尾が、床に落ちた料理へ伸びる。
それを見た波浪の声に、新たに呼び出された影の顎が尻尾へ食らいつく。
「喰っていい。」
「あ……。」
伸びた尻尾の一つを、影の顎が呑み込み……その口を閉じると、その存在ごと喰い千切った。
「う、そ……。」
「……だといいんだけどね。」
狐火の火勢を強める木常野。
「うそだ!」
少女の叫びと共に邪神の異形の部分が膨れ上がり、炎を弾き飛ばした。
「もう……あなたたちを、たべるしか……!」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
白木院・雪之助
(アドリブ・連携OK)
ふむ、邪神の妖狐であるか
我と同じ……いや我に邪は付かぬであるから違うであるな
とにかく、これ以上暴れられては妖狐の評判が悪くなるゆえ止めるであるぞ!
【七星七縛符】の札を【投擲】し奴の動きを止めるであるぞ!
【マヒ攻撃】の【呪詛】を込めた札である、しばらく止まっておるがよい!
こうして止めておけば他の物が攻撃しやすいであろうからな
基本的に我は敵から距離を保っておく
遠くから敵の動きを【情報収集】し味方のサポートをしておくぞ
照宮・篝
【神竜】まる(f09171)と
腹を空かせているのに、泣いているのだろうか
泣くほど空腹なのだろうか…
まるは、何かわかるのか?
私は、この妖狐を…どこかで見たような、どこだったか…
悲しい事があった気がするけれど、それも過去の話
食べても満たされないのに、食べ続けるのは
きっときっと、辛いだろうから
照らせ、輝け、【退魔水晶】
活性化した細胞…筋肉を、水晶の輝きで焦がして強化を無効化する
もう悲しまなくていい、私が君を照らそう
光で藻掻き苦しむなら、【遍泉照】を
血の涙を流すその目に、この光は眩しすぎるかもしれない
でも、大丈夫、怖くないよ
もう泣かなくていいよ
まる、まる
彼女の苦しみを、終わらせてあげよう
マレーク・グランシャール
【神竜】篝(f20484)と
この女は俺の無二の友の因縁がある
だがどうしてだろう
あまり憎む気にはなれんのだ
俺も喰うことには執着がある
心の中の満たされぬもの、愛を得ようとすればするだけ飢えるのだ
だからこそ分かる
いくら食べようが何を食べようが満たされることはないと
俺の女神、篝よ、この女を骸へ海へと帰す灯火を掲げよ
その光の眩しさに怯んだところで【金月藤門】で迷彩効果を発揮
【黒華軍靴】でダッシュしたら死角から【碧血竜槍】を敵の「口」をめがけて槍投げし部位破壊
それを初撃として【流星蒼槍】を発動して双頭竜を召喚
自身も【魔槍雷帝】を口の中に突き入れて串刺し
喰らわずにはいられぬのなら、その口を全て奪って見せよう
「ふむ、邪神の妖狐であるか。我と同じ……いや我に邪は付かぬであるから違うであるな。」
懐から霊符を取り出した白木院の呟きが聞こえたのか、少女はその姿を視界に納める。
その口から涎が溢れ……それをぬぐった手を見た少女は、自身に沸き起こる衝動に慄く。
「う、あ……わた、しは……!」
「とにかく、これ以上暴れられては妖狐の評判が悪くなるゆえ、止めるであるぞ!」
その隙を見逃さず、白木院の手から霊符が飛ぶ。
それは少女の体に纏わりつき、身体を縛り上げる。
「あ、う……。」
「そうして大人しくしているがよいぞ。」
「腹を空かせているのに、泣いているのだろうか。泣くほど空腹なのだろうか……。」
血の涙を流しながら空腹を訴える少女、その様を見て呟く照宮。
「まるは、何かわかるのか?」
「……この女は、俺の無二の友の因縁がある。」
「え?」
応えたマレークへ、視線を向ける照宮。
「だが……どうしてだろう。あまり憎む気には、なれんのだ。」
その顔に浮かぶのは、憐憫。
改めて、霊符に絡まれた少女へ向き、
「私は、この妖狐を……どこかで見たような、どこだったか……。」
記憶をたどるが、照宮の中では……
「悲しい事があった気がするけれど、それも過去の話。」
「……そうか。」
マレークの声に含まれているのは、安堵だろうか?
「なら、これも終わらせよう。」
「そうだね。食べても満たされないのに、食べ続けるのは……きっときっと、辛いだろうから。」
「俺も、喰うことには執着がある。心の中の満たされぬもの、愛を得ようとすればするだけ……飢えるのだ。」
碧眼の小竜が傍らに現れ、その姿が碧玉を嵌めた優美な長槍へと変わり、マレークの手に収まる。
「だからこそ分かる。いくら食べようが、何を食べようが……満たされることはない、と。」
「俺の女神、篝よ、この女を骸へ海へと帰す灯火を掲げよ。」
「うん……照らせ、輝け、退魔水晶。」
マレークの言葉に応え、剣の形をした水晶を掲げる照宮。
「うぐ……あああ!」
その水晶の輝きは、悪しき者を焼く光。
少女の目も同様。
「血の涙を流すその目に、この光は眩しすぎるかもしれない。」
「だがそれは、お前を導く光だ。」
「ぐ、ぶ……。」
目を閉じた少女へ一気に近づき、その腹に開いた口へマレークは槍を突き刺す。
少女の意思とは別に動く、尻尾の口が襲い掛かろうとするが、
「それはさせぬよ!」
白木院の霊符がさらに絡み付き、動きを止めさせた。
次の瞬間には、その口を双頭の龍が貫く。
「あ、ああ……。」
少女の口……残された本来の口から洩れるのは、うわ言のような意味をなさない声だけ。
「まる、まる。……彼女の苦しみを、終わらせてあげよう。」
「……そうだな。」
ゾブリと、すでに身動きのとれぬ少女の胸へ吸い込まれていく、マレークの槍。
「う……あ……。」
その槍を抜こうと、腕を上げようとするが、
「……ふふ……もう、たべなくて、いいんだ……ね。」
目を閉じ、安らかな顔で腕を降ろし……少女は黒い塵となって、消えていった。
「やれやれ、終わったのだな。」
「ああ、そうだな。」
霊符を拾い上げた白木院と、槍を戻したマレーク。
「あの子……最後は、泣いてなかったね。」
「うむ。……浄化はかなわぬが、苦しむよりは良かったであろうよ。」
照宮の言葉に白木院が笑顔で答え、
「……そうだね。」
それにつられて、照宮の顔にも安堵の笑みが浮かんだ。
こうして、レストランでの邪神の復活はかなわず、彼ら彼女らは骸の海へと還された。
結果は上々……そう考えながら、グリモアベースへ猟兵達は帰っていく。
だが、今も様々な場所で邪神の召喚が行われ、混沌とした遊園地……。
それもまた、新たな儀式の準備……それを知るのは、また次のお話で。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵