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エンパイアウォー㉚~炎の代価

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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 ――安芸は宮島。
 不動の弥山が山頂には、消えずの霊火が在るという。
 昼夜を問わず永きに渡り燃え続けるその霊火は、人々の命を守り安寧を築いてきた。
 しかしそれも魔軍将の手にかかれば、人々の命を絶やすオブリビオンへ力を与える術へと変わる。
 ひとつ、ふたつ、みっつ。
 霊火の力を借り、続々と召喚されるオビリビオンの影が御堂の周囲を埋め尽くしてゆく。
 こうして骸の海より現れる渡来の使者達は、群れを成し魔空安土城へ向かってゆくのだ――。


「大変! こるてすさん、骸の海から渡来人を呼び寄せるための財宝を隠し持ってたみたいなの!」
 慌てた様子で猟兵達に呼びかけるのは、葵絲・ふるる(フェアリーのシンフォニア・f02234)。
 珍しく一人で、猟兵に声をかけながらあちこちを飛び回っている。
 コルテスが所有していた財宝は、無尽蔵に戦力を補充し続けるオブリビオンのための秘宝。
 霊火の力を借りることで、一定時間ごとに渡来人を続々と召喚し続けるという。
 自分は一切手をかけずに戦力を補充し続けるという、コルテスらしい仕掛けだ。
「こるてすさんは幾つかこういう財宝を持っていて、あちこちに置いてきたみたいだよ。きっと侵略した文明から略奪した『血塗れの財宝』……なんだろうね」
 弥山の霊火にくべられた財宝は、今なお新たな渡来人を呼び出し続け、信長軍の戦力を増やしている。
「この『血塗れの財宝』を壊しちゃえば、魔空安土城の信長軍の戦力を減少させる事ができるはずだよ!」
 召喚されたオブリビオン達は、ある程度数が集まってから魔空安土城に向けて移動していくようだ。
 財宝の周囲には、常に十から二十体程度のオブリビオンが、財宝を守る為に配備されている。
「召喚されたおびりびおんが二十体になったら、そのうちの十体が魔空安土城に向けて移動してるみたい。
 攻撃を仕掛けるタイミング次第で戦況が変化すると思うから、最初に攻撃をするときはよく考えてみてね」
 ふるるはそう言うと、ぎゅっと両手を握った。
「それじゃあ気を付けて、いってらっしゃい!」
 捧げるように開かれた両掌から、グリモアの淡い光が溢れ出す――。


珠樹聖
 こんにちは、珠樹聖(たまき・ひじり)です。
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 攻略成功すると、魔空安土城の一部の戦場の制圧に必要な成功数が減少します。

●補足
 最初にリプレイに登場するキャラクターが『敵が何体の時に攻撃を仕掛けるか』を決める事が出来ます。
 敵の数によって戦闘の難易度が変わるため、最初のプレイングが重要となります。
 敵の数を減らせば、戦闘は有利になります。
 敵の数を多くすれば、その分敵の戦力を削る事になります。

 基本、最初に頂いたプレイングで指定された個体数を採用しますが、記載されていなかった場合次のプレイングで指定されている個体数を採用致します。

●財宝について
 火にくべられています。手のひらに乗る程度の濃い金色の宝玉です。
 ゆっくりではありますが、戦闘中も敵が召喚されます。
 戦闘中に破壊行動に出ることが可能です。敵は財宝の守備のためにいますので、相応の危険が予想されます。
 戦闘中に破壊に成功する猟兵がいなければ、戦闘後に破壊されます(プレイング不要)。

●注意事項
 お友達と合わせての描写をご希望の方、互いに【お相手様の呼称とキャラクターID】、或いは【チーム名】をご記載ください。
 プレイングの自動キャンセル期限は『三日』となっております。極力タイミングを合わせてご参加ください。

 以上、皆様のご武運をお祈りいたします。
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第1章 集団戦 『万能従者型・渡来の天使』

POW   :    天使の一撃
単純で重い【天使の斧】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    くるくる回る天使の輪
自身が装備する【天使の車輪】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    兄弟の危機を見過ごせない!
自身が戦闘で瀕死になると【新たな別の渡来の天使】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。

イラスト:つばき

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


※お知らせ※
‪敵の数は【20体】に決定しました。‬
セラフィール・キュベルト
御使いの姿を取りつつも、為すは破滅と悲劇。
…そのようなことは、止めねばなりません。
此の地の人々の為にも、彼の方々の為にも。

最大の20体が居る時を狙い襲撃します。
聖輝光輪・心恨浄化に【祈り】を加え、彼らの敵意・憎悪の鎮静を試みつつ、ご自身の本分を思い出すよう説得を。可能ならばそのまま骸の海へ還って頂けるように。
「人々を守り導くことこそ、皆様の務めのはず…どうか思い出して、皆様の在るべき処へお戻りください」

お還り頂けずとも、他の猟兵の皆様の戦いの援護となればと。
説得が通じないならば、私もangelus luxisによる【範囲攻撃】【マヒ攻撃】を軸とした魔術攻撃を行います。


桑原・こがね
敵を減らせば良いのね!
片っ端からやっつけてやるわ!
まとめて相手してあげるから、あたしを見ろォ!
いつもどおり、剣を掲げて前口上!

害がないなら逃しもするが
いずれは敵となるさだめ
天の使いを名乗ろうと
叩いて潰すが我らの役目
信長軍へ馳せたいならば
あたしの剣を超えていけ!

決まった。
決まったわ。

挨拶はこのぐらいにして、どんどんやっつけちゃいましょう。
基本は先制攻撃!
飛びかかって切り捨てて次々!
刀で切りかかり、時には武器を奪って投げつけ、時には銀雷を浴びせて全部倒してあげるわ!


祇条・結月
コルテス……直接戦わなかったけど、性格悪いよね
面倒な仕掛けまで残していって
……うん、ちょっと腹に据えかねてるのかも

従者の中にあえて突っ込んでいく
その人数じゃ、いくら念動で操作できるって言っても完全にとは言えないでしょ
【敵を盾にする】ように移動して天使の車輪で一度に狙い撃ちされるのを防いで、【スナイパー】【投擲】で苦無で反撃していく
完全にさばききれるとは思ってないよ。ダメージ【覚悟】で傷を受けても【激痛耐性】で動きを鈍らせずに動いて

……包囲されてるって風に見せかけて隙を突いて≪鍵ノ悪魔≫を降ろす
敵の攻撃や天使を透過して躱して宝玉を破壊しに行く
渾身の力で【鎧無視攻撃】で粉砕するよ



 弥山頂上付近。
 次々と召喚され数を増やしてゆく渡来の天使達の姿を、セラフィール・キュベルト(癒し願う聖女・f00816)はじっと見守っていた。
 セラフィールが定めた瞬間は、敵の数が二十体に達した時。魔空安土城へと増援へ向かうその数を、少しでも減らすのが狙いだ。
 ――それも戦闘ではなく、できれば別の方法で。
「御使いの姿を取りつつも、為すは破滅と悲劇。
 ……そのようなことは、止めねばなりません。
 此の地の人々の為にも、彼の方々の為にも」
 火にくべられた金色の宝玉が、淡い輝きを放ちまた一体の天使を呼び出した。
 ――これでニ十体目。天使たちは柔らかな笑みを浮かべ、うなずき合う。
 移動を開始せんとしたその瞬間、セラフィールは光の精霊を携え天使たちの前に進み出た。
『敵襲だ!』
『コルテス様の宝玉を守るんだ!』
 何体かの渡来の天使が斧を手に向かい来る最中、セラフィールはまっすぐに彼らを見据えたまま、両手を祈るように組んだ。
「どうか恐れないで、どうか怯えないで。私の光を、私の声を。
 荒ぶる刃を、今はお収めください」
 セラフィールの頭上に光の輪が浮かび上がる。
 淡く優しい光が辺りを優しく包み込み、天使達の心を宥めんとする。
「人々を守り導くことこそ、皆様の務めのはず……どうか思い出して、皆様の在るべき処へお戻りください」
 天使とは人々を害すために存在するのではない。
 自身の本分を思い出すよう、セラフィールは心を込めて祈り願うが――。
『僕達の在るべき場所はコルテス様の示す先、信長様の元!』
『邪魔者には消えてもらう!』
「私の祈りは届きませんか……仕方がありません」
 傍らに佇んでいた光の精霊が、祈りに応えるように杖へと姿を変える。

「こいつらの数を減らせば良いのね!
 片っ端からやっつけてやるわ!」
 堂々敵の前へ姿を現した桑原・こがね(銀雷・f03679)の、雷鳴団長服の真っ白な裾が翻った。
「まとめて相手してあげるから、あたしを見ろォ!」
 天を刺さんばかりに強く、鋭く、剣を振り上げる。
 その姿に天使たちの視線が一気に集中した。
「害がないなら逃しもするが、いずれは敵となるさだめ。
 天の使いを名乗ろうと、叩いて潰すが我らの役目。
 信長軍へ馳せたいならば、あたしの剣を超えていけ!」
 轟雷によってこがねの身体能力が大幅に強化される。
 一瞬の静寂が戦場を包み込んだ。天使たちと猟兵達の視線を一身に浴びながら、こがねは思わず口元を緩ませる。

 ――決まった。決まったわ。

 ふふっと勝ち誇った笑みを浮かべていたこがねだったが、天使たちが動き出す姿を認めた瞬間、即座に向かい来る敵目掛け一直線に突っ込んでいった。
 強化された体から放たれる強烈な一撃が、斧を振り上げた天使の一体を鮮やかに斬り裂く。
「挨拶はこのぐらいにして、どんどんやっつけちゃいましょう」
 剣を構え直し、こがねは斧を手に襲い来る天使達へと向かっていく。
 真横から振り下ろされた斧の一撃が、地響きを起こし地面を抉る。
「あっぶないわね!」
『今だ、行け!』
『抉っちゃえ~!』
 飛び躱したこがねの元へ天使が集中し、次々斧の一撃を叩き込まんとする。
「援護します!」
 セラフィールの放った魔法が一瞬敵の動きを阻害し、こがねは逃れるように跳躍し剣を振り上げる。
「ありがと、助かったわ!
 ――お返しよ、全部倒してあげるわ! 轟けェ!」
 迸り降り注ぐ銀雷が天使達を穿つ。
 ある天使は光と消え、ある天使は震えながら新たなる渡来の天使を呼び寄せる。

 大暴れするこがねの姿を視界の端に捉えながら、祇条・結月(キーメイカー・f02067)もまた敢えて群れる天使たちの只中へ飛び込んでいった。
「コルテス……直接戦わなかったけど、性格悪いよね。
 面倒な仕掛けまで残していって……うん、ちょっと腹に据えかねてるのかも」
『そこにもいるぞ!』
『みんなで協力して倒すんだ!』
 車輪が数多浮かび上がるその最中を、結月は天使の合間を縫うように進んでいく。
 数が多いことを幸いに、次々襲い来る車輪の一撃を敵自体を盾にして凌ぐ。
「その人数じゃ、いくら念動で操作できるって言っても完全にとは言えないでしょ」
 天使一人で何十という車輪を作り出されてしまえば、本来は躱すことさえ困難だろう。
 しかしその読み通り、あちこちにいる天使達が細かに移動を繰り返す結月の盾となり、幾百と飛び交う車輪の幾つかもまた互いの動きを読み切れずにぶつかり合っている。
 ――敵の只中へ飛び込んだことが、確実に功を奏していた。
「でも、さすがに数が多いな……」
 背後より迫る車輪の影に、素早く地面を蹴り付ける。
 盾を失った途端、その姿を視認した天使の車輪が無尽に襲い来る。
 激痛を堪えながら敵の影から飛び出した結月は、素早く苦無を投げつけまた敵の影へ飛び込んだ。
 そうして的確に狙い打ち、結月は敵を撹乱していった。
 ――しかし。
『そこにいるよ!』
『逃げられないように囲んでしまえ!』
 天使達もまた退路を断つように動き、次第に結月を追い詰めていく。
「ここまでかな……」
 苦無で応戦しながらも、追い込まれた結月は行き場を失ってしまった。
 狙いを定めた天使の車輪は勢いを増し、ぐるぐると高速で回転しながら一直線に襲いかかってくる。
 その刹那――。
「……僕を、見るな」
 がちゃりと、鍵をかける音が響く。
 身に降ろされた鍵ノ悪魔が、結月の身を境界の向こうへ封じたのだ。
「くっ……」
 強力な技であるがゆえに、その身を強烈な毒が蝕み始める。
 次々襲い来る車輪の一撃が、体をすり抜けてゆく。結月はよろめきながらも、消えずの霊火へと近づいていった。
 天使達が護る宝玉は、炎の赤を取り込みながら滲むような金の光を放っている。
「これさえ、壊してしまえば――」
 指先でくるりと回転させ、刃を下へ――結月が苦無をきつく握り締める。
 渾身の力を込め叩き込んだ苦無の先端が、宝玉にびしりと亀裂を走らせた。
『ああっ、宝玉が!』
『や、やめて……!』
 天使たちの悲痛な叫び声が響く。
 粉々に砕け散った金色の宝玉は、消えずの霊火に捲かれ光の粒となり消えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

真宮・響
【真宮家】で参加。5体撃破を狙う。

とことんコルテスの企みを阻止してきた身としては残らずこの国からコルテスの影響は消し飛ばしたいねえ。奏、瞬、目標は5体だ。いいね!!

流石に攻撃の直撃は避けたい。【忍び足】【目立たない】で敵の視線から逃れつつ、【残像】も使いながら敵の群れの背後に回り込み、【先制攻撃】【二回攻撃】【串刺し】【範囲攻撃】に竜牙を併せて攻撃。さあ、コルテスに属するものは全て排除するよ!!この国から失せな!!


真宮・奏
【真宮家】で参加。5体の撃破を狙う。

隠し財宝ですか。また隠してた物があったんですねコルテス。結果としてコルテスの企みに全部関わったものとして最後までコルテスの野望は阻止しましょう。5体撃破ですか。頑張ります!!

トリニティ・エンハンスで防御力を高めてから、【オーラ防御】【武器受け】【盾受け】【拠点防御】で防御態勢を整えてから瞬兄さんの援護を受けながら背後に回る響母さんとの挟撃を狙い、正面から切り込んでいきます。接近したら斧の一撃を耐え、【属性攻撃】で氷を纏わせ、【二回攻撃】【範囲攻撃】で攻撃します。コルテスの野望もここまでです!!


神城・瞬
【真宮家】で参加。5体撃破を狙う。

また隠し玉を持ってましてたかコルテス。家族でコルテスの企みに関わった者としてはこの国からコルテスの悪事は根こそぎ排除したいところ。5体撃破ですか。頑張ります。

5体撃破ですから、最初から全力でいきます。【高速詠唱】【全力魔法】【二回攻撃】で氷晶の矢を撃ちます。【範囲攻撃】も併せて、【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】も乗せます。サムライエンパイアに貴方達の存在は不要です。主人ごと骸の海に還りなさい!!



「隠し財宝ですか。コルテスにはまだ隠してた物があったんですね」
 弥山の山頂まで登りつめた真宮・奏(絢爛の星・f03210)は、消えずの霊火があると思しき場所に集う、渡来の天使達を密かに物陰から観察していた。
 その傍に控える神城・瞬(清光の月・f06558)もまた、奏の言葉に賛同するように小さく頷いて返す。
「家族でコルテスの企みに関わった者としては、この国からコルテスの悪事は根こそぎ排除したいところですね」
「ええ、結果としてコルテスの企みには全て関わってきましたから……野望は全て阻止してしまいましょう」
「当然だね。
 コルテスの企てた悪だくみ全て、アタシたちの手でこの国から残らず消し飛ばしてやる」
 真宮・響(赫灼の炎・f00434)が力強く言い放ち、瞬と奏の二人へ視線を送る。
「奏、瞬、目標は五体だ。いいね!」
「はい!」
「頑張ります」
 トリニティ・エンハンスで防御力を高めた奏は、エレメンタル・シールドを構えて完全な防御態勢を整えると、先陣を切り敵の正面から突っ込んでいく。
 攻め込んでくる奏に気付いた渡来の天使たちが、すぐさま斧を手に続々と向かってくる。
「最初から全力で行かせてもらいます。
 ……さて、あなた達にこれが見切れますか?」
 天使たちの動向を確りと捉えながら、瞬は素早く魔法を形成していく。
「サムライエンパイアに貴方達の存在は不要です。主人ごと骸の海に還りなさい!!」
 重ねるように数多降り注ぐ瞬の氷晶の矢に、体力を削られた天使が新たな渡来の天使を呼び寄せた。
『本当、さっきから邪魔な奴らだなあ……』
『向こうにもいるよ、早く片付けよう!』
 振り下ろされた斧の一撃が、正面から盾で受け止めた奏の足元をずんと歪ませる。
 重々しい斧の攻撃が、二つ、三つと続けざまに振り下ろされれば、奏の顔に苦悶の色が浮かんだ。
 目立たぬよう気配を殺して移動した響は、奏へ攻撃を仕掛ける渡来の天使たちの背後へと密かに回り込む。
 斧を振り下ろした敵の背後に響の姿を見て取り、奏の顔にほのかな安堵の表情が浮かんだ。
「この一撃は竜の牙の如く!! 喰らいな!!」
「コルテスの野望もここまでです!!」
 親子が挟み重ねるよう放った強力な一撃が、ひと固まりとなっていた渡来の天使達を撃つ。
「やりました! 目標はあと二体ですね」
「この調子で行きましょう」
「さあ、コルテスに属するものは全て排除するよ!
 天使だか何だか知らないが、あの男に関わる者は全員この国から失せな!!」
 勢い付いた響が、奏と瞬を鼓舞するように剣を振り上げる。燃え盛る炎のように真っ赤な外衣が、山風を受けて大きく翻った。
 響の言葉に応じるようにこくりと頷いた瞬が、氷のように透き通る美しい六花の杖を翳し、再び高速で詠唱を始める。
 奏はブレイズセイバーの柄をぐっと握り直すと、瞬の動きに合わせるように再び堂々真正面から渡来の天使たちの元へと攻め込んでいった――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

アース・ゼノビア
【愉】

安土へ向かう敵は追わず
増援の阻止と財宝の破壊を優先する

天の使いを名乗るものが如何な義を語ってみせるか
言葉が通じるなら……いや、やっぱりいい
通じないからこうして戦ってるんだった。


アンロックを神樹の槍に変じて命中率を強化
敵数が多いうちは空戦を挑まず
自分も味方も挟撃されないよう声を掛け、庇い立ち回りながら
オーラ防御で硬化し、前衛として応戦
重い一撃を予測したら
先制攻撃カウンターで氷属性の薙ぎ払い衝撃波を仕掛ける

心通じなくても、仲間の危機を見逃せないのは同じか…
皮肉だな

霊火はこの山のもの、消してはならない大事なものだろう
破壊の機を得ても神樹の槍を突き入れはせず
御堂を傷めないよう火から離し、破壊する


重松・八雲
【愉】
天使、の皮を被った魔の手か
また厄介な置土産を残してくれたもんだのう
過去の残滓に、これ以上血塗れの未来等生ませぬとも!

即UCで強化
オーラ防御と激痛耐性も重ね耐久補強
飛翔は地形破壊で足場悪化時や緊急回避時に利用

財宝周辺敵に専念
仲間と死角助け合い、突出や孤立等せぬよう注意し連携
動作から癖や隙を観察
致命受けぬよう見切り図る

衰弱(特に増援召喚しそうな敵)>手近から確実に排除
敵が群がる時は金剛で怪力乗せた気絶攻撃放ちつつ吹き飛ばし、陣形や足並を乱す
得物や複製が厄介な時は嶮浪で武器受け防御、から怪力カウンターで押返して武器落としに繋ぐ

人々を守る筈の霊火を穢し悪用する等言語道断
安寧を取り戻してみせよう!



「天の使いを名乗るものが如何な義を語ってみせるか。
 言葉が通じるのなら……」
 ――否。通じないからこそこうして戦っているのだと、口にしかけた言葉を止めてアース・ゼノビア(蒼翼の楯・f14634)は軽く首を横に振る。
「天使の皮を被った魔の手とは、また厄介な置土産を残してくれたもんじゃのう」
 氷の如き蒼の魔核から成る宝剣を抜き放つアースの傍らで、重松・八雲(児爺・f14006)もまた手にした金剛をじゃらりと鳴らし握り締めた。
 アースと八雲は二人並び立ち、疎らとなりながらも敵意を放ち向かい来る渡来の天使達を見据える。
「過去の残滓に、これ以上血塗れの未来等生ませぬとも!
 ……刮目せよ!」
 覚悟、勇気、そして気合――八雲自身の気質を現すかの如き、堅固たる守護のオーラが全身を覆う。
 その瞬間、固く結ばれた衝天の力を纏い八雲自身が揺るがぬ金剛と化した。
「遠き祖国、凍てる神樹、白の座の護り手よ。その戒めを借り受ける」
 アースの手にしたアンロックが、祈るように紡がれた言葉と共に神樹の槍へと変貌を遂げる。
 荘厳たる魔槍に凍てつく氷を纏わせる。素早くひと薙ぎしてやれば、大ぶりな斧を振り上げ向かい来る天使たちが煽られたように体を傾がせる。
 渡来の天使の動きを具に捉えた八雲もまた、ふらつきながらも穿たれた斧の攻撃を飛翔し素早く躱してみせる。
 大胆な回避は、続けざまに襲う敵の苛烈な攻撃を見事に回避した。
「人々を守る筈の霊火を穢し悪用する等言語道断。
 安寧を取り戻してみせよう!」
 天使の斧により大きくへこんだ山肌を見下ろした八雲は、アースの元へ向かう群れの中央へと金剛を鞭の如く撓らせ突っ込んでいった。
 強烈な攻撃に天使が羽根を散らし吹き飛ばされる。
「心通じなくとも、仲間の危機を見逃せないのは同じか……皮肉だな」
 乱れ飛ぶ真っ白な羽根の中を、狙い澄ましたように神樹の槍がまっすぐに貫いた。
 仲間を失い怒りを露わにする天使達に、追い打ちをかけるように八雲が拳を振るう。

 戦いの果て、霊火にくべられた血まみれの財宝より放たれていた禍々しき気配は失せ、御堂から一人の猟兵が姿を現す。
 こうして侵略渡来人コルテスの遺した野望の種火は潰えたのだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月24日


挿絵イラスト