エンパイアウォー㉗~精神力を鍛えよう!
●訓練色々
関ヶ原の戦いを勝利した幕府軍は、太平の世で失われていた、侍の力と自信を徐々に取り戻しつつあった。
「とはいえ、まだ戦は続いているから気は抜けないわ。もし良かったら、徳川軍の兵士たちへみんなで訓練をつけてあげて欲しいの」
掻巻・褥(家庭内女神様・f16422)が、集まった猟兵たちへお願いする。
「勝利の喜びによって士気が上がっている今なら、訓練へも積極的に取り組んでくれるだろうし、より良い成果が見込めると思うのよ」
兵たちが大きな戦いにて得た力と自信を確固たるものにすべく、実り多い訓練をさせてあげて欲しい。
「それで、訓練の内容なのだけれど、猟兵のみんなならではの楽しくて面白いオリジナルな稽古をつけてあげられないかしら。戦闘訓練なら自分たちでもできるだろうし、精神を鍛えるようなのが良いわね」
例えば、いつ敵襲を受けたり進軍命令がかかっても良いように、熱々の炊き出しの鍋や携行食をより早く食べる早食い訓練。
猟兵は兵たちと共に戦場食を食べる側に回っても良いし、料理が得意なら炊き出し係になっても良い。
また、若い男の兵たちが敵軍の女へ誑かされないように、色香たっぷりの誘惑やあからさまなハニートラップに耐えられる精神力作りというのもアリだろう。
この場合、猟兵は誘惑する側に回っても良いし、兵たちと一緒に女性から誘惑されるのへひたすら耐えて耐えてお手本を見せる役目についても構わない。
他にも、兵たちがどんな環境でも戦へ集中できるよう、漫才やコント、漫談などで彼らをひたすら笑わそうとして精神力や腹筋を鍛えてあげるなどなど、エンパイアの兵たちが思いつかないような画期的な訓練は、探せば色々あるはずである。
「幕府軍の兵たちが今よりもっと自信を持てるように、みんな頑張って訓練してあげてね。応援してるわ」
褥はそう説明を締め括って、猟兵たちを彼女なりに激励した。
雨都瑣枝
ご覧くださりありがとうございます、雨都です。
このシナリオは、『戦争シナリオ』です。
1フラグメントで完結し、『エンパイアウォー』の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●リプレイについて
より奇抜で面白い訓練に取り組んでくださったプレイングを優先して執筆いたします。
ですが、『肉体を氷漬けにして極寒に耐えさせる』など一般人には過酷過ぎたり、ただただ暴力的でしかないプレイングは採用できません。悪しからずご了承ください。
上記の場合はせめてリアクションや逃走可能な熱湯風呂に置き換えた方がまだ採用可能かと思われます。
楽しい訓練を期待しております。
(参加人数によっては、全員は描写できない可能性があります。ご容赦くださいませ)。
素敵なプレイング、楽しみにお待ちいたしております。
第1章 冒険
『幕府軍の大特訓』
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POW : 腕立てや腹筋、走り込みなど、基礎体力を向上させる訓練を施します
SPD : 危険を察知する技術や、強敵からの逃走方法などを伝授します
WIZ : 戦場の状況を把握して、自分がやるべきことを見失わない知力を養います
👑11
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隣・人
「ふっふっふ。そういうことなら隣人ちゃんに任せてください。面白可笑しい訓練方法を教えてあげますよ!!! はい。此方です」
戦場ではいついかなる時でも冷静かつ適切な判断が必要です
たとえ自分がふらふらになっていようとも逃走や戦闘には参加できるべきです。ついでに腹が減ったので食料も用意しました
【西瓜割り訓練】
よくある西瓜割りですが一点だけ違うところが
めっちゃ回る事です
それはもう限界近くまで回ります
というか隣人が回します
「回転椅子に乗って目隠しし、木刀持って高速回転ですよ。ほら。ぐでんぐでんになったアナタたちに西瓜が割れますかね。は、は、は――あ。逃げても大丈夫ですよ。三半規管にダメージを与えるのです」
●地獄の西瓜割り
徳川軍陣営。
「ふっふっふ。そういうことなら隣人ちゃんに任せてください。面白可笑しい訓練方法を教えてあげますよ!!!」
隣・人(六六六番外・f13161)は、相変わらず栗毛に近い茶色の髪で両目を隠したまま、自信ありげに笑ってみせた。
「はい。此方です」
そんな隣人が取り出したるは、何の変哲もない木刀。
「戦場ではいついかなる時でも冷静かつ適切な判断が必要です。たとえ自分がふらふらになっていようとも逃走や戦闘には参加できるべきです」
不思議そうな顔で木刀を手にする兵たちへ、理に適った説明をする隣人。
「ついでに腹が減ったので食料も用意しました」
そして、次に隣人の持ってきたのが大きな西瓜であった為、兵たちは潔く悟った。
「もしかして、西瓜割りをするのか?」
なるほど目隠しして行う西瓜割りならば、平衡感覚や情報伝達能力が鍛えられよう、と納得する。
「よくある西瓜割りですが一点だけ違うところがあります」
楽しそうな訓練に期待を寄せる兵たちへ、隣人は容赦なく補足する。
「——めっちゃ回る事です。それはもう限界近くまで回ります」
そう。彼女がこんな普通のほのぼのした訓練方法を選ぶ筈などなかった。
「えっ……?」
「回転椅子に乗って目隠しし、木刀持って高速回転ですよ」
「!!?」
嬉々として隣人が地面へ設置するのは、回転椅子。
事務用、医療機関向け、座り心地にこだわったダイニングチェアと種類は様々だが、横回転できる共通点だけはハズしていない。
そんな訳で、隣人は西瓜割り参加者を次から次へと回転椅子に乗せ、全速力で回してから彼らを野に解き放った。
「うわっ、気持ち悪ッ!」
「方向全然わからん!」
「というか吐きそう……」
ただでさえ目隠ししている分、西瓜の位置などわかりもしない上に、過剰な回転のせいで侍たちはあっちへふらふらこっちへふらふら。
「西瓜は右斜め後ろに……ぎゃーこっち来んな!!?」
「西瓜を食べるの楽しみにしてんだから、頼むから西瓜の上には吐くなよ!!」
アドバイスする側も、三半規管ぶっ壊れた侍らがいつ自分たちの方へ棒を振り下ろすか知れないために戦々恐々としている。
「ほら。ぐでんぐでんになったアナタたちに西瓜が割れますかね。は、は、は」
すっかり阿鼻叫喚と化した西瓜割り訓練の様子を眺めて、隣人は楽しそうに高笑いをするのだった。
大成功
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二天堂・たま
さて…信長軍との戦いも佳境にさしかかるところだ。
味方は一人でも多く、味方の質は紙1枚分でも高くしておきたいところだ。
ワタシはUC:神仙の料理術でひたすら料理して炊き出しを担当しよう。
激しい訓練で披露しても、舌と身体に美味しい料理を食べればやる気を鼓舞できるはず。
猟兵が食べれば、訓練の効率を高める一助となるだろう。
シャルロット・クリスティア
なるほどなるほど。
いざという時ちゃんと動けるように……というのは大事ですからね。では一つ、手を貸すとしましょうか。
とりあえず兵の皆さんには普段通り過ごしてもらうとして。
私は目立たないよう身を隠し……そうですね。食事中とか訓練中とか、そこそこ人が集まっている場所目掛けて、狙撃を敢行します。
あぁ、スポンジ弾なので当たるとちょっと痛い、程度の物です。安全ですよ。
皆さんには、隠れるなり攻撃方向の確認なり、正確な情報伝達なり……まぁ、要するに『突然のアクシデントに慌てず対応できる能力』を養ってもらいます。
普段から気を抜くな、とは言いませんけどね。
気を抜いてる状態から即座に思考を切り替える事。大事ですよ。
●
「なるほどなるほど。いざという時ちゃんと動けるように……というのは大事ですからね」
シャルロット・クリスティア(彷徨える弾の行方・f00330)は、兵たちの精神鍛錬の必要性へ深く肯きつつ、自分にどんな手助けができるか考えていた。
「では一つ、手を貸すとしましょうか」
早速見つけた急拵えの寝所の陰に潜むと、割り箸鉄砲を構えて、兵たちが密集している場所を探すシャルロット。
念を入れて隠れ身の外套で透明になっておくことも忘れない。
(「丁度食事中のようですね……いざ!」)
そして、ワイルドローズを深く被り直すと、ハンティングボウの弓弦をギリギリと引き絞って、兵たちの集団目掛けて第1射を放った。
まごう事なき狙撃であるが、流石に射かけ他のは本物の矢でなくスポンジ弾。
本人曰く、
「当たるとちょっと痛い、程度の物です。安全ですよ」
らしい。
一方。
「さて……信長軍との戦いもいよいよ佳境にさしかかったところだ」
二天堂・たま(神速の料理人・f14723)は、にゃんと便利なポシェットから調理の七つ道具を取り出して、備蓄食糧の下拵えから始めた。
「味方は1人でも多く、味方の質は紙1枚分でも高くしておきたいゆえな。ワタシは炊き出しを担当しよう」
干した野菜を戻したり味噌漬けされた魚を丁寧に捌いたり、神仙の料理術で普段の10倍に近い実力を出したたまの手つきは水際立っている。
(「激しい訓練で披露しても、舌と身体に美味しい料理を食べればやる気を鼓舞できるはず」)
たまの経験に裏打ちされた信念は、兵たちへ美味しい料理を食べさせたいという純粋な愛情との相乗効果を発揮。
たとえ大量の炊き出しであっても煮炊きものの完成度を高め、とても戦場食とは思えないぐらい味の良い魚のアラ汁を作り上げた。
「うっま! 何これ!?」
「味噌のしょっぱさと野菜の甘みの塩梅が絶妙で、魚も塩加減が最高で」
「こんなに旨い汁もの初めて食べた……」
「おかわり!」
兵たちは、ひと口食べるや訓練の疲労など忘れたかの如くアラ汁の旨さへ夢中になって、競うように食べている。
(「猟兵が食べれば、訓練の効率を高める一助となるだろう」)
たまも、皆が美味しそうにアラ汁を食べて英気を養っているのを眺めて満足そうだ。
その時である。
スコーーン!
「てっ?!」
シャルロットの放ったスポンジ弾が、兵の1人の後頭部に命中。
「敵襲か!?」
場は騒然となった。
「普段から気を抜くな、とは言いませんけどね」
第2射、3射と狙撃を続けながらシャルロットは呟く。
「気を抜いてる状態から即座に思考を切り替える事。大事ですよ」
実際、兵たちは必死に状況把握へ努めていて、シャルロットの目論見である『突然のアクシデントに慌てず対応できる能力』も自ずと鍛えられそうだ。
「早く物陰に隠れろ!」
「おい、弾は偽物だ。多分これも訓練だ!」
「仮装敵が撃ってきた方向は南東……より東寄りか」
右往左往しながらもスポンジ弾を防ぐべく粗末な塀を急造する兵たちを眺めて、これならどんなアクシデントにも対応できるだろうと、たまは安堵してアラ汁を啜った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(アドリブ可)
「みんな、魔空安土城に行きたいよねー」
○×クイズで知力と危機察知能力を鍛えるよ!
【行動】
「第1問の正解は×だよ!なんで○選ぶのさー」(プンプン)
○を選んだ人はドボンだー! スイッチ押して熱湯プールに落とすんだ
(注:プールの外に氷があります)
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「第2問はボクからだよー」
将軍様御局「福」様の絵姿パネルを取り出して
「おっぱいは正義である。○か×か」
今度は不正解だと泥んこプールだよ。
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「今の問題、私怨が入っているよね。絶対」
勝ち残った人の中から1名に金一封とフィオ姉ちゃんの下着をプレゼント!
それー! 力溜めからの投擲で遠くへ投げて追いかけっこだよ
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(アドリブ/連携可)
「みんな、魔空安土城に行きたいわよね」
クイズで知力と危機察知能力を、罰ゲームで生存能力を鍛える訓練ね。
司会進行は私と弟のフォルセティで行うわ。
■行動
「第1問、司会進行の私達は姉妹である。○か×か」
○だと思う人は右のエリアに、×だと思う人は左に移動してね
ちなみに下は熱湯プールよ。不正解だと床が抜けるから
どんな過酷な戦場でも生き延びないとね
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「第2問で○を選んだ人、死んでね(にっこり)」
胸にコンプレックスあるので、容赦なく泥プールに叩き落して
上から盥を落としまくる
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「え、ちょっと。いつの間に私の下着持っているの!」
ちょっと待ちなさい!
●エンパイア横断イェーガークイズ
続いて。
「みんな、魔空安土城に行きたいわよね」
「みんな、魔空安土城に行きたいよねー」
「おぉ~っ!!」
華奢な拳を突き上げてどこかで聞いたような号令をかけるのは、フィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)と、フォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)。
「司会進行はフィオ姉ちゃんとボクで行うよ」
「それじゃ、今からクイズに答えてもらって知力と危機察知能力を鍛える訓練を行うわ。外れたら罰ゲームもあるから、生存能力も鍛えられるわよ」
生存能力、という物騒ながら戦では不可欠な単語に、気を引き締める兵たち。
「第1問、司会進行の私達は姉妹である。○か×か」
だが、フィオリナが笑顔で問題文を読み上げた途端、全員揃ってズッコけた。
「何じゃあそりゃあ!!?」
「知力どこいったよ!」
思わず侍たちが口々にツッコミを入れる。
とはいえ、実際はしっかり危機察知能力が鍛えられるし、2人の性別を判断するには今までの経験則と知識——即ち知力がちゃんと必要になってくる。
「○だと思う人は右のエリアに、×だと思う人は左に移動してね」
フィオリナの指示に従ってそれぞれのエリアへ移動する兵たち。
「ちなみに下は熱湯プールよ。不正解だと床が抜けるから。どんな過酷な戦場でも生き延びないとね」
一見穏やかで可愛らしいフィオリナが、どことなくサディスティックにも見える笑みを浮かべてのたまう。
兵たちは、フィオリナとフォルセティへ遠慮ない視線を向けて眺め眇めた結果、○へ7割、×へ3割が移動した。
これがUDCアースやヒーローズアースなら、
『こんな可愛い子が女の子のはずがない』
なんて謎の判断基準をぶちあげて、もっと違った割合になっていたかもしれない。
「第1問の正解は×だよ! なんで○選ぶのさー」
フォルセティはプンプン怒りながらスイッチを押して、不正解者を熱湯プールへドボンと落っことす。
確かにおかっぱ髪や三角帽、ストライプのかぼちゃパンツが細面によく似合っているとはいえ、特に女装をしているわけではない為、フォルセティが怒るのも仕方ないかもしれない。
「ぎゃー!」
「熱っちぃ!!」
○エリアの床が抜けて、熱湯の洗礼に慌てふためく兵たち。
ちなみに、プールの奥へちゃんと氷水エリアも用意されていた。
「第2問はボクからだよー」
気を取り直してフォルセティが取り出したるは、将軍様御局斎藤・福の絵姿を貼りつけたパネル。
「春画だ」
「あぶな絵だ」
提示された福の絵は普通の浮世絵なのだが、兵たちは何を勘違いしたのか楽しそうに囁き合っている。
「おっぱいは正義である。○か×か。今度は不正解だと泥んこプールだよ」
既に元の人数の3割まで減っているせいか、更に比率が偏って○へ9割の兵が移動した。
「……」
当然というべきか、元々こんな問題を出しておいて理不尽というべきか、ともかく胸にコンプレックスのあるフィオリナは大激怒。
「第2問で○を選んだ人、死んでね」
「ギャーー!!?」
どぼーー……ん!
突き抜けた怒りの反動でにっこり微笑みながら、○を選んだ者たちを容赦なく泥プールに叩き落とし、しまいには上から盥を落としまくった。
「ちょ、痛い痛い!」
「酷ぇ問題だな!?」
「上様のお為に働いてんのにお側仕えの御局様を悪く言える訳ねぇだろ!」
泥まみれになりながら盥の雨にも苦しめられる兵たち。
「今の問題、私怨が入っているよね。絶対」
フォルセティは引きつった笑顔で呟くも、
「勝ち残った人の中から1名様に金一封とフィオ姉ちゃんの下着をプレゼント!」
×陣営へ向かって、いつのまにくすねたのかフィオリナのおぱんつを力一杯投擲。
「おぉ~っ!」
「え、ちょっと。いつの間に私の下着持っているの! ちょっと待ちなさい!」
数少ない勝ち残りの兵たちが喝采を送る中、フィオリナに追いかけ回されていた。
大成功
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三上・チモシー
アドリブ歓迎
訓練内容:もし、かわいい敵が現れても、心を鬼にして戦えるように特訓するよ!
兵士さんたちには木の棒などを装備させて、【猫行進曲】を使用
39匹のるーさんたちを放流
いまから、このるーさんたちが自由行動するから、その棒でぽこってしてね!
なでたり、一緒に遊んじゃダメだよ
一発でも当てられたら合格ね
大丈夫、るーさんはこれくらいじゃケガしないから!
るーさんたちはその辺で遊んだり、昼寝したり、じゃれついたり
猫パンチもするよ!
クリアできたら、るーさんもふもふしていいよ
がんばれー♪
●欲望と向き合う訓練
さて。
地獄の回転椅子、スポンジ弾奇襲に○×クイズと色々な訓練をこなしてきた兵たちを次に待ち受けていたのは、底知れぬ深さの懊悩であった。
「いまから、このるーさんたちが自由行動するから、この棒でぽこってしてね!」
三上・チモシー(カラフル鉄瓶・f07057)が口では簡単に言ってのけて、灰色の猫『るーさん』を39匹召喚。
(「もし、かわいい敵が現れても、心を鬼にして戦えるようになって欲しいからね!」)
そう願うチモシー自身も心を鬼にして、兵たちへ木の棒を配ってから、一斉にるーさんを野に放った。
「えぇっ……」
猫を棒でシバく訓練と聞いて、困惑する兵たち。
「一発でも当てられたら合格ね。大丈夫、るーさんはこれくらいじゃケガしないから!」
彼らを安心させるようにチモシーは補足してから、さらなる条件を提示する。
「ただし、なでたり、一緒に遊んじゃダメだよ。ノルマをクリアできたら、るーさんもふもふしていいからね。がんばれー♪」
「うぅぅ……」
棒でぽこって叩けば、晴れてるーさんを撫でたり抱っこしたり存分に可愛がれる。
しかし、猫を愛でたい欲の為にるーさんへ痛い思いをさせるなど、到底できない。
「みゃーぉ」
「ゴロロロロロ……!」
兵たちが深く苦悩するのをよそに、るーさんたちはその辺で遊んだり、気ままに昼寝したりしている。
人懐こい個体は、兵たちへも物怖じせずじゃれついたりしてくるから可愛らしい。
「くっ……俺は、強くなる為なら、戦で生き残るためなら、あの可愛いるーさんを叩く!」
「お……俺もだ!」
「るーさんには悪いが、これも戦に勝って上様の幕府をお守りするためだ!」
結局、兵たちはるーさんをもふりたい欲に耐えかねて、表向きの理由——もとい戦に勝ちたいという本願を免罪符に、泣く泣くるーさんたちをぽこぽこ叩いたのだった。
「あぁぁ、るーさんごめんね、痛かったねー、よしよしよしよし」
「おーし、いいこいいこ、お前は人懐っこい奴だなぁ!」
「あぁ、この手触り、癒される……」
「この膝にかかる重み、久しぶりだわ。田舎の猫、元気かな……」
そして、しばらくの間、兵たちがるーさんに癒されるリラックスタイムから抜け出せなかったのは言うまでもない。
大成功
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